(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145605
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】カメラの取付部材
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20241004BHJP
F16M 11/00 20060101ALI20241004BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G03B17/56 A
F16M11/00 A
H04N5/222 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058038
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】320008672
【氏名又は名称】i-PRO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】前川 健人
(72)【発明者】
【氏名】阿部 康司
【テーマコード(参考)】
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA02
5C122DA11
5C122EA59
5C122GD01
5C122GD12
5C122GE03
5C122GE07
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】壁またはポール等の異なる取付対象にカメラを取り付け可能にする。
【解決手段】カメラの取付部材は、ポールまたは壁面に取り付け可能なカメラの取付部材であって、カメラを取り付け可能なカメラ取付部と、一端側がカメラ取付部に接続された突出部と、突出部の他端に接続された背面板と、を備え、突出部は、背面板からカメラ取付部側に向かって形成された一対の側壁部を有し、一対の側壁部は、少なくとも1本のベルトを挿通可能な貫通孔を有し、背面板は、複数の固定部材を螺合可能な複数の固定孔を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポールまたは壁面に取り付け可能なカメラの取付部材であって、
カメラを取り付け可能なカメラ取付部と、
一端側が前記カメラ取付部に接続された突出部と、
前記突出部の他端に接続された背面板と、を備え、
前記突出部は、前記背面板から前記カメラ取付部側に向かって形成された一対の側壁部を有し、
前記一対の側壁部は、少なくとも1本のベルトを挿通可能な貫通孔を有し、
前記背面板は、複数の固定部材を螺合可能な複数の固定孔を有する、
カメラの取付部材。
【請求項2】
前記背面板は、前記ポールの表面に接触可能な凹部を有する、
請求項1に記載のカメラの取付部材。
【請求項3】
前記一対の側面部の上端を接続する上面を有し、
前記貫通孔は、前記一対の側面部の上端側に開放され、
前記上面には前記貫通孔と連続する切り欠きが設けられる、
請求項1に記載のカメラの取付部材。
【請求項4】
前記突出部は、前記一対の側壁部を接続する前壁部を有し、
前記前壁部と前記側壁部とは、カバー部材によって覆われる、
請求項1に記載のカメラの取付部材。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記貫通孔を覆う、
請求項4に記載のカメラの取付部材。
【請求項6】
前記一対の側壁部は、前記カバー部材との間に前記ベルトが挿通可能な隙間を有する、
請求項4に記載のカメラの取付部材。
【請求項7】
前記カバー部材は、前記背面板を覆うように設けられ、
前記背面板の側面部と、前記カバー部材との間には、前記ベルトが通過可能な隙間を有する、
請求項4に記載のカメラの取付部材。
【請求項8】
前記一対の側面部は、上側面と、中段側面とを有し、前記上側面の下端と前記中段側面の上端とを連結する中段上面が設けられ、
前記中段側面の上端には、上端が開放された中段貫通孔が設けられ、
前記中段上面には、前記中段貫通孔の上端と連続する切り欠きが形成される、
