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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145660
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】防爆装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20241004BHJP
   B65D 81/18 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G06K19/077 220
B65D81/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058110
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】菊地 則雄
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB99
3E067BA01A
3E067EE18
3E067FA01
3E067FB20
3E067FC01
3E067GA30
(57)【要約】
【課題】防爆装置の利便性を高くする。
【解決手段】防爆装置10は、少なくとも第1端に開口を有する筒状部21Aと前記開口を塞ぐ窓23とを備える防爆容器20と、前記防爆容器20に収容され、前記防爆容器20の外部に位置する外部装置Sと前記窓23を介して無線通信可能な通信装置30と、前記防爆容器20に設けられ前記外部装置Sを前記通信装置30と無線通信可能な状態で保持する保持構造50と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1端に開口を有する筒状部と前記開口を塞ぐ窓とを備える防爆容器と、
前記防爆容器に収容され、前記防爆容器の外部に位置する外部装置と前記窓を介して無線通信可能な通信装置と、
前記防爆容器に設けられ前記外部装置を前記通信装置と無線通信可能な状態で保持する保持構造と、
を備える防爆装置。
【請求項2】
前記筒状部は、前記窓よりも前記第1端の側の部分に突出した環状部を備え、
前記保持構造は、前記環状部の内壁から張り出して前記窓と対向する対向部を備え、
前記外部装置は、表示部を備える装置本体と、当該装置本体の前記表示部が設けられた面とは反対の面から突出した突出部と、当該突出部の先端に接続された板状部と、を備え、
前記対向部は、前記板状部が前記環状部の内部に入った状態で前記外部装置が回転したときに前記板状部の一部が前記窓との間に入り込む形状に形成されている、
請求項1に記載の防爆装置。
【請求項3】
前記保持構造は、前記筒状部の中心軸方向に延びた第1部分と、当該第1部分から前記中心軸と直交する方向に延びた第2部分と、を備え、前記外部装置を保持するときに、前記第1部分により前記外部装置を前記窓に対向するように支持し、かつ、前記第2部分により前記外部装置が前記窓から離れる方向に移動することを規制する、
請求項1に記載の防爆装置。
【請求項4】
前記保持構造は、前記筒状部の中心軸方向に延びた第3部分と、当該第3部分から前記中心軸と直交する方向に延びた第4部分と、を備え、前記外部装置を保持するときに、前記第3部分が前記外部装置を挟んで前記第1部分に対向し、かつ、前記第4部分により前記外部装置が前記窓から離れる方向に移動することを規制する、
請求項3に記載の防爆装置。
【請求項5】
前記保持構造は、前記筒状部に取り付けられ前記窓との間に、前記外部装置が挿入されるポケットを形成するポケット部材を含み、前記ポケット部材の、前記ポケットの底を構成し前記外部装置を支持する支持面は、前記筒状部の中心軸方向からみたときにV字形状に形成されている、
請求項1に記載の防爆装置。
【請求項6】
前記保持構造は、前記防爆容器に前記外部装置を介して締め付け固定される固定部材を備える、
請求項1に記載の防爆装置。
【請求項7】
前記筒状部は、前記第1端と反対の第2端に他の開口を備え、
前記防爆容器は、前記他の開口を塞ぐ、所定の情報を表示する表示装置をさらに備え、
前記保持構造は、前記外部装置を前記窓と対向するように保持する、
