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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145570
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20241004BHJP
   E04H 6/06 20060101ALI20241004BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
E04H6/18 601G
E04H6/06 W
G08B21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057980
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500521267
【氏名又は名称】株式会社ニッパツパーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】栗山 茂幸
【テーマコード(参考)】
5C086
【Fターム(参考)】
5C086AA46
5C086BA17
5C086BA22
5C086CA11
5C086FA02
5C086FA11
(57)【要約】
【課題】諸元が適していない車両を安定して検知することができる駐車装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態によれば、駐車装置は、第1入出庫口に配置された第1パレットと、前記第1入出庫口に隣接する第2入出庫口に配置された第2パレットと、前記第1パレット上の前記第1パレット又は地面に対して第1高さの空間を通過し、第1光軸を有する第1光を検出する第1光電センサと、前記第2パレット上の前記第2パレット又は前記地面に対して前記第1高さの空間を通過し、第2光軸を有する第2光を検出する第2光電センサと、前記第1パレットおよび前記第2パレット上の前記第1パレット、前記第2パレット又は前記地面に対して前記第1高さよりも高い第2高さの空間を通過し、第3光軸を有する第3光を検出する第3光電センサと、前記第1光電センサ、前記第2光電センサ、および前記第3光電センサの検出状態を判定する制御部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入出庫口に配置された第1パレットと、
前記第1入出庫口に隣接する第2入出庫口に配置された第2パレットと、
前記第1パレット上の前記第1パレット又は地面に対して第1高さの空間を通過し、第1光軸を有する第1光を検出する第1光電センサと、
前記第2パレット上の前記第2パレット又は前記地面に対して前記第1高さの空間を通過し、第2光軸を有する第2光を検出する第2光電センサと、
前記第1パレットおよび前記第2パレット上の前記第1パレット、前記第2パレット又は前記地面に対して前記第1高さよりも高い第2高さの空間を通過し、第3光軸を有する第3光を検出する第3光電センサと、
前記第1光電センサ、前記第2光電センサ、および前記第3光電センサの検出状態を判定する制御部と、を備える、
駐車装置。
【請求項2】
所定の条件に基づいて、前記1光電センサ、前記第2光電センサ、および前記第3光電センサのいずれかを判定対象とする、
請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記第1光軸は、前記第1パレットに対して対角方向に設けられ、
前記第2光軸は、前記第2パレットに対して対角方向に設けられ、
前記第3光軸は、前記第1パレットおよび前記第2パレットを含む領域に対して対角方向に設けられる、
請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記第1入出庫口に配置された第1パレットから、前記第1パレットの配置された階の一つ上の階に配置された第3パレットまでの第1垂直距離は、前記第3パレットから前記第3パレットの配置された階の一つの上の階に配置された第4パレットまでの第2垂直距離よりも大きい、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記第2入出庫口に設けられたゲートを含み、
前記ゲートが上昇したときに、前記制御部は、前記第2光電センサまたは前記第3光電センサを判定対象に設定する、
請求項4に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記第2パレット上の前記第2パレット又は前記地面に対して第1高さと異なる第3高さの空間を通過する第4光を検出する第4光電センサをさらに含み、
前記制御部は、前記第4光電センサが前記第4光を検出していないときに、前記制御部は、前記第2光電センサまたは前記第3光電センサを判定対象に設定する、
請求項4に記載の駐車装置。
【請求項7】
所定の時間以上の時間において前記第2光電センサが前記第2光を検出しない、または前記第3光電センサが前記第3光を検出しないとき、前記制御部は、異常と判定する、
請求項4に記載の駐車装置。
【請求項8】
前記制御部は、異常と判定した時に、警告情報を出力するように指示する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両などの車両を駐車するための駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
立体駐車装置は、スペースの少ない土地に多数の車両を効率よく駐車できる駐車設備として住宅密集地等において広く利用されている。立体駐車装置には、車両の入出庫を行う入出庫口が備えられており、この入出庫口の外部には操作盤が備えられている。車両を立体駐車装置に入庫する場合には、車両を入出庫口へ移動して所定の位置に停車した後、運転者が立体駐車装置の外部へ退出し、この後、運転者または操作係員が操作盤を操作することにより車両が所定の格納位置へ移送されて格納される。逆に車両を出庫する場合には、操作盤の操作により車両が格納位置から入出庫口へ移送され、この後、運転者が車両に搭乗して立体駐車装置より退出する。