請求項3に記載のカメラの取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カメラの取付部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等を収容するカメラ等収容部を保持するカメラ等収容部保持部と、カメラ等収容部保持部を保持するベース部と、ベース部を保持する固定部とを備えるカメラ等固定装置が開示されている。カメラ等固定装置は、カメラ等収容部と、カメラ等収容部保持部との間の相対的な位置を調整するための第1の位置調整手段と、カメラ等収容部保持部と、ベース部との間の相対的な位置を調整するための第2の位置調整手段と、ベース部と、固定部との間の相対的な位置を調整するための第3の位置調整手段とを備え、第1から第3の位置調整手段が、それぞれ独立して相対的位置の調整を行う。固定部は、取付孔を有し、取付ベルト等を用いることで、木の幹や枝等に縛り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カメラ等固定装置は、壁取付を想定したものではなかった。そのため、円柱状の木の幹やポールへの取付と、平面である壁などへの取付と、ではそれぞれ異なるカメラ等取付装置を用いる必要があった。
【0005】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、壁またはポール等の異なる取付対象にカメラを取り付け可能にするカメラの取付部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、ポールまたは壁面に取り付け可能なカメラの取付部材であって、カメラを取り付け可能なカメラ取付部と、一端側が前記カメラ取付部に接続された突出部と、前記突出部の他端に接続された背面板と、を備え、前記突出部は、前記背面板から前記カメラ取付部側に向かって形成された一対の側壁部を有し、前記一対の側壁部は、少なくとも1本のベルトを挿通可能な貫通孔を有し、前記背面板は、複数の固定部材を螺合可能な複数の固定孔を有する、カメラの取付部材を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、壁またはポール等の異なる取付対象にカメラを取り付け可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、監視カメラのポール取付時の外観斜視図である。
【
図2】
図2は、ポール取付時の取付部材の背面斜視図である。
【
図3】
図3は、ポール取付時の取付部材の側面図である。
【
図4】
図4は、ポール取付時のベース部材の斜視図である。
【
図7】
図7は、監視カメラの壁面取付時の外観斜視図である。
【
図8】
図8は、壁面取付時のベース部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係るカメラの取付部材を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
まず、
図1を参照して、ポール取付時の監視カメラC1および取付部材10について説明する。
図1は、実施の形態に係る監視カメラC1の外観斜視図である。
【0011】
実施の形態に係る監視カメラC1(カメラの一例)は、取付部20が、取付部材10のカメラ取付部12Cの取付孔17A,17B,17Cのそれぞれ(
図4参照)に取り付けられることで、取付部材10に固定される。監視カメラC1は、取付部材10に取り付けられることで、取付部材10を介して取付対象(つまり、設置対象)であるポールPLまたは壁Wに取り付けられ、監視対象である撮像領域を撮像する。
【0012】
また、
図1に示す監視カメラC1は、所謂単眼カメラであってもよいし、複眼カメラであってもよい。また、
図1に示す監視カメラC1の外観形状は一例であって、これに限定されない。例えば、監視カメラC1は、所謂2眼カメラであって、2つのカメラユニット(不図示)が所定の方向に並んで配置されたカメラであってもよい。
【0013】
なお、ここでいうカメラユニットは、撮像領域の撮像を実現するための撮像ユニットであって、例えばCCD(Charged-Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の固体撮像素子等を備え、他にズーム機能、パン回転機能、あるいはチルト回転機能等を備えてよい。
【0014】
カメラの取付部材の一例としての取付部材10は、例えば樹脂材,金属材等により形成された筐体11(カバー部材の一例)と、筐体11に覆われたベース部材12とを含む。取付部材10は、後述する3組の貫通孔14A,15A,16Aのそれぞれに挿通された3本のベルトB1,B2,B3により取付対象であるポールPLに取り付けられる。なお、取付部材10に設けられる貫通孔は、これに限定されないことは言うまでもない。例えば、取付部材10は、少なくとも1組の貫通孔を有していればよい。
