(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145606
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ドア開放操作装置
(51)【国際特許分類】
E05B 85/18 20140101AFI20241004BHJP
E05B 81/64 20140101ALI20241004BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
E05B85/18 D
E05B85/18 A
E05B81/64
B60J5/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058040
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】芥川 勝利
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250LL01
2E250PP12
2E250PP15
2E250SS09
(57)【要約】
【課題】部品の配置によって操作口内に突出した部分へのカバーの干渉による作動不良を防止できるドア開放操作装置を提供する。
【解決手段】ドア開放操作装置10は、操作口15cを有するベース15と、閉鎖位置と開放位置との間の移動が許容されるようにベース15に配置されたカバー30と、カバー30と重なるようにカバー30の背部へ車長方向前側に突出した突出部17と、カバー30を車長方向前側に移動させながら車内側へ回動させる回避機構50とを備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作口を有し、車両のドアパネルに沿って取り付けられるベースと、
前記操作口を閉鎖した閉鎖位置と、前記閉鎖位置よりも車内側に位置して前記操作口を開放した開放位置との間の移動が許容されるように、前記ベースに配置されたカバーと、
前記閉鎖位置の前記カバーよりも車内側に位置し、車外側から見て前記カバーと重なるように前記カバーの背部へ第1の向きに突出した突出部と、
前記カバーを前記閉鎖位置から前記開放位置に移動させるとき、前記カバーを前記第1の向きに移動させながら前記車内側へ回動させる回避機構と
を備える、ドア開放操作装置。
【請求項2】
前記カバーは、前記第1の向きに延びるように前記ベースに配置された回転軸に軸支されており、
前記回避機構は、
前記カバー及び前記ベースのうちの一方に設けられ、前記回転軸に対して交差する向きへ突出した棒状の突部と、
前記カバー及び前記ベースのうちの他方に設けられ、前記カバーを前記閉鎖位置から前記開放位置に移動させるとき、前記突部と摺接して前記カバーを前記回転軸に沿って前記第1の向きへ移動させるガイド面と
によって構成されている、請求項1に記載のドア開放操作装置。
【請求項3】
前記突部の先端には、前記ガイド面に摺接する球状の摺接部が設けられている、請求項2に記載のドア開放操作装置。
【請求項4】
前記カバーを前記第1の向きとは逆向きに移動させる付勢力と、前記カバーを前記開放位置から前記閉鎖位置に向けて車外側へ回動させる付勢力とを付与する付勢部材を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のドア開放操作装置。
【請求項5】
前記付勢部材はねじりコイルバネからなる、請求項4に記載のドア開放操作装置。
【請求項6】
前記閉鎖位置に移動した前記カバーの外周縁と前記操作口の口縁との間に、前記カバーの前記第1の向きへの移動と前記車内側への回動を許容する間隙を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のドア開放操作装置。
【請求項7】
前記ベースには、前記操作口の口縁から車内側へ突出する口壁が設けられ、
前記突出部は、前記口壁のうち車外側から車内側に向かうに従って前記第1の向きへ突出するように傾斜した傾斜壁の一部によって構成されており、
前記傾斜壁には、前記操作口を介してキー差込面が車外側に露出するように、前記ベースに対してキーシリンダが取り付けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載のドア開放操作装置。
【請求項8】
前記カバーを前記閉鎖位置から前記開放位置に移動させるためのアクチュエータと、
前記アクチュエータの駆動力によって前記カバーを操作するための操作レバーと
を備え、
前記カバーには、前記操作レバーに向けて突出し、前記第1の向きへの前記カバーの移動を許容しつつ、前記操作レバーの操作を受ける板状の操作受部が設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載のドア開放操作装置。
【請求項9】
前記操作レバーには、前記カバーの前記操作受部に当接する球面状の当接部が設けられている、請求項8に記載のドア開放操作装置。
【請求項10】
