(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014576
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置及びカメラモジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20240125BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20240125BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240125BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/02 Z
H04N5/225 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117510
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】児玉 優司
【テーマコード(参考)】
2H044
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ03
2H044AJ05
2H044AJ06
2H044BE04
2H044BE09
2H044BE17
5C122FB08
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】より簡単な構造で圧電駆動部を受け部材側に付勢できるレンズ駆動装置を提供すること。
【解決手段】レンズ駆動装置101は、可動側部材MBと固定側部材FBとのうちの一方に設けられ、圧電素子8を有して構成される圧電駆動部PDと、可動側部材MBと固定側部材FBとのうちの他方に設けられ、圧電駆動部PDに接触する受け部材5と、圧電駆動部PDを受け部材5側へ付勢する付勢部材6とを備える。圧電素子8によってレンズ保持部材2は固定側部材FBに対して光軸方向へ移動する。付勢部材6は、固定部6Aと、圧電駆動部PDを支持する支持部6Sと、固定部6Aと支持部6Sとの間に設けられた弾性変形部6Eとを有する。支持部6Sは、圧電駆動部PDと対向する板状の基部6SCと、基部6SCの一面から圧電駆動部PD側に突出する凸部6Pとを有する。そして、圧電駆動部PDは凸部6Pに固定される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側部材と、
レンズ体を保持可能なレンズ保持部材と、
前記レンズ保持部材を含む可動側部材と前記固定側部材とのうちの一方に設けられ、光軸方向と交差する方向に延在する圧電素子を有して構成される圧電駆動部と、
前記可動側部材と前記固定側部材とのうちの他方に設けられ、前記圧電駆動部に接触する受け部材と、
前記圧電駆動部を前記受け部材側へ付勢する付勢部材と、を備え、
前記圧電素子の運動によって前記レンズ保持部材が前記固定側部材に対して光軸方向へ移動するレンズ駆動装置であって、
前記付勢部材は、板ばね部材によって構成され、前記可動側部材と前記固定側部材とのうちの前記一方に固定される固定部と、前記圧電駆動部を支持する支持部と、前記固定部と前記支持部との間に設けられた弾性変形可能な弾性変形部とを有し、
前記支持部は、前記圧電駆動部と対向する板状の基部と、前記基部の一面から前記圧電駆動部側に突出する凸部とを有し、
前記圧電駆動部は、前記凸部に固定されている、
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記圧電素子の延在方向において互いに離間して配置される第1位置及び第2位置のそれぞれに設けられている、
請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記第1位置及び前記第2位置のそれぞれには、少なくとも二つの前記凸部が前記圧電素子の延在方向と交差する方向に並んで設けられている、
請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記基部は、一面から突出する突出部を有し、
前記突出部は、少なくとも前記第1位置と前記第2位置との間に位置し前記圧電素子の延在方向に延在する、
請求項2又は請求項3に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記突出部は、前記基部の一面から前記凸部と同じ方向に突出し、突出高さが前記凸部の突出高さよりも小さく、少なくとも前記第1位置から前記第2位置まで連続的に延びている、
請求項4に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記圧電駆動部は、その延在方向と垂直な方向において、互いに対向する第1縁部及び第2縁部を有し、
前記第1位置及び前記第2位置に設けられるそれぞれの前記凸部は、前記第1縁部に接する第1部分と前記第2縁部に接する第2部分とを有し、
前記第1部分は、一部が前記第1縁部の外側にはみ出すように設けられ、
前記第2部分は、一部が前記第2縁部の外側にはみ出すように設けられている、
請求項2又は請求項3に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記凸部は、先端面が平坦面となるように構成され、且つ、外周面に接着剤が付着するように構成されている、
請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記第1位置及び前記第2位置は、曲げ振動を行う前記圧電素子の節の位置に対応している、
請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
前記弾性変形部は、前記付勢部材による荷重を調整する幅狭部を有する、
請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項10】
前記弾性変形部は、前記付勢部材の捩れを抑制する幅広部を有し、
前記幅広部は、前記支持部の両側に配置され、少なくとも二つの連結部を含む、
請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項11】
前記圧電駆動部は、前記固定側部材に設けられている、
請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項12】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項7、請求項8、請求項9、請求項10、又は請求項11に記載のレンズ駆動装置と、
前記レンズ保持部材によって保持される前記レンズ体と、
前記レンズ体に対向するように配置される撮像素子と、を有する、
カメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばカメラ付き携帯機器等に搭載されるレンズ駆動装置及びカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電素子の曲げ振動を利用した摩擦駆動によってレンズキャリア(レンズ保持部材)をモジュールベース(ベース部材)に対して光軸方向に移動させることができるレンズ駆動ユニット(レンズ駆動装置)が知られている(特許文献1参照。)。この装置では、圧電素子を含む圧電駆動部は、複数のコイルばねによってレンズ保持部材側に付勢されてレンズ保持部材に固定された軸状ガイド部(受け部材)に押し付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように複数のコイルばねによって圧電駆動部を受け部材側に付勢する構成は構造が複雑になってしまうおそれがある。
【0005】
そこで、より簡単な構造で圧電駆動部を受け部材側に付勢できるレンズ駆動装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置は、固定側部材と、レンズ体を保持可能なレンズ保持部材と、前記レンズ保持部材を含む可動側部材と前記固定側部材とのうちの一方に設けられ、光軸方向と交差する方向に延在する圧電素子を有して構成される圧電駆動部と、前記可動側部材と前記固定側部材とのうちの他方に設けられ、前記圧電駆動部に接触する受け部材と、前記圧電駆動部を前記受け部材側へ付勢する付勢部材と、を備え、前記圧電素子の運動によって前記レンズ保持部材が前記固定側部材に対して光軸方向へ移動するレンズ駆動装置であって、前記付勢部材は、板ばね部材によって構成され、前記可動側部材と前記固定側部材とのうちの前記一方に固定される固定部と、前記圧電駆動部を支持する支持部と、前記固定部と前記支持部との間に設けられた弾性変形可能な弾性変形部とを有し、前記支持部は、前記圧電駆動部と対向する板状の基部と、前記基部の一面から前記圧電駆動部側に突出する凸部とを有し、前記圧電駆動部は、前記凸部に固定されている。
【発明の効果】
【0007】
上述のレンズ駆動装置は、より簡単な構造で圧電駆動部を受け部材側に付勢できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】レンズ駆動装置を含むカメラモジュールの分解斜視図である。
【
図2】
図1に示すレンズ駆動装置の分解斜視図である。
【
図5】
図2に示すレンズ保持部材の右側面図である。
【
図9】
図2に示す圧電駆動部による曲げ振動の周波数と推力との関係を示す図である。
【
