(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145764
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】温調システム
(51)【国際特許分類】
F25D 17/08 20060101AFI20241004BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F25D17/08 302
F25D11/00 101D
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058251
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盛島 明元
(72)【発明者】
【氏名】染川 和摩
(72)【発明者】
【氏名】日比野 寛
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA01
3L045BA02
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045GA04
3L045HA01
3L045JA13
3L045MA02
3L045NA03
3L045NA07
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA16
3L345BB00
3L345CC01
3L345DD08
3L345DD17
3L345DD21
3L345DD33
3L345EE04
3L345EE15
3L345EE33
3L345EE53
3L345FF12
3L345FF13
3L345FF14
3L345FF37
3L345FF44
3L345FF45
3L345KK02
3L345KK03
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】バッテリの表面に結露が生じることを抑制できるようにする。
【解決手段】温調システムは、移動体(1)に設けられる冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ(B)が搭載されるバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させるための機構を備える。前記機構は、前記冷凍冷蔵室(3a)の空気を、前記バッテリ搭載空間(50a)を通過させた後、前記冷凍冷蔵室(3a)へ送るための循環通路(60)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体(1)に設けられる冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ(B)が搭載されるバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させるための機構を備え、
前記機構は、
前記冷凍冷蔵室(3a)の空気を、前記バッテリ搭載空間(50a)を通過させた後、前記冷凍冷蔵室(3a)へ送るための循環通路(60)と、
前記バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度または前記バッテリ(B)の温度を、前記冷凍冷蔵室(3a)の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする温度調整部と、を含む、温調システム。
【請求項2】
前記循環通路(60)は、前記冷凍冷蔵室(3a)および前記バッテリ搭載空間(50a)の各々と少なくとも2箇所(61b,62b,61a,62a)で連通する 、請求項1に記載の温調システム。
【請求項3】
前記循環通路(60)は、前記冷凍冷蔵室(3a)と前記バッテリ搭載空間(50a)とに連通する第1通路(61)および第2通路(62)を含み、
前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第1通路(61)、前記バッテリ搭載空間(50a)、および前記第2通路(62)が、前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第1通路(61)、前記バッテリ搭載空間(50a)、前記第2通路(62)、および前記冷凍冷蔵室(3a)の順番に環状に連なる、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項4】
前記機構は、前記循環通路(60)を流れる空気の量を調整する第1調整部を含む、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項5】
前記第1調整部は、送風部(70)、またはダンパ(76,77,78,80,81,82,83)を含む、請求項4に記載の温調システム。
【請求項6】
前記循環通路(60)には、前記バッテリ搭載空間(50a)の上流に配置され、空気を加熱する加熱部(74)が設けられる、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項7】
前記機構は、前記循環通路(60)から前記冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量を調整する第2調整部を含む、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項8】
前記第2調整部は、送風部(70)、またはダンパ(77,81)を含む、請求項7に記載の温調システム。
【請求項9】
前記冷凍冷蔵室(3a)内に設けられ、前記冷凍冷蔵室(3a)内の空気を攪拌する攪拌部(73)を備え、
前記攪拌部(73)は、前記バッテリ搭載空間(50a)から前記冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気を、前記冷凍冷蔵室(3a)内で攪拌させるように配置される、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項10】
冷媒を循環させることで冷凍運転可能な冷凍装置(10)を備え、
前記冷凍装置(10)は、前記冷媒と前記冷凍冷蔵室(3a)内の空気とを熱交換する熱交換器(21)を含み、
前記熱交換器(21)は、前記冷凍冷蔵室(3a)内のうち前記冷凍冷蔵室(3a)と前記循環通路(60)との連通箇所(62b,64b)寄りに配置される、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項11】
前記循環通路(60)は、前記第1通路(61)と前記第2通路(62)とに連通する第3通路(63)を含む、請求項3に記載の温調システム。
【請求項12】
前記循環通路(60)は、
前記冷凍冷蔵室(3a)と少なくとも2箇所(64a,64b)で連通する環状の第4通路(64)と、
前記第4通路(64)と前記バッテリ搭載空間(50a)とに連通する第5通路(65)および第6通路(66)と
を含み、
前記第4通路(64)、前記第5通路(65)、前記バッテリ搭載空間(50a)、および前記第6通路(66)が、前記第4通路(64)、前記第5通路(65)、前記バッテリ搭載空間(50a)、前記第6通路(66)、および前記第4通路(64)の順番に環状に連なる、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項13】
前記機構は、
前記第4通路(64)が、前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第5通路(65)、および前記第6通路(66)の各々と遮断された状態にするか否かを切り替える切替部(80,81,82,83)と、
前記第4通路(64)に設けられ、空気を送る送風部(70)と
を含む、請求項12に記載の温調システム。
【請求項14】
前記バッテリ搭載空間(50a)は、前記冷凍冷蔵室(3a)内、前記移動体(1)の下部、または前記移動体(1)の内部に設けられる、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項15】
前記冷凍冷蔵室(3a)内の温度を調整する冷凍装置(10)と、
前記循環通路(60)から前記冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量または温度に基づいて、前記冷凍装置(10)の動作を制御する制御部(72)と
を備える、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、温調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載用蓄電池ユニットが開示されている。車載用蓄電池ユニットは、冷凍冷蔵車に搭載される。冷凍冷蔵車は、冷凍冷蔵室と、ドライ室と、冷凍装置とを備える。車載用蓄電池ユニットは、蓄電池(バッテリ)と、収納カバーとを備える。収納カバー内には蓄電池が配置される。収納カバーは、第1扉を有する。冷凍冷蔵室とドライ室を仕切る壁には第2扉が設けられる。第1扉および第2扉が開くと、第1扉を開くことで形成される隙間を通じて冷凍冷蔵室の内部の冷気が収納カバーの内部へ流れるとともに、第2扉を開くことで形成される隙間を通じて収納カバーの内部の熱が収納カバーの外部へ排出される。これにより、蓄電池が収納された収納カバー内の温度上昇を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷凍冷蔵室内の空気は、極低温のため湿度(絶対湿度)が極めて低く凍結・結露の可能性は低い。しかし、冷凍冷蔵室の内部の冷気が収納カバーの内部へ流れることで、負圧が生じて冷凍冷蔵室に外気が流れ込む可能性がある。この場合、水分を含んだ外気が流れ込むことにより蓄電池の表面に結露が生じる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、バッテリの表面に結露が生じることを抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の温調システムは、移動体(1)に設けられる冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ(B)が搭載されるバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させるための機構を備え、前記機構は、前記冷凍冷蔵室(3a)の空気を、前記バッテリ搭載空間(50a)を通過させた後、前記冷凍冷蔵室(3a)へ送るための循環通路(60)と、前記バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度または前記バッテリ(B)の温度を、前記冷凍冷蔵室(3a)の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする温度調整部とを含む。
