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特開2024-145725車両遠隔操作装置、車両遠隔操作方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145725
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】車両遠隔操作装置、車両遠隔操作方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20241004BHJP
   G08G 1/09 20060101ALN20241004BHJP
【FI】
H04Q9/00 301Z
G08G1/09 V
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058205
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】益田 卓朗
【テーマコード(参考)】
5H181
5K048
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB08
5H181BB15
5H181BB17
5H181FF13
5H181FF32
5H181MB01
5K048AA05
5K048BA42
5K048DC01
5K048EB02
5K048FB10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両の遠隔操作に関する適切な情報をユーザに提供すること。
【解決手段】車両遠隔操作装置は、車両の位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、前記車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて、前記遠隔操作要求により要求された操作を車両に実行させる遠隔操作部と、前記位置取得部が第一車両の位置情報を取得した場合に、前記第一車両の位置を含む予め定められた範囲内において第二車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて実行された前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信する送信部とを備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
前記車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて、前記遠隔操作要求により要求された操作を前記車両に実行させる遠隔操作部と、
前記位置取得部が第一車両の位置情報を取得した場合に、前記第一車両の位置を含む予め定められた範囲内において第二車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて実行された前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信する送信部と
を備える車両遠隔操作装置。
【請求項2】
前記位置取得部は、前記車両の停車位置を示す位置情報を取得し、
前記遠隔操作部は、前記車両が停車している場合に、前記ユーザ端末から受信した遠隔操作要求により要求された操作を前記車両に実行させる
請求項1に記載の車両遠隔操作装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記位置取得部が前記第一車両の位置情報を取得した場合に、前記第一車両が停車したときより前の予め定められた期間内、かつ、前記第一車両の停車位置を含む予め定められた範囲内において複数の前記遠隔操作要求に応じて実行された複数の前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信する
請求項2に記載の車両遠隔操作装置。
【請求項4】
前記第一車両のユーザの行動計画を取得する行動計画取得部
をさらに備え、
前記予め定められた範囲は、前記行動計画に応じて決定される
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両遠隔操作装置。
【請求項5】
前記車両の位置における環境を示す環境情報を取得する環境情報取得部
をさらに備え、
前記送信部は、前記行動計画に関連する時刻及び前記第一車両の位置における前記環境情報に関連する環境下、かつ、前記第一車両の停車位置を含む予め定められた範囲内において前記遠隔操作要求に応じて実行された前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信する
請求項4に記載の車両遠隔操作装置。
【請求項6】
前記車両が有する機能を示す機能情報を取得する機能情報取得部
をさらに備え、
前記送信部は、前記第一車両の停車位置を含む予め定められた範囲内において前記遠隔操作要求に応じて実行された、前記第一車両が有する前記機能に関連する機能を有する前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信する
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両遠隔操作装置。
【請求項7】
前記第一車両の予め定められた期間における位置情報と前記位置情報が示す位置に前記第一車両が存在した頻度を含む使用履歴に基づいて、前記第一車両が主として使用される使用エリアを設定する使用エリア設定部
をさらに備え、
前記送信部は、前記位置取得部が前記第一車両の位置情報を取得した場合に、前記第一車両の位置情報が示す位置が前記使用エリア外にあることを条件として、前記第一車両の位置を含む予め定められた範囲内において第二車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて実行された前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信する