前記ベースの車内側の前記操作口の周囲には、車両のドアを閉状態に保持するラッチ機構を電動でラッチ解除するための操作部と、前記ラッチ機構を手動でラッチ解除するための開放レバーとが配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のドア開放操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア開放操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されたドア開放操作装置は、車外側のドアパネルに配置され、ドアラッチ装置が備えるラッチ機構をラッチ状態からラッチ解除に切り換えてドアを開放可能とする。このドア開放操作装置は、カバー、アクチュエータ、及び開放レバーを備える。アクチュエータによる車内側へのカバーの回動によって操作口が開口され、この操作口に手を差し込んで開放レバーを操作する。これにより、ラッチ機構がラッチ解除されてドアが開放可能になる。
【0003】
ドア開放操作装置は更に、車両のバッテリが容量不足のときにドアを開放するためのキーシリンダを備える。このキーシリンダは、操作口と同じくカバーで覆われている。キーシリンダは車長方向に延びるように配置され、キーシリンダのキー差込面は回動時のカバーに干渉しないように車幅方向に延びるように配置されている。カバーを手動で車内側に押し込んで操作口を開口させ、メカキーをキーシリンダに差し込んで操作する。これにより、ドアラッチ装置が備えるロック機構がロック状態からアンロック状態に切り換えられ、ラッチ機構のラッチ解除によってドアが開放可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のドア開放操作装置では、操作口の内側のキーシリンダに対してメカキーを車長方向に差し込んで操作する必要があるため、操作性が悪い。この操作性に関する不都合は、キーシリンダを傾斜させて配置し、キー差込面が操作口を介して車外側に臨むようにすれば解消できる。しかし、この場合、キーシリンダ自体又はキーシリンダを配置する部分が操作口内へ突出するため、この突出部へのカバーの干渉によって作動不良が生じ得る。この作動不良は、操作性を踏まえたキーシリンダの配置に限られず、キーシリンダ以外の部品の配置によっても生じ得る。
【0006】
本発明は、部品の配置によって操作口内に突出した部分へのカバーの干渉による作動不良を防止できるドア開放操作装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、操作口を有し、車両のドアパネルに沿って取り付けられるベースと、前記操作口を閉鎖した閉鎖位置と、前記閉鎖位置よりも車内側に位置して前記操作口を開放した開放位置との間の移動が許容されるように、前記ベースに配置されたカバーと、前記閉鎖位置の前記カバーよりも車内側に位置し、車外側から見て前記カバーと重なるように前記カバーの背部へ第1の向きに突出した突出部と、前記カバーを前記閉鎖位置から前記開放位置に移動させるとき、前記カバーを前記第1の向きに移動させながら前記車内側へ回動させる回避機構とを備える、ドア開放操作装置を提供する。
【0008】
カバーを閉鎖位置から開放位置に移動させるとき、カバーを第1の向きに移動させながら車内側へ回動させる回避機構を備える。これにより、カバーの背部に突出した突出部へのカバーの干渉を防止できるため、カバーの作動不良を防止できる。また、開放位置に移動したカバーは操作口に対して平行に位置するため、ドア開放操作装置の美観を損なうことはない。また、操作性を踏まえたキーシリンダの配置によって突出部が形成されている場合、車外側に臨むようにキー差込面を配置できるため、手動でドアを開放するとき、メカキーによるキーシリンダの操作性を向上できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のドア開放操作装置では、部品の配置によって操作口内に突出した部分へのカバーの干渉による作動不良を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るドア開放操作装置の正面図。
【
図3】車外側から見たドア開放操作装置の分解斜視図。
【
図4】車内側から見たドア開放操作装置の分解斜視図。
【
図8】ベース、カバー、及び操作レバーの関係を示す斜視図。
【
図10】車内側から見たカバーによる操作口の閉鎖状態を示す背面図。
【
図11】
図10の閉鎖状態をXI-XI線で切断したキーシリンダ、カバー、及び操作レバーの関係を示す図。
【
図12】車内側から見たカバーの回動過程の状態を示す背面図。
【
図13】
図12の回動過程の状態をXIII-XIII線で切断したキーシリンダ、カバー、及び操作レバーの関係を示す図。
【
図14】車内側から見たカバーによる操作口の開放状態を示す背面図。
【
図15】
図14の開放状態をXV-XV線で切断したキーシリンダ、カバー、及び操作レバーの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0012】
