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特開2024-145783航行支援システム、仮想基地局、船舶情報端末、航行支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145783
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】航行支援システム、仮想基地局、船舶情報端末、航行支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 3/02 20060101AFI20241004BHJP
   H04B 7/185 20060101ALI20241004BHJP
   B63B 49/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G08G3/02 A
H04B7/185
B63B49/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058280
(22)【出願日】2023-03-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度 国立研究開発法人情報通信研究機構「革新的情報通信技術研究開発委託研究/NTNノードのネットワーク化技術開発とカバレッジ拡張ユースケースのシステム開発・実証」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】397060072
【氏名又は名称】スカパーJSAT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(72)【発明者】
【氏名】高盛 哲実
(72)【発明者】
【氏名】古枝 幸一郎
【テーマコード(参考)】
5H181
5K072
【Fターム(参考)】
5H181AA25
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF05
5H181FF21
5K072AA29
5K072BB27
5K072DD12
5K072DD13
5K072DD19
5K072EE04
(57)【要約】
【課題】沿岸から離れていても周囲の船舶の位置情報や警報などを遅延することなく入手可能であり、船舶自動識別システム(AIS)を持たない船舶においても安全な航行が可能とすること。
【解決手段】航行支援システムは、自船の第1の船舶情報を送信し、第2の船舶情報を受信する第1の通信部と、第1及び第2の船舶情報を入出力するインターフェース部とを有する船舶情報端末と、海上の空中を浮揚して滞在可能なHAPSに搭載された仮想基地局であって、HAPSが搭載する仮想基地局のカバレッジエリア内の船舶情報端末より送信された第1の船舶情報を受信し、カバレッジエリア内の船舶情報端末に第2の船舶情報を配信する第2の通信部と、カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信する受信部と、受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための第2の船舶情報を処理するクライアントサーバとを有する仮想基地局とを具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自船の第1の船舶情報を送信し、第2の船舶情報を受信する第1の通信部と、前記第1及び第2の船舶情報を入出力するインターフェース部とを有する船舶情報端末と、
海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局に搭載された仮想基地局であって、前記高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局のカバレッジエリア内の前記船舶情報端末より送信された第1の船舶情報を受信し、前記カバレッジエリア内の船舶情報端末に前記第2の船舶情報を配信する第2の通信部と、前記カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信する受信部と、前記受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための前記第2の船舶情報を処理するクライアントサーバとを有する仮想基地局と
を具備する航行支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の航行支援システムであって、
前記インターフェース部は、船舶に搭載される航行ナビゲーションシステムとの間で情報のやり取りを行うためのものである
航行支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の航行支援システムであって、
前記高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局は、隣接する空域を滞在する高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局の前記第1の船舶情報を、前記第1の船舶情報を収集して処理するメインサーバを介して受け取り、