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両遠隔操作装置。
【請求項8】
車両の位置を示す位置情報を取得する段階と、
前記車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて、前記遠隔操作要求により要求された操作を前記車両に実行させる段階と、
第一車両の位置情報を取得した場合に、前記第一車両の位置を含む予め定められた範囲内において第二車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて実行された前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信する段階と
を備える車両遠隔操作方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両遠隔操作装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両遠隔操作装置、車両遠隔操作方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転車両を制御するための遠隔指示を自動運転車両に対して行うシステムが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
特許文献1 特開2021-43524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、車両の遠隔操作に関する適切な情報をユーザに提供することが課題である。本願は上記課題の解決のため、操作性の向上を目的としたものである。そして、延いては交通の安全性をより一層改善して持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、車両遠隔操作装置が提供される。車両遠隔操作装置は、車両の位置を示す位置情報を取得する位置取得部を備える。車両遠隔操作装置は、前記車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて、前記遠隔操作要求により要求された操作を前記車両に実行させる遠隔操作部を備える。車両遠隔操作装置は、前記位置取得部が第一車両の位置情報を取得した場合に、前記第一車両の位置を含む予め定められた範囲内において第二車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて実行された前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信する送信部を備える。
【0005】
上記の車両遠隔操作装置において、前記位置取得部は、前記車両の停車位置を示す位置情報を取得してよい。前記遠隔操作部は、前記車両が停車している場合に、前記ユーザ端末から受信した遠隔操作要求により要求された操作を前記車両に実行させてよい。
【0006】
上記いずれかの車両遠隔操作装置において、前記送信部は、前記位置取得部が前記第一車両の位置情報を取得した場合に、前記第一車両が停車したときより前の予め定められた期間内、かつ、前記第一車両の停車位置を含む予め定められた範囲内において複数の前記遠隔操作要求に応じて実行された複数の前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信してよい。
【0007】
上記いずれかの車両遠隔操作装置は、前記第一車両のユーザの行動計画を取得する行動計画取得部を備えてよい。前記予め定められた範囲は、前記行動計画に応じて決定されてよい。
【0008】
上記いずれかの車両遠隔操作装置は、前記車両の位置における環境を示す環境情報を取得する環境情報取得部を備えてよい。前記送信部は、前記行動計画に関連する時刻及び前記第一車両の位置における前記環境情報に関連する環境下、かつ、前記第一車両の停車位置を含む予め定められた範囲内において前記遠隔操作要求に応じて実行された前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信してよい。
【0009】
上記いずれかの車両遠隔操作装置は、前記車両が有する機能を示す機能情報を取得する機能情報取得部を備えてよい。前記送信部は、前記第一車両の停車位置を含む予め定められた範囲内において前記遠隔操作要求に応じて実行された、前記第一車両が有する前記機能に関連する機能を有する前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信してよい。
【0010】
上記いずれかの車両遠隔操作装置は、前記第一車両の予め定められた期間における位置情報と前記位置情報が示す位置に前記第一車両が存在した頻度を含む使用履歴に基づいて、前記第一車両が主として使用される使用エリアを設定する使用エリア設定部を備えてよい。前記送信部は、前記位置取得部が前記第一車両の位置情報を取得した場合に、前記第一車両の位置情報が示す位置が前記使用エリア外にあることを条件として、前記第一車両の位置を含む予め定められた範囲内において第二車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて実行された前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信してよい。
【0011】
本発明の第2の態様においては、車両遠隔操作方法が提供される。車両遠隔操作方法は、車両の位置を示す位置情報を取得する段階を備える。車両遠隔操作方法は、前記車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて、前記遠隔操作要求により要求された操作を前記車両に実行させる段階を備える。車両遠隔操作方法は、第一車両の位置情報を取得した場合に、前記第一車両の位置を含む予め定められた範囲内において第二車両に関連づけられたユーザ端末からの遠隔操作要求に応じて実行された前記第二車両の操作に関連する情報を、前記第一車両に関連づけられたユーザ端末に送信する段階を備える。
【0012】
本発明の第3の態様においては、プログラムが提供される。前記プログラムは、コンピュータを、上記いずれかの車両遠隔操作装置として機能させる。
