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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145679
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】トレイ
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/02 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
B65D21/02 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058134
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】竹田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】高木 祐樹
【テーマコード(参考)】
3E006
【Fターム(参考)】
3E006AA03
3E006BA01
3E006CA01
3E006DA03
3E006DB04
3E006DB05
3E006DB06
(57)【要約】
【課題】段積み状態での運搬性や、保管効率の低下を抑制することができるトレイを提供することを目的とする。
【解決手段】上側のトレイ10を、下側のトレイ10に対して水平方向で180度旋回させた段積み状態では、下側のトレイ10に収容された部品60のうち、収容部20から外に出る部位が、上側のトレイ10の受容部により受容される。受容部は、底部を上下に貫通する底部貫通部40,41を有しており、下側のトレイ10の収容部20から外に出る部位を挿入して受容することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視において略矩形状のトレイであって、
上方向に収容物が載置される載置面を有する底部と、前記底部から上方向に延設する区画壁とにより形成され、収容物を収容可能な収容部と、
上側のトレイを、下側のトレイに対して水平方向で180度旋回させた状態で段積み可能な段積み嵌合部と、
前記下側のトレイに対して、水平方向で180度旋回させて上方向側に段積みした段積み状態において、前記下側のトレイに収容された収容物のうち前記収容部から外に出る部位を、上方向側から受容可能な受容部と、を備え、
前記受容部は、
前記底部を上下に貫通する底部貫通部を有する、ことを特徴とするトレイ。
【請求項2】
前記区画壁は、平面視で前記トレイの外縁から上方向に延設し、前記トレイの外周の少なくとも一部を形成する外周区画壁を含み、
前記受容部は、
前記外周区画壁を水平方向で貫通する側部貫通部を有し、
前記側部貫通部と、前記底部貫通部とは連通していることを特徴とする請求項1に記載のトレイ。
【請求項3】
前記底部から上方向に突出し、又は前記区画壁から水平方向で内側に延設し、前記段積み状態において、前記下側のトレイに収容された収容物のうち前記収容部から外に出る部位と対向可能な対向突部を備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトレイ。
【請求項4】
前記対向突部には、上方向の突出高さが前記区画壁の上端よりも低い前記載置面が形成された第1対向突部がある、ことを特徴とする請求項3に記載のトレイ。
【請求項5】
前記対向突部には、前記収容部に収容された前記収容物の位置ずれを抑制する第2対向突部がある、ことを特徴とする請求項3に記載のトレイ。
【請求項6】
前記対向突部は、
水平方向で、前記底部貫通部側を向く対向側面を有し、
前記対向側面は、水平方向で、前記底部貫通部における前記底部側の開口縁のうち、前記対向側面側の開口縁から離れた位置、又は前記対向側面側の開口縁と同じ位置にある、ことを特徴とする請求項3に記載のトレイ。
【請求項7】
前記底部から上方向に突出し、又は前記区画壁から水平方向で内側に延設し、前記段積み状態において、前記下側のトレイに収容された収容物のうち前記収容部から外に出る部位と対向可能な対向突部を備え、
前記対向突部は、
水平方向で、前記側部貫通部側を向く対向側面を有し、
前記対向側面は、水平方向における前記側部貫通部が前記外周区画壁を貫通する方向と交差する方向で、前記側部貫通部における前記底部側の開口縁のうち、前記対向側面側の開口縁から離れた位置、又は前記対向側面側の開口縁と同じ位置にある、ことを特徴とする請求項2に記載のトレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容部を備えるトレイの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、収容部を備えるトレイが記載されている。特許文献1に記載のトレイでは、上方向に延びる支柱と、下方向に延びる足とを有しており、上側のトレイの足を、下側のトレイの支柱に嵌合させて、複数のトレイを段積みすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭55-128557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたトレイは、収容物の形状に応じて、収容物の個々の重量バランスや、トレイ全体での重量バランスの悪化や、サイズの肥大化が生じる場合がある。