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特開2024-145659ガイダンス表示方法、ガイダンス表示システム及びガイダンス表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145659
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ガイダンス表示方法、ガイダンス表示システム及びガイダンス表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20241004BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G05B23/02 X
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058109
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002901
【氏名又は名称】株式会社ダイセル
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 洋輝
(72)【発明者】
【氏名】武次 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】堀川 圭一
【テーマコード(参考)】
3C100
3C223
【Fターム(参考)】
3C100AA38
3C100AA56
3C100AA58
3C100BB13
3C100EE11
3C223AA05
3C223BA03
3C223BB02
3C223EA04
3C223EB01
3C223FF26
3C223FF35
3C223FF45
3C223GG03
(57)【要約】
【課題】生産設備において生じる異常等に応じて表示するガイダンスのメンテナンスを容易にする。
【解決手段】ガイダンス表示方法は、生産設備が備えるセンサが出力するプロセスデータを取得し、当該プロセスデータを含む、生産設備が行う生産プロセスを監視するための監視画面をユーザー端末に対して提供することと、プロセスデータと予め定められた判定モデルとを用いて、異常又はその予兆の原因の複数の候補についてそれぞれ成立度を算出することと、算出された成立度が所定の条件を満たす原因を特定することと、異常又はその予兆の原因と、当該原因に対応付けられたガイダンス情報との組合せを複数記憶するガイダンス定義を用いて、特定された原因に対応するガイダンス情報を監視画面に出力することと、を1以上のコンピュータが実行する。また、ガイダンス定義を更新することにより、ガイダンス情報を変更できる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産設備が備えるセンサが出力するプロセスデータを取得し、当該プロセスデータを含む、前記生産設備が行う生産プロセスを監視するための監視画面をユーザー端末に対して提供することと、
前記プロセスデータと予め定められた判定モデルとを用いて、異常又はその予兆の原因の複数の候補についてそれぞれ成立度を算出することと、
算出された成立度が所定の条件を満たす前記原因を特定することと、
異常又はその予兆の原因と、当該原因に対応付けられたガイダンス情報との組合せを複数記憶するガイダンス定義を用いて、特定された前記原因に対応するガイダンス情報を前記監視画面に出力することと、
を1以上のコンピュータが実行し、
前記ガイダンス定義を更新することにより、前記ガイダンス情報を変更できる
ガイダンス表示方法。
【請求項2】
前記ガイダンス定義は、予め定められた監視画面のテンプレートの所定部分に表示させるための情報、及び前記テンプレートおいて、強調表示すべき部分を特定するための情報を含む
請求項1に記載のガイダンス表示方法。
【請求項3】
前記1以上のコンピュータは、前記算出された成立度が所定の条件を満たす前記原因が特定された場合、前記生産設備が備える機器に対する操作量を決定し、
前記監視画面は、決定された操作量を前記テンプレートにおける所定の位置に表示させる
請求項2に記載のガイダンス表示方法。
【請求項4】
前記テンプレートは、表計算ソフトで読み書き可能なファイルで作成されている
請求項2に記載のガイダンス表示方法。
【請求項5】
前記テンプレートは、前記ユーザー端末の記憶装置に格納される
請求項2に記載のガイダンス表示方法。
【請求項6】
前記ガイダンス定義に記憶される1以上の組合せと、アナンシエータに設定された1つのアラームとが対応付けられ、前記算出された成立度が所定の条件を満たす前記原因に対応付けられたアラームが発報される
請求項1に記載のガイダンス表示方法。
【請求項7】
前記生産設備は、化学プロセスプラントであり、
前記監視画面は、DCS(Distributed Control System)の制御プログラムと連携して表示される
請求項1に記載のガイダンス表示方法。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載のガイダンス表示方法を実行する1以上のコンピュータを備えるガイダンス表示システム。
