(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145724
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】ゲート制御システム
(51)【国際特許分類】
E05F 15/73 20150101AFI20241004BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
E05F15/73
G08B25/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058204
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】江嵜 竜臣
(72)【発明者】
【氏名】藤田 佑斗
【テーマコード(参考)】
2E052
5C087
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052BA06
2E052CA06
2E052EA01
2E052EA15
2E052GB01
5C087DD05
5C087DD06
5C087EE14
5C087FF04
5C087GG10
5C087GG59
5C087GG81
(57)【要約】
【課題】人物及び走行ロボットが通過可能なセキュリティゲートを適切に制御することができるゲート制御システム及び制御方法を提供する。
【解決手段】ゲート制御システムは、セキュリティゲートの扉の開閉を制御するゲート制御システムであって、セキュリティゲートを通行する通行主体が人物であるか走行ロボットであるかを判定する判定手段と、判定手段による判定結果に応じて、セキュリティゲートの扉の開け方又は閉め方を変更する制御手段と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュリティゲートの扉の開閉を制御するゲート制御システムであって、
前記セキュリティゲートを通行する通行主体が人物であるか走行ロボットであるかを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、前記セキュリティゲートの扉の開け方又は閉め方を変更する制御手段と、
を有することを特徴とするゲート制御システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記通行主体が人物であると判定された場合、進行方向に向かって開くように前記セキュリティゲートの扉を制御し、前記通行主体が走行ロボットであると判定された場合、進行方向の反対方向に向かって開くように前記セキュリティゲートの扉を制御する、請求項1に記載のゲート制御システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記通行主体が人物であると判定された場合、第1量だけ開くように前記セキュリティゲートの扉を制御し、前記通行主体が走行ロボットであると判定された場合、前記第1量より小さい第2量だけ開くように前記セキュリティゲートの扉を制御する、請求項1または2に記載のゲート制御システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記通行主体が走行ロボットであると判定された場合、前記通行主体である走行ロボットの種類又は大きさに応じて、前記第2量を設定する、請求項3に記載のゲート制御システム。
【請求項5】
前記通行主体である走行ロボットの位置及び大きさを取得する取得手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記通行主体が走行ロボットであると判定された場合、前記走行ロボットの位置及び大きさに基づいて、前記セキュリティゲートの扉を開ける範囲を決定する、請求項1に記載のゲート制御システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記判定手段による判定結果に応じて、前記セキュリティゲートの扉を開けるタイミング又は閉めるタイミングを変更する、請求項1または2に記載のゲート制御システム。
【請求項7】
前記判定手段は、走行ロボットからセキュリティゲートを通行するための通行要求を受信した場合、前記通行主体が走行ロボットであると判定する、請求項1または2に記載のゲート制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲート制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、常駐警備員の代わりに、施設内を自律して走行し、巡回警備、点検業務等を行う走行ロボットが開発されている。走行ロボットは、施設内を移動する際に、施設内に設置されたフラッパーゲート等のセキュリティゲートを通過する必要がある。
【0003】
特許文献1には、左右開閉自動ドア、開き戸タイプのドア、フラッパーゲート等の入退室が管理されている空間への入退室を管理するゲート装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のセキュリティゲートでは、人物の入退室を想定したセキュリティゲートの扉の制御方法(開け方、閉め方)が用いられていたため、ロボットが入退室する場合に生じうる新たな課題が問題視されつつある。例えば、走行ロボットがセキュリティゲートを通過する際に、通過権限を持たない人物が走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過するいわゆる「共連れ」侵入や、セキュリティゲートを挟んで走行ロボットの反対側からセキュリティゲートを通過するいわゆる「すれ違い」侵入が課題となっていた。したがって、人物及び走行ロボットが通過可能なセキュリティゲートを適切に制御することが求められている。
【0006】
本発明の目的は、人物及び走行ロボットが通過可能なセキュリティゲートを適切に制御することができるゲート制御システム及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明は、セキュリティゲートの扉の開閉を制御するゲート制御システムであって、セキュリティゲートを通行する通行主体が人物であるか走行ロボットであるかを判定する判定手段と、判定手段による判定結果に応じて、セキュリティゲートの扉の開け方又は閉め方を変更する制御手段と、を有するゲート制御システムを提供する。
【0008】
このゲート制御システムにおいて、制御手段は、通行主体が人物であると判定された場合、進行方向に向かって開くようにセキュリティゲートの扉を制御し、通行主体が走行ロボットであると判定された場合、進行方向の反対方向に向かって開くようにセキュリティゲートの扉を制御することが好適である。
【0009】
このゲート制御システムにおいて、制御手段は、通行主体が人物であると判定された場合、第1量だけ開くようにセキュリティゲートの扉を制御し、通行主体が走行ロボットであると判定された場合、第1量より小さい第2量だけ開くようにセキュリティゲートの扉を制御することが好適である。
【0010】
このゲート制御システムにおいて、制御手段は、行主体が走行ロボットであると判定された場合、通行主体である走行ロボットの種類又は大きさに応じて、第2量を設定することが好適である。
【0011】
このゲート制御システムにおいて、通行主体である走行ロボットの位置及び大きさを取得する取得手段をさらに有し、制御手段は、通行主体が走行ロボットであると判定された場合、走行ロボットの位置及び大きさに基づいて、セキュリティゲートの扉を開ける範囲を決定することが好適である。
【0012】
このゲート制御システムにおいて、制御手段は、判定手段による判定結果に応じて、セキュリティゲートの扉を開けるタイミング又は閉めるタイミングを変更することが好適である。
【0013】
このゲート制御システムにおいて、判定手段は、走行ロボットからセキュリティゲートを通行するための通行要求を受信した場合、通行主体が走行ロボットであると判定することが好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るゲート制御システム及び制御方法は、人物及び走行ロボットが通過可能なセキュリティゲートを適切に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る制御システム1について説明するための模式図である。
【
図2】制御システム1の全体システム構成を示す図である。
【
図3】(A)は、ロボットテーブル441のデータ構造の一例を示す図であり、(B)は、利用者テーブル442のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】ゲート管理サーバ40による制御処理の動作の例を示すシーケンスである。
