(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145636
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】自律走行ロボット及び制御システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20241004BHJP
G07C 9/15 20200101ALI20241004BHJP
【FI】
G08B25/04 F
G07C9/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058076
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】藤本 一真
【テーマコード(参考)】
3E138
5C087
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138AA06
3E138JA03
3E138JB16
3E138JC03
3E138JD02
3E138JD10
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA10
5C087AA25
5C087AA37
5C087BB18
5C087DD03
5C087DD06
5C087DD23
5C087DD26
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG10
5C087GG66
(57)【要約】
【課題】人物が自律走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過することを適切に防止することができる自律走行ロボット及び制御システムを提供する。
【解決手段】自律走行ロボットは、自律して走行する自律走行ロボットであって、セキュリティゲートを通過するように走行制御する制御手段と、セキュリティゲートを通過する自律走行ロボットとともにそのセキュリティゲートを通過する不正侵入者、又は、セキュリティゲートを通過する自律走行ロボットとともにそのセキュリティゲートを通過するおそれがある不正侵入者候補を検出する検出手段と、検出手段により不正侵入者又は不正侵入者候補が検出された場合に、自律走行ロボットの筐体を用いて、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲートの通過を規制する規制手段と、を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律して走行する自律走行ロボットであって、
セキュリティゲートを通過するように走行制御する制御手段と、
前記セキュリティゲートを通過する前記自律走行ロボットとともに当該セキュリティゲートを通過する不正侵入者、又は、前記セキュリティゲートを通過する前記自律走行ロボットとともに当該セキュリティゲートを通過するおそれがある不正侵入者候補を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記不正侵入者又は前記不正侵入者候補が検出された場合に、前記自律走行ロボットの筐体を用いて、前記不正侵入者又は前記不正侵入者候補による前記セキュリティゲートの通過を規制する規制手段と、
を有することを特徴とする自律走行ロボット。
【請求項2】
前記規制手段は、前記セキュリティゲート内に前記自律走行ロボットを停止させることにより、前記不正侵入者又は前記不正侵入者候補による前記セキュリティゲートの通過を規制する、請求項1に記載の自律走行ロボット。
【請求項3】
前記規制手段は、前記自律走行ロボットと前記セキュリティゲートの間の隙間を狭くすることにより、前記不正侵入者又は前記不正侵入者候補による前記セキュリティゲートの通過を規制する、請求項1または2に記載の自律走行ロボット。
【請求項4】
前記規制手段は、前記セキュリティゲートに対する前記自律走行ロボットの向きを変更することにより、前記自律走行ロボットと前記セキュリティゲートの間の隙間を狭くする、請求項3に記載の自律走行ロボット。
【請求項5】
本体部に接続され動作可能な可動部をさらに有し、
前記規制手段は、前記可動部を動作させることにより、前記自律走行ロボットと前記セキュリティゲートの間の隙間を狭くする、請求項3に記載の自律走行ロボット。
【請求項6】
前記自律走行ロボットの周囲に存在する人物の人物位置を取得する取得手段をさらに有し、
前記規制手段は、前記自律走行ロボットと前記人物の位置関係、又は、前記自律走行ロボットと前記人物の位置関係の変化に基づいて、前記不正侵入者又は前記不正侵入者候補による前記セキュリティゲートの通過を規制するか否かを判定し、又は、前記不正侵入者又は前記不正侵入者候補による前記セキュリティゲートの通過の規制方法を決定する、請求項1または2に記載の自律走行ロボット。
【請求項7】
自律して走行する自律走行ロボットを有する制御システムであって、
前記自律走行ロボットが、
セキュリティゲートを通過するように走行制御する制御手段を有し、
前記制御システムが、
前記セキュリティゲートを通過する前記自律走行ロボットとともに当該セキュリティゲートを通過する不正侵入者、又は、前記セキュリティゲートを通過する前記自律走行ロボットとともに当該セキュリティゲートを通過するおそれがある不正侵入者候補を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記不正侵入者又は前記不正侵入者候補が検出された場合に、前記自律走行ロボットの筐体を用いて、前記不正侵入者又は前記不正侵入者候補による前記セキュリティゲートの通過を規制する規制手段と、を有する、
ことを特徴とする制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行ロボット及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、常駐警備員の代わりに、施設内を自律して走行し、巡回警備、点検業務等を行う自律走行ロボットが開発されている。自律走行ロボットが施設内を移動する際、施設内に設置されたフラッパーゲート、スウィングゲート等のセキュリティゲートが自律走行ロボットの障壁となり得る。そのため、自律走行ロボットを有するシステムでは、自律走行ロボットがセキュリティゲートの開閉を制御できるように、自律走行ロボットとセキュリティゲートが連携することが要求されている。一方、自律走行ロボットがセキュリティゲートを通過する際に、通過権限を持たない人物が自律走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過するいわゆる「共連れ」侵入、又は、セキュリティゲートを挟んで自律走行ロボットの反対側からセキュリティゲートを通過するいわゆる「すれ違い」侵入を防止することが求められている。
【0003】
特許文献1には、共連れを検知する入退室センサ装置が設置されたゲート装置において共連れの発生が検知された場合にゲート装置を施錠するゲート管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人物が自律走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過することを適切に防止することが求められている。
【0006】
本発明の目的は、人物が自律走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過することを適切に防止することができる自律走行ロボット及び制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明は、自律して走行する自律走行ロボットであって、セキュリティゲートを通過するように走行制御する制御手段と、セキュリティゲートを通過する自律走行ロボットとともにそのセキュリティゲートを通過する不正侵入者、又は、セキュリティゲートを通過する自律走行ロボットとともにそのセキュリティゲートを通過するおそれがある不正侵入者候補を検出する検出手段と、検出手段により不正侵入者又は不正侵入者候補が検出された場合に、自律走行ロボットの筐体を用いて、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲートの通過を規制する規制手段と、を有する自律走行ロボットを提供する。
【0008】
この自律走行ロボットにおいて、規制手段は、セキュリティゲート内に自律走行ロボットを停止させることにより、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲートの通過を規制することが好適である。
【0009】
この自律走行ロボットにおいて、規制手段は、自律走行ロボットとセキュリティゲートの間の隙間を狭くすることにより、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲートの通過を規制することが好適である。
【0010】
この自律走行ロボットにおいて、規制手段は、セキュリティゲートに対する自律走行ロボットの向きを変更することにより、自律走行ロボットとセキュリティゲートの間の隙間を狭くすることが好適である。
【0011】
この自律走行ロボットにおいて、本体部に接続され動作可能な可動部をさらに有し、規制手段は、可動部を動作させることにより、自律走行ロボットとセキュリティゲートの間の隙間を狭くすることが好適である。
【0012】
この自律走行ロボットにおいて、自律走行ロボットの周囲に存在する人物の人物位置を取得する取得手段をさらに有し、規制手段は、自律走行ロボットと人物の位置関係、又は、自律走行ロボットと人物の位置関係の変化に基づいて、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲートの通過を規制するか否かを判定し、又は、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲートの通過の規制方法を決定することが好適である。
【0013】
かかる課題を解決するため本発明は、自律して走行する自律走行ロボットを有する制御システムであって、自律走行ロボットが、セキュリティゲートを通過するように走行制御する制御手段を有し、制御システムが、セキュリティゲートを通過する自律走行ロボットとともにそのセキュリティゲートを通過する不正侵入者、又は、セキュリティゲートを通過する自律走行ロボットとともにそのセキュリティゲートを通過するおそれがある不正侵入者候補を検出する検出手段と、検出手段により不正侵入者又は不正侵入者候補が検出された場合に、自律走行ロボットの筐体を用いて、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲートの通過を規制する規制手段と、を有する制御システムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る自律走行ロボット及び制御システムは、人物が自律走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過することを適切に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(A)は、実施形態に係る制御システム1について説明するための模式図であり、(B)は、自律走行ロボット10の斜視図である。
【
図2】制御システム1の全体システム構成を示す図である。
【
図3】開閉処理の動作の例を示すシーケンスである。
