(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145753
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
H02S 20/32 20140101AFI20241004BHJP
H02S 30/00 20140101ALI20241004BHJP
【FI】
H02S20/32
H02S30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058237
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】514158800
【氏名又は名称】株式会社クリーンエナジージャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井原 邦宜
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA05
5F251JA02
5F251JA09
5F251JA13
5F251JA14
(57)【要約】
【課題】農地等に設置される太陽光パネルによる発電の効率を向上させる。
【解決手段】少なくとも一方の面に受光面を有し、光による発電を行う太陽光発電パネルと、前記太陽光発電パネルを支持するフレームと、前記フレームを回転軸周りに回転する駆動部と、前記一方の面の前記受光面を下向きとし、かつ、前記受光面の法線方向と前記太陽光発電パネルから太陽への方向とが直交するように、前記駆動部により前記フレームの向きを制御する制御装置とを備える、太陽光発電装置とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の面に受光面を有し、光による発電を行う太陽光発電パネルと、
前記太陽光発電パネルを支持するフレームと、
前記フレームを回転軸周りに回転する駆動部と、
前記一方の面の前記受光面を下向きとし、かつ、前記受光面の法線方向と前記太陽光発電パネルから太陽への方向とが直交するように、前記駆動部により前記フレームの向きを制御する制御装置とを備える、
太陽光発電装置。
【請求項2】
前記太陽光発電パネルは、前記一方の面に前記受光面を有するとともに、他方の面に受光面を有する、
請求項1に記載の太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エネルギー不足や二酸化炭素(CO2)の排出抑制を背景として、太陽エネルギーを利用する太陽光発電が広く知られている。太陽光発電パネルで太陽光を受光することにより発電量を得る太陽光発電装置が一般化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、太陽光発電装置を設置する場所として、水田や畑などの農地が注目されている。農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電パネルを設置し、太陽光を発電と農業とで共有することが行われている。これにより、発電による電気と、農業による作物とが得られる。このとき、農地への太陽光を優先すると、太陽光発電パネルによる発電がしにくくなるという問題がある。また、太陽光発電パネルへの太陽光を優先すると、農地への日射量が減り、農作物が育ちにくくなるという問題がある。
【0005】
本件開示の技術は、農地等に設置される太陽光パネルによる発電の効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、
少なくとも一方の面に受光面を有し、光による発電を行う太陽光発電パネルと、
前記太陽光発電パネルを支持するフレームと、
前記フレームを回転軸周りに回転する駆動部と、
前記一方の面の前記受光面を下向きとし、かつ、前記受光面の法線方向と前記太陽光発電パネルから太陽への方向とが直交するように、前記駆動部により前記フレームの向きを制御する制御装置とを備える、
太陽光発電装置とする。
【0007】
開示の態様は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されてもよい。即ち、開示の構成は、上記した態様における各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録した情報処理装置が読み取り可能な記録媒体として特定することができる。また、開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されてもよい。開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を行う情報処理装置を含むシステムとして特定されてもよい。なお、情報処理装置は、例えば、コンピュータである。コンピュータは、パソコンやサーバと呼ばれることもある。
【発明の効果】
【0008】
本件開示の技術によれば、農地等に設置される太陽光パネルによる発電の効率を向上させることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態の太陽光発電装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、太陽光発電パネルを取り付ける前の回転架台20の例を示す図である。
