(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145717
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】触感提示装置及びウェアラブルデバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058195
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 宏貴
(72)【発明者】
【氏名】赤岩 修一
(72)【発明者】
【氏名】梶本 泰生
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC04
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】誤認識を起こしてしまうことを防止し、受動的にも能動的にも触感を体感させることができる高い情報量を有する触感提示装置を提供する。
【解決手段】可変部材12を含む触感提示部11と、内部に移動可能に位置される永久磁石15を含み、永久磁石15が移動することにより触感提示部11に衝撃を付与する衝撃付与部14と、永久磁石15が移動する向きに磁場を印加する制御回路21と、制御回路21に電流を供給する電源部22とを備える触感提示装置を用いる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変部材を含む触感提示部と、
内部に移動可能に配置される永久磁石を含み、前記永久磁石が移動することにより衝撃を付与する衝撃付与部と、
前記永久磁石が移動する向きに磁場を印加する制御回路と、
前記制御回路に電流を供給する電源部と、
を有し、
前記制御回路がコイル部を有し、
前記コイル部の内部の軸方向に前記永久磁石が移動可能であるように配置されており、
前記永久磁石の移動方向端部の一方側に、非磁性体からなる寄せ部材が設けられ、
前記永久磁石の移動方向端部の他方側と、前記寄せ部材の一方側とを繋ぐ磁路を、前記制御回路により印加される磁場によって形成し得る、強磁性体材料による磁路形成部を備える、
触感提示装置。
【請求項2】
前記可変部材は、磁場に反応して粘度が変化する機能性部材であり、
前記制御回路は、前記触感提示部にも磁場を印加する
請求項1に記載の触感提示装置。
【請求項3】
前記永久磁石と前記触感提示部に磁場を印加する前記制御回路が共通のものであり、
前記衝撃付与部と前記触感提示部は、前記制御回路によって印加される磁場による影響を発揮する位置に配される
請求項2に記載の触感提示装置。
【請求項4】
前記永久磁石による磁場と、前記コイル部による磁場とが最も弱めあうとき、前記磁路形成部に沿った少なくとも一点において、磁場が相殺されて0とみなせるように設定する
請求項2に記載の触感提示装置。
【請求項5】
前記コイル部の内部に、前記永久磁石の移動方向をガイドする、非磁性体の材料からなるガイド部を有する
請求項2に記載の触感提示装置。
【請求項6】
前記磁路形成部に接する位置であってかつ前記触感提示部とは異なる位置に、磁場に反応して粘度が変化する機能性部材を含む補助部をさらに有する、請求項2に記載の触感提示装置。
【請求項7】
請求項2から6のいずれかに記載の触感提示装置を備えたウェアラブルデバイス。
【請求項8】
前記触感提示装置の表面に非磁性体からなる被覆部を有する、請求項7に記載のウェアラブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、磁場を印加することによって状態が変化し、触感を変化させる触感提示装置、およびそれを用いたウェアラブルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報を受け取って知覚する手段は主に視覚と聴覚によるところが大きかったが、近年は触覚によって知覚する感触提示技術が検討されている。携帯電話端末に搭載されているバイブレーション機能が、メッセージなどの到着を振動によって通知し、所持者がその振動を皮膚神経で感じることで受け取ることができる。
【0003】
非特許文献1には、歩行のナビゲーション機能を有するスマートシューズが提案されている。このスマートシューズにはモータが組み込まれており、そのモータからの振動によって、左右どちらに歩けばいいかのナビゲーションが指示される。道を間違えた場合も所定のパターンで振動され、目的地に着くと三回振動することで到着したことを通知される。
【0004】