【
図5】(A)は、セキュリティゲート30を示す模式図であり、(B)は、利用者Hがセキュリティゲート30を通過する際の様子を示す模式図であり、(C)は、利用者Hがセキュリティゲート30を通過した後の様子を示す模式図であり、(D)は、走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過する際の様子を示す模式図である。
【
図6】(A)、(B)は、走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過する際の様子を示す模式図であり、(C)は、走行ロボット10の後端がセキュリティゲート30の扉の揺動端を通過した後の様子を示す模式図であり、(D)は、セキュリティゲート30が閉状態となった様子を示す模式図である。
【
図7】(A)、(B)は、セキュリティゲート30がスライド式ゲートである場合の扉の開け方及び閉め方について説明するための模式図である。
【
図8】(A)、(B)は、セキュリティゲート30がシャッター式ゲートである場合の扉の開け方及び閉め方について説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態に係る制御システムについて図を参照しつつ説明する。
【0017】
図1は、実施形態に係る制御システム1について説明するための模式図である。
図1に示すように、制御システム1は、一又は複数の走行ロボット10、セキュリティゲート30及び/又は監視カメラC等を有する。制御システム1は、会社、マンション、商業施設等の施設に設定された監視エリアを監視及び警備する監視システムである。
【0018】
監視カメラCは、監視エリア内の所定領域、特にセキュリティゲート30の周辺を撮像可能に配置され、監視エリア内の領域を撮像して監視画像を生成し、出力する。
走行ロボット10は、監視エリア内を自律して走行し、監視エリア内の領域を撮像して撮影画像を生成し、出力する。
セキュリティゲート30は、監視エリア内で、セキュリティ性が低い低セキュリティエリアA1とセキュリティ性が高い高セキュリティエリアA2との境界に配置される。セキュリティゲート30は、予め登録された人物及び走行ロボット10の高セキュリティエリアA2への進入を許可しつつ、予め登録されていない人物の高セキュリティエリアA2への進入を制限する。
走行ロボット10は、本体部10A及びタイヤ10B等を有する。本体部10Aは、走行ロボット10全体を覆う筐体である。タイヤ10Bは、本体部10Aの底面に設けられ、走行ロボット10の移動のために使用される。
【0019】
図2は、制御システム1の全体システム構成を示す図である。
図2に示すように、制御システム1は、ロボット制御システム2及びゲート制御システム3を有する。ロボット制御システム2は、走行ロボット10を制御し、管理するシステムであり、一又は複数の走行ロボット10及びロボット管理サーバ20等を有する。ゲート制御システム3は、監視エリア内に設置された一又は複数のセキュリティゲート30を制御し、管理するシステムであり、一又は複数のセキュリティゲート30、ゲート管理サーバ40及び一又は複数の監視カメラC等を有する。
走行ロボット10及びロボット管理サーバ20は、イントラネット又はインターネット等の第1通信ネットワークN1を介して相互に接続される。走行ロボット10は、無線LAN、携帯電話ネットワーク等の無線通信ネットワークを介して第1通信ネットワークN1に接続される。セキュリティゲート30、ゲート管理サーバ40及び監視カメラCは、イントラネット又はインターネット等の第2通信ネットワークN2を介して相互に接続される。第1通信ネットワークN1及び第2通信ネットワークN2は通信接続され、走行ロボット10、ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30、ゲート管理サーバ40及び監視カメラCは、相互に接続される。
【0020】
走行ロボット10は、監視エリア内を自律して走行するとともに、監視エリア内の領域を撮像して撮影画像を生成し、ロボット管理サーバ20に送信する。例えば、走行ロボット10は、予め定められた時間に、監視エリア内の予め定められた巡回ルートを走行し、予め定められた撮影ポイントで撮像を行う。または、走行ロボット10は、管制員によってロボット管理サーバ20を用いて指定された移動先へ移動し、移動先で撮像を行う。なお、走行ロボット10は、自律して走行するのではなく、操作者からの操作に従って走行してもよい。
走行ロボット10は、撮像部11、位置センサ12、駆動部13、出力部14、第1通信部15、第1記憶部16及び第1処理部17等を有する。
【0021】
撮像部11は、監視エリア内の領域を撮像するためのカメラである。
撮像部11は、本体部10Aの前面、側面、背面及び/又は上面に設けられた一又は複数の可視光カメラを含む。各可視光カメラの撮像方向は、走行ロボット10の進行方向に対して様々な方位角及び仰俯角を有するように設定される。各可視光カメラは、例えば、CCD素子又はC-MOS素子等、可視光に感度を有する光電変換素子と、その光電変換素子上に像を結像する結像光学系と、A/D変換器とを有し、可視光に基づく可視光画像を生成して出力する。各可視光カメラは、所定のフレーム周期で可視光画像を順次生成し、第1処理部17に出力する。また、撮像部11は、可視光カメラに代えて又は加えて、熱画像を取得する熱画像カメラを備えてもよい。熱画像カメラは、例えば、物体からの電磁放射の2種類の波長の放射エネルギーを検出する2次元に配置されたセンサと、センサから出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。熱画像カメラは、2種類の放射エネルギー比によって求められた温度値に基づいて熱画像を生成し、所定のフレーム周期で第1処理部17に出力する。
【0022】
位置センサ12は、走行ロボット10の現在位置を取得するためのセンサである。
位置センサ12は、例えば本体部10Aの前面、側面、背面及び/又は上面に設けられた一又は複数のレーザセンサ(LiDAR)を含む。各レーザセンサは、所定の方向に向けて近赤外光、可視光、紫外線等の光を照射する照射器と、その反射光を受光する受光器とを含む。各照射器が光を照射する方向は、自律走行ロボット10の進行方向に対して様々な方位角及び仰俯角を有するように設定される。各レーザセンサは、照射器が光を照射してから受光器が反射光を受光するまでの時間に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する物体までの距離を測定する。位置センサ12は、各レーザセンサが光を照射した各方向と、測定した距離との複数の組み合わせを含む位置検知信号を所定の周期で第1処理部17に出力する。
位置センサ12は、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の航法衛星(人工衛星)から送信される電波(航法信号)を受信する受信機を含んでもよい。受信機は、複数の航法衛星から送信される航法信号を受信して第1処理部17に出力する。
【0023】
駆動部13は、タイヤ10Bを回転させるためのモータ及び/又はタイヤ10Bの方向を変更するためのモータを含む。駆動部13は、第1処理部17からタイヤ駆動信号を受信し、受信したタイヤ駆動信号に従って回転し、タイヤ10Bを駆動する。
【0024】
出力部14は、LEDを含み、第1処理部17からの指示に従って点灯又は消灯する。出力部14は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を含み、第1処理部17からの指示に従って画像、テキスト等の各情報を表示してもよい。また、出力部14は、スピーカ及びスピーカに音声データを出力するインタフェース回路を含み、第1処理部17からの指示に従って音声を出力してもよい。
【0025】
第1通信部15は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第1通信ネットワークN1に接続する。または、第1通信部15は、例えばW-CDMA方式又はLTE方式等に準拠した通信インタフェース回路を有し、基地局及び移動体通信網等の通信ネットワークを介して第1通信ネットワークN1に接続する。第1通信部15は、第1通信ネットワークN1から受信したデータを第1処理部17へ出力し、第1処理部17から入力されたデータを第1通信ネットワークN1に送信する。
【0026】
第1記憶部16は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第1記憶部16は、走行ロボット10を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第1処理部17との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶部16にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
