(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014555
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】信号変換装置
(51)【国際特許分類】
H04B 1/03 20060101AFI20240125BHJP
G01D 11/24 20060101ALI20240125BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H04B1/03 A
G01D11/24
H05K9/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117466
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 智之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勇作
(72)【発明者】
【氏名】森田 陽雄
(72)【発明者】
【氏名】季原 則明
(72)【発明者】
【氏名】木村 崇寛
【テーマコード(参考)】
5E321
5K060
【Fターム(参考)】
5E321AA03
5E321GG09
5K060AA01
5K060AA07
5K060PP05
(57)【要約】
【課題】無線化を実現するときの利便性を向上させることができる信号変換装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る信号変換装置10は、筐体161と、電気信号が入力される入力部12と、入力部12に入力された電気信号を無線通信の通信プロトコルに従った通信信号に変換する変換部13と、変換部13により変換された通信信号を無線通信のために出力する出力部14と、を一体的に備え、入力部12は筐体161の第1面S1に配置され、出力部14は筐体161において第1面S1と反対側の第2面S2に配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
電気信号が入力される入力部と、
前記入力部に入力された前記電気信号を無線通信の通信プロトコルに従った通信信号に変換する変換部と、
前記変換部により変換された前記通信信号を無線通信のために出力する出力部と、
を一体的に備え、
前記入力部は前記筐体の第1面に配置され、前記出力部は前記筐体において前記第1面と反対側の第2面に配置されている、
信号変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の信号変換装置であって、
前記出力部は、無線通信用アンテナと接続されているケーブルが接続されるアンテナケーブル接続コネクタを含む、
信号変換装置。
【請求項3】
請求項2に記載の信号変換装置であって、
前記ケーブルは同軸ケーブルであり、
前記アンテナケーブル接続コネクタは同軸コネクタである、
信号変換装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の信号変換装置であって、
前記アンテナケーブル接続コネクタと前記筐体とが互いに電気的に接続されていない、
信号変換装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の信号変換装置であって、
前記筐体は、樹脂により形成されている、
信号変換装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の信号変換装置であって、
制御盤に前記信号変換装置を取り付けるための取付構造をさらに備え、
前記入力部と前記取付構造とは、前記第1面に配置されている、
信号変換装置。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の信号変換装置であって、
前記無線通信に関する設定情報が記録されている記録媒体の挿入口をさらに備え、
前記出力部と前記挿入口とは、前記第2面に配置されている、
信号変換装置。
【請求項8】
請求項7に記載の信号変換装置であって、
前記挿入口を覆うカバー部材をさらに備える、
信号変換装置。
【請求項9】
請求項8に記載の信号変換装置であって、
前記カバー部材は、金属製又は樹脂製である、
信号変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信に関連する技術が知られている。例えば、特許文献1には、複数の電波を同時に受信可能な複数本のアンテナケーブルとダイバーシティ受信機を構成する集積回路を備えたプリント回路基板との接続を簡易的に行うことができ、かつ、プリント回路基板の小型化をも図ることが可能なダイバーシティ受信機用コネクタユニットが開示されている。
【0003】
一方で、計装分野を含む様々な分野において、センサなどから出力された電気信号を受けてデジタル信号に変換する信号変換装置が知られている。近年、このような信号変換装置を用いて無線化などを図りたいという要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の信号変換装置を用いて無線化を行う場合、信号入力の機能を有する信号変換装置とは別に、無線入出力の機能を有する無線装置を別途用意する必要があった。これにより、無線化を実現するときの利便性が低下していた。
【0006】