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施形態に係るドア開放操作装置10は、ドアのアウタパネル(ドアパネル)1に取り付けられ、ドアに配置されたドアラッチ装置5を操作して閉状態のドアを開放可能とする。本実施形態のドア開放操作装置10は右サイドドア用である。但し、ドア開放操作装置10は左サイドドア用であってもよく、この場合、ドア開放操作装置10の構成部品は、線対称な形状及び配置となる。
【0013】
添付図面におけるX方向は車長方向であり、矢印が示す向きが前側かつ本発明の第1の向きであり、矢印とは逆向きが後側である。Y方向は車幅方向であり、矢印が示す向きが内側(車内側)で、矢印とは逆向きが外側(車外側)である。Z方向は車高方向であり、矢印が示す向きが上側で、矢印とは逆向きが下側である。
【0014】
ドアラッチ装置5とドア開放操作装置10は、車両に搭載されたECU(Electronic Control Unit)3に接続され、ECU3からの信号に従って電動で作動可能である。ECU3には、車外の電子キー(図示せず)とLF(Low Frequency)信号による通信を行い、電子キーから受信した認証コードを登録された正規コードと比較して、これらが合致(成立)すれば正規ユーザであると判断する認証装置4が接続されている。
【0015】
ドアラッチ装置5の概要を説明すると、ドアラッチ装置5は、ラッチ機構6、ロック機構7、及び電動切換機構8を備え、ドアのエンドパネル2に沿って配置されている。
【0016】
ラッチ機構6は、フォークとクローを備え、ラッチ状態とラッチ解除に切り換えられる。ラッチ状態ではフォークが車体のストライカを保持し、ドアを閉状態に保持する。ラッチ解除ではフォークがストライカを解放し、ドアが開放可能となる。ラッチ解除からラッチ状態への切り換えは、開状態のドアを閉じることによるフォークへのストライカの進入(回動)によって行われる。ラッチ状態からラッチ解除への切り換えは、ドア開放操作装置10の操作によって2通りの方法で行われる。第1の方法では、ドア開放操作装置10が備えるセンサユニット20の操作を検出したECU3が、電動切換機構8を介して電動で切り換える。第2の方法では、ドア開放操作装置10が備える開放レバー23の操作によって、ユーザが手動で切り換える。
【0017】
ロック機構7は、複数のレバー等によって構成されており、ラッチ機構6をラッチ状態からラッチ解除に切換可能なアンロック状態と、ラッチ機構6をラッチ状態からラッチ解除に切換不可能なロック状態に切り換えられる。アンロック状態とロック状態の切り換えは、2通りの方法で行われる。第1の方法では、ECU3が電動切換機構8を介して電動で切り換える。第2の方法では、ドア開放操作装置10が備えるキーシリンダ28の操作によって、ユーザが手動で切り換える。
【0018】
電動切換機構8は、電動モータを含む複数のレバー等によって構成されており、ラッチ機構6のラッチ状態からラッチ解除への切り換えと、ロック機構7のアンロック状態とロック状態の切り換えとを、電動で行うことが可能である。この電動切換機構8は、ECU3からの信号に従ってロック機構7をアンロック状態からロック状態に切り換え、意図しないドアの開放を防止する。また、電動切換機構8は、ECU3からの信号に従って、ロック機構7をロック状態からアンロック状態に切り換えるとともに、ラッチ機構6をラッチ状態からラッチ解除に切り換え、ドアを開放可能とする。
【0019】
次に、本実施形態のドア開放操作装置10について説明する。
【0020】
図5から
図7を参照すると、ドア開放操作装置10は、ベース15及び外装カバー16によって構成された外装体を備え、アウタパネル1の車内側の面に取り付けられている。
図2から
図4を参照すると、ドア開放操作装置10は、センサユニット(操作部)20、開放レバー23、キーシリンダ28、カバー30、及びアクチュエータ40を備え、これらがベース15に組み付けられている。
【0021】
図3から
図6を参照すると、ベース15は、アウタパネル1に沿って配置される湾曲したベース壁15aと、ベース壁15aから車内側に突出した一対の側壁15bとを備える。ベース壁15aには、アウタパネル1の開口部1aと対応して、車長方向に延びる長方形状の操作口15cが設けられている。開口部1a内に位置する部分のみ、ドア開放操作装置10は車外に露出している。
【0022】
センサユニット20、開放レバー23、及びカバー30は、ベース15の一対の側壁15b間に配置され、外装カバー16によって覆われている。キーシリンダ28は、ベース15の車長方向後側の側壁15bの外側に配置され、カバー部15dによって一部が覆われている。アクチュエータ40は、ベース15の車長方向前側に延設されたカバー部15eに配置されている。カバー部15e内と操作口15cの下方とは連通している。
【0023】
図7を参照すると、本実施形態のドア開放操作装置10では、キーシリンダ28にメカキー(図示せず)を差し込んで操作するときの操作性を考慮し、キーシリンダ28が車幅方向及び車長方向に対して傾斜して配置されている。これにより、ベース15のキーシリンダ28を配置する部分は、傾斜壁15gによって構成されている。この傾斜壁15gの車内側の一部は、閉鎖位置のカバー30のカバー本体30aよりも車内側に位置し、車幅方向外側から見てカバー本体30aと重なるようにカバー本体30aの背部(車内側)に突出した突出部17となる。
