(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145849
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】拡張具
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
A61M25/06 550
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058386
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】594170727
【氏名又は名称】日本ライフライン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】小磯 智春
(72)【発明者】
【氏名】神山 洋輝
(72)【発明者】
【氏名】今井 翼
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA16
4C267BB02
4C267BB40
4C267CC08
4C267HH06
(57)【要約】
【課題】シャフトにおけるルーメンの配置精度を高められる拡張具等を提供する。
【解決手段】拡張具としてのダイレータは、体内に挿入され、先端部にテーパ形状の孔拡張部が設けられるシャフト2と、シャフト2内に設けられ、ガイドワイヤ51、52が挿入され、先端に開口を有する貫通ルーメン41、42と、シャフト2内に設けられ、先端が閉塞されている非貫通ルーメン43L、43Rと、を備える。貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43L、43Rは、シャフト2の中心軸(中心O)からずれた位置に設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部にテーパ形状の孔拡張部が設けられるシャフトを備え、
前記シャフト内には、ガイドワイヤが挿入される先端に開口を有する貫通ルーメンと、先端が閉塞されている非貫通ルーメンが設けられる、
拡張具。
【請求項2】
前記貫通ルーメンおよび前記非貫通ルーメンは、前記シャフトの中心軸からずれた位置に設けられる、請求項1に記載の拡張具。
【請求項3】
前記貫通ルーメンおよび前記非貫通ルーメンは、それぞれ、前記シャフトの軸と直交する断面において共通の対称軸に関して線対称に設けられる、請求項1に記載の拡張具。
【請求項4】
前記貫通ルーメンは、前記シャフトの軸と直交する断面において前記対称軸に関して線対称に複数設けられる、請求項3に記載の拡張具。
【請求項5】
前記非貫通ルーメンは、前記シャフトの軸と直交する断面において前記対称軸に関して線対称に複数設けられる、請求項3に記載の拡張具。
【請求項6】
前記非貫通ルーメンの断面積は、閉塞されている前記先端に向かって漸減する、請求項1から5のいずれかに記載の拡張具。
【請求項7】
前記非貫通ルーメンには、造影性を有する造影部材が挿入される、請求項1から5のいずれかに記載の拡張具。
【請求項8】
前記貫通ルーメンおよび前記非貫通ルーメンが存在する前記シャフトの軸と直交する断面を、第1方向に三等分し当該第1方向に直交する第2方向に三等分することで形成される九つの領域のうち、前記第1方向の中央における前記第2方向の両端側の二つの領域および前記第2方向の中央における前記第1方向の両端側の二つの領域の四つの領域のそれぞれに、前記貫通ルーメンおよび前記非貫通ルーメンの少なくともいずれかの少なくとも一部が含まれる、請求項1から5のいずれかに記載の拡張具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ダイレータとも呼ばれる拡張具等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、血管内への二本のガイドワイヤの挿入を支援するダイレータが開示されている。このダイレータは、穿刺針を通じて予め血管内に挿入されている第1ガイドワイヤが挿入される第1ルーメンと、当該第1ルーメンおよび当該第1ガイドワイヤを通じてダイレータが血管内に挿入された状態で第2ガイドワイヤが挿入される第2ルーメンと、を備える。ダイレータが抜去された後の血管内には、第1ガイドワイヤおよび第2ガイドワイヤの二本のガイドワイヤが残存し、カテーテル等の他の医療器具の血管内への挿入を支援する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のダイレータのように、各ガイドワイヤが貫通する各ルーメンがシャフトの中心軸からずれた位置に形成される場合、当該各ルーメンの配置精度が悪化する恐れがある。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みてなされたものであり、シャフトにおけるルーメンの配置精度を高められる拡張具等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の拡張具は、先端部にテーパ形状の孔拡張部が設けられるシャフトを備え、シャフト内には、ガイドワイヤが挿入される先端に開口を有する貫通ルーメンと、先端が閉塞されている非貫通ルーメンが設けられる。
【0007】
本態様では、ガイドワイヤが貫通可能な貫通ルーメンに加えて、先端が閉塞されている非貫通ルーメンがシャフト内に設けられる。貫通ルーメンがない位置に非貫通ルーメンを設けることで、貫通ルーメンの配置精度を高められる。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、これらの表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラム等に変換したものも、本開示に包含される。
【発明の効果】
【0009】
本開示の拡張具等によれば、シャフトにおけるルーメンの配置精度を高められる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】シャフトの先端部の中心軸を含む模式的な断面図である。
【
図3】シャフトの軸と直交する断面を模式的に示す。
【
図4】シャフトの軸と直交する断面を模式的に示す。
【
図5】ダイレータを使用した手技の一例としてのEUS-HGSの流れを示す。
【
図6】ダイレータを使用した手技の一例としてのEUS-HGSの流れを示す。
【
図7】ダイレータを使用した手技の一例としてのEUS-HGSの流れを示す。
【
図8】ダイレータを使用した手技の一例としてのEUS-HGSの流れを示す。
【
図9】ダイレータを使用した手技の一例としてのEUS-HGSの流れを示す。
【
図10】ダイレータを使用した手技の一例としてのEUS-HGSの流れを示す。
【
図11】シャフトの軸と直交する断面の変形例を模式的に示す。
【
図12】シャフトの軸と直交する断面の変形例を模式的に示す。
【
図13】シャフトの軸と直交する断面の変形例を模式的に示す。
【
図14】シャフトの軸と直交する断面の変形例を模式的に示す。
【
図15】シャフトの軸と直交する断面の変形例を模式的に示す。
【
図16】シャフトの軸と直交する断面の変形例を模式的に示す。
【
