(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145583
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】鋳物砂貯留方法及び鋳物砂貯留システム
(51)【国際特許分類】
B65G 65/30 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
B65G65/30 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058003
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】花井 崇
(72)【発明者】
【氏名】小倉 裕一
【テーマコード(参考)】
3F075
【Fターム(参考)】
3F075AA08
3F075BA01
3F075BB04
3F075CA01
3F075CA02
3F075CA06
3F075CA09
3F075CB02
3F075CB03
3F075CB04
3F075CB05
3F075CB11
3F075CB12
3F075CB13
3F075CC01
3F075CD04
3F075CD10
(57)【要約】
【課題】適切に鋳物砂の寝かせ時間を確保できる方法を提供する。
【解決手段】鋳物砂貯留方法は、貯留する工程と、取得する工程と、設定する工程と、制御する工程とを含む。貯留する工程は、鋳物砂関連装置に供給可能な鋳物砂を少なくとも1つの貯留部内に貯留する。取得する工程は、少なくとも1つの貯留部内の鋳物砂の貯留量と、貯留部への鋳物砂の投入量と、鋳物砂関連装置への鋳物砂の供給量とを取得する。設定する工程は、予め定められた鋳物砂の寝かせ時間、並びに、取得する工程において取得された投入量及び供給量に基づいて、貯留量に対する閾値を設定する。制御する工程は、取得する工程において取得された貯留量、及び、設定する工程において設定された閾値に基づいて、投入量及び供給量の少なくとも一方を制御する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳物砂関連装置に供給可能な鋳物砂を少なくとも1つの貯留部内に貯留する工程と、
前記少なくとも1つの貯留部内の前記鋳物砂の貯留量と、前記貯留部への前記鋳物砂の投入量と、前記鋳物砂関連装置への前記鋳物砂の供給量とを取得する工程と、
予め定められた前記鋳物砂の寝かせ時間、並びに、前記取得する工程において取得された前記投入量及び前記供給量に基づいて、前記貯留量に対する閾値を設定する工程と、
前記取得する工程において取得された前記貯留量、及び、前記設定する工程において設定された前記閾値に基づいて、前記投入量及び前記供給量の少なくとも一方を制御する工程と、
を含む、鋳物砂貯留方法。
【請求項2】
前記取得する工程は、前記貯留量をマイクロ波センサ、ミリ波センサ及びサウジング式レベル計の少なくとも1つにより測定する工程を含む、請求項1に記載の鋳物砂貯留方法。
【請求項3】
前記貯留する工程は、前記少なくとも1つの貯留部として、1つの貯留部内に前記鋳物砂を貯留し、
前記制御する工程は、
前記1つの貯留部に投入可能な前記鋳物砂を第1投入部及び第2投入部に準備させる工程と、
前記第1投入部から前記1つの貯留部に前記鋳物砂を投入させる工程と、
前記1つの貯留部の前記貯留量が前記閾値未満であると判定する場合に、前記第2投入部から当該1つの貯留部に前記鋳物砂を投入させる工程と、
を含む、請求項1又は2に記載の鋳物砂貯留方法。
【請求項4】
前記貯留する工程は、前記少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部内に前記鋳物砂を貯留し、
前記制御する工程は、
前記複数の貯留部に投入可能な前記鋳物砂を第1投入部に準備させる工程と、
前記第1投入部から前記複数の貯留部に前記鋳物砂を投入させる工程と、
前記複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部の前記貯留量が前記閾値未満であり、かつ、前記複数の貯留部のうち他の貯留部の前記貯留量が前記閾値以上であると判定する場合に、当該判定前の前記第1投入部から当該少なくとも1つの貯留部への前記投入量より、前記投入量が多くなるように前記第1投入部から当該少なくとも1つの貯留部へ前記鋳物砂を投入させる工程と、
を含む、請求項1又は2に記載の鋳物砂貯留方法。
【請求項5】
前記貯留する工程は、前記少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部内に前記鋳物砂を貯留し、
前記制御する工程は、
前記複数の貯留部に投入可能な前記鋳物砂を第1投入部及び第2投入部に準備させる工程と、
前記第1投入部から前記複数の貯留部に前記鋳物砂を投入させる工程と、
前記複数の貯留部の前記それぞれの貯留量が前記閾値未満であると判定する場合に、前記第2投入部から前記複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部に前記鋳物砂を投入させる工程と、
を含む、請求項1又は2に記載の鋳物砂貯留方法。
【請求項6】
前記制御する工程は、前記複数の貯留部のうち、他の貯留部に比べて前記貯留量が少ない少なくとも1つの貯留部に対して、前記判定前の前記第1投入部から当該少なくとも1つの貯留部への前記投入量より、前記投入量が多くなるように前記第1投入部から前記鋳物砂を投入させる工程を含む、請求項5に記載の鋳物砂貯留方法。
【請求項7】
前記制御する工程は、前記複数の貯留部のうち、他の貯留部に比べて前記貯留量が少ない少なくとも1つの貯留部に対して、前記判定前の前記第2投入部から当該少なくとも1つの貯留部への前記投入量より、前記投入量が多くなるように前記第2投入部から前記鋳物砂を投入させる工程を含む、請求項5に記載の鋳物砂貯留方法。
【請求項8】
前記貯留する工程は、前記少なくとも1つの貯留部として、1つの貯留部内に前記鋳物砂を貯留し、
前記制御する工程は、
前記鋳物砂関連装置に供給可能な前記鋳物砂を供給部に準備させる工程と、
前記1つの貯留部から前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給させる工程と、
前記1つの貯留部の貯留量が前記閾値未満であると判定する場合に、前記1つの貯留部からの前記供給量を減少させ、前記1つの貯留部からの前記供給量及び前記供給部からの前記供給量の総量が予め定められた設定量になるように前記供給部から前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給させる工程と、
を含む、請求項1又は2に記載の鋳物砂貯留方法。
【請求項9】
前記貯留する工程は、前記少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部内に前記鋳物砂を貯留し、
前記制御する工程は、
前記複数の貯留部から前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給させる工程と、
前記複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部の前記貯留量が前記閾値未満であり、かつ、前記複数の貯留部のうち他の貯留部の前記貯留量が前記閾値以上であると判定する場合に、当該判定前の当該少なくとも1つの貯留部からの前記供給量より当該少なくとも1つの貯留部からの前記供給量を減少させつつ、前記複数の貯留部からの前記供給量の総量が予め定められた設定量になるように制御する工程と、
を含む、請求項1又は2に記載の鋳物砂貯留方法。
【請求項10】
前記貯留する工程は、前記少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部内に前記鋳物砂を貯留し、
前記制御する工程は、
前記鋳物砂関連装置に供給可能な前記鋳物砂を供給部に準備させる工程と、
前記複数の貯留部から前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給させる工程と、
前記複数の貯留部のそれぞれの前記貯留量が前記閾値未満であると判定する場合に、前記供給部から前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給させる工程と、
を含む、請求項1又は2に記載の鋳物砂貯留方法。
【請求項11】
前記制御する工程は、前記判定前における前記複数の貯留部それぞれからの前記供給量より当該複数の貯留部それぞれからの供給量を減少させつつ、前記複数の貯留部からの前記供給量及び前記供給部からの前記供給量の総量が予め定められた設定量になるように前記供給部から前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給させる工程と、
を含む、請求項10に記載の鋳物砂貯留方法。
【請求項12】
鋳物砂関連装置に供給可能な鋳物砂を貯留する少なくとも1つの貯留部と、
前記貯留部への前記鋳物砂の投入量と、前記鋳物砂関連装置への前記鋳物砂の供給量との少なくとも一方を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記少なくとも1つの貯留部内の前記鋳物砂の貯留量と、前記投入量と、前記供給量とを取得する取得部と、
予め定められた前記鋳物砂の寝かせ時間、並びに、前記取得部により取得された前記投入量及び前記供給量に基づいて、前記貯留量に対する閾値を設定する設定部と、
前記取得部において取得された前記貯留量、及び、前記閾値に基づいて、前記投入量及び前記供給量の少なくとも一方を制御する制御部と、
を有する、鋳物砂貯留システム。
【請求項13】
マイクロ波センサ、ミリ波センサ及びサウジング式レベル計の少なくとも1つを含み、前記貯留量を測定する測定器を備え、
前記取得部は、前記測定器により測定された前記貯留量を取得する、請求項12に記載の鋳物砂貯留システム。
【請求項14】
前記測定器は、前記少なくとも1つの貯留部内に形成可能な安息角の傾斜面を有する前記鋳物砂の堆積物の当該傾斜面に対して交差する方向にマイクロ波を照射可能な位置に設けられるマイクロ波センサを含む、請求項13に記載の鋳物砂貯留システム。
【請求項15】
前記貯留量が予め定められた上限値より大きい場合に、前記少なくとも1つの貯留部から排出される前記上限値を超えた分の前記鋳物砂を保管する保管部をさらに備える、請求項12~14の何れか一項に記載の鋳物砂貯留システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの貯留部として、1つの貯留部を備え、
前記1つの貯留部に前記鋳物砂を投入可能な第1投入部及び第2投入部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1投入部から前記1つの貯留部に前記鋳物砂を投入させ、
前記1つの貯留部の前記貯留量が前記閾値未満となる場合に、前記第2投入部から当該少なくとも1つの貯留部に前記鋳物砂を投入させる、請求項12~14の何れか一項に記載の鋳物砂貯留システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部を備え、
前記複数の貯留部に前記鋳物砂を投入可能な第1投入部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1投入部から前記複数の貯留部に前記鋳物砂を投入させ、
前記複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部の前記貯留量が前記閾値未満であり、かつ、前記複数の貯留部のうち他の貯留部の前記貯留量が前記閾値以上であると判定する場合に、当該判定前の前記第1投入部から当該少なくとも1つの貯留部への前記投入量より、前記投入量が多くなるように前記第1投入部から前記鋳物砂を投入させる、請求項12~14の何れか一項に記載の鋳物砂貯留システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部を備え、
前記複数の貯留部に前記鋳物砂を投入可能な第1投入部及び第2投入部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1投入部から前記複数の貯留部に前記鋳物砂を投入させ、
前記複数の貯留部の前記貯留量がそれぞれ前記閾値未満であると判定する場合に、前記第2投入部から前記複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部に前記鋳物砂を投入させる、請求項12~14の何れか一項に記載の鋳物砂貯留システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの貯留部として、1つの貯留部を備え、
前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給可能な供給部をさらに備え、
前記制御部は、
前記1つの貯留部から前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給させ、
前記1つの貯留部の貯留量が前記閾値未満であると判定する場合に、前記1つの貯留部からの前記供給量を減少させ、前記1つの貯留部からの前記供給量及び前記供給部からの前記供給量の総量が予め定められた設定量になるように前記供給部から前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給させる、請求項12~14の何れか一項に記載の鋳物砂貯留システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部を備え、
前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給可能な供給部をさらに備え、
前記制御部は、
前記複数の貯留部から前記鋳物砂関連装置に前記鋳物砂を供給させ、
前記複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部の前記貯留量が前記閾値未満であり、かつ、前記複数の貯留部のうち他の貯留部の前記貯留量が前記閾値以上であると判定する場合に、当該判定前の当該少なくとも1つの貯留部からの前記供給量より当該少なくとも1つの貯留部からの前記供給量を減少させつつ、前記複数の貯留部からの前記供給量の総量が予め定められた設定量になるように制御する、請求項12~14の何れか一項に記載の鋳物砂貯留システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鋳物砂貯留方法及び鋳物砂貯留システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、鋳物砂再生装置を開示する。この鋳物砂再生装置は、鋳物砂を貯留室内に受け入れ、排出口から排出する間に鋳物砂を熟成する熟成用砂タンクと、熟成用砂タンクを回転中心線回りに回転する回転駆動手段とを備える。排出口から排出された鋳物砂は、鋳物砂搬送手段により鋳型製造部に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鋳物砂は、タンク等の貯留部から鋳物砂関連装置に供給される前に温度及び水分量等の特性を調整する必要があるため、鋳物砂は、寝かせ時間(熟成時間)の間、貯留部内で貯留されることが望ましい。しかしながら、鋳物砂の寝かせ時間を適切に管理する手法が確立できていない。仮にタイマー等によって貯留部に貯留している鋳物砂の寝かせ時間を計測することが想到できた場合であっても、例えば、寝かせ時間の測定が開始されてから、貯留部に新たに鋳物砂が投入される場合、及び、貯留部から鋳物砂関連装置に鋳物砂が供給される場合には、鋳物砂ごとに時間を測定することは困難である。このため、鋳物砂の寝かせ時間を適切に確保できない場合がある。よって、適切に鋳物砂の寝かせ時間を確保できる鋳物砂貯留方法及び鋳物砂貯留システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る鋳物砂貯留方法は、貯留する工程と、取得する工程と、設定する工程と、制御する工程とを含む。貯留する工程は、鋳物砂関連装置に供給可能な鋳物砂を少なくとも1つの貯留部内に貯留する。取得する工程は、少なくとも1つの貯留部内の鋳物砂の貯留量と、貯留部への鋳物砂の投入量と、鋳物砂関連装置への鋳物砂の供給量とを取得する。設定する工程は、予め定められた鋳物砂の寝かせ時間、並びに、取得する工程において取得された投入量及び供給量に基づいて、貯留量に対する閾値を設定する。制御する工程は、取得する工程において取得された貯留量、及び、設定する工程において設定された閾値に基づいて、投入量及び供給量の少なくとも一方を制御する。
