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特開2024-145811お供用オブジェ及びお供用オブジェの製造方法
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  • 特開-お供用オブジェ及びお供用オブジェの製造方法 図1
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  • 特開-お供用オブジェ及びお供用オブジェの製造方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145811
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】お供用オブジェ及びお供用オブジェの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/00 20060101AFI20241004BHJP
   B44C 3/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A47G33/00 K
B44C3/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058324
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】523082417
【氏名又は名称】株式会社ユニグラフ
(74)【代理人】
【識別番号】100216736
【弁理士】
【氏名又は名称】竹井 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 克彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛直
(57)【要約】      (修正有)
【課題】神仏へのお供に適したオブジェを提供する。
【解決手段】光透過性を有する基体と、前記基体の内部に位置するお供物と、を備える、お供用オブジェ。前記お供物は、米3A、水3B又は塩3Cである。また、米又は塩を前記基体の内部に有するお供用オブジェの製造方法であって、基体を形成するための凹部を有する型を準備するステップと、液体の基体材料を前記凹部に所定の高さまで充填した後に硬化させるステップと、前記硬化させた基体材料の上にさらに、液体の基体材料を前記凹部に所定の高さまで充填するステップと、前記液体の基体材料に米又は塩を落とし入れるステップと、前記米又は前記塩が、前記液体の基体材料の内部における、前記硬化させた基体材料の付近まで沈下した状態で、前記液体の基体材料を硬化させるステップと、を含むお供用オブジェの製造方法。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有する基体と、
前記基体の内部に位置するお供物と、を備える、
お供用オブジェ。
【請求項2】
前記お供物は、米、水又は塩である、
請求項1に記載のお供用オブジェ。
【請求項3】
前記水は水蒸気である、
請求項2に記載のお供用オブジェ。
【請求項4】
前記基体は角錐又は角柱である、
請求項1に記載のお供用オブジェ。
【請求項5】
前記基体は、視認面と、載置面と、を有しており、
前記載置面の表面は前記視認面の表面より粗い、
請求項4に記載のお供用オブジェ。
【請求項6】
前記載置面の中央部には窪み部を含む、
請求項5に記載のお供用オブジェ。
【請求項7】
前記基体は屈折率が異なる複数の部材を含む、
請求項1に記載のお供用オブジェ。
【請求項8】
請求項2に記載の、前記米又は前記塩を前記基体の内部に有するお供用オブジェの製造方法であって、
前記基体を形成するための凹部を有する型を準備するステップと、
液体の基体材料を前記凹部に所定の高さまで充填した後に硬化させるステップと、
前記硬化させた基体材料の上にさらに、液体の基体材料を前記凹部に所定の高さまで充填するステップと、
前記液体の基体材料に米又は塩を落とし入れるステップと、
前記米又は前記塩が、前記液体の基体材料の内部における、前記硬化させた基体材料の付近まで沈下した状態で、前記液体の基体材料を硬化させるステップと、
を含むお供用オブジェの製造方法。
【請求項9】
請求項2に記載の、前記水を前記基体の内部に有するお供用オブジェの製造方法であって、
前記基体を形成するための凹部を有する型を準備するステップと、
液体の基体材料を前記凹部に所定の高さまで充填するステップと、
前記液体の基体材料を半硬化させるステップと、
水を前記半硬化させた基体材料の内部に注入するステップと、
前記水を注入した基体材料を完全に硬化させるステップと、
を含むお供用オブジェの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、お供用オブジェ及びお供用オブジェの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2017-065110号公報(特許文献1)がある。この公報には、「視認性が向上した3Dクリスタル彫刻」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-065110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