【0007】
第1の態様では、バッテリ(B)の表面に結露が生じることを抑制できる。
【0008】
第2の態様は、第1の態様において、前記循環通路(60)は、前記冷凍冷蔵室(3a)および前記バッテリ搭載空間(50a)の各々と少なくとも2箇所(61b,62b,61a,62a)で連通する。
【0009】
第2の態様では、循環通路(60)と冷凍冷蔵室(3a)との複数の連通箇所のうち、1つの連通箇所を用いて冷凍冷蔵室(3a)内の空気を循環通路(60)内へ送ることができ、他の1つの連通箇所を用いて循環通路(60)内の空気を冷凍冷蔵室(3a)内へ送ることができる。
【0010】
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記循環通路(60)は、前記冷凍冷蔵室(3a)と前記バッテリ搭載空間(50a)とに連通する第1通路(61)および第2通路(62)を含み、前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第1通路(61)、前記バッテリ搭載空間(50a)、および前記第2通路(62)が、前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第1通路(61)、前記バッテリ搭載空間(50a)、前記第2通路(62)、および前記冷凍冷蔵室(3a)の順番に環状に連なる。
【0011】
第3の態様では、冷凍冷蔵室(3a)内の空気を第1通路(61)を通じてバッテリ搭載空間(50a)へ送った後、第2通路(62)を通じて冷凍冷蔵室(3a)へ戻すことができる。
【0012】
第4の態様は、第1~第3のいずれか1つの態様において、前記機構は、前記循環通路(60)を流れる空気の量を調整する第1調整部を含む。
【0013】
第4の態様では、バッテリ搭載空間(50a)へ送られる冷凍冷蔵室(3a)からの冷えた空気の量を調整することで、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度をバッテリ(B)の保存に適した温度になるように調整できる。
【0014】
第5の態様は、第4の態様において、前記第1調整部は、送風部(70)、またはダンパ(76,77,78,80,81,82,83)を含む。
【0015】
第5の態様では、送風部(70)、またはダンパ(76,77,78,80,81,82,83)によりバッテリ搭載空間(50a)へ送られる冷凍冷蔵室(3a)からの冷えた空気の量を調整することができる。
【0016】
第6の態様は、第1~第5のいずれか1つの態様において、前記循環通路(60)には、前記バッテリ搭載空間(50a)の上流に配置され、空気を加熱する加熱部(74)が設けられる。
【0017】
第6の態様では、バッテリ搭載空間(50a)へ送られる冷凍冷蔵室(3a)からの空気の温度が、低くなりすぎることを抑制することができる。その結果、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度をバッテリ(B)の保存に適した温度になるように調整することができる。
【0018】
第7の態様は、第1~第6のいずれか1つの態様において、前記機構は、前記循環通路(60)から前記冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量を調整する第2調整部を含む。
【0019】
第7の態様では、循環通路(60)内の空気の温度が高くなりすぎると、冷凍冷蔵室(3a)へ送られる循環通路(60)からの空気の量を第2調整部により減らすことで、冷凍冷蔵室(3a)の急な温度上昇を抑制できるので、冷凍冷蔵室(3a)用の冷凍装置(10)の熱負荷が増加することを抑制できる。
【0020】
第8の態様は、第7の態様において、前記第2調整部は、送風部(70)、またはダンパ(77,81)を含む。
【0021】
第8の態様では、送風部(70)、またはダンパ(77,81)より冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量を調整することができる。
【0022】
第9の態様は、第1~第8のいずれか1つの態様において、前記冷凍冷蔵室(3a)内に設けられ、前記冷凍冷蔵室(3a)内の空気を攪拌する攪拌部(73)を備え、前記攪拌部(73)は、前記バッテリ搭載空間(50a)から前記冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気を、前記冷凍冷蔵室(3a)内で攪拌させるように配置される。
【0023】
第9の態様では、攪拌部(73)により冷凍冷蔵室(3a)内の空気を撹拌することで、冷凍冷蔵室(3a)内で空気の温度にムラが生じることを抑制できる。
【0024】
第10の態様は、第1~第9のいずれか1つの態様において、冷媒を循環させることで冷凍運転可能な冷凍装置(10)を備え、前記冷凍装置(10)は、前記冷媒と前記冷凍冷蔵室(3a)内の空気とを熱交換する熱交換器(21)を含み、前記熱交換器(21)は、前記冷凍冷蔵室(3a)内のうち前記冷凍冷蔵室(3a)と前記循環通路(60)との連通箇所(62b,64b)寄りに配置される。
【0025】
第10の態様では、冷凍冷蔵室(3a)に送られた空気を熱交換器(21)により迅速に冷却することができる。その結果、冷凍冷蔵室(3a)内で空気の温度にムラが生じることを抑制できる。
【0026】
第11の態様は、第3の態様において、前記循環通路(60)は、前記第1通路(61)と前記第2通路(62)とに連通する第3通路(63)を含む。
【0027】
第11の態様では、バッテリ(B)の発熱により温められた空気が第3通路(63)を通じて第1通路(61)へ送られ、当該温められた空気が、冷凍冷蔵室(3a)から第1通路(61)を通じてバッテリ搭載空間(50a)へ送られる冷えた空気に混ざることで、バッテリ搭載空間(50a)へ冷えすぎた空気が送られることを抑制できる。その結果、バッテリ搭載空間(50a)内のバッテリ(B)が冷えすぎることを抑制できる。
【0028】
第12の態様は、第1~第10のいずれか1つの態様において、前記循環通路(60)は、前記冷凍冷蔵室(3a)と少なくとも2箇所(64a,64b)で連通する環状の第4通路(64)と、前記第4通路(64)と前記バッテリ搭載空間(50a)とに連通する第5通路(65)および第6通路(66)とを含み、前記第4通路(64)、前記第5通路(65)、前記バッテリ搭載空間(50a)、および前記第6通路(66)が、前記第4通路(64)、前記第5通路(65)、前記バッテリ搭載空間(50a)、前記第6通路(66)、および前記第4通路(64)の順番に環状に連なる。
【0029】
第12の態様では、循環通路(60)において、冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の温度と、バッテリ搭載空間(50a)へ送られる空気の温度とを、第4通路(64)で調整することが可能である。
【0030】
第13の態様は、第12の態様において、前記機構は、前記第4通路(64)が、前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第5通路(65)、および前記第6通路(66)の各々と遮断された状態にするか否かを切り替える切替部(80,81,82,83)と、前記第4通路(64)に設けられ、空気を送る送風部(70)とを含む。
【0031】
第13の態様では、第4通路(64)で空気の温度を調整するタイミングを制御することができる。
【0032】
第14の態様は、第1~第13のいずれか1つの態様において、前記バッテリ搭載空間(50a)は、前記冷凍冷蔵室(3a)内、前記移動体(1)の下部、または前記移動体(1)の内部に設けられる。
【0033】
第14の態様では、冷凍冷蔵室(3a)内、移動体(1)の下部、または移動体(1)の内部にバッテリ(B)を搭載できる。
【0034】
第15の態様は、第1~第14のいずれか1つの態様において、温調システムは、前記冷凍冷蔵室(3a)内の温度を調整する冷凍装置(10)と、前記循環通路(60)から前記冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量または温度に基づいて、前記冷凍装置(10)の動作を制御する制御部(72)とを備える。
【0035】
第15の態様では、循環通路(60)からの空気の量または温度に基づいて冷凍装置(10)を効率的に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図3】
図3は、温調システムの第1実施形態を示す模式図である。
【
図4】
図4は、温調システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5(a)および
図5(b)は、温調システムの第2実施形態を示す模式図である。
図5(c)は、温調システムの第3実施形態を示す模式図である。
【
図6】
図6(a)および
図6(b)は、温調システムの第4実施形態を示す模式図である。
【
図7】
図7は、温調システムの運転動作の第2例を示すフロー図である。
【
図8】
図8(a)および
図8(b)は、温調システムの第5実施形態を示す模式図である。
【
図9】
図9は、温調システムの運転動作の第3例を示すフロー図である。
【
図11】
図11は、温調システムの運転動作の第4例を示すフロー図である。
【
図12】
図12は、温調システムの第7実施形態を示す模式図である。
【
図13】
図13は、温調システムの運転動作の第5例を示すフロー図である。
【
図14】
図14は、温調システムの運転動作の第5例を示すフロー図である。
【
図15】
図15(a)および
図15(b)は、バッテリ搭載空間の場所の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて寸法、比または数を誇張または簡略化して表す場合がある。各実施形態、変形例、および図中において、同一又は相当部分については同一の参照符号を付し、詳細な説明及びそれに付随する効果等の説明は繰り返さない。
【0038】
<移動体>
図1に示すように、第1実施形態に係る移動体(1)はトラックである。移動体(1)は、キャビン(2)と、キャビン(2)の後方に設けられる保冷庫(3)とを有する冷凍車両である。キャビン(2)内には、運転室(2a)が形成される。保冷庫(3)には、冷凍冷蔵室(3a)が形成される。冷凍冷蔵室(3a)には、食料品などの貨物が貯蔵される。冷凍冷蔵室(3a)内の温度は、貯蔵物を冷凍または冷蔵するのに適した温度に設定される。冷凍冷蔵室(3a)内の温度は、例えば、氷点下以下である。冷凍冷蔵室(3a)内の温度は、例えば、-30℃であってもよい。冷凍冷蔵室(3a)内の温度は、低温のため湿度(絶対湿度)が低い。移動体(1)は、保冷庫(3)の庫内空気を冷却するための冷凍装置(10)を有する。