そのため、段積み状態でのトレイの運搬性や、保管効率の低下が懸念される。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、段積み状態でのトレイの運搬性や、保管効率の低下を抑制することができるトレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明では、平面視において略矩形状のトレイであって、上方向に収容物が載置される載置面を有する底部と、底部から上方向に延設する区画壁とにより形成され、収容物を収容可能な収容部と、上側のトレイを、下側のトレイに対して水平方向で180度旋回させた状態で段積み可能な段積み嵌合部と、下側のトレイに対して、水平方向で180度旋回させて上方向側に段積みした段積み状態において、下側のトレイに収容された収容物のうち収容部から外に出る部位を、上方向側から受容可能な受容部と、を備えている。受容部は、底部を上下に貫通する底部貫通部を有する、ことを特徴とする。
【0007】
上記構成では、上側のトレイを、下側のトレイに対して水平方向で180度旋回させた段積み状態では、下側のトレイに収容された収容物のうち、収容部から外に出る部位が、上側のトレイの受容部により受容される。受容部は、底部を上下に貫通する底部貫通部を有しており、下側のトレイの収容部から外に出る部位を挿入して受容することができる。これにより、段積み状態では、各段に収容された収容物は、水平方向で180度旋回しているため、各トレイの加重バランスに偏りがある場合でも、段積みすることで全体での加重バランスの偏りを軽減することができる。また、下側のトレイに収容された収容物のうち収容部から外に出る部位は、上側のトレイの受容部により受容されるため、収容部から外に出る部位の高さや幅を考慮して区画壁の高さや収容部の幅を定める場合と比べて、区画壁の高さや、収容部の幅をコンパクトにすることができる。その結果、段積み状態でのトレイの運搬性や、保管効率の低下を抑制することができる。
【0008】
区画壁は、平面視でトレイの外縁から上方向に延設し、トレイの外周の少なくとも一部を形成する外周区画壁を含み、受容部は、外周区画壁を水平方向で貫通する側部貫通部を有し、側部貫通部と、底部貫通部とは連通していることを特徴とする。上記構成では、下側のトレイに収容された収容物における収容部から外に出る部位が、水平方向において、外周区画壁に向けて出ている場合でも、この部位を上側のトレイの側部貫通部に挿入して受容することができる。また、側部貫通部から、収容された収容物の位置を確認することができるため、段積み作業性を向上させることができる。
【0009】
底部から上方向に突出し、又は区画壁から水平方向で内側に延設し、段積み状態において、下側のトレイに収容された収容物のうち収容部から外に出る部位と対向可能な対向突部を備える、ことを特徴とする。上記構成では、段積み状態において、上側のトレイの対向突部が、下側のトレイに収容された収容物のうち収容部から外に出る部位に対向することで、上側のトレイに収容された収容物に接触するのを規制することができる。
【0010】
対向突部には、上方向の突出高さが区画壁の上端よりも低い載置面が形成された第1対向突部がある、ことを特徴とする。上記構成では、収容物が載置される載置面を有する第1対向突部により、下側のトレイに収容された収容物のうち収容部から外に出る部位が、上側のトレイの収容部に収容された収容物に接触するのを規制することができる。これにより、対向突部に収容物を載置する機能を兼用させることができるため、別々の部材を設ける場合と比べて、収容部の空間を確保することができる。
【0011】
対向突部には、収容部に収容された収容物の位置ずれを抑制する第2対向突部がある、ことを特徴とする。上記構成では、第2対向突部により、下側のトレイに収容された収容物のうち収容部から外に出る部位が、上側トレイの収容物に接触するのを規制することができる。これにより、第2対向突部に位置ずれを抑制する機能を兼用させることができるため、別々の部材を設ける場合と比べて、収容部の空間を確保することができる。
【0012】
対向突部は、水平方向で、底部貫通部側を向く対向側面を有し、対向側面は、水平方向で、底部貫通部における底部側の開口縁のうち、対向側面側の開口縁から離れた位置、又は対向側面側の開口縁と同じ位置にある、ことを特徴とする。これにより、下側のトレイに収容された収容物と、上側のトレイに収容された収容部との接触をいっそう抑制することができる。
【0013】
底部から上方向に突出し、又は区画壁から水平方向で内側に延設し、段積み状態において、下側のトレイに収容された収容物のうち収容部から外に出る部位と対向可能な対向突部を備え、対向突部は、水平方向で、側部貫通部側を向く対向側面を有し、対向側面は、水平方向における側部貫通部が外周区画壁を貫通する方向と交差する方向で、側部貫通部における底部側の開口縁のうち、対向側面側の開口縁から離れた位置、又は対向側面側の開口縁と同じ位置にある、ことを特徴とする。上記構成では、上側のトレイの対向突部の対向側面により、下側のトレイの収容部から外に出る収容物の部位を受容する空間を大きくすることができる。これにより、下側のトレイに収容された収容物と、上側のトレイに収容された収容部との接触を、いっそう抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、段積み状態でのトレイの運搬性や、保管効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】トレイを上方向側から見た斜視図である。