図10】レンズ駆動装置の別の構成例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置101について
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、レンズ駆動装置101を含むカメラモジュールCMの分解斜視図である。
図2は、レンズ駆動装置101の分解斜視図である。
【0010】
図1におけるX1は三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2はX軸の他方向を表す。Y1は三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2はY軸の他方向を表す。Z1は三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2はZ軸の他方向を表す。本実施形態では、レンズ駆動装置101のX1側は、レンズ駆動装置101の前側(正面側)に相当し、レンズ駆動装置101のX2側は、レンズ駆動装置101の後側(背面側)に相当する。レンズ駆動装置101のY1側は、レンズ駆動装置101の左側に相当し、レンズ駆動装置101のY2側は、レンズ駆動装置101の右側に相当する。レンズ駆動装置101のZ1側は、レンズ駆動装置101の上側(被写体側)に相当し、レンズ駆動装置101のZ2側は、レンズ駆動装置101の下側(撮像素子側)に相当する。他の図においても同様である。
【0011】
カメラモジュールCMは、レンズ駆動装置101と、レンズ体LSと、レンズ体LSに対向するように基板(図示せず)に実装された撮像素子ISとで構成されている。レンズ駆動装置101は、略直方体形状の外形を有し、撮像素子ISを実装した基板の上に取り付けられる。
【0012】
本実施形態では、レンズ駆動装置101は、
図1及び
図2に示すように、固定側部材FB及び可動側部材MBを含む。図示例では、固定側部材FBは、カバー部材1、ベース部材3、及びガイドシャフト4を含み、可動側部材MBは、レンズ保持部材2及び受け部材5を含む。可動側部材MBは、案内機構GMにより、光軸方向に案内されるように構成されている。光軸方向は、レンズ保持部材2によって保持されるレンズ体LSに関する光軸OAの方向、及び、光軸OAに平行な方向を含む。レンズ体LSは、例えば、少なくとも一枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルである。また、可動側部材MBは、圧電駆動部PDが発生させる力によって光軸方向に移動させられるように構成されている。
【0013】
カバー部材1は、可動側部材MBの上側を覆うことができるように構成されている。本実施形態では、カバー部材1は、金属板に抜き加工及び絞り加工等を施して作製されている。但し、カバー部材1は、合成樹脂等の他の材料で形成されていてもよい。具体的には、カバー部材1は、
図1に示すように、平板状且つ矩形環状の天板部1Tを有する。天板部1Tには中央部分に円形の開口1Kが形成されている。
【0014】
ベース部材3は、筐体HSの一部を構成する部材である。本実施形態では、ベース部材3は合成樹脂で形成されている。但し、ベース部材3は金属で形成されていてもよい。カバー部材1は、接着剤等によってベース部材3に接合されてベース部材3とともに筐体HSを構成する。
【0015】
レンズ保持部材2は、
図2に示すように、筒状部2Cに接着剤によってレンズ体LSを保持できるように構成されている。
図2に示す例では、レンズ保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで作製されている。そして、レンズ保持部材2は、円筒状の筒状部2Cの外周面から径方向(外方)に突出する突出部2T及び案内部2Gを有する。突出部2Tは、筒状部2Cの外周面から前方に突出する前側突出部2TF、筒状部2Cの外周面から左方に突出する左側突出部2TL、及び、筒状部2Cの外周面から右方に突出する右側突出部2TRを含む。案内部2Gは、ガイドシャフト4を受け入れる貫通孔を有する。
【0016】
受け部材5は、圧電駆動部PDが発生させる駆動力を受ける部材である。本実施形態では、受け部材5は、チタン銅又はステンレス鋼等の金属で形成された、光軸方向に延在する円柱状の部材である。なお、受け部材5は、他の金属で形成されてもよく、他の金属は、磁性金属又は非磁性金属のいずれであってもよい。
図2に示す例では、受け部材5は、レンズ保持部材2の前側突出部2TFに形成されたU字溝2Uに嵌め込まれて固定され、レンズ保持部材2とともに光軸方向に移動できるように構成されている。
【0017】
付勢部材6は、受け部材5に向けて圧電駆動部PDを付勢できるように構成されている。
図2に示す例では、付勢部材6は、順送型を用いてチタン銅製の金属板にプレス加工を施すことによって形成される板ばね部材によって構成されている。金属板はステンレス鋼等の他の金属で形成されていてもよい。
図2に示す例では、付勢部材6は、両端部がベース部材3の内周面に固定され、レンズ保持部材2に固定された受け部材5に向けて圧電駆動部PDを押し付けることができるように構成されている。
【0018】
圧電駆動部PDは、レンズ保持部材2を光軸方向に沿って移動させることができるように構成されている。本実施形態では、圧電駆動部PDは、米国特許第7,786,648号に開示された駆動システムを利用する摩擦駆動部の一例であり、圧電素子8、接触部材9、及びフレキシブル配線基板10を含む。圧電駆動部PDは、付勢部材6によって内方(光軸OAに近づく方向)に付勢されて受け部材5に押し付けられるように構成されている。
【0019】
圧電素子8は、印加された電圧に応じて曲げ振動を実現できるように構成されている。本実施形態では、圧電素子8は、
図3に示すように、光軸方向と直交する(光軸OAに垂直な方向である)Y軸方向に延在しており、二つのノード(節ND)を有する曲げ振動を実現できるように構成されている。すなわち、曲げ振動が行われるときに二つの節NDの部分はほとんど振動しない。
【0020】
図3は、付勢部材6によって支持される圧電駆動部PDの分解斜視図である。
図3では、明瞭化のため、圧電素子8における節NDの位置、及び、フレキシブル配線基板10における節NDに対応する位置APにはクロスパターンが付されている。圧電素子8における節NDの位置は、第1節ND1の位置及び第2節ND2の位置を含む。節NDの位置は、Y軸方向における圧電素子8の端部から所定の距離にある位置に対応している。所定の距離は、例えば、圧電素子8の全長の略四分の一の距離である。具体的には、第1節ND1の位置は、圧電素子8の左端LEから距離D1の位置にあり、第2節ND2の位置は、圧電素子8の右端REから距離D2の位置にある。距離D1及び距離D2はいずれも圧電素子8の全長の略四分の一の距離である。
【0021】
図3に示す例では、圧電素子8は、XY平面に平行な仮想平面上で第1曲げ振動を実現する第1層とYZ平面に平行な仮想平面上で第2曲げ振動を実現する第2層とで構成されるX軸方向に積層された二層構造を有する。圧電駆動部PDは、第1層を構成する圧電素子部分に対する電圧の印加と、第2層を構成する圧電素子部分に対する電圧の印加とが適切なタイミングで個別に行われたときに、圧電素子8の中点が描く軌跡が左側面視で回転軸8Xを中心とする円軌道となるように圧電素子8を曲げ振動(円運動)させることができる。すなわち、圧電素子8は、その中点が円を描くような動き(円運動)を実現できる。なお、
図3に示す例では、回転軸8XはY軸に平行である。また、圧電駆動部PDは、電圧の印加が適切なタイミングで行われることにより、円軌道を辿る中点の移動方向(回転方向)をY1側から見て時計回り方向と反時計回り方向との間で切り換えることができる。この回転方向の切り換えにより、圧電駆動部PDは、光軸方向に沿ったレンズ保持部材2の移動方向を切り換えることができる。なお、圧電素子8の中点が描く円(円軌道)は、完全な円(真円)ではなく、概略円形状であればよい。
【0022】
図3において圧電素子8の周囲に描かれた矢印は、圧電素子8の曲げ振動(圧電素子8が撓みながら回転軸8Xの回りにおいてY1側から見て時計回り方向に回転する円運動)を表している。この場合、圧電駆動部PDの接触部材9と接触している受け部材5を含む可動側部材MBは上方(Z1方向)に移動する。なお、矢印で示されてはいないが、圧電素子8は、撓みながら回転軸8Xの回りにおいてY1側から見て反時計回り方向にも回転できる。この場合、圧電駆動部PDの接触部材9と接触している受け部材5を含む可動側部材MBは下方(Z2方向)に移動する。
【0023】
すなわち、受け部材5が取り付けられているレンズ保持部材2は、圧電素子8の中点の回転方向が左側面視で時計回り方向のときに上方(Z1方向)に移動させられ、圧電素子8の中点の回転方向が反時計回り方向のときに下方(Z2方向)に移動させられる。なお、
図3に示す例では、圧電素子8の中点は、第1曲げ振動の振幅の頂点に対応する点(第1曲げ振動の腹に対応する点)であり、且つ、第2曲げ振動の振幅の頂点に対応する点(第2曲げ振動の腹に対応する点)である。
【0024】
接触部材9は、圧電素子8に取り付けられ、受け部材5と接触するように構成されている。本実施形態では、接触部材9は、圧電素子8の内側(光軸OAに対向する側であるX2側)の表面の全体を覆うように、第1接着剤AD1によって圧電素子8の内側の表面に接合されている。接触部材9は、チタン銅又はステンレス鋼等の金属で形成され、圧電素子8の曲げ振動(円運動)に応じて曲げ振動(円運動)を行うことができるように適切な厚みで構成されている。
