(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145855
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F3/12 378
G06F3/12 304
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058396
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 愛子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 涼子
(72)【発明者】
【氏名】野瀬 哲也
(72)【発明者】
【氏名】坂 涼司
(72)【発明者】
【氏名】山田 純
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 冬湖
(57)【要約】
【課題】ラベルデータに含まれるコンテンツごとに印刷に適した印刷条件での印刷が期待できる技術を実現すること。
【解決手段】ラベルプリンタ11と接続可能な端末12によって実行可能なクライアントアプリ13は、端末12に、所定のコンテンツに対応する印刷条件をラベル管理サーバ22から取得させ、取得された印刷条件を所定のコンテンツと関連付けて端末12に保存させることが可能である。ラベル管理サーバ22には、ラベルデータに含むことが可能なコンテンツごとに印刷条件を登録することが可能であり、ラベル管理サーバ22は、端末12から所定のコンテンツに関連する要求があった場合に、所定のコンテンツに対応する印刷条件を、端末12に応答する。クライアントアプリ13は、端末12に、印刷条件が保存されている所定のコンテンツを利用する場合、保存されている印刷条件を満たすように調整させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルプリンタと接続可能な情報処理装置によって実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置のコンピュータに、
所定のコンテンツに対応する印刷条件をサーバから取得する取得処理と、
前記取得処理にて取得された前記印刷条件を前記所定のコンテンツと関連付けて保存する保存処理と、
を実行させることが可能であり、前記サーバには、ラベルデータに含むことが可能なコンテンツごとに印刷条件を登録することが可能であり、前記サーバは、前記情報処理装置から前記所定のコンテンツに関連する要求があった場合に、前記所定のコンテンツに対応する前記印刷条件を、前記情報処理装置に応答することが可能であり、
さらに前記情報処理装置の前記コンピュータに、
前記印刷条件が保存されている前記所定のコンテンツを利用する場合、保存されている前記印刷条件を満たすように調整する調整処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記印刷条件には、印刷媒体に関する媒体条件が含まれ、
前記調整処理では、
前記印刷条件として前記媒体条件が保存されている前記所定のコンテンツを利用する場合、保存されている前記媒体条件を満たすように、前記ラベルデータに含まれる印刷媒体の設定を調整する、
ように構成されるプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記印刷条件には、印刷設定のパラメータに関する印刷パラメータ条件が含まれ、
前記調整処理では、
前記印刷条件として前記印刷パラメータ条件が保存されている前記所定のコンテンツを利用する場合、保存されている前記印刷パラメータ条件を満たすように、印刷設定のパラメータを調整する、
ように構成されるプログラム。
【請求項4】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記印刷条件には、前記所定のコンテンツ自身に関する自己条件が含まれ、
前記調整処理では、
前記印刷条件として前記自己条件が保存されている前記所定のコンテンツを利用する場合、保存されている前記自己条件を満たすように、前記所定のコンテンツの設定を調整する、
ように構成されるプログラム。
【請求項5】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記情報処理装置の前記コンピュータに、
ラベルデータの印刷指示を受け付ける印刷受付処理を実行させ、
前記印刷指示を受け付けた場合に、印刷対象となる前記ラベルデータに含まれるコンテンツに対応する前記印刷条件が保存されているか否かを判断させ、前記印刷条件が設定されていると判断された場合に、前記調整処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項6】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記情報処理装置の前記コンピュータに、
ラベルデータの編集指示を受け付ける編集受付処理を実行させ、
前記編集指示を受け付けた場合に、編集対象となる前記ラベルデータに含まれるコンテンツに対応する前記印刷条件が保存されているか否かを判断させ、前記印刷条件が設定されていると判断された場合に、前記調整処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項7】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記情報処理装置の前記コンピュータに、
前記所定のコンテンツに関するダウンロード要求を前記サーバに送信し、前記ダウンロード要求に応じて前記サーバから送信される前記所定のコンテンツを受信するコンテンツダウンロード処理を実行させ、前記サーバは、前記情報処理装置から前記ダウンロード要求を受信した場合に、前記所定のコンテンツに対応する前記印刷条件と関連付けて、前記所定のコンテンツを前記情報処理装置に送信し、
前記取得処理では、
前記コンテンツダウンロード処理にて受信した前記所定のコンテンツに関連付けて前記サーバから受信した前記印刷条件を取得する、
ように構成されるプログラム。
【請求項8】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記情報処理装置の前記コンピュータに、
前記情報処理装置に保存されている第1ラベルデータを前記サーバにアップロードするアップロード処理を実行させることが可能であり、前記第1ラベルデータには、前記所定のコンテンツが含まれる場合があり、前記サーバは、前記情報処理装置からアップロードされた前記第1ラベルデータをラベルデータベースに登録し、
さらに前記情報処理装置の前記コンピュータに、
