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特開2024-14579時刻同期装置、時刻同期システム、時刻同期方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014579
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】時刻同期装置、時刻同期システム、時刻同期方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H04L7/00 990
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117514
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】石倉 大地
【テーマコード(参考)】
5K047
【Fターム(参考)】
5K047AA18
5K047BB01
(57)【要約】
【課題】少なくとも2つの時刻同期方式における時刻情報に基づいて、正確に時刻同期を行う。
【解決手段】時刻同期装置(1)は、複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する取得手段(11)と、時刻情報の信頼度を抽出する抽出手段(12)と、時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う時刻同期手段(13)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する取得手段と、
前記時刻情報の信頼度を抽出する抽出手段と、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う時刻同期手段と、
を備える時刻同期装置。
【請求項2】
前記時刻同期手段は、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、前記少なくとも2つの時刻同期方式の中の何れかの時刻情報を選択し、
選択した時刻情報を前記同期用時刻情報として時刻同期を行う、
請求項1に記載の時刻同期装置。
【請求項3】
前記時刻同期手段は、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、前記少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報に対して重み付けした計算を行い、
当該計算結果を前記同期用時刻情報として時刻同期を行う、
請求項1に記載の時刻同期装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つの時刻同期方式の1つは、ネットワークリスニングによる時刻同期であり、
前記抽出手段は、基地局からの無線信号の受信強度に応じて前記時刻情報の信頼度を抽出する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の時刻同期装置。
【請求項5】
前記少なくとも2つの時刻同期方式の1つは、GNSSによる時刻同期であり、
前記抽出手段は、受信強度が所定値以上の衛星数に応じて前記時刻情報の信頼度を抽出する、
請求項4に記載の時刻同期装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの時刻同期方式の1つは、PTPによる時刻同期であり、
前記抽出手段は、ネットワークにおけるトラフィック量および遅延量に応じて前記時刻情報の信頼度を抽出する、
請求項5に記載の時刻同期装置。
【請求項7】
複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する取得手段と、
前記時刻情報の信頼度を抽出する抽出手段と、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う時刻同期手段と、
を備える時刻同期システム。
【請求項8】
複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得し、
前記時刻情報の信頼度を抽出し、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う、
時刻同期方法。
【請求項9】
コンピュータに、
複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する処理と、
前記時刻情報の信頼度を抽出する処理と、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う処理と、を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻同期装置、時刻同期システム、時刻同期方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)や5G(第5世代移動通信システム)の無線アクセス
方式では、基地局間の干渉抑制やハンドオーバを行うために基地局間での高精度な時刻同期が必要となっており、その同期精度は1.5μs以下に抑えることが要求されている。