図17】シャフトの軸と直交する断面の変形例を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下では実施形態とも表す)について詳細に説明する。説明および/または図面においては、同一または同等の構成要素、部材、処理等に同一の符号を付して重複する説明を省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明の簡易化のために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施形態に記載される全ての特徴やそれらの組合せは、必ずしも本発明の本質的なものであるとは限らない。
【0012】
図1は、本開示の実施形態に係るダイレータ1の全体的な外観を模式的に示す。ダイレータ1は、例えば、消化器系内への一または複数のガイドワイヤの挿入を支援する拡張具である。後述するように、本実施形態に係るダイレータ1は、消化器系における消化管としての胃から肝内胆管内への一または複数のガイドワイヤの挿入を支援するが、本開示に係る拡張具は、血管を含む他の任意の器官内への一または複数のガイドワイヤの挿入を支援するものでもよい。
【0013】
なお、本実施形態において「ダイレータ」という名称は、便宜的かつ広義に使用され、医療分野において一般的に「ダイレータ」と呼ばれている医療器具を包含するが、これに限定されるものではない。後述するように、本実施形態に係るダイレータ1は、主に、ガイドワイヤの挿入箇所(孔)を拡張するという機能と、一または複数のガイドワイヤを通すという機能と、を有するが、これらの主要な機能を発揮しうる医療器具であれば、名称に関わらず本実施形態における「ダイレータ」に包含される。例えば、カニューラまたはカニューレと呼ばれる管状の医療器具も、以上の主要な機能を発揮する態様で使用される場合には、本実施形態における「ダイレータ」に包含される。
【0014】
ダイレータ1は、管状のシャフト2と、シャフト2の基端部に設けられるポート部3と、を備える。ダイレータ1が体内に挿入されている状態では、シャフト2の先端部2Dは体内にあり、ポート部3(およびシャフト2の基端部2P)は体外にある。
【0015】
シャフト2は、基端部2Pと先端部2Dの間で延在する管(チューブ)である。可撓性を有するシャフト2は、後述する内視鏡や管状の器官(本実施形態の例では胆管)の形状に応じて変形しながら(案内されながら)、それらの内壁に沿って円滑に移動できる。シャフト2の先端部2Dには、テーパ形状の孔拡張部21が設けられる(すなわち、孔拡張部21は先端部2Dの(先端側の)一部を構成する)。孔拡張部21は、先端部2Dの先端(すなわち、シャフト2全体またはダイレータ1全体の先端)に設けられ、基端側から先端側に向かって径またはサイズ(断面積)が漸減する。
【0016】
このように先端が尖った孔拡張部21は、ガイドワイヤの挿入孔(例えば、後述するように、胃と肝内胆管の間に穿刺針によって開けられた孔)に挿入されることで、当該挿入孔を拡張する。シャフト2の先端部2Dは、孔拡張部21によって拡張した挿入孔を通じて、その先の器官内(本実施形態の例では肝内胆管内)に進入できる。このように、孔拡張部21によって拡張した挿入孔の先の器官内に進入可能なシャフト2の部分を、先端部2Dと定義してもよい。
【0017】
後述するように、シャフト2の先端部2Dが挿入孔の先の器官内にある状態で、当該先端部2Dを通じて当該器官内に追加的なガイドワイヤ(第2ガイドワイヤ)が挿入されてもよい。更に、このような一または複数のガイドワイヤおよび孔拡張部21によって拡張された挿入孔を通じて、ステントやカテーテル等の他の医療器具を目的部位に効果的に案内できる。
【0018】
シャフト2の基端部2Pに連結されるポート部3は、後述する第1ガイドワイヤが挿入される第1ポート31と、後述する各種のワイヤ状部材や第2ガイドワイヤが挿入される第2ポート32と、を備える。後述するように、第1ポート31に挿入される第1ガイドワイヤは、当該第1ポート31と連通し、かつ、シャフト2内を基端部2Pから先端部2Dまで貫通する第1貫通ルーメンを通じて、当該先端部2Dに設けられる第1開口まで案内される。また、第2ポート32に挿入される各種のワイヤ状部材は、当該第2ポート32と連通し、かつ、シャフト2内を基端部2Pから先端部2Dまで延在する非貫通ルーメンを通じて、当該先端部2Dにおける当該非貫通ルーメンの閉塞端まで挿入可能である。あるいは、第2ポート32に挿入される第2ガイドワイヤは、当該第2ポート32と連通し、かつ、シャフト2内を基端部2Pから先端部2Dまで貫通する第2貫通ルーメンを通じて、当該先端部2Dに設けられる第2開口まで案内される。
【0019】
なお、後述するように、一または複数の貫通ルーメンに加えて、先端が閉塞されている一または複数の非貫通ルーメンがシャフト2内に設けられる場合であって、いずれかの非貫通ルーメンに形状調整部材、硬さ調整部材、造影部材等のガイドワイヤ以外の各種のワイヤ状部材または長尺の棒状部材が挿入される場合、当該各種ワイヤ状部材を非貫通ルーメン内に挿入するためのポートが、第1ポート31および第2ポート32に加えてポート部3に設けられてもよい。
【0020】
図2は、シャフト2の先端部2Dの中心軸(および、後述する貫通ルーメン41の中心軸)を含む模式的な断面図である。シャフト2の先端部2Dは、先端側が前述のテーパ形状の孔拡張部21となっており、基端側が略一定の径またはサイズ(断面積)の直管部22となっている。
【0021】
シャフト2内には、基端部2Pおよび先端部2Dの間に亘って、第1ガイドワイヤ51が挿入される第1貫通ルーメン41と、各種のワイヤ状部材が挿入されてもよい第1貫通ルーメン41と異なる非貫通ルーメン43Cと、が延在している。前述のように、第1貫通ルーメン41は、シャフト2の基端部2Pまで延びて第1ポート31と繋がっており、非貫通ルーメン43Cは、シャフト2の基端部2Pまで延びて第2ポート32と繋がっている。
【0022】
第1貫通ルーメン41は先端に第1開口411を有する。非貫通ルーメン43Cの先端は閉塞されている。第1貫通ルーメン41の第1開口411および非貫通ルーメン43Cの閉塞端は、シャフト2の先端部2Dに設けられている。図示の例では、第1開口411は、前述の孔拡張部21の先端(すなわち、先端部2Dまたはシャフト2全体の先端)に位置する。また、非貫通ルーメン43Cの閉塞端は、孔拡張部21の基端部(すなわち、孔拡張部21における直管部22との境界の近傍)またはそれより基端側の直管部22の好ましくは先端部に位置する。
【0023】
図示の例では、孔拡張部21の先端に位置する第1開口411は、シャフト2の延在方向(
図2における左右方向)に開口している。換言すれば、第1開口411の開口面の法線方向が、シャフト2の延在方向と実質的に一致している。このような構成によって、第1貫通ルーメン41内を通る第1ガイドワイヤ51は、孔拡張部21の先端に位置する第1開口411から、シャフト2の延在方向に沿ってダイレータ1外に出る。
【0024】
なお、第1ガイドワイヤ51および後述する第2ガイドワイヤのそれぞれの径(直径)は任意であるが、後述するように、穿刺針を通じて先に体内に挿入される第1ガイドワイヤ51の径を比較的小さく、ダイレータ1を通じて後に体内に挿入される第2ガイドワイヤの径を比較的大きくするのが好ましい。例えば、第1ガイドワイヤ51として、医療用として一般的な0.018インチの小径のガイドワイヤが使用され、第2ガイドワイヤとして、医療用として一般的な0.025インチの大径のガイドワイヤが使用される。なお、第1ガイドワイヤ51の径および第2ガイドワイヤの径は等しくてもよいし、第1ガイドワイヤ51の径が第2ガイドワイヤの径より大きくてもよい。
【0025】
図3は、