【0015】
取付部材の一例としてのベース部材12は、例えば、金属材により形成される。ベース部材12は、突出部12Aと、連結部12Bと、カメラ取付部12Cと、背面板12Dとがそれぞれ接続されて、一体的に構成される。
【0016】
次に、
図2および
図3のそれぞれを参照して、取付部材10の背面構造について説明する。
図2は、ポール取付時の取付部材10の背面斜視図である。
図3は、ポール取付時の取付部材10の側面図である。なお、ここでいう背面は、取付対象であるポールPLまたは壁W(
図7および
図8参照)の取付面と対向し、ベルトB1~B3またはビス32を用いた取り付けによりポールPLまたは壁Wに接触する接触面である。また、
図2では、説明を分かりやすくするために、ポールPLおよび監視カメラC1のそれぞれの図示を省略している。
図3では、説明を分かりやすくするために、監視カメラC1の図示を省略している。
【0017】
取付部材10は、取付対象であるポールPLまたは壁W(
図7および
図8参照)の取付面と対向する背面板12Dを有する。背面板12Dは、略矩形状に形成される。
【0018】
また、背面板12Dの取付面と対向する面は、筐体11に覆われておらず、露出している。すなわち背面板12Dは、取付面と対向する面の反対側面(つまり、前面12AF)および上側面12AAが筐体11で覆われている。
【0019】
なお、本明細書において、上下方向とはポールPLの延伸方向と一致し、左右方向とはポールPLの延伸方向と直交する方向で、かつ、背面板12Dと平行な方向である。また、前後方向とはポールPLの延伸方向と直交する方向で、かつ、背面板12Dに垂直となる方向である。
【0020】
背面板12Dは、一対の凹部13A,13Bのそれぞれ(
図2、
図4参照)と、複数のビス孔31のそれぞれ(固定孔の一例)と、を備える。
【0021】
一対の凹部13A,13Bのそれぞれは、ポールPLの延伸方向に沿って、背面板12Dの上端部と下端部とにそれぞれ設けられる。また、一対の凹部13A,13Bのそれぞれは、背面板12Dの左右方向の略中央に設けられることが好ましい。一対の凹部13A,13Bのそれぞれは、所定の曲率を有し、ポール取付時にポールPLの設置面(表面)に接触する接触面として機能する。
【0022】
開口部21は、突出部12Aの下面12AG(
図8参照)に形成され、監視カメラC1に接続されるLAN(Local Area Network)ケーブルあるいは電源ケーブル等を挿通可能にする。なお、開口部21の位置は、突出部12Aの下面12AGに限定されず、上面12ACに形成されてもよい。
【0023】
ベルトB1は、突出部12Aの上側面12AAに形成された一対の貫通孔14Aのそれぞれに挿通される。ベルトB1は、一対の貫通孔14Aのそれぞれに挿通された状態で、両端が筐体11と一対の上側面12AAとの間に形成された間隙18をそれぞれ通って、ポールPL(不図示)に取り付け可能に引き出される。
【0024】
ベルトB2は、突出部12Aの側面12ABに形成された一対の貫通孔15Aのそれぞれに挿通される。ベルトB2は、一対の貫通孔15Aのそれぞれに挿通された状態で、両端が筐体11と一対の側面12ABとの間に形成された間隙18をそれぞれ通って、ポールPL(不図示)に取り付け可能に引き出される。
【0025】
ベルトB3は、突出部12Aの側面12ABに形成された一対の貫通孔15Aのそれぞれに挿通される。ベルトB3は、一対の貫通孔15Aのそれぞれに挿通された状態で、両端が筐体11と一対の側面12ABとの間に形成された間隙18をそれぞれ通って、ポールPL(不図示)に取り付け可能に引き出される。
【0026】
3組のベルトB1~B3のそれぞれは、引き出された一端部と他端部とが対応するコネクタCN1,CN2,CN3のそれぞれにより接続されることで、取付部材10をポールPLに取り付け可能に固定する。
【0027】
なお、背面板12Dは、
図2に示すように、左右方向の両側側面のうち3組のベルトB1~B3のそれぞれが引き出される引き出し位置に対応する6箇所に、ベルトB1~B3が挿通可能な切り欠き30が設けられてもよい。これにより、取付部材10は、ポールPLの径がより小さい場合であっても、ポールPLに対するベルトB1~B3のそれぞれの設置面(接触面)をより大きくすることができる。