【0003】
機械式立体駐車装置では、入庫する車両の車高や幅などの諸元が決められている。入庫車諸元を超えた車両を入庫すると、装置と車両が干渉するなどの事故が起きる虞がある。このため、検知装置を有する駐車装置が提案されている。特許文献1には、検知装置が設けられた駐車装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-46856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、従来の場合、入庫車両の車高に関しては、利用者の判断になっている場合がある。また、機械式立体駐車装置は、階によって適応車高が異なる場合もある。そのため、利用者が誤ってパレット適正諸元外の車高の車両を入庫しても、車高が適正外であることを知らせるものが無く、利用者は気づかない虞がある。そのまま装置を稼働させてしまうと、車両と装置が干渉してしまい、事故につながる危険がある。
【0006】
上記課題を鑑み、本発明は、諸元が適していない車両を安定して検知することができる駐車装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、第1入出庫口に配置された第1パレットと、前記第1入出庫口に隣接する第2入出庫口に配置された第2パレットと、前記第1パレット上の前記第1パレット又は地面に対して第1高さの空間を通過し、第1光軸を有する第1光を検出する第1光電センサと、前記第2パレット上の前記第2パレット又は前記地面に対して前記第1高さの空間を通過し、第2光軸を有する第2光を検出する第2光電センサと、前記第1パレットおよび前記第2パレット上の前記第1パレット、前記第2パレット又は前記地面に対して前記第1高さよりも高い第2高さの空間を通過し、第3光軸を有する第3光を検出する第3光電センサと、前記第1光電センサ、前記第2光電センサ、および前記第3光電センサの検出状態を判定する制御部と、を備える、駐車装置が提供される。
【0008】
上記駐車装置において、所定の条件に基づいて、前記1光電センサ、前記第2光電センサ、および前記第3光電センサのいずれかを判定対象としてもよい。
【0009】
上記駐車装置において、前記第1光軸は、前記第1パレットに対して対角方向に設けられ、前記第2光軸は、前記第2パレットに対して対角方向に設けられ、前記第3光軸は、前記第1パレットおよび前記第2パレットを含む領域に対して対角方向に設けられてもよい。
【0010】
上記駐車装置において、前記第1入出庫口に配置された第1パレットから、前記第1パレットの配置された階の一つ上の階に配置された第3パレットまでの第1垂直距離は、前記第3パレットから前記第3パレットの配置された階の一つの上の階に配置された第4パレットまでの第2垂直距離よりも大きくてもよい。
【0011】
上記駐車装置において、前記第2入出庫口に設けられたゲートを含み、前記ゲートが上昇したときに、前記制御部は、前記第2光電センサまたは前記第3光電センサを判定対象に設定してもよい。
【0012】
上記駐車装置において、前記第2パレット上の前記第2パレット又は前記地面に対して第1高さと異なる第3高さの空間を通過する第4光を検出する第4光電センサをさらに含み、前記制御部は、前記第4光電センサが前記第4光を検出していないときに、前記制御部は、前記第2光電センサまたは前記第3光電センサを判定対象に設定してもよい。
【0013】
上記駐車装置において、所定の時間以上の時間において前記第2光電センサが前記第2光を検出しない、または前記第3光電センサが前記第3光を検出しないとき、前記制御部は、異常と判定してもよい。
【0014】
上記駐車装置において、前記制御部は、異常と判定した時に、警告情報を出力するように指示してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施形態を用いることにより、諸元が適していない車両を安定して検知することができる駐車装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る駐車装置を側面から見た模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る駐車装置を正面から見た模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係る駐車装置の入出庫階における平面模式図である。
図4】本発明の一実施形態に係る操作盤のブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る制御盤のブロック図である。
図6】本発明の一実施形態に係る制御部のブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る制御方法のフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係る駐車装置を正面から見た模式図である。
図9】本発明の一実施形態に係る駐車装置を正面から見た模式図である。
図10】本発明の一実施形態に係る駐車装置を正面から見た模式図である。
図11】本発明の一実施形態に係る駐車装置の平面模式図である。
図12】本発明の一実施形態に係る制御方法のフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態に係る制御方法のフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態に係る駐車装置の入出庫階における各機器の位置関係を示す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0018】
本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付す。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
