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特開2024-14578情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014578
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240125BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117513
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】近藤 研二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】混雑を回避するために移動する利用者の満足度を高めながら混雑を抑制する。
【解決手段】情報処理システム(1)は、複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する予測部(11)と、混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と閑散エリアに関連する情報とを参照して、混雑エリアに滞在するユーザの中から閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する抽出部(12)と、ターゲットユーザを閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する出力部(13)と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、前記複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する予測手段と、
前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と前記閑散エリアに関連する情報とを参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザの中から前記閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する抽出手段と、
前記ターゲットユーザを前記閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する出力手段と、を含む情報処理システム。
【請求項2】
前記出力手段は、前記移動情報を、前記ターゲットユーザが利用するユーザ端末に配信する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記移動情報は、前記閑散エリアに関連する情報を含む、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記移動情報は、前記混雑エリアから前記閑散エリアへ移動するために利用可能な移動手段に関する情報を含む、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記移動情報は、前記混雑エリアから前記閑散エリアへ移動するために利用可能な移動手段の需要に関する情報を含み、
前記出力手段は、前記移動手段の提供者が管理する管理端末に対して、前記移動情報を配信する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記抽出手段は、前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報を参照して、前記閑散エリアに関連する情報に関する条件を満たすユーザを前記ターゲットユーザとして抽出する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記抽出手段は、前記混雑エリアおよび前記閑散エリアのそれぞれに滞在すべきユーザの属性別の理想人数を示す理想人数情報を参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザのうち、前記混雑エリアにおける予測人数が前記理想人数を超過している属性のユーザであって、前記閑散エリアにおける予測人数が前記理想人数に対して不足する属性のユーザを、前記ターゲットユーザとして抽出する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
1以上のプロセッサが、
複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、前記複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測することと、
前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と前記閑散エリアに関連する情報とを参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザの中から前記閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出することと、
前記ターゲットユーザを前記閑散エリアに移動させるための移動情報を出力することと、を含む情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、前記複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する予測手段と、
前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と前記閑散エリアに関連する情報とを参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザの中から前記閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する抽出手段と、
前記ターゲットユーザを前記閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する出力手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混雑を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、鉄道路線に含まれる駅を利用できない人数を滞留必要量として推測する技術が記載されている。また、この技術は、駅から利用可能な複数の滞留エリア(店舗等)を、各エリアのキャパシティの合計が滞留必要量以上となるよう選択し、各滞留エリアへ人を誘導するための誘導情報を配信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-108913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術は、駅、店舗、列車内のディスプレイまたはスピーカに、誘導情報を配信する。または、当該技術は、当該駅を通ると推測された利用者の携帯端末に、誘導情報を配信する。このように、当該技術においては、配信情報は、混雑が予測される駅またはその周辺にいる利用者に無差別に配信される。このため、混雑を回避するために移動する利用者の満足度が高くない場合がある。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、混雑を回避するために移動する利用者の満足度を高めながら混雑を抑制する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、前記複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する予測手段と、前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と前記閑散エリアに関連する情報とを参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザの中から前記閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する抽出手段と、前記ターゲットユーザを前記閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する出力手段と、を含む。