【0006】
本開示の他の側面に係る鋳物砂貯留システムは、少なくとも1つの貯留部と、制御装置とを備える。少なくとも1つの貯留部は、鋳物砂関連装置に供給可能な鋳物砂を貯留する。制御装置は、貯留部への鋳物砂の投入量と、鋳物砂関連装置への鋳物砂の供給量との少なくとも一方を制御する。制御装置は、取得部と、設定部と、制御部とを備える。取得部は、少なくとも1つの貯留部内の鋳物砂の貯留量と、投入量と、供給量とを取得する。設定部は、予め定められた鋳物砂の寝かせ時間、並びに、取得部により取得された投入量及び供給量に基づいて、貯留量に対する閾値を設定する。制御部は、記取得部において取得された貯留量、及び、閾値に基づいて、投入量及び供給量の少なくとも一方を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、適切に鋳物砂の寝かせ時間を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る鋳物砂貯留システムを概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II線で示される実施形態に係る鋳物砂貯留システムの一例を示す概略平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る鋳物砂貯留システムの一例を示す概略上面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る鋳物砂貯留システム1の制御装置の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る鋳物砂貯留システムによる鋳物砂貯留方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5に示すフローチャート内の工程の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る鋳物砂貯留システムによる鋳物砂貯留方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図7に示すフローチャート内の工程の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、変形例に係る鋳物砂貯留システムによる鋳物砂貯留方法の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、変形例に係る鋳物砂貯留システムによる鋳物砂貯留方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の概要]
最初に、本開示の実施形態の概要を説明する。
【0010】
(条項1) 本開示の一側面に係る鋳物砂貯留方法は、貯留する工程と、取得する工程と、設定する工程と、制御する工程とを含む。貯留する工程は、鋳物砂関連装置に供給可能な鋳物砂を少なくとも1つの貯留部内に貯留する。取得する工程は、少なくとも1つの貯留部内の鋳物砂の貯留量と、貯留部への鋳物砂の投入量と、鋳物砂関連装置への鋳物砂の供給量とを取得する。設定する工程は、予め定められた鋳物砂の寝かせ時間、並びに、取得する工程において取得された投入量及び供給量に基づいて、貯留量に対する閾値を設定する。制御する工程は、取得する工程において取得された貯留量、及び、設定する工程において設定された閾値に基づいて、投入量及び供給量の少なくとも一方を制御する。
【0011】
この鋳物砂貯留方法によれば、貯留部内に鋳物砂が既に貯留されている状態で鋳物砂が新たに投入されると、当該新たに投入される鋳物砂は、既に貯留されている鋳物砂が鋳物砂関連装置に供給される間に寝かせ時間を確保できる。このとき、例えば、新たに投入される鋳物砂の寝かせ時間の間に鋳物砂関連装置に供給される供給量が、既に貯留されている鋳物砂の貯留量以下となるように制御されることで、当該新たに投入される鋳物砂が寝かせ時間を経過する前に貯留部から鋳物砂関連装置に供給されることが抑制される。また、投入量が制御されることで、鋳物砂関連装置に供給することのできる貯留部内の鋳物砂の貯留量を適切に制御できる。貯留部内の貯留量は、投入量分だけ増加し、供給量分だけ減少する。ここで、設定する工程において、貯留量に対する閾値は、寝かせ時間、投入量及び供給量に基づいて設定される。制御する工程において、投入量及び供給量の少なくとも一方を制御することで、例えば、貯留部内の鋳物砂が閾値以上の貯留量となるように制御できる。このように、貯留部内の貯留量を制御することで、適切に鋳物砂の寝かせ時間を確保できる。よって、この鋳物砂貯留方法は、適切に鋳物砂の寝かせ時間を確保できる。
【0012】
(条項2) 取得する工程は、貯留量をマイクロ波センサ、ミリ波センサ及びサウジング式レベル計の少なくとも1つにより測定する工程を含んでもよい。この場合、貯留量がマイクロ波センサ、ミリ波センサ及びサウジング式レベル計の少なくとも1つにより測定されるため、貯留量がレベルスイッチで測定される場合に比べてより正確に貯留量を測定することができる。
【0013】
(条項3) 貯留する工程は、少なくとも1つの貯留部として、1つの貯留部内に鋳物砂を貯留し、制御する工程は、1つの貯留部に投入可能な鋳物砂を第1投入部及び第2投入部に準備させる工程と、第1投入部から1つの貯留部に鋳物砂を投入させる工程と、1つの貯留部の貯留量が閾値未満であると判定する場合に、第2投入部から当該1つの貯留部に鋳物砂を投入させる工程と、を含んでもよい。この場合、1つの貯留部内の貯留量に対して投入量を制御するとき、当該貯留量が閾値未満の場合には第1投入部からの鋳物砂の投入に加え、第2投入部からの鋳物砂の投入が行われる。これにより、鋳物砂が第1投入部のみから1つの貯留部に投入される場合に比べて、当該1つの貯留部へより多くの鋳物砂が投入される。よって、当該1つの貯留部の貯留量をより短時間で閾値以上とすることができ、投入される鋳物砂の寝かせ時間を適切に確保できる。
【0014】
(条項4) 貯留する工程は、少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部内に鋳物砂を貯留し、制御する工程は、複数の貯留部に投入可能な鋳物砂を第1投入部に準備させる工程と、第1投入部から複数の貯留部に鋳物砂を投入させる工程と、複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部の貯留量が閾値未満であり、かつ、複数の貯留部のうち他の貯留部の貯留量が閾値以上であると判定する場合に、当該判定前の第1投入部から当該少なくとも1つの貯留部への投入量より、投入量が多くなるように第1投入部から当該少なくとも1つの貯留部へ鋳物砂を投入させる工程と、を含んでもよい。他の貯留部に比べて貯留量が少ない貯留部内の鋳物砂の寝かせ時間は、当該他の貯留部の鋳物砂の寝かせ時間に比べて短くなる可能性がある。本開示によれば、他の貯留部への投入量に比べて、投入量が多くなるように第1投入部から貯留量が少ない貯留部に鋳物砂を投入させることで、他の貯留部の鋳物砂と同等の寝かせ時間を確保できるように貯留量を増やすことができる。
【0015】
(条項5) 貯留する工程は、少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部内に鋳物砂を貯留し、制御する工程は、複数の貯留部に投入可能な鋳物砂を第1投入部及び第2投入部に準備させる工程と、第1投入部から複数の貯留部に鋳物砂を投入させる工程と、複数の貯留部のそれぞれの貯留量が閾値未満であると判定する場合に、第2投入部から複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部に鋳物砂を投入させる工程と、を含んでもよい。複数の貯留部のそれぞれの貯留量が閾値未満である場合に第1投入部から各貯留部への投入量を変更した場合であっても、第1投入部から投入される鋳物砂の総量が一定の場合、複数の貯留部のそれぞれの貯留量が閾値以上になるまでの時間は、変更前後で変わりがない。本開示では、複数の貯留部の貯留量に対して投入量を制御するとき、複数の貯留部のそれぞれの貯留量が閾値未満の場合には第1投入部からの鋳物砂の投入に加え、第2投入部からの鋳物砂の投入が行われる。このため、鋳物砂が第1投入部のみから複数の貯留部に投入される場合に比べて、当該複数の貯留部へより多くの鋳物砂が投入される。よって、当該複数の貯留部の貯留量をより短時間で閾値以上とすることができ、鋳物砂関連装置に供給することのできる貯留部内の鋳物砂の貯留量を適切に増加させることができる。また、その後投入される鋳物砂の寝かせ時間を適切に確保できる。
【0016】
(条項6) 制御する工程は、複数の貯留部のうち、他の貯留部に比べて貯留量が少ない少なくとも1つの貯留部に対して、判定前の第1投入部から当該少なくとも1つの貯留部への投入量より、投入量が多くなるように第1投入部から鋳物砂を投入させる工程を含んでもよい。この場合、第1投入部によって貯留量が少ない少なくとも1つの貯留部に対して優先的に鋳物砂が投入されることで、当該少なくとも1つの貯留部における貯留量がより短時間で増加し、鋳物砂関連装置に供給することのできる貯留部内の鋳物砂の貯留量を適切に増加させることができる。また、その後投入される鋳物砂に対して寝かせ時間を確保できる。
【0017】
(条項7) 制御する工程は、複数の貯留部のうち、他の貯留部に比べて貯留量が少ない少なくとも1つの貯留部に対して、判定前の第2投入部から当該少なくとも1つの貯留部への投入量より、投入量が多くなるように第2投入部から鋳物砂を投入させる工程を含んでもよい。この場合、第2投入部によって貯留量が少ない少なくとも1つの貯留部に対して優先的に鋳物砂が投入されることで、当該少なくとも1つの貯留部における貯留量がより短時間で増加し、鋳物砂関連装置に供給することのできる貯留部内の鋳物砂の貯留量を適切に増加させることができる。また、その後投入される鋳物砂に対して寝かせ時間を確保できる。
【0018】
(条項8) 貯留する工程は、少なくとも1つの貯留部として、1つの貯留部内に鋳物砂を貯留し、制御する工程は、鋳物砂関連装置に供給可能な鋳物砂を供給部に準備させる工程と、1つの貯留部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させる工程と、1つの貯留部の貯留量が閾値未満であると判定する場合に、1つの貯留部からの供給量を減少させ、1つの貯留部からの供給量及び供給部からの供給量の総量が予め定められた設定量になるように供給部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させる工程と、を含んでもよい。この場合、貯留量が閾値未満である1つの貯留部の貯留量の減少速度を低下させることができ、当該1つの貯留部内の鋳物砂の寝かせ時間を適切に確保できる。また、供給部から鋳物砂関連装置に鋳物砂が供給されることで、1つの貯留部及び供給部によって鋳物砂関連装置に一定の量の鋳物砂を供給できる。
【0019】
(条項9) 貯留する工程は、少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部内に鋳物砂を貯留し、制御する工程は、複数の貯留部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させる工程と、複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部の貯留量が閾値未満であり、かつ、複数の貯留部のうち他の貯留部の貯留量が閾値以上であると判定する場合に、当該判定前の当該少なくとも1つの貯留部からの供給量より当該少なくとも1つの貯留部からの供給量を減少させつつ、複数の貯留部からの供給量の総量が予め定められた設定量になるように制御する工程と、を含んでもよい。この場合、他の貯留部に比べて貯留量が少ない貯留部内の鋳物砂の寝かせ時間は、当該他の貯留部の鋳物砂の寝かせ時間に比べて短くなる可能性がある。本開示によれば、他の貯留部から鋳物砂関連装置への供給量に比べて、当該貯留量の少ない貯留部からの鋳物砂関連装置への供給量を減少させることで、他の貯留部の鋳物砂と同等の寝かせ時間を確保できるように貯留量の減少を抑えることができる。
【0020】
(条項10) 貯留する工程は、少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部内に鋳物砂を貯留し、制御する工程は、鋳物砂関連装置に供給可能な鋳物砂を供給部に準備させる工程と、複数の貯留部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させる工程と、複数の貯留部のそれぞれの貯留量が閾値未満であると判定する場合に、供給部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させる工程と、を含んでもよい。この場合、複数の貯留部から鋳物砂関連装置への供給量を制御するとき、複数の貯留部のそれぞれの貯留量が閾値未満の場合には複数の貯留部からの鋳物砂関連装置への鋳物砂の供給に加え、供給部からの鋳物砂関連装置への鋳物砂の供給が行われる。このため、上述の構成によれば、例えば、鋳物砂が複数の貯留部のみから鋳物砂関連装置に供給される場合に比べて、当該複数の貯留部から鋳物砂関連装置への鋳物砂の供給量をより少なくできる。よって、当該複数の貯留部の貯留量の減少速度を抑えることができ、鋳物砂関連装置に供給することのできる貯留部内の鋳物砂の貯留量の減少を適切に抑えることができる。
【0021】
(条項11) 制御する工程は、判定前における複数の貯留部それぞれからの供給量より当該複数の貯留部それぞれからの供給量を減少させつつ、複数の貯留部からの供給量及び供給部からの供給量の総量が予め定められた設定量になるように供給部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させる工程と、を含んでもよい。複数の貯留部のそれぞれの貯留量が閾値未満である場合に少なくとも1つの貯留部から鋳物砂関連装置への供給量を減少させた場合であっても、複数の貯留部全体から供給される鋳物砂の総量が一定の場合、他の貯留部からの供給量が増大するだけであり、複数の貯留部のそれぞれの貯留量が閾値以上になるまでの時間は、供給量の増減前後で変わりがない。本開示では、複数の貯留部及び供給部により鋳物砂関連装置に設定量の鋳物砂が供給されるため、鋳物砂が複数の貯留部のみから鋳物砂関連装置に供給される場合に比べて、当該複数の貯留部から鋳物砂関連装置への鋳物砂の供給量をより少なくできる。よって、当該複数の貯留部の貯留量の減少速度を抑えることができ、鋳物砂関連装置に供給することのできる貯留部内の鋳物砂の貯留量の減少を適切に抑えることができる。
【0022】