【0028】
次に、
図4を参照して、取付部材10のベース部材12について説明する。
図4は、ポール取付時のベース部材12の斜視図である。なお、
図4では、説明を分かりやすくするために、監視カメラC1および筐体11のそれぞれの図示を省略している。
【0029】
突出部12Aは、連結部12Bと、背面板12Dとの間に設けられ、連結部12Bと背面板12Dとを接続する。連結部12Bは、突出部12Aと、カメラ取付部12Cとの間に設けられ、突出部12Aとカメラ取付部12Cとを接続(連結)する。カメラ取付部12Cは、連結部12Bに連続して設けられ、監視カメラC1の取付部20が接続される。背面板12Dは、突出部12Aに接続される。
【0030】
突出部12Aは、一対の上側面12AAおよび一対の側面12AB(側壁部の一例)と、上面12ACと、一対の中段上面12ADと、一対の中段下面12AEと、一対の下側面12AHと、前面12AF(前壁部の一例)と、下面12AGとを備える。
【0031】
一対の上側面12AAおよび一対の側面12ABと、上面12ACと、一対の中段上面12ADと、一対の中段下面12AEと、前面12AFと、下面12AGとのそれぞれは、背面板12DのポールPLまたは壁Wと対向する面と反対側で、かつ、背面板12Dの前後方向のカメラ取付部12C側に向かって形成される。
【0032】
一対の上側面12AAと、一対の側面12ABのそれぞれは、左右方向において、それぞれ異なる位置に形成される。また、一対の側面12ABは、一対の上側面12AAよりも背面板12Dの左右方向の側面に近接する。これにより、3組の貫通孔14A~16Aのそれぞれは、貫通孔14A~16Aの周縁部において、ポールPLの延伸方向に沿う方向のいずれか一方の周縁部に切り欠き部14B~16Bを形成することができる。
【0033】
前面12AFは、上下方向の上端側に上面12ACが接続され、左右方向の両端に一対の上側面12AAと、一対の中段上面12ADとがそれぞれ接続される。
【0034】
一方の中段上面12ADは、左右方向の一端が一方の上側面12AAの下端に接続され、他端が一方の側面12ABの上端にそれぞれ接続される。また、一方の中段上面12ADは、前後方向の一端が背面板12Dに接続され、他端が前面12AFにそれぞれ接続される。他方の中段上面12AD(不図示)は、左右方向の一端が他方の上側面12AA(不図示)の下端に接続され、他端が他方の側面12AB(不図示)に接続される。
【0035】
一対の中段下面12AEのそれぞれは、一対の中段上面12ADのそれぞれと対向してされた面である。また、一対の中段下面12AEは、左右方向に延伸して形成されて、左右方向の一端が側面12ABの下端に接続され、他端が下側面12AHの上端に接続される。また、一対の下側面12AHの下端は、左右方向に延伸して形成された下面12AGに接続される。
【0036】
カメラ取付部12Cは、円周方向に沿って3つの取付孔17A,17B,17Cのそれぞれを有する。3つの取付孔17A,17B,17Cのそれぞれは、監視カメラC1の取付部20が接続されて、監視カメラC1を取付部材10に取り付け可能にする。
【0037】
突出部12Aは、前面12AFの左右方向にそれぞれ接続された一対の上側面12AAを有する。突出部12Aは、それぞれ背面板12Dに接続された一対の上側面12AAのそれぞれに1つの貫通孔14Aが設けられ、一対の側面12ABのそれぞれにそれぞれ貫通孔15Aと貫通孔16Aとが設けられる。具体的に、一対の貫通孔14Aのそれぞれは、ベルトB1が挿通される。一対の貫通孔15Aのそれぞれは、ベルトB2が挿通される。一対の貫通孔16Aのそれぞれは、ベルトB3が挿通される。
【0038】
上面12ACは、左右方向の一端と他端とにそれぞれ切り欠き部14Bが設けられる。切り欠き部14Bは、上側面12AAに形成された貫通孔14Aの上端に連続する。
【0039】
一対の中段上面12ADのそれぞれは、左右方向のうち側面12ABが接続される側の端部に切り欠き部15Bが設けられる。切り欠き部15Bは、側面12ABに形成された貫通孔15Aの上端に連続する。
【0040】
一対の中段下面12AEのそれぞれは、左右方向のうち側面12ABが接続される側の端部に切り欠き部16Bが設けられる。切り欠き部16Bは、側面12ABに形成された貫通孔16Aの下端に連続する。
【0041】
