(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145689
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】吐出容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20241004BHJP
F04B 9/14 20060101ALI20241004BHJP
B05B 11/00 20230101ALN20241004BHJP
B05B 11/10 20230101ALN20241004BHJP
【FI】
B65D47/34 110
F04B9/14 B
B05B11/00 101A
B05B11/00 101E
B05B11/10 101A
B05B11/10 101E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058147
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】阿部 孝之
【テーマコード(参考)】
3E084
3H075
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084GA01
3E084GB01
3E084KB01
3E084LD23
3E084LD25
3H075AA01
3H075BB04
3H075BB13
3H075BB30
3H075CC40
3H075DA04
3H075DB13
3H075DB40
(57)【要約】
【課題】操作ヘッドにガタツキが発生することを抑制できる吐出容器を提供する。
【解決手段】吐出容器1は、内容物が収容される容器本体2と、容器本体2に連通可能であり弾性変形を伴って上下方向に伸縮可能なシリンダ4、およびシリンダ4内に連通して内容物を吐出する吐出孔5aが形成されたノズル61を持つ操作ヘッド5を有する吐出器本体7と、容器本体2に吐出器本体7を装着する装着キャップ3と、を備える。装着キャップ3は、上下方向に延びるガイド筒部16を有する。操作ヘッド5は、ガイド筒部16の外周面に当接可能な内周面を有するヘッド外筒部51を有する。吐出器本体7は、ガイド筒部16の径方向内側に設けられ、ガイド筒部16に当接可能とされ、シリンダ4の上下方向の伸縮に伴って操作ヘッド5と一体に上下動する内側ガイド壁33を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体に連通可能であり弾性変形を伴って上下方向に伸縮可能なシリンダ、および前記シリンダ内に連通して内容物を吐出する吐出孔が形成されたノズルを持つ操作ヘッドを有する吐出器本体と、
前記容器本体に前記吐出器本体を装着する装着キャップと、
を備え、
前記装着キャップは、上下方向に延びるガイド筒部を有し、
前記操作ヘッドは、前記ガイド筒部の外周面に当接可能な内周面を有するヘッド外筒部を有し、
前記吐出器本体は、前記ガイド筒部の径方向内側に設けられ、前記ガイド筒部に当接可能とされ、前記シリンダの前記上下方向の伸縮に伴って前記操作ヘッドと一体に上下動する内側ガイド壁を有する、
吐出容器。
【請求項2】
前記シリンダは、
前記上下方向に弾性変形可能な変形部と、
前記変形部に接続し、前記操作ヘッドが装着される上端部と、
を有し、
前記内側ガイド壁は、前記上端部に設けられている、
請求項1に記載の吐出容器。
【請求項3】
前記シリンダは、
前記上下方向に弾性変形可能な変形部と、
前記変形部の下端を支持するとともに、前記装着キャップに前記上下方向に移動可能に保持された支持部と、
を備え、
前記装着キャップには、前記容器本体内と外部とを連通可能な外気導入部が形成され、
前記支持部には、前記操作ヘッドが上昇端位置に位置するとき、前記外気導入部を通した前記容器本体内と外部との連通を遮断し、前記操作ヘッドが前記上昇端位置から下降して前記支持部が下降したときに前記連通を許容するシール部が形成されている、
請求項1または請求項2に記載の吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吐出容器として、下記特許文献1に記載の液体吐出器が知られている。この液体吐出器は、内容物が収容されるとともに口部を有する容器本体と、内部が容器本体内に連通可能であり、上下方向に弾性変形可能な蛇腹状のシリンダと、シリンダに配置されるとともに吐出孔を有する操作ヘッドと、を備え、操作ヘッドの上下動により容器本体内の液を吸い上げて操作ヘッドの吐出口より吐出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の吐出容器では、容器本体と操作ヘッドとが弾性変形可能なシリンダによって連結されているので、操作ヘッドが容器本体に対して不安定に支持され、操作ヘッドにガタツキが生じやすい。このため、例えば操作ヘッドの押し下げ時に操作ヘッドが傾いて操作ヘッドの動作が阻害される場合がある。したがって、従来の吐出容器においては、操作ヘッドを支持する構造に改善の余地がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、弾性変形を伴って上下方向に伸縮可能なシリンダを有する吐出容器において、操作ヘッドのガタツキの発生を抑制するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る吐出容器は、内容物が収容される容器本体と、前記容器本体に連通可能であり弾性変形を伴って上下方向に伸縮可能なシリンダ、および前記シリンダ内に連通して内容物を吐出する吐出孔が形成されたノズルを持つ操作ヘッドを有する吐出器本体と、前記容器本体に前記吐出器本体を装着する装着キャップと、を備え、前記装着キャップは、上下方向に延びるガイド筒部を有し、前記操作ヘッドは、前記ガイド筒部の外周面に当接可能な内周面を有するヘッド外筒部を有し、前記吐出器本体は、前記ガイド筒部の径方向内側に設けられ、前記ガイド筒部に当接可能とされ、前記シリンダの前記上下方向の伸縮に伴って前記操作ヘッドと一体に上下動する内側ガイド壁を有する。