(条項12) 本開示の他の側面に係る鋳物砂貯留システムは、少なくとも1つの貯留部と、制御装置とを備える。少なくとも1つの貯留部は、鋳物砂関連装置に供給可能な鋳物砂を貯留する。制御装置は、貯留部への鋳物砂の投入量と、鋳物砂関連装置への鋳物砂の供給量との少なくとも一方を制御する。制御装置は、取得部と、設定部と、制御部とを備える。取得部は、少なくとも1つの貯留部内の鋳物砂の貯留量と、投入量と、供給量とを取得する。設定部は、予め定められた鋳物砂の寝かせ時間、並びに、取得部により取得された投入量及び供給量に基づいて、貯留量に対する閾値を設定する。制御部は、記取得部において取得された貯留量、及び、閾値に基づいて、投入量及び供給量の少なくとも一方を制御する。
【0023】
(条項13) マイクロ波センサ、ミリ波センサ及びサウジング式レベル計の少なくとも1つを含み、貯留量を測定する測定器を備え、取得部は、測定器により測定された貯留量を取得してもよい。この場合、条項2と同様の作用効果を奏する。
【0024】
(条項14) 測定器は、少なくとも1つの貯留部内に形成可能な安息角の傾斜面を有する鋳物砂の堆積物の当該傾斜面に対して交差する方向にマイクロ波を照射可能な位置に設けられるマイクロ波センサを含んでもよい。この場合、鋳物砂の堆積物の傾斜面に対して交差する方向にマイクロ波が照射されることで、測定器は、当該傾斜面で反射したマイクロ波をより精度良く受信することができる。
【0025】
(条項15) 貯留量が予め定められた上限値より大きい場合に、少なくとも1つの貯留部から排出される上限値を超えた分の鋳物砂を保管する保管部をさらに備えてもよい。これにより、鋳物砂が貯留部から溢れることを抑制できる。
【0026】
(条項16) 少なくとも1つの貯留部として、1つの貯留部を備え、1つの貯留部に鋳物砂を投入可能な第1投入部及び第2投入部をさらに備え、制御部は、第1投入部から1つの貯留部に鋳物砂を投入させ、1つの貯留部の貯留量が閾値未満となる場合に、第2投入部から当該少なくとも1つの貯留部に鋳物砂を投入させてもよい。この場合、条項3と同様の作用効果を奏する。
【0027】
(条項17) 少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部を備え、複数の貯留部に鋳物砂を投入可能な第1投入部をさらに備え、制御部は、第1投入部から複数の貯留部に鋳物砂を投入させ、複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部の貯留量が閾値未満であり、かつ、複数の貯留部のうち他の貯留部の貯留量が閾値以上であると判定する場合に、当該判定前の第1投入部から当該少なくとも1つの貯留部への投入量より、投入量が多くなるように第1投入部から鋳物砂を投入させてもよい。この場合、条項4と同様の作用効果を奏する。
【0028】
(条項18) 少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部を備え、複数の貯留部に鋳物砂を投入可能な第1投入部及び第2投入部をさらに備え、制御部は、第1投入部から複数の貯留部に鋳物砂を投入させ、複数の貯留部の貯留量がそれぞれ閾値未満であると判定する場合に、第2投入部から複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部に鋳物砂を投入させてもよい。この場合、条項5と同様の作用効果を奏する。
【0029】
(条項19) 少なくとも1つの貯留部として、1つの貯留部を備え、鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給可能な供給部をさらに備え、制御部は、1つの貯留部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させ、1つの貯留部の貯留量が閾値未満であると判定する場合に、1つの貯留部からの供給量を減少させ、1つの貯留部からの供給量及び供給部からの供給量の総量が予め定められた設定量になるように供給部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させてもよい。この場合、条項8と同様の作用効果を奏する。
【0030】
(条項20) 少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部を備え、鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給可能な供給部をさらに備え、制御部は、複数の貯留部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させ、複数の貯留部のうち少なくとも1つの貯留部の貯留量が閾値未満であり、かつ、複数の貯留部のうち他の貯留部の貯留量が閾値以上であると判定する場合に、当該判定前の当該少なくとも1つの貯留部からの供給量より当該少なくとも1つの貯留部からの供給量を減少させつつ、複数の貯留部からの供給量の総量が予め定められた設定量になるように制御してもよい。この場合、条項9と同様の作用効果を奏する。
【0031】
(条項21) 制御部は、複数の貯留部のうち、他の貯留部に比べて貯留量が少ない少なくとも1つの貯留部に対して、判定前の第1投入部から当該少なくとも1つの貯留部への投入量より、投入量が多くなるように第1投入部から鋳物砂を投入させてもよい。この場合、条項6と同様の作用効果を奏する。
【0032】
(条項22) 制御部は、複数の貯留部のうち、他の貯留部に比べて貯留量が少ない少なくとも1つの貯留部に対して、判定前の第2投入部から当該少なくとも1つの貯留部への投入量より、投入量が多くなるように第2投入部から鋳物砂を投入させてもよい。この場合、条項7と同様の作用効果を奏する。
【0033】
(条項23) 少なくとも1つの貯留部として、複数の貯留部を備え、鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給可能な供給部をさらに備え、制御部は、複数の貯留部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させ、複数の貯留部のそれぞれの貯留量が閾値未満であると判定する場合に、供給部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させてもよい。この場合、条項10と同様の作用効果を奏する。
【0034】
(条項24) 制御部は、判定前における複数の貯留部それぞれからの供給量より当該複数の貯留部それぞれからの供給量を減少させつつ、複数の貯留部からの供給量及び供給部からの供給量の総量が予め定められた設定量になるように供給部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させてもよい。この場合、条項11と同様の作用効果を奏する。
【0035】
[本開示の実施形態の例示]
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。図中のX軸方向及びY軸方向が水平方向であり、Z軸方向が上下方向である。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交している。
【0036】
[鋳物砂貯留システムの概要]
図1は、実施形態に係る鋳物砂貯留システムを概略的に示す図である。
図1に示す鋳物砂貯留システム1は、鋳物砂関連装置2において使用される鋳物砂Sを貯留し、鋳物砂関連装置2へ鋳物砂Sを供給する。鋳物砂関連装置2は、例えば、造型機又は混練機を含む。鋳物砂関連装置2は、鋳物砂Sに関連するその他の装置であってもよい。鋳物砂貯留システム1は、鋳物砂Sを鋳物砂関連装置2に供給する前に所定の寝かせ時間が確保されるように貯留する。寝かせるとは、所定の時間、鋳物砂関連装置2に搬送しない状態に留め置くことを含む。寝かせるとは、鋳物砂関連装置2において鋳物砂Sを使用する際に求められる水分量及び温度とするために、鋳物砂Sの水分量及び温度等を調整することを含む。
【0037】
鋳物砂貯留システム1は、少なくとも1つの貯留部10と、制御装置80とを備える。鋳物砂貯留システム1は、保管部15と、第1投入部30と、第2投入部40と、搬出部50と、供給部60と、少なくとも1つの測定器70と、を更に備える。鋳物砂貯留システム1は、制御装置80によって、鋳物砂Sの寝かせ時間、少なくとも一つの貯留部10に投入する鋳物砂Sの投入量、及び、鋳物砂関連装置2に供給する鋳物砂Sの供給量に基づいて閾値を設定し、当該閾値と少なくとも1つの貯留部10の鋳物砂Sの貯留量とに基づいて、投入量及び供給量の少なくとも一方を制御する。
【0038】
図1に示す例では、鋳物砂貯留システム1は、少なくとも1つの貯留部10として、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bを備える。第1貯留部10Aと第2貯留部10Bとは、Y方向に沿って設けられている。第1貯留部10AがY軸の正方向、第2貯留部10BがY軸の負方向に位置する。第1貯留部10Aと第2貯留部10Bとは、第1貯留部10Aと第2貯留部10Bとの間に上下方向に延在する仮想線IFに対して対称の構成を有する。以下、第1貯留部10Aを例として説明するが、第2貯留部10Bも同様の構成を有する。
【0039】
第1貯留部10Aは、貯留容器11と、第1排出部12と、第2排出部20とを備える。貯留容器11は、鋳物砂Sを貯留する。
図1に示す例では、鋳物砂Sによって形成される安息角の傾斜面を有する鋳物砂Sの堆積物SV1が、貯留容器11内に貯留されている。貯留容器11は、例えば、サンドビンである。貯留容器11は、上下方向に貫通した有底筒状の部材である。上面視において、貯留容器11内の空間が上方に向かって広がるように、貯留容器11の下端部が傾斜している。貯留容器11の上部の外形は、円筒状を呈する。貯留容器11の下部の外形は、円錐台状を呈する。貯留容器11の形状は限定されない。
【0040】
貯留容器11の上端部には第1流入口11a及び第2流入口11bが形成されている。鋳物砂Sは、第1流入口11a及び第2流入口11bを通過する。鋳物砂Sは、第1投入部30から第1流入口11aを介して貯留容器11内に供給される。また、鋳物砂Sは、第2投入部40から第2流入口11bを介して貯留容器11内に供給される。
【0041】
第1排出部12は、貯留量が予め定められた上限値より大きい場合に、上限値を超えた分の鋳物砂Sを第1貯留部10Aから保管部15へ排出する。第1排出部12は、貯留容器11の上部の側面に設けられる。貯留容器11の上部の側面には第1排出口12aが形成されている。第1排出口12aは、貯留容器11の所定の位置に設けられている。所定の位置とは、貯留容器11内に上限の貯留量の鋳物砂Sが貯留されているときに鋳物砂Sによって形成される安息角の傾斜面を有する鋳物砂Sの堆積物SV2が、貯留容器11の側面に接触する位置である。所定の位置は、上述の位置より高い位置であってもよく、低い位置であってもよい。
【0042】
第1排出部12は、第1排出口12aと繋がる第1排出管12bを有する。第1排出管12bは、保管部15に接続している管路である。貯留量が上限値より大きい場合に、上限値を超えた分の鋳物砂Sは、第1排出口12a及び第1排出管12bを通過し、保管部15へ排出される。保管部15は、貯留容器11内の上限値を超えた分の鋳物砂Sを保管する。保管部15は、例えば、ホッパである。保管部15は、第1排出部12から排出された鋳物砂Sを保管する。
【0043】
第2排出部20は、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2に鋳物砂Sを供給させるときに鋳物砂Sを貯留容器11から排出する。第2排出部20は、貯留容器11の底部11cに設けられる。
図2は、
図1のII-II線で示される実施形態に係る鋳物砂貯留システムの一例を示す概略平面図である。
図2に示す第2排出部20は、複数の排出ゲート21、回転テーブル22、駆動部23、供給案内部材24が設けられる。第2排出部20には、鋳物砂Sを搬出部50の後述のシュート51に排出する第2排出口20aが設けられている。
【0044】
複数の排出ゲート21は、貯留容器11の底部11cの中央を中心として、円周上に設けられている。各排出ゲート21は、平面視において円弧状を呈する板状の部材である。
図2に示す第1貯留部10Aの複数の排出ゲート21は、貯留容器11の底部11cの中央よりX軸の正方向に設けられている。なお、
図2に示す第2貯留部10Bの複数の排出ゲート21は、貯留容器11の底部11cの中央よりX軸の負方向に設けられている。X軸方向において、貯留容器11の底部11cの中央に対して、複数の排出ゲート21の反対側には、貯留容器の内壁11dが設けられている。各排出ゲート21は、底部11cに対して、上下方向に昇降可能に設けられている。各排出ゲート21の下端が底部11cに接触しているとき、鋳物砂Sは外部へ排出されない閉状態となる。
【0045】
各排出ゲート21の下端が底部11cの上方に離間した位置に位置することで開口が形成される開状態となる。貯留容器11内の鋳物砂Sは、開状態のとき当該開口から外部に排出される。
【0046】
回転テーブル22は、複数の排出ゲート21から排出された鋳物砂Sを載置した状態で回転する。回転テーブル22は、少なくとも複数の排出ゲート21の外部に設けられている。回転テーブル22は、例えば、貯留容器11の底部11cの一部を構成している。回転テーブル22は、例えば、時計回り(
図2における回転方向R)に回転する。
【0047】
駆動部23は、複数の排出ゲート21の昇降駆動及び回転テーブル22の回転駆動を制御する。駆動部23は、例えば電動のアクチュエータである。駆動部23の駆動によって、複数の排出ゲート21は、開状態の位置又は閉状態の位置に移動する。また、少なくとも複数の排出ゲート21が開状態の位置に位置するとき、駆動部23の駆動によって、回転テーブル22は、回転方向Rに回転する。
【0048】
供給案内部材24は、回転テーブル22上の鋳物砂Sを搬出部50の後述のシュート51に案内する。供給案内部材24は、例えば、スクレーパである。供給案内部材24は、回転テーブル22の回転方向Rに交差する方向及び上下方向に延在している。供給案内部材24は、貯留容器11の底部11cに接触している。供給案内部材24は、複数の排出ゲート21のうち、第2排出口20aに最も近い排出ゲート21に隣接した位置から、搬出部50の後述のシュート51の流入口51aに向かって延在している。
【0049】
図3は、実施形態に係る鋳物砂貯留システムの一例を示す概略上面図である。
図3に示すように、第1投入部30は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれに鋳物砂Sを投入可能な構成である。第1投入部30は、第1供給源31と、投入路32と、第1投入案内部33と、第2投入案内部34とを有する。第1供給源31は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれに投入可能な鋳物砂Sを貯留する。第1供給源31は、例えば、ホッパである。第1供給源31は、不図示のゲートの開口度合いによって供給する鋳物砂Sの量を調整する。
【0050】
投入路32は、第1供給源31から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれの第1流入口11aまで搬送する。投入路32は、Y軸の正方向に鋳物砂Sを所定の速度で搬送する。投入路32のX軸方向の両端部には、投入路32から上方(Z軸の正方向)に向かって延在する壁部32aがそれぞれ設けられている。壁部32a,32aは、投入路32に載置されて搬送されている鋳物砂Sが落下することを抑制する。投入路32は、例えば、ベルトコンベヤである。投入路32は、第1供給源31から供給された鋳物砂Sを載置して所定の速度で搬送する。
