(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014562
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】ガスカートリッジ取り付け具
(51)【国際特許分類】
F17C 13/00 20060101AFI20240125BHJP
B67D 1/04 20060101ALI20240125BHJP
F17C 13/04 20060101ALI20240125BHJP
F16J 15/00 20060101ALI20240125BHJP
F16J 15/32 20160101ALI20240125BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
F17C13/00 301Z
B67D1/04 A
F17C13/04 301Z
F16J15/00 A
F16J15/32
F16J15/10 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117475
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】501453640
【氏名又は名称】ミクニ総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】内田 寿
【テーマコード(参考)】
3E082
3E172
3J040
3J043
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB02
3E082CC01
3E082DD11
3E082FF05
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB12
3E172AB13
3E172AB20
3E172BA02
3E172BB03
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD10
3E172EB02
3E172EB13
3J040AA17
3J040BA04
3J040EA16
3J040FA05
3J040HA15
3J043AA01
3J043AA16
3J043BA02
3J043BA06
3J043CA01
3J043CB13
(57)【要約】
【課題】ガスカートリッジの交換回数が増えても従来よりもニードル部の先端が破損しにくいガスカートリッジ取り付け具を提供する。
【解決手段】小型のガスカートリッジ1の口部を保持するホルダ部2と、その中央に配置された先端が突起状の中空のニードル部3と、ニードル部3を介して入力された高圧ガスの圧力調整を行う圧力調整器5に接続可能な構造を有する取り付け部4とを備える。ガスカートリッジ1を回転させながら押し込むことによりその口部に穴を開けてニードル部の先端3aを挿入する結合手段を有し、ニードル部3をホルダ部2及び取り付け部4に対して回転可能に保持し、かつ、ニードル部3とホルダ部2及び取付け部4との間の気密性を保つことが可能な回転シール機構を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型のガスカートリッジの口部を保持するホルダ部と、
前記ホルダ部の中央に配置された先端が突起状の中空のニードル部と、
前記ニードル部に結合し、該ニードル部を介して前記ガスカートリッジから入力された高圧ガスの圧力調整を行う圧力調整器、又は前記高圧ガスの通路の開閉を行う開閉器の少なくとも一方に接続可能な構造を有する取り付け部と、
を有するガスカートリッジ取り付け具であって、
前記ガスカートリッジの口部は側面にネジ構造を有し、
前記ホルダ部に前記ガスカートリッジの口部を挿入して前記ガスカートリッジを回転させながら押し込むことにより前記口部の先端に穴を開けて前記ニードル部の先端を挿入し、前記高圧ガスを前記ニードル部に入力する結合手段を有し、
前記ニードル部を前記ホルダ部及び前記取り付け部に対して回転可能に保持し、かつ、前記ニードル部と前記ホルダ部及び前記取付け部との間の気密性を保つことが可能な回転シール機構を有することを特徴とするガスカートリッジ取り付け具。
【請求項2】
前記ニードル部と前記ホルダ部との間、及び前記ニードル部と前記取り付け部との間にそれぞれ気密性を保つためのシール部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載のガスカートリッジ取り付け具。