【0024】
一方で、カバー30は、
図10及び
図11に示す閉鎖位置と
図14及び
図15に示す開放位置との間を、
図12及び
図13に示す回動過程を経て回動可能である。この回動時、ベース15の突出部17に干渉することなく、突出部17を回避してカバー30を移動させるために、本実施形態では回避機構50が設けられている。この回避機構50は、カバー30に設けられた棒状の突部51と、ベース15に設けられたガイド面53aを含むガイド壁53とによって構成されている。
【0025】
以下、センサユニット20、開放レバー23、キーシリンダ28、カバー30、アクチュエータ40、及び回避機構50について具体的に説明する。
【0026】
図2、
図4、及び
図5を参照すると、センサユニット20は、車両に搭載されたバッテリの容量が定められた閾値を上回る通常時、電動でラッチ機構6をラッチ解除するために設けられている。このセンサユニット20は、操作口15cの上側(周囲)に位置するようにベース15の車内側に配置され、操作口15cから車内側に差し込んだ手によって操作可能である。
【0027】
センサユニット20は、静電容量の変化によってユーザによる開操作を検出可能な静電容量センサによって構成されており、ユーザによる開操作を検出するとECU3に信号を出力する。これによりECU3が電動切換機構8を作動させて、ラッチ機構6をラッチ状態からラッチ解除に切り換える。但し、ユーザが開操作する操作部は、マイクロスイッチを用いたスイッチユニットであってもよい。
【0028】
図2、
図4、及び
図6を参照すると、開放レバー23は、バッテリの容量が閾値を下回る不足状態のとき等の非常時、つまり電動でラッチ機構6を作動できないときに、手動でラッチ機構6をラッチ解除するために設けられている。この開放レバー23は、センサユニット20の車長方向前側に隣接して配置され、操作口15cから車内側に差し込んだ手によって操作可能である。
【0029】
開放レバー23は、ベース15に回転可能に支持される断面矩形状(非円形状)の軸24を備え、
図6に実線で示す非操作位置と
図6に破線で示す操作位置との間を軸24と一体に回動可能である。開放レバー23は、トーションスプリング25によって
図6に実線で示す非操作位置に付勢されている。軸24のうちベース15から車長方向後側に突出した部分には、図示しないロッドを介してラッチ機構6に機械的に接続されるオープンレバー26が固着されている。ロック機構7がアンロック状態のとき、
図6に破線で示す操作位置に開放レバー23を操作することによって、オープンレバー26が
図6に破線で示す位置に時計まわりに回動し、ラッチ機構6がラッチ状態からラッチ解除に切り換えられる。
【0030】
図2、
図4、及び
図7を参照すると、キーシリンダ28は、非常時に手動でロック機構7をロック状態からアンロック状態に切り換えるために設けられている。このキーシリンダ28は、操作口15cと対応するようにベース15の車長方向後側に配置されている。詳しくは、ベース15には、操作口15cの口縁から車幅方向内側に突出する口壁15fが設けられている。この口壁15fの両側部分は、側壁15bの一部によって構成されている。口壁15fのうち、キーシリンダ28を配置する車長方向後側の部分は、車幅方向内側に向かうに従って、操作口15c内である車長方向前側へ突出するように傾斜した傾斜壁15gによって構成されている。この傾斜壁15gには、キーシリンダ28のキー差込面28aを露出させる貫通孔15hが設けられている。アウタパネル1が延びる方向であるXZ平面に対する傾斜壁15gの傾斜角度、つまりキー差込面28aの傾斜角度は、メカキーをキーシリンダ28に差し込んで操作する操作性を考慮して設定される(例えば40度)。このように形成された傾斜壁15gの車内側の一部は、閉鎖位置のカバー本体30aよりも車内側に位置し、ベース壁15aに沿って車長方向前側(第1の向き)へ突出している。つまり、傾斜壁15gの一部は、操作性を踏まえたキーシリンダ28の配置によって、カバー本体30aと重なるようにカバー本体30aの背部に突出した突出部17である。
【0031】
キーシリンダ28は、貫通孔15h及び操作口15cを介してキー差込面28aが車外側に臨むように、ベース15の傾斜壁15gに配置されている。キーシリンダ28は、図示しないロッドを介してロック機構7に機械的に接続されている。操作口15cと貫通孔15hを通してキーシリンダ28にメカキーを差し込んで回動操作することによって、ロック機構7がロック状態からアンロック状態に切り換えられる。
【0032】
図2から
図4を参照すると、カバー30は、操作口15cと対応するようにベース15の車内側中央に配置されている。このカバー30は、操作口15cを開放可能に閉鎖するカバー本体30a、カバー本体30aから下向きに突出した板状のアーム部30b、及びアーム部30bの下端から車長方向に間隔をあけて突出した一対の軸着部30cを備える。また、カバー30は、ベース15の操作口15cの下側に設けられた軸受部15iに支持される回転軸31を備え、この回転軸31に一対の軸着部30cが回動可能に支持されている。車長方向前側に位置する軸着部30cには、アクチュエータ40に向けて車長方向前側に突出した腕部30eを介して、板状の操作受部30dが設けられている。