【0051】
第1投入案内部33は、投入路32上に載置された鋳物砂Sを第1貯留部10Aの第1流入口11aに案内する。第1投入案内部33は、例えば、第1貯留部10Aの直上であって、投入路32の末端部に設けられている。第1投入案内部33は、Y軸の正方向に搬送されてきた鋳物砂Sを下方(Z軸の負方向)に案内する。第1投入案内部33は、例えば、第1貯留部10Aの直上まで搬送されてきたすべての鋳物砂Sを第1貯留部10Aに案内する。
【0052】
第2投入案内部34は、投入路32上に載置された鋳物砂Sを第2貯留部10Bの第1流入口11aに案内する。第2投入案内部34は、例えば、第2貯留部10Bの直上であって、投入路32の中間部に設けられている。第2投入案内部34は、Y軸の正方向に搬送されてきた鋳物砂Sを下方の第2貯留部10Bに案内する。第2投入案内部34は、投入ゲート35と、シュート36とを有する。投入ゲート35は、投入路32のZ軸方向の上方に設けられている。投入ゲート35は、Z軸方向に沿って移動可能であって、投入路32に対して近接又は離間できる。投入ゲート35は、上下方向に延在する。投入ゲート35は、上面視にてV字状を呈する。投入ゲート35は、基端部35aと一対の先端部35bとを有する。基端部35aは、X軸方向において投入路32の中央に設けられる。基端部35aは、先端部35bよりY軸の負方向に設けられる。
【0053】
投入ゲート35は、例えば、不図示のエアシリンダ等のアクチュエータの駆動によって上下に移動する。投入ゲート35が開状態になるとき、Z軸方向において、投入路32の上方に投入ゲート35が設けられる。開状態とは、投入路32上の鋳物砂Sが第2貯留部10Bに投入されない状態である。投入ゲート35は、下方に移動することにより、投入路32に接近させることができる。投入ゲート35が閉状態になるとき、Z軸方向において、投入ゲート35は、投入路32に最接近している位置に設けられる。閉状態とは、投入路32上の鋳物砂Sの少なくとも一部を第2貯留部10Bに案内する状態であって、第1貯留部10Aへの投入量を減少させる状態である。
【0054】
シュート36は、上下方向に貫通している筒状の部材である。シュート36の上端部には、開口部36aが形成されている。X軸方向において、開口部36aは、投入路32の両端より長く、X軸の正方向及び負方向に延在している。Y軸方向において、開口部36aは、投入ゲート35以上の長さであって、Y軸の正方向及び負方向に延在している。シュート36の下端部は、第2貯留部10Bの上端部に接続している。
【0055】
再び
図1を参照する。第2投入部40は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれに鋳物砂Sを投入可能な構成である。第2投入部40は、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量の双方がそれぞれ閾値未満となる場合において、貯留量が閾値未満となる貯留部に鋳物砂Sを投入させる。第2投入部40は、第2供給源41を有する。第2供給源41は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれに投入可能な鋳物砂Sを貯留する。第2供給源41は、例えば、ホッパである。第2供給源41は、不図示のゲートの開口度合いによって供給する鋳物砂Sの量を調整する。第2投入部40は、第2供給源41から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれの第2流入口11bまで搬送する。
【0056】
図1及び
図2を参照して搬出部50を説明する。搬出部50は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂Sを受け取り、鋳物砂関連装置2に向けて鋳物砂Sを搬送し、鋳物砂関連装置2に鋳物砂Sを供給させる。
【0057】
搬出部50は、シュート51と、搬出ゲート52と、搬出路53と、を有する。シュート51は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの各回転テーブル22及び各供給案内部材24により供給された鋳物砂Sを集める中空の部材である。シュート51は、第1貯留部10Aと第2貯留部10Bとの間に設けられている。シュート51には、例えば、2つの流入口51a,51aと、1つの流出口51bとが形成されている。2つの流入口51a,51aのそれぞれにおいて、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bのそれぞれからの鋳物砂Sが流入する。流出口51bにおいて、シュート51内に流入した鋳物砂Sが搬出路53に向けて流出する。
【0058】
搬出ゲート52は、シュート51の流出口51bに設けられ、流出口51bの開口度合いを調整する。搬出ゲート52が閉状態である場合、シュート51から搬出路53への鋳物砂Sの供給は停止する。搬出ゲート52が開状態である場合、シュート51から搬出路53へ鋳物砂Sが供給される。
【0059】
搬出路53は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから供給される鋳物砂Sを鋳物砂関連装置2に搬送する。搬出路53は、例えば、ベルトコンベヤである。
図1に示す例では、搬出路53は、Y軸の正方向に向かって鋳物砂Sを搬送する。搬出路53は、例えば、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの下方に設けられている。
【0060】
図1に示す供給部60は、鋳物砂関連装置2に鋳物砂Sを供給可能な構成である。供給部60は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量が予め定められた設定量未満となる場合において、鋳物砂関連装置2に鋳物砂Sを供給させる。供給部60は、第3供給源61を有する。第3供給源61は、鋳物砂関連装置2に供給可能な鋳物砂Sを貯留する。当該鋳物砂Sは、過去に第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから供給された鋳物砂Sを含む。当該鋳物砂Sは、適切な寝かせ時間が確保された鋳物砂Sを含む。第3供給源61は、例えば、ホッパである。第3供給源61は、不図示のゲートの開口度合いによって供給する鋳物砂Sの量を調整する。供給部60は、第3供給源61から鋳物砂関連装置2まで搬送する。
【0061】
鋳物砂貯留システム1は、少なくとも1つの測定器70として、2つの測定器70,70を備える。2つの測定器70,70は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bにおいて貯留量を測定する。各測定器70は、マイクロ波センサ、ミリ波センサ及びサウジング式レベル計の少なくとも1つを含む。本実施形態の各測定器70は、マイクロ波センサである。各測定器70は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bのそれぞれの内部に形成される鋳物砂Sの堆積物SV1の当該傾斜面に対して交差する方向にマイクロ波を照射可能な位置に設けられる。安息角は、貯留容器11内に投入された鋳物砂Sが、自発的に崩れることなく安定を保つときに形成される堆積物SV1の傾斜面と水平面とのなす角度である。各測定器70は、例えば、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bのそれぞれの内部に形成される鋳物砂Sの堆積物SV1の当該傾斜面に対して交差する方向にマイクロ波を照射可能な位置に設けられる。当該傾斜面に対して交差する方向とは、例えば、当該傾斜面に対して略直角であってもよい。
【0062】
各測定器70は、マイクロ波を堆積物SV1に照射して、堆積物SV1において反射したマイクロ波を受信する。各測定器70は、マイクロ波を照射してから受信するまでの時間、反射したマイクロ波の受信時の入射角度等を測定することで、貯留容器11内の鋳物砂Sの貯留量(堆積物SV1の大きさ)を測定する。各測定器70は、測定された鋳物砂Sの貯留量を制御装置80に出力する。
【0063】
制御装置80は、鋳物砂貯留システム1の全体を制御する。制御装置80は、一例としてPLC(Programmable Logic Controller)として構成される。制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random AccessMemory)及びROM(Read Only Memory)などの主記憶装置、タッチパネルやキーボードなどの入力デバイス、ディスプレイなどの出力デバイス、ハードディスクなどの補助記憶装置などを含む通常のコンピュータシステムとして構成されてもよい。
【0064】
制御装置80は、例えば、作業者が操作可能な操作盤が設けられる。制御装置80は、第2投入部40と、搬出部50と、供給部60と、2つの測定器70,70と通信可能に接続される。制御装置80は、第2投入部40と、搬出部50と、供給部60と、2つの測定器70,70へ制御信号を出力し、各構成の動作を制御する。制御装置80は、予め用意されたプログラムを読み込み、第2投入部40と、搬出部50と、供給部60と、2つの測定器70,70を動作させる。制御装置80は、操作部(不図示)によって受け付けられた作業員のコマンド操作に応じて、第2投入部40と、搬出部50と、供給部60と、2つの測定器70,70とを動作させてもよい。
【0065】
図4は、実施形態に係る鋳物砂貯留システム1の制御装置の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、制御装置80は、取得部81、設定部83及び制御部84を有する。制御装置80は、記憶部82を更に有する。
【0066】
取得部81は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの鋳物砂Sの貯留量と、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれへの鋳物砂Sの投入量と、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれからの鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量とを取得する。取得部81は、2つの測定器70,70から測定された第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの鋳物砂Sの貯留量を取得する。取得部81は、2つの測定器70,70により第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの鋳物砂Sの貯留量が測定された時点において設定されていた投入量及び供給量を記憶部82から取得する。
【0067】
記憶部82は、取得部81において取得された第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの鋳物砂Sの貯留量を記憶する。記憶部82は、鋳物砂Sに対して予め定められた寝かせ時間を記憶している。記憶部82は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への各供給量に対する予め定められた設定値を記憶している。寝かせ時間及び設定値は、例えば、鋳物砂Sの種類、温度及び水分量、並びに鋳物砂関連装置2における鋳物砂Sの用途に応じて作業員等により設定される。記憶部82は、設定部83及び制御部84により設定された値を記憶する。記憶部82は、例えば、各構成を動作させるプログラムを記憶している。記憶部82は、後述の投入制御部86及び供給制御部88により設定されている投入量及び供給量を記憶している。
【0068】
設定部83は、予め定められた鋳物砂Sの寝かせ時間、並びに、取得部81により取得された投入量及び供給量に基づいて、貯留量に対する閾値を設定する。当該閾値は、例えば、新たに投入される鋳物砂Sの寝かせ時間の間に鋳物砂関連装置2に供給される供給量以上、貯留容器11に貯留されているように定められる値である。
【0069】
制御部84は、取得部81において取得された第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの鋳物砂Sの貯留量、及び、設定部83において設定された閾値に基づいて、投入量及び供給量の少なくとも一方を制御する。制御部84は、投入判定部85、投入制御部86、供給判定部87及び供給制御部88を有する。
【0070】
投入判定部85は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの各貯留量が閾値未満か否かを判定する。また、投入判定部85は、ある貯留部10の貯留量が他の貯留部10の貯留量未満か否かを判定する。
【0071】
投入制御部86は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの各投入量を制御する。例えば、投入制御部86は、第1投入部30及び第2投入部40の少なくとも一方における鋳物砂Sの各投入量を制御する。投入制御部86は、制御した第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの各投入量を記憶部82に記憶させる。投入制御部86は、第1投入部30に対して、第2投入案内部34における投入ゲート35の開口度合い等を制御する。投入制御部86は、第2投入部40に対して、鋳物砂Sの量を調整するゲートの開口度合い、及び、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれまでの搬送速度等を制御する。
【0072】
投入制御部86は、上述した制御内容に基づき、各投入量を算出する。投入量は、第1投入部30による投入量と第2投入部40による投入量とを含む。第1投入部30による投入量は、例えば、第1供給源31におけるゲートの開口度合い、投入路32における鋳物砂Sの搬送速度、及び、投入ゲート35の開口度合いに基づいて算出される。第2投入部40による投入量は、第2供給源41におけるゲートの開口度合いと、鋳物砂Sの搬送速度とに基づいて算出される。
【0073】
供給判定部87は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への各供給量が閾値未満か否かを判定する。また、供給判定部87は、ある貯留部10の貯留量が他の貯留部10の貯留量未満か否かを判定する。
【0074】
供給制御部88は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への各供給量を制御する。例えば、供給制御部88は、第2排出部20及び供給部60の少なくとも一方における鋳物砂Sの各供給量を制御する。供給制御部88は、制御した各供給量を記憶部82に記憶させる。具体的には、供給制御部88は、第2排出部20に対して、各排出ゲート21と底部11cとにより形成される開口の開口度合い、及び、回転テーブル22の回転速度等を制御する。供給制御部88は、供給部60に対して、鋳物砂Sの量を調整するゲートの開口度合い、及び、鋳物砂関連装置2までの搬送速度等を制御する。
【0075】
供給制御部88は、上述した制御内容に基づき、各供給量を算出する。供給量は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量と供給部60から鋳物砂関連装置2への供給量とを含む。第1貯留部10A(第2貯留部10B)から鋳物砂関連装置2への供給量は、例えば、各排出ゲート21の開口度合い、及び、回転テーブル22の回転速度に基づいて算出される。供給部60による投入量は、第3供給源61におけるゲートの開口度合いと、鋳物砂Sの搬送速度とに基づいて算出される。