これに対し、一般的にサーバ等の時刻同期に利用されているNTP(Network Time Protocol)のパケットを利用した方式等では、その精度を満たすことが出来ず、高精度な時刻
同期のためのシステムを構築する必要がある。
【0003】
高精度な時刻同期を行う方式として、GNSS(Global Navigation Satellite System)を利用した時刻同期、無線信号を利用した時刻同期、LAN(Local Area Network)上でパケットを送受信して行う時刻同期等の方式を挙げることができる。
【0004】
これに関連する技術として、下記の特許文献1に開示された発明がある。特許文献1には、取得された1つ以上の条件値を用いて、複数の通信方式の中からの所定通信方式の決定、及び複数の同期方式の中からの所定同期方式の決定の少なくともいずれかを行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-174215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
GNSSを利用した時刻同期方式においては、GNSS衛星が絶えず移動しているため、時間帯によってはGNSS衛星からの信号を安定して受信できず、時刻同期が正確に行えない場合がある。
【0007】
また、無線信号を利用した時刻同期方式においては、無線信号を利用するため、無線通信を利用するユーザが多く、通信量が多い時間帯においては、電波が干渉して正確に同期信号を受信できない場合がある。
【0008】
また、LAN上でパケットを送受信して行う時刻同期方式、例えば、IEEE-1588 PTP(Precision Time Protocol)を利用した時刻同期方式は、イーサネット(登
録商標)経由で時刻同期を行う手法である。しかしながら、ネットワーク負荷増大によるパケットの未到達、遅延量の増大や揺らぎ等により、正確に時刻同期を行えない場合がある。
【0009】
また、特許文献1には、取得された1つ以上の条件値を用いて、複数の同期方式の中からの所定同期方式の決定を行うことが開示されているが、具体的な同期方式および具体的な同期方式の決定方法が開示されていない。
【0010】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、少なくとも2つの時刻同期方式における時刻情報に基づいて、正確に時刻同期を行える技術を提供することを一目
的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係る時刻同期装置は、複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する取得手段と、前記時刻情報の信頼度を抽出する抽出手段と、前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う時刻同期手段と、を備える。
【0012】
本発明の一態様に係る時刻同期システムは、複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する取得手段と、前記時刻情報の信頼度を抽出する抽出手段と、前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う時刻同期手段と、を備える。
【0013】
本発明の一態様に係る通信制御方法は、複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得し、前記時刻情報の信頼度を抽出し、前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う。
【0014】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する処理と、前記時刻情報の信頼度を抽出する処理と、前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、少なくとも2つの時刻同期方式における時刻情報に基づいて、正確に時刻同期を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の例示的実施形態に係る時刻同期装置の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の例示的実施形態に係る時刻同期装置の処理方法の流れを示すフロー図である。
図3】本発明の第1の例示的実施形態に係る時刻同期システムの構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の第2の例示的実施形態に係る時刻同期装置の構成例を示すブロック図である。
図5】基地局に配置された時刻同期装置による時刻同期を模式的に示す図(その1)である。
図6】基地局に配置された時刻同期装置による時刻同期を模式的に示す図(その2)である。
図7】GNSS時刻同期方式における付属情報の一例を示す図である。
図8】ネットワークリスニング時刻同期方式における付属情報の一例を示す図である。
図9】各時刻同期方式の信頼度を抽出するためのテーブルの一例を示す図である。