図3に示す例では、接触部材9は、ステンレス鋼で形成された摩擦板である。接触部材9は、圧電素子8の延在方向と同じY軸方向に延在している。そして、接触部材9は、延在方向における中央部で受け部材5と接触するように構成されている。具体的には、接触部材9は、曲げ振動(円運動)の振幅が最大となる部分(曲げ振動の腹に対応する部分)で受け部材5と接触するように構成されている。また、
図3に示す例では、接触部材9は、受け部材5と接触する側(X2側)の面9SがX2側に凸の凸曲面となっている。すなわち、面9Sは、一つの凸部を有する面を形成するように構成されている。但し、面9Sは、二つ以上の凸部を有する面(例えば
図8の下図において一点鎖線で示される面9Saを参照)となるように構成されていてもよい。
【0025】
金属製の受け部材5と金属製の接触部材9とを接触させるのは、合成樹脂製のレンズ保持部材2と金属製の接触部材9との接触によるレンズ保持部材2の摩耗を防止するためである。なお、受け部材5と接触部材9との接触が得られるのであれば、Y軸方向における接触部材9の長さ寸法は、Y軸方向における圧電素子8の長さ寸法と同じでなくてもよい。例えば、Y軸方向における接触部材9の長さ寸法は、Y軸方向における圧電素子8の長さ寸法より小さくてもよい。
【0026】
フレキシブル配線基板10は、図示しない導電パターンを含む基板であり、外部の電圧供給源(制御回路)と圧電素子8とを電気的に接続できるように構成されている。本実施形態では、フレキシブル配線基板10は、圧電素子8に電圧を印加できるように構成されている。具体的には、フレキシブル配線基板10は、圧電素子8に接合される接合部10Bと、接合部10Bから外方に延びる延長部10Eとを含む。
【0027】
圧電素子8は、
図3に示すように、第2接着剤AD2によってフレキシブル配線基板10の内側(光軸OAに対向する側であるX2側)の表面に接合されている。図示例では、第2接着剤AD2は、異方性導電膜である。但し、第2接着剤AD2は、等方性導電膜であってもよく、異方性導電性接着剤であってもよく、等方性導電性接着剤であってもよい。図示例では、圧電素子8は、外側(X1側)の表面の四隅のそれぞれに電極EDを有する。そして、圧電素子8の電極EDは、第2接着剤AD2を介してフレキシブル配線基板10の内側の表面に形成された導電部(導電パターン)に接合される。
【0028】
圧電駆動部PDは、ベース部材3に固定される付勢部材6によって内方(光軸OAに近づく方向)に付勢されて受け部材5に押し付けられるように構成されている。
図3に示す例では、付勢部材6は、圧電素子8の曲げ振動の際に形成される二つの節NDのそれぞれに対応する位置APでフレキシブル配線基板10の外側(光軸OAから遠い側であるX1側)の表面と接触するように構成されている。付勢部材6とフレキシブル配線基板10との接合は、例えば、第3接着剤AD3によって実現される。
【0029】
ベース部材3は、
図2に示すように、収容部3Sを定める略矩形筒状の外周壁部3Aと、平板状且つ矩形環状の底板部3Bとを有する。具体的には、外周壁部3Aは、第1側板部3A1~第4側板部3A4を含む。第1側板部3A1と第3側板部3A3とは互いに対向し、第2側板部3A2と第4側板部3A4とは互いに対向している。また、第2側板部3A2及び第4側板部3A4は、第1側板部3A1及び第3側板部3A3に対して垂直に延びる。すなわち、第1側板部3A1及び第3側板部3A3は、第2側板部3A2及び第4側板部3A4に対して垂直に延びる。
【0030】
第2側板部3A2及び第4側板部3A4のそれぞれの内面には、レンズ保持部材2の動きを規制する一対の規制部3Nが形成されている。そして、一対の規制部3Nの間にはレンズ保持部材2の突出部2Tを受け入れる溝部3Gが形成されている。具体的には、第2側板部3A2の内面には一対の左側規制部3NLが形成され、第4側板部3A4の内面には一対の右側規制部3NRが形成されている。そして、一対の左側規制部3NLの間には、レンズ保持部材2の左側突出部2TLを受け入れる左側溝部3GLが形成され、一対の右側規制部3NRの間には、レンズ保持部材2の右側突出部2TRを受け入れる右側溝部3GRが形成されている。
【0031】
底板部3Bの四隅のそれぞれには、上方に向けて突出する柱状部3Pが形成されている。また、底板部3Bの上面には、上方に向けて突出する筒状の接着剤溜め部3Cが設けられ、底板部3Bの中央部分には円形の開口3Kが形成されている。
【0032】
具体的には、柱状部3Pは、左後側柱状部3PBL、右後側柱状部3PBR、左前側柱状部3PFL、及び右前側柱状部3PFRを含む。左後側柱状部3PBL、右後側柱状部3PBR、左前側柱状部3PFL、及び右前側柱状部3PFRのそれぞれの上面には上方に突出する円柱状の連結ピン3Tが形成されている。四つの連結ピン3Tは、カバー部材1の四隅に形成されている四つの円形の貫通孔1Hに嵌め込まれるように形成されている。図示例では、カバー部材1とベース部材3との間の接合は、
図1に示すように貫通孔1Hに連結ピン3Tが嵌め込まれた状態で貫通孔1H及び連結ピン3Tに接着剤を塗布することによって実現される。
【0033】
左前側柱状部3PFL及び右前側柱状部3PFRには挟持部3Wが形成されている。挟持部3Wは、付勢部材6を挟持できるように構成されたスリット状の溝であり、左側挟持部3WL及び右側挟持部3WRを含む。
図2に示す例では、左側挟持部3WLは左前側柱状部3PFLの右側面に形成され、右側挟持部3WRは右前側柱状部3PFRの左側面に形成されている。
【0034】
案内機構GMは、レンズ保持部材2を固定側部材FBに対して光軸方向へ移動可能に案内できるように構成されている。本実施形態では、案内機構GMは、レンズ保持部材2の筒状部2Cの外周面に形成された案内部2Gとガイドシャフト4との組み合わせを含む。なお、レンズ保持部材2の筒状部2Cに形成された左側突出部2TLとベース部材3の第2側板部3A2に形成された左側溝部3GLとの組み合わせ、又は、レンズ保持部材2の筒状部2Cに形成された右側突出部2TRとベース部材3の第4側板部3A4に形成された右側溝部3GRとの組み合わせが案内機構GMの一部として機能するように構成されていてもよい。或いは、左側突出部2TLと左側溝部3GLとの組み合わせ、及び、右側突出部2TRと右側溝部3GRとの組み合わせが案内機構GMとして機能するように構成されていてもよい。この場合、案内部2Gとガイドシャフト4との組み合わせは省略されてもよい。三つの組み合わせのそれぞれが案内機構GMとして機能する場合、部品の寸法精度が悪いとレンズ保持部材2を円滑に案内できないおそれがあるためである。但し、三つの組み合わせのそれぞれが案内機構GMとして機能するように構成されてもよい。
【0035】
図示例では、案内機構GMは、
図4の下図に示すように、光軸OAと受け部材5の中心とを通る線分L1の両側(Y1側及びY2側)でレンズ保持部材2を挟んで対向するように配置された二つの案内機構(左側案内機構GML及び右側案内機構GMR)を含む。
図4は、ベース部材3の上面図である。具体的には、
図4の上図は、レンズ保持部材2、ガイドシャフト4、受け部材5、付勢部材6、及び圧電駆動部PDが取り付けられていない状態のベース部材3の上面図であり、
図4の下図は、レンズ保持部材2、ガイドシャフト4、受け部材5、付勢部材6、及び圧電駆動部PDが取り付けられた状態のベース部材3の上面図である。なお、明瞭化のため、
図4の上図では、ベース部材3にドットパターンが付され、
図4の下図では、レンズ保持部材2にドットパターンが付されている。
【0036】
ガイドシャフト4は、
図4の上図に示すようにベース部材3の底板部3Bに形成された筒状の接着剤溜め部3Cの内部に塗布された接着剤によってベース部材3に接着固定される。具体的には、ガイドシャフト4は、その下端部が接着剤溜め部3Cの内底面に形成された円形の凹部3Qに嵌め込まれた状態で、その接着剤によってベース部材3に固定される。また、ガイドシャフト4は、
図4の下図に示すように、レンズ保持部材2の案内部2Gに形成された、上面視で角丸長方形の貫通孔2Hに挿通されている。角丸長方形は、二つの等しい長さの辺と二つの半円形からなる形状であり、半円の半径はガイドシャフト4の半径と略同じである。また、角丸長方形の辺は、光軸OAとガイドシャフト4の中心とを通る線分L2に平行である。
【0037】
図示例では、案内部2Gは、
図5に示すように、光軸方向における長さ寸法HT1が、ガイドシャフト4の円柱部分の長さ寸法HT2よりも小さくなるように構成されている。
【0038】
図5は、レンズ保持部材2、ガイドシャフト4、受け部材5、付勢部材6、及び圧電駆動部PDの右側面図である。具体的には、
図5は、レンズ保持部材2が最も低い位置にあるときの、レンズ保持部材2とガイドシャフト4、受け部材5、付勢部材6、及び圧電駆動部PDのそれぞれとの位置関係を示している。なお、
図5では、明瞭化のため、レンズ保持部材2にドットパターンが付されている。
【0039】
レンズ保持部材2は、レンズ保持部材2が最も低い位置にあるとき、筒状部2Cの下端部に設けられた三つの下側ストッパ部2SDが、ベース部材3の底板部3Bの上面から上方に突出するように設けられた三つの突出部3M(
図2参照)と接触するように構成されている。また、レンズ保持部材2は、レンズ保持部材2が最も高い位置にあるとき、筒状部2Cの上端部に設けられた三つの上側ストッパ部2SUが、カバー部材1の天板部1Tの下面から下方に突出するように設けられた三つの突出部1M(
