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特開2024-145857プログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145857
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241004BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F3/12 302
G06F3/12 357
G06F3/12 378
G06F3/12 389
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058400
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 愛子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 涼子
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC17
5L050CC17
(57)【要約】
【課題】ラベルデータの共有を図るシステムにおいて、利用者に好適なプリンタを提案できる技術を提供すること。
【解決手段】サーバ用プログラム228は、ユーザIDが関連付けられた所定の要求があった場合に、参照したラベルデータのラベルIDと、所定の要求に関連付けられたユーザIDと、を関連付けたラベル参照情報を記憶する。ユーザIDが関連付けられた提案要求が端末12Bからあった場合に、サーバ用プログラム228は、そのユーザIDを含むラベル参照情報に基づいて、提案対象のプリンタを決定する。サーバ用プログラムは、提案対象のプリンタを含む提案情報を、提案要求の送信元の端末12Bに応答する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによって実行可能なプログラムであって、前記サーバは、ラベルデータベースにアクセス可能であり、前記ラベルデータベースには、ラベルデータと、前記ラベルデータを識別するラベルIDと、を関連付けて登録可能であり、
前記サーバのコンピュータに、
前記ラベルデータベースに登録されている前記ラベルデータの1つが指定され、かつユーザIDが関連付けられた所定の要求を受け付けた場合に、前記所定の要求に対応する処理と、ラベル参照情報を記憶する記憶処理と、を実行させ、前記ラベル参照情報は、受け付けられた前記ユーザIDと、前記所定の要求にて指定された前記ラベルデータに対応する前記ラベルIDと、を関連付けたデータであり、
さらに前記サーバの前記コンピュータに、
ユーザIDが関連付けられた提案要求を受け付けた場合に、前記記憶処理にて記憶された前記ラベル参照情報のうち、受け付けられた前記ユーザIDを含む前記ラベル参照情報に基づいて、提案対象のプリンタを決定する決定処理と、前記決定処理にて決定された前記プリンタを示す提案情報を、前記提案要求の要求元のデバイスに応答する応答処理と、を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記ラベルデータには、印刷媒体を示す媒体情報が含まれており、
前記決定処理では、
前記記憶処理にて記憶された前記ラベル参照情報のうち、受け付けられた前記ユーザIDを含む前記ラベル参照情報を抽出し、抽出された前記ラベル参照情報に含まれる前記ラベルIDに対応する前記ラベルデータの前記媒体情報に基づいて、前記媒体情報によって示される印刷媒体に対応するプリンタを、前記提案対象のプリンタに決定する、
ように構成されるプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記ラベルデータには、ラベルに含まれるオブジェクトを示すオブジェクト情報が含まれており、
前記決定処理では、
前記記憶処理にて記憶された前記ラベル参照情報のうち、受け付けられた前記ユーザIDを含む前記ラベル参照情報を抽出し、抽出された前記ラベル参照情報に含まれる前記ラベルIDに対応する前記ラベルデータの前記オブジェクト情報に基づいて、前記オブジェクト情報によって示されるオブジェクトの印刷に好適なプリンタを、前記提案対象のプリンタに決定する、
ように構成されるプログラム。
【請求項4】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記所定の要求は、ラベルデータの閲覧要求であり、
前記サーバの前記コンピュータに、
ユーザIDが関連付けられた前記閲覧要求を受け付けた場合、前記閲覧要求に対応する処理として、指定された前記ラベルデータに含まれる詳細情報を前記閲覧要求の要求元のデバイスに送信する送信処理を実行させ、
前記記憶処理では、
受け付けられた前記ユーザIDと、前記閲覧要求にて指定された前記ラベルデータに対応する前記ラベルIDと、を関連付けた前記ラベル参照情報を記憶する、
ように構成されるプログラム。
【請求項5】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記所定の要求は、ラベルデータのダウンロード要求であり、
前記サーバの前記コンピュータに、
ユーザIDが関連付けられた前記ダウンロード要求を受け付けた場合、前記ダウンロード要求に対応する処理として、指定された前記ラベルデータを前記ダウンロード要求の要求元のデバイスにダウンロードさせるダウンロード処理を実行させ、