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、1以上のプロセッサが、複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、前記複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測することと、前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と前記閑散エリアに関連する情報とを参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザの中から前記閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出することと、前記ターゲットユーザを前記閑散エリアに移動させるための移動情報を出力することと、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、前記複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する予測手段と、前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と前記閑散エリアに関連する情報とを参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザの中から前記閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する抽出手段と、前記ターゲットユーザを前記閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する出力手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、混雑を回避するために移動する利用者の満足度を高めながら混雑を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的実施形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】例示的実施形態1に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
図3】例示的実施形態2に係る情報処理システムの概要を説明する模式図である。
図4】例示的実施形態2に係る情報処理システムの構成を説明する模式図である。
図5】分布情報の一例を説明する図である。
図6】ユーザ情報の一例を説明する図である。
図7】イベント情報の一例を説明する図である。
図8】混雑判定用情報の一例を説明する図である。
図9】理想人数情報の一例を説明する図である。
図10】例示的実施形態2に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
図11】属性別に予測された情報の一例を示す図である。
図12】エリアごとに予測された情報の一例を示す図である。
図13】配信リストの具体例を説明する図である。
図14】移動手段計画の具体例を説明する図である。
図15】ユーザ端末の表示部に表示される配信メッセージの具体例を説明する図である。
図16】管理端末の表示部に表示される配信メッセージの具体例を説明する図である。
図17】各例示的実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0012】
<情報処理システム1の構成>
本例示的実施形態に係る情報処理システム1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、情報処理システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理システム1は、予測部11と、抽出部12と、出力部13と、を含む。予測部11は、複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する。抽出部12は、混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と閑散エリアに関連する情報とを参照して、混雑エリアに滞在するユーザの中から閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する。出力部13は、ターゲットユーザを閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する。
【0013】
<プログラムによる実現>
上述した情報処理システム1の機能は、プログラムによって実現することもできる。本例示的実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する予測部11と、混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と閑散エリアに関連する情報とを参照して、混雑エリアに滞在するユーザの中から閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する抽出部12と、ターゲットユーザを閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する出力部13と、として機能させる。
【0014】
<情報処理方法S1の流れ>
本例示的実施形態に係る情報処理方法S1の流れについて、図2を参照して説明する。図2は、情報処理方法S1の流れを示すフロー図である。なお、この情報処理方法S1における各ステップの実行主体は、情報処理システム1が備えるプロセッサであってもよいし、他のシステムが備えるプロセッサであってもよく、各ステップの実行主体がそれぞれ異なる装置または異なるシステムに設けられたプロセッサであってもよい。
【0015】
図2に示すように、情報処理方法S1は、ステップS11~S13を含む。ステップS11において、プロセッサは、複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する。ステップS12において、プロセッサは、混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と閑散エリアに関連する情報とを参照して、混雑エリアに滞在するユーザの中から閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する。ステップS13において、プロセッサは、ターゲットユーザを閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する。
【0016】
<本例示的実施形態の効果>
以上のように、本例示的実施形態においては、複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測し、混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と閑散エリアに関連する情報とを参照して、混雑エリアに滞在するユーザの中から閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出し、ターゲットユーザを閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する、との構成が採用されている。このため、本例示的実施形態によれば、混雑を回避するために移動する利用者の満足度を高めながら混雑を抑制することができる、という効果が得られる。
【0017】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0018】
<情報処理システム1Aの概要>
本例示的実施形態2に係る情報処理システム1Aの概要について、図3を参照して説明する。図3は、情報処理システム1Aの概要を説明する模式図である。図3に示すように、情報処理システム1Aは、複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測し、混雑エリアから閑散エリアにユーザを移動させるための移動情報を出力するシステムである。情報処理システム1Aは、混雑エリアに滞在するユーザ(U1~U5)から、閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザ(U3、U5)を抽出する。また、情報処理システム1Aは、ターゲットユーザ(U3、U5)が利用するユーザ端末20に対して移動情報を出力する。また、情報処理システム1Aは、混雑エリアから閑散エリアに移動するために利用可能な移動手段の提供者が管理する管理端末に対して、移動情報を出力する。
【0019】
ここで、複数のエリアの一例としては、例えば、大型ショッピングモールの施設、不動産ディベロッパーが取り扱う街、鉄道における駅、商業ビルのテナント、商店街の店舗、テーマパークのアトラクション、首都圏の観光地、教育施設の教室等、が挙げられる。ただし、複数のエリアは、上述した例に限られない。
【0020】
<情報処理システム1Aの構成>