図2参照)と接触するように構成されている。
【0040】
また、図示例では、案内部2Gは、
図5に示すように、光軸方向における長さ寸法HT1が長さ寸法HT3よりも大きくなるように構成されている。長さ寸法HT3は、レンズ保持部材2が最も低い位置にあるときにおける、受け部材5と接触部材9との間の接触点CPと、受け部材5の円柱部分の下端部との間の距離である。
【0041】
この構成により、案内部2Gは、レンズ保持部材2が最も高い位置に達したときであっても、ガイドシャフト4の円柱部分の少なくとも一部を貫通孔2H内に留まらせることができるため、光軸方向におけるレンズ保持部材2の移動範囲の全範囲にわたって、レンズ保持部材2の移動を安定化させることができる。
【0042】
受け部材5と案内機構GMのうちの少なくとも一つ(右側案内機構GMR)とは、
図4の下図に示すように、線分L1に垂直で且つ光軸OAを通る線分L3の両側(X1側及びX2側)でレンズ保持部材2を挟んで互いに対向するように配置されている。このような配置により、案内機構GMは、光軸方向に沿ってレンズ保持部材2を安定的に移動させることができる。
【0043】
上述したレンズ駆動装置101では、圧電素子8は、フレキシブル配線基板10を介して外部の電圧供給源(制御回路)に接続される。圧電素子8に電圧が印加されると、圧電素子8は、第1曲げ振動及び第2曲げ振動を行い、レンズ保持部材2を光軸方向に沿って移動させる力を発生させる。この力は、レンズ保持部材2に取り付けられた受け部材5と、圧電素子8に接合された接触部材9との接触に伴う摩擦力である。
【0044】
レンズ駆動装置101は、この力を利用し、撮像素子ISのZ1側(被写体側)で、光軸方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させることで自動焦点調節機能を実現する。具体的には、レンズ駆動装置101は、撮像素子ISから離れる方向にレンズ保持部材2を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子ISに近づく方向にレンズ保持部材2を移動させて無限遠撮影を可能にしている。
【0045】
次に、
図6~
図8を参照し、付勢部材6の詳細について説明する。
図6は、付勢部材6の斜視図である。具体的には、
図6の上図は、圧電駆動部PDが取り外された状態の付勢部材6の斜視図である。
図6の下図は、圧電駆動部PDが取り付けられた状態の付勢部材6の斜視図である。
図7は、付勢部材6の背面図である。具体的には、
図7の上図は、圧電駆動部PDが取り外された状態の付勢部材6の背面図である。
図7の下図は、圧電駆動部PDが取り付けられた状態の付勢部材6の背面図である。
図8は、付勢部材6の左側面図である。具体的には、
図8の上図は、圧電駆動部PDが取り外された状態の付勢部材6の左側面図である。
図8の下図は、圧電駆動部PDが取り付けられた状態の付勢部材6の左側面図である。なお、
図6~
図8のそれぞれにおける下図では、明瞭化のため、付勢部材6にドットパターンが付されている。
【0046】
本実施形態では、付勢部材6は、一枚の金属板から形成される板ばね部材によって構成されている。具体的には、付勢部材6は、
図6~
図8のそれぞれの上図に示すように、ベース部材3に固定される固定部6Aと、圧電駆動部PDを支持する支持部6Sと、固定部6Aと支持部6Sとの間に設けられた弾性変形可能な弾性変形部6Eと、支持部6SからL字状に折り曲げられてレンズ保持部材2が位置する側(X2側)に突出する折り曲げ部6Nと、を有する。固定部6Aは、ベース部材3の挟持部3Wに挟持される部分である。固定部6Aのベース部材3への固定は、挟持部3Wによる挟持に加えて接着剤で補強されてもよい。
【0047】
具体的には、固定部6Aは、左側固定部6AL及び右側固定部6ARを含み、支持部6Sは、基部6SC、左側支持部6SL、及び右側支持部6SRを含む。弾性変形部6Eは、左側固定部6ALと左側支持部6SLとの間に設けられた左側弾性変形部6ELと、右側固定部6ARと右側支持部6SRとの間に設けられた右側弾性変形部6ERと、を含む。折り曲げ部6Nは、左側支持部6SLから後方(X2方向)に延びる左側折り曲げ部6NLと、右側支持部6SRから後方(X2方向)に延びる右側折り曲げ部6NRと、を含む。そして、左側折り曲げ部6NLは、左側支持部6SLの上端部から後方(X2方向)に延びる左上側折り曲げ部6NULと、左側支持部6SLの下端部から後方(X2方向)に延びる左下側折り曲げ部6NDLと、を含む。右側折り曲げ部6NRは、右側支持部6SRの上端部から後方(X2方向)に延びる右上側折り曲げ部6NURと、右側支持部6SRの下端部から後方(X2方向)に延びる右下側折り曲げ部6NDRと、を含む。
【0048】
基部6SCは、後方(X2方向)に突出するとともに円形状の端面を有する四つの凸部6Pと、後方(X2方向)に突出するとともに角丸長方形状の端面を有する一つの突出部6Qと、を含む。図示例では、突出部6Qは、絞り加工によって形成される絞りビードである。突出部6Qは省略されてもよい。図示例では、四つの凸部6P及び一つの突出部6Qはいずれも、折り曲げ加工ではなく、絞り加工、ダボ出し加工、又は半抜き加工によって形成され、且つ、端面が平坦面となるように形成されている。そのため、基部6SCの前面(X1側の面)には、
図3に示すように、四つの凸部6P及び一つの突出部6Qのそれぞれに対応する凹部が形成されている。なお、突出部6Qは、前方(X1方向)に突出するように形成されていてもよい。この場合、突出部6Qに対応する凹部は、基部6SCの後面(X2側の面)に形成される。
【0049】
また、凸部6Pの端面は円形状を有するが、楕円形状又は角丸長方形等の他の形状を有していてもよい。突出部6Qの端面についても同様である。具体的には、突出部6Qは、
図7の上図に示すように、圧電素子8の延在方向(Y軸方向)に沿って延び、左側折り曲げ部6NLと右側折り曲げ部6NRとの間の距離である幅WD1よりも大きい幅WD2を有するように形成されている。そして、凸部6Pは、突出部6Qの左端部の上側に配置される左上側凸部6PUL、突出部6Qの左端部の下側に配置される左下側凸部6PDL、突出部6Qの右端部の上側に配置される右上側凸部6PUR、及び、突出部6Qの右端部の下側に配置される右下側凸部6PDRを含む。なお、以下では、左上側凸部6PUL及び左下側凸部6PDLは左側凸部6PLと称され、右上側凸部6PUR及び右下側凸部6PDRは右側凸部6PRと称される場合がある。また、凸部6Pが配置される位置は、望ましくは、圧電素子8の節NDに対応する位置であり、具体的には、圧電素子8の延在方向(Y軸方向)において互いに離間して配置される第1位置PS1及び第2位置PS2を含む。そして、第1位置PS1には左上側凸部6PUL及び左下側凸部6PDLが配置され、第2位置PS2には右上側凸部6PUR及び右下側凸部6PDRが配置される。
【0050】
弾性変形部6Eは、圧電素子8の曲げ振動によって引き起こされる付勢部材6の捩れを抑制する幅広部6Wを有していてもよい。図示例では、幅広部6Wは、
図7の上図に示すように、弾性変形部6Eの他の部分の縦幅WT1よりも大きい縦幅WT2を有するように形成されている。また、幅広部6Wは、左側支持部6SLから左方(Y1方向)に延びる左側幅広部6WL、及び、右側支持部6SRから右方に延びる右側幅広部6WRを含む。また、幅広部6Wには貫通孔6Hが形成されている。具体的には、左側幅広部6WLには左側貫通孔6HLが形成され、右側幅広部6WRには右側貫通孔6HRが形成されている。より具体的には、左側貫通孔6HLは、左上側貫通孔6HUL及び左下側貫通孔6HDLを含み、右側貫通孔6HRは、右上側貫通孔6HUR及び右下側貫通孔6HDRを含む。そのため、左側幅広部6WLは、三つの連結部(左上側連結部6WUL、左中央連結部6WML、及び左下側連結部6WDL)に分割され、右側幅広部6WRは、三つの連結部(右上側連結部6WUR、右中央連結部6WMR、及び右下側連結部6WDR)に分割されている。
【0051】
また、図示例では、幅広部6Wは、
図7の下図に示すように、左側幅広部6WLの左端と右側幅広部6WRの右端との間の距離である幅WD3が圧電駆動部PD(圧電素子8)の幅WD4よりも大きくなるように形成されている。なお、図示例では、支持部6Sは、
図7の下図に示すように、左側支持部6SLの左端と右側支持部6SRの右端との間の距離である幅WD5が圧電駆動部PD(圧電素子8)の幅WD4よりも小さくなるように形成されている。
【0052】
圧電駆動部PDは、
図6~
図8のそれぞれの下図に示すように、左側部分が左上側折り曲げ部6NULと左下側折り曲げ部6NDLとの間に位置するように、且つ、右側部分が右上側折り曲げ部6NURと右下側折り曲げ部6NDRとの間に位置するように配置される。具体的には、圧電駆動部PDは、
図8の下図に示すように、左上側折り曲げ部6NULの下端片DEと圧電駆動部PDの上縁部UG(圧電素子8の上面)とが非接触で対向し、且つ、左下側折り曲げ部6NDLの上端片UEと圧電駆動部PDの下縁部DG(圧電素子8の下面)とが非接触で対向するように配置されている。右上側折り曲げ部6NURの下端部と圧電駆動部PDの上縁部UG(圧電素子8の上面)との関係、及び、右下側折り曲げ部6NDRの上端部と圧電駆動部PDの下縁部DG(圧電素子8の下面)との関係についても同様である。このように、折り曲げ部6Nと圧電素子8とは、非接触で対向するように組み合わされる。