【請求項3】
前記ホルダ部は円筒状部分を有し、前記ニードル部は、前記ホルダ部の円筒状部分に収納される円筒状部分と、該ニードル部の円筒状部分の外周に設けた円環状の溝と、該溝にはめ込まれたリング状のシール材とを有し、該シール材が前記ホルダ部の円筒状部分の内周に密着することにより、前記ニードル部を前記ホルダ部に対して回転可能に保持し、かつ、前記ニードル部と前記ホルダ部との間の気密性を保ち、
前記取付け部の前記高圧ガスの入力側及び前記ニードル部の後端部は端面が平坦な円筒状部分を有し、前記取付け部の入力側の端面と前記ニードル部の前記後端部の端面との間に中央に穴の開いた平板状のシール材を挟んで保持することにより、前記ニードル部を前記取り付け部に対して回転可能に保持し、かつ、前記ニードル部と前記取り付け部との間の気密性を保つことを特徴とする請求項2に記載のガスカートリッジ取り付け具。
【請求項4】
前記ホルダ部と前記取り付け部はその間が気密性を保たれて一体として形成され、前記ニードル部と前記ホルダ部との間、又は前記ニードル部と前記取り付け部との間に気密性を保つためのシール部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載のガスカートリッジ取り付け具。
【請求項5】
前記取り付け部は、前記ガスカートリッジより出力された高圧ガスの圧力を調整する機能を有する圧力調整器に接続可能な構造を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスカートリッジ取り付け具。
【請求項6】
前記取り付け部は、前記ガスカートリッジより出力された高圧ガスの通路を開閉する機能を有する開閉器に接続可能な構造を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスカートリッジ取り付け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容量が100ml以下の小型のガスカートリッジを様々な装置へ取り付けるときに使用するガスカートリッジ取り付け具に関し、特に、ガスカートリッジの口部の側面のネジ構造を利用し、ガスカートリッジを回転させながら押し込むことにより封止された口部に穴を開けて取り付けるガスカートリッジ取り付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
小型のガスカートリッジは、例えば、ビールなどの飲料容器中に炭酸ガス圧力を加えて飲料を注出する装置や、家庭用の炭酸水の製造器、携帯用の酸素吸入器、タイヤやライフジャケット等の携帯用の空気入れ、水槽用水草の育成装置、等様々な装置で利用されている。飲料用の用途例が特許文献1~3に示されている。
【0003】
小型のガスカートリッジを上記の装置に取り付けて用いる場合、その取り付け方は主として2つの方法がある。1つはガスカートリッジの口を装置側の取り付け具に密封して固定後、口部を開栓する方式であり、他の方法は、ガスカートリッジを回転させながら押し込むことにより中空のニードル等により封止された口部に穴を開けて取り付ける方式である。後者の方がより簡便にガスカートリッジの取り付け及び交換ができるので、多くの装置に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-154375号公報
【特許文献2】特開平8-207997号公報
【特許文献3】特表2008-545931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、上記の中空のニードル等により穴を開ける方式のガスカートリッジの取り付け具の場合、ガスカートリッジを回転させながら突起状のニードル部の先端を押しつけてガスカートリッジの口部に穴を開けて挿入するので、ニードル部の先端には押し込む方向の応力以外に回転方向の応力がかかっていた。このニードル部の先端を捩じる応力のため、ガスカートリッジの交換回数が多くなるとニードル部の先端部が破損しやすくなり、同じ取り付け具を長期間使用することができなかった。
【0006】