【0007】
第1の態様によれば、内側ガイド壁がガイド筒部に対して径方向の変位を規制されるので、操作ヘッドを上下動させたときに、内側ガイド壁が上下方向に沿ってガイド筒部に案内される。このため、内側ガイド壁と一体に上下動する操作ヘッドも、ガイド筒部を有する装着キャップに対して上下方向に沿って移動する。さらに、操作ヘッドに設けられたヘッド外筒部がガイド筒部の外周面に当接可能とされているので、ヘッド外筒部および内側ガイド壁がガイド筒部を挟むように配置される。これにより、操作ヘッドがガイド筒部に対して傾くことを抑制できる。したがって、吐出容器の使用に際してシリンダの弾性変形を伴って上下動する操作ヘッドにガタツキが発生することを抑制できる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る吐出容器は、上記第1の態様に係る吐出容器において、前記シリンダは、前記上下方向に弾性変形可能な変形部と、前記変形部に接続し、前記操作ヘッドが装着される上端部と、を有し、前記内側ガイド壁は、前記上端部に設けられていてもよい。
【0009】
第2の態様によれば、シリンダ自体をガタツキなく上下方向に伸縮させることができる。したがって、シリンダの上下方向の伸縮に伴って上下動する操作ヘッドのガタツキも抑制できる。
【0010】
本発明の第3の態様に係る吐出容器は、上記第1の態様または第2の態様に係る吐出容器において、前記シリンダは、前記上下方向に弾性変形可能な変形部と、前記変形部の下端を支持するとともに、前記装着キャップに前記上下方向に移動可能に保持された支持部と、を備え、前記装着キャップには、前記容器本体内と外部とを連通可能な外気導入部が形成され、前記支持部には、前記操作ヘッドが上昇端位置に位置するとき、前記外気導入部を通した前記容器本体内と外部との連通を遮断し、前記操作ヘッドが前記上昇端位置から下降して前記支持部が下降したときに前記連通を許容するシール部が形成されていてもよい。
【0011】
第3の態様によれば、操作ヘッドを上昇端位置で規制するときは、シール部が、外気導入部を通した容器本体内と外部との連通を遮断している。よって、流通時に、容器本体内の内容物が外気導入部から漏出することが抑制される。使用時に、操作ヘッドを上昇端位置から押下すると、その間に、シール部が、外気導入部を通した容器本体内と外部との連通を許容する。これにより、使用時、内容物の吐出に際し、容器本体内に外気を取り込むことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、操作ヘッドにガタツキが発生することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る吐出容器の初期状態を示す縦断面図である。
【
図2】第1実施形態に係る吐出容器を示す縦断面図であって、操作ヘッドを下降端位置まで押下した状態を示す図である。
【
図3】第2実施形態に係る吐出容器の初期状態を示す縦断面図である。
【
図4】第3実施形態に係る吐出容器の初期状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る吐出容器の実施形態について図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0015】
[第1実施形態]
図1に示す吐出容器1は、容器本体2の内部に収容した内容物を、操作ヘッド5の吐出孔5aから吐出する。吐出容器1の各部材は、例えば、合成樹脂製である。吐出容器1は、容器本体2と、装着キャップ3と、吐出器本体7と、ストッパー9と、を備えている。容器本体2は、有底筒状に形成され、例えば液状の内容物を収容する。容器本体2の上端部には、口部2aが形成されている。装着キャップ3は、容器本体2に吐出器本体7を装着する。吐出器本体7は、容器本体2に連通可能であり弾性変形を伴って上下方向に伸縮可能なシリンダ4と、シリンダ4内に連通して内容物を吐出する吐出孔5aが形成されたノズル61を持つ操作ヘッド5と、を有する。
【0016】
装着キャップ3、シリンダ4、および操作ヘッド5は、容器本体2の口部2aの中心を共通軸とする同軸に形成されている。以下、共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向という。上下方向のうち、容器本体2の底部から口部に向かう方向を上方とし、その反対方向を下方とする。また、上下方向から見た平面視において、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0017】