情報処理システム1Aの構成について、図4を参照して説明する。図4は、情報処理システム1Aの構成を説明する模式図である。図4に示すように、情報処理システム1Aは、サーバ10と、ユーザ端末20と、管理端末30と、を含む。サーバ10は、ユーザ端末20および管理端末30の各々と、ネットワークを介して通信可能に接続される。サーバ10は、データベースDB1~DB7に対して、情報を読み書き可能に接続される。なお、図4には、ユーザ端末20および管理端末30を1つずつ示しているが、情報処理システム1Aには、複数のユーザ端末20または複数の管理端末30が含まれていてもよい。
【0021】
(サーバ10の構成)
サーバ10の構成について、図4を参照して説明する。図4に示すように、サーバ10は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、を含む。制御部110は、サーバ10の各部を統括して制御する。制御部110は、予測部11Aと、抽出部12Aと、出力部13Aと、を含む。記憶部120は、制御部110が使用する各種のデータを記憶する。また、記憶部120は、予測人数121a、121bと、予測結果122と、推奨移動人数123a、123bと、配信リスト124と、移動手段計画125と、配信メッセージ126a、126bと、を記憶する場合もある。通信部130は、ネットワークを介して他の装置との間で情報を送受信する。これらの各部および各データの構成については、後述する「情報処理方法S1Aの流れ」において説明する。
【0022】
(ユーザ端末20の構成)
ユーザ端末20は、ユーザが利用する端末である。ユーザ端末20は、携帯可能なコンピュータであり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、またはノート型パーソナルコンピュータ等によって構成される。ユーザ端末20の構成について、図4を参照して説明する。図4に示すように、ユーザ端末20は、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、入力部240と、表示部250と、測位部260と、を含む。
【0023】
制御部210は、ユーザ端末20の各部を統括して制御する。記憶部220は、制御部210が使用する各種のデータを記憶する。通信部230は、ネットワークを介して他の装置との間で情報を送受信する。入力部240は、ユーザ端末20に対するユーザの操作を受け付ける。表示部250は、画像を表示する。測位部260は、ユーザ端末20の位置を測定する。測位部260により得られた位置情報は、後述するデータベースDB3における「現在のエリア」にリアルタイムに反映される。測位部260は、例えば、GPS(Global Positioning System)、ビーコン発信装置、または無線基地局等からの受信信号に基づき位置を測定してもよい。ただし、測位部260が用いる測位技術は、これらに限られない。
【0024】
(管理端末30の構成)
管理端末30は、移動手段の提供者が管理する端末である。管理端末30は、例えば、据え置き型のコンピュータ、または携帯可能なコンピュータによって構成される。管理端末30の構成について、図4を参照して説明する。図4に示すように、管理端末30は、制御部310と、記憶部320と、通信部330と、入力部340と、表示部350と、を含む。制御部310は、管理端末30の各部を統括して制御する。記憶部320は、制御部310が使用する各種のデータを記憶する。通信部330は、ネットワークを介して他の装置との間で情報を送受信する。入力部340は、管理端末30に対するユーザの操作を受け付ける。表示部350は、画像を表示する。
【0025】
(データベースDB1:分布情報)
データベースDB1は、分布情報を記憶する。分布情報は、複数のエリアにおける人の分布を示す情報である。分布情報の一例について、図5を参照して説明する。図5は、分布情報の一例を説明する図である。図5に示す例において、分布情報は、日付と、時間と、年齢と、性別と、エリアと、人数とを示す情報を含む。例えば、図5の1行目は、2022年3月1日の0時において、年齢「20代」かつ性別「M(男性)」の利用者が識別情報「1」のエリアに1000人いたことを示している。なお、ここでは、複数のエリアそれぞれに識別情報が付与されているものとし、以降では、識別情報が「1」のエリアを、単にエリア1等とも記載する。なお、分布情報は、複数のエリアの人の分布を示す情報であればよく、そのデータ構造は、図5に示した例に限られない。また、記憶される分布情報の時間間隔は、図5では1時間であるが、これに限られず、例えば、数時間単位、日単位等であってもよい。
【0026】
例えば、このような分布情報は、分布情報を収集する装置(図示せず)によって収集されて、データベースDB1に記憶される。データベースDB1は、収集された分布情報が追加されていくことによりリアルタイムに更新される構成であってもよい。
【0027】
(データベースDB2:環境情報)
データベースDB2は、環境情報を記憶する。環境情報は、各エリアまたは複数のエリア全体を取り巻く外的な事象を示す。例えば、環境情報は、日時と、エリアの識別情報と、事象を示す情報と、を含む。例えば、外的な事象の一例としては、天候、周辺イベント等が挙げられる。なお、周辺イベントとは、複数のエリアの周辺で開催されるイベントであって、何れのエリアに含まれない領域において開催されるイベントである。周辺イベントは、エリア内で開催される後述のイベントとは異なる。なお、環境情報のデータ構造は、上述した例に限られない。
【0028】
例えば、このような環境情報は、環境情報を収集する装置(図示せず)によって収集されて、データベースDB2に記憶される。データベースDB2は、収集された環境情報が追加されていくことによりリアルタイムに更新される構成であってもよい。
【0029】
(データベースDB3:ユーザ情報)
データベースDB3は、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、例えば、複数のエリアの少なくとも何れかにおいて提供されるサービスの利用者を示す情報であってもよい。ユーザ情報の一例について、図6を参照して説明する。図6は、ユーザ情報の一例を説明する図である。図6に示す例において、ユーザ情報は、ユーザ識別情報(会員No)と、ユーザの属性(年齢、性別、連絡方法、趣味嗜好、お気に入り店舗)を示す情報と、ユーザの現在のエリアを示す情報と、を含む。なお、ユーザ情報のデータ構造は、図6に示した例に限られない。
【0030】
例えば、ユーザ識別情報は、ユーザの入力により登録された情報であってもよい。また、ユーザ識別情報は、複数のエリアの少なくとも何れかに配置されたセンサが取得したセンサ情報を参照して生成されてもよい。例えば、ユーザ識別情報は、何れかのエリアに配置されたカメラが撮影した映像を解析することにより、映像に被写体として含まれる個人を識別する解析装置(図示せず)により生成されてもよい。また、ユーザ識別情報は、リアルタイムに追加される構成であってもよい。
【0031】
例えば、ユーザの属性を示す情報は、ユーザの入力により登録された情報であってもよい。また、ユーザの属性を示す情報は、例えば、上述したセンサ情報、ユーザ端末20の位置情報、またはユーザ端末20に含まれるアプリケーションの利用状況等を参照してユーザの属性を解析する解析装置(図示せず)により生成されてもよい。また、ユーザの属性を示す情報は、リアルタイムに更新される構成であってもよい。
【0032】
また、ユーザの現在のエリアを示す情報は、ユーザ端末20の位置情報と、各エリアの地理的な領域を示す情報とを参照して現在のエリアを判定する判定装置(図示せず)により生成される。また、現在のエリアを示す情報は、測位部260の測位に応じてリアルタイムに更新される。
【0033】
(データベースDB4:移動手段情報)
データベースDB4は、移動手段情報を記憶する。移動手段情報は、複数のエリア間を移動するための移動手段に関する情報である。例えば、移動手段情報は、移動手段の識別情報と、種別と、経路と、運行スケジュールと、提供可能量と、を示す情報を含む。例えば、種別の一例としては、シャトルバス、オンデマンドバス、シェアサイクル、鉄道、路線バス、等が挙げられるが、これに限られない。また、経路の一例としては、エリア1およびエリア2間を結ぶ経路、等が挙げられる。また、運行スケジュールの一例としては、エリア1を15:30に発車してエリア2に15:40に到着する、等が挙げられる。また、提供可能量としては、例えば、1台のシャトルバスに乗車可能な人数、増便可能な台数、シェアサイクルの台数、等が挙げられる。なお、移動手段情報のデータ構造は、上述した例に限られない。
【0034】
例えば、このような移動手段情報は、複数のエリアまたは各エリアを管理する管理者の入力によってデータベースDB4に記憶されてもよい。また、移動手段情報は、移動手段に関する情報を収集する装置(図示せず)によって収集されて、データベースDB4に記憶されてもよい。データベースDB4は、収集された移動手段情報を用いてリアルタイムに更新される構成であってもよい。