【0039】
<冷凍装置の全体構成>
図1および
図2に示すように、冷凍装置(10)は、冷媒が充填された冷媒回路(R)を有する。冷媒回路(R)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。冷凍装置(10)は、第1ユニット(11)、および第2ユニット(20)を有する。第1ユニット(11)は、キャビン(2)の上方に配置される。第1ユニット(11)は、室外空間(O)に位置する熱源ユニットを構成する。第2ユニット(20)は、冷凍冷蔵室(3a)に配置される。第2ユニット(20)は、冷却ユニットを構成する。
【0040】
第1ユニット(11)は、圧縮機(12)、室外熱交換器(13)、室外ファン(14)、および室外ファン(14)を回転させる室外モータとを有する。第2ユニット(20)は、庫内熱交換器(21)、庫内ファン(22)、および庫内ファン(22)を回転させる庫内モータとを有する。
【0041】
<冷媒回路の構成>
図2に示すように、冷媒回路(R)は、主要な機器として、圧縮機(12)、室外熱交換器(13)、庫内熱交換器(21)、および膨張弁(23)を有する。
【0042】
圧縮機(12)は、吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(12)は、スクロール型、ロータリー型、揺動ピストン型などの圧縮機である。圧縮機(12)は、吐出管(15)を介して室外熱交換器(13)のガス端部と直列に接続する。
【0043】
室外熱交換器(13)は、室外空間(O)、あるいは室外空気が流れる流路に設置される。室外熱交換器(13)は、室外空気と冷媒とを熱交換させる。室外熱交換器(13)は、フィンアンドチューブ式である。室外熱交換器(13)の液端部は、第1管(16)に接続する。
【0044】
室外ファン(14)は、室外熱交換器(13)の近傍に配置される。室外ファン(14)は、室外空気が室外熱交換器(13)を流れるように、室外空気を搬送する。
【0045】
第2管(17)の一端は、第1管(16)に接続する。第2管(17)の他端は、圧縮機(12)の吸入管(18)と接続する。
【0046】
第2管(17)には、液側からガス側に向かって順に、膨張弁(23)、庫内熱交換器(21)が接続される。膨張弁(23)は、開度が調節可能な電子膨張弁で構成される。
【0047】
庫内熱交換器(21)は、フィンアンドチューブ式である。庫内熱交換器(21)は、冷凍冷蔵室(3a)に設置される。庫内熱交換器(21)は、冷凍冷蔵室(3a)内の空気と冷媒とを熱交換させる。その結果、冷凍冷蔵室(3a)の温度調整が行われる。
【0048】
庫内ファン(22)は、庫内熱交換器(21)の近傍に配置される。庫内ファン(22)は、冷凍冷蔵室(3a)の空気が庫内熱交換器(21)を流れるように、冷凍冷蔵室(3a)の空気を搬送する。
【0049】
<冷凍装置の運転動作>
冷凍装置(10)の基本的な運転動作(冷凍運転)について
図2を参照しながら説明する。
【0050】
圧縮機(12)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(13)を流れる。室外熱交換器(13)では、冷媒が室外空気に放熱して凝縮する。凝縮した冷媒は、第1管(16)を流れ、第2管(17)に流入する。
【0051】
第2管(17)に流入した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、庫内熱交換器(21)を流れる。庫内熱交換器(21)では、冷媒が冷凍冷蔵室(3a)内の空気から吸熱して蒸発する。その結果、冷凍冷蔵室(3a)内の空気が、庫内熱交換器(21)によって冷やされる。
【0052】
庫内熱交換器(21)で蒸発した冷媒は、吸入管(18)から圧縮機(12)に吸入され、再び圧縮される。
【0053】
<第1実施形態>
温調システムの第1実施形態について説明する。
【0054】
温調システムは、バッテリ(B)が搭載されるバッテリ搭載空間(50a)の温調を行う。
【0055】
バッテリ(B)は、冷凍装置(10)の駆動源である。
図1に示すように、バッテリ(B)は、リード線(L)により第1ユニット(11)、および第2ユニット(20)と接続され、リード線(L)を通じて冷凍装置(10)の各種構成要素に電力を供給する。その結果、第1ユニット(11)、および第2ユニット(20)が稼働する。
【0056】
バッテリ(B)は、二次電池であり、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池等である。バッテリ(B)は、例えば、商用電源、および充電器により充電される。商用電源の交流電力は、充電器に供給される。充電器は、商用電源の交流電力を直流電力に変換する。充電器によって変換された直流電力がバッテリ(B)に供給されることで、バッテリ(B)が充電される。バッテリ(B)は、エンジン、発電機、および発電用インバータにより充電されてもよい。エンジンは、内燃機関であり、燃料の燃焼により発生する熱エネルギーを回転エネルギーに変換することによって、移動体(1)であるトラックの車輪(X)を回転させる。エンジンの熱エネルギーが変換された回転エネルギーの一部は、図示しない遊星歯車を用いた動力分割機構を介して発電機に供給される。発電機は、エンジンからの回転エネルギーを電気エネルギーに変換することによって、交流電力を発生させる。3相交流電力は、発電用インバータに供給される。発電用インバータは、発電機からの3相交流電力を直流電力に変換する。発電用インバータによって変換された直流電力がバッテリ(B)に供給されることで、バッテリ(B)が充電される。
【0057】
温調システムは、筐体(50)を含む。筐体(50)は、中空の部材である。筐体(50)の内部には、バッテリ(B)が搭載されるバッテリ搭載空間(50a)が形成される。筐体(50)は、例えば、発泡ポリウレタン、グラスウール、ウレタンフォームおよび真空断熱材のような断熱性能を有する断熱材を含む。筐体(50)は、冷凍冷蔵室(3a)に設置される。
【0058】
温調システムは、循環通路(60)を含む。循環通路(60)は、冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させる。
【0059】
循環通路(60)は、冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ搭載空間(50a)とに連通する第1通路(61)および第2通路(62)を含む。冷凍冷蔵室(3a)、第1通路(61)、バッテリ搭載空間(50a)、および第2通路(62)が、冷凍冷蔵室(3a)、第1通路(61)、バッテリ搭載空間(50a)、第2通路(62)、および冷凍冷蔵室(3a)の順番に環状に連なる。
【0060】
循環通路(60)は、冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環ささせる通路を形成するために、冷凍冷蔵室(3a)およびバッテリ搭載空間(50a)の各々と少なくとも2箇所で連通する。第1実施形態では、循環通路(60)とバッテリ搭載空間(50a)とが2箇所(61a,62a)で連通し、循環通路(60)と冷凍冷蔵室(3a)とが2箇所(61b,62b)で連通する。
【0061】
温調システムは、送風部(70)と、記憶部(71)と、制御部(72)とを含む。
【0062】
送風部(70)は、循環通路(60)を通じて冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させる。送風部(70)は、例えば、ファン(70a)と、ファン(70a)を回転させるファンモータ(70b)とを含む。ファン(70a)は、例えば、循環通路(60)に配置される。第1実施形態では、送風部(70)に含まれるファン(70a)が、冷凍冷蔵室(3a)と第2通路(62)との連通箇所(62b)に配置される。ファンモータ(70b)によりファン(70a)の回転速度が調整されることで、循環通路(60)を流れる空気の量が調整され、さらに、循環通路(60)から冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量、および、冷凍冷蔵室(3a)から循環通路(60)へ送られる空気の量が調整される。送風部(70)は、ブロアを含んでいてもよい。
【0063】
記憶部(71)は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)、ハ-ドディスクドライブ、およびSSDのようなメモリを含み、制御部(72)によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。制御部(72)は、CPU及びMPUのようなプロセッサーを含む。制御部(72)は、記憶部(71)に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、温調システムの各構成要素を制御する。
【0064】
温調システムは、温度調整部を含む。温度調整部は、バッテリ(B)の温度が冷えすぎることを抑制する。温度調整部は、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度またはバッテリ(B)の温度を、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度以上の温度である所定の温度よりも高くする。第1実施形態では、温度調整部は、送風部(70)と制御部(72)とを含む。第1実施形態では、温度調整部は、送風部(70)により冷凍冷蔵室(3a)からバッテリ搭載空間(50a)へ送られる空気によって、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度またはバッテリ(B)の温度が上記所定の温度以下の温度とならないように、制御部(72)によりファン(70a)の回転速度を調整する。
【0065】
<温調システムの運転動作の第1例>
(i)
図3および
図4に示すように、制御部(72)がファンモータ(70b)を制御してファン(70a)を駆動(回転)させることで、冷凍冷蔵室(3a)の冷気が、第1通路(61)を通じてバッテリ搭載空間(50a)へ送られる。当該空気がバッテリ搭載空間(50a)に到達すると、バッテリ(B)の発熱により昇温する。これにより、バッテリ(B)の温度の上昇が抑制される。
【0066】
(ii)バッテリ搭載空間(50a)で昇温した空気は、第2通路(62)を通じて冷凍冷蔵室(3a)へ送られ、冷凍冷蔵室(3a)に到達すると、冷凍冷蔵室(3a)内の冷気と混ざることで降温する。
【0067】
