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特開2024-145762二酸化炭素電解セル及び二酸化炭素電解装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145762
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】二酸化炭素電解セル及び二酸化炭素電解装置
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/08 20060101AFI20241004BHJP
   C25B 3/26 20210101ALI20241004BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20241004BHJP
   C25B 9/73 20210101ALI20241004BHJP
【FI】
C25B15/08 302
C25B3/26
C25B9/23
C25B9/73
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058247
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】及川 博
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AC02
4K021AC04
4K021CA08
4K021CA09
4K021DB04
4K021DB43
4K021DB53
4K021DC15
(57)【要約】
【課題】原料流体の電極への供給均一性が高い二酸化炭素電解セルを提供することである。
【解決手段】本発明の二酸化炭素電解セルは、原料の液供給型の二酸化炭素電解セルであって、カソード部とアノード部と隔膜とを備え、カソード側液流路形成部材24の短辺側である一端部20Aに複数のカソード側液供給孔25A-1及び複数のアノード側液供給孔27A-1が交互に設けられ、かつ、他端部20Bに複数のカソード側液排出孔25B-1及び複数のアノード側液排出孔27B-1が交互に設けられ、アノード側液流路形成部材の一端部に複数のアノード側液供給孔が設けられ、かつ、他端部に複数のアノード側液排出孔が設けられ、複数のカソード側液供給孔と複数のアノード側液供給孔とは交互に配置し、かつ、複数のカソード側液排出孔と複数のアノード側液排出孔とは交互に配置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料の液供給型の二酸化炭素電解セルであって、
カソード側液流路を有するカソード部と、アノード側液流路を有するアノード部と、前記カソード部と前記アノード部との間に配置する隔膜とを備え、
前記カソード部は、ガス拡散層とカソード触媒層とを含むカソードと、前記カソードとの間にカソード側液流路を形成するカソード側液流路形成部材とを有し、
前記アノード部は、アノードと、前記アノードとの間にアノード側液流路を形成するアノード側液流路形成部材とを有し、
前記カソード側液流路形成部材及び前記アノード側液流路形成部材はいずれも、前記カソード部、前記隔膜及び前記アノード部の積層方向から平面視して長方形であり、
前記カソード側液流路形成部材の前記長方形の対向する一対の短辺のうちの一方の短辺側である一端部において、前記カソード側液流路にカソード側液を供給するための複数のカソード側液供給孔が設けられており、かつ、前記一対の短辺のうちの他方の短辺側である他端部において、カソード側液を排出するための複数のカソード側液排出孔が設けられており、
前記アノード側液流路形成部材の前記長方形の対向する一対の短辺のうちの一方の短辺側である一端部において、前記アノード側液流路にアノード側液を供給するための複数のアノード側液供給孔が設けられており、かつ、前記一対の短辺のうちの他方の短辺側である他端部において、アノード側液を排出するための複数のアノード側液排出孔が設けられており、
前記積層方向から平面視して、前記複数のカソード側液供給孔と前記複数のアノード側液供給孔とは交互に配置し、かつ、前記複数のカソード側液排出孔と前記複数のアノード側液排出孔とは交互に配置する、二酸化炭素電解セル。
【請求項2】
前記複数のカソード側液排出孔及び前記複数のアノード側液排出孔の前記交互の順が、前記複数のカソード側液供給孔及び前記複数のアノード側液供給孔の前記交互の順と逆であり、
前記複数のカソード側液供給孔と前記複数のカソード側液排出孔とは前記一対の短辺の互いにずれた位置に配置し、
前記複数のアノード側液供給孔と前記複数のアノード側液排出孔とは前記一対の短辺の互いにずれた位置に配置する、請求項1に記載の二酸化炭素電解セル。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれかに記載の二酸化炭素電解セルと、第1給電体と、第2給電体と、電源装置とを備える、二酸化炭素電解装置。
【請求項4】
請求項1又は2のいずれかに記載の二酸化炭素電解セルを複数備え、さらに第1給電体と、第2給電体と、電源装置とを備える、二酸化炭素電解装置。
【請求項5】
前記複数の二酸化炭素電解セルのそれぞれの前記カソード側液流路にカソード側液を供給するカソード側液供給マニホールドと、前記複数の二酸化炭素電解セルのそれぞれの前記アノード側液流路にアノード側液を供給するアノード側液供給マニホールドとが交互に配置し、
前記複数の二酸化炭素電解セルのそれぞれの前記カソード側液流路からカソード側液を排出するカソード側液排出マニホールドと、前記複数の二酸化炭素電解セルのそれぞれの前記アノード側液流路からアノード側液を排出するアノード側液排出マニホールドとが交互に配置し、