請求項1に記載の防爆装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防爆構造を有する防爆装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石油プラント、化学プラントなどで爆発性ガスの雰囲気下となり得る危険場所に設置される機器には、防爆構造が要求される。特許文献1には、このような防爆構造を有する防爆装置が開示されている。この防爆装置には、外部装置と無線通信可能な通信装置が内蔵されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-3519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは、外部装置と通信装置との通信を確保するため、外部装置を防爆装置に近づけた位置にて保持する必要がある。しかし、ユーザは、外部装置を手で保持するため、利便性が低い。特に、外部装置と通信装置とが比較的長い時間通信する場合、又は、通信状態を保ったまま外部装置をユーザが操作しなければならない場合に、ユーザは外部装置を防爆装置に近づけた位置で持ち続けなければならず、利便性が低い。
【0005】
本発明は、防爆装置の利便性を高くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る防爆装置は、少なくとも第1端に開口を有する筒状部と前記開口を塞ぐ窓とを備える防爆容器と、前記防爆容器に収容され、前記防爆容器の外部に位置する外部装置と前記窓を介して無線通信可能な通信装置と、前記防爆容器に設けられ前記外部装置を前記通信装置と無線通信可能な状態で保持する保持構造と、を備える。
【0007】
一例として、前記筒状部は、前記窓よりも前記第1端の側の部分に突出した環状部を備え、前記保持構造は、前記環状部の内壁から張り出して前記窓と対向する対向部を備え、前記外部装置は、表示部を備える装置本体と、当該装置本体の前記表示部が設けられた面とは反対の面から突出した突出部と、当該突出部の先端に接続された板状部と、を備え、前記対向部は、前記板状部が前記環状部の内部に入った状態で前記外部装置が回転したときに前記板状部の一部が前記窓との間に入り込む形状に形成されている。
【0008】
一例として、前記保持構造は、前記筒状部の中心軸方向に延びた第1部分と、当該第1部分から前記中心軸と直交する方向に延びた第2部分と、を備え、前記外部装置を保持するときに、前記第1部分により前記外部装置を前記窓に対向するように支持し、かつ、前記第2部分により前記外部装置が前記窓から離れる方向に移動することを規制する。
【0009】
一例として、前記保持構造は、前記筒状部の中心軸方向に延びた第3部分と、当該第3部分から前記中心軸と直交する方向に延びた第4部分と、を備え、前記外部装置を保持するときに、前記第3部分が前記外部装置を挟んで前記第1部分に対向し、かつ、前記第4部分により前記外部装置が前記窓から離れる方向に移動することを規制する。
【0010】
一例として、前記保持構造は、前記筒状部に取り付けられ前記窓との間に、前記外部装置が挿入されるポケットを形成するポケット部材を含み、前記ポケット部材の、前記ポケットの底を構成し前記外部装置を支持する支持面は、前記筒状部の中心軸方向からみたときにV字形状に形成されている。
【0011】
一例として、前記保持構造は、前記防爆容器に前記外部装置を介して締め付け固定される固定部材を備える。
【0012】
一例として、前記筒状部は、前記第1端と反対の第2端に他の開口を備え、前記防爆容器は、前記他の開口を塞ぐ、所定の情報を表示する表示装置をさらに備え、前記保持構造は、前記外部装置を前記窓と対向するように保持する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、防爆装置の利便性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る防爆装置の概略正面図である。
図2図2は、図1のA-A断面及び防爆装置の構成を示す図である。
図3図3は、外部装置の概略正面図である。
図4図4は、外部装置を保持構造により保持する様子を示す図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態に係る防爆装置の概略正面図である。
図6図6は、図5のB-B断面及び防爆装置の構成を示す図である。
図7図7は、本発明の第3実施形態に係る防爆装置の概略正面図である。
図8図8は、図7のC-C断面及び防爆装置の構成を示す図である。
図9図9は、本発明の第4実施形態に係る防爆装置の概略正面図である。
図10図10は、図9のD-D断面及び防爆装置の構成を示す図である。