【0013】
上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態における車両遠隔操作システム5の利用形態を概念的に示す。
図2】車両遠隔操作装置100が、遠隔操作情報に基づいてユーザ90へのリコメンドを行う状況を説明するための図である。
図3】車両遠隔操作装置100が備える機能構成を備える。
図4】記憶装置290に記憶される車両固有情報のデータ構造の一例を示す。
図5】記憶装置290に記憶される車両の使用履歴情報のデータ構造の一例を示す。
図6】記憶装置290に記憶される遠隔操作履歴情報のデータ構造の一例を示す。
図7】記憶装置290に記憶される操作関連推奨情報のデータ構造の一例を示す。
図8】ユーザ端末92、車両10及び車両遠隔操作装置100において実行される処理の概要を示す。
図9】車両遠隔操作装置100が実行する車両遠隔制御方法に係るフローチャートの一例を示す。
図10】コンピュータ2000の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、一実施形態における車両遠隔操作システム5の利用形態を概念的に示す。車両遠隔操作システム5は、車両遠隔操作装置100と、車両10a、車両10b及び車両10cを含む複数の車両とを含む。
【0017】
本実施形態において、車両10a、車両10b及び車両10cは、移動体の一例である。車両10a、車両10b及び車両10cは、例えば、電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車等の自動車である。本実施形態において、車両10a、車両10b及び車両10cを含む複数の車両を「車両10」と総称する場合がある。
【0018】
車両遠隔操作装置100は、車両10及びユーザ端末92と通信可能である。例えば、車両遠隔操作装置100は、車両10及びユーザ端末92と、移動通信網を通じて通信可能である。
【0019】
車両10は、車両10において走行中に取得された車両情報を、直接又は間接的に、車両遠隔操作装置100に定期的に送信する。車両情報は、例えば車両10の現在位置情報、車速情報等を含む。車両10は、走行中及び停止中に、車両10で取得された車両環境情報を、車両遠隔操作装置100に送信する。車両環境情報は、車両10内の温度及び湿度、並びに車両10外の外気温を含む。車両遠隔操作装置100は、車両環境情報を送信するよう要求する要求情報を車両10に送信してよく、車両10は、車両遠隔操作装置100から要求情報を受信した場合に車両環境情報を車両遠隔操作装置100に送信してよい。車両遠隔操作装置100は、車両10から受信した車両情報及び車両環境情報を記憶する。
【0020】
車両遠隔操作装置100は、外部の天気情報サーバから収集した天気情報に基づいて、車両10が存在するエリアにおける過去及び将来の天気情報を取得することができる。天気情報は、気温、湿度、風向、風速等を含む。
【0021】
ユーザ端末92aは、車両10aのユーザ90aが所持するユーザ端末である。ユーザ端末92bは、車両10bのユーザ90bが所持するユーザ端末である。ユーザ端末92cは、車両10cのユーザ90cが所持するユーザ端末である。本実施形態において、ユーザ90a、ユーザ90b及びユーザ90cを「ユーザ90」と総称する場合がある。本実施形態において、ユーザ端末92a、ユーザ端末92b及びユーザ端末92cを「ユーザ端末92」と総称する場合がある。ユーザ端末92は、例えば、スマートフォンである。ユーザ端末92は、スマートフォン以外の携帯可能な端末であってよい。ユーザ端末92は、通信機能を有するコンピューティングデバイスであってよい。ユーザ端末92は、携帯電話、PDA、タブレット・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータ等の端末であってよい。
【0022】
ユーザ90は、ユーザ端末92及び車両遠隔操作装置100を通じて、車両10を遠隔操作することができる。例えば、ユーザ90は、冬に車両10に乗車する前に車両10の車内温度を上昇させる場合、ユーザ端末92に対して、車両10のエアコンディショナを予め動作させるための操作を行う。ユーザ端末92は、ユーザ操作に応じて、エアコンディショナの暖房動作を要求する遠隔操作要求を、車両遠隔操作装置100に送信する。車両遠隔操作装置100は、遠隔操作要求を受信すると、遠隔操作要求の送信元のユーザ端末92に対応づけられた車両10に、エアコンディショナの暖房動作を指示する操作指示を送信することにより、車両10のエアコンディショナの暖房動作を実行させる。車両遠隔操作装置100は、ユーザ端末92から要求された遠隔操作を示す遠隔操作情報を、車両10の位置とともに記憶する。これにより、車両遠隔操作装置100は、ユーザ90から要求された遠隔操作を示す遠隔操作情報を、車両10の位置に対応づけて蓄積することができる。
【0023】
図2は、車両遠隔操作装置100が、遠隔操作情報に基づいてユーザ90へのリコメンドを行う状況を説明するための図である。ここでは、車両遠隔操作装置100がユーザ90aにリコメンドを行う場合を説明する。車両10aが停車すると、車両10aは停車した時点の位置情報を車両遠隔操作装置100に送信する。
【0024】
車両遠隔操作装置100は、遠隔操作情報及び天気情報を参照して、停車中の車両10aの車両環境及び天気情報に適合する環境下において、かつ、車両10aの停車位置を含む予め定められた範囲内において、過去に1以上の車両10で実行された複数の遠隔操作を抽出する。車両遠隔操作装置100は、抽出した複数の遠隔操作に基づいて、ユーザ端末92への推奨情報を送信する。例えば、車両10aの車内外の環境に適合する環境下において、かつ、車両10aの停車位置を含む予め定められた範囲内において、遠隔操作によってエアコンディショナの暖房動作が要求された車両10が予め定められた数を超える場合、車両遠隔操作装置100は、車両10aのエアコンディショナの暖房動作を推奨する旨の推奨情報を、ユーザ端末92aに送信する。ユーザ90aは、ユーザ端末92aが受信した推奨情報に沿って、エアコンディショナの暖房動作の実行指示操作をユーザ端末92aに対して行うと、ユーザ端末92aは、エアコンディショナの暖房動作の実行を指示する遠隔操作実行指示を、車両遠隔操作装置100に送信する。車両遠隔操作装置100は、ユーザ端末92aから遠隔操作実行指示を受信すると、エアコンディショナの暖房動作を指示する操作指示を車両10aに送信することにより、車両10aのエアコンディショナの暖房動作を実行させる。