図10】各例示的実施形態に係る時刻同期装置および時刻同期システムとして機能するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔例示的実施形態1〕
<発明の概要>
GNSSを利用した時刻同期方式は、人工衛星(GNSS衛星)から発信される時刻情
報を受信して時刻同期を行う手法である。しかしながら、屋内での利用、GNSS衛星の位置が悪い(地球の反対側にGNSS衛星が集中している)、GNSS衛星のメンテナンス等により、GNSS信号の取得が不安定になる場合がある。
【0018】
また、無線信号を利用した時刻同期方式は、正確に同期した基地局からの電波を利用して時刻同期を行う手法である。しかしながら、基地局の乱立による電波品質の劣化、一時的な工事や遮蔽物の設置による電波未到達等により、正確に時刻同期が行えない場合がある。
【0019】
また、PTPを利用した時刻同期方式は、PTPパケットを利用した、イーサネット(登録商標)経由で時刻同期を行う手法である。しかしながら、ネットワーク負荷増大によるパケットの未到達、遅延量の増大や揺らぎ等により、正確に時刻同期を行えない場合がある。
【0020】
本例示的実施形態に係る時刻同期装置においては、上述の時刻同期方式の中の、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報の信頼度に応じて、時刻同期を行うための同期用時刻情報を決定して時刻同期を行うことにより、安価な構成で正確な時刻同期を実現することを可能とする。
【0021】
<例示的実施形態1に係る時刻同期装置1>
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インタフェースを備える構成としてもよいが、これらの構成については図示を省略する。
【0022】
図1は、本発明の第1の例示的実施形態に係る時刻同期装置1の構成例を示すブロック図である。本例示的実施形態に係る時刻同期装置1は、基地局等に適用される装置であり、取得手段11と、抽出手段12と、時刻同期手段13と、を備えている。以下、時刻同期装置1が適用される基地局を、自基地局と呼ぶこともある。
【0023】
取得手段11は、複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する。時刻同期方式として、GNSSを利用した時刻同期方式、無線信号を利用した時刻同期方式(以下、ネットワークリスニングによる時刻同期方式と呼ぶ。)、PTPを利用した時刻同期方式等を挙げることができるが、時刻同期方式はこれらに限定されるものではない。
【0024】
例えば、時刻同期方式がGNSSを利用した時刻同期方式の場合、取得手段11は、GNSS衛星から発信される同期信号を受信し、同期信号を処理することによって時刻情報を得ることができる。
【0025】
また、時刻同期方式がネットワークリスニングによる時刻同期方式の場合、取得手段11は、他基地局から発信される無線信号を受信し、受信した無線信号に対して信号処理を行うことにより、自基地局との無線フレームの開始タイミングのずれ(時刻情報)を算出する。なお、取得手段11は、この開始タイミングのずれに応じて絶対時刻を計算することもできる。
【0026】
また、時刻同期方式がPTPを利用した時刻同期方式の場合、取得手段11は、PTPグランドマスターから配信される時刻情報を受信することによって、時刻情報を取得することができる。
【0027】
抽出手段12は、時刻情報の信頼度を抽出する。例えば、時刻同期方式がGNSSを利用した時刻同期方式の場合、抽出手段12は、複数のGNSS衛星からGNSS信号を受信し、GNSS信号の受信強度である受信SN値(受信感度)が所定値以上の衛星数に応じて、時刻情報の信頼度を抽出する。
【0028】
また、時刻同期方式がネットワークリスニングによる時刻同期方式の場合、抽出手段12は、他基地局から発信される無線信号を受信し、無線信号の受信強度に応じて時刻情報の信頼度を抽出する。
【0029】
時刻同期手段13は、時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う。同期用時刻情報は、時刻同期を行うときに使用される時刻情報であり、例えば、時刻同期手段13は、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報の中で、最も信頼度が高い時刻情報を同期用時刻情報として選択する。そして、時刻同期手段13は、同期用時刻情報を用いて時刻同期を行う。
【0030】
例えば、時刻同期手段13は、ネットワークリスニングによる時刻同期方式の時刻情報を選択した場合、時刻情報である自基地局との無線フレームの開始タイミングの誤差の分だけ、自身の無線フレームの開始タイミングを補正することによって、時刻同期を行うことができる。
【0031】
また、時刻同期手段13は、GNSSを利用した時刻同期方式の時刻情報を選択した場合、時刻情報は絶対時刻として得られているため、単位調整のために無線フレームの開始タイミングの誤差に変換し、無線フレームの開始タイミングを補正することによって、時刻同期を行うことができる。
【0032】