前記高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局は、前記隣接する空域を滞在する高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局から受け取った前記第1の船舶情報から、欠損している前記第1の船舶情報を融通する
航行支援システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の航行支援システムであって、
前記高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局は、隣接する空域を滞在する高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局の前記第1の船舶情報を、前記隣接する空域を滞在する高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局から直接受け取り、
前記高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局は、前記隣接する空域を滞在する高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局から受け取った前記第1の船舶情報から、欠損している前記第1の船舶情報を融通する
航行支援システム。
【請求項5】
海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局に搭載される仮想基地局であって、
前記仮想基地局のカバレッジエリア内の船舶情報端末より送信された第1の船舶情報を受信し、前記船舶情報端末に前記第2の船舶情報を配信する通信部と、
前記カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信する受信部と、
前記受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための前記第2の船舶情報を処理するクライアントサーバと
を具備する仮想基地局。
【請求項6】
海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局に搭載される仮想基地局のカバレッジエリア内から送信された第1の船舶情報を受信し、前記カバレッジエリア内に第2の船舶情報を配信し、前記カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信し、前記受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための前記第2の船舶情報を処理する仮想基地局に自船の前記第1の船舶情報を送信し、前記仮想基地局からの前記第2の船舶情報を受信する通信部と、
前記第1及び第2の船舶情報を入出力するインターフェース部と
を具備する船舶情報端末。
【請求項7】
海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局を用いて船舶の航行を支援する方法であって、
前記高高度プラットフォーム局が搭載した仮想基地局のカバレッジエリア内の船舶情報端末より送信された第1の船舶情報を受信し、前記船舶情報端末に前記第2の船舶情報を配信し、
前記カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信し、
前記受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための前記第2の船舶情報を作成し、
前記作成した第2の船舶情報を前記カバレッジエリア内の前記船舶情報端末に送信する
航行支援方法。
【請求項8】
海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局を用いて船舶の航行を支援するプログラムであって、
前記高高度プラットフォーム局が搭載した仮想基地局のカバレッジエリア内の船舶情報端末より送信された第1の船舶情報を受信させるステップと、
前記船舶情報端末に前記第2の船舶情報を配信させるステップと、
前記カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信させるステップと、
前記受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための前記第2の船舶情報を作成するステップと、
前記作成した第2の船舶情報を前記カバレッジエリア内の前記船舶情報端末に送信させるステップと
を仮想基地局のコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば小型船舶等の安全な航行を支援する航行支援システム、仮想基地局、船舶情報端末、航行支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大型船舶には船舶自動識別システム(Automatic Identification System:AIS)が搭載されており、周囲の船舶情報が入手可能であるが、AIS機器は非常に高価であり、小型船舶には通常搭載されていない。