【0076】
[鋳物砂貯留方法]
鋳物砂貯留システム1は、投入量及び供給量の少なくとも一方を制御する工程を実行する。
図5は、実施形態に係る鋳物砂貯留方法の一例を示すフローチャートである。
図5に示される鋳物砂貯留方法MT1は、本実施形態の鋳物砂貯留システム1により実行される。鋳物砂貯留方法MT1は、制御装置80により第1投入部30及び第2投入部40の少なくとも一方からの第1貯留部10A及び第2貯留部10Bに対する鋳物砂Sの投入量を制御する方法である。鋳物砂貯留方法MT1は、例えば、鋳物砂Sが第1貯留部10A及び第2貯留部10Bに貯留されて、第1貯留部10A及び第2貯留部10B、並びに、供給部60の少なくとも一方から鋳物砂関連装置2へ鋳物砂Sを供給している状態で、所定のタイミングで制御装置80によって開始される。なお、第1貯留部10A及び第2貯留部10B、並びに、供給部60の少なくとも一方から鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの各供給量は、供給制御部88により記憶部82に記憶されている。
【0077】
最初に、準備工程(S10)として、投入制御部86は、第1貯留部10Aに投入可能な鋳物砂Sを第1投入部30及び第2投入部40に準備させる。準備工程(S10)は、準備させる工程の一例である。投入制御部86は、例えば、第1供給源31及び第2供給源41に適切な量の鋳物砂Sが貯蔵されているように量の測定、供給の指示等を行う。
【0078】
続いて、基本投入工程(S11)として、投入制御部86は、第1投入部30から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bに所定の量の鋳物砂Sを投入させる。基本投入工程(S11)は、第1投入部から複数の貯留部に鋳物砂を投入させる工程の一例である。投入制御部86は、第1投入部30から第1貯留部10Aへの鋳物砂Sの投入量、及び、第1投入部30から第2貯留部10Bへの鋳物砂Sの投入量を記憶部82に記憶させる。
【0079】
続いて、取得工程(S12)として、取得部81は、第1貯留部10A及び第2貯留部10B内の鋳物砂Sの貯留量と、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの鋳物砂Sの投入量と、鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量とを取得する。取得工程(S12)は取得する工程の一例である。第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの鋳物砂Sの投入量とは、第1投入部30から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの鋳物砂Sの投入量と、第2投入部40から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの鋳物砂Sの投入量とを含む。鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量は、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量と、第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量と、供給部60から鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量とを含む。取得工程(S12)は、2つの測定器70,70による第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量を計測定する測定工程を含む。測定工程は測定する工程の一例である。取得部81は、測定工程において測定器70から測定された第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量を取得する。取得部81は、測定器70より第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの鋳物砂Sの各貯留量が測定された時点において設定されていた各投入量及び各供給量を記憶部82から取得する。
【0080】
続いて、設定工程(S13)として、設定部83は、寝かせ時間、取得工程(S12)において取得された各投入量及び各供給量に基づいて、各貯留量に対する閾値を設定する。設定工程(S13)は、設定する工程の一例である。設定部83は、寝かせ時間、第1貯留部10Aへの投入量、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量に基づいて、第1貯留部10Aの貯留量に対する閾値を設定する。設定部83は、寝かせ時間、第2貯留部10Bへの投入量、第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量に基づいて、第2貯留部10Bの貯留量に対する閾値を設定する。本実施形態では、第1貯留部10Aの大きさ及び第2貯留部10Bの大きさを同一とし、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量に対する各閾値も同一とする。
【0081】
続いて、第1投入判定工程(S14)として、投入判定部85は、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上か否かを判定する。投入判定部85において、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上と判定された場合、投入制御部86は、鋳物砂貯留方法MT1の次の処理として初期化工程(S15)に移行する。投入判定部85において、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上ではないと判定された場合、投入制御部86は、鋳物砂貯留方法MT1の次の処理として投入量制御工程(S20)に移行する。
【0082】
図5に示す第1投入判定工程(S14)において、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上ではないと判定された場合、
図5及び
図6に示す投入量制御工程(S20)が行われる。
図6は、
図5に示すフローチャート内の工程の一例を示すフローチャートである。以下、
図6を参照して投入量制御工程(S20)について説明する。
【0083】
投入量制御工程(S20)の最初の工程である第2投入判定工程(S21)として、投入判定部85は、第1貯留部10Aの貯留量のみが閾値未満か否かを判定する。投入判定部85において、第1貯留部10Aの貯留量のみが閾値未満と判定された場合、投入制御部86は、鋳物砂貯留方法MT1の次の処理として第1優先投入工程(S22)に移行する。投入判定部85において、第1貯留部10Aの貯留量のみが閾値未満ではないと判定された場合、投入制御部86は、鋳物砂貯留方法MT1の次の処理として第3投入判定工程(S23)に移行する。
【0084】
第2投入判定工程(S21)において、第1貯留部10Aの貯留量のみが閾値未満と判定された場合、第1優先投入工程(S22)が実行される。第1優先投入工程(S22)として、投入制御部86は、第2貯留部10Bに比べて第1貯留部10Aに対して、第1投入部30から優先的に鋳物砂を投入させる。例えば、投入制御部86は、当該第2投入判定工程(S21)前の第1投入部30から第1貯留部10Aへの投入量より、当該第2投入判定工程(S21)後の第1投入部30から第1貯留部10Aへの投入量が多くなるように第1投入部30から第1貯留部10Aへ鋳物砂を投入させる。例えば、投入制御部86は、第1投入部30から投入路32に投入される鋳物砂の総量のうち、第2貯留部10Bへの投入量の割合に比べて、第1貯留部10Aへの投入量の割合が多くなるように第1投入部30を制御する。具体的には、投入制御部86は、投入ゲート35の開口度合い等を閉状態より開状態寄りになるよう、投入ゲート35を投入路32から離間させる。第1優先投入工程(S22)が完了すると、投入量制御工程(S20)を終了し、
図5に示す取得工程(S32)を再び実行する。
【0085】
第2投入判定工程(S21)において、第1貯留部10Aの貯留量のみが閾値未満ではないと判定された場合、第3投入判定工程(S23)が実行される。第3投入判定工程(S23)として、投入判定部85は、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満か否かを判定する。投入判定部85において、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満と判定された場合、投入制御部86は、鋳物砂貯留方法MT1の次の処理として第2優先投入工程(S24)に移行する。投入判定部85において、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満ではないと判定された場合、投入制御部86は、鋳物砂貯留方法MT1の次の処理として第4投入判定工程(S25)に移行する。第3投入判定工程(S23)において投入判定部85により、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満ではないと判定される場合とは、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bのそれぞれの貯留量が閾値未満である場合である。
【0086】
第3投入判定工程(S23)において、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満であると判定された場合、第2優先投入工程(S24)が実行される。第2優先投入工程(S24)として、投入制御部86は、第1貯留部10Aに比べて第2貯留部10Bに対して、第1投入部30から優先的に鋳物砂を投入させる。例えば、投入制御部86は、当該第3投入判定工程(S23)前の第1投入部30から第2貯留部10Bへの投入量より、当該第3投入判定工程(S23)後の第1投入部30から第2貯留部10Bへの投入量が多くなるように第1投入部30から第2貯留部10Bへ鋳物砂を投入させる。例えば、投入制御部86は、第1投入部30から投入路32に投入される鋳物砂の総量のうち、第1貯留部10Aへの投入量の割合に比べて、第2貯留部10Bへの投入量の割合が多くなるように第1投入部30を制御する。具体的には、投入制御部86は、投入ゲート35の開口度合い等を開状態より閉状態寄りになるよう、投入ゲート35を投入路32に近接させる。第2優先投入工程(S24)が完了すると、投入量制御工程(S20)を終了し、
図5に示す取得工程(S32)を再び実行する。
【0087】
第3投入判定工程(S23)において、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満ではないと判定された場合、第4投入判定工程(S25)が実行される。第4投入判定工程(S25)として、投入判定部85は、第1貯留部10Aの貯留量が第2貯留部10Bの貯留量未満か否かを判定する。投入判定部85において、第1貯留部10Aの貯留量が第2貯留部10Bの貯留量未満と判定された場合、投入制御部86は、鋳物砂貯留方法MT1の次の処理として第3優先投入工程(S26)に移行する。投入判定部85において、第1貯留部10Aの貯留量が第2貯留部10Bの貯留量未満ではないと判定された場合、投入制御部86は、鋳物砂貯留方法MT1の次の処理として第4投入判定工程(S27)に移行する。
【0088】
第4投入判定工程(S25)において、第1貯留部10Aの貯留量が第2貯留部10Bの貯留量未満であると判定された場合、第3優先投入工程(S26)が実行される。第3優先投入工程(S26)として、投入制御部86は、第2投入部40から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bのうち少なくとも一方に前記鋳物砂を投入させる。このとき、投入制御部86は、第2貯留部10Bに比べて第1貯留部10Aに対して、第2投入部40から優先的に鋳物砂を投入させる。例えば、投入制御部86は、第2投入部40から第1貯留部10Aのみに鋳物砂を投入させてもよい。例えば、投入制御部86は、第1貯留部10Aに対して、第2投入部40から第2貯留部10Bへの投入量より、第2投入部40から第1貯留部10Aへの投入量が多くなるように第2投入部40から鋳物砂を投入させてもよい。例えば、投入制御部86は、第1貯留部10Aに対して、第4投入判定工程(S25)前の第2投入部40から第1貯留部10Aへの投入量より、第4投入判定工程(S25)後の第2投入部40から第1貯留部10Aへの投入量が多くなるように第2投入部40から鋳物砂を投入させてもよい。
【0089】
また、第3優先投入工程(S26)において、例えば、投入制御部86は、第1貯留部10Aに対して、第4投入判定工程(S25)前の第1投入部30から第1貯留部10Aへの投入量より、第4投入判定工程(S25)後の第1投入部30から第1貯留部10Aへの投入量が多くなるように第1投入部30から鋳物砂を投入させる。例えば、投入制御部86は、第1投入部30から投入路32に投入される鋳物砂の総量のうち、第2貯留部10Bへの投入量の割合に比べて、第1貯留部10Aへの投入量の割合が多くなるように第1投入部30を制御する。具体的には、投入制御部86は、投入ゲート35の開口度合い等を閉状態より開状態寄りになるよう、投入ゲート35を投入路32から離間させる。第3優先投入工程(S26)が完了すると、投入量制御工程(S20)を終了し、
図5に示す取得工程(S32)を再び実行する。
【0090】
第4投入判定工程(S25)において、第1貯留部10Aの貯留量が第2貯留部10Bの貯留量未満ではないと判定された場合、第4優先投入工程(S27)が実行される。第4優先投入工程(S27)として、投入制御部86は、第2投入部40から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bのうち少なくとも一方に鋳物砂Sを投入させる。このとき、投入制御部86は、第1貯留部10Aに比べて第2貯留部10Bに対して、第2投入部40から優先的に鋳物砂を投入させる。例えば、投入制御部86は、第2投入部40から第2貯留部10Bのみに鋳物砂を投入させてもよい。例えば、投入制御部86は、第2貯留部10Bに対して、第2投入部40から第1貯留部10Aへの投入量より、第2投入部40から第2貯留部10Bへの投入量が多くなるように第2投入部40から鋳物砂を投入させてもよい。例えば、投入制御部86は、第2貯留部10Bに対して、第4投入判定工程(S25)前の第2投入部40から第2貯留部10Bへの投入量より、第4投入判定工程(S25)後の第2投入部40から第2貯留部10Bへの投入量が多くなるように第2投入部40から鋳物砂を投入させてもよい。
【0091】
また、第4優先投入工程(S27)において、例えば、投入制御部86は、第2貯留部10Bに対して、第4投入判定工程(S25)前の第1投入部30から第2貯留部10Bへの投入量より、第4投入判定工程(S25)後の第1投入部30から第2貯留部10Bへの投入量が多くなるように第1投入部30から鋳物砂を投入させる。例えば、投入制御部86は、第1投入部30から投入路32に投入される鋳物砂の総量のうち、第1貯留部10Aへの投入量の割合に比べて、第2貯留部10Bへの投入量の割合が多くなるように第1投入部30を制御する。具体的には、投入制御部86は、投入ゲート35の開口度合い等を開状態より閉状態寄りになるよう、投入ゲート35を投入路32に近接させる。第4優先投入工程(S27)が完了すると、投入量制御工程(S20)を終了し、