【0053】
また、圧電駆動部PDは、
図8の下図に示すように、フレキシブル配線基板10の接合部10Bの前面(X1側の面)が、第3接着剤AD3(
図7の上図参照)によって、左上側凸部6PUL及び左下側凸部6PDLのそれぞれの端面に接着固定されるように付勢部材6に取り付けられる。一方で、圧電駆動部PDは、
図8の下図に示すように、フレキシブル配線基板10の接合部10Bの前面(X1側の面)と突出部6Qとが接触しないように、すなわち、フレキシブル配線基板10の接合部10Bの前面(X1側の面)と突出部6Qの端面との間に隙間GPが形成されるように付勢部材6に取り付けられる。具体的には、
図8の上図に示すように、凸部6Pは支持部6Sの後面から突出高さPT1だけ後方に突出するように形成され、突出部6Qは支持部6Sの後面から突出高さPT2(<突出高さPT1)だけ後方に突出するように形成されている。なお、凸部6Pは絞り加工によって形成されるため、折り曲げ加工で形成される場合に比べ、突出高さPT1を小さくできる。
【0054】
第3接着剤AD3は、フレキシブル配線基板10の接合部10Bと付勢部材6の支持部6Sとを接着固定するための接着剤である。具体的には、第3接着剤AD3は、接合部10Bにおける、圧電素子8の節NDに対応する位置AP(
図3参照)と支持部6Sの基部6SCにおける四つの凸部6Pとを接着固定するために、
図7の上図に示すように、四つの凸部6Pのそれぞれに塗布される。図示例では、第3接着剤AD3は、四つの凸部6Pのそれぞれの端面全体及び周面全体を覆うように、且つ、突出部6Qに付着しないように塗布される。
【0055】
本実施形態では、第3接着剤AD3は、紫外線硬化型の接着剤である。但し、第3接着剤AD3は、湿気硬化型又は熱硬化型等の他のタイプの接着剤であってもよい。
【0056】
左側凸部6PLは、
図8の下図に示すように、光軸方向における高さ寸法HT11が、光軸方向における圧電駆動部PDの高さ寸法HT12よりも大きくなるように形成されている。図示例では、高さ寸法HT11は、直径DM1の左上側凸部6PULの上端と直径DM2の左下側凸部6PDLの下端との間の距離である。なお、左上側凸部6PULと左下側凸部6PDLとは、光軸方向において距離DS1の間隔を空けて配置されており、直径DM1と直径DM2とは同じ大きさである。すなわち、左側凸部6PLは、光軸方向において、圧電駆動部PDの上縁部UGから上方へ距離DS2だけはみ出すように、且つ、圧電駆動部PDの下縁部DGから下方へ距離DS3だけはみ出すように形成されている。
【0057】
なお、上述の実施形態では、左側凸部6PLは、左上側凸部6PULと左下側凸部6PDLとの組み合わせで構成されているが、Z軸方向に延びる一つの細長い凸部で構成されていてもよい。この場合であっても、左側凸部6PLは、その上端と下端との間の光軸方向における距離である高さ寸法HT11が光軸方向における圧電駆動部PDの高さ寸法HT12よりも大きくなるように形成される。右側凸部6PRについても同様である。
【0058】
このように、凸部6Pは、光軸方向における圧電駆動部PDの両端から外方へはみ出すように形成されているため、光軸方向におけるフレキシブル配線基板10の接合部10Bの両端を確実に支持できる。そのため、凸部6Pは、圧電素子8の節NDに対応する位置AP(
図3参照)で接合部10Bを支持しながら、圧電素子8の曲げ振動によって接合部10Bが凸部6Pの端面から剥がれてしまい接合部10Bが凸部6Pの端面に対して傾いてしまうのを抑制できる。
【0059】
次に、
図9を参照し、圧電駆動部PDによる曲げ振動の周波数と推力との関係について説明する。
図9は、圧電駆動部PDによる曲げ振動の周波数と推力との関係を示す図である。圧電駆動部PDによる推力は、レンズ保持部材2を光軸方向に沿って移動させるために圧電駆動部PDが発生させる力である。具体的には、
図9の上図は、レンズ駆動装置101の第1実施例及び第2実施例のそれぞれに係る圧電駆動部PDで利用される接着剤の特性を示す表である。
図9の中央図は、第1実施例に係る圧電駆動部PDによる曲げ振動の周波数と推力との関係を示すグラフである。
図9の下図は、第2実施例に係る圧電駆動部PDによる曲げ振動の周波数と推力との関係を示すグラフである。
【0060】
第1実施例と第2実施例とは、圧電素子8と接触部材9とを接合する第1接着剤AD1、圧電素子8とフレキシブル配線基板10とを接合する第2接着剤AD2、及び、フレキシブル配線基板10と付勢部材6とを接合する第3接着剤AD3のうちの第1接着剤AD1及び第3接着剤AD3のそれぞれの特性が異なる点で相違する。なお、図示例では、第1実施例及び第2実施例において、第1接着剤AD1はエポキシ系接着剤であり、第2接着剤AD2はアクリル系接着剤である。第3接着剤AD3は、第1実施例ではアクリル系接着剤であり、第2実施例ではシリコン系接着剤である。
【0061】
具体的には、
図9の上図に示すように、第1実施例における第1接着剤AD1のガラス転移温度(40℃)は、第2実施例における第1接着剤AD1のガラス転移温度(150℃)よりも低く、第1実施例における第1接着剤AD1のヤング率(4.5GPa)は、第2実施例における第1接着剤AD1のヤング率(4.4GPa)よりも大きい。また、第1実施例における第3接着剤AD3のガラス転移温度(-6℃)は、第2実施例における第3接着剤AD3のガラス転移温度(-65℃)よりも高く、第1実施例における第3接着剤AD3のヤング率(0.003GPa)は、第2実施例における第3接着剤AD3のヤング率(0.0004GPa)よりも大きい。なお、第1実施例における第2接着剤AD2のガラス転移温度(62℃)は、第2実施例における第2接着剤AD2のガラス転移温度(62℃)と同じであり、第1実施例における第2接着剤AD2のヤング率(0.1GPa)は、第2実施例における第2接着剤AD2のヤング率(0.1GPa)と同じである。
【0062】
すなわち、第1実施例及び第2実施例のいずれにおいても、第2接着剤AD2のヤング率(0.1GPa)は、第1接着剤AD1のヤング率(4.5GPa又は4.4GPa)より小さく、第3接着剤AD3のヤング率(0.003GPa又は0.0004GPa)より大きい。すなわち、第1実施例及び第2実施例のいずれにおいても、第2接着剤AD2は、第1接着剤AD1よりも柔らかく、第3接着剤AD3よりも硬い。なお、本実施形態では、望ましくは、第1接着剤AD1のヤング率は1~9GPaであり、第2接着剤AD2のヤング率は0.01~0.9GPaであり、第3接着剤AD3のヤング率は0.0001~0.9GPaである。
【0063】
ガラス転移温度については、第1実施例と第2実施例とで大小関係が異なる。具体的には、第1実施例では、第1接着剤AD1のガラス転移温度(40℃)は、第2接着剤AD2のガラス転移温度(62℃)より小さく、第3接着剤AD3のガラス転移温度(-6℃)より大きい。一方で、第2実施例では、第2接着剤AD2のガラス転移温度(62℃)は、第1接着剤AD1のガラス転移温度(150℃)より小さく、第3接着剤AD3のガラス転移温度(-65℃)より大きい。
【0064】
また、第1実施例では、第1接着剤AD1のガラス転移温度(40℃)及び第3接着剤AD3のガラス転移温度(-6℃)は、レンズ駆動装置101の使用温度範囲内にあり、第2接着剤AD2のガラス転移温度(62℃)は、使用温度範囲の上限よりも高い。なお、レンズ駆動装置101の使用温度範囲は、例えば、-10℃~60℃である。一方で、第2実施例では、第1接着剤AD1、第2接着剤AD2、及び第3接着剤AD3はいずれも使用温度範囲外にある。具体的には、第2実施例では、第1接着剤AD1のガラス転移温度(150℃)及び第2接着剤AD2のガラス転移温度(62℃)は使用温度範囲の上限(60℃)よりも高く、第3接着剤AD3のガラス転移温度(-65℃)は使用温度範囲の下限(-10℃)よりも低い。そのため、第2実施例では、使用温度範囲内でレンズ駆動装置101が使用される限りにおいて、第1接着剤AD1~第3接着剤AD3のそれぞれの硬さが大きく変化することはない。したがって、第2実施例は、第1実施例に比べ、周囲の温度(使用温度)が変化した場合であっても、圧電駆動部PDの特性が変化しにくいという効果をもたらす。
【0065】
次に、
図9の中央図及び下図のそれぞれにおけるグラフを参照し、圧電駆動部PDによる曲げ振動の周波数と推力との関係について説明する。
図9の中央図及び下図のそれぞれにおけるグラフはいずれも、縦軸に推力[mN]をとり、横軸に周波数[Hz]をとり、縮尺は同じである。また、
図9の中央図及び下図のそれぞれにおけるグラフはいずれも、使用温度が22℃のときの関係を実線で表し、使用温度が60℃のときの関係を破線で表し、使用温度が-10℃のときの関係を一点鎖線で表している。
【0066】
第1実施例に係る圧電駆動部PDによる曲げ振動の周波数と推力との関係を示す
図9の中央図では、周波数faにおいて、使用温度が22℃のときの推力と使用温度が-10℃のときの推力とが略同じ値n1となり、使用温度が60℃のときの推力との差も値n1程度となっている。
【0067】
一方、第2実施例に係る圧電駆動部PDによる曲げ振動の周波数と推力との関係を示す
図9の下図では、周波数fbにおいて、使用温度が22℃のときの推力と使用温度が60℃のときの推力とが略同じ値n2となり、使用温度が-10℃のときの推力との差が値n1程度となっている。なお、値n2は、値n1の2倍の大きさである。