一方、特許文献1には、磁場発生装置に電流を印加することで、磁場の強さに応じた粘度を発現させる磁気粘性流体を用いた触覚提示装置が提案されている。磁気粘性流体を収容した部位の硬さが、かかる磁気の強さによって異なってくることで、触った際の触感の変化として触覚提示装置として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】"https://www.udr-inc.com/2016/06/20/もう地図はいらない-easyjet-s社のスマートシューズが道案内/"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1に記載されるような振動モータにより発せられる感触提示のパターンは、断続的な回数によるものか、連続的な振動であるかといった、一様なもので通知の仕方がモールス信号のように限られるものであった。このため、揺れた回数の数え間違いなどで誤認識を起こしてしまうこともあった。また、限られたスペースの中にモータを組み込むと、モータによって実現される振動の大きさも限られてしまい、検知できる感触の強さも限られてしまっていた。
【0008】
また、モータによる触感としては揺れたという動作の変化のみであり、皮膚の神経で感じることができる多彩な触感のうち、ごく限られた要素しか体感することができなかった。例えば、硬いとか柔らかいといった感触の変化によるアナログ的な変化による情報を伝達することは難しく、皮膚神経が感じられる潜在能力に比べて、情報伝達の種類や量が限られているのが現状である。
【0009】
一方で、特許文献1に記載の触覚提示装置は硬いとか柔らかいといった感触を提供することができるものの、利用者が能動的に触れようとすることで体感される触感であるため、振動モータのような利用者が受動的に体感される触感を味わうことができなかった。
【0010】
そこでこの発明は、誤認識を起こしてしまうことを防止できる、受動的にも能動的にも触感を体感させることができる高い情報量を有する触感提示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、第一の解決手段として、
可変部材を含む触感提示部と、
内部に移動可能に配置される永久磁石を含み、前記永久磁石が移動することにより衝撃を付与する衝撃付与部と、
前記永久磁石が移動する向きに磁場を印加する制御回路と、
前記制御回路に電流を供給する電源部と、
を有し、
前記制御回路がコイル部を有し、
前記コイル部の内部の軸方向に前記永久磁石が移動可能であるように配置されており、
前記永久磁石の移動方向端部の一方側に、非磁性体からなる寄せ部材が設けられ、
前記永久磁石の移動方向端部の他方側と、前記寄せ部材の一方側とを繋ぐ磁路を、前記制御回路により印加される磁場によって形成し得る、強磁性体材料による磁路形成部を備える触感提示装置により、上記の課題を解決したのである。
【0012】
すなわち、可変部材を含む触感提示部が利用者に直接的に、又は靴下や肌着などを介して間接的に触れて、利用者に触感を提示させる。この触れる部分が変形したり性質が変化したりすることが可能な部材であるとともに、電気的な制御によって衝撃を付与することで、人が触れる部分が衝撃を受けて変形しかつ性質が変化したりするという能動的であり複合的な感触を利用者に与えることができ、情報量が高い触感の提示が可能となる。
永久磁石と寄せ部材とが並ぶ両端を繋ぐ磁路がコイル部によって形成される。寄せ部材が存在することによって、永久磁石の他方の端部は、一方の端部よりも磁路形成部に近くなる。永久磁石とコイル部による電磁石とが強め合うとき、永久磁石はコイル部による磁石に引きつけられることになるが、磁力は近いほど強く働くので、磁路形成部に近い他方の端部へと永久磁石は引き付けられることになる。ここで、一方の側を下に、他方の側を上にすると、コイル部による電磁石の磁場が永久磁石の磁場と強め合うときに永久磁石は浮き上がり、コイル部による電磁石の磁場が永久磁石の磁場と弱め合うときには重力が勝ることになるので永久磁石は寄せ部材(一方の側)へと落下する。
【0013】
この発明は、第一の解決手段に加えて、
前記可変部材は、磁場に反応して粘度が変化する機能性部材であり、
前記制御回路は、前記触感提示部にも磁場を印加する、第二の解決手段を採用できる。利用者に直接的に又は間接的に接触する触感提示部が、一定の柔らかさで変形するのではなく、その粘度を電気的に制御できるようにすることで、さらに情報量の高い触感の提示が可能となる。
【0014】
この発明は、第一から第二の解決手段に加えて、
前記永久磁石と前記触感提示部に磁場を印加する前記制御回路が共通のものであり、
