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特開2024-145576シートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145576
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】シートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20241004BHJP
   B65D 25/52 20060101ALI20241004BHJP
   A47K 10/42 20060101ALI20241004BHJP
   A47K 10/20 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B65D83/08 G
B65D25/52 B
A47K10/42 C
A47K10/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057990
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 力
【テーマコード(参考)】
3E014
3E062
【Fターム(参考)】
3E014MC06
3E014MC08
3E062AA01
3E062AB10
3E062AB12
3E062FA02
3E062FB03
3E062LA14
3E062LA20
(57)【要約】
【課題】シートのサイズによらず使用することができるシートディスペンサーを提供する。
【解決手段】
前板部と後板部とシートの取出口が形成されている底面部とを有し、取出口が底面部の前後方向中央部において幅方向に延在しているシートディスペンサーであって、前記取出口の上方に、取出口の延在方向に沿って棒状の支持体が並設されている、シートディスペンサーにより解決される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前板部と後板部とシートの取出口が形成されている底面部とを有し、
取出口が底面部の前後方向中央部において幅方向に延在しているシートディスペンサーであって、
前記取出口の上方に、取出口の延在方向に沿って棒状の支持体が並設されている、
ことを特徴とするシートディスペンサー。
【請求項2】
前記支持体は、内側面部間に架橋されて配されている請求項1記載のシートディスペンサー。
【請求項3】
前記支持体は、一方の内側面部から突出されて配されている請求項1記載のシートディスペンサー。
【請求項4】
前記支持体は、着脱自在に設けられている請求項1記載のシートディスペンサー。
【請求項5】
前記支持体は、上方側の前後方向両縁が角取され、かつ、前後方向両縁間が平面とされている、請求項1~4の何れか1項に記載のシートディスペンサー。
【請求項6】
前板部と後板部とシートの取出口が形成されている底面部とを有し、
取出口が底面部の前後方向中央部において幅方向に延在し、
かつ、取出口の上方に、内側面部から幅方向中央に向かって突出する突起部を有するシートディスペンサーに取り付けるシートディスペンサー用のアタッチメントであって、
前記アタッチメントは、棒状をなし、その両端部に突起部に嵌る嵌合部を有し、
両端部の嵌合部を突起部に嵌めて取り付けることで、突起部間に架橋されて、
前記取出口の上方に、取出口の延在方向に沿って棒状の支持体を並設する、ものである、
ことを特徴とするシートディスペンサー用アタッチメント。
【請求項7】
前記アタッチメントは、上方側の前後方向両縁が角取され、かつ、前後方向両縁間が平面とされている、請求項6記載のシートディスペンサー用アタッチメント。
【請求項8】
前記アタッチメントは、長手方向に伸縮自在である、請求項6又は7記載のシートディスペンサー用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートディスペンサー及びシートディスペンサーに取り付けるシートディスペンサー用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
紙製や不織布製のペーパータオル等のシートが複数枚、折り畳まれ積層されてなる束を、交換可能に収納し、底側にある取出口から一枚ずつ引き出すようにするシートディスペンサーが知られている。このシートディスペンサーは、取出口が底面に形成され、その取出口が下方に向くように、後板部等を介して壁面に設置される壁掛けタイプのものがある。(下記、特許文献1、特許文献2)。
【0003】