【0068】
すなわち、使用温度範囲を-10℃から60℃までの温度範囲とした場合であって、単一の周波数で圧電駆動部PDの曲げ振動を実現する構成を想定した場合、第2実施例に係る圧電駆動部PDは、使用温度の変化に応じた推力の変動の大きさを第1実施例に係る圧電駆動部PDと同程度としながら、第1実施例に係る圧電駆動部PDよりも大きい推力を実現できるという効果をもたらす。
【0069】
次に、
図10~
図13を参照し、本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置101の別の構成例であるレンズ駆動装置101Vについて説明する。
図10は、レンズ駆動装置101Vの斜視図である。
図11は、レンズ駆動装置101Vの分解斜視図である。
図12は、レンズ駆動装置101Vを構成するベース部材3の上面図である。具体的には、
図12の上図は、レンズ保持部材2、ガイドシャフト4、受け部材5V、付勢部材6、及び圧電駆動部PDが取り付けられていない状態のベース部材3の上面図であり、
図12の下図は、レンズ保持部材2、ガイドシャフト4、受け部材5V、付勢部材6、及び圧電駆動部PDが取り付けられた状態のベース部材3の上面図である。なお、明瞭化のため、
図12の上図では、ベース部材3にドットパターンが付され、
図12の下図では、レンズ保持部材2にドットパターンが付されている。
図13は、レンズ保持部材2、ガイドシャフト4、受け部材5V、付勢部材6、及び圧電駆動部PDの右側面図である。具体的には、
図13は、レンズ保持部材2が最も低い位置にあるときの、レンズ保持部材2とガイドシャフト4、受け部材5V、付勢部材6、及び圧電駆動部PDのそれぞれとの位置関係を示している。なお、
図13では、明瞭化のため、レンズ保持部材2にドットパターンが付されている。
【0070】
レンズ駆動装置101Vは、圧電駆動部PDが可動側部材MB(レンズ保持部材2)に設けられている点で、圧電駆動部PDが固定側部材FB(ベース部材3)に設けられているレンズ駆動装置101と異なる。その他の点では、レンズ駆動装置101Vは、レンズ駆動装置101と同じである。そのため、以下では、共通部分の説明が省略され、相違部分が詳説される。また、レンズ駆動装置101及びレンズ駆動装置101Vにおける同一の又は対応する部材には同じ参照符号が付されている。
【0071】
具体的には、レンズ駆動装置101Vは、ベース部材3に固定される受け部材5Vを有する点で、レンズ保持部材2に固定される受け部材5を有するレンズ駆動装置101と異なる。
【0072】
受け部材5Vは、圧電駆動部PDによって生成される駆動力を受ける固定側部材FBである。図示例では、受け部材5Vは、チタン銅で形成された、光軸方向に延在する円柱状の部材であり、その上端部がカバー部材1の天板部1Tに固定され、その下端部がベース部材3の底板部3Bに固定されている。具体的には、受け部材5Vの上端部は、カバー部材1の天板部1Tに設けられた、上方に開口する凹状の接着剤溜め部1C(
図10参照)の内底面に形成された貫通孔1Q(
図11参照)に嵌め込まれた状態で、接着剤溜め部1Cに塗布された接着剤によってカバー部材1に固定される。また、受け部材5Vの下端部は、ベース部材3の底板部3Bに設けられた、上方に開口する筒状の接着剤溜め部3CVの内底面に形成された凹部3QV(
図12の上図参照)に嵌め込まれた状態で、接着剤溜め部3CVに塗布された接着剤によってベース部材3に固定される。
【0073】
レンズ保持部材2の前側突出部2TFには、
図11に示すように、一対のV字溝2Vが形成されており、受け部材5Vは、一対のV字溝2Vと、付勢部材6によって内方(光軸OAに近づく方向)に付勢される圧電駆動部PDとによって挟持される。
【0074】
付勢部材6は、受け部材5Vに向けて圧電駆動部PDを付勢できるように構成されている。
図11に示す例では、付勢部材6は、チタン銅製の金属板にプレス加工を施すことによって形成される板ばね部材によって構成されている。金属板はステンレス鋼製であってもよい。また、付勢部材6は、両端部がレンズ保持部材2の前側突出部2TFに固定される。具体的には、レンズ保持部材2の前側突出部2TFには挟持部2Wが形成されている。挟持部2Wは、付勢部材6の固定部6Aを挟持できるように構成された溝であり、左側挟持部2WL及び右側挟持部2WRを含む。このように、付勢部材6は、レンズ保持部材2に固定され、固定側部材FB(カバー部材1及びベース部材3)に固定された受け部材5Vに向けて圧電駆動部PDを押し付けることができるように構成されている。また、付勢部材6は、受け部材5Vに向けて一対のV字溝2Vを押し付けることができるように構成されている。そして、付勢部材6は、レンズ保持部材2とともに光軸方向に移動できるように構成されている。
【0075】
次に、
図14~
図16を参照し、レンズ駆動装置101Vを構成する付勢部材6の詳細について説明する。
図14は、付勢部材6の斜視図であり、
図6に対応している。具体的には、
図14の上図は、圧電駆動部PDが取り外された状態の付勢部材6の斜視図である。
図14の下図は、圧電駆動部PDが取り付けられた状態の付勢部材6の斜視図である。
図15は、付勢部材6の背面図であり、
図7に対応している。具体的には、
図15の上図は、圧電駆動部PDが取り外された状態の付勢部材6の背面図である。
図15の下図は、圧電駆動部PDが取り付けられた状態の付勢部材6の背面図である。
図16は、付勢部材6の左側面図であり、
図8に対応している。具体的には、
図16の上図は、圧電駆動部PDが取り外された状態の付勢部材6の左側面図である。
図16の下図は、圧電駆動部PDが取り付けられた状態の付勢部材6の左側面図である。
【0076】
レンズ駆動装置101Vを構成する付勢部材6は、
図14の上図に示すように、弾性変形部6EがU字状に折り曲げられている点で、レンズ駆動装置101を構成する直線状の付勢部材6(
図6の上図参照)と異なる。また、レンズ駆動装置101Vを構成する付勢部材6は、
図14の上図に示すように、固定部6AがL字状に折り曲げられている点で、レンズ駆動装置101を構成する直線状の固定部6A(
図6の上図参照)と異なる。
【0077】
また、レンズ駆動装置101Vを構成する付勢部材6の弾性変形部6Eは、幅狭部6Cを有する点で、レンズ駆動装置101を構成する付勢部材6の弾性変形部6Eと異なる。その他の点では、レンズ駆動装置101Vを構成する付勢部材6とレンズ駆動装置101を構成する付勢部材6とは同じである。
【0078】
幅狭部6Cは、付勢部材6が圧電駆動部PDを受け部材5Vに押し付けるときの付勢部材6による押し付け荷重を調整する際に利用される。典型的には、付勢部材6による押し付け荷重は、Z軸方向における幅狭部6Cの幅が狭いほど小さくなるように調整され、幅狭部6Cの数が多いほど小さくなるように調整される。
【0079】
図示例では、弾性変形部6Eは、左側弾性変形部6EL及び右側弾性変形部6ERを含む。そして、左側弾性変形部6ELは、左側幅狭部6CLを含み、右側弾性変形部6ERは、右側幅狭部6CRを含む。また、左側幅狭部6CLは、第1左側幅狭部6CL1及び第2左側幅狭部6CL2を含み、右側幅狭部6CRは、第1右側幅狭部6CR1及び第2右側幅狭部6CR2を含む。
【0080】
具体的には、第1左側幅狭部6CL1は、左側弾性変形部6ELの上縁部と下縁部とが上下対称となるように上縁部及び下縁部のそれぞれの一部を切り欠くことによって形成されている。但し、第1左側幅狭部6CL1は、左側弾性変形部6ELの上縁部と下縁部とが上下非対称となるように上縁部及び下縁部のそれぞれの一部を切り欠くことによって形成されてもよく、左側弾性変形部6ELの上縁部及び下縁部のいずれか一方の一部を切り欠くことによって形成されてもよい。第2左側幅狭部6CL2、第1右側幅狭部6CR1、及び第2右側幅狭部6CR2についても同様である。図示例では、幅狭部6Cは、丸パンチを用いた切り欠き加工によって実現され、Z軸方向における幅狭部6Cの幅は、丸パンチの径を変えることによって調整される。具体的には、Z軸方向における幅狭部6Cの幅は、丸パンチの径が大きいほど小さくなるように調整される。
【0081】
このように、付勢部材6による押し付け荷重は、付勢部材6を構成する金属板の板厚を変えることなく、幅狭部6Cを形成することによって簡単に調整され得る。そのため、幅狭部6Cを形成可能な弾性変形部6Eを有する付勢部材6を採用することは、付勢部材6の製造公差等によって引き起こされる押し付け荷重のバラツキを柔軟に吸収できるという効果をもたらす。
【0082】
上述のように、本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置101(又はレンズ駆動装置101V)は、固定側部材FBと、レンズ体LSを保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ保持部材2を含む可動側部材MBと固定側部材FBとのうちの一方に設けられ、光軸方向と交差する方向に延在する圧電素子8を有して構成される圧電駆動部PDと、可動側部材MBと固定側部材FBとのうちの他方に設けられ、圧電駆動部PDに接触する受け部材5(又は受け部材5V)と、圧電駆動部PDを受け部材5(又は受け部材5V)側へ付勢する付勢部材6と、を備えている。
図2に示す例では、圧電駆動部PDは固定側部材FB(ベース部材3)に設けられ、
図11に示す例では、圧電駆動部PDは可動側部材MB(レンズ保持部材2)に設けられている。
