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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145704
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241004BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20241004BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241004BHJP
   B65H 1/04 20060101ALN20241004BHJP
【FI】
G03G21/16 195
G03G21/16 133
G03G21/16 120
B41J29/13 103
G03G15/00 407
B65H1/04 310Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058174
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安部 ゆりみ
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
2H171
3F343
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB02
2C061BB33
2C061BB35
2C061CD01
2C061CF06
2H072BA03
2H072BA13
2H072BB04
2H072CA01
2H072JA02
2H171FA01
2H171FA22
2H171FA24
2H171FA26
2H171FA28
2H171GA15
2H171HA23
2H171JA17
2H171JA42
2H171JA48
2H171KA02
2H171KA09
2H171KA22
2H171KA23
2H171KA26
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB02
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC05
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA18
2H171SA20
2H171SA22
2H171SA23
2H171SA26
2H171SA31
2H171SA32
2H171TA07
2H171UA03
2H171WA12
2H171WA23
2H171WA26
3F343FA02
3F343FB02
3F343FC21
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343HA01
3F343HA12
3F343KB08
3F343KB13
(57)【要約】
【課題】シートトレイの移動を案内するガイド部材を開閉カバーに容易に設けることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、給紙開口部21aを有する装置本体2と、シートSを支持するMPトレイ72と、給紙開口部21aを開放する開位置と給紙開口部21aを閉鎖する閉位置とに回動軸線Xを中心として回動可能であり、MPトレイ72をMPトレイカバー71の開位置と閉位置とへの回動に応じて移動可能に支持し、MPトレイカバー71が閉位置にある状態で回動軸線X方向の端縁が後方に向かって曲がったMPトレイカバー71と、MPトレイカバー71と別体であってMPトレイカバー71に取り付けられ、MPトレイ72の移動を案内する長孔733と、MPトレイカバー71がフロントカバー21に回動軸線Xを中心として回動可能となるようにフロントカバー21に支持される回動シャフト732とを有するガイド部材73とを備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を前方に有する装置本体と、
シートを支持するシートトレイと、
前記開口を開放する開位置と前記開口を閉鎖する閉位置とに回動軸線を中心として回動可能な開閉カバーであって、前記シートトレイを前記開閉カバーの前記開位置と前記閉位置とへの回動に応じて移動可能に支持し、かつ、前記開閉カバーが前記閉位置にある状態で、前記回動軸線に沿う方向である回動軸線方向における端縁が後方に向かって曲がった開閉カバーと、
前記開閉カバーと別体であって前記開閉カバーに取り付けられ、前記シートトレイの移動を案内するガイドと、前記装置本体に対して前記開閉カバーが前記回動軸線を中心として回動可能となるように前記装置本体に支持される回動シャフトとを有するガイド部材と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記回動軸線方向において、前記開閉カバーの中心よりも端縁に近い位置にある請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記回動軸線の径方向である第1方向に延びており、
前記第1方向において前記回動シャフトと前記ガイドとの間に位置し、前記ガイド部材を前記開閉カバーに連結するための連結部材が差し込まれる連結孔を有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ガイド部材は、
前記第1方向において離間して位置する2つの前記連結孔と、
前記第1方向において2つの前記連結孔の間に位置し、前記開閉カバーが有する位置決めボスに嵌り込むことで、前記ガイド部材を前記開閉カバーに対して位置決めする位置決め孔と、を有する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ガイド部材は、前記回動軸線方向において離間して位置する第1ガイド部材と、第2ガイド部材とを有し、