本開示は、無線化を実現するときの利便性を向上させることができる信号変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態に係る信号変換装置は、筐体と、電気信号が入力される入力部と、前記入力部に入力された前記電気信号を無線通信の通信プロトコルに従った通信信号に変換する変換部と、前記変換部により変換された前記通信信号を無線通信のために出力する出力部と、を一体的に備え、前記入力部は前記筐体の第1面に配置され、前記出力部は前記筐体において前記第1面と反対側の第2面に配置されている。
【0008】
これにより、無線化を実現するときの利便性を向上させることができる。信号変換装置は、入力部と、変換部と、出力部と、を一体的に有することで、制御盤において、信号変換装置及び無線出力装置の両方を配置するための設置スペースを必要としない。信号変換装置は、従来の信号変換装置の設置スペースと同等の設置スペースのみで無線化などに対応できる。増設スペースがない場合であっても、既存の信号変換装置を一実施形態に係る信号変換装置に置き換えるだけで、既設システムを無線化などすることが可能である。例えば、信号変換装置は、ドイツ工業規格(DIN)に規格化された既存のDIN取り付け信号変換装置と同等のサイズで入力部、変換部、及び出力部を筐体に一体的に収容することにより、既存の信号変換装置を入れ替えるだけで無線化に対応することができる。
【0009】
一実施形態における信号変換装置では、前記出力部は、無線通信用アンテナと接続されているケーブルが接続されるアンテナケーブル接続コネクタを含んでもよい。これにより、無線通信用アンテナと入力部12との距離をケーブルの長さ分だけさらに大きくすることができる。信号変換装置は、アンテナケーブル接続コネクタを含む出力部を前面に配置することで、背面に配置したときと異なり、ケーブルの曲げ半径を容易に維持することが可能である。より具体的には、信号変換装置の前面側には、ユーザがケーブルの取付作業などを行うためのスペースが必然的に確保され、ケーブルは、このようなスペース内で大きな曲げ半径で配置可能である。信号変換装置は、制御盤内などの限られたスペースに容易に設置可能であり、両隣に密接した状態で他の装置を並べることも可能である。無線通信用アンテナのアンテナケーブル接続コネクタを信号変換装置の前面に配置したことで、DINレール上で装置を隙間なく並べることが可能である。信号変換装置は、既存の信号変換装置と同程度の実装密度を実現可能である。
【0010】
一実施形態における信号変換装置では、前記ケーブルは同軸ケーブルであり、前記アンテナケーブル接続コネクタは同軸コネクタであってもよい。これにより、信号変換装置は、同軸ケーブルによるノイズ遮蔽効果を受けながら、通信信号を出力部から無線通信用アンテナに安定して出力可能である。
【0011】
一実施形態における信号変換装置では、前記アンテナケーブル接続コネクタと前記筐体とが互いに電気的に接続されていなくてもよい。これにより、信号変換装置は、アンテナケーブル接続コネクタと筐体とを互いに電気的に絶縁可能である。
【0012】
一実施形態における信号変換装置では、前記筐体は、樹脂により形成されていてもよい。これにより、筐体の軽量化が可能となる。
【0013】
一実施形態における信号変換装置は、制御盤に前記信号変換装置を取り付けるための取付構造をさらに備え、前記入力部と前記取付構造とは、前記第1面に配置されていてもよい。これにより、DINレールなどへの取り付けによりスペースが狭くなる部分に、同軸ケーブルよりも曲げ半径を小さくすることが可能な信号線などの電線を配置することが可能になる。
【0014】
一実施形態における信号変換装置は、前記無線通信に関する設定情報が記録されている記録媒体の挿入口をさらに備え、前記出力部と前記挿入口とは、前記第2面に配置されていてもよい。これにより、信号変換装置は、信号変換装置を制御盤から取り外したり、配線を信号変換装置から取り外したりすることなくSIM(Subscriber Identity Module)カードなどの記録媒体の挿入及び交換を可能にする。したがって、ユーザは、故障時及び回線変更時などの記録媒体の交換作業を容易に行うことができる。
【0015】
一実施形態における信号変換装置は、前記挿入口を覆うカバー部材をさらに備えてもよい。これにより、信号変換装置は、挿入口に対するカバー機能を提供可能である。信号変換装置は、挿入口に対してカバー部材を設けることで、挿入口をユーザから隠して目立たなくすることができる。信号変換装置は、挿入口に対してカバー部材を設けることで、記録媒体が挿入口から脱落することを抑制可能である。信号変換装置は、挿入口に対してカバー部材を設けることで、悪意のある第三者によって挿入口に挿入されている記録媒体が傷付けられるといったことを抑制可能である。
【0016】
一実施形態における信号変換装置では、前記カバー部材は、金属製又は樹脂製であってもよい。信号変換装置は、カバー部材が金属製である場合、その強度を向上させて挿入口に挿入されている記録媒体の上述した各種保護効果をより顕著に発揮する。信号変換装置は、カバー部材が樹脂製である場合、カバー部材の軽量化を実現可能である。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、無線化を実現するときの利便性を向上させることができる信号変換装置を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の一実施形態に係る信号変換装置を含む無線通信システムの概略構成を示す模式図である。