【0083】
レンズ駆動装置101(又はレンズ駆動装置101V)では、圧電素子8の運動によってレンズ保持部材2が固定側部材FBに対して光軸方向へ移動する。付勢部材6は、板ばね部材によって構成され、
図6の上図又は
図14の上図に示すように、可動側部材MBと固定側部材FBとのうちの一方に固定される固定部6Aと、圧電駆動部PDを支持する支持部6Sと、固定部6Aと支持部6Sとの間に設けられた弾性変形可能な弾性変形部6Eとを有する。支持部6Sは、圧電駆動部PDと対向する板状の基部6SCと、基部6SCの一面から圧電駆動部PD側に突出する凸部6Pとを有する。基部6SCは、例えば、圧電駆動部PDにおける、受け部材5(又は受け部材5V)が配置される側とは反対側の面に対向している。そして、圧電駆動部PDは、凸部6Pに固定されている。この構成は、簡単な構造で、圧電駆動部PDの固定と付勢を実現できるという効果をもたらす。
【0084】
凸部6Pは、
図7の上図に示すように、圧電素子8の延在方向(Y軸方向)において互いに離間して配置される第1位置PS1及び第2位置PS2のそれぞれに設けられていてもよい。この構成は、二つの節NDを有して運動する圧電駆動部PDを適切に固定できるという効果をもたらす。
【0085】
第1位置PS1及び第2位置PS2のそれぞれには、少なくとも二つの凸部6Pが圧電素子8の延在方向と交差する方向に並んで設けられていてもよい。例えば、
図7の上図に示すように、第1位置PS1には、左上側凸部6PUL及び左下側凸部6PDLが圧電素子8の延在方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)に並んで設けられ、第2位置PS2には、右上側凸部6PUR及び右下側凸部6PDRが圧電素子8の延在方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(Z軸方向)に並んで設けられている。この構成では、第1位置PS1及び第2位置PS2のそれぞれに一つの凸部6Pが設けられる構成に比べ、圧電駆動部PDの前面(X1側の面)におけるZ軸方向の広い範囲が凸部6Pによって支持される。そのため、この構成は、圧電駆動部PDの固定が安定するという効果をもたらす。
【0086】
基部6SCは、一面から突出する細長い突出部6Qを有していてもよい。この場合、突出部6Qは、少なくとも第1位置PS1と第2位置PS2との間に位置し圧電素子8の延在方向(Y軸方向)に延在するように形成されていてもよい。図示例では、基部6SCには、一つの細長い角丸長方形の突出部6Qが形成されているが、二つの細長い突出部が形成されていてもよい。この場合、二つの細長い突出部のそれぞれは、Y軸方向において部分的に並行するように形成される。基部6SCに三つ以上の細長い突出部が形成される場合についても同様である。この構成は、基部6SCの剛性を高めることができるという効果をもたらす。すなわち、この構成は、圧電駆動部PDの曲げ振動によって基部6SCが撓んでしまうのを抑制でき、ひいては、付勢部材6による押し付け荷重のバラツキを抑制できるという効果をもたらす。
【0087】
突出部6Qは、
図8の上図に示すように、基部6SCの一面である後面(X2側の面)から凸部6Pと同じ方向である後方(X2方向)に突出し、突出量(突出高さPT2)が凸部6Pの突出量(突出高さPT1)よりも小さくなるように形成されていてもよい。また、突出部6Qは、
図7の上図に示すように、少なくとも第1位置PS1から第2位置PS2まで連続的に延びるように形成されていてもよい。すなわち、第1位置PS1及び第2位置PS2は、突出部6Qの形成領域内に含まれていてもよい。
図7の上図に示す例では、突出部6Qは、左端と右端との間の距離である幅WD2が、左側折り曲げ部6NLと右側折り曲げ部6NRとの間の距離である幅WD1よりも大きくなるように形成されている。この構成は、基部6SCの薄肉化を可能としながら、基部6SCの剛性を高めることができるという効果をもたらす。すなわち、この構成は、薄くて撓みにくい基部6SCを実現できるという効果をもたらす。
【0088】
圧電駆動部PDは、
図8の下図に示すように、その延在方向(Y軸方向)と垂直な方向(Z軸方向)において、互いに対向する第1縁部(上縁部UG)と第2縁部(下縁部DG)とを有していてもよい。また、第1位置PS1及び第2位置PS2のそれぞれに設けられる凸部6Pは、第1縁部(上縁部UG)に接する第1部分と第2縁部(下縁部DG)に接する第2部分とを有していてもよい。具体的には、
図7の上図に示すように、第1位置PS1では、凸部6Pは、第1縁部(上縁部UG)に接する第1部分としての左上側凸部6PULと、第2縁部(下縁部DG)に接する第2部分としての左下側凸部6PDLとを有していてもよい。また、第2位置PS2では、凸部6Pは、第1縁部(上縁部UG)に接する第1部分としての右上側凸部6PURと、第2縁部(下縁部DG)に接する第2部分としての右下側凸部6PDRとを有していてもよい。そして、
図7の下図に示すように、第1部分(左上側凸部6PUL及び右上側凸部6PUR)は、一部(上側半分)が第1縁部(上縁部UG)の外側(Z1側)にはみ出すように設けられ、第2部分(左下側凸部6PDL及び右下側凸部6PDR)は、一部(下側半分)が第2縁部(下縁部DG)の外側(Z2側)にはみ出すように設けられていてもよい。この構成では、運動する圧電駆動部PDの延在方向(Y軸方向)に垂直な方向である上下方向(Z軸方向)において互いに離れた位置にある第1縁部(上縁部UG)及び第2縁部(下縁部DG)のそれぞれが凸部6Pの先端面ES(
図8の上図参照)によって支持される。そのため、この構成は、圧電駆動部PDを安定して支持できるという効果をもたらす。
【0089】
凸部6Pは、望ましくは、
図8の上図に示すように、先端面ESが平坦面となるように構成され、且つ、外周面CSに第3接着剤AD3が付着するように構成されている。図示例では、第3接着剤AD3は、
図7の上図に示すように、先端面ESの全面にわたって付着するように、且つ、外周面CSの全周にわたって付着するように塗布される。但し、第3接着剤AD3は、先端面ESの一部に付着するように、或いは、外周面CSの一部に付着するように塗布されてもよい。この構成は、フレキシブル配線基板10の前面の広い範囲が支持部6Sの基部6SCに接着固定されてしまうのを抑制でき、ひいては、圧電駆動部PDの曲げ振動を妨げてしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
【0090】
第1位置PS1及び第2位置PS2は、望ましくは、曲げ振動を行う圧電素子8の節ND(
図3参照)の位置に対応している。この構成は、フレキシブル配線基板10における節NDに対応する位置AP(
図3参照)以外の部分が支持部6Sの基部6SCに接着固定されてしまうのを抑制でき、ひいては、圧電駆動部PDの曲げ振動を妨げてしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
【0091】
弾性変形部6Eは、
図14の上図に示すように、付勢部材6による荷重(押し付け荷重)を調整するための幅狭部6Cを有していてもよい。この構成は、付勢部材6を構成する金属板の板厚、又は、弾性変形部6Eの延在方向における長さを変える場合に比べ、付勢部材6による荷重(押し付け荷重)の調整が容易になるという効果をもたらす。
【0092】
弾性変形部6Eは、
図6の上図に示すように、付勢部材6の捩れを抑制するための幅広部6Wを有していてもよい。そして、幅広部6Wは、支持部6Sの両側に配置され、少なくとも二つの連結部を含んでいてもよい。図示例では、幅広部6Wは、
図6の上図に示すように、支持部6Sの左側に配置される左側幅広部6WLと、支持部6Sの右側に配置される右側幅広部6WRと、を含む。そして、左側幅広部6WLは、三つの連結部(左上側連結部6WUL、左中央連結部6WML、及び左下側連結部6WDL)を含み、右側幅広部6WRは、三つの連結部(右上側連結部6WUR、右中央連結部6WMR、及び右下側連結部6WDR)を含む。この構成は、圧電駆動部PDの曲げ振動によって付勢部材6が捩れてしまうのを抑制できるという効果をもたらす。また、この構成は、YZ平面に対して基部6SCの後面(X2側の面)が傾いてしまうのを抑制でき、ひいては、圧電素子8の曲げ振動によって接合部10Bが凸部6Pの先端面ESから剥がれてしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
【0093】
圧電駆動部PDは、固定側部材FBに設けられていてもよい。
図2に示す例では、圧電駆動部PDは、付勢部材6を通じ、ベース部材3の左前側柱状部3PFL及び右前側柱状部3PFRのそれぞれに形成されている一対の挟持部3Wに嵌め込まれて固定されている。この構成は、可動側部材MBに圧電駆動部PDが設けられる場合に比べ、可動側部材MBの軽量化を実現できるという効果をもたらす。
【0094】
また、本開示の実施形態に係るレンズ駆動装置101では、圧電駆動部PDは、
図3に示すように、圧電素子8における受け部材5側の一面(X2側の面)に固定される接触部材9と、圧電素子8の他面(X1側の面)に固定され圧電素子8の電極EDに導通する複数の導電部(導電パターン)が形成されたフレキシブル配線基板10と、を有する。そして、圧電素子8と接触部材9とは一の接着剤(第1接着剤AD1)によって固定され、フレキシブル配線基板10と付勢部材6の支持部6Sとは別の接着剤(第3接着剤AD3)によって固定されている。そして、別の接着剤(第3接着剤AD3)のヤング率は、