前記衝撃付与部と前記触感提示部は、前記制御回路によって印加される磁場による影響を発揮する位置に配される、第三の解決手段を採用できる。一つの制御回路で前記永久磁石と前記触感提示部との両方への磁場を印加するように構成することで、装置全体での制御回路を一つにまとめることができ、触感提示装置を小型化することができるとともに、前記永久磁石による振動と前記触感提示部が有する前記可変部材の変質とを同期させるといったさらに情報量の高い触感の提示が可能となる。
【0015】
この発明は、第一から第三の解決手段に加えて、
前記永久磁石による磁場と、前記コイル部による磁場とが最も弱めあうとき、前記磁路形成部に沿った少なくとも一点において、磁場が相殺されて0とみなせるように設定する、第四の解決手段を採用できる。制御回路に交流電流を流すと、永久磁石による磁場とコイル部による磁場とが強め合うときと弱め合うときとが交互に生じる。このとき、最も弱め合うときのコイル部の磁場が永久磁石による磁場と弱め合って、磁路形成部に沿った少なくとも一点で0とみなせるように設定されるとよい。完全に0にすることは困難であるが、磁場がないものとみなせる程度に弱め合うのであれば、一時的に磁場がない環境を作り出すことができる。この一点が可変部材を設ける位置にあると、機能性部材である可変部材が、最も磁場の影響を受けない状態の粘度、すなわち最も柔らかい状態にすることができる。
【0016】
この発明は、第一から第四の解決手段に加えて、
前記コイル部の内部に、前記永久磁石の移動方向をガイドする、非磁性体の材料からなるガイド部を有する、第五の解決手段を採用できる。ガイド部を設けることで、制御回路に電流が流れたときに前記永久磁石が動く方向をぶれなくさせ、衝撃付与部に与える衝撃の強さを電流の強さに応じて狙い通りに調整することができる。
【0017】
また、この発明は、第一から第五の解決手段に加えて、
前記磁路形成部に接する位置であって、かつ前記触感提示部とは異なる位置に、磁場に反応して粘度が変化する機能性部材を含む補助部をさらに有する、第六の解決手段を採用できる。機能性部材と連動して粘度が変化する補助部を設けることで、制御部を増やすことなく、衝撃付与部や可変部材と同期した触感効果を実現させることができる。
【0018】
この発明は、第一から第六の解決手段である触感提示装置を加えたウェアラブルデバイスを第七の解決手段として採用できる。高い情報量を示す触感を提示するデバイスを、利用者が身に着けることによって、意図的に触ろうとする動作を待つことなく、装置側が能動的に衝撃を与えるとともに、可変部材の変形する感触や、変化する粘度による触感の違いも随時触感として利用者に体感させることができ、利用者に与えられる情報量が多岐にわたる実施が可能となる。
【0019】
この発明は、第七の解決手段であるウェアラブルデバイスにおいて、前記触感提示装置の表面が非磁性体からなる被覆部を有する第八の解決手段を採用できる。装置の表面が磁性体で形成されていると、制御回路により印加される磁場が装置の外部にまで大きく影響してしまい、装置自体の磁化によって前記永久磁石や機能性部材の挙動が変わってしまうおそれがある。装置の表面を非磁性体で包んで覆うことで、装置の最外周の磁化を防止し、永久磁石や機能性部材の挙動が予期せぬものになることを防止できる。
【発明の効果】
【0020】
この発明により、受動的にも能動的にも触感を体感させることができる高い情報量を有する触感提示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】(a)この発明にかかる触感提示装置の第一の実施形態例の天面側斜視図、(b)(a)のB-B断面図、(c)(a)の底面側斜視図、(d)(b)の永久磁石付近の拡大断面図
【
図3】(a)制御回路に電流が供給された際の一の方向への磁場発生状況を示す図、(b)(a)の逆方向への磁場発生状況を示す図、(c)逆方向への磁場で磁極が逆転する状況を示す図
【
図4】
図3(a)(b)を交互に実現する制御回路への電流の概念図
【
図5】
図3(a)(b)を交互に実現する制御回路への矩形波の電流の概念図
【
図6】この発明にかかる靴型のウェアラブルデバイスへの触感提示装置の実装形態例図
【
図7】この発明にかかるヘルメット型のウェアラブルデバイスへの触感提示装置の実装形態例図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明について詳細に説明する。この発明は、触感提示部11と衝撃付与部14とを有し、接触した利用者に触感を提示することができる触感提示装置1である。
【0023】
この発明に係る触感提示装置1の実施形態例を、
図1を用いて説明する。
図1(a)は触感提示装置1の斜視図、
図1(b)はB-B断面図、
図1(c)は底面側斜視図、
図1(d)は永久磁石付近の拡大断面図である。触感提示装置1の上面には触感提示部11が設けられ、内部には衝撃付与部14が設けられている。また、内部外周には制御回路21が設けられ、制御回路21に電流を供給する電源部22が設けられている。