【0033】
このように構成されたカバー30は、
図10及び
図11に示す閉鎖位置と
図14及び
図15に示す開放位置との間を移動可能である。
図10及び
図11に示す閉鎖位置では、カバー本体30aによって操作口15cを閉鎖する。
図14及び
図15に示す開放位置では、カバー本体30aが操作口15cから車内側に離れ、操作口15cを開放する。
図10及び
図11に示す閉鎖位置から
図14及び
図15に示す開放位置に向けた車内側へのカバー30の開作動は、通常時にはアクチュエータ40の駆動力によって電動で行われ、非常時にはユーザの押込操作によって手動で行われる。
図14及び
図15に示す開放位置から
図10及び
図11に示す閉鎖位置に向けた車外側へのカバー30の閉作動は、ねじりコイルバネ(付勢部材)32の付勢力によって行われる。
【0034】
図10を参照すると、ねじりコイルバネ32は、線材を螺旋状に巻回したコイル部32aと、コイル部32aの両端から突出した一対の係止部32bとを備える。コイル部32aは、車長方向に隣り合う線材が間隔をあけて位置している。コイル部32aの車長方向の前端は、ベース15に形成されたストッパ部15jに位置決めされ、コイル部32aの車長方向の後端は、カバー30の車長方向後側に位置する軸着部30cに位置決めされている。一対の係止部32bのうち、一方はベース15に係止され、他方はカバー30に係止されている。
【0035】
開作動時のカバー30は、アクチュエータ40の駆動力又はユーザの操作力によって、回転軸31まわりを車内側に回動するとともに、後に詳述する回避機構50によって回転軸31に沿って車長方向前側に移動する。これにより、ねじりコイルバネ32は、回転軸31まわりに圧縮されるとともに、回転軸31に沿って車長方向に圧縮される。そのため、ねじりコイルバネ32には、カバー30を車外側へ回動させる付勢力と、車長方向後側に移動させる付勢力とが蓄えられる。その結果、負荷が無くなったカバー30は、ねじりコイルバネ32の付勢力によって、回転軸31まわりを車外側に回動するとともに、回転軸31に沿って車長方向後側に移動する。
【0036】
引き続いて
図2から
図4を参照すると、アクチュエータ40は、操作レバー42を介してカバー30を開作動させる。このアクチュエータ40は、ベース15の車長方向前側に配置されている。アクチュエータ40は、出力部材41、出力部材41を回動させるためのモータ(図示せず)、及びモータの出力を出力部材41に伝達して回動させる伝達機構(図示せず)を備える。出力部材41には操作レバー42が固着されている。モータによって出力部材41が
図5において時計回りに回動されることによって、操作レバー42が一体に時計回りに回動する。これにより、操作レバー42が操作受部30dを
図5において下向きに押圧することによって、カバー30が
図5に破線で示す開放位置に回動する。
【0037】
アクチュエータ40は、ECU3に接続するためのコネクタ40aを備え、ECU3からの信号に従ってカバー30を開作動させる。但し、アクチュエータ40は、単一又は複数のマイクロコンピュータ、及びその他の電子デバイスにより構成された専用の制御部によって制御されてもよい。
【0038】
図7から
図9を参照すると、回避機構50は、操作性を踏まえたキーシリンダ28の配置によって車長方向前側に突出した傾斜壁15gの突出部17を回避して、
図10及び
図11に示す閉鎖位置と
図14及び
図15に示す開放位置にカバー30を移動させるために設けられている。この回避機構50は、カバー30の一対の軸着部30cにそれぞれ設けられた棒状で一対の突部51と、ベース15のベース壁15aの背面側に設けられたガイド面53aを含む一対のガイド壁53とによって構成されている。
【0039】
突部51とガイド面53aによってカバー30は、車幅方向の回動に連動して回転軸31に沿って車長方向に移動可能である。つまり、カバー30は、アクチュエータ40の駆動力又はユーザの操作力によって車内側へ回動しながら、突部51とガイド面53aの摺接によって回転軸31に沿って車長方向前側に移動する。より具体的には、カバー30は、
図7に実線で示す閉鎖位置、破線で示す回動過程、及び一点鎖線で示す開放位置のように、閉鎖位置から開放位置に移動させるとき、車内側に向かうに従って車長方向前側へ向かうように斜めに移動する。
【0040】
以下、突部51とガイド面53a、及びこれらに関連するベース15、カバー30、及び操作レバー42の構成を具体的に説明する。
【0041】
図7から
図9を参照すると、カバー30が備える回転軸31は、突出部17の突出方向である車長方向に沿って延びるように、ベース15の軸受部15iに支持されている。回避機構50を設けない場合、カバー30は、車長方向に移動できないため、カバー本体30aの背部に突出した突出部17に干渉して作動不良が生じ得る。このような不都合の発生を防ぐために、本実施形態では回避機構50が設けられている。
【0042】