前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材は、それぞれ前記装置本体と前記開閉カバーとに当接し、前記開閉カバーを前記閉位置に向けて回動する方向へ付勢するバネを有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記装置本体と前記シートトレイとを連結する連結アームを更に備え、
前記シートトレイは、前記回動軸線方向に突出し、前記連結アームと連結される連結ボスを有し、
前記ガイド部材の前記ガイドは、前記連結ボスが移動可能に嵌り込む長孔を有する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
トナー像が形成される感光ドラムと、
前記感光ドラムにトナーを供給する現像ローラと、
前記感光ドラムおよび前記現像ローラを支持するドロワとを更に備え、
前記シートトレイは、シートを支持する支持面と、前記回動軸線方向に沿って移動可能であり、前記支持面から突出するサイドガイドとを有し、
前記シートトレイは、前記開閉カバーが閉位置にあるときの前記回動軸線と前記サイドガイドとの間の第1距離が、前記開閉カバーが開位置にあるときの前記回動軸線と前記サイドガイドとの間の第2距離よりも大きくなるように移動し、
前記開閉カバーが閉位置にあるときの前記サイドガイドの鉛直下方には、前記ドロワが位置する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ガイド部材は、前記開閉カバーよりも大きな降伏応力を有する素材にて形成される請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、装置本体が有する開口を開閉可能な開閉カバーに、シートを支持するシートトレイが設けられており、シートトレイが支持するシートを装置本体の開口を通じて給紙して、画像を形成する画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1に開示される画像形成装置においては、シートトレイは開閉カバーに対して移動可能に構成されており、開閉カバーは、シートトレイの移動を案内するガイド部材を有している。
【0004】
ガイド部材は開閉カバーの回動軸線方向に離間した2箇所に設けられており、開閉カバーの回動軸方線向におけるガイド部材よりも端縁側は、ガイド部材から端縁側へ向けて直線的に延びる形状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-104893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、開閉カバーがガイド部材から端縁側へ向けて直線的に延びる形状に形成されていると、開閉カバーとガイド部材とを一体成形することが可能であるが、開閉カバーの回動軸線方向におけるガイド部材よりも端縁側が、回動軸線方向とは異なる方向のガイド部材が形成される側へ曲がって延びていると、開閉カバーとガイド部材とを一体成形することが困難であった。
【0007】
そこで、本発明においては、開閉カバーの回動軸線方向におけるガイド部材よりも端縁側が、回動軸線方向とは異なる方向へ延びた形状であっても、ガイド部材を開閉カバーに容易に設けることができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0009】
即ち、画像形成装置は、開口を前方に有する装置本体と、シートを支持するシートトレイと、前記開口を開放する開位置と前記開口を閉鎖する閉位置とに回動軸線を中心として回動可能な開閉カバーであって、前記シートトレイを前記開閉カバーの前記開位置と前記閉位置とへの回動に応じて移動可能に支持し、かつ、前記開閉カバーが前記閉位置にある状態で、前記回動軸線に沿う方向である回動軸線方向における端縁が後方に向かって曲がった開閉カバーと、前記開閉カバーと別体であって前記開閉カバーに取り付けられ、前記シートトレイの移動を案内するガイドと、前記装置本体に対して前記開閉カバーが前記回動軸線を中心として回動可能となるように前記装置本体に支持される回動シャフトとを有するガイド部材と、を備える。
【0010】
これにより、開閉カバーが、閉位置にある状態で回動軸線方向における端縁が後方に向かって曲がった形状であっても、開閉カバーにガイド部材を設けることが容易となる。
【0011】
また、前記ガイド部材は、前記回動軸線方向において、前記開閉カバーの中心よりも端縁に近い位置にある。
【0012】
これにより、閉位置にある状態で回動軸線方向における端縁が後方に向かって曲がった開閉カバーの、回動軸線方向における端縁の近くにガイド部材が位置する場合でも、開閉カバーにガイド部材を容易に設けることができる。
【0013】
また、前記ガイド部材は、前記回動軸線の径方向である第1方向に延びており、前記第1方向において前記回動シャフトと前記ガイドとの間に位置し、前記ガイド部材を前記開閉カバーに連結するための連結部材が差し込まれる連結孔を有する。
【0014】
これにより、連結孔を回動シャフトとガイドとの両方の近くに位置させることができ、回動シャフトによる開閉カバーの装置本体に対する支持と、ガイドによるシートトレイの移動の案内とを、安定して行うことができる。
【0015】
また、前記ガイド部材は、前記第1方向において離間して位置する2つの前記連結孔と、前記第1方向において2つの前記連結孔の間に位置し、前記開閉カバーが有する位置決めボスに嵌り込むことで、前記ガイド部材を前記開閉カバーに対して位置決めする位置決め孔と、を有する。
【0016】