<時刻同期装置1の効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係る時刻同期装置1によれば、時刻同期手段13が、時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行うので、安価な構成で正確な時刻同期を実現することができる。
【0033】
<時刻同期装置1による処理方法の流れ>
以上のように構成された時刻同期装置1が実行する処理方法の流れについて、図2を参照して説明する。図2は、第1の例示的実施形態に係る時刻同期装置1の処理方法の流れを示すフロー図である。図2に示すように、処理方法S1は、ステップS11~S13を含む。
【0034】
まず、取得手段11が、複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する(S11)。時刻同期方式として、GNSSを利用した時刻同期方式、ネットワークリスニングによる時刻同期方式、PTPを利用した時刻同期方式等を挙げることができるが、時刻同期方式はこれらに限定されるものではない。
【0035】
例えば、時刻同期方式がネットワークリスニングによる時刻同期方式の場合、取得手段11は、他基地局から発信される無線信号を受信し、受信した無線信号に対して信号処理を行うことにより、自基地局との無線フレームの開始タイミングのずれ(時刻情報)を算出する。
【0036】
次に、抽出手段12が、時刻情報の信頼度を抽出する(S12)。例えば、時刻同期方式がネットワークリスニングによる時刻同期方式の場合、抽出手段12は、他基地局から発信される無線信号を受信し、無線信号の受信強度に応じて時刻情報の信頼度を抽出する。
【0037】
次に、時刻同期手段13が、時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う(S13)。同期用時刻情報は、時刻同期を行うときに使用される時刻情報であり、例えば、時刻同期手段13は、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報の中で、最も信頼度が高い時刻情報を同期用時刻情報として選択する。そして、時刻同期手段13は、同期用時刻情報を用いて時刻同期を行う。
【0038】
<時刻同期装置1の処理方法の効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係る時刻同期装置1の処理方法によれば、時刻同期手段13が、時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行うので、安価な構成で正確な時刻同期を実現することができる。
【0039】
<例示的実施形態1に係る時刻同期システム100>
図3は、本発明の第1の例示的実施形態に係る時刻同期システム100の構成例を示すブロック図である。本例示的実施形態に係る時刻同期システム100は、図3に示すように、取得手段21と、抽出手段22と、時刻同期手段23と、を備えている。
【0040】
取得手段21、抽出手段22および時刻同期手段23は、一例として、ネットワークNを介して通信可能に構成されている。ここで、当該ネットワークNの具体的構成は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、WAN(Wide Area Network)、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又
は、これらのネットワークの組み合わせを用いることができる。
【0041】
なお、時刻同期システム100の各機能がクラウド上で実装されてもよい。例えば、取得手段21と抽出手段22とが1つの装置であってもよく、時刻同期手段23が1つの装置であってもよい。これらは、1つの装置内に実装されてもよいし、別々の装置に実装されてもよい。例えば、別々の装置に実装される場合、ネットワークNを介して各部の情報が送受信されて処理が進められる。
【0042】
取得手段21は、複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する。時刻同期方式として、GNSSを利用した時刻同期方式、ネットワークリスニングによる時刻同期方式、PTPを利用した時刻同期方式等を挙げることができるが、時刻同期方式はこれらに限定されるものではない。
【0043】
例えば、時刻同期方式がネットワークリスニングによる時刻同期方式の場合、取得手段21は、他基地局から発信される無線信号を受信し、受信した無線信号に対して信号処理を行うことにより、自基地局との無線フレームの開始タイミングのずれ(時刻情報)を算出する。
【0044】
抽出手段22は、時刻情報の信頼度を抽出する。例えば、時刻同期方式がネットワークリスニングによる時刻同期方式の場合、抽出手段22は、他基地局から発信される無線信号を受信し、無線信号の受信強度に応じて時刻情報の信頼度を抽出する。
【0045】
時刻同期手段23は、時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う。同期用時刻情報は、時刻同期を行うときに使用される時刻情報であり、例えば、時刻同期手段23は、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報の中で、最も信頼度が