図2のA-A断面図であり、シャフト2(直管部22)の軸と直交する断面を模式的に示す。シャフト2は、例えば、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、オレフィン系樹脂等によって構成される。ガイドワイヤやステント等の挿入孔を拡張するというダイレータ1の主要な機能を発揮するために、シャフト2の構成材料は比較的高い硬さを有するのが好ましい。例えば、硬さを表すパラメータとしてのショアD硬度の好ましい範囲は50Dと95Dの間であり、より好ましい範囲は63Dと75Dの間であり、更に好ましい範囲は69Dと72Dの間である。
【0026】
シャフト2(直管部22)の軸と直交する断面は略円状であり、径(直径)は例えば2.45mmである。0.018インチ(約0.46mm)の径の第1ガイドワイヤ51が通る第1貫通ルーメン41と、各種のワイヤ状部材が通ってもよい非貫通ルーメン43Cは、第1ガイドワイヤ51または各種のワイヤ状部材が適切に通れる限り異なる任意の径を有していてもよいが、本図の例では同じ径(例えば、0.8mm)を有している。第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cは、シャフト2の中心軸(中心O)からずれた位置に設けられる。なお、
図2や後述する
図4に示されるように、非貫通ルーメン43Cの閉塞端より先端側の孔拡張部21では、シャフト2内に第1貫通ルーメン41のみが延在しており、その中心が
図3(A-A断面)に比べてシャフト2の中心軸(中心O)の近くに配置される。
【0027】
第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cは、シャフト2の軸と直交する断面において対称軸であるX軸に関して線対称に設けられる。具体的には、第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cは、X軸に関して線対称な位置に設けられる。ここで、第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cが共に略円状である図示の例では、それぞれの中心がX軸に関して線対称な位置に設けられる。なお、第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cの形状が異なる場合、それぞれの中心や重心等の対応する代表点がX軸に関して線対称な位置に設けられる(後述する他の線対称配置の例についても同様)。
【0028】
第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cは、シャフト2の軸と直交する断面において対称軸であるY軸に関して線対称に設けられる。具体的には、第1貫通ルーメン41はY軸に関して線対称な形状をしており、非貫通ルーメン43CはY軸に関して線対称な形状をしている。第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cが共に略円状である図示の例では、それぞれの中心をY軸が通る。
【0029】
ここで、Y軸は、シャフト2の中心O(中心軸)、略円状の第1貫通ルーメン41の中心(中心軸)、略円状の非貫通ルーメン43Cの中心(中心軸)を結ぶ直線である。換言すれば、シャフト2の中心O、第1貫通ルーメン41の中心、非貫通ルーメン43Cの中心は、Y軸上で一直線上に並ぶ。X軸は、シャフト2の軸と直交する断面において、Y軸と直交する直線である。また、第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cは、シャフト2の中心Oに関して点対称に設けられる。例えば、第1貫通ルーメン41の位置を時計の「0時(12時)」の位置とした場合、非貫通ルーメン43Cは「6時」の位置にある。
【0030】
なお、本実施形態では便宜的に線対称や点対称という語が使用されるが、実際のダイレータ1において、第1貫通ルーメン41や非貫通ルーメン43C等の各ルーメンが厳密な線対称位置(または線対称形状)および/または点対称位置に設けられることが要求されるものではない。例えば、各ルーメンは、所期の線対称位置および/または点対称位置から所定距離以内に配置されていればよい。具体的には、各ルーメンの所期の線対称位置および/または点対称位置からの距離が、当該各ルーメンの径の30%以内であればよく、20%以内であるのが好ましく、10%以内であるのが更に好ましい。
【0031】
以上のように対称配置されている第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cに加えて、「3時」および「9時」の位置に一対の同径の非貫通ルーメン43L、43Rが、シャフト2の中心軸(中心O)からずれた位置に設けられる。一対の同径の非貫通ルーメン43L、43Rは、第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cと共通の対称軸であるX軸およびY軸に関して線対称に設けられる。
【0032】
すなわち、非貫通ルーメン43LはX軸に関して線対称な形状をしており、非貫通ルーメン43RはX軸に関して線対称な形状をしている。また、非貫通ルーメン43L、43Rは、Y軸に関して線対称な位置に設けられる。シャフト2の中心O(中心軸)、略円状の非貫通ルーメン43L、43Rの中心(中心軸)は、X軸上で一直線上に並ぶ。また、非貫通ルーメン43L、43Rは、シャフト2の中心Oに関して点対称に設けられる。
【0033】
以上のように、第1貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43Cの間を埋めるように設けられる一対の非貫通ルーメン43L、43Rによって、第1貫通ルーメン41の配置精度が高められる。すなわち、非貫通ルーメン43C、43L、43Rによって、第1貫通ルーメン41の位置ずれが効果的に抑制される。また、非貫通ルーメン43C、43L、43Rの形状やサイズを調整することで、シャフト2の各部における肉厚を調整できるため、シャフト2に所望の柔軟性を付与できる。
【0034】
このように、非貫通ルーメン43C、43L、43Rは、形成されるだけで好ましい効果をもたらすため、内部には何も挿入されなくてもよい。そこで、各非貫通ルーメン43C、43L、43Rの先端は閉塞されており、第1開口411(第1貫通ルーメン41)のような開口を有しない。この場合、シャフト2の直管部22内では延在する各非貫通ルーメン43C、43L、43Rは、シャフト2の孔拡張部21の途中で径が零になって消失する。なお、各非貫通ルーメン43C、43L、43Rは、直管部22の好ましくは先端部において消失してもよい。
【0035】
図3のように貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43C、43L、43Rが存在または共存するシャフト2(直管部22)の軸と直交する断面を、第1方向としてのX軸方向に三等分し当該X軸方向に直交する第2方向としてのY軸方向に三等分することで、九つの矩形領域が形成される。これらの九つの矩形領域のうち、X軸方向の中央におけるY軸方向の両端(上端および下端)側の二つの矩形領域A1、A2およびY軸方向の中央におけるX軸方向の両端(右端および左端)側の二つの矩形領域A3、A4の四つの矩形領域A1~A4のそれぞれに、貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43C、43L、43Rの少なくともいずれかの少なくとも一部が含まれる。図示の例では、矩形領域A1に貫通ルーメン41の一部が含まれ、矩形領域A2に非貫通ルーメン43Cの一部が含まれ、矩形領域A3に非貫通ルーメン43Rの一部が含まれ、矩形領域A4に非貫通ルーメン43Lの一部が含まれる。このように、各ルーメンの配置精度に対する影響が比較的大きい四つの矩形領域A1~A4に、当該各ルーメンをバランス良く配置することで効果的に配置精度が高められる。