前記複数のカソード側液排出孔及び前記複数のアノード側液排出孔の前記交互の順が、前記複数のカソード側液供給孔及び前記複数のアノード側液供給孔の前記交互の順と逆であり、
前記複数のカソード側液供給孔と前記複数のカソード側液排出孔とは前記一対の短辺の互いにずれた位置に配置し、
前記複数のアノード側液供給孔と前記複数のアノード側液排出孔とは前記一対の短辺の互いにずれた位置に配置する、請求項4に記載の二酸化炭素電解装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素電解セル及び二酸化炭素電解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排気ガスや大気中の二酸化炭素を電気化学的に還元して有価物を得る技術は、カーボンニュートラルを達成する可能性のある有望な技術であるが、経済性が最大の課題である。経済性を改善するためには、できるだけ損失を低減し、高いエネルギー効率で二酸化炭素を電解することが重要である。
【0003】
二酸化炭素を電気化学的に還元する技術として、カソードに二酸化炭素を供給するためのガス供給流路を備え、原料である二酸化炭素をガスで供給して電気化学的に還元する二酸化炭素電解装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-141239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
二酸化炭素を電気化学的に還元する技術として、原料である二酸化炭素がイオン状態(CO 3-)で含まれる電解液をカソードに供給する、原料の液供給型の二酸化炭素電解セルが考えられる。かかる二酸化炭素電解セルでは、電解セル特有の圧力損失があり、電解液の流せる流量に限界がある。従って、原料の流路が蛇行するタイプの流路長が長い流路板を備えた二酸化炭素電解セル(例えば、特許文献1参照)は適していないと考えられる。
一方で、電解液の流量が生成ガス分の排出に大きく影響するため、多くの流量を流したいという要請がある。
二酸化炭素電解セルの製造単価を考えると1枚あたりの電極面積を大きくしたいため、流路長を制限されるのは非常に痛手である。そこで、電極を横長にして縦方向に電解液を流せば流路長を伸ばさず、電極面積を大きくできる。しかしながら、電極を横長にして縦方向に電解液を流す構成においては、原料となる流体を電極に均一に届ける配分性を対策する必要がある。
【0006】
本発明は、原料となる流体の電極への供給量の均一性が高い二酸化炭素電解セル及び二酸化炭素電解装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を採用した。
本発明の態様1は、原料の液供給型の二酸化炭素電解セルであって、カソード側液流路を有するカソード部と、アノード側液流路を有するアノード部と、前記カソード部と前記アノード部との間に配置する隔膜とを備え、前記カソード部は、ガス拡散層とカソード触媒層とを含むカソードと、前記カソードとの間にカソード側液流路を形成するカソード側液流路形成部材とを有し、前記アノード部は、アノードと、前記アノードとの間にアノード側液流路を形成するアノード側液流路形成部材とを有し、前記カソード側液流路形成部材及び前記アノード側液流路形成部材はいずれも、前記カソード部、前記隔膜及び前記アノード部の積層方向から平面視して長方形であり、前記カソード側液流路形成部材の前記長方形の対向する一対の短辺のうちの一方の短辺側である一端部において、前記カソード側液流路にカソード側液を供給するための複数のカソード側液供給孔が設けられており、かつ、前記一対の短辺のうちの他方の短辺側である他端部において、カソード側液を排出するための複数のカソード側液排出孔が設けられており、前記アノード側液流路形成部材の前記長方形の対向する一対の短辺のうちの一方の短辺側である一端部において、前記アノード側液流路にアノード側液を供給するための複数のアノード側液供給孔が設けられており、かつ、前記一対の短辺のうちの他方の短辺側である他端部において、アノード側液を排出するための複数のアノード側液排出孔が設けられており、前記積層方向から平面視して、前記複数のカソード側液供給孔と前記複数のアノード側液供給孔とは交互に配置し、かつ、前記複数のカソード側液排出孔と前記複数のアノード側液排出孔とは交互に配置する、二酸化炭素電解セルである。
【0008】
本発明の態様2は、態様1の二酸化炭素電解セルにおいて、前記複数のカソード側液排出孔及び前記複数のアノード側液排出孔の前記交互の順が、前記複数のカソード側液供給孔及び前記複数のアノード側液供給孔の前記交互の順と逆であり、前記複数のカソード側液供給孔と前記複数のカソード側液排出孔とは前記一対の短辺の互いにずれた位置に配置し、前記複数のアノード側液供給孔と前記複数のアノード側液排出孔とは前記一対の短辺の互いにずれた位置に配置する。
【0009】
本発明の態様3は、態様1又は態様2のいずれか一つの二酸化炭素電解セルと、第1給電体と、第2給電体と、電源装置とを備える、二酸化炭素電解装置である。
【0010】
本発明の態様4は、態様1又は態様2のいずれか一つの二酸化炭素電解セルを複数備え、さらに第1給電体と、第2給電体と、電源装置とを備える、二酸化炭素電解装置である。
【0011】