前記記憶処理では、
受け付けられた前記ユーザIDと、前記ダウンロード要求にて指定された前記ラベルデータに対応する前記ラベルIDと、を関連付けた前記ラベル参照情報を記憶する、
ように構成されるプログラム。
【請求項6】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記サーバのコンピュータに、
ユーザIDが関連付けられた検索要求を受け付けた場合に、前記ラベルデータベースにアクセスし、前記検索要求に含まれる検索条件を満たす前記ラベルデータを検索する検索処理と、前記検索要求にて検索された前記ラベルデータごとに、前記ラベルデータに対応する前記ラベルIDと、受け付けられた前記ユーザIDと、を関連付けた前記ラベル参照情報を記憶する検索時更新処理と、を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項7】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記サーバは、
ユーザIDと、プリンタのモデル情報と、を関連付けて記憶可能であり、
前記決定処理では、
前記記憶処理にて記憶された前記ラベル参照情報のうち、受け付けられた前記ユーザIDを含む前記ラベル参照情報を抽出し、抽出された前記ラベル参照情報に含まれる前記ラベルIDに対応する前記ラベルデータについて、受け付けられた前記ユーザIDに関連付けられた前記モデル情報に示されるプリンタで印刷できない前記ラベルデータの数が多い場合に、抽出された前記ラベル参照情報に含まれる前記ラベルIDに対応する前記ラベルデータを印刷できる別のプリンタを、前記提案対象のプリンタとして決定する、
ように構成されるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載するプログラムにおいて、
前記決定処理では、
前記記憶処理にて記憶された前記ラベル参照情報のうち、受け付けられた前記ユーザIDを含む前記ラベル参照情報を抽出し、抽出された前記ラベル参照情報に含まれる前記ラベルIDに対応する前記ラベルデータについて、受け付けられた前記ユーザIDに関連付けられた前記モデル情報に示されるプリンタで印刷できるものの、別のプリンタの方がより好適な印刷が可能な前記ラベルデータの数が多い場合に、前記別のプリンタを、提案対象のプリンタとして決定する、
ように構成されるプログラム。
【請求項9】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
ユーザIDが関連付けられた提案要求を受け付けた場合に、受け付けられた前記ユーザIDを含む前記ラベル参照情報の数が閾値を超えているか否かを判定する判定処理を実行させ、
前記判定処理にて前記ラベル参照情報の数が前記閾値を超えていると判定された場合には、前記決定処理および前記応答処理を実行させ、
前記判定処理にて前記ラベル参照情報の数が前記閾値を超えていないと判定された場合には、前記決定処理および前記応答処理を実行させず、提案するプリンタが無いことを示す情報を応答する処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
ラベルデータのアップロード指示を受け付けるアップロード受付処理を実行させることが可能であり、
さらに前記サーバの前記コンピュータに、
前記アップロード受付処理にて前記アップロード指示を受け付けた場合に、アップロードされた前記ラベルデータである投稿ラベルデータを受信し、受信した前記投稿ラベルデータを、前記投稿ラベルデータに付与された前記ラベルIDと関連付けて、前記ラベルデータベースに登録する登録処理を実行させ、
前記ラベルデータベースに登録されている前記投稿ラベルデータの1つが指定され、かつユーザIDが関連付けられた前記所定の要求を受け付けた場合に、前記記憶処理では、受け付けられた前記ユーザIDと、前記所定の要求にて指定された前記投稿ラベルデータに対応する前記ラベルIDと、を関連付けた前記ラベル参照情報を記憶する、
ように構成されるプログラム。
【請求項11】
情報処理装置とネットワークを介して接続可能なサーバであって、
前記サーバは、
ラベルデータベースにアクセス可能であり、前記ラベルデータベースには、ラベルデータと、前記ラベルデータを識別するラベルIDと、を関連付けて登録可能であり、
さらに前記サーバは、
前記情報処理装置から、前記ラベルデータベースに登録されている前記ラベルデータの1つが指定され、かつユーザIDが関連付けられた所定の要求を受け付けた場合に、前記所定の要求に対応する処理と、ラベル参照情報を記憶する記憶処理と、を実行し、前記ラベル参照情報は、受け付けられた前記ユーザIDと、前記所定の要求にて指定された前記ラベルデータに対応する前記ラベルIDと、を関連付けたデータであり、
さらに前記サーバは、
前記情報処理装置から、ユーザIDが関連付けられた提案要求を受け付けた場合に、前記記憶処理にて記憶された前記ラベル参照情報のうち、受け付けられた前記ユーザIDを含む前記ラベル参照情報に基づいて、提案対象のプリンタを決定する決定処理と、前記決定処理にて決定された前記プリンタを示す提案情報を、前記情報処理装置に応答する応答処理と、を実行させる、
ように構成されるサーバ。
【請求項12】
情報処理装置と、サーバと、を備え、前記情報処理装置がネットワークを介して前記サーバに接続可能なラベルデータ共有システムにおいて、