【請求項9】
請求項1から7の何れか一項に記載のガイダンス表示方法を1以上のコンピュータに実行させるためのガイダンス表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガイダンス表示方法、ガイダンス表示システム及びガイダンス表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生産設備における異常変調の原因の特定精度を向上させると共に、ユーザに適切な対処を提案する異常変調原因表示装置が提案されている(特許文献1)。当該装置は、生産設備が備える複数のセンサによって継続的に出力されるプロセスデータを記憶する記憶装置から、プロセスデータを読み出すプロセスデータ取得部と、プロセスデータ取得部が読み出したプロセスデータの変調の程度を表す異常度を算出する異常判定部と、原因と、当該原因から生じる影響として現れる複数のセンサが出力するプロセスデータの変調との組合せを定義する因果関係情報を用いて、複数のセンサが出力するプロセスデータについて、異常判定部が算出した異常度が所定の基準を満たすか判断する原因診断部と、原因に対して取るべき対処を示す情報をさらに記憶する記憶装置から、当該対処を示す情報を読み出し、出力装置に出力させる出力制御部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/241577号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生産設備において検知された異常やその予兆に応じて、予測される原因に応じたガイダンスをオペレータに対して表示するために、ガイダンスの内容ごとにこれを直接記載した画面を作成していた。よって、ガイダンス画面を作成又は変更するためには、個々の画面の記載を作成又は変更する必要があり手間がかかる。本開示は、生産設備において生じる異常等に応じて表示するガイダンスのメンテナンスを容易にするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係るガイダンス表示方法は、以下の態様により実現することができる。
(態様1)
ガイダンス表示方法は、
生産設備が備えるセンサが出力するプロセスデータを取得し、当該プロセスデータを含む、生産設備が行う生産プロセスを監視するための監視画面をユーザー端末に対して提供することと、
プロセスデータと予め定められた判定モデルとを用いて、異常又はその予兆の原因の複数の候補についてそれぞれ成立度を算出することと、
算出された成立度が所定の条件を満たす原因を特定することと、
異常又はその予兆の原因と、当該原因に対応付けられたガイダンス情報との組合せを複数記憶するガイダンス定義を用いて、特定された原因対応するガイダンス情報を監視画面に出力することと、
を1以上のコンピュータが実行する。
また、ガイダンス定義を更新することにより、ガイダンス情報を変更できる。
(態様2)
態様1において、ガイダンス定義は、予め定められた監視画面のテンプレートの所定部
分に表示させるための情報、及びテンプレートおいて、強調表示すべき部分を特定するための情報を含むようにしてもよい。
(態様3)
態様2において、1以上のコンピュータは、算出された成立度が所定の条件を満たす原因が特定された場合、生産設備が備える機器に対する操作量を決定し、監視画面は、決定された操作量をテンプレートにおける所定の位置に表示させるようにしてもよい。
(態様4)
態様2又は3において、テンプレートは、表計算ソフトで読み書き可能なファイルで作成されていてもよい。
(態様5)
態様2から4の何れか1つにおいて、テンプレートは、ユーザー端末の記憶装置に格納されるようにしてもよい。
(態様6)
態様1から5の何れか1つにおいて、ガイダンス定義に記憶される1以上の組合せと、アナンシエータに設定された1つのアラームとが対応付けられ、算出された成立度が所定の条件を満たす原因に対応付けられたアラームが発報されるようにしてもよい。
(態様7)
態様1から6の何れか1つにおいて、生産設備は、化学プロセスプラントであり、監視画面は、DCS(Distributed Control System)の制御プログラムと連携して表示されるものであってもよい。
【0006】
なお、課題を解決するための手段に記載の内容は、本開示の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。また、課題を解決するための手段の内容は、コンピュータ等の装置若しくは複数の装置を含むシステム、1以上のコンピュータが実行する方法、又は1以上のコンピュータに実行させるプログラムとして提供することができる。なお、プログラムを保持する記録媒体を提供するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、生産設備において生じる異常等に応じて表示するガイダンスのメンテナンスを容易にするための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、システムの一例を表す図である。