これにより、ガイド部材の開閉カバーに対する位置決めを高精度に行うことができる。
【0017】
また、前記ガイド部材は、前記回動軸線方向において離間して位置する第1ガイド部材と、第2ガイド部材とを有し、前記第1ガイド部材および前記第2ガイド部材は、それぞれ前記装置本体と前記開閉カバーとに当接し、前記開閉カバーを前記閉位置に向けて回動する方向へ付勢するバネを有する。
【0018】
これにより、開閉カバーの回動軸線方向の両側において開閉カバーの回動速度を抑制することができ、開閉カバーの円滑な回動動作を阻害することがない。
【0019】
また、前記装置本体と前記シートトレイとを連結する連結アームを更に備え、前記シートトレイは、前記回動軸線方向に突出し、前記連結アームと連結される連結ボスを有し、前記ガイド部材の前記ガイドは、前記連結ボスが移動可能に嵌り込む長孔を有する。
【0020】
これにより、連結アームによって、開閉カバーの開位置と閉位置との間の回動に連動して、シートトレイを長孔に沿って移動させることができる。
【0021】
また、トナー像が形成される感光ドラムと、前記感光ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラムおよび前記現像ローラを支持するドロワとを更に備え、前記シートトレイは、シートを支持する支持面と、前記回動軸線方向に沿って移動可能であり、前記支持面から突出するサイドガイドとを有し、前記シートトレイは、前記開閉カバーが閉位置にあるときの前記回動軸線と前記サイドガイドとの間の第1距離が、前記開閉カバーが開位置にあるときの前記回動軸線と前記サイドガイドとの間の第2距離よりも大きくなるように移動し、前記開閉カバーが閉位置にあるときの前記サイドガイドの鉛直下方には、前記ドロワが位置する。
【0022】
これにより、開閉カバーを閉位置に回動させたときに、装置本体内に収容されるドロワと、シートトレイのサイドガイドとが干渉することを抑制できる。
【0023】
また、前記ガイド部材は、前記開閉カバーよりも大きな降伏応力を有する素材にて形成される。
【0024】
これにより、ガイド部材に破損が生じることを抑制可能であり、画像形成装置を機能が損なわれにくい構成とすることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、開閉カバーが、閉位置にある状態で回動軸線方向における端縁が後方に向かって曲がった形状であっても、開閉カバーにガイド部材を設けることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】画像形成装置を示す中央断面図である。
図2】画像形成装置を示す斜視図である。
図3】MPトレイカバーが開いた状態の装置本体の前部を示す左前斜視図である。
図4】MPトレイカバーが開いた状態の装置本体の前部を示す右前斜視図である。
図5】MPトレイカバーが開いた状態の装置本体の前部を示す平面図である。
図6】ガイド部材を示す斜視図である。
図7】(a)はガイド部材を示す側面図であり、(b)はガイド部材を示す平面図である。
図8】MPトレイカバーを示す斜視図である。
図9】ガイド部材が取り付けられた状態のMPトレイカバーを示す後面図である。
図10】MPトレイカバーが閉じた状態の装置本体の前部を示す側面断面図である。
図11】MPトレイカバーが開いた状態の装置本体の前部を示す側面断面図である。
図12】MPトレイカバーが閉じた状態の装置本体の前部を示す中央断面図である。
図13】ガイド部材の回動シャフトに支持されるバネを示す後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0028】
[画像形成装置]
図1図2に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、シートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0029】
以下の説明では、図1における右側を画像形成装置1の前側、図1における左側を画像形成装置1の後側と規定し、図1おける紙面手前側を画像形成装置1の左側、図1における紙面奥側を画像形成装置1の右側と規定する。また、図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0030】
図1図2に示すように、画像形成装置1は、装置本体2と、シートSを支持する給紙トレイ10およびシートSを搬送するシート搬送部30を有する給紙部3と、給紙部3により搬送されてきたシートSに画像を形成する画像形成部5とを備えている。
【0031】
装置本体2は略直方体形状に形成されており、給紙部3および画像形成部5を収容している。装置本体2の前面には前面開口部2Aが開口しており、装置本体2は前面開口部2Aを開閉可能なフロントカバー21を有している。
【0032】
給紙部3は、装置本体2の下部に配置されており、給紙トレイ10に支持されるシートSをシート搬送部30によって画像形成部5に搬送するものである。給紙トレイ10は、前後方向へスライド可能に構成されており、装置本体2に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0033】
シート搬送部30は、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aと、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とを備えている。装置本体2内には、給紙トレイ10から画像形成部5を経由して排紙トレイ22へ至るシートSの搬送経路Pが構成されている。
【0034】