【0024】
この実施形態では触感提示部11は、上面を構成する上蓋部31の中央に配置されている。必ずしも触感提示装置1の中央である必要はないが、後述する制御回路21の中心軸上に配置されていることが好ましい。触感提示部11は、可変部材12を含んでおり、可変部材12が飛び出たり、漏れたりしないようにカバー部13で保護されている。
【0025】
可変部材12は人が指や皮膚などで触ったり、あるいは触感提示装置1自体が移動したり変形したりする際にかかる力によって、変形可能である素材である。弾性体であってもよいが、硬すぎると提示する触感の表現に限界があるため、流体であるか流体になりうるある程度柔らかいものであると望ましい。流体としては気体であってもよいが、後述する衝撃付与部14による衝撃を伝達しにくくなるため、液体かそれに類する程度の粘度を有する流体であると好ましい。特に、印加される磁場によって粘度を調整できる機能性部材であると特に望ましい。
【0026】
このような機能性部材としては、例えば磁気粘性流体や磁気粘性ゲル、磁気粘性エラストマなどが挙げられる。磁気粘性流体は、水や油などの液体に1~10μm程度の粒径を有する強磁性体の粒子を分散させたものである。強磁性体の粒子は磁場を受けると液体の内部で固体に近い状態へと粘度を変化する。この変化の度合いは磁場の強さによって調整可能であり、すなわち印加する磁場によって硬さを調整することができる流体である。磁気粘性ゲルや磁気粘性エラストマの場合は磁気粘性流体に類似する機能を発揮でき、なおかつ磁気粘性流体に比べて液漏れを起こさないという利点を有する。
【0027】
この可変部材12の表面を覆うカバー部13は、直接的に皮膚に接触させるものであるため、表面が滑らかな素材を選択するとよい。ただし与える触感の用途によっては、表面に動物の毛皮のような加工がされた布地や、レースのような抵抗を感じる布地、カーペットやフローリングのような床地など、必要に応じた感触をサポートする素材を選択してもよい。また、磁場によって性質が変化する素材などを用いてもよい。例えば、カバー部13の内側に非磁性体であるステンレス箔を挟んで、感触のレスポンスの低下を抑えながら磁場の漏れを防止するようにしてもよい。ここでは樹脂製の表面が滑らかなシートに覆われた実施形態を例として記載する。
【0028】
これらの可変部材12とカバー部13は触感提示部11の直接人体皮膚に向かう側に配置されている。図ではこの人体皮膚に向かう側を上側の天面としている。触感提示装置1の天面を上蓋部31が覆っており、円筒状の外殻部32の上蓋となるように蓋固定ネジ33で取り付けられている。上蓋部31の中央上側に円筒形の凹みが設けられており、ここに可変部材12を格納し、表面をカバー部13で覆って触感提示部11を形成している。
【0029】
なお、上蓋部31と外殻部32は強磁性体材料で構成されていると好ましい。強磁性体材料で構成されていることで、後述する磁路形成部30の一部として磁路を形成する。
【0030】
この発明にかかる触感提示装置1が有する衝撃付与部14は、装置全体に衝撃を付与するものである。衝撃の強さは特に限定されるものではなく、急激なものから緩やかなものまで、供給する電流によって調整できると好ましい。触感提示部11に衝撃を付与するものであるため、触感提示部11の内部側にできるだけ近づけて配置されていることが好ましい。
図1に示す第一の実施形態では、可変部材12を受ける上蓋部31のすぐ下に衝撃付与部14が設けてあり、直接的に衝撃を付与することになる永久磁石15が可変部材12の裏面(下側面)を直撃するように配置している。
【0031】
衝撃付与部14が衝撃を付与するための内部構成を
図2の内部斜視図に示す。内部には移動可能に配置される永久磁石15が設けられている。永久磁石15は強磁性体の材料でできていることが必要であり、鉄やニッケルなどの強磁性体材料でできており、常時磁場を発生するように磁化されている。なお、永久磁石のみが設けられていてもよいし、永久磁石と一体化して動く永久磁石ではない部分を有していてもよい。図では円盤状の全体が永久磁石15からなる実施形態を例として示す。全体が永久磁石であることで、後述する磁場を受けて接合したり反発したりといった自在の上下移動がしやすくなる。
【0032】
永久磁石15を移動させるため、その向きに磁場を印加する制御回路21を有する。この第一の実施形態では、制御回路21として、電磁石となるコイル部23を有し、この制御回路に電流を供給する電源部22を有する。この実施形態では電源部22は外部電源を用いている。外部電源は交流電流を供給することで、後述するように永久磁石15を上下に移動させるように制御できる。
【0033】