【
図2】
図1の信号変換装置の構成の一部を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図2の信号変換装置の外観を示す斜視図である。
【
図4】
図3のIV-IV矢線に沿う断面の一部を模式的に描いた断面図である。
【
図5】
図3のV-V矢線に沿う断面の一部を模式的に描いた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
従来技術の背景及び問題点についてより詳細に説明する。
【0020】
計装分野、環境計測、分散型装置の監視、消耗品及び工場設備などの状態監視、水位及び大気汚染などの防災監視、並びに地熱開発などにおける環境モニタリングなどの様々な分野で信号変換装置が用いられている。このような信号変換装置は、センサから取得した電気信号をデジタル信号に変換して、信号変換装置と有線接続されているパーソナルコンピュータ(PC)などに当該デジタル信号を出力する。
【0021】
このような信号変換装置を用いて無線化する場合、無線化システムにおいて、当該信号変換装置とは別に、無線出力の機能を有する無線出力装置を別途用意する必要がある。センサから出力された電気信号は、信号変換装置に入力され、当該信号変換装置においてデジタル信号に変換される。そして、信号変換装置から出力されたデジタル信号は、無線出力装置に入力され、無線通信の通信プロトコルに従った通信信号に変換される。無線出力装置により無線通信が行われる。
【0022】
無線出力装置から送信された通信信号は、無線出力装置と離れた場所に設置されている無線受信装置により受信される。無線受信装置は、受信した通信信号をデジタル信号としてPCなどに出力する。PCは、ネットワークに通信可能に接続され、無線受信装置から取得したデジタル信号を必要に応じて当該ネットワークを介して集中管理サーバ及びクラウドシステムなどに送信する。
【0023】
以上のような従来の無線化システムにおいて、信号変換装置は制御盤内に設置されているDINレールに所定の取付構造を介して取り付けられる。同様に、無線出力装置も、例えば当該制御盤内で信号変換装置の近傍に設置される。
【0024】
以上のような従来の無線化システムは、以下の問題点を有する。
【0025】
例えば、上述したとおり、センサからの電気信号を受けてデジタル信号に変換する信号変換装置はDINレールに取り付けられ、制御盤に収納されていることが多い。このような既存のセンサを利用して無線化などを図ろうとすると、信号入力の機能を有する信号変換装置と、無線出力の機能を有する無線出力装置と、を別々の装置として構成する必要があった。このため、制御盤において、信号変換装置及び無線出力装置の両方を配置するための設置スペースが必要とされていた。
【0026】
装置の設置スペースが限定されている制御盤内で、信号変換装置に加えて無線出力装置を新たに増設することは容易ではなかった。加えて、既存の無線出力装置の多くは、無線出力装置と離れた場所に設置されている無線受信装置を必要とする方式のものであり、無線出力装置に加えて無線受信装置を設置するためのスペースも別途必要とされていた。
【0027】
加えて、従来の無線化システムは、上述したとおり、信号変換装置、無線出力装置、無線受信装置、及びPCなどの複数の装置を有していた。従来の無線化システムでは、これらの複数の装置の各々に対して電源の供給を行う必要もあった。
【0028】
一方で、従来の無線出力装置には、様々なタイプのものが存在する。
【0029】
例えば、従来の第1例に係る無線出力装置は、アナログ信号が入力される入力部と、無線通信のために同軸ケーブルなどを介してアンテナに通信信号を出力するアンテナケーブル接続コネクタを含む出力部と、を筐体の前面に有する。
【0030】
このような従来の第1例に係る無線出力装置では、アナログ信号と無線通信用の通信信号とが互いに近接して混在することになる。したがって、信号の干渉について知見を有する専門家が正しく配線しないと、通信品質の低下及びアナログ信号へのノイズの混入などのトラブルにつながる可能性もあった。
【0031】
例えば、従来の第2例に係る無線出力装置は、SIMカードを挿入するための挿入口を筐体の前面のカバーの裏側に有し、配線インタフェースを筐体の前面側に有する。SIM挿入口は、筐体の前面のカバーの裏側に配置され、ねじ止めを外して筐体の前面のカバーを外すことでSIMカードの挿入を可能にする。
【0032】
このような無線出力装置を用いてセルラー通信を行うとき、通信キャリアから提供されるSIMカードを用いることが一般的である。セルラー通信の使用を開始するときに、無線出力装置のSIM挿入口にSIMカードを挿入する作業が発生していた。加えて、海外での対応を行うときにも、各国でSIMが異なるため、SIMカードを交換可能な構造が必要とされる。
【0033】
一方で、セルラー通信機能を有する無線出力装置では、SIM挿入口にねじ止めなどでカバーを設けることが一般的である。その理由は、SIMカードを挿入したら契約期間中は通常はそのまま使用し続けるため、重力及び振動などによってSIMカードが自然に抜けてしまい、接触不良が生じてしまうことを抑制するため、などである。
【0034】