図2図2は、プロセスの一例を示す模式的な図である。
図3図3は、バッチ工程におけるプロセスデータの一例を説明するための図である。
図4図4は、連続工程におけるプロセスデータの一例を説明するための図である。
図5図5は、連続工程におけるプロセスデータとバッチ工程における製造番号との対応付けを説明するための図である。
図6図6は、制御ステーション、異常検知装置及び運転支援システムの一例を示すブロック図である。
図7図7は、知識ベーステーブルの一例を示す図である。
図8図8は、ロジックツリーの一例を示す図である。
図9図9は、ガイダンス定義の一例を示す図である。
図10図10は、異常検知処理の一例を示す模式的なシーケンス図である。
図11図11は、ガイダンス一覧を説明するための図である。
図12図12は、想定原因一覧を説明するための図である。
図13図13は、想定原因ガイダンスを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ異常検知装置の実施形態について説明する。
【0010】
<実施形態>
図1は、本実施形態に係るシステムの一例を表す図である。システム100は、プラント1と、制御ステーション2と、異常検知装置3と、運転支援システム4と、ユーザー端末5とを含む。システム100は、例えば分散型制御システム(DCS:Distributed Control System)であり、複数の制御ステーション2を含む。すなわち、プラント1の制御系は複数の区画に分割され、各制御区画が制御ステーション2によって分散制御される。
【0011】
プラント1は、例えば化学プロセスプラントであり、反応器、蒸留装置、熱交換器、圧縮機、ポンプ、タンク等が配管を介して接続されることにより構成される。また、機器や配管の所定の位置には、センサやバルブ等が設けられる。センサは、温度計、流量計、圧力計、レベル計、濃度計等を含み得る。また、センサは、各機器の運転状態を監視し、状態信号を出力する。また、センサには、センサの各々を特定するための識別情報である「タグ」が付されているものとする。すなわち、システム100においては、タグに基づいてプロセスデータの種類を特定することができる。なお、プラント1は、化学プロセスプラントに限らず何らかの生産設備であってもよい。
【0012】
制御ステーション2は、プラント1が備えるセンサ等から出力される状態信号(いわゆるプロセスデータ)を受信したり、プラント1に対して制御信号を出力する。そして、制御信号に基づいて、プラント1が備えるバルブ等のアクチュエータやその他の機器が制御される。また、制御ステーション2は、プラント1の運転状態を表す情報をユーザー端末5に対して出力すると共に、異常を検知した場合にはユーザー端末5に対してアラーム等を出力するアナンシエータとして機能する。このとき、異常やその予兆の原因及びそれに対処するためのアクションを記憶するテーブルと、特定された原因とに基づいて、ユーザー端末5にアクションの候補を出力してもよい。なお、プロセスデータは、原料や生成物である処理対象の温度、圧力、流量等や、プラント1が備える機器の運転条件を定める設定値等を含む。なお、プラント1の処理対象物や機器に生じる、予定された範囲から逸脱した変化である異常又はその予兆を、本実施形態では「変調」とも呼ぶものとする。
【0013】
異常検知装置3は、制御ステーション2を介してプラント1の状態信号(プロセスデータ)を取得する。また、異常検知装置3は、プロセスデータを用いて、生産プロセスに生じる異常やその予兆、その原因を予測するための判定モデルを予め備えているものとする。そして、異常検知装置3は、プロセスデータを用いて予め定められた異常状態の成立度を算出する。
【0014】
運転支援システム4は、異常検知装置3が算出する成立度を監視し、例えば成立度が所定の閾値を超える場合にアナンシエータを動作させる。
【0015】
ユーザー端末5は、プラント1の運転を行うオペレータ等のユーザーが使用するコンピュータである。ユーザー端末5には、プラント1が行う生産プロセスを監視するための監視画面が制御ステーション2を介して表示される。ユーザー端末5は、表示される画面のテンプレートとして使用されるデータを保持していてもよい。すなわち、監視画面は、テンプレートの所定の位置に、制御ステーション2等から取得した情報を取り込んで作成されるようにしてもよい。
【0016】
<製造プロセス>
図2は、プラント1が備える機器によって行われるプロセスの一例を示す模式的な図である。本実施形態では、例えば樹脂を製造する生産プラントを例に説明する。製造プロセ
スは、バッチ工程11と連続工程12とを含み得る。バッチ工程11においては、所定の処理単位ごとに処理対象が逐次処理され、例えば各機器への原料の受入れ、保持、排出といった処理が順に行われる。連続工程12においては、継続して導入される処理対象に対して、受入れ、保持、排出等の処理が連続的に行われる。また、プロセスは、並列に同一の処理を行う複数の系列13を含み得る。
【0017】