図9の表で示すように、一の接着剤(第1接着剤AD1)のヤング率よりも小さい。この構成は、簡単な構造で、圧電駆動部PDの保持と付勢を実現できるという効果をもたらす。また、この構成は、圧電素子8の他面側に配置される別の接着剤(第3接着剤AD3)よりも圧電素子8の一面に配置される一の接着剤(第1接着剤AD1)が硬いため、別の接着剤(第3接着剤AD3)よりも一の接着剤(第1接着剤AD1)が柔らかい場合に比べ、圧電素子8の運動を適切に接触部材9に伝えることができるという効果をもたらす。
【0095】
圧電素子8とフレキシブル配線基板10とは第2接着剤AD2としての異方性導電膜を介して固定されていてもよい。この構成は、圧電素子8とフレキシブル配線基板10との間の接続が容易になるという効果をもたらす。
【0096】
第2接着剤AD2としての異方性導電膜のヤング率は、第1接着剤AD1のヤング率より小さくてもよい。
図9に示す第1実施例では、第2接着剤AD2としての異方性導電膜のヤング率は0.1[GPa]であり、第1接着剤AD1のヤング率は4.5[GPa]である。また、
図9に示す第2実施例では、第2接着剤AD2としての異方性導電膜のヤング率は0.1[GPa]であり、第1接着剤AD1のヤング率は4.4[GPa]である。これらの構成では、圧電素子8の振動伝達方向側(後側であるX2側)で圧電素子8と接触部材9との間に配置される第1接着剤AD1が、圧電素子8の反対側(前側であるX1側)で圧電素子8とフレキシブル配線基板10との間に配置される第2接着剤AD2よりも硬い。そのため、この構成は、第1接着剤AD1が第2接着剤AD2よりも柔らかい場合に比べ、圧電素子8の運動をより適切に接触部材9に伝えることができるという効果をもたらす。
【0097】
第3接着剤AD3のガラス転移温度(ガラス転移点)は、望ましくは、-10[℃](所定の使用温度範囲の下限)以下であり、より望ましくは、-20[℃]以下である。
図9に示す第2実施例では、第3接着剤AD3のガラス転移温度は-65[℃]程度である。この場合、カメラモジュールCMが搭載されるスマートフォン等の機器が通常使用されると想定される環境の温度範囲である所定の使用温度範囲は、第3接着剤AD3のガラス転移温度よりも高いため、第3接着剤AD3は、その環境の温度がガラス転移温度を下回るときに比べて柔らかい状態となる。このため、その機器が所定の使用温度範囲内で使用される限りにおいて、圧電駆動部PDが発生させる推力等の圧電駆動部PDの特性が急変することはない。第3接着剤AD3の温度がガラス転移温度を下回って第3接着剤AD3が硬くなってしまうことはないためである。したがって、この構成は、圧電素子8の円運動等の振動を効率的に接触部材9側へ伝えることができるという効果をもたらす。
【0098】
望ましくは、第2接着剤AD2としての異方性導電膜のガラス転移温度は、第3接着剤AD3のガラス転移温度よりも高い。また、望ましくは、第1接着剤AD1のガラス転移温度は、60度(使用温度範囲の上限)以上であり、第2接着剤AD2としての異方性導電膜のガラス転移温度よりも高い。
図9に示す第2実施例では、第1接着剤AD1のガラス転移温度は150[℃]であり、第2接着剤AD2のガラス転移温度は62[℃]であり、第3接着剤AD3のガラス転移温度は-65[℃]である。すなわち、第2接着剤AD2のガラス転移温度(62[℃])は、第3接着剤AD3のガラス転移温度(-65[℃])よりも高い。また、第1接着剤AD1のガラス転移温度(150[℃])は、使用温度範囲の上限(60[℃])より高く、第2接着剤AD2としての異方性導電膜のガラス転移温度(62[℃])よりも高い。この構成は、機器が所定の使用温度範囲内で使用される限りにおいて、第1接着剤AD1の温度がガラス転移温度を超えて第1接着剤AD1が柔らかくなってしまうのを抑制できる。したがって、この構成は、圧電素子8の円運動等の振動を効率的に接触部材9側へ伝えることができるという効果をもたらす。
【0099】
第2接着剤AD2としての異方性導電膜のガラス転移温度は、望ましくは、使用温度範囲の上限(60[℃])以上である。
図9に示す例では、第2接着剤AD2としての異方性導電膜のガラス転移温度は、使用温度範囲の上限(60[℃])よりも高い62[℃]である。この構成は、機器が所定の使用温度範囲内で使用される限りにおいて、第2接着剤AD2の温度がガラス転移温度を超えて第2接着剤AD2が柔らかくなってしまうのを抑制できる。したがって、この構成は、圧電素子8の円運動等の振動を効率的に接触部材9側へ伝えることができるという効果をもたらす。
【0100】
付勢部材6の支持部6Sは、
図8に示すように、圧電駆動部PDと離間した状態で対向する板状の基部6SCと基部6SCから圧電駆動部PD側へ突出する部分(凸部6P)とを有していてもよい。そして、フレキシブル配線基板10とその突出する部分(凸部6P)とは、第3接着剤AD3(
図7の上図参照)によって固定されていてもよい。この構成は、基部6SCとフレキシブル配線基板10との間に、その突出する部分(凸部6P)の突出高さPT1に相当する隙間が形成されるようにするため、圧電素子8の運動が支持部6S(基部6SC)によって妨げられてしまうのを抑制できるという効果をもたらす。なお、図示例では、基部6SCから圧電駆動部PD側へ突出する部分は、絞り加工、ダボ出し加工、又は半抜き加工によって形成される円形状の端面を有する凸部6Pであるが、折り曲げ部6Nのような、折り曲げ加工によって形成される部分(L字状に折り曲げられた折り曲げ片)であってもよい。この場合、付勢部材6は、例えば、一対の折り曲げ片のそれぞれの矩形端面がフレキシブル配線基板10の接合部10Bにおける節NDに対応する位置AP(
図3参照)に接触し、第3接着剤AD3によって接合部10Bに接着固定されるように構成されていてもよい。
【0101】
以上、本開示の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1・・・カバー部材 1C・・・接着剤溜め部 1H・・・貫通孔 1K・・・開口 1M・・・突出部 1Q・・・貫通孔 1T・・・天板部 2・・・レンズ保持部材 2C・・・筒状部 2G・・・案内部 2H・・・貫通孔 2SD・・・下側ストッパ部 2SU・・・上側ストッパ部 2T・・・突出部 2TF・・・前側突出部 2TL・・・左側突出部 2TR・・・右側突出部 2U・・・U字溝 2V・・・V字溝 3・・・ベース部材 3A・・・外周壁部 3A1・・・第1側板部 3A2・・・第2側板部 3A3・・・第3側板部 3A4・・・第4側板部 3B・・・底板部 3C、3CV・・・接着剤溜め部 3G・・・溝部 3GL・・・左側溝部 3GR・・・右側溝部 3K・・・開口 3M・・・突出部 3N・・・規制部 3NL・・・左側規制部 3NR・・・右側規制部 3P・・・柱状部 3PBL・・・左後側柱状部 3PBR・・・右後側柱状部 3PFL・・・左前側柱状部 3PFR・・・右前側柱状部 3Q、3QV・・・凹部 3S・・・収容部 3T・・・連結ピン 3W・・・挟持部 3WL・・・左側挟持部 3WR・・・右側挟持部 4・・・ガイドシャフト 5、5V・・・受け部材 6・・・付勢部材 6A・・・固定部 6AL・・・左側固定部 6AR・・・右側固定部 6C・・・幅狭部 6CL・・・左側幅狭部 6CL1・・・第1左側幅狭部 6CL2・・・第2左側幅狭部 6CR・・・右側幅狭部 6CR1・・・第1右側幅狭部 6CR2・・・第2右側幅狭部 6E・・・弾性変形部 6EL・・・左側弾性変形部 6ER・・・右側弾性変形部 6H・・・貫通孔 6HDL・・・左下側貫通孔 6HDR・・・右下側貫通孔 6HL・・・左側貫通孔 6HR・・・右側貫通孔 6HUL・・・左上側貫通孔 6HUR・・・右上側貫通孔 6N・・・折り曲げ部 6NDL・・・左下側折り曲げ部 6NDR・・・右下側折り曲げ部 6NL・・・左側折り曲げ部 6NR・・・右側折り曲げ部 6NUL・・・左上側折り曲げ部 6NUR・・・右上側折り曲げ部 6P・・・凸部 6PL・・・左側凸部 6PDL・・・左下側凸部 6PDR・・・右下側凸部 6PR・・・右側凸部 6PUL・・・左上側凸部 6PUR・・・右上側凸部 6Q・・・突出部 6S・・・支持部 6SC・・・基部 6SL・・・左側支持部 6SR・・・右側支持部 6W・・・幅広部 6WDL・・・左下側連結部 6WDR・・・右下側連結部 6WL・・・左側幅広部 6WML・・・左中央連結部 6WMR・・・右中央連結部 6WR・・・右側幅広部 6WUL・・・左上側連結部 6WUR・・・右上側連結部 8・・・圧電素子 9・・・接触部材 9S、9Sa・・・面 10・・・フレキシブル配線基板 10B・・・接合部 10E・・・延長部 101、101V・・・レンズ駆動装置 AD1・・・第1接着剤 AD2・・・第2接着剤 AD3・・・第3接着剤 AP・・・位置 CM・・・カメラモジュール CP・・・接触点 CS・・・外周面 DE・・・下端片 DG・・・下縁部 ED・・・電極 ES・・・先端面 FB・・・固定側部材 GM・・・案内機構 GML・・・左側案内機構 GMR・・・右側案内機構 HS・・・筐体 IS・・・撮像素子 LE・・・左端 LS・・・レンズ体 MB・・・可動側部材 ND・・・節 ND1・・第1節 ND2・・・第2節 OA・・・光軸 PD・・・圧電駆動部 PS1・・・第1位置 PS2・・・第2位置 RE・・・右端 UE・・・上端片 UG・・・上縁部