回避機構50を構成する突部51は、カバー30の軸着部30cから回転軸31に対して交差する向きである車内側に突出し、車内側に向かうに従って下側へ傾斜している。アーム部30bに対する突部51の傾斜は、カバー30が
図14及び
図15に示す開放位置に移動したとき、突部51がベース15に当接しない角度に設定されている。突部51の先端には、ガイド面53aに摺接する摺接部51aが設けられている。この摺接部51aは、突部51の直径よりも大きい直径の球状であり、突部51から膨出している。
【0043】
回避機構50を構成するガイド壁53は、車長方向前側に間隔をあけて設けられた補助壁54とともに、突部51を誘導するガイド溝52を構成する。
図10を参照すると、ガイド壁53と補助壁54は、ベース壁15aから突出しており、閉鎖位置にあるカバー30の摺接部51aを挟み込むことが可能な高さ位置まで延びている。ガイド溝52は、ガイド壁53の車長方向前側の面であるガイド面53aと、補助壁54の車長方向後側の面である補助面54aとによって画定されている。ガイド面53aと補助面54aの間の車長方向の幅は、突部51の摺接部51aの移動を妨げない範囲で可能な限り小さい寸法に設定されている。
【0044】
ガイド面53aは、カバー30を開作動させるとき、摺接部51aの摺接によってカバー30を回転軸31に沿って車長方向前側へ移動させる。一方で、ガイド面53aは、カバー30を閉作動させるとき、車長方向後側へのカバー30の過度な移動を阻止しながら、
図10及び
図11に示す閉鎖位置に移動させる。補助面54aは、閉鎖位置にあるカバー30の車長方向前側への移動を阻止する。
【0045】
ガイド面53aは、上側から下側に向かうに従って車長方向前側に徐々に突出する曲面状である。より具体的には、ガイド面53aは、車長方向後側に突出した円弧状の上側円弧部53bと、車長方向前側に突出した下側円弧部53cとを備える。下側円弧部53cの曲率は、車長方向へのカバー30の移動によって、突出部17へのカバー本体30aの干渉を回避できる大きさに設定されている。つまり、ガイド面53aの曲率は、突出部17の重なり代に応じて設定及び変更される。これにより、カバー本体30aは、
図7に実線で示す閉鎖位置、破線で示す回動過程、及び一点鎖線で示す開放位置のように、操作口15cに対して平行の姿勢を維持したまま車内側へ移動可能である。補助面54aは、下側円弧部53cと同一の中心を有する円弧状である。これにより、カバー30を開作動させるとき、車長方向前側にカバー30を移動させることによって、突出部17へのカバー本体30aの干渉を回避できる。
【0046】
カバー30の閉作動は、前述のようにねじりコイルバネ32の付勢力によって行われる。ねじりコイルバネ32には、カバー30の開作動によってカバー30を車外側へ回動させる付勢力と、車長方向後側に移動させる付勢力とが蓄えられている。よって、閉作動時にねじりコイルバネ32は、カバー30を車長方向後側に付勢しながら車外側に付勢する。車長方向の付勢によって突部51の摺接部51aがガイド面53aに当接し、車幅方向の付勢によって摺接部51aがガイド面53aに摺接することにより、突出部17にカバー本体30aが干渉しないように、カバー30を
図10及び
図11に示す閉鎖位置に移動できる。
【0047】
図5、
図6、及び
図10を参照すると、閉鎖位置に移動されたカバー本体30aの外周縁と操作口15cの口壁(口縁)15fとの間には、間隙55が確保されている。この間隙55は、開作動時のカバー30の車長方向前側への移動と車内側への回動、及び閉作動時のカバー30の車長方向後側への移動と車外側への回動とを許容する幅に設定されている。
【0048】
図7、
図11、
図13、及び
図15を参照すると、アクチュエータ40の出力部材41に取り付けられた操作レバー42は、カバー30の操作受部30dを下向きに押圧することによって、カバー30を車内側へ回転軸31まわりに回動させる。開作動時にカバー30は、回転軸31に沿って車長方向前側に移動するため、操作受部30dと操作レバー42は以下のように構成されている。
【0049】
カバー30の操作受部30dは、軸着部30dから車幅方向前側に突出した腕部30eの先端に設けられている。この操作受部30dは、
図10及び
図11に示す閉鎖位置にカバー30が位置しているとき、概ね車幅方向及び車長方向に板状に延びている。操作受部30dの車長方向の寸法は、カバー30の車長方向の移動ストロークに対応している。これにより操作受部30dは、車長方向前側へのカバー30の移動を許容しつつ、操作レバー42の操作を受けることが可能となっている。
【0050】
操作レバー42は、出力部材41に対し、出力部材41の車長方向に延びる回転軸Ar(
図7参照)と間隔をあけた偏心位置に固着される基部42aを備え、カバー30の操作受部30dの上側まで延びている。この操作レバー42の操作受部30dに当接する先端部分には、球面状の当接部(操作部)42bが設けられている。これにより、出力部材41の回動によって偏心位置にある操作レバー42は、当接部42bによって操作受部30dとの間の摩擦抵抗を低減しつつ、操作受部30dを押圧してカバー30を車内側に回動できる。
【0051】
次に、
図2を参照して、ECU3によるドアラッチ装置5とドア開放操作装置10の制御の一例を説明する。