本発明の態様5は、態様4の二酸化炭素電解装置において、前記複数の二酸化炭素電解セルのそれぞれの前記カソード側液流路にカソード側液を供給するカソード側液供給マニホールドと、前記複数の二酸化炭素電解セルのそれぞれの前記アノード側液流路にアノード側液を供給するアノード側液供給マニホールドとが交互に配置し、前記複数の二酸化炭素電解セルのそれぞれの前記カソード側液流路からカソード側液を排出するカソード側液排出マニホールドと、前記複数の二酸化炭素電解セルのそれぞれの前記アノード側液流路からアノード側液を排出するアノード側液排出マニホールドとが交互に配置し、前記複数のカソード側液排出孔及び前記複数のアノード側液排出孔の前記交互の順が、前記複数のカソード側液供給孔及び前記複数のアノード側液供給孔の前記交互の順と逆であり、前記複数のカソード側液供給孔と前記複数のカソード側液排出孔とは前記一対の短辺の互いにずれた位置に配置し、前記複数のアノード側液供給孔と前記複数のアノード側液排出孔とは前記一対の短辺の互いにずれた位置に配置する。
【発明の効果】
【0012】
態様1~態様5によれば、原料となる流体の電極への供給量の均一性が高い二酸化炭素電解セル及び二酸化炭素電解装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る二酸化炭素電解セルの断面模式図である。
図2】二酸化炭素電解セルのカソード部側の一部を電解液が流れる方向に切った断面模式図である。
図3】(a)はカソード側液流路形成部材あるいはアノード側液流路形成部材の従来典型的な構造例を示す平面模式図であり、(b)はカソード側液流路形成部材あるいはアノード側液流路形成部材の従来典型的な他の構造例を示す平面模式図である。
図4】実施形態に係る二酸化炭素電解セルが備えるカソード側液流路形成部材の平面模式図である。
図5】実施形態に係る二酸化炭素電解セルが備えるアノード側液流路形成部材の平面模式図である。
図6】単セルの二酸化炭素電解セル10を備えた二酸化炭素電解装置100の断面模式図である。
図7】複数の二酸化炭素電解セル10を備えた二酸化炭素電解装置110の断面模式図である。
図8】(a)は、図7に示した二酸化炭素電解装置110の構成で複数の二酸化炭素電解セル10を離間させて配置させた斜視図であり、(b)は、図7に示した二酸化炭素電解装置110が備えるマニホールド(図7では図示略)の配置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0015】
図1は、実施形態に係る二酸化炭素電解セルの断面模式図である。図2は、二酸化炭素電解セルのカソード部側の一部を電解液が流れる方向に切った断面模式図である。
図1に示す二酸化炭素電解セル10は、原料の液供給型の二酸化炭素電解セルであって、カソード側液流路を有するカソード部20と、アノード側液流路を有するアノード部30と、カソード部20とアノード部30との間に配置する隔膜40とを備える。
【0016】
カソード部20は、カソード21と、カソード21との間にカソード側液流路22を形成するカソード側液流路形成部材(カソード側セパレータ)24とを有する。
【0017】
カソード21は、二酸化炭素(CO)を還元して炭素化合物を生成し、また水を還元して水素を生成する電極(還元電極)である。二酸化炭素の還元反応によって生成する炭素化合物としては、一酸化炭素(CO)、メタン(CH)、エタン(C)、エチレン(C)、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)、エチレングリコール(C)等がある。
例えば、以下の反応で、ガス状生成物として一酸化炭素及びエチレンが生成する。カソード21では以下の反応で水素も生成する。
CO+HO→CO+2OH
2CO+8HO→C+8OH+2H
2HO→H+2OH
【0018】
カソード21は例えば、ガス拡散層21Aとカソード触媒層21Bとを有する。カソード触媒層は、一部がガス拡散層中に入り込んでいてもよい。ガス拡散層とカソード触媒層の間には、ガス拡散層よりも緻密な多孔質層を配置してもよい。
【0019】
カソード触媒層を形成するカソード触媒としては、二酸化炭素の還元を促進する公知の触媒を使用できる。カソード触媒の具体例としては、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄、マンガン、チタン、カドミウム、亜鉛、インジウム、ガリウム、鉛、錫等の金属、それらの合金や金属間化合物、ルテニウム錯体、レニウム錯体等の金属錯体を例示できる。なかでも、二酸化炭素の還元が促進される点から、銅、銀が好ましく、銅がより好ましい。カソード触媒としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
カソード触媒としては、金属粒子が炭素材料(カーボン粒子、カーボンナノチューブ、グラフェン等)に担持された担持触媒を用いてもよい。
【0020】
カソード21のガス拡散層としては、特に限定されず、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロスを例示できる。
カソード21の製造方法は、特に限定されず、例えば、ガス拡散層のカソード側液流路形成部材24とは反対の面に、カソード触媒を含む液状組成物を塗布して乾燥する方法を例示できる。
【0021】
COの還元反応は、カソード21のガス拡散層とカソード触媒層(あるいはカソード触媒)との境界近傍で生ずると考えられる。
【0022】
アノード部30は、アノード31と、アノード31との間にアノード側液流路32を形成するアノード側液流路形成部材(アノード側セパレータ)34とを有する。
【0023】
アノード31は、水酸化物イオンを酸化して酸素を生成するための電極である。アノード31は例えば、ガス拡散層とカソード触媒層とを有する。