【0025】
車両遠隔操作システム5によれば、ユーザ90aは、例えば、車両10内を暖めることが望まれる土地及び/又は環境下にある場合に、車両10aのエアコンディショナの暖房動作を実行させることができる。これにより、ユーザ90aは車両10aに乗車した時に快適に過ごすことができる。例えばユーザ90aが初めて行った土地では、車両10aのエアコンディショナ等の遠隔操作を行うことが望ましいか否かが分からない場合があるが、車両遠隔操作システム5によれば、その土地においてエアコンディショナ等の遠隔操作が過去に頻繁に行われている場合には、エアコンディショナ等の遠隔操作を行うことをユーザ90aに推奨することができる。
【0026】
図3は、車両遠隔操作装置100が備える機能構成を示す。車両遠隔操作装置100は、処理装置200と、通信装置280と、記憶装置290とを備える。車両遠隔操作装置100は、1つ以上のコンピュータによって実現されてよい。
【0027】
通信装置280は、車両10との間の通信を担う。通信装置280は、受信部282と、送信部284とを備える。
【0028】
記憶装置290は、車両遠隔操作装置100において使用される情報を記憶する。記憶装置290は、不揮発性の記憶媒体を用いて実現されてよい。
【0029】
処理装置200は、位置取得部210と、遠隔操作部220と、推奨情報決定部230と、行動計画取得部240と、機能情報取得部250と、使用エリア設定部260と、環境情報取得部270とを備える。
【0030】
位置取得部210は、車両10の位置を示す位置情報を取得する。遠隔操作部220は、車両10に関連づけられたユーザ端末92からの遠隔操作要求に応じて、遠隔操作要求により要求された操作を車両10に実行させる。送信部284は、位置取得部210が第一の車両10の位置情報を取得した場合に、第一の車両10の位置を含む予め定められた範囲内において第二の車両10に関連づけられたユーザ端末92からの遠隔操作要求に応じて実行された第二の車両10の操作に関連する情報を、第一の車両10に関連づけられたユーザ端末92に送信する。具体的には、推奨情報決定部230は、位置取得部210が第一の車両10の位置情報を取得した場合に、第一の車両10の位置を含む予め定められた範囲内において第二の車両10に関連づけられたユーザ端末92からの遠隔操作要求に応じて実行された第二の車両10の操作に関連する情報を、推奨情報として決定し、送信部284は、推奨情報決定部230が決定した推奨情報をユーザ端末92に送信する。
【0031】
これにより、車両10の位置付近で実行された遠隔操作に関連する情報をユーザ90に提供することができる。そのため、例えば、ユーザ90が寒い地域に初めて車両10で行った場合に、車両10に搭乗する前に暖房を動作させること等の推奨情報を提供することができる。これにより、ユーザ90が車両10に搭乗するときに快適に過ごすことが可能となる。
【0032】
位置取得部210は、車両10の停車位置を示す位置情報を取得する。遠隔操作部220は、車両10が停車している場合に、ユーザ端末92から受信した遠隔操作要求により要求された操作を車両10に実行させる。位置取得部210が車両10の停車位置を取得する構成を採用することで、位置情報を車両10の走行中も継続的に受信する構成に比べて、通信容量を削減することができる。
【0033】
送信部284は、位置取得部210が第一の車両10の位置情報を取得した場合に、第一の車両10が停車したときより前の予め定められた期間内、かつ、第一の車両10の停車位置を含む予め定められた範囲内において複数の遠隔操作要求に応じて実行された複数の第二の車両10の操作に関連する情報を、第一の車両10に関連づけられたユーザ端末92に送信する。これにより、複数の車両10や、複数の遠隔操作データに基づき推奨情報を決定することができるので、より効果的な推奨情報を提供することができる。
【0034】
行動計画取得部240は、第一の車両10のユーザ90の行動計画を取得する。「予め定められた範囲」は、行動計画に応じて決定されてよい。これにより、ユーザ90の行動が予定されている場合、車両遠隔操作装置100は車両10の目的地を含む範囲内において過去に他の車両10で実行された遠隔操作に基づく推奨情報をユーザ90に提供することができる。行動計画取得部240は、車両10が備えるナビゲーション装置から目的地情報を取得してよい。行動計画取得部240は、ユーザ90がスケジュール管理サーバ又はユーザ端末92に登録されているスケジュール情報を取得してよい。行動計画取得部240は、ユーザ90による車両10の過去の使用履歴に基づいて、ユーザ90の行動計画を取得してよい。例えば、行動計画取得部240は、車両10の使用履歴に基づいて車両10が定期的に使用されていると判断される場合に、通勤又は送迎等で車両10が定期的に使用されていると判断し、定期的な車両10の使用時刻に基づいて、将来においてユーザ90が車両10を使用する時刻を判断してよい。
【0035】
環境情報取得部270は、車両10の位置における環境を示す環境情報を取得する。環境情報取得部270は、外部の天気情報サーバから収集した天気情報を環境情報として取得してよい。環境情報取得部270は、車両10において検出された車両内又は車両外の環境情報を車両環境情報として取得してよい。送信部284は、行動計画に関連する時刻及び第一の車両10の位置における環境情報に関連する環境下、かつ、第一の車両10の停車位置を含む予め定められた範囲内において遠隔操作要求に応じて実行された第二の車両10の操作に関連する情報を、第一の車両10に関連づけられたユーザ端末92に送信してよい。環境情報は、気温、湿度、天気、風速、風向等を含む。これにより、ユーザ90が使用する車両10の環境に応じた推奨情報を提供することができる。