図2】収容物が収容されたトレイを上方向側から見た斜視図である。
図3】トレイを裏面側から見た斜視図である。
図4】収容部を拡大して示す拡大図である。
図5】収容部を拡大して示す拡大図である。
図6】収容部を拡大して示す拡大図である。
図7】収容部を上方向側から見た拡大図である。
図8図7のA―A矢視での断面図である。
図9】段積み状態のトレイの斜視図である。
図10】段積み状態のトレイを上方向側から見た拡大図である。
図11図10のB-B矢視での断面図である。
図12】上側のトレイを下側のトレイから分離させる状態を示す図である。
図13】第2実施形態において、トレイを上方向側から見た拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
本実施形態に係るトレイを、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るトレイは、収容物を収容して保管、又は搬送するものである。図1は、トレイ10を上方から見た斜視図である。図2は、収容物の一例である部品60が収容されたトレイ10を上方から見た斜視図である。図3は、トレイ10を裏面13側から見た斜視図である。
【0017】
図1図3に示されるように、トレイ10は、平面視において略矩形状であって、部品60を収容可能な4つの収容部20(20a~20d)を有している。トレイ10の裏面13は、平坦である。トレイ10の保管状態では、トレイ10を、裏面13を下方向に向けてパレット等に載置することで、収容部20の開口を上方向に向けた状態で保管することができる。トレイ10は、例えば、発泡樹脂材料で成形して形成されている。発泡樹脂材料には、例えば、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、又は発泡ポリスチレン等がある。また、非発泡樹脂材料(ポリプロピレン、ポリエチレン等)により、トレイ10を成形することも可能である。
【0018】
平面視において、トレイ10の外縁を形成する辺のうち、長手辺11が延びる方向を第1方向D1と定義し、短手辺12が延びる方向を第2方向D2と定義する。第1方向D1と、第2方向D2とは、トレイ10をパレットや地面に載置した場合において、水平方向に対して平行な方向でもある。また、第1方向D1は、第2方向D2に対して水平方向で交差する方向でもある。トレイ10の上下方向D3において、上に向く方向を上方向D31とし、下に向く方向を下方向D32とする。
【0019】
トレイ10は、収容部20の底に位置する底部21から上方向に延設する区画壁30を備えている。区画壁30は、外周区画壁31,32と、間仕切壁33,34と、連結部35,36,37と、を有している。外周区画壁31,32は、トレイ10の外縁で、第1方向D1及び第2方向D2それぞれに延設することで、トレイ10の内側(即ち、収容部20)と、トレイ10の外側とを隔てる外周壁として機能する。間仕切壁33,34は、トレイ10における外周区画壁31,32で囲まれる空間内で、第1方向D1及び第2方向D2それぞれに延設することで、外周区画壁31,32で囲まれる空間を、4つの収容部20に間仕切る壁である。連結部35,36,37は、区画壁同士を連結する壁である。
【0020】
外周区画壁は、第1方向D1に延設する第1外周区画壁31と、第2方向D2に延設する第2外周区画壁32とを含んでいる。第1外周区画壁31及び第2外周区画壁32は、壁の延設する方向に対して直交する断面が、略矩形状の壁であり、上方向D31に向く平坦な上側平坦面を有している。第1外周区画壁31、及び第2外周区画壁32の上下方向D3の寸法は、収容部20に収容される部品60の形状に応じて定められている。
【0021】
間仕切壁は、第1方向D1に延設する第1間仕切壁33と、第2方向D2に延設する第2間仕切壁34とを含んでいる。第1間仕切壁33は、1対の第2外周区画壁32の間で、第1方向D1に延設する壁である。第2間仕切壁34は、1対の第1外周区画壁31の間で、第2方向D2に延設する壁である。第1間仕切壁33と第2間仕切壁34とは、壁の延設する方向に対して直交する断面が、略矩形状の壁であり、上方向D31に向く平坦な上側平坦面を有している。
【0022】
連結部は、隅連結部35、中間連結部36、中央連結部37を含んでいる。隅連結部35は、トレイ10の4つの隅に位置しており、第1外周区画壁31と、第2外周区画壁32とを連結する部位である。中間連結部36は、外周区画壁31,32と、間仕切壁33,34とをそれぞれ連結する部位である。中央連結部37は、トレイ10の中央部に位置しており、第1間仕切壁33と、第2間仕切壁34とを連結する部位である。各連結部35,36,37は、上方向D31に向く平坦な上側平坦面を有している。
【0023】
