IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 国立大学法人 鹿児島大学の特許一覧

<>
  • 特開-活動支援システム 図1
  • 特開-活動支援システム 図2
  • 特開-活動支援システム 図3
  • 特開-活動支援システム 図4
  • 特開-活動支援システム 図5
  • 特開-活動支援システム 図6
  • 特開-活動支援システム 図7
  • 特開-活動支援システム 図8
  • 特開-活動支援システム 図9
  • 特開-活動支援システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145540
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】活動支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20241004BHJP
   H04L 67/12 20220101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q30/0241
H04L67/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057936
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100168114
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 生太
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】金子 満
(72)【発明者】
【氏名】金子 陽飛
(72)【発明者】
【氏名】松尾 聡志
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】参加・参画しやすい地域の自治組織を構築することができる活動支援システムを提供する。
【解決手段】活動支援システム1は、ある地域の自治会4に属する利用者の利用者端末2と、利用者端末2と通信可能なサーバコンピュータ3と、を備え、自治会4で行われる活動を支援する。サーバコンピュータ3において、モジュール情報管理部10は、その活動をその活動単位でモジュール化してまとめられた個々の活動の内容を示すモジュール情報を管理する。情報送信部11は、利用者端末2から送信されるモジュール情報の送信要求に応じて、モジュール情報管理部10で管理されるモジュール情報のうち、送信要求に対応するモジュール情報を利用者端末2に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある地域の団体に属する利用者の利用者端末と、前記利用者端末と通信可能なサーバコンピュータと、を備え、前記団体で行われる活動を支援する活動支援システムであって、
前記サーバコンピュータは、
前記活動をその活動単位でモジュール化してまとめられた個々の活動の内容を示すモジュール情報を管理するモジュール情報管理部と、
前記モジュール情報を前記モジュール情報管理部に登録する情報登録部と、
前記利用者端末から送信される前記モジュール情報の送信要求に応じて、前記モジュール情報管理部で管理されるモジュール情報のうち、前記送信要求に対応するモジュール情報を前記利用者端末に送信する情報送信部と、
を備える活動支援システム。
【請求項2】
前記情報送信部は、前記送信要求に応じて、前記モジュール情報とともに広告サイトへのリンク情報を含む広告情報を送信し、
前記利用者端末において、表示された前記広告情報を選択する操作が行われると、前記利用者端末は、前記広告情報に係るリンク情報が示すサイトへアクセスするとともに前記広告情報が選択されたことを示す情報を前記サーバコンピュータに送信し、
前記サーバコンピュータは、前記広告情報が送信された回数及び前記広告情報が選択された回数の少なくとも一方をカウントし、記憶する回数管理部を備える、
請求項1に記載の活動支援システム。
【請求項3】
前記利用者端末は、
前記モジュール情報を特定する情報を符号化して生成されたコードを読み取り、読み取ったコードを復号化し、復号化された情報を前記送信要求に含めて前記サーバコンピュータに送信し、
前記情報送信部は、
前記送信要求に含まれる復号化された情報で特定される前記モジュール情報を、前記利用者端末に送信する、
請求項1に記載の活動支援システム。
【請求項4】
前記モジュール情報管理部によって管理される前記モジュール情報には、前記個々の活動において実行されるタスクの日程、場所及び詳細な内容を含むタスク情報が含まれ、
前記利用者端末は、前記モジュール情報を受信すると、前記モジュール情報に含まれるタスクの選択画像を表示し、
前記選択画像は、前記タスクが実行される日時が表示されるカレンダー形式か、前記タスクが実行される場所が表示される地図形式か、前記タスクのリストを表示するリスト形式かのいずれかで表示され、
前記選択画像において、前記タスクが選択されると、前記利用者端末は、選択されたタスクに対応する前記タスク情報を表示する、
請求項1に記載の活動支援システム。
【請求項5】
前記情報送信部から送信された前記モジュール情報に追加される情報を示す追加情報が前記利用者端末から前記サーバコンピュータに送信されると、
前記情報登録部は、前記追加情報を、前記モジュール情報管理部で管理される前記モジュール情報に追加する、
請求項1に記載の活動支援システム。
【請求項6】
前記情報送信部は、前記追加情報が前記モジュール情報に追加されたことを示す情報を、前記モジュール情報に関連する利用者の前記利用者端末に送信する、
請求項5に記載の活動支援システム。
【請求項7】
前記情報送信部から送信された前記モジュール情報の一部の変更内容を示す変更情報が前記利用者端末から前記サーバコンピュータに送信されると、
前記情報登録部は、前記変更情報に従って、前記モジュール情報管理部に管理される前記モジュール情報の内容を変更する、
請求項1に記載の活動支援システム。
【請求項8】