一方、ペーパータオル等のシートは、大判、中判、小判、S,M、Lサイズ、小サイズ、中サイズ、大サイズなど呼び方や各々の詳細な寸法は異なるものの複数のサイズがある。従来のシートディスペンサーは、これらのシートのサイズに応じて製作されており、想定されたサイズ以外のシートの束を入れて使用すると、複数枚が一度に引き出されてしまうなど、一枚ずつスムーズに引き出せなくなることがある。
【0004】
近年、ペーパータオル等のシートの需要は増加しており、シートのサイズに関係なくディスペンサーが使用できることが望まれている。例えば、エコ意識の高まりやごみ削減の観点などから、大判や中判といった紙面の大きいシートを使用していた消費者が、小判等のより紙面の小さいシートの使用を望むケースがある。また、必要に応じて、小判からより紙面の大きい大判や中判のシートの使用を望むケースがある。
【0005】
しかし、壁掛けタイプのシートディスペンサーは螺子や接着剤で壁に強固に設置されるものが主流であり、シートのサイズ変更のたびにディスペンサーを取替えることが難しい。シートディスペンサーの設置後に、シートディスペンサーに取り付けて、シートのサイズ変更を可能とするアタッチメント(例えば、下記特許文献3、特許文献4)も知られているが、これらのアタッチメントは、シートディスペンサーをより小サイズのシートの束に対応させるためのアタッチメントであり、再度、大サイズのシートを使用する際には、取り外して保管する等の必要があり、サイズ変更のたびに煩雑な操作が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-136586号公報
【特許文献2】特開2012-076826号公報
【特許文献3】特開2016-67476号公報
【特許文献4】特開2019-80842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、シートディスペンサーやアタッチメントを交換することなく、サイズの異なるシートを一枚ずつスムーズに取り出すことができるシートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決した本発明に係る第一の手段は、
前板部と後板部とシートの取出口が形成されている底面部とを有し、
取出口が底面部の前後方向中央部において幅方向に延在しているディスペンサーであって、
前記取出口の上方に、取出口の延在方向に沿って棒状の支持体が並設されている、
ことを特徴とするシートディスペンサーである。
【0009】
第二の手段は、
前記支持体が、内側面部間に架橋されて配されている上記第一の手段に係るシートディスペンサーである。
【0010】
第三の手段は、
前記支持体が、一方の内側面部から突出されて配されている上記第一の手段に係るシートディスペンサーである。
【0011】
第四の手段は、
前記支持体が、着脱自在に設けられている上記第一の手段に係るシートディスペンサーである。
【0012】
第五の手段は、
前記支持体が、上方側の前後方向両縁が角取され、かつ、前後方向両縁間が平面とされている、上記第一~第四の手段に係るシートディスペンサーである。
【0013】
第六の手段は、
前板部と後板部とシートの取出口が形成されている底面部とを有し、
取出口が底面部の前後方向中央部において幅方向に延在し、
かつ、取出口の上方に、内側面部から幅方向中央に向かって突出する突起部を有するシートディスペンサーに取り付けるシートディスペンサー用のアタッチメントであって、
前記アタッチメントは、棒状をなし、その両端部に突起部に嵌る嵌合部を有し、
両端部の嵌合部を突起部に嵌めて取り付けることで、突起部間に架橋されて、
前記取出口の上方に、取出口の延在方向に沿って棒状の支持体を並設する、ものである、
ことを特徴とするシートディスペンサー用アタッチメントである。
【0014】
第七の手段は、
前記アタッチメントが、上方側の前後方向両縁が角取され、かつ、前後方向両縁間が平面とされている、上記第六の手段に係るシートディスペンサー用アタッチメントである。
【0015】
第八の手段は、
前記アタッチメントが、長手方向に伸縮自在である、上記第六又は第七に係るシートディスペンサー用アタッチメントである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シートディスペンサーやアタッチメントを交換することなく、サイズの異なるシートを一枚ずつスムーズに取り出すことができるシートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメントが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態のシートディスペンサーの正面図である。
図2】そのII-II断面図である。