高い時刻情報を同期用時刻情報として選択する。そして、時刻同期手段23は、同期用時刻情報を用いて時刻同期を行う。
【0046】
<時刻同期システム100の処理方法の効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係る時刻同期システム100によれば、時刻同期手段23が、時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行うので、安価な構成で正確な時刻同期を実現することができる。
【0047】
〔例示的実施形態2〕
<例示的実施形態2に係る時刻同期装置1Aの構成例>
図4は、本発明の第2の例示的実施形態に係る時刻同期装置1Aの構成を示す図である。本例示的実施形態に係る時刻同期装置1Aは、第1受信部31と、第2受信部32と、第1処理部33と、第2処理部34と、信頼度算出部35と、時刻情報算出部36と、クロック補正部37と、を備えている。
【0048】
第1受信部31、第2受信部32、第1処理部33および第2処理部34は、本例示的実施形態において取得手段を実現する構成である。信頼度算出部35は、本例示的実施形態において抽出手段を実現する構成である。時刻情報算出部36およびクロック補正部37は、本例示的実施形態において時刻同期手段を実現する構成である。
【0049】
なお、本例示的実施形態においては、時刻同期装置1Aが、GNSSによる時刻同期、およびネットワークリスニングによる時刻同期の2つの時刻同期手法を利用可能な場合について説明するが、これに限定されるものではない。
【0050】
図5および図6は、基地局に配置された時刻同期装置1Aによる時刻同期を模式的に示す図である。図5に示すように、時刻同期装置1Aが配置された基地局60が、GNSS衛星40からGNSS信号を受信することができる。また、時刻同期装置1Aが配置された基地局60が、同期先となる他基地局61から無線信号を受信することができる。
【0051】
また、図6に示すように、時刻同期装置1Aが配置された基地局60が、GNSS衛星40からGNSS信号を受信することができる。また、時刻同期装置1Aが配置された基地局60が、別システム上の基地局62および同一システム内の基地局63から無線信号を受信するようにしてもよい。
【0052】
第1受信部31は、GNSS衛星からGNSS信号を受信する。具体的には、GNSS用のアンテナ、GNSS信号を基地局へ分配する同軸ケーブル、アンプ等によって構成される。基地局が屋外に設置される場合において、GNSS用のアンテナを内蔵していたり、基地局本体に付属していたりしてもよい。また、ケーブル、アンプ等が基地局の外に配置され、基地局にはケーブルのコネクタ部のみが接続されていてもよい。
【0053】
第1処理部33は、第1受信部31によって受信されたGNSS信号に対して信号処理を行い、自身の緯度経度情報および時刻情報を取得し、時刻情報算出部36に出力する。また、第1処理部33は、付属情報として、GNSS衛星のそれぞれのGNSS衛星番号とそれぞれのSN情報(受信SN)とを取得し、信頼度算出部35に出力する。
【0054】
図7は、GNSS時刻同期方式における付属情報の一例を示す図である。図7に示すように、第1受信部31が複数のGNSS衛星からGNSS信号を受信できる場合には、GNSS衛星のそれぞれのGNSS衛星番号と、それぞれのSN情報(受信SN)とが対応付けて記憶される。
【0055】
第2受信部32は、他の基地局から無線信号(ネットワークリスニング信号)を受信する。一般的には、第2受信部32は、自基地局の電波送信用のアンテナを用いて、他基地局からの電波の受信も行うが、他基地局から電波を受信するための専用のアンテナを用いてもよい。
【0056】
第2処理部34は、第2受信部32によって受信された無線信号に対して信号処理を行う。そして、第2処理部34は、同期先の基地局の無線フレームの開始タイミングを取得し、自身のタイミングとの誤差を計算して、時刻情報算出部36に出力する。また、第2処理部34は、付属情報として同期先の基地局の各種情報(自システム内か否か、周波数、基地局のID情報、SINR(Signal-to-Interference plus Noise power Ratio)等
の無線信号の強度に関する情報)を取得し、信頼度算出部35に出力する。
【0057】
図8は、ネットワークリスニング時刻同期方式における付属情報の一例を示す図である。図8に示すように、第2受信部32が複数の基地局から無線信号を受信できる場合には、基地局のそれぞれが自システムであるか否かに関する情報と、基地局のそれぞれの周波数と、それぞれの基地局IDと、それぞれの受信SINRとが対応付けて記憶される。なお、無線信号の強度に関する情報は、受信RSRP(Reference Signal Received Power
)、受信RSRQ(Reference Signal Received Quality)など他の指標であってもよい
【0058】
信頼度算出部35は、第1処理部33から出力されるGNSS時刻同期方式に関する付属情報を用いて、GNSS時刻同期方式の時刻情報の信頼度を算出する。具体的には、信頼度算出部35は、受信強度が所定値以上の衛星数に応じて時刻情報の信頼度を抽出する。
