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特開2024-145550情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145550
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/266 20110101AFI20241004BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241004BHJP
   H04N 21/854 20110101ALI20241004BHJP
【FI】
H04N21/266
G06T19/00 A
H04N21/854
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057950
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100154036
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】内村 幸一
(72)【発明者】
【氏名】新免 真己
【テーマコード(参考)】
5B050
5C164
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA26
5B050FA02
5C164FA29
5C164MA03S
5C164MC05P
5C164SC01P
5C164UB90S
(57)【要約】
【課題】コンテンツの属性情報に基づいて、仮想空間での当該コンテンツの扱いを制御することを可能とする。
【解決手段】複数の異なる仮想空間のうちの一の仮想空間に対応付けられる仮想空間属性情報と、第1のコンテンツに対応付けられる第1のコンテンツ管理情報と、に基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断する処理と、利用可能と判断された前記第1のコンテンツの第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に既に配置されている第2のコンテンツに対応付けられる第2のコンテンツ属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を制御する処理と、を行う制御部を備える、情報処理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる仮想空間のうちの一の仮想空間に対応付けられる仮想空間属性情報と、第1のコンテンツに対応付けられる第1のコンテンツ管理情報と、に基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断する処理と、
利用可能と判断された前記第1のコンテンツの第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に既に配置されている第2のコンテンツに対応付けられる第2のコンテンツ属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を制御する処理と、
を行う制御部を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第1のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置は不可と判定し、
前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第1のコンテンツが該当しない場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に、前記第1のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定し、
前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に前記第1のコンテンツが該当しない場合、前記第1のコンテンツの配置は不可と判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第1のコンテンツが該当せず、かつ、前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に前記第1のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の判定エリアで示される範囲内に前記第1のコンテンツの配置予定位置が含まれる場合、前記第1のコンテンツの配置可否を判定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を不可と判定した際、不可判定の要因となった前記第2のコンテンツの権利者への許可申請の問い合わせ要否を、前記第1のコンテンツの配置操作を行うユーザに通知する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第2のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置は不可と判定し、
前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第2のコンテンツが該当しない場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に、前記第2のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定し、
前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に前記第2のコンテンツが該当しない場合、前記第1のコンテンツの配置は不可と判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第2のコンテンツが該当せず、かつ、前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に前記第2のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の判定エリアで示される範囲内に前記第2のコンテンツが位置する場合、前記第1のコンテンツの配置可否を判定する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を不可と判定した際、前記第1のコンテンツの権利者が前記第1のコンテンツの配置操作を行うユーザ自身である場合、警告と共に、前記第1のコンテンツを配置するか否かを当該ユーザに問う画面を表示する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を不可と判定した際、該当する禁止属性または必要な許可属性の少なくともいずれかと、不可判定の要因となった前記第2のコンテンツを、前記第1のコンテンツの配置操作を行うユーザに通知する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記第1のコンテンツ属性情報は、前記第1のコンテンツ管理情報に含まれる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記第1のコンテンツ管理情報に含まれる前記第1のコンテンツの利用が許可される仮想空間に関する情報と、前記仮想空間属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記第1のコンテンツの利用が許可される仮想空間に関する情報は、仮想空間の識別情報、または世界観の情報である、請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用できないと判断した場合、前記一の仮想空間への前記第1のコンテンツの持ち込みが不可である旨を、前記第1のコンテンツの持ち込み操作を行うユーザに通知する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記第1または前記第2のコンテンツは、アバター、キャラクター、またはアイテムであり、
前記第1または前記第2のコンテンツ属性情報は、コンテンツの大きさ、重量、世界観、年齢、性別、種族、分類、または職業を少なくとも含む各属性項目の情報と、各属性項目における近傍配置の禁止属性または許可属性の情報と、を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記第1のコンテンツの前記第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に設定されるマップに対応付けられる属性情報とに基づいて、前記マップ内における前記第1のコンテンツの配置を制御する処理を行う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項19】
プロセッサが、
複数の異なる仮想空間のうちの一の仮想空間に対応付けられる仮想空間属性情報と、第1のコンテンツに対応付けられる第1のコンテンツ管理情報と、に基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断することと、
利用可能と判断された前記第1のコンテンツの第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に既に配置されている第2のコンテンツに対応付けられる第2のコンテンツ属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を制御することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項20】
コンピュータを、