図3は、バッチ工程におけるプロセスデータの一例を説明するための図である。図3の左側の列は、図2に示したバッチ工程11のプロセスの一部を示す。具体的には、プロセスは、シュレッダー111と、サイクロン112と、前処理機113と、予冷機114と、反応器115とを含む。また、これらのプロセスは、前処理工程、予冷工程、反応工程に分類されている。図3の右側の列は、各プロセスにおいて取得されるプロセスデータの一例を示す。前処理工程においては、タグが001及び002であるセンサから時系列のデータが取得される。予冷工程においては、タグが003及び004であるセンサから時系列のデータが取得される。反応工程においては、タグが005、006及び007であるセンサから時系列のデータが取得される。また、バッチ工程においては、製造番号(「製番」とも呼ぶ)と対応付けられた処理対象を、断続的に処理する。すなわち、製造番号は、バッチ工程においてまとめて処理される処理対象を識別するための識別情報である。図3に示すように、時間の経過と共に、後続の製造番号と対応付けられた処理対象に関する時系列のデータが得られる。製造番号や、バッチ工程を構成する細分化された工程における処理の段階を示すステップは、例えば制御ステーション2によって管理される。
【0018】
図4は、連続工程におけるプロセスデータの一例を説明するための図である。図4の左側の列は、図2に示した連続工程12のプロセスの一部を示す。具体的には、プロセスは、タンク121と、ポンプ122とを含む。図4の右側の列は、各プロセスにおいて取得されるプロセスデータの一例を示す。連続工程12においては、タグと対応付けられ、製造番号とは対応付けられていない時系列のデータが、センサ又は撮像装置から継続して取得される。連続工程においては、タグが102及び103である各センサから時系列のデータが取得される。連続工程においては、機器が連続的に処理対象を受け入れ、継続して処理を行う。
【0019】
図5は、連続工程におけるプロセスデータとバッチ工程における製造番号との対応付けを説明するための図である。プロセスデータの取得は、例えばトレーサビリティ情報として予め設定された間隔で行われる。なお、トレーサビリティ情報は、サンプリング間隔及び滞留時間を含む。サンプリング間隔は、連続工程においてサンプリングを行う間隔である。滞留時間は、バッチ工程の完了から、連続工程に含まれるプロセスに到達するまでに処理対象が滞留する時間である。すなわち、バッチ工程の後に連続工程を行う場合、ある期間内に完了したバッチ工程による生成物が、連続工程の処理対象としてまとめてタンク等に導入される。したがって、連続工程におけるプロセスデータは、バッチ工程の完了からセンサによる測定時までの処理対象の滞留時間を遡り、バッチ工程の完了時刻が所定の期間に含まれる製造番号群とおおむね対応付けることができる。このような紐づけにより、バッチ工程と連続工程とが続けて実施される場合において、異常原因の特定精度を向上させることができる。
【0020】
<装置構成>
図6は、制御ステーション2、異常検知装置3及び運転支援システム4の一例を示すブロック図である。制御ステーション2はコンピュータであり、プロセッサ21と、記憶装置22と、通信インターフェース(I/F)23とを備えている。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置であり、プログラムを実行すること
により本実施形態に係る各処理を行う。図6の例では、プロセッサ21内に機能ブロックを示している。すなわち、プロセッサ21は、所定のプログラムを実行することにより、
連携部211及びUI(User Interface)制御部212として機能する。連携部211は、プラント1からプロセスデータを取得して記憶装置22に格納したり、ユーザー端末5に対する操作に基づいてプラント1を制御したりする。また、連携部211は、他の装置から受信したデータを記憶装置22に格納したり、記憶装置22に格納されたデータに基づいて他の装置へデータを出力したりする。UI制御部212は、記憶装置22に格納されたデータに基づいて、ユーザー端末5へアナンシエータ(アラーム)を発報したり、ユーザー端末5のモニタへ出力するための表示データを作成する。本実施形態においては、運転支援システム4によってアナンシエータの発報のトリガーとなる連動情報が更新されると共に、連動情報に応じてユーザー端末5へ出力する表示データを動的に変更させる。記憶装置22は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の主記憶装置、及びHDD(Hard-Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置(二次記憶装置)であってもよい。主記憶装置は、プロセッサ21が読み出すプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報を一時的に記憶したり、プロセッサ21の作業領域を確保したりする。補助記憶装置は、プロセッサ21が実行するプログラムや他のコンピュータとの間で送受信する情報等を記憶する。通信I/F23は、例えばネットワークカードや通信モジュールであってもよく、所定のプロトコルに基づき、他のコンピュータと通信を行う。