神仏へのお供に適したオブジェを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
光透過性を有する基体と、
前記基体の内部に位置するお供物と、を備える、
お供用オブジェ。
【0006】
前記お供物は、米、水又は塩である、
請求項1に記載のお供用オブジェ。
【0007】
前記水は水蒸気である、
請求項2に記載のお供用オブジェ。
【0008】
前記基体は角錐又は角柱である、
請求項1に記載のお供用オブジェ。
【0009】
前記基体は、視認面と、載置面と、を有しており、
前記載置面の表面は前記視認面の表面より粗い、
請求項4に記載のお供用オブジェ。
【0010】
前記載置面の中央部には窪み部を含む、
請求項5に記載のお供用オブジェ。
【0011】
前記基体は屈折率が異なる複数の部材を含む、
請求項1に記載のお供用オブジェ。
【0012】
請求項2に記載の、前記米又は前記塩を前記基体の内部に有するお供用オブジェの製造方法であって、
前記基体を形成するための凹部を有する型を準備するステップと、
液体の基体材料を前記凹部に所定の高さまで充填した後に硬化させるステップと、
前記硬化させた基体材料の上にさらに、液体の基体材料を前記凹部に所定の高さまで充填するステップと、
前記液体の基体材料に米又は塩を落とし入れるステップと、
前記米又は前記塩が、前記液体の基体材料の内部における、前記硬化させた基体材料の付近まで沈下した状態で、前記液体の基体材料を硬化させるステップと、
を含むお供用オブジェの製造方法。
【0013】
請求項2に記載の、前記水を前記基体の内部に有するお供用オブジェの製造方法であって、
前記基体を形成するための凹部を有する型を準備するステップと、
液体の基体材料を前記凹部に所定の高さまで充填するステップと、
前記液体の基体材料を半硬化させるステップと、
水を前記半硬化させた基体材料の内部に注入するステップと、
前記水を注入した基体材料を完全に硬化させるステップと、
を含むお供用オブジェの製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、神仏へのお供に適したオブジェを提供できる。
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】お供用オブジェ(第1実施形態)の概要図である。
図2】お供用オブジェ(第1実施形態)の概要図である。
図3】お供用オブジェ(第1実施形態)の使用方法を説明する図である。
図4】お供用オブジェ(第2実施形態)の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態におけるお供用オブジェ1は、神仏に供えるためのお供物を有するオブジェ(置物)である。
お供用オブジェ1は基体2及びお供物3を備える。
図1乃至図4によりお供用オブジェの一例(第1実施形態及び第2実施形態)を説明する。
【0017】
基体2は光透過性を有する。
基体2は、製造方法は後述するが、アクリル酸エステル樹脂及び光硬化剤を含む樹脂(所謂、UVレジン)であってもよい。UVレジンは、紫外線を照射することで硬化する樹脂である。また、基体2は、例えば、ポリカーボネート樹脂などのプラスチック、又はガラスであってもよい。
【0018】
基体2は、立体であればよいが、特に、角錐又は角柱であってもよい。図1乃至図3で示す、第1実施形態における基体2は角柱である。図4で示す、第2実施形態における基体2は角錐である。第1実施形態と第2実施形態とは基体2の形状が異なるのみでその他の構成は同様である。
角錐又は角柱等のような角を有する構成によって、より多くの光を屈折又は反射させることができるため、お供用オブジェ1の装飾性を向上させることができる。
【0019】
お供物3は、図1乃至図4で示す実施形態におけるお供用オブジェにおいては、米3A、水3B又は塩3Cである。
お供物3は基体2の内部に位置する。言い換えれば、基体2のいずれの表面からもお供物3は露出していない。
【0020】
基体2は、視認面21と、載置面22と、を有する。
載置面22は、お供用オブジェ1をいずれかの載置場所に載置する場合において載置場所と当接する面である。図2等で示すように、第1実施形態における角柱の基体2は、該角柱が延びている方向における端面のうちの一方が載置面22である。図4で示すように、第2実施形態における角錐の基体2は、底面が載置面22である。なお、第2実施形態における角錐の基体2の底面である載置面22は面取り部を有する。
視認面21は、載置面22以外の全ての面である。
【0021】
図3で示すように、お供用オブジェ1は、例えば、神様へのお供え物として神棚に載置することができる。また、当該お供用オブジェ1を神棚に載置することで神棚の装飾性を向上できる。
【0022】