これにより、取付部材10は、貫通孔14Aと切り欠き部14Bと、貫通孔15Aと切り欠き部15Bとがそれぞれ連続することで、上面12ACあるいは中段上面12AD等に雨水を溜まりにくくすることができ、錆等によるベース部材12の劣化をより効果的に抑制できる。また、取付部材10は、貫通孔16Aと切り欠き部16Bとが連続することで、埃等が下側面12AHに溜まりにくくなる。
【0042】
また、取付部材10は、各切り欠き部14B~16Bのそれぞれによって、雨水が流れやすくなるため、各貫通孔14A~16AのそれぞれへのベルトB1~B3の挿通部分において、ベルトB1~B3のそれぞれに付着した塩分を洗い流しやすくなる。また、取付部材10は、中段上面12ADが形成されているので、切り欠き部16Bにも雨水が流れ込みやすくなる。
【0043】
筐体11は、取付部材10の上側を覆う上側筐体11Aと、取付部材10の下側を覆う下側筐体11Bとで形成される。上側筐体11Aは、上側面と側面とを有している。下側筐体は側面と下側面を有している。
【0044】
上側筐体11Aは、カメラ取付部12Cの上側面と、連結部12Bの上側面と、前面12AFと、上面12ACと、上側面12AAと、中段上面12ADと、側面12ABにおける連結部12Bの側面の下端よりも上側かつ連結部12Bの下端よりも上側と、連結部12Bの側面の下端よりも上側に位置する背面板12Dの前面(取付面と反対側の面)および側面と、を覆う。
【0045】
下側筐体11Bは、連結部12Bの下側面、側面12ABにおける連結部12Bの側面の下端よりも下側と、中段下面12AEと、下側面12AHと、下面12AGと、連結部12Bの側面の下端よりも下側に位置する背面板12Dの前面(取付面と反対側の面)および側面と、を覆う。
【0046】
開口部21は、下側筐体11Bの下面に設けられる。
【0047】
上側筐体11Aと下側筐体11Bとは、組み合わせた状態で側面に重なる部分がある。より詳細には、上側筐体11Aは、下側筐体11Bと組み合わされる側面の下端から下方に延びる片が設けられ、下側筐体11Bの上端の切り欠かれた部分の外側面を覆っている。
【0048】
なお、取付部材10は、通常時、上側筐体11Aの上側面が背面板12Dの凹部13Aを覆い、下側筐体11Bが背面板12Dの凹部13Bを覆う。それぞれを覆う。取付部材10は、ポール取り付け時に、取付を行う人物により凹部13Aを覆う上側筐体11Aの上側面の一部分と、凹部13Bを覆う下側筐体11Bの一部分とがそれぞれ切り取られる。これにより、取付部材10は、一対の凹部13A,13BのそれぞれがポールPLの取付面に当接可能になる。
【0049】
次に、
図5および
図6のそれぞれを参照して、ベルトB2の引き出し構造について説明する。
図5は、
図3に示す取付部材10のA-A断面図である。
図6は、
図3に示す取付部材10のB-B断面図である。なお、
図5および
図6に示す例では、一例としてベルトB2の引き出し構造について説明するが、ベルトB1,B3も略同様であるため説明を省略する。
【0050】
一対の貫通孔15Aのそれぞれに挿通されたベルトB2は、筐体11と背面板12Dの左右方向の側面との間の間隙18(隙間の一例)を通って、それぞれ両端が筐体11内から筐体11外に引き出される。ポールPL(不図示)に取り付け可能に引き出される。
【0051】
次に、
図7および
図8のそれぞれを参照して、壁面取付時の監視カメラC1および取付部材10について説明する。
図7は、監視カメラC1の壁面取付時の外観斜視図である。
図8は、壁面取付時のベース部材12の斜視図である。なお、
図8に示す取付部材10は、説明を分かりやすくするために、筐体11の図示を省略している。
【0052】
ベース部材12の背面板12Dは、壁Wと対向する面であって、壁Wに接触する面が略水平面に形成される。ベース部材12は、背面板12Dに設けられた複数のビス孔31のそれぞれに複数のビス32(固定部材の一例)のそれぞれがビス留めされることで、背面板12Dと壁Wの壁面とが接触し、壁Wに取り付けられる。
【0053】
以上により、実施の形態に係る取付部材10(カメラの取付部材の一例)は、ポールPLまたは壁面に取り付け可能であって、監視カメラC1(カメラの一例)を取り付け可能なカメラ取付部12Cと、一端側がカメラ取付部12Cに接続された突出部12Aと、突出部12Aの他端に接続された背面板12Dと、を備える。突出部12Aは、背面板12Dからカメラ取付部12C側に向かって形成された一対の上側面12AA(側壁部の一例)および側面12AB(側壁部の一例)を有する。一対の上側面12AAおよび側面12ABは、少なくとも1本のベルトB1~B3を挿通可能な貫通孔14A~16Aを有する。背面板12Dは、複数のビス32(固定部材の一例)を螺合可能な複数のビス孔31(固定孔の一例)を有する。