【0003】
従来から小型船舶では、電波レーダや赤外線カメラで海上の船舶をダイレクトに測定する方法やスマートフォンなどによるGPS(Global Positioning System)を利用した位置測定が利用されている。
【0004】
しかし、波風がある海上で小型船舶の位置をレーダやカメラで測定すると精度が悪いという問題がある。また、GPSを利用する場合には、海上ではスマートフォンによる通信ができないことがあり、データセンターとGPS受信データに基づく位置情報のやり取りができないことがある。さらに、これら技術では、大型船舶と小型船舶の相互の位置情報の把握は困難である。
【0005】
特許文献1には、船舶情報通信手段(携帯電話などで構成しAIS非搭載船に搭載)と船舶情報基地局とAIS基地局とメインサーバとをインターネットを介して接続し、これらの間で船舶情報のやりとりを行う技術が記載されている。メインサーバは、AIS非搭載船の船舶情報とAIS情報をリアルタイムに集約し、集約されたAIS非搭載船の船舶情報とAIS情報の重複と時刻差を検出し、時刻歴データとして一元化してデータベースに記憶するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-163765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、メインサーバがAIS非搭載船の船舶情報とAIS情報をリアルタイムに集約し一元化して処理するものであるから、AIS非搭載船の船舶情報とAIS情報の情報量は膨大であり、インターネットに接続可能な日本の沿岸の海域の船舶に限定したとしても、処理が遅延して船舶の衝突が回避できない事態も想定される。一方で、船舶情報基地局とAIS基地局は沿岸に設置されるものであるから、沿岸から離れ、船舶情報基地局やAIS基地局から電波の届かない海洋の領域ではこのシステムを利用できない。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、沿岸から離れていても周囲の船舶の位置情報や警報などを遅延することなく入手可能であり、船舶自動識別システム(AIS)を持たない船舶においても安全な航行が可能な航行支援システム、仮想基地局、船舶情報端末、航行支援方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る航行支援システムは、自船の第1の船舶情報を送信し、第2の船舶情報を受信する第1の通信部と、前記第1及び第2の船舶情報を入出力するインターフェース部とを有する船舶情報端末と、海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局に搭載された仮想基地局であって、前記高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局のカバレッジエリア内の前記船舶情報端末より送信された第1の船舶情報を受信し、前記カバレッジエリア内の船舶情報端末に前記第2の船舶情報を配信する第2の通信部と、前記カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信する受信部と、前記受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための前記第2の船舶情報を処理するクライアントサーバとを有する仮想基地局とを具備する。
【0010】
本発明では、高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局がカバレッジエリア内をカバーする、海上の空中を浮揚して滞在する基地局として機能し、カバーするカバレッジエリア内の船舶の第1及び第3の船舶情報をエッジ処理して、第2の船舶情報をカバレッジエリア内の各小型船舶などの船舶情報端末にそのまま配信しているので、処理する情報量を限定することができる。また、船舶情報端末は高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局との間で船舶情報のやり取りを行うので、沿岸から直接波による通信ができない海洋の船舶であっても船舶情報のやり取りを行うことができる。加えて、高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局のカバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶からの船舶情報も含めて処理している。従って、沿岸から離れていても周囲の船舶の位置情報や警報などを遅延することなく入手可能であり、船舶自動識別システム(AIS)を持たない船舶においても安全な航行が可能となる。
【0011】
本発明に係る航行支援システムでは、前記インターフェース部は、船舶に搭載される航行ナビゲーションシステムとの間で情報のやり取りを行うためのものであることが好ましい。