【0027】
また、第1記憶部16は、データとして、マップ情報181、巡回情報182等を記憶する。
マップ情報181は、監視エリア内の通路又は部屋等の形状、各セキュリティゲート30の位置及び幅、設備機器又はパーティション等の固定された障害物の位置等を示す。各セキュリティゲート30の位置は、各セキュリティゲート30を識別するためのゲートIDと対応付けて記憶される。
巡回情報182は、走行ロボット10の巡回スケジュール(巡回時間、巡回ルート、撮影ポイント等)を示す。
【0028】
第1処理部17は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、走行ロボット10の各種信号処理を実行する。なお、第1処理部17として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0029】
第1処理部17は、第1通信部15を介してロボット管理サーバ20から巡回情報を受信し、受信した巡回情報を第1記憶部16に記憶する。また、第1処理部17は、第1通信部15を介してロボット管理サーバ20から走行ロボット10の巡回の開始又は終了を指示するための制御信号を受信し、受信した制御信号及び巡回情報に従って駆動部13を駆動し、走行ロボット10を移動させる。また、第1処理部17は、第1通信部15を介してロボット管理サーバ20から走行ロボット10の移動先を指示するための制御信号を受信し、受信した制御信号に従って駆動部13を駆動し、走行ロボット10を移動させる。また、第1処理部17は、巡回情報に示される撮影ポイント又は制御信号に示される移動先で撮像部11に撮像させ、生成された撮像画像を、第1通信部15を介してロボット管理サーバ20に送信する。
【0030】
ロボット管理サーバ20は、監視エリア内又は監視エリアの周辺に設置された防災センタの管制卓等に配置され、走行ロボット10を制御し又は管理する。
ロボット管理サーバ20は、第2操作部21、第2表示部22、第2通信部23、第2記憶部24及び第2処理部25等を有する。
【0031】
第2操作部21は、タッチパネル、キーボード等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を含み、利用者による操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を第2処理部25へ出力する。第2表示部22は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を含み、第2処理部25からの指示に従って画像、テキスト等の各情報を表示する。
【0032】
第2通信部23は、例えばTCP/IP等に準拠した通信インタフェース回路を有し、第1通信ネットワークN1に接続する。または、第2通信部23は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第1通信ネットワークN1に接続する。第2通信部23は、第1通信ネットワークN1から受信したデータを第2処理部25へ出力し、第2処理部25から入力されたデータを第1通信ネットワークN1に送信する。
【0033】
第2記憶部24は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第2記憶部24は、ロボット管理サーバ20を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第2処理部25との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶部24にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
【0034】
第2処理部25は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、ロボット管理サーバ20の各種処理を実行する。なお、第2処理部25として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0035】
第2処理部25は、第2操作部21を用いて管制員から走行ロボット10の巡回スケジュールの設定を受け付け、受け付けた設定を示す巡回情報を、第2通信部23を介して走行ロボット10に送信し、走行ロボット10に設定する。また、第2処理部25は、第2操作部21を用いて管制員から走行ロボット10の巡回の開始又は終了の指示を受け付け、巡回の開始又は終了を指示するための制御信号を、第2通信部23を介して走行ロボット10に送信し、走行ロボット10を制御する。また、第2処理部25は、第2操作部21を用いて管制員から走行ロボット10の移動先の指示を受け付け、移動先を指示するための制御信号を、第2通信部23を介して走行ロボット10に送信し、走行ロボット10を移動させる。また、第2処理部25は、第2通信部23を介して走行ロボット10から撮像画像を受信し、第2表示部22に表示する。
【0036】
セキュリティゲート30は、フラップ式ゲート、スウィング式ゲート、スライド式ゲート、シャッター式ゲート等である。セキュリティゲート30は、利用者の認証情報(IDカード等に記憶された利用者ID、又は、利用者の顔、指紋、虹彩等の生体情報等)を取得し、取得した認証情報をゲート管理サーバ40へ送信する。セキュリティゲート30は、ゲート管理サーバ40から受信した信号に従って、扉の開閉を制御する。
セキュリティゲート30は、読取部31、センサ32、扉駆動部33、第3通信部34、第3記憶部35及び第3処理部36等を有する。
【0037】
読取部31は、セキュリティゲート30の入り口等に設けられる。
読取部31は、例えばカードリーダであり、利用者が保持するICカードに記憶された、利用者を識別するための利用者IDを読み取って、第3処理部36に出力する。カードリーダは、非接触方式のカードリーダライタである。
読取部31は、利用者の顔、指紋、虹彩等の生体情報を読み取るためのカメラでもよい。カメラは、例えば、CCD素子又はC-MOS素子等、可視光又は赤外線に感度を有する光電変換素子と、その光電変換素子上に像を結像する結像光学系と、A/D変換器とを有し、利用者の顔、指紋、虹彩等を撮像した生体画像を生成して第3処理部36に出力する。
【0038】
センサ32は、セキュリティゲート30を通過する人物又は走行ロボット10を検知するためのセンサである。センサ32は、セキュリティゲート30の前面、内側面、上面等に設けられた、第1人物センサ11と同様の一又は複数のレーザセンサを含む。各レーザセンサは、照射器が光を照射してから受光器が反射光を受光するまでの時間に基づいて、セキュリティゲート30の周囲に存在する物体までの距離を測定する。センサ32は、各レーザセンサが光を照射した方向と、測定した距離との複数の組み合わせを含む検知信号を所定の周期で第3処理部36に出力する。
センサ32は、セキュリティゲート30の前面、内側面、上面等に設けられた、撮像部11と同様のカメラを含み、可視光画像又は熱画像を第3処理部36に出力してもよい。
【0039】
扉駆動部33は、扉を開閉させるためのモータを含む。扉駆動部33は、第3処理部36から扉駆動信号を受信し、受信した扉駆動信号に従って回転して駆動力を発生させ、扉を開閉させる。セキュリティゲート30がフラップ式ゲート又はスウィング式ゲートである場合、扉駆動部33は扉を回転させ、セキュリティゲート30がスライド式ゲート又はシャッター式ゲートである場合、扉駆動部33は扉をスライドさせる。
【0040】
第3通信部34は、例えばTCP/IP等に準拠した通信インタフェース回路を有し、第2通信ネットワークN2に接続する。または、第3通信部34は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第2通信ネットワークN2に接続する。第3通信部34は、第2通信ネットワークN2から受信したデータを第3処理部36へ出力し、第3処理部36から入力されたデータを第2通信ネットワークN2に送信する。
【0041】
第3記憶部35は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第3記憶部35は、セキュリティゲート30を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第3処理部36との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第3記憶部35にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