前記ラベルデータベースに登録されている第2ラベルデータの送信を前記サーバに要求し、前記サーバから送信される前記第2ラベルデータを受信するラベルダウンロード処理を実行させることが可能であり、前記第2ラベルデータには、前記所定のコンテンツが含まれる場合がある、
ように構成されるプログラム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記調整処理では、
保存されている前記印刷条件を満たさない場合に、印刷を禁止する、
ように構成されるプログラム。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記調整処理では、
保存されている前記印刷条件を満たさない条件への変更を禁止する、
ように構成されるプログラム。
【請求項11】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記調整処理では、
保存されている前記印刷条件を満たさない場合に、前記情報処理装置のユーザインタフェースを介して警告する、
ように構成されるプログラム。
【請求項12】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記印刷条件には、前記印刷条件に基づく調整を第1態様とするか第2態様とするかの動作設定が関連付けられており、
前記調整処理では、
前記印刷条件に前記第1態様とする前記動作設定が関連付けられていれば、保存されている前記印刷条件を満たさない場合に、印刷を禁止し、保存されている前記印刷条件を満たさない条件への変更を禁止し、
前記印刷条件に前記第2態様とする前記動作設定が関連付けられていれば、保存されている前記印刷条件を満たさない場合に、前記情報処理装置のユーザインタフェースを介して警告する、
ように構成されるプログラム。
【請求項13】
ラベルプリンタと接続可能な情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、
所定のコンテンツに対応する印刷条件をサーバから取得する取得処理と、
前記取得処理にて取得された前記印刷条件を前記所定のコンテンツと関連付けて保存する保存処理と、
を実行可能であり、前記サーバには、ラベルデータに含むことが可能なコンテンツごとに印刷条件を登録することが可能であり、前記サーバは、前記情報処理装置から前記所定のコンテンツに関連する要求があった場合に、前記所定のコンテンツに対応する前記印刷条件を、前記情報処理装置に応答することが可能であり、
さらに前記情報処理装置は、
前記印刷条件が保存されている前記所定のコンテンツを利用する場合、保存されている前記印刷条件を満たすように調整する調整処理を実行可能である、
ように構成される情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置と、サーバと、を備え、前記情報処理装置がネットワークを介して前記サーバに接続可能なシステムにおいて、
前記サーバは、
ラベルデータに含むことが可能なコンテンツごとに印刷条件を登録可能であり、
前記情報処理装置から所定のコンテンツに関連する要求があった場合に、前記所定のコンテンツに対応する前記印刷条件を、前記情報処理装置に応答することが可能であり、
前記情報処理装置は、
前記所定のコンテンツに対応する前記印刷条件を前記サーバから取得し、取得された前記印刷条件を前記所定のコンテンツと関連付けて保存し、
さらに前記情報処理装置は、
前記印刷条件が保存されている前記所定のコンテンツを利用する場合、保存されている前記印刷条件を満たすように調整する、
ように構成されるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、ラベルデータの共有を図るシステムに用いられるプログラム、情報処理装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツの共有を図るシステムとして、コンテンツを保存するサーバをインターネット上に用意し、そのコンテンツがユーザのデバイスにダウンロードされるシステムが知られている。
【0003】
上述したようなシステムを開示した文献としては、例えば特許文献1がある。特許文献1に開示されるポイント管理システムでは、ユーザAのPCから写真データがWWWサーバにアップロードされ、ユーザBのPCによってその写真データが購入されてWWWサーバからダウンロードされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ラベルプリンタでのラベルの印刷に用いられるラベルデータの共有を図るシステムが検討されている。ラベルデータには様々なコンテンツが含まれ、コンテンツによっては、印刷に適した印刷条件がある。特許文献1には、写真データをWWWサーバを介して共有するシステムが開示されているが、ラベルデータに含まれるコンテンツの印刷に適した印刷条件については開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題の解決を目的としてなされたプログラムは、
ラベルプリンタと接続可能な情報処理装置によって実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置のコンピュータに、
所定のコンテンツに対応する印刷条件をサーバから取得する取得処理と、
前記取得処理にて取得された前記印刷条件を前記所定のコンテンツと関連付けて保存する保存処理と、
を実行させることが可能であり、前記サーバには、ラベルデータに含むことが可能なコンテンツごとに印刷条件を登録することが可能であり、前記サーバは、前記情報処理装置から前記所定のコンテンツに関連する要求があった場合に、前記所定のコンテンツに対応する前記印刷条件を、前記情報処理装置に応答することが可能であり、
さらに前記情報処理装置の前記コンピュータに、
前記印刷条件が保存されている前記所定のコンテンツを利用する場合、保存されている前記印刷条件を満たすように調整する調整処理を実行させる、
ように構成される。
【0007】
上記のように構成されるプログラムは、ラベルに配置可能なコンテンツごとに印刷条件を取得して保存しておき、その印刷条件が保存されたコンテンツを利用する場合には、その印刷条件を満たすように調整する。これにより、本プログラムからコンテンツを含むラベルデータを印刷する際、そのコンテンツに適した印刷条件での印刷が期待できる。その結果として、例えば不適切な印刷条件での印刷に伴う消耗品の無駄使いや再印刷の手間を省くことが期待できる。
【0008】