【0036】
図4は、
図2のB-B断面図であり、各非貫通ルーメン43C、43L、43Rが消失した箇所より先端側のシャフト2(孔拡張部21)の軸と直交する断面を模式的に示す。この断面に存在するルーメンは第1貫通ルーメン41のみであり、径または断面積が零になって消失した各非貫通ルーメン43C、43L、43Rは存在しない。
【0037】
以上のように、シャフト2の直管部22内では直管状に延在する各非貫通ルーメン43C、43L、43Rが、シャフト2のテーパ形状の孔拡張部21の途中で消失する過程において、各非貫通ルーメン43C、43L、43Rの断面積は、孔拡張部21の途中で閉塞されている先端に向かって漸減する。例えば、
図3(直管部22)における各非貫通ルーメン43C、43L、43Rの断面積を「100」とした場合、それが
図4(孔拡張部21)における「0」に至るまで徐々に小さくなる。
【0038】
このように各非貫通ルーメン43C、43L、43Rの先端を孔拡張部21内で閉塞する処理は、当該孔拡張部21を熱によってテーパ形状に形成する過程で一挙に行われうる。すなわち、直管状の孔拡張部21(不図示)を加熱してテーパ形状に形成する際に、その内部の各非貫通ルーメン43C、43L、43Rが熱の影響を受けながら自然に埋まる(先端に向かって断面積が漸減し、最終的には「0」になって閉塞される)。なお、熱による成形を伴わずに最終的な形状をそのまま造形可能な三次元造形(3Dプリンティング)によってシャフト2が形成される場合、各非貫通ルーメン43C、43L、43Rの断面積が閉塞される先端まで略一定とされてもよい(すなわち、先端に向かって断面積が漸減しない)。
【0039】
少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rには、ガイドワイヤ以外の各種ワイヤ状部材が挿入されてもよい。例えば、少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rには、所定の延在形状を有する形状調整部材が挿入されてもよい。具体的には、曲がった延在形状の形状調整部材を少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rに挿入することで、内視鏡や管状の器官等に挿入しやすくするための所望の曲がった形状をシャフト2またはダイレータ1全体に付与できる。異なる延在形状を有する複数の形状調整部材を予め用意しておき、ダイレータ1の挿入対象に応じて最適な延在形状の形状調整部材を少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rに挿入してもよい。ダイレータ1が体内に挿入された状態で、複数の形状調整部材が入れ替えられてもよい。複数の形状調整部材の入れ替えのためにダイレータ1を体外に抜去する必要がないため、患者の負担軽減と手技時間の短縮に繋がる。
【0040】
また、少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rには、シャフト2またはダイレータ1の硬さを調整するための硬さ調整部材が挿入されてもよい。例えば、好ましくはシャフト2の構成材料より硬い材料によって構成される硬さ調整部材を少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rに挿入することで、シャフト2またはダイレータ1の実質的な硬さを高められる。一方、硬さ調整部材をいずれの非貫通ルーメン43C、43L、43Rにも挿入しないことで、シャフト2またはダイレータ1の柔軟性を高められる。このように、シャフト2の構成材料を変えることなく、少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rへの硬さ調整部材の挿入有無や、非貫通ルーメン43C、43L、43R自体の径またはサイズの設計によって、シャフト2またはダイレータ1の実質的な硬さを調整できる。
【0041】
例えば、孔拡張部21によってガイドワイヤの挿入孔を拡張する際には、シャフト2またはダイレータ1の硬さを高めるために、硬さ調整部材が少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rに挿入されてもよい。また、孔拡張部21によってガイドワイヤの挿入孔が拡張された後には、シャフト2またはダイレータ1のデリバリ性を高めるために、少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rに挿入された硬さ調整部材が抜去されてもよい。異なる硬さを有する複数の硬さ調整部材を予め用意しておき、ダイレータ1の挿入対象に応じて最適な硬さの硬さ調整部材を少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rに挿入してもよい。ダイレータ1が体内に挿入された状態で、複数の硬さ調整部材が入れ替えられてもよい。複数の硬さ調整部材の入れ替えのためにダイレータ1を体外に抜去する必要がないため、患者の負担軽減と手技時間の短縮に繋がる。
【0042】
更に、少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rには、造影性を有する造影部材が挿入されてもよい。例えば、少なくとも先端部において造影性を有する造影部材を少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rに挿入することで、シャフト2の先端部2D(特に、孔拡張部21)に造影性を付与できる。造影性の異なる複数の造影部材を予め用意しておき、ダイレータ1の挿入対象または造影対象に応じて最適な造影性を有する造影部材を少なくともいずれかの非貫通ルーメン43C、43L、43Rに挿入してもよい。例えば、造影部の長さが異なる造影部材を複数用意しておくことで、ダイレータ1の任意の挿入量を的確に把握できる。ダイレータ1が体内に挿入された状態で、複数の造影部材が入れ替えられてもよい。複数の造影部材の入れ替えのためにダイレータ1を体外に抜去する必要がないため、患者の負担軽減と手技時間の短縮に繋がる。
【0043】
ここで、造影性とは、X線撮影、核磁気共鳴画像法(MRI: Magnetic Resonance Imaging)、コンピュータ断層撮影(CT: Computed Tomography)等の任意の医療用の画像構成技術によって構成される画像において、他の物と識別可能な態様で可視化される性質を意味する。例えば、X線撮影における造影性を造影部材に付与するためには、X線を遮蔽するヨウ素化合物、バリウム化合物、ビスマス化合物、ガドリニウム化合物、金、白金イリジウム合金、タングステン等を造影部材の構成材料に混ぜればよい。このような造影性は、特に、シャフト2全体の先端に位置する孔拡張部21を所望の箇所(例えば、前述の挿入孔)に導く際に有用である。
【0044】
続いて、以上のような構成を有するダイレータ1を使用した手技の一例として、EUS-HGS(EUS-hepaticogastrostomy:超音波内視鏡胃胆管吻合)の流れを示す。EUS-HGSは、超音波内視鏡(endoscopic ultrasound)を使用して、胃と肝内胆管を接続する瘻孔を形成した上でステントを留置する手技である。本実施例では、後述する