【0024】
アノード触媒層を形成するアノード触媒としては、特に限定されず、公知のアノード触媒を使用できる。具体的には、例えば、白金、パラジウム、ニッケル等の金属、それらの合金や金属間化合物、酸化マンガン、酸化イリジウム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化鉄、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ルテニウム、酸化リチウム、酸化ランタン等の金属酸化物、ルテニウム錯体、レニウム錯体等の金属錯体を例示できる。アノード触媒としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
アノード31のガス拡散層としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロスを例示できる。また、ガス拡散層としては、メッシュ材、パンチング材、多孔体、金属繊維焼結体等の多孔質体を用いてもよい。多孔質体の材質としては、例えば、チタン、ニッケル、鉄等の金属、これらの合金(例えばSUS)を例示できる。
【0026】
隔膜40は、アノード部とカソード部との間でイオンを移動させることができ、かつアノード部とカソード部とを分離することが可能な公知のセパレータを用いることができる。代表的なものとしては、アニオン交換膜、カチオン交換膜、プロトン交換膜、バイポーラ膜などのイオン交換膜が挙げられる。また、イオン交換膜以外にもアノード部とカソード部との間でイオンを移動させることが可能な材料であれば、各種多孔質膜などのセパレータを適用してもよい。
【0027】
隔膜40の厚さは、0.03~0.5mmが好ましく、0.05~0.1mmがより好ましい。隔膜40の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、機械的強度及び耐久性が得られる。隔膜40の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、イオン移動抵抗が低く抑えられる。
【0028】
図3(a)及び(b)は、カソード側液流路形成部材あるいはアノード側液流路形成部材の従来典型的な構造例を示す平面模式図である。以下では主に、図3(a)及び(b)がカソード側液流路形成部材である場合を例として説明する。実施形態に係る二酸化炭素電解セルが備えるカソード側液流路形成部材及びアノード側液流路形成部材の流路構造自体は公知の流路構造のものを用いることができるが、図3(a)及び(b)はその例示である。
【0029】
図3(a)に示すカソード側液流路形成部材200は、一端部200Aにカソード側液供給孔210Aとアノード側液供給孔230Aとが設けられており、一方、他端部200Bには、カソード側液排出孔210Bとアノード側液排出孔230Bとが設けられている。また、一端部200Aと他端部200Bと間にはカソード側液流路220が設けられている。
カソード側液流路形成部材200では、カソード側液供給孔及びカソード側液排出孔が1個づつ(一対)、また、アノード側液供給孔及びアノード側液排出孔が1個づつ(一対)設けられている。
【0030】
カソード側液流路形成部材200では、カソード側液流路形成部材200の一方の面に複数の突起部201が形成されており、突起部201間がカソード側液流路220を形成している。突起部201は例えば、エンボス加工により形成されている。
【0031】
アノード側液流路形成部材も同様に、一端部にアノード側液供給孔とアノード側液供給孔とが設けられており、一方、他端部には、カソード側液排出孔とアノード側液排出孔とが設けられている。また、一端部と他端部と間にはアノード側液流路が設けられている。
【0032】
マニホールド(後述する)から供給されたカソード側液は、カソード側液流路形成部材200の一端部200Aに設けられたカソード側液供給孔210Aからカソード側液流路220へ供給される。カソード側液流路220を流れるカソード側液は、ガス拡散層とカソード触媒層との境界近傍で二酸化炭素の還元反応によって生成した炭素化合物を含み、カソード側液排出孔210Bからマニホールドに回収される。
【0033】
同様に、マニホールド(後述する)から供給されたアノード側液は、アノード側液流路形成部材の一端部に設けられたアノード側液供給孔からアノード側液流路へ供給される。アノード側液流路を流れるアノード側液は、酸化反応によって生成した生成物を含み、アノード側液排出孔からマニホールドに回収される。
【0034】
マニホールドは、複数の二酸化炭素電解セルが積層されて構成された二酸化炭素電解装置において、それら複数の二酸化炭素電解セルのそれぞれにカソード側液あるいはアノード側液を供給し、また、複数の二酸化炭素電解セルのそれぞれからカソード側液あるいはアノード側液を回収するように構成されている。
【0035】
図3(b)に示すカソード側液流路形成部材300は、一端部300Aにカソード側液供給孔310Aとアノード側液供給孔330Aとが設けられる一方、他端部300Bには、カソード側液排出孔310Bとアノード側液排出孔330Bとが設けられる。また、一端部300Aと他端部300Bと間にはカソード側液流路320が設けられている。
カソード側液流路形成部材300でもカソード側液流路形成部材200と同様に、カソード側液供給孔及びカソード側液排出孔が1個づつ(一対)、また、アノード側液供給孔及びアノード側液排出孔が1個づつ(一対)設けられている。
【0036】