ファン(70a)が駆動し続けることで、冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ搭載空間(50a)との間で空気が循環する。これにより、上記(i)および(ii)に示す現象が繰り返し行われる。その結果、バッテリ搭載空間(50a)へ冷凍冷蔵室(3a)内の冷気を継続的に送ることができるので、バッテリ(B)の温度の上昇を抑制し続けることができる。バッテリ搭載空間(50a)およびバッテリ(B)の温度は、バッテリ(B)の保存に適した所定の範囲内の温度(例えば、0℃以上、30℃以下)であることが好ましい。制御部(72)は、バッテリ搭載空間(50a)およびバッテリ(B)の温度が所定の範囲内の温度になるように、ファン(70a)(循環通路(60)を流れる空気の量)を制御する。言い換えると、第1実施形態では、制御部(72)により循環通路(60)を流れる空気の量を制御することで、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度またはバッテリ(B)の温度を、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度(例えば、0℃)よりも高い所定の温度以上とする温度調整部が構成される。
【0068】
<効果>
以上のように、循環通路(60)は、湿度(絶対湿度)が低い冷凍冷蔵室(3a)の空気を、バッテリ搭載空間(50a)を通過させた後、冷凍冷蔵室(3a)へ送る。これにより、循環通路(60)により冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ搭載空間(50a)との間で空気が循環される。これにより、バッテリ搭載空間(50a)の気圧を安定的に保持できるので、負圧によりバッテリ搭載空間(50a)に外気が流れ込むことが抑制できる。その結果、水分を含んだ外気がバッテリ搭載空間(50a)に流れ込むことでバッテリ(B)表面に結露が生じることを抑制できる。さらに、循環通路(60)により冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させることで、冷凍冷蔵室(3a)に水分を含んだ外気が流れ込むことを抑制できるので、冷凍冷蔵室(3a)の空気の湿度が低下した状態を保持できる。
【0069】
また、冷凍冷蔵室(3a)についても、循環通路(60)により冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ搭載空間(50a)との間で空気が循環されるので、冷凍冷蔵室(3a)の気圧を安定的に保持でき、冷凍冷蔵室(3a)に外気が流れ込むことを抑制できる。これにより、外気により冷凍装置(10)の熱負荷が増加することを抑制できる。
【0070】
また、循環通路(60)を設けることで冷凍冷蔵室(3a)へ水分を含んだ外気が流入することを抑制することができるので、冷凍装置(10)の庫内熱交換器(21)のデフロスト頻度を減らすことができ、冷凍冷蔵室(3a)内の温度変動を小さくすることができる。
【0071】
また、温度調整部を有することで、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度またはバッテリ(B)の温度を、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度よりも高い所定の温度以上とすることができるので、バッテリ(B)の温度が低くなりすぎることを抑制できる。その結果、バッテリ(B)の劣化を抑制できる。
【0072】
<第2実施形態>
温調システムの第2実施形態について、主に第1実施形態と異なる点を説明する。
【0073】
図5(a)に示すように、第2実施形態の温調システムは、攪拌部(73)を含む。攪拌部(73)は、冷凍冷蔵室(3a)内の空気を攪拌する。攪拌部(73)は、例えば、攪拌ファン(73a)と、攪拌ファン(73a)を回転させる攪拌モータとを含む。攪拌部(73)は、攪拌ファン(73a)を冷凍冷蔵室(3a)内に配置し、攪拌モータにより攪拌ファン(73a)を回転させて冷凍冷蔵室(3a)内で気流を発生させることで、冷凍冷蔵室(3a)内の空気を攪拌する。
【0074】
第2実施形態では、攪拌部(73)に含まれる攪拌ファン(73a)が、冷凍冷蔵室(3a)内のうち、冷凍冷蔵室(3a)と第2通路(62)との連通箇所(62b)寄りに配置される。攪拌ファン(73a)が、冷凍冷蔵室(3a)内のうち連通箇所(62b)寄りに配置されることは、攪拌ファン(73a)により冷凍冷蔵室(3a)内で空気を循環させるように形成される気流上において、攪拌ファン(73a)が連通箇所(62b)の上流に配置される場合のみならず(
図5(a)参照)、攪拌ファン(73a)が連通箇所(62b)の下流に配置される場合も含まれる(
図5(b)参照)。これにより、冷凍冷蔵室(3a)内のうち連通箇所(62b)の場所で気流で攪拌部(73)が気流を発生させるので、第2通路(62)を通じて冷凍冷蔵室(3a)へ送られた空気と、冷凍冷蔵室(3a)の冷気とを迅速に攪拌することができる。その結果、第2通路(62)を通じて冷凍冷蔵室(3a)へ送られた空気を効果的に冷やすことができる。
【0075】
なお、第2ユニット(20)(
図1参照)の庫内ファン(22)と庫内モータとが攪拌部(73)として機能してもよい。また、第2ユニット(20)の庫内熱交換器(21)が、冷凍冷蔵室(3a)内において冷凍冷蔵室(3a)と第2通路(62)との連通箇所(62b)寄りに配置されてもよい。これにより、冷凍冷蔵室(3a)に送られた空気を庫内熱交換器(21)により迅速に冷却することができる。その結果、冷凍冷蔵室(3a)内で空気の温度にムラが生じることを抑制できる。第2実施形態の温度調整部は、例えば、第1実施形態の温度調整部と同様の構成を有する。
【0076】
<第3実施形態>
温調システムの第3実施形態について、主に第1実施形態と異なる点を説明する。
【0077】
図5(c)に示すように、第3実施形態の温調システムは、加熱部(74)を含む。加熱部(74)は、バッテリ搭載空間(50a)へ送られる空気を加熱する。加熱部(74)は、循環通路(60)に設けられ、バッテリ搭載空間(50a)の上流に配置される。第3実施形態では、加熱部(74)は、第1通路(61)に配置される。加熱部(74)は、例えば、ヒータを含む。第3実施形態の温度調整部は、送風部(70)と、制御部(72)と、加熱部(74)とを含む。第3実施形態の温度調整部は、加熱部(74)によりバッテリ搭載空間(50a)へ送られる空気を加熱することで、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度またはバッテリ(B)の温度を、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度以上の温度である所定の温度よりも高くする。
【0078】
冷凍冷蔵室(3a)から第1通路(61)へ送られた冷気は、加熱部(74)により温められた後、バッテリ搭載空間(50a)へ送られる。これにより、バッテリ搭載空間(50a)へ送られる冷凍冷蔵室(3a)からの空気の温度が、低くなりすぎることを抑制することができる。その結果、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度をバッテリ(B)の保存に適した温度になるように調整することができる。第3実施形態では、制御部(72)により加熱部(74)を操作することで送風部(70)が送る空気を加熱して、冷凍冷蔵室(3a)からバッテリ搭載空間(50a)へ送られる空気の温度を制御することで、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度またはバッテリ(B)の温度を、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする温度調整部が構成される。
【0079】
<第4実施形態>
温調システムの第4実施形態について、主に第1実施形態と異なる点を説明する。
【0080】
図6(a)および
図6(b)に示すように、第4実施形態の温調システムは、第1温度センサ(75)と、第1ダンパ(76)と、第1ダンパ(76)を回転させる第1ダンパモータと、第2ダンパ(77)と、第2ダンパ(77)を回転させる第2ダンパモータとを含む。第4実施形態の温度調整部は、送風部(70)と、制御部(72)と、第1温度センサ(75)と、第1ダンパ(76)と、第1ダンパモータと、第2ダンパ(77)と、第2ダンパモータとを含む。
【0081】
第1ダンパ(76)は、冷凍冷蔵室(3a)と第1通路(61)との連通箇所(61b)に設けられる。第1ダンパモータは、第1ダンパ(76)を回転させることで、第1ダンパ(76)の状態を開状態および閉状態のうちのいずれかの状態に切り換える。第1ダンパ(76)が開状態になると、連通箇所(61b)が開放される(
図6(a)参照)。その結果、冷凍冷蔵室(3a)と第1通路(61)とが連通する。第1ダンパ(76)が閉状態になると、連通箇所(61b)が第1ダンパ(76)により閉塞される(
図6(b)参照)。その結果、冷凍冷蔵室(3a)と第1通路(61)との連通が第1ダンパ(76)により遮断される。
【0082】
第2ダンパ(77)は、第3通路(63)と第2通路(62)との連通箇所(62c)に設けられる。第4実施形態の温度調整部は、第3通路(63)を含む。第2ダンパモータは、第2ダンパ(77)を回転させることで、第2ダンパ(77)の状態を開状態および閉状態のうちのいずれかの状態に切り換える。第2ダンパ(77)が開状態になると、第2通路(62)が開放される(
図6(a)参照)。その結果、冷凍冷蔵室(3a)と第2通路(62)とが連通される。第2ダンパ(77)が閉状態になると、第3通路(63)と第2通路(62)とが連通し、かつ、第2通路(62)における連通箇所(62c)と連通箇所(62b)との間の箇所が第2ダンパ(77)により閉塞されることで冷凍冷蔵室(3a)と第2通路(62)との連通が遮断される(
図6(b)参照)。
【0083】
第1ダンパ(76)および第2ダンパ(77)の開度が調整されることで、循環通路(60)を流れる空気の量が調整され、さらに、循環通路(60)から冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量が調整される。第1ダンパ(76)および第2ダンパ(77)は、第1調整部および第2調整部の第2例である。
【0084】
第4実施形態の温調システムは、第1温度センサ(75)を含む。第1温度センサ(75)は、バッテリ搭載空間(50a)の温度(気温)を検出する。
【0085】
第4実施形態の循環通路(60)は、第3通路(63)を含む。第3通路(63)は、第1通路(61)と第2通路(62)とに連通する。第3通路(63)と第1通路(61)との連通箇所(61c)は、連通箇所(61b)よりもバッテリ搭載空間(50a)寄りに位置する。第3通路(63)と第2通路(62)との連通箇所(62c)は、連通箇所(62b)よりもバッテリ搭載空間(50a)寄りに位置する。