【0035】
(データベースDB5:イベント情報)
データベースDB5は、イベント情報を記憶する。イベント情報は、複数のエリアの何れかで行われるイベントに関する情報である。イベントは、前述した周辺イベント情報とは異なる。イベント情報の一例について、図7を参照して説明する。図7は、イベント情報の一例を説明する図である。図7に示す例において、イベント情報は、イベント識別情報(イベントNO)と、開催されるエリアの識別情報と、日付と、時刻と、店舗と、ターゲットと、を示す情報とを含む。例えば、図7の1行目は、イベントNO「0000001」のイベントが、エリア1において、2022年4月1日の0時に、店舗AAAAの主催により、30代の男性(30男)をターゲットとして開催される予定であることを示している。なお、イベント情報は、少なくとも開催されるエリアの識別情報を含んでいればよく、そのデータ構造は、図7に示した例に限られない。
【0036】
例えば、このようなイベント情報は、開催されるエリアを管理する管理者またはイベントの関係者等の入力によってデータベースDB5に記憶されてもよい。また、このようなイベント情報は、複数のエリアの何れかで開催されるイベントに関する情報を収集する装置(図示せず)によって収集されて、データベースDB5に記憶されてもよい。データベースDB5は、入力または収集されたイベント情報が追加されていくことによりリアルタイムに更新される構成であってもよい。
【0037】
(データベースDB6:標準人数情報)
データベースDB6は、混雑判定用情報を記憶する。混雑判定用情報は、各エリアについて混雑エリアであるか閑散エリアであるかを判定するために用いられる情報である。混雑判定用情報の一例について、図8を参照して説明する。図8は、混雑判定用情報の一例を説明する図である。図8に示すように、混雑判定用情報は、エリア識別情報、標準人数、混雑閾値、閑散閾値を示す情報を含む。標準人数は、当該エリアに想定される標準的な同時滞在人数である。標準人数は、混雑度を算出するために用いられる。混雑閾値および閑散閾値は、混雑度と比較するための閾値である。なお、混雑用判定情報のデータ構造は、図8に示した例に限られない。また、図11の例では、標準人数は時間に関わらず一定としているが、例えば、時間に応じて変化し得る値が設定されていてもよい。
【0038】
例えば、このような混雑判定用情報は、過去の滞在人数、人口密度等に基づき統計的に算出されてもよい。また、混雑判定用情報は、各エリアの管理者または当該情報処理システム1Aの管理者等により決定されてもよい。また、混雑判定用情報は、分布情報を参照して動的に更新されてもよい。
【0039】
なお、エリアの管理者にとって、ある程度の賑わいを確保したい、静けさを確保したい、などといったように、要求する混雑(または閑散)の程度が異なり得る。そこで、このようなエリアの管理者の要求に応じて、標準人数、混雑閾値、または閑散閾値が設定されてもよい。これにより、当該エリアは、要求される混雑の程度を超えた場合に混雑エリアと判定され、要求される閑散の程度を下回った場合に閑散エリアと判定されるので、管理者が要求する混雑(または閑散)の程度を確保することができる。
【0040】
(データベースDB7:理想人数情報)
データベースDB7は、理想人数情報を記憶する。理想人数情報は、各エリアにおける属性別の理想人数に関する情報である。理想人数情報の一例について、図9を参照して説明する。図9は、理想人数情報の一例を説明する図である。図9に示すように、理想人数情報は、エリアの識別情報と、時刻と、属性別の理想人数と、を示す情報を含む。例えば、図9の1行目は、エリア1では、0時における20代男性の理想人数が500人、30代男性の理想人数が500人、40代男性の理想人数が100人、…、50代女性の理想人数が50人、60代女性の理想人数が80人、であることを示している。例えば、各エリアの属性別の理想人数の合計は、データベースDB6に記憶されたエリア1の標準人数であってもよい。換言すると、あるエリアの属性別の理想人数は、当該エリアの標準人数の内訳であってもよい。また、図9に示すように、このような属性別の理想人数は、時間に応じて変化し得る値が設定される。
【0041】
例えば、このような理想人数情報は、過去の属性別の滞在人数等に基づき統計的に算出されてもよい。また、理想人数情報は、各エリアの管理者または当該情報処理システム1Aの管理者等により決定されてもよい。また、理想人数情報は、分布情報を参照して動的に更新されてもよい。また、この例では、理想人数情報に時刻を示す情報が含まれているが、日付または曜日を示す情報が含まれていてもよい。また、記憶される理想人数情報の時間間隔は、図9では1時間であるが、これに限られない。
【0042】
<情報処理方法S1Aの流れ>
以上のように構成された情報処理システム1Aは、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1Aを実行する。情報処理方法S1Aの流れについて、図10を参照して説明する。図10は、情報処理方法S1Aの流れを示すフロー図である。図10に示すように、情報処理方法S1Aは、ステップS21~S28を含む。
【0043】
(ステップS21)
ステップS21において、予測部11Aは、データベースDB1およびDB2に記憶された分布情報および環境情報を参照して、各エリアにおける将来の予測人数121a、121bを予測し、記憶部120に記憶する。ここで、予測人数121aは、各エリアについてユーザの属性別に予測される滞在人数である。予測人数121bは、各エリアについて予測される滞在人数である。また、ここでいう「将来」とは、現時点より以降のある時点(例えば、30分後、1時間後、1日後、1週間後、等)であってもよいし、現時点より以降のある期間(例えば、現時点から24時間後まで)等であってもよい。
【0044】
例えば、予測部11Aは、将来に予測される環境情報に類似した過去の環境情報を特定し、特定した過去の環境情報に対応する過去の分布情報を参照して、予測人数121a、121bを予測してもよい。例えば、明日の予測人数121a、121bを予測したい場合、予測部11Aは、環境情報を参照し、明日に予測される天候(例えば、晴れ)に類似する天候の過去の日付を特定してもよい。また、例えば、予測部11Aは、環境情報を参照し、明日に予定される周辺イベントに類似する周辺イベントが開催された日付を特定してもよい。また、予測部11Aは、特定した日付における分布情報を参照して、予測人数121a、121bしてもよい。
【0045】
また、予測部11Aは、分布情報および環境情報に基づきエリア別に生成された予測モデルを用いて、予測人数121aを予測してもよい。予測モデルは、例えば、将来の時点または期間を入力として、属性別の予測人数121aを出力する。また、例えば、予測部11Aは、各エリアについて出力された属性別の予測人数121aを合計することにより、各エリアの予測人数121bを算出してもよい。予測モデルを生成する技術の具体例としては、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、等が挙げられるが、これらに限られない。
【0046】
例えば、予測部11Aは、将来の所定期間における各時点について、予測人数121a、121bを算出する。例えば、将来の所定期間における各時点とは、例えば、処理時点から24時間後までの1時間ごと、等であってもよい。この場合、もし情報処理方法S1Aの実行時点(現時点)が2022年3月31日23時であれば、2022年4月1日0時、1時、2時、…、23時の各時点について、予測人数121a、121bが予測される。以下の具体例に示すように、予測人数121a、121bの予測値は、将来の所定期間における各時点で異なり得る。
【0047】
(属性別の予測人数121aの具体例)
属性別の予測人数121aの一例について、図11を参照して説明する。図11は、属性別に予測された情報の一例を示す図である。図11に示すように、この例での「現時点」より以降の日付である2022年4月1日の0時から23時までの各時点について、エリア別、属性別に予測人数121aが予測されている。例えば、図11の1行目には、エリア1において2022年4月22日0時の20代男性(M)の予測人数121aが100人である、ことが示されている。
【0048】
(各エリアの予測人数121bの具体例)
各エリアの予測人数121bの一例について、図12を参照して説明する。図12は、エリアごとに予測された情報の一例を示す図である。図12に示すように、この例での「現時点」より以降の日付である2022年4月1日の0時、1時、…の各時点について、エリア別に予測人数121bが予測されている。例えば、図12の1行目には、エリア1において2022年4月22日0時の予測人数121bが1000人である、ことが示されている。この1行目の予測人数121bは、図11に示した属性別の予測人数121aのうち、エリア1における当該日時の各属性の予測人数121aを合計したものである。