給紙トレイ10に支持されるシートSは、給紙ローラ32、分離ローラ33および分離パッド33aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ32は、給紙トレイ10から画像形成部5に向けてシートSを搬送するローラである。分離ローラ33および分離パッド33aは、給紙トレイ10に支持されるシートSを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0035】
搬送経路Pに送り出されたシートSは、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とにより画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ対35は、搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、シートSを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0036】
フロントカバー21は、シートSを画像形成部5に向けて供給可能な給紙開口部21aを有している。給紙開口部21aは装置本体2の前端部に位置しており、装置本体が前方に有する開口の一例である。フロントカバー21は、回動シャフト732の回動軸線Xを中心として回動可能なMPトレイカバー71を支持している。
【0037】
MPトレイカバー71は、回動軸線Xを中心として回動することにより、給紙開口部21aを開放する開位置と、給紙開口部21aを閉鎖する閉位置とに移動可能である。MPトレイカバー71は、開閉カバーの一例である。回動シャフト732の回動軸線Xは左右方向に延びており、MPトレイカバー71の回動軸線X方向は左右方向である。
【0038】
MPトレイカバー71はMPトレイ72を支持している。MPトレイ72は、MPトレイカバー71が開位置にあるときにシートSを支持可能である。MPトレイ72は、シートを支持するシートトレイの一例である。MPトレイ72に支持されたシートSは、給紙開口部21aを通じて画像形成部5に供給される。
【0039】
画像形成装置1は、MPトレイ72に支持されたシートSを画像形成部5に供給する供給機構36を備えている。供給機構36は、供給ローラ37と、分離ローラ38と、分離パッド39とを備えている。MPトレイ72に支持されたシートSは、供給ローラ37、分離ローラ38および分離パッド39により1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。搬送経路Pに送り出されたシートSは、レジストローラ対35により画像形成部5に向けて搬送される。
【0040】
画像形成部5は給紙部3の上方に配置されており、前後方向に並設される4つのトナーカートリッジ50と、各トナーカートリッジ50に対応する感光ドラム51とを備えている。各トナーカートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。トナーカートリッジ50は、現像ローラ52を備えている。
【0041】
トナーカートリッジ50は、ドロワ59に着脱可能に支持されている。ドロワ59は、フロントカバー21を開くことで、装置本体2における前面開口部2Aを通じて、装置本体2に対して着脱可能である。ドロワ59は、装置本体2の内部に配置される第1位置と、少なくとも一部が装置本体2の外部に配置される第2位置とを移動可能である。ドロワ59は、ユーザがドロワ59を第1位置と第2位置との間で移動させるときに把持するハンドル591を有している。ハンドル591は、ドロワ59の前端部に位置している。
【0042】
感光ドラム51は、左右方向を軸線方向とする略円筒形状に形成されており、ドロワ59に回転可能に支持されている。現像ローラ52は、左右方向に延出しており、トナーカートリッジ50に回転可能に支持されている。つまり、ドロワ59は、感光ドラム51および現像ローラ52を支持している。トナーは、現像剤の一例である。現像ローラ52は、感光ドラム51にトナーを供給する。
【0043】
装置本体2は、感光ドラム51の表面を露光する露光装置56を有している。露光装置56は、図示しないレーザダイオード、偏光器、レンズ、およびミラーを備えている。露光装置56は、各感光ドラム51に対して光ビームを発して、各感光ドラム51の表面を露光するように構成されている。
【0044】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、感光ドラム51と接触している。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。画像形成部5においては、転写ベルト41、駆動ローラ42、従動ローラ43、および転写ローラ44等によりベルト装置40が構成されている。
【0045】
画像形成部5は、各感光ドラム51を帯電させるための帯電器54を備えている。帯電器54は、ドロワ59に支持されている。帯電器54によって一様に帯電された感光ドラム51は、それぞれ露光装置56によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0046】
トナーカートリッジ50に収容されるトナーは正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0047】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面に担持されたトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0048】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写されるシートSを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらにシートSに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0049】