図11図11は、本発明の第5実施形態に係る防爆装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る防爆装置について図面を参照して説明する。なお、下記の説明では、対応する要素、例えば、同じ又は類似の機能を有する要素に同じ符号を付している。
【0016】
(第1実施形態)
図1及び図2に示す本実施の形態に係る防爆装置10は、防爆構造を有し、石油プラントなどの危険場所に配置される圧力計として構成されている。防爆装置10は、防爆容器20と、通信装置30と、制御装置40と、保持構造50と、を備える。なお、図1に示す前後方向及び左右方向は、防爆装置10の構造を説明するために便宜上設定したものであり、防爆装置10の取付方向を限定するものではない。上下方向は、天地方向である。
【0017】
防爆容器20は、防爆条件を満たすように構成されており、通信装置30と、制御装置40と、を収容しているほか、圧力計として必要な部品、例えば、圧力センサなども収容している。防爆容器20は、開口Oを形成する金属製の筐体21と、筐体21に固定され、開口Oを筐体21の内側(後方)から塞ぐ板状で透明な窓23と、を備える。筐体21及び窓23は、耐圧防爆機能を確保する形状及び材料で形成されている。筐体21は、ステンレスなどで形成されている。窓23は、ガラスなどで形成される。窓23には、表示部が配置されてもよい。
【0018】
通信装置30は、窓23を介して、防爆容器20の外部に位置する外部装置S(図2図3)と無線通信を行う。通信装置30は、ここではNFC(Near Field Communication)タグからなる。特許文献1のように、窓23の主面のうち防爆容器20の内側に向く面に凹部を設け、その凹部内に通信装置30を配置してもよい。図2では、通信装置30の内部構造が省略され、その断面全面にハッチングが付されている(他の図面も同様)。
【0019】
図2及び図3に示すように、外部装置Sは、通信装置30とNFC準拠の近距離無線通信を行って、通信装置30に対して情報を読み書きするリーダライタなどである。外部装置Sは、各種画像を表示する表示部Dを有する板状の装置本体S1と、装置本体S1の表示部が設けられた面とは反対の後面から突出する突出部S2と、突出部S2の先端(後端)に接続された板状かつ円から一対の弓形を取り除いた帯状形状の板状部S3と、を備える。装置本体S1は、リーダライタの機能を有する、スマートフォン又はタブレットからなってもよい。
【0020】
図2の制御装置40は、防爆装置10の動作を制御する。制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、及び、プロセッサにより実行又は使用されるプログラム及びデータを含むコンピュータなどにより構成されている。制御装置40の少なくとも一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)などからなってもよい。制御装置40は、例えば、圧力センサから出力信号に対して所定の処理を行い、圧力センサが検出した圧力を4~20mAのDC電流信号のかたちで出力する。
【0021】
外部装置Sと通信する通信装置30には、防爆装置10の設定等の情報が記憶される。この設定には、制御装置40が処理を行うときに使用する制御パラメータなどが含まれる。外部装置Sは、通信装置30と通信し、防爆装置10の情報を読み書きする。例えば、外部装置Sは、通信装置30から現在の制御パラメータを読み出して表示部Dに表示する。これにより、制御パラメータがユーザに報知される。また、外部装置Sは、通信装置30と通信し、新たな制御パラメータを通信装置30に書き込む。表示部Dには、書き込み時の操作画面が表示されてもよい。制御装置40は、書き込まれた新たな制御パラメータにて処理を行う。なお、防爆装置10は制御装置40を備えなくてもよい。
【0022】
図1及び図2に示すように、筐体21は、少なくとも第1端(前端)に開口Oを有する円筒状の筒状部21Aを備える。筒状部21Aの開口Oは、窓23により塞がれている。筒状部21Aは、窓23よりも第1端の側(前側)に突出した円環状の環状部21AAを含む。環状部21AAは、筒状部21Aの後方部分よりも肉厚となっている。
【0023】
防爆容器20は、筐体21及び窓23に加え、筐体21と窓23との間をシールする不図示の一以上のシール部材を含む。さらに、防爆容器20は、窓23を環状部21AAに押し付ける円環状のガスケットからなる押圧部材28も備える。押圧部材28により、窓23が筐体21の筒状部21Aに固定されている。窓23は、筒状部21Aとの接触距離が防爆条件を満たした状態で筒状部21Aに固定される。窓23の固定手段は、押圧部材28に限らず任意の手段が採用される。