【0019】
<第1実施形態>
(1-1.駐車装置の構成)
図1に、本発明の第1実施形態に係る駐車装置100の構成を示す。図1は、駐車装置100を側面から見た概略図である。図2は、駐車装置100を正面から見た概略図である。図3は、駐車装置の入出庫階における各機器の位置関係を示す平面模式図である。
【0020】
駐車装置100は、支柱102によって構造体が構成され、構造体の中に車両Vを載置するパレット104が設置されている。パレット104は、搬送装置106により支柱102に沿って昇降することが可能である。構造体の中で、パレット104は、複数の車両を縦方向に積み重ねたとき、車両同士が干渉しない間隔をもって設けられている。これにより、支柱102によって形成される構造体は、縦方向に複数段に積み重なった駐車領域P1、P2、P3、P4、P5、P6を形成している。この例では、入出庫口109が設けられた1階から上階に向かって駐車領域P1、P2、P3、P4が設けられている態様を示している。P5およびP6は、地下に設けられる。駐車領域の数は6つに限られず、5つ以下または7つ以上であってもよい。なお、本実施形態において、車両Vのうち、車高の低い車両をV1とし、車高の高い車両をV2とする。
【0021】
図2に示すように、駐車領域P1~P6は、横方向に複数の駐車領域を含む。この例では、駐車領域P1は駐車領域P11および駐車領域P11の横方向(図1の紙面奥方向)に駐車領域P12を含む。駐車領域P2は複数の駐車領域P21および駐車領域P21の横方向に駐車領域P22を含む。駐車領域P3は複数の駐車領域P31および駐車領域P31の横方向に駐車領域P32を含む。駐車領域P4は複数の駐車領域P41および駐車領域P41の横方向に駐車領域P42を含む。駐車領域P5は複数の駐車領域P51および駐車領域P51の横方向に駐車領域P52を含む。駐車領域P6は複数の駐車領域P61および駐車領域P61の横方向に駐車領域P62を含む。
【0022】
駐車装置100は、操作盤105によって操作される。操作盤105は、駐車装置100の入出庫口109に設けられている。例えば、駐車装置100の入出庫口109の近くの支柱102に操作盤105が設置されている。利用者は、駐車装置100の外側から操作盤105を操作して、目的のパレット104を入出庫口109まで移動させたり、ゲート108を開閉したりする。操作盤105の構成は、後述する。ゲート108は、入出庫口109のそれぞれに設けられる。この例では、入出庫口109のうち、左の入出庫口109-1(第1入出庫口)にはゲート108-1が設けられる、右の入出庫口109-2(第2入出庫口)にはゲート108-2が設けられる。なお、入出庫口109-1、109-2、ゲート108-1、108-2のように分ける必要がない場合には、ゲート108、入出庫口109として説明する。なお、入出庫口109-1、109-2に対して一つのゲート108が設けられてもよい。
【0023】
駐車装置100の入出庫口109に設けられるゲート108は、操作盤105により開閉を行うことができる。この例では、ゲート108は、車両Vを入出庫するために開けた場合以外は閉じた状態となっている。したがって、パレット104が移動するときもゲート108は閉じた状態となっている。ゲート108が閉じていることにより、通常は駐車装置100の装置内に人が入れないようになっている。また、本実施形態では、車両の入庫方向に制御盤110が設けられている。操作盤105から出力される信号は、制御盤110に送られ、制御盤110はパレット104の移動を行う搬送装置106や、ゲート108の開閉を行う駆動装置107等に制御信号を出力する。上記において、制御盤110は入庫方向に設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されない。制御盤110は、駐車装置100の側面に配置されてもよい。制御盤110の構成は、後述する。
【0024】
縦方向に複数段に積み重なった駐車領域を形成し立体的に車両Vを収納して駐車させる駐車装置100では、パレット104が昇降することで、目的とするパレット104を入出庫口109へ移動させて車両Vの出し入れを行う。目的とするパレット104を入出庫口109まで移動させる動作にはいくつかの方式がある。たとえば、上段のパレット104に駐車された車両Vを出庫するために下段のパレット104を地下ピットに沈み込ませる方式、下段又は上段のパレット104を車体横方向にスライドさせて上段のパレット104を下段のパレット104が存在しない空間に降下させる方式、あるいはこれらを組み合わせた方式等が採用されている。
【0025】
例えば、3階の駐車領域P31にあるパレット104を降下させ、車両V1を入出庫するには下段の駐車領域P11、P21のパレット104が障害となる。この場合、パレットのうち駐車領域P31にあるパレット104を横方向にスライドさせると障害物がなくなるので、駐車領域P31にあるパレット104を入出庫口109-2まで降下させることが可能となる。
【0026】
図3に示すように、駐車装置100は、パレット104、操作盤105および制御盤110に加えて、光電センサ210、光電センサ220、および光電センサ230を備える。パレット104、操作盤105、ゲート108、制御盤110、光電センサ210~230は、通信バスを介して接続される。
【0027】
(1-2.光電センサ)
光電センサ210~230は、車高に応じた車両を検出するために用いられる。
【0028】