トナー像が転写されたシートSは定着器60に搬送される。定着器60は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えており、定着器60に搬送されたシートSは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。つまり、定着器60は、シートSにトナー像を定着させる。
【0050】
トナー像が熱定着されたシートSは、定着器60から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対63、および中間排紙ローラ対63の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対64により搬送されて、排紙トレイ22に排出される。
【0051】
画像形成装置1においては、ドロワ59、ドロワ59に支持されるトナーカートリッジ50、感光ドラム51、および帯電器54等によって、シートSにトナー像を形成するプロセスユニットPUが構成されている。プロセスユニットPUにおいては、本実施形態のようにドロワ59が感光ドラム51を支持していてもよいし、トナーカートリッジ50が感光ドラム51を支持する構成であってもよい。また、プロセスユニットPUは、定着器60を含んでいてもよい。また、ドロワ59がなく、トナーカートリッジ50や感光ドラム51を有するプロセスユニットを着脱する構成であってもよい。
【0052】
[MPトレイカバー、MPトレイ、およびガイド部材]
図2図5に示すように、MPトレイカバー71は、板状のカバー部材である。閉位置にあるMPトレイ―カバー71の前方を向く第1面71aは、画像形成装置1の外観の前面の一部を構成している。MPトレイカバー71は、閉位置にある状態で後方を向く第2面71bにトレイ支持部71Aを有し、トレイ支持部71Aよりも左方と右方とにそれぞれ曲げ71Bを有している。トレイ支持部71Aは、MPトレイカバー71が閉位置にある状態で、左右方向および上下方向に延びる板状の部分である。トレイ支持部71Aは、MPトレイ72を支持している。
【0053】
曲げ部71Bは、トレイ支持部71Aの回動軸線X方向となる左右方向の両端縁に連続して形成されている。曲げ部71Bは、トレイ支持部71Aから立ち上がる方向に延びている。具体的には、曲げ部71Bは、MPトレイカバー71が閉位置にある状態で、トレイ支持部71Aの左右両端縁から装置本体2側となる後側へ延びている。言い換えると、画像形成装置1は、左方の外観面を構成する左サイドカバー23と、右方の外観面を構成する右サイドカバー24と、を有しており、MPトレイカバー71のトレイ支持部71Aの右側から、右サイドカバー24の前端に向かうように、曲げ部71Bが曲がって延び、トレイ支持部71Aの左側から、左サイドカバー23の前端に向かうように、曲げ部71Bが曲がって延びている。つまり、トレイ支持部71Aと曲げ部71Bとで構成されるMPトレイカバー71は、閉位置にある状態で、回動軸線X方向における端縁が後方に向かって曲がった形状に形成されている。
【0054】
MPトレイカバー71は、例えばリサイクルされた樹脂部材である、PS-HI等のPCR(post-consumer recycled resin)材にて形成することができる。
【0055】
MPトレイカバー71のトレイ支持部71Aには、ガイド部材73が取り付けられている。ガイド部材73はMPトレイカバー71とは別体に形成されており、MPトレイカバー71の第2面71bに取り付けられている。ガイド部材73は、例えばABS樹脂等の大きな降伏応力を有する素材にて形成することができる。ガイド部材73は、MPトレイカバー71よりも大きな降伏応力を有する素材にて形成することが好ましい。MPトレイカバー71にガイド部材73が取り付けられている状態では、閉位置にあるMPトレイカバー71の第2面71bから、ガイド部材73が後方に突出する配置となる。
【0056】
ガイド部材73は、第1ガイド部材73Aおよび第2ガイド部材73Bを有している。第1ガイド部材73Aと第2ガイド部材73Bとは、左右方向に離間して配置されている。
【0057】
第1ガイド部材73Aは、MPトレイカバー71の左右方向における中心Cよりも左方に位置しており、左右方向において中心Cよりもトレイ支持部71Aの左側端縁の近くに位置している。第2ガイド部材73Bは、MPトレイカバー71の左右方向における中心Cよりも右方に位置しており、左右方向において中心Cよりもトレイ支持部71Aの右側端縁の近くに位置している。
【0058】
図6図7に示すように、第1ガイド部材73Aは、ガイド本体731と、回動シャフト732と、長孔733と、連結孔734A、734Bと、位置決め孔735A、735Bとを有している。
【0059】
ガイド本体731は、回動軸線Xの径方向である第1方向に延びる長尺部材にて形成されている。第1方向は、回動軸線X方向と直交する方向である。ガイド本体731は、MPトレイカバー71が閉位置にある状態においては、上下方向に延びている。
【0060】
回動シャフト732は左右方向に延びており、回動軸線Xを有している、回動シャフト732は、MPトレイカバー71が閉位置にある状態で、ガイド本体731の下端部に位置している。
【0061】
長孔733は、第1方向において、回動シャフト732の回動軸線Xから離れて位置している。長孔733は左右方向に貫通しており、第1方向を長径方向としている。
【0062】
連結孔734A、734Bはガイド本体731に形成されており、第1ガイド部材73Aが取り付けられるトレイ支持部71Aの板面と直交する方向に貫通している。連結孔734Aは、第1方向において、回動シャフト732と長孔733との間に位置している。連結孔734Bは、第1方向において、長孔733の回動シャフト732から離れる側の端部に位置している。