図3】実施の形態のシートディスペンサーの本体部材の断面図である。
図4】実施の形態のシートディスペンサーの本体部材の正面図である。
図5】実施の形態のシートディスペンサーの底部材の上面図である。
図6】実施の形態のシートディスペンサーの底部材の正面図である。
図7】実施の形態のシートディスペンサーの蓋部材の断面図である。
図8】本体部材と底部材とが一体的の実施の形態のシートディスペンサーの断面図である。
図9】実施の形態のアタッチメントの上面図である。
図10】実施の形態のアタッチメントの底面図である。
図11】実施の形態のアタッチメントの側面図である。
図12図9のXII-XII断面図である。
図13】アタッチメントを取り付けるディスペンサーの例を示す断面図である。
図14】アタッチメントを取り付けるディスペンサーの底部材の例の上面図である。
図15】アタッチメントを取り付けるディスペンサーの底部材の例の正面図である。
図16】アタッチメントを取り付けたディスペンサーの例を示す断面図である。
図17】アタッチメントを取り付けたディスペンサーの底部材の例の上面図である。
図18】アタッチメントを取り付けたディスペンサーの底部材の例の正面図である。
図19】実施の形態の他のシートディスペンサーの底部材の上面図である。
図20】実施の形態のアタッチメントの他の例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次いで、本発明の実施の形態を図1~20を参照しながら以下に詳述する。
【0019】
[シートディスペンサーの実施形態]
まず、実施の形態のシートディスペンサーを図1図8及び図19を参照しながら説明する。但し、本発明のシートディスペンサーは、この形態に限定されない。この実施形態のシートディスペンサーX1は、その素材が例えばポリプロピレン、ABS樹脂等の合成樹脂であり、主に本体部材1と、底部材2と、蓋部材3とが連結されて構成されている。但し、本発明のシートディスペンサーは、これらの各部材から構成されているものに限定されない。
【0020】
本体部材1は、天板部10、後板部11及びこの後板部11の両側縁から前方に向かってに延出する左右一対の本体部側板部12,12を有している。本体部側板部12,12は、シートディスペンサーX1の内側面部を構成する。この本体部側板部12,12の下部には、底部材2を連結固定及び位置決めするための位置決め孔12Aが形成されている。位置決め孔12Aの形状は特に限定されない。円形孔であっても四角形孔であってもよい。図示例では、四角形孔を採用している。
【0021】
他方、本体部側板部12,12の下部には、位置決め孔12Aとは別に、底部材2の固定を強固にするために、位置決め孔12Aに対応する係止用長孔12aが形成されている。図示の形態では、一つの内側面部に対して、位置決め孔12Aの上部側の適当距離離間した二か所に係止用長孔12aが形成されている。但し、係止用長孔12aの数や形状は適宜変更することができる。
【0022】
さらに、本体部側板部12,12の下部には、前記蓋部材3が連結される一対の蓋部材連結用円孔13Aが形成されている。実施の形態では、蓋部材3の取り付け位置を調整できるように、一つの内側面部に蓋部材連結用円孔13Aを形成している。
【0023】
他方で、底部材2は、シートディスペンサーの底面部を構成し、この底面部の前後方向中央部に、幅方向に延在するシートの取出口20を有している。実施の形態では、底部材2は、後板部側から手前側に向かって下り傾斜する奥側傾斜面24と、前板部側から前記奥側に向かって下り傾斜する手前側傾斜面25とで底面部が構成され、この奥側傾斜面24と手前側傾斜面25との下縁部間にシートの取出口20が形成されている。また、実施の形態の底部材2は、奥側傾斜面24と手前側傾斜面25とに連接する底部側板部26,26を有している。この底部側板部26は、本体部側板部12とともに、シートディスペンサーの内側面部を構成する。実施の形態の底部材2は、特に、底部側板部26,26の外面に位置決め用突起部21を有しており、この位置決め用突起部21を前記一対の位置決め用孔に嵌合して、前記内側面部間の所定位置に位置決めされている。さらに、位置決め用突起部21とは別の係止片22を有しており、前記位置決め用突起部21の位置決め孔12Aへの嵌合とともに、これを係止用長孔12aに嵌合して、底部材2が本体部材1の本体部側板部12,12間に連結固定されている。
【0024】