【0012】
本発明に係る航行支援システムでは、前記高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局は、隣接する空域を滞在する高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局の前記第1の船舶情報を、前記第1の船舶情報を収集して処理するメインサーバを介して受け取り、前記高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局は、前記隣接する空域を滞在する高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局から受け取った前記第1の船舶情報から、欠損している前記第1の船舶情報を融通することが好ましい。
【0013】
本発明に係る航行支援システムでは、前記高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局は、隣接する空域を滞在する高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局の前記第1の船舶情報を、前記隣接する空域を滞在する高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局から直接受け取り、前記高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局は、前記隣接する空域を滞在する高高度プラットフォーム局が搭載する仮想基地局から受け取った前記第1の船舶情報から、欠損している前記第1の船舶情報を融通することが好ましい。
【0014】
本発明に係る仮想基地局は、海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局に搭載される仮想基地局であって、前記仮想基地局のカバレッジエリア内の船舶情報端末より送信された第1の船舶情報を受信し、前記船舶情報端末に前記第2の船舶情報を配信する通信部と、前記カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信する受信部と、前記受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための前記第2の船舶情報を処理するクライアントサーバとを具備する。
【0015】
本発明に係る船舶情報端末は、海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局に搭載される仮想基地局のカバレッジエリア内から送信された第1の船舶情報を受信し、前記カバレッジエリア内に第2の船舶情報を配信し、前記カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信し、前記受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための前記第2の船舶情報を処理する仮想基地局に自船の前記第1の船舶情報を送信し、前記仮想基地局からの前記第2の船舶情報を受信する通信部と、前記第1及び第2の船舶情報を入出力するインターフェース部とを具備する。
【0016】
本発明に係る航行支援方法は、海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局を用いて船舶の航行を支援する方法であって、前記高高度プラットフォーム局が搭載した仮想基地局のカバレッジエリア内の船舶情報端末より送信された第1の船舶情報を受信し、前記船舶情報端末に前記第2の船舶情報を配信し、前記カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信し、前記受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための前記第2の船舶情報を作成し、前記作成した第2の船舶情報を前記カバレッジエリア内の前記船舶情報端末に送信する。
【0017】
本発明に係るプログラムは、海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局を用いて船舶の航行を支援するプログラムであって、前記高高度プラットフォーム局が搭載した仮想基地局のカバレッジエリア内の船舶情報端末より送信された第1の船舶情報を受信させるステップと、前記船舶情報端末に前記第2の船舶情報を配信させるステップと、前記カバレッジエリア内の船舶自動識別システムを搭載する船舶から送信された第3の船舶情報を受信させるステップと、前記受信した第1及び第3の船舶情報に基づき前記カバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための前記第2の船舶情報を作成するステップと、前記作成した第2の船舶情報を前記カバレッジエリア内の前記船舶情報端末に送信させるステップとを仮想基地局のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、