光電センサ210(第1光電センサともいう)は、駐車装置の入出庫口109のうち左側に設けられた入出庫口109-1に対応する駐車領域P11(第1駐車領域ともいう)に設けられる。具体的には、光電センサ210の投光器210aは、入出庫口109-1の右側の支柱の一部に配置される。光電センサ210の受光器210bは、駐車領域P11の左奥の支柱102の一部に設けられる。光電センサ210(投光器210aおよび受光器210b)は、地面GSに対して高さh1(「第1高さ」ともいう)に設けられる。なお、本実施形態において、地面GSは、地上階の地面を前提とするが、地上階のパレット104の下面は、凹凸を有しつつも、地面GSと実質的に同じ高さに配置される。そのため、本実施形態において、光電センサ210は、駐車領域P11に配置されるパレット104-1(第1パレットともいう)に対して高さh1に設けられるということもできる。投光器210aおよび受光器210bは地面GSに対して平行な平面において対向して設けられる。投光器210aから投射される光L211(第1光ともいう)は、駐車領域P11(第1駐車領域ともいう)に配置されるパレット104-1(第1パレットともいう)上の空間を通過する。光L211の第1光軸L211ax(第1光軸ともいう)は、パレット104-1に対して対角方向に設けられる。光軸L211axは、パレット104-1に対して対角方向(この例では、パレット104-1の右手前から左奥への方向)に設けられる。光電センサ210は、地面(またはパレット)に対して高さh1の高さの物体の存在を検出することができる。また、パレット104-1が傾斜して配置されている場合、投光器210aおよび受光器210bは、パレット104-1の傾斜に沿った傾斜で設けられてもよい。
【0029】
投光器210aから投射される光には、赤色光、または近赤外光が用いられる。受光器210bのセンシング部には、CMOSセンサまたはCCDセンサなどの受光素子として用いられる。
【0030】
投光器210a、受光器210bは、外部(電源部119)から電力を供給されることにより駆動する。受光器210bと制御盤110(制御部111)とは電気的に接続されており、駆動時において、受光器210bは受光に関する受光情報を制御盤110(制御部111)に送信する。受光情報は、検出した光の受光量を含む。なお、受光情報は、受光量に対応する電圧値、または受光量及び電圧値から生成された情報を含んでもよい。
【0031】
光電センサ220(第2光電センサともいう)は、駐車装置の入出庫口109のうち右側に設けられた入出庫口109-2に対応する駐車領域P12(第2駐車領域ともいう)に設けられる。具体的には、光電センサ220の投光器220aは、入出庫口109-2の右側の支柱の一部に配置される。光電センサ220の受光器220bは、駐車領域P12の左奥の支柱102の一部に設けられる。光電センサ220(投光器220aおよび受光器220b)は、光電センサ210と同じく、地面に対して高さh1に設けられる。投光器220aおよび受光器220bは対向して設けられる。投光器220aから投射される光L221(第2光ともいう)は、駐車領域P12に配置されるパレット104-2(第2パレットともいう)上の空間を通過する。光L221の光軸L221ax(第2光軸ともいう)は、パレット104-2に対して対角方向(この例では、パレット104-2の右手前から左奥への方向)に設けられる。光電センサ220は、地面GS(またはパレット104-2)に対して高さh1の高さの物体の存在を検出することができる。光電センサ220のその他の構成は、光電センサ210と同様であるので説明を省略する。なお、本実施形態において、光電センサ210を第2光電センサとし、光電センサ220を第1光電センサとしてもよい。同様に、パレット104-2を第1パレットとし、パレット104-1を第2パレットとしてもよい。
【0032】
光電センサ230は、駐車領域P11および駐車領域P12を合わせた領域(第3領域ともいう)に設けられる。具体的には、光電センサ230の投光器230aは、入出庫口109-1の左側の支柱102の一部に配置される。光電センサ230の受光器230bは、駐車領域P12の右奥の支柱102の一部に設けられる。光電センサ230(投光器230aおよび受光器230b)は、地面(またはパレット104-1、パレット104-2)に対して高さh2に設けられる。高さh2は、高さh1よりも大きい。投光器230aおよび受光器230bは対向して設けられる。投光器230aから投射される光L231(第2光ともいう)は、駐車領域P11に配置されるパレット104-1(第1パレット)および駐車領域P12に配置されるパレット104-2(第2パレット)上の空間をまたがって通過する。光L231の光軸L231ax(第3光軸ともいう)は、第3領域に対して対角方向(この例では、パレット104-1左手前からパレット104-2の右奥への方向)に設けられる。光電センサ230は、地面GS(またはパレット)に対して高さh3の高さの物体の存在を検出することができる。光電センサ230のその他の構成は、光電センサ210と同様であるので説明を省略する。
【0033】
図3に示すように、本実施形態の場合、光電センサ210の光軸L211axおよび光電センサ220の光軸L221axは、光電センサ230の光軸L231axと交差する。
なお、光電センサ210~230は、上記の配置に制限されず、上記の光軸の方向が維持される場合、支柱102以外の場所に配置されてもよい。この場合、光電センサ220を地面に固定してもよいし、または1階部分の天井からぶら下げてもよい。
【0034】
本実施形態では、駐車装置100の各階ごとに高さが異なる。例えば、入出庫口109-1(第1入出庫口)に配置されたパレット104-1から、パレット104-1の配置された階(この例では、1階)の一つ上の階(この例では2階)の駐車領域P21に配置されたパレット104-3(第3パレットともいう)までの第1垂直距離vd1は、パレット104-3の配置された階(2階)からパレット104-3の配置された階(2階)の一つの上の階(3階)の駐車領域P31に配置されるパレット104-4(第4パレットともいう)までの垂直距離vd2(第2垂直距離)よりも大きい。このため、入出庫口からは、車高の低い車両V1および車高の高い車両V2ともに入庫することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、上述の通り、入出庫口のそれぞれの駐車領域に車高の低い車両監視用の光電センサ210、220が設けられる。これにより、駐車領域P11に車高の高い車両が載置されていても、駐車領域P12に車高の低い車両を監視するための光電センサ220が遮られることがない。したがって、駐車領域P12に車高の低い車両が入庫したときに、駐車領域P11に配置された車両の影響を受けることなく車両(の車高)を監視することができる。