前記変更情報が前記サーバコンピュータに送信されると、前記情報登録部が前記モジュール情報の内容を変更する前に、前記情報送信部は、前記変更情報の承諾の可否の決定を促す問い合わせ情報を、前記モジュール情報に関連する利用者の前記利用者端末に送信する、
請求項7に記載の活動支援システム。
【請求項9】
前記モジュール情報管理部で管理されていない新規モジュール情報が前記利用者端末から前記サーバコンピュータに送信されると、
前記情報登録部は、前記新規モジュール情報を前記モジュール情報管理部に登録する、
請求項1に記載の活動支援システム。
【請求項10】
前記情報送信部は、前記新規モジュール情報が登録されたことを利用者全員の前記利用者端末に一斉送信する、
請求項9に記載の活動支援システム。
【請求項11】
前記モジュール情報には、
防犯、防災情報と、イベント又はグループ活動に関する情報と、物品又はサービスの提供に関する情報と、前記利用者に関する情報と、前記地域の行政に関する情報と、を含む前記地域に関連する情報が含まれる、
請求項1から10のいずれか一項に記載の活動支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活動支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ある地域に住む住民に対してその地域の情報を発信することにより、地域活動を活性化させる地域情報表示システムが開示されている(特許文献1参照)。このシステムでは、その地域の団体である自治組織などが活性化の対象となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-51381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
分断化が進む地域社会において相互扶助機能を内在する自治組織の重要性が増加している。しかし、自治組織を機能・維持させるための様々な仕事は「構成員の負担」とされ、この仕事が、本来の労働、子育て、プライベートの充実、また多様化したライフスタイルの追及とのトレードオフとなっている。その結果、労働者や子育て世代の自治組織への忌避感が先行し、自治組織の高齢化及び自治組織への加入率の低下を招いている。
【0005】
また、自治組織では、構成員に対して「しなければならない事」を中心に役割や仕事の分担を強要する「ネガティブな平等性」が横行しがちである。そのことが、組織離れをさらに加速させている。
【0006】
本発明は、上記実情の下になされたものであり、参加・参画しやすい地域の自治組織を構築することができる活動支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る活動支援システムは、
ある地域の団体に属する利用者の利用者端末と、前記利用者端末と通信可能なサーバコンピュータと、を備え、前記団体で行われる活動を支援する活動支援システムであって、
前記サーバコンピュータは、
前記活動をその活動単位でモジュール化してまとめられた個々の活動の内容を示すモジュール情報を管理するモジュール情報管理部と、
前記モジュール情報を前記モジュール情報管理部に登録する情報登録部と、
前記利用者端末から送信される前記モジュール情報の送信要求に応じて、前記モジュール情報管理部で管理されるモジュール情報のうち、前記送信要求に対応するモジュール情報を前記利用者端末に送信する情報送信部と、
を備える。
【0008】
前記情報送信部は、前記送信要求に応じて、前記モジュール情報とともに広告サイトへのリンク情報を含む広告情報を送信し、
前記利用者端末において、表示された前記広告情報を選択する操作が行われると、前記利用者端末は、前記広告情報に係るリンク情報が示すサイトへアクセスするとともに前記広告情報が選択されたことを示す情報を前記サーバコンピュータに送信し、
前記サーバコンピュータは、前記広告情報が送信された回数及び前記広告情報が選択された回数の少なくとも一方をカウントし、記憶する回数管理部を備える、
こととしてもよい。
【0009】
前記利用者端末は、
前記モジュール情報を特定する情報を符号化して生成されたコードを読み取り、読み取ったコードを復号化し、復号化された情報を前記送信要求に含めて前記サーバコンピュータに送信し、
前記情報送信部は、
前記送信要求に含まれる復号化された情報で特定される前記モジュール情報を、前記利用者端末に送信する、
こととしてもよい。
【0010】
前記モジュール情報管理部によって管理される前記モジュール情報には、前記個々の活動において実行されるタスクの日程、場所及び詳細な内容を含むタスク情報が含まれ、
前記利用者端末は、前記モジュール情報を受信すると、前記モジュール情報に含まれるタスクの選択画像を表示し、
前記選択画像は、前記タスクが実行される日時が表示されるカレンダー形式か、前記タスクが実行される場所が表示される地図形式か、前記タスクのリストを表示するリスト形式かのいずれかで表示され、
前記選択画像において、前記タスクが選択されると、前記利用者端末は、選択されたタスクに対応する前記タスク情報を表示する、
こととしてもよい。
【0011】
前記情報送信部から送信された前記モジュール情報に追加される情報を示す追加情報が前記利用者端末から前記サーバコンピュータに送信されると、
前記情報登録部は、前記追加情報を、前記モジュール情報管理部で管理される前記モジュール情報に追加する、
こととしてもよい。
【0012】
前記情報送信部は、前記追加情報が前記モジュール情報に追加されたことを示す情報を、前記モジュール情報に関連する利用者の前記利用者端末に送信する、
こととしてもよい。
【0013】
前記情報送信部から送信された前記モジュール情報の一部の変更内容を示す変更情報が前記利用者端末から前記サーバコンピュータに送信されると、
前記情報登録部は、前記変更情報に従って、前記モジュール情報管理部に管理される前記モジュール情報の内容を変更する、
こととしてもよい。
【0014】
前記変更情報が前記サーバコンピュータに送信されると、前記情報登録部が前記モジュール情報の内容を変更する前に、前記情報送信部は、前記変更情報の承諾の可否の決定を促す問い合わせ情報を、前記モジュール情報に関連する利用者の前記利用者端末に送信する、