【0049】
(ステップS22)
ステップS22において、予測部11Aは、予測人数121bと、データベースDB6(混雑判定用情報)を参照して、各エリアの混雑度を算出する。例えば、予測部11Aは、将来の所定期間における各時点について、各エリアの混雑度を算出する。「将来の所定期間における各時点」の具体例については、前述した通りである。混雑度の算出処理の具体例について、図8、12を参照して説明する。
【0050】
(混雑度の具体例)
例えば、図12の具体例では、エリア1における2022年4月1日0時の予測人数121bは1000人である。また、図8の具体例では、エリア1の標準人数は2000人である。そこで、予測部11Aは、予測人数121b(1000人)を標準人数(2000人)で除して混雑度0.5を算出する。
【0051】
(ステップS23)
ステップS23において、予測部11Aは、算出した混雑度と、データベースDB6(混雑判定用情報)を参照して、各エリアが混雑エリア、閑散エリア、および標準エリアの何れであるかを判定する。また、予測部11Aは、予測した混雑度および判定結果を含む予測結果122を、記憶部120に記憶する。これにより、予測部11Aは、将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する。
【0052】
例えば、予測部11Aは、将来の所定期間における各時点について、各エリアについて混雑エリア、閑散エリア、および標準エリアの何れであるかを判定する。「将来の所定期間における各時点」の具体例については、前述した通りである。予測結果122は、将来の所定期間における各時点で異なり得る。混雑エリアおよび閑散エリアを予測する処理の具体例について、図8、12を参照して説明する。
【0053】
(閑散エリアの具体例)
例えば、図12の具体例では、エリア1における2022年4月1日0時の混雑度は0.5である。また、図8の具体例では、エリア1の閑散閾値は0.7である。この場合、混雑度≦閑散閾値であるため、予測部11Aは、当該日付の当該時刻においてエリア1は閑散エリアであると予測する。
【0054】
(混雑エリアの具体例)
また、例えば、図12の具体例では、エリア1における2022年4月1日1時の混雑度は1.5である。また、図8の具体例では、エリア1の混雑閾値は1.3である。この場合、混雑閾値≦混雑度であるため、予測部11Aは、当該日付の当該時刻においてエリア1は混雑エリアであると予測する。
【0055】
(標準エリアの具体例)
なお、図12の例には示していないが、予測部11Aは、混雑度が閑散閾値より大きく、かつ、混雑閾値より小さい場合、当該エリアは混雑エリアでも閑散エリアでもない、標準エリアであると予測する。
【0056】
(ステップS24)
ステップS24において、予測部11Aは、予測した混雑エリアおよび閑散エリアについて、データベースDB6、DB7を参照して、推奨移動人数123a、123bを算出し、記憶部120に記憶する。ここで、推奨移動人数123aは、混雑エリアおよび閑散エリアのそれぞれについてユーザの属性別に算出される、移動を推奨する人数である。推奨移動人数123aは、予測人数121aおよび理想人数の差として算出される。また、推奨移動人数123bは、混雑エリアおよび閑散エリアのそれぞれについて算出される、移動を推奨する人数である。推奨移動人数123bは、予測人数121bおよび標準人数の差として算出される。なお、ここでいう「移動を推奨する」とは、当該エリアから他のエリアへの移動を推奨すること、または、他のエリアから当該エリアへの移動を推奨すること、を指す。
【0057】
例えば、予測部11Aは、将来の所定期間における各時点について、各エリアについて推奨移動人数123a、123bを算出する。「将来の所定期間における各時点」の具体例については、前述した通りである。推奨移動人数123a、123bは、将来の所定期間における各時点で異なり得る。
【0058】
(属性別の推奨移動人数123aの具体例)
属性別の推奨移動人数123aの一例について、図11を参照して説明する。例えば、図11の1行目は、エリア1における2022年4月1日0時の20代男性(M)の推奨移動人数123aが、400人であることを示している。この例では、推奨移動人数123aが正の値であることは、他のエリアから当該エリアへ当該属性を有するユーザの移動が推奨されることを示す。つまり、図11の1行目は、他のエリアからエリア1への20代男性(M)400人の移動が推奨されることを示している。当該推奨移動人数123aは、エリア1における当該日時の20代男性(M)の予測人数121a(100人)と、エリア1における当該日時の20代男性(M)の理想人数(500人)との差として算出されたものである。
【0059】
また、例えば、図11の5行目は、エリア1における2022年4月1日1時の20代男性(M)の推奨移動人数123aが、-300人であることを示している。この例では、推奨移動人数123aが負の値であることは、当該エリアから他のエリアへ当該属性を有するユーザの移動が推奨されることを示す。つまり、図11の5行目は、エリア1から他のエリアへの20代男性(M)300人の移動が推奨されることを示している。当該推奨移動人数123aは、エリア1における当該日時の20代男性(M)の予測人数121a(800人)と、エリア1における当該日時の20代男性(M)の理想人数(500人)との差として算出されたものである。
【0060】
(各エリアの推奨移動人数123bの具体例)
推奨移動人数123bの一例について、図12を参照して説明する。例えば、図12の1行目は、エリア1における2022年4月1日0時の推奨移動人数123bが、1000人であることを示している。この例では、推奨移動人数123bが正の値であることは、他のエリアから当該エリアへの移動が推奨されることを示す。つまり、図12の1行目は、他のエリアからエリア1への1000人の移動が推奨されることを示している。当該推奨移動人数123bは、エリア1における当該日時の予測人数121a(1000人)と、エリア1における標準人数(2000人)との差として算出されたものである。
【0061】
また、例えば、図12の2行目は、エリア2における2022年4月1日1時の推奨移動人数123bが、-2000人であることを示している。この例では、推奨移動人数123bが負の値であることは、当該エリアから他のエリアへの移動が推奨されることを示す。つまり、図11の5行目は、エリア1から他のエリアへ2000人の移動が推奨されることを示している。当該推奨移動人数123bは、エリア1における当該日時の予測人数121a(3000人)と、エリア1の標準人数(1000人)との差として算出されたものである。
【0062】
(ステップS21~S24の繰り返し)
ここで、情報処理方法S1Aにおいて参照するデータベースDB1~DB7の少なくとも何れかが更新されると、予測人数121a、121b、予測結果122、推奨移動人数123a、123bの少なくとも何れかが変化し得る。例えば、エリア1における2022年4月1日3時の予測人数121a、121b、予測結果122、および推奨移動人数123a、123bは、ステップS21~S24を2022年4月1日0時に実行した場合と、同日1時に実行した場合とでは異なり得る。そこで、情報処理システム1Aは、ステップS21~S24を所定間隔で繰り返し実行してもよい。これにより、記憶部120に記憶される予測人数121a、121b、予測結果122、および推奨移動人数123a、123bは、最新の状態に更新される。
【0063】
(ステップS25)
ステップS25において、制御部110は、平準化の対象時点を示す情報を取得する。平準化の対象時点とは、複数のエリアにおける人の分布を平準化したい対象となる将来の時点である。例えば、平準化の対象時点は、複数のエリアの何れかにおいてサービスを提供する提供者、または、複数のエリア全体を管理する管理者等の要求に基づき入力されてもよい。平準化の対象時点は、例えば、入力時点を基準とした相対的な表現形式(例えば、「30分後」、「5時間後」等)で入力されてもよいし、絶対的な表現形式(例えば、「2022年4月1日3時」等)で入力されてもよい。
【0064】
(ステップS26)
ステップS26において、抽出部12Aは、平準化の対象時点における混雑エリアに現時点で滞在するユーザのうち、平準化の対象時点における閑散エリアへの移動を推奨するターゲットユーザを抽出する。抽出処理は、例えば、データベースDB3(ユーザ情報)およびデータベースDB5(イベント情報)の一方または両方を参照して実行される。以降の説明では、「平準化の対象時点における混雑エリア」を単に「混雑エリア」と記載することもある。また、「平準化の対象時点における閑散エリア」を単に「閑散エリア」と記載することもある。