実施の形態のシートディスペンサーX1は、このようにして底部材2が、本体部材1の下部において本体部側板部12,12に対して固定され、シートディスペンサーX1の底面部を構成しているとともに、底面部において取出口20が前後方向中央部において幅方向に延在するように配されている。なお、本体部材1と底部材2との連結形態は、この形態に限定されるわけではない。公知の係止や係合等の連結構造を採ることができる。また、本体部材1と底部材2とは、必ずしも別体である必要はなく、例えば、図8に示すように、奥側傾斜面24の上縁から後板部11が一体的に連続しており、さらに底部側板部26の上方から本体部側板部12,12が一体的に連続して、本体部材1と底部材2とが一体となっている形態としてもよい。この形態では、本体部材1と底部材2との連結するための位置決め用孔、係止用長孔等は設ける必要はない。
【0025】
実施形態の底部材2のように底面部を傾斜面24,25で構成すると取出口20からシートを一枚ずつ引き出す際に、束の最下部のシートとその一枚上のシートが傾斜面24,25に沿ってスムーズに取出口20へと案内されやすくなるので望ましい。但し、本発明に係る底面部は、必ずしも傾斜面である必要はない。
【0026】
さらに実施形態のシートディスペンサーX1は、底面部の前後縁から立設する壁面27を有している。図示の形態では、奥側傾斜面24及び手前側傾斜面25の上縁から上方に向かって延在するように壁面27が設けられている。但し、壁面27は底部材2に設けられている必要はなく、蓋部材3を構成する前板部31及び本体部材1を構成する後板部11の一部であってもよい。壁面27によってシートの束の特に手前側及び奥側方向への動きが拘束され、取出口20からの取り出し操作をしたときに、ディスペンサー内で束が不必要に動くことがなくなり、安定して取り出しやすくなる。さらに、実施の形態のシートディスペンサーX1のように、各傾斜面24,25があると、その傾斜面24,25と壁面27との間に屈曲部分24t,25tが形成され、この屈曲部分24t,25tにシートの束の下縁部又はその近傍が支持されやすくなり、特にディスペンサー内部のシートの枚数が少なくなったときに一度に多数枚が引き出され難くなるので望ましい。
【0027】
さらに、実施形態のシートディスペンサーX1のように好ましく底面部を奥側傾斜面24及び手前側傾斜面25で構成する場合、図示例のように、特に奥側傾斜面24及び手前側傾斜面25を上方側に位置する急傾斜面24A,25Aと下方側に位置する緩傾斜面25B,25Bとが変曲部28,28を介して連続するように形成するのが望ましい。急傾斜面24A,25Aと緩傾斜面25B,25Bとの間の角度は320~350度程度とするのが望ましい。このように手前側傾斜面25及び奥側傾斜面24を二種の傾斜面で構成することで、シートの案内を確保してスムーズな引き出しを可能にしつつも、シートの束を取り出したときにその下方側のばらけたシートの数枚が当該以外変曲部28、28で支持されるようになり、使用時、特にディスペンサー内部のシートの枚数が少なくなったときにより一度に多数枚が引き出され難くなる。
【0028】
他方、実施形態のシートディスペンサーX1は、手前側傾斜面25と奥側傾斜面24との間に位置して、底面部の前後方向中央部において幅方向に延在する取出口20は、後板部11と前板部31とに平行、すなわちディスペンサーの幅方向に延在する細長部20Lを有している。細長部20Lの前後方向の幅は、必ずしも限定されないが2~6mmとするのが望ましい。過度に広い又は過度に狭いとシートと一枚ずつ取り出しがたくなる。
さらに、実施の形態の取出口20は、底部材2の幅方向の中央部でこの細長部と連続し、天板部側に向かって略台形状に凹欠された凹欠部20Vを有している。凹欠部20Vの形状は略台形状に限られないがこの形状が本発明の効果を発現しやすく望ましい。
【0029】
実施の形態のシートディスペンサーX1は、手前側及び奥側の凹欠部の何れか一方の凹欠部は、その上縁が傾斜面に連続する壁面27に位置している。特に、手前側の凹欠部の上縁が手前側傾斜面に連続する壁面27に位置しているのが望ましい。このようにすると、底部材2上に載置されたシートの束の積層面が凹欠部から露出されるため、前側から束の積層面に触れることができ、使用開始時に最初の一枚を摘みやすくなる。さらに、束の側部の押えが過度にならず、引き出しがスムーズになされ、束になって引き出され難くなる。
【0030】
ここで、本発明に係るシートディスペンサーX1は、特徴的に、前記取出口20の上方に、取出口20の延在方向に沿って、ディスペンサー内で束を支持する、棒状の支持体40が並設されている。この支持体40を有するシートディスペンサーX1は、取出口20の上方において、シートの束が支持体40の上に載置されて、支持体40がシート束の下面の前後方向中央部を支持する。
【0031】
