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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145529
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】内燃機関とその運転方法
(51)【国際特許分類】
   F02B 53/00 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
F02B53/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057922
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】508266421
【氏名又は名称】大和田 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(72)【発明者】
【氏名】大和田 茂
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来のレシプロエンジンとは異なる方式の構成部品数の少ない内燃機関を提供する。
【解決手段】表蓋隔壁盤1、吸気・圧縮変形回転体型抜き隔壁である吸気・圧縮用隔壁盤2、圧縮・爆発空間隔壁盤3、爆発・膨張変形回転体型抜き隔壁である膨張・排気用隔壁盤4、裏蓋隔壁盤5の5つの隔壁盤の重合からなり、吸気・圧縮用隔壁盤2は、内部に変形回転体2個分の回転空間8を形成し、この回転空間8に吸気・圧縮用回転体と吸気、圧縮したそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体の2個の変形回転体を収め、圧縮・爆発空間隔壁盤3は中央の穴が爆発室11となり、膨張・排気用隔壁盤4は内部に変形回転体2個分の回転空間8を形成し、この回転空間8に膨張・排気用回転体と膨張、排気するそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体の2個の変形回転体を収めた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表蓋隔壁盤、吸気・圧縮変形回転体型抜き隔壁である吸気・圧縮用隔壁盤、圧縮・爆発空間隔壁盤、爆発・膨張変形回転体型抜き隔壁である膨張・排気用隔壁盤、裏蓋隔壁盤の5つの隔壁盤の重合からなり、
吸気・圧縮用隔壁盤は、内部に変形回転体2個分の回転空間を形成し、この回転空間に吸気・圧縮用変形回転体と吸気、圧縮したそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体の2個の変形回転体を収め、
圧縮・爆発空間隔壁盤は中央の穴が爆発室となり、
膨張・排気用隔壁盤は内部に変形回転体2個分の回転空間を形成し、この回転空間に膨張・排気用変形回転体と膨張、排気するそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体の2個の変形回転体を収めたことを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
請求項1記載の内燃機関の運転方法であり、
1次処理として吸気・圧縮用回転体と吸気、圧縮したそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体の2つの組み合わせで、吸気・圧縮をして圧縮気体をつくり、2次処理として圧縮気体をつくりだした場所とは異なる爆発室に吸気・圧縮用変形回転体と爆発・排気用変形回転体の連動で閉じ込め圧縮した気体を爆発させ、3次処理として爆発室とは異なる場所で、爆発室で得られた膨張気体から、1次処理とは異なる爆発・排気用変形回転体2つの組み合わせで膨張・排気を行い、吸気・圧縮・爆発・膨張・排気と各状態の気体を、変形回転体の連動・連携でコントロールして、これらの変形回転体を利用することで回転エネルギーを得ることを特徴とした内燃機関の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原動機の一種である、変形回転体を特徴とする内燃機関とその運転方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車等に利用されもっとも普及しているレシプロエンジンを例にとると、レシプロエンジンはシリンダー内のピストンを、コンロッド・クランクシャフト等を介して回転出力を得ている。