【0021】
異常検知装置3もコンピュータであり、プロセッサ31と、記憶装置32と、通信I/F33とを備えている。これらの構成要素は、基本的に制御ステーション2のプロセッサ21、記憶装置22及び通信I/F23と同様である。異常検知装置3の記憶装置32は、原因となる事象とそれに起因して生じるプロセスデータの変化との因果関係の組合せを定義する知識ベーステーブルや、原因となる事象についてそれぞれ成立度を算出するための判定モデルを予め記憶しているものとする。また、プロセッサ31は、所定のプログラムを実行することにより、データ取得部311、異常判定部312及び出力生成部313として機能する。データ取得部311は、制御ステーション2を介してプロセスデータを取得し、記憶装置32へ格納する。異常判定部312は、プロセスデータ及び判定モデルを用いて異常又はその予兆の原因の成立度を算出する。出力生成部313は、プロセスデータ、知識ベーステーブル及び判定モデルを用いて、異常変調を抑制するためのアクション(対応)やプロセスデータのトレンド情報を含む表示データを作成する。表示データは、制御ステーション2からユーザー端末5へ出力されるガイダンス画面内に組み込まれるようにしてもよい。また、表示データは、例えば表計算ソフトやワードプロセッサで読み書き可能なファイル、テキストファイル、データベースのレコード等であってもよい。このようにすれば、制御ステーション2において実行されるプログラムを改修することなく、ユーザー端末5へ出力する情報を追加したり変更したりすることができる。すなわち、DCSのうち制御ステーション2において稼働するプログラム等を変更することなくガイダンス画面を変更できるため、プラント1の異常時の対処を改善したい場合に速やかにシステム100に反映させることができる。また、出力生成部313は、プロセスデータの変化の傾向を表すトレンド情報を継続的に作成し、ユーザー端末5からの要求に応じて出力するようにしてもよい。トレンド情報は、例えば所定期間におけるプロセスデータの値又はその統計量をプロットしたグラフを含むようにしてもよい。
【0022】
運転支援システム4もコンピュータであり、プロセッサ41と、記憶装置42と、通信I/F43とを備えている。これらの構成要素も、基本的に制御ステーション2のプロセッサ21、記憶装置22及び通信I/F23と同様である。運転支援システム4の記憶装置42は、ガイダンス定義を予め記憶しているものとする。ガイダンス定義は、異常又はその予兆の想定原因と、制御ステーション2が発報すべきアナンシエータの種別と、ユーザー端末5(ガイダンス画面)に出力すべきガイダンス情報とを対応付けて記録した情報である。また、プロセッサ41は、所定のプログラムを実行することにより、監視部411として機能する。監視部411は、制御ステーション2の記憶装置22が保持する情報
を監視し、異常やその予兆が検知された場合にはアナンシエータの動作設定をオンにする。
【0023】
ユーザー端末5もコンピュータであり、プロセッサ51と、記憶装置52と、通信I/F53と、入出力装置54とを備えている。プロセッサ51、記憶装置52、及び通信I/F53は、基本的に制御ステーション2のプロセッサ21、記憶装置22及び通信I/F23と同様である。入出力装置54は、例えば、ディスプレイ、タッチパネル、キーボード、マウス、マイク、スピーカ等のユーザインターフェース(UI)である。入出力装置54は、ユーザーの操作を受け付けると共に、ユーザーに対して情報を出力する。すなわち、ユーザー端末5は、DCSのUIとして機能する。ユーザー端末5の記憶装置52は、表示される画面のテンプレートとして使用されるデータを予め記憶しておくようにしてもよい。この場合、プロセッサ51は、テンプレートの所定の位置に、制御ステーション2等から取得した情報を取り込んで監視画面を作成し、ディスプレイ等の入出力装置54に出力させる。例えば、監視画面の少なくとも一部は、例えば表計算ソフトのような所定のソフトウェアによって読み書きできるデータによって作成されていてもよい。また、プロセッサ51は、監視画面の一部に、制御ステーション2が作成する表示データを読み込んで表示させる。
【0024】
図7は、知識ベーステーブルに予め登録される情報の一例を示す図である。知識ベーステーブルは、異常検知装置3の記憶装置に予め記憶されるものとする。図7のテーブルは、センサ又は撮像装置(タグ)の各々に対応する「影響」の列と、変調の「想定原因」を示す行とを含む。すなわち、各行に示す「原因1」、「原因2」等の原因によって影響を受けるセンサに対応する列に、値の変動の方向が登録されている。知識ベーステーブルにおいては、変動の方向を、センサの出力値の増加(上昇)を表す「上」又は減少(低下)を表す「下」で表示している。なお、図7に示すように、原因と影響の組み合わせは1対1とは限らない。また、各センサに対応付けて、プロセスデータの演算方法、抽出タイミング、異常判定に用いる閾値等が定められている。