【
図3】
図3は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、太陽光発電装置100の動作フローの例を示す図である。
【
図5】
図5は、太陽光発電パネル10の受光面を向ける方向を、太陽光発電パネル10(及びフレーム23)による影が最小になる方向にした場合の例を示す図である。
【
図6】
図6は、太陽光発電パネル10の受光面を向ける方向を、太陽光発電パネル10による発電量が最大になる方向にした場合の例を示す図である。
【
図7】
図7は、太陽光発電パネル10の受光面を向ける方向を、太陽光発電パネル10(及びフレーム23)による影が最小になる方向にし、フレーム23の両面に太陽光発電パネル10の受光面を設けた例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0011】
〔実施形態〕
(構成例)
図1は、本実施形態の太陽光発電装置の構成例を示す図である。本実施形態の太陽光発電装置100は、農地などの地面に設置される。
図1は、1基の太陽光発電装置100の例を示す図である。農地などの地面には、複数の太陽光発電装置100が設置され得る。太陽光発電装置100は、太陽光発電パネル10、回転架台20、制御装置30とを備える。太陽光発電パネル10は、回転架台20のフレーム23の一面に配置される。回転架台20は、太陽光発電パネル10を支持するとともに、太陽光発電パネル10の向きを変化させる。太陽光発電パネル10の向きは、太陽光発電パネル10の太陽光を受光する面の法線方向である。制御装置30は、太陽光発電パネル10、回転架台20に通信可能に接続され、太陽光発電パネル10による発電、回転架台20の動きを制御する。太陽光発電装置100は、農地などの地面に限らず、太陽光の受光を求められる面に設置され得る。太陽光発電装置100は、例えば、太陽光を利用する海苔の栽培、牡蠣の養殖を行う海面などに設置されてもよい。
【0012】
太陽光発電パネル10は、矩形状の板状に形成される。太陽光発電パネル10は、ソーラーパネルや太陽電池モジュールとも呼ばれる。太陽光発電パネル10は、複数のモジュールに分割されていてもよい。太陽光発電パネル10は、一般的に、表側保護部材と裏側保護部材との間に発電素子(シリコンセル)が封止されて板形状に構成されている。太陽光発電パネル10は、回転架台20のフレーム23に、受光面を外向きにして設置される。太陽光発電パネル10の受光面は、平面であるとする。太陽光発電パネル10は、受光面に光を受けることにより発電をすることができる。
【0013】
図2は、太陽光発電パネルを取り付ける前の回転架台20の例を示す図である。回転架台20は、2本の支柱21-1、21-2と、2つの回転駆動部22-1、22-2と、フレーム23を備える。支柱21-1、21-2は、下端を地面に固定される柱である。支柱21-1、21-2は、それぞれ、上端に回転駆動部22-1、22-2を備える。支柱21-1、21-2を総称して、単に、支柱21という。回転駆動部22-1,22-2を総称して、単に、回転駆動部22という。回転駆動部22は、回転駆動部22-1,回転駆動部22-2とを結ぶ線分を回転軸として、回転駆動部22に取り付けられるフ
レーム23を回転させることができる。回転駆動部22は、例えば、電気モータを含む。回転駆動部22-1と回転駆動部22-2とを結ぶ線分は、水平であることが好ましい。回転駆動部22-1と回転駆動部22-2とを結ぶ線分は、東西方向に平行であることが好ましい。支柱21は、フレーム23が回転した際に、フレーム23が地面に当たらない程度以上の高さを有する。回転駆動部22は、1つの電気モータにより、フレーム23を回転するものであってもよい。回転駆動部22は、駆動部の一例である。
【0014】
フレーム23は、所定の間隔を空けて平行に設けられた複数の横桟と、横桟の延伸方向と直交する方向に延伸する態様で所定の間隔を空けて設けられた複数の縦桟とを含む。縦桟と横桟とは、交差する位置において、連結される。横桟と縦桟とは、一体に成形されてもよい。フレーム23の形状は、太陽光発電パネル10を支持し、回転できればよく、
図1、
図2の構成に限定されるものではない。ここでは、フレーム23の面(太陽光発電パネル10の面)と回転架台20の回転軸とは、平行であるとする。
【0015】
制御装置30は、太陽光発電パネル10、回転架台20に通信可能に接続される。制御装置30は、太陽光発電パネル10による発電、回転架台20のフレーム23の動きを制御する。制御装置30は、太陽光発電パネル10によって発電された直流電力を交流電力に変換して出力する。太陽光発電パネル10を制御する装置と、回転架台20のフレーム23の動きを制御する装置とは、別個の装置であってもよい。
【0016】
制御装置30は、例えば、PC(Personal Computer)、ワークステーション(WS、Work Station)、スマートフォン、携帯電話、タブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistant)のような専用または汎用のコンピュータを使用して実現可能である。
【0017】
図3は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3に示す情報処理装置は、一般的なコンピュータの構成を有している。制御装置30は、