【0042】
第3処理部36は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、セキュリティゲート30の各種信号処理を実行する。第3処理部36は、プロセッサ上で動作するプログラムの機能モジュールとして実装される管理部361等を有する。なお、第3処理部36として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0043】
第3処理部36は、読取部31から取得した利用者の認証情報を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40へ送信するとともに、ゲート管理サーバ40から受信した信号に従って、セキュリティゲート30を開閉するように扉駆動部33を制御する。また、セキュリティゲート30は、センサ32からの検知信号に基づいてセキュリティゲート30の開閉を制御してもよい。
【0044】
ゲート管理サーバ40は、監視エリア内又は監視エリアの周辺に設置された管理センタ等に配置され、セキュリティゲート30を制御し又は管理する。ゲート管理サーバ40は、第4操作部41、第4表示部42、第4通信部43、第4記憶部44及び第4処理部45等を有する。
【0045】
第4操作部41は、タッチパネル、キーボード等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を含み、利用者による操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を第4処理部45へ出力する。第4表示部42は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を含み、第4処理部45からの指示に従って画像、テキスト等の各情報を表示する。
【0046】
第4通信部43は、例えばTCP/IP等に準拠した通信インタフェース回路を有し、第2通信ネットワークN2に接続する。または、第4通信部43は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第2通信ネットワークN2に接続する。第4通信部43は、第2通信ネットワークN2から受信したデータを第4処理部45へ出力し、第4処理部45から入力されたデータを第2通信ネットワークN2に送信する。
【0047】
第4記憶部44は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第4記憶部44は、ゲート管理サーバ40を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第4処理部45との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第4記憶部44にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
第4記憶部44は、データとして、ロボットテーブル441及び利用者テーブル442等を記憶する。ロボットテーブル441及び利用者テーブル442の詳細については後述する。
【0048】
第4処理部45は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、ロボット管理サーバ20の各種処理を実行する。第4処理部45は、プロセッサ上で動作するプログラムの機能モジュールとして実装される判定部451、制御部452及び取得部453等を有する。なお、第4処理部45として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0049】
第4処理部45は、第2操作部21を用いて管理者からセキュリティゲート30の通過を許可される利用者及び走行ロボット10の登録を受け付け、受け付けた利用者及び走行ロボット10の認証情報を第4記憶部44に登録する。利用者の認証情報は、利用者ID及び/又は生体画像である。走行ロボット10の認証情報は、走行ロボット10の識別情報であるロボットIDである。
【0050】
図3(A)は、ロボットテーブル441のデータ構造の一例を示す図である。
図3(A)に示すように、ロボットテーブル441には、セキュリティゲート30の通過を許可された走行ロボット10毎に、各走行ロボット10のロボットID、種類及び大きさ等が相互に関連付けて設定されている。種類は、走行ロボット10の仕様、機能、用途毎に分類される種類である。大きさは、各走行ロボット10の縦サイズ、横サイズ及び/又は高さ等である。
【0051】
図3(B)は、利用者テーブル442のデータ構造の一例を示す図である。
図3(B)に示すように、利用者テーブル442には、セキュリティゲート30の通過を許可された利用者毎に、各利用者の利用者ID及び生体画像等が相互に関連付けて設定されている。
【0052】
図4は、ゲート管理サーバ40による制御処理の動作の例を示すフローチャートである。このフローチャートは、ゲート管理サーバ40が有する第4記憶部44に予め記憶されているプログラムに基づいて、主に第4処理部45により、ゲート管理サーバ40の各要素と協働して実行される。
【0053】
まず、判定部451は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30又は走行ロボット10から、セキュリティゲート30を開状態とするための開要求信号を受信するまで待機する(ステップS101)。
セキュリティゲート30の第3処理部36は、読取部31が利用者の認証情報を読み取ったか否かを監視する。第3処理部36は、読取部31が利用者の認証情報を読み取った場合、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に開要求信号を送信する。この開要求信号には、読取部31が読み取った利用者の認証情報(利用者ID又は生体画像)及び対象となるセキュリティゲート30のゲートIDが含まれる。
走行ロボット10の第1処理部17は、第1記憶部16に記憶された巡回情報182又はロボット管理サーバ20の第2処理部25から受信した制御信号に従って、走行ロボット10がマップ情報181に示される通路を通って移動するように駆動部13を制御する。第1処理部17は、定期的に、位置センサ12から位置検知信号又は航法信号を取得し、走行ロボット10の現在位置及び方向を検出する。第1処理部17は、取得した位置検知信号に含まれる各レーザセンサが光を照射した方向と物体までの距離の組合せと、マップ情報181に示される通路、部屋、障害物等の位置とから現在位置及び方向を特定する。または、第1処理部17は、取得した航法信号から緯度、経度及び高度を求め、現在位置及び方向を特定する。第1処理部17は、通過すべきセキュリティゲート30の周辺に到達したときに、第1通信部15を介してゲート管理サーバ40に開要求信号を送信する。この開要求信号には、対象となる走行ロボット10の認証情報(ロボットID)及び対象となるセキュリティゲート30のゲートIDが含まれる。
【0054】
次に、判定部451は、開要求信号を受信した場合、開要求信号に含まれる認証情報を取得し、取得した認証情報を、ロボットテーブル441又は利用者テーブル442に登録されている認証情報と照合する(ステップS102)。
セキュリティゲート30から開要求信号を受信した場合、判定部451は、認証情報に含まれる利用者ID又は生体画像を第4記憶部44に登録されている利用者ID又は生体画像と照合する。認証情報が利用者IDである場合、判定部451は、認証情報に含まれる利用者IDが利用者テーブル442に登録されている何れかの利用者IDと一致するか否かにより認証に成功したか否かを判定する。認証情報が生体画像である場合、判定部451は、公知の画像処理技術を利用して、認証情報に含まれる生体画像が利用者テーブル442に登録されている何れかの生体画像と合致(対応)するか否かにより認証に成功したか否かを判定する。
一方、走行ロボット10から開要求信号を受信した場合、判定部451は、認証情報に含まれるロボットIDがロボットテーブル441に登録されている何れかのロボットと一致するか否かにより認証に成功したか否かを判定する。
認証に失敗した場合、制御システム1は、セキュリティゲート30を開状態にすることなく、ステップS101へ処理を戻す。
【0055】
一方、認証に成功した場合、判定部451は、セキュリティゲート30を通行する通行主体が人物であるか走行ロボット10であるかを判定する(ステップS104)。判定部451は、認証対象が利用者であるか走行ロボット10であるかにより、通行主体が走行ロボット10であるか人物であるかを判定する。即ち、判定部451は、走行ロボット10から開要求信号を受信した場合、通行主体が走行ロボット10であると判定し、セキュリティゲート30から開要求信号を受信した場合、通行主体が人物であると判定する。これにより、判定部451は、通行主体を特定するための特別なハードウェア又は処理を必要とすることなく、簡易且つ確実に通行主体を特定することができる。