このシートディスペンサーX1は、支持体40によって、束が取出口20の上方に位置されることで、束が取出口20を塞ぐように落ち込むことがなくなる。図示の形態であれば、手前側傾斜面25と奥側傾斜面24とに束全体が載るように落ち込んで取出口20を塞ぎ、引き出されるシートが手前側傾斜面25と奥側傾斜面24と過度に摩擦を生ずることがなくなるため、シートのスムーズな引き出しが確保される。また、支持体40は、取出口20のサイズによらず束が取出口や底面部と接触しない位置で支持されて、手前側と奥側と交互に一枚ずつ分配されつつ取出口20から引き出されるようになる。
【0032】
ここで、取出口20の上方において幅方向のどの程度の範囲に支持体40を設けるかは必ずしも限定されない。支持体40は、特に束のサイズによらず束を載置できる範囲及び長さがあればよく、必ずしも取出口20の幅方向の中央部の上方位置に存在しなければならないわけではない。好ましくは、少なくとも取出口20の幅方向の中央部を含む位置に配設されているのが望ましい。また、支持体40の長さは、取出口20の幅の50%以上、好ましくは80%、特には100%の長さがあるのは望ましい。長さが100%であれば、束のサイズによらず確実に束が載置されて支持することができる。この場合、好ましい形態としては、図2図5及び図6に示す形態のように、支持体40をシートディスペンサーX1の内側面部を構成する底部材2の底部側板部26,26の間に架橋されるように設けることができる。但し、支持体40は、必ずしも内側面部間に架橋されるように配置されている必要はなく、図19に示す形態のように、一方の内側面部から突出するように配してもよい。
【0033】
本発明において支持体40と取出口20との距離は、必ずしも限定されないが、35~45mmとするのが望ましい。また、実施の形態のシートディスペンサーX1のように、底面部を奥側傾斜面24及び手前側傾斜面25のように傾斜面で構成する場合、支持体40と奥側傾斜面24及び手前側傾斜面25と間の離間距離L1は6mm~12mmとするのが望ましい。6~12mm以下であれば、シートを引き出す際に、シートが支持体40と斜面との間に詰まったり、特にシートの束の残り枚数が少なくなったときに束になってシートが引き出される難くなる。
【0034】
さらに、この支持体40は、本体部材1や底部材2等の他の部材や、シートディスペンサーX1を構成する他の部分に対して、着脱自在に設けられていてもよい。支持体40を着脱自在とする具体的な手段は必ずしも限定されない。図示はしないが、例えば、底部材2の底部側板部に上方開口の凹溝を設けて、棒状の支持体40の両端を上方から嵌合させるようにする構造が例示できる。また、後述の本発明に係るアタッチメントと同様の機構を採用してもよい。
【0035】
また、この支持体40は、上方側の前後方向両縁40R,40Rが角取され、かつ、上方側の前後方向両縁間が平面とされている平面部40Fを有する形状であるのが望ましい。上方側の前後方向両縁40R,40Rが角取されていることで、載置された束の最下面に位置するシートが下方の取出口20に向かって引き出さる際に、支持体40の角取された前記縁40R,40Rに沿って滑らかに引き出されるようになる。また、前後方向両縁間が平面とされることで、束が載置された状態に維持されるやすくなる。
【0036】
支持体40の具体的な前後方向の幅は、限定されないが、14~18mmが例示できる。平面部40Fの前後方向の幅も限定されないが、10~14mmあれば安定して束を載置させやすい。また、支持体40は、取出口20の細長部20Lの前後方向の幅以下とするのが望ましい。束から引き出されたシートが取出口20に向かいやすくなる。また、支持体40は、取出口20の細長部20Lの前後方向の中央と、支持体40の前後方向の中央とが上下方向に一致するように配するのが望ましい。支持体40上の束からシートが引き出される際に、支持体40より前板側から引き出されるシートと、後板側から引き出されるシートが偏りなく取出口20に向かうようになり、支持体40の上でシートの束がずれ難くなる。
【0037】
他方で、実施の形態のシートディスペンサーX1では、特に支持体40の両端部から天板部10側に向かって上り傾斜する斜面部29,29が設けられている。この斜面部29を設けることで、支持体40に向かって下方にいくほど斜面部間の距離が狭くなるため、シートの束が下方にいくほどやや下に凸となるように湾曲された状態となるように支持される。この湾曲によって最下部のシートが取出口20から極めて摘み易くなる。また、引き出し時に適度な抵抗を与えることができる。
【0038】
他方、本発明におけるシートディスペンサーX1においては、蓋体の形状や構造、さらに連結構造等は上記形態に限定されない。実施形態のシートディスペンサーX1における蓋部材3は、天板部10と前板部31と前板部31の両側縁において前記前板部31と直角をなして奧側に延在する外側片部32,32とを有し、底側は解放されている。前板部31の高さは本体部材1の後板部11より若干高く、また外側片部32,32の間は本体部材1の本体部側板部12,12の間よりも若干幅広に形成されている。