こととしてもよい。
【0015】
前記モジュール情報管理部で管理されていない新規モジュール情報が前記利用者端末から前記サーバコンピュータに送信されると、
前記情報登録部は、前記新規モジュール情報を前記モジュール情報管理部に登録する、
こととしてもよい。
【0016】
前記情報送信部は、前記新規モジュール情報が登録されたことを利用者全員の前記利用者端末に一斉送信する、
こととしてもよい。
【0017】
前記モジュール情報には、
防犯、防災情報と、イベント又はグループ活動に関する情報と、物品又はサービスの提供に関する情報と、前記利用者に関する情報と、前記地域の行政に関する情報と、を含む前記地域に関連する情報が含まれる、
こととしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、団体で行われる活動をその活動単位でモジュール化してまとめられた個々の活動の内容を示すモジュール情報を管理し、管理されるモジュール情報のうち、送信要求に対応するモジュール情報を利用者端末に送信し、団体に属する利用者がそのモジュール情報に触れ易くすることができるので、参加・参画しやすい地域の自治組織を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係る活動支援システムの構成を示すブロック図である。
図2】まとめられたモジュール及びタスクの一例を示す図である。
図3】モジュール情報のデータ構造の一例を示す模式図である。
図4】(A)は、モジュール化された活動について生成されたカードの表面の一例を示す図である。(B)は、(A)のカードの裏面に印刷された二次元コードの一例を示す図である。
図5】(A)、(B)及び(C)は、利用者端末に表示される画像の一例を示す図である。
図6】利用者端末に表示されるモジュール情報の一例を示す図である。
図7】活動支援システムで可能な広告戦略を示す模式図である。
図8】サーバコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
図9図1の活動支援システムの第1の処理の流れを示すシーケンス図である。
図10図1の活動支援システムの第2の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。各図面においては、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。本実施の形態に係る活動支援システムは、ある地域に住む住民の団体である自治会で行われる活動を支援するシステムである。
【0021】
図1に示すように、活動支援システム1は、自治会4に属する複数の利用者がそれぞれ個別に所持する複数の利用者端末2と、利用者端末2と通信可能なサーバコンピュータ3と、を備える。
【0022】
利用者端末2は、図1に示すように、例えば、スマートフォンとする。しかし、利用者端末2は、携帯電話のような他の通信端末又はパーソナルコンピュータとすることができる。利用者端末2は、図8に示すように、CPU21及びメモリ(メインメモリ22及び外部メモリ23)を有し、CPU21がメモリに格納されたプログラムを実行することにより、各種機能を実現するコンピュータである。利用者端末2は、例えばタッチパネルのディスプレイのようなマンマシンインターフェイス(図8の操作部24及び表示部26)を備えるとともに、無線又は有線通信ネットワークを介してサーバコンピュータ3と通信する通信機能(図8の通信インターフェイス25)を有している。
【0023】
利用者端末2には、活動支援システム1を実行するためのアプリケーションソフトウエアがインストールされている。CPU21がこのアプリケーションソフトウエアを実行することにより、サーバコンピュータ3から送信される情報を受信して利用者端末2に表示したり、マンマシンインターフェイス(操作部24及び表示部26)を介して入力された情報を利用者端末2からサーバコンピュータ3に送信したりすることができる。
【0024】
サーバコンピュータ3は、例えばインターネットを介して接続可能なWEB上のコンピュータである。図1に示すように、サーバコンピュータ3は、モジュール情報管理部10と、情報登録部としての情報受信部11と、情報送信部12と、を備える。
【0025】
[モジュール情報管理部]
モジュール情報管理部10は、自治会4で行われる活動をその活動単位でモジュール化してまとめられた個々の活動の内容を示すモジュール情報を管理する。自治会4では、様々な活動が行われる。例えば自治会長であれば、主な活動内容として、「自治会活動の総括」、「自治会4の各種会議への参加」、「会議の司会進行」などがある。また、自治会4の事務局担当であれば、主な活動内容として、「町内会だより発行」、「役員招集」、「会議の場所の確保」などの仕事がある。この他、自治会4の主な活動内容としては、「ごみステーションの清掃確認」、「班長への回覧板配布」など多岐にわたる。
【0026】
モジュール情報は、自治会4で行われる活動をその活動単位でモジュール化してまとめられたものである。このような活動のモジュール化は例えば以下の様にして行うことができる。
(A)自治会4で行われる様々な活動をリストアップする。
(B)リストアップされた1つ1つの活動を確認し、まとめられそうな活動があれば、1つにまとめる。
(C)最終的に1つにまとめられた活動をカードに書き出す。
このカード1枚1枚にまとめられた活動が1つのモジュールとなる。このモジュールを書き出す作業は、自治会4に属する利用者、すなわち会員が集まるワークショップにおいて行うことができる。
【0027】
図2には、このようにしてまとめられたモジュールの一例が示されている。図2に示すように、モジュールには、例えば「新年会の準備」、「役員会」、「防犯・防災」、「町内会だより発行」、「ごみステーション清掃確認」、「回覧板」、「祭り」などがある。なお、モジュールの中には、利用者全員に関連する一般公開モジュールと、特定の利用者のみに関連するクローズドモジュールとがある。「祭り」は、全員に告知する必要があるため、一般公開モジュールとなり、「新年会の準備」は、準備を行う担当者にのみ関連する情報であるため、クローズドモジュールとなる。