【0056】
なお、判定部451は、セキュリティゲート30又は監視カメラCから可視光画像、熱画像又は監視画像を受信し、受信した画像に基づいて通行主体が走行ロボット10であるか人物であるかを判定してもよい。その場合、第4記憶部44には、画像が入力された場合に、入力された画像に人物が含まれるか否かと、走行ロボット10が含まれるか否かと、を示す情報を出力するように事前学習された学習モデルが予め記憶される。学習モデルは、ディープラーニング等により、人物又は走行ロボット10が含まれる様々な画像を用いて事前学習される。判定部451は、受信した画像を学習モデルに入力し、学習モデルから出力された情報に基づいて、通行主体が走行ロボット10であるか人物であるかを判定する。
また、判定部451は、走行ロボット10からセキュリティゲート30に送信される信号に基づいて、通行主体が走行ロボット10であるか人物であるかを判定してもよい。例えば、走行ロボット10はロボットIDが記憶されたICタグを内蔵し、セキュリティゲート30はICタグリーダを有する。セキュリティゲート30は、ICタグリーダがロボットIDを読み取った場合に、ロボット検出信号をゲート管理サーバ40に送信する。判定部451は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30からロボット検出信号を受信した場合、通行主体が走行ロボット10であると判定し、所定期間内に読取り信号を受信しなかった場合、通行主体が人物であると判定する。または、走行ロボット10及びセキュリティゲート30は、Bluetooth(登録商標)又はZigBee(登録商標)等の無線通信インタフェース回路を有する不図示の無線モジュールを有する。走行ロボット10は、無線モジュールからロボットIDを定期的に送信し、セキュリティゲート30は、無線モジュールからロボットIDを受信した場合に、ロボット検出信号をゲート管理サーバ40に送信する。
【0057】
通行主体が人物であると判定された場合、制御部452は、セキュリティゲート30を開状態とするための開制御信号を、第4通信部43を介してセキュリティゲート30に送信する(ステップS105)。セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40から開制御信号を受信し、受信した開制御信号に従って扉駆動部33を駆動し、セキュリティゲート30を開状態とする。セキュリティゲート30の第3記憶部には、開制御信号に含まれる後述する各パラメータと、扉駆動部33の駆動量との関係を示すテーブルが記憶される。第3処理部36は、第3記憶部に記憶されたテーブルを参照して、受信した開制御信号で指定された各パラメータに対応する扉駆動部33の駆動量を特定する。第3処理部36は、セキュリティゲート30が開状態となったことを通知する開通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する。
【0058】
制御部452は、開制御信号において、第1タイミングに扉が第1位置で第1量だけ第1方向に開くように扉を開けることを指定する。
第1タイミングは、例えば即時である。即ち、制御部452は、通行主体が人物であると判定された場合、即時に開くようにセキュリティゲート30の扉を制御する。制御システム1は、通行主体が人物である場合にセキュリティゲート30の扉を即時に開けることにより、当該人物に対して通行が可能であることを視覚的に伝えることができ、セキュリティゲート30において利用者をスムーズに通過させることができる。第1タイミングは、即時以外の任意のタイミングでもよい。
第1位置は、例えばセキュリティゲート30内の幅方向B2における中央位置である。
第1量は、例えば扉の可動範囲の最大量(扉が完全に開く量)である。即ち、制御部452は、通行主体が人物であると判定された場合、第1量だけ開くようにセキュリティゲート30の扉を制御する。制御システム1は、通行主体が人物である場合にセキュリティゲート30の扉を完全に開けることにより、セキュリティゲート30において利用者をスムーズに通過させることができる。第1量は、最大量以外の、人物がセキュリティゲート30を通過可能な任意の量でもよい。
第1方向は、例えば利用者の進行方向(セキュリティゲート30の出口側)に向かう方向である。即ち、制御部452は、通行主体が人物であると判定された場合、進行方向に向かって開くようにセキュリティゲート30の扉を制御する。制御システム1は、通行主体が人物である場合に、セキュリティゲート30の扉を進行方向に向かって、即ち利用者が存在しない側に向かって開けることにより、開く扉が利用者に衝突することを防止できる。第1方向は、進行方向の反対方向に向かう方向でもよい。
【0059】
図5(A)は、フラップ式ゲート又はスウィング式ゲートであるセキュリティゲート30の周辺に人物又は走行ロボット10が存在しない様子を示す模式図である。
図5(A)に示すように、セキュリティゲート30の周辺に人物又は走行ロボット10が存在しない場合、セキュリティゲート30の扉(フラップ)G1は閉じている。なお、矢印B1は、走行ロボット10又は人物の進行方向を示し、矢印B2は、走行ロボット10又は人物の進行方向B1と直交する幅方向を示す。
【0060】
図5(B)は、利用者Hがセキュリティゲート30を通過する際の様子を示す模式図である。
図5(B)に示すように、セキュリティゲート30の扉G1は、利用者Hがセキュリティゲート30の入口に到達した時に、最大量、進行方向B1に向かって開く。これにより、利用者Hは、スムーズ且つ安全にセキュリティゲート30を通過することができる。
【0061】
次に、制御部452は、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過するまで処理を待機する(ステップS106)。
セキュリティゲート30の第3処理部36は、センサ32から検知信号、可視光画像又は熱画像を取得し、取得した検知信号、可視光画像又は熱画像に基づいて、セキュリティゲート30を通過する人物が存在するか否かを判定する。例えば、第3処理部36は、検知信号に示される距離及び方向に基づいて、セキュリティゲート30内に物体が存在するか否かを判定し、セキュリティゲート30内に物体が存在すると判定した場合、セキュリティゲート30内に人物が存在すると判定する。または、第3処理部36は、フレーム間差分処理又は背景差分処理により、順次取得した画像内で変化が発生した変化領域を検出し、検出した変化領域が人物とみなされる所定の大きさを有する場合、セキュリティゲート30内に人物が存在すると判定する。第3処理部36は、セキュリティゲート30内に人物が存在すると判定してから、セキュリティゲート30内に人物が存在しないと判定した場合、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過したと判定する。第3処理部36は、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過したと判定した場合、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過したことを示す通過信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する。制御部452は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30から通過信号を受信した場合、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過したと判定する。
制御部452は、監視カメラCから監視画像を受信し、受信した監視画像に基づいて、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過したか否かを判定してもよい。その場合、制御部452は、第3処理部36が可視光画像又は熱画像に基づいて判定するのと同様にして、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過したか否かを判定する。
【0062】
次に、制御部452は、セキュリティゲート30を閉状態とするための閉制御信号を、第4通信部43を介してセキュリティゲート30に送信し(ステップS107)、ステップS101へ処理を戻す。セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40から閉制御信号を受信し、受信した閉制御信号に従って扉駆動部33を駆動し、セキュリティゲート30を閉状態とする。
【0063】