【0039】
さらに、蓋部材3は、その外側片部32,32の下部に形成された、対面する蓋側片部に向かって突出する突起33,33を有し、この突起33,33が本体部材1の前記一対の蓋部材連結用円孔13Aに、内側面部外方側から回動自在に嵌合されて、この突起部を軸にして本体部材1に対して開閉可能とされている。
【0040】
前記蓋部材の前板部は、下縁31eの中央部が上縁側に向かって湾曲しており、取出口20からシートを摘みやすくしているともに、前記凹欠部から露出するシートの束の積層面に触れやすく一層、最初の一枚の引き出しをしやすくしている。また、この湾曲縁の最上位置は、前記底部材の垂直面の下縁、すなわち傾斜面との境界位置より下方に位置している。このため、正面視において前記端面は露出することがなく、水しぶきや埃等が前記端面に付着することが防止され、使用を控えている後続のシートの衛生性が確保される。また、意匠性にも優れたものとなる。
【0041】
他方、このシートディスペンサーX1は、後板部11の前板部31と対面する面に、手前側に突出する奥側ガイドリブ15が形成され、前記前板部31の後板部11と対面する面に、奥側に突出する手前側ガイドリブ35が形成されているのが望ましい。実施の形態の奥側ガイドリブ15は、本体部側板部12,12から所定距離離間した位置に1本ずつ計2本が並ぶように配置されており、手前側ガイドリブ35も同様に、外側片部32,32から所定距離離間した位置に1本ずつ計2本が並ぶように形成されている。ただし、各ガイドリブの本数はこれに限定されない。
【0042】
また、奥側ガイドリブ15と手前側ガイドリブと35は蓋部材3を閉めた際に相対する位置に形成する必要ない。これらのガイドリブ15,35は、ケース上部側から底部材2側に向かって、比例的に突出長が増すように構成されており、これらの存在により、シートの束を収納したときの支持体40に対する束への加重が軽減され、シートのスムーズな引き出しがより行われやすくなる。
【0043】
また、これらガイドリブ15,35は、突出先端が支持体40の上方位置にあり、かつ、突出先端間が束の前後方向幅よりもやや短くなるように構成されているのが望ましい。このようなガイドリブ15,35があるとガイドリブ間にある束の一部の重量が、支持体40に載置されたシートの束の部分に加わり難くなり、もって支持体40におけるスムーズな引き出し機構と束になって引き出されることを防止する機能が効果的に発揮されるようになる。
【0044】
ガイドリブ15,35の高さは、束の積み上げ量、すなわち収納量に応じて適宜設計すればよい。概ね1~30cm程度あればよい。ガイドリブ最下端と底部材2とのクリアランスは0~5mmであるのがよい。5mm以上であると、シートが底部材2の上部に引掛かり、下に落ちて来ない事がある。特に収納量が多い場合に加重調整機能の効果が得られないことがある。
【0045】
さらに、前記ガイドリブ15,35は、シートの束の長手方向の長さの99~90%程度に撓むように設計するのか良い。90%以上撓むように設計すると、リブ間にシートが引掛かり下に落ちてきにくくなり、長手方向の長さ以上に設定すると、上からの荷重を押える事ができず、引き出した時の抵抗が大きく、取り出しにくくなる。
【0046】
[シートディスペンサー用アタッチメントの実施形態]
次いで、実施の形態のシートディスペンサー用アタッチメントを図9図18図20を参照しながら説明する。但し、本発明のシートディスペンサー用アタッチメントは、この形態に限定されるわけではない。
【0047】
この実施の形態のアタッチメント50は、シートディスペンサーに取り付けて用いられるものであり、特に、本発明に係る支持体40を有してないシートディスペンサーに取り付けて支持体40を形成するアタッチメントである。
【0048】
このアタッチメント50が取り付けられるシートディスペンサーX2は、図13図15に示すように、前板部31と後板部11とシートの取出口20が形成されている底面部とを有し、取出口20が底面部の前後方向中央部において幅方向に延在し、かつ、取出口20の上方に、内側面部から幅方向中央に向かって突出する突起部60,60を有するシートディスペンサーX2に取り付けられる。
【0049】
シートディスペンサーX2の具体的な構成等は、限定されない。実施の形態におけるシートディスペンサーX2は、支持体40及び突起部60等に関する構成以外、上記の本発明係るシートディスペンサーX1と同様の構成となっている。図13図18において、本発明に係る支持体40を有するシートディスペンサーX1の実施形態と同様の構成については上記説明のとおりであり同符号を付している。