【0028】
このようにしてまとめられたモジュールには、複数の作業から成るものもある。この複数の作業の中には、個々の作業を数日間に渡って進めていくようなものもある。本実施の形態では、このような作業をタスクと称するものとする。タスクは、上述のようにモジュールが生成される過程で、各モジュールについてそれぞれリストアップされる。例えば、図2に示すように、モジュール「新年会の準備」については、「計画作成」、「参加者名簿」、「景品の買い出し」、「ビンゴの準備」、「子供たちの参加」、「余興のお願い」、「お弁当及び飲み物の注文」、「会場設営の指示」などのタスクがリストアップされている。
【0029】
上述のモジュール化の過程では、各モジュールのタスクについて、そのタスクを実行する日程、場所、担当者を決定する。この決定は、可能な範囲ですればよい。自治会4では、例えば、各タスクの日程、場所、担当者などが決められた各モジュール情報をまとめた事務ファイルが作成される。事務ファイルは、各モジュールの担当者が所持し、管理し、各担当者が、その事務ファイルに基づいて、タスクの実行と、事務ファイルへの実行結果の記録とを行っていく。なお、上述のワークショップ等において生成されたモジュール毎のカードも事務ファイルにファイリングされる。
【0030】
活動支援システム1があれば事務ファイルを持つ必要はない。活動支援システム1が事務ファイルの機能を肩代わり可能であるためである。ただし、サーバコンピュータ3にアクセスするためにモジュール情報のカードは各利用者(各モジュールの担当者)が所持するだけでもよい。
【0031】
一方で、図1に示すように、サーバコンピュータ3のモジュール情報管理部10は、図3に示すモジュール情報を記憶し、管理する。図3に示すように、各モジュール情報は、モジュールm(m=1、2、3、…)毎にモジュール情報管理部10に記憶され、管理される。モジュールmは、実際にはモジュール名を示している。また、モジュール情報には、各タスクn(n=1、2、3、…)に関する情報が含まれる。タスクnは、実際にはタスク名を示しており、具体的に作業を表す文言が登録される。タスクnに関する情報には、タスクnを実行する担当者、日程、場所、詳細内容、が含まれる。なお、モジュールの中には、タスクが1つだけのモジュールも含まれている。
【0032】
[情報受信部]
上述のように、モジュール及びタスクは、ワークショップ等でリストアップされる。図1に示す情報受信部11は、リストアップされた内容に従って、各タスクで担当者、日程、場所、詳細内容が決定されたモジュール情報をモジュール情報管理部10に登録する。
【0033】
利用者端末2で上述のアプリケーションソフトウエアを実行すると、モジュール及びタスクの情報を入力するための入力フォームがそのディスプレイ(図8の表示部26)に表示される。利用者は、利用者端末2のマンマシンインターフェイスを介して、その入力フォームに、モジュール及びタスクの情報を入力する。利用者端末2は、入力されたモジュール及びタスクの情報を、サーバコンピュータ3に送信する。
【0034】
サーバコンピュータ3の情報受信部11は、図3に示すようなデータ構造に従って、利用者端末2から送信された情報を、モジュール情報管理部10にモジュール情報として記憶する。図1では、このようなモジュール情報を、モジュール1、2、3、…として示している。
【0035】
このようにして、情報受信部11は、自治会4で行われる活動をその活動単位でモジュール化してまとめられた個々の活動の内容を示すモジュール情報をモジュール情報管理部10に登録する。本実施の形態に係る活動支援システム1は、モジュール情報管理部10で管理されるモジュール情報を、利用者が閲覧可能とする。以下、モジュール情報管理部10で管理されるモジュール情報を、利用者が閲覧する仕組みについて説明する。
【0036】
[情報送信部]
上述のように、図4(A)には、上述のようにワークショップ等で生成された1つのモジュールについて生成されるカードの表面が示されている。図4(A)では、モジュール名として「新年会の準備」が表示されている。図4(B)に示すように、そのカードの裏面には二次元コードが印刷されている。二次元コードには、サーバコンピュータ3のアドレス情報と、表面に記載されたモジュール名に対応するモジュールの識別情報とが含まれている。すなわち、この二次元コードは、モジュール情報を特定する情報を符号化して生成されたコードである。なお、カードの裏面に印刷されたものは、二次元コードには限られず、他の形式のコードであってもよい。
【0037】
利用者端末2は、モジュール情報を特定する情報を符号化して生成された二次元コードを読み取り、読み取った二次元コードを復号化する。復号化された情報には、サーバコンピュータ3のアドレス情報が含まれている。利用者端末2は、このアドレス情報に基づいてサーバコンピュータ3にアクセスする。
【0038】
また、復号化された情報には、表面に記載されたモジュール名に対応するモジュールの識別情報が含まれている。利用者端末2は、このモジュールの識別情報を送信要求に含めてサーバコンピュータ3に送信する。情報送信部12は、送信要求に含まれる復号化された情報で特定されるモジュール情報を、利用者端末2に送信する。例えば、利用者端末2が図4(B)に示す二次元コードを読み取った場合、情報送信部12は、モジュール情報管理部10で管理されるモジュール名「新年会の準備」に対応するモジュール情報を、モジュール情報管理部10から読み出して利用者端末2に送信する。このように、情報送信部12は、利用者端末2から送信されるモジュール情報の送信要求に応じて、モジュール情報管理部10で管理されるモジュール情報のうち、送信要求に対応するモジュール情報を利用者端末2に送信する。
【0039】