図3に示すような情報処理装置90によって実現される。
図3の情報処理装置90は、プロセッサ91、メモリ92、記憶部93、入力部94、出力部95、通信制御部96を有する。これらは、互いにバスによって接続される。メモリ92及び記憶部93は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。コンピュータのハードウェア構成は、
図3に示される例に限らず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。
【0018】
情報処理装置90は、プロセッサ91が記録媒体に記憶されたプログラムをメモリ92の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
【0019】
プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)である。
【0020】
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。メモリ92は、主記憶装置とも呼ばれる。
【0021】
記憶部93は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスク
ドライブ(HDD、Hard Disk Drive)である。また、記憶部93は、リムーバブルメデ
ィア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。記憶部93は、二次記憶装置とも呼ばれる。
【0022】
記憶部93は、各種のプログラム、各種のデータ及び各種のテーブルを読み書き自在に
記録媒体に格納する。記憶部93には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。記憶部93に格納される情報は、メモリ92に格納されてもよい。また、メモリ92に格納される情報は、記憶部93に格納されてもよい。
【0023】
オペレーティングシステムは、ソフトウェアとハードウェアとの仲介、メモリ空間の管理、ファイル管理、プロセスやタスクの管理等を行うソフトウェアである。オペレーティングシステムは、通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、通信制御部96を介して接続される他の外部装置等とデータのやり取りを行うプログラムである。外部装置等には、例えば、他のコンピュータ、外部記憶装置等が含まれる。
【0024】
入力部94は、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、タッチパネル等を含む。また、入力部94は、カメラのような映像や画像の入力装置や、マイクロフォンのような音声の入力装置を含むことができる。
【0025】
出力部95は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)パ
ネル、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel)等の表示装置、プリンタ等の出力装置を含む。また、出力部95は、スピーカのような音声の出力装置を含むことができる。
【0026】
通信制御部96は、他の装置と接続し、情報処理装置90と他の装置との間の通信を制御する。通信制御部96は、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースボード、無線通信のための無線通信回路、有線通信のための通信回路である。LANインタフェースボードや無線通信回路は、インターネット等のネットワークに接続される。
【0027】
制御装置30を実現するコンピュータは、プロセッサが補助記憶装置に記憶されているプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、各種機能を実現する。
【0028】
(動作例)
ここで、太陽光発電装置100の動作例を説明する。太陽光発電装置100は、太陽光発電装置100が設置される農地(地面)での農作物の栽培が行われている際に、農地への日射を優先する。このとき、太陽光発電装置100は、太陽光発電パネル10の受光面を地面側に向ける。
【0029】
図4は、太陽光発電装置100の動作フローの例を示す図である。ここでは、太陽光発電装置100が設置される農地において、農作物の栽培が行われているとする。
【0030】
S101では、太陽光発電装置100の制御装置30は、現在の太陽の方向(太陽光発電パネル10から太陽の方向)を算出する。制御装置30は、太陽の方向を、太陽光発電装置100(太陽光発電パネル10)が設置される位置の緯度、経度、現在日時に基づいて、算出する。太陽光発電装置100が設置される位置の緯度、経度は、あらかじめ、制御装置30の記憶手段に格納されているとする。現在日時は、制御装置30があらかじめ備える時計手段により取得するとする。また、制御装置30は、太陽光発電装置100の近傍に設置されるGPS(Global Positioning System)装置等から、太陽光発電装置1
00が設置される位置の緯度、経度、現在日時等を取得してもよい。太陽の方向は、周知の方法により算出され得る。