【0052】
通常時、車両が停車又は駐車された状態で、認証装置4は、キー認証によってドアの近傍に正規ユーザが存在しているか否か判断する。ECU3は、認証装置4による判断結果が正規ユーザの存在を示す場合、アクチュエータ40を作動させ、カバー30を車内側に移動させて操作口15cを開放する。なお、アクチュエータ40を作動させるための専用のスイッチ又はセンサをドアに配置してもよい。
【0053】
カバー30の開作動時、カバー30の車内側には、キーシリンダ28を取り付けるための傾斜壁15gが車長方向前側へ突出している。しかし、本実施形態では、ガイド面53aへの摺接部51aの摺接によって、カバー30が車長方向前側へ移動するため、傾斜壁15gの突出部17にカバー本体30aが干渉することはない。
【0054】
具体的には、
図10、
図11、及び
図7に実線で示す閉鎖位置から
図12、
図13、及び
図7に破線で示す回動過程の位置に、カバー本体30aが突出部17を回避するように、カバー30が車内側に回動しながら車長方向前側に移動する。その後、
図14、
図15、及び
図7に一点鎖線で示す開放位置に、引き続いてカバー30が車内側に回動しながら車長方向前側に移動する。
【0055】
図14及び
図15に示す開放位置にカバー30が移動すると、ユーザは、開放した操作口15cに手を差し込んでセンサユニット20に触れる(開操作)。これにより、センサユニット20から開操作を示す信号が入力されたECU3は、電動切換機構8を作動させて、ロック機構7をロック状態からアンロック状態に切り換えるとともに、ラッチ機構6をラッチ状態からラッチ解除に切り換える。これによりユーザは、そのままドアを引くことによって開放できる。
【0056】
一方で、
図14及び
図15に示すカバー30の開放状態で、ユーザが車内に乗り込むと、又はドアの近傍からユーザが離れると、ECU3は、アクチュエータ40を作動前の状態に復帰させる。これにより、カバー30は、ねじりコイルバネ32の付勢力によって回動し、操作口15cを閉鎖する。
【0057】
カバー30の閉作動時、カバー30は、ねじりコイルバネ32による付勢力にガイド面53aへの摺接部51aの摺接が伴い、車長方向後側に移動しながら車外側に回動する。よって、この閉作動時にも、突出部17にカバー30のカバー本体30aが干渉することはない。
【0058】
具体的には、
図14、
図15、及び
図7に一点鎖線で示す開放位置から
図12、
図13、及び
図7に破線で示す回動過程の位置に、ねじりコイルバネ32による付勢力によって、カバー30が車外側に回動しながら車長方向後側に移動する。この際、ガイド面53aへの摺接部51aの当接と摺接によって、突出部17へのカバー本体30aの干渉が回避される。その後、
図10、
図11、及び
図7に実線で示す閉鎖位置に、引き続いてカバー30が車外側に回動しながら車長方向後側に移動する。
【0059】
電動でドアを開放できない非常時、ユーザは、カバー30を車内側に押し込むことによって、ねじりコイルバネ32の付勢力に抗してカバー30を車内側に回動させ、操作口15cを開放させる。この際も、ガイド面53aへの摺接部51aの摺接によって、カバー30を車長方向前側へ移動できるため、突出部17にカバー本体30aが干渉することはない。また、アクチュエータ40の操作レバー42は、カバー30の操作受部30dの上側(車外側)に位置するため、カバー30の押込操作によって連動して回動することはない。
【0060】
手動で操作口15cを開放させると、続いてユーザは、メカキーをキーシリンダ28に差し込んで操作することによって、ロック機構7をロック状態からアンロック状態に切り換える。この際、キーシリンダ28を配置する部分を傾斜壁15gとしていない場合、つまりキー差込面28aが車幅方向(YZ平面)に沿って平行に延びる場合、操作口15c内に位置するキーシリンダ28にメカキーを差し込んで操作するは困難である。これに対し、本実施形態では、キーシリンダ28は傾斜壁15gに配置され、キー差込面28aが操作口15cを介して車外側に露出しているため、メカキーを良好に差し込んで回転させることができる。
【0061】
ロック機構7をアンロック状態に切り換えると、引き続いてユーザは、開放レバー23を車外側へ操作する。これにより、ラッチ機構6がラッチ状態からラッチ解除に切り換えられるため、そのままドアを引くことによって開放できる。
【0062】
このように構成されたドア開放操作装置10は、以下の特徴を有する。
【0063】
カバー30を閉鎖位置から開放位置に移動させるとき、カバー30を車長方向前側に移動させながら車内側へ回動させる回避機構50を備える。これにより、カバー30の背部に車長方向前側へ突出した突出部17へのカバー30の干渉を防止できるため、カバー30の作動不良を防止できる。また、開放位置に移動したカバー30は操作口15cに対して平行に位置するため、ドア開放操作装置10の美観を損なうことはない。また、操作性を踏まえたキーシリンダ28の配置によって突出部17が形成されている場合、車外側に臨むようにキー差込面28aを配置できるため、手動でドアを開放するとき、メカキーによるキーシリンダ28の操作性を向上できる。