図5に示す取得工程(S32)を再び実行する。
【0092】
再び
図5を参照する。第1投入判定工程(S14)において、投入判定部85により、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上と判定された場合、投入制御部86により初期化工程(S15)が実行される。初期化工程(S15)の前に、第1優先投入工程(S22)、第2優先投入工程(S24)、第3優先投入工程(S26)、及び、第4優先投入工程(S27)が実行されている場合、投入制御部86は、上述の各工程における第1投入部30から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの投入量を基本投入工程(S11)における第1投入部30から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの投入量に変更する。また、初期化工程(S15)の前に、第3優先投入工程(S26)、及び、第4優先投入工程(S27)が実行されている場合、投入制御部86は、上述の各工程における第2投入部40から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの投入を停止する。なお、初期化工程(S15)の前に、第1優先投入工程(S22)、第2優先投入工程(S24)、第3優先投入工程(S26)、及び、第4優先投入工程(S27)が実行されていない場合には、上述の何れの処理も実行されず完了となる。初期化工程(S15)が完了した場合、投入制御部86は、
図5に示すフローチャートを終了する。
【0093】
図7は、実施形態に係る鋳物砂貯留方法の一例を示すフローチャートである。
図7に示される鋳物砂貯留方法MT2は、本実施形態の鋳物砂貯留システム1により実行される。鋳物砂貯留方法MT2は、制御装置80により第1貯留部10A及び第2貯留部10B、並びに、供給部60の少なくとも一方からの鋳物砂関連装置2に対する鋳物砂Sの供給量を制御する方法である。なお、鋳物砂貯留システム1は、鋳物砂貯留方法MT1,MT2の少なくとも一方を実行する。すなわち、鋳物砂貯留システム1は、鋳物砂貯留方法MT1,MT2を同時に実行してもよく、鋳物砂貯留方法MT1,MT2の何れか一方を実行してもよい。鋳物砂貯留方法MT2は、例えば、鋳物砂Sが第1貯留部10A及び第2貯留部10Bに貯留されて、第1投入部30及び第2投入部40の少なくとも一方から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへ鋳物砂Sを供給している状態で、所定のタイミングで制御装置80によって開始される。なお、第1投入部30及び第2投入部40から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの鋳物砂Sの各投入量は、投入制御部86により記憶部82に記憶されている。
【0094】
最初に、準備工程(S30)として、供給制御部88は、鋳物砂関連装置2に供給可能な鋳物砂Sを供給部60に準備させる。供給制御部88は、例えば、第3供給源61に適切な量の鋳物砂Sが貯蔵されているように量の測定、供給の指示等を行う。
【0095】
続いて、基本供給工程(S31)として、供給制御部88は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2に所定の量の鋳物砂Sを供給させる。基本供給工程(S31)は、複数の貯留部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させる工程の一例である。供給制御部88は、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量、及び、第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量を記憶部82に記憶させる。
【0096】
続いて、取得工程(S32)として、取得部81は、第1貯留部10A及び第2貯留部10B内の鋳物砂Sの貯留量と、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの鋳物砂Sの投入量と、鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量とを取得する。取得工程(S32)は、
図5に示す取得工程(S12)と同一の処理である。
【0097】
続いて、設定工程(S33)として、設定部83は、寝かせ時間、取得工程(S32)において取得された投入量及び供給量に基づいて、貯留量に対する閾値を設定する。設定工程(S33)は、設定する工程の一例である。設定工程(S33)は、
図5に示す設定工程(S13)と同一の処理である。
【0098】
続いて、第1供給判定工程(S34)として、供給判定部87は、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上か否かを判定する。供給判定部87において、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上と判定された場合、供給制御部88は、鋳物砂貯留方法MT2の次の処理として初期化工程(S35)に移行する。供給判定部87において、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上ではないと判定された場合、供給制御部88は、鋳物砂貯留方法MT2の次の処理として供給量制御工程(S40)に移行する。
【0099】
図7に示す第1供給判定工程(S34)において、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上ではないと判定された場合、
図7及び
図8に示す供給量制御工程(S40)が行われる。
図8は、
図7に示すフローチャート内の工程の一例を示すフローチャートである。以下、
図8を参照して供給量制御工程(S40)について説明する。
【0100】
供給量制御工程(S40)の最初の工程である第2供給判定工程(S41)として、供給判定部87は、第1貯留部10Aの貯留量のみが閾値未満か否かを判定する。供給判定部87において、第1貯留部10Aの貯留量のみが閾値未満と判定された場合、供給制御部88は、鋳物砂貯留方法MT2の次の処理として第1優先供給工程(S42)に移行する。供給判定部87において、第1貯留部10Aの貯留量のみが閾値未満ではないと判定された場合、供給制御部88は、鋳物砂貯留方法MT2の次の処理として第3供給判定工程(S43)に移行する。
【0101】
第2供給判定工程(S41)において、第1貯留部10Aの貯留量のみが閾値未満と判定された場合、第1優先供給工程(S42)が実行される。第1優先供給工程(S42)として、供給制御部88は、第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量に比べて第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量を優先的に減少させる。例えば、供給制御部88は、当該第2供給判定工程(S41)前の第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量より、当該第2供給判定工程(S41)後の第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量が少なくなるように第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2へ鋳物砂Sを供給させる。例えば、供給制御部88は、搬出部50の搬出路53に供給される鋳物砂Sの総量のうち、第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量の割合に比べて、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量の割合が少なくなるように第1貯留部10Aの第2排出部20を制御する。具体的には、供給制御部88は、第1貯留部10Aの第2排出部20に対して、各排出ゲート21の開口度合いを小さくするように各排出ゲート21を下降させる処理、及び、回転テーブル22の回転速度を低下させる処理の少なくとも一方を実行する。このとき、搬出路53における鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量を一定量にするため、第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量を増加させる。具体的には、供給制御部88は、第2貯留部10Bの第2排出部20に対して、各排出ゲート21の開口度合いを大きくするように各排出ゲート21を上昇させる処理、及び、回転テーブル22の回転速度を上昇させる処理の少なくとも一方を実行する。これにより、例えば、供給制御部88は、搬出部50の搬出路53に供給される第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量の総量を変えずに、第1貯留部10Aの供給量と第2貯留部10Bの供給量とのそれぞれを増減することができる。第1優先供給工程(S42)が完了すると、供給量制御工程(S40)を終了し、
図7に示す取得工程(S32)を再び実行する。
【0102】
第2供給判定工程(S41)において、第1貯留部10Aの貯留量のみが閾値未満ではないと判定された場合、第3供給判定工程(S43)が実行される。第3供給判定工程(S43)として、供給判定部87は、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満か否かを判定する。供給判定部87において、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満と判定された場合、供給制御部88は、鋳物砂貯留方法MT2の次の処理として第2優先供給工程(S44)に移行する。供給判定部87において、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満ではないと判定された場合、供給制御部88は、鋳物砂貯留方法MT1の次の処理として第3優先供給工程(S45)に移行する。第3供給判定工程(S43)において供給判定部87により、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満ではないと判定される場合とは、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bのそれぞれの貯留量が閾値未満である場合である。
【0103】
第3供給判定工程(S43)において、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満であると判定された場合、第2優先供給工程(S44)が実行される。第2優先供給工程(S24)として、供給制御部88は、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量に比べて第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量を優先的に減少させる。例えば、供給制御部88は、当該第3供給判定工程(S43)前の第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量より、当該第3供給判定工程(S43)後の第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量が少なくなるように第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2へ鋳物砂Sを供給させる。例えば、供給制御部88は、搬出部50の搬出路53に供給される鋳物砂Sの総量のうち、第1貯留部10Aからの供給量の割合に比べて、第2貯留部10Bからの供給量の割合が少なくなるように第2貯留部10Bの第2排出部20を制御する。具体的には、供給制御部88は、第2貯留部10Bの第2排出部20に対して、各排出ゲート21の開口度合いを小さくするように各排出ゲート21を下降させる処理、及び、回転テーブル22の回転速度を低下させる処理の少なくとも一方を実行する。このとき、搬出路53における鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量を一定量にするため、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量を増加させる。具体的には、供給制御部88は、第1貯留部10Aの第2排出部20に対して、各排出ゲート21の開口度合いを大きくするように各排出ゲート21を上昇させる処理、及び、回転テーブル22の回転速度を上昇させる処理の少なくとも一方を実行する。これにより、例えば、供給制御部88は、搬出部50の搬出路53に供給される第1貯留部10A及び第2貯留部10Bからの鋳物砂Sの供給量の総量を変えずに、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量と第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量とのそれぞれを増減することができる。第2優先供給工程(S44)が完了すると、供給量制御工程(S40)を終了し、
図7に示す取得工程(S32)を再び実行する。
【0104】
第3供給判定工程(S43)において、第2貯留部10Bの貯留量のみが閾値未満ではないと判定された場合、第3優先供給工程(S45)が実行される。第3優先供給工程(S45)として、供給制御部88は、供給部60から鋳物砂関連装置2へ前記鋳物砂を供給させる。このとき、供給制御部88は、第3供給判定工程(S43)前における第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量より当該第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量をそれぞれ減少させる。例えば、供給制御部88は、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量に応じて、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量をそれぞれ減少させる。さらに供給制御部88は、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への各供給量及び供給部60から鋳物砂関連装置2への供給量の総量が予め定められた設定量になるように供給部60から鋳物砂関連装置2に鋳物砂Sを供給させる。供給制御部88は、供給部60に対して、鋳物砂Sの量を調整するゲートの開口度合いを大きくし、及び、鋳物砂関連装置2までの搬送速度を適切な値に設定する。設定量は、例えば、記憶部82に記憶されている。例えば、供給制御部88は、供給部60に対して、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bのそれぞれから鋳物砂関連装置2への供給量が減少した量だけ鋳物砂関連装置2へ供給させる。これにより、供給制御部88は、搬出部50の搬出路53に供給される第1貯留部10A及び第2貯留部10Bからから鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量の総量を設定量から変えることなく、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量と第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量とのそれぞれを減少させることができる。第3優先供給工程(S45)が完了すると、供給量制御工程(S40)を終了し、