【0065】
(ターゲットユーザの抽出例1)
例えば、抽出部12Aは、混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報を参照して、閑散エリアに関連する情報に関する条件を満たすユーザを、ターゲットユーザとして抽出してもよい。「閑散エリアに関連する情報に関する条件」とは、例えば、閑散エリアで開催されるイベントに関する条件であってもよい。そのような条件とは、閑散エリアで開催されるイベントがターゲットとする属性のユーザであってもよい。ターゲットとする属性とは、例えば、年代および性別を含む。また、そのような条件とは、閑散エリアで開催されるイベントの内容と趣味嗜好がマッチするユーザであってもよい。また、そのような条件とは、閑散エリアで開催されるイベントを主催する店舗をお気に入り店舗としているユーザであってもよい。
【0066】
具体例として、平準化の対象時点が2022年4月1日の1時である場合について説明する。この場合、抽出部12Aは、図12の予測結果122を参照し、当該日時における混雑エリア「エリア1」と、閑散エリア「エリア2」と、をそれぞれ示す情報を取得する。また、抽出部12Aは、図7に示したデータベースDB5(イベント情報)を参照し、2022年4月1日の1時に閑散エリア「エリア2」で開催されるイベントNO「0000004」のイベント情報を取得する。当該イベント情報には、ターゲット「10代男性(10男)」および内容「ユニットXXのダンスパフォーマンス」を示す情報が含まれている。また、抽出部12Aは、図6のデータベースDB3(ユーザ情報)を参照し、混雑エリア「エリア1」に現時点で滞在するユーザ「K0000001」、「K0000002」、「K0000003」、「K0000004」、「K0000005」、…を特定する。このうち、抽出部12Aは、イベントNO「0000004」がターゲットとする「10代男性」である「K0000001」、「K0000004」、「K0000005」を特定する。また、さらに、抽出部12Aは、そのうち趣味嗜好がイベントNO「0000004」の内容「ユニットXXのダンスパフォーマンス」にマッチするユーザとして、例えば「K0000004」、「K0000005」を、ターゲットユーザとして特定する。または、抽出部12Aは、そのうちイベントNO「0000004」を主催する店舗「DDDD」をお気に入り店舗とするユーザとして、例えば「K0000004」、「K0000005」を、ターゲットユーザとして特定する。
【0067】
(ターゲットユーザの抽出例2)
また、抽出部12Aは、混雑エリアおよび閑散エリアのそれぞれに滞在すべきユーザの属性別の理想人数を示す理想人数情報を参照して、混雑エリアに滞在するユーザのうち、混雑エリアにおける予測人数121bが理想人数を超過している属性のユーザであって、閑散エリアにおける予測人数121bが理想人数に対して不足する属性のユーザを、ターゲットユーザとして抽出してもよい。換言すると、抽出部12Aは、混雑エリアにおいて推奨移動人数123aが負の値である属性のユーザであって、閑散エリアにおいて推奨移動人数123bが正の値である属性のユーザを、ターゲットユーザとして抽出してもよい。
【0068】
具体例として、平準化の対象時点が2022年4月1日の1時である場合について説明する。この場合、抽出部12Aは、図11の推奨移動人数123aを参照し、(i)混雑エリア「エリア1」で対象時点の推奨移動人数123aが負の値「-300」であり、かつ、(ii)閑散エリア「エリア2」で対象時点の推奨移動人数123aが正の値「500」であるとの条件を満たす属性「20代女性(20、F)」を特定する。また、抽出部12Aは、データベースDB3(ユーザ情報)を参照し、閑散エリア「エリア2」に現時点で滞在しているユーザのうち、属性「20代女性(20、F)」のユーザを、ターゲットユーザとして特定する。
【0069】
(ターゲットユーザの抽出例3)
また、抽出部12Aは、上述した抽出例1、2を組み合わせてターゲットユーザを抽出してもよい。例えば、抽出例2の条件を満たす属性のユーザを抽出し、さらに、そのうち、抽出例1の条件を満たす属性のユーザを抽出してもよい。
【0070】
(ターゲットユーザの抽出例4)
また、平準化の対象時点における混雑エリアが複数予測されている場合について説明する。この場合、抽出部12Aは、複数の混雑エリアからターゲットユーザを抽出する。また、平準化の対象時点における閑散エリアが複数予測されている場合について説明する。この場合、抽出部12Aは、複数の閑散エリアそれぞれについて、混雑エリアからターゲットユーザを抽出する。
【0071】
例えば、抽出部12Aは、各混雑エリアから何れかの閑散エリアに移動すべき移動人数を算出する最適化問題を解く。具体的には、例えば、抽出部12Aは、各エリアの予測結果122およびデータベースDB6(混雑判定用情報)を参照して、各エリアの混雑度が1に近づく最適な移動人数を算出してもよい。例えば、図12の例において、説明を簡単にするためにエリア1および2の間の移動のみを想定する。この場合、平準化の対象時点2022年4月1日の1時において、混雑エリア「エリア1」から閑散エリア「エリア2」に1000人移動させることにより、各エリアの混雑度は1となる。なお、このような最適化問題を解く手法としては、公知の手法を採用可能であり、上述した例に限られない。
【0072】
また、抽出部12Aは、最適化問題の解が示す移動人数(この例では1000人)をターゲットユーザとして、現時点で混雑エリア「エリア1」に滞在するユーザから抽出してもよい。当該移動人数のターゲットユーザを抽出する手法としては、ランダムに抽出してもよいし、抽出例1~3等の観点に基づく点数を各ユーザに付与し、点数の高い順から移動人数までのユーザをターゲットユーザとして抽出してもよい。なお、現時点で混雑エリアに滞在するユーザが、最適化問題の解が示す移動人数に満たない場合がある。この場合、抽出部12Aは、混雑エリアに滞在するユーザが移動人数を超えた以降に、ターゲットユーザを抽出するようにしてもよい。
【0073】
(ステップS27)
ステップS27において、出力部13Aは、ターゲットユーザに配信メッセージ126aを配信するための配信リスト124を生成する。配信リスト124は、配信メッセージ126aを配信すべきターゲットユーザに関連する情報である。
【0074】
(配信リスト124の具体例)
配信リスト124の具体例について、図13を参照して説明する。図13は、配信リスト124の具体例を説明する図である。図13に示すように、配信リスト124は、ユーザ識別情報(会員NO)と、イベント識別情報(イベントNO)と、移動元エリアの識別情報と、移動先エリアの識別情報と、配信時刻と、店舗と、を示す情報を含む。ユーザ識別情報は、抽出したターゲットユーザを示す。イベント識別情報は、当該ターゲットユーザの抽出処理に寄与したイベントを示す。なお、当該イベントは、平準化の対象時点において移動先エリア(閑散エリア)で開催されるイベントである。移動元エリアは、当該ターゲットユーザが現時点で滞在するエリアを示す。なお、移動元エリアは、平準化の対象時点における混雑エリアである。移動先エリアは、平準化の対象時点における閑散エリアである。配信時刻は、当該ターゲットユーザに配信メッセージ126aを配信する予定時刻である。配信時刻としては、現時点から平準化の対象時点までに含まれる任意の時点が別途決定されるものとする。お気に入り店舗は、当該ターゲットユーザのお気に入り店舗であり、かつ、上述したイベントを主催する店舗である。
【0075】
(ステップS28)
ステップS28において、出力部13Aは、混雑エリアから閑散エリアにターゲットユーザを移動させるための移動手段計画125を生成する。移動手段計画125は、ターゲットユーザによる移動手段の需要に基づく計画を示す情報である。
【0076】
(移動手段計画125の具体例)
移動手段計画125の具体例について、図14を参照して説明する。図14は、移動手段計画125の具体例を説明する図である。図14に示すように、移動手段計画125は、日付と、時刻と、移動元エリアと、移動先エリアと、移動人数と、必要台数と、を示す情報を含む。移動人数は、移動元エリア(混雑エリア)から移動先エリア(閑散エリア)への移動が推奨されるターゲットユーザの人数を示す。必要台数は、当該ターゲットユーザによる移動手段(この例では、例えばシャトルバス)の需要量を示す。このような移動手段計画125は、混雑エリアから後述する配信メッセージ126a、126bに含める「移動手段に関する情報」を生成するために参照される。利用可能な複数の移動手段が想定される場合、移動手段計画125は、さらに、移動手段の種別を示す情報を含んでいてもよい。
【0077】