【0036】
(1-3.操作盤)
図4は、操作盤105のブロック図である。操作盤105は、少なくとも操作部1051、制御部1053、表示部1055、および通信部1057を有する。
【0037】
操作部1051は、操作可能な部材を含む。操作部1051を用いて、文字・数字の入力、上下左右への移動、押圧、または回転などの動作がなされることにより、その動作に基づく情報が制御部1053に入力される。この例では、操作部1051は、押下可能なボタン1051a、キースイッチ1051bおよびテンキー1051cを含む。ボタン1051aは、安全確認ボタン1051a1、スタートボタン1051a2および緊急停止ボタン1051a3を含む。安全確認ボタン1051a1は、安全確認を行った後に押下される。スタートボタン1051a2は、安全確認ボタン1051a1が押下された後に操作可能となり、テンキー1051cによる情報の入力と組み合わせてパレット104またはゲート108の移動制御を許可する。緊急停止ボタン1051a3は、パレット104、ゲート108の動きを緊急的に停止する。キースイッチ1051bでは駆動装置107または搬送装置106のON/OFF、監視開始の操作が可能である。テンキー1051cにより、車両の情報(具体的には車高の情報)、またはパレット104の番号情報を入力することができる。なお、操作部1051は、機能に応じて適宜増減させてもよい。
【0038】
制御部1053は、駐車装置100の各部の動作を制御する。制御部1053は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で例示される演算処理装置、ならびにROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)で例示されるメモリを搭載したプロセッサを備える。この例では、キースイッチ1051bがONなるように操作がなされたとき、制御部1053は、監視要求情報を生成する。キースイッチ1051bがOFFとなる操作がなされたとき、制御部1053は、監視終了要求情報を生成する。
【0039】
表示部1055は、制御部1053の制御に基づいて制御情報(この例では、通信管理情報)を表示する。このとき、表示部1055は、GUI(Graphical User Interface)を介して制御情報を表示してもよいし、操作部1051の機能を有する場合には、タッチパネルとして用いられる。
【0040】
通信部1057は、制御部111の制御に基づいて制御盤110と情報の送受信を行う。
【0041】
(1-4.制御盤)
図5は、制御盤110のブロック図である。制御盤110は、少なくとも制御部111、記憶部113、表示部115、通信部117、および電源部119を有する。
【0042】
制御部111は、駐車装置100の各部の動作を制御する。制御部111は、例えば、CPUで例示される演算処理装置、ならびにROM及びRAMで例示されるメモリを搭載したプロセッサを備える。制御部111は、例えば、操作盤105から送られる信号を受信し、パレット104を移動させる搬送装置106や、ゲート108の開閉を行う駆動装置に制御信号を出力し、パレット104の移動やゲート108の開閉、および光電センサ210~230の光投射など、制御プログラムに基づいた制御を実行する。
【0043】
記憶部113には、メモリ、SSD(Solid State Drive)の半導体メモリ等のほか、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク等)、光記録媒体、光磁気記録媒体、記憶媒体である記憶可能な素子が用いられる。記憶部113は、制御プログラム、および制御プログラムで用いられる各種情報を記憶する機能を有する。
【0044】
表示部115は、制御部111の制御に基づいて制御情報(この例では、通信管理情報)を表示する。このとき、表示部115は、GUI(Graphical User Interface)を介して制御情報を表示してもよい。
【0045】
通信部117は、制御部111の制御に基づいて各装置と情報の送受信を行う。
【0046】
電源部119は、外部電源と接続され、制御部111の制御に基づいて各装置に電力を供給する。
【0047】
また、制御盤110には、制御部111、記憶部113、表示部115、通信部117および電源部119の他、漏電遮断器、インバータ、及びリレーなどの制御機器が設けられていてもよい。
【0048】
図6は、制御部111における機能ブロック図である。図6に示すように、制御部111は、機能部として監視要求情報取得部1111、監視制御処理部1113、受光情報取得部1115、判定部1117、および異常処理部1119を含む。
【0049】
監視要求情報取得部1111は、操作盤105から送信される監視要求情報および監視要求終了情報を取得する。
【0050】
監視制御処理部1113は、監視要求情報および監視終了要求情報に基づいて駐車装置の各機器に制御指示情報を送信する。この例では、監視制御処理部1113は、入力された条件にもとづき各光電センサのいずれかに対して監視対象(検出対象または判定対象)とする指示を送信する。この場合、制御部111は、光電センサ210~230のうち各投光器に投光指示情報を送信してもよいし、受光器に受光指示情報を送信してもよい。
【0051】
受光情報取得部1115は、1組の受光器の一方から送信された受光情報を取得する。例えば、受光情報取得部1115は、光電センサ210~230のいずれかから送信される受光情報を取得する。
【0052】
判定部1117は、受光情報に基づき光電センサ210~230の検出状態を判定し、車高が適正であるかどうかを判定する。例えば、基準値となる光量を設定し、受光器で検出された光の光量が基準値を超えているどうかを判定する。所定の光量以上の光を受けた時には、判定部1117は正常と判定する。所定の光量未満の光を受けた時には、判定部1117は異常と判定する。