カソード側液流路形成部材300では、カソード側液流路形成部材300の一方の面に一端部300Aと他端部300Bとを結ぶ方向に略直線状に延在する複数の溝部301が形成され、それら複数の溝部301がカソード側液流路320を構成している。カソード側液流路形成部材300では、折り返し用仕切り部材305a、305bが互いに離間し且つ千鳥状に設けられており、カソード側液流路320は1往復半だけ折り返す蛇行流路となっている。
【0037】
カソード側液流路形成部材300においてもカソード側液流路形成部材200と同様に、マニホールドから供給されたカソード側液はカソード側液流路形成部材300の一端部300Aに設けられたカソード側液供給孔310Aからカソード側液流路320へ供給される。カソード側液流路320を流れるカソード側液は、ガス拡散層とカソード触媒層との境界近傍で二酸化炭素の還元反応によって生成した炭素化合物を含み、カソード側液排出孔310Bからマニホールドに回収される。
アノード側液についても同様である。
【0038】
図4は、実施形態に係る二酸化炭素電解セルが備えるカソード側液流路形成部材の平面模式図である。図4に示す例は、突起部間に流路が形成される場合(図3(a)参照)とする。
図4に示すカソード側液流路形成部材24は、カソード部、隔膜及びアノード部の積層方向(Z方向)から平面視して長方形である。カソード側液が流れる方向を縦方向とし、それに直交する方向を横方向とすると、カソード側液流路形成部材24は平面視して横長形状である。
ここで、長方形又は横長形状とは、カソード側液流路形成部材24の縦方向(Y方向)の長さLyに対して横方向(X方向)の長さLxの比(Lx/Ly)が特に制限はないが、例えば、1.1~50である場合である。
この場合、カソード側液流路形成部材24の長さLyが例えば、100mm~2000mmであるとすると、長さLxが110mm~100000mmとなる。
【0039】
図3に示した従来典型的なカソード側液流路形成部材200、300は、カソード側液供給孔及びカソード側液排出孔、並びに、アノード側液供給孔及びアノード側液排出孔がそれぞれ1個づつ(1対づつ)であった。この場合、例えば、図3(a)に示したカソード側液流路形成部材200において、カソード側液供給孔とカソード側液排出孔とを結んだ方向(カソード側液が流れる方向)と交差する方向の辺り(点線丸で囲んだ辺り。クロスフローにおけるデッドゾーン)はカソード側液が流れる方向に沿った辺りに比べてカソード側液が十分に流れず、原料となる電解液の流れの均一性に課題がある。ここで、電解セル特有の圧力損失のために電解液が流れる方向には大きくできないため、横長に伸ばしていかざるを得ないが、このような横長形状のカソード側液流路形成部材では、電解液の流れの均一性の問題がより大きくなる。
また、図3(b)に示したカソード側液流路形成部材300では、原料となる電解液が蛇行して流れるため、電解セル特有の圧力損失に起因して流せる電解液の流量の上限が少なくなり、生成ガス分の排出に支障が出ることが懸念される。
アノード側液流路形成部材についても同様な問題が懸念される。
【0040】
上記の2つの問題について、本実施形態の二酸化炭素電解セルでは、横長形状のカソード側液流路形成部材を用いて、複数のカソード側液供給孔及びカソード側液排出孔、複数のアノード側液供給孔及びアノード側液排出孔を横方向にそれぞれ、交互に並ぶように設けることによって解決するものである。すなわち、横方向にサイズアップした分、電解液の入口と出口も増やし、クロスフローの流れをできるだけ小さくする構成とすることで、サイズアップしても電解液が電極全体に均一に流れることを担保するものである。
【0041】
図4に示すカソード側液流路形成部材24では、カソード側液流路形成部材の長方形の対向する一対の短辺のうちの一方の短辺側である一端部20Aにおいて、カソード側液流路にカソード側液を供給するための複数のカソード側液供給孔25A-1、25A-2、25A-3、25A-4が設けられており、かつ、一対の短辺のうちの他方の短辺側である他端部20Bにおいて、カソード側液を排出するための複数のカソード側液排出孔25B-1、25B-2、25B-3、25B-4が設けられている。また、一端部20Aにおいて、アノード側液流路にアノード側液を供給するための複数のアノード側液供給孔27A-1、27A-2、27A-3、27A-4が設けられており、他端部20Bにおいて、カソード側液を排出するための複数のアノード側液排出孔27B-1、27B-2、27B-3、27B-4が設けられている。
【0042】
Z方向から平面視して、複数のカソード側液供給孔25A-1、25A-2、25A-3、25A-4と複数のアノード側液供給孔27A-1、27A-2、27A-3、27A-4とは交互に配置し、かつ、複数のカソード側液排出孔25B-1、25B-2、25B-3、25B-4と複数のアノード側液排出孔27B-1、27B-2、27B-3、27B-4とは交互に配置している。
また、複数のカソード側液供給孔25A-1、25A-2、25A-3、25A-4と複数のアノード側液供給孔27A-1、27A-2、27A-3、27A-4の交互の順が、複数のカソード側液排出孔25B-1、25B-2、25B-3、25B-4と複数のアノード側液排出孔27B-1、27B-2、27B-3、27B-4の交互の順と逆である。さらに、複数のカソード側液供給孔25A-1、25A-2、25A-3、25A-4と複数のカソード側液排出孔25B-1、25B-2、25B-3、25B-4とが一端部20A及び他端部20Bの互いにずれた位置に配置しており、この配置によってクロスフローが実現している。
【0043】