したがって、SIMカードの挿入及び交換時には、無線出力装置におけるカバーのねじを外してSIM挿入口を露出させる作業が発生していた。無線出力装置の設置態様によっては、無線出力装置に隣接する他の装置及び配線などに起因して、無線出力装置を設置場所からわざわざ取り外さないとこのような作業を行うことができないといった問題があった。
【0035】
例えば、従来の第3例に係る無線出力装置は、同軸ケーブルなどを介してアンテナに通信信号を出力するアンテナケーブル接続コネクタを含む出力部を筐体の背面に有する。このようなアンテナケーブル接続コネクタが筐体の背面又は側面に取り付けられている場合、アンテナケーブル接続コネクタに接続される同軸ケーブルの曲げ半径が信号線及び電源線などの電線と比較して大きいことに起因して、無線出力装置の配置が制限されることも多かった。
【0036】
本開示は、以上のような問題点を解決するために、無線化を実現するときの利便性を向上させることができる信号変換装置を提供することを目的とする。以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。
【0037】
図1は、本開示の一実施形態に係る信号変換装置10を含む無線通信システム1の概略構成を示す模式図である。
図1を参照しながら、無線通信システム1の構成の概略について主に説明する。
【0038】
無線通信システム1は、信号変換装置10に加えて、信号変換装置10に電気信号を出力するセンサ20と、信号変換装置10に電力を供給する電源30と、信号変換装置10が通信可能に接続されている無線ネットワーク40と、を有する。本開示において、「電気信号」は、例えばアナログ信号を含む。信号変換装置10は、無線ネットワーク40に通信可能に接続され、取得した電気信号を通信信号に変換し、無線ネットワーク40を介して集中管理サーバ及びクラウドシステムなどに送信する。
【0039】
センサ20は、被測定対象となる物理量に対する測定処理を実行して測定値を電気信号として出力する任意のセンサを含む。本開示において、「物理量」は、例えばセンサ20が配置されているプラント設備において発生した気体及び液体などを含む流体の温度、圧力、流量、及びPH、並びにプラント設備の腐食度及び振動量などを含む。これに限定されず、物理量は、バルブ、モータ、及びリレーなどを含むアクチュエータに関連する、温度及び圧力などを含む状態パラメータを含んでもよい。
【0040】
本開示において、「プラント設備」は、例えば化学などの工業プラントの他、ガス田及び油田などを含む井戸元、並びにその周辺を管理制御するプラントを含む。その他にも、プラント設備は、水力、火力、及び原子力などの発電を管理制御するプラント、太陽光及び風力などの環境発電を管理制御するプラント、並びに上下水及びダムなどを管理制御するプラントなどを含んでもよい。
【0041】
信号変換装置10は、計装分野、環境計測、分散型装置の監視、消耗品及び工場設備などの状態監視、水位及び大気汚染などの防災監視、並びに地熱開発などにおける環境モニタリングなどの様々な分野で利用可能である。信号変換装置10は、電源30から電力供給を受けて動作する。信号変換装置10は、センサ20から出力される電気信号の入力を受け付ける。信号変換装置10は、センサ20から取得した電気信号を無線通信の通信プロトコルに従った通信信号に変換して、無線ネットワーク40に送信する。
【0042】
図2は、
図1の信号変換装置10の構成の一部を示す機能ブロック図である。
図2を参照しながら、信号変換装置10の構成の一部について主に説明する。
【0043】
信号変換装置10は、制御部11と、入力部12と、変換部13と、出力部14と、記憶部15と、を一体的に有する。
【0044】
制御部11は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部11は、信号変換装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、信号変換装置10全体の動作を制御する。
【0045】
入力部12は、任意の入力インタフェースを含む。例えば、入力部12は、センサ20から出力される電気信号が流れる信号線などの電線が接続される任意のコネクタを含む。入力部12には、電気信号が入力される。例えば、入力部12には、センサ20から出力され、信号線などの電線を介して流れてきた電気信号が入力される。
【0046】
変換部13は、入力部12に入力された電気信号を無線通信の通信プロトコルに従った通信信号に変換する任意の変換モジュールを含む。本開示において、「無線通信」は、例えば信号変換装置10が無線ネットワーク40に通信可能に接続するためのセルラー通信を含む。「通信プロトコル」は、例えばこのようなセルラー通信に準拠したプロトコルを含む。「通信信号」は、例えばデジタル信号を含む。
【0047】
出力部14は、任意の出力インタフェースを含む。例えば、出力部14は、無線通信用アンテナと接続されているケーブルが接続される任意のアンテナケーブル接続コネクタを含む。本開示において、「ケーブル」は、例えば同軸ケーブルである。「アンテナケーブル接続コネクタ」は、例えば同軸コネクタである。同軸コネクタは、例えばSMA、SMB、QMA、MCX、4.3/10、及びNなどのタイプに基づくコネクタを含む。出力部14は、変換部13により変換された通信信号を無線通信のために出力する。出力部14から出力された通信信号は、同軸ケーブルを介してアンテナに到達し、無線通信のためにアンテナから送信される。信号変換装置10は、出力部14を介して例えばセルラー通信網と直接通信可能に接続されている。すなわち、信号変換装置10は、無線通信システム1において従来のような別々の装置としての無線送信装置を必要としない。