載置面22の表面は視認面21の表面より粗くてもよい。
さらに、載置面22のうちの、外周部の表面は、中心部の表面より粗くてもよい。「外周部」とは、載置面22の形状における、外郭から幾何中心までを結ぶ線のうちの中間点より外郭側の領域を意味する。「中央部」とは、載置面22の形状における、外郭から幾何中心までを結ぶ線のうちの中間点より幾何中央側の領域を意味する。
「粗さ」は、任意の5箇所で測定される十点平均粗さの平均値である。
【0023】
載置面22の中央部は窪み部を有していてもよい。すなわち、載置面22が載置場所(平面)に当接している状態において、中央部のうちの窪み部の表面は当該載置場所と当接せず、窪み部の表面と当該載置場所との間には空間が存在する。
【0024】
お供物3である米3Aは、黄色又は褐色の種皮を取り除いた白色の米であることが好ましい。
お供物3である米3Aは、該米に熱が加えられた場合であっても変色しにくい米であることが好ましい。
本実施形態における米3Aは酒米である。
【0025】
お供物3である水3Bは、液体であってもよく、気体(水蒸気)であってもよい。
水3Bが液体の場合においては空気を含んでいてもよい。すなわち、水及び空気が基体2の内部の同じ空間に位置する。
【0026】
お供物3である塩3Cは、視認性を向上させるために2ミリメートル以上の径を有する岩塩であってもよい。
【0027】
基体2は屈折率が異なる複数の部材を含んでいてもよい。例えば、屈折率が異なる複数の部材が(該お供用オブジェを載置した場合における)垂直方向に重畳されていてもよい。又は、屈折率が異なる複数の部材が(該お供用オブジェを載置した場合における)水平方向に重畳されていてもよい。
【0028】
以下で、米3A又は塩3Cをお供物3として内部に有するお供用オブジェ1の製造方法の一例を説明する。
基体2を形成するための凹部を有する型を準備する(ステップ1)。第1実施形態における角柱の基体2を形成するためには角柱形状の凹部を有する型を使用する。第2実施形態における角錐の基体2を形成するためには角錐形状の凹部を有する型を使用する。
次いで、液体の基体材料(以下、UVレジンとする場合がある。)を凹部に所定の高さまで充填した後に紫外線を照射して硬化させる(ステップ2)。
次いで、ステップ2で硬化させたUVレジンの上にさらに、液体のUVレジンを凹部に該凹部の内部空間がすべて満たされるまで充填する(ステップ3)。
次いで、液体のUVレジンにお供物3としての米又は塩を落とし入れる(ステップ4)。
次いで、米又は塩が、液体のUVレジンの内部における、ステップ2で硬化させた基体材料の付近まで沈下した状態で、該液体のUVレジンに紫外線を照射して硬化させる(ステップ5)。
最後に、型から硬化した基体2を取り出す(ステップ6)。
【0029】
以下で、水3Bをお供物3として内部に有するお供用オブジェ1の製造方法の一例を説明する。
基体2を形成するための凹部を有する型を準備する(ステップ1)。
次いで、液体のUVレジンを凹部に所定の高さまで充填した後に紫外線を照射して硬化させる(ステップ2)。
次いで、ステップ2で硬化させたUVレジンの上にさらに、液体のUVレジンを凹部に所定の高さまで充填する(ステップ3)。
次いで、液体のUVレジンに紫外線を照射して半硬化させる(ステップ4)。言い換えれば、完全に硬化しない程度まで粘度が大きくなるように液体のUVレジンに紫外線を照射する。
次いで、注射器を用いて水及び空気を半硬化させたUVレジンの内部に注入する(ステップ5)。
次いで、水及び空気を注入したUVレジンに紫外線を照射して完全に硬化させる(ステップ6)。
次いで、ステップ6で硬化させた基体材料の上にさらに、液体のUVレジンを凹部に該凹部の内部空間がすべて満たされるまで充填した後に紫外線を照射して硬化させる(ステップ7)。
最後に、型から硬化した基体2を取り出す(ステップ8)。
【0030】
お供用オブジェ1の基体2は視認面21の表面にコーティング層を有していてもよい。
コーティング層はポリマー等の樹脂である光沢剤である。コーティング剤を基体2の表面に設けることにより基体2の光透過度を向上させることができる。
【0031】
視認面21のうち、載置面22に近い領域のコーティング剤の厚みは、載置面22から遠い領域のコーティング剤の厚みより大きくてもよい。さらに、視認面21の表面に設けられたコーティング剤は載置面22に近づくにつれて徐々に厚みが大きくなっていてもよい。
すなわち、コーティング剤が設けられる前の基体2の視認面21は平面であるが、コーティング剤が設けられた後の基体2の視認面21はコーティング剤の厚みの差によりゆるやかな曲面となっていてもよい。
【0032】
上述する構成を有するお供用オブジェ1とすることにより、基体2の内部に位置するお供物3の視認性が向上するとともに、お供用オブジェ1の装飾性を向上させることができる。
【0033】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 :お供用オブジェ
2 :基体
21 :視認面
22 :載置面
3 :お供物
3A :米
3B :水
3C :塩

図1
図2
図3
図4