【0063】
位置決め孔735A、735Bはガイド本体731に形成されており、第1ガイド部材73Aが取り付けられるトレイ支持部71Aの板面と直交する方向に貫通している。位置決め孔735Aおよび位置決め孔735Bは、第1方向において、連結孔734Aと連結孔734Bとの間に位置している。
【0064】
位置決め孔735Aは、第1方向において、連結孔734Aと長孔733との間に位置している。位置決め孔735Bは、第1方向において、位置決め孔735Aと連結孔734Bとの間に位置している。また、位置決め孔735Bは、第1方向において、長孔733の回動シャフト732に近い側の端部と、連結孔734Bとの間に位置している。
【0065】
第2ガイド部材73Bは、第1ガイド部材73Aに対して左右対称に形成されている以外は、第1ガイド部材73Aと同様に形成されているため、第2ガイド部材73Bについての具体的な説明は省略する。
【0066】
以降の説明におけるガイド部材73の記載については、第1ガイド部材73Aと第2ガイド部材73Bとを区別する必要がある場合に、第1ガイド部材73Aまたは第2ガイド部材73Bと適宜記載し、特に第1ガイド部材73Aと第2ガイド部材73Bとを区別する必要がない場合には、単にガイド部材73と適宜記載する。
【0067】
図8に示すように、MPトレイカバー71のトレイ支持部71Aは、ガイド部材73の連結孔734A、734Bに対応するボス穴711A、711Bと、ガイド部材73の位置決め孔735A、735Bが嵌り込む位置決めボス712A、712Bとを有している。
【0068】
ボス穴711A、711Bおよび位置決めボス712A、712Bは、トレイ支持部71Aの第1ガイド部材73Aおよび第2ガイド部材73Bが取り付けられる位置に対応して形成されている。トレイ支持部71Aに対応するボス穴711A、711Bおよび位置決めボス712A、712Bは、中心線Cよりも左方に位置しており、第2ガイド部材73Bに対応するボス穴711A、711Bおよび位置決めボス712A、712Bは、中心線Cよりも右方に位置している。
【0069】
位置決め孔735Aが位置決めボス712Aに嵌り込むとともに、位置決め孔735Bが位置決めボス712Bに嵌り込むことで、ガイド部材73がMPトレイカバー71に対して位置決めされる。
【0070】
例えば、位置決めボス712Aは円柱状に形成され、位置決め孔735Aは位置決めボス712Aの形状に対応する円形状に形成されており、位置決め孔735Aが位置決めボス712Aに嵌り込むことで、ガイド部材73のトレイ支持部71Aの板面と平行な方向への位置決めがなされる。
【0071】
また、例えば、位置決めボス712Bは円柱状に形成され、位置決め孔735Bは第1方向が長径方向となる長孔に形成されており、位置決め孔735Bが位置決めボス712Bに嵌り込むことで、ガイド部材73の位置決めボス712Aを中心としたトレイ支持部71Aの板面と平行な方向への回動動作が規制される。
【0072】
ガイド部材73の連結孔734A、734Bと、トレイ支持部71Aのボス穴711A、711Bとは、位置決め孔735A、735Bが位置決めボス712A、712Bに嵌り込んだ状態で位置が合うように形成されている。
【0073】
図9に示すように、ネジ81を連結孔734Aに差し込んでボス穴711Aに螺装するとともに、ネジ81を連結孔734Bに差し込んでボス穴711Bに螺装することで、ガイド部材73がトレイ支持部71Aに連結される。ネジ81は、ガイド部材73をMPトレイカバー71に連結するための連結部材である。なお、ガイド部材73をMPトレイカバー71に連結する方法は、ネジ以外に例えば接着剤や他の連結方法であってもよい。
【0074】
図9に示すように、フロントカバー21は、ガイド部材73の回動シャフト732を回動可能に支持する支持穴211を有しており、支持穴211に回動シャフト732を差し込むことで、ガイド部材73が取り付けられたMPトレイカバー71を、フロントカバー21によって回動可能に支持することができる。回動シャフト732は、MPトレイカバー71が装置本体2のフロントカバー21に対して回動軸線Xを中心として回動可能となるように、フロントカバー21に支持されている。
【0075】
なお、本実施形態においては、回動シャフト732は円柱状のボス形状に形成されており、フロントカバー21には回動シャフト732が嵌る支持穴211が形成されているが、回動シャフト732を円筒状の穴形状に形成して、回動シャフト732に嵌る円柱状のボス形状をフロントカバー21に形成する構成とすることもできる。
【0076】
フロントカバー21の支持穴211は、第1ガイド部材73Aおよび第2ガイド部材73Bに対応した2箇所に形成されている。第1ガイド部材73Aの回動シャフト732が差し込まれる支持穴211は中心線Cよりも左方に位置しており、第2ガイド部材73Bの回動シャフト732が差し込まれる支持穴211は中心線Cよりも右方に位置している。
【0077】
ここで、MPトレイカバー71が、閉位置にある状態で回動軸線X方向における端縁が後方に向かって曲がった形状に形成されるとともに、トレイ支持部71AにおけるMPトレイカバー71が曲がる側の面にガイド部材73Aが位置する場合、MPトレイカバー71とガイド部材73とを、金型を用いて一体成形することは困難である。
【0078】
しかし、画像形成装置1においては、MPトレイカバー71とガイド部材73とを別体に形成して、ガイド部材73をMPトレイカバー71に取り付ける構成としているため、MPトレイカバー71が、閉位置にある状態で回動軸線X方向における端縁が後方に向かって曲がった形状であっても、MPトレイカバー71にガイド部材73を設けることが容易となっている。