複数の異なる仮想空間のうちの一の仮想空間に対応付けられる仮想空間属性情報と、第1のコンテンツに対応付けられる第1のコンテンツ管理情報と、に基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断する処理と、
利用可能と判断された前記第1のコンテンツの第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に既に配置されている第2のコンテンツに対応付けられる第2のコンテンツ属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を制御する処理と、
を行う制御部として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、3Dモデルまたは2D画像等の様々な仮想物体が配置される仮想空間を仮想空間サーバにより提供する技術が知られている。ユーザは、スマートフォン、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、またはPC等の様々な形態のユーザ端末により当該仮想空間を体験し得る。仮想空間には、ユーザに対応付けられ、ユーザが操作可能なキャラクター(所謂アバター)が配置されてもよい。また、仮想空間内において、ユーザは、自身のアバターを介して他のユーザと交流することも可能である。
【0003】
例えば、特許文献1では、仮想空間で配信者が自身の動きと同期するアバターを用いてライブ配信する際に、当該アバターに付加されている付加情報に基づいて当該ライブを視聴する視聴者の行動(コメントの可否、NGワード、撮影行為等)を制限する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-17950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年では、多くの仮想空間が提供され、キャラクターまたはアイテム等の各種コンテンツが、コンテンツの利用者により様々な仮想空間に持ち込まれることが想定されるが、コンテンツの創作者の意図に基づいてコンテンツが仮想空間で利用されることが望ましい。
【0006】
そこで、本開示では、コンテンツの属性情報に基づいて仮想空間での当該コンテンツの扱いを制御することが可能な情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、複数の異なる仮想空間のうちの一の仮想空間に対応付けられる仮想空間属性情報と、第1のコンテンツに対応付けられる第1のコンテンツ管理情報と、に基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断する処理と、利用可能と判断された前記第1のコンテンツの第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に既に配置されている第2のコンテンツに対応付けられる第2のコンテンツ属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を制御する処理と、を行う制御部を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、プロセッサが、複数の異なる仮想空間のうちの一の仮想空間に対応付けられる仮想空間属性情報と、第1のコンテンツに対応付けられる第1のコンテンツ管理情報と、に基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断することと、利用可能と判断された前記第1のコンテンツの第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に既に配置されている第2のコンテンツに対応付けられる第2のコンテンツ属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を制御することと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、コンピュータを、複数の異なる仮想空間のうちの一の仮想空間に対応付けられる仮想空間属性情報と、第1のコンテンツに対応付けられる第1のコンテンツ管理情報と、に基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断する処理と、利用可能と判断された前記第1のコンテンツの第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に既に配置されている第2のコンテンツに対応付けられる第2のコンテンツ属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を制御する処理と、を行う制御部として機能させる、プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態による情報処理システム1の全体構成を示す図である。
図2】本実施形態による管理団体サーバ20の構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態によるメタバースサーバ30の構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態によるオブジェクトの利用可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】本実施形態によるオブジェクトの配置可否判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】本実施形態による対象オブジェクトO1、マップM1、および1以上の配置オブジェクトO2、O3の各判定エリアの一例を示す図である。
図7】本実施形態による遮蔽物がある場合のエリア判定について説明する図である。
図8】本実施形態によるオブジェクトの配置可否判定処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
また、説明は以下の順序で行うものとする。
1.構成
1-1.システム構成
1-2.管理団体サーバ20の構成
1-3.メタバースサーバ30の構成
2.動作処理
2-1.オブジェクトの利用可否判断処理
2-2.オブジェクトの配置可否判定処理
2-3.オブジェクトの配置可否判定処理-プレイヤーによる配置
3.補足
【0013】
<1.構成>
本開示の一実施形態による情報処理システムについて、図面を用いて具体的に説明する。
【0014】
<<1-1.システム構成>>
図1は、本開示の一実施形態による情報処理システム1の全体構成を示す図である。本実施形態による情報処理システム1は、1以上の管理団体サーバ20(20a・・・20n)と、1以上のメタバースサーバ30(30a・・・30n)(情報処理装置の一例)と、1以上の各ユーザに使用されるユーザ端末10(10a・・・10n)と、を含む。管理団体サーバ20、メタバースサーバ30、およびユーザ端末10は、ネットワーク40を介してデータの送受信を行い得る。
【0015】
本システムでは、キャラクターまたはアイテム等の各種オブジェクト(コンテンツの一例)を創作した創作者が、オブジェクトの管理を行う管理団体に所属することを想定する。創作者は、複数の管理団体に所属してもよい。創作者は、創作したオブジェクトを所属する管理団体の管理団体サーバ20に登録し、オブジェクトの管理を任せ得る。創作者は、著作権者とも言える。また、創作者は、自然人(個人)に限らず、法人であってもよい。また、創作者は、複数人から成る創作グループであってもよい。また、創作者は、プロ(創作事業者)に限られず、アマチュア(一般消費者、メタバースの参加者(プレイヤー)等)であってもよい。
【0016】
管理団体サーバ20は、自身を識別するための管理団体IDを有する。また、管理団体サーバ20は、所属する創作者に、創作者を識別するための創作者IDを発行する。また、管理団体サーバ20は、登録されたオブジェクトに、オブジェクトを識別するためのオブジェクトIDを発行し得る。
【0017】
メタバースサーバ30は、メタバース(仮想空間)を構築し、ネットワーク40を介して、メタバースを描画するために必要な情報をユーザ端末10に適宜提供する。メタバースは、インタラクティブな映像および音の提示を可能とするゲームエンジンをベースとして構築されてもよい。複数のメタバースサーバ30a~30nには、互いに異なるメタバースが構築されている。本実施形態では、複数の異なるメタバース、所謂マルチバースが提供されている状態を想定する。複数のメタバースサーバ30は、それぞれ別個の物理サーバであってもよいし、1の物理サーバで稼働する別個の仮想サーバであってもよい。
【0018】
各メタバースは、PF(プラットフォーム)運営者により運営され得る。本実施形態では、一例として、一のメタバースサーバ30により一のメタバースが提供されるものとする。また、各メタバースは、それぞれ異なるPF運営者によって運営されてもよいし、一のPF運営者により複数のメタバースが運営されてもよい。PF運営者は、自然人(個人)に限らず、法人であってもよい。また、PF運営者は、複数人から成るPF運営グループであってもよい。
【0019】
PF運営者は、メタバース内に1以上のマップを設定し、マップ内に様々なオブジェクト(キャラクター、アイテム、または建物等)を配置する。マップとは、メタバースとして利用される仮想空間領域であり、マップ座標が設定され得る。PF運営者は、マップのシーンやテーマを想定し、マップに各種アイテムや建物等を配置する。マップ、キャラクター、アイテム、および建物等の各種オブジェクトは、PF運営者が自身で用意する場合もあるし、ショップから購入したり、外部に委託して取得したり、他のメタバースから流用したりする場合もある。他のメタバースから流用するオブジェクトには、そのメタバース内で一般参加者により制作されたオブジェクトが含まれる場合も想定される。PF運営者が、創作者がPF運営者ではないオブジェクトを自身のメタバースで利用する場合、当該PF運営者は、当該オブジェクトの利用者となる。なお、メタバースにマップやキャラクター等を実際に配置するのは、PF運営者に限られず、PF運営者からメタバースの制作を委託されたクリエイター(VRクリエイター等)である場合も想定されるが、本実施形態では説明の都合上PF運営者がメタバースの制作者であるとする。