また以下では、吐出容器1の操作前の状態を初期状態という。初期状態において、正立姿勢の吐出容器1では、操作ヘッド5の下降がストッパー9によって規制され、シリンダ4が最も伸長した状態であり、操作ヘッド5が上昇端位置に位置している。
【0018】
装着キャップ3は、容器軸Oを中心軸とする有頂筒状に形成され、容器本体2の口部2aに装着される。装着キャップ3は、キャップ外筒部11と、キャップ第1内筒部12と、キャップ頂壁部13と、キャップ連結部14と、キャップ第2内筒部15と、ガイド筒部16と、を備えている。
【0019】
キャップ外筒部11は、口部2aに径方向外側から螺着されている。なお、キャップ外筒部11は、口部2aに径方向外側から嵌着されていてもよい。キャップ第1内筒部12は、口部2aの径方向内側に配置されている。キャップ頂壁部13は、キャップ外筒部11の上端部と、キャップ第1内筒部12の上端部と、を連結している。キャップ頂壁部13は、環状に形成されている。キャップ頂壁部13は、パッキン等のシール材13aを介して、口部2aの上端開口縁上に配置されている。
【0020】
キャップ連結部14は、キャップ第1内筒部12の下端部から径方向内側に延びている。キャップ連結部14は、環状に形成されている。キャップ第2内筒部15は、キャップ連結部14の径方向内端縁から上方に延びている。キャップ第2内筒部15は、キャップ第1内筒部12よりも径方向内側に配置されている。また、キャップ第2内筒部15の上端は、キャップ第1内筒部12の上端よりも下方に位置している。
【0021】
キャップ第1内筒部12には、摺動壁12aが形成されている。摺動壁12aは、キャップ第1内筒部12の内周面よりも径方向内側に突設され、キャップ第2内筒部15の上端より下方の位置から、キャップ第1内筒部12の下端まで延設されている。キャップ連結部14には、空気孔14aが設けられている。空気孔14aは、キャップ連結部14を上下方向に貫通している。空気孔14aは、周方向に間隔をあけて複数、形成されている。
【0022】
空気孔14aには、空気溝12bが連なっている。空気溝12bは、キャップ第1内筒部12の摺動壁12aの内周面に形成されている。空気溝12bは、例えば、上下方向に延びる縦溝である。空気溝12bは、空気孔14aにおける径方向外側の端部から上方に延びている。空気溝12bの上端は、キャップ第2内筒部15の上端よりも下方に位置している。
【0023】
ガイド筒部16は、キャップ頂壁部13の上面から上方に延びている。ガイド筒部16の上端部には、径方向外側に突出する抜け止め部16aが形成されている。抜け止め部16aは、環状に形成されている。ガイド筒部16の内周面は、一定の曲率半径で上下方向に延びている。
【0024】
シリンダ4は、容器軸Oを中心軸とする筒状に形成されている。シリンダ4は、後述するシリンダ本体30の一部(変形部31)の弾性変形を伴って上下方向に伸縮可能である。シリンダ4の下端部は、装着キャップ3に上下方向に移動可能に支持されている。シリンダ4は、支持部20と、シリンダ本体30と、を備えている。シリンダ本体30は、上下方向に弾性変形可能な変形部31と、変形部31の下端に接続した下結合部32と、変形部31の上端に接続した内側ガイド壁33と、を備える。支持部20は、シリンダ本体30の下結合部32に固定され、下結合部32を介して変形部31の下端を下方から支持する。支持部20は、装着キャップ3の内側に、装着キャップ3に対して上下動可能に配置されている。支持部20は、筒状に形成されている。支持部20内は、容器本体2内に連通可能である。
【0025】
支持部20は、シール部21と、内筒部22と、連結部23と、を備えている。シール部21は、筒状に形成されている。シール部21の下端は、キャップ第1内筒部12の摺動壁12aとキャップ第2内筒部15の外周面との間に配置されている。シール部21の上端は、キャップ第2内筒部15の上端よりも上方に位置している。
【0026】
内筒部22は、キャップ第2内筒部15内に配置されている。内筒部22は、キャップ第2内筒部15よりも上下方向に大きい。内筒部22の上端は、キャップ第2内筒部15の上端よりも上方に位置している。内筒部22の下端は、キャップ第2内筒部15の下端よりも下方に位置している。図示の例では、内筒部22の上下方向の中央部には、環状の第1弁座24が設けられている。第1弁座24は、後述する逆止弁27用の弁座である。第1弁座24には、容器本体2内とシリンダ内4とを連通させる第1連通孔24aが形成されている。
【0027】
内筒部22の第1弁座24より下方には、嵌合筒25が形成されている。嵌合筒25には、パイプPが嵌合している。パイプPは、支持部20から下方に延びている。パイプPは、支持部20内と容器本体2内とを連通させる。なお、パイプPは無くてもよい。
【0028】
連結部23は、シール部21の上端部と、内筒部22の上端部と、を連結している。連結部23は、環状である。図示の例では、連結部23は、キャップ第2内筒部15の上端に上方から対向している。なお、シール部21の下端が、キャップ連結部14に対して上方から接することで支持部20の下降を規制する。ただし、連結部23が、キャップ第2内筒部15の上端に対して上方から接することで支持部20の下降を規制してもよい。
【0029】