【0024】
環状部21AAの内壁からは、窓23と対向する対向部51及び52が張り出している。対向部51及び52は、環状部21AAの中心軸を挟んで対向している。対向部51及び52は、環状部21AAの中心軸方向から見て弓形である。対向部51及び52は、外部装置Sを保持する保持構造50を構成する。
【0025】
保持構造50が含む対向部51及び52は、筐体21と一体的に形成されている。環状部21AAと対向部51及び52とにより、開口Oが形成されている。この開口Oを形成する内壁は、対向部51及び52により、円から一対の弓形を取り除いた帯状形状となっている前部O1と、対向部51及び52により後方の円形状の後部O2とを備える。
【0026】
外部装置Sを保持構造50により保持させる際、ユーザは、外部装置Sの板状部S3を開口Oに挿入する。このとき、外部装置Sの向きを、外部装置Sの長手方向が上下方向となる向きとする。これにより、板状部S3が開口Oの前部O1を通過する。板状部S3は、窓23に突き当たり後部O2に達する。その後、ユーザは、外部装置Sを、90度回転させる。これにより、板状部S3の長手方向の両端部が、保持構造50の対向部51と窓23の間、及び、対向部52と窓23との間にそれぞれ入り込む(図4参照)。これにより、保持構造50の対向部51及び52が板状部S3と係合して抜け止めとして機能する。従って、外部装置Sが、防爆容器20の前側近傍の位置、つまり、通信装置30と無線通信可能な位置で保持される。このとき、外部装置Sと通信装置30とが無線通信可能となるよう保持構造50(特に、前後方向の沿った厚み)が設計される。なお、板状部S3に無線通信用のアンテナを設けてもよい。これにより、無線通信に必要なアンテナを通信装置30に最大限近付けることができる。
【0027】
本実施形態のように、保持構造50が、防爆容器20に設けられ、外部装置Sを通信装置30と通信可能な状態で保持するので、外部装置Sを防爆容器20の窓23にかざして通信装置30に近付け、かつ、その位置を保持しなければならないときに、外部装置Sを手で持ち続ける必要がなくなる。特に、外部装置Sと通信装置30とが比較的長い時間通信する場合であっても、手で持ち続ける必要がなくなる。このため、身体的疲労が軽減される。さらに、身体的疲労による外部装置Sの位置ずれ及び当該位置ずれによる通信障害の発生も抑制される。さらに、制御パラメータなどの読み書きのための操作を外部装置Sに対して行う必要があっても、保持構造50で保持された外部装置Sに対して操作を行うことができる。このように、本実施形態の保持構造50により、防爆容器20の利便性が向上する。
【0028】
さらに、筐体21の筒状部21Aは、窓23よりも第1端の側の部分に突出した環状部21AAを備え、保持構造50は、環状部21AAの内壁から張り出して窓23と対向する対向部51及び又は52を備える。そして、対向部51及び又は52は、外部装置Sの板状部S3が環状部21AAの内部(開口O)に入った状態で外部装置Sが回転したときに板状部S3の一部が窓23との間に入り込む形状に形成されている。これにより、板状部S3を環状部21AAの内部つまり開口Oに挿入した状態で外部装置Sを回転させるだけで、外部装置Sが、防爆装置10に固定され、しっかり保持される。特に、板状部S3が窓23と対向部51及び又は52とにより挟持されることで、外部装置Sが、防爆装置10にしっかりと固定される。
【0029】
(第2実施形態)
図5及び図6に示す本実施形態に係る防爆装置110は、保持構造50の代わりに保持構造150を備える。また、本実施形態では、外部装置Sが、装置本体S1のみからなり、突出部S2及び板状部S3は備えない。なお、図6において、外部装置Sの内部構造は省略され、その断面全面にハッチングが付されている(他の図も同様)。
【0030】
保持構造150は、断面Cの字状の把持部材151~154を備える。把持部材151~154は、金属又は合成樹脂などから形成される。把持部材151及び152は、筒状部21Aの環状部21AAの下部に固定されている。把持部材153及び154は、筒状部21Aの環状部21AAの上部に固定されている。把持部材151及び152は、上方を向いており、外部装置Sの下部を把持する。把持部材153及び154は、下方を向いており、外部装置Sの上部を把持する。板状の外部装置Sは、横方向からスライドさせて、把持部材151~154に把持させる。
【0031】