【0086】
第4実施形態では、ファン(70a)が、第2通路(62)に配置され、かつ、連通箇所(62c)よりもバッテリ搭載空間(50a)寄りに配置される。
【0087】
第4実施形態では、温度調整部は、制御部(72)により、第1温度センサ(75)の検出値(バッテリ搭載空間(50a)の温度)に基づいて、送風部(70)の風量と、第1ダンパ(76)、および第2ダンパ(77)の動作とを制御することで、冷凍冷蔵室(3a)からバッテリ搭載空間(50a)へ送られる空気の量を調整して、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度を、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする。上記所定の温度は、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度よりも高い温度であればよい。上記所定の温度は、例えば、0℃以上、30℃以下の範囲内の値である。上記所定の温度は、冷凍冷蔵室(3a)に設けた温度センサにより検出される冷凍冷蔵室(3a)内の気温に所定の値をプラスした値であってもよく、または、予め定められた一定の値(例えば、0℃等)であってもよい。なお、第4実施形態以外の他の実施形態(第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態)の温度調整部についても、第1温度センサ(75)を備えさせて、第1温度センサ(75)の検出値(バッテリ搭載空間(50a)の温度)に基づいて、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度が、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度よりも高い所定の温度以上となるように、制御部(72)が温度調整部の各種構成要素を制御するように構成してもよい。
【0088】
なお、温度調整部は、制御部(72)により、送風部(70)の風量と、第1ダンパ(76)、および第2ダンパ(77)の動作とを制御することで、冷凍冷蔵室(3a)からバッテリ搭載空間(50a)へ送られる空気の量を調整して、バッテリ(B)の温度を、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度よりも高い所定の温度以上としてもよい。バッテリ(B)の温度は、バッテリ(B)に温度センサを設けて当該温度センサにより検出されてもよく、または、予め作成されたバッテリ搭載空間(50a)の温度とバッテリ(B)の温度との相関を示す相関情報(テーブル等)と、第1温度センサ(75)の検出値とに基づいて制御部(72)が算出してもよい。なお、第4実施形態以外の他の実施形態(第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態)の温度調整部についても、バッテリ(B)の温度を検出する温度センサを備えさせて(または、上記相関情報により制御部(72)がバッテリ(B)の温度を算出するように構成して)、当該温度センサにより検出されるバッテリ(B)の温度(または、制御部(72)により算出されるバッテリ(B)の温度)が、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度よりも高い所定の温度以上となるように、制御部(72)が温度調整部の各種構成要素を制御するように構成してもよい。
【0089】
<温調システムの運転動作の第2例>
温調システムの運転動作の第2例について、説明する。
【0090】
なお、下記の温調システムの運転動作の第2例~第5例(
図6(a)~
図6(b)、
図8(a)~
図8(b)、
図10(a)~
図10(c)、および
図12)の各々について、運転動作の第2例~第5例が行われている間、送風部(70)(ファン(70a))が稼働していることで循環通路(60)には空気の流れが発生している(各図中の実線矢印および点線矢印参照)。
【0091】
図6(a)および
図7に示すように、ステップS11において、制御部(72)は、ダンパを第1状態にする。ダンパを第1状態にすることは、第1ダンパ(76)を開状態にし、かつ、第2ダンパ(77)を開状態にすることを示す。これにより、冷凍冷蔵室(3a)の冷気が循環通路(60)を通じて冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ搭載空間(50a)との間で循環する。その結果、バッテリ搭載空間(50a)の温度を低下させる。
【0092】
ステップS12において、制御部(72)は、第1温度センサ(75)の検出値(バッテリ搭載空間(50a)の温度)が第1所定温度以下であるか否かを判定する。第1所定温度以下であると判定されると(ステップS12で、Yes)、処理がステップS13へ移行する。第1所定温度以下でないと判定されると(ステップS12で、No)、ステップS12に示す処理が繰り返される。
【0093】
図6(b)および
図7に示すように、ステップS13において、制御部(72)は、ダンパを第2状態にする。ダンパを第2状態にすることは、第1ダンパ(76)を閉状態にし、かつ、第2ダンパ(77)を閉状態にすることを示す。これにより、冷凍冷蔵室(3a)と循環通路(60)との連通が遮断されることで、空気が冷凍冷蔵室(3a)で冷やされることなく、第1通路(61)、第2通路(62)、第3通路(63)および第1通路(61)の順番に循環する。その結果、バッテリ(B)からの発熱により、時間の経過と共にバッテリ搭載空間(50a)の温度が上昇していく。
【0094】
ステップS14において、制御部(72)は、第1温度センサ(75)の検出値(バッテリ搭載空間(50a)の温度)が第2所定温度以上であるか否かを判定する。第2所定温度は、第1所定温度よりも高い。第2所定温度以上であると判定されると(ステップS14で、Yes)、処理がステップS11へ移行する。第2所定温度以上でないと判定されると(ステップS14で、No)、ステップS14に示す処理が繰り返される。
【0095】
以上のように構成することで、バッテリ搭載空間(50a)の温度が第1所定温度よりも高く、かつ、第2所定温度よりも低くなる状態を保持できる。その結果、バッテリ搭載空間(50a)の温度を、バッテリ(B)にとって、低すぎず、かつ、高すぎないような良好な温度に保持することができる。
【0096】
<第4実施形態の変形例>
ステップS12において、制御部(72)によりダンパを第1状態にしてから第1所定時間が経過したと判定されると(ステップS12で、Yes)、処理がステップS13へ移行し、第1所定時間が経過していないと判定されると(ステップS12で、No)、ステップS12に示す処理が繰り返されるように構成してもよい。この場合、制御部(72)がタイマとして機能する。第1所定時間は、冷凍冷蔵室(3a)からの冷気により第1温度センサ(75)の検出値(バッテリ搭載空間(50a)の温度)が第1所定温度以下となるような時間である。第1所定時間は一定値であってもよい。第1所定時間は、冷凍冷蔵室(3a)の温度、バッテリ(B)から供給される直流電力等に応じた値であってもよい。この場合、例えば、第1所定時間と、冷凍冷蔵室(3a)の温度またはバッテリ(B)から供給される直流電力とを対応付けたテーブルが予め作成される。そして、ステップS12において、制御部(72)は、冷凍冷蔵室(3a)の温度またはバッテリ(B)から供給される直流電力を示す情報を取得し、当該テーブルにおいて当該情報と対応する第1所定時間を採用する。
【0097】
ステップS14において、制御部(72)によりダンパを第2状態にしてから第2所定時間が経過したと判定されると(ステップS14で、Yes)、処理がステップS11へ移行し、第2所定時間が経過していないと判定されると(ステップS14で、No)、ステップS14に示す処理が繰り返されるように構成してもよい。第2所定時間は、バッテリ(B)の発熱により第1温度センサ(75)の検出値が第2所定温度以上となるような時間である。
【0098】
<第5実施形態>
温調システムの第5実施形態について、主に第4実施形態と異なる点を説明する。
【0099】
図8(a)および
図8(b)に示すように、第5実施形態の温調システムは、第3ダンパ(78)と、第3ダンパ(78)を回転させる第3ダンパモータとを含む。第5実施形態の温度調整部は、第4実施形態の温度調整部の構成要素に加えて、さらに、第3ダンパ(78)と、第3ダンパモータとを含む。
【0100】
第3ダンパ(78)は、冷凍冷蔵室(3a)と第2通路(62)との連通箇所(62b)に設けられる。第3ダンパ(78)は、第2ダンパ(77)の下流に位置する。第3ダンパモータは、第3ダンパ(78)を回転させることで、第3ダンパ(78)の状態を開状態および閉状態のうちのいずれかの状態に切り換える。第3ダンパ(78)が開状態になると、連通箇所(62b)が開放される(
図8(a)参照)。第3ダンパ(78)が閉状態になると、連通箇所(62b)が第3ダンパ(78)により閉塞される(
図8(b)参照)。
【0101】
第5実施形態では、冷凍冷蔵室(3a)のうち連通箇所(62b)寄りの場所には、攪拌部(73)の攪拌ファン(73a)が設けられる。
【0102】
第5実施形態では、温度調整部は、第4実施形態の温度調整部の構成に加えて、さらに、制御部(72)により第3ダンパ(78)を操作して、冷凍冷蔵室(3a)からバッテリ搭載空間(50a)へ送られる空気の量を調整して、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度またはバッテリ(B)の温度を、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする。
【0103】
<温調システムの運転動作の第3例>
図8(a)および
図9に示すように、ステップS21において、制御部(72)は、ダンパを第3状態にする。ダンパを第3状態にすることは、第1ダンパ(76)を開状態にし、第3ダンパ(78)を開状態にし、かつ、第2ダンパ(77)を開状態にすることを示す。ダンパが第3状態になると、冷凍冷蔵室(3a)と循環通路(60)とが連通することで、冷凍冷蔵室(3a)の冷気が循環通路(60)を通じて冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ搭載空間(50a)との間で循環する。
【0104】
このとき、バッテリ搭載空間(50a)内においてバッテリ(B)からの発熱により昇温した空気が第2通路(62)を通じて冷凍冷蔵室(3a)へ送られる。昇温した空気は、冷凍冷蔵室(3a)へ流入すると、すぐに、攪拌部(73)から冷凍冷蔵室(3a)内の冷気を当てられることで、当該冷気と混ざり合うことで冷却される。これにより、冷凍冷蔵室(3a)内で空気の温度にムラが生じることを抑制できる。
【0105】