【
図4】開閉処理の動作の例を示すシーケンスである。
【
図5】(A)は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30の周辺に到達した様子を示す模式図であり、(B)は、セキュリティゲート30が開状態となった様子を示す模式図であり、(C)は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過した様子を示す模式図であり、(D)は、セキュリティゲート30が閉状態となった様子を示す模式図である。
【
図6】検出処理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図7】(A)~(D)は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態に係る制御システムについて図を参照しつつ説明する。
【0017】
図1(A)は、実施形態に係る制御システム1について説明するための模式図である。
図1(A)に示すように、制御システム1は、一又は複数の自律走行ロボット10、セキュリティゲート30及び/又は監視カメラC等を有する。制御システム1は、会社、マンション、商業施設等の施設に設定された監視エリアを監視及び警備する監視システムである。
【0018】
監視カメラCは、監視エリア内の所定領域、特にセキュリティゲート30の周辺を撮像可能に配置され、監視エリア内の領域を撮像して監視画像を生成し、出力する。
自律走行ロボット10は、監視エリア内を自律して走行し、監視エリア内の領域を撮像して撮影画像を生成し、出力する。
セキュリティゲート30は、監視エリア内で、セキュリティ性が低い低セキュリティエリアA1とセキュリティ性が高い高セキュリティエリアA2との境界に配置される。セキュリティゲート30は、予め登録された人物及び自律走行ロボット10の高セキュリティエリアA2への進入を許可しつつ、予め登録されていない人物の高セキュリティエリアA2への進入を制限する。
【0019】
図1(B)は、自律走行ロボット10の斜視図である。
図1(B)に示すように、自律走行ロボット10は、本体部10A、タイヤ10B及びアーム10C等を有する。本体部10Aは、自律走行ロボット10全体を覆う筐体である。タイヤ10Bは、本体部10Aの底面に設けられ、自律走行ロボット10の移動のために使用される。アーム10Cは、可動部の一例であり、本体部10Aに接続され動作可能に、特に本体部10Aに対して移動可能に設けられる。アーム10Cは、本体部10Aの側面に、側面から伸長可能に設けられ、点検、施錠等の所定の処理を実行するために使用される。
【0020】
図2は、制御システム1の全体システム構成を示す図である。
図2に示すように、制御システム1は、ロボット制御システム2及びゲート制御システム3を有する。ロボット制御システム2は、自律走行ロボット10を制御し、管理するシステムであり、一又は複数の自律走行ロボット10及びロボット管理サーバ20等を有する。ゲート制御システム3は、監視エリア内に設置された一又は複数のセキュリティゲート30を制御し、管理するシステムであり、一又は複数のセキュリティゲート30、ゲート管理サーバ40及び一又は複数の監視カメラC等を有する。
自律走行ロボット10及びロボット管理サーバ20は、イントラネット又はインターネット等の第1通信ネットワークN1を介して相互に接続される。自律走行ロボット10は、無線LAN、携帯電話ネットワーク等の無線通信ネットワークを介して第1通信ネットワークN1に接続される。セキュリティゲート30、ゲート管理サーバ40及び監視カメラCは、イントラネット又はインターネット等の第2通信ネットワークN2を介して相互に接続される。第1通信ネットワークN1及び第2通信ネットワークN2は通信接続され、自律走行ロボット10、ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30、ゲート管理サーバ40及び監視カメラCは、相互に接続される。
【0021】
自律走行ロボット10は、監視エリア内を自律して走行するとともに、監視エリア内の領域を撮像して撮影画像を生成し、ロボット管理サーバ20に送信する。例えば、自律走行ロボット10は、予め定められた時間に、監視エリア内の予め定められた巡回ルートを走行し、予め定められた撮影ポイントで撮像を行う。または、自律走行ロボット10は、管制員によってロボット管理サーバ20を用いて指定された移動先へ移動し、移動先で撮像を行う。
自律走行ロボット10は、第1人物センサ11、撮像部12、位置センサ13、タイヤ駆動部14、アーム駆動部15、出力部16、第1通信部17、第1記憶部18及び第1処理部19等を有する。
【0022】
第1人物センサ11は、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物を検知するためのセンサである。
第1人物センサ11は、例えば本体部10Aの前面、側面、背面及び/又は上面に設けられた一又は複数のレーザセンサ(LiDAR)を含む。各レーザセンサは、所定の方向に向けて近赤外光、可視光、紫外線等の光を照射する照射器と、その反射光を受光する受光器とを含む。各照射器が光を照射する方向は、自律走行ロボット10の進行方向に対して様々な方位角及び仰俯角を有するように設定される。各レーザセンサは、照射器が光を照射してから受光器が反射光を受光するまでの時間に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する物体までの距離を測定する。第1人物センサ11は、各レーザセンサが光を照射した方向と、測定した距離との複数の組み合わせを含む人物検知信号を所定の周期で第1処理部19に出力する。
第1人物センサ11は、本体部10Aの前面、側面、背面及び/又は上面に設けられた一又は複数の可視光カメラを含んでもよい。各可視光カメラの撮像方向は、自律走行ロボット10の進行方向に対して様々な方位角及び仰俯角を有するように設定される。各可視光カメラは、例えば、CCD素子又はC-MOS素子等、可視光に感度を有する光電変換素子と、その光電変換素子上に像を結像する結像光学系と、A/D変換器とを有し、可視光に基づく可視光画像を生成して出力する。第1人物センサ11は、所定のフレーム周期で可視光画像を順次生成し、第1処理部19に出力する。また、第1人物センサ11は、可視光カメラに代えて又は加えて、熱画像を取得する熱画像カメラを備えてもよい。熱画像カメラは、例えば、物体からの電磁放射の2種類の波長の放射エネルギーを検出する2次元に配置されたセンサと、センサから出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。熱画像カメラは、2種類の放射エネルギー比によって求められた温度値に基づいて熱画像を生成し、所定のフレーム周期で第1処理部19に出力する。
【0023】
撮像部12は、監視エリア内の領域を撮像するためのカメラである。
撮像部12は、上記した可視光カメラ又は熱画像カメラと同様の一又は複数の可視光カメラ又は熱画像カメラを含む。各カメラは、本体部10Aの前面、側面、背面及び/又は上面に設けられる。各カメラは、所定のフレーム周期で可視光又は温度値に基づく撮影画像を順次生成し、第1処理部19に出力する。
なお、第1人物センサ11が可視光カメラ又は熱画像カメラを含む場合、撮像部12は省略され、第1人物センサ11が生成した可視光画像又は熱画像が撮影画像として利用されてもよい。
【0024】
位置センサ13は、自律走行ロボット10の現在位置を取得するためのセンサである。
位置センサ13は、例えば上記したレーザセンサと同様の一又は複数のレーザセンサを含む。各レーザセンサは、本体部10Aの前面、側面、背面及び/又は上面に設けられる。位置センサ13は、各レーザセンサが光を照射した各方向と、測定した距離との複数の組み合わせを含む位置検知信号を所定の周期で第1処理部19に出力する。
位置センサ13は、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の航法衛星(人工衛星)から送信される電波(航法信号)を受信する受信機を含んでもよい。受信機は、複数の航法衛星から送信される航法信号を受信して第1処理部19に出力する。
なお、第1人物センサ11がレーザセンサを含む場合、位置センサ13は省略され、第1人物センサ11が生成した人物検知信号が位置検知信号として利用されてもよい。
【0025】
タイヤ駆動部14は、タイヤ10Bを回転させるためのモータ及び/又はタイヤ10Bの方向を変更するためのモータを含む。タイヤ駆動部14は、第1処理部19からタイヤ駆動信号を受信し、受信したタイヤ駆動信号に従って回転し、タイヤ10Bを駆動する。
【0026】
アーム駆動部15は、アーム10Cの角度を変更させるためのモータを含む。アーム駆動部15は、第1処理部19からアーム駆動信号を受信し、受信したアーム駆動信号に従って回転し、アーム10Cの角度を変更させて、アーム10Cを延伸させる。
【0027】
出力部16は、LEDを含み、第1処理部19からの指示に従って点灯又は消灯する。出力部16は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を含み、第1処理部19からの指示に従って画像、テキスト等の各情報を表示してもよい。また、出力部16は、スピーカ及びスピーカに音声データを出力するインタフェース回路を含み、第1処理部19からの指示に従って音声を出力してもよい。
【0028】
第1通信部17は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第1通信ネットワークN1に接続する。または、第1通信部17は、例えばW-CDMA方式又はLTE方式等に準拠した通信インタフェース回路を有し、基地局及び移動体通信網等の通信ネットワークを介して第1通信ネットワークN1に接続する。第1通信部17は、第1通信ネットワークN1から受信したデータを第1処理部19へ出力し、第1処理部19から入力されたデータを第1通信ネットワークN1に送信する。
【0029】
第1記憶部18は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第1記憶部18は、自律走行ロボット10を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第1処理部19との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶部18にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
【0030】
また、第1記憶部18は、データとして、マップ情報181、巡回情報182、サイズ情報183等を記憶する。
マップ情報181は、監視エリア内の通路又は部屋等の形状、各セキュリティゲート30の位置及び幅、設備機器又はパーティション等の固定された障害物の位置等を示す。各セキュリティゲート30の位置は、各セキュリティゲート30を識別するためのゲートIDと対応付けて記憶される。また、セキュリティゲート30毎に、各セキュリティゲート30により区画される二つのエリアのセキュリティレベルが記憶される。
巡回情報182は、自律走行ロボット10の巡回スケジュール(巡回時間、巡回ルート、撮影ポイント等)を示す。
サイズ情報183は、自律走行ロボット10(自装置)の大きさ(縦サイズ、横サイズ及び/又は高さ)を示す。
マップ情報181、巡回情報182又はサイズ情報183は、ロボット管理サーバ20又はゲート管理サーバ40から設定される。