【0020】
メタバースに利用するオブジェクトの管理が管理団体により行われている場合、一例として、オブジェクトの利用者であるPF運営者も管理団体に所属(登録)することが想定される。管理団体サーバ20は、利用者(ここではPF運営者)を識別する利用者IDを発行する。PF運営者は、複数の管理団体に所属してもよい。また、PF運用者自身が管理団体、すなわち管理主体になってもよい。
【0021】
以上説明したように、管理団体サーバ20は、管理団体ID、創作者(権利者)ID、オブジェクトID、および利用者IDを発行する機能を有し、管理団体サーバ20により管理される各オブジェクトには、管理団体ID、創作者(権利者)ID、オブジェクトID、および利用者IDが、管理情報として付与される。
【0022】
ユーザ端末10は、ユーザに利用される情報処理端末である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(パーソナルコンピュータ)、視界全体を覆うHMD(Head mounted Display)、メガネ型表示装置、持ち運び型または置き型のゲーム機、またはプロジェクタ等により実現される。ユーザ端末10は、PF運営者がメタバースをメタバースサーバ30上に構築する際に用いられてもよいし、構築されたメタバースに参加する参加者により用いられてもよい。メタバースに参加する参加者は、メタバース内で自身の分身として用いるキャラクターであるアバターを、オブジェクト販売ショップから購入したり、有料または無料で提供されているアバター制作ツールによりカスタマイズして取得したりすることが想定される。この場合、メタバースに参加する参加者も、オブジェクトの利用者と言える。
【0023】
ここで、近年では、多くのメタバース(仮想空間)が提供され、キャラクターまたはアイテム等の各種オブジェクト(コンテンツ)が、オブジェクトの利用者(メタバースのPF運営者またはメタバースの参加者)により様々なメタバースに持ち込まれることが想定される。しかしながら、オブジェクトが、仮想空間においてオブジェクトの創作者の意図に反するような好ましくない状況等で用いられることは望ましくなく、創作者の意図に基づいて利用されることが望ましい。
【0024】
そこで、本開示の一実施形態では、オブジェクトの属性情報に基づいて仮想空間での当該コンテンツの扱いを制御することを実現し得る。
【0025】
以上、本開示の一実施形態による情報処理システム1の概要について説明した。なお、図1に示すシステム構成は一例であって、本開示はこれに限定されない。
【0026】
続いて、本実施形態による情報処理システム1に含まれる各装置の具体的な構成について図面を参照して説明する。
【0027】
<<1-2.管理団体サーバ20の構成>>
図2は、本実施形態による管理団体サーバ20の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、管理団体サーバ20は、通信部210、制御部220、および記憶部230を含む。
【0028】
(通信部210)
通信部210は、外部装置にデータを送信する送信部と、外部装置からデータを受信する受信部を有する。本実施形態による通信部210は、例えば有線または無線LAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、携帯通信網(LTE(Long Term Evolution)、4G(第4世代の移動体通信方式)、5G(第5世代の移動体通信方式))等を用いて、外部装置またはインターネットと通信接続してもよい。
【0029】
(制御部220)
制御部220は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って管理団体サーバ20内の動作全般を制御する。制御部220は、例えばCPU(Central Processing Unit)、またはマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。また、制御部220は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。
【0030】
また、制御部220は、オブジェクト管理部221としても機能する。オブジェクト管理部221は、管理団体に所属する創作者からのオブジェクトの登録を受け付け、各種IDを管理情報として用いてオブジェクトの管理を行う。例えば、オブジェクト管理部221は、管理団体に所属する創作者からのオブジェクトの登録申請に応じて、管理団体ID、創作者ID、およびオブジェクトIDを発行する。
【0031】
また、オブジェクトの購入等によりオブジェクトの利用者が発生した場合、オブジェクト管理部221は、さらに利用者IDを発行する。なお、創作者がPF運営者の依頼に応じてオブジェクトを創作した場合等、オブジェクトの登録時点で利用者が決定している場合は、オブジェクト管理部221は、創作者からのオブジェクトの登録申請に応じて、管理団体ID、創作者ID、オブジェクトID、および利用者IDを発行する。また、メタバース内でメタバースの参加者(プレイヤー)により生成されたオブジェクトが、ユーザ端末10から管理団体サーバ20に登録される場合も想定される。この場合も、オブジェクトの登録時点で利用者が(プレイヤーに)決定しており、オブジェクト管理部221は、管理団体ID、創作者ID、オブジェクトID、および利用者IDを発行する。なお、かかる創作者IDで示される創作者は、プレイヤーであってもよいし、プレイヤーがメタバース内で当該オブジェクトを生成する際に用いたツールまたは用いた素材の創作者であってもよい。
【0032】
オブジェクト管理部221は、管理団体ID、創作者(権利者)ID、オブジェクトID、および利用者IDを対応付けて、管理情報として管理情報DB231に格納する。
【0033】
また、PF運営者は、一または複数のメタバース(ワールド)を保有し、そこでオブジェクトを利用することが想定されるが、どのメタバースでオブジェクトを利用できるかは、予め創作者により決定され得る。創作者は、利用可能なメタバースを指定することで、意に反する世界観のメタバースでの自身のオブジェクトの利用等を防ぐことができる。創作したオブジェクトに対して創作者が任意に利用可能なメタバースを指定すること、また、PF運営者からの委託で創作した場合は、予め合意したPF運営者の一または複数のメタバースを創作者が指定することが想定される。オブジェクト管理部221は、メタバース(ワールド)を識別するためのメタバースIDを発行し、オブジェクトの管理情報に含めて管理情報DB231に格納し得る。なお、オブジェクトの管理情報として、利用者IDおよびメタバースIDの少なくともいずれかが登録されていてもよい。利用者IDのみが登録されている場合、当該利用者IDで識別されるPF運営者が保有する一または複数のメタバースでの利用が許可されている状態と認識される。
【0034】
また、創作者は、管理団体サーバ20で管理される自身のオブジェクトに対して、利用可能なメタバースの指定の他、オブジェクトの各種属性を設定することも可能である。一般的に付与される属性としては、例えば下記表1の例が挙げられる。下記表1は、既存フォーマットにおける属性の一例である。
【0035】
【表1】
【0036】
本実施形態では、さらに、オブジェクトの近傍に配置される配置オブジェクトに対する禁止属性または許可属性等の拡張属性を設定し得る。このような拡張属性をオブジェクトに設定することで、意に反する状況でオブジェクトが利用されることを回避することができる。拡張属性は、創作者により設定され得る。拡張属性の詳細については後述する。
【0037】
(記憶部230)
記憶部230は、制御部220の処理に用いられるプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAMにより実現される。
【0038】
また、記憶部230は、オブジェクトの管理情報を格納する管理情報DB(データベース)231を有する。管理情報DB231には、例えば下記表2に示すような管理情報が格納され得る。
【0039】
【表2】
【0040】
なお、各オブジェクトと、そのオブジェクトがどのメタバースで利用可能であるかは、それぞれ各種IDの組み合わせで識別されてもよい。例えば、オブジェクトは、管理団体ID、創作者ID、およびオブジェクトIDの組み合わせで識別され、どのメタバースで利用可能であるかは、管理団体ID、利用者ID、およびメタバースIDの組み合わせで識別されてもよい。この場合、例えば創作者B1(創作者ID:BBB1)が登録したオブジェクトの一覧は、下記表3のように示される。なお、一のオブジェクトに対して、一または複数の利用者や、一または複数のメタバースに、利用が許可されている場合もある。
【0041】
【表3】
【0042】
上記表3によれば、例えば一行目では、創作者B1(創作者ID:BBB1)のあるオブジェクト(管理団体ID:CCC1、創作者ID:BBB1、メタバースID:AAA1)の利用可能なメタバースとして、利用者ID:DDD1の利用者D1が保有する、メタバースID:EEE1で特定されるメタバースと、メタバースID:EEE2で特定されるメタバースの2つが指定されていることが分かる。
【0043】
また、例えば利用者D1(利用者ID:DDD1)が利用許可を得たオブジェクトの一覧は、下記表4のように示される。
【0044】
【表4】
【0045】