外周区画壁31,32と、間仕切壁33,34と、連結部35,36,37とは、上下方向D3での寸法が略同寸であり、互いの上側平坦面が同一平面で連続することで、後述するトレイ10段積み状態において、上側のトレイ10の裏面13を、区画壁30の上側平坦面に載置できるようになっている。
【0024】
トレイ10には、段積み嵌合部である、上側嵌合部14と、下側嵌合部15と、を備えている。上側嵌合部14は、図1図2に示すように、区画壁30の上側平坦面から上方向D31に突出する凸部である。具体的には、上側嵌合部14は、4つの中間連結部36の上側平坦面から上方向に突出している。
【0025】
下側嵌合部15は、図3に示すように、トレイ10の裏面13に形成されており、上側嵌合部14を挿入可能な凹部である。具体的には、下側嵌合部15は、トレイ10の裏面13のうち、上下方向D3で、中間連結部36に対応する位置に形成されている。
【0026】
収容部20は、底部21と、各区画壁30の内周面により区画され、上方向D31に開口する凹部である。本実施形態では、トレイ10に設けられた4つの収容部20は、トレイ10の平面視において、第1方向D1と第2方向D2とにそれぞれ2つずつ配列して設けられている。以下では、4つの収容部20を個別に説明する場合は、符号の末尾にa、b、c、dを付す。なお、図1図2に示すトレイ10において、収容部20aは、図中左上に位置しており、収容部20bは、図中右上に位置しており、収容部20cは、図中左下に位置しており、収容部20dは、図中右下に位置している。
【0027】
次に、トレイ10の収容部20に収容される部品60の形状を説明する。図2に示すように、部品60は、本体61と、中央突出部62と、縁突出部63とを備えている。本実施形態では、部品60は、例えば、自動車に用いられる自動車部品である。
【0028】
本体61は、所定の厚みを有する部材である。具体的には、本体61は、平面視において、多角形状であり、四隅の一つが面取りされた面取り部64と、面取り部64と反対側で、本体61の厚み方向と交差する方向に延びる第1延設部65、及び第2延設部66とを有している。なお、図2に示すように、部品60が収容部20に収容された状態では、部品60の厚み方向は、上下方向D3に平行な方向である。
【0029】
中央突出部62は、本体61の略中央において、厚み方向で本体61から突出する部位である。本実施形態では、中央突出部62は、平面視において菱形である。縁突出部63は、本体61の縁で、本体61から厚み方向に突出する部位である。本実施形態では、縁突出部63は、本体61の縁のうち、面取り部64が形成されている側の縁で、厚み方向に突出している。また、縁突出部63は、厚み方向に突出すると共に、その先端が、平面視において本体61よりも外側に出ている。
【0030】
次に収容部20の詳細な構成を、図4図5図6を用いて説明する。なお、図4図5図6は、トレイ10の4つの収容部20a,20b,20c,20dのうち、収容部20cを拡大して示している。このうち、図4は、図1に示すトレイ10を手前側から見た場合の収容部20cを示している。図5図6は、図1に示すトレイ10を奥側から見た場合の収容部20cを示している。
【0031】
図4に示されるように、収容部20の底部21は、平面視での部品60の形状(即ち、本体61の形状)に応じた形状となっている。底部21の外縁から、区画壁30が上方向D31に突出することで、区画壁30の内側面により、収容部20に収容された部品60の水平方向での位置ずれを防止することができる。
【0032】
4つの収容部20a~20dには受容部が設けられている。具体的には、収容部20a,20bには、受容部である第1底部貫通部40、第2底部貫通部41、切欠受容部43が設けられている。収容部20c,20dには、受容部である第1底部貫通部40、第2底部貫通部41、側部貫通部42が設けられている。第1底部貫通部40、第2底部貫通部41、側部貫通部42、及び切欠受容部43は、後述するトレイ10の段積み状態において、下側のトレイ10に収容された部品60のうち収容部20から外に出る中央突出部62、及び縁突出部63を、上方向側から受容可能な部位である。
【0033】
第1底部貫通部40は、底部21を上下に貫通する貫通穴である。第1底部貫通部40の開口は、平面視における中央突出部62の輪郭形状に近似する形状であって、中央突出部62の輪郭形状よりも大きな形状である。第1底部貫通部40の開口は、平面視において、中央突出部62の輪郭形状である菱形形状になっている。本実施形態では、第1底部貫通部40における底部21側(上方向D31側)の開口を開口縁40Aと記載する。
【0034】
第2底部貫通部41は、第1底部貫通部40よりも区画壁30側で底部21を上下に貫通する貫通穴である。収容部20c,20dでは、第2底部貫通部41は、第1底部貫通部40よりも、第2方向D2における第1外周区画壁31側で、底部21を上下に貫通している。収容部20a,20bでは、第2底部貫通部41は、第1底部貫通部40よりも、第2方向D2における第1間仕切壁33側で、底部21を上下に貫通している。
【0035】
第2底部貫通部41の開口は、平面視における縁突出部63の輪郭形状に近似する形状であって、縁突出部63の輪郭形状よりも大きな形状である。第2底部貫通部41の開口は、平面視において、第2方向D2に傾斜する平行四辺形になっている。本実施形態では、第2底部貫通部41における底部21側(上方向D31側)の開口を開口縁41Aと記載する。