装着キャップ3には、容器本体2内と外部とを連通可能な外気導入部90が形成されている。外気導入部90は、シール部21の外周面とキャップ第1内筒部12との間に形成されている。本実施形態の外気導入部90は、シール部21の外周面に形成された縦溝を含む。本実施形態では、シール部21の外周面に形成された縦溝が空気溝12bに連通することで、外気導入部90が容器本体2内と外部とを連通する。なお、操作ヘッド5が、後述する第1の位置に位置するときに、シール部21の下端部は、キャップ第1内筒部12の摺動壁12aに接して外気導入部90を遮断する。
【0030】
シリンダ本体30は、内筒部22の第1弁座24より上方に組み付けられている。シリンダ本体30内は、容器本体2内に連通可能である。本実施形態では、シリンダ本体30内は、支持部20内およびパイプP内を通して容器本体2内に連通する。
【0031】
変形部31は、蛇腹状である。なお、変形部31は、復元性の観点からは螺旋をなす蛇腹状であることが好ましいが、螺旋をなさない単なる蛇腹状であってもよい。ここで、変形部31が、山部31aおよび谷部31bが上下方向に交互に並ぶ蛇腹状である場合において、変形部31が螺旋をなす蛇腹状であることは、山部31aおよび谷部31bが、容器軸O回りに周回する螺旋をなすことを意味する。また、変形部31の形態は蛇腹状に限られず、変形部31の形態として、上下方向に弾性変形可能な他の形態を適宜採用することが可能である。
【0032】
下結合部32は、シリンダ本体30の下端部に設けられている。下結合部32は、変形部31の下端から径方向内側に突出するフランジ32aと、フランジ32aの内周縁から下方に延びる下端筒部32bと、を有する。フランジ32aは、支持部20の連結部23上に位置する。下端筒部32bは、支持部20の内筒部22内に嵌合されている。下結合部32内には、変形部31の内側まで突出するヘッド規制部6(後述)が連設されている。
【0033】
内側ガイド壁33は、操作ヘッド5と一体に上下動する。内側ガイド壁33は、容器軸Oを中心軸とする筒状に形成されている。内側ガイド壁33は、シリンダ本体30の上端部に設けられている。内側ガイド壁33は、変形部31の上端から上方に延びている。内側ガイド壁33は、その上端部を除き、一定の外径で上下方向に延びている。内側ガイド壁33の外径は、変形部31の外径以上である。内側ガイド壁33の上端部には、径方向の外側に突出する外フランジ33aが形成されている。外フランジ33aは、環状に形成されている。ただし、外フランジは、周方向の一部の箇所のみに設けられていてもよい。
【0034】
内側ガイド壁33は、ガイド筒部16の内側に挿入可能とされている。内側ガイド壁33の下端部は、ガイド筒部16の上端部の径方向内側に位置し、ガイド筒部16の内周面に当接可能である。つまり、内側ガイド壁33は、少なくとも操作ヘッド5がストッパー9によって下降を規制された上昇端位置にある状態で、ガイド筒部16の上端部の径方向内側に位置し、ガイド筒部16の内周面に当接可能である。さらに、内側ガイド壁33は、操作ヘッド5が上昇端位置から下降した状態でも、ガイド筒部16の径方向内側に位置し、ガイド筒部16の内周面に当接可能である。これにより、内側ガイド壁33の少なくとも一部は、ガイド筒部16の径方向内側に常時位置する。また、内側ガイド壁33は、ガイド筒部16の内周面に常時当接可能である。
【0035】
操作ヘッド5は、シリンダ本体30の内側ガイド壁33に装着されている。操作ヘッド5は、シリンダ4内に連通可能なノズル61を有する。ノズル61には、内容物を外部に吐出する吐出孔5aが形成されている。操作ヘッド5は、シリンダ4によって下方から支持されている。操作ヘッド5は、ヘッド基部50と、ノズル操作部60と、を備えている。ヘッド基部50およびノズル操作部60は、別個に成形され、互いに組み合わされている。
【0036】
ヘッド基部50は、筒状に形成されている。ヘッド基部50は、シリンダ本体30の内側ガイド壁33に装着されている。ヘッド基部50は、ヘッド外筒部51と、ヘッド第1内筒部52と、ヘッド第1連結部53と、ヘッド第2内筒部54と、ヘッド第2連結部55と、第2弁座56と、を備えている。シリンダ本体30の内側ガイド壁33は、ヘッド外筒部51とヘッド第1内筒部52との間において、ヘッド第1内筒部52の外周面に嵌着している。これにより、内側ガイド壁33は、シリンダ本体30の上下方向の伸縮に伴って操作ヘッド5と一体に上下動する。
【0037】
ヘッド外筒部51は、ガイド筒部16の径方向外側に配置されている。ヘッド外筒部51は、ガイド筒部16の外周面に沿って上下方向に移動可能とされている。ヘッド外筒部51の下端部には、径方向内側に突出する凸部51aが形成されている。凸部51aは、抜け止め部16aよりも下方に位置すると共に、上下方向において抜け止め部16aと対向可能な周方向位置に配置されている。ヘッド外筒部51の上端部の外周側には、ノズル操作部60の周壁部63が係合する環状段部51bが形成されている。
【0038】
ヘッド第1内筒部52は、ヘッド外筒部51の径方向内側に配置されている。ヘッド第1連結部53は、ヘッド外筒部51の上端部と、ヘッド第1内筒部52の上端部と、を連結している。ヘッド第1連結部53は、環状に形成されている。
【0039】
ヘッド第2連結部55は、ヘッド第1内筒部52の下端部から径方向内側に延びている。ヘッド第2連結部55は、環状に形成されている。ヘッド第2内筒部54は、ヘッド第2連結部55の径方向内端縁から上方に延びている。ヘッド第2内筒部54は、ヘッド第1内筒部52よりも径方向内側に配置されている。また、ヘッド第2内筒部54の上端は、ヘッド第1内筒部52の上端よりも下方に位置している。