上記表4によれば、例えば一行目では、利用者D1(利用者ID:DDD1)が、あるオブジェクト(管理団体ID:CCC1、創作者ID:BBB1、メタバースID:AAA1)について、自身が保有する、メタバースID:EEE1で特定されるメタバースと、メタバースID:EEE2で特定されるメタバースの2つに対して利用許可を得ていることが分かる。
【0046】
続いて、各オブジェクトの管理情報に含まれる属性情報の具体例について説明する。
【0047】
属性情報には、上述したように、既存フォーマットにおける属性の他、拡張属性が含まれ得る。本実施形態による拡張属性の項目の一例を、下記表5に示す。なお、オブジェクトには、キャラクター、アバター(メタバース参加者が自身の分身として操作することが可能なキャラクター)、アイテム、またはマップ等といった種別があり、全てのオブジェクト種別に共通の属性項目と、固有の属性項目がある。
【0048】
【表5】
【0049】
上記表5の「登録サーバ運営者」とは、オブジェクトが登録されている(持ち込まれている)メタバースサーバ30を運営するPF運営者である。また、「登録メタバース」とは、オブジェクトが登録されている(持ち込まれている)メタバース(ワールドとも称される)である。
【0050】
上記表5の「世界観」とは、オブジェクトの世界観であり、例えば、ファンタジー、近未来等のジャンルが想定される。
【0051】
上記表5の「判定エリア」とは、メタバース内でオブジェクトを配置する際に行われる、後述する近傍配置の禁止属性または許可属性に基づく配置可否の判定の範囲を示す情報である。
【0052】
上記表5の「各種設定の変更権限保持者」は、対象年齢、世界観、判定エリア、登録利用者、登録メタバース、収容人数、後述する近傍配置の禁止属性または許可属性の値、または後述する禁止レベル等の各種設定を変更する権限を保持する者を示す情報である。かかる権限を有する者として、例えば、オブジェクトの創作者が想定され、属性項目の値としては、創作者IDが相当する。また、創作者から、当該オブジェクトの利用者であるPF運営者に権限が委譲されていることも想定され、その場合、属性項目の値として、PF運営者のID(利用者ID)が設定される。
【0053】
上記表5の「所有者」とは、例えばアイテムを購入して利用しているプレイヤーが想定される。
【0054】
以上説明した属性情報は、創作者により手動で入力されてもよいし、管理団体サーバ20またはメタバースサーバ30により、条件式または人工知能を用いて自動生成されてもよい。管理団体サーバ20では、管理団体サーバ20にオブジェクトが登録された際に適宜属性情報を自動生成して付与することが考え得る。また、メタバースサーバ30では、メタバースサーバ30にオブジェクトが登録された(持ち込まれた)際に適宜属性情報を自動生成して付与することが考え得る。また、属性情報は、管理情報として管理情報DB231に格納される他、オブジェクト自体に埋め込まれてもよい。例えば、創作者が、管理団体を介さずにオブジェクト自体に属性情報を埋め込むことが想定される。また、属性情報は、管理情報として管理情報DB231に格納されず、オブジェクト自体に埋め込まれるだけであってもよい。なお、属性情報は、秘匿、または改ざん防止のための対策がされてもよい。
【0055】
また、上記表5に示す各属性項目には、オブジェクト自身の属性を示すデータの他、近傍配置の禁止属性および許可属性のデータが含まれ得る。近傍配置の禁止属性および許可属性とは、メタバース(のマップ)内にオブジェクトが配置される際に、当該オブジェクトの近傍に配置されることを禁止する他オブジェクトの属性、または、許可する他オブジェクトの属性である。各属性項目には、禁止属性および許可属性の少なくともいずれかが含まれていてもよい。
【0056】
上記表5に示す各属性項目に含まれ得るデータの例を、下記表6に示す。
【0057】
【表6】
【0058】
例えば、オブジェクトの「属性項目:大きさ」における、オブジェクト自身の属性の値の例として、「1.6m」または「0.2m×0.6m×1.6m」等が挙げられる。また、同属性項目の近傍配置の許可属性の例として、例えば「<2m」(すなわち、2m未満の他オブジェクトを当該オブジェクトの近傍に配置することを許可する)が挙げられる。
【0059】
また、オブジェクトの「属性項目:世界観」における、近傍配置の禁止属性として、「≠自身の属性」(すなわち、自身の世界観と異なる世界観の他オブジェクトを当該オブジェクトの近傍に配置することを禁止する)が挙げられる。
【0060】
また、オブジェクト(例えばアバター)の「属性項目:プレイヤーの実年齢」における、オブジェクト自身の属性の値の例として、「25歳」(当該オブジェクトのプレイヤーの実年齢)等が挙げられる。また、同属性項目の近傍配置の許可属性の例として、「≧16歳」(すなわち、16歳を越える実年齢のプレイヤーの他オブジェクト(例えばアバター)を当該オブジェクトの近傍に配置することを許可する)が挙げられる。また、同属性項目の近傍配置の禁止属性の例として、「<16歳」(すなわち、16歳未満の実年齢のプレイヤーの他オブジェクト(例えばアバター)を当該オブジェクトの近傍に配置することを禁止する)が挙げられる。
【0061】
判定式とは、例えば値の大小比較の結果、または論理式に一致するか否か等の、true/falseの2値で返されるプログラム等で記述される式であってもよい。
【0062】
また、上記表6の「管理レベル」とは、禁止または許可のレベルであって、例えば下記表7に示すような基準が考え得る。
【0063】
【表7】
【0064】
上記表7において、「管理レベル0:管理非対象」とは、許可属性、禁止属性の設定はしたものの、その後の管理は行う必要のないことを意味し、例えば他オブジェクトが許可属性に該当しない、または禁止属性に該当する場合であっても、利用者(PF運営者、またはプレイヤー)は配置することが可能となる。
【0065】
また、上記表7において、「管理レベル1:非推奨」とは、他オブジェクトが許可属性または禁止属性の条件を満たさない場合でも、オブジェクトの配置を絶対に禁止することはしないが、推奨もしない場合を想定する。例えば、非推奨である旨が利用者に警告された上で、利用者の配置が可能となる。
【0066】
また、上記表7において、「管理レベル2:創作者による不許可」とは、オブジェクトの創作者により禁止属性、許可属性の設定が行われたことを意味する。この場合、創作者に禁止属性、許可属性の設定変更権限がある。利用者(PF運営者、またはプレイヤー)は、設定変更権限者である創作者に許可属性または禁止属性の設定の変更を依頼することも可能である。
【0067】
また、上記表7において、「管理レベル3:PF運営者による不許可」とは、オブジェクトをメタバースに配置したPF運営者により禁止属性、許可属性の設定が行われたことを意味する。
【0068】
また、上記表7において、「管理レベル4:法律上不許可」とは、法律の定めに従って設定された禁止属性、許可属性であることを意味し、創作者またはPF運営者により任意に変更することはできないことが想定される。
【0069】
上記表6に示す例では、複数の値または判定式に同一の管理レベルを設定することができるが、他の例として、値または判定式毎に管理レベルを設定するような階層構造であってもよい。
【0070】
また、本実施形態による判定エリアは、上記表5に示すように、近傍配置の禁止属性、許可属性に基づく判定を行う際の範囲として、オブジェクト毎に設定されるが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、判定エリアは、属性項目毎に設定されてもよいし、各属性項目の禁止属性および許可属性毎に設定されてもよい。また、上記表6に示す複数の値または判定式に同一の判定エリアが設定されてもよいし、値または判定式毎に判定エリアが設定されてもよい。
【0071】
以上、管理団体サーバ20の構成について具体的に説明したが、本開示による管理団体サーバ20の構成は図2に示す例に限定されない。例えば、管理団体サーバ20は、図2に示す全ての構成を必ずしも有していなくともよい。また、管理団体サーバ20は、複数の装置により実現されてもよい。
【0072】
<<1-3.メタバースサーバ30の構成>>
図3は、本実施形態によるメタバースサーバ30の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、メタバースサーバ30は、通信部310、制御部320、および記憶部330を含む。
【0073】
(通信部310)
通信部310は、外部装置にデータを送信する送信部と、外部装置からデータを受信する受信部を有する。本実施形態による通信部310は、例えば有線または無線LAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、携帯通信網(LTE(Long Term Evolution)、4G(第4世代の移動体通信方式)、5G(第5世代の移動体通信方式))等を用いて、外部装置またはインターネットと通信接続してもよい。
【0074】
(制御部320)
制御部320は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従ってメタバースサーバ30内の動作全般を制御する。制御部320は、例えばCPU(Central Processing Unit)、またはマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。また、制御部320は、使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。
【0075】
また、制御部320は、オブジェクト登録処理部321、メタバース提示制御部322、およびオブジェクト配置制御部323としても機能する。
【0076】
オブジェクト登録処理部321は、メタバースへのオブジェクトの登録処理を行う。オブジェクト登録処理部321は、メタバースにオブジェクトが持ち込まれる際、当該オブジェクトのメタバースでの利用可否を判断する。メタバースへのオブジェクトの持ち込みは、例えばユーザ端末10によるオブジェクトの本体データ(例えばオブジェクトの3Dモデル)のアップロード操作により行われ得る。