【0050】
このアタッチメント50が取り付けられるシートディスペンサーX2における突起部60,60は、内側面部を構成する底部側板部26から内側に突出するように設けられている。好ましい突起部60は、天板部10側から下方に向かって突出長さが長くなるように延出し、その下端部でさらに内側に向かって突出する凸部60t,60tを有する形状である。凸部60tより上方の突出長さが長くなるように延出する部分が、アタッチメント50を取り付けた後に、上記本発明に係るシートディスペンサーX1における斜面部29と同様の効果を奏するようになる。
【0051】
ここで、実施の形態のアタッチメント50は、棒状をなし、断面略矩形の筒形状となっている。但し、アタッチメント50は、必ずしも筒形状である必要はない。このアタッチメント50は、両端部に前記突起部60に嵌る嵌合部51,51を有している。この両端部の嵌合部51,51が各突起部60,60に嵌められて取り付けられることで、突起部60,60間に架橋され、取出口20の上方に、取出口20の延在方向に沿って棒状の支持体40が並設される。
【0052】
嵌合部51の具体的な形状や構造は、取り付けるシートディスペンサーX2の突起部60の具体的な形状に応じて設計すればよく、必ずしも限定されない。図示の形態の嵌合部51は、特に、図9図12に示されるように、アタッチメント50の端部が、側部52を残し上面部53が欠損されて構成されている。このアタッチメント50では、図16図18に示すように、両端の側部を突起部60の前後部に位置させ、上面部を凸部60t上に載置させるようにして嵌合させる。その他、図示はしないが、上面を欠損させずに端部を単に上方側が底部となる凹溝部として凸部60tに載せ嵌めるようにして嵌合させるように構成することもできる。
【0053】
他方で、図示のアタッチメント50は、好ましい形態として、底側が一対のスライド可能な底板部54を有している。前記嵌合部51を突起部60に嵌合させた状態で、この底板部54を突起部60の下方位置にスライドさせて、その一部を突起部60の下方に位置させることで、アタッチメント50が突起部60から意図せず外れ難くなるようになっている。
【0054】
他方で、アタッチメント50は、シートディスペンサーX2に取り付けた際に、上方側となる上面の前後方向両縁50R,50Rが角取され、かつ、前後方向両縁間が平面とされているのが望ましい。本発明に係るシートディスペンサーX1における支持体40と同様に、シートの束が安定して載置できるようになるとともに、シートがスムーズに引き出せるようになる。
【0055】
さらに、このアタッチメントは、長手方向に伸縮自在とするのが望ましい。伸縮自在とすることで、突起部の長さや突起部間の距離の異なるディスペンサーに対応できるようになる。アタッチメントの伸縮自在とする機構や構造は限定されない。例えば、公知の二重管伸縮構造が採用できる。図20に示すように、アタッチメント50の長手方向中央部を外筒部50A、両端部分を内筒部50Bとする二重管構造として、外筒部50Aに対して内筒部50Bが長手方向に移動可能に構成することができる。もちろん、長手方向中央部を外筒部、両端を内筒部とする二重管構造としてもよい。さらに、筒型ではなく公知のスライド構造によって、伸縮自在にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、シートが複数枚重層された積層体を内部に収納し、底部に設けられた取出口から1枚ずつ取り出すためのディスペンサーに利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1…本体部材、2…底部材、3…蓋部材、10…天板部、11…後板部、12…本体部側板部、12A…位置決め用孔、12a…係止用長孔、13A…蓋部材連結用円孔、15…奥側ガイドリブ、15t…奥側ガイドリブ突出端、20…取出口、20L…細長部、20V…凹欠部、20e…凹欠部の上縁、21…位置決め用突起部、22…係止片、24…奥側傾斜面、25…手前側傾斜面、24A,25A…上方側急斜面、24B,25B…下方側緩斜面、24t,25t…屈曲部分、26…底部側板部、27…壁面、28,28…変曲部、29…斜面部、31…前板部、31e…前板部の下縁、32…外側片部、33…突起、35…手前側ガイドリブ、35t…手前側ガイドリブ突出端、X1,X2…シートディスペンサー。
40…支持体、40R…支持体の前後方向上縁、40F…支持体の上部平面部、60…突起部、60t…凸部、50…アタッチメント、51…嵌合部、52…側部、53…上面部、54…底面部、50A…外筒部、50B…内筒部。
図1
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