ステップS22において、制御部(72)は、第1温度センサ(75)の検出値(バッテリ搭載空間(50a)の温度)が第1所定温度以下であるか否かを判定する。第1所定温度以下であると判定されると(ステップS22で、Yes)、処理がステップS23へ移行する。第1所定温度以下でないと判定されると(ステップS22で、No)、ステップS22に示す処理が繰り返される。
【0106】
図8(b)および
図9に示すように、ステップS23において、制御部(72)は、ダンパを第4状態にする。ダンパを第4状態にすることは、第1ダンパ(76)を閉状態にし、第3ダンパ(78)を閉状態にし、かつ、第2ダンパ(77)を閉状態にすることを示す。これにより、冷凍冷蔵室(3a)と循環通路(60)との連通が遮断されることで、空気が冷凍冷蔵室(3a)で冷やされることなく、第1通路(61)、第2通路(62)、第3通路(63)および第1通路(61)の順番に循環する。その結果、バッテリ(B)からの発熱により、時間の経過と共にバッテリ搭載空間(50a)の温度が上昇していく。
【0107】
ステップS24において、制御部(72)は、第1温度センサ(75)の検出値(バッテリ搭載空間(50a)の温度)が第2所定温度以上であるか否かを判定する。第2所定温度以上であると判定されると(ステップS24で、Yes)、処理がステップS21へ移行する。第2所定温度以上でないと判定されると(ステップS24で、No)、ステップS24に示す処理が繰り返される。
【0108】
以上のように構成することで、バッテリ搭載空間(50a)の温度が第1所定温度よりも高く、かつ、第2所定温度よりも低くなる状態を保持できる。その結果、バッテリ搭載空間(50a)の温度を、バッテリ(B)にとって、低すぎず、かつ、高すぎないような良好な温度に保持することができる。
【0109】
また、温調システムの運転動作の第3例では、第2例(
図6(a)参照)と異なり、ダンパが第3状態のとき(
図8(a)参照)、第2ダンパ(77)により第3通路(63)と第2通路(62)との連通が遮断される。これにより、第5実施形態では、バッテリ(B)からの発熱により昇温した空気(昇温空気)が第2通路(62)を通じて冷凍冷蔵室(3a)へ送られる際、昇温空気の一部が第3通路(63)へ分岐して流れることなく、昇温空気の全部が冷凍冷蔵室(3a)へ送られるので、第4実施形態(
図6(a)参照)と比べて、多量の昇温空気が冷凍冷蔵室(3a)へ送られる。また、第5実施形態では、冷凍冷蔵室(3a)へ送られた多量の昇温空気(
図8(a)の点線矢印)に対して、冷凍冷蔵室(3a)へ送られた直後に攪拌部(73)により冷気が当てられるので(
図8(a)の実線矢印)、昇温空気を効果的に冷却することができる。その結果、
図8(a)に示すステップS21の処理(バッテリ搭載空間(50a)の空気を冷やす処理)を効果的に行うことができる。
【0110】
<第5実施形態の変形例>
ステップS22において、制御部(72)によりダンパを第3状態にしてから第1所定時間が経過したと判定されると(ステップS22で、Yes)、処理がステップS23へ移行し、第1所定時間が経過していないと判定されると(ステップS22で、No)、ステップS22に示す処理が繰り返されるように構成してもよい。
【0111】
ステップS24において、制御部(72)によりダンパを第2状態にしてから第2所定時間が経過したと判定されると(ステップS24で、Yes)、処理がステップS21へ移行し、第2所定時間が経過していないと判定されると(ステップS24で、No)、ステップS24に示す処理が繰り返されるように構成してもよい。
【0112】
<第6実施形態>
温調システムの第6実施形態について、主に第1実施形態と異なる点を説明する。
【0113】
図10(a)~
図10(c)に示すように、第6実施形態の循環通路(60)は、第4通路(64)と、第5通路(65)と、第6通路(66)とを含む。第4通路(64)は、環状に形成される。第4通路(64)は、冷凍冷蔵室(3a)と少なくとも2箇所で連通する。第6実施形態では、第4通路(64)と冷凍冷蔵室(3a)とが2箇所(64a,64b)で連通する。第5通路(65)および第6通路(66)の各々は、第4通路(64)とバッテリ搭載空間(50a)とに連通する。第4通路(64)、第5通路(65)、バッテリ搭載空間(50a)、および第6通路(66)が、第4通路(64)、第5通路(65)、バッテリ搭載空間(50a)、第6通路(66)、および第4通路(64)の順番に環状に連なる。
【0114】
第6実施形態の温調システムは、送風部(70)と、第1温度センサ(75)と、第4ダンパ(80)と、第4ダンパ(80)を回転させる第4ダンパモータと、第5ダンパ(81)と、第5ダンパ(81)を回転させる第5ダンパモータと、第6ダンパ(82)と、第6ダンパ(82)を回転させる第6ダンパモータと、第7ダンパ(83)と、第7ダンパ(83)を回転させる第7ダンパモータとを含む。第4ダンパ(80)~第7ダンパ(83)は切替部の一例である。第6実施形態の温度調整部は、送風部(70)と、制御部(72)と、第1温度センサ(75)と、第2温度センサ(79)と、第4ダンパ(80)と、第4ダンパモータと、第5ダンパ(81)と、第5ダンパモータと、第6ダンパ(82)と、第6ダンパモータと、第7ダンパ(83)と、第7ダンパモータとを含む。第6実施形態では、温度調整部は、制御部(72)により、送風部(70)の風量と、第4ダンパ(80)、第5ダンパ(81)、第6ダンパ(82)、および第7ダンパ(83)の動作とを制御することで、冷凍冷蔵室(3a)からバッテリ搭載空間(50a)へ送られる空気の量を調整して、バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度またはバッテリ(B)の温度を、冷凍冷蔵室(3a)内の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする。
【0115】
第6実施形態では、送風部(70)のファン(70a)が第4通路(64)に配置される。第1温度センサ(75)は、バッテリ搭載空間(50a)の温度(気温)を検出する。第2温度センサ(79)は、第4通路(64)の温度(気温)を検出する。
【0116】
第4ダンパモータは、第4ダンパ(80)を回転させることで、第4ダンパ(80)の状態を開状態および閉状態のうちのいずれかの状態に切り換える。第4ダンパ(80)が開状態になると、冷凍冷蔵室(3a)と第4通路(64)とが連通する(
図10(a)参照)。第4ダンパ(80)が閉状態になると、冷凍冷蔵室(3a)と第4通路(64)との連通が第4ダンパ(80)により遮断される(
図10(b)および
図10(c)参照)。
【0117】
第5ダンパモータは、第5ダンパ(81)を回転させることで、第5ダンパ(81)の状態を開状態および閉状態のうちのいずれかの状態に切り換える。第5ダンパ(81)が開状態になると、冷凍冷蔵室(3a)と第4通路(64)とが連通する(
図10(a)参照)。第5ダンパ(81)が閉状態になると、冷凍冷蔵室(3a)と第4通路(64)との連通が第5ダンパ(81)により遮断される(
図10(b)および
図10(c)参照)。
【0118】
第6ダンパモータは、第6ダンパ(82)を回転させることで、第6ダンパ(82)の状態を開状態および閉状態のうちのいずれかの状態に切り換える。第6ダンパ(82)が開状態になると、第5通路(65)と第4通路(64)とが連通する(
図10(c)参照)。第6ダンパ(82)が閉状態になると、第5通路(65)と第4通路(64)との連通が第6ダンパ(82)により遮断される(
図10(a)および
図10(b)参照)。
【0119】
第7ダンパモータは、第7ダンパ(83)を回転させることで、第7ダンパ(83)の状態を開状態および閉状態のうちのいずれかの状態に切り換える。第7ダンパ(83)が開状態になると、第6通路(66)と第4通路(64)とが連通する(
図10(c)参照)。第7ダンパ(83)が閉状態になると、第6通路(66)と第4通路(64)との連通が第7ダンパ(83)により遮断される(
図10(a)および
図10(b)参照)。
【0120】
<温調システムの運転動作の第4例>
図10(a)および
図11に示すように、ステップS31において、制御部(72)は、ダンパを第5状態にする。ダンパを第5状態にすることは、第4ダンパ(80)を開状態にし、第5ダンパ(81)を開状態にし、第6ダンパ(82)を閉状態にし、かつ、第7ダンパ(83)を閉状態にすることを示す。ダンパが第5状態になると、冷凍冷蔵室(3a)の冷気が第4通路(64)へ送られる。
【0121】
ステップS32において、制御部(72)は、第2温度センサ(79)の検出値(第4通路(64)の温度)が第3所定温度以下であるか否かを判定する。すなわち、制御部(72)は、冷凍冷蔵室(3a)の冷気が第4通路(64)へ供給されることで、第4通路(64)の空気の温度が低下したか否かを判定する。第3所定温度以下であると判定されると(ステップS32で、Yes)、処理がステップS33へ移行する。第3所定温度以下でないと判定されると(ステップS32で、No)、ステップS32に示す処理が繰り返される。
【0122】
図10(b)および
図11に示すように、ステップS33において、制御部(72)は、ダンパを第6状態にする。ダンパを第6状態にすることは、第4ダンパ(80)を閉状態にし、第5ダンパ(81)を閉状態にし、第6ダンパ(82)を閉状態にし、かつ、第7ダンパ(83)を閉状態にすることを示す。ダンパが第6状態になると、第4通路(64)が閉塞された状態になることで、空気が第4通路(64)を循環する。このとき、バッテリ搭載空間(50a)側の通路(第5通路(65)および第6通路(66))の熱が伝わることで第4通路(64)の空気が昇温する。
【0123】
ステップS34において、制御部(72)は、第2温度センサ(79)の検出値が第4所定温度になったか否かを判定する。すなわち、制御部(72)は、冷凍冷蔵室(3a)から第4通路(64)へ送られた冷えすぎの空気の温度が、バッテリ(B)の冷却に適した第4所定温度になったか否かを判定する。第4所定温度は、第3所定温度よりも高い。第4所定温度は、一定の温度であってもよく、または、上限と下限とを有する幅のある温度であってもよい。第4所定温度になったかと判定されると(ステップS34で、Yes)、処理がステップS35へ移行する。第4所定温度でないと判定されると(ステップS34で、No)、ステップS34に示す処理が繰り返される。
【0124】
図10(c)および
図11に示すように、ステップS35において、制御部(72)は、ダンパを第7状態にする。ダンパを第7状態にすることは、第4ダンパ(80)を閉状態にし、第5ダンパ(81)を閉状態にし、第6ダンパ(82)を開状態にし、かつ、第7ダンパ(83)を開状態にすることを示す。ダンパが第7状態になると、第4通路(64)の空気が第5通路(65)を通じてバッテリ搭載空間(50a)へ送られることで、バッテリ搭載空間(50a)の空気が降温する。その結果、バッテリ(B)の昇温を効果的に抑制することができる。