このような保持構造150も、防爆容器20に設けられ、外部装置Sを通信装置30と通信可能な状態で保持できる。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。そして、把持部材151~154による把持により、外部装置Sがしっかり保持される。
【0032】
保持構造150は、例えば、筒状部21Aの中心軸方向(ここでは、前後方向)に延びた第1部分(例えば、図6の把持部材152の第1部分152A)と、第1部分から前記の中心軸と直交する方向(例えば、上方向)に延びた第2部分(例えば、図6の把持部材152の第2部分152B)と、を備えればよい。この場合、保持構造150は、外部装置Sを保持するときに、第1部分により外部装置Sを窓23に対向するように支持し(図6参照)、かつ、第2部分により外部装置Sが窓23から離れる方向に移動することを規制すればよい。従って、外部装置Sは把持されなくてもよい。第1部分及び第2部分により、外部装置Sの保持が実現される。複数の第1部分及び第2部分が設けられてもよい。一以上の第1部分及び第2部分は、筒状部21Aの下半分の領域に配置されればよい。
【0033】
保持構造150は、例えば、筒状部21Aの中心軸方向に延びた第3部分(例えば、図6の把持部材154の第3部分154A)と、第3部分から前記の中心軸と直交する方向(例えば、下方)に延びた第4部分(例えば、図6の把持部材154の第4部分154B)と、を備えればよい。保持構造150は、外部装置Sを保持するときに、第3部分が外部装置Sを挟んで第1部分に対向し、かつ、第4部分により外部装置Sが窓23から離れる方向に移動することを規制すればよい。外部装置Sは把持されなくてもよい。第1部分及び第2部分に加え、第3部分及び第4部分があることで、外部装置Sが安定して保持される。複数の第3部分及び第4部分が設けられてもよい。一以上の第3部分及び第4部分は、筒状部21Aの上半分の領域に配置されればよい。
【0034】
なお、把持部材151~154は、弾性を有して外部装置Sを把持してもよく、このような場合、把持部材151~154は、例えば、図5の状態から90度回転させた向きに配置され、外部装置Sを水平方向から把持してもよい。
【0035】
(第3実施形態)
図7及び図8に示す本実施形態に係る防爆装置10は、保持構造50の代わりに保持構造250を備える。また、本実施形態では、外部装置Sが、装置本体S1のみからなり、突出部S2及び板状部S3は備えない。
【0036】
保持構造250は、筒状部21Aの下部に設けられ、かつ、窓23との間に、外部装置Sが挿入される空間であるポケットPを形成するポケット部材251を含む。ポケット部材251の、ポケットPの底を構成し外部装置Sを支持する支持面251Aは、筒状部21Aの中心軸方向(前後方向)からみたときにV字形状に形成されている。このため、外部装置Sは、長手方向が水平方向及び上下方向に沿わず、これらに対して斜めの方向に保持される。このような保持により、防爆装置210が多少斜めに取り付けられても、外部装置Sは安定して保持される。ポケット部材251の支持面251Aから上方に延びた壁部251Bにより外部装置Sの窓23から離れる方向への移動も規制される。
【0037】
このような保持構造250も、防爆容器20に設けられ、外部装置Sを通信装置30と通信可能な状態で保持できる。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、ポケット部材251は、筒状部21Aに前後方向移動可能に取り付けられてもよい。これにより、外部装置Sの厚みに応じて、ポケットPの厚みを変更でき、外部装置Sを適切に保持できる。ポケット部材251は、金属などにより形成され、外部装置Sを筒状部21Aとで挟持してもよい。これにより、外部装置Sが防爆容器20にしっかり固定される。
【0038】
ポケット部材251は、筒状部21Aに対して回転可能に設けられてもよい。このような場合、防爆装置210の取付方向によらず、ポケット部材251を常に筒状部21Aの下側かつ上向き配置することができ、これにより、外部装置Sを保持できる。
【0039】
(第4実施形態)
図9及び図10に示す本実施形態に係る防爆装置310は、保持構造50の代わりに保持構造350を備える。また、本実施形態では、外部装置Sが、情報を表示する表示面を有する板状の装置本体S1のみからなり、突出部S2及び板状部S3は備えない。
【0040】