制御部452は、閉制御信号において、一段階で扉を閉めることを指定する。即ち、制御部452は、通行主体が人物であると判定された場合、一段階で閉めるようにセキュリティゲート30の扉を制御する。制御システム1は、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過した時に扉を一気に閉めることにより、利用者がセキュリティゲート30を安全に通過することを担保しつつ、利用者とともに不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することを防止できる。制御部452は、閉制御信号において、複数段階で扉を閉めることを指定してもよい。
【0064】
図5(C)は、利用者Hがセキュリティゲート30を通過した後の様子を示す模式図である。
図5(C)に示すように、利用者Hがセキュリティゲート30の出口を通過したとき、セキュリティゲート30は、扉G1を一気に閉める。これにより、利用者Hは安全にセキュリティゲート30を通過でき、且つ、不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することが防止される。
【0065】
一方、ステップS104において、通行主体が走行ロボット10であると判定された場合、取得部453は、通行主体である走行ロボット10の大きさ及び位置を取得する(ステップS108)。
【0066】
取得部453は、ロボットテーブル441を参照して、開要求信号に含まれる走行ロボット10のロボットIDに対応する大きさを特定することにより、走行ロボット10の大きさを取得する。
取得部453は、ロボットテーブル441を参照して、開要求信号に含まれる走行ロボット10のロボットIDに対応する種類を特定し、特定した種類に基づいて、走行ロボット10の大きさを特定してもよい。その場合、第4記憶部44には、走行ロボット10の種類毎にその種類の走行ロボット10の大きさが記憶されたテーブルが予め記憶される。取得部453は、そのテーブルを参照して、特定した種類に対応する大きさを特定する。
また、開要求信号に走行ロボット10の大きさ又は種類が含まれ、取得部453は、受信した開要求信号から走行ロボット10の大きさ又は種類を特定してもよい。
また、取得部453は、第4通信部43を介して、セキュリティゲート30から可視光画像もしくは熱画像を受信し又は監視カメラCから監視画像を受信し、受信した画像に基づいて走行ロボット10の大きさを検出してもよい。その場合、取得部453は、フレーム間差分処理又は背景差分処理により、順次取得した画像内で変化が発生した変化領域を検出する。第4記憶部44には、各画像内の変化領域の位置及び大きさと、その変化領域に含まれる物体の大きさとの関係を示す式又はテーブルが予め設定される。取得部453は、その式又はテーブルを参照して、検出した変化領域に対応する物体の大きさを特定する。
【0067】
また、取得部453は、第4通信部43を介して走行ロボット10から走行ロボット10の現在位置を受信することにより取得する。
取得部453は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30から検知信号を受信し、受信した検知信号に基づいて走行ロボット10の位置を検出してもよい。取得部453は、受信した検知信号に示される距離及び方向に基づいて、セキュリティゲート30内に物体が存在するか否かを判定し、セキュリティゲート30内に物体が存在すると判定した場合、セキュリティゲート30内に走行ロボット10が存在すると判定する。取得部453は、走行ロボット10を検知したセンサ32の配置位置及び光照射方向に基づいて、その走行ロボット10の位置を検出する。
また、取得部453は、第4通信部43を介して、セキュリティゲート30から可視光画像又は熱画像を受信し又はセキュリティゲート30の周辺に配置された監視カメラCから監視画像を受信し、受信した画像に基づいて走行ロボット10の位置を検出してもよい。取得部453は、フレーム間差分処理又は背景差分処理により、順次取得した画像内で変化が発生した変化領域を検出し、検出した変化領域が走行ロボット10とみなされる所定の大きさを有する場合、セキュリティゲート30内に走行ロボット10が存在すると判定する。ゲート管理サーバ40は、各画像内の変化領域の位置及び大きさと、各カメラからの距離及び各カメラの撮像方向に対する方向との関係を示す式又はテーブルを第4記憶部44に予め設定しておく。取得部453は、その式又はテーブルを参照して、変化領域に対応する物体までの距離及びその物体の方向を特定する。取得部453は、走行ロボット10を検出したカメラの配置位置と、特定した距離及び方向とに基づいて、その走行ロボット10の位置を検出する。
【0068】
次に、制御部452は、セキュリティゲート30を開状態とするための開制御信号を、第4通信部43を介してセキュリティゲート30に送信する(ステップS109)。セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40から開制御信号を受信し、受信した開制御信号に従って扉駆動部33を駆動し、セキュリティゲート30を開状態とする。第3処理部36は、セキュリティゲート30が開状態となったことを通知する開通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する。
【0069】
制御部452は、開制御信号において、第2タイミングに扉が第2位置で第2量だけ第2方向に開くように扉を開けることを指定する。
【0070】
第2タイミングは、第1タイミングより後のタイミングであり、例えば所定時間後である。所定時間は、走行ロボット10が開要求信号を送信する位置から所定位置まで移動するのに要する時間(例えば1秒)に設定される。所定位置は、開閉中の扉の移動範囲から所定距離だけ入口側(走行ロボット10の現在位置側)の位置に設定される。即ち、制御部452は、通行主体が走行ロボット10であると判定された場合、所定時間後に開くようにセキュリティゲート30の扉を制御する。制御システム1は、走行ロボット10が扉の位置に到達する直前にセキュリティゲート30の扉を開けることにより、セキュリティゲート30の扉が走行ロボット10と衝突することを抑制しつつ、走行ロボット10とともに不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することを抑制できる。
第2タイミングは、走行ロボット10が所定位置に到達したタイミングに定められてもよい。その場合、セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介して走行ロボット10から走行ロボット10の現在位置を定期的に受信し、走行ロボット10が所定位置に到達したタイミングで扉を開く。これにより、制御システム1は、セキュリティゲート30の扉が走行ロボット10と衝突することをより確実に抑制しつつ、走行ロボット10とともに不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することをより確実に抑制できる。また、第3処理部36は、センサ32から検知信号、可視光画像もしくは熱画像を取得し又は監視カメラCから監視画像を受信し、ステップS108の処理と同様にして、取得又は受信した各情報に基づいて、走行ロボット10の位置を検出してもよい。
また、第2タイミングは、任意のタイミングでもよく、第1タイミングと同じタイミング又は第1タイミングより前のタイミングでもよい。
【0071】
このように、制御部452は、判定部451による通行主体が人物であるか走行ロボット10であるかの判定結果に応じて、セキュリティゲート30の扉を開けるタイミングを変更する。これにより、制御システム1は、セキュリティゲート30において、利用者を安全に通過させつつ、走行ロボット10とともに不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することを防止できる。
【0072】
第2位置は、例えばセキュリティゲート30内の幅方向B2における走行ロボット10の通過位置である。第2位置は、セキュリティゲート30内の幅方向B2における中央位置でもよい。
【0073】