【0125】
ステップS36において、制御部(72)は、第2温度センサ(79)の検出値が第5所定温度以上であるか否かを判定する。すなわち、制御部(72)は、第4通路(64)、第5通路(65)、バッテリ搭載空間(50a)、および第6通路(66)を流れる空気の温度がバッテリ(B)の発熱によりある程度上昇したか否かを判定する。第5所定温度は、第4所定温度よりも高い。第5所定温度以上であると判定されると(ステップS36で、Yes)、処理がステップS37へ移行する。第5所定温度以上でないと判定されると(ステップS36で、No)、ステップS36に示す処理が繰り返される。
【0126】
図10(b)および
図11に示すように、ステップS37において、制御部(72)は、ダンパを第6状態にする。ダンパが第6状態になると、第4通路(64)が閉塞された状態になることで、空気が第4通路(64)を循環する。このとき、第4通路(64)の空気の熱が低温の冷凍冷蔵室(3a)に伝わることで第4通路(64)の空気が降温する。
【0127】
ステップS38において、制御部(72)は、第2温度センサ(79)の検出値が第6所定温度以下であるか否かを判定する。すなわち、制御部(72)は、バッテリ(B)の発熱により昇温した空気の温度がある程度低下したか否かを判定する。第6所定温度は、第5所定温度よりも低い。第6所定温度以下であると判定されると(ステップS38で、Yes)、処理がステップS31へ移行する。第6所定温度以上でないと判定されると(ステップS38で、No)、ステップS38に示す処理が繰り返される。
【0128】
図10(a)および
図11に示すように、ステップS31において、ダンパが第5状態になることで、第4通路(64)の空気が冷凍冷蔵室(3a)へ送られる。このとき、ステップS37において、第4通路(64)の空気の温度をある程度低下させることで、ステップS31において、ある程度、温度の低下した空気が冷凍冷蔵室(3a)へ送られるので、冷凍冷蔵室(3a)の温度が急激に上昇することを抑制できる。その結果、冷凍冷蔵室(3a)の低温状態を安定的の保持できる。さらに、冷凍冷蔵室(3a)の温度が急激に上昇することを抑制できるので、冷凍装置(10)の熱負荷が増加することを抑制できる。
【0129】
<第6実施形態の変形例>
ステップS32において、制御部(72)によりダンパを第5状態にしてから第3所定時間が経過したと判定されると(ステップS32で、Yes)、処理がステップS33へ移行し、第3所定時間が経過していないと判定されると(ステップS32で、No)、ステップS32に示す処理が繰り返されるように構成してもよい。第3所定時間は、冷凍冷蔵室(3a)からの冷気により第2温度センサ(79)の検出値(第4通路(64)の温度)が第3所定温度以下となるような時間である。
【0130】
ステップS34において、制御部(72)によりダンパを第6状態にしてから第4所定時間が経過したと判定されると(ステップS34で、Yes)、処理がステップS35へ移行し、第4所定時間が経過していないと判定されると(ステップS34で、No)、ステップS34に示す処理が繰り返されるように構成してもよい。第4所定時間は、バッテリ(B)の発熱が第4通路(64)に伝わることで第2温度センサ(79)の検出値が第4所定温度となるような時間である。
【0131】
ステップS36において、制御部(72)によりダンパを第7状態にしてから第5所定時間が経過したと判定されると(ステップS36で、Yes)、処理がステップS37へ移行し、第4所定時間が経過していないと判定されると(ステップS36で、No)、ステップS36に示す処理が繰り返されるように構成してもよい。第5所定時間は、バッテリ(B)の発熱により第2温度センサ(79)の検出値が第5所定温度以上となるような時間である。
【0132】
ステップS38において、制御部(72)によりダンパを第6状態にしてから第6所定時間が経過したと判定されると(ステップS38で、Yes)、処理がステップS31へ移行し、第6所定時間が経過していないと判定されると(ステップS38で、No)、ステップS38に示す処理が繰り返されるように構成してもよい。第6所定時間は、第4通路(64)の空気の熱が低温の冷凍冷蔵室(3a)に伝わることで第2温度センサ(79)の検出値が第6所定温度以上となるような時間である。
【0133】
<第7実施形態>
温調システムの第7実施形態について、主に第6実施形態と異なる点を説明する。
【0134】
<温調システムの運転動作の第5例>
図13に示すように、第5例では、上記第4例(
図11参照)に示すステップS31~ステップS38に示す処理と並行して、ステップS41に示す処理が行われる。
【0135】
ステップS41において、制御部(72)は、第1温度センサ(75)の検出値(バッテリ搭載空間(50a)の温度)が第7所定温度以上であるか否かを判定する。第7所定温度は、第5所定温度よりも高い。第7所定温度は、例えば、バッテリ(B)の保存には好ましくない位に高い温度、または当該好ましくない温度に近い温度である。第7所定温度以上であると判定されると(ステップS41で、Yes)、処理がステップS42へ移行する。第7所定温度以上でないと判定されると(ステップS41で、No)、ステップS41に示す処理が繰り返される。
【0136】
図13に示すように、ステップS42において、優先処理(ステップS421およびステップS422)が行われる。優先処理は、ステップS31~ステップS38、およびステップS41に示す処理に優先して行われる処理である。優先処理が行われている間は、ステップS31~ステップS38、およびステップS41に示す処理が停止される。
【0137】
図13および
図14に示すように、ステップS421において、制御部(72)は、ダンパを第8状態にする。ダンパを第8状態にすることは、第4ダンパ(80)を開状態にし、第5ダンパ(81)を開状態にし、第6ダンパ(82)を開状態にし、かつ、第7ダンパ(83)を開状態にすることを示す。ダンパが第8状態になると、冷凍冷蔵室(3a)の冷気が第4通路(64)および第5通路(65)を通じてバッテリ搭載空間(50a)へ送られることで、バッテリ搭載空間(50a)の空気が降温する。ダンパが第8状態になることで、冷凍冷蔵室(3a)の冷気が、第4通路(64)で止められることなく、バッテリ搭載空間(50a)へ迅速に送られるので、バッテリ搭載空間(50a)の空気を速やかに降温することができる。
【0138】
ステップS422において、制御部(72)は、第1温度センサ(75)の検出値(バッテリ搭載空間(50a)の温度)が第8所定温度以下であるか否かを判定する。第8所定温度は、第7所定温度よりも低く、かつ、第4所定温度以上である。第8所定温度は、例えば、第4所定温度と同程度の高さを有する。第8所定温度以下であると判定されると(ステップS422で、Yes)、優先処理が終了し、処理がステップS37およびステップS41へ移行する。第8所定温度以下でないと判定されると(ステップS422で、No)、ステップS422に示す処理が繰り返される。
【0139】
<第7実施形態の変形例>
ステップS422において、制御部(72)によりダンパを第8状態にしてから第7所定時間が経過したと判定されると(ステップS422で、Yes)、優先処理が終了することで処理がステップS37およびステップS41へ移行し、第7所定時間が経過していないと判定されると(ステップS422で、No)、ステップS422に示す処理が繰り返されるように構成してもよい。第7所定時間は、冷凍冷蔵室(3a)からの冷気により第1温度センサ(75)の検出値(バッテリ搭載空間(50a)の温度)が第8所定温度以下となるような時間である。
【0140】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう(下記(A)~(G))。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態の要素を適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0141】
(A)第4実施形態~第5実施形態の各々の温調システムについて、加熱部(74)(
図5(c)参照)が第1通路(61)に配置されていてもよい。第6実施形態~第7実施形態の各々の温調システムについて、加熱部(74)が、第5通路(65)に配置されていてもよい。
【0142】
(B)第4実施形態~第7実施形態の各々の温調システムについて、第2ユニット(20)の庫内熱交換器(21)が、冷凍冷蔵室(3a)内において冷凍冷蔵室(3a)と、循環通路(60)との連通箇所(62b,64b)寄りに配置されてもよい。庫内熱交換器(21)は、循環通路(60)内(第2通路(62)内)に配置されてもよい。
【0143】
(C)第1実施形態~第7実施形態において、温調システムが冷凍装置(10)を備え、温調システムの制御部(72)が、循環通路(60)から冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量(送風部(70)のファン(70a)の回転速度)、または温度(第1温度センサ(75)の検出値)に基づいて、冷凍装置(10)の動作を制御してもよい。例えば、制御部(72)は、循環通路(60)から冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量が多い程(ファン(70a)の回転速度が大きい程)、圧縮機(12)の回転数を増大させる。また、例えば、制御部(72)は、循環通路(60)から冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の温度が高い程(第1温度センサ(75)により検出される温度が高い程)、圧縮機(12)の回転数を増大させる。
【0144】
(D)第1実施形態~第7実施形態の移動体(1)は、トラックのような車両に限定されない。移動体(1)は、陸上、海上、または空上を自走可能なものであればよく、例えば、船舶、飛行機等であってもよい。
【0145】
(E)第1実施形態~第7実施形態では、筐体(50)(バッテリ搭載空間(50a))は、冷凍冷蔵室(3a)内に設けられる(
図1参照)。しかし、本発明はこれに限定されない。
図15(a)に示すように、筐体(50)は、キャビン(2)内(移動体(1)内)に設けられてもよい。
図15(a)に示すように、筐体(50)は、移動体(1)の下部に設けられてもよい。
【0146】
(F)第1実施形態~第7実施形態では、移動体(1)に搭載され、バッテリ(B)から電力を供給される装置の一例として、冷凍装置(10)が示されている。しかし、本発明はこれに限定されない。移動体(1)に搭載され、バッテリ(B)から電力を供給される装置は、移動体(1)に搭載された状態でバッテリ(B)からの電力により稼働する装置であればよい。例えば、当該装置は、キャンピングカーに搭載されるエアコン、家電等でもよい。また、バッテリ(B)は移動体(1)の駆動用のバッテリであってもよい。