【0048】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを含む任意の記憶モジュールを含む。記憶部15は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部15は、信号変換装置10に内蔵されているものに限定されず、USB(Universal Serial Bus)などのデジタル入出力ポートによって接続されている外付け型の記憶モジュールを含んでもよい。
【0049】
図3は、
図2の信号変換装置10の外観を示す斜視図である。信号変換装置10は、
図2に示す各構成部に加えて、筐体161と、取付構造162と、挿入口163と、カバー部材164と、USBコネクタ165と、プッシュスイッチ166と、LED(Light-Emitting Diode)167と、を有する。
【0050】
筐体161は、任意の材料によって形成され、信号変換装置10の外形を構成する。例えば、筐体161は、樹脂により形成されている。出力部14に含まれるアンテナケーブル接続コネクタと筐体161とは、互いに電気的に接続されていない。筐体161は、背面を構成する第1面S1と、背面と反対側の前面を構成する第2面S2と、を有する。
【0051】
筐体161は、その内部において信号変換装置10の構成の一部を収容したり、その表面において他の一部を取り付け可能に保持したりする。より具体的には、筐体161は、制御部11、変換部13、記憶部15、及び後述する回路基板168を内蔵し、筐体161の内部で保持する。筐体161は、入力部12を第1面S1側で保持する。筐体161は、出力部14を第2面S2側で保持する。その他にも、筐体161は、第1面S1側で取付構造162を有する。筐体161は、挿入口163、カバー部材164、USBコネクタ165、プッシュスイッチ166、及びLED167を第2面S2側で保持する。筐体161は、変換部13を有さず直接的に無線化されていない従来の信号変換装置のものと外形及びサイズを共通化して形成されている。
【0052】
取付構造162は、制御盤に信号変換装置10を取り付けるための任意の構造を含む。例えば、取付構造162は、制御盤内に設置されているDINレールに適合した構造を含む。信号変換装置10は、取付構造162によって制御盤内などの任意の場所に取り付けられている。例えば、信号変換装置10は、取付構造162を介してDINレールに取り付けられることで、制御盤内に設置されている。
【0053】
挿入口163は、無線通信に関する設定情報が記録されている記録媒体の挿入を受ける。本開示において、「記録媒体」は、例えばSIMカードを含む。変換部13は、上記の設定情報を用いて、電気信号を通信信号に変換する。挿入口163は、変換部13を有さず直接的に無線化されていない従来の信号変換装置に対して増設されている。挿入口163は、第2面S2の下部において第2面S2の側縁部近傍に配置されている。
【0054】
カバー部材164は、挿入口163を覆う、金属製又は樹脂製の部材である。カバー部材164は、例えば筐体161の第2面S2の下部において挿入口163の左隣りに貼り付けられている、製品情報などが記載されたラベルと同一の素材で形成されていてもよい。
【0055】
USBコネクタ165は、信号変換装置10の製造時のみに使用される。例えば、USBコネクタ165は、信号変換装置10の製造時に、信号変換装置10を動作させるためのソフトウェアを製造者が記憶部15に書き込む作業などに用いられる。USBコネクタ165は、ユーザが信号変換装置10を実際に使用するときには例えばラベルと同一の素材で形成されているカバーなどにより覆われていて使用されない。
【0056】
プッシュスイッチ166は、信号変換装置10の電源のオンオフを切り替える任意のスイッチを含む。LED167は、例えば電源がオンになり信号変換装置10が動作しているときに点灯し、電源がオフになり信号変換装置10が動作していないときに消灯する。LED167は、信号変換装置10を使用するユーザに信号変換装置10の動作状態を知らせるためのものである。
【0057】
信号変換装置10では、入力部12は筐体161の第1面S1に配置されている。取付構造162は、入力部12と共に第1面S1に配置されている。出力部14は筐体161において第1面S1と反対側の第2面S2に配置されている。挿入口163は、出力部14と共に第2面S2に配置されている。第2面S2には、出力部14及び挿入口163の他にも、カバー部材164、USBコネクタ165、プッシュスイッチ166、及びLED167が取り付けられている。
【0058】
図4は、
図3のIV-IV矢線に沿う断面の一部を模式的に描いた断面図である。
【0059】
信号変換装置10では、プッシュスイッチ166とLED167とは、第2面S2において互いに隣接するように配置されている。プッシュスイッチ166及びLED167が実装されている回路基板168は、筐体161の内部に収容されている。プッシュスイッチ166とLED167とは、回路基板168における表面実装部品である。プッシュスイッチ166とLED167とは、回路基板168の両面にそれぞれ実装されている。