【0077】
オブジェクト登録処理部321は、ユーザ(PF運営者またはプレイヤー)によりメタバースへのオブジェクトの持ち込みが行われようとした際、当該オブジェクトに対応付けられる管理情報(コンテンツ管理情報の一例)と、メタバースの属性情報(仮想空間属性情報の一例)と、に基づいて、当該メタバースでオブジェクトが利用可能か否かを判断する。
【0078】
オブジェクト登録処理部321は、管理団体サーバ20にアクセスして当該オブジェクトの管理情報を取得する。オブジェクト登録処理部321は、管理情報に含まれる当該オブジェクトの利用が許可されているメタバースID(上記表2参照)が、持ち込もうとしているメタバースを示すID(識別情報)である場合、当該オブジェクトが利用可能と判断する。
【0079】
なお、オブジェクト登録処理部321は、管理情報にメタバースIDが含まれていない場合、当該オブジェクトの利用が許可されている利用者IDを参照し、持ち込もうとしているメタバースが利用者IDで示されるPF運営者が保有するメタバースの場合に、当該オブジェクトが利用可能と判断してもよい。
【0080】
また、オブジェクト登録処理部321は、管理情報に、当該オブジェクトの利用が許可されている世界観を示す世界観IDが含まれている場合、持ち込もうとしているメタバースの世界観が世界観IDで示される世界観の場合に、当該オブジェクトが利用可能と判断してもよい。
【0081】
オブジェクト登録処理部321は、利用可能と判断したオブジェクトの情報(例えば、オブジェクトの3Dモデル)を登録オブジェクトDB331に格納する。また、オブジェクト登録処理部321は、当該オブジェクトの管理情報に含まれる属性情報(上記表5参照)も、登録オブジェクトDB331に格納する。なお、属性情報は、登録されたオブジェクト内に埋め込まれている場合もある。
【0082】
メタバース提示制御部322は、ユーザ端末10に対してメタバースの提示制御を行う。例えば、メタバース提示制御部322は、プレイヤー視点でのメタバース映像を継続的に生成し、ユーザ端末10に送信する制御を行う。また、メタバース提示制御部322は、プレイヤー視点でのメタバース映像の生成に必要な情報をユーザ端末10に送信する制御を行ってもよい。
【0083】
オブジェクト配置制御部323は、メタバース内におけるオブジェクトの配置を制御する。より具体的には、オブジェクト配置制御部323は、ユーザ(PF運営者またはプレイヤー)が、オブジェクト登録処理部321によりメタバースでの利用が可能と判断され、管理情報DB231に格納されたオブジェクト(登録オブジェクト)をメタバース内に配置しようとする際、当該オブジェクトの属性情報(第1のコンテンツ属性情報の一例)と、メタバース内に既に配置されているオブジェクト(以下、配置オブジェクトとも称する)の属性情報(第2のコンテンツ属性情報の一例)とに基づいて、配置不可を判定する。これにより、オブジェクトの創作者の意図に反するような、好ましくない状況等でオブジェクトが用いられることを阻止できる。
【0084】
例えば、オブジェクト配置制御部323は、配置しようとしているオブジェクト(以下、対象オブジェクトとも称する)の配置位置が、メタバース内に既に配置されている配置オブジェクトの判定エリア内に位置する場合、配置オブジェクトの近傍配置の禁止属性および許可属性の少なくともいずれかに基づいて、対象オブジェクトの配置可否を判定する。
【0085】
一例として、オブジェクト配置制御部323は、配置オブジェクトの近傍配置の禁止属性に対象オブジェクトが該当する場合、当該対象オブジェクトの配置が不可と判断し、配置オブジェクトの近傍配置の禁止属性に対象オブジェクトが該当しない場合、当該対象オブジェクトの配置が可能と判断する。または、オブジェクト配置制御部323は、配置オブジェクトの近傍配置の許可属性に対象オブジェクトが該当しない場合、当該対象オブジェクトの配置が不可と判断し、配置オブジェクトの近傍配置の許可属性に対象オブジェクトが該当する場合、当該対象オブジェクトの配置が可能と判断する。または、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトが、配置オブジェクトの近傍配置の禁止属性に該当せず、かつ、配置オブジェクトの近傍配置の許可属性に該当する場合、当該対象オブジェクトの配置が可能と判断する。
【0086】
また、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトを配置位置に配置した場合の判定エリアに、既に配置されている配置オブジェクトが位置する場合、対象オブジェクトの近傍配置の禁止属性および許可属性の少なくともいずれかに基づいて、当該対象オブジェクトの配置可否を判定する。
【0087】
一例として、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトの近傍配置の禁止属性に配置オブジェクトが該当する場合、当該対象オブジェクトの配置が不可と判断し、対象オブジェクトの近傍配置の禁止属性に配置オブジェクトが該当しない場合、当該対象オブジェクトの配置が可能と判断する。または、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトの近傍配置の許可属性に配置オブジェクトが該当しない場合、当該対象オブジェクトの配置が不可と判断し、対象オブジェクトの近傍配置の許可属性に配置オブジェクトが該当する場合、当該対象オブジェクトの配置が可能と判断する。または、オブジェクト配置制御部323は、配置オブジェクトが、対象オブジェクトの近傍配置の禁止属性に該当せず、かつ、対象オブジェクトの近傍配置の許可属性に該当する場合、当該対象オブジェクトの配置が可能と判断する。
【0088】
また、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトが配置オブジェクトの近傍配置条件を満たし(すなわち、配置オブジェクトの近傍配置の禁止属性に該当しないこと、および許可属性を持つことの少なくともいずれかを満たす)、かつ、対象オブジェクトの近傍配置条件を配置オブジェクトが満たす(すなわち、対象オブジェクトの近傍配置の禁止属性に該当しないこと、および許可属性を持つことの少なくともいずれかを満たす)場合に、対象オブジェクトの配置が可能と判断するようにしてもよい。これにより、対象オブジェクトと配置オブジェクトのいずれにおいても、各オブジェクトの創作者の意図に反するような、好ましくない状況等でオブジェクトが用いられることを阻止できる。
【0089】
なお、「許可属性に該当しない場合」とは、オブジェクト自身の属性の値が、許可属性の値と一致しない場合、許可属性の判定式を満たさない場合、若しくは、許可属性が規定されている属性項目に対応する値を持たない場合が、想定される。また、「禁止属性に該当しない場合」とは、オブジェクト自身の属性の値が、禁止属性の値と一致しない場合、または、禁止属性の判定式を満たさない場合が、想定される。
【0090】
また、メタバース内には、1以上のマップが設定され得る。オブジェクト配置制御部323は、配置しようとする配置オブジェクトの属性情報と、マップの属性情報とに基づいて、配置オブジェクトの配置可否を判定してもよい。上記表5に示すように、マップにも判定エリアが設定されていてもよい。オブジェクト配置制御部323は、配置オブジェクトの配置位置がマップの判定エリア内の場合、配置オブジェクトがマップの近傍配置条件を満たし、かつ、配置オブジェクトの近傍配置条件をマップが満たす場合、当該配置オブジェクトの配置を可能と判定してもよい。なお、マップに判定エリアが設定されていない場合は、マップの範囲全てを判定エリアとしてもよい。
【0091】
また、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトの配置が不可と判定した場合、配置が不可である旨、および配置不可の理由(配置不可の要因となった配置オブジェクトや、要因となった禁止属性または許可属性等)を、ユーザに通知する。
【0092】
また、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトが配置オブジェクトの近傍配置条件を満たさないため配置不可と判定した場合、配置オブジェクトの権利者(上記表5に示す各種設定の変更権限保持者。例えば、創作者またはPF運営者。)への近傍配置の許可申請の問い合わせ要否をユーザに通知してもよい。ここで、オブジェクト配置制御部323は、該当する属性項目の管理レベル(上記表7参照)に応じて、近傍配置の許可申請の問い合わせ要否を通知するようにしてもよい。例えば、オブジェクト配置制御部323は、管理レベル:4の場合は法律上不許可のため、近傍配置の許可申請の問い合わせ要否の通知は行わない。管理レベル:3の場合は、創作者は許可しているがPF運営者が不許可にしているため、オブジェクト配置制御部323は、PF運営者に近傍配置の許可申請を行うか、ユーザに問う画面を表示する。管理レベル:2の場合は、創作者が不許可にしているため、オブジェクト配置制御部323は、創作者に近傍配置の許可申請を行うか、ユーザに問う画面を表示する。管理レベル:1の場合は、オブジェクト配置制御部323は、非推奨であることを警告した上で、それでも配置するかをユーザに問う画面を表示する。なお、管理レベル:0の場合は、オブジェクト配置制御部323は、近傍配置条件を満たしていないことを警告した上で(例えば、世界観に適していない旨を警告)、配置オブジェクトを配置してもよい。
【0093】