前記サーバは、
ラベルデータベースにアクセス可能であり、前記ラベルデータベースには、ラベルデータと、前記ラベルデータを識別するラベルIDと、を関連付けて登録可能であり、
前記情報処理装置は、
前記ラベルデータベースに登録されている前記ラベルデータの1つが指定され、かつユーザIDが関連付けられた所定の要求を、前記サーバに送信することが可能であり、
前記サーバは、
前記情報処理装置から前記所定の要求を受け付けた場合に、前記所定の要求に対応する処理と、ラベル参照情報を記憶する記憶処理と、を実行し、前記ラベル参照情報は、受け付けられた前記ユーザIDと、前記所定の要求にて指定された前記ラベルデータに対応する前記ラベルIDと、を関連付けたデータであり、
前記情報処理装置は、
ユーザIDが関連付けられた提案要求を、前記サーバに送信することが可能であり、
前記サーバは、
前記情報処理装置から前記提案要求を受け付けた場合に、前記記憶処理にて記憶された前記ラベル参照情報のうち、受け付けられた前記ユーザIDを含む前記ラベル参照情報に基づいて、提案対象のプリンタを決定する決定処理と、前記決定処理にて決定された前記プリンタを示す提案情報を、前記情報処理装置に応答する応答処理と、を実行し、
前記情報処理装置は、
前記サーバから受信した前記提案情報に基づいて、前記提案情報に示される前記プリンタを提案する処理を実行する、
ように構成されるラベルデータ共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、ラベルデータの共有を図るシステムに用いられるプログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツデータの共有を図るシステムとして、コンテンツデータを保存するサーバをインターネット上に用意し、そのコンテンツデータがユーザのデバイスにダウンロードされるシステムが知られている。
【0003】
上述したようなシステムを開示した文献としては、例えば特許文献1がある。特許文献1に開示されるポイント管理システムでは、ユーザAのPCから写真データがWWWサーバにアップロードされ、ユーザBのPCによってその写真データが購入されてWWWサーバからダウンロードされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-99746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ラベルプリンタでのラベルの印刷に用いられるラベルデータの共有を図るシステムが検討されており、このようなシステムでは、システムの利用者に対して、好適なプリンタを提案する仕組みが望まれる。特許文献1には、写真データをWWWサーバを介して共有するシステムが開示されているが、アップロードされた写真データの利用する際のデバイスを提案する仕組みについては開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題の解決を目的としてなされたプログラムは、サーバによって実行可能なプログラムであって、前記サーバは、ラベルデータベースにアクセス可能であり、前記ラベルデータベースには、ラベルデータと、前記ラベルデータを識別するラベルIDと、を関連付けて登録可能であり、前記サーバのコンピュータに、前記ラベルデータベースに登録されている前記ラベルデータの1つが指定され、かつユーザIDが関連付けられた所定の要求を受け付けた場合に、前記所定の要求に対応する処理と、ラベル参照情報を記憶する記憶処理と、を実行させ、前記ラベル参照情報は、受け付けられた前記ユーザIDと、前記所定の要求にて指定された前記ラベルデータに対応する前記ラベルIDと、を関連付けたデータであり、さらに前記サーバの前記コンピュータに、ユーザIDが関連付けられた提案要求を受け付けた場合に、前記記憶処理にて記憶された前記ラベル参照情報のうち、受け付けられた前記ユーザIDを含む前記ラベル参照情報に基づいて、提案対象のプリンタを決定する決定処理と、前記決定処理にて決定された前記プリンタを示す提案情報を、前記提案要求の要求元のデバイスに応答する応答処理と、を実行させる、ように構成される。
【0007】
上記のように構成されるプログラムは、所定の要求に応じて参照されたラベルデータのラベルIDを、ラベルデータを参照したユーザのユーザIDを関連付けてラベル参照情報を記憶しておく。ユーザIDが関連付けられた提案要求があった場合に、プログラムは、そのユーザIDを含むラベル参照情報に基づいて、提案対象のプリンタを決定する。これにより、そのユーザIDに対応する利用者のラベルデータの参照履歴に基づいて提案対象のプリンタが決定される。プログラムは、その決定されたプリンタを含む提案情報を提案要求の送信元のデバイスに応答する。このようなプログラムによれば、提案要求元のデバイスによって、そのユーザIDに示される利用者に好適なプリンタが提案されることが期待できる。
【0008】
上記プログラムの機能を実現するためのサーバ、ラベル共有システム、制御方法、および上記プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、ラベルデータの共有を図るシステムにおいて、利用者に好適なプリンタを提案できる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ラベルデータ共有システムを概略的に示す説明図である。