【0031】
第1処理部19は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、自律走行ロボット10の各種信号処理を実行する。第1処理部19は、プロセッサ上で動作するプログラムの機能モジュールとして実装される制御部191、送信部192、受信部193、取得部194、人物検出部195、検出部196及び規制部197等を有する。なお、第1処理部19として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0032】
第1処理部19は、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20から巡回情報を受信し、受信した巡回情報を第1記憶部18に記憶する。また、第1処理部19は、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20から自律走行ロボット10の巡回の開始又は終了を指示するための制御信号を受信し、受信した制御信号及び巡回情報に従ってタイヤ駆動部14を駆動し、自律走行ロボット10を移動させる。また、第1処理部19は、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20から自律走行ロボット10の移動先を指示するための制御信号を受信し、受信した制御信号に従ってタイヤ駆動部14を駆動し、自律走行ロボット10を移動させる。また、第1処理部19は、巡回情報に示される撮影ポイント又は制御信号に示される移動先で撮像部12に撮像させ、生成された撮像画像を、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20に送信する。
【0033】
ロボット管理サーバ20は、監視エリア内又は監視エリアの周辺に設置された防災センタの管制卓等に配置され、自律走行ロボット10を制御し又は管理する。
ロボット管理サーバ20は、第2操作部21、第2表示部22、第2通信部23、第2記憶部24及び第2処理部25等を有する。
【0034】
第2操作部21は、タッチパネル、キーボード等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を含み、利用者による操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を第2処理部25へ出力する。第2表示部22は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を含み、第2処理部25からの指示に従って画像、テキスト等の各情報を表示する。
【0035】
第2通信部23は、例えばTCP/IP等に準拠した通信インタフェース回路を有し、第1通信ネットワークN1に接続する。または、第2通信部23は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第1通信ネットワークN1に接続する。第2通信部23は、第1通信ネットワークN1から受信したデータを第2処理部25へ出力し、第2処理部25から入力されたデータを第1通信ネットワークN1に送信する。
【0036】
第2記憶部24は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第2記憶部24は、ロボット管理サーバ20を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第2処理部25との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶部24にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
【0037】
第2処理部25は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、ロボット管理サーバ20の各種処理を実行する。なお、第2処理部25として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0038】
第2処理部25は、第2操作部21を用いて管制員から自律走行ロボット10の巡回スケジュールの設定を受け付け、受け付けた設定を示す巡回情報を、第2通信部23を介して自律走行ロボット10に送信し、自律走行ロボット10に設定する。また、第2処理部25は、第2操作部21を用いて管制員から自律走行ロボット10の巡回の開始又は終了の指示を受け付け、巡回の開始又は終了を指示するための制御信号を、第2通信部23を介して自律走行ロボット10に送信し、自律走行ロボット10を制御する。また、第2処理部25は、第2操作部21を用いて管制員から自律走行ロボット10の移動先の指示を受け付け、移動先を指示するための制御信号を、第2通信部23を介して自律走行ロボット10に送信し、自律走行ロボット10を移動させる。また、第2処理部25は、第2通信部23を介して自律走行ロボット10から撮像画像を受信し、第2表示部22に表示する。
【0039】
セキュリティゲート30は、フラップ式ゲート、スウィング式ゲート、スライド式ゲート、シャッター式ゲート等である。セキュリティゲート30は、利用者の認証情報(IDカード等に記憶された利用者ID、又は、利用者の顔、指紋、虹彩等の生体情報等)を取得し、取得した認証情報をゲート管理サーバ40へ送信する。セキュリティゲート30は、ゲート管理サーバ40から受信した信号に従って、扉の開閉を制御する。
セキュリティゲート30は、読取部31、第3人物センサ32、扉駆動部33、第3通信部34、第3記憶部35及び第3処理部36等を有する。
【0040】
読取部31は、セキュリティゲート30の入り口等に設けられる。
読取部31は、例えばカードリーダであり、利用者が保持するICカードに記憶された、利用者を識別するための利用者IDを読み取って、第3処理部36に出力する。カードリーダは、非接触方式のカードリーダライタである。
読取部31は、利用者の顔、指紋、虹彩等の生体情報を読み取るためのカメラでもよい。カメラは、例えば、CCD素子又はC-MOS素子等、可視光又は赤外線に感度を有する光電変換素子と、その光電変換素子上に像を結像する結像光学系と、A/D変換器とを有し、利用者の顔、指紋、虹彩等を撮像した生体画像を生成して第3処理部36に出力する。
【0041】
第3人物センサ32は、セキュリティゲート30を通過する人物を検知するためのセンサである。第3人物センサ32は、セキュリティゲート30の前面、内側面、上面等に設けられる。第3人物センサ32は、第1人物センサ11と同様のレーザセンサ又はカメラを含み、人物検知信号、可視光画像又は熱画像を第3処理部36に出力する。
【0042】
扉駆動部33は、扉を開閉させるためのモータを含む。扉駆動部33は、第3処理部36から扉駆動信号を受信し、受信した扉駆動信号に従って回転して駆動力を発生させ、扉を開閉させる。セキュリティゲート30がフラップ式ゲート又はスウィング式ゲートである場合、扉駆動部33は扉を回転させ、セキュリティゲート30がスライド式ゲート又はシャッター式ゲートである場合、扉駆動部33は扉を水平移動させる。
【0043】
第3通信部34は、例えばTCP/IP等に準拠した通信インタフェース回路を有し、第2通信ネットワークN2に接続する。または、第3通信部34は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第2通信ネットワークN2に接続する。第3通信部34は、第2通信ネットワークN2から受信したデータを第3処理部36へ出力し、第3処理部36から入力されたデータを第2通信ネットワークN2に送信する。
【0044】
第3記憶部35は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第3記憶部35は、セキュリティゲート30を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第3処理部36との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第3記憶部35にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
【0045】
第3処理部36は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、セキュリティゲート30の各種信号処理を実行する。第3処理部36は、プロセッサ上で動作するプログラムの機能モジュールとして実装される管理部361等を有する。なお、第3処理部36として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0046】
第3処理部36は、読取部31から取得した利用者の認証情報を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40へ送信するとともに、ゲート管理サーバ40から受信した信号に従って、セキュリティゲート30を開閉するように扉駆動部33を制御する。
【0047】
ゲート管理サーバ40は、監視エリア内又は監視エリアの周辺に設置された管理センタ等に配置され、セキュリティゲート30を制御し又は管理する。ゲート管理サーバ40は、第4操作部41、第4表示部42、第4通信部43、第4記憶部44及び第4処理部45等を有する。
【0048】
第4操作部41は、タッチパネル、キーボード等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を含み、利用者による操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を第4処理部45へ出力する。第4表示部42は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を含み、第4処理部45からの指示に従って画像、テキスト等の各情報を表示する。
【0049】
第4通信部43は、例えばTCP/IP等に準拠した通信インタフェース回路を有し、第2通信ネットワークN2に接続する。または、第4通信部43は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第2通信ネットワークN2に接続する。第4通信部43は、第2通信ネットワークN2から受信したデータを第4処理部45へ出力し、第4処理部45から入力されたデータを第2通信ネットワークN2に送信する。
【0050】
第4記憶部44は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第4記憶部44は、ゲート管理サーバ40を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第4処理部45との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第4記憶部44にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
第4記憶部44は、データとして、セキュリティゲート30の通過を許可された利用者及び自律走行ロボット10の認証情報を記憶する。利用者の認証情報は、利用者ID及び/又は生体情報である。自律走行ロボット10の認証情報は、自律走行ロボット10の識別情報であるロボットIDである。
【0051】