また、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトの配置が不可と判定した場合、ユーザによる対象オブジェクトの配置操作を無効化してもよいし、警告を表示してもよいし、また、対象オブジェクトの表示をオフにする制御を行ってもよい。配置操作の無効化と警告の表示は、併せて行われてもよい。例えば、年齢制限が設けられたマップ内に、入場可能年齢に満たないプレイヤーのアバターが入ろうとした場合、オブジェクト配置制御部323は、当該アバターのマップ内への遷移を阻害すると共に、マップに年齢制限があり入場できない旨をプレイヤーに通知する。また、オブジェクト配置制御部323は、配置不可と判定した対象オブジェクトを描画せず、非表示になっていることをユーザに通知してもよい。
【0094】
また、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトの近傍配置条件を配置オブジェクトが満たさないため配置不可と判定した場合、当該対象オブジェクトの権利者(上記表5に示す各種設定の変更権限保持者。例えば、創作者またはPF運営者。)が、配置操作を行うユーザ自身である場合、警告と共に、それでも当該対象オブジェクトを配置するか否かをユーザに問う画面を表示する。配置操作を行うユーザ自身が不許可設定したのであれば、自身の意思で変更できることが望ましい。
【0095】
(記憶部330)
記憶部330は、制御部320の処理に用いられるプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM、および適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAMにより実現される。
【0096】
記憶部330は、登録オブジェクトに関する情報を格納する登録オブジェクトDB331を有する。登録オブジェクトに関する情報として、例えば、メタバースでの利用が可能と判断されたオブジェクト自体の情報(本体データ)と、その属性情報が挙げられる。本体データとは、例えばオブジェクトを描画するための3Dモデルである。属性情報は、オブジェクト登録の際に管理団体サーバ20から取得した管理情報に含まれる情報であってもよい。
【0097】
以上、メタバースサーバ30の構成について具体的に説明したが、本開示によるメタバースサーバ30の構成は図3に示す例に限定されない。例えば、メタバースサーバ30は、図3に示す全ての構成を必ずしも有していなくともよい。また、メタバースサーバ30は、複数の装置により実現されてもよい。
【0098】
<2.動作処理>
次に、本実施形態による情報処理システムの動作処理について、図面を参照して説明する。
【0099】
<<2-1.オブジェクトの利用可否判断処理>>
図4は、本実施形態によるオブジェクトの利用可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4に示す利用可否判断処理は、ユーザ(PF運営者またはプレイヤー)がメタバースにオブジェクトを持ち込む際に行われ得る。
【0100】
図4に示すように、まず、メタバースサーバ30のオブジェクト登録処理部321は、ユーザがメタバースに持ち込もうとするオブジェクトの管理情報を、管理団体サーバから取得する(ステップS103)。
【0101】
次に、オブジェクト登録処理部321は、管理団体サーバから取得した管理情報に基づいて、持ち込みオブジェクトがメタバースで利用可能か否かを判断する(ステップS106)。具体的には、オブジェクト登録処理部321は、持ち込みオブジェクトの管理情報に含まれる、当該オブジェクトの利用が許可されているメタバースID(上記表2参照)が、持ち込もうとしているメタバースを示ID(識別情報)である場合、当該オブジェクトが利用可能と判断する。
【0102】
次いで、利用可能であると判断した場合(ステップS106/Yes)、オブジェクト登録処理部321は、オブジェクトの持ち込みを許可する(ステップS109)。具体的には、オブジェクト登録処理部321は、登録オブジェクトDB331にオブジェクトのデータを格納したり、登録が完了した旨をユーザに通知したりする。
【0103】
一方、利用不可と判断した場合(ステップS106/No)、オブジェクト登録処理部321は、オブジェクトの持ち込みが不可である旨をユーザに通知する(ステップS112)。この際、オブジェクト登録処理部321は、オブジェクトの創作者により当該メタバースでの利用が許可されていない旨をユーザに通知してもよい。
【0104】
<<2-2.オブジェクトの配置可否判定処理>>
続いて、メタバース内でオブジェクトを配置する際の配置可否判定処理について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態によるオブジェクトの配置可否判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5に示す配置可否判定処理は、図4に示す利用可否判断処理のステップS109に続いて行われ得る。また、図5に示す配置可否判定処理では、一例として、近傍配置の禁止属性に基づく判定について説明する。
【0105】
図5に示すように、まず、メタバースサーバ30のオブジェクト配置制御部323は、ユーザ(ここでは、PF運営者)が配置しようとしている対象オブジェクト、配置先のマップ、および配置先のマップに既に配置されている1以上の配置オブジェクトの属性情報を、登録オブジェクトDB331から取得する(ステップS203)。
【0106】
次に、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクト、配置先のマップ、および1以上の配置オブジェクトの各判定エリアを取得する(ステップS206)。判定エリアの情報は、例えば属性情報に含まれる。
【0107】
次いで、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトが、マップまたは配置オブジェクトの判定エリア内に位置するか否かを判断する(ステップS209)。図6は、対象オブジェクトO1、マップM1、および1以上の配置オブジェクトO2、O3の各判定エリアの一例を示す図である。マップM1における対象オブジェクトO1の配置位置は、ユーザ(例えばPF運営者)がマップM1内で対象オブジェクトO1を配置しようとしている位置(配置候補位置)である。かかる配置候補位置は、例えばPF運営者による座標情報の入力で指定されてもよいし、PF運営者によるマウス操作等で直感的に指定されてもよい。
【0108】
図6では、対象オブジェクトO1の判定エリアA1、マップM1の判定エリアA4(マップM1の全範囲)、配置オブジェクトO2の判定エリアA2、および配置オブジェクトO3の判定エリアA3が示されている。この場合、オブジェクト配置制御部323は、まず、対象オブジェクトO1が、マップM1の判定エリアA4と、配置オブジェクトO2の判定エリアA2内に位置していると判断する。
【0109】
なお、各判定エリアの大きさは必ずしも同じではなく、異なっていてもよい。また、判定エリアの形状は図6に示すような円に限定されず、楕円または矩形等であってもよいし、オブジェクト毎に異なる任意の形状であってもよい。また、マップの判定エリアは、マップ内の特定の場所であってもよい。また、判定エリアは、平面上の範囲に限られず、空間の範囲であってもよい。また、対象オブジェクトまたは配置オブジェクトが移動することがある場合、移動可能性のある領域全体を判定エリアとしてもよい。また、本実施形態では、判定エリアがオブジェクトの属性情報に含まれる旨を説明したが、これに限らず、所定の形状(範囲)をメタバースサーバ30側で用意し、オブジェクトを含む所定の形状(範囲)を、そのオブジェクトの判定エリアとしてもよい。
【0110】
また、対象オブジェクトと配置オブジェクトとの間に遮蔽物がある場合、オブジェクト配置制御部323は、遮蔽物越しのエリア判定を無効化してもよい。図7は、本実施形態による遮蔽物がある場合のエリア判定について説明する図である。図7に示す例では、マップM2に配置されようとしている対象オブジェクトO4と、マップM2に既に配置されている配置オブジェクトO5との間に、両者を隔てる壁等の遮蔽物Sがある。この場合、オブジェクト配置制御部323は、各判定エリアの影響が遮蔽物Sを越えた領域には及ばないようにする。具体的には、例えば対象オブジェクトO4は、判定エリアA5のうち遮蔽物Sを越える領域に位置しているため、エリア判定は無効化、すなわち対象オブジェクトO4は判定エリアA5内に位置していないと判断される。また、配置オブジェクトO5は、対象オブジェクトO4の判定エリアA4のうち遮蔽物Sを越える領域に位置しているため、エリア判定は無効化、すなわち配置オブジェクトO5は判定エリアA4内に位置していないと判断される。
【0111】
次に、対象オブジェクトがマップまたは配置オブジェクトの判定エリア内に位置する場合(ステップS209/Yes)、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトが、マップまたは配置オブジェクトに設定された禁止属性に該当するか否かを判断する(ステップS212)。図6に示す例の場合、対象オブジェクトO1が、マップM1の判定エリアA4と、配置オブジェクトO2の判定エリアA2とのいずれにも含まれるため、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトO1が、マップM1の禁止属性に該当しないか、および、配置オブジェクトO2の禁止属性に該当しないかを確認する。
【0112】
次いで、対象オブジェクトがマップまたは配置オブジェクトの判定エリア内に位置しない場合(ステップS209/No)、または、対象オブジェクトがマップまたは配置オブジェクトに設定された禁止属性に該当しない場合(ステップS212/No)、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトの判定エリア内に位置する配置オブジェクト、またはマップが、対象オブジェクトに設定された禁止属性に該当するか否かを判断する(ステップS215)。
【0113】