上記プログラムの機能を実現するためのサーバ、ラベル共有システム、制御方法、および上記プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、ラベルデータに含まれるコンテンツごとに印刷に適した印刷条件での印刷が期待できる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ラベルデータ共有システムを概略的に示す説明図である。
【
図3】ユーザデータベースの例を示す説明図である。
【
図4】コンテンツデータベースの例を示す説明図である。
【
図5】コンテンツのダウンロードのステップを示すシーケンス図である。
【
図6】ラベルデータの編集および投稿の各ステップを示すシーケンス図である。
【
図7】ラベルデータベースの例を示す説明図である。
【
図8】ラベルデータのダウンロードのステップを示すシーケンス図である。
【
図10】ラベル編集の手順の例を示すフローチャートである。
【
図11】印刷調整の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ラベルデータの共有を図るシステムに用いられるプログラムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、サーバと複数の情報処理装置とをネットワークを介して接続し、ラベルプリンタでのラベルの印刷に用いられるラベルデータの共有を図るラベルデータ共有システムを開示する。
【0012】
[ラベルデータ共有システムの構成]
図1に示すように、本形態のラベルデータ共有システム100(以下「システム100」と略記する)は、例えば、ラベルプリンタのベンダによってユーザに提供されるシステムである。システム100は、端末12Aと、端末12Bと、ラベル管理サーバ22と、を備え、それらがインターネット回線21を介して接続されている。端末12A,12Bは、ラベルプリンタの所有者や利用者(以下「ユーザ」とする)が所有する端末である。端末12A,12Bは、それぞれ、ラベルプリンタ11A,11Bに接続できる。
【0013】
端末12A,12Bは、通信機能と、表示機能と、操作機能と、を備える情報処理装置である。本形態の端末12A,12Bは、スマートフォンによって構成されるが、その他に、タブレットやデスクトップコンピュータによって構成されてもよい。端末12A,12Bには、それぞれ、クライアントアプリケーションプログラム(以下「クライアントアプリ」とする)13A,13Bが記憶されている。なお、ラベル管理サーバ22に接続する端末の数は本形態に限定されない。また、端末12A,12Bは、特に区別する必要がない場合、「端末12」と総称することがある。また、クライアントアプリ13A,13Bは、特に区別する必要がない場合、「クライアントアプリ13」と総称することがある。また、ラベルプリンタ11A,11Bは、特に区別する必要がない場合、「ラベルプリンタ11」と総称することがある。
【0014】
クライアントアプリ13は、ラベルプリンタ11のベンダによって提供されるアプリケーションプログラムである。クライアントアプリ13は、端末12上において、ラベルデータの作成や編集を行うための機能を備える。また、クライアントアプリ13は、作成したラベルデータをラベル管理サーバ22に対して投稿する、すなわちアップロードするための機能と、ラベル管理サーバ22からラベルデータをダウンロードするための機能と、を備える。また、クライアントアプリ13は、ラベルに配置することが可能なコンテンツをラベル管理サーバ22に対してアップロードするための機能と、ラベル管理サーバ22からコンテンツをダウンロードするための機能と、を備える。また、クライアントアプリ13は、端末12上において作成したラベルデータやダウンロードしたラベルデータを、ラベルプリンタ11を用いて印刷するための機能を備える。
【0015】
なお、端末12は、「情報処理装置」の一例である。ラベル管理サーバ22は「サーバ」の一例である。クライアントアプリ13は「プログラム」の一例である。インターネット回線21は「ネットワーク」の一例である。
【0016】
ラベルプリンタ11は、例えば、熱転写方式の印刷ヘッドを備え、ロール状に巻き取られたテープ状の印刷媒体を巻き出しつつ印刷を行う印刷装置である。ラベルプリンタ11は、例えば、端末12から受信した印刷ジョブに基づいて、収容されている印刷媒体への画像の印刷と印刷媒体の搬送とを行い、印刷済みの部分を機外へ突出させる。機外に突出された印刷媒体によって、所定のラベル長さとラベル幅とを有するラベルが作成される。「ラベル幅」は、ラベルがラベルプリンタ11から機外へ搬出される方向に直交する方向、すなわち、幅方向の寸法である。「ラベル長さ」は、ラベルがラベルプリンタ11から搬出される方向の長さ、すなわち、長さ方向のサイズである。
【0017】
ラベルプリンタ11は、Wi-Fi(登録商標)などの無線LANの通信や、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって、端末12に接続される。また、USBの通信規格を用いて有線でラベルプリンタ11と端末12とを接続するものであっても良い。
【0018】
ラベルプリンタ11で利用可能な印刷媒体には、複数の種類がある。印刷媒体の種類は、例えば、印刷媒体の幅によって区別してもよいし、印刷媒体やインクの色によって区別してもよいし、印刷媒体の素材や特殊加工の有無によって区別してもよい。印刷媒体は、その種類によって、対応可能なラベルプリンタのモデルが予め決められている。ユーザは、印刷を行わせるラベルプリンタのモデルに対応する複数種類の印刷媒体のうち、目的や用途などに適した種類の印刷媒体をラベルプリンタに付け替えることができる。
【0019】
ラベル管理サーバ22は、少なくとも、記憶機能と、通信機能と、を有する装置である。ラベル管理サーバ22には、サーバ用プログラム23などの各種のプログラムや、各種のデータが記憶される。サーバ用プログラム23は、ウェブサーバとしての機能を有し、各種のウェブページを提供することができる。例えば端末12は、そのウェブページをブラウザで表示することで、サーバ用プログラム23から提供される各種の画面を表示でき、さらにその画面を介して各種の入力を受け付けることができる。
【0020】
また、ラベル管理サーバ22は、各種のデータベースにアクセス可能であり、例えば、ユーザデータベース(以下「ユーザDB」とする)25と、コンテンツデータベース(以下「コンテンツDB」とする)26と、ラベルデータベース(以下「ラベルDB」とする)27と、にアクセス可能である。ユーザDB25、コンテンツDB26、ラベルDB27、は、ラベル管理サーバ22が有してもよいし、ラベル管理サーバ22と別のサーバが有してもよい。また、ユーザDB25、コンテンツDB26、ラベルDB27は、同じサーバが有していてもよいし、それぞれ別々のサーバが有していてもよい。ユーザDB25、コンテンツDB26、ラベルDB27、の詳細については後述する。サーバ用プログラム23は、これらのデータベースにアクセスしつつ各種の処理を実行可能である。