保持構造350は、外部装置Sを防爆容器20の筒状部21A、特に環状部21AAに固定する板状の固定部材351と、筒状部21A(より詳細には環状部21AA)に設けられたねじ穴と螺合し、固定部材351を筒状部21Aに締め付け固定するボルト352と、を備える。固定部材351は、外部装置Sを介して締め付け固定される。これにより、外部装置Sは、防爆容器20(筒状部21A)と固定部材351とで挟持され保持される。固定部材351は、例えば、金属製であるが、外部装置Sを傷つけないよう合成樹脂製としてもよい。なお、ボルト352以外の締結具により、固定部材351を筒状部21Aに締め付け固定してもよい。なお、外部装置Sが保持されないときは、固定部材351を筒状部21Aに直接締め付け固定しておくとよい。
【0041】
このような保持構造350も、防爆容器20に設けられ、外部装置Sを通信装置30と通信可能な状態で保持できる。このため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、締め付け固定される固定部材351により、外部装置Sが防爆装置にしっかりと取り付けられて保持される。
【0042】
(第5実施形態)
図11に示す本実施形態に係る防爆装置410では、第1端とその反対の第2端の両者に開口を備える、つまり、両端開口の筒状部21Aが採用される。ここでは、外部装置Sが保持される端部が後端となるので、第1端側を後ろ側とする。第1端と第2端とのそれぞれに窓23及び29が設けられる。窓29は、表示装置であってもよい。窓23は、防爆装置410の外部出力端子などが設けられた部材490と対向している。外部装置Sは、筒状部21Aと部材490との間に挿入され、これらを連結する連結部材495により保持される。つまり、本実施形態では、連結部材495が保持構造を構成している。連結部材495は、例えば、制御装置40と出力端子などを接続するケーブルなどが中を通る部材である。
【0043】
本実施形態の保持構造つまり連結部材495も、防爆容器20に設けられ、外部装置Sを通信装置30と通信可能な状態で保持できる。このため、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、筒状部21Aは、上記の第1端(ここでは後端)と反対の第2端に他の開口を備え、防爆容器20は、前記他の開口を塞ぐ、窓29として制御装置40により制御されて所定の情報を表示する表示装置をさらに備えてもよい。保持構造(連結部材495)は、外部装置Sを窓23と対向するように保持する。これにより、表示装置に対向して外部装置Sが保持されるわけではないので、表示装置の視認性が外部装置Sにより悪くなることが防止される。
【0044】
(変形例)
上記第1~第5実施形態について種々の変形を適用してもよい。例えば、第2~第5実施形態では、環状部21AAを省略してもよい。その他、上記実施形態で説明した各要素の形状は適宜変更できる。上記保持構造を構成する各種部材の材料は任意であるが、合成樹脂材料は、安全防爆においては制約条件(帯電など)が増える材料の為避けられる傾向にある。このため、保持構造の部材を合成樹脂製とする場合は、曲げなどの問題又は弾性が要求されるなどの理由で金属の採用が難しい場合のみとするとよい。
【0045】
(本発明の範囲)
以上、実施の形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本発明には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る、上記の実施の形態及び変形例に対する様々な変更が含まれる。上記実施の形態及び変形例に挙げた各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0046】
10…防爆装置、20…防爆容器、21…筐体、21A…筒状部、21AA…環状部、23…窓、28…押圧部材、29…窓、30…通信装置、40…制御装置、50…保持構造、51…対向部、52…対向部、110…防爆装置、150…保持構造、151~154…把持部材、152A…第1部分、152B…第2部分、154A…第3部分、154B…第4部分、210…防爆装置、250…保持構造、251…ポケット部材、251A…支持面、251B…壁部、310…防爆装置、350…保持構造、351…固定部材、352…ボルト、410…防爆装置、490…部材、495…連結部材、S…外部装置、S1…装置本体、S3…板状部、O…開口、O1…前部、O2…後部。
図1
図2
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図9
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図11