【0040】
第2弁座56は、ヘッド第2内筒部54の下端縁から下方に延びている。第2弁座56の内周面は、下方に向かうに従い小径になっている。第2弁座56は、後述するポペット弁8用の弁座である。第2弁座56には、シリンダ4内と吐出孔5aとを連通させる第2連通孔50aが形成されている。
【0041】
ノズル操作部60は、有頂筒状に形成されている。ノズル操作部60は、ノズル61と、頂壁部62と、周壁部63と、摺動筒64と、縦リブ65と、を備えている。ノズル61は、周壁部63を径方向に貫通している。ノズル61内は、摺動筒64内に連通している。ノズル61の先端内は、吐出孔5aである。吐出孔5aは、ノズル61内および摺動筒64内を通してシリンダ4内に連通する。
【0042】
頂壁部62は、円板状に形成され、筒状のヘッド基部50の上端開口を閉塞する。周壁部63は、筒状に形成され、頂壁部62の径方向外周縁から下方に垂設されている。周壁部63は、ヘッド外筒部51の環状段部51bに配置され、ヘッド外筒部51の外径と略等しい外径を有する。
【0043】
摺動筒64は、周壁部63よりも小径であり、周壁部63の径方向内側に配置されている。摺動筒64は、頂壁部62の下面から下方に垂設されている。摺動筒64の下端は、周壁部63の下端よりも下方に位置している。摺動筒64は、ヘッド基部50のヘッド第2内筒部54内に、容器軸O回りに回転可能に係合している。
【0044】
摺動筒64の外周面には、複数の環状突起64aが形成されている。複数の環状突起64aは、ヘッド第2内筒部54の内周面に形成された複数の凹部54aに係合することで、ヘッド基部50に対するノズル操作部60の上方への抜けを防止している。なお、摺動筒64とヘッド第2内筒部54との隙間のシールは、摺動筒64の下端部の外周面における、ヘッド第2内筒部54の内周面に対する締め代部分でなされている。なお、摺動筒64とヘッド第2内筒部54との間の摩擦力は、ヘッド第1内筒部52とシリンダ4の内側ガイド壁33との間の摩擦力よりも小さい。これにより、ノズル操作部60は、ヘッド基部50(シリンダ4)に対し容器軸O回りに相対回転可能となる。
【0045】
縦リブ65は、摺動筒64内に設けられている。縦リブ65は、摺動筒64の内周面から径方向の内側に向けて突出している。縦リブ65は、摺動筒64において、容器軸Oを挟んだノズル61の反対側に設けられている。縦リブ65の上端は、頂壁部62に連なっている。縦リブ65の下端は、摺動筒64の下端よりも上方に位置している。
【0046】
吐出器本体7は、逆止弁27と、ヘッド規制部6と、ポペット弁8と、をさらに備える。
逆止弁27は、内筒部22の内側に嵌合している。逆止弁27は、第1弁座24に対し、上下方向に離反可能に着座する。逆止弁27は、例えば、いわゆる三点弁である。逆止弁27は、第1連通孔24aを介した容器本体2内からシリンダ本体30内への内容物の流入を許容する。また、逆止弁27は、シリンダ本体30内から容器本体2内への第1連通孔24aを介した内容物の流出を規制する。
【0047】
ヘッド規制部6は、シリンダ本体30内に、容器軸Oを中心軸とする筒状に形成されている。ヘッド規制部6には、流路孔70が形成されている。流路孔70は、ヘッド規制部6を径方向に貫通している。ヘッド規制部6は、上昇端位置(
図1に示す位置)にある操作ヘッド5の上方への移動を規制する規制部71を有する。規制部71は、流路孔70よりも上方に設けられている。規制部71は、ヘッド規制部6の上端部において、ヘッド規制部6の内周面から径方向内側に突出する爪状に形成されている。規制部71は、容器軸Oを挟んで対向するように一対で設けられている。
【0048】
ポペット弁8は、シリンダ4内と吐出孔5aとの連通、遮断を切り替える。操作ヘッド5が上昇端位置(
図1に示す位置)に位置するときに、ポペット弁8はシリンダ4内と吐出孔5aとの連通を遮断する。操作ヘッド5が上昇端位置から下降したとき(
図2参照)、ポペット弁8はシリンダ4内と吐出孔5aとを連通させる。なお
図2は操作ヘッド5が下降端位置に位置する状態を示しているが、操作ヘッド5が上昇端位置と下降端位置との間に位置するときに、ポペット弁8はシリンダ4内と吐出孔5aとを連通させる。
【0049】
ポペット弁8は、シリンダ本体30内に、上下動可能に配置されている。図示の例では、ポペット弁8は、有底筒状である。ただし、ポペット弁8は、例えば、中実の棒状であってもよい。ポペット弁8の上端部および下端部は、ポペット弁8の中央よりも拡径している。
【0050】
ポペット弁8の上端部は、ヘッド基部50の第2連通孔50aに挿入されている。ポペット弁8の上端部は、第2弁座56に上方から着座する。ポペット弁8の下端部は、ヘッド規制部6内に挿入されている。ポペット弁8の下端部には、ヘッド規制部6に係止する係止爪81が形成されている。係止爪81がヘッド規制部6の規制部71に対し上下方向に係止することで、ポペット弁8がヘッド規制部6から上方に抜け出ることが規制される。
【0051】
ストッパー9は、装着キャップ3と操作ヘッド5との間に着脱自在に配置されている。本実施形態では、ストッパー9は、ガイド筒部16に装着されている。ストッパー9は、例えば、上面視C字状の部材である。ストッパー9の下端は、キャップ頂壁部13上に位置している。ストッパー9の上端上には、操作ヘッド5のヘッド外筒部51の下端が位置している。ストッパー9は、操作ヘッド5の上昇端位置からの下降を規制する。