【0003】
ロータリーエンジンは、三角形のおむすび型をした回転子(ローター)が回転することにより発生するエネルギーを利用したエンジンで、まゆ型のハウジングとハウジングの内側にあるおむすび型のローター(回転子)の2つで構成されている。
【0004】
ハウジングとローターとの間にできた空間で、燃料と空気を混ぜた混合気を燃焼することで膨張圧が発生し、その圧力がローターの軸に作用してローターが回転する仕組みで、この運動が繰り返されることにより、車が走行するエネルギーを作り出す。
【0005】
これらレシプロエンジンおよびロータリーエンジンは当業者で一般的に行なわれているものであり、文献公知発明にかかるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記レシプロエンジンは、吸気・排気の為のバルブ等の部品も必要となる。またピストンリング・オイルリングなども必要となる。レシプロエンジンはその構造上形状が複雑であり多数の部品から成り立っている。
【0007】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、従来のレシプロエンジンやロータリーエンジンとは異なる方式を採用して、数個の変形回転体で気体(空気・混合ガス・燃焼ガス・排気ガス)をコントロールして、構成部品数の少ない内燃機関を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本発明は、表蓋隔壁盤、吸気・圧縮変形回転体型抜き隔壁である吸気・圧縮用隔壁盤、圧縮・爆発空間隔壁盤、爆発・膨張変形回転体型抜き隔壁である膨張・排気用隔壁盤、裏蓋隔壁盤の5つの隔壁盤の重合からなり、吸気・圧縮用隔壁盤は、内部に変形回転体2個分の回転空間を形成し、この回転空間に吸気・圧縮用変形回転体と吸気、圧縮したそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体の2個の変形回転体を収め、圧縮・爆発空間隔壁盤は中央の穴が爆発室となり、膨張・排気用隔壁盤は内部に変形回転体2個分の回転空間を形成し、この回転空間に膨張・排気用変形回転体と膨張、排気するそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体の2個の変形回転体を収めたことを要旨とするものである。
【0009】
内燃機関の運転方法としては、1次処理として吸気・圧縮用回転体と吸気、圧縮したそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体の2つの組み合わせで、吸気・圧縮をして圧縮気体をつくり、2次処理として圧縮気体をつくりだした場所とは異なる爆発室に吸気・圧縮用変形回転体と爆発・排気用変形回転体の連動で閉じ込め圧縮した気体を爆発させ、3次処理として爆発室とは異なる場所で、爆発室で得られた膨張気体から、1次処理とは異なる爆発・排気用変形回転体2つの組み合わせで膨張・排気を行い、吸気・圧縮・爆発・膨張・排気と各状態の気体を、変形回転体の連動・連携でコントロールして、これらの変形回転体を利用することで回転エネルギーを得ることを要旨とするものである。
【0010】
本発明によれば、5つのそれぞれの役目を担う隔壁盤と1対の変形回転体が2組で合計4枚の変形回転体とでできていて、全体では主要な部品は合計9点であり、4サイクルエンジンと2サイクルエンジンとは違って部品点数は少ない。
【発明の効果】
【0011】
以上述べたように本発明の内燃機関とその運転方法は、従来のレシプロエンジンとは異なる方式を採用して、数個の変形回転体で気体(空気・混合ガス・燃焼ガス・排気ガス)をコントロールして、構成部品数の少ないものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の内燃機関の1実施形態を示す説明図である。
図2】表蓋隔壁盤の説明図である。
図3】吸気・圧縮用隔壁盤の説明図である。
図4】吸気・圧縮用変形回転体と吸気、圧縮したそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体の説明図である。
図5】圧縮・爆発空間隔壁盤の説明図である。