マニホールド(後述する)から供給されたカソード側液は、カソード側液流路形成部材24の一端部20Aに設けられた複数のカソード側液供給孔25A-1、25A-2、25A-3、25A-4からカソード側液流路22へ供給される。カソード側液流路22を流れるカソード側液は、ガス拡散層とカソード触媒層との境界近傍で二酸化炭素の還元反応によって生成した炭素化合物を含み、複数のカソード側液排出孔25B-1、25B-2、25B-3、25B-4からマニホールドに回収される。
【0044】
カソード側液流路形成部材24では、カソード側液供給孔及びカソード側液排出孔が4個づつ備える構成であるが、4個は一例である。
カソード側液供給孔及びカソード側液排出孔の数に特に制限はないが、電解セルの大きさと、隣接するカソード側液供給孔とアノード側液供給孔との間の間隔(同様に、隣接するカソード側液排出孔とアノード側液排出孔との間の間隔)と、供給孔及び排出孔の大きさとに依存する。
例えば、電解セルの大きさ、仮に長さLxが2000mmの場合、供給孔及び排出孔のLx方向の長さを40mm~400mmとすると、隣接する供給孔間の間隔及び隣接する排出孔間の間隔は、10mm~100mmとすることができる。この場合、各供給孔の数あるいは各排出孔の数(密度)は0.001~0.01個/mmとなる。
【0045】
カソード側液流路形成部材24では、突起部22a間に流路22が形成されている。カソード側液供給孔25A-1、25A-2、25A-3、25A-4と流路22とを結ぶ連結領域28や、流路22とカソード側液排出孔25B-1、25B-2、25B-3、25B-4とを結ぶ連結領域29においても、突起部や溝部が形成されていてもよい。
【0046】
図5は、実施形態に係る二酸化炭素電解セルが備えるアノード側液流路形成部材の平面模式図である。図5に示す例はカソード側液流路形成部材24と同様に、突起部間に流路が形成される場合(図3(a)参照)とする。アノード側液流路形成部材についても、カソード側液流路形成部材と共通の技術思想に基づいて作製される。共通する点については説明を省略する場合がある。
図5に示すアノード側液流路形成部材34はカソード側液流路形成部材24と同様に、カソード部、隔膜及びアノード部の積層方向(Z方向)から平面視して長方形である。アノード側液が流れる方向を縦方向とし、それに直交する方向を横方向とすると、アノード側液流路形成部材34は平面視して横長形状である。
【0047】
図5に示すアノード側液流路形成部材34では、アノード側液流路形成部材の長方形の対向する一対の短辺のうちの一方の短辺側である一端部30Aにおいて、アノード側液流路にアノード側液を供給するための複数のアノード側液供給孔37A-1、37A-3、37A-3、37A-4が設けられており、一対の短辺のうちの他方の短辺側である他端部30Bにおいて、アノード側液を排出するための複数のアノード側液排出孔37B-1、37B-2、37B-3、37B-4が設けられている。一端部30Aにおいて、カソード側液流路にカソード側液を供給するための複数のカソード側液供給孔35A-1、35A-2、35A-3、35A-4が設けられており、かつ、他端部30Bにおいて、カソード側液を排出するための複数のカソード側液排出孔35B-1、35B-2、35B-3、35B-4が設けられている。
Z方向から平面視して、複数のアノード側液供給孔37A-1、37A-3、37A-3、37A-4と複数のカソード側液供給孔35A-1、35A-2、35A-3、35A-4とは交互に配置し、かつ、複数のアノード側液排出孔37B-1、37B-2、37B-3、37B-4と複数のカソード側液排出孔35B-1、35B-2、35B-3、35B-4とは交互に配置している。
また、複数のアノード側液供給孔37A-1、37A-3、37A-3、37A-4と複数のカソード側液供給孔35A-1、35A-2、35A-3、35A-4の交互の順が、複数のアノード側液排出孔37B-1、37B-2、37B-3、37B-4と複数のカソード側液排出孔35B-1、35B-2、35B-3、35B-4の交互の順と逆である。さらに、複数のアノード側液供給孔37A-1、37A-3、37A-3、37A-4と複数のアノード側液排出孔37B-1、37B-2、37B-3、37B-4が一端部20A及び他端部20Bの互いにずれた位置に配置しており、この配置によってクロスフローが実現している。
【0048】
マニホールド(後述する)から供給されたアノード側液は、アノード側液流路形成部材34の一端部30Aに設けられた複数のアノード側液供給孔37A-1、37A-3、37A-3、37A-4からアノード側液流路32へ供給される。アノード側液流路32を流れるアノード側液は、酸化反応によって生成した生成物を含み、複数のアノード側液排出孔37B-1、37B-2、37B-3、37B-4からマニホールドに回収される。
【0049】
アノード側液流路形成部材34では、アノード側液供給孔及びアノード側液排出孔が4個づつ備える構成であるが、4個は一例である。
【0050】
アノード側液流路形成部材34では、突起部32a間に流路32が形成されている。アノード側液供給孔37A-1、37A-3、37A-3、37A-4と流路32とを結ぶ連結領域38や、アノード側液排出孔37B-1、37B-2、37B-3、37B-4と流路39とを結ぶ連結領域39においても、突起部や溝部が形成されていてもよい。においても、突起部や溝部が形成されていてもよい。
【0051】
図6は、単セルの二酸化炭素電解セル10を備えた二酸化炭素電解装置100の断面模式図である。