【0036】
機能情報取得部250は、車両10が有する機能を示す機能情報を取得する。送信部284は、第一の車両10の停車位置を含む予め定められた範囲内において遠隔操作要求に応じて実行された、第一の車両10が有する機能に関連する機能を有する第二の車両10の操作に関連する情報を、第一の車両10に関連づけられたユーザ端末92に送信してよい。これにより、ユーザ90の車両10が備える機能に適した推奨情報を提供することができる。機能情報は、例えば、車両10が電気自動車であるか、ハイブリッド車であるか、内燃機関を備えるエンジン車であるか等を示す情報を含む。車両10が電気自動車又はプラグインハイブリッド車である場合、機能情報は車両10が備えるバッテリの残量情報を含んでよく、推奨情報決定部230は、車両10が備えるバッテリの残量情報が予め定められた値を下回る場合、使用電力量が予め定められた値を超える操作を推奨しないように推奨情報を決定することができる。
【0037】
使用エリア設定部260は、第一の車両10の予め定められた期間における位置情報と当該位置情報とが示す位置に前記第一の車両10が存在した頻度を含む使用履歴に基づいて、第一の車両10が主として使用される使用エリアを設定する。例えば、使用エリア設定部260は、第一の車両10が予め定められた期間(例えば、3年間)に予め定められた回数以上通過した位置を含む予め定められた範囲(例えば、当該位置を中心として半径10km以内)を、主として使用される使用エリアとして設定する。送信部284は、位置取得部210が第一の車両10の位置情報を取得した場合に、第一の車両10の位置情報が示す位置が使用エリア外にあることを条件として、第一の車両10の位置を含む予め定められた範囲内において第二の車両10に関連づけられたユーザ端末92からの遠隔操作要求に応じて実行された第二の車両10の操作に関連する情報を、第一の車両10に関連づけられたユーザ端末92に送信してよい。これにより、ユーザ90が初めて車両10で出かけた地域において推奨情報を提供することができ、ユーザ90が車両10を頻繁に使用する地域においては推奨情報を抑制するようにすることができる。
【0038】
図4は、記憶装置290に記憶される車両固有情報のデータ構造の一例を示す。車両固有情報は、車両IDと、機能情報と、ユーザ情報とを対応づける。
【0039】
車両IDは、車両10の識別情報である。機能情報は、車両10の機能を示す情報を含む。機能情報は、車両10の駆動源の種別を示す駆動源情報を含む。駆動源情報は、例えば、車両10が電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車、及びエンジン車のいずれであるかを示す情報を含んでよい。機能情報は、エネルギー源の状態情報を含んでよい。エネルギー源の状態情報は、バッテリ残量を示す情報を含んでよい。機能情報は、サイズ情報を含んでよい。サイズ情報は、例えば、車両10の車内空間の体積を示す情報、車両10の外形サイズを示す情報等を含んでよい。機能情報は、その他、遠隔駐車機能を有するか否か等、遠隔操作の選択や実行に関連する情報を含んでよい。
【0040】
ユーザ情報は、ユーザ端末92の識別情報、ユーザ90の識別情報、ユーザ90の行動予定情報等を含んでよい。ユーザ90の行動予定情報は、車両10が備えるナビゲーション装置又はユーザ90のスケジュールを管理するスケジュール管理サーバから取得した情報を含んでよい。ユーザ90の行動予定情報は、車両10の使用履歴から推定されるユーザ90の定期的な行動情報を含んでよい。
【0041】
図5は、記憶装置290に記憶される車両の使用履歴情報のデータ構造の一例を示す。使用履歴情報は、車両IDと、日時情報と、位置情報と、状態情報とを対応づける。
【0042】
車両IDは、車両10の識別情報である。日時情報は、車両10において情報を取得したタイミングを示す日時を示す。
【0043】
位置情報は、車両10の現在位置を示す。例えば、位置情報は、車両10の現在位置の緯度及び経度を示す。車両10の現在位置の緯度及び経度は、車両10が備えるGNSS受信機がGNSS衛星からの信号を受信することによって、車両10において検出され得る。
【0044】
状態情報は、車両10の状態を示す。車両10の状態は、例えば、走行、停車、イグニッション(IG)オフ等を示す情報を含む。車両遠隔操作装置100は、車両10から車両の状態を示す情報を取得する。IGオフに対応する位置情報は、車両10の停車位置を示す位置情報として使用され得る。
【0045】
行動計画取得部240は、使用履歴情報に基づいて、ユーザ90の定期的な行動を推定し、推定した定期的な行動に基づいて行動計画を生成してよい。ユーザ90の定期的な行動は、例えば、車両10の定期的な使用開始時刻を示す情報を含んでよい。車両10の定期的な使用開始時刻は、例えば、平日において車両10で出発する時刻等であってよい。
【0046】
図6は、記憶装置290に記憶される遠隔操作履歴情報のデータ構造の一例を示す。遠隔操作履歴情報は、車両IDと、位置情報と、操作情報と、車両環境情報と、実行日時情報と、推奨度とを対応づける。
【0047】
車両IDは、車両10の識別情報である。位置情報は、遠隔操作を実行したときの車両10の位置を示す。例えば、位置情報は、遠隔操作を実行したときの車両10の位置の緯度及び経度を示す。
【0048】
操作情報は、遠隔操作の種別を示す情報である。例えば、操作情報は、暖房を動作させる「暖房ON」、デフロスターを動作させる「デフロスターON」、デフォッガーを動作させる「デフォッガーON」、車両10の駐車支援を車両10外からユーザ端末92等を通じて行う「遠隔駐車」等である。
【0049】
車両環境情報は、車両10において取得された車内温度、車内湿度、車外温度、及び車外湿度等を示す。実行日時情報は、車両10に遠隔操作を実行した日時を示す。推奨度は、対応する操作情報が示す操作の推奨度合いを示す。
【0050】
図7は、記憶装置290に記憶される操作関連推奨情報のデータ構造の一例を示す。操作関連推奨情報は、操作情報と、関連推奨情報とを対応づける。操作情報は、図6に関連して説明した遠隔操作の種別を示す情報である。