沿岸から離れていても周囲の船舶の位置情報や警報などを遅延することなく入手可能であり、船舶自動識別システム(AIS)を持たない船舶においても安全な航行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る航行支援システムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る船舶情報端末の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態にHAPSが搭載する仮想基地局の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係るデータセンターの構成を示すブロックである。
図5】本発明の一実施形態に係る携帯基地局システムの構成を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る隣接するHAPSが搭載する仮想基地局間での欠損情報の融通を詳細に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき使って説明する。当該実施形態においては本発明の理解や実施を容易にするために本発明の技術思想を具現化した下位概念の態様等で説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る航行支援システムの構成を示す図である。
【0022】
図1に示す航行支援システム1は、海上を航行する典型的には20t以下の小型船舶2に搭載された船舶情報端末3と、小型船舶2に搭載され、船舶情報端末3と同等の機能を発揮するプログラムをもつスマートフォンなどの携帯端末4と、海上の空中を浮揚して滞在可能な高高度プラットフォーム局(HAPS)5と、データセンター6とを有する。大型船舶7には、船舶自動識別システム(AIS)(図示せず)が搭載されている。HAPS5は仮想基地局(後述する。)を搭載し、HAPS5と当該HAPS5と隣接する空域を滞在するHAPS5とはそれぞれの仮想基地局を介して直接又はデータセンター6を介して通信を行う。なお、HAPSを構成する浮遊体として、典型的にはソーラープレーンがあるが、飛行船などであってもよい。
【0023】
なお、データセンター6と航空機8との間は、通信地球静止軌道(GEO:Geostationary Earth Orbit)人工衛星9を介して通信を行う。航空機8からの救難情報等はGEO9経由でデータセンター6に通知され、データセンター6経由で船舶情報端末3や携帯端末4、AISなどに通報される。
【0024】
図2は、船舶情報端末3の構成を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、船舶情報端末3は、GPS受信部10と、第1の通信部としての5G_SIM通信部11と、情報処理部12と、第1のインターフェース部13とを有する。
【0026】
GPS受信部10は、自船の位置情報を収集し、情報処理部12に渡す。
【0027】
5G_SIM通信部11は、情報処理部12からの第1の船舶情報を送信し、HAPS5の仮想基地局からの第2の船舶情報を受信し、情報処理部12に渡す。
【0028】
情報処理部12は、GPS受信部10から受け取った位置情報に、時刻や船首方向、速力、航海進路、航海の状態などの情報、さらに当該端末(船舶)の識別記号の情報を加えてHAPS5の仮想基地局に送信する上記の第1の船舶情報を作成し、HAPS5の仮想基地局に渡す。情報処理部12は、5G_SIM通信部11からの第2の船舶情報を、第1のインターフェース部13を介して外部に出力する。第2の船舶情報には、当該船舶情報端末3を搭載する小型船舶2の周囲の船舶の航行情報、例えば周囲の船舶の位置情報、船首方向、速力、航海進路などの情報が含まれる。情報処理部12は、コンピュータ及び所定のプログラムで構成されるもので、図示は省略したが、ハードウエアとしてはCPUやメモリなどのデバイスで構成される。
【0029】
第1のインターフェース部13は、当該小型船舶2に搭載されたマリンコンパス等の小型船用の航行ナビゲーションシステム14との間で有線又は無線により情報のやり取りを行う。
【0030】
ここで、小型船用の航行ナビゲーションシステム14は、GPS受信部15と、第2のインターフェース部16と、情報処理部17と、入力手段も兼ねたGUI(Graphical User Interface)(図示を省略)とを有する。情報処理部17は、GPS受信部15を介して自船の位置情報を得るとともに第2のインターフェース部16を介して船舶情報端末3からの第2の船舶情報を受け取り、第2の船舶情報や自船の位置情報などに基づきナビゲーション表示用データ、例えば、周囲の船舶航行情報、海図、気象情報、漂流物等、自船の軌跡、運航計画等を作成し、これらの情報の一部又は全部をGUIに表示するとともに、スピーカ(図示を省略)などから可聴音による出力が行われる。情報処理部17は、コンピュータ及び所定のプログラムで構成されるもので、図示は省略したが、ハードウエアとしてはCPUやメモリなどのデバイスで構成される。