コイル部23は電源部22から電流が供給される電線が円筒状に巻かれたコイルとなっている。このコイル部23の軸方向が上下方向を向くように外殻部32の中に格納されている。コイル部23の内部の軸方向に、永久磁石15が上下方向に移動可能であるように導入されている。コイル部23の巻き数や直径、長さなどは触感提示装置1の用途などによって適宜調整してよい。このコイル部23に任意の電流が流れることにより、制御回路21を電磁石として制御させることができる。
【0034】
永久磁石15が上下方向に移動可能とするため、少なくとも永久磁石15の上下方向のいずれかには移動できるだけの隙間となる空隙部16が形成されている。
図1(b)では永久磁石15が下に引き寄せられているため、空隙部16は上側にのみ生じている。さらに、この空隙部16が確保されるように、中央の空間から永久磁石15と空隙部16の高さを除いた分を埋める、寄せ部材20が、永久磁石15の一方(
図1では下方)に取り付けられている。寄せ部材16は、後述の空隙調整部17に接着されていてもよいし、上下方向に摺動可能に配置されていてもよい。寄せ部材16が永久磁石15の一方に固定または接着されていてもよい。
【0035】
図1(b)では空隙部16が永久磁石15の上側にすき間として記載しているが、これは永久磁石15の磁極とコイル部23による電磁石の磁極が反発しあう状況で起こる。磁場による影響が打ち消し合って小さくなり、重力による影響の方が強く表れるため、永久磁石15が自重で下に落ちている。逆に、永久磁石15の磁極とコイル部23による電磁石の磁極とが引き合う場合や、磁場の力よりも永久磁石15の重力が勝る場合には、永久磁石15が上側に寄り、永久磁石15の下側に空隙部16が残る状態となる。
【0036】
この寄せ部材20は非磁性体からなることが必要である。より好ましくは、空気よりも磁気抵抗の高い材料で形成される。また、空隙部16の高さ(a)と、寄せ部材20の高さ(b)との関係は、b>aである必要がある。このような関係になっていることで、永久磁石15が下方側に固定されることなく、電磁石の上側の磁極に引っ張られるようになる。電磁石による下側の磁極が、上側の磁極よりも永久磁石15から離れることになるため、下側の磁極に引っ張られることがなくなる。
【0037】
この空隙部16の上下幅によって、すなわち、寄せ部材20の高さによって、永久磁石15の移動できる範囲が変わり、それにより衝撃付与部14として触感提示部11に与える衝撃を調整できる。ただし、寄せ部材20だけで永久磁石15の上下の空間を埋めていると、電磁石の磁場にとっては磁気抵抗となるため、寄せ部材20のさらに先には、強磁性体からなる空隙調整部17が取り付けられており、底面側からの調整部調整ネジ18で固定されている。調整部調整ネジ18を外して上下幅の異なる空隙調整部17に入れ替えることで、付与する衝撃を調整できる。基本的には空隙部16が大きくなるように空隙調整部17の上下幅を小さいものに換装することもできる。この空隙部16の大きさにより衝撃の大きさを調整できる。なお、この調整の場合も上記の「b>a」の条件が満たされている必要がある。
【0038】
空隙部16が大きいほど磁気抵抗が大きくなるために衝撃は弱まる傾向にある。逆に空隙部16が小さくなるほど磁気抵抗が小さくなり、生じる磁路と磁場が大きくなって衝撃が強まる。一方で、空隙部16を大きくすると永久磁石15の振れ幅は大きくなり、その振れ幅を活かすような設計とすることもできる。ただし空隙部16が大きいと磁気抵抗も大きくなる分、コイル部23に流す電流量を増やす必要がある。
【0039】
また、コイル部23の内部には、永久磁石15との間を埋めて、永久磁石15の移動方向をガイドするガイド部25が設けてある。コイル部23と永久磁石15とが接触していると永久磁石15が引っ掛かる場合があるため、間をあけておくことが好ましい。しかし、単に永久磁石15が浮いていると触感提示部11に与える衝撃を適切に調整できない。そのため、コイル部23と永久磁石15の間を埋めて、永久磁石15が上下方向にのみ移動するようにする筒状のガイド部25が設けられ、その中心を永久磁石15が上下に移動するようにするとよい。このため、ガイド部25の内径は永久磁石15の外径よりもわずかに大きい程度とする。また、ガイド部25が磁化されると永久磁石15の動きが設計通りにならなくなるおそれがあるため、ガイド部25は非磁性体の材料でできていることが好ましい。
【0040】
制御回路21によって磁場が印加されて永久磁石15が移動する状況を
図3(a)(b)を用いて説明する。永久磁石15として上がN極、下がS極の永久磁石を内部に設置している。制御回路21へ一方に電流が流れた時に、コイル部23によって