【0021】
[端末の構成]
端末12は、
図2に示すように、CPU121と、メモリ122と、を有する制御部120を備えている。また、端末12は、通信インタフェース(以下「通信IF」とする)125と、操作表示部126と、を備え、これらが制御部120に接続している。CPU121は「コンピュータ」の一例である。制御部120が「コンピュータ」の一例であってもよい。
【0022】
CPU121は、メモリ122から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ122は、クライアントアプリ13などの各種のプログラムや、各種のデータが記憶される記憶領域である。メモリ122は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。
【0023】
図2に示すメモリ122の一例は、装置に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU121が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体であってもよい。CPU121が読み取り可能なストレージ媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。
【0024】
操作表示部126は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。なお、操作表示部126は、表示機能と操作受け付け機能とを共に備えるタッチパネルであっても良いし、表示機能を備えるディスプレイと操作受け付け機能を備えるキーボード、マウス、トラックボール等との組であっても良い。
【0025】
通信IF125は、ラベル管理サーバ22等の外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF125の通信規格は、USB、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などである。通信IF125の通信の態様は、有線でも無線でもよい。本形態の通信IF125は、インターネット回線21に接続されている。
【0026】
[システムの動作]
続いて、システム100の動作を説明する。システム100では、端末12からラベルデータをラベル管理サーバ22にアップロードしたり、アップロードされたラベルデータである投稿ラベルデータをラベル管理サーバ22から端末12にダウンロードしたりすることによって、投稿ラベルデータの共有を図っている。また、ラベルに含むことが可能なコンテンツについても、ラベルデータと同様に共有を図っている。
【0027】
システム100を利用する場合、ユーザ登録、コンテンツの登録およびダウンロード、ラベルデータの投稿およびダウンロード、ラベルデータの編集および印刷、と様々なステップがあり、以下、これらのステップを順に説明する。
【0028】
なお、本形態における端末12における各ステップは、基本的に、クライアントアプリ13などのプログラムに記述された命令に従ったCPU121の処理を示す。CPU121による処理は、OSのAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OSの詳細な記載を省略して各プログラムの動作を説明する。また、ラベル管理サーバ22における各ステップも、基本的に、サーバ用プログラム23などのプログラムに記述された命令に従ったラベル管理サーバ22のCPUの処理を示す。
【0029】
(1.ユーザ登録ステップ)
始めに、システム100を利用するユーザの情報をユーザDB25に登録するためのユーザ登録ステップについて説明する。システム100を利用するユーザは、例えば、クライアントアプリ13を端末12にインストールした後、クライアントアプリ13を介してラベル管理サーバ22に対してユーザ登録を行う。
【0030】
例えば、クライアントアプリ13を介して端末12からラベル管理サーバ22にユーザ登録を要求すると、ラベル管理サーバ22から、ユーザ名、パスワード、モデル名の入力が要求される。その後、クライアントアプリ13を介してこれらの情報が入力された状態でユーザの登録指示を受け付けると、ラベル管理サーバ22は、入力された情報に基づいて新たなユーザの情報をユーザDB25に登録する。
【0031】
具体的に、ユーザDB25には、
図3に示すように、システム100を利用するユーザの情報を登録可能である。ユーザDB25に登録されるユーザのレコードは、ユーザID251と、ユーザ名252と、パスワード253と、モデル情報255と、をよって構成されている。ラベル管理サーバ22は、ユーザの登録指示を受け付けると、ユーザを識別するユーザIDに、入力されたユーザ名、パスワード、およびモデル名を関連付けたレコードを作成してユーザDB25に新規登録する。これにより、ユーザ登録手続きが完了する。
【0032】
なお、ユーザ登録は、クライアントアプリ13のインストール時に行われない場合、例えば、ユーザがラベルデータを最初に投稿するとき、あるいは、ユーザがラベルデータを最初にダウンロードするときに、行われてもよい。また、クライアントアプリ13を介さず、ラベル管理サーバ22によって提供されるウェブページにブラウザを介して直接アクセスし、ユーザ登録を行ってもよい。
【0033】
(2.コンテンツの登録ステップ)
続いて、ラベルに配置可能なコンテンツをコンテンツDB26に登録するためのユーザ登録ステップについて説明する。ラベルには、テキストや図形等の一般的なコンテンツの他、ユーザによってカスタマイズされた様々なコンテンツを配置することができる。例えばロゴマーク、キャラクタ画像、デコレーション画像、二次元コードが描かれた画像オブジェクトが該当する。また、表、グラフ、特殊形状の図形が描かれるオブジェクトが該当する。システム100では、このようなユーザによってカスタマイズされたコンテンツを共有できる。そこで、コンテンツを提供するユーザは、例えば、クライアントアプリ13を介してラベル管理サーバ22に対してコンテンツの登録を行う。
【0034】
例えば、クライアントアプリ13を介してラベル管理サーバ22にログインし、クライアントアプリ13を介して端末12からラベル管理サーバ22にコンテンツ登録を要求すると、ラベル管理サーバ22から、アップロード対象のコンテンツを示すコンテンツデータ、印刷条件、調整態様の入力が要求される。その後、クライアントアプリ13を介してこれらの情報が入力された状態でコンテンツの登録指示を受け付けると、ラベル管理サーバ22は、入力された情報に基づいて新たなコンテンツの情報をコンテンツDB26に登録する。