図12に示されるような二つの貫通ルーメン41、42を備えるダイレータ1が使用される。第1貫通ルーメン41には第1ガイドワイヤ51が挿入され、第2貫通ルーメン42には第2ガイドワイヤ52が挿入される。
【0045】
図5では、消化管としての胃Gに挿入された超音波内視鏡7の先端部から穿刺針71が送り出されている。穿刺針71は、胃Gと肝内胆管Hを接続する瘻孔を開ける。そして、0.018インチの径の第1ガイドワイヤ51が、穿刺針71を通じて肝内胆管H内に挿入される。その後、
図6に示されるように穿刺針71が抜去される。この状態では、超音波内視鏡7の先端部から送り出された第1ガイドワイヤ51が、胃Gに開けられた瘻孔を通じて肝内胆管H内まで延びている。
【0046】
図7では、ダイレータ1のシャフト2が、超音波内視鏡7経由で胃Gの内部(体内)に挿入される。シャフト2は、その第1貫通ルーメン41内を既存の第1ガイドワイヤ51が通るように、当該第1ガイドワイヤ51の体外の基端(不図示)から挿入される。換言すれば、シャフト2は、既存の第1ガイドワイヤ51(および超音波内視鏡7)によって案内されて胃Gの内部に入り、更にはダイレータ1による拡張対象である胃Gに開けられた瘻孔に導かれる。そして、ダイレータ1の先端部に設けられたテーパ形状の孔拡張部21が、瘻孔内に進入することによって当該瘻孔が拡張される。少なくともいずれかの非貫通ルーメン43L、43Rに挿入された造影部材によって、シャフト2の少なくとも孔拡張部21(先端部2D)に造影性が付与されている場合、X線撮影等によって当該孔拡張部21を造影または視認しながら、被拡張部としての瘻孔に効果的に挿入できる。
【0047】
図8では、シャフト2の先端部2Dが、孔拡張部21によって拡張した瘻孔を通じて肝内胆管H内に進入している。この状態で、シャフト2の第2貫通ルーメン42の体外の基端(不図示)から、第2ガイドワイヤ52が挿入される。第2ガイドワイヤ52は、第2貫通ルーメン42によって案内されて、その先端の第2開口421から肝内胆管Hの内部に導かれる。少なくともいずれかの非貫通ルーメン43L、43Rに挿入された造影部材によって、シャフト2の少なくとも第2開口421に造影性が付与されている場合、X線撮影等によって当該第2開口421から第2ガイドワイヤ52が出る位置を造影または視認しながら、肝内胆管H内の適切な位置で第2ガイドワイヤ52を導入できる。
【0048】
その後、
図9に示されるようにシャフト2が抜去される。この状態では、超音波内視鏡7の先端部から送り出された第1ガイドワイヤ51および第2ガイドワイヤ52が、胃Gに開けられた瘻孔を通じて肝内胆管H内まで延びている。続く
図10では、ステント8が、超音波内視鏡7および既存の二本のガイドワイヤ51、52を通じて、目的部位である胃Gと肝内胆管Hを接続する瘻孔まで導かれる。
【0049】
瘻孔がダイレータ1(孔拡張部21)によって拡張されているため、収縮状態のステント8(不図示)を円滑に瘻孔内に挿入できる。瘻孔内に挿入されたステント8の先端部が肝内胆管H内にあり基端部が胃G内にある状態で、図示のようにステント8を拡張させることによって、胃Gと肝内胆管Hがステント8によって接続される。その後、二本のガイドワイヤ51、52および超音波内視鏡7が体外に抜去されることで、ステント8のみが体内に留置される(不図示)。
【0050】
図9において、二本のガイドワイヤ51、52のうち一方のガイドワイヤがステント8から抜けてしまった場合でも、セーフティワイヤとして機能する他方のガイドワイヤを使用して手技を継続できる。このため、胃への再穿刺を伴う手技のやり直しを回避できる。胃への再穿刺は、胃から腹腔に落ちる胃酸の量の増加に繋がるため、腹膜炎等の合併症を引き起こしうる。従って、複数のガイドワイヤ51、52によって手技の安定性を高めた本実施形態によれば、合併症のリスクを最小限に抑えられる。
【0051】
以上、本開示を実施形態に基づいて説明した。例示としての実施形態における各構成要素や各処理の組合せには様々な変形例が可能であり、そのような変形例が本開示の範囲に含まれることは当業者にとって自明である。
【0052】
図3において、シャフト2(直管部22)の軸と直交する断面における一つの貫通ルーメン41および三つの非貫通ルーメン43C、43L、43Rの配置の一例を示したが、本開示では少なくとも一つの貫通ルーメンと少なくとも一つの非貫通ルーメンがシャフト内に設けられればよく、
図3の変形例としての
図11~
図17に示されるような形状および/または配置が採用されてもよい。
図11~
図17において
図3と同様の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、
図11~
図13では、貫通ルーメンおよび/または非貫通ルーメンの様々な対称配置が例示されるが、本開示における貫通ルーメンおよび非貫通ルーメンの配置は任意であり、貫通ルーメンおよび/または非貫通ルーメンは非対称(すなわち、線対称でもなく点対称でもない)に配置されてもよい。
【0053】
図11では、一つのガイドワイヤ51が挿入される一つの貫通ルーメン41と、先端が閉塞されている五つの非貫通ルーメン43が、シャフト2(直管部22)内に設けられる。これらの貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43は、シャフト2の中心軸からずれた位置に設けられる。
【0054】
一つの貫通ルーメン41の断面は略円状であり、シャフト2の軸と直交する断面において対称軸であるY軸に関して線対称に設けられる。すなわち、貫通ルーメン41はY軸に関して線対称な形状をしている。五つの非貫通ルーメン43の断面は略同径の略円状であり、貫通ルーメン41と共通の対称軸であるY軸に関して線対称に設けられる。すなわち、五つの非貫通ルーメン43のうち中央の一つの非貫通ルーメン43は、Y軸に関して線対称な形状をしており、残りの四つの非貫通ルーメン43は、Y軸に関して線対称な位置に設けられる。五つの非貫通ルーメン43は、Y軸方向における一方側(
図11における上側)において、貫通ルーメン41の外周を囲むように配置されている。
【0055】
このように、貫通ルーメン41が設けられないシャフト2の領域(
図11における上方の領域)を埋めるように対称的に配置される五つの非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41の配置精度が高められる。すなわち、非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41の位置ずれが効果的に抑制される。また、各非貫通ルーメン43の形状やサイズを調整することで、シャフト2の各部における肉厚を調整できるため、シャフト2に所望の柔軟性を付与できる。
【0056】
図11のように貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43が存在または共存するシャフト2(直管部22)の軸と直交する断面を、X軸方向に三等分しY軸方向に三等分することで、九つの矩形領域が形成される。これらの九つの矩形領域のうち、X軸方向の中央におけるY軸方向の両端(上端および下端)側の二つの矩形領域A1、A2およびY軸方向の中央におけるX軸方向の両端(右端および左端)側の二つの矩形領域A3、A4の四つの矩形領域A1~A4のそれぞれに、貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の少なくともいずれかの少なくとも一部が含まれる。図示の例では、矩形領域A1に非貫通ルーメン43の一部が含まれ、矩形領域A2に貫通ルーメン41の一部が含まれ、矩形領域A3に非貫通ルーメン43の一部が含まれ、矩形領域A4に非貫通ルーメン43の一部が含まれる。このように、各ルーメンの配置精度に対する影響が比較的大きい四つの矩形領域A1~A4に、当該各ルーメンをバランス良く配置することで効果的に配置精度が高められる。