【0059】
信頼度算出部35は、例えば、次式(式1)によって、GNSS時刻同期方式の時刻情報の信頼度を算出する。
【0060】
信頼度=(受信SN値が25dB以上のGNSS衛星数)×16 ・・・(式1)
また、信頼度算出部35は、第2処理部34から出力されるネットワークリスニングによる時刻同期方式に関する付属情報を用いて、ネットワークリスニングによる時刻同期方式の時刻情報の信頼度を算出する。具体的には、信頼度算出部35は、基地局からの無線信号の受信強度に応じて時刻情報の信頼度を抽出する。
【0061】
信頼度算出部35は、例えば、次式(式2)によって、ネットワークリスニングによる時刻同期方式の時刻情報の信頼度を算出する。
【0062】
信頼度=(受信する無線信号のうち最も高いSINR値[dB])×3 ・・・(式2)
また、例えば、時刻同期装置1Aが、PTPによる時刻同期方式を用いる場合、信頼度算出部35は、ネットワークにおけるトラフィック量および遅延量に応じて時刻情報の信頼度を抽出するようにしてもよい。例えば、次式(式3)によって、PTPによる時刻同期方式の時刻情報の信頼度を算出する。
【0063】
信頼度=(1-トラフィック量[Mbps]/1000)×100-(PTPのパケットの遅延量[ns])×0.1 ・・・(式3)
図9は、各時刻同期方式の信頼度を抽出するためのテーブルを示す図である。図9には、一例として、GNSSによる時刻同期方式、ネットワークリスニングによる時刻同期方式およびPTPによる時刻同期方式における信頼度を抽出するためのテーブルが記載されている。信頼度算出部35は、前述の(式1)~(式3)のように計算しても良いし、図
9に示すテーブルを参照して、各時刻同期方式における時刻情報の信頼度を抽出するようにしてもよい。
【0064】
GNSS時刻同期方式の場合には、GNSS信号の受信SN値が20dB以上の衛星数に対応する信頼度が記載されている。例えば、GNSS信号の受信SN値が20dB以上の衛星数が7以上ある場合、図9に示すテーブルを参照することによって、信頼度100を抽出することができる。
【0065】
また、ネットワークリスニングによる時刻同期方式の場合には、基地局からの無線信号の中で最も値が高い受信SINR値に対応して信頼度が記載されている。例えば、基地局からの無線信号の中で最も高い受信SINR値が25dB以上、30dB未満であれば、図9に示すテーブルを参照することによって、信頼度50を抽出することができる。
【0066】
また、PTPによる時刻同期方式の場合には、ネットワークにおけるトラフィック量に対応して信頼度が記載されている。例えば、ネットワークにおけるトラフィック量が1Mbps以上、10Mbps未満であれば、図9に示すテーブルを参照することによって、信頼度80を抽出することができる。
【0067】
時刻情報算出部36は、GNSS時刻同期方式の時刻情報の信頼度およびネットワークリスニングによる時刻同期方式の時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定する。例えば、時刻情報算出部36は、時刻情報の信頼度に基づいて、少なくとも2つの時刻同期方式の中の何れかの時刻情報を選択する。より具体的には、時刻情報算出部36は、時刻情報の信頼度が高い方の時刻同期方式の時刻情報を選択する。
【0068】
また、時刻情報算出部36は、時刻情報の信頼度に基づいて、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報に対して重み付けした計算を行う。例えば、次式(式4)に示すように、時刻情報の信頼度を重みとし、信頼度を用いた重み付き平均を計算することにより同期用時刻情報Tを算出する。なお、ω1は、GNSS時刻同期方式の時刻情報の信頼度(重み)、T1は、GNSS時刻同期方式の時刻情報、ω2は、ネットワークリスニング時刻同期方式の時刻情報の信頼度(重み)、T2は、ネットワークリスニング時刻同期方式の時刻情報とする。
【0069】
T=(ω1×T1+ω2×T2)/(ω1+ω2) ・・・(式4)
なお、ネットワークリスニングによる時刻同期方式の場合、時刻情報は無線フレームの開始タイミングの誤差として得られ、GNSS時刻同期方式の場合、時刻情報は絶対時刻で得られるため、何れかの時刻情報と同じ形式に変換した後、上記(式3)の重み付き平均が算出される。
【0070】
また、算出式は(式3)に限定されるものではなく、他の算出式を用いるようにしてもよい。また、例えば、時刻同期方式の信頼度が何れも30以上であれば、上記重み付き平均を用いて同期用時刻情報を算出し、何れかの時刻同期方式の信頼度が30以下の場合には、他方の時刻同期方式の時刻情報を同期用時刻情報として用いる等のようにしてもよい。
【0071】
クロック補正部37は、時刻情報算出部36によって算出された同期用時刻情報を用いて時刻同期を行う。例えば、ネットワークリスニングによる時刻同期方式の場合、時刻情報は無線フレームの開始タイミングの誤差として得られるため、クロック補正部37は、得られた無線フレームの開始タイミングと、自基地局の開始タイミングとの誤差を比較し、誤差の分だけ自基地局の無線フレームの開始タイミングを補正することによって、時刻同期を行う。