図7に示す取得工程(S32)を再び実行する。
【0105】
再び
図7を参照する。第1供給判定工程(S34)において、供給判定部87により、第1貯留部10Aの貯留量及び第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上と判定された場合、供給制御部88により初期化工程(S35)が実行される。初期化工程(S35)の前に、第1優先供給工程(S42)、第2優先供給工程(S44)、及び、第3優先供給工程(S45)が実行されている場合、供給制御部88は、上述の各工程における第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量を基本供給工程(S31)における第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量に変更する。また、初期化工程(S35)の前に、第3優先供給工程(S45)が実行されている場合、供給制御部88は、供給部60から鋳物砂関連装置2への供給を停止する。なお、初期化工程(S35)の前に、第1優先供給工程(S42)、第2優先供給工程(S44)、及び、第3優先供給工程(S45)が実行されていない場合には、何れの処理も実行されない。初期化工程(S35)が完了した場合、供給制御部88は、
図7に示すフローチャートを終了する。
【0106】
以上説明したように、この鋳物砂貯留方法MT1,MT2及び鋳物砂貯留システム1によれば、第1貯留部10A及び第2貯留部10B内に鋳物砂Sが既に貯留されている状態で鋳物砂Sが新たに投入されると、当該新たに投入される鋳物砂Sは、既に貯留されている鋳物砂Sが鋳物砂関連装置2に供給される間に寝かせ時間を確保できる。このとき、鋳物砂貯留方法MT2において、新たに投入される鋳物砂Sの寝かせ時間の間に鋳物砂関連装置2に供給される供給量が、既に貯留されている鋳物砂Sの貯留量以下となるように制御されることで、当該新たに投入される鋳物砂Sが寝かせ時間を経過する前に第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2に供給されることが抑制される。鋳物砂貯留方法MT1,MT2における閾値は、例えば、新たに投入される鋳物砂Sの寝かせ時間中に鋳物砂関連装置2に供給される鋳物砂Sの量である。したがって、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの各貯留量が閾値以上であれば、新たに投入される鋳物砂Sの寝かせ時間を適切に確保することができる。
【0107】
また、鋳物砂貯留方法MT1において、投入量が制御されることで、鋳物砂関連装置2に供給することのできる第1貯留部10A及び第2貯留部10B内の鋳物砂Sの各貯留量を適切に制御できる。このように、第1貯留部10A及び第2貯留部10B内の各貯留量は、投入量分だけ増加し、供給量分だけ減少する。
【0108】
設定工程(S13,S23)において、貯留量に対する閾値は、寝かせ時間、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの各投入量、及び、鋳物砂関連装置2への供給量に基づいて設定される。また、鋳物砂貯留方法MT1の投入量制御工程(S20)による投入量の制御、及び、鋳物砂貯留方法MT2の供給量制御工程(S40)による供給量の制御の少なくとも一方が実行されることで、例えば、第1貯留部10A(第2貯留部10B)内の貯留量の鋳物砂Sが閾値以上の貯留量となるように制御できる。このように、第1貯留部10A(第2貯留部10B)内の貯留量を制御することで、適切に鋳物砂の寝かせ時間を確保できる。よって、この鋳物砂貯留システム1及び鋳物砂貯留方法MT1,MT2は、適切に鋳物砂の寝かせ時間を確保できる。
【0109】
また、鋳物砂貯留システム1は、マイクロ波センサ、ミリ波センサ及びサウジング式レベル計の少なくとも1つを含み、取得工程(S12,S32)中の測定工程において第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの各貯留量を測定する測定器70を備える。これにより、鋳物砂貯留方法MT1,MT2及び鋳物砂貯留システム1では、鋳物砂Sの種類によらず、貯留量を適切に測定することができる。また、測定器70は、レベルスイッチが貯留量を測定する場合に比べてより正確に貯留量を測定することができる。さらに、測定器70は、超音波センサが貯留量を測定する場合に比べて、干渉の影響による不具合の発生を抑えることができる。
【0110】
また、測定器70は、第1貯留部10A内に形成可能な安息角の傾斜面を有する鋳物砂Sの堆積物SV1の当該傾斜面に対して交差する方向にマイクロ波を照射可能な位置に設けられるマイクロ波センサを含む。この場合、鋳物砂Sの堆積物SV1の傾斜面に対して交差する方向にマイクロ波が照射されることで、測定器70は、当該傾斜面で反射したマイクロ波をより精度良く受信することができる。
【0111】
また、鋳物砂貯留方法MT1,MT2及び鋳物砂貯留システム1において、第1排出部12は、第1貯留部10A(第2貯留部10B)の貯留量が予め定められた上限値より大きい場合に、上限値を超えた分の鋳物砂Sを第1貯留部10A(第2貯留部10B)から保管部15へ排出する。この場合、第1貯留部10A(第2貯留部10B)内の鋳物砂Sを上限値以下の貯留量に保つことができる。これにより、鋳物砂Sが第1貯留部10A(第2貯留部10B)から溢れることを抑制できる。なお、第1排出部12による上限値を超えた分の鋳物砂Sの排出は、鋳物砂貯留方法MT1,MT2の実行中に常に行われてもよい。
【0112】
また、鋳物砂貯留方法MT1及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、第2投入判定工程(S21)において、第1貯留部10Aの貯留量が閾値未満であり、かつ、第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上であると判定する場合に、第1優先投入工程(S22)として、第2投入判定工程(S21)前の第1投入部30から第1貯留部10Aへの投入量より、第2投入判定工程(S21)後の第1投入部30から第1貯留部10Aへの投入量が多くなるように第1投入部30から第1貯留部10Aへ鋳物砂Sを投入させる工程を含む。また、鋳物砂貯留方法MT1及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、第3投入判定工程(S23)において、第2貯留部10Bの貯留量が閾値未満であり、かつ、第1貯留部10Aの貯留量が閾値以上であると判定する場合に、第2優先投入工程(S24)として、第3投入判定工程(S23)前の第1投入部30から第2貯留部10Bへの投入量より、第3投入判定工程(S23)後の第1投入部30から第2貯留部10Bへの投入量が多くなるように第1投入部30から第2貯留部10Bへ鋳物砂Sを投入させる工程を含む。他の貯留部10に比べて貯留量が少ない貯留部10内の鋳物砂Sの寝かせ時間は、当該他の貯留部10の鋳物砂の寝かせ時間に比べて短くなる可能性がある。本開示によれば、他の貯留部10への投入量に比べて、投入量が多くなるように第1投入部30から貯留量が少ない貯留部10に鋳物砂Sを投入させることで、他の貯留部10の鋳物砂Sと同等の寝かせ時間を確保できるように貯留量を増やすことができる。
【0113】
また、鋳物砂貯留方法MT1及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、第3投入判定工程(S25)において、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bのそれぞれの貯留量が閾値未満であると判定する場合に、第3優先投入工程(S26)及び第4優先投入工程(S27)として、第2投入部40から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bのうち少なくとも1つの貯留部に鋳物砂を投入させる工程を含む。第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの各貯留量が閾値未満である場合に第1投入部30から第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへの各投入量を変更した場合であっても、第1投入部30から投入される鋳物砂Sの総量が一定の場合、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの各貯留量が閾値以上になるまでの時間は、変更前後で変わりがない。本開示では、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの各貯留量に対して投入量を制御するとき、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの各貯留量が閾値未満の場合には第1投入部30からの鋳物砂Sの投入に加え、第2投入部40からの鋳物砂の投入が行われる。このため、鋳物砂Sが第1投入部30のみから第1貯留部10A及び第2貯留部10Bに投入される場合に比べて、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bへより多くの鋳物砂Sが投入される。よって、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの各貯留量をより短時間で閾値以上とすることができ、鋳物砂関連装置2に供給することのできる第1貯留部10A及び第2貯留部10Bの各貯留量を適切に増加させることができる。また、その後投入される鋳物砂Sの寝かせ時間を適切に確保できる。
【0114】
また、鋳物砂貯留方法MT1及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、第3優先投入工程(S26)として、第2貯留部10Bの貯留量に比べて貯留量が少ない第1貯留部10Aに対して、第3投入判定工程(S25)前の第1投入部30から第1貯留部10Aへの投入量より、第3投入判定工程(S25)後の第1投入部30から第1貯留部10Aへの投入量が多くなるように第1投入部30から鋳物砂Sを投入させる工程を含む。また、鋳物砂貯留方法MT1は、第4優先投入工程(S27)として、第1貯留部10Aの貯留量に比べて貯留量が少ない第2貯留部10Bに対して、第3投入判定工程(S25)前の第1投入部30から第2貯留部10Bへの投入量より、第3投入判定工程(S25)後の第1投入部30から第2貯留部10Bへの投入量が多くなるように第1投入部30から鋳物砂Sを投入させる工程を含む。この場合、第1投入部30によって貯留量が少ない少なくとも1つの貯留部10に対して優先的に鋳物砂Sが投入されることで、当該少なくとも1つの貯留部10における貯留量がより短時間で増加し、鋳物砂関連装置2に供給することのできる貯留部10内の鋳物砂Sの貯留量を適切に増加させることができる。また、その後投入される鋳物砂Sに対して寝かせ時間を確保できる。
【0115】
また、鋳物砂貯留方法MT1及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、第3優先投入工程(S26)として、第2貯留部10Bの貯留量に比べて貯留量が少ない第1貯留部10Aに対して、第3投入判定工程(S25)前の第2投入部40から第1貯留部10Aへの投入量より、第3投入判定工程(S25)後の第2投入部40から第1貯留部10Aへの投入量が多くなるように第2投入部40から鋳物砂Sを投入させる工程を含む。また、鋳物砂貯留方法MT1は、第4優先投入工程(S27)として、第1貯留部10Aの貯留量に比べて貯留量が少ない第2貯留部10Bに対して、第3投入判定工程(S25)前の第2投入部40から第2貯留部10Bへの投入量より、第3投入判定工程(S25)後の第2投入部40から第2貯留部10Bへの投入量が多くなるように第2投入部40から鋳物砂Sを投入させる工程を含む。この場合、第2投入部40によって貯留量が少ない少なくとも1つの貯留部10に対して優先的に鋳物砂Sが投入されることで、当該少なくとも1つの貯留部10における貯留量がより短時間で増加し、鋳物砂関連装置2に供給することのできる貯留部10内の鋳物砂Sの貯留量を適切に増加させることができる。また、その後投入される鋳物砂Sに対して寝かせ時間を確保できる。
【0116】
また、鋳物砂貯留方法MT2及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、第2供給判定工程(S41)において第1貯留部10Aの貯留量が閾値未満であり、かつ、第2貯留部10Bの貯留量が閾値以上であると判定する場合に、第1優先供給工程(S42)として、第2供給判定工程(S41)前の第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量より第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量を減少させつつ、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量の総量が予め定められた設定量になるように制御する工程を含む。また、鋳物砂貯留方法MT2及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、第3供給判定工程(S43)において第2貯留部10Bの貯留量が閾値未満であり、かつ、第1貯留部10Aの貯留量が閾値以上であると判定する場合に、第2優先供給工程(S44)として、第3供給判定工程(S43)前の第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量より第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量を減少させつつ、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量の総量が予め定められた設定量になるように制御する工程を含む。この場合、他の貯留部10に比べて貯留量が少ない貯留部10内の鋳物砂Sの寝かせ時間は、当該他の貯留部10の鋳物砂Sの寝かせ時間に比べて短くなる可能性がある。本開示によれば、他の貯留部10から鋳物砂関連装置2への供給量に比べて、当該貯留量の少ない貯留部10からの鋳物砂関連装置2への供給量を減少させることで、他の貯留部10の鋳物砂Sと同等の寝かせ時間を確保できるように貯留量の減少を抑えることができる。
【0117】
また、鋳物砂貯留方法MT2及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、第3供給判定工程(S43)において、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bのそれぞれの貯留量が閾値未満であると判定する場合に、第3優先供給工程(S45)として、供給部60から鋳物砂関連装置2に鋳物砂を供給させる工程を含む。この場合、複数の貯留部10から鋳物砂関連装置2への供給量を制御するとき、複数の貯留部10のそれぞれの貯留量が閾値未満の場合には複数の貯留部10からの鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給に加え、供給部60からの鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給が行われる。このため、上述の構成によれば、鋳物砂Sが複数の貯留部10のみから鋳物砂関連装置2に供給される場合に比べて、当該複数の貯留部10から鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量をより少なくできる。よって、当該複数の貯留部10の貯留量の減少速度を抑えることができ、鋳物砂関連装置2に供給することのできる貯留部10内の鋳物砂Sの貯留量の減少を適切に抑えることができる。