第2量は、第1量より小さい量であり、例えば走行ロボット10の横サイズにマージンを加えた大きさに設定される。即ち、制御部452は、通行主体が走行ロボット10であると判定された場合、第2量だけ開くようにセキュリティゲート30の扉を制御する。制御システム1は、セキュリティゲート30の扉を開く量を小さくすることにより、走行ロボット10とともに不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することを抑制できる。また、制御部452は、通行主体である走行ロボット10の種類又は大きさに応じて、第2量を設定する。これにより、制御システム1は、セキュリティゲート30の扉と走行ロボット10の間の隙間をより小さくすることができ、走行ロボット10とともに不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することをより抑制できる。なお、セキュリティゲート30がフラップ式ゲート又はスウィング式ゲートのように2つの扉(扉α及び扉β)を開閉する方式である場合、扉αと扉βのそれぞれに対する制御量を個別に設定し、扉の開く量を第2量だけ開くように制御してもよい。すなわち、走行ロボット10の位置(第2位置)に応じて扉の開く量が第2量となるように扉αと扉βそれぞれの制御量を設定する。
第2量は、第1量と同じ量又は第1量より大きい量でもよく、走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過可能な任意の量でもよい。
【0074】
このように、制御部452は、通行主体が走行ロボット10であると判定された場合、走行ロボット10の位置及び大きさに基づいて、セキュリティゲート30の扉を開ける範囲を決定する。これにより、制御システム1は、幅方向B2における走行ロボット10の通過位置に関わらず、セキュリティゲート30において走行ロボット10を確実に通過させつつ、走行ロボット10とともに不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することを抑制できる。
【0075】
第2方向は、第1方向と異なる方向であり、例えば走行ロボット10の進行方向の反対方向(セキュリティゲート30の入口側)に向かう方向である。即ち、制御部452は、通行主体が走行ロボット10であると判定された場合、進行方向の反対方向に向かって開くようにセキュリティゲート30の扉を制御する。制御システム1は、進行方向の反対方向に向かって、即ち走行ロボット10が存在する側に向かってセキュリティゲート30の扉を開けることにより、扉と走行ロボット10の間の隙間を小さくし、走行ロボット10とともに不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することを防止できる。
第2方向は、進行方向に向かう方向でもよい。
【0076】
図5(D)及び
図6は、走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過する際の様子を示す模式図である。
図5(D)は、大きいサイズの走行ロボット10がセキュリティゲート30内の幅方向B2における中央位置を走行する様子を示す。
図6(A)は、小さいサイズの走行ロボット10がセキュリティゲート30内の幅方向B2における中央位置を走行する様子を示す。
図6(B)は、小さいサイズの走行ロボット10がセキュリティゲート30内の幅方向B2における一端側を走行する様子を示す。
図5(D)及び
図6(A)、(B)に示すように、セキュリティゲート30の扉G1は、各走行ロボット10が扉G1の近傍まで進行した時に、各走行ロボット10の横サイズに応じた第2量の分だけ、進行方向B1の反対方向に向かって開く。また、
図6(B)に示すように、セキュリティゲート30の扉G1は、幅方向B2において走行ロボット10が存在する位置で開く。これにより、扉G1と走行ロボット10の隙間は、走行ロボット10は通過できるが、他の人物が通過できないように制御される。したがって、制御システム1は、セキュリティゲート30において、走行ロボット10を確実に通過させつつ、不正侵入者が走行ロボット10とともにセキュリティゲート30を通過することを防止できる。
【0077】
ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30から開通知信号を受信し、開通知信号を、第4通信部43を介して走行ロボット10に送信(転送)する。走行ロボット10の第1処理部17は、第1通信部15を介してゲート管理サーバ40から開通知信号を受信する。第1処理部17は、開通知信号を受信した場合、駆動部13を駆動してタイヤ10Bを回転させて、セキュリティゲート30を通過させるように走行ロボット10を移動させる。
【0078】
次に、制御部452は、走行ロボット10がセキュリティゲート30の扉位置を通過するまで処理を待機する(ステップS110)。制御部452は、ステップS108の処理と同様にして、走行ロボット10の現在位置を取得する。制御部452は、進行方向において、走行ロボット10の後端が、開いた状態のセキュリティゲート30の扉の揺動端の位置を通過するまで待機する。即ち、制御部452は、ステップS108で進行方向の反対方向に扉を開けていた場合、進行方向において、走行ロボット10の後端が、開いた状態の扉の入口側の端部の位置を通過するまで待機する。一方、制御部452は、ステップS108で進行方向に扉を開けていた場合、進行方向において、走行ロボット10の後端が、開いた状態の扉の出口側の端部の位置を通過するまで待機する。
【0079】
次に、制御部452は、制御部452は、セキュリティゲート30を開状態とするための閉制御信号を、第4通信部43を介してそのセキュリティゲート30に送信する(ステップS110)。セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40から閉制御信号を受信し、受信した閉制御信号に従って扉駆動部33を駆動してセキュリティゲート30を閉状態とする。第3処理部36は、セキュリティゲート30が閉状態となったことを通知する閉通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する。
【0080】
上記したように、制御部452は、通行主体が人物である場合、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過した時にセキュリティゲート30を閉状態とする。一方、制御部452は、通行主体が走行ロボット10である場合、走行ロボット10の後端が扉の揺動端を通過した時に、セキュリティゲート30を閉状態とする。即ち、制御部452は、判定部451による通行主体が人物であるか走行ロボット10であるかの判定結果に応じて、セキュリティゲート30の扉を閉めるタイミングを変更する。これにより、制御システム1は、セキュリティゲート30において、利用者を安全に通過させつつ、走行ロボット10とともに不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することを防止できる。
【0081】
制御部452は、ステップS108で進行方向の反対方向に扉を開けていた場合、閉制御信号において、走行ロボット10の移動に従って段階的に扉を閉めることを指定する。即ち、制御部452は、通行主体が走行ロボット10であると判定された場合、走行ロボット10の移動に従って段階的に閉めるようにセキュリティゲート30の扉を制御する。
セキュリティゲート30の第3処理部36は、ステップS108の処理と同様にして、走行ロボット10の現在位置を取得する。即ち、第3処理部36は、センサ32から取得した検知信号、可視光画像又は熱画像に基づいて、走行ロボット10の現在位置を検出する。または、第3処理部36は、走行ロボット10から走行ロボット10の現在位置を受信する。または、第3処理部36は、監視カメラCから監視画像を受信し、受信した監視画像に基づいて走行ロボット10の位置を検出する。第3処理部36は、走行ロボット10の位置に基づいて、セキュリティゲート30の扉が走行ロボット10の後端と一定の距離を保ちながら徐々に閉まるように扉駆動部33を制御する。制御システム1は、走行ロボット10の移動に従って扉を段階的に閉めることにより、走行ロボット10と扉の間の隙間が大きくなるタイミングをなくし、走行ロボット10とともに不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することを防止できる。
一方、制御部452は、ステップS108で進行方向に扉を開けていた場合、閉制御信号において、一段階で扉を閉めることを指定する。
【0082】
図6(C)は、
図5(D)に示す状態から、走行ロボット10の後端がセキュリティゲート30の扉の揺動端を通過した後の様子を示す模式図である。
図6(D)は、
図6(C)に示す状態から、走行ロボット10がさらに進行し、セキュリティゲート30が閉状態となった様子を示す模式図である。
図6(C)及び
図6(D)に示すように、走行ロボット10が扉G1の揺動端(入口側の端部)の位置を通過したとき、セキュリティゲート30は、扉G1を閉め始めて、走行ロボット10の移動に従って段階的に扉を閉める。これにより、制御システム1は、セキュリティゲート30において、走行ロボット10を確実に通過させつつ、不正侵入者が走行ロボット10とともにセキュリティゲート30を通過することを防止できる。