利用者端末2は、モジュール情報を受信すると、モジュール情報に含まれるモジュール情報を表示する。このとき、利用者端末2は、例えば、図5(A)に示すように、カレンダー形式で、モジュール名(活動m)、タスク名とタスクが実行される日時とを表示することができる。また、利用者端末2は、図5(B)に示すように、モジュール名、タスク名とタスクが実行される場所を地図形式で表示することができる。また、利用者端末2は、図5(C)に示すように、モジュール名、タスク名をリスト形式で表示することができる。なお、図5(A)~図5(C)のタスク1、2、3は、それぞれのタスク名である。
【0040】
この表示画像はタスクの選択するためのタスクの選択画像でもある。この表示画像において、利用者の操作により、タスクが選択されると、利用者端末2は、図6に示すように、モジュール名、タスク名、担当者、日時、場所及び詳細内容を含むタスク情報の画像を表示する。この表示画像には、変更申請ボタンも表示される。
【0041】
なお、「新年会の準備」はクローズドモジュールであり、このカードを持つ担当者のみがこのモジュール情報にアクセス可能となっている。これに対して、一般公開モジュールのカードを作成、自治会員に配布しておき、各自治会員が、そのカードの二次元コードを利用者端末2にスキャンさせてサーバコンピュータ3にアクセスすれば、全員に周知させるべき一般公開モジュールのモジュール情報を利用者端末2に表示させることができる。このような情報には、例えば、ゴミ捨ての曜日、分別、イベントの開催日などの情報が含まれる。また、サーバコンピュータ3は、クローズドモジュールのモジュール情報とともに、一般公開モジュールのモジュール情報を同時に利用者端末2に送信して表示させるようにしてもよい。
【0042】
また、二次元コードでアクセスする以外に、利用者端末2からサーバコンピュータ3にアクセスし、ログインして、モジュール情報を表示させるようにしてもよい。
【0043】
[モジュール情報の内容の追加]
図6に示すタスク情報の表示画像において、詳細内容の項目には、追記内容の入力フォームが表示されている。利用者は、この入力フォームに追記したい内容を入力した後、変更申請ボタンを押す。これにより、入力された追記内容を示す情報が、追加情報として、利用者端末2から、サーバコンピュータ3に送信される。情報送信部12から送信されたモジュール情報に追加される情報を示す追加情報が利用者端末2からサーバコンピュータ3に送信されると、情報受信部11は、追加情報を、モジュール情報管理部10で管理されるモジュール情報に追加する。
【0044】
情報送信部12は、追加情報がモジュール情報に追加されたことを示す情報を、モジュール情に関連する利用者の利用者端末2に送信する。サーバコンピュータ3には、利用者のメールアドレス等のアドレス情報(ショートメッセージサービス又はソーシャルネットワーキングサービスのアドレスを含む)が登録されており、モジュール情報に関連する利用者のアドレス宛てに、電子メール等を一斉送信すればよい。クローズドモジュールに追加情報が追加された場合、電子メール等を送信するのは、その活動の担当者のみとすることができる。担当者の情報はモジュール情報に含まれているため、その情報から特定することができる。また、一般公開モジュールに追加情報が追加された場合、電子メールを送信するのは、利用者(自治会員)全員とすることができる。
【0045】
[モジュール情報の変更]
図6に示すタスクの表示画像には、担当者、日時、場所及び詳細内容の項目にそれぞれ変更入力の欄が表示されている。利用者は、変更したい項目がある場合、変更後の内容を変更入力の欄に入力した後、変更申請ボタンを押す。これにより、変更入力の欄に入力された情報が、変更情報として、利用者端末2から、サーバコンピュータ3に送信される。情報送信部12から送信されたモジュール情報の一部の変更内容を示す変更情報が利用者端末2からサーバコンピュータ3に送信されると、情報受信部11は、変更情報に従って、モジュール情報管理部10に管理されるモジュール情報の内容を変更する。
【0046】
モジュール情報管理部10に管理されるモジュール情報の内容が変更される前に、情報送信部12は、前記変更情報の承諾の可否の決定を促す問い合わせ情報を、モジュール情報に関連する利用者の利用者端末に送信する。送信方法及び送信相手は、追加情報の追加時と同じである。
【0047】
[モジュール情報の新規登録]
利用者端末2から、モジュール情報の新規登録が可能である。利用者端末2に例えば図3に示す項目を入力可能な入力フォームを表示させ、その入力フォームに必要な項目の入力を行う。この入力が完了すると、利用者端末2は、入力された情報を、新規モジュール情報として、サーバコンピュータ3に送信する。モジュール情報管理部10で管理されていない新規モジュール情報が利用者端末2からサーバコンピュータ3に送信されると、情報受信部11は、新規モジュール情報をモジュール情報管理部10に登録する。このとき、情報送信部12は、新規モジュール情報が登録されたことを示す情報を利用者全員の利用者端末2に一斉送信するようにしてもよい。
【0048】
[広告情報の表示、回数管理]
図1に示すように、サーバコンピュータ3は、広告情報管理部13と、回数管理部14と、を備える。広告情報管理部13は、利用者端末2に送信される広告情報を記憶し、管理する。この広告情報には、広告サイトへのリンク情報が含まれている。
【0049】
情報送信部12は、利用者端末2からの送信要求に応じて、モジュール情報管理部10で管理されるモジュール情報とともに、広告情報管理部13で管理される広告情報を送信する。回数管理部14は、広告情報が送信された回数をカウントし、記憶する。
【0050】
利用者端末2において、表示された広告情報を選択する操作が行われると、利用者端末2は、広告情報に係るリンク情報が示すサイトへアクセスするとともに広告情報が選択されたことを示す情報をサーバコンピュータ3に送信する。回数管理部14は、広告情報が選択されたことを示す情報を受信した回数、すなわち広告情報が選択された回数をカウントし、記憶する。
【0051】
回数管理部14に記憶される広告情報が送信された回数と、広告情報が選択された回数とは、広告料の算出の基礎となる。これらの回数に1回当たりの単価を乗算して、広告料(広告表示料、クリック報酬等)が算出され、算出された広告料を広告元(例えば地元の企業、団体、組織等)から徴収することができる。
【0052】