第4処理部45は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、ロボット管理サーバ20の各種処理を実行する。なお、第4処理部45として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0052】
第4処理部45は、第2操作部21を用いて管理者からセキュリティゲート30の通過を許可される利用者及び自律走行ロボット10の登録を受け付け、受け付けた利用者及び自律走行ロボット10の認証情報を第4記憶部44に登録する。
【0053】
図3は、制御システム1による、利用者がセキュリティゲート30を通過する際のセキュリティゲート30の開閉処理の動作の例を示すシーケンスである。このシーケンスは、各装置が有する各記憶部に予め記憶されているプログラムに基づいて、主に各装置が有する各処理部により、各装置の各要素と協働して実行される。
【0054】
まず、セキュリティゲート30の第3処理部36は、読取部31が読み取った利用者の認証情報を取得する(ステップS101)。
次に、第3処理部36は、取得した認証情報を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS102)。
【0055】
次に、ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30から認証情報を受信し、受信した認証情報に含まれる利用者ID又は生体画像を第4記憶部44に登録されている利用者ID又は生体画像と照合する(ステップS103)。認証情報が利用者IDである場合、第4処理部45は、認証情報に含まれる利用者IDが第4記憶部44に登録されている何れかの利用者IDと一致するか否かにより認証に成功したか否かを判定する。認証情報が生体画像である場合、第4処理部45は、公知の画像処理技術を利用して、認証情報に含まれる生体画像が第4記憶部44に登録されている何れかの生体画像と合致(対応)するか否かにより認証に成功したか否かを判定する。認証に失敗した場合、制御システム1は、セキュリティゲート30を開状態にすることなく、開閉処理を終了する。
一方、認証に成功した場合、第4処理部45は、セキュリティゲート30を開状態とするための開制御信号を、第4通信部43を介してセキュリティゲート30に送信する(ステップS104)。
【0056】
次に、セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40から開制御信号を受信し、扉駆動部33を駆動してセキュリティゲート30を開状態とする(ステップS105)。
次に、第3処理部36は、セキュリティゲート30が開状態となったことを通知する開通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS106)。
【0057】
次に、第3処理部36は、利用者がセキュリティゲート30を通過したことを検出するまで待機する(ステップS107)。第3処理部36は、第3人物センサ32から人物検知信号、可視光画像又は熱画像を取得し、取得した人物検知信号、可視光画像又は熱画像に基づいて、セキュリティゲート30を通過する人物が存在するか否かを判定する。例えば、第3処理部36は、人物検知信号に示される距離及び方向に基づいて、セキュリティゲート30内に物体が存在するか否かを判定し、セキュリティゲート30内に物体が存在すると判定した場合、セキュリティゲート30内に人物が存在すると判定する。または、第3処理部36は、フレーム間差分処理又は背景差分処理により、順次取得した画像内で変化が発生した変化領域を検出し、検出した変化領域が人物とみなされる所定の大きさを有する場合、セキュリティゲート30内に人物が存在すると判定する。第3処理部36は、セキュリティゲート30内に人物が存在すると判定してから、セキュリティゲート30内に人物が存在しないと判定した場合、利用者がセキュリティゲート30を通過したと判定する。
【0058】
次に、第3処理部36は、扉駆動部33を駆動してセキュリティゲート30を閉状態とする(ステップS108)。なお、第3処理部36は、ゲート管理サーバ40からセキュリティゲート30を閉状態とするための閉制御信号を受信したときに、セキュリティゲート30を閉状態としてもよい。その場合、例えば、ゲート管理サーバ40は、開制御信号を送信してから、利用者がセキュリティゲート30を通過可能な時間が経過したときに、セキュリティゲート30に閉制御信号を送信する。
次に、第3処理部36は、セキュリティゲート30が閉状態となったことを通知する閉通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS109)。以上により、利用者がセキュリティゲート30を通過する際のセキュリティゲート30の開閉処理は終了する。
【0059】
図4は、制御システム1による、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過する際のセキュリティゲート30の開閉処理の動作の例を示すシーケンスである。このシーケンスは、各装置が有する各記憶部に予め記憶されているプログラムに基づいて、主に各装置が有する各処理部により、各装置の各要素と協働して実行される。
【0060】
自律走行ロボット10の制御部191は、第1記憶部18に記憶された巡回情報182又はロボット管理サーバ20の第2処理部25から受信した制御信号に従って、マップ情報181に示される通路を通って移動する。制御部191は、定期的に、位置センサ13から位置検知信号又は航法信号を取得し、自律走行ロボット10の現在位置及び方向を検出する。制御部191は、取得した位置検知信号に含まれる各レーザセンサが光を照射した方向と物体までの距離の組合せと、マップ情報181に示される通路、部屋、障害物等の位置とから現在位置及び方向を特定する。または、制御部191は、取得した航法信号から緯度、経度及び高度を求め、現在位置及び方向を特定する。
【0061】
送信部192は、自律走行ロボット10が通過すべきセキュリティゲート30の周辺に到達したときに、セキュリティゲート30を開状態とするための開要求信号を、第1通信部17を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS201)。開要求信号には、対象となる自律走行ロボット10のロボットID及び対象となるセキュリティゲート30のゲートIDが含まれる。
【0062】
図5(A)は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30の周辺に到達した様子を示す模式図である。自律走行ロボット10がセキュリティゲート30の周辺に到達したとき、セキュリティゲート30は閉状態である。なお、矢印B1は、自律走行ロボット10の進行方向を示し、矢印B2は、自律走行ロボット10の進行方向B1と直交する幅方向を示す。
【0063】
次に、ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介して自律走行ロボット10から開要求信号を受信し、受信した開要求信号に含まれるロボットIDを第4記憶部44に登録されているロボットIDと照合する(ステップS202)。第4処理部45は、認証情報に含まれるロボットIDが第4記憶部44に登録されている何れかのロボットと一致するか否かにより認証に成功したか否かを判定する。認証に失敗した場合、制御システム1は、セキュリティゲート30を開状態にすることなく、開閉処理を終了する。
一方、認証に成功した場合、第4処理部45は、開要求信号に含まれるゲートIDに対応するセキュリティゲート30を開状態とするための開制御信号を、第4通信部43を介してそのセキュリティゲート30に送信する(ステップS203)。
【0064】
次に、セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40から開制御信号を受信し、扉駆動部33を駆動してセキュリティゲート30を開状態とする(ステップS204)。即ち、セキュリティゲート30の第3処理部36及び/又はゲート管理サーバ40の第4処理部45は、自律走行ロボット10から開要求信号を受信する受信部、及び、開要求信号の受信によりセキュリティゲート30を開状態とするゲート制御部として機能する。
次に、第3処理部36は、セキュリティゲート30が開状態となったことを通知する開通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS205)。
【0065】
次に、ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30から開通知信号を受信し、開通知信号を、第4通信部43を介して自律走行ロボット10に送信(転送)する(ステップS206)。
【0066】
次に、自律走行ロボット10の受信部193は、第1通信部17を介してゲート管理サーバ40から開通知信号を受信する。検出部196は、送信部192が開要求信号を送信した後に、受信部193が開通知信号を受信した場合に、セキュリティゲート30が開状態となったと判定し、検出処理を開始する(ステップS207)。検出処理は、不正侵入者又は不正侵入者候補を検出するための処理である。不正侵入者は、セキュリティゲート30を通過する自律走行ロボット10とともにセキュリティゲート30を通過する人物である。特に、不正侵入者は、開要求信号の送信によりセキュリティゲート30が開状態となっている開期間に、セキュリティゲート30を通過する自律走行ロボット10とともにセキュリティゲート30を通過する人物である。不正侵入者候補は、セキュリティゲート30を通過する自律走行ロボット10とともにセキュリティゲート30を通過するおそれがある人物である。特に、不正侵入者候補は、開要求信号の送信によりセキュリティゲート30が開状態となっている開期間に、セキュリティゲート30を通過する自律走行ロボット10とともにセキュリティゲート30を通過するおそれがある人物である。検出処理の詳細については後述する。検出部196は、開通知信号を用いることにより、セキュリティゲート30が開状態となっていることを正確に認識することができる。
【0067】
図5(B)は、セキュリティゲート30が開状態となった様子を示す模式図である。セキュリティゲート30が開状態となることにより、自律走行ロボット10は、セキュリティゲート30を通過できるようになる。このとき、セキュリティゲート30が開状態となることによって、自律走行ロボット10とともに、不正侵入者もセキュリティゲート30を不正に通過できるようになる。
【0068】
次に、制御部191は、タイヤ駆動部14を駆動してタイヤ10Bを回転させて、セキュリティゲート30を通過させるように自律走行ロボット10を移動させる(ステップS208)。このように、制御部191は、開要求信号の送信によりセキュリティゲート30が開状態となっている開期間にセキュリティゲート30を通過するように自律走行ロボット10を走行制御する。
【0069】
次に、制御部191は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過中であることを通知する表示又は音声を出力部16から出力させる(ステップS209)。自律走行ロボット10の周囲にいる人物は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過中であることを認識でき、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過するまで、自身がセキュリティゲート30を通過することを待機できる。これにより、制御システム1は、セキュリティゲート30を通過中の自律走行ロボット10と利用者の衝突等のトラブルの発生を抑制できる。