【0083】
このように、制御部452は、判定部451による通行主体が人物であるか走行ロボット10であるかの判定結果に応じて、セキュリティゲート30の扉の開け方又は閉め方を変更する。以上により、制御処理は終了する。
【0084】
以上説明したように、制御システム1は、通行主体が人物であるか走行ロボット10であるかによってセキュリティゲート30の扉の開け方又は閉め方を変更する。これにより、制御システム1は、人物及び走行ロボット10が通過可能なセキュリティゲート30を適切に制御することができる。
【0085】
図7(A)、(B)は、セキュリティゲート30がスライド式ゲートである場合の扉の開け方及び閉め方について説明するための模式図である。
図7(A)は、スライド式ゲートであるセキュリティゲート30を利用者が通過する際の様子を示し、
図7(B)は、スライド式ゲートであるセキュリティゲート30を走行ロボット10が通過する際の様子を示す。
【0086】
図7(A)、(B)に示すように、セキュリティゲート30がスライド式ゲートである場合、扉G2は、幅方向B2にスライドすることにより開閉する。
通行主体が人物である場合、制御部452は、ステップS105で、開制御信号において第1タイミングに扉が第1位置で第1量だけ開くように扉を開けることを指定する。第1タイミングは、例えば即時(利用者がセキュリティゲート30の入口を通過した時)である。第1位置は、例えばセキュリティゲート30内の幅方向B2における中央位置である。第1量は、例えば扉の可動範囲の最大量である。
図7(A)に示すように、セキュリティゲート30の扉G2は、利用者Hがセキュリティゲート30の入口に到達した時に、中央位置で、最大量開く。また、通行主体が人物である場合、制御部452は、ステップS106で利用者がセキュリティゲート30の出口を通過したと判定された時に、ステップS107で閉制御信号を送信する。制御部452は、閉制御信号において、一段階で扉を閉めることを指定する。
一方、通行主体が走行ロボット10である場合、制御部452は、ステップS109で、開制御信号において第2タイミングに扉が第2位置で第2量だけ開くように扉を開けることを指定する。第2タイミングは、例えば所定時間後(走行ロボット10がセキュリティゲート30の扉の近傍に到達した時)である。第2位置は、例えばセキュリティゲート30内の幅方向B2における走行ロボット10の通過位置である。第2量は、例えば走行ロボット10の横サイズにマージンを加えた大きさである。
図7(B)に示すように、セキュリティゲート30の扉G2は、走行ロボット10が扉G2の近傍まで進入した時に、幅方向B2において走行ロボット10が存在する位置で走行ロボット10の横サイズ分だけ開く。また、通行主体が走行ロボット10である場合、制御部452は、ステップS110で走行ロボット10の後端がセキュリティゲート30の扉G2の位置を通過したと判定された時に、ステップS111で閉制御信号を送信する。制御部452は、閉制御信号において、一段階で扉を閉めることを指定する。
【0087】
図8(A)、(B)は、セキュリティゲート30がシャッター式ゲートである場合の扉の開け方及び閉め方について説明するための模式図である。
図8(A)は、シャッター式ゲートであるセキュリティゲート30を利用者Hが通過する際の様子を示し、
図7(B)は、シャッター式ゲートであるセキュリティゲート30を走行ロボット10が通過する際の様子を示す。
【0088】
図8(A)、(B)に示すように、セキュリティゲート30がシャッター式ゲートである場合、扉G3は、高さ方向B3にスライドすることにより開閉する。
通行主体が人物である場合、制御部452は、ステップS105で、開制御信号において第1タイミングに第1量だけ扉を開けることを指定する。第1タイミングは、例えば即時(利用者がセキュリティゲート30の入口を通過した時)である。第1量は、例えば扉の可動範囲の最大量である。
図8(A)に示すように、セキュリティゲート30の扉G3は、利用者Hがセキュリティゲート30の入口に到達した時に、最大量開く。また、通行主体が人物である場合、制御部452は、ステップS106で利用者がセキュリティゲート30の出口を通過したと判定された時に、ステップS107で閉制御信号を送信する。制御部452は、閉制御信号において、一段階で扉を閉めることを指定する。
一方、通行主体が走行ロボット10であると判定された場合、制御部452は、ステップS109で、開制御信号において第2タイミングに第2量だけ扉を開けることを指定する。第2タイミングは、例えば所定時間後(走行ロボット10がセキュリティゲート30の扉の近傍に到達した時)である。第2量は、例えば走行ロボット10の高さにマージンを加えた大きさである。
図8(B)に示すように、セキュリティゲート30の扉G2は、走行ロボット10が扉G3の近傍まで進入した時に、走行ロボット10の高さ分だけ開く。また、通行主体が走行ロボット10である場合、制御部452は、ステップS110で走行ロボット10の後端がセキュリティゲート30の扉G3の位置を通過したと判定された時に、ステップS111で閉制御信号を送信する。制御部452は、閉制御信号において、一段階で扉を閉めることを指定する。
【0089】
以上、好適な実施形態について説明したが、実施形態は上記した例に限定されない。例えば、
図4の検出処理は、ゲート管理サーバ40でなく、セキュリティゲート30により実行されてもよい。その場合、セキュリティゲート30の第3記憶部35は、ゲート管理サーバ40の第4記憶部44が記憶する各情報を記憶する。セキュリティゲート30の第3処理部36は、判定部451、制御部452及び取得部453と同様の機能を有する判定部、制御部及び取得部を有する。
【0090】
図4のステップS101において、判定部は、第3通信部34を介して走行ロボット10及び/又はゲート管理サーバ40から開要求信号を受信するまで、又は、読取部31が利用者の認証情報を読み取るまで待機する。
ステップS105、S107、S108、S110において、制御部は、決定した方法に従って扉駆動部33を駆動し、セキュリティゲート30を開閉させる。
ステップS106において、制御部は、センサ32から取得した検知信号、可視光画像又は熱画像に基づいて、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過したか否かを判定する。または、制御部452は、監視カメラCから監視画像を受信し、受信した監視画像に基づいて、利用者がセキュリティゲート30の出口を通過したか否かを判定する。
ステップS109、S110において、制御部は、第3通信部34を介して走行ロボット10から走行ロボット10の現在位置を受信する。または、制御部は、センサ32から取得した検知信号、可視光画像又は熱画像に基づいて、走行ロボット10の位置を検出する。または、制御部452は、監視カメラCから監視画像を受信し、受信した監視画像に基づいて、走行ロボット10の位置を検出する。
これらの場合も、制御システム1は、制御システム1は、人物及び走行ロボット10が通過可能なセキュリティゲート30を適切に制御することができる。
【0091】
また、走行ロボット10の第1処理部17は、開要求信号に代えて、これから自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を専有利用することを通知する利用要求信号を送信してもよい。セキュリティゲート30が専有利用された状態とは、他の自律走行ロボット10や人物によるそのセキュリティゲート30の利用が許可されない状態をいう。利用要求信号にも対象となる自律走行ロボット10のロボットID及び対象となるセキュリティゲート30のゲートIDが含まれ、開要求信号と同様にゲート管理サーバ40により照合される。利用要求信号を送信する場合、セキュリティゲート30はその要求が許可されたとしてもすぐに開状態とすることなく、例えば自律走行ロボット10が所定の位置に移動した後に開状態としてもよい。また、利用要求信号が許可された後に開要求信号が送信され、その開要求信号が許可された後に開状態とされてもよい。開要求信号及び利用要求信号は、セキュリティゲート30を通行するための通行要求の一例であり、いずれも自律走行ロボット10がセキュリティゲート30の通行を可能とするための信号である。
【0092】
本発明の一実施形態にかかる自律走行ロボットを含む制御システムは、労働力人口減少や長時間労働などの社会課題の解決に貢献し得るものである。
また、本発明の一実施形態にかかる自律走行ロボットを含む制御システムは、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献し得るものである。
【符号の説明】
【0093】
1 制御システム、10 走行ロボット、451 判定部、452 制御部、453 取得部