【0072】
また、GNSS時刻同期方式による時刻情報は、絶対時刻として得られるため、絶対時刻を、単位調整のための無線フレームの開始タイミングに変換するようにしてもよい。
【0073】
なお、以上の説明においては、時刻同期装置1Aが、GNSSによる時刻同期方式とネットワークリスニングによる時刻同期方式とを用いて、時刻同期を行う場合についてであったが、周辺の基地局は2つの同期方式を用いる必要はなく、別の同期方式を用いていてもよい。例えば、図6に示すような構成の場合、基地局60に時刻同期装置1Aが配置され、基地局62はGNSSによる時刻同期方式のみを採用し、基地局63は、PTPによる時刻同期方式を採用するようにしてもよい。
【0074】
また、この同期タイミングは時刻同期と同じタイミングで行ってもよいし、別のタイミングで行ってもよい。例えば、1秒ごとに各種信号を取得し時刻補正をする場合、1秒ごとに信頼度を計算するようにしてもよいし、また、例えば60秒間に1度だけ信頼度を計算し、その後の60秒間に実施される60回分の時刻補正に使用する信頼度を同じ値とするようにしてもよい。
【0075】
<時刻同期装置1Aの効果>
以上説明したように、本例示的実施形態に係る時刻同期装置1Aによれば、時刻同期が安定しない状況においても、基地局の時刻同期を行うことができる。一般的に、複数の基地局が同じ無線規格・周波数を利用して、ハンドオーバ機能を保証している場合、その基地局間の時刻同期がなされていない場合、アップリンクのデータ通信の干渉が増大し、スループット低下につながるという懸念がある。また、ハンドオーバが失敗して通信が遮断されるという懸念もある。
【0076】
そのため、基地局間の時刻情報は正確に合わせておく必要があるが、屋内や密集地帯に基地局を配置する場合、GNSS信号を利用しても、ネットワークリスニング機能を利用しても、継続して安定的に時刻同期を行うことが困難である。本例示的実施形態では、長期的には安定しない同期方式である、GNSSによる時刻同期と、ネットワークリスニング機能による時刻同期との2つ以上の時刻同期方式を採用した基地局に対して、状況に応じて安定する時刻同期方式による時刻情報をより重視することで、高精度な時刻同期を行うことができる。
【0077】
〔ソフトウェアによる実現例〕
時刻同期装置1、1A、時刻同期システム100の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0078】
後者の場合、時刻同期装置1、1A、時刻同期システム100は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を図10に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを時刻同期装置1、1A、時刻同期システム100として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、時刻同期装置1、1A、時刻同期システム100の各機能が実現される。
【0079】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Pr
ocessing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いること
ができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive
)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができ
る。
【0080】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAMを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0081】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0082】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0083】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0084】
(付記1)
複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する取得手段と、
前記時刻情報の信頼度を抽出する抽出手段と、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う時刻同期手段と、
を備える時刻同期装置。
【0085】
上記の構成によれば、少なくとも2つの時刻同期方式における時刻情報に基づいて、正確に時刻同期を行うことができる。
【0086】
(付記2)
前記時刻同期手段は、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、前記少なくとも2つの時刻同期方式の中の何れかの時刻情報を選択し、
選択した時刻情報を前記同期用時刻情報として時刻同期を行う、
付記1に記載の時刻同期装置。
【0087】
上記の構成によれば、少なくとも2つの時刻同期方式における時刻情報の中のより正確な時刻情報に基づいて、時刻同期を行うことができる。