【0051】
関連推奨情報は、遠隔操作に関連して車両遠隔操作装置100が推奨し得る情報である。例えば、図7に示されるように「暖房ON」には「デフロスターON」及び「インドア活動を推奨」が対応づけられる。過去に多くの車両10で「暖房ON」の遠隔操作が要求されている場合、その地域は気温が低くなる地域であることが予測される。したがって、そのような地域に停車している車両10のユーザ90には、車両10の暖房をONする操作を推奨する以外に、車両10のデフロスターを動作させることを推奨する、又は、インドア活動を推奨することが可能になる。
【0052】
同様に、操作関連推奨情報において「遠隔駐車」には「他の駐車場の利用を推奨」が対応づけられる。過去に多くの車両10で「遠隔駐車」の遠隔操作が要求された場所は、駐車スペースが狭いことが予測される。したがって、そのような場所に停車した車両10のユーザ90には、遠隔駐車を推奨する以外に、他の駐車場の利用を推奨することが可能になる。このように、関連推奨情報は、車両10の遠隔操作の推奨情報以外に、ユーザの行動に関する推奨情報を含み得る。
【0053】
図8は、ユーザ端末92、車両10及び車両遠隔操作装置100において実行される処理の概要を示す。図8では、分かり易く説明することを目的として、ユーザ端末92b及び車両10bと、ユーザ端末92a及び車両10aと、車両遠隔操作装置100が実行する動作を示す。
【0054】
S810において、ユーザ端末92bは、ユーザ90bのユーザ操作に応じて、ユーザ90bが要求した操作を示す遠隔操作要求を、車両遠隔操作装置100に送信する。車両遠隔操作装置100において、受信部282がユーザ端末92bから送信された遠隔操作要求を受信すると、遠隔操作要求で要求される操作を実行することを指示する操作指示を、車両10bに送信する(S812)。
【0055】
S814において、車両10bは、車両遠隔操作装置100から受信した操作指示に従って、指示された操作を実行する。車両10bにおいて操作が実行されると、車両遠隔操作装置100の記憶装置290は、車両10bに指示した操作を示す操作情報を、車両10bの車両ID、車両10bの位置情報、車両10bの車両環境情報、及び日時情報とともに、遠隔操作履歴情報に記憶する(S816)。
【0056】
その後、車両10aが停車しIG(イグニッション)電源をオフする操作が行われると、車両10aは車両10aが停止したことを示す停止情報を車両遠隔操作装置100に送信する(S830)。停止情報には、車両10aの現在位置を示す情報が含まれる。受信部282が停止情報を受信すると、位置取得部210は停止情報から車両10の位置情報を抽出し、記憶装置290は、抽出された位置情報を、車両10aの車両ID、現在の日時情報、及びIGオフを示す状態情報とともに、車両使用履歴情報として記憶する。
【0057】
S834において、推奨情報決定部230は、遠隔操作履歴に基づいてユーザ90aへの推奨を行うと判断した場合、推奨情報を決定する。推奨情報決定部230は、例えば、行動計画取得部240によって取得されたユーザ90aの行動計画に基づいて、ユーザ90aの行動予定時刻から予め定められた時間だけ前のタイミングとなり、かつ、現在の車両環境及び車両10aの位置を含む地域の天気情報を含む車両10aの車内外の環境情報が予め定められた条件を満たす場合に、遠隔操作履歴に基づいてユーザ90aに推奨すると判断する。予め定められた条件は、例えば車内温度及び/又は車外の外気温度に関する条件を含んでよい。車内温度又は外気温度に関する予め定められた条件は、車内温度及び/又は外気温度が予め定められた閾値以下になることを含んでよい。車内温度又は外気温度に関する予め定められた条件は、車内温度及び/又は外気温度が予め定められた閾値以上になることを含んでよい。予め定められた条件としては、例えば車内温度及び/又は車外の外気温度に関する条件の他、車内の湿度及び/又は車外の外気の湿度に関する条件を含んでよい。
【0058】
推奨情報を決定する場合、推奨情報決定部230は、遠隔操作履歴情報を参照して、車両10aの車内外の環境情報と合致する環境情報下において、かつ、S830で受信した車両10aの位置を含む予め定められた地理的範囲内において、車両10aの機能情報と合致する機能情報の車両10において過去に遠隔操作要求に応じて実行された操作の操作情報を抽出する。更に、推奨情報決定部230は、操作関連推奨情報を参照して、抽出した操作情報に対応づけられた関連推奨情報を選択する。推奨情報決定部230は、抽出した操作情報が示す操作を示す推奨情報、及び/又は、操作関連推奨情報から選択した関連推奨情報の中から、1つ以上の推奨情報を、ユーザ90aに推奨する推奨情報として決定する。この際、推奨情報決定部230は、遠隔操作履歴情報においてより高い推奨度に対応づけられている操作情報に基づく推奨情報を、ユーザ90aに推奨する推奨情報としてより優先して決定してよい。
【0059】
S836において、送信部284は、S834において推奨情報決定部230が決定した推奨情報を、ユーザ端末92aに送信する。ユーザ端末92aは、ユーザ90aによって車両10aの操作を実行することが指示されると、当該操作を実行することを指示する遠隔操作実行指示を、車両遠隔操作装置100に送信する(S840)。
【0060】
車両遠隔操作装置100において、受信部282がユーザ端末92aから送信された遠隔操作実行指示を受信すると、遠隔操作実行指示で指示される操作を実行することを指示する操作指示を、車両10aに送信する(S842)。
【0061】
S844において、車両10aは、車両遠隔操作装置100から受信した操作指示に従って、指示された操作を実行する。S848において、車両10aに指示した操作が車両10aにおいて実行された旨の応答情報を受信部282が受信すると、車両遠隔操作装置100の記憶装置290は、遠隔操作履歴情報の推奨度を設定する(S848)。具体的には、S834において推奨情報を決定する場合に遠隔操作履歴情報の中から抽出した操作情報のうち、車両10aに指示し車両10aにおいて実行された操作に該当する操作情報に対応づけられた推奨度を高く設定する。
【0062】