徴収された広告料は、活動支援システム1の運用のランニングコストの軽減に用いることができる。なお、回数管理部14が管理するのは、広告情報が送信された回数と、広告情報が選択された回数との少なくとも一方であればよい、
【0053】
本実施の形態に係る活動支援システム1は、このシステムを利用するのは、自治会4に属する住民であるため、活動支援システム1で出される広告は、ごく絞られた狭い地域を対象としたものとなる。この場合、広告のターゲットとなるのはその地域の住民となるため、住民が求める情報・生活の情報(需要)については、供給側のスポンサーが、ある程度絞り込みやすいものとなる。また、活動支援システム1に広告を出すスポンサーも、この地域の住民に商品、サービスを提供可能なスポンサーに絞られる。このため、図7に示すように、活動支援システム1は、広告ターゲットが求める情報とスポンサーが求めるターゲット層とをマッチングさせやすい環境をもったシステムであると言える。このシステムによれば、広告ターゲットとスポンサーとが、お互いに求める的確で有益な情報を効率的に(コストパフォーマンス良く)得ることができる。
【0054】
また、活動支援システム1では、様々な広告を打ち、それらの広告の広告情報が送信された回数と、広告情報が選択された回数とに基づいて、それらをスコア化して、どのような広告に効果があったのかを分析することができる。個人情報は保護しつつ、広告にアクセスした利用者の年齢、性別などに基づいてさらに詳細な分析を行うことにより、より絞られた環境の下で的確な広告戦略を立てることが可能である。また、このような分析結果を、公的機関に開示すれば、公的機関が行う統計分析などに役立てることも可能となる。
【0055】
この活動支援システム1によれば、スポンサーがターゲットを絞った戦略でマーケティングを行うことができるようになるので、確実でロスが少ない、コストパフォーマンスの高い広告を打つことができるうえ、地域の情報配信やシステム運用に貢献することができる。また、地域の住民にとっても、負担なく、自分たちに必要な情報を得やすくすることができる。
【0056】
[ハードウエア構成]
図1に示すサーバコンピュータ3は、例えば、図8に示すハードウエア構成を有するコンピュータがソフトウエアプログラムを実現することにより実現される。具体的には、サーバコンピュータ3は、装置全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)21と、CPU21の作業領域等として動作するメインメモリ22と、CPU21の動作プログラム等を記憶する外部メモリ23と、操作部24と、通信インターフェイス25と、表示部26と、これらを接続する内部バス28と、を備える。
【0057】
メインメモリ22は、RAM(Random Access Memory)等から構成されている。メインメモリ22には、CPU21によって実行されるプログラム29が外部メモリ23からロードされる。また、メインメモリ22は、CPU21の作業領域(データの一時記憶領域)としても用いられる。
【0058】
外部メモリ23は、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリから構成される。外部メモリ23には、CPU21に実行させるためのプログラム29が予め記憶されている。
【0059】
操作部24は、キーボード及びマウス等のデバイスと、これらのデバイスを内部バス28に接続するインターフェイス装置から構成されている。
【0060】
通信インターフェイス25は、インターネット等の通信ネットワークのインターフェイスである。サーバコンピュータ3は、通信インターフェイス25を介して、利用者端末2とのデータ通信を行う。
【0061】
表示部26は、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶モニタ等の表示用デバイスから構成される。操作部24及び表示部26で、マンマシンインターフェイスが構成される。
【0062】
サーバコンピュータ3の機能は、1以上のプロセッサ及び一時的でない記憶媒体を含む1以上の記憶装置を含む1以上のコンピュータからなる計算機システムに実装することができる。複数のコンピュータは、相互に接続された通信ネットワークを介して通信を行いつつ、サーバコンピュータ3の機能を実現する。例えば、サーバコンピュータ3の複数の機能の一部が1つのコンピュータに実装され、他の一部が他のコンピュータに実装されてもよい。前述の通り、利用者端末2のハードウエア構成も、前述の通り、基本的には、図8に示すものと同じである。
【0063】
[活動支援システムの処理の流れ]
上述の構成を有する活動支援システム1によれば、自治会4の活動を様々な形で支援することができる。以下では、活動支援システム1における処理の流れについて説明する。
【0064】
[モジュールの登録及び閲覧]
まず、第1の処理の流れとして、モジュール情報の登録及び閲覧を行う場合について説明する。ここでは、モジュール情報の登録を行う利用者端末2を利用者端末Aとし、モジュール情報の閲覧を行う利用者端末2を利用者端末Bとして説明を行う。
【0065】
また、図9に示すように、利用者端末Aからサーバコンピュータ3にアクセスし、モジュール情報管理部10に登録する新規モジュール情報を送信する(ステップS1)。ここで、アクセス後、サーバコンピュータ3から利用者端末Aにモジュール情報の入力フォーム情報を送信し、利用者端末Aは、その入力フォーム情報に従って、入力を行い、入力された情報を、新規モジュール情報として情報受信部11に送信するようにしてもよい。
【0066】
情報受信部11は、受信した新規モジュール情報をモジュール情報管理部10に登録する(ステップS2)。これを受けて、情報送信部12は、新規モジュールに関連する利用者全員の利用者端末A、Bに新規モジュール情報が登録されたことを示す通知を一斉送信する(ステップS3)。なお、新規モジュールが一部の利用者に関連する場合、その利用者に通知が一斉送信され、新規モジュールが利用者全員に関連する場合、利用者全員に通知が一斉送信される。
【0067】