【0036】
側部貫通部42は、収容部20c,20d内において、第1外周区画壁31を、第2方向D2に貫通する貫通穴である。側部貫通部42は、部品60の縁突出部63の先端が挿入可能な形状となっている。図6に示すように、側部貫通部42の穴は、収容部20c内に位置する開口縁42Aから第2方向D2でトレイ10の外側に移行するに従い、第1方向D1で傾斜して(後述する、第2対向突部51側に向けて)延びている。本実施形態では、側部貫通部42における底部21側(収容部20側)の開口を開口縁42Aと記載する。
【0037】
側部貫通部42と、第2底部貫通部41とは連通している。第2底部貫通部41は、第1外周区画壁31に向けて第2方向D2に延びるに従い、側部貫通部42の穴の傾斜方向と同方向に延びることで、側部貫通部42に連通している。
【0038】
図5に示されるように、切欠受容部43は、収容部20a,20b内において、第1間仕切壁33を、下方向D32側から切り欠いた部位である。切欠受容部43は、側部貫通部42と比べて、第1間仕切壁33を第2方向D2で貫通していない点が異なるだけで、それ以外の形状は同じである。切欠受容部43は、収容部20a、20b内において、第2底部貫通部41に連通している。
【0039】
収容部20には、この収容部20に収容された部品60における縁突出部63の本体61から出る端部を下方向から受容する切欠座部44が設けられている。切欠座部44は、収容部20において、第2方向D2で、側部貫通部42又は切欠受容部43と反対側の区画壁30に設けられている。具体的には、収容部20a、20bでは、切欠座部44は、第1外周区画壁31に設けられており、第1外周区画壁31の角を切り欠くことで形成されている。収容部20c、20dでは、切欠座部44は、第1間仕切壁33に設けられており、第1間仕切壁33の角を切り欠くことで形成されている。
【0040】
底部21には、上方向D31で突出する対向突部50,51が設けられている。対向突部50,51は、後述するトレイ10の段積み状態において、下側のトレイ10に収容された部品60のうち収容部20から外に出る部位と対向する部位である。このうち、第1対向突部50は、収容部20に収容される部品60が載置されることで、部品60を下方向D32側から支持する部位でもある。第2対向突部51は、収容部20に収容された部品60の水平方向での位置ずれを抑制する部位でもある。
【0041】
第1対向突部50は、上方向D31での突出高さが区画壁30の上側平坦面よりも低い載置面50Aが形成されている。また、本実施形態では、底部21の上方向D31側の一部も載置面になっている。第1対向突部50は、第2方向D2で、第1底部貫通部40に隣接して位置している。第1対向突部50の第1底部貫通部40側を向く対向側面50Bは、第1底部貫通部40の開口縁40Aから、上方向に突出している。
【0042】
第1対向突部50の対向側面50Bと、第1底部貫通部40の第1対向突部50側の内周面40Bとは、同一平面上に形成されている。本実施形態では、第1底部貫通部40の開口は、菱形形状であるため、菱形形状の2つの辺に沿う対向側面50Bと内周面40Bとが、それぞれ同一平面上に形成されている。これにより、第1底部貫通部40の内周面40Bから上方向D31に延びる対向側面50Bにより、中央突出部62を受容可能な空間(後述する、受容空間70)が形成されている。これに代えて、又は、加えて、第1対向突部50の対向側面50Bは、第2方向D2において、第1底部貫通部40の第1対向突部50側の内周面40Bから離れた位置に形成していてもよい。
【0043】
第2対向突部51は、底部21から上方向に突出すると共に、第1外周区画壁31又は第1間仕切壁33から、第2方向D2で内側に延設する部位である。具体的には、第2対向突部51は、収容部20c、20d内で、第1外周区画壁31から、第2方向D2で第1対向突部50に向けて延設している。第2対向突部51は、収容部20a、20bでは、第1間仕切壁33から、第2方向D2で第1対向突部50に向けて延設している。
【0044】
第2対向突部51は、延設する方向に対して直交する方向での断面が略矩形状であり、上方向に平坦な上側平坦面を有している。第2対向突部51の上下方向D3での寸法は、区画壁30の上下方向D3での寸法と略同寸である。
【0045】
第2対向突部51は、第1方向D1で、第2底部貫通部41に隣接して位置している。図6に示すように、第2対向突部51の対向側面51Aは、第1方向D1で、第2底部貫通部41、及び側部貫通部42側を向いている。本実施形態では、第2対向突部51の対向側面51Aは、側部貫通部42における対向側面51A側の開口縁42Aと同じ位置から第2方向に延設している。また、第2対向突部51の対向側面51Aの基部側(即ち、第1外周区画壁31側)は、第2底部貫通部41の開口縁41Aのうち、第1方向D1で、対向側面51A側の開口縁41Aと同じ位置にある。第2対向突部51の対向側面51Aの先端側(即ち、第2方向D2で第1外周区画壁31と反対側の端)は、第2底部貫通部41の開口縁41Aのうち、第1方向D1で、対向側面51A側の開口縁41Aから離れた位置にある。これに代えて、又は、加えて、第2対向突部51の対向側面51Aは、第1方向D1において、側部貫通部42の対向側面51A側の開口縁42A、又は第2底部貫通部41の対向側面51A側の開口縁41Aから離れた位置から第2方向D2に延設していてもよい。