図9は、車両遠隔操作装置100が実行する車両遠隔制御方法に係るフローチャートの一例を示す。図9の処理は、車両10の停車時又は車両10のユーザ90の行動計画から定まる予め定められたタイミングで実行されてよい。
【0063】
S902において、位置取得部210は車両10の停車位置を取得する。S904において、推奨情報決定部230は、停車位置が車両10の通常行動範囲外であるか否かを判断する。例えば、推奨情報決定部230は、使用エリア設定部260が設定した使用エリア外であるか否かを判断する。使用エリア設定部260は、車両使用履歴情報に基づいて、予め定められた期間に予め定められた回数以上通過した位置を含む予め定められた地理的範囲を、車両10が主として使用される使用エリアとして設定する。
【0064】
S904において、車両10の停車位置が車両10の通常行動範囲外でないと判断された場合、車両遠隔操作装置100は本フローチャートの処理を終了する。S904において、車両10の停車位置が車両10の通常行動範囲外であると判断された場合、S906において、推奨情報決定部230は、車両10の停車位置含む予め定められた地位範囲を決定する。続いて、S908において、推奨情報決定部230は、遠隔操作履歴情報を参照して、S906で決定した地理的範囲内において他の車両10で実行された操作の操作情報を抽出する。このとき、図8等に関連して説明したように、推奨情報決定部230は、車両10の車内外の環境情報と合致する環境情報下において、他の車両10で実行された操作の操作情報を抽出してよい。更に、推奨情報決定部230は、車両10の機能情報と合致する機能情報の他の車両10において過去に実行された操作の操作情報を抽出してよい。
【0065】
S912において、推奨情報決定部230は、遠隔操作履歴に基づきユーザ90への推奨を行うか否かを判断する。例えば、推奨情報決定部230は、車両10のユーザ90の行動計画から定まる予め定められたタイミングにおいて車両10内外の環境情報が予め定められた条件を満たす場合に、遠隔操作履歴に基づきユーザ90への推奨を行うと判断する。
【0066】
S912において、遠隔操作履歴に基づきユーザへの推奨を行わないと判断した場合、車両遠隔操作装置100は本フローチャートの処理を終了する。S912において遠隔操作履歴に基づきユーザ90への推奨を行うと判断した場合、S914において、推奨情報決定部230は推奨情報を決定する。具体的には、推奨情報決定部230は、図8に関連して説明したように、遠隔操作履歴情報を参照して、車両10の車内外の環境情報及び/又は車両10の機能情報を考慮して、車両10の停車位置を含む予め定められた地理的範囲内において過去に遠隔操作要求に応じて実行された操作の操作情報を抽出し、抽出した操作情報に基づいて、推奨情報を決定する。
【0067】
S916において、送信部284は、S914で推奨情報決定部230が決定した推奨情報を、ユーザ端末92に送信する。S918において、推奨情報決定部230は、車両10における実行結果に応じて、遠隔操作履歴情報における推奨度を設定する。例えば、推奨情報決定部230は、推奨した操作を実行することを要求する遠隔操作要求をユーザ端末92から受信し、かつ、車両10に操作指示を送信した後に車両10から操作を実行した旨の信号を受信した場合に、車両10に指示し車両10において実行された操作に該当する操作情報に対応づけられた推奨度を高める。反対に、推奨情報決定部230は、推奨した操作を実行することを要求する遠隔操作要求をユーザ端末92から受信しなかった場合に、推奨した操作に該当する操作情報に対応づけられた推奨度を低下させる。
【0068】
以上に説明した実施形態において、通信装置280が移動通信網等の無線通信により車両遠隔操作装置100と通信する形態を説明した。しかし、車両10が電気自動車である場合、車両10が充電装置に接続されているときに、車両10は当該充電装置を通じて車両遠隔操作装置100へ情報を送信してよい。これにより、車両10が移動通信網を通じて行われる通信量を削減することができる。車両遠隔操作装置100は、充電装置を通じて車両10から情報を受信した場合、車両10の位置情報として、予め登録されている充電装置の位置情報を適用してよい。これにより、GNSS衛星からの信号に基づく位置検出誤差が車両10の位置情報の精度に影響しないようにすることができる。
【0069】
以上に説明した実施形態における車両10は移動体の一例である。移動体としては、車両以外の任意の輸送機器を適用できる。
【0070】
図10は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。コンピュータ2000にインストールされたプログラムは、コンピュータ2000を、実施形態にかかる車両遠隔操作システム5の各部、もしくは車両遠隔操作装置100等の装置又は当該装置の各部として機能させる、当該システム又はシステムの各部もしくは当該装置又は当該装置の各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び/又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2000に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU2012によって実行されてよい。
【0071】
本実施形態によるコンピュータ2000は、CPU2012、及びRAM2014を含み、それらはホストコントローラ2010によって相互に接続されている。コンピュータ2000はまた、ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040を含む。ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040は、入力/出力コントローラ2020を介してホストコントローラ2010に接続されている。
【0072】
CPU2012は、ROM2026及びRAM2014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0073】