【0057】
図12では、二つのガイドワイヤ51、52が挿入される二つの貫通ルーメン41、42と、先端が閉塞されている二つの非貫通ルーメン43L、43Rが、シャフト2(直管部22)内に設けられる。これらの貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43L、43Rは、シャフト2の中心軸(中心O)からずれた位置に設けられる。
【0058】
二つの貫通ルーメン41、42の断面はX軸方向に長尺の略楕円状であり、シャフト2の軸と直交する断面において対称軸であるX軸およびY軸に関して線対称に設けられる。すなわち、貫通ルーメン41、42はX軸に関して線対称な位置に設けられる。また、貫通ルーメン41、42は、それぞれ、Y軸に関して線対称な形状をしている。二つの貫通ルーメン41、42は、シャフト2の中心Oに関して点対称に設けられる。二つの非貫通ルーメン43L、43Rの断面は略同径の略円状であり、貫通ルーメン41、42と共通の対称軸であるX軸およびY軸に関して線対称に設けられる。すなわち、非貫通ルーメン43L、43Rは、それぞれ、X軸に関して線対称な形状をしている。また、非貫通ルーメン43L、43RはY軸に関して線対称な位置に設けられる。非貫通ルーメン43L、43Rは、シャフト2の中心Oに関して点対称に設けられる。
【0059】
二つの非貫通ルーメン43L、43Rは、X軸方向における両側(
図12における左右側)において、二つの貫通ルーメン41、42が設けられないシャフト2の領域を埋めるように対称的に配置されている。このような非貫通ルーメン43L、43Rによって、貫通ルーメン41、42の配置精度が高められる。すなわち、非貫通ルーメン43L、43Rによって、各貫通ルーメン41、42の位置ずれが効果的に抑制される。また、各非貫通ルーメン43L、43Rの形状やサイズを調整することで、シャフト2の各部における肉厚を調整できるため、シャフト2に所望の柔軟性を付与できる。
【0060】
図12のように貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43L、43Rが存在または共存するシャフト2(直管部22)の軸と直交する断面を、X軸方向に三等分しY軸方向に三等分することで、九つの矩形領域が形成される。これらの九つの矩形領域のうち、X軸方向の中央におけるY軸方向の両端(上端および下端)側の二つの矩形領域A1、A2およびY軸方向の中央におけるX軸方向の両端(右端および左端)側の二つの矩形領域A3、A4の四つの矩形領域A1~A4のそれぞれに、貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43L、43Rの少なくともいずれかの少なくとも一部が含まれる。図示の例では、矩形領域A1に貫通ルーメン41の一部が含まれ、矩形領域A2に貫通ルーメン42の一部が含まれ、矩形領域A3に貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43Rの一部が含まれ、矩形領域A4に貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43Lの一部が含まれる。このように、各ルーメンの配置精度に対する影響が比較的大きい四つの矩形領域A1~A4に、当該各ルーメンをバランス良く配置することで効果的に配置精度が高められる。
【0061】
図13では、一つのガイドワイヤ51が挿入される一つの貫通ルーメン41と、先端が閉塞されている一つの非貫通ルーメン43が、シャフト2(直管部22)内に設けられる。これらの貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43は、シャフト2の中心軸からずれた位置に設けられる。
【0062】
一つの貫通ルーメン41の断面は略円状であり、シャフト2の軸と直交する断面において対称軸であるY軸に関して線対称に設けられる。すなわち、貫通ルーメン41はY軸に関して線対称な形状をしている。一つの非貫通ルーメン43の断面は略円弧状であり、貫通ルーメン41と共通の対称軸であるY軸に関して線対称に設けられる。すなわち、非貫通ルーメン43はY軸に関して線対称な形状をしている。一つの非貫通ルーメン43は、Y軸方向における一方側(
図13における上側)において、貫通ルーメン41の外周を囲むように配置されている。
【0063】
このように、貫通ルーメン41が設けられないシャフト2の領域(
図13における上方の領域)を埋めるように配置される一つの非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41の配置精度が高められる。すなわち、非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41の位置ずれが効果的に抑制される。また、非貫通ルーメン43の形状やサイズを調整することで、シャフト2の各部における肉厚を調整できるため、シャフト2に所望の柔軟性を付与できる。
【0064】
図13のように貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43が存在または共存するシャフト2(直管部22)の軸と直交する断面を、X軸方向に三等分しY軸方向に三等分することで、九つの矩形領域が形成される。これらの九つの矩形領域のうち、X軸方向の中央におけるY軸方向の両端(上端および下端)側の二つの矩形領域A1、A2およびY軸方向の中央におけるX軸方向の両端(右端および左端)側の二つの矩形領域A3、A4の四つの矩形領域A1~A4のそれぞれに、貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の少なくともいずれかの少なくとも一部が含まれる。図示の例では、矩形領域A1に非貫通ルーメン43の一部が含まれ、矩形領域A2に貫通ルーメン41の一部が含まれ、矩形領域A3に貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の一部が含まれ、矩形領域A4に貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の一部が含まれる。このように、各ルーメンの配置精度に対する影響が比較的大きい四つの矩形領域A1~A4に、当該各ルーメンをバランス良く配置することで効果的に配置精度が高められる。
【0065】
図14~
図17は、
図3の更なる変形例を示す。これらの図において、41および42は、ガイドワイヤ(図示省略)が挿入される貫通ルーメンであり、43は、先端が閉塞されている非貫通ルーメンである。これらの図に示されるように、貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43のそれぞれの数は任意である(但し、1以上)。また、貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43のそれぞれの、シャフト2(直管部22)の軸と直交する断面における形状や配置も任意である。特に、これらの図のいくつかに模式的に示されるように、貫通ルーメン41、42および/または非貫通ルーメン43は非対称(すなわち、線対称でもなく点対称でもない)に配置されてもよい。