【0060】
プッシュスイッチ166は、ロングノーズの形状で形成されている。すなわち、回路基板168におけるプッシュスイッチ166のフットプリントは、筐体161の第2面S2から大きく離間してLED167のフットプリントよりも筐体161の内側に位置する。プッシュスイッチ166の先端のみが第2面S2から筐体161の外側に露出する。プッシュスイッチ166の先端が配置されている第2面S2の開口部の縁は、C面として形成されている。プッシュスイッチ166の略全体は、筐体161の内部に収容されている。LED167の先端のみが第2面S2から筐体161の外側に露出する。LED167の略全体は、筐体161の内部に収容されている。
【0061】
図5は、
図3のV-V矢線に沿う断面の一部を模式的に描いた断面図である。
【0062】
信号変換装置10では、USBコネクタ165は、第2面S2においてプッシュスイッチ166及びLED167の直下に配置されている。USBコネクタ165は、回路基板168に実装されている。USBコネクタ165は、回路基板168における表面実装部品である。USBコネクタ165は、回路基板168に対して縦向きになるように実装されている。すなわち、USBコネクタ165は、USBコネクタ165の外形において面積が小さい面を実装面として回路基板168に実装されている。
【0063】
USBコネクタ165の先端のみが第2面S2から筐体161の外側に露出する。USBコネクタ165の先端は、筐体161の第2面S2に形成されている開口部に嵌まる。USBコネクタ165の略全体は、筐体161の内部に収容されている。
【0064】
以上のような一実施形態に係る信号変換装置10によれば、無線化を実現するときの利便性を向上させることができる。信号変換装置10は、入力部12と、変換部13と、出力部14と、を一体的に有することで、制御盤において、信号変換装置及び無線出力装置の両方を配置するための設置スペースを必要としない。信号変換装置10は、従来の信号変換装置の設置スペースと同等の設置スペースのみで無線化などに対応できる。増設スペースがない場合であっても、既存の信号変換装置を信号変換装置10に置き換えるだけで、既設システムを無線化などすることが可能である。例えば、信号変換装置10は、既存のDIN取り付け信号変換装置と同等のサイズで入力部12、変換部13、及び出力部14を筐体161に一体的に収容することにより、既存の信号変換装置を入れ替えるだけで無線化に対応することができる。
【0065】
加えて、信号変換装置10を用いた無線通信システム1は、従来の無線化システムのように複数の装置の各々に対して電源の供給を行う必要もなく、従来の信号変換装置への電源供給と同一の態様で信号変換装置10のみに電源供給を行うだけでよい。すなわち、電源30は、1つの信号変換装置10内の制御部11、変換部13、記憶部15、LED167、及び回路基板168などに電源を供給している。
【0066】
信号変換装置10は、入力部12と出力部14とが筐体161において互いに反対側の面に配置されていることで、配線経路によるノイズトラブルを抑制可能である。より具体的には、信号変換装置10は、アンテナケーブル接続コネクタを含む出力部14を入力部12から離間させることで、無線通信のための通信信号と入力されるアナログ信号としての電気信号との間で距離を確保することができる。信号変換装置10は、これらの信号間の干渉を抑制可能である。結果として、信号変換装置10は、通信品質の低下及びアナログ信号へのノイズの混入などのトラブルを抑制可能である。これにより、信号変換装置10は、無線化を実現するときの利便性を向上させることができる。
【0067】
信号変換装置10は、出力部14が無線通信用アンテナと接続されているケーブルが接続されるアンテナケーブル接続コネクタを含むことで、無線通信用アンテナと入力部12との距離をケーブルの長さ分だけさらに大きくすることができる。信号変換装置10は、アンテナケーブル接続コネクタを含む出力部14を前面に配置することで、背面に配置したときと異なり、ケーブルの曲げ半径を容易に維持することが可能である。より具体的には、信号変換装置10の前面側には、ユーザがケーブルの取付作業などを行うためのスペースが必然的に確保され、ケーブルは、このようなスペース内で大きな曲げ半径で配置可能である。信号変換装置10は、制御盤内などの限られたスペースに容易に設置可能であり、両隣に密接した状態で他の装置を並べることも可能である。無線通信用アンテナのアンテナケーブル接続コネクタを信号変換装置10の前面に配置したことで、DINレール上で装置を隙間なく並べることが可能である。信号変換装置10は、既存の信号変換装置と同程度の実装密度を実現可能である。
【0068】
信号変換装置10は、ケーブルが同軸ケーブルであり、アンテナケーブル接続コネクタが同軸コネクタであることで、同軸ケーブルによるノイズ遮蔽効果を受けながら、通信信号を出力部14から無線通信用アンテナに安定して出力可能である。
【0069】
信号変換装置10は、アンテナケーブル接続コネクタと筐体161とが互いに電気的に接続されていないことで、アンテナケーブル接続コネクタと筐体161とを互いに電気的に絶縁可能である。
【0070】
信号変換装置10は、筐体161が樹脂により形成されていることで、筐体161の軽量化を可能にする。
【0071】