図3(a)の矢印方向に示すように、上がS極で下がN極となるように磁場が発生する。磁場の向きがS極からN極になっているが、これは磁路形成部30によって、生じる電磁石の磁路の内部となっている部分であるためである。磁路形成部30は永久磁石15の移動方向両端(図では永久磁石15の上下端)に向き合った面を繋ぐ磁路を形成する。この図の実施形態では、上蓋部31から外殻部32、そして空隙調整部17とが磁路形成部30を構成している。これらの磁路形成部30を構成する部材がいずれも強磁性体であることで、これらは一体の電磁石となり、図に示すような磁場を示す。これにより図中四角囲いのN、Sで表示される磁極を生じている。
【0041】
このとき、生じる磁極が永久磁石15の極と引き合うことで、永久磁石15は上端に引き寄せられる。
図3(a)では寄せ部材20と空隙調整部17とによって上記の「b>a」の条件を満たし空隙部16の高さの方が寄せ部材20の高さよりも小さくなっているため、上側のS極と永久磁石のN極とが引き合って、上へと引き上げられる。これにより、永久磁石15の下側に空隙部16が生じる。このとき、永久磁石15による磁場の向きは、コイル部23によって生じる磁場の向きと一致するため、磁場は強め合うことになり、可変部材12をはじめとする周囲の部材が受ける磁力の強さは強くなる。機能性部材であれば粘度が上がることになる。
【0042】
次に、制御回路21に流れる電流の向きが逆方向に切り替わると、今度はコイル部23によって
図3(b)の矢印方向に示すように、磁場が発生する。このとき、コイル部23により生じる磁極(図中四角囲いのS,N)と永久磁石のN極同士、S極とが反発し、磁場同士が打ち消し合うことになる。こうなると、永久磁石15を上に引きつけていた磁力が消失し、重力によって永久磁石15が落下する。図ではこの落下した状態を示す。このときに装置全体を揺らす衝撃が発生し、感触提示部11にも衝撃を与えて利用者に衝撃を体感させる。
【0043】
また、
図3(b)の状況では、磁路形成部30に生じる磁場の向き(図中白抜き矢印)と、永久磁石15の磁場の向きとが逆になるため、磁場が弱めあうことになる。永久磁石15の磁場の強さとコイル部23による磁場の最大強さとが一致した場合、局所的には磁場の強さをゼロとみなせる程度にまで弱めることもできる。このように磁場が弱まると、可変部材12をはじめとする周囲の部材が受ける磁力の強さが弱まり、機能性部材の粘度をもっとも低下させることができる。すなわち、機能性部材の粘度が、磁場と離れた場所に設置された状況と同視できる場合、局所的に磁場の強さをゼロとみなせるものとする。
【0044】
さらに、制御回路のコイル部23に電流が流れなくなると、それによる磁場が発生せずに、永久磁石15は磁場の影響を受けなくなるので、重力によって落下して、
図1(b)のような状況に戻る。このときに永久部材15が寄せ部材20に衝突することでも衝撃を生じさせることができる。
【0045】
このような衝撃の繰り返しは、例えば
図4に示すような電流値を示す正弦波の交流電流が電源部22から提供されることで実現できる。交流電流の形状は正弦波に限定される必要はなく、三角波や矩形波、のこぎり波やその他の形状を示す波であってもよい。これらの波の形状によって、与えられる衝撃の性状と、それによって利用者が感じる感触を自在に変化させることができる。
図4において電流値が負の最大値をとる際に生じる磁場の強さが、永久磁石15の磁場と弱め合って、局所的に磁場の強さをゼロとみなせる程度となるように、電流値を調整するとよい。
【0046】
電源部22がこのような交流電源の場合、触感提示装置1は
図1に示すような外部端子として電源部22を有しており、電源ケーブルにつないで電力供給を受けるとよい。供給される電流の形状やタイミングは外部にある制御部(図示せず)によって制御されるとよい。
【0047】
上記の効果を発揮するため、コイル部23によって生じる磁場は、衝撃付与部14の永久磁石15だけでなく、触感提示部11の可変部材12にも影響を及ぼすように配置されていることが好ましい。磁路形成部30に沿って設置されていることで、可変部材12の性質も制御回路21からの電流によって変化するように制御できる。ただし、可変部材12より内側の磁路形成部30が厚すぎると、磁場が磁路形成部30を優先して可変部材12にまで届きにくくなってしまう。このため、機能性部材が磁場により粘性を変化させる変化量を十分に確保するためには、永久磁石15との間の磁路形成部30も薄い方が好ましい。
【0048】
磁路形成部30に接する位置に設置された可変部材12が機能性部材である場合、かかる磁力の強さの変化によって粘度が変化する。このため、永久磁石15を移動させて衝撃を付与させた後も、同方向にさらに磁力を強めるように電流を強めながら流すことで粘度を徐々に上げていく、といった表現をとることもできる。例えば仮想空間で何かにぶつかった衝撃と、そのぶつかったオブジェクトの硬さとを触感で併せて体感させるといった使い方ができる。