【0070】
次に、制御部191は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過したことを検出する処理を行う(ステップS210)。制御部191は、上記したように、定期的に、位置センサ13から位置検知信号又は航法信号を取得して自律走行ロボット10の現在位置及び方向を検出し、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過したことを検出する。
【0071】
図5(C)は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過した様子を示す模式図である。このとき、セキュリティゲート30は開状態である。
【0072】
次に、送信部192は、セキュリティゲート30を閉状態とするための閉要求信号を、第1通信部17を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS211)。閉要求信号には、対象となる自律走行ロボット10のロボットID及び対象となるセキュリティゲート30のゲートIDが含まれる。
【0073】
次に、ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介して自律走行ロボット10から閉要求信号を受信する。第4処理部45は、閉要求信号に含まれるゲートIDに対応するセキュリティゲート30を開状態とするための閉制御信号を、第4通信部43を介してそのセキュリティゲート30に送信する(ステップS212)。
【0074】
次に、セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40から閉制御信号を受信し、扉駆動部33を駆動してセキュリティゲート30を閉状態とする(ステップS213)。
次に、第3処理部36は、セキュリティゲート30が閉状態となったことを通知する閉通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS214)。
【0075】
次に、ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30から閉通知信号を受信し、閉通知信号を、第4通信部43を介して自律走行ロボット10に送信(転送)する(ステップS215)。
【0076】
次に、自律走行ロボット10の受信部193は、第1通信部17を介してゲート管理サーバ40から閉通知信号を受信する。検出部196は、受信部193が閉通知信号を受信した場合に、セキュリティゲート30が閉状態となったと判定し、検出処理を終了する(ステップS216)。検出部196は、閉通知信号を用いることにより、セキュリティゲート30が閉状態となっていることを正確に認識することができる。
【0077】
図5(D)は、セキュリティゲート30が閉状態となった様子を示す模式図である。セキュリティゲート30が閉状態となることにより、不正侵入者は、セキュリティゲート30を通過できなくなる。
【0078】
次に、制御部191は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過中であることを通知する表示又は音声の出力を終了させる(ステップS217)。以上により、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過する際のセキュリティゲート30の開閉処理は終了する。
【0079】
なお、ステップS209及び/又はステップS217の処理は、省略されてもよい。
【0080】
図6は、自律走行ロボット10による検出処理の動作の例を示すフローチャートである。このフローチャートは、予め第1記憶部18に記憶されているプログラムに基づいて、主に第1処理部19により、自律走行ロボット10の各要素と協働して実行される。検出処理は、
図4のステップS207の処理からステップS216の処理の間に、即ち開要求信号の送信によりセキュリティゲート30が開状態となり、閉要求信号の送信によりセキュリティゲート30が閉状態となるまでの開期間に実行される。
【0081】
まず、取得部194は、自律走行ロボット10のロボット位置、及び、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置(水平位置又は水平・垂直位置)を取得し、第1記憶部18に記憶する(ステップS301)。
取得部194は、位置センサ13から位置検知信号又は航法信号を取得し、自律走行ロボット10のロボット位置を検出する。取得部194は、取得した位置検知信号に含まれる各レーザセンサが光を照射した方向と物体までの距離の組合せと、マップ情報181に示される通路、部屋、障害物等の位置とから現在位置及び方向を特定する。または、取得部194は、取得した航法信号から緯度、経度及び高度を求め、現在位置及び方向を特定する。
【0082】
また、取得部194は、第1人物センサ11から人物検知信号を取得し、取得した人物検知信号に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置を検出する。人物検出部195は、人物検知信号に示される距離及び方向の組合せのうち、距離が所定範囲内であり且つ方向が連続する組合せを単一の物体として検出する。自律走行ロボット10は、自律走行ロボット10からの距離と、人物とみなされる大きさ(角度)の範囲との関係を示す式又はテーブルを第1記憶部18に予め設定しておく。人物検出部195は、その式又はテーブルを参照して、検出した物体までの距離に対応する、人物とみなされる大きさの範囲を特定し、検出した物体の大きさがその範囲に含まれる場合、その物体が人物であり、自律走行ロボット10の周囲に人物が存在すると判定する。取得部194は、自律走行ロボット10の現在位置と、検出した物体(人物)までの距離及び方向とに基づいて、その人物の位置を検出する。
【0083】
または、取得部194は、第1人物センサ11が撮像した可視光画像又は熱画像を定期的に取得し、取得した画像に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置を検出する。その場合、人物検出部195は、フレーム間差分処理等により、順次取得した画像から変化領域を検出し、検出した変化領域が人物とみなされる所定の大きさを有する場合、その変化領域に人物が写っており、自律走行ロボット10の周囲に人物が存在すると判定する。自律走行ロボット10は、画像内の変化領域の位置及び大きさと、自律走行ロボット10からの距離及び第1人物センサ11の撮像方向に対する方向との関係を示す式又はテーブルを第1記憶部18に予め設定しておく。取得部194は、その式又はテーブルを参照して、変化領域に対応する物体までの距離及びその物体の方向を特定する。取得部194は、自律走行ロボット10の現在位置と、特定した距離及び方向とに基づいて、その人物の位置を検出する。
【0084】
また、取得部194は、自律走行ロボット10の周囲に存在するセキュリティゲート30から受信した人物の位置を、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置として取得してもよい。セキュリティゲート30の第3処理部36は、ステップS107の処理と同様にして、セキュリティゲート30内に人物が存在するか否かを判定する。第3処理部36は、セキュリティゲート30内に人物が存在する場合、セキュリティゲート30内に人物が存在することを示す検出情報を、第3通信部34及びゲート管理サーバ40を介して自律走行ロボット10に送信する。また、第3処理部36は、人物を検知した第3人物センサ32の配置位置及び光照射方向又は撮像方向に基づいて、その人物の位置を検出し、その人物の位置を、第3通信部34及びゲート管理サーバ40を介して自律走行ロボット10に送信する。人物検出部195は、第1通信部17及びゲート管理サーバ40を介してセキュリティゲート30から検出情報を受信した場合、自律走行ロボット10の周囲に人物が存在すると判定する。また、取得部194は、第1通信部17及びゲート管理サーバ40を介してセキュリティゲート30からその人物の位置を受信した場合、受信した人物の位置を自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置として取得する。
【0085】
また、取得部194は、自律走行ロボット10の周囲に存在する監視カメラCから取得した画像に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置を検出してもよい。例えば、取得部194は、第1通信部17を介して、監視カメラCから監視画像を定期的に受信する。人物検出部195は、フレーム間差分処理又は背景差分処理により、順次受信した監視画像から変化領域を検出し、検出した変化領域が人物とみなされる所定の大きさを有する場合、その変化領域に人物が写っており、自律走行ロボット10の周囲に人物が存在すると判定する。自律走行ロボット10は、監視画像内の変化領域の位置及び大きさと、監視カメラCからの距離及び監視カメラCの撮像方向に対する方向との関係を示す式又はテーブルを第1記憶部18に予め設定しておく。取得部194は、その式又はテーブルを参照して、変化領域に対応する物体までの距離及びその物体の方向を特定する。取得部194は、人物を検出した監視カメラCの配置位置と、特定した距離及び方向とに基づいて、その人物の位置を検出する。
【0086】
次に、検出部196は、取得部194により自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置が取得されたか否か、即ち人物検出部195により自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が存在すると判定されたか否かを判定する(ステップS302)。自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が存在すると判定されていない場合、検出部196は、人物検出部195により自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が検出されるまで、ステップS301の処理を繰り返す。
【0087】
一方、人物検出部195により自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が存在すると判定された場合、検出部196は、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の中から不正侵入者又は不正侵入者候補を検出する(ステップS303)。
【0088】
例えば、検出部196は、取得部194により取得されたロボット位置と人物位置の両方がセキュリティゲート30内の領域に含まれる場合、人物検出部195により検出された人物を不正侵入者として検出する。一方、検出部196は、ロボット位置と人物位置のうちの何れか一方のみがセキュリティゲート30内の領域に含まれる場合、人物検出部195により検出された人物を不正侵入者候補として検出する。
なお、検出部196は、ロボット位置がセキュリティゲート30内の領域に含まれるか否かに関わらず、人物位置がセキュリティゲート30内の領域に含まれる場合、人物検出部195により検出された人物を不正侵入者として検出してもよい。また、検出部196は、人物位置がセキュリティゲート30内の領域に含まれるか否かに関わらず、ロボット位置がセキュリティゲート30内の領域に含まれる場合、人物検出部195により検出された人物を不正侵入者として検出してもよい。