【0052】
次に、吐出容器1の使用方法を説明する。
図1に示すように、吐出容器1の初期状態では、操作ヘッド5が上昇端位置に位置している。このとき、逆止弁27は、容器本体2内とシリンダ4内との連通を遮断している。また、ポペット弁8の係止爪81は、規制部71に係止し、ポペット弁の上端部がシリンダ4内とノズル61内との連通を遮断している。また、支持部20のシール部21の下端部は、外気導入部90を通した容器本体2内と外部との連通を遮断している。
【0053】
使用者が吐出容器1から内容物を吐出するときには、使用者が、ストッパー9を取り外して操作ヘッド5を押下する。そうすると、操作ヘッド5が上昇端位置から下降して支持部20が下降し、流路孔70を通した容器本体2内と外部との連通を許容する。具体的には、支持部20のシール部21の下端が摺動壁12aよりも下方まで下降すると、シリンダ4外が、空気溝12bと連通する。これにより、容器本体2内と外部とが、空気孔14a、空気溝12b、シリンダ4とガイド筒部16との隙間、ガイド筒部16とヘッド外筒部51との隙間を通して、連通する。なおこのとき、本実施形態では、シリンダ4は圧縮していないが、多少、圧縮していてもよい。またこのとき、本実施形態では、支持部20は、キャップ連結部14によって下降が規制されるまで下降する。
【0054】
キャップ連結部14によって支持部20の下降が規制された後、操作ヘッド5が上昇端位置からさらに下降すると、シリンダ本体30が操作ヘッド5と支持部20との間で弾性的に圧縮される。このとき、まず、ポペット弁8が開弁し、シリンダ本体30内と吐出孔5aとが、摺動筒64内、ノズル61内を通して連通する。一方、逆止弁27は閉弁された状態が維持されてシリンダ本体30の内圧が高まる。そのため、シリンダ本体30内に内容物が充填されていると、シリンダ本体30内の内容物がノズル61内に送られて、吐出孔5aから吐出される。
【0055】
本実施形態では、シリンダ本体30が圧縮する過程で、操作ヘッド5の縦リブ65がポペット弁8に接触する。この状態で更に使用者が操作ヘッド5を押下すると、ポペット弁8が操作ヘッド5とともに下降する。ガイド筒部16の上端が、シリンダ本体30の内側ガイド壁33の外フランジ33aに当接すると、操作ヘッド5の下降が規制される。このとき、操作ヘッド5は下降端位置に位置し、シリンダ本体30は最も圧縮された状態となる。
【0056】
内容物の吐出後、使用者は操作ヘッド5の押下を解除する。すると、シリンダ本体30の変形部31の弾性復元力により、シリンダ本体30が伸長する。このとき、操作ヘッド5が上昇し、操作ヘッド5の第2弁座56がポペット弁8の上端部に係止し、ポペット弁8が第2弁座56に着座する。シリンダ本体30が更に伸長すると、シリンダ本体30の内圧が低くなり、この負圧が、支持部20内を通して逆止弁27に作用し、逆止弁27が開弁する。これにより、容器本体2内の内容物がシリンダ本体30内に吸引されながら、外気が空気溝12b、空気孔14aを通して容器本体2内に吸引される。
【0057】
例えば、シリンダ本体30の弾性復元力や、操作ヘッド5に加えられる強制的な外力により、操作ヘッド5が上昇端位置に復元変位すると、支持部20のシール部21の下端が摺動壁12aに接触し、空気溝12b、空気孔14aを通した容器本体2内と外部との連通を遮断する。
【0058】
なお、初期状態においてシリンダ本体30内に内容物が充填されていない場合、これまでの操作の過程で、内容物は吐出されないものの、このタイミングで容器本体2内の内容物がシリンダ本体30内に吸引されてシリンダ本体30内に内容物が充填される。よって、次回操作時に内容物が吐出される。
【0059】
吐出容器1の初期状態では、シリンダ本体30の内側ガイド壁33の下端部が、装着キャップ3のガイド筒部16の内側に位置する。操作ヘッド5が上昇端位置から下降すると、内側ガイド壁33は、その下端部をガイド筒部16の内側に深く進入させるように、操作ヘッド5が下降端位置に到達するまでガイド筒部16の内側に挿入される。このため、内側ガイド壁33は、操作ヘッド5が上昇端位置から下降端位置にわたる何れの位置にあるときでも、ガイド筒部16に径方向で当接可能となる。すなわち、内側ガイド壁33は、ガイド筒部16の内側を上下動する際に、ガイド筒部16の外周面に摺接可能であるとともに、ガイド筒部16に対する径方向の変位を規制される。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係る吐出容器1によれば、装着キャップ3は、上下方向に延びるガイド筒部16を有し、吐出器本体7は、ガイド筒部16の径方向内側に設けられ、ガイド筒部16に常時当接可能とされ、シリンダ4の上下方向の伸縮に伴って操作ヘッド5と一体に上下動する内側ガイド壁33を有する。この構成によれば、内側ガイド壁33がガイド筒部16に対して径方向の変位を規制されるので、操作ヘッド5を上下動させたときに、内側ガイド壁33が上下方向に沿ってガイド筒部16に案内される。このため、内側ガイド壁33と一体に上下動する操作ヘッド5も、ガイド筒部16を有する装着キャップ3に対して上下方向に沿って移動する。
【0061】
しかも、操作ヘッド5は、ガイド筒部16の外周面に当接可能な内周面を有するヘッド外筒部51を有する。このため、ヘッド外筒部51および内側ガイド壁33がガイド筒部16を挟むように配置される。これにより、操作ヘッド5がガイド筒部16に対して傾くことを抑制できる。