図6に示す二酸化炭素電解装置100は、二酸化炭素電解セル10と、第1給電体51と、第2給電体52と、電源装置60とを備え、図示しない一対の支持板で挟み込まれ、さらにボルト等で締め付けられている。
【0052】
第1給電体51及び第2給電体52の材質としては例えば、銅、金、チタン、SUS等の金属、カーボンを例示できる。第1給電体51及び第2給電体52としては、銅基材の表面に金メッキ等のメッキ処理を施したものを使用してもよい。
カソード側液流路形成部材24とアノード側液流路形成部材34は導体であり、電源装置60からカソード21とアノード31の間に電圧が印加される。
電源60は、通常の系統電源や電池等に限られるものではなく、太陽電池、風力発電、地熱発電等の再生可能エネルギーで発生させた電力を供給する電力源であってもよい。
【0053】
図7は、複数の二酸化炭素電解セル10を備えた二酸化炭素電解装置110の断面模式図である。図8(a)は、図7に示した二酸化炭素電解装置110の構成を理解しやすくするために複数の二酸化炭素電解セル10を離間させて配置させた斜視図であり、図8(b)は、図7に示した二酸化炭素電解装置110が備えるマニホールド(図7では図示略)の配置を示す斜視図である。
【0054】
図7に示す二酸化炭素電解装置110は、複数(N個)の二酸化炭素電解セル10と、複数の二酸化炭素電解セル10を挟むように配置する第1給電体151及び第2給電体152と、電源装置60とを備える。
【0055】
図7に示す二酸化炭素電解装置200はさらに、第1給電体151及び第2給電体152の外側に、絶縁板71、72を介して支持板81、82を備え、図示しないボルト等で締め付けられている。
【0056】
図7に示す例では、隣接する二酸化炭素電解セル10のカソード側液流路形成部材24とアノード側液流路形成部材34とは共通の部材(セパレータ)のおもて側と裏側である。
N個の二酸化炭素電解セル10はそれぞれ、第1給電体151側から順に、二酸化炭素電解セル10-1、二酸化炭素電解セル10-2、・・・二酸化炭素電解セル10-(N-1)、二酸化炭素電解セル10-Nである。二酸化炭素電解セル10-1が備えるアノード側液流路形成部材34と二酸化炭素電解セル10-2が備えるカソード側液流路形成部材24とは共通する部材のおもて側と裏側でそれぞれ、液流路を形成している。
【0057】
図8(a)に示す複数の二酸化炭素電解セル10は6個の電解セル10a、10b、10c、10d、10e、10fからなるものである。
図8(b)に示すように、マニホールドは液供給用と液回収用とで別々に備える。液供給用のマニホールドとしては、4個のカソード側液供給用マニホールド55A-1、55A-2、55A-3、55A-4と、4個のアノード側液供給用マニホールド57A-1、57A-2、57A-3、57A-4とを備える。また、液回収用のマニホールドとしては、4個のカソード側液供給用マニホールド55B-1、55B-2、55B-3、55B-4と、4個のアノード側液供給用マニホールド57B-1、57B-2、57B-3、57B-4とを備える。
【0058】
各電解セルの同じ位置に配置する供給孔、排出孔のそれぞれ用として、マニホールドが備えられている。
【0059】
カソード側液供給用マニホールド55A-1は、電解セル10aのカソード側液供給孔25A-1aと同じ位置にある電解セル10bのカソード側液供給孔、電解セル10cのカソード側液供給孔、電解セル10dのカソード側液供給孔、電解セル10eのカソード側液供給孔、電解セル10fのカソード側液供給孔にカソード側液を分配するように構成されている。
カソード側液供給用マニホールド55A-2は、電解セル10aのカソード側液供給孔25A-2aと同じ位置にある電解セル10bのカソード側液供給孔、電解セル10cのカソード側液供給孔、電解セル10dのカソード側液供給孔、電解セル10eのカソード側液供給孔、電解セル10fのカソード側液供給孔にカソード側液を分配するように構成されている。
カソード側液供給用マニホールド55A-3は、電解セル10aのカソード側液供給孔25A-3aと同じ位置にある電解セル10bのカソード側液供給孔、電解セル10cのカソード側液供給孔、電解セル10dのカソード側液供給孔、電解セル10eのカソード側液供給孔、電解セル10fのカソード側液供給孔にカソード側液を分配するように構成されている。
カソード側液供給用マニホールド55A-4は、電解セル10aのカソード側液供給孔25A-4aと同じ位置にある電解セル10bのカソード側液供給孔、電解セル10cのカソード側液供給孔、電解セル10dのカソード側液供給孔、電解セル10eのカソード側液供給孔、電解セル10fのカソード側液供給孔にカソード側液を分配するように構成されている。
【0060】
アノード側液供給用マニホールド57A-1は、電解セル10aのアノード側液供給孔27A-1aと同じ位置にある電解セル10bのアノード側液供給孔、電解セル10cのアノード側液供給孔、電解セル10dのアノード側液供給孔、電解セル10eのアノード側液供給孔、電解セル10fのアノード側液供給孔にアノード側液を分配するように構成されている。
アノード側液供給用マニホールド57A-2は、電解セル10aのアノード側液供給孔27A-2aと同じ位置にある電解セル10bのアノード側液供給孔、電解セル10cのアノード側液供給孔、電解セル10dのアノード側液供給孔、電解セル10eのアノード側液供給孔、電解セル10fのアノード側液供給孔にアノード側液を分配するように構成されている。
アノード側液供給用マニホールド57A-3は、電解セル10aのアノード側液供給孔27A-3aと同じ位置にある電解セル10bのアノード側液供給孔、電解セル10cのアノード側液供給孔、電解セル10dのアノード側液供給孔、電解セル10eのアノード側液供給孔、電解セル10fのアノード側液供給孔にアノード側液を分配するように構成されている。