また、出力部13Aは、1または複数の平準化の対象時点について、移動手段計画125を生成してもよい。図14の例では、出力部13Aは、平準化の対象時点「2022年4月1日の0時」、「同日の1時」、「同日の2時」、…のそれぞれについて、移動手段計画125を生成している。例えば、図14の1行目は、2022年4月1日の0時において、「エリア2」から「エリア1」にターゲットユーザ1000人に移動が推奨され、1000人を移動させるために10台のシャトルバスが必要であることを示している。
【0078】
(ステップS29)
ステップS29において、出力部13Aは、ターゲットユーザが利用するユーザ端末20に、配信メッセージ126aを配信する。配信メッセージ126aは、「ターゲットユーザを閑散エリアに移動させるための移動情報」の一例である。例えば、配信メッセージ126aは、閑散エリアに関連する情報を含む。また、例えば、配信メッセージ126aは、混雑エリアから閑散エリアへ移動するために利用可能な移動手段に関する情報を含む。例えば、配信メッセージ126aは、配信リスト124および移動手段計画125を参照して生成され、ターゲットユーザのユーザ端末20に配信時刻に配信される。配信手法としては、メール、プッシュ通知、等が挙げられるが、これに限られない。ターゲットユーザのユーザ端末20の表示部250には、配信メッセージ126aが表示される。
【0079】
(配信メッセージ126aの具体例)
配信メッセージ126aの具体例について、図15を参照して説明する。図15は、ユーザ端末20の表示部250に表示される配信メッセージ126aの具体例を説明する図である。図15に示すように、配信メッセージ126aは、情報G1~G4を含む。情報G1は、「お勧めのエリア」として閑散エリアである「エリア1」の情報を示す。情報G2は、閑散エリア「エリア1」で開催されるイベントに関する情報(イベント名、開催時間等)を示す。また、情報G3は、当該イベントを主催する店舗であって、ターゲットユーザのお気に入り店舗を示す。また、情報G4は、閑散エリア「エリア1」に移動するための移動手段に関する情報(シャトルバスの発車時刻)を示す。情報G2、G3は、「閑散エリアに関連する情報」の一例である。情報G4は、「移動手段に関する情報」の一例である。このような配信メッセージ126aを視認することにより、エリア1に移動するターゲットユーザの動機付けが高まる。その結果、ターゲットユーザが混雑エリアから閑散エリアに移動する期待値が高くなる。また、ターゲットユーザが実際に閑散エリア「エリア1」に移動した場合、混雑が抑制される。また、ターゲットユーザが実際に閑散エリア「エリア1」に移動した場合、当該閑散エリアにおいて当該ターゲットユーザに適合したイベントが開催されるので、当該ターゲットユーザの満足度が向上する。
【0080】
(ステップS30)
ステップS30において、出力部13Aは、配信メッセージ126bを移動手段の提供者が管理する管理端末30に配信する。配信メッセージ126bは、「ターゲットユーザを閑散エリアに移動させるための移動情報」の一例である。例えば、配信メッセージ126bは、混雑エリアから閑散エリアへ移動するために利用可能な移動手段の需要に関する情報を含む。例えば、配信メッセージ126bは、移動手段の提供者に対する移動手段の手配依頼を含んでいてもよい。例えば、配信メッセージ126bは、移動手段計画125を参照して生成され、管理端末30に配信される。配信手法としては、メール、プッシュ通知、等が挙げられるが、これに限られない。管理端末30の表示部350には、配信メッセージ126bが表示される。
【0081】
(配信メッセージ126bの具体例)
配信メッセージ126bの具体例について、図16を参照して説明する。図16は、管理端末30の表示部350に表示される配信メッセージ126bの具体例を説明する図である。図16に示す例では、配信メッセージ126bは、シャトルバスの提供者に対するシャトルバスの手配依頼を示す。配信メッセージ126bは、情報G5~G6を含む。情報G5は、需要がある経路、すなわち、移動手段計画125に含まれる移動元エリアから移動先エリアを示している。また、情報G6は、需要がある時刻および台数、すなわち、移動手段計画125に含まれる時刻および必要台数を示している。このような配信メッセージ126bが管理端末30に配信されることにより、ターゲットユーザの需要に応じた移動手段が手配されることが期待できる。その結果、ターゲットユーザが混雑エリアから閑散エリアに実際に移動できる可能性が高くなる。
【0082】
<本例示的実施形態の効果>
以上のように、本例示的実施形態においては、例示的実施形態1と同様の構成に加えて、出力部13Aが、ターゲットユーザを混雑エリアから閑散エリアに移動させるための配信メッセージ126aを、ターゲットユーザが利用するユーザ端末20に配信する、との構成が採用されている。このため、本例示的実施形態によれば、例示的実施形態1の奏する効果に加えて、配信メッセージ126aを視認したターゲットユーザの、閑散エリアへ移動する動機付けを高めることができる。その結果、ターゲットユーザが実際に移動する期待値が高くなり、混雑が抑制される、という効果が得られる。
【0083】
また、本例示的実施形態によれば、ユーザ情報(趣味嗜好等、年代、性別、お気に入り店舗等)を参照して、移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する。このため、閑散エリアの管理者にとって、きめ細かなターゲティングにより抽出されたターゲットユーザの集客が期待できる、というメリットがある。また、エリアの管理者にとって、時間単位または数日単位等で閑散が予測される将来において、集客が期待できるというメリットがある。また、エリアの管理者にとって、利用者の混雑を抑制しながらも、より効果的な集客ができる、というメリットがある。また、本例示的実施形態によれば、利用者にとって、混雑を回避しながらさらに自身に適合した移動先が推奨されるので、満足度が向上する、というメリットがある。
【0084】
また、本例示的実施形態においては、配信メッセージ126aは、閑散エリアに関連する情報を含む、という構成が採用されている。このため、配信メッセージ126aを視認したターゲットユーザは、移動を推奨されている移動先のエリアに関する情報を知ることができ、閑散エリアへ移動する動機付けを高めることができる、というさらなる効果が得られる。
【0085】
また、本例示的実施形態においては、配信メッセージ126aは、混雑エリアから閑散エリアへ移動するために利用可能な移動手段に関する情報を含む、という構成が採用されている。このため、配信メッセージ126aを視認したターゲットユーザは、移動を推奨されている移動先のエリアへ移動するための具体的な移動手段を知ることができる。その結果、ターゲットユーザが閑散エリアに移動したいが移動手段が分からず移動できない、といった状況を回避することができる。このため、閑散エリアに移動したいターゲットユーザが移動する確実性を高めることができる、というさらなる効果が得られる。
【0086】
また、本例示的実施形態においては、出力部13Aは、移動手段の提供者が管理する管理端末30に対して、配信メッセージ126bを配信し、当該配信メッセージ126bは、混雑エリアから閑散エリアへ移動するための移動手段の需要に関する情報を含む、という構成が採用されている。このため、配信メッセージ126bを認識した移動手段の提供者は、移動手段の需要に応じて移動手段を準備することができる。その結果、ターゲットユーザが閑散エリアに移動したいが移動手段が不足して移動できない、といった状況を回避することができる。このため、閑散エリアに移動したいターゲットユーザが移動する確実性を高めることができる、というさらなる効果が得られる。
【0087】
また、本例示的実施形態においては、抽出部12Aは、混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報を参照して、閑散エリアに関連する情報に関する条件を満たすユーザをターゲットユーザとして抽出する、との構成が採用されている。ここで、閑散エリアに関連する情報に関する条件を満たすユーザは、閑散エリアへ移動する動機付けが高いことが期待できる。そのため、ターゲットユーザが閑散エリアに移動する期待値が高くなる、というさらなる効果が得られる。
【0088】
また、本例示的実施形態においては、抽出部12Aは、混雑エリアおよび閑散エリアのそれぞれに滞在すべきユーザの属性別の理想人数を示す理想人数情報を参照して、混雑エリアに滞在するユーザのうち、混雑エリアにおける予測人数が理想人数を超過している属性のユーザであって、閑散エリアにおける予測人数が理想人数に対して不足する属性のユーザを、ターゲットユーザとして抽出する、との構成が採用されている。これにより、各エリアにおいて設定された属性別の理想人数に、実際の人数を近づけることができる、というさらなる効果が得られる。
【0089】
〔変形例〕