信号変換装置10は、入力部12と取付構造162とが第1面S1に配置されていることで、DINレールなどへの取り付けによりスペースが狭くなる部分に、同軸ケーブルよりも曲げ半径を小さくすることが可能な信号線などの電線を配置することが可能になる。
【0072】
信号変換装置10は、挿入口163が筐体161の前面に配置されていることで、信号変換装置10を制御盤から取り外したり、配線を信号変換装置10から取り外したりすることなくSIMカードなどの記録媒体の挿入及び交換を可能にする。これにより、ユーザは、故障時及び回線変更時などの記録媒体の交換作業を容易に行うことができる。
【0073】
信号変換装置10は、カバー部材164がラベルと同一の素材で形成されていることで、以上のような作業時にはカバー部材164を容易に取り外すことが可能である。したがって、信号変換装置10は、上述した作業容易性を維持可能である。
【0074】
信号変換装置10は、挿入口163を覆うカバー部材164をさらに有することで、挿入口163に対するカバー機能を提供可能である。信号変換装置10は、挿入口163に対してカバー部材164を設けることで、挿入口163をユーザから隠して目立たなくすることができる。信号変換装置10は、挿入口163に対してカバー部材164を設けることで、記録媒体が挿入口163から脱落することを抑制可能である。信号変換装置10は、挿入口163に対してカバー部材164を設けることで、悪意のある第三者によって挿入口163に挿入されている記録媒体が傷付けられるといったことを抑制可能である。
【0075】
信号変換装置10は、カバー部材164が金属製である場合、その強度を向上させて挿入口163に挿入されている記録媒体の上述した各種保護効果をより顕著に発揮する。信号変換装置10は、カバー部材164が樹脂製である場合、カバー部材164の軽量化を実現可能である。
【0076】
信号変換装置10は、変換部13を有さず直接的に無線化されていない従来の信号変換装置のものと筐体161が外形及びサイズを共通化して形成されていることで、従来の信号変換装置から信号変換装置10への置き換え時に、元の設置場所をそのまま用いることができる。加えて、筐体161を製造するときの金型を共通のものとすることもでき、信号変換装置10の製造に伴うコストを低減可能である。
【0077】
信号変換装置10は、プッシュスイッチ166とLED167とが回路基板168の両面にそれぞれ実装されていることで、ユーザが頻繁にアクセスする筐体161の前面にインタフェースを集中させつつ、回路基板168の限られた実装スペースを有効に活用可能である。
【0078】
信号変換装置10は、プッシュスイッチ166がロングノーズの形状で形成されていることで、回路基板168に実装される部品間の干渉を抑制可能である。信号変換装置10は、回路基板168の限られた実装スペースを有効に活用しながら、筐体161の前面へのインタフェースの集中を実現可能にする。
【0079】
信号変換装置10は、USBコネクタ165が回路基板168に対して縦向きになるように実装されていることで、回路基板168上の実装領域を低減可能である。これにより、信号変換装置10は、回路基板168上でより多くの回路部品を実装可能であり、実装密度を向上させることができる。
【0080】
信号変換装置10は、USBコネクタ165の先端が筐体161の第2面S2に形成されている開口部に嵌まることで、回路基板168に対して縦向きに実装されている場合であっても、回路基板168及び筐体161に対するUSBコネクタ165の取付強度を向上可能である。これにより、信号変換装置10は、USBコネクタ165に対して外力が加わったときであっても、当該外力を筐体161で受け止めて、USBコネクタ165の破損を抑制可能である。
【0081】
信号変換装置10は、挿入口163が第2面S2の下部において第2面S2の側縁部近傍に配置されていることで、従来製品と同様に第2面S2の下部におけるラベル表示を可能にしつつ、前面にインタフェースを集中させるレイアウトを実現可能である。
【0082】
信号変換装置10は、プッシュスイッチ166の先端が配置されている第2面S2の開口部の縁がC面として形成されていることで、プッシュスイッチ166に対するユーザの操作性を向上可能である。ユーザは、当該プッシュスイッチ166を押しやすくなる。
【0083】
信号変換装置10は、USBコネクタ165が製造時のみに使用され、それ以外のときにはカバーなどにより覆われていることで、製造時に使用するインタフェースを差別化可能である。信号変換装置10は、製造時における製造者のUSBコネクタ165へのアクセスを容易にしつつ、信号変換装置10の実際の使用時におけるユーザのUSBコネクタ165の誤使用を抑制可能である。
【0084】
本開示は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的であり、これに限定されない。開示の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるとする。
【0085】
例えば、上述した各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、大きさ、配置、向き、及び個数は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0086】