通信インタフェース2022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ2024は、コンピュータ2000内のCPU2012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ROM2026は、アクティブ化時にコンピュータ2000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力/出力チップ2040はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力/出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート等の入力/出力ポートを介して、入力/出力コントローラ2020に接続してよい。
【0074】
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、又はメモリカードのようなコンピュータ可読記憶媒体又はネットワークを介して提供される。RAM2014、ROM2026、又はフラッシュメモリ2024は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ2024、RAM2014、又はROM2026にインストールされ、CPU2012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2000に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0075】
例えば、コンピュータ2000及び外部デバイス間で通信が実行される場合、CPU2012は、RAM2014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2022は、CPU2012の制御下、RAM2014及びフラッシュメモリ2024のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0076】
また、CPU2012は、フラッシュメモリ2024等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2014に読み取られるようにし、RAM2014上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。CPU2012は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。
【0077】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。CPU2012は、RAM2014から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をRAM2014にライトバックする。また、CPU2012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2012は、第1の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0078】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ2000上又はコンピュータ2000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能である。コンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2000に提供してよい。
【0079】
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を車両遠隔操作装置100として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、車両遠隔操作装置100の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である車両遠隔操作装置100の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の車両遠隔操作装置100が構築される。
【0080】
様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、(1)オペレーションが実行されるプロセスの段階又は(2)オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。
【0081】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0082】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0083】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0084】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0085】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の序順で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0086】
5 車両遠隔操作システム
10 車両
90 ユーザ
92 ユーザ端末
100 車両遠隔操作装置
200 処理装置
210 位置取得部
220 遠隔操作部
230 推奨情報決定部
240 行動計画取得部
250 機能情報取得部
260 使用エリア設定部
270 環境情報取得部
280 通信装置
282 受信部
284 送信部
290 記憶装置
2000 コンピュータ
2010 ホストコントローラ
2012 CPU
2014 RAM
2020 入力/出力コントローラ
2022 通信インタフェース
2024 フラッシュメモリ
2026 ROM
2040 入力/出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10