【0049】
また、この実施形態にかかる触感提示装置1は、天面の触感提示部11以外の位置にも、可変部材12と磁路形成部30に接する位置に、同様に磁場に反応して粘度が変化する機能性部材を含む補助部を設けている。接するとはすなわち、間に非磁性体が介在しないことを意味する。これらは制御回路21によって形成される磁場を構成する磁路形成部30(上蓋部31、外殻部32)に沿って設置されている。これによってさらに情報量を増やした触感提示が可能になる。具体的には、
図1(c)に示すように、装置の外周面に側面補助部35を設けてあり、装置の底面に底面補助部36を設けている。側面補助部35では、粘度を調整することにより、触感提示装置1を複数並べたときに個々の触感提示装置1同士がぶつかる際の衝撃の度合いを調整したり、触感提示装置1同士を敷き詰めた環境での個々の触感提示装置1の移動の自由度を調整したりするといった活用が可能になる。底面補助部36では粘度を調整することにより、人体皮膚に直接的に触れる側ではない方で柔らかさを変えることができるので、踏みしめることで足裏にて体感できる感触に深みを与えることが可能になる。例えば、床面に敷き詰めた触感提示装置1を衝撃とともに上下で粘度を変更させることで、表面的な揺れではなく、地面より深いところから伝わる地震の表現での深みを与えるといったことが可能になる。
【0050】
磁路形成部30を構成する外殻部32のうち、これらの側面補助部35や底面補助部36の内側となる部分は、
図1(b)に示すように、他の部分よりも薄くなっている薄肉部37,38となっているのが好ましい。これにより、側面補助部35や底面補助部36にも磁路が十分に形成されやすくなる。同様に、上蓋部31のうち、可変部材12の内側となる部分も、他の部分よりも薄くなっている薄肉部39となっているとよい。また、これらの薄肉部37~39は非磁性体で構成されていてもよく、特に薄肉部39については、少なくとも永久磁石15に接触する部分を非磁性体で構成することが好ましい。それにより磁路が可変部材12、側面補助部35、底面補助部36にも生じやすくなる。
【0051】
この発明にかかる触感提示装置は
図4に示す正弦波の交流電流での稼働に限定されず、矩形波や三角波や、その他の合成波であってもよい。例えば、
図5に示す矩形波の場合、負の最大値をとる時間が長くなり、磁場同士が打ち消し合っている時間が
図4の正弦波の場合よりも長くなり、永久磁石15の上下する挙動が
図4の正弦波の場合とは大きく変化することになる。
【0052】
また、第二の実施形態として直流電源での可動も可能である。この場合、直流電源によって永久磁石15の磁場と逆方向の磁場を作る電流を生じさせる実施形態も可能である。永久磁石15の磁場と反対方向であり永久磁石15の磁場を上回る磁場がかかるように直流電流を制御回路に流すと、その磁場によって永久磁石15の磁場が逆転する。この状況を
図3(c)に示す。逆転するとこの永久磁石15は上側へ引きつけられることになる。この場合も、直流電流を停止すると永久磁石15は落下する。
【0053】
このような第二の実施形態の場合、直流電源としては触感提示装置1の内部にリチウム電池などの小型電池を設けてこれを利用することが挙げられる。ただしこの場合、スイッチ24のオンオフのタイミングについて外部から制御される必要があるため、ZigBee(登録商標)やBluetoothLEなどの近距離省電力無線通信でのアンテナと、そのアンテナから受けたコマンドを実行する演算装置や制御装置を有することが好ましい。
【0054】
上述した各実施形態では、上側がN極、下側がS極となるように永久磁石15を配置したが、上側がS極、下側がN極となるように永久磁石15を配置することもできる。この場合、上記実施形態で入力した電流から最大値と最小値を入れ替える必要がある。また、上記実施形態においては、寄せ部材20を下側に配置したが、上側に配置してもよい。その場合、永久磁石15は下側に引っ張られるようになる。
【0055】
この発明にかかる触感提示装置1をウェアラブルデバイスに取り付けることで、表現力豊かで高い情報量を活かしたデバイスとすることができる。
【0056】