【0035】
具体的に、コンテンツDB26には、
図4に示すように、コンテンツのレコードを登録可能である。コンテンツDB26に登録されるコンテンツのレコードは、コンテンツID261と、コンテンツデータ262と、印刷条件263と、調整態様264と、をよって構成されている。さらに印刷条件263は、例えば、コンテンツの最小サイズ2631、印刷品質2632、カラー印刷2633、印刷媒体の最小サイズ2634、印刷媒体の地色2635、といった項目を含む。ラベル管理サーバ22は、コンテンツの登録指示を受け付けると、コンテンツを識別するコンテンツIDに、入力されたコンテンツデータ、印刷条件、調整態様と、を関連付けたレコードを作成してコンテンツDB26に新規登録する。これにより、コンテンツ登録手続きが完了する。
【0036】
コンテンツのレコードに含まれる印刷条件263は、そのコンテンツを含むラベルデータを印刷する際の条件であり、クライアントアプリ13によって、その印刷条件に従うための調整処理が行われる。印刷条件に従うための調整処理は、例えば、そのコンテンツを含むラベルデータを編集する場合や、そのラベルデータを印刷する場合に実行される。
【0037】
印刷条件263には、複数の項目があり、必要に応じて設定される。印刷条件263の項目には、例えば前述したように、コンテンツの最小サイズ2631、印刷品質2632、カラー印刷2633、印刷媒体の最小サイズ2634、印刷媒体の地色2635がある。コンテンツの最小サイズ2631は、対象のコンテンツの最小サイズを規定するものであり、このサイズを下回らないようにコンテンツのサイズが調整される。コンテンツの最小サイズを規定することで、コンテンツが小さくなりすぎて内容が不明確になることを回避できる。
【0038】
印刷品質2632は、印刷する際の品質を規定するものであり、本形態では「高解像度」が設定可能である。「高解像度」が設定されている場合、印刷設定の印刷品質に「高解像度」が設定されるように調整される。印刷品質を規定することで、低品質の印刷を回避できる。
【0039】
カラー印刷2633は、印刷する際のカラーかモノクロかを規定するものであり、本形態では「カラー」もしくは「モノクロ」が設定可能である。例えば「カラー」が設定されている場合、印刷設定のカラーかモノクロかの指定に「カラー」が設定されるように調整される。カラーかモノクロかを規定することで、コンテンツの内容にあった印刷が期待できる。
【0040】
印刷媒体の最小サイズ2634は、ラベルデータに設定される印刷媒体の最小サイズを規定するものであり、このサイズを下回らないように印刷媒体のサイズが調整される。印刷媒体の最小サイズ2634は、幅を規定するものであってもよいし、長さを規定するものであってもよいし、その両方を規定するものであってもよい。印刷媒体の最小サイズを規定することで、印刷媒体が小さくなりすぎてコンテンツの一部が印刷されないといった不具合を回避できる。
【0041】
印刷媒体の地色2635は、ラベルデータに設定される印刷媒体の地色を規定するものであり、印刷媒体の地色がこの色となるように調整される。印刷媒体の地色を規定することで、コンテンツと印刷媒体との色が類似で内容が不明確になることを回避できる。
【0042】
これら印刷条件263の各項目については、必要に応じて設定されるものであり、設定されない項目については「-」が記憶される。なお、印刷条件263の項目については、これらに限定されるものではなく、一部の項目が無くてもよいし、他の項目があってもよい。他の項目としては、例えば、インク色、画処理(ディザ、誤差拡散、二値)があってもよい。
【0043】
本形態のように、印刷条件263に、コンテンツの最小サイズ2631、といったコンテンツ自身に関する自己条件を含め、その自己条件を満たすように調整することで、そのコンテンツに適さない設定での印刷を回避することが期待できる。
【0044】
また、印刷条件263に、印刷品質2632、カラー印刷2633、といった印刷設定のパラメータに関する印刷パラメータ条件を含め、その印刷パラメータ条件を満たすように印刷設定のパラメータを調整することで、そのコンテンツに適さない印刷設定での印刷を回避することが期待できる。
【0045】
また、印刷条件263に、印刷媒体の最小サイズ2634、印刷媒体の地色2635、といった印刷媒体に関する媒体条件を含め、その媒体条件を満たすようにラベルデータに含まれる印刷媒体の設定を調整することで、そのコンテンツの印刷に適さない印刷媒体への印刷を回避することが期待できる。
【0046】
また、印刷条件に従うための調整処理には、指定された印刷条件以外の設定を禁止する「必須」と、指定された印刷条件以外の設定であった場合に、警告はするものの、設定を禁止しない「推奨」と、の2態様がある。コンテンツのレコードに含まれる調整態様264については、印刷条件に従う調整のための処理を「必須」とするか「推奨」とするかを設定する。「必須」は、印刷条件に基づく調整の「第1態様」の一例であり、「推奨」は、印刷条件に基づく調整の「第2態様」の一例である。各態様の処理の詳細については後述する。
【0047】
なお、コンテンツの印刷条件263および調整態様264は、コンテンツの登録時の他、登録後であっても、コンテンツDB26に登録されているコンテンツのレコードの編集を行うことが可能である。
【0048】
また、コンテンツDB26に登録されるコンテンツは、ユーザによってアップロードされたコンテンツだけでなく、プリンタメーカであるベンダが用意したコンテンツも登録可能であり、そのコンテンツに対する印刷条件や調整態様も設定できる。
【0049】
(3.コンテンツのダウンロードステップ)
続いて、コンテンツのダウンロードステップについて、
図5のシーケンス図を参照して説明する。端末12は、ユーザの操作に基づいて、クライアントアプリ13を起動する(A01)。
【0050】
端末12は、クライアントアプリ13を起動すると、ユーザIDの入力を要求し、入力されたユーザIDを用いてラベル管理サーバ22にログインし、ログインに成功することで、クライアントアプリ13のホーム画面を表示する。クライアントアプリ13のホーム画面では、コンテンツの登録、コンテンツのダウンロード、ラベルデータの投稿、ラベルデータのダウンロード、ラベルの編集、の各指示を受け付けることができる。例えば、コンテンツの登録指示を受け付けた場合、端末12は、前述したコンテンツの登録ステップに移行する。
【0051】