図6】膨張・排気用隔壁盤の説明図である。
図7】膨張・排気用変形回転体と膨張、排気するそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体の説明図である。
図8】吸気・圧縮用変形回転体の動きを示す説明図である。
図9】膨張・排気用変形回転体の動きを示す説明図である。
図10】裏蓋隔壁盤の説明図である。
図11】吸気・圧縮用隔壁盤に吸気口と吸気経路を付け足した説明図である。
図12】膨張・排気用隔壁に排気口と排気経路を付け足した説明図である。
図13】爆発室の説明図である。
図14】変形回転体が回転する順序を示す説明図である。
図15】一つの円筒の中にまとめた説明図ある。
図16】一つの動力軸に図15のまとめたものを複数設置した説明図である。
図17】変形回転体の円周方向の割合を変えた実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の内燃機関の1実施形態を示す説明図で、本発明の内燃機関はエンジンそのものを保護し、お互いの工程の密閉状態を作り出すケーシングを採用して、表蓋隔壁盤1、吸気・圧縮変形回転体型抜き隔壁である吸気・圧縮用隔壁盤2、圧縮・爆発空間隔壁盤3、爆発・膨張変形回転体型抜き隔壁である膨張・排気用隔壁盤4、裏蓋隔壁盤5の5つの金属製隔壁盤の重合からなる。
【0014】
これら5つの金属製隔壁盤を構成する金属としては特に限定はないが、アルミニウム合金等が好適であり、それぞれ5個はお互い隣り合う同士で気体が漏れないようにシーリング効果を保って接合される。
【0015】
各隔壁盤1~5は軸穴6が3個開いていて、この軸穴6に3つの軸7が貫通する。3本の軸7の内1番上の軸が変形回転体の回転から出力を得る軸である。
【0016】
表蓋隔壁盤1は、図2に示すように本発明の内燃機関のエンジンハウジングの1番最初の構造体である。軸穴6が3個開けてある。
【0017】
表蓋隔壁盤1は、エンジン自体の強固なケース(外箱の1部)であり、2番目の隔壁である吸気・圧縮用隔壁盤2に吸気された気体や圧縮された気体が漏れるのを防ぎ密封状態を維持する言わばシーリングの役目をする。
【0018】
吸気・圧縮変形回転体型抜き隔壁である吸気・圧縮用隔壁盤2は図3に示すようにやはり軸穴6があり、内部に変形回転体2個分の回転空間8がある。回転空間8は円周が重なる部分を有する二つの薄い円柱を合成させた形でくり抜いた空間で、回転空間8と軸穴6の2個は共用である。この回転空間8で図4の同期運動をする変形回転体の回転で気体を吸気してその吸気した気体を圧縮する。
【0019】
前記回転空間8に収まる変形回転体は吸気・圧縮用変形回転体9と吸気、圧縮したそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体10であり回転する時は同期・回転して、気体の密封状態を作りだす。この工程を吸気・圧縮工程と呼ぶ。1次工程とも表現する。
【0020】
前記吸気・圧縮用変形回転体9と吸気、圧縮したそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体10は、それぞれの曲面を極限まで近接させた状態を維持しながら同期回転させて気体の漏れを防止する役割を果たす。
【0021】
圧縮・爆発空間隔壁盤3は図5に示すように、軸穴6に囲まれた中央の穴が爆発室11である。送られてきた圧縮気体を図8図9の回転体の側面を利用して、気体を閉鎖・密封する。密閉・爆発後の膨張気体は爆発・膨張変形回転体型抜き隔壁である膨張・排気用隔壁盤4に流出する。
【0022】
なお、爆発室11は筒状の形で点火プラグがその壁面に取り付けられるが、図示は省略する。内燃機関として稼働すればグロー着火・点火プラグ着火・圧縮着火いずれでも良い。また、ガソリンの気化は後述の吸気口14aの手前に付ける。
【0023】
爆発室11は、圧縮・爆発空間隔壁盤3のやや真ん中あたりに円柱に似た形の空間で、この空間に圧縮された気体を閉じ込める。閉じ込めた気体を爆発させて、次の処理工程に送り出すこの工程を圧縮・爆発工程と呼ぶ。
【0024】
爆発・膨張変形回転体型抜き隔壁である膨張・排気用隔壁盤4は図6に示すように、やはり軸穴6があり、内部に変形回転体2個分の回転空間8がある。回転空間8と軸穴6の2個は共用である。この回転空間8で図7の同期した回転で膨張した気体を利用して回転出力を得る。回転出力を得た後、その変形回転体の回転で排気を行う。