【0088】
(付記3)
前記時刻同期手段は、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、前記少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報に対して重み付けした計算を行い、
当該計算結果を前記同期用時刻情報として時刻同期を行う、
付記1に記載の時刻同期装置。
【0089】
上記の構成によれば、信頼度が高い時刻情報をより重視して、同期用時刻情報を算出することができる。
【0090】
(付記4)
前記少なくとも2つの時刻同期方式の1つは、ネットワークリスニングによる時刻同期であり、
前記抽出手段は、基地局からの無線信号の受信強度に応じて前記時刻情報の信頼度を抽出する、
付記1~3のいずれかに記載の時刻同期装置。
【0091】
上記の構成によれば、ネットワークリスニングによる時刻同期方式の時刻情報の信頼度を容易に抽出することができる。
【0092】
(付記5)
前記少なくとも2つの時刻同期方式の1つは、GNSSによる時刻同期であり、
前記抽出手段は、受信強度が所定値以上の衛星数に応じて前記時刻情報の信頼度を抽出する、
付記4に記載の時刻同期装置。
【0093】
上記の構成によれば、GNSSによる時刻同期方式の時刻情報の信頼度を容易に抽出することができる。
【0094】
(付記6)
前記少なくとも2つの時刻同期方式の1つは、PTPによる時刻同期であり、
前記抽出手段は、ネットワークにおけるトラフィック量および遅延量に応じて前記時刻情報の信頼度を抽出する、
付記5に記載の時刻同期装置。
【0095】
上記の構成によれば、PTPによる時刻同期方式の時刻情報の信頼度を容易に抽出することができる。
【0096】
(付記7)
複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する取得手段と、
前記時刻情報の信頼度を抽出する抽出手段と、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う時刻同期手段と、
を備える時刻同期システム。
【0097】
上記の構成によれば、少なくとも2つの時刻同期方式における時刻情報に基づいて、正確に時刻同期を行うことができる。
【0098】
(付記8)
複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得し、
前記時刻情報の信頼度を抽出し、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う、
時刻同期方法。
【0099】
上記の構成によれば、少なくとも2つの時刻同期方式における時刻情報に基づいて、正確に時刻同期を行うことができる。
【0100】
(付記9)
コンピュータに、
複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する処理と、
前記時刻情報の信頼度を抽出する処理と、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う処理と、を実行させるプログラム。
【0101】
上記の構成によれば、少なくとも2つの時刻同期方式における時刻情報に基づいて、正確に時刻同期を行うことができる。
【0102】
(付記10)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する処理と、
前記時刻情報の信頼度を抽出する処理と、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う処理と、を実行する時刻同期装置。
【0103】
なお、この時刻同期装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得する処理と、前記抽出する処理と、前記時刻同期を行う処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0104】
(付記11)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、
複数の時刻同期方式の中から、少なくとも2つの時刻同期方式の時刻情報を取得する処理と、
前記時刻情報の信頼度を抽出する処理と、
前記時刻情報の信頼度に基づいて、同期用時刻情報を決定して時刻同期を行う処理と、を実行する時刻同期システム。
【0105】
なお、この時刻同期システムは、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得する処理と、前記抽出する処理と、前記時刻同期を行う処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1,1A 時刻同期装置
11,21 取得手段
12,22 抽出手段
13,23 時刻同期手段
31 第1受信部
32 第2受信部
33 第1処理部
34 第2処理部
35 信頼度算出部
36 時刻情報算出部
37 クロック補正部
100 時刻同期システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10