【0031】
小型船用の航行ナビゲーションシステム14は、典型的は、8inch~10inchのタブレットに横置きサイズでGUIを提供するもので、船舶情報端末3からBluetooth等で自船と周囲の船舶情報を受け取る。GUIにおけるデフォルトは海図上に自船を中央に置き、進路や航行状態を表示し、周囲の船舶情報を同じ海図上に表示し、必要な情報は周囲の船がどのような状態にあるか記号で表示し、他船の動きを予測して衝突の可能性がある場合等アラームを表示するものである。例えば、画面の更新間隔は1秒前後であり、管理者(例えば所属マリーナや漁協)からのメッセージを受信する機能や船舶の故障や事故の時に管理者や海保への緊急通報する機能を有する。例えば、この航行ナビゲーションシステム14により、小型船舶2には自船位置情報や他船(AIS対象の大型船舶7も含む)位置情報、衝突警報情報、遭難時及び救難信号受信時の救難支援情報などが提供される。
【0032】
本実施形態では、船舶情報端末3と航行ナビゲーションシステム14とがセパレートしているが、これらが一体であってもよい。また、ナビゲーション表示用データは、船舶情報端末3側が生成し、航行ナビゲーションシステム14側のGUIに表示させ、或いは可聴音を出力させるように構成してもよい。このような船舶情報端末3の機能は、上述したように船舶情報端末3と同等の機能を発揮するプログラムをもつスマートフォンなどの携帯端末4によっても実現可能である。
【0033】
このような小型船用の航行ナビゲーションシステム14によれば、上述のように船舶情報端末3から受け取った周囲の船舶航行情報や警報などを地図上に表示し或いは警告音等で危険情報を伝える等により安全な航行を支援することが可能である。
【0034】
また、AISの搭載を義務付けられている大型船舶7に船舶情報端末3を搭載することで、小型船舶2の位置情報の把握や小型船舶2との衝突回避が可能となる。
【0035】
なお、船舶情報端末3との第2のインターフェース部16を無償公開し、船舶用ナビゲーション製造事業者等が特許の用許諾なしにシステムを利用できるようにしてもよい。
【0036】
図3は、HAPS5が搭載する仮想基地局18の構成を示すブロック図である。
【0037】
図3に示すHAPS5が搭載する仮想基地局18は、当該1つのHAPS5が搭載する仮想基地局18のカバレッジエリア内の小型船舶2及び大型船舶7(AIS)の情報収集と配信を行うものである。具体的には、HAPS5が搭載する仮想基地局18は、HAPS5が搭載する仮想基地局18のカバレッジエリア内(例えば半径50~100km)を航行している小型船舶2の船舶情報端末3から第1の船舶情報及び大型船舶7のAISからの第3の船舶情報を受信し、第2の船舶情報として周囲の船舶の情報を船舶情報端末3へ送信し、定期的にデータセンター6(図1参照)に対してHAPS5が搭載する仮想基地局18が収集した船舶情報を送信し、データセンター6や隣接する空域を滞在するHAPS5が搭載する仮想基地局18から定期的に当該HAPS5が搭載する仮想基地局18のカバレッジエリア内にあって不足している船舶情報を収集するものである。
【0038】
HAPS5が搭載する仮想基地局18は、第2の通信部としての5G基地局アンテナ19と及び5G基地局送受信機20と、受信部としてのAIS受信アンテナ21及びAIS受信機22と、5Gバックエンドアンテナ23及び5Gバックエンド送受信機24と、クライアントサーバ25と、5G基地局ルータ26とを有する。
【0039】
5G基地局アンテナ19と及び5G基地局送受信機20は、HAPS5が搭載する仮想基地局18のカバレッジエリア内の船舶情報端末3より送信された第1の船舶情報を受信し、HAPS5が搭載する仮想基地局18のカバレッジエリア内の船舶情報端末3に第2の船舶情報を配信する。
【0040】
AIS受信アンテナ21及びAIS受信機22は、HAPS5が搭載する仮想基地局18のカバレッジエリア内のAISを搭載する大型船舶7から送信された第3の船舶情報を受信する。第3の船舶情報には、当該大型船舶7の識別記号や位置、時刻、船首方向、速力、航海進路、航海の状態、回頭角度などの情報が含まれる。なお、本実施形態に係るHAPS5が搭載する仮想基地局18は、AISを搭載する大型船舶7に情報を送信することは不要なので、AIS送信機能は持っていない。
【0041】
このようにAIS受信アンテナ21及びAIS受信機22を有することから、小型船舶2は高価なAISの設備を実装しなくても大型船舶7の位置をリアルタイムで収集することが可能である。これにより、船舶の規模に依存しない航行支援システム1が実現できる。
【0042】
5Gバックエンドアンテナ23及び5Gバックエンド送受信機24は、地上のメインサーバや隣接する空域を滞在するHAPS5が搭載する仮想基地局18との間でバックエンド回線を形成し、クライアントサーバ25がこのバックエンド回線を通じてとデータの更新或いは当該カバレッジエリア内の船舶情報の交換を行う。
【0043】
5G基地局ルータ26は、5G基地局送受信機20及び5Gバックエンド送受信機24が使用する5G回線のルーティングを行う。
【0044】