例示的実施形態2において、ターゲットユーザを抽出する手法は、上述した手法に限られない。また、記憶部120に記憶する各データのデータ構造は、上述した例に限られない。また、出力部13Aは、ユーザ端末20および管理端末30の少なくとも一方に配信メッセージを配信すればよく、必ずしも両方に配信しなくてもよい。
【0090】
また、例示的実施形態2において、配信メッセージ126aの出力先は、ターゲットユーザが利用するユーザ端末20に限られない。例えば、配信メッセージ126aの出力先は、ターゲットユーザの近傍に配置されたサイネージ等であってもよい。
【0091】
また、例示的実施形態2において、データベースDB5は、イベント情報に替えて、または加えて、広告情報、インセンティブ情報等を記憶していてもよい。広告情報は、各エリアの広告を示す情報である。インセンティブ情報は、各エリアに移動した場合のインセンティブを示す情報である。この場合、抽出部12Aは、閑散エリアに関連する情報として広告情報またはインセンティブ情報を参照し、当該広告情報またはインセンティブ情報にユーザ情報が適合するユーザを、ターゲットユーザとして抽出してもよい。また、配信メッセージ126aには、閑散エリアの広告情報またはインセンティブ情報が含まれていてもよい。
【0092】
また、例示的実施形態2において、データベースDB4は、移動手段を示す情報に加えて、移動手段に関する利用料金の割引情報を含んでいてもよい。この場合、配信メッセージ126aには、閑散エリアに移動するために利用可能な移動手段の割引情報が含まれていてもよい。
【0093】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理システム1、1Aを構成する各装置の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0094】
後者の場合、情報処理システム1、1Aを構成する各装置は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を図17に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを、情報処理システム1、1Aを構成する各装置として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、情報処理システム1、1Aを構成する各装置の各機能が実現される。
【0095】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0096】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0097】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0098】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0099】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0100】
(付記1)
複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、前記複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する予測手段と、
前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と前記閑散エリアに関連する情報とを参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザの中から前記閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する抽出手段と、
前記ターゲットユーザを前記閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する出力手段と、を含む情報処理システム。
【0101】
(付記2)
前記出力手段は、前記移動情報を、前記ターゲットユーザが利用するユーザ端末に配信する、
付記1に記載の情報処理システム。
【0102】
(付記3)
前記移動情報は、前記閑散エリアに関連する情報を含む、
付記1または2に記載の情報処理システム。
【0103】
(付記4)
前記移動情報は、前記混雑エリアから前記閑散エリアへ移動するために利用可能な移動手段に関する情報を含む、
付記1から3の何れか1つに記載の情報処理システム。
【0104】
(付記5)
前記移動情報は、前記混雑エリアから前記閑散エリアへ移動するために利用可能な移動手段の需要に関する情報を含み、
前記出力手段は、前記移動手段の提供者が管理する管理端末に対して、前記移動情報を配信する、
付記1から4の何れか1つに記載の情報処理システム。
【0105】
(付記6)
前記抽出手段は、前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報を参照して、前記閑散エリアに関連する情報に関する条件を満たすユーザを前記ターゲットユーザとして抽出する、付記1から5の何れか1つに記載の情報処理システム。
【0106】
(付記7)
前記抽出手段は、前記混雑エリアおよび前記閑散エリアのそれぞれに滞在すべきユーザの属性別の理想人数を示す理想人数情報を参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザのうち、前記混雑エリアにおける予測人数が前記理想人数を超過している属性のユーザであって、前記閑散エリアにおける予測人数が前記理想人数に対して不足する属性のユーザを、前記ターゲットユーザとして抽出する、
付記1から6の何れか1つに記載の情報処理システム。
【0107】
(付記8)
1以上のプロセッサが、
複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、前記複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測することと、
前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と前記閑散エリアに関連する情報とを参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザの中から前記閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出することと、
前記ターゲットユーザを前記閑散エリアに移動させるための移動情報を出力することと、を含む情報処理方法。
【0108】
(付記9)
コンピュータを、
複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、前記複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する予測手段と、
前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と前記閑散エリアに関連する情報とを参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザの中から前記閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する抽出手段と、
前記ターゲットユーザを前記閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する出力手段と、
として機能させるためのプログラム。
【0109】
(付記10)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、複数のエリアにおける人の分布情報を参照して、前記複数のエリアのうち将来における混雑エリアおよび閑散エリアを予測する予測処理と、前記混雑エリアに滞在するユーザに関するユーザ情報と前記閑散エリアに関連する情報とを参照して、前記混雑エリアに滞在するユーザの中から前記閑散エリアへの移動を推奨する対象となるターゲットユーザを抽出する抽出処理と、前記ターゲットユーザを前記閑散エリアに移動させるための移動情報を出力する出力処理とを実行する情報処理装置。
【0110】
なお、この情報処理装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記予測処理と、前記抽出処理と、前記出力処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1、1A 情報処理システム
10 サーバ
20 ユーザ端末
11、11A 予測部
12、12A 抽出部
13、13A 出力部
30 管理端末
C1 プロセッサ
C2 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図17