図6に、シューズ型装置43であるウェアラブルデバイスの例を示す。シューズ型の装置の中敷き44に、足の裏に接するように触感提示装置1を取り付けている。足指先に触感提示装置1d、足親指の付け根部分に触感提示装置1e、踵部に触感提示装置1fを取り付けてあり、いずれも触感提示部11が触れるように上向きに配されている。グローブ型と同様に、両足のシューズに取り付けることで、視覚障碍者向けのサービスとして、別途有する近接センサで障害物までの距離を検知し、距離が近づいてくるほど衝撃の強さと周波数を上げていくといったことが可能になる。左右の足の両方に取り付けて、左右の衝撃の強弱を変えることで方向を指し示すこともできる。また、足の指に取り付ける場合、5本の指のどれが衝撃を受けるかによってさらに細かい情報を伝えることもできる。
【0057】
一方、中敷きに取り付けると体重が常時かかるので、いずれも柔らかさや硬さの感触が常時影響することになる。制御装置が有するボリュームなどで指示したアナログ的な強さとして、硬さや柔らかさとして反映させることができる。砂地を踏むような感覚と、板床を踏むような感触の違いを体感させることができる。足指先の触感提示装置1dや足指付け根部分の触感提示装置1eは、振動ともに柔らかさや硬さの変化を特に感じやすくなっている。逆に体重がかかる踵部の触感提示装置1fで感じる衝撃は体全体を振るわせるように影響させやすく、特に衝撃付与部14による表現の寄与が強く発揮される。
【0058】
図7に、ヘルメット型装置45であるウェアラブルデバイスの例を示す。ヘルメット型の装置の頭頂部の外周に触感提示装置1gを取り付けてある。
【0059】
頭頂部の外周に取り付けた触感提示装置1gは皮膚に触れていないため触感提示部11はほぼ効果を発揮せず、衝撃付与部14による衝撃のみでヘルメット全体を揺らすことができる。この触感提示装置1gのように、触感提示部11を利用しないような配置での実装があってもよい。ただし、衝撃付与部14が下向きになるため、
図1とは天地が逆転した向きに設置される。磁場が弱め合うときに永久磁石が衝撃付与部14に向かって落下することになる。
【0060】
これらのウェアラブルデバイスで触感提示装置1を使用する場合、触感提示装置1の表面は非磁性体で形成されていることが望ましい。表面の素材が強磁性体であると、それによって保持される磁場によって、触れる利用者に磁場が与える影響が大きくなってしまうとともに、与える衝撃や機能性部材の粘度が想定通りに制御できなくなってしまうおそれがある。
【0061】
これらのウェアラブルデバイスとして持ち歩く場合、永久磁石である永久磁石15が動くことで、コイル部23に微弱な電流が生じる。制御回路21にコンデンサを組み込んでこの電力を蓄え、必要なときにこの電力によりコイル部23に電流を流して衝撃の付与と磁場による影響を与えるようにすることで、外部充電だけでなく直流電源用の電池を取り付けなくてもこの発明にかかる触感提示装置1として利用することができる。
【0062】
自動充電されない場合は、外部電源につないで充電される電池によって駆動してもよいし、外部からの交流電源に接続し続けて駆動するものでもよい。充電する場合には、USBポートなど一般的な電力供給可能な端子を規格として用いることができる。また、外部からリアルタイムで制御する場合には、充電端子と信号端子を兼ねてUSB規格でのケーブル及び端子を採用するとよい。一方で、電池で駆動させる場合には振動の内容やタイミングは近距離省電力無線通信によって伝達されるとよい。
【0063】
この発明により、従来の振動モータによる回転ベースでの振動に比べて、方向性を明確にした衝撃を触覚提示部に付与して、可変部材を当てて能動的に衝撃を伝えるという効率的な感触を利用者に与えることができる。全方向に回転させなければならないモータと違って、緩やかに一方へ押し当てて触れるといった表現力の高い感触すらも実現可能となる。
【0064】
さらにそれに加えて機能性部材を採用すると、機能性部材の粘度の変化と衝撃とを組み合わせたさらに多彩な感触を実現することができ、これにより、仮想空間で触れる物品に触った感触や、生き物が触れてきた感触などといったさらに情報量の多い触感情報の提示もできるようになる。スマートシューズの中敷きや月型にこの触感提示装置を設けることで、仮想空間で踏みしめる柔らかかったり硬かったりする地面の感触を体感させることも可能となる。リストバンドやアンクル、ベストなどに仕込むことで、様々な物体や人が触れてきた感触や、直接的な危害のない程度のダメージ表現としての衝撃を受ける感触などといったこともできる。
【符号の説明】
【0065】
1、1d、1e、1f、1g 触感提示装置
11 触感提示部
12 可変部材
13 カバー部
14 衝撃付与部
15 永久磁石
16 空隙部
17 空隙調整部
18 調整部調整ネジ
20 寄せ部材
21 制御回路
22 電源部
23 コイル部
24 スイッチ
25 ガイド部
30 磁路形成部
31 上蓋部
32 外殻部
33 蓋固定ネジ
35 側面補助部
36 底面補助部
37,38,39 薄肉部
43 シューズ型装置
44 中敷き
45 ヘルメット型装置