【0053】
異常処理部1119は、判定部1117が異常と判定したときに、異常に対応する処理を行う。具体的には、表示部115に異常であることを表示する、または警告情報を出力するための指示情報を送信する。また、異常処理部1119は、パレット104、搬送装置106、ゲート108の駆動を停止させるための命令情報を送信する。
【0054】
(1-5.駐車装置の制御方法)
次に、駐車装置100の制御について説明する。図7は、駐車装置の制御方法を説明するフロー図である。本実施形態では、駐車領域P11に車両V2が載置されており、駐車領域P12に車高の低い車両を入庫する例について説明する。なお、駐車領域P11に車両を入庫する場合も同様である。
【0055】
まず、ユーザが操作盤105の操作部1051(キースイッチ1051b)をON操作する。この操作に続いて、ユーザが駐車装置を動作させてもよいか安全を確認した後に安全確認ボタン1051a1を押下する。続いて、ユーザが操作盤105のテンキー1051cに対して、駐車装置100に車両を入庫するために、パレット情報を入力する。例えば、車高の低い車両(具体的には1550mm以下)を駐車するための駐車領域P31のパレット104を使用したいときには、駐車領域P31に対応するように「パレット104-31」を入力する。入力されたパレット情報は、制御盤110の制御部111に送信される。制御部111は、入力されたパレット情報を取得する(ステップS101)。
【0056】
次に、ユーザがスタートボタン1051a2を押下する。スタートボタン1051a2が押下されることにより、操作盤105で生成されたパレット移動要求情報、ゲート開要求情報、および監視要求信号が制御部111へ送信される。制御部111は、パレット移動要求信号、ゲート開要求信号、および監視要求信号を取得する(ステップS103)。制御部111は、パレット移動要求信号およびゲート開要求情報に基づき、駆動装置に駐車領域P31に配置されていたパレット104を移動させる信号を送信し、駆動装置にゲート108を開く(上昇させる)指示情報(信号)を送信する(ステップS105)。これにより、駐車領域P31に配置されていたパレット104は、入出庫口109-2まで移動し、ゲート108-2は上方に移動する。制御部111は、ゲート108が完全に開くまで(ステップS107;No)、待機する。
【0057】
ゲート108が開くと(ステップS107;Yes)、制御部111は、監視要求情報に基づき監視制御処理を実行する(ステップS109)。このとき、制御部111は、取得したパレット情報に基づき、光軸センサ210~230のうちどの光電センサを判定対象とするかを選択する。この例では、光軸センサ210~230は、常時ON状態(光出射状態)であり、制御部111は、入出庫口109-2において車高の低い車両の監視を行うために車高の低い車両の検出を行うための光電センサ220(受光器220b)で受光した情報を監視対象に設定する。このとき、制御部111は受光器220b側で受信する信号を使用するタイミングを制御し、ゲート108が開いて動作停止しているときに監視する。
【0058】
受光器220bで受光した情報(受光情報)は、制御部111に送信される。制御部111は、受光情報を取得する(ステップS111)。
【0059】
次に、制御部111は、入庫した車両の車高が適正値であるかどうかを判定する(ステップS113)。このとき、制御部111は、基準値となる光量を設定し、受光情報に含まれる受光器220bで検出された光の光量が基準値未満であるか否かを判定する。このとき、制御部111は、受光量が所定の光量以上である時には正常と判定し、受光量が基準値を下回れば異常と判定する。基準値を設けることで、光電センサの劣化や、個体ごとの性能の違いによる影響を受けることなく、異常判定を行うことができる。
【0060】
入庫した車両の車高が適正ではない場合(ステップS113;No)、制御部111は、異常制御処理を行う(ステップS115)。この例では、制御部111は、駐車装置100の各部に対して動作停止指示情報を送信する。または、制御部111は、異常と判定したときに、警告情報を出力するように指示してもよい。例えば、制御部111は、操作盤105の表示部1055に異常状態を表示するように指示情報を送信してもよいし、警告音を出力してもよいし、外部に異常状態を知らせる情報を出してもよい。異常状態を知らせる情報として、パトライト(登録商標)などの外部装置が回転することが挙げられる。
【0061】
入庫した車両の車高が適正であり(ステップS113;Yes)、判定部1117は、異常なしと判定する。さらに、制御部111は、監視終了要求情報が取得されているかを判定する(ステップS117)。この場合、監視要求情報として、ゲート閉情報が用いられてもよい。監視終了要求情報(ゲート閉情報)が取得されていない場合(ステップS117;No)、受光情報取得処理(ステップS111)に戻る。これにより、監視制御処理時においては、常時光電センサ220により車両の車高が検知される。監視終了要求情報(ゲート閉情報)が取得された場合(ステップS117;Yes)、監視制御処理が終了となる。監視制御処理の終了に合わせて、ゲート108の閉動作が行われてもよい。なお、上記監視制御処理は、光電センサ210または光電センサ230が監視対象として設定された場合も同様である。
【0062】
(1-6.光電センサの動作例)
次に、光電センサ210~230のそれぞれの動作例を以下に示す。
【0063】
(1-6-1.光電センサ210を使用した場合)
図8は、光電センサ210を使用した場合の駐車装置100を正面から見た概略図である。なお、説明の関係上一部の部材を省略している。図8に示すように、駐車領域P51のパレット104を指定した場合、駐車領域P11に載置されていた車両はパレット104とともに入出庫口109-2に移動し、駐車領域P51のパレット104が入出庫口109-1まで上昇する。駐車領域P51は、車高の低い車両が載置される領域であるため、制御部111は、光電センサ210を選択する。このとき、光電センサ210の投光器から投射される光L211にもとづき、入出庫口109-1に入庫した車両の車高に対する監視処理が実行される。