【0079】
特に、画像形成装置1においては、ガイド部材73Aは、左右方向においてMPトレイカバー71の中心Cよりも端縁に近い位置に取り付けられていて、ガイド部材73と曲げ部71Bとが近接して位置するため、MPトレイカバー71とガイド部材73とを一体成形することが困難であるが、このような場合でも、ガイド部材73をMPトレイカバー71に容易に設けることが可能である。
【0080】
図3図5に示すように、MPトレイ72は、左右方向に突出する連結ボス721を有している。連結ボス721は、MPトレイ72の左端部および右端部に設けられており、左方に設けられる連結ボス721はMPトレイ72の左端部から左方に突出し、右方に設けられる連結ボス721はMPトレイ72の右端部から右方に突出している。
【0081】
MPトレイ72の連結ボス721は、ガイド部材73の長孔733に移動可能に嵌り込んでいる。左方の連結ボス721は、第1ガイド部材73Aの長孔733に右方から嵌り込んでおり、右方の連結ボス721は、第2ガイド部材73Bの長孔733に左方から嵌り込んでいる。
【0082】
MPトレイ72の連結ボス721がガイド部材73の長孔733に摺動可能に嵌り込むことで、MPトレイ72がMPトレイカバー71によって第1方向へ移動可能に支持されている。
【0083】
MPトレイ72は、シートSを支持する支持面722を有している。支持面722は、MPトレイカバー71が開位置にあるときに、上方に面している。MPトレイ72は、支持面722から上方へ向けて突出し、支持面722に支持されたシートSの左右端をガイドするサイドガイド723を有している。サイドガイド723は左右方向に沿って移動可能であり、左右に一対設けられている。
【0084】
図3図5に示すように、画像形成装置1は、装置本体2のフロントカバー21と、MPトレイ72とを連結する連結アーム74を備えている。連結アーム74は、フロントカバー21に回動可能に支持される第1端部74aと、MPトレイ72の連結ボス721に連結される第2端部74bとを有している。フロントカバー21は、連結アーム74の第1端部74aを支持する支持部212を有している。支持部212は、支持穴211の上方に位置している。
【0085】
左側の連結ボス721に連結される連結アーム74は、左側に配置される第1ガイド部材73Aの左側に位置している。右側の連結ボス721に連結される連結アーム74は、右側に配置される第2ガイド部材73Bの左側に位置している。
【0086】
図10に示すように、MPトレイカバー71が閉位置にあるときには、MPトレイ72の連結ボス721は、ガイド部材73の長孔733における回動シャフト732から離れる側の端部に位置している。この場合、MPトレイ72は、第1方向において回動シャフト732から離れた位置に移動しており、第1方向における回動シャフト732とサイドガイド723との間の第1距離はL1である。第1距離L1は、具体的には、回動シャフト732の回動軸線Xと、サイドガイド723の第1方向における回動シャフト732側の端部との間の距離である。
【0087】
図11に示すように、MPトレイカバー71が開位置にあるときには、MPトレイ72の連結ボス721は、ガイド部材73の長孔733における回動シャフト732に近い側の端部に位置している。この場合、MPトレイ72は、MPトレイカバー71が閉位置にあるときに比べて、第1方向における回動シャフト732の近くに移動しており、第1方向における回動シャフト732とサイドガイド723との間の第2距離はL2である。第2距離L2は、具体的には、回動シャフト732の回動軸線Xと、サイドガイド723の第1方向における回動シャフト732側の端部との間の距離である。
【0088】
MPトレイカバー71が閉位置にあるときの回動シャフト732とサイドガイド723との間の第1距離L1は、MPトレイカバー71が開位置にあるときの回動シャフト732とサイドガイド723との間の第2距離L2よりも大きい。つまり、MPトレイ72は、MPトレイカバー71が閉位置にあるときの回動シャフト732とサイドガイド723との間の第1距離L1が、MPトレイカバー71が開位置にあるときの回動シャフト732とサイドガイド723との間の第2距離L2よりも大きくなるように移動する。
【0089】
MPトレイカバー71が開位置から閉位置に向けて回動するときには、MPトレイカバー71の回動に応じて連結アーム74が第1端部74aを中心として回動し、連結アーム74に連結される連結ボス721が、ガイド部材73の長孔733における回動シャフト732に近い側の端部から、回動シャフト732から離れる側の端部へ向けて移動する。
【0090】
一方、MPトレイカバー71が閉位置から開位置に向けて回動するときには、MPトレイカバー71の回動に応じて連結アーム74が第1端部74aを中心として回動し、連結アーム74に連結される連結ボス721が、ガイド部材73の長孔733における回動シャフト732から離れる側の端部から、回動シャフト732に近い側の端部へ向けて移動する。
【0091】
このように、MPトレイカバー71の開位置と閉位置とへの回動に応じて連結ボス721が長孔733内を移動することで、MPトレイ72が長孔733に案内されながら、MPトレイカバー71に対して第1方向に移動する。
【0092】
つまり、ガイド部材73の長孔733は、MPトレイ72の移動を案内しており、ガイド部材73におけるMPトレイ72の移動を案内するガイドである。また、MPトレイカバー71のトレイ支持部71Aは、MPトレイ72を、MPトレイカバー71の開位置と閉位置とへの回動に応じて移動可能に支持している。
【0093】
さらに、連結アーム74によって、MPトレイカバー71の開位置と閉位置との間の回動に連動して、MPトレイ72を長孔733に沿って移動させることが可能となっている。