上記実施形態では、電気信号は、例えばアナログ信号を含むと説明したが、これに限定されない。電気信号は、デジタル信号を含んでもよい。例えば、デジタル信号は、バルブ、モータ、リレーなどから出力されるオン又はオフの信号を含んでもよい。電気信号は、センサ20から出力されると説明したが、これに限定されない。電気信号は、任意の出力元から出力されたものであってもよい。
【0087】
上記実施形態では、無線通信はセルラー通信を含むと説明したが、これに限定されない。無線通信は、例えば信号変換装置10が無線ネットワーク40に通信可能に接続するための任意のものを含んでもよい。
【0088】
上記実施形態では、出力部14は、無線通信用アンテナと接続されているケーブルが接続される任意のアンテナケーブル接続コネクタを含むと説明したが、これに限定されない。出力部14は、このようなアンテナケーブル接続コネクタを含まなくてもよい。このとき、無線通信用アンテナは、筐体161に直接的に取り付けられていてもよい。
【0089】
上記実施形態では、ケーブルは同軸ケーブルであり、アンテナケーブル接続コネクタは同軸コネクタであると説明したが、これに限定されない。ケーブルは、同軸ケーブル以外の任意の他のものであってもよいし、アンテナケーブル接続コネクタも、ケーブルに対応する任意のものであってもよい。
【0090】
上記実施形態では、アンテナケーブル接続コネクタと筐体161とが互いに電気的に接続されていないと説明したが、これに限定されない。アンテナケーブル接続コネクタと筐体161とが互いに電気的に接続されていてもよい。例えば、信号変換装置10では、筐体161が金属により形成され、通常の同軸コネクタと同様に、アンテナケーブル接続コネクタと筐体161とが互いにグランド接続されていてもよい。
【0091】
上記実施形態では、筐体161は、樹脂により形成されていると説明したが、これに限定されない。筐体161は、金属により形成されていてもよい。
【0092】
上記実施形態では、入力部12と取付構造162とが第1面S1に配置されていると説明したが、これに限定されない。取付構造162は、筐体161における第1面S1以外の任意の他の面に配置されていてもよい。
【0093】
上記実施形態では、取付構造162は、制御盤内に設置されているDINレールに適合した構造を含むと説明したが、これに限定されない。取付構造162は、例えば螺合、嵌合、及び係合などにより任意の設置対象に信号変換装置10を取り付け可能な任意の構造を含んでもよい。例えば、取付構造162は、DINレールに適合した構造に代えて、又は加えて、ねじ止め構造及び壁掛け構造などを含んでもよい。
【0094】
上記実施形態では、出力部14と挿入口163とが第2面S2に配置されていると説明したが、これに限定されない。挿入口163は、筐体161における第2面S2以外の任意の他の面に配置されていてもよい。
【0095】
上記実施形態では、挿入口163は、筐体161に対して1つのみ配置されているが、これに限定されない。挿入口163は、筐体161に対して複数配置されていてもよい。
【0096】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
筐体と、
電気信号が入力される入力部と、
前記入力部に入力された前記電気信号を無線通信の通信プロトコルに従った通信信号に変換する変換部と、
前記変換部により変換された前記通信信号を無線通信のために出力する出力部と、
を一体的に備え、
前記入力部は前記筐体の第1面に配置され、前記出力部は前記筐体において前記第1面と反対側の第2面に配置されている、
信号変換装置。
[付記2]
付記1に記載の信号変換装置であって、
前記出力部は、無線通信用アンテナと接続されているケーブルが接続されるアンテナケーブル接続コネクタを含む、
信号変換装置。
[付記3]
付記2に記載の信号変換装置であって、
前記ケーブルは同軸ケーブルであり、
前記アンテナケーブル接続コネクタは同軸コネクタである、
信号変換装置。
[付記4]
付記2又は3に記載の信号変換装置であって、
前記アンテナケーブル接続コネクタと前記筐体とが互いに電気的に接続されていない、
信号変換装置。
[付記5]
付記1乃至4のいずれか1つに記載の信号変換装置であって、
前記筐体は、樹脂により形成されている、
信号変換装置。
[付記6]
付記1乃至5のいずれか1つに記載の信号変換装置であって、
制御盤に前記信号変換装置を取り付けるための取付構造をさらに備え、
前記入力部と前記取付構造とは、前記第1面に配置されている、
信号変換装置。
[付記7]
付記1乃至6のいずれか1つに記載の信号変換装置であって、
前記無線通信に関する設定情報が記録されている記録媒体の挿入口をさらに備え、
前記出力部と前記挿入口とは、前記第2面に配置されている、
信号変換装置。
[付記8]
付記7に記載の信号変換装置であって、
前記挿入口を覆うカバー部材をさらに備える、
信号変換装置。
[付記9]
付記8に記載の信号変換装置であって、
前記カバー部材は、金属製又は樹脂製である、
信号変換装置。
【符号の説明】
【0097】
1 無線通信システム
10 信号変換装置
11 制御部
12 入力部
13 変換部
14 出力部
15 記憶部
161 筐体
162 取付構造
163 挿入口
164 カバー部材
165 USBコネクタ
166 プッシュスイッチ
167 LED
168 回路基板
20 センサ
30 電源
40 無線ネットワーク