端末12は、コンテンツのダウンロード指示を受け付けると(A11)、サーバ用プログラム23によって提供されるコンテンツ選択画面のウェブページを取得し(A12)、そのコンテンツ選択画面を表示する(A13)。例えばクライアントアプリ13がブラウザ機能を有する場合には自身のブラウザ機能を用いてラベル管理サーバ22にアクセスし、コンテンツ選択画面を端末12に表示させる。クライアントアプリ13がブラウザ機能を有していない場合には、端末12にインストールされているブラウザなどの別のプログラムにURLを渡し、別のプログラムによってコンテンツ選択画面を端末12に表示させる。コンテンツ選択画面には、コンテンツDB26に登録されているコンテンツの一覧が含まれ、ダウンロード対象となるコンテンツの選択と、選択されたコンテンツのダウンロード指示と、を受け付けることができる。
【0052】
コンテンツ選択画面を介してダウンロード指示が受け付けられると、端末12は、クライアントアプリ13を介して、選択されたコンテンツのダウンロードを要求する(A14)。ラベル管理サーバ22は、その要求を受け付けると、選択されたコンテンツに対応するコンテンツデータ、印刷条件、および調整態様をコンテンツDB26から読み出し(A15)、要求元の端末12にその読み出したコンテンツデータ、印刷条件、および調整態様を応答する(A16)。A14およびA16は、「コンテンツダウンロード処理」の一例である。A16は、「取得処理」の一例である。
【0053】
端末12は、ラベル管理サーバ22からコンテンツデータ、印刷条件、および調整態様を取得すると、取得したコンテンツデータを、取得した印刷条件および調整態様と関連付けてメモリ122に保存する(A17)。これにより、端末12では、クライアントアプリ13でのラベルデータの編集において、ダウンロードしたコンテンツを利用できるようになる。また、後述するラベルデータのダウンロードにおいて、ダウンロードしたコンテンツを含むラベルデータをダウンロードできるようになる。A17は、「保存処理」の一例である。
【0054】
(4.ラベルデータの編集ステップおよび投稿ステップ)
続いて、ラベルデータの編集ステップおよび投稿ステップについて、
図6のシーケンス図を参照して説明する。以下、端末12Aがラベルデータの編集および投稿を行うものとして説明する。
【0055】
端末12Aは、クライアントアプリ13Aを起動した後、ラベルデータの編集指示を受け付けると(B01)、クライアントアプリ13Aの編集画面を表示し、編集対象のラベルデータの選択を受け付け、選択されたラベルデータを読み出す(B02)。なお、ラベルデータを新規に作成する場合には、ラベルデータの選択および読出しが行われない。
【0056】
ラベルデータが読み出されると、端末12Aは、編集画面を介して、そのラベルデータに基づくラベルの編集を受け付ける(B03)。ラベルの編集では、ラベルの属性情報の設定や、オブジェクトの配置や、そのオブジェクトに設定可能なパラメータの設定や、ラベルデータの保存指示や、ラベルデータの印刷指示を受け付ける。ラベルには、テキストオブジェクト等の一般的なオブジェクトの他、端末12Aに保存されるコンテンツを配置することができる。ラベルの属性情報は、例えば、ラベル幅、ラベルの地色、文字色、ラベルの種類を含む。ラベルの種類は、例えば、ラミネートテープ、マスキングテープ、布テープ、リボン、などである。B03は、「編集受付処理」の一例である。
【0057】
端末12Aは、編集画面を介して保存指示を受け付けると、編集されているラベルを示すラベルデータを保存する(B04)。編集されているラベルにラベル管理サーバ22からダウンロードしたコンテンツが配置されている場合、そのコンテンツを含むラベルデータが保存される。
【0058】
一方、端末12Aは、クライアントアプリ13Aを起動した後、ラベルデータの投稿指示を受け付けると(B11)、サーバ用プログラム23によって提供される投稿画面のウェブページを取得し(B12)、その投稿画面を表示する(B13)。投稿画面では、投稿対象となるラベルデータの選択と、選択されたラベルデータのアップロード指示と、を受け付けることができる。なお、投稿画面では、選択されたラベルデータについての詳細情報、例えばラベル名、用途、説明の入力も受け付ける。
【0059】
端末12Aは、投稿画面を介してアップロード指示が受け付けられると、選択されたラベルデータ(以下「投稿ラベルデータ」とする)を読み出し、読み出した投稿ラベルデータをラベル管理サーバ22にアップロードする(B22)。ラベル管理サーバ22は、アップロードされたラベルデータを、ログインユーザのユーザIDに関連付けてラベルDB27に登録する(B23)。B22は「アップロード受付処理」の一例である。
【0060】
具体的に、ラベルDB27には、
図7に示すように、ラベルデータのレコードを登録可能である。ラベルDB27に登録されるラベルデータのレコードは、ラベルID271と、ユーザID(制作者)272と、ラベルデータ273と、投稿日274と、によって構成されている。
【0061】
ラベルデータ273には、ラベルに関する情報が記憶される。ラベルデータ273は、例えば、ラベル名2731、用途2732、説明2733、媒体情報2736、オブジェクト情報2737を含む。ラベル名2731には、ラベル名が記憶される。用途2732には、ラベルの用途を示す情報が記憶される。説明2733には、ラベルの説明を示す情報が記憶される。媒体情報2736は、ラベルと印刷媒体に関する情報が記憶される。オブジェクト情報2737には、ラベルに配置されるオブジェクトに関する情報が記憶される。
【0062】
ラベル管理サーバ22は、投稿ラベルデータの登録が完了すると、投稿ラベルデータの送信元の端末12Aに対して登録完了を通知する(B24)。端末12Aは、登録完了通知を表示する(B25)。
【0063】
なお、ラベルDB27に登録されるラベルデータは、ユーザによってアップロードされた投稿ラベルデータだけでなく、プリンタメーカであるベンダが用意したラベルデータも登録可能であり、そのラベルデータに対する情報も設定できる。ラベルデータの制作者がプリンタのベンダである場合、ユーザID272には、何も記憶されなくてもよいし、ベンダを識別する情報が記憶されてもよい。
【0064】
(5.ラベルデータのダウンロードステップ)
続いて、ラベルデータのダウンロードステップについて、
図8のシーケンス図を参照して説明する。以下、端末12Bがラベル管理サーバ22からラベルデータをダウンロードするものとして説明する。
【0065】