アノード側液供給用マニホールド57A-4は、電解セル10aのアノード側液供給孔27A-4aと同じ位置にある電解セル10bのアノード側液供給孔27A-4b、電解セル10cのアノード側液供給孔27A-4c、電解セル10dのアノード側液供給孔27A-4d、電解セル10eのアノード側液供給孔27A-4e、電解セル10fのアノード側液供給孔27A-4fにアノード側液を分配するように構成されている。
【0061】
カソード側液排出用マニホールド55B-1は、電解セル10aのカソード側液排出孔25B-1aと同じ位置にある電解セル10bのカソード側液排出孔25B-1b、電解セル10cのカソード側液排出孔25B-1c、電解セル10dのカソード側液排出孔25B-1d、電解セル10eのカソード側液排出孔25B-1e、電解セル10fのカソード側液排出孔25B-1fにカソード側液を分配するように構成されている。
カソード側液排出用マニホールド55B-2は、電解セル10aのカソード側液排出孔と同じ位置にある電解セル10bのカソード側液排出孔、電解セル10cのカソード側液排出孔、電解セル10dのカソード側液排出孔、電解セル10eのカソード側液排出孔、電解セル10fのカソード側液排出孔25B-2fにカソード側液を分配するように構成されている。
カソード側液排出用マニホールド55B-3は、電解セル10aのカソード側液排出孔と同じ位置にある電解セル10bのカソード側液排出孔、電解セル10cのカソード側液排出孔、電解セル10dのカソード側液排出孔、電解セル10eのカソード側液排出孔、電解セル10fのカソード側液排出孔25B-3fにカソード側液を分配するように構成されている。
カソード側液排出用マニホールド55B-4は、電解セル10aのカソード側液排出孔25B-4aと同じ位置にある電解セル10bのカソード側液排出孔、電解セル10cのカソード側液排出孔、電解セル10dのカソード側液排出孔、電解セル10eのカソード側液排出孔、電解セル10fのカソード側液排出孔25B-4fにカソード側液を分配するように構成されている。
【0062】
アノード側液排出用マニホールド57B-1は、電解セル10aのアノード側液排出孔と同じ位置にある電解セル10bのアノード側液排出孔、電解セル10cのアノード側液排出孔、電解セル10dのアノード側液排出孔、電解セル10eのアノード側液排出孔、電解セル10fのアノード側液排出孔27B-1fにアノード側液を分配するように構成されている。
アノード側液排出用マニホールド57B-2は、電解セル10aのアノード側液排出孔と同じ位置にある電解セル10bのアノード側液排出孔、電解セル10cのアノード側液排出孔、電解セル10dのアノード側液排出孔、電解セル10eのアノード側液排出孔、電解セル10fのアノード側液排出孔27B-2fにアノード側液を分配するように構成されている。
アノード側液排出用マニホールド57B-3は、電解セル10aのアノード側液排出孔と同じ位置にある電解セル10bのアノード側液排出孔、電解セル10cのアノード側液排出孔、電解セル10dのアノード側液排出孔、電解セル10eのアノード側液排出孔、電解セル10fのアノード側液排出孔27B-3fにアノード側液を分配するように構成されている。
アノード側液排出用マニホールド57B-4は、電解セル10aのアノード側液排出孔と同じ位置にある電解セル10bのアノード側液排出孔27B-4b、電解セル10cのアノード側液排出孔27B-4c、電解セル10dのアノード側液排出孔27B-4d、電解セル10eのアノード側液排出孔27B-4e、電解セル10fのアノード側液排出孔27B-4fにアノード側液を分配するように構成されている。
【0063】
図8(b)に示すように、4個のカソード側液供給用マニホールド55A-1、55A-2、55A-3、55A-4、及び、4個のアノード側液供給用マニホールド57A-1、57A-2、57A-3、57A-4は、各電解セルのカソード側液供給孔及びアノード側液供給孔の交互の配置に対応して、交互に配置している。
また、図8(b)に示すように、4個のカソード側液供給用マニホールド55B-1、55B-2、55B-3、55B-4、及び、4個のアノード側液供給用マニホールド57B-1、57B-2、57B-3、57B-4は、各電解セルのカソード側液排出孔及びアノード側液排出孔の交互の配置に対応して、交互に配置している。
電解セルのカソード側液供給孔、カソード側液排出孔、アノード側液供給孔及びアノード側液排出孔のそれぞれの位置に対応して、交互に配置している。
【0064】
また、4個のカソード側液供給用マニホールド55A-1、55A-2、55A-3、55A-4、及び、4個のアノード側液供給用マニホールド57A-1、57A-2、57A-3、57A-4の交互配置の順が、4個のカソード側液供給用マニホールド55B-1、55B-2、55B-3、55B-4、及び、4個のアノード側液供給用マニホールド57B-1、57B-2、57B-3、57B-4の交互配置の順が逆である。この配置によってクロスフローが実現している。
【符号の説明】
【0065】
10…二酸化炭素電解セル、20…カソード部、21…カソード、22…カソード側液供給流路、24…カソード側液流路形成部材、30…アノード部、31…アノード、32…アノード側液供給流路、34…アノード側液流路形成部材、40…隔膜、100、110…二酸化炭素電解装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8