【0064】
(1-6-2.光電センサ220を使用した場合)
図9は、光電センサ220を使用した場合の駐車装置100を正面から見た概略図である。図9に示すように、駐車領域P31のパレット104を指定した場合、駐車領域P31に載置されていたパレット104は入出庫口109-2まで移動する。駐車領域P31は、車高の低い車両が載置される領域であるため、制御部111は、光電センサ220を選択する。このとき、光電センサ220の投光器から投射され光L221に基づき、入出庫口109-2に入庫した車両の車高に対する監視処理が実行される。
【0065】
(1-6-3.光電センサ230を使用した場合)
図10は、光電センサ230を使用した場合の駐車装置100を正面から見た概略図である。図10に示すように、駐車領域P42のパレット104を指定した場合、駐車領域P42に載置されていたパレット104は入出庫口109-2まで移動する。駐車領域P42は、車高の高い車両が載置される領域であるため、制御部111は、光電センサ230を選択する。このとき、光電センサ230の投光器から投射され光L231に基づき、入出庫口109-2に入庫した車両の車高に対する監視処理が実行される。
【0066】
本実施形態の場合、車高諸元を超えた車両を誤入庫した場合に、該当車両と装置の干渉事故が発生することを防ぐことが出来る。また、本実施形態では、ゲートが上昇したタイミングで光電センサによる監視が始まるため、入庫時から車両の車高を監視することが出来る。また、本実施形態では、光電センサ210の光軸L211ax、光電センサ220の光軸L221ax、および光電センサ230の光軸L231axは対角方向に設けられている。これにより、車両の形状に関わらず入庫車両の車高を検知することが出来る。したがって、本実施形態を用いることにより、諸元が適していない車両を安定して検知することができる駐車装置を提供することができる。
【0067】
また、本実施形態では、高い車高を有する車両の検知は、2つの入出庫口に対して、一つの光電センサを配置することで足りる。したがって、本実施形態を用いることにより、諸元が適していない車両を安定して検知することができるとともに、検知装置の設置にかかる費用を抑えることができる。
【0068】
<第2実施形態>
本実施形態では、第2実施形態とは異なる駐車装置および制御方法について説明する。具体的には、車両が入庫完了してから判定する例について説明する。
【0069】
図11は、駐車装置100Aの入出庫階における各機器の位置関係を示す平面模式図である。図11に示すように、駐車装置100は、パレット104、操作盤105および制御盤110に加えて、光電センサ210、光電センサ220、および光電センサ230に加えて、光電センサ240および光電センサ250を備える。パレット104、操作盤105、ゲート108、制御盤110、光電センサ210~250は、通信バスを介して接続される。
【0070】
光電センサ240は、駐車領域P11においてパレット104-1に載置される車両の一部を検知するために設けられる。光電センサ240は、投光器240a、受光器240bを有する。投光器240aと受光器240bとは車幅方向において対応して設けられる。光電センサ240は、地面(またはパレット104-1)に対して光電センサ210が配置される高さと異なる高さh3(第3高さともいう)に配置されてもよい。光電センサ240のその他の構成は、光電センサ210と同様であるので説明を省略する。
【0071】
光電センサ250は、駐車領域P12においてパレット104-2に載置される車両の一部を検知するために設けられる。光電センサ250は、投光器250a、受光器250bを有する。投光器250aと受光器250bとは車幅方向において対応して設けられる。光電センサ250は、地面(またはパレット104-2)に対して光電センサ220が配置される高さよりと異なる高さh3(第3高さ)に配置されてもよい。そのため、光電センサ250は、パレット104-2上の第3高さの空間を通過する。光電センサ250のその他の構成は、光電センサ210と同様であるので説明を省略する。
【0072】
(2-1.駐車装置の制御方法)
駐車装置の制御について説明する。図12は、駐車装置の制御方法を説明するフロー図である。
【0073】
図12に示すように、本実施形態において、制御部111は、パレット移動要求信号およびゲート開要求情報に基づき駆動装置に駐車領域P31に配置されたパレット104を移動させる信号を送信し、駆動装置にゲート108を開く(上昇させる)情報(信号)を送信する(ステップS105)。これにより、ゲート108は上方に移動する。制御部111は、ゲート108が開くまで(ステップS107;No)待機する。この時点では、光電センサの投光器および受光器はOFF状態である。
【0074】
ゲート108が開くと(ステップS107;Yes)、制御部111は、さらに車両の入庫、およびスタートボタン1051a2の押下によるゲート108の閉要求を検知するまで(ステップS108;No)、待機する。光電センサ250による車両の入庫検知(光電センサ250が光を検出していない)、ゲート108の閉要求を検知した後(ステップS108;Yes)、制御部111は、監視要求情報に基づき監視処理を実行する(ステップS109A)。このとき、制御部111は、光電センサ220または光電センサ230が判定対象として設定される。この例では、制御部111は、入出庫口109-2において車高の低い車両の監視を行うために車高の低い車両の検出を行うための光電センサ220(投光器220aおよび受光器220b)の電源をONにして光電センサ220を監視(判定)対象に設定し、監視処理が開始される。
【0075】