【0031】
S102では、制御装置30は、太陽光発電パネル10の受光面を向ける方向を算出する。ここでは、太陽光発電パネル10の受光面を向ける方向は、太陽光発電パネル10(及びフレーム23)による影が最小になる方向である。太陽光発電パネル10による影が
最小になることで、農地に対して最大限の太陽光を当てることができる。これにより、農地に太陽光発電パネル10を設置することによる、農地への日射量の低下を抑制することができる。
【0032】
制御装置30は、太陽光発電パネル10の受光面の法線方向(受光面の向き)とS101で算出した太陽の方向とが直交するときの、太陽光発電パネル10の受光面の法線方向を算出する。一般に、ある平面の法線方向は、当該平面に直交する方向である。制御装置30は、太陽光発電パネル10の受光面と平行な回転駆動部22の回転軸の方向を、あらかじめ、制御装置30の記憶手段に格納しているとする。制御装置30は、当該回転軸の方向から、太陽光発電パネル10の受光面の法線方向とり得る方向を、周知の方向により算出し得る。当該回転軸の方向に直交するすべての方向が、太陽光発電パネル10の受光面の法線方向とり得る方向である。即ち、制御装置30は、当該回転軸の方向と、太陽の方向とに基づいて、太陽光発電パネル10の受光面の法線方向とS101で算出した太陽の方向とが直交するときの、太陽光発電パネル10の受光面の向きを算出する。ここで算出され得る太陽光発電パネル10の受光面の向きは、2方向ある。当該2方向は、太陽光発電パネル10の受光面が、上空側(上向き)となる場合と、地面側(下向き)となる場合である。当該2方向は、平行であり、互いに逆方向である。制御装置30は、太陽光発電パネル10の受光面の向きが地面側(下向き)となる方向を、太陽光発電パネル10の受光面の向き(受光面の法線方向)として算出する。
【0033】
S103では、制御装置30は、太陽光発電パネル10の受光面の向きを変更する。制御装置30は、太陽光発電パネル10の受光面の向きがS102で算出した向きになるように、回転架台20に、回転駆動部22を駆動させて、フレーム23を回転させることを指示する。回転架台20は、制御装置30からの指示に基づいて、回転駆動部22を駆動して、太陽光発電パネル10の受光面の向きがS102で算出した向きになるように、フレーム23を回転させる。これにより、太陽光発電パネル10の受光面の向きがS102で算出した向きになる。このとき、太陽光発電パネル10の受光面と、太陽の方向とが、平行になる。これにより、太陽光発電パネル10(及びフレーム23)による地面の影が最小になる。
【0034】
太陽光発電装置100は、S101からS103までのステップを、所定時間(例えば、1分、30分、60分)ごとに繰り返すことで、太陽光発電パネル10による地面の影を最小にしつつ、太陽光発電パネル10による発電を行うことができる。
【0035】
図5は、太陽光発電パネル10の受光面を向ける方向を、太陽光発電パネル10(及びフレーム23)による影が最小になる方向にした場合の例を示す図である。
図5において、矢印は、太陽光の光路を示す。太陽光発電パネル10の受光面が、太陽の方向と平行であるため、当該受光面には、太陽からの直接の日射はほとんど当たらない。しかしながら、太陽光が地面や地面で栽培される農作物によって反射される反射光は、太陽光発電パネル10の受光面に入射する。太陽光発電パネル10は、当該反射光により発電し得る。太陽光発電パネル10の受光面を下向きにしたことにより、太陽光発電パネル10は、当該反射光を受光し得る。太陽光発電パネル10の受光面が、太陽の方向と平行であるため、農地に太陽光発電パネル10を設置することによる、農地への日射量の低下を抑制することができる。また、農地の農作物が存在しない部分に、光を反射する物体(反射鏡、ビニールなど)を設置することにより、太陽光発電パネル10の受光面における受光量を増大させることができる。また、農地が水田である場合には、水田の水による太陽光の反射により、より効果的に、太陽光発電パネル10の受光面に光が入射する。
【0036】
ここで、太陽光発電パネル10の受光面を、太陽の方向に向ける場合について述べる。太陽光発電パネル10が設置される農地において、農作物が栽培されてない場合、農地に
太陽光を当てなくてもよい。この場合、太陽光発電装置100は、太陽光発電パネル10の受光面を太陽に向けて、より多く発電できるようにする。このとき、制御装置30は、ここでは、太陽光発電パネル10の受光面を向ける方向は、太陽光発電パネル10の受光面の法線方向と、太陽光発電パネル10から太陽への方向とのなす角が最小になる方向である。制御装置30は、回転架台20の回転軸の方向と、太陽光発電パネル10から太陽への方向とに基づいて、太陽光発電パネル10の受光面の法線方向と太陽光発電パネル10から太陽への方向とが最小になるときの、太陽光発電パネル10の受光面の向きを算出する。ここで算出され得る太陽光発電パネル10の受光面の向きは、2方向ある。当該2方向は、太陽光発電パネル10の受光面が、上空側(上向き)となる場合と、地面側(下向き)となる場合である。当該2方向は、平行であり、互いに逆方向である。制御装置30は、太陽光発電パネル10の受光面の向きが上空側(上向き)となる方向を、太陽光発電パネル10の受光面の向き(受光面の法線方向)として算出する。