新規モジュール情報が登録された旨の通知を受けた利用者端末Bからサーバコンピュータ3へアクセスがあると(ステップS4)、情報受信部11は、アクセスがあった通知を情報送信部12に通知する(ステップS5)。通知を受けた情報送信部12は、モジュール情報管理部10から新規モジュール情報を読み出す(ステップS6)とともに、広告情報管理部13から広告情報を読み出す(ステップS7)。情報送信部12は、読み出した情報を合成し、モジュール情報として利用者端末Bに送信する(ステップS8)。さらに、情報送信部12は、広告を送信したことを回数管理部14に通知する(ステップS9)。通知を受けた回数管理部14は、広告情報の送信回数を1インクリメントする。
【0068】
一方、利用者端末Bで広告情報が選択されると、利用者端末Bは、情報受信部11に広告情報がアクセスされた旨の広告アクセス通知を行う(ステップS10)。情報受信部11は、回数管理部14に、広告アクセス通知を受けたことを通知する。通知を受けた回数管理部14は、広告情報の送信回数を1インクリメントする。
【0069】
モジュールの登録及び閲覧は、例えば上述の流れで行われる。しかしながら、これには限られない。例えば、一斉送信(ステップS3)は行われなくてもよい。活動支援システム1の運用開始時に、モジュール情報管理部10に複数のモジュール情報を登録する場合には、一斉送信は行われない。利用者端末Bがサーバコンピュータ3にアクセスした場合に、図5(A)~図5(C)に示すように、それら初期登録のモジュール情報が表示されるようにすればよい。
【0070】
このようにしてモジュール情報として登録される自治会4の活動には様々なものがある。利用者全員によって閲覧される一般的な自治会4の行事又はイベントに関する情報は、カレンダーによって日時が表示され(図5(A)参照)、地図上に行事又はイベントが行われる場所が表示され(図5(B)参照)、選択すれば行事又はイベントの詳細情報(図6参照)も表示される。
【0071】
また、この処理の流れにより、一般行事モジュールとして、ごみ出しに関するモジュール情報を登録することができる。このモジュール情報には、ゴミの種類ごとに曜日などが記録され、そのスケジュールをカレンダー表示することが可能となる。
【0072】
また、自治会員が自ら企画したイベント又は活動に関する情報をモジュール情報として登録し、その告知をカレンダー機能とマップ機能と連動させて表示することも可能である。さらに、地域を支援する企業による特売に関する情報もモジュール情報として登録可能である。
【0073】
さらに、地域の防災・防犯情報をモジュール情報として登録することができる。緊急時には、管理者の端末である利用者端末Aから、モジュール情報管理部10に防災・防犯に関する情報がモジュール情報として登録されると、その情報が他の利用者の利用者端末Bに一斉送信される。また、近所のお手伝いをする旨の申し出をモジュール情報として登録することができる。さらに、近所におすそ分けしたい場合、その申し出をモジュール情報として登録することができる。
【0074】
さらに、この仕組みを利用して、自治会員が、地域の原風景を写真又は動画として残したり、何等かのコメントを残したりするのに、活動支援システム1へのモジュール情報の登録及び閲覧の処理を利用することができる。このようにすれば、自治会員の間で、地域に関する意識の共有を図り、意識の共有により、コミュニケーションの円滑化を実現することができる。
【0075】
また、自治会員が何等かの手助けをお願いする際、カレンダー機能とマップ機能とを連動させて表示するとともに、有償か無償か、手助けが必要な期間、緊急性などを具体的に知らせることができるので、他の自治会員がその情報の詳細を理解し易くなる。
【0076】
なお、新規モジュール情報の登録だけでなく、モジュール情報に追加情報を追加する際にも、図9に示す流れで処理することが可能である。例えば、それぞれ実際に行われる活動について追加すべき内容を追加することができるし、行われた活動の記録(写真や映像)、結果、成果、思いついた改善点をモジュール情報に残し、他の利用者に公開することができる。
【0077】
また、ある利用者がモジュール情報に追加した情報の回答として、そのモジュール情報に、その追加情報への回答、申し出をさらなる追加情報として他の利用者が追加するようにしてもよい。このようにすれば、モジュール情報への追加情報の追加により利用者間でコミュニケーションを図ることができる。
【0078】
また、市政だよりなどの電子ファイルの行政情報の記録を、このシステムを活用して行うことができる。順次発行される市政だよりの電子ファイルは、追加情報としてモジュール情報に追加される。なお、この際、順次追加される行政情報を、手動又は自動的に重要な順番にソートして記録するようにしてもよい。
【0079】
[モジュール情報の内容の変更]
次に、第2の処理の流れとして、モジュール情報管理部10で管理されるモジュール情報の内容の変更が行われる場合の処理の流れについて説明する。情報の変更を行う利用者端末2を利用者端末Bとし、情報の変更の問い合わせを受ける利用者端末2を利用者端末Cとして説明を行う。
【0080】
図10に示すように、利用者端末Bがサーバコンピュータ3の情報受信部11にアクセスし(ステップS4)、情報受信部11が情報送信部12に通知を行い(ステップS5)、情報送信部12がモジュール情報管理部10からモジュール情報を読み出して、利用者端末Bに送信する(ステップS8)。なお、ここでは、広告情報管理部13及び回数管理部14に関する処理は省略されている。
【0081】
続いて、利用者端末Bからサーバコンピュータ3にモジュール情報の変更情報を受信すると(ステップS20)、情報受信部11は、情報送信部12にその旨を通知する(ステップS21)。情報受信部11は、変更情報の承諾の可否の決定を促す問い合わせ情報を含む電子メール等を、そのモジュール情報に関連する利用者の利用者端末B、Cに一斉送信する(ステップS22)。
【0082】
利用者端末Cから回答が来ると(ステップS23)、情報受信部11は、全員が承諾したか否かを判定する(ステップS24)。全員承諾している場合(ステップS24;Yes)、情報受信部11は、変更情報に基づいて、モジュール情報管理部10で管理されるモジュール情報の内容の変更を行う(ステップS25)。全員承諾している場合(ステップS24;Yes)、情報受信部11は、モジュール情報の内容の変更を中止する(ステップS26)。