【0066】
図14では、一つのガイドワイヤ51が挿入される一つの貫通ルーメン41と、先端が閉塞されている三つの非貫通ルーメン43が、シャフト2(直管部22)内に設けられる。これらの貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43は、シャフト2の中心軸からずれた位置に設けられる。
【0067】
一つの貫通ルーメン41の断面は略円状であり、シャフト2の軸と直交する断面においてX軸およびY軸(いずれも不図示)に関して非対称に設けられる。三つの非貫通ルーメン43の断面は略同径の略円状であり、シャフト2の軸と直交する断面においてX軸およびY軸に関して非対称に設けられる。三つの非貫通ルーメン43は、Y軸方向における一方側(
図14における上側)において、貫通ルーメン41の外周を囲むように配置されている。
【0068】
このように、貫通ルーメン41が設けられないシャフト2の領域(
図14における上方の領域)を埋めるように配置される三つの非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41の配置精度が高められる。すなわち、非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41の位置ずれが効果的に抑制される。また、各非貫通ルーメン43の形状やサイズを調整することで、シャフト2の各部における肉厚を調整できるため、シャフト2に所望の柔軟性を付与できる。
【0069】
図14のように貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43が存在または共存するシャフト2(直管部22)の軸と直交する断面を、X軸方向に三等分しY軸方向に三等分することで、九つの矩形領域が形成される。これらの九つの矩形領域のうち、X軸方向の中央におけるY軸方向の両端(上端および下端)側の二つの矩形領域A1、A2およびY軸方向の中央におけるX軸方向の両端(右端および左端)側の二つの矩形領域A3、A4の四つの矩形領域A1~A4のそれぞれに、貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の少なくともいずれかの少なくとも一部が含まれる。図示の例では、矩形領域A1に非貫通ルーメン43の一部が含まれ、矩形領域A2に貫通ルーメン41の一部が含まれ、矩形領域A3に非貫通ルーメン43の一部が含まれ、矩形領域A4に非貫通ルーメン43の一部が含まれる。このように、各ルーメンの配置精度に対する影響が比較的大きい四つの矩形領域A1~A4に、当該各ルーメンをバランス良く配置することで効果的に配置精度が高められる。
【0070】
図15では、一つのガイドワイヤ51が挿入される一つの貫通ルーメン41と、先端が閉塞されている二つの非貫通ルーメン43が、シャフト2(直管部22)内に設けられる。これらの貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43は、シャフト2の中心軸からずれた位置に設けられる。
【0071】
一つの貫通ルーメン41の断面は略円状であり、シャフト2の軸と直交する断面においてX軸およびY軸(いずれも不図示)に関して非対称に設けられる。一方(右側)の非貫通ルーメン43の断面は略楕円状であり、他方(左側)の非貫通ルーメン43の断面は略円状である。二つの非貫通ルーメン43は、シャフト2の軸と直交する断面においてX軸およびY軸に関して非対称に設けられる。二つの非貫通ルーメン43は、Y軸方向における一方側(
図15における上側)において、貫通ルーメン41の外周を囲むように配置されている。
【0072】
このように、貫通ルーメン41が設けられないシャフト2の領域(
図15における上方の領域)を埋めるように配置される二つの非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41の配置精度が高められる。すなわち、非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41の位置ずれが効果的に抑制される。また、各非貫通ルーメン43の形状やサイズを調整することで、シャフト2の各部における肉厚を調整できるため、シャフト2に所望の柔軟性を付与できる。
【0073】
図15のように貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43が存在または共存するシャフト2(直管部22)の軸と直交する断面を、X軸方向に三等分しY軸方向に三等分することで、九つの矩形領域が形成される。これらの九つの矩形領域のうち、X軸方向の中央におけるY軸方向の両端(上端および下端)側の二つの矩形領域A1、A2およびY軸方向の中央におけるX軸方向の両端(右端および左端)側の二つの矩形領域A3、A4の四つの矩形領域A1~A4のそれぞれに、貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の少なくともいずれかの少なくとも一部が含まれる。図示の例では、矩形領域A1に二つの非貫通ルーメン43の一部が含まれ、矩形領域A2に貫通ルーメン41の一部が含まれ、矩形領域A3に貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の一部が含まれ、矩形領域A4に貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の一部が含まれる。このように、各ルーメンの配置精度に対する影響が比較的大きい四つの矩形領域A1~A4に、当該各ルーメンをバランス良く配置することで効果的に配置精度が高められる。
【0074】
図16では、二つのガイドワイヤ51、52が挿入される二つの貫通ルーメン41、42と、先端が閉塞されている二つの非貫通ルーメン43が、シャフト2(直管部22)内に設けられる。これらの貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43は、シャフト2の中心軸からずれた位置に設けられる。
【0075】
二つの貫通ルーメン41、42の断面は略円状であり、シャフト2の軸と直交する断面において、X軸に関して非対称に設けられ、Y軸に関して線対称に設けられる。すなわち、二つの貫通ルーメン41、42は、X軸に関して非対称な位置に設けられる。また、二つの貫通ルーメン41、42は、それぞれ、Y軸に関して線対称な形状をしている。二つの非貫通ルーメン43の断面は略円状であり、シャフト2の軸と直交する断面において、X軸に関して非対称に設けられ、Y軸に関して線対称に設けられる。すなわち、二つの非貫通ルーメン43は、それぞれ、X軸に関して線対称な形状をしている。また、二つの非貫通ルーメン43は、Y軸に関して線対称な位置に設けられる。二つの非貫通ルーメン43は、X軸方向における両側(
図16における左右側)において、貫通ルーメン41、42の外周に配置されている。
【0076】
このように、貫通ルーメン41、42が設けられないシャフト2の領域(