【0089】
また、検出部196は、自律走行ロボット10と自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の位置関係に基づいて、特に自律走行ロボット10と自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の位置関係の変化に基づいて、不正侵入者を検出してもよい。例えば、検出部196は、直近の所定時間に第1記憶部18に記憶された一又は複数のロボット位置と人物位置のセットが所定の位置関係を有する場合に、人物検出部195により検出された人物を不正侵入者として検出する。
【0090】
所定の位置関係は、例えば、所定時間以上連続して相互に所定距離内に位置する「密接」関係である。所定距離は、例えばセキュリティゲート30の進行方向B1の長さ又は幅方向B2の長さに設定される。所定時間は、人物が自律走行ロボット10と偶然すれ違う場合に自律走行ロボット10から所定距離内に位置し得る最大時間(例えば5秒間)等に設定される。制御システム1は、ロボット位置と人物位置が「密接」関係を有する場合、その人物を不正侵入者として検出することにより、自律走行ロボット10を用いた共連れ進入を防止することができる。
【0091】
所定の位置関係は、進行方向B1における距離が第1閾値より大きい距離から第1閾値以下である第2閾値より小さい距離に変化し、且つ、幅方向B2における距離が所定範囲内である「すり抜け」関係でもよい。第1閾値は、自律走行ロボット10と人物が相互に重ならない距離に設定され、第2閾値は、自律走行ロボット10と人物が相互に重なる距離に設定される。所定範囲は、自律走行ロボット10と人物が近接しつつ且つ相互に重ならない範囲に設定される。即ち、「すり抜け」関係は、人物が、自律走行ロボット10の後方から自律走行ロボット10に近付き、自律走行ロボット10の側方に向かう「追い抜き」を実行する場合に成立する関係である。また、「すり抜け」関係は、人物が、自律走行ロボット10の前方から自律走行ロボット10に近付き、自律走行ロボット10の側方に向かう「すれ違い」を実行する場合に成立する関係である。制御システム1は、ロボット位置と人物位置が「すり抜け」関係を有する場合にその人物を不正侵入者として検出することにより、自律走行ロボット10に対する「追い抜き」又は「すれ違い」を防止することができる。
【0092】
所定の位置関係は、進行方向B1における距離が第1閾値より大きい距離から第2閾値より小さい距離に変化し、且つ、進行方向B1及び幅方向B2と直交する高さ方向における距離が所定範囲内である「飛び越え」関係でもよい。即ち、「飛び越え」関係は、人物が、自律走行ロボット10の後方又は前方から自律走行ロボット10に近付き、自律走行ロボット10の上方を飛び越える場合に成立する関係である。制御システム1は、ロボット位置と人物位置が「飛び越え」関係を有する場合にその人物を不正侵入者として検出することにより、人物が自律走行ロボット10を飛び越えてセキュリティゲート30を通過することを防止できる。
【0093】
所定の位置関係は、進行方向B1における距離が第1閾値より大きい距離から第2閾値より小さい距離に変化し、且つ、幅方向B2における距離及び高さ方向における距離が第2閾値より小さい「乗り込み」関係でもよい。即ち、「乗り込み」関係は、人物が、自律走行ロボット10の後方又は前方から自律走行ロボット10に近付き、自律走行ロボット10の上に乗り込む場合に成立する関係である。制御システム1は、ロボット位置と人物位置が「乗り込み」関係を有する場合にその人物を不正侵入者として検出することにより、人物が自律走行ロボット10に乗り込んでセキュリティゲート30を通過することを防止できる。
なお、自律走行ロボット10は、加速度センサをさらに有し、加速度センサが自律走行ロボット10の揺れを検知した時に、人物が自律走行ロボット10に接触したと判定してもよい。そして、検出部196は、人物が自律走行ロボット10に接触した場合に限り、「乗り込み」関係が成立したと判定してもよい。これにより、検出部196は、人物が自律走行ロボット10に乗り込んでいるか否かをより高精度に判定することができる。
【0094】
検出部196は、直近の所定時間に第1記憶部18に記憶された一又は複数のロボット位置と人物位置のセットが上記した所定の位置関係を有する場合に、人物検出部195により検出された人物を不正侵入者候補として検出してもよい。
【0095】
次に、検出部196は、不正侵入者又は不正侵入者候補を検出したか否かを判定する(ステップS304)。不正侵入者又は不正侵入者候補を検出していない場合、検出部196は、特に処理を実行せずに、ステップS301に処理を戻す。
【0096】
一方、不正侵入者又は不正侵入者候補を検出した場合、検出部196は、不正侵入者又は不正侵入者候補を検出したことを通知する警告表示又は警告音声を出力部16から出力させる(ステップS305)。これにより、制御システム1は、不正侵入者に対して警告を通知することができる。
また、検出部196は、不正侵入者を検出したことを通知する通知信号を、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20又はゲート管理サーバ40に送信してもよい。自律走行ロボット10から通知信号を受信したロボット管理サーバ20又はゲート管理サーバ40は、不正侵入者を検出したことを第2表示部22又は第4表示部42に表示して、管制員又は管理者に通知する。これにより、管制員又は管理者は、不正侵入者が存在することを認識し、不正侵入者に対して適切な対応を取ることができる。
【0097】
次に、規制部197は、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲート30の通過を規制可能であるか否かを判定する(ステップS306)。
規制部197は、自律走行ロボット10と自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の位置関係に基づいて、セキュリティゲート30の通過を規制可能であるか否かを判定する。例えば、規制部197は、ロボット位置と人物位置の間の距離が下限閾値以上である場合、セキュリティゲート30の通過を規制可能であると判定し、その距離が下限閾値未満である場合、セキュリティゲート30の通過を規制可能でないと判定する。下限閾値は、規制により自律走行ロボット10が不正侵入者又は不正侵入者候補と接触し得る距離(例えば30cm)に設定される。
また、規制部197は、自律走行ロボット10と自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の位置関係の変化に基づいて、セキュリティゲート30の通過を規制可能であるか否かを判定してもよい。例えば、規制部197は、第1記憶部18に記憶された直近の所定時間の人物位置に基づいて、人物位置の移動方向を特定し、特定した移動方向に基づいて、セキュリティゲート30の通過を規制可能であるか否かを判定する。その場合、規制部197は、人物位置の移動方向がロボット位置に向かっていない場合、セキュリティゲート30の通過を規制可能であると判定し、人物位置の移動方向がロボット位置に向かっている場合、セキュリティゲート30の通過を規制可能でないと判定する。
また、規制部197は、第1記憶部18に記憶された直近の所定時間の人物位置に基づいて、人物位置の移動速度を特定し、特定した移動速度に基づいて、セキュリティゲート30の通過を規制可能であるか否かを判定する。その場合、規制部197は、人物位置の移動速度が速度閾値以下である場合、セキュリティゲート30の通過を規制可能であると判定し、人物位置の移動速度が速度閾値より大きい場合、セキュリティゲート30の通過を規制可能でないと判定する。
【0098】
セキュリティゲート30の通過を規制可能でないと判定した場合、規制部197は、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲート30の通過を規制しないことを決定し(ステップS307)、ステップS301へ処理を戻す。
一方、セキュリティゲート30の通過を規制可能であると判定した場合、規制部197は、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲート30の通過を規制することを決定する(ステップS308)。
このように、規制部197は、取得部194により取得されたロボット位置と人物位置の位置関係、又は、人物位置の変化に基づいて、セキュリティゲート30の通過を規制するか否かを判定する。これにより、制御システム1は、自律走行ロボット10が規制により不正侵入者又は不正侵入者候補と接触することを抑制できる。
【0099】
次に、規制部197は、自律走行ロボット10と、通過対象のセキュリティゲート30との間の隙間の大きさを算出する(ステップS309)。規制部197は、第1記憶部18からサイズ情報183を読み出し、自律走行ロボット10の大きさ(縦サイズ、横サイズ及び/又は高さ)を取得する。また、規制部197は、第1記憶部18からマップ情報181を読み出し、通過対象のセキュリティゲート30の幅(幅方向B2の大きさ)を取得する。規制部197は、通過対象のセキュリティゲート30の幅から自律走行ロボット10の横サイズを減算した値を、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間の大きさとして算出する。なお、規制部197は、算出した隙間の大きさの半分の大きさを、自律走行ロボット10の幅方向B2における各サイドの隙間の大きさとして算出してもよい。
【0100】
次に、規制部197は、算出した隙間の大きさが第1隙間閾値より大きいか否かを判定する(ステップS310)。第1隙間閾値は、例えば人物が通過可能な最小サイズ(例えば30cm)に予め設定される。
【0101】
隙間の大きさが第1隙間閾値以下である場合、規制部197は、セキュリティゲート30内に自律走行ロボット10を停止させることにより、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲート30の通過を規制する(ステップS311)。
【0102】
図7(A)は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の関係を示す模式図である。
図7(A)に示す例では、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間D1、D2は十分に小さい。したがって、自律走行ロボット10を移動させなくても、不正侵入者又は不正侵入者候補は自律走行ロボット10の脇をすり抜けることができない可能性が高い。したがって、制御システム1は、セキュリティゲート30内に自律走行ロボット10を停止させることにより、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲート30の通過を良好に規制できる。
【0103】
一方、隙間の大きさが第1隙間閾値より大きい場合、規制部197は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くすることにより、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲート30の通過を規制する。特に、規制部197は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間の大きさが第1隙間閾値以下となるように、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くすることが好ましい。