クライアントサーバ25は、受信した第1及び第3の船舶情報に基づきHAPS5が搭載する仮想基地局18のカバレッジエリア内の船舶の航行を支援するための第2の船舶情報を処理する。例えば、クライアントサーバ25は、データセンター6等を迂回する経由でなく、HAPS5が搭載する仮想基地局18がカバーするカバレッジエリア内の第1及び第3の船舶情報をエッジ処理して第2の船舶情報を当該カバレッジエリア内の各小型船舶2の船舶情報端末3にそのまま配信する。これにより、HAPS5が搭載する仮想基地局18がカバーするカバレッジエリア内の小型船舶2や大型船舶7だけの位置情報などをリアルタイムに収集・管理し、同カバレッジエリア内の他の船舶との衝突回避や発出された救難信号を低遅延で処理できる。
【0045】
また、クライアントサーバ25は、5Gバックエンドアンテナ23及び5Gバックエンド送受信機24によるバックエンド回線を通じて地上のデータセンター6とデータの更新を行うとともに、隣接する空域を滞在するHAPS5の仮想基地局18から該当仮想基地局18のカバレッジエリア内の船舶情報の交換を行う。
【0046】
クライアントサーバ25は、コンピュータ及び所定のプログラムで構成されるもので、図示は省略したが、ハードウエアとしてはCPUやメモリなどのデバイスで構成される。
【0047】
図4は、データセンター6の構成を示すブロック図である。
【0048】
図4に示すデータセンター6は、例えば日本全国で1つしかなく、すべてのHAPS5が搭載する仮想基地局18や地上基地局27のカバレッジエリア内の小型船舶2及び大型船舶7(AIS)の情報収集と配信を行うものである。すなわち、データセンター6は、全国の船舶航行情報や警報を収集し、収集した船舶の航行情報は、海上保安庁、漁協、マリーナ等のグループ単位でアクセスを可能にし、ユーザーに設置された端末のGUIに情報を表示させ、或いは小型船舶2に警告などのメッセージを送信することができる。これにより、クライアントサーバ25などで管理する船舶情報や救難信号は、データセンター6で統合管理し、エリア間及び船舶管理者(マリーナや漁協、海保などの公的機関)で包括的な管理が可能となる。
【0049】
データセンター6は、HAPS5の仮想基地局18及び地上基地局27との間の第1のゲートウェイ28と、システム管理者の小型船舶情報管理端末29やグループ管理者用の小型船舶情報管理端末30との間の第2のゲートウェイ31と、メインサーバ32とを有する。
【0050】
地上基地局27は、例えば海岸線に設定されるLTE(Long Term Evolution)基地局であり、地上基地局27のカバレッジエリア内にある小型船舶2の船舶情報端末3から第1の船舶情報を受け取り、データセンター6のメインサーバ32に送信する一方で、メインサーバ32からの第2の船舶情報を地上基地局27のカバレッジエリア内にある小型船舶2の船舶情報端末3に送信する。このように、HAPS5の仮想基地局18だけでなく、海岸線にある地上基地局27がカバーするエリア内にある小型船舶2も含めて船舶情報をHAPS5の仮想基地局18や地上基地局27に紐づけられたクライアント毎に管理し、指示することで、船舶相互の衝突回避や救難信号を低遅延で処理が可能となる。
【0051】
メインサーバ32は、上記の収集及び配信処理の他、後述する欠損している情報の融通処理やHAPS5の仮想基地局18を経由することなく地上基地局27を介して直接船舶情報端末3に向けて送信する処理、システム管理者やグループ管理者向けのデータ処理を行う。メインサーバ32は、コンピュータ及び所定のプログラムで構成されるもので、図示は省略したが、ハードウエアとしてはCPUやメモリなどのデバイスで構成される。
【0052】
システム管理者の小型船舶情報管理端末29におけるシステム管理者用提供機能として、ユーザー情報管理や小型船舶基本情報管理、安全管理情報管理などがある。
【0053】
グループ管理者用の小型船舶情報管理端末30におけるグループ管理者用提供機能としては、グループ情報管理やグループ配下の船舶航行情報表示、グループ内船舶へのメッセージ送信などがある。グループ管理者用の小型船舶情報管理端末30は、所属するマリーナ、漁協(港)にグルーピングされた船舶情報とその周辺海域の小型船舶2、大型船舶7の状態を表示する。
【0054】
なお、グループ管理者とは、小型船舶2が所属する組織(港)の管理者である。組織は、マリーナや漁協となる。港以外の場所に保管している小型船舶2に関しては、入出港する港を都度登録する。
【0055】
本実施形態に係る航行支援システム1は、典型的には、携帯基地局を前提にシステムを構成している。図5にその携帯基地局システムの構成を示す。
【0056】
本実施形態に係る携帯基地局システムは、図5に示すように、HAPS5が搭載する仮想基地局18と、地上基地局27とを有する。
【0057】
各船舶情報端末3は、USB33を介してマリンコンパスWIDE等の小型船用の航行ナビゲーションシステム14と接続され、5G_SIM通信部11を介してHAPS5が搭載する仮想基地局18又は地上基地局27のルーティング34、35を介して例えば所定の小型船舶安全IP(インターネットプロトコル)に従って通信が行われる。