以上により、吐出容器1の使用に際してシリンダ4の弾性変形を伴って上下動する操作ヘッド5にガタツキが発生することを抑制できる。
【0062】
また、ヘッド外筒部51の下端部には、径方向内側に突出する凸部51aが形成されている。凸部51aは、ガイド筒部16に形成された抜け止め部16aと、上下方向において対向している。これにより、操作ヘッド5に衝撃が加わっても、操作ヘッド5が装着キャップ3から外れることを抑制できる。
【0063】
内側ガイド壁33は、シリンダ本体30の上端部に設けられている。これにより、シリンダ4自体をガタツキなく上下方向に伸縮させることができる。したがって、シリンダ4の上下方向の伸縮に伴って上下動する操作ヘッド5のガタツキも抑制できる。
【0064】
また、本実施形態では、シリンダ4が変形部31の下端を支持する支持部20を有し、装着キャップ3が支持部20を上下方向に移動可能に保持する。装着キャップ3には、容器本体2内と外部とを連通可能な外気導入部90が形成され、支持部20には、操作ヘッド5が上昇端位置に位置するとき、外気導入部90を通した容器本体2内と外部との連通を遮断し、操作ヘッド5が上昇端位置から下降する間に、当該連通を許容するシール部21が形成されている。この構成によれば、操作ヘッド5を上昇端位置で規制するときは、シール部21が、外気導入部90を通した容器本体2内と外部との連通を遮断している。よって、流通時に、容器本体2内の内容物が外気導入部90から漏出することが抑制される。使用時に、操作ヘッド5を上昇端位置から押下すると、その間に、シール部21が、外気導入部90を通した容器本体2内と外部との連通を許容する。これにより、使用時、内容物の吐出に際し、容器本体2内に外気を取り込むことができる。
【0065】
[第2実施形態]
次に、
図3を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、内側ガイド壁33がシリンダ4に設けられている。これに対して第2実施形態では、内側ガイド壁157が操作ヘッド5に設けられている点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0066】
装着キャップ103は、囲繞筒117を有する。囲繞筒117は、ガイド筒部16の内側でシリンダ本体130の変形部31を囲うように配置されている。囲繞筒117は、キャップ頂壁部13の上面から上方に延びている。囲繞筒117は、ガイド筒部16に対して径方向に隙間を有する。囲繞筒117は、略一定の厚さで上下方向および周方向に延びている。
【0067】
シリンダ本体130は、第1実施形態の内側ガイド壁33に代えて、上端部133を有する。上端部133は、変形部31の上端に接続している。上端部133は、変形部31の上端から上方に延びている。上端部133の下端は、囲繞筒117の上端よりも上方に位置する。上端部133の下端は、シリンダ本体130が圧縮する過程で、囲繞筒117の内側に進入する。上端部133の上端には、径方向の外側に突出する外フランジ133aが形成されている。外フランジ133aは、環状に形成されている。外フランジ133aは、シリンダ本体130が圧縮する過程で、囲繞筒117の上端に当接する。上端部133には、操作ヘッド5のヘッド基部150が装着されている。
【0068】
ヘッド基部150は、内側ガイド壁157を有する。内側ガイド壁157は、容器軸Oを中心軸とする筒状に形成されている。内側ガイド壁157は、ヘッド第1連結部53から下方に延びている。内側ガイド壁157は、ヘッド第1内筒部52との間にシリンダ本体130の上端部133を挟むように、ヘッド第1内筒部52の径方向外側に形成されている。内側ガイド壁157とシリンダ本体130の上端部133との間には、シリンダ本体130が圧縮する過程で、囲繞筒117の上端が進入する。内側ガイド壁157は、ヘッド外筒部51の径方向内側に形成され、ヘッド外筒部51との間に隙間を有する。内側ガイド壁157は、ガイド筒部16の内側に挿入可能とされている。内側ガイド壁157の下端部は、ガイド筒部16の上端部の径方向内側に位置する。これにより、内側ガイド壁157の少なくとも一部は、ガイド筒部16の径方向内側に常時位置する。内側ガイド壁157は、ガイド筒部16の内周面に常時当接可能である。内側ガイド壁157は、シリンダ本体130の上下方向の伸縮に伴って操作ヘッド5と一体に上下動する。
【0069】
次に、吐出容器101の動作を説明する。
吐出容器101の初期状態では、ヘッド基部150の内側ガイド壁157の下端部が、装着キャップ103のガイド筒部16の内側に位置する。操作ヘッド5が上昇端位置から下降すると、内側ガイド壁157は、その下端部をガイド筒部16の内側に深く進入させるように、操作ヘッド5が下降端位置に到達するまでガイド筒部16の内側に挿入される。このため、内側ガイド壁157は、操作ヘッド5が上昇端位置から下降端位置にわたる何れの位置にあるときでも、ガイド筒部16に径方向で当接可能となる。すなわち、内側ガイド壁157は、ガイド筒部16の内側を上下動する際に、ガイド筒部16の外周面に摺接可能であるとともに、ガイド筒部16に対する径方向の変位を規制される。
【0070】