【0046】
次に、トレイ10への部品60の収容を説明する。図7は、トレイ10の平面視の一部を収容部20a,20c側で拡大して示す拡大図である。図8は、図7を、A矢視で見た断面図である。
【0047】
まず、トレイ10を段積みしていない状態で、図7に示されるように、部品60を、収容部20cに対して、中央突出部62及び縁突出部63の突出方向を上方向D31に向け、かつ、面取り部64を中央連結部37に向けて収容する。このとき、部品60の裏面が収容部20cの載置面50A及び底部21の上面の一部に載置される。また、収容部20c内において、縁突出部63における平面視で本体61から外に出る先端が、切欠座部44により受容される。収容部20cに収容された部品60における第1延設部65と、第2延設部66との間に、第2対向突部51、第2底部貫通部41、側部貫通部42が位置する。即ち、第2底部貫通部41と、側部貫通部42とは、部品60により覆われていない。
【0048】
収容部20cに部品60が収容された状態では、中央突出部62と縁突出部63とは、それぞれ、収容部20cから外に出ている。具体的には、部品60のうち、中央突出部62と縁突出部63とが、収容部20の上端部から上方向D31で外に出ている。また、部品60のうち、縁突出部63が、収容部20c(外周区画壁31の内面)から第2方向D2で外方に出ている。本実施形態では、中央突出部62と縁突出部63とが、「収容部から外に出る部位」の一例である。
【0049】
図8に示すように、収容部20c内では、第1対向突部50が、載置面50Aにより、部品60を支持しているため、第1底部貫通部40の内周面40Bと、第1対向突部50の対向側面50Bとで形成された面の大きさに応じた受容空間70が形成されている。この受容空間70は、トレイ10の段積み状態において、下側のトレイ10の収容部20から出る中央突出部62を受容可能な空間である。受容空間70は、上下方向D3において、載置面50Aからトレイ10の裏面13側の開口まで延びている。
【0050】
収容部20c内において、第2対向突部51が第1外周区画壁31から第2方向D2に延設することで、第2対向突部51の対向側面51A側に、第2対向突部51の第2方向D2での延設長さに応じた受容空間71が形成されている。この受容空間71は、トレイ10の段積み状態において、下側のトレイ10の収容部20から出る縁突出部63を受容可能な空間である。第2底部貫通部41は、側部貫通部42と連通しているため、受容空間71は、側部貫通部42を含んでいる。以下、この例では、収容部20a,20b,20dに対しても、部品60を収容していくものとする。
【0051】
次に、部品60が収容されたトレイ10の上側に他のトレイ10を段積みする段積み状態を説明する。図9は、段積み状態のトレイ10を説明する斜視図である。図9では、3つのトレイ10A、10B、10Cが段積みされた状態を示している。このうち、真ん中のトレイ10Bと下側のトレイ10Cとは、収容部20a~20dに部品60が収容され、上側のトレイ10Aは、収容部20b,20dに部品60が収容されている。図10では、段積み状態のトレイ10Aの平面視の一部を拡大して示す図である。図10では、下側のトレイ10Bは、収容部20a~20dに部品60が収容され、上側のトレイ10Aは、収容部20cに部品60が収容されている。図11は、図10を、B矢視で示す断面図であり、下側のトレイ10Cの図示を省略している。
【0052】
以下では、上側のトレイ10Aを「上側トレイ10A」と記載し、下側トレイ10Bを「下側トレイ10B」と記載する。下側のトレイ10Bの収容部20に収容された部品60を、「下側トレイの部品60B」と記載し、上側のトレイ10Aの収容部20に収容された部品60を、「上側トレイの部品60A」と記載する。
【0053】
上側トレイ10Aを、下側トレイ10Bに対して水平方向で180度旋回させた状態で段積みする。このとき、下側トレイ10Bの上側嵌合部14を、上側トレイ10Aの下側嵌合部15に挿入することで、上側トレイ10Aを、下側トレイ10Bに対して位置決めして段積みすることができる。なお、図9では、下側トレイ10Bは、上側トレイ10Aに対して180度旋回しており、収容部20a、20bが、図中手前側に位置している。
【0054】
上側トレイ10Aを、下側トレイ10Bに対して水平方向で180度旋回させて段積みすることで、各段のトレイ10に収容された部品60は、水平方向で180度旋回しているため、各トレイ10の加重バランスに偏りがある場合でも、段積みすることで全体での加重バランスの偏りを軽減することができる。なお、本実施形態では、段積み状態では、下側のトレイ10Bの収容部20の少なくとも一部と、上側のトレイ10Aの収容部20との少なくとも一部とが、水平方向でずれた配置になる。
【0055】
段積み状態において、下側トレイの部品60Bのうち中央突出部62と、縁突出部63とが、上側トレイ10Aの各受容部40~43に受容される。具体的には、上側トレイ10Aは、下側トレイ10Bに対して180度旋回して段積みされるため、下側トレイ10Bの収容部20a、20bに収容された部品60の中央突出部62と、縁突出部63とは、上側トレイ10Aの収容部20c、20dに設けられた各受容部40、41、42に受容される。一方、段積み状態において、下側トレイ10Bの収容部20c、20dに収容された部品60の中央突出部62と、縁突出部63とは、上側トレイ10Aの収容部20a、20bに設けられた各受容部40、41、43に受容される。