例えば図6に示す例の場合、対象オブジェクトO1の判定エリアA1に、配置オブジェクトO2が位置するため、オブジェクト配置制御部323は、配置オブジェクトO2が、対象オブジェクトO1に設定された禁止属性に該当するか否かを判断する。さらに、オブジェクト配置制御部323は、マップM1が、対象オブジェクトO1に設定された禁止属性に該当するか否かを判断する。
【0114】
そして、対象オブジェクトの判定エリア内に位置する配置オブジェクト、またはマップが、対象オブジェクトに設定された禁止属性に該当しない場合(ステップS215/No)、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトの配置を可能と判定、すなわち、対象オブジェクトを配置する(ステップS218)。
【0115】
一方、上記ステップS212で、対象オブジェクトがマップまたは配置オブジェクトに設定された禁止属性に該当すると判断された場合(ステップS212/Yes)、オブジェクト配置制御部323は、該当するマップまたは配置オブジェクトの禁止属性を、ユーザに提示する(ステップS221)。これにより、何が要因で配置不可の判定がされたのかをユーザに認識させることができる。ユーザは、該当する配置オブジェクトから離れた位置に再配置する等の対応を行うことができる。また、マップ自体が要因の場合、当該マップへの配置は中止して他のマップに再配置する等の対応を行うことができる。また、ユーザは、該当する禁止属性に応じて、配置するオブジェクトを変更する等の対応を行うことができる。
【0116】
また、上記ステップS215で、対象オブジェクトの判定エリア内に位置する配置オブジェクト、またはマップが、対象オブジェクトに設定された禁止属性に該当すると判断された場合(ステップS215/Yes)、オブジェクト配置制御部323は、該当する(対象オブジェクトの)禁止属性と、該当するマップまたは配置オブジェクトを、ユーザに提示する(ステップS224)。これにより、何が要因で配置不可の判定がされたのかをユーザに認識させることができる。
【0117】
以上、本実施形態による配置可否判定処理について具体的に説明したが、本実施形態は図5に示す例に限定されない。図5では、一例として、近傍配置の禁止属性に基づく判定を説明したが、さらに許可属性を考慮して判定が行われてもよい。また、オブジェクト配置制御部323は、配置オブジェクトの近傍配置の許可属性に基づいて対象オブジェクトが配置不可の判定となった場合、配置するために必要な許可属性を表示してもよい。なお、各オブジェクトおよびマップの全ての属性項目について、禁止属性および許可属性が設定されているとは限らず、禁止属性および許可属性の少なくともいずれかが設定されている際に、適宜、近傍配置の可否判定が行われ得る。
【0118】
また、図5に示す例は、主にPF運営者がメタバース内にオブジェクトを配置する場合の配置可否判定処理を想定しているが、PF運営者が用意したメタバースに参加しているプレイヤーが自身のアバターを操作してメタバース内を移動する場合にも、同様に、上記配置可否判定処理が行われ得る。なお、プレイヤーによるアバターの配置の場合、配置位置が頻繁に変化することが想定されるため(アバターが移動するため)、アバターの移動前に、マップや各オブジェクトとの近傍配置可否判定を行うようにすることで、移動毎の判定処理を省略することが可能となる。以下、図8を参照して具体に説明する。
【0119】
<<2-3.オブジェクトの配置可否判定処理-プレイヤーによる配置>>
図8は、本実施形態によるオブジェクトの配置可否判定処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【0120】
図8に示すように、まず、メタバースサーバ30のオブジェクト配置制御部323は、ユーザ(ここでは、プレイヤー)が配置しようとしている対象オブジェクト(例えば、プレイヤーのアバター)、配置先のマップ、および配置先のマップに既に配置されている1以上の配置オブジェクトの属性情報を、登録オブジェクトDB331から取得する(ステップS233)。
【0121】
次に、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクト、配置先のマップ、および1以上の配置オブジェクトの各判定エリアを取得する(ステップS236)。
【0122】
次いで、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトが、マップまたは配置オブジェクトに設定された禁止属性に該当するか否かを判断する(ステップS239)。オブジェクト配置制御部323は、判定エリアに関わらず、マップ、またはマップ内に配置される全ての各配置オブジェクト(少なくともユーザのアバターが移動し得る範囲内に配置されている各配置オブジェクト)に設定された禁止属性に、対象オブジェクトが該当するか否かを各々判断する。
【0123】
次に、オブジェクト配置制御部323は、配置オブジェクトまたはマップが、対象オブジェクトに設定された禁止属性に該当するか否かを判断する(ステップS242)。オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトの判定エリアに関わらず、マップ、またはマップ内に配置される全ての各配置オブジェクト(少なくともユーザのアバターが移動し得る範囲内に配置されている各配置オブジェクト)について、対象オブジェクトに設定された禁止属性に該当するか否かを各々判断する。
【0124】
このように、本実施形態では、プレイヤーによるアバター(対象オブジェクト)の移動操作の前に、アバターと、マップおよび全ての配置オブジェクトとの間で、配置可否判定が行われる。
【0125】
次いで、オブジェクト配置制御部323は、ユーザ(プレイヤー)が対象オブジェクト(アバター)を配置しようとする配置位置(アバターの移動先)、配置オブジェクトの位置、および各判定エリア(対象オブジェクト、マップ、配置オブジェクトの判定エリア)から、禁止属性該当の判断があったか否かを確認する(ステップS245)。本実施形態では、上記ステップS239~S242において、既に禁止属性該当有無判断が行われている。このため、オブジェクト配置制御部323は、プレイヤーがアバターを移動させようとしている位置(配置位置)を判定エリアに含むマップまたは配置オブジェクトの禁止属性にアバターが該当するという判断があったか、または、アバターの判定エリアに位置するマップまたは配置オブジェクトがアバターの禁止属性に該当するという判断があったかを確認する。
【0126】
次に、禁止属性に該当するという判断がなかった場合(ステップS245/No)、オブジェクト配置制御部323は、対象オブジェクトの配置を可能と判定、すなわち、オブジェクトを配置する(ステップS251)。
【0127】
そして、オブジェクト配置制御部323は、ユーザによる対象オブジェクトの移動操作がある度に(ステップS254/Yes)、上記ステップS245に示す処理が行われる。
【0128】
上記S245において、禁止属性に該当するという判断があった場合(ステップS245/Yes)、オブジェクト配置制御部323は、該当する禁止属性、該当するマップ、または該当する配置オブジェクトを提示する(ステップS248)。
【0129】
以上、本実施形態による配置可否判定処理の他の例として、プレイヤーによる配置の場合について具体的に説明したが、本実施形態は図8に示す例に限定されない。図8では、一例として、近傍配置の禁止属性に基づく判定を説明したが、さらに許可属性を考慮して判定が行われてもよい。また、オブジェクト配置制御部323は、上記ステップS248において、ユーザによる移動操作を無効とし、禁止属性および必要な許可属性を少なくとも提示してもよい。
【0130】
<3.補足>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本技術はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0131】
例えば、上述した実施形態では、コンテンツの一例として、キャラクター、アバター、アイテム、建物、およびマップ等のオブジェクトを挙げたが、本開示はこれに限られず、コンテンツの他の例としては、例えば、画像、動画、または音等が挙げられる。
【0132】
また、オブジェクトの描画に関し、創作者によっては特定の向きでのみ描画を許可したいといった要望も想定される。そこで、オブジェクトの属性情報に、描画の向きの指定情報を含め、メタバース提示制御部322が、メタバース映像を生成する際等に、当該描画の向きの指定情報に基づいて、オブジェクトを描画するようにしてもよい。また、オブジェクトの属性情報に、配置の向きの指定情報を含め、オブジェクト配置制御部323が、対象オブジェクトを配置する際に、当該配置の向きの指定情報に基づいて、オブジェクトの配置に制約を持たせるようにしてもよい。
【0133】
また、上述した管理団体サーバ20、またはメタバースサーバ30に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、管理団体サーバ20、またはメタバースサーバ30の機能を発揮させるための1以上のコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該1以上のコンピュータプログラムを記憶させたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【0134】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0135】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
複数の異なる仮想空間のうちの一の仮想空間に対応付けられる仮想空間属性情報と、第1のコンテンツに対応付けられる第1のコンテンツ管理情報と、に基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断する処理と、