演算方法の行には、各センサの出力値を用いて行う演算の手法を示す情報が登録される。タイミングは、例えばバッチ処理においては、各工程における処理の段階を示すステップや特定の期間、時点等で定義してもよい。また、連続処理においては、サンプリング間隔等によって定義してもよい。閾値の行には、各異常判定手法において異常と判定する基準である閾値が登録される。閾値は、例えば上限及び下限の2つを含むものであってもよい。以上のように、知識ベーステーブルは、原因となる事象と、それに起因して生じるプロセスデータの変調である影響との因果関係の組合せを定義する。以上のようなテーブルに設定される情報に基づいて、異常検知装置3は、プラント1から取得したプロセスデータのうち所定のタイミングのデータを抽出し、予め定められた手法によって異常判定を行う。なお、因果関係の組合せは、影響として現れる変調を根とし、その想定原因を葉とし、原因から変調に至る過程で現れる事象を時系列に沿った階層状に接続したツリー形式で表すことができる。
【0025】
図8は、異常又は予兆とその原因との関係を表すロジックツリーの一例を示す図である。ロジックツリーは、異常検知装置3の記憶装置に予め記憶される判定モデルによって行われる演算を表している。図8のロジックツリーは、生産工程における上流側であって時系列上の早期の事象を左側に配置し、生産工程における下流側であって時系列上の後続の事象を右側に配置し、想定原因から影響として現れる変調に向かって矢印で階層状に接続したものである。また、ロジックツリーは、知識ベーステーブルにおける1つの変調に対して複数の想定原因が存在する場合は分岐させて接続し、想定原因から変調までの過程において共通して現れる事象を束ねて表示している。各分岐の上流側の端部に位置する太い実線の矩形は、知識ベーステーブルの想定原因に相当し、図7及び図8の括弧内の数字が対応している。また、細い実線の矩形は、知識ベーステーブルの影響に相当し、プロセスデータによって観察できる事象を表している。このような影響の各々について、知識ベー
ステーブルで定められた演算方法に応じた演算が行われる。また、各想定原因について、上記演算を行うための数式を含む判定モデルが定義され、判定モデルを用いて異常又はその予兆を検知したり、その原因特定を支援できるようになる。
【0026】
図9は、運転支援システム4の記憶装置42に記憶されるガイダンス定義の一例を示す図である。ガイダンス定義は、「成立度No.」、「表示DB」、「連動SW」、「想定原因」、「ガイダンスGR」、「ボタンID」及び「出力ファイルパス」の各属性を含むテーブルである。なお、テーブルは、表計算ソフトやデータベース管理システムにより読み書きされるファイルでもよいし、CSV(Comma-Separated Values)等のテキストファイルであってもよい。成立度No.のフィールドには、例えば図8に示した想定原因に対応する識別情報が登録される。表示DBのフィールドには、ガイダンス定義の各レコードに対応する想定原因の成立度が所定の閾値を超えた場合に、ユーザー端末5に表示する運転状態を表す情報において、想定原因を表示する押ボタンの強調表示の要否を判定するためのフラグが登録される。連動SWのフィールドには、制御ステーション2からユーザー端末5へ発報するアナンシエータの識別情報が登録される。想定原因のフィールドには、異常又はその予兆の原因を説明するための情報であって、ユーザー端末5に表示するための文字列が登録される。ガイダンスGRのフィールドには、ユーザー端末5に表示するガイダンス画面の識別情報が登録される。なお、ガイダンス画面においては、例えば、各レコードに対応する想定原因を表示する押ボタンが複数表示されるものとする。ボタンIDのフィールドには、ガイダンス画面において当該レコードに対応する想定原因を表示する押ボタンの識別情報が登録される。出力ファイルパスのフィールドには、ユーザー端末5に格納されるファイルの格納場所を表すパスが登録される。ファイルの内容は、想定原因に対応付けられたガイダンス情報を含む。ガイダンス情報は、例えば異常変調が及ぼす影響のような想定原因の詳細な説明やこれに対処するためのアクションを含む。なお、ファイルをユーザー端末5に格納することで、ファイルの読出し及び表示に要する時間を短縮できるが、ファイルは異常検知装置3等に格納されていてもよい。図9に示すようなガイダンス定義を利用することで、制御ステーション2からユーザー端末5へ出力する画面に表示される情報を動的に変更することができる。このようにすれば、例えばプラント1において生じ得る異常やその予兆の定義やその判定のための演算方法を追加したり変更したりする場合に、異常検知装置3が記憶する知識ベーステーブルや判定モデル、運転支援システム4が保持するガイダンス定義、ユーザー端末5が読み込むガイダンス情報を変更するだけでシステム100を改修できるようになる。すなわち、システム100を改修する際に、制御ステーション2や運転支援システム4に対する変更を少なくすることができるため、プラント1の運用に関する新たな知見を速やかに運転の手順に反映できるようになる。
【0027】
<異常検知処理>