【0025】
この爆発・膨張変形回転体型抜き隔壁である膨張・排気用隔壁盤4は吸気・圧縮変形回転体型抜き隔壁である吸気・圧縮用隔壁盤2と同様の形をして、ある程度の厚みのある板状の物質を、重なる部分を有する二つの薄い円柱を合成させた形でくり抜いた空間を有する隔壁である。この膨張・排気用隔壁盤4の回転空間を、二つの膨張・排気変形回転体が同期・回転して、気体の密封状態を作りだす。この工程を膨張・排気工程と呼ぶ。3次工程とも表現する。
【0026】
膨張・排気用隔壁盤4の前記回転空間8に収まる変形回転体2個を図7に示す。上の変形回転体が膨張・排気用の変形回転体12であり、下の変形回転体13が膨張、排気するそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体である。回転する時は上の回転体と下の回転体は同期する。
【0027】
前記膨張・排気用の変形回転体12と膨張、排気するそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体13は、それぞれの曲面を極限まで近接させた状態を維持しながら同期回転させて気体の漏れを防止する役割を果たす。
【0028】
図11図12に示すように、吸気・圧縮用隔壁盤2に吸気口14aと吸気経路14bを、膨張・排気用隔壁盤4に排気口15aと排気経路15bを形成する。
【0029】
図8図9に示すように、吸気・圧縮用変形回転体9の上の側面(黒く塗っている)図5の爆発室11の側面と接触をして爆発・膨張の逆流を防ぐ。また、膨張・排気用変形回転体12の上の側面(黒く塗っている)が図5の爆発室11の側面と接触をして吸気・圧縮の逆流を防ぐ。
【0030】
エンジンハウジングの1番最後の構造体である裏蓋隔壁盤5は、図10に示すように、軸穴6が3個開けてある。
【0031】
図14に変形回転体9,10,12,13が回転する様子を示すが、前記本発明の内燃機関の運転方法としては、1次処理として吸気・圧縮用隔壁盤2の回転空間8を、対で一組になる二つの吸気・圧縮用変形回転体9と吸気、圧縮したそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体10の2つが同期・回転して、で、吸気・圧縮をして圧縮気体をつくり出す。
【0032】
2次処理として圧縮気体をつくりだした場所とは異なる爆発室11に吸気・圧縮用変形回転体9と吸気、圧縮したそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体10連動で閉じ込め圧縮した気体を爆発させる。
【0033】
3次処理として爆発室とは異なる場所で、爆発室で得られた膨張気体から、1次処理とは異なる爆発・排気用変形回転体2つの組み合わせで膨張・排気を行う。
【0034】
膨張変形回転体型抜き隔壁である膨張・排気用隔壁盤4の回転空間を、二つの膨張・排気用の変形回転体12と膨張、排気するそれらの気体が逆流防止のいわば弁の役割を果たす変形回転体13が同期・回転して、気体の密封状態を作りだす。
【0035】
このようにして、吸気・圧縮・爆発・膨張・排気と各状態の気体を、変形回転体の連動・連携でコントロールして、これらの変形回転体を利用することで回転エネルギーを得る。
【0036】
図15に示すように、一つの円筒の中に3個の本発明の内燃機関O(エンジン)をまとめるもともできる。
【0037】
また、図16に示すように、一つの動力軸に図15の内燃機関(エンジン)を複数取り付けることもできる。
【0038】
さらに、図17に示すように、変形回転体9,10,12,13の円周方向の割合を変えることもできる。中央の回転体で吸気・圧縮用の閉鎖・密封のタイミングを合わせる。中央の回転体は両側の回転体よりも薄く、左側の吸気・圧縮用回転体と接着あるいは同体であり全く同期している。
【符号の説明】
【0039】
1…表蓋隔壁盤 2…吸気・圧縮用隔壁盤
3…圧縮・爆発空間隔壁盤 4…膨張・排気用隔壁盤
5…裏蓋隔壁盤 6…軸穴
7…軸 8…回転空間
9…吸気・圧縮用変形回転体 10…弁の役割を果たす変形回転体
11…爆発室 12…膨張・排気用変形回転体
13…弁の役割を果たす変形回転体
14a…吸気口 14b…吸気経路
15a…排気口 15b…排気経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17