利用可能と判断された前記第1のコンテンツの第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に既に配置されている第2のコンテンツに対応付けられる第2のコンテンツ属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を制御する処理と、
を行う制御部を備える、情報処理装置。
(2)
前記制御部は、
前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第1のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置は不可と判定し、
前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第1のコンテンツが該当しない場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、
前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に、前記第1のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定し、
前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に前記第1のコンテンツが該当しない場合、前記第1のコンテンツの配置は不可と判定する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、
前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第1のコンテンツが該当せず、かつ、前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に前記第1のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、前記第2のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の判定エリアで示される範囲内に前記第1のコンテンツの配置予定位置が含まれる場合、前記第1のコンテンツの配置可否を判定する、前記(2)~(4)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を不可と判定した際、不可判定の要因となった前記第2のコンテンツの権利者への許可申請の問い合わせ要否を、前記第1のコンテンツの配置操作を行うユーザに通知する、前記(2)~(5)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、
前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第2のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置は不可と判定し、
前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第2のコンテンツが該当しない場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(8)
前記制御部は、
前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に、前記第2のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定し、
前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に前記第2のコンテンツが該当しない場合、前記第1のコンテンツの配置は不可と判定する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(9)
前記制御部は、
前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の禁止属性に前記第2のコンテンツが該当せず、かつ、前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の許可属性に前記第2のコンテンツが該当する場合、前記第1のコンテンツの配置が可能と判定する、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(10)
前記制御部は、前記第1のコンテンツ属性情報に含まれる近傍配置の判定エリアで示される範囲内に前記第2のコンテンツが位置する場合、前記第1のコンテンツの配置可否を判定する、前記(7)~(9)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(11)
前記制御部は、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を不可と判定した際、前記第1のコンテンツの権利者が前記第1のコンテンツの配置操作を行うユーザ自身である場合、警告と共に、前記第1のコンテンツを配置するか否かを当該ユーザに問う画面を表示する、前記(7)~(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(12)
前記制御部は、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を不可と判定した際、該当する禁止属性または必要な許可属性の少なくともいずれかと、不可判定の要因となった前記第2のコンテンツを、前記第1のコンテンツの配置操作を行うユーザに通知する、前記(1)~(10)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(13)
前記第1のコンテンツ属性情報は、前記第1のコンテンツ管理情報に含まれる、前記(1)~(12)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(14)
前記制御部は、前記第1のコンテンツ管理情報に含まれる前記第1のコンテンツの利用が許可される仮想空間に関する情報と、前記仮想空間属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断する、前記(1)~(13)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(15)
前記第1のコンテンツの利用が許可される仮想空間に関する情報は、仮想空間の識別情報、または世界観の情報である、前記(14)に記載の情報処理装置。
(16)
前記制御部は、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用できないと判断した場合、前記一の仮想空間への前記第1のコンテンツの持ち込みが不可である旨を、前記第1のコンテンツの持ち込み操作を行うユーザに通知する、前記(1)~(15)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(17)
前記第1または前記第2のコンテンツは、アバター、キャラクター、またはアイテムであり、
前記第1または前記第2のコンテンツ属性情報は、コンテンツの大きさ、重量、世界観、年齢、性別、種族、分類、または職業を少なくとも含む各属性項目の情報と、各属性項目における近傍配置の禁止属性または許可属性の情報と、を含む、
前記(1)に記載の情報処理装置。
(18)
前記制御部は、前記第1のコンテンツの前記第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に設定されるマップに対応付けられる属性情報とに基づいて、前記マップ内における前記第1のコンテンツの配置を制御する処理を行う、前記(1)~(17)のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(19)
プロセッサが、
複数の異なる仮想空間のうちの一の仮想空間に対応付けられる仮想空間属性情報と、第1のコンテンツに対応付けられる第1のコンテンツ管理情報と、に基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断することと、
利用可能と判断された前記第1のコンテンツの第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に既に配置されている第2のコンテンツに対応付けられる第2のコンテンツ属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を制御することと、
を含む、情報処理方法。
(20)
コンピュータを、
複数の異なる仮想空間のうちの一の仮想空間に対応付けられる仮想空間属性情報と、第1のコンテンツに対応付けられる第1のコンテンツ管理情報と、に基づいて、前記一の仮想空間で前記第1のコンテンツが利用可能か否かを判断する処理と、
利用可能と判断された前記第1のコンテンツの第1のコンテンツ属性情報と、前記一の仮想空間に既に配置されている第2のコンテンツに対応付けられる第2のコンテンツ属性情報とに基づいて、前記一の仮想空間内における前記第1のコンテンツの配置を制御する処理と、
を行う制御部として機能させる、プログラム。
【符号の説明】
【0136】
1 情報処理システム
10 ユーザ端末
20 管理団体サーバ
210 通信部
220 制御部
221 オブジェクト管理部
230 記憶部
231 管理情報DB
30 メタバースサーバ
310 通信部
320 制御部
321 オブジェクト登録処理部
322 メタバース提示制御部
323 オブジェクト配置制御部
330 記憶部
331 登録オブジェクトDB
40 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8