図10は、異常検知処理の一例を示す模式的なシーケンス図である。システム100の稼働を開始する際に、まず運転支援システム4の監視部411は、図9に示したガイダンス定義を記憶装置42から読み出す(図10:S1)。読み出されたガイダンス定義は、例えば主記憶装置に保持される行列変数に格納するようにしてもよい。
【0028】
また、制御ステーション2の連携部211は、継続的にプラント1からプロセスデータを取得し、異常検知装置3へ出力する(図10:S2)。一方、異常検知装置3のデータ取得部311は、制御ステーション2を介してプロセスデータを取得し、異常判定部312は、異常又はその予兆の原因の成立度を算出する(図10:S3)。異常判定部312は、図7に示した知識ベーステーブル及び図8に示した判定モデルによって予め定義された演算を行い、成立度を算出することができる。また、異常判定部312は、算出した成立度を制御ステーション2に送信し、記憶装置22に記憶させる。なお、異常判定部312は、例えば成立度が所定の閾値を超えた場合に成立したと判断すると共に、制御ステー
ション2には成立したか否かを示す情報を送信するようにしてもよい。図10のS2からS4までの処理は、継続的に繰り返される。
【0029】
また、運転支援システム4の監視部411は、制御ステーション2の記憶装置22が保持する成立度を継続的に監視する(図10:S5)。そして、監視部411は、いずれかの原因について成立したことを示す情報が制御ステーション2に記憶されている場合、制御ステーションがアナンシエータを発報するためのトリガーとなるスイッチ情報(SW)をオンにする(図10:S6)。本ステップでは、監視部411は、成立した原因に対応付けられて図9に示したガイダンス定義に登録されている情報を、制御ステーション2へ送信する。スイッチ情報は、制御ステーション2の記憶装置22に格納されるものとする。なお、複数の想定原因の成立度に対応して多くのスイッチ情報が設定され得るところ、過去の成立度と現在の成立度とを、それぞれ0又は1に変換した上で行列変数に格納し、行列変数の差分を計算することにより成立度が変化した想定原因を特定する処理の効率を向上させてもよい。また、S5及びS6の処理は、継続的に繰り返される。
【0030】
制御ステーション2のUI制御部212は、スイッチ情報がオンにされた場合、ユーザー端末5に対してアナンシエータを発報する(図10:S7)。本ステップでは、制御ステーション2において予め設定されたアナンシエータのうち、ガイダンス定義の成立度No.に対応するアナンシエータが発報される。また、ユーザー端末5のモニタに表示されるプラント1の運転状態を表す情報において、異常又はその予兆が検知されたプロセスを強調表示させる。強調表示させる箇所は、ガイダンス定義の連動SWのフィールドに登録された情報に基づいて特定される。強調表示は、例えば、図2に示したようなプラント1のプロセスの系列を俯瞰的に表す情報において、該当するプロセスの色彩や模様、形状等を変更することにより行う。また、ユーザー端末5に対するユーザーの操作に応じて、UI制御部212は、プロセスに生じた異常又はその予兆に関する詳細な情報をユーザー端末5に送信する(図10:S9)。
【0031】
図11は、詳細な情報の一例であるガイダンス一覧を説明するための図である。図11の画面は、プラント1に含まれる生産ラインと、各生産ラインで実施される工程とを表し、異常又はその予兆が検知された箇所を強調表示可能にしたテーブルと、該当する箇所に設けられたセンサを表すタグを強調表示可能にしたテーブルとを含む。ガイダンス一覧に表示される情報のうち、生産ライン、工程及びタグは、プラント1の構成に基づいて予め設定される。一方、強調表示される個所は、ガイダンス定義において連動SWのフィールドに登録された情報に応じて動的に変更することができる。
【0032】
図12は、詳細な情報の一例である想定原因一覧を説明するための図である。想定原因一覧は、例えば図11においていずれかの工程が選択された場合に表示される。また、想定原因一覧は、選択された工程において生じ得る異常又はその予兆に対して想定される原因の一覧を示す。1つの画面には、例えばガイダンス一覧のガイダンスGRのフィールドに同一の識別情報が登録された複数のレコードの各々に対応するボタンが表示される。また、各ボタンに表示される文字列は、ガイダンス一覧の想定原因のフィールドに登録された文字列であり、ボタンIDに登録された識別情報に対応するボタンにマッピングされている。想定原因一覧に表示される情報のうち、ボタンのレイアウト等のテンプレートは予めユーザー端末5において定義される。一方、各ボタンに表示される文字列や強調表示される個所は、ガイダンス定義等に応じて動的に変更することができる。
【0033】
図13は、詳細な情報の一例である想定原因ガイダンスを説明するための図である。想定原因ガイダンスは、例えば図12においていずれかのボタンが選択された場合に表示される。また、想定原因ガイダンスは、選択されたボタンに対応する想定原因に関する情報を表示する。なお、図13に示す画面の少なくとも一部は、例えば表計算ソフトのような