【0118】
また、鋳物砂貯留方法MT2及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、第3優先供給工程(S45)として、第3供給判定工程(S43)前における第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれから鋳物砂関連装置2への供給量より当該第1貯留部10A及び第2貯留部10Bそれぞれから鋳物砂関連装置2への供給量を減少させつつ、第1貯留部10A及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量及び供給部60から鋳物砂関連装置2への供給量の総量が予め定められた設定量になるように供給部60から鋳物砂関連装置2に鋳物砂Sを供給させる工程を含む。複数の貯留部10のそれぞれの貯留量が閾値未満である場合に少なくとも1つの貯留部10から鋳物砂関連装置2への供給量を減少させた場合であっても、複数の貯留部10全体から供給される鋳物砂Sの総量が一定の場合、他の貯留部10から鋳物砂関連装置2への供給量が増大するだけであり、複数の貯留部10のそれぞれの貯留量が閾値以上になるまでの時間は、供給量の増減前後で変わりがない。本開示では、複数の貯留部10及び供給部60により鋳物砂関連装置2に設定量の鋳物砂Sが供給されるため、鋳物砂Sが複数の貯留部10のみから鋳物砂関連装置2に供給される場合に比べて、当該複数の貯留部10から鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量をより少なくできる。よって、当該複数の貯留部10の貯留量の減少速度を抑えることができ、鋳物砂関連装置2に供給することのできる貯留部10内の鋳物砂Sの貯留量の減少を適切に抑えることができる。
【0119】
[検査方法及び検査システムの変形例]
以上、本実施形態について説明したが、本発明は、上記本実施形態に限定されるものでなく、本実施形態以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。駆動部23は、少なくとも複数の排出ゲート21の昇降駆動を制御しなくてもよい。例えば、作業員が、複数の排出ゲート21を操作することで複数の排出ゲート21を開状態の位置又は閉状態の位置に移動してもよい。また、投入制御部86は、第2投入案内部34における投入ゲート35の開口度合いを制御する処理以外にも、第1投入部30における処理によって投入量を変更してもよい。投入量を変更する場合には、投入制御部86は、第1投入部30に対して、第1供給源31における鋳物砂Sの量を調整するゲートの開口度合い、投入路32における鋳物砂Sの搬送速度等を制御してもよい。また、第3供給源61は、不図示のゲートの開口度合いによって供給する鋳物砂Sの量を調整しなくてもよい。この場合、第3優先供給工程(S45)において、供給部60は、予め設定された量を鋳物砂関連装置2へ供給してもよい。このとき、供給部60は、ゲートの開口度合いを細かく調整することなく、ゲートが開いている状態又はゲートが閉じている状態の双方の状態のみを実現できればよい。このとき、供給制御部88は、供給部60から鋳物砂関連装置2への供給量に応じて、第1貯留部10Aから鋳物砂関連装置2への供給量及び第2貯留部10Bから鋳物砂関連装置2への供給量をそれぞれ減少させる。
【0120】
例えば、鋳物砂貯留システム1は、3つ以上の貯留部10を備えてもよい。例えば、鋳物砂貯留システム1は、1つの貯留部10を備えていてもよい。以下、
図9及び
図10を参照して、変形例に係る鋳物砂貯留システムについて説明する。変形例に係る鋳物砂貯留システムは、少なくとも1つの貯留部として、1つの貯留部を備えており、第1投入部30、第2投入部40及び搬出部50が第2貯留部10B用の構成を有しない点で
図1に示す鋳物砂貯留システム1とは相違する。変形例に係る鋳物砂貯留システムにおける1つの貯留部は、第1貯留部10Aと同一の構成を有する。以下の説明では、変形例に係る鋳物砂貯留システムにおける1つの貯留部について、貯留部10と記載する。変形例に係る鋳物砂貯留システムにおけるその他の構成の符号は、上述の鋳物砂貯留システム1の各構成と同一とする。
【0121】
図9は、変形例に係る鋳物砂貯留システムによる鋳物砂貯留方法の一例を示すフローチャートである。
図9に示される鋳物砂貯留方法MT3は、変形例に係る鋳物砂貯留システムにより実行される。鋳物砂貯留方法MT3は、制御装置80により第1投入部30及び第2投入部40の少なくとも一方からの貯留部10に対する鋳物砂Sの投入量を制御する方法である。鋳物砂貯留方法MT3は、例えば、鋳物砂Sが貯留部10に貯留されて、貯留部10、及び、供給部60の少なくとも一方から鋳物砂関連装置2へ鋳物砂Sを供給している状態で、所定のタイミングで制御装置80によって開始される。なお、貯留部10、及び、供給部60の少なくとも一方から鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの各供給量は、供給制御部88により記憶部82に記憶されている。
【0122】
最初に、準備工程(S50)として、投入制御部86は、貯留部10に投入可能な鋳物砂Sを第1投入部30及び第2投入部40に準備させる。準備工程(S50)は、
図5に示す取得工程(S10)と同一の処理である。
【0123】
続いて、基本投入工程(S51)として、投入制御部86は、第1投入部30から貯留部10に所定の量の鋳物砂Sを投入させる。基本投入工程(S51)は、第1投入部から1つの貯留部に鋳物砂を投入させる工程の一例である。投入制御部86は、第1投入部30から貯留部10への鋳物砂Sの投入量を記憶部82に記憶させる。
【0124】
続いて、取得工程(S52)として、取得部81は、貯留部10内の鋳物砂Sの貯留量と、貯留部10への鋳物砂Sの投入量と、鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量とを取得する。取得工程(S52)は取得する工程の一例である。貯留部10への鋳物砂Sの投入量とは、第1投入部30から貯留部10への鋳物砂Sの投入量と、第2投入部40から貯留部10への鋳物砂Sの投入量とを含む。鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量は、貯留部10から鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量と、供給部60から鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量とを含む。取得工程(S51)は、測定器70による貯留部10の貯留量を計測定する測定工程を含む。測定工程は測定する工程の一例である。取得部81は、測定工程において測定器70から測定された貯留部10の貯留量を取得する。取得部81は、測定器70より貯留部10の鋳物砂Sの貯留量が測定された時点において設定されていた投入量及び供給量を記憶部82から取得する。
【0125】
続いて、設定工程(S53)として、設定部83は、寝かせ時間、取得工程(S52)において取得された投入量及び供給量に基づいて、貯留量に対する閾値を設定する。設定工程(S51)は、設定する工程の一例である。設定部83は、寝かせ時間、貯留部10への投入量、貯留部10から鋳物砂関連装置2への供給量に基づいて、貯留部10の貯留量に対する閾値を設定する。
【0126】
続いて、投入判定工程(S54)として、投入判定部85は、貯留部10の貯留量が閾値以上か否かを判定する。投入判定部85において、貯留部10の貯留量が閾値以上と判定された場合、投入制御部86は、鋳物砂貯留方法MT3の次の処理として初期化工程(S55)に移行する。投入判定部85において、貯留部10の貯留量が閾値以上ではない(閾値未満である)と判定された場合、投入制御部86は、鋳物砂貯留方法MT3の次の処理として投入量制御工程(S56)に移行する。
【0127】
投入判定工程(S54)において、1つの貯留部10の貯留量が閾値以上ではない(閾値未満である)と判定された場合、追加投入工程(S56)が行われる。追加投入工程(S56)として、投入制御部86は、第2投入部40から貯留部10に鋳物砂Sを投入させる。追加投入工程(S56)が完了すると、取得工程(S52)を再び実行する。
【0128】
投入判定工程(S54)において、投入判定部85により、貯留部10の貯留量が閾値以上と判定された場合、投入制御部86により初期化工程(S55)が実行される。初期化工程(S55)の前に、追加投入工程(S56)が実行されている場合、投入制御部86は、追加投入工程(S56)における第2投入部40から貯留部10への投入を停止する。なお、初期化工程(S55)の前に、追加投入工程(S56)が実行されていない場合には、上述の処理は実行されず完了となる。初期化工程(S55)が完了した場合、投入制御部86は、
図9に示すフローチャートを終了する。
【0129】
図10は、変形例に係る鋳物砂貯留システムによる鋳物砂貯留方法の一例を示すフローチャートである。
図10に示される鋳物砂貯留方法MT4は、変形例に係る鋳物砂貯留システムにより実行される。鋳物砂貯留方法MT4は、制御装置80により貯留部10、及び、供給部60の少なくとも一方からの鋳物砂関連装置2に対する鋳物砂Sの供給量を制御する方法である。なお、変形例に係る鋳物砂貯留システムは、鋳物砂貯留方法MT3,MT4の少なくとも一方を実行する。すなわち、変形例に係る鋳物砂貯留システムは、鋳物砂貯留方法MT3,MT4を同時に実行してもよく、鋳物砂貯留方法MT3,MT4の何れか一方を実行してもよい。鋳物砂貯留方法MT4は、例えば、鋳物砂Sが貯留部10に貯留されて、第1投入部30及び第2投入部40の少なくとも一方から貯留部10へ鋳物砂Sを供給している状態で、所定のタイミングで制御装置80によって開始される。なお、第1投入部30及び第2投入部40から貯留部10への鋳物砂Sの各投入量は、投入制御部86により記憶部82に記憶されている。
【0130】
最初に、準備工程(S60)として、供給制御部88は、鋳物砂関連装置2に供給可能な鋳物砂Sを供給部60に準備させる。準備工程(S60)は、
図7に示す取得工程(S30)と同一の処理である。
【0131】
続いて、基本供給工程(S61)として、供給制御部88は、貯留部10から鋳物砂関連装置2に所定の量の鋳物砂Sを供給させる。基本供給工程(S61)は、1つの貯留部から鋳物砂関連装置に鋳物砂を供給させる工程の一例である。供給制御部88は、貯留部10から鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量を記憶部82に記憶させる。
【0132】
続いて、取得工程(S62)として、取得部81は、貯留部10内の鋳物砂Sの貯留量と、貯留部10への鋳物砂Sの投入量と、鋳物砂関連装置2への鋳物砂Sの供給量とを取得する。取得工程(S62)は、
図9に示す取得工程(S52)と同一の処理である。
【0133】
続いて、設定工程(S63)として、設定部83は、寝かせ時間、取得工程(S62)において取得された投入量及び供給量に基づいて、貯留量に対する閾値を設定する。設定工程(S63)は、設定する工程の一例である。設定工程(S63)は、
図9に示す設定工程(S53)と同一の処理である。
【0134】
続いて、供給判定工程(S64)として、供給判定部87は、貯留部10の貯留量が閾値以上か否かを判定する。供給判定部87において、貯留部10の貯留量が閾値以上と判定された場合、供給制御部88は、鋳物砂貯留方法MT4の次の処理として初期化工程(S65)に移行する。供給判定部87において、貯留部10の貯留量が閾値以上ではない(閾値未満である)と判定された場合、供給制御部88は、鋳物砂貯留方法MT4の次の処理として追加供給工程(S66)に移行する。
【0135】
供給判定工程(S64)において、1つの貯留部10の貯留量が閾値以上ではない(閾値未満である)と判定された場合、追加供給工程(S66)が行われる。追加供給工程(S66)として、供給制御部88は、供給部60から鋳物砂関連装置2に鋳物砂Sを供給させる。このとき、供給制御部88は、1つの貯留部10からの供給量を減少させ、1つの貯留部10から鋳物砂関連装置2への供給量及び供給部60から鋳物砂関連装置2への供給量の総量が予め定められた設定量になるように供給部60から鋳物砂関連装置2に鋳物砂Sを供給させる。追加供給工程(S66)が完了すると、取得工程(S62)を再び実行する。
【0136】
供給判定工程(S64)において、供給判定部87により、貯留部10の貯留量が閾値以上と判定された場合、供給制御部88により初期化工程(S65)が実行される。初期化工程(S65)の前に、追加供給工程(S66)が実行されている場合、供給制御部88は、追加供給工程(S66)における供給部60から鋳物砂関連装置2への投入を停止する。なお、初期化工程(S65)の前に、追加供給工程(S66)が実行されていない場合には、上述の処理は実行されず完了となる。初期化工程(S65)が完了した場合、供給制御部88は、
図10に示すフローチャートを終了する。
【0137】
以上説明したように、変形例に係る鋳物砂貯留システム、及び、鋳物砂貯留方法MT3,MT4及びにおいても、上述の鋳物砂貯留システム1及び鋳物砂貯留方法MT1,MT2と同様の作用により適切に鋳物砂の寝かせ時間を確保できる。また、鋳物砂貯留方法MT3及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、投入判定工程(S54)において、1つの貯留部10の貯留量が閾値未満であると判定する場合に、追加投入工程(S56)として第2投入部40から当該1つの貯留部10に鋳物砂Sを投入させる工程を含む。この場合、1つの貯留部10内の貯留量に対して投入量を制御するとき、当該貯留量が閾値未満の場合には第1投入部30からの鋳物砂Sの投入に加え、第2投入部40からの鋳物砂の投入が行われる。これにより、鋳物砂Sが第1投入部30のみから1つの貯留部10に投入される場合に比べて、当該1つの貯留部10へより多くの鋳物砂Sが投入される。よって、当該1つの貯留部10の貯留量をより短時間で閾値以上とすることができ、投入される鋳物砂Sの寝かせ時間を適切に確保できる。
【0138】
また、鋳物砂貯留方法MT4及び鋳物砂貯留システム1の制御工程は、供給判定工程(S64)において、1つの貯留部10の貯留量が閾値未満であると判定する場合に、追加供給工程(S66)として、1つの貯留部10からの供給量を減少させ、1つの貯留部10からの供給量及び供給部60からの供給量の総量が予め定められた設定量になるように供給部60から鋳物砂関連装置2に鋳物砂Sを供給させる工程を含む。この場合、貯留量が閾値未満である1つの貯留部10の貯留量の減少速度を低下させることができ、当該1つの貯留部10内の鋳物砂Sの寝かせ時間を適切に確保できる。また、供給部60から鋳物砂関連装置2に鋳物砂が供給されることで、1つの貯留部10及び供給部60によって鋳物砂関連装置2に一定の量の鋳物砂を供給できる。
【符号の説明】
【0139】
1…鋳物砂貯留システム、2…鋳物砂関連装置、10…貯留部、10A…第1貯留部、10B…第2貯留部、15…保管部、20…第2排出部、30…第1投入部、40…第2投入部、60…供給部、70…測定器、80…制御装置、81…取得部、82…記憶部、83…設定部、84…制御部、85…投入判定部、86…投入制御部、87…供給判定部、88…供給制御部、MT1,MT2,MT3,MT4…鋳物砂貯留方法、S…鋳物砂、SV1,SV2…堆積物。