本発明は、係る問題を解決するためになされたものであり、ガスカートリッジの交換回数が増えても従来よりもニードル部の先端が破損しにくいガスカートリッジ取り付け具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点では、本発明は、小型のガスカートリッジの口部を保持するホルダ部と、前記ホルダ部の中央に配置された先端が突起状の中空のニードル部と、前記ニードル部に結合し、該ニードル部を介して前記ガスカートリッジから入力された高圧ガスの圧力調整を行う圧力調整器、又は前記高圧ガスの通路の開閉を行う開閉器の少なくとも一方に接続可能な構造を有する取り付け部と、を有するガスカートリッジ取り付け具であって、前記ガスカートリッジの口部は側面にネジ構造を有し、前記ホルダ部に前記ガスカートリッジの口部を挿入して前記ガスカートリッジを回転させながら押し込むことにより前記口部の先端に穴を開けて前記ニードル部の先端を挿入し、前記高圧ガスを前記ニードル部に入力する結合手段を有し、前記ニードル部を前記ホルダ部及び前記取り付け部に対して回転可能に保持し、かつ、前記ニードル部と前記ホルダ部及び前記取付け部との間の気密性を保つことが可能な回転シール機構を有することを特徴とするガスカートリッジ取り付け具を提供する。
【0008】
本観点の発明のガスカートリッジ取り付け具は、上記のように、ホルダ部や取り付け部に対してニードル部が回転可能に保持されている。すなわち、ホルダ部に対してガスカートリッジの口部を回転しながら押し込む場合に、口部に接触したニードル部の先端は口部と共に回転するので、ニードル部の先端には回転方向の応力、すなわち、ニードル部の先端を捩じる応力がかからず、押し込む方向の応力のみがかかることになる。これにより、本発明のガスカートリッジ取り付け具では、ガスカートリッジの交換回数が増えても従来よりもニードル部の先端が破損しにくくなる。
【0009】
本発明では、ガスカートリッジに挿入されたニードル部に入力された高圧ガスが、途中で漏れることなく取り付け部から圧力調整器や開閉器を通して目的とする機器に導入されるために、ニードル部とホルダ部及び取付け部との間の気密性を保つことが必要である。このため、例えば、ゴムや弾力性のある樹脂で形成されたリング状や円筒状又は円環状のシール部材をニードル部とホルダ部及び取付け部との間に介在させる構成を取ることができる。これにより、ニードル部がホルダ部及び取付け部と独立に回転可能となる。また、ホルダ部と取り付け部をその間の気密性を保って一体として形成すれば、ニードル部は、ホルダ部又は取り付け部のいずれか一方との間にシール部材を配置すればよい。
【0010】
本発明の取り付け部は、ガスカートリッジの用途に応じて任意の構造を備えることができる。例えば、ビールなどの飲料容器中に炭酸ガス圧力を加えて飲料を注出する装置に用いる場合は、取り付け部の出力構造を、そのガスの圧力調整器の入力側に結合可能な構造とし、タイヤの空気入れ等に用いる場合は、取り付け部をそのガスの開閉器の入力側に一体化された構造とすることができる。なお、上記の開閉器には、全開と閉止の2値を選択するもののみでなく、高圧ガスの通路の大きさを変化させて全開から閉止の間の中間状態を保つものも含まれる。
【0011】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点のガスカートリッジ取り付け具において、前記ニードル部と前記ホルダ部との間、及び前記ニードル部と前記取り付け部との間にそれぞれ気密性を保つためのシール部材を配置したことを特徴とする。本観点の発明では、シール部材を、ニードル部とホルダ部との間及びニードル部と取付け部との間の両方に介在させ、ニードル部とホルダ部及び取付け部との間の気密性を保つものである。
【0012】
第3の観点では、本発明は、前記第2の観点のガスカートリッジ取り付け具において、前記ホルダ部は円筒状部分を有し、前記ニードル部は、前記ホルダ部の円筒状部分に収納される円筒状部分と、該ニードル部の円筒状部分の外周に設けた円環状の溝と、該溝にはめ込まれたリング状のシール材とを有し、該シール材が前記ホルダ部の円筒状部分の内周に密着することにより、前記前記ニードル部を前記ホルダ部に対して回転可能に保持し、かつ、前記ニードル部と前記ホルダ部との間の気密性を保ち、前記取付け部の前記高圧ガスの入力側及び前記ニードル部の後端部は端面が平坦な円筒状部分を有し、前記取付け部の入力側の端面と前記ニードル部の前記後端部の端面との間に中央に穴の開いた平板状のシール材を挟んで保持することにより、前記ニードル部を前記取り付け部に対して回転可能に保持し、かつ、前記ニードル部と前記取り付け部との間の気密性を保つことを特徴とする。