【0054】
これにより、実施の形態に係る取付部材10は、監視カメラC1をポールPLまたは壁面のいずれにも取り付け可能にできる。
【0055】
また、実施の形態に係る取付部材10の背面板12Dは、ポールPLの表面に接触可能な凹部13A,13Bを有する。これにより、実施の形態に係る取付部材10は、監視カメラC1をポールPLに取り付ける場合、凹部13A,13BがポールPLの表面に接触することで、取付部20の取付位置を位置決めできる。
【0056】
また、実施の形態に係る取付部材10は、一対の上側面12AAの上端を接続する上面12ACを有する。貫通孔14Aは、一対の上側面12AAの上端側に開放され、上面12ACには貫通孔14Aと連続する切り欠き14B(切り欠きの一例)が設けられる。これにより、実施の形態に係る取付部材10は、上面12ACに雨水等の水滴を溜まりにくくし、また、ベルトB1に付着した塩分を水滴により洗い流しやすくする。したがって、取付部材10は、水滴および塩分によるベース部材12の劣化をより効果的に抑制できる。
【0057】
また、実施の形態に係る取付部材10の突出部12Aは、一対の上側面12AAおよび側面12ABを接続する前面12AF(前壁部の一例)を有する。前面12AFと上側面12AAおよび側面12ABとは、筐体11(カバー部材の一例)によって覆われる。これにより、実施の形態に係る取付部材10は、貫通孔14A~16Aが形成された上側面12AAおよび側面12ABや上面12ACや中段上面12ADにゴミ(埃、砂あるいは葉っぱ等)が溜まり込むことをより効果的に抑制できる。
【0058】
また、実施の形態に係る取付部材10の筐体11は、貫通孔14A~16Aを覆う。これにより、実施の形態に係る取付部材10は、貫通孔14A~16Aにゴミ(埃、砂、あるいは葉っぱ等)が溜まり込むことをより効果的に抑制できる。
【0059】
また、実施の形態に係る取付部材10の一対の上側面12AAおよび側面12ABは、筐体11との間にベルトB1~B3が挿通可能な間隙18(隙間の一例)を有する。これにより、実施の形態に係る取付部材10は、貫通孔14A~16Aに挿通されたベルトB1~B3のそれぞれを筐体11外に引き出すことができ、ベルトB1~B3のそれぞれによるポールPLへの取付を実現できる。
【0060】
また、実施の形態に係る取付部材10の筐体11は、背面板12Dを覆うように設けられる。背面板12Dの側面と、筐体11との間には、ベルトB1~B3が通過可能な間隙18を有する。これにより、実施の形態に係る取付部材10は、筐体11をポールPLに取り付け可能にできる。
【0061】
また、実施の形態に係る取付部材10の一対の側面は、上側面12AAと、側面12AB(中段側面の一例)とを有し、上側面12AAの下端と側面12ABの上端とを連結する中段上面12ADが設けられる。側面12ABの上端には、上端が開放された貫通孔15A(中段貫通孔の一例)が設けられる。中段上面12ADには、貫通孔15Aの上端と連続する切り欠き部15B(切り欠きの一例)が形成される。これにより、実施の形態に係る取付部材10は、中段上面12ADに雨水等の水滴を溜まりにくくし、また、貫通孔15Aに挿通されたベルトB2に付着した塩分を水滴により洗い流しやすくする。したがって、取付部材10は、水滴,塩分によるベース部材12の劣化をより効果的に抑制できる。
【0062】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本開示は、壁またはポール等の異なる取付対象にカメラを取り付け可能にするカメラの取付部材として有用である。
【符号の説明】
【0064】
10 取付部材
11 筐体
12 ベース部材
12A 突出部
12AA 上側面
12AB 側面
12AC 上面
12AD 中段上面
12AE 中段下面
12AF 前面
12AH 下側面
12AG 下面
12B 連結部
12C カメラ取付部
12D 背面板
13A,13B 凹部
14A,15A,16A 貫通孔
14B,15B,16B 切り欠き部
18 間隙
31 ビス孔
32 ビス
B1,B2,B3 ベルト
C1 監視カメラ
PL ポール
W 壁