【0064】
回避機構50は、カバー30に設けられた突部51と、ベース15に設けられて、突部51と摺接してカバー30を回転軸31に沿って車長方向前側へ移動させるガイド面53aとによって構成されている。これにより、カバー30を閉鎖位置から開放位置に移動させるとき、突出部17に干渉しないようにカバー30を回転軸31に沿って車長方向前側へ移動させながら車内側へ確実に回動できる。
【0065】
突部51の先端にはガイド面53aに摺接する球状の摺接部51aが設けられている。これにより、突部51とガイド面53aの間の抵抗を低減できるため、回転軸31に沿った方向のカバー30の移動を円滑に実現できる。
【0066】
カバー30を車外側へ回動させる付勢力と、カバー30を車長方向後側に移動させる付勢力とを付与するねじりコイルバネ32を備える。これにより、回避機構50による作用が伴い、カバー30を突出部17に干渉させることなく開放位置から閉鎖位置に移動できる。
【0067】
付勢部材がねじりコイルバネからなるため、1つの付勢部材によって、カバー30の車長方向後側の移動と車外側への回動とを実現できるため、部品点数の削減と構造の簡素化を図ることができる。
【0068】
閉鎖位置に移動したカバー30の外周縁と操作口15cの口縁(口壁15f)との間に、カバー30の車長方向前側への移動と車内側への回動を許容する間隙55を有する。これにより、カバー30が、閉鎖位置と開放位置の間の移動によって操作口15cの口縁に干渉することを確実に防止できる。
【0069】
突出部17は、操作口15cの口縁から車内側へ突出した口壁15fのうち、車外側から車内側に向かうに従って車長方向前側へ突出するように傾斜した傾斜壁15gの一部によって構成されており、この傾斜壁15gにキーシリンダ28が取り付けられている。これにより、操作口15cを介してキー差込面28aが車外側に露出するため、手動でドアを開放するとき、メカキーによるキーシリンダ28の操作性を向上できる。
【0070】
アクチュエータ40の駆動力によってカバー30を操作する操作レバー42を備え、カバー30には、操作レバー42に向けて突出し、車長方向前側へのカバー30の移動を許容しつつ、操作レバー42の操作を受ける板状の操作受部30dが設けられている。これにより、カバー30を閉鎖位置から開放位置に移動させるとき、突出部17に干渉しないように、カバー30を車長方向前側へ移動させながら車内側へ確実に回動できる。
【0071】
操作レバー42には、カバー30の操作受部30dに当接する球面状の当接部42bが設けられている。これにより、カバー30を閉鎖位置から開放位置に移動させるとき、車長方向前側へのカバー30の移動を円滑に実現できる。
【0072】
なお、本発明は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0073】
例えば、回避機構50を構成する突部51を案内するために、補助壁54は設けることなく、ガイド面53aを有するガイド壁53のみを設けてもよい。突部51とガイド面53aを含むガイド壁53とは、それぞれ1箇所のみであってもよいし、それぞれ3箇所以上であってもよい。また、突部51をベース15に設け、ガイド面53aを含むガイド壁53をカバー30に設けてもよい。回避機構50は、カバー30の回動に連動して車長方向に移動可能な構成であれば、必要に応じて変更が可能である。
【0074】
付勢部材は、ねじりコイルバネ32の代わりにキックバネとコイルバネの組み合わせであってもよく、車外側へのカバー30の回動と車長方向後側へのカバー30の移動とが可能な構成であれば、必要に応じて変更が可能である。
【0075】
アクチュエータ40は、カバー30を車内側に回動できる構成であれば、必要に応じて変更が可能である。
【0076】
突出部17は、センサユニット20又は開放レバー23の配置によって形成される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 アウタパネル(ドアパネル)
1a 開口部
2 エンドパネル
3 ECU
4 認証装置
5 ドアラッチ装置
6 ラッチ機構
7 ロック機構
8 電動切換機構
10 ドア開放操作装置
15 ベース
15a ベース壁
15b 側壁
15c 操作口
15d,15e カバー部
15f 口壁
15g 傾斜壁(突出部)
15h 貫通孔
15i 軸受部
15j ストッパ部
16 外装カバー
17 突出部
20 センサユニット(操作部)
23 開放レバー
24 軸
25 トーションスプリング
26 オープンレバー
28 キーシリンダ
28a キー差込面
30 カバー
30a カバー本体
30b アーム部
30c 軸着部
30d 操作受部
30e 腕部
31 回転軸
32 ねじりコイルバネ(付勢部材)
32a コイル部
32b 係止部
40 アクチュエータ
40a コネクタ
41 出力部材
42 操作レバー
42a 基部
42b 当接部(操作部)
50 回避機構
51 突部
51a 摺接部
52 ガイド溝
53 ガイド壁
53a ガイド面
53b 上側円弧部
53c 下側円弧部
54 補助壁
54a 補助面
55 間隙