【0013】
本観点の発明は、第2の観点の発明の具体的構造の1つを規定するものである。本発明のガスカートリッジ取り付け具を構成するニードル部、ホルダ部、取り付け部の最も製作が容易な基本形状は、円筒形状である。例えば、ニードル部は細い円筒状のニードルを保持する根元部分を太い円筒で構成し、その根元部分を内包する内径を有する円筒状部分をホルダ部に設け、そのニードル部の根元部分の外周に設けた円環状の溝にはめ込まれた弾力性のあるリング状のシール材を両部の間に密着させて挿入することによりニードル部をホルダ部に対して回転可能に保持し、かつ、両部の間の気密性を保つことができる。また、ニードル部の根元部分の後端の端面と取り付け部の入力側に設けた円筒状部分の入力端の端面との間を円環状のシール材を挟んで互いに押し付ければ、ニードル部を取り付け部に対して回転可能に保持し、かつ、両部の間の気密性を保つことができる。
【0014】
第4の観点では、本発明は、前記第1の観点のガスカートリッジ取り付け具において、前記ホルダ部と前記取り付け部はその間が気密性を保たれて一体として形成され、前記ニードル部と前記ホルダ部との間、又は前記ニードル部と前記取り付け部との間に気密性を保つためのシール部材を配置したことを特徴とする。本観点の発明では、ガスカートリッジ取り付け具のホルダ部と取り付け部をその間の気密性を保って一体として形成するものである。この場合、ニードル部から入力された高圧ガスは、ホルダ部と取り付け部の間から漏れることはないので、ニードル部は、ホルダ部又は取り付け部のいずれか一方との間にニードル部が回転可能となるようなシール部材を配置すればよい。
【0015】
第5の観点では、本発明は、前記第1乃至第4の観点のガスカートリッジ取り付け具において、前記取り付け部は、前記ガスカートリッジより出力された高圧ガスの圧力を調整する機能を有する圧力調整器に接続可能な構造を有することを特徴とする。本観点の発明は、飲料容器中に炭酸ガス圧力を加えて飲料を注出する装置や水槽用水草の育成装置等のように、高圧ガスの圧力調整を必要とする場合に、その圧力調整器に取り付け可能とする取り付け部を備えるガスカートリッジ取り付け具を提供するものである。
【0016】
第6の観点では、本発明は、前記第1乃至第4の観点のガスカートリッジ取り付け具において、前記取り付け部は、前記ガスカートリッジより出力された高圧ガスの通路を開閉する機能を有する開閉器に接続可能な構造を有することを特徴とする。例えば、タイヤやライフジャケット等の携帯用の空気入れの場合は、圧力調整器は必ずしも必要でなく、高圧ガスの通路の大きさを制御する開閉器の機能があればよい場合が多い。本観点の発明は、そのような開閉器に取り付け可能とする取り付け部を備えるガスカートリッジ取り付け具を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
上記のように、本発明により、ガスカートリッジの交換回数が増えても従来よりもニードル部の先端が破損しにくいガスカートリッジ取り付け具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明によるガスカートリッジ取り付け具の実施例1を示す模式的な部分断面図。
【
図2】本発明によるガスカートリッジ取り付け具の実施例2を示す模式的な部分断面図。
【
図3】本発明によるガスカートリッジ取り付け具の実施例3を示す模式的な部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明のガスカートリッジ取り付け具を実施例により詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、その重複した説明を省略する。
【実施例0020】
図1は、本発明によるガスカートリッジ取り付け具の実施例1を示す模式的な部分断面図である。