図16における左右の領域)を埋めるように配置される二つの非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41、42の配置精度が高められる。すなわち、非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41、42の位置ずれが効果的に抑制される。また、各非貫通ルーメン43の形状やサイズを調整することで、シャフト2の各部における肉厚を調整できるため、シャフト2に所望の柔軟性を付与できる。
【0077】
図16のように貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43が存在または共存するシャフト2(直管部22)の軸と直交する断面を、X軸方向に三等分しY軸方向に三等分することで、九つの矩形領域が形成される。これらの九つの矩形領域のうち、X軸方向の中央におけるY軸方向の両端(上端および下端)側の二つの矩形領域A1、A2およびY軸方向の中央におけるX軸方向の両端(右端および左端)側の二つの矩形領域A3、A4の四つの矩形領域A1~A4のそれぞれに、貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43の少なくともいずれかの少なくとも一部が含まれる。図示の例では、矩形領域A1に二つの貫通ルーメン41の一部が含まれ、矩形領域A2に貫通ルーメン42の一部が含まれ、矩形領域A3に貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の一部が含まれ、矩形領域A4に貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の一部が含まれる。このように、各ルーメンの配置精度に対する影響が比較的大きい四つの矩形領域A1~A4に、当該各ルーメンをバランス良く配置することで効果的に配置精度が高められる。
【0078】
図17では、二つのガイドワイヤ51、52が挿入される二つの貫通ルーメン41、42と、先端が閉塞されている一つの非貫通ルーメン43が、シャフト2(直管部22)内に設けられる。これらの貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43は、シャフト2の中心軸からずれた位置に設けられる。
【0079】
二つの貫通ルーメン41、42の断面は略円状であり、シャフト2の軸と直交する断面においてX軸およびY軸(いずれも不図示)に関して非対称に設けられる。一つの非貫通ルーメン43の断面は略円状であり、シャフト2の軸と直交する断面においてX軸およびY軸に関して非対称に設けられる。一つの非貫通ルーメン43は、貫通ルーメン41、42の外周(
図17における左上側)に配置されている。
【0080】
このように、貫通ルーメン41、42が設けられないシャフト2の領域(
図17における左上の領域)を埋めるように配置される一つの非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41、42の配置精度が高められる。すなわち、非貫通ルーメン43によって、貫通ルーメン41、42の位置ずれが効果的に抑制される。また、非貫通ルーメン43の形状やサイズを調整することで、シャフト2の各部における肉厚を調整できるため、シャフト2に所望の柔軟性を付与できる。
【0081】
図17のように貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43が存在または共存するシャフト2(直管部22)の軸と直交する断面を、X軸方向に三等分しY軸方向に三等分することで、九つの矩形領域が形成される。これらの九つの矩形領域のうち、X軸方向の中央におけるY軸方向の両端(上端および下端)側の二つの矩形領域A1、A2およびY軸方向の中央におけるX軸方向の両端(右端および左端)側の二つの矩形領域A3、A4の四つの矩形領域A1~A4のそれぞれに、貫通ルーメン41、42および非貫通ルーメン43の少なくともいずれかの少なくとも一部が含まれる。図示の例では、矩形領域A1に貫通ルーメン41および非貫通ルーメン43の一部が含まれ、矩形領域A2に貫通ルーメン42の一部が含まれ、矩形領域A3に貫通ルーメン41の一部が含まれ、矩形領域A4に非貫通ルーメン43の一部が含まれる。このように、各ルーメンの配置精度に対する影響が比較的大きい四つの矩形領域A1~A4に、当該各ルーメンをバランス良く配置することで効果的に配置精度が高められる。
【0082】
なお、実施形態で説明した各装置や各方法の構成、作用、機能は、ハードウェア資源またはソフトウェア資源によって、あるいは、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働によって実現できる。ハードウェア資源としては、例えば、プロセッサ、ROM、RAM、各種の集積回路を利用できる。ソフトウェア資源としては、例えば、オペレーティングシステム、アプリケーション等のプログラムを利用できる。
【符号の説明】
【0083】
1 ダイレータ、2 シャフト、2D 先端部、2P 基端部、21 孔拡張部、22 直管部、41 第1貫通ルーメン、42 第2貫通ルーメン、43、43L、43R 非貫通ルーメン、51 第1ガイドワイヤ、52 第2ガイドワイヤ、411 第1開口、421 第2開口。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部にテーパ形状の孔拡張部が設けられるシャフトを備え、
前記シャフト内には、ガイドワイヤが挿入される先端に開口を有する貫通ルーメンと、先端が閉塞されている非貫通ルーメンが設けられ、
前記貫通ルーメンおよび前記非貫通ルーメンは、それぞれ、前記シャフトの軸と直交する断面において共通の対称軸に関して線対称な位置および形状で配置される、
拡張具。
【請求項2】
前記貫通ルーメンおよび前記非貫通ルーメンは、前記シャフトの中心軸からずれた位置に設けられる、請求項1に記載の拡張具。
【請求項3】
前記貫通ルーメンは、前記シャフトの軸と直交する断面において前記対称軸に関して線対称に複数設けられる、請求項2に記載の拡張具。
【請求項4】
前記非貫通ルーメンは、前記シャフトの軸と直交する断面において前記対称軸に関して線対称に複数設けられる、請求項2に記載の拡張具。
【請求項5】
前記非貫通ルーメンの断面積は、閉塞されている前記先端に向かって漸減する、請求項1から4のいずれかに記載の拡張具。
【請求項6】
前記非貫通ルーメンには、造影性を有する造影部材が挿入される、請求項1から4のいずれかに記載の拡張具。
【請求項7】
前記貫通ルーメンおよび前記非貫通ルーメンが存在する前記シャフトの軸と直交する断面を、第1方向に三等分し当該第1方向に直交する第2方向に三等分することで形成される九つの領域のうち、前記第1方向の中央における前記第2方向の両端側の二つの領域および前記第2方向の中央における前記第1方向の両端側の二つの領域の四つの領域のそれぞれに、前記貫通ルーメンおよび前記非貫通ルーメンの少なくともいずれかの少なくとも一部が含まれる、請求項1から4のいずれかに記載の拡張具。
【請求項8】
先端部にテーパ形状の孔拡張部が設けられるシャフトを備え、
前記シャフト内には、ガイドワイヤが挿入される先端に開口を有する貫通ルーメンと、当該シャフトの基端部から先端部まで延在し、少なくとも当該基端部以外が閉塞されている非貫通ルーメンが設けられる、
拡張具。
【請求項9】
先端部にテーパ形状の孔拡張部が設けられるシャフトを備え、
前記シャフト内には、ガイドワイヤが挿入される先端に開口を有する貫通ルーメンと、先端が閉塞されている非貫通ルーメンが設けられ、
前記非貫通ルーメンの内部には物が挿入不可能である、
拡張具。