端末12Bは、クライアントアプリ13Bを起動した後、ラベルデータのダウンロード指示を受け付けると(C01)、サーバ用プログラム23によって提供されるラベルデータ選択画面のウェブページを取得し(C02)、そのラベルデータ選択画面を表示する(C03)。ラベルデータ選択画面では、ラベルDB27に登録されているラベルデータの一覧が含まれ、ダウンロード対象となるラベルデータの選択と、選択されたラベルデータのダウンロード指示と、を受け付けることができる。なお、ラベルDB27に登録されているラベルデータのうち、端末12Bに保存されていないコンテンツを含むラベルデータについては、ダウンロードが制限される。ダウンロードの制限態様としては、そのようなラベルデータを、選択不可にしてもよいし、ダウンロード不可にしてもよいし、選択時やダウンロード時に警告してもよい。
【0066】
ラベルデータ選択画面を介してダウンロード指示が受け付けられると、端末12Bは、選択されたラベルデータのダウンロードをラベル管理サーバ22に要求する(C04)。ラベル管理サーバ22は、その要求を受け付けると、選択されたラベルデータをラベルDB27から読み出し(C05)、要求元の端末12Bにその読み出したラベルデータを応答する(C06)。C04およびC06は、「ラベルダウンロード処理」の一例である。
【0067】
端末12Bは、ラベル管理サーバ22からラベルデータを取得すると、取得したラベルデータをメモリ122に保存する(C07)。これにより、端末12では、クライアントアプリ13でのラベルデータの編集において、ダウンロードしたラベルデータを編集対象として選択できるようになる。
【0068】
(6.印刷ステップ)
続いて、ラベルデータの印刷ステップについて、
図9を参照して説明する。なお、印刷ステップは、投稿者側でも印刷者側でも行われるため、以下の説明では、投稿者の端末12Aと印刷者の端末12Bとを区別せず、端末12として説明する。端末12は、クライアントアプリ13を起動した後、ラベルデータの編集指示を受け付けると(B01)、クライアントアプリ13の編集画面を表示し、編集対象のラベルデータの選択を受け付け、選択されたラベルデータを読み出す(B02)。B01およびB02は、ラベルの編集および投稿ステップで説明したものと同じである。選択されるラベルデータは、例えば投稿されるラベルデータであってもよいし、ダウンロードしたラベルデータであってもよい。
【0069】
端末12は、編集画面を介して保存指示を受け付けると(D01)、編集されているラベルを示すラベルデータを印刷するか否かを決定する印刷調整を行う(D02)。D01は、「印刷受付処理」の一例である。D02の詳細については後述する。
【0070】
D02にて印刷すると決定された場合、端末12は、編集中のラベルデータに基づいて印刷データを生成し、生成した印刷データをラベルプリンタ11に送信する(D11)。ラベルプリンタ11は、受信した印刷データに基づく印刷を行う(D12)。
【0071】
[印刷条件に従う調整]
続いて、端末12における、コンテンツごとに設定されている印刷条件に従う調整について説明する。調整が行われる場面としては、コンテンツが配置されたラベルデータを編集する場面(
図6のB03)と、ラベルの印刷指示があった場面(
図9のD02)と、がある。ラベルを編集する場面で印刷条件を満たすように調整することで、そのコンテンツに適さない編集を回避できる。また、印刷指示があった場面で印刷条件を満たすように調整することで、そのコンテンツに適さない印刷条件での印刷を回避できる。以下、それぞれの場面に分けて説明する。
【0072】
先ず、コンテンツが配置されたラベルデータを編集する場面での調整について、
図10のフローチャートを参照しつつ説明する。ラベルデータを編集する場面では、端末12は、クライアントアプリ13の編集画面を介して、読み出されたラベルデータに含まれるコンテンツをラベルに配置し(S11)、配置されたコンテンツに対応する印刷条件および調整態様をメモリ122から読み出す(S12)。ラベルデータの編集中、新たに配置されたコンテンツについても同様に、そのコンテンツに対応する印刷条件および調整態様をメモリ122から読み出す。
【0073】
その後、ラベルデータに対する変更を受け付けた場合(S13)、端末12は、その変更が印刷条件を満たすか否かを判断する(S14)。例えば、印刷条件としてコンテンツの最小サイズが設定されている場合、コンテンツの幅が変更されることで、変更後のコンテンツの幅がその最小サイズの幅より小さくなれば印刷条件を満たさないと判断する。コンテンツの幅の変更は、そのコンテンツの幅を直接変更する場合の他、ラベルの幅の変更に伴って自動的に変更される場合も含む。また、例えば、印刷条件として印刷媒体の最小サイズが設定されている場合、ラベルの幅の変更によって変更後の印刷媒体の幅がその最小サイズの幅より小さくなれば印刷条件を満たさないと判断する。印刷条件については、全ての項目について判断する必要はなく、例えば印刷設定に関する項目(本形態では印刷品質やカラー印刷)は判断しなくてもよい。印刷条件を満たすと判断した場合(S14:YES)、端末12は、その変更を受け入れ、S13に移行して次の操作を待つ。
【0074】
なお、コンテンツに対応する印刷条件が保存されていない場合、あるいは印刷条件は保存されているものの判断対象の項目が設定されていない場合には、印刷条件を満たすものと判断する。また、コンテンツが複数ある場合、全てのコンテンツで印刷条件を満たす場合にS14にて印刷条件を満たすと判断し、少なくとも1つのコンテンツの印刷条件を満たさない場合にS14にて印刷条件を満たさないと判断する。
【0075】
印刷条件を満たさないと判断した場合(S14:NO)、端末12は、その変更がコンテンツに設定されている印刷条件を満たさないことを警告する(S15)。さらに、印刷条件を満たさないと判断されたコンテンツに関連付けられた調整態様の種類を判断する(S16)。そして、調整態様の種類が「必須」であれば(S16:必須)、変更された内容を元に戻し(S17)、S13に移行して次の操作を待つ。例えば、変更の内容がコンテンツの幅の変更であれば、コンテンツの幅を元の幅に戻す。このように調整態様が「必須」であれば、印刷条件を満たさない変更をキャンセルすることで、印刷条件を満たすように調整される。この場合、S17は、「調整処理」の一例である。
【0076】
一方、調整態様の種類が「推奨」であれば(S16:推奨)、変更された内容を元に戻さず、S13に移行して次の操作を待つ。すなわち、警告はするものの、変更をキャンセルせず、その後にユーザがその警告に従って変更を元に戻すか否かをユーザに委ねる。これにより、コンテンツの印刷条件よりもユーザによる変更を優先することもできる。ただし、警告を行っていることから、ユーザによる元に戻す変更が期待できることから、間接的に印刷条件を満たすように調整されることになる。この場合、S15は、「調整処理」の一例である。
【0077】
次に、ラベルの印刷指示があった場面での調整について、