【0147】
(G)第4実施形態~第7実施形態では、第1温度センサ(75)はバッテリ搭載空間(50a)の温度(気温)を検出する。しかし、本発明はこれに限定されない。第1温度センサ(75)は、バッテリ(B)の温度を検出してもよい。この場合、上記
図7に示すステップS12、ステップS14、
図9に示すステップS22、ステップS22、
図13に示すステップS41、および
図14に示すステップS422において、バッテリ搭載空間(50a)の温度をバッテリ(B)の温度と読み替え、制御部(72)は、バッテリ搭載空間(50a)の温度と、各種所定温度(第1所定温度、第2所定温度、第7所定温度、第8所定温度等)とを比較する。また、バッテリ(B)の温度は、第1温度センサ(75)により検出されたものではなくてもよく、バッテリ(B)から供給される電力に基づいて制御部(72)が算出(推定)してもよい。
【0148】
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0149】
以上に説明したように、本開示は、温調システムについて有用である。
【符号の説明】
【0150】
1 移動体
3a 冷凍冷蔵室
50a バッテリ搭載空間
60 循環通路
B バッテリ
【手続補正書】
【提出日】2024-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体(1)に設けられる冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ(B)が搭載されるバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させるための機構を備え、
前記機構は、
前記冷凍冷蔵室(3a)の空気を、前記バッテリ搭載空間(50a)を通過させた後、前記冷凍冷蔵室(3a)へ送るための循環通路(60)と、
前記バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度または前記バッテリ(B)の温度を、前記冷凍冷蔵室(3a)の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする温度調整部と、を含み、
前記循環通路(60)は、前記冷凍冷蔵室(3a)と前記バッテリ搭載空間(50a)とに連通する第1通路(61)および第2通路(62)を含み、
前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第1通路(61)、前記バッテリ搭載空間(50a)、および前記第2通路(62)が、前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第1通路(61)、前記バッテリ搭載空間(50a)、前記第2通路(62)、および前記冷凍冷蔵室(3a)の順番に環状に連なり、
前記第1通路(61)には、空気を加熱する加熱部(74)が設けられる、温調システム。
【請求項2】
前記循環通路(60)は、前記冷凍冷蔵室(3a)および前記バッテリ搭載空間(50a)の各々と少なくとも2箇所(61b,62b,61a,62a)で連通する 、請求項1に記載の温調システム。
【請求項3】
前記機構は、前記循環通路(60)を流れる空気の量を調整する第1調整部を含む、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項4】
前記第1調整部は、送風部(70)、またはダンパ(76,77,78,80,81,82,83)を含む、請求項3に記載の温調システム。
【請求項5】
前記循環通路(60)には、前記バッテリ搭載空間(50a)の上流に配置され、空気を加熱する前記加熱部(74)が設けられる、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項6】
前記機構は、前記循環通路(60)から前記冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量を調整する第2調整部を含む、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項7】
前記第2調整部は、送風部(70)、またはダンパ(77,81)を含む、請求項6に記載の温調システム。
【請求項8】
前記冷凍冷蔵室(3a)内に設けられ、前記冷凍冷蔵室(3a)内の空気を攪拌する攪拌部(73)を備え、
前記攪拌部(73)は、前記バッテリ搭載空間(50a)から前記冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気を、前記冷凍冷蔵室(3a)内で攪拌させるように配置される、請求項1または請求項2に記載の温調システム。
【請求項9】
移動体(1)に設けられる冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ(B)が搭載されるバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させるための機構と、冷媒を循環させることで冷凍運転可能な冷凍装置(10)とを備え、
前記機構は、
前記冷凍冷蔵室(3a)の空気を、前記バッテリ搭載空間(50a)を通過させた後、前記冷凍冷蔵室(3a)へ送るための循環通路(60)と、
前記バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度または前記バッテリ(B)の温度を、前記冷凍冷蔵室(3a)の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする温度調整部と、を含み、
前記冷凍装置(10)は、前記冷媒と前記冷凍冷蔵室(3a)内の空気とを熱交換する熱交換器(21)を含み、
前記熱交換器(21)は、前記冷凍冷蔵室(3a)内のうち前記冷凍冷蔵室(3a)と前記循環通路(60)との連通箇所(62b,64b)寄りに配置される、温調システム。
【請求項10】
移動体(1)に設けられる冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ(B)が搭載されるバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させるための機構を備え、
前記機構は、
前記冷凍冷蔵室(3a)の空気を、前記バッテリ搭載空間(50a)を通過させた後、前記冷凍冷蔵室(3a)へ送るための循環通路(60)と、
前記バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度または前記バッテリ(B)の温度を、前記冷凍冷蔵室(3a)の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする温度調整部と、を含み、
前記循環通路(60)は、前記冷凍冷蔵室(3a)と前記バッテリ搭載空間(50a)とに連通する第1通路(61)および第2通路(62)を含み、
前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第1通路(61)、前記バッテリ搭載空間(50a)、および前記第2通路(62)が、前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第1通路(61)、前記バッテリ搭載空間(50a)、前記第2通路(62)、および前記冷凍冷蔵室(3a)の順番に環状に連なり、
前記循環通路(60)は、前記第1通路(61)のうち前記バッテリ搭載空間(50a)に連通する箇所(61a)と前記冷凍冷蔵室(3a)に連通する箇所(61b)との間に位置する箇所と、前記第2通路(62)のうち前記バッテリ搭載空間(50a)に連通する箇所(62a)と前記冷凍冷蔵室(3a)に連通する箇所(62b)との間に位置する箇所とに連通する第3通路(63)を含む、温調システム。
【請求項11】
移動体(1)に設けられる冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ(B)が搭載されるバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させるための機構を備え、
前記機構は、
前記冷凍冷蔵室(3a)の空気を、前記バッテリ搭載空間(50a)を通過させた後、前記冷凍冷蔵室(3a)へ送るための循環通路(60)と、
前記バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度または前記バッテリ(B)の温度を、前記冷凍冷蔵室(3a)の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする温度調整部と、を含み、
前記循環通路(60)は、
前記冷凍冷蔵室(3a)と少なくとも2箇所(64a,64b)で連通する環状の第4通路(64)と、
前記第4通路(64)と前記バッテリ搭載空間(50a)とに連通する第5通路(65)および第6通路(66)と
を含み、
前記第4通路(64)、前記第5通路(65)、前記バッテリ搭載空間(50a)、および前記第6通路(66)が、前記第4通路(64)、前記第5通路(65)、前記バッテリ搭載空間(50a)、前記第6通路(66)、および前記第4通路(64)の順番に環状に連なる、温調システム。
【請求項12】
前記機構は、
前記第4通路(64)が、前記冷凍冷蔵室(3a)、前記第5通路(65)、および前記第6通路(66)の各々と遮断された状態にするか否かを切り替える切替部(80,81,82,83)と、
前記第4通路(64)に設けられ、空気を送る送風部(70)と
を含む、請求項11に記載の温調システム。
【請求項13】
前記バッテリ搭載空間(50a)は、前記冷凍冷蔵室(3a)内、前記移動体(1)の下部、または前記移動体(1)の内部に設けられる、請求項1、請求項2、請求項9および請求項11のいずれか1項に記載の温調システム。
【請求項14】
移動体(1)に設けられる冷凍冷蔵室(3a)とバッテリ(B)が搭載されるバッテリ搭載空間(50a)との間で空気を循環させるための機構を備え、
前記機構は、
前記冷凍冷蔵室(3a)の空気を、前記バッテリ搭載空間(50a)を通過させた後、前記冷凍冷蔵室(3a)へ送るための循環通路(60)と、
前記バッテリ搭載空間(50a)内の空気の温度または前記バッテリ(B)の温度を、前記冷凍冷蔵室(3a)の空気の温度よりも高い所定の温度以上とする温度調整部と、を含み、
温調システムは、
前記冷凍冷蔵室(3a)内の温度を調整する冷凍装置(10)と、
前記循環通路(60)から前記冷凍冷蔵室(3a)へ送られる空気の量または温度に基づいて、前記冷凍装置(10)の動作を制御する制御部(72)と
を備える、温調システム。