【0094】
この場合、ガイド部材73をMPトレイカバー71に連結するための連結孔734Aは、第1方向において回動シャフト732と長孔733との間に位置しているため、連結孔734Aを回動シャフト732と長孔733との両方の近くに位置させることができる。これにより、回動シャフト732によるMPトレイカバー71のフロントカバー21に対する支持と、長孔733によるMPトレイ72の移動の案内とを、安定して行うことが可能となっている。
【0095】
また、ガイド部材73をMPトレイカバー71に対して位置決めする位置決め孔735Aおよび位置決め孔735Bは、第1方向において、ガイド部材73をMPトレイカバー71に対して連結するための連結孔734Aと連結孔734Bとの間に位置しているため、ガイド部材73のMPトレイカバー71に対する位置決めを高精度に行うことが可能となっている。
【0096】
図12に示すように、フロントカバー21は、MPトレイカバー71が閉位置に回動したときにMPトレイ72を収容する収容室21Aを有している。フロントカバー21は、収容室21Aと、収容室21Aよりも装置本体2の内部側とを区画する区画壁213を有している。収容室21Aに収容されるMPトレイ72のサイドガイド723の鉛直下方には、第1位置に配置されるドロワ59のハンドル591が区隔壁213を挟んで位置している。
【0097】
MPトレイ72は、MPトレイカバー71が開位置にあるときの第2距離L2よりもMPトレイカバー71が閉位置にあるときの第1距離L1の方が大きくなるように第1方向に沿って移動するため、MPトレイカバー71が閉位置にあってMPトレイ72が収容室21Aに収容された状態では、サイドガイド723の鉛直下方に第1位置に配置されるドロワ59のハンドル591が位置するスペースを確保することが可能となっている。
【0098】
これにより、MPトレイカバー71を閉位置に回動させたときに、装置本体2内に収容されるドロワ59と、収容室21Aに収容されるMPトレイ72のサイドガイド723とが干渉することを抑制可能である。
【0099】
図10図11図13に示すように、ガイド部材73は、MPトレイカバー71を閉位置に向けて回動する方向へ付勢するバネ736を有している。バネ736は、第1ガイド部材73Aと第2ガイド部材73Bとの両方に設けられている。
【0100】
バネ736は、ガイド部材73の回動シャフト732に支持されている。バネ736は、バネ性を備えた線材を巻回することにより形成されたコイルバネである。バネ736は、線材を巻回することにより円筒状に形成されるコイル部736aと、コイル部736aから径方向外側へ向けて延びる第1腕部736bと、コイル部736aから径方向外側へ向けて延びる、第1腕部736bとは別の第2腕部736cとを有している。
【0101】
バネ736のコイル部736aは、ガイド部材73の回動シャフト732に嵌装されている。コイル部736aが回動シャフト732に嵌装されることにより、バネ736が回動シャフト732に支持されている。バネ736の第1腕部736bは、フロントカバー21が有する当接部214に当接しており、バネ736の第2腕部736cは、ガイド部材73が有する当接部737に当接している。
【0102】
周方向において、フロントカバー21の当接部214およびガイド部材73の当接部737は、第1腕部736bと第2腕部736cとの間に位置しており、バネ736は、第1腕部736bが当接部214に当接する方向の付勢力、および第2腕部736cが当接部737に当接する方向の付勢力を有している。これにより、MPトレイカバー71が、バネ736によって、閉位置に向けて回動する方向へ付勢されている。
【0103】
MPトレイカバー71が開位置へ向けて回動するときには、MPトレイカバー71に加えられた開位置側への力に加えてMPトレイカバー71の自重が作用することで、MPトレイカバー71の開位置側への回動速度が増加する。しかし、MPトレイカバー71は、バネ736によって閉位置に向けて回動する方向へ付勢されているため、バネ736の付勢力により開位置側への回動速度が減少され、MPトレイカバー71が開位置へ到達したときに生じる衝撃を抑制することができる。
【0104】
特に、バネ736は、左右方向に離れて配置される第1ガイド部材73Aと第2ガイド部材73Bとの両方に設けられているため、MPトレイカバー71の左右両側においてMPトレイカバー71の回動速度を抑制することができ、MPトレイカバー71の円滑な回動動作を阻害することがない。
【0105】
また、ガイド部材73は回動シャフト732と長孔733とを有しており、MPトレイ72の回動軸と、MPトレイ72を移動方向に案内する部材との両方の役割を備えているが、MPトレイカバー71よりも大きな降伏応力を有する素材にて形成されていて破損が生じることを抑制可能となっているため、画像形成装置1を、機能が損なわれにくい構成とすることができる。
【符号の説明】
【0106】
1 画像形成装置
2 装置本体
21 フロントカバー
21a 給紙開口部
51 感光ドラム
52 現像ローラ
59 ドロワ
71 MPトレイカバー
71A トレイ支持部
71B 曲げ部
72 MPトレイ
73 ガイド部材
73A 第1ガイド部材
73B 第2ガイド部材
74 連結アーム
81 ネジ
591 ハンドル
712A、712B 位置決めボス
721 連結ボス
722 支持面
723 サイドガイド
732 回動シャフト
733 長孔
734A、734B 連結孔
735A、735B 位置決め孔
736 バネ
C (MPトレイカバーの左右方向における)中心
L1 第1距離
L2 第2距離
X (回動シャフトの)回動軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13