図11のフローチャートを参照しつつ説明する。ラベルデータの印刷指示があった場面では、端末12は、そのラベルデータに含まれるコンテンツに対応する印刷条件および調整態様をメモリ122から読み出す(S21)。
【0078】
そして、端末12は、印刷指示による印刷設定がコンテンツの印刷条件を満たすか否かを判断する(S22)。例えば、印刷条件として印刷品質に「高解像度」が設定されている場合、印刷設定に「高解像度」が設定されていない場合に印刷条件を満たさないと判断する。また、例えば印刷媒体の地色として「白」が設定されている場合、地色が「白」の印刷媒体が設定されていない場合に印刷条件を満たさないと判断する。印刷条件については、全ての項目について判断する必要はなく、例えばコンテンツのサイズに関する項目は、編集時に判断できることから、印刷時に判断しなくてもよい。印刷条件を満たすと判断した場合(S22:YES)、端末12は、印刷することに決定して、D11(
図9参照)に移行してラベルプリンタ11での印刷を行う。
【0079】
なお、ラベルデータを編集する場面と同様に、コンテンツに対応する印刷条件が保存されていない場合、あるいは印刷条件は保存されているものの判断対象の項目が設定されていない場合には、印刷条件を満たすものと判断する。また、コンテンツが複数ある場合、全てのコンテンツで印刷条件を満たす場合にS22にて印刷条件を満たすと判断し、少なくとも1つのコンテンツの印刷条件を満たさない場合にS22にて印刷条件を満たさないと判断する。
【0080】
印刷条件を満たさないと判断した場合(S22:NO)、端末12は、印刷設定がコンテンツに設定されている印刷条件を満たさないことを警告する(S23)。そして、端末12は、印刷条件を満たさないと判断されたコンテンツに関連付けられた調整態様の種類を判断する(S24)。そして、調整態様の種類が「必須」であれば(S24:必須)、端末12は、印刷しないことに決定し、印刷指示による印刷をキャンセルする(S25)。このように調整態様が「必須」であれば、印刷指示に基づく印刷をキャンセルすることで、ユーザによる印刷設定の変更が期待でき、その結果として、印刷条件を満たすように調整されることになる。この場合、S25は、「調整処理」の一例である。
【0081】
一方、調整態様の種類が「推奨」であれば(S23:推奨)、印刷指示に基づく印刷をキャンセルせず、印刷を継続するか否かの指示を受け付ける(S26)。すなわち、印刷を継続するか否かをユーザの判断に委ねる。そして、継続しないことが指示された場合(S26:継続しない)、端末12は、印刷しないことに決定し、印刷指示による印刷をキャンセルする(S25)。一方、継続することが指示された場合(S26:継続する)、端末12は、印刷することに決定し、D11(
図9参照)に移行してラベルプリンタ11での印刷を行う。これにより、コンテンツの印刷条件よりもその印刷設定での印刷を優先することもできる。すなわち、警告はするものの、印刷を継続するか否かを問い合わせることで、ユーザに印刷の継続を委ねる。これにより、印刷が禁止されず、コンテンツの利用の自由度が狭くならない。S23およびS26は、「調整処理」の一例である。
【0082】
以上説明したように、本形態のクライアントアプリ13は、端末12に、ラベル管理サーバ22からコンテンツの印刷条件を取得させて保存させる。そして、そのコンテンツを利用する場合には、端末12に、そのコンテンツの印刷条件を満たすように各種の設定を調整させる。これにより、クライアントアプリ13からラベルデータを印刷する際、コンテンツに適した印刷条件での印刷が期待できる。その結果として、例えば不適切な印刷条件での印刷に伴う消耗品の無駄使いや再印刷の手間を省くことが期待できる。
【0083】
また、クライアントアプリ13は、端末12に、コンテンツのダウンロード時にそのコンテンツの印刷条件も取得させることから、ダウンロードされたコンテンツを利用する際にはそのコンテンツに設定された印刷条件に基づいて調整されることになり、ダウンロードされたコンテンツについて好適な印刷が期待できる。
【0084】
また、クライアントアプリ13によるコンテンツごとの印刷条件に従う調整では、「必須」と「推奨」とで異なる調整態様を選択できる。「必須」ではその印刷条件を満たさない変更や印刷が禁止されることになるため、その結果として、コンテンツに適した印刷条件での印刷が期待できるようになる。一方、「推奨」ではその印刷条件を満たさない変更や印刷が禁止されないものの、警告は行われるため、ユーザによる変更が期待できる。また、警告に止めることで、コンテンツを利用する際の自由度は狭くならない。
【0085】
なお、本明細書に開示される実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。端末12に接続されるラベルプリンタ11の数は、図示の例に限らず、2台以上でも良い。
【0086】
実施の形態では、コンテンツの印刷条件をコンテンツデータをダウンロードするタイミングで取得して保存しているが、コンテンツの印刷条件を取得するタイミングはこれに限るものではない。例えばそのコンテンツをラベルに配置するタイミングで、そのコンテンツの印刷条件をラベル管理サーバ22に問い合わせて取得してもよい。
【0087】
実施の形態では、複数の項目を含む1つの印刷条件について、1つの調整態様を関連付けているが、印刷条件の項目ごとに、調整態様を関連付けてもよい。この場合、印刷条件の項目ごとに、調整態様を変えることができる。
【0088】
実施の形態では、端末12が記憶していないコンテンツを含むラベルデータのダウンロードを制限しているが、制限しなくてもよい。すなわち、ラベルデータのダウンロードを許可してもよい。
【0089】
実施の形態では、コンテンツデータおよびそのコンテンツデータに関する印刷条件、調整態様の保存を、
図5に示したようにコンテンツ選択画面からの指示に基づいて行っているが、
図8に示したラベルデータのダウンロードに基づいて行ってもよい。すなわち、端末12が記憶していないコンテンツを含むラベルデータをダウンロードする際に、ラベルデータに含まれるコンテンツおよびそのコンテンツに関する印刷条件、調整態様もダウンロードし、それらを保存するように構成してもよい。
【0090】
実施の形態に開示されている任意のシーケンス図において、任意の複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0091】
実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0092】
11 プリンタ
12 端末
13 クライアントアプリ
22 ラベル管理サーバ
23 サーバ用プログラム
26 コンテンツDB
27 ラベルDB