投光器220aが電源ONされると、投光器220aは投光処理を開始する。投光器220aは、受光器220bに向かって光を投射する。このとき、上述の通り受光器220bは、遮蔽物が存在しない限り投光器220aから投射された光を受けることができる。また、本実施形態では、監視終了要求情報を取得したとき(ステップS117;Yes)、光電センサ220の電源がOFFとなり監視処理が終了する(ステップS119)。
以下の処理は第1実施形態と同じである。
【0076】
本実施形態の場合、車両の入庫が完了したタイミングから光電センサによる監視が行われるため、光電センサの使用期間を減らすことができる。したがって、本実施形態を用いることにより、諸元が適していない車両を安定して検知することができるとともに、光電センサの寿命を延ばすことができる。
【0077】
<第3実施形態>
本実施形態では、第1実施形態と形態の異なる駐車装置の制御方法について説明する。具体的には、所定の時間において光電センサが検出しないことに基づいて異常を判断する例について説明する。
【0078】
図13は、駐車装置の制御方法を説明するフロー図である。図13に示すように、受光器220bで受光した情報(受光情報)は、制御部111に送信される。制御部111は、受光情報を取得する(ステップS111)。次に、制御部111は、入庫した車両の車高が適正値であるかどうかを判定する(ステップS113B)。このとき、制御部111は、光電センサ220のうち受光器220bが所定の時間以上の時間において受光しているか否かを判定する。受光器220bが所定の時間以上の時間において受光(検出)していない場合(S113B;No)、制御部111は、異常であると判定する(ステップS115)。
【0079】
本実施形態を用いることにより、駐車領域に人が侵入し、光電センサの設置高さ以上の身長を有する人または物体を検知しても、短時間の検知であれば、異常と判断しないように制御することができる。
【0080】
<第4実施形態>
本発明の第1実施形態では、本実施形態の場合、光電センサ210の光軸L211axおよび光電センサ220の光軸L221axは、光電センサ230の光軸L231axと交差する例を示したが、本実施形態では、光電センサ210および光電センサ220の光軸と光電センサ230の光軸が交差しない例について説明する。
【0081】
図14は、駐車装置100Cの入出庫階における各機器の位置関係を示す平面模式図である。図14に示すように、光電センサ210の投光器210aおよび受光器210bは、パレット104-1の側面に対向して配置される。光電センサ220の投光器220aおよび受光器220bは、パレット104-2の側面に対向して配置される。光電センサ230の投光器230aおよび受光器230bは、パレット104-1およびパレット104-2を含む領域の側面に対向して配置される。
【0082】
本実施形態の場合、光電センサ210の光軸L211axおよび光電センサ220の光軸L221axは、光電センサ230の光軸L231axと交差せずに平行である。また、光電センサ210の光L210および光電センサ220の光L220の向かう方向は、光電センサ230の向かう方向と反対である。これにより、異なる高さに配置された光電センサの光を受光することを防止することができる。
【0083】
(変形例)
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例および修正例に想到し得るものであり、それら変更例および修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、各実施形態を組み合わせたもの、又は、処理の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0084】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【0085】
本発明の第1実施形態では、受光情報は、検出した光の受光量を含む例を示したが、本発明は、これに限定されない。受光情報は、二値の情報であってもよい。例えば、光を検知した場合の受光情報は「1」であってもよいし、光を検出しない場合の受光情報は「0」であってもよい。
【0086】
なお、本発明の第1実施形態では、ゲートが開いたタイミング(ゲートが上昇したことを検知したタイミング)で監視処理を開始する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、駐車装置100の駆動開始(具体的には、操作盤の電源ON)に基づいて監視処理を開始してもよいし、キースイッチ1051bをONにしたタイミング、その他の監視開始方法に基づいて監視処理を行ってもよい。
【0087】
駐車装置100は、本明細書で開示した光電センサのほかに、侵入者(物体)検知用の光電センサ、車長検知用の光電センサを含んでもよい。
【符号の説明】
【0088】
100・・・駐車装置,102・・・支柱,104・・・パレット,105・・・操作盤,106・・・搬送装置,107・・・駆動装置,108・・・ゲート,109・・・入出庫口,110・・・制御盤,111・・・制御部,113・・・記憶部,115・・・表示部,117・・・通信部,119・・・電源部,210・・・光電センサ,210a・・・投光器,210b・・・受光器,,220・・・光電センサ,220・・・常時光電センサ,220a・・・投光器,220b・・・受光器,230・・・光電センサ,230a・・・投光器,230b・・・受光器,240・・・光電センサ,240a・・・投光器,240b・・・受光器,250・・・光電センサ,250a・・・投光器,250b・・・受光器,1051・・・操作部,1051a・・・ボタン,1051a1・・・安全確認ボタン,1051a2・・・スタートボタン,1051a3・・・緊急停止ボタン,1051b・・・キースイッチ,1051c・・・テンキー,1053・・・制御部,1055・・・表示部,1057・・・通信部,1111・・・監視要求情報取得部,1113・・・監視制御処理部,1115・・・受光情報取得部,1117・・・判定部,1119・・・異常処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14