【0104】
図7(B)は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の関係を示す模式図である。
図7(B)に示す例では、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間D1、D2は十分に大きく、不正侵入者又は不正侵入者候補は自律走行ロボット10の脇をすり抜けることができる可能性が高い。
【0105】
規制部197は、ロボット位置と人物位置の位置関係に基づいて、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲート30の通過の規制方法を決定する(ステップS312)。
【0106】
例えば、人物位置が自律走行ロボット10の側方に存在する場合、規制部197は、規制方法を、自律走行ロボット10を人物の前方に回り込ませた上で停止させることに決定する。または、人物位置が自律走行ロボット10の側方に存在する場合、規制部197は、規制方法を、自律走行ロボット10を人物の前方に進行させてから、セキュリティゲート30に対する自律走行ロボット10の向きを変更することに決定する。その場合、規制部197は、自律走行ロボット10の前面及び背面がセキュリティゲート30の側面と対向するように、自律走行ロボット10の向きを変更する。また、規制部197は、自律走行ロボット10が人物と接触しない範囲内で自律走行ロボット10の向きを変更してもよい。これにより、自律走行ロボット10は、不正侵入者又は不正侵入者候補に衝突することなく、安全に自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くすることができる。
【0107】
図7(C)は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の関係を示す模式図である。
図7(C)に示す例では、
図7(B)に示す状態から、自律走行ロボット10が回転し、自律走行ロボット10の向きが変更されている。これにより、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間は十分に小さくなり、不正侵入者又は不正侵入者候補は自律走行ロボット10の脇をすり抜けることができなくなる。
【0108】
一方、人物位置が自律走行ロボット10の側方に存在せず自律走行ロボット10の前方又は後方に存在する場合、規制部197は、規制方法を、アーム10Cを用いることに決定する。例えば、規制部197は、アーム10Cを動作させて、アーム10Cを側方に向けて、即ちセキュリティゲート30の側面に向けて伸長させることにより、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くする。これにより、自律走行ロボット10は、安全且つ確実に、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くすることができる。
【0109】
図7(D)は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の関係を示す模式図である。
図7(D)に示す例では、
図7(B)に示す状態から、アーム10Cが伸長している。これにより、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間は十分に小さくなり、不正侵入者又は不正侵入者候補は自律走行ロボット10の脇をすり抜けることができなくなる。
【0110】
なお、規制部197は、ロボット位置と人物位置の間の距離が第1距離閾値より大きい場合、セキュリティゲート30に対する自律走行ロボット10の向きを変更することに決定してもよい。第1距離閾値は、例えば自律走行ロボット10の縦サイズ(進行方向B1のサイズ)と横サイズ(幅方向B2のサイズ)の差に設定される。これにより、自律走行ロボット10は、不正侵入者又は不正侵入者候補に衝突することなく、安全に向きを変更できる。
一方、規制部197は、ロボット位置と人物位置の間の距離が第1距離閾値以下である場合、規制方法を、アーム10Cを用いることに決定する。これにより、自律走行ロボット10は、付近に不正侵入者又は不正侵入者候補が存在する場合に、アーム10Cのみを伸長させて、安全に、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くすることができる。
この場合、規制部197は、人物位置がアーム10Cと対向する位置に存在するか否かをさらに判定してもよい。規制部197は、人物位置がアーム10Cと対向する位置に存在しない場合、規制方法を、その位置でアーム10Cを伸長させることに決定する。一方、規制部197は、人物位置がアーム10Cと対向する位置に存在する場合、規制方法を、アーム10Cが人物位置と対向しない位置に配置されるように自律走行ロボット10を前進又は後退させてからアーム10Cを伸長させることに決定する。これにより、自律走行ロボット10は、より安全に自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くすることができる。
【0111】
また、規制部197は、人物位置の変化に基づいて、規制方法を決定してもよい。例えば、規制部197は、人物位置の移動速度が速度閾値以下である場合、セキュリティゲート30に対する自律走行ロボット10の向きを変更することに決定し、人物位置の移動速度が速度閾値より大きい場合、規制方法を、アーム10Cを用いることに決定する。これにより、規制部197は、より安全且つ確実に自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くすることができる。
また、規制部197は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間の大きさに基づいて、規制方法を決定してもよい。例えば、規制部197は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間の大きさが第2隙間閾値以下である場合、規制方法を、セキュリティゲート30に対する自律走行ロボット10の向きを変更することに決定する。第2隙間閾値は、例えば自律走行ロボット10の縦サイズにマージンを加えた値に設定される。一方、規制部197は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間の大きさが第2隙間閾値より大きい場合、規制方法を、アーム10Cを用いることに決定する。規制部197は、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間の大きさに基づいて規制方法を決定することにより、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を良好に埋めることができる。
【0112】
次に、規制部197は、ステップS312で決定した方法で、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くすることにより、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲート30の通過を規制する(ステップS313)。規制部197は、自律走行ロボット10が回転移動するようにタイヤ駆動部14を駆動し、自律走行ロボット10の向きを変更させる。または、規制部197は、アーム10Cを伸長させるようにアーム駆動部15を駆動する。
【0113】
このように、規制部197は、検出部196により不正侵入者又は不正侵入者候補が検出された場合に、自律走行ロボット10の筐体を用いて、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲート30の通過を規制する。これにより、制御システム1は、不正侵入者又は不正侵入者候補がセキュリティゲート30を通過してセキュリティエリアに進入することを適切に防止することができる。
【0114】
次に、規制部197は、自律走行ロボット10の周辺から不正侵入者又は不正侵入者候補が存在しなくなるまで、自律走行ロボット10を移動させずに待機する(ステップS314)。規制部197は、ステップS301の処理と同様にして、ロボット位置及び人物位置を取得し続け、ロボット位置から所定範囲内に人物位置が存在しなくなったときに、自律走行ロボット10の周辺から不正侵入者又は不正侵入者候補が存在しなくなったと判定する。
なお、規制部197は、管制員又は管理者により移動の許可が指示され、ロボット管理サーバ20又はゲート管理サーバ40から移動の許可を通知する許可信号を受信したときに、待機を終了してもよい。
【0115】
次に、制御部191は、自律走行ロボット10の移動を再開させるようにタイヤ駆動部14を駆動し(ステップS315)、ステップS301へ処理を戻す。
以上により、検出処理の説明を終了する。
【0116】
以上説明したように、制御システム1は、不正侵入者又は不正侵入者候補が検出された場合に、自律走行ロボット10の筐体を用いて、不正侵入者又は不正侵入者候補によるセキュリティゲート30の通過を規制する。これにより、制御システム1は、人物が自律走行ロボット10とともにセキュリティゲート30を通過することを適切に防止することが可能となる。
これにより、制御システム1は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過する際に、通過権限を持たない人物による共連れ侵入又はすれ違い侵入を防止できる。
【0117】
以上、好適な実施形態について説明したが、実施形態は上記した例に限定されない。例えば、検出部196は、受信部193が開通知信号を受信したときに検出処理を開始するのでなく、送信部192が開要求信号を送信したときに検出処理を開始してもよい。即ち、開要求信号の送信によりセキュリティゲート30が開状態となっている開期間は、開要求信号が送信されたときに開始されてもよい。また、検出部196は、受信部193が閉通知信号を受信したときに検出処理を終了するのでなく、送信部192が閉要求信号を送信したときに検出処理を終了してもよい。即ち、開要求信号の送信によりセキュリティゲート30が開状態となっている開期間は、閉要求信号が送信されたときに終了されてもよい。
【0118】
また、送信部192は、開要求信号に代えて、これから自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を専有利用することを通知する利用要求信号を送信してもよい。セキュリティゲート30が専有利用された状態とは、他の自律走行ロボット10や人物によるそのセキュリティゲート30の利用が許可されない状態をいう。利用要求信号にも対象となる自律走行ロボット10のロボットID及び対象となるセキュリティゲート30のゲートIDが含まれ、開要求信号と同様にゲート管理サーバ40により照合される。利用要求信号を送信する場合、セキュリティゲート30はその要求が許可されたとしてもすぐに開状態とすることなく、例えば自律走行ロボット10が所定の位置に移動した後に開状態としてもよい。また、利用要求信号が許可された後に開要求信号が送信され、その開要求信号が許可された後に開状態とされてもよい。開要求信号及び利用要求信号は、セキュリティゲート30を通行するための通行要求の一例であり、いずれも自律走行ロボット10がセキュリティゲート30の通行を可能とするための信号である。