所定のソフトウェアによって読み書きできるデータによって作成してもよい。図13の例では、判断ロジック、影響及びアクションの各項目、及び「トレンド」ボタンが表示されている。判断ロジックは、原因を特定する根拠を説明するための項目である。影響は、異常又はその予兆が及ぼす影響を説明するための項目である。アクションは、異常変調を抑制するための対応を説明するための項目である。アクションの項目には、例えば手動でプラント1を制御するための操作手順が表示される。各項目に表示する情報は、例えばガイダンス一覧の出力ファイルパスに格納場所が登録された外部ファイル内に記載されている。
【0034】
外部ファイルは、異常検知装置3の出力生成部313が定期的に更新する(図10:S8)。外部ファイルは、想定原因ガイダンスの各項目に表示される情報のほか、プラント1から継続的に出力されるプロセスデータを定期的に反映させたトレンド情報等も含むようにしてもよい。また、アクションの項目に表示される情報内には、プロセスデータ(すなわち、異常又はその予兆の程度)に応じた操作量が設定されるようにしてもよい。この場合、S8において出力生成部313は外部データに操作量を出力する。なお、操作量は、プラント1の機器の開度や出力を変更させる大きさであり、想定原因やプロセスデータに応じた所定の演算により求められる。そして、図13の「トレンド」ボタンが押下された場合には、外部ファイルに記載されたトレンド情報が表示される。トレンド情報やアクションの詳細は、外部ファイルそのものを対応するソフトウェアによって読み出すことにより表示するようにしてもよい。
【0035】
以上のように、監視画面は、制御ステーション2において稼働するDCSの制御プログラムとユーザー端末5とが連携して作成される。例えば、想定原因ガイダンスに表示される情報のうち、項目の表示領域のレイアウト等のテンプレートは予めユーザー端末5において定義される。一方、各項目に表示される情報は、ガイダンス定義や外部ファイルに応じて動的に変更することができる。すなわち、制御ステーション2において稼働するDCSの制御プログラムを変更することなく監視画面を変更できる。よって、異常等に応じて表示するガイダンスのメンテナンスを容易にすることができる。なお、項目の表示領域のレイアウトも、外部ファイルから読み込むようにしてもよい。また、制御ステーション2、異常検知装置3又は運転支援システム4は、アナンシエータに設定される1つのアラームに対し、ガイダンス定義に登録される複数のレコードを対応付けるアラーム集約機能を有していてもよい。なお、アラーム集約機能は、例えば特開2003-177818に示されるような既存の技術を利用して実現できる。このようにすれば、アナンシエータの修正を行うことなく、ガイダンスの追加や修正を行うことができる。
【0036】
<変形例>
各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。また、本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
【0037】
実施形態では化学プラントを例に説明したが、一般的な生産設備における製造プロセスに適用することができる。例えば、実施形態におけるバッチ工程の製造番号に代えてロット番号を処理単位として、実施形態におけるバッチ工程に準じた処理を適用してもよい。また、システム100は、DCSに代えて、又はDCSに加えて、PLC(Programmable
Logic Controller)を用いて制御される生産設備であってもよい。
【0038】
システム100の各装置が実現する機能の少なくとも一部は、さらに複数の装置に分散して実現するようにしてもよいし、同一の機能を複数の装置が並列に提供するようにして
もよい。また、実施形態において複数の装置により実現された機能を、1つの装置によって実現するようにしてもよい。
【0039】
また、本開示は、上述した処理を1以上のコンピュータによって実行する方法や、コンピュータプログラム、当該プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。当該プログラムが記録された記録媒体は、プログラムをコンピュータに実行させることにより、上述の処理が可能となる。
【0040】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータから取り外し可能なものとしては、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、磁気テープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記録媒体としては、HDDやSSD(Solid State Drive)、ROM等がある。
【符号の説明】
【0041】
100:システム、1:プラント、
2:制御ステーション、211:連携部、212:UI制御部、
3:異常検知装置、311:データ取得部、312:異常判定部、313:出力生成部、4:運転支援システム、411:監視部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13