【0058】
地上基地局27は、そのままゲートウェイ36を介してデータセンター6のメインサーバ32との間で小型船舶安全IPに従って通信が行われ、HAPS5が搭載する仮想基地局18は、一旦クライアントサーバ25が介在し、ゲートウェイ37を介してデータセンター6のメインサーバ32との間で小型船舶安全IPに従って通信が行われる。
【0059】
上述したよう、本実施形態に係る航行支援システム1においては、隣接するHAPS5が搭載する仮想基地局18間での欠損情報の融通している。本発明の一実施形態に係る隣接するHAPS5が搭載する仮想基地局18間での欠損情報の融通を詳細に説明するための図である。
【0060】
図6に示すように、符号61はHAPS5が搭載する仮想基地局18-Aのカバレッジエリアを示し、符号62は隣接する空域を滞在するHAPS5が搭載する仮想基地局18-Bのカバレッジエリアを示している。ここでは、カバレッジエリア61とカバレッジエリア62とが重複するカバレッジエリア63が生じている。
【0061】
カバレッジエリア61内には、小型船舶2-A1~2-A4が存在し、カバレッジエリア62内には、小型船舶2-B1~2-B5が存在し、小型船舶2-A1及び小型船舶2-B5が重複するカバレッジエリア63に入っている。
【0062】
ここで、仮想基地局18-Aは、重複するカバレッジエリア63内の小型船舶2-B5の第1の船舶情報を何らかの原因で欠損しており、仮想基地局18-Bは、重複するカバレッジエリア63内の小型船舶2-A1の第1の船舶情報を何らかの原因で欠損している。欠損の原因としては、例えば重複するカバレッジエリア63内の小型船舶2-B5がすでにHAPS5の仮想基地局18-Bと通信が確立していることから、仮想基地局18-Aとの通信が行われなかった等がある。
【0063】
メインサーバ32は、仮想基地局18-Aから送信される第1の船舶情報と仮想基地局18-Bから送信される第1の船舶情報とから、仮想基地局18-Aの第1の船舶情報は小型船舶2-B5の第1の船舶情報が欠損していることを検出する。そうすると、メインサーバ32は、仮想基地局18-Aに欠損している小型船舶2-B5の第1の船舶情報を送信する。仮想基地局18-Aは、融通された小型船舶2-B5の第1の船舶情報を含むカバレッジエリア61内の小型船舶2-A1~2-A4及び小型船舶2-B5のすべての第1の船舶情報をカバレッジエリア61内の小型船舶2-A1~2-A4及び小型船舶2-B5に送信できる。仮想基地局18-Bに欠損している小型船舶2-A1の第1の船舶情報についても仮想基地局18-Bにおいて同様の融通処理が行われる。
【0064】
仮想基地局18-Aと仮想基地局18-Bとの間でメインサーバ32を介して融通処理を行っていたが、仮想基地局18-Aと仮想基地局18-Bとの間で直接電波伝送路64を使って融通処理を行ってもよい。
【0065】
仮想基地局18-Aと仮想基地局18-Bとの間のリンク64については、5Gバックエンドアンテナ23及び5Gバックエンド送受信機24を使って形成してもよいが、カバレッジエリア照射用のアンテナの指向性をHAPS5相互間となるように変えてその都度利用するようにしてもよい。
【0066】
以上の説明のとおり、本実施形態に係る航行支援システム1によれば、沿岸から離れていても周囲の船舶の位置情報や警報などを遅延することなく入手可能であり、船舶自動識別システム(AIS)を持たない船舶においても安全な航行が可能となる。
【0067】
本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内で様々な変形や応用が可能であり、その実施の範囲も本発明の技術的範囲に属するものである。
【0068】
例えば、本実施形態に係るデータセンター6や仮想基地局18のデータベース設計や機能、船舶情報端末3-航行ナビゲーションシステム14のインターフェースを基本パターンとして使用することで、広域ロボティックスの対象となる他のサービス向けのシステム(例えば、離島等の重機や農機の遠隔監視制御等)の構築が容易になる。また、海上保安庁等の海上警備でも配下の船舶の管理と周辺船舶の運航情報等の把握と遭難時の救助派遣等の機能追加も容易になる。
【符号の説明】
【0069】
1 航行支援システム
2 小型船舶
3 船舶情報端末
5 HAPS
6 データセンター
7 大型船舶
10 GPS受信部
11 第1の通信部としての5G_SIM通信部
12 情報処理部
13 第1のインターフェース部
14 小型船用の航行ナビゲーションシステム
15 GPS受信部
16 第2のインターフェース部
17 情報処理部
18 仮想基地局
19 5G基地局アンテナ
20 5G基地局送受信機
21 AIS受信アンテナ
22 AIS受信機
23 5Gバックエンドアンテナ
24 5Gバックエンド送受信機
25 クライアントサーバ
26 5G基地局ルータ
27 地上基地局
29 システム管理者の小型船舶情報管理端末
30 グループ管理者用の小型船舶情報管理端末
32 メインサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6