【0083】
なお、すべての変更情報について問い合わせ情報を一斉送信せずに、変更情報が他の利用者の承諾が必要であるか否かを判定し、必要であれば、問い合わせ情報を送信するようにしてもよい。この判定の条件は、サーバコンピュータ3に登録されていてもよいし、自治会役員の利用者端末2には問い合わせ情報が送信され、自治会役員の判断で判定が行われるようにしてもよい。上述の新規モジュール情報の追加及び追加情報の追加についても、このような判断が行われるようにしてもよい。
【0084】
このようにすれば、モジュール情報への内容の変更が可能となる。この処理により、例えば活動が行われる日時、担当者、場所の変更の希望を申請するのに用いることができる。担当者の変更は、一時的に他の利用者が代行する場合も含まれる。また、活動を共に行う仲間を新たに募集する場合にもこのシステムを用いることができる。
【0085】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、サーバコンピュータ3が自治会4で行われる活動をその活動単位でモジュール化してまとめられた個々の活動の内容を示すモジュール情報を管理し、管理されるモジュール情報のうち、送信要求に対応するモジュール情報を利用者端末2に送信し、自治会4に属する利用者がそのモジュール情報に触れ易くすることができるので、参加・参画しやすい自治会4を構築することができる。
【0086】
さらに詳細には、活動支援システム1により、以下の効果が得られる。
(1)自治会役員の仕事や活動の可視化
自治会員が自治会役員の仕事や活動を認知させるようにすることができる。
(2)自治会活動の負担軽減と相互付与機能の向上
自治会活動の負担が特定の人物に偏らないようにするとともに、自治会員がお互いに助け合う環境を構築することができる。
(3)防犯、防災機能の向上
地域の防犯・防災に関する情報を自治会員に周知させることができる。
(4)活動の代行及び引継ぎ問題の解消
活動支援システム1により、自治会4の活動の代行の依頼及び回答をし易くするとともに活動の引き継ぎも同じ流れでし易くすることができる。また、活動の詳細な内容や経過もサーバコンピュータ3にアクセスすれば確認することができるので、代行や引き継ぎが容易となる。
(5)活動日時の調整の簡略化
活動の日時を変更するなど、活動の日程を調整し易くすることができる。
(6)交流の活性化、役員以外の住民の参加・参画のし易さの向上
自治会の活動を行い易くすることにより、自治会員間の交流を活性化し、自治会役員以外の住民が自治会の活動に参加・参画し易くすることができる。
(7)自治会活動のICT(Information and Communication Technology)化及びDX(Digital Transformation)化
自治会活動をICT化及びDX化することにより、自治会員間のコミュニケーションを円滑化することができるうえ、自治会活動の効率化を図ることができる。
(8)自治会活動の資料の保存、振り返り、改善点の記録
自治会活動の記録、振り返り、改善点などを記録して、今後の自治会の活動に役立てることができる。
活動支援システム1によれば、以上のような利点を持つことにより、地域住民が自治会に入りやすくなり、自治会員数を増やすことも可能となる。
【0087】
モジュール情報には、防犯、防災情報と、イベント又はグループ活動に関する情報と、物品又はサービスの提供に関する情報と、利用者に関する情報と、地域の行政に関する情報など、地域に関連する情報であればあらゆる情報を含めることができる。
【0088】
本実施の形態では、地域の団体を自治会4としている。しかしながらこれには限られない。マンションの組合、学校、子供会、スポーツ団体、同じ趣味を持つ人のサークル、有志が集まってできたグループなどであってもよい。
【0089】
利用者端末2及びサーバコンピュータ3のハードウエア構成やソフトウエア構成は一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0090】
CPU21、メインメモリ22、外部メモリ23、操作部24、通信インターフェイス25、表示部26及び内部バス28などから構成される利用者端末2及びサーバコンピュータ3の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する利用者端末2及びサーバコンピュータ3を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで利用者端末2及びサーバコンピュータ3を構成してもよい。
【0091】
利用者端末2及びサーバコンピュータ3の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0092】
搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)にコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介してコンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0093】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、地域の活動の支援に適用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 活動支援システム、2 利用者端末、3 サーバコンピュータ、4 自治会、10 モジュール情報管理部、11 情報受信部(情報登録部)、12 情報送信部、13 広告情報管理部、14 回数管理部、21 CPU、22 メインメモリ、23 外部メモリ、24 操作部、25 通信インターフェイス(I/F)、26 表示部、28 内部バス、29 プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10