制御装置30は、太陽光発電パネル10の受光面の向きがここで算出した向きになるように、回転架台20に、回転駆動部22を駆動させて、フレーム23を回転させることを指示する。回転架台20は、制御装置30からの指示に基づいて、回転駆動部22を駆動して、太陽光発電パネル10の受光面の向きがここで算出した向きになるように、フレーム23を回転させる。これにより、太陽光発電パネル10の受光面の向きがここで算出した向きになる。このとき、太陽光発電パネル10の受光面の法線方向と、太陽の方向とのなす角が、最小になる。これにより、太陽光発電パネル10による発電量が最大化される。太陽光発電装置100は、この処理を所定時間毎に繰り返すことにより、常時、太陽光発電パネル10の受光面を、太陽に向けて、より多く発電できるようにすることができる。
【0037】
図6は、太陽光発電パネル10の受光面を向ける方向を、太陽光発電パネル10による発電量が最大になる方向にした場合の例を示す図である。
図6において、矢印は、太陽光の光路を示す。太陽光発電パネル10の受光面が、太陽の方向を向いているため、当該受光面には、太陽からの日射量が最大となる。しかしながら、太陽光発電パネル10(及びフレーム23)による影が大きくなるため、地面には、太陽光が当たりにくくなる。農作物が栽培されてない場合、このようにして、太陽光発電装置100は、太陽光発電パネル10の受光面を太陽に向けて、より多く発電できる。
【0038】
(変形例)
ここでは、太陽光発電装置100の変形例について説明する。上記の例では、回転架台20のフレーム23の一方の面に、太陽光発電パネル10を設置した。ここでは、回転架台20のフレーム23の他方の面にも、太陽光発電パネル10を設置する。即ち、ここでの太陽光発電装置100は、フレーム23の地面側(下向き)の面と、上空側(上向き)の面とに、太陽光発電パネル10が設置される。これにより、地面側(下向き)の面の太陽光発電パネル10で反射された光を、上空側(上向き)の面の太陽光発電パネル10で受光して発電することができる。また、上空側(上向き)の面の太陽光発電パネル10は、太陽光の上空での散乱光を受光して発電することも期待できる。
【0039】
図7は、太陽光発電パネル10の受光面を向ける方向を、太陽光発電パネル10(及びフレーム23)による影が最小になる方向にし、フレーム23の両面に太陽光発電パネル10の受光面を設けた例を示す図である。
図7において、矢印は、太陽光の光路を示す。太陽光発電パネル10の受光面が、太陽の方向と平行であるため、当該受光面には、太陽からの直接の日射はほとんど当たらない。しかしながら、太陽光が地面や地面で栽培される農作物によって反射される1次反射光は、太陽光発電パネル10の下向きの受光面に入射する。太陽光発電パネル10の下向きの受光面は、当該1次反射光により発電し得る。さらに、太陽光発電パネル10の下向きの受光面によって反射される2次反射光は、太陽光発電パネル10の上向きの受光面に入射する。太陽光発電パネル10の上向きの受光面は、当該2次反射光により発電し得る。上記の例と同様に、太陽光発電パネル10の受光
面が、太陽の方向と平行であるため、農地に太陽光発電パネル10を設置することによる、農地への日射量の低下を抑制することができる。フレーム23の両面に太陽光発電パネル10の受光面を設けることで、より効果的に、発電をすることができる。
【0040】
ここでは、フレーム23の両面に太陽光発電パネル10を設けるとしたが、太陽光発電パネル10を両面発電タイプの太陽光発電パネルとしてもよい。両面発電タイプの太陽光発電パネルは、表面と裏面の両面を受光面とする。両面発電タイプの太陽光発電パネルは、例えば、発電素子に表裏両側から受講可能な両面受光退部の発電素子を使用し、表側保護部材及び裏側保護部材をもとに透明度の高いガラス板とすることによって表裏両面で光を受光して発電するダブルガラス構造である。両面受光タイプの太陽光発電パネルは、両面で太陽光を取り込むことから、同サイズの片面発電タイプの太陽光発電パネルと比較して大きな発電量を得ることができる。
【0041】
(実施形態の作用、効果)
本実施形態の太陽光発電装置100は、太陽光発電パネル10の受光面の向きを変更することができる回転架台20を備える。太陽光発電装置100は、農地などの地面などに設置される。回転架台20は、太陽光発電パネル10の受光面の向きを、地面側(下向き)、かつ、太陽の方向と平行になるように変更する。太陽光発電装置100によれば、地面などに当たる太陽光の減少を抑制しつつ、地面や農作物などによる反射光を利用して、発電を行うことができる。
【0042】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。また、上記の実施形態で例示した内容は、矛盾のない限り組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0043】
100 :太陽光発電装置
10 :太陽光発電パネル
20 :回転架台
21 :支柱
21-1 :支柱
21-2 :支柱
22 :回転駆動部
22-1 :回転駆動部
22-2 :回転駆動部
23 :フレーム
30 :制御装置
90 :情報処理装置
91 :プロセッサ
92 :メモリ
93 :記憶部
94 :入力部
95 :出力部
96 :通信制御部