【0056】
図10、11に示されるように、上側トレイ10Aの収容部20c、20d側では、下側トレイの部品60Bの中央突出部62が、上側トレイ10Aの第1底部貫通部40を含む受容空間70内で受容される。このとき、図11に示されるように、中央突出部62のうち、第1底部貫通部40の内周面40Bよりも上方向D31に出る端部は、第1対向突部50の対向側面50Bと水平方向で対向した状態で、受容空間70内に収まる。これにより、上側トレイ10Aの部品60Aに、下側トレイの部品60Bが接触することが抑制される。
【0057】
下側トレイの部品60Bの縁突出部63が、上側トレイ10Aの第2底部貫通部41及び側部貫通部42を含む受容空間71で受容される。より詳細には、下側トレイの部品60Bの縁突出部63のうち、平面視で本体61よりも外側に出ない部位は、上側トレイ10Aの第2底部貫通部41に挿入して受容される。このとき、縁突出部63の第2底部貫通部41の内周面41Bよりも上方向に出る端部は、第2対向突部51の対向側面51Aと水平方向で対向した状態で、受容空間71内に収まる。また、下側トレイの部品60Bの縁突出部63のうち、平面視で本体61よりも外側に出る端部は、上側トレイ10Aの側部貫通部42に挿入して受容される。
【0058】
ここで、トレイ10に受容部40~43が設けられていない場合を比較例として説明する。この場合、段積み状態において、下側トレイの部品60Bにおける中央突出部62及び縁突出部63が、上側トレイ10Aの裏面13に干渉するおそれがあるため、中央突出部62、及び縁突出部63の突出高さや突出幅を考慮して、区画壁30の上下方向D3の高さ寸法や収容部20の第2方向D2での寸法を定める必要がある。これに対して、本実施形態では、段積み状態において、下側トレイの部品60Bにおける中央突出部62及び縁突出部63が、上側のトレイ10Aの受容部40~43により受容されるため、収容部20から外に出る部位の高さや幅を考慮して区画壁30の高さや収容部20の幅を定める場合と比べて、区画壁30の上下方向D3の高さ寸法や収容部20の第2方向D2での幅寸法を小さくすることができる。また、側部貫通部42が第1外周区画壁31を貫通しているため、側部貫通部42から収容された部品60の位置を確認することができるため、段積み作業性を向上させることができる。
【0059】
なお、図示してはいないが、段積み状態において、下側トレイ10Bの収容部20c、20dに収容された部品60の中央突出部62は、上側トレイ10Aの第1底部貫通部40に挿入して受容される点は同じである。一方、段積み状態において、下側トレイ10Bの収容部20c、20dに収容された部品60の縁突出部63は、上側トレイ10Aの第2底部貫通部41と切欠受容部43とに挿入される点が異なる。具体的には、下側トレイ10Bの部品60の縁突出部63のうち、平面視で本体61よりも外側に出ない部位は、上側トレイ10Aの第2底部貫通部41の内部に挿入して受容される。また、下側トレイ10Bの部品60の縁突出部63のうち、平面視で本体61よりも外側に出る部位は、上側トレイ10Aの切欠受容部43に挿入して受容される。
【0060】
次に、段積み状態のトレイ10のうち、上側トレイ10Aを下側トレイ10Bから引き出す場合を説明する。図12に示すように、上側トレイ10Aに対して、第2方向D2の縁(図中手前側の縁)を上方向D31に持ち上げながら、第2方向D2において手前側に向けて引き出す。収容部20c,20dにおいて、側部貫通部42が、第1外周区画壁31を第2方向D2で貫通しているため、上側トレイ10Aを第2方向D2に沿って図中手前側に引き出した場合でも、下側トレイの部品60Bの縁突出部63と、上側トレイ10Aとが干渉しない。
【0061】
以上説明した本実施形態では、以下の効果を奏することができる。
トレイ10の段積み状態では、各段のトレイ10に収容された部品60は、水平方向で180度旋回しているため、各トレイ10の加重バランスに偏りがある場合でも、段積みすることで全体での加重バランスの偏りを軽減することができる。また、下側トレイの部品60のうち中央突出部62及び縁突出部63は、上側トレイ10Aの受容部40~43により受容されるため、中央突出部62や縁突出部63の高さや幅を考慮して区画壁30の高さ寸法や、収容部20の第2方向D2での幅寸法を定める場合と比べて、トレイ10の高さや平面視でのサイズをコンパクトにすることができる。その結果、段積み状態でのトレイ10の運搬性や、保管効率の低下を抑制することができる。
【0062】
下側トレイの部品60Bの縁突出部63が、水平方向において、外周区画壁31に向けて出ている場合でも、この部位を上側トレイ10Aの側部貫通部42に挿入して受容することができる。また、側部貫通部42から、収容された部品60の位置を確認することができるため、段積み作業性を向上させることができる。
【0063】