以上に説明したように、吐出器本体107は、ガイド筒部16の径方向内側に設けられ、ガイド筒部16に常時当接可能とされ、シリンダ4の上下方向の伸縮に伴って操作ヘッド5と一体に上下動する内側ガイド壁157を有する。このため、本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を奏する。これに加え、本実施形態では内側ガイド壁157が操作ヘッド5に設けられているので、操作ヘッド5のガタツキを直接的に抑制することができる。
【0071】
[第3実施形態]
次に、
図4を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、内側ガイド壁33がシリンダ本体30に設けられている。これに対して第3実施形態では、内側ガイド壁234がシリンダ本体230および操作ヘッド5とは別体に設けられている点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0072】
シリンダ本体230は、第1実施形態の内側ガイド壁33に代えて、上端部233を有する。上端部233は、変形部31の上端に接続している。上端部233は、変形部31の上端から上方に延びている。上端部233の下端は、ガイド筒部16の上端よりも上方に位置する。上端部233の下端は、シリンダ本体230が圧縮する過程で、ガイド筒部16の内側に進入する。上端部233の上端には、径方向の外側に突出する外フランジ233aが形成されている。外フランジ233aは、環状に形成されている。外フランジ233aは、シリンダ本体230が圧縮する過程で、ガイド筒部16の上端に当接する。上端部233には、操作ヘッド5のヘッド基部50が装着されている。
【0073】
上端部233には、内側ガイド壁234が固定されている。内側ガイド壁234は、容器軸Oを中心軸とする筒状に形成されている。内側ガイド壁234は、上端部233の外周面に嵌着している。内側ガイド壁234の上端縁は、外フランジ233aに下方から当接している。内側ガイド壁234は、ガイド筒部16の内側に挿入可能とされている。内側ガイド壁234の下端部は、ガイド筒部16の上端部の径方向内側に位置する。これにより、内側ガイド壁234の少なくとも一部は、ガイド筒部16の径方向内側に常時位置する。内側ガイド壁234は、ガイド筒部16の内周面に常時当接可能である。内側ガイド壁234は、シリンダ本体230の上下方向の伸縮に伴って操作ヘッド5と一体に上下動する。
【0074】
次に、吐出容器201の動作を説明する。
吐出容器201の初期状態では、シリンダ本体230に固定された内側ガイド壁234の下端部が、装着キャップ3のガイド筒部16の内側に位置する。操作ヘッド5が上昇端位置から下降すると、内側ガイド壁234は、その下端部をガイド筒部16の内側に深く進入させるように、操作ヘッド5が下降端位置に到達するまでガイド筒部16の内側に挿入される。このため、内側ガイド壁234は、操作ヘッド5が上昇端位置から下降端位置にわたる何れの位置にあるときでも、ガイド筒部16に径方向で当接可能となる。すなわち、内側ガイド壁234は、ガイド筒部16の内側を上下動する際に、ガイド筒部16の外周面に摺接可能であるとともに、ガイド筒部16に対する径方向の変位を規制される。
【0075】
以上に説明したように、吐出器本体207は、ガイド筒部16の径方向内側に設けられ、ガイド筒部16に常時当接可能とされ、シリンダ4の上下方向の伸縮に伴って操作ヘッド5と一体に上下動する内側ガイド壁234を有する。このため、本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0076】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、圧縮されたシリンダ4が変形部31の弾性復元力のみにより伸長するが、これに限定されず、例えば吐出器本体がシリンダを伸長させるコイルバネ等の部材を別に備えていてもよい。
【0077】
上記実施形態では、シリンダ本体の内側ガイド壁がガイド筒部の内周面に常時当接可能な構成において、シリンダの伸縮時に内側ガイド壁がガイド筒部の内周面に摺接するか否かについて特に限定されない。ただし、内側ガイド壁がガイド筒部の内周面に常時摺接してもよいし、操作ヘッド5に上下方向に交差する方向の力が加わった際に内側ガイド壁がガイド筒部の内周面に摺接するように構成されていてもよい。
【0078】
上記実施形態では、内側ガイド壁33は、操作ヘッド5がストッパー9によって下降を規制された上昇端位置にある状態で、ガイド筒部16の内周面に当接可能である。ただし、内側ガイド壁は、少なくともストッパーが外されて操作ヘッドが内容物を吐出するために操作される位置にある状態で、ガイド筒部の内周面に当接可能であればよい。例えば、内側ガイド壁の全体は、ストッパーが取り付けられた流通時の状態で、ガイド筒部の外側にあってもよい。
【0079】
上記実施形態では、シリンダ4がシリンダ本体30,130,230とは別体の支持部20を備えているが、この構成に限定されない。シリンダは、支持部が実施形態のシリンダ本体の下結合部と一体化した構成を有していてもよい。
【0080】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1,101,201…吐出容器 2…容器本体 3,103…装着キャップ 4…シリンダ 5…操作ヘッド 5a…吐出孔 7,107,207…吐出器本体 16…ガイド筒部 20…支持部 21…シール部 31…変形部 33,157,234…内側ガイド壁 51…ヘッド外筒部 61…ノズル 90…外気導入部