【0119】
また、検出部196は、ロボット位置及び/又は人物位置が、予め定められた判定エリアに含まれる場合に限り、人物検出部195により検出された人物を不正侵入者又は不正侵入者候補として検出してもよい。判定エリアは、例えばセキュリティゲート30における人物認証位置より、セキュリティゲート30により進入が規制されるエリア側に設定される。人物認証位置は、例えば読取部31の配置位置である。検出部196は、セキュリティゲート30が開状態であるか閉状態であるかにより、判定エリアを変更してもよい。その場合、検出部196は、受信部193により開通知信号及び/又は閉通知信号が受信されているか否かに基づいて、セキュリティゲート30が開状態であるか閉状態であるかを判定する。検出部196は、撮像部12が取得した画像に基づいてセキュリティゲート30が開状態であるか閉状態であるかを判定してもよい。例えば、セキュリティゲート30が閉状態である場合、セキュリティゲート30の入口に設けられた読取部31の位置から、入口と出口の間の中間位置に設けられた扉(フラップ)の位置までのエリアが判定エリアとして設定される。一方、セキュリティゲート30が開状態である場合、セキュリティゲート30の入口に設けられた読取部31の位置から、セキュリティゲート30の出口に設けられた読取部31の位置までのエリアが判定エリアとして設定される。各読取部31の位置及び/又は扉Gの位置は、予めマップ情報181に記憶される。
【0120】
また、検出部196は、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過権限を有する場合、その人物を不正侵入者又は不正侵入者候補として検出しなくてもよい。
例えば、検出部196は、第1人物センサ11、セキュリティゲート30又は監視カメラCから自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の顔が撮像された画像を取得する。検出部196は、取得した画像から切り出した顔領域と、予め登録された通過権限を有する権限者の顔画像との類似の程度が閾値以上である場合に、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過権限を有すると判定する。類似の程度は、正規化相互相関値等である。
また、検出部196は、不図示のICタグリーダが、権限者が保持する、権限者の識別情報である権限者IDが予め記憶されたICタグから権限者IDを読み取った場合に、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過権限を有すると判定してもよい。
また、検出部196は、Bluetooth(登録商標)又はZigBee(登録商標)等の無線通信インタフェース回路を有する不図示の無線モジュールが、権限者が保持するスマートフォン等から権限者IDを受信した場合に、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過権限を有すると判定してもよい。
【0121】
また、検出部196は、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属する場合、その人物を不正侵入者又は不正侵入者候補として検出しなくてもよい。
例えば、検出部196は、第1人物センサ11、セキュリティゲート30又は監視カメラCから自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の顔が撮像された画像を取得する。検出部196は、取得した画像から切り出した顔領域と、予め登録されたセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属する所属者の顔画像との類似の程度が閾値以上である場合に、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属すると判定する。
また、検出部196は、不図示のICタグリーダが、所属者が保持する、所属者の識別情報である所属者IDが予め記憶されたICタグから所属者IDを読み取った場合に、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属すると判定してもよい。
また、検出部196は、不図示の無線モジュールが、所属者が保持するスマートフォン等から所属者IDを受信した場合に、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属すると判定してもよい。
なお、所属者毎に、各所属者に対してセキュリティゲート30の通過が許可される時間帯(例えば警備員の勤務時間帯)が設定されてもよい。その場合、検出部196は、現在時刻がその人物に対してセキュリティゲート30の通過が許可される時間帯に含まれる場合に限り、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属すると判定する。
【0122】
また、検出部196は、人物検出部195により検出された人物が、第1エリアから、第1エリアよりセキュリティレベルが低い第2エリアに向けてセキュリティゲート30を通過している場合、その人物を不正侵入者又は不正侵入者候補として検出しなくてもよい。検出部196は、マップ情報181から、対応するセキュリティゲート30により区画される二つのエリアのセキュリティレベルを特定する。検出部196は、人物検出部195により検出された人物の位置の変化に基づいて、人物検出部195により検出された人物が、セキュリティレベルがより低いエリアに向かっているか、セキュリティレベルがより高いエリアに向かっているかを判定する。
【0123】
これらにより、制御システム1は、より高精度に不正侵入者又は不正侵入者候補を検出することができる。
【0124】
また、自律走行ロボット10は、本体部10Aに対して移動可能な可動部として、アーム10Cに代えて又は加えて、フラッパー、エアバッグ等の他の部品を有してもよい。その場合、
図6のステップS313において、規制部197は、フラッパーを開くことにより、又は、エアバッグを膨らませることにより、自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くする。この場合も、制御システム1は、人物が自律走行ロボット10とともにセキュリティゲート30を通過することを適切に防止することが可能となる。
【0125】
また、自律走行ロボット10は、ゲート管理サーバ40を介さずに、セキュリティゲート30と直接に信号を送受信してもよい。即ち、送信部192は、ゲート制御システム3が有するセキュリティゲート30に開要求信号及び閉要求信号を送信し、受信部193は、ゲート制御システム3が有するセキュリティゲート30から開通知信号及び閉通知信号を受信してもよい。その場合、セキュリティゲート30の第3記憶部35が、セキュリティゲート30の通過を許可された利用者及び自律走行ロボット10の認証情報を記憶し、セキュリティゲート30の第3処理部36が利用者及び自律走行ロボット10の認証を実行する。
【0126】
また、
図6の検出処理は、自律走行ロボット10でなく、ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40の何れかにより実行されてもよい。その場合、ロボット管理サーバ20の第2記憶部24、セキュリティゲート30の第3記憶部35又はゲート管理サーバ40の第4記憶部44は、自律走行ロボット10の第1記憶部18が記憶する各情報を記憶する。ロボット管理サーバ20の第2処理部25、セキュリティゲート30の第3処理部36又はゲート管理サーバ40の第4処理部45は、取得部194、人物検出部195、検出部196及び規制部197と同様の機能を有する取得部、人物検出部、検出部及び規制部を有する。
【0127】
図4のステップS207において、自律走行ロボット10の第1処理部19は、検出処理を開始することを要求する開始要求信号を、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40に送信する。ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40は、自律走行ロボット10から開始要求信号を受信した場合、検出処理を開始する。また、
図4のステップS216において、自律走行ロボット10の第1処理部19は、検出処理を終了することを要求する終了要求信号を、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40に送信する。ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40は、各装置の通信部を介して自律走行ロボット10から終了要求信号を受信した場合、検出処理を終了する。
図6のステップS301において、取得部は、自律走行ロボット10、セキュリティゲート30又は監視カメラCから各信号、画像又は情報を取得する。人物検出部は、取得した各信号、画像又は情報に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物を検出する。取得部は、取得した各信号、画像又は情報に基づいて、ロボット位置及び人物位置を取得する。
ステップS305において、検出部は、警告表示又は警告音声を出力することを要求する要求信号を自律走行ロボット10に送信する。自律走行ロボット10の第1処理部19は、ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40から要求信号を受信した場合、警告表示又は警告音声を出力部16から出力させる。
ステップS311において、規制部は、セキュリティゲート30内に自律走行ロボット10を停止させることを要求する要求信号を自律走行ロボット10に送信する。自律走行ロボット10の第1処理部19は、ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40から要求信号を受信した場合、セキュリティゲート30内に自律走行ロボット10を停止させる。
ステップS313において、規制部は、ステップS312で決定した方法で自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くすることを要求する要求信号を自律走行ロボット10に送信する。自律走行ロボット10の第1処理部19は、ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40から要求信号を受信した場合、指定された方法で自律走行ロボット10とセキュリティゲート30の間の隙間を狭くするように自律走行ロボット10を制御する。
これらの場合も、制御システム1は、人物が自律走行ロボット10とともにセキュリティゲート30を通過することを適切に防止することが可能となる。
【0128】
本発明の一実施形態にかかる自律走行ロボットを含む制御システムは、労働力人口減少や長時間労働などの社会課題の解決に貢献し得るものである。
また、本発明の一実施形態にかかる自律走行ロボットを含む制御システムは、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献し得るものである。
【符号の説明】
【0129】
1 制御システム、10 自律走行ロボット、10C アーム、191 制御部、192 送信部、193 受信部、194 取得部、195 人物検出部、196 検出部、197 規制部