トレイ10の段積み状態において、上側トレイ10Aの第1対向突部50及び第2対向突部51が、下側トレイの部品60Bの中央突出部62及び縁突出部63に対向することで、上側トレイの部品60Aに接触するのを規制することができる。
【0064】
部品60が載置される載置面50Aを有する第1対向突部50により、下側トレイの部品60Bの中央突出部62が、上側トレイの部品60Aに接触するのを規制することができる。これにより、第1対向突部50に部品60を載置する機能を兼用させることができるため、別々の部材を設ける場合と比べて、収容部20の空間を確保することができる。
【0065】
第1外周区画壁31から水平方向で内側に延設する第2対向突部51により、下側トレイの部品60Bの縁突出部63が、上側トレイの部品60Aに接触するのを規制することができる。これにより、第2対向突部51に位置ずれを抑制する機能を兼用させることができるため、別々の部材を設ける場合と比べて、収容部20の空間を確保することができる。
【0066】
第1対向突部50の対向側面50Bにより、受容空間70を大きくすることができる。また、第2対向突部51の対向側面51Aにより、受容空間71を大きくすることができる。これにより、下側トレイの部品60Bと、上側トレイの部品60Aとの接触をいっそう抑制することができる。
【0067】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成を主に説明を行う。第2実施形態において第1実施形態と同一の箇所については同じ符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0068】
図13は、第2実施形態において、トレイ10の平面視のうち、収容部20cの拡大図である。本実施形態においても側部貫通部42と、第2底部貫通部41とは連通しているが、第1実施形態と異なり、第2底部貫通部41が第2方向D2で延びる方向と、側部貫通部42が第2方向D2で延びる方向とが異なっている。具体的には、側部貫通部42は、収容部20c、20d内において、第1外周区画壁31を、第2方向D2に沿って貫通している。
【0069】
本実施形態においもて、第2対向突部51の対向側面51Aは、第1方向D1において、側部貫通部42における対向側面51A側の開口縁42Aと同じ位置から第2方向D2に延設している。これ以外にも、第2対向突部51の対向側面51Aは、第1方向D1において、側部貫通部42における対向側面51A側の開口縁42Aから離れた位置から第2方向D2に延設していてもよい。
【0070】
本実施形態では、第2方向D2が、「水平方向で側部貫通部42が第1外周区画壁を貫通する方向」である。第1方向D1が、「水平方向で側部貫通部が第1外周区画壁31を貫通する方向と交差する方向」である。
【0071】
(その他の実施形態) 本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上述の実施形態では、トレイ10は、受容部として、第1底部貫通部40、第2底部貫通部41、及び側部貫通部42を備えていた。これに代えて、部品60における縁突出部63の先端が、平面視で本体61よりも外側に出ていない場合、トレイ10は、受容部として、第1底部貫通部40及び第2底部貫通部41のみを備え、側部貫通部42を備えていなくともよい。
部品60が、中央突出部62及び縁突出部63のいずれかしか備えていない場合、トレイ10は、部品60の形状に応じて、第1底部貫通部40及び第2底部貫通部41のいずれかのみを備える構成であってもよい。
【0072】
上述の実施形態では、収容部20の底部21には、第1対向突部50と第2対向突部51とを備えていた。これに代えて、底部21には、第1対向突部50と第2対向突部51とのいずれも備えていなくともよい。これ以外にも、収容部20には、第1対向突部50及び第2対向突部51のいずれかを備えていてもよい。
第1対向突部50又は第2対向突部51は、底部21から上方向に突出する構成に代えて、又は、加えて、区画壁30から、第1方向D1又は第2方向D2で内側に延設する構成であってもよい。
第2対向突部51は、第1外周区画壁31及び第1間仕切壁33から延設していなくともよく、第1外周区画壁31及び第1間仕切壁33と第2方向で間隔を開けて、第2方向D2に延設していてもよい。
【0073】
上述の実施形態では、トレイ10において、収容部20a~20dは、部品60を同じ向きで収容した。これに代えて、トレイ10において、収容部20a,20bを、収容部20c,20dに対して、第1方向D1を基準として180度旋回させた形状としてもよい。この場合において、収容部20a,20bでは、第2対向突部51は、第1外周区画壁31から第2方向D2に向けて延設することになるため、切欠受容部43に代えて、側部貫通部42が設けられる。また、収容部20は、トレイ10に一つ以上あればよく、その数は限定されない。
【符号の説明】
【0074】
10…トレイ、14…上側嵌合部(段積み嵌合部)、15…下側嵌合部(段積み嵌合部)、20…収容部、21…底部、30…区画壁、31…第1外周区画壁、32…第2外周区画壁、40…第1底部貫通部、41…第2底部貫通部、42…側部貫通部、43…切欠受容部、50…第1対向突部、51…第2対向突部、60…部品(収容物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13