図1において、本実施例のガスカートリッジ取り付け具10は、小型のガスカートリッジ1の口部1aを保持するホルダ部2と、ホルダ部2の中央に配置された先端3aが突起状の中空のニードル部3と、ニードル部3に結合する取付け部4とを備えている。取り付け部4は、ニードル部3を介してガスカートリッジ1から入力された高圧ガスの圧力調整を行う圧力調整器5に接続可能な構造を有している。ここで、ガスカートリッジ1の口部1aは側面にネジ構造を有し、ホルダ部2のカートリッジ挿入部2aにガスカートリッジ1の口部1aを挿入してガスカートリッジ1を回転させながら押し込むことにより口部1aの先端に穴を開けてニードル部3の先端3aを挿入し、高圧ガスをニードル部3に入力する。ガスカートリッジ取り付け具10は、ニードル部3をホルダ部2及び取り付け部4に対して回転可能に保持し、かつ、ニードル部3とホルダ部2及び取付け部4との間の気密性を保つことが可能な回転シール機構を有している。
【0021】
本実施例においては、ニードル部3とホルダ部2との間、及びニードル部3と取り付け部4との間にそれぞれ気密性を保つためのシール部材を配置している。具体的には、ニードル部3は、ホルダ部2の収容部2bに収納される太い円筒状の根元部分3bと、その根元部分3bの外周に設けた円環状の溝3cと、溝3cにはめ込まれたゴム又は樹脂製のリング状シール材6とを有し、リング状シール材6がホルダ部2の収容部2bの内周に密着することにより、ニードル部3をホルダ部2に対して回転可能に保持し、かつ、ニードル部3とホルダ部2との間の気密性を保っている。取付け部4の高圧ガスの入力側及びニードル部3の後端部は端面が平坦な円筒状部分を有し、取付け部4の入力側4aの端面とニードル部3の後端部3dの端面との間に中央に穴の開いた樹脂製の円環状シール材7を挟んで保持している。これにより、ニードル部3を取り付け部4に対して回転可能に保持し、かつ、ニードル部3と取り付け部4との間の気密性を保っている。また、ガスカートリッジ1を挿入した際、口部1aの先端からカートリッジ挿入部2aのネジの隙間を通してガスが漏れるのを防ぐために、樹脂製の円環状シール材9を挿入している。この円環状シール材9が口部1aに押されて内径及び外径方向に膨らむことにより、ニードル部3の細径部分とカートリッジ挿入部2aの内周との間の気密性が得られる。
【0022】
取り付け部4の出力側4bにとりつけられた圧力調整器5は、出力側4bの端面と圧力調整器5の入力部5aの端面との間に中央に穴の開いた樹脂製の円環状シール材8を挟んで保持し、固定されている。圧力調整器5は、調整板5bの位置を調整することにより、その入力平面5cと本体部5dとの間の高圧ガスの通路の隙間11を変化させ圧力調整を行うものである。調整つまみ5eを回転させることにより、バネやネジを用いた調整機構5fを介して調整板5bの位置の調整を行うことができるように構成されている。圧力を調整された高圧ガスは、出力コネクタ5gを介して外部に出力される。また、高圧ガスの圧力は、圧力メータ5hに表示される。調整板5bと本体部5dの間は、調整板5bの外周に設けた円環状の溝5iにはめ込まれたゴム又は樹脂製のリング状シール材5jによりシールされている。
【0023】
本実施例においては、ホルダ部2に対してガスカートリッジ1の口部1aを回転しながら押し込む場合に、口部1aに接触したニードル部3の先端3aは口部1aと共に回転するので、先端3aには捩じる応力がかからず、押し込む方向の応力のみがかかり、従来よりもニードル部の先端が破損しにくくなる。
ホルダ部22の収容部22bにニードル部23の太い円筒で構成された根元部分23bを収容して飛び出さないように保持するため、収容部22bに根元部分23bを収容後、収容部22bの入り口は円環状のナット26で固定される。さらに、ニードル部23の細径部分とホルダ部22の収容部22bの内周との間に、ニードル部23を回転可能に保持し、かつ、気密性を保つために、弾力性のある厚い樹脂製の円環状シール材27を挿入している。この円環状シール材27は、ガスカートリッジ21を最終的に挿入した際には、口部21aに押されて内径及び外径方向に膨らむことにより、ニードル部23が固定され、より高い気密性が得られる。
取り付け部24から開閉器25に入力された高圧ガスは、開閉器の開閉栓25aに導かれ、開閉つまみ25bを回すことにより開閉操作され、タイヤ等の空気導入口に結合するように構成されたコネクタ25cを介して目的のタイヤ等に導入される。
本実施例においても、ホルダ部22にガスカートリッジ21を最終的に固定するまでの途中の作業においては、ホルダ部22に対してガスカートリッジ21の口部21aに接触したニードル部23の先端23aは口部21aと共に回転するので、先端23aには捩じる応力がかからず、押し込む方向の応力のみがかかり、従来よりもニードル部の先端23aは破損しにくくなる。