図2】ユーザデータベースの例を示す説明図である。
図3】投稿処理の手順の例を示すシーケンス図である。
図4】画面遷移の例を示す説明図である。
図5】ラベルデータベースの例を示す説明図である。
図6】ダウンロード手順の例を示すシーケンス図である。
図7】ダウンロード画面の例を示す説明図である。
図8】参照データベースの例を示す説明図である。
図9】印刷手順の例を示すシーケンス図である。
図10】プリンタ決定手順の例を示すフローチャートである。
図11】プリンタデータベースの例を示す説明図である。
図12】提案画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ラベルデータ共有システムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、サーバと複数の情報処理装置とをネットワークを介して接続し、ラベルプリンタでのラベルの印刷に用いられるラベルデータの共有を図るラベルデータ共有システムを開示する。
【0012】
図1に示すように、本形態のラベルデータ共有システム100(以下「システム100」と略記する)は、例えば、ラベルプリンタのベンダによってユーザに提供されるシステムである。システム100は、端末12Aと、端末12Bと、ラベル管理サーバ22と、を備え、それらがインターネット回線21を介して接続されている。端末12A,12Bは、ラベルプリンタの所有者や利用者(以下「ユーザ」とする)が所有する端末である。端末12A,12Bは、それぞれ、ラベルプリンタ11A,11Bに接続できる。
【0013】
端末12A,12Bは、通信機能と、表示機能と、操作機能と、を備える情報処理装置である。本形態の端末12A,12Bは、スマートフォンによって構成されるが、その他に、タブレットやパーソナルコンピュータによって構成されてもよい。端末12A,12Bには、それぞれ、クライアントアプリケーションプログラム(以下「クライアントアプリ」とする)13A,13Bが記憶されている。なお、ラベル管理サーバ22に接続する端末の数は本形態に限定されない。また、端末12A,12Bは、特に区別する必要がない場合、「端末12」と総称することがある。また、クライアントアプリ13A,13Bは、特に区別する必要がない場合、「クライアントアプリ13」と総称することがある。また、ラベルプリンタ11A,11Bは、特に区別する必要がない場合、「ラベルプリンタ11」と総称することがある。
【0014】
クライアントアプリ13は、ラベルプリンタ11のベンダによって提供されるアプリケーションプログラムである。クライアントアプリ13は、端末12上において、ラベルデータの作成や編集を行うための機能を備える。クライアントアプリ13は、作成したラベルデータをラベル管理サーバ22に対して投稿する、すなわちアップロードするための機能を備える。クライアントアプリ13は、ラベル管理サーバ22からラベルデータをダウンロードするための機能を備える。クライアントアプリ13は、端末12上において作成したラベルデータやダウンロードしたラベルデータを、ラベルプリンタ11を用いて印刷するための機能を備える。
【0015】
なお、ラベルデータを参照する参照者の端末12Bは、「情報処理装置」の一例である。ラベル管理サーバ22は「サーバ」の一例である。インターネット回線21は「ネットワーク」の一例である。
【0016】
ラベルプリンタ11は、例えば、熱転写方式の印刷ヘッドを備え、ロール状に巻き取られたテープを巻き出しつつ印刷を行う印刷装置である。ラベルプリンタ11は、例えば、端末12から受信した印刷ジョブに基づいて、収容されているテープへの画像の印刷とテープの搬送とを行い、印刷済みの部分を機外へ突出させる。機外に突出されたテープによって、所定のラベル長さとラベル幅とを有するラベルが作成される。「ラベル幅」は、ラベルがラベルプリンタ11から機外へ搬出される方向に直交する方向、すなわち、幅方向の寸法である。「ラベル長さ」は、ラベルがラベルプリンタ11から搬出される方向の長さ、すなわち、長さ方向のサイズである。
【0017】
ラベルプリンタ11は、Wi-Fi(登録商標)などの無線LANの通信や、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって、端末12に接続される。また、USBの通信規格を用いて有線でラベルプリンタ11と端末12とを接続するものであっても良い。
【0018】
ラベルプリンタ11で利用可能なテープには、複数の種類がある。テープの種類は、例えば、テープの幅によって区別してもよいし、テープやインクの色によって区別してもよいし、テープの素材や特殊加工の有無によって区別してもよい。テープは、その種類によって、対応可能なラベルプリンタのモデルが予め決められている。ユーザは、印刷を行わせるラベルプリンタのモデルに対応する複数種類のテープのうち、目的や用途などに適した種類のテープをラベルプリンタに付け替えることができる。
【0019】
ラベル管理サーバ22は、少なくとも、記憶機能と、通信機能と、を有する装置である。ラベル管理サーバ22は、CPU221と、メモリ222と、を有する制御部220を備えている。ラベル管理サーバ22は、ネットワークインタフェース(以下「ネットワークIF」とする)225と、操作表示部226と、インタフェース227と、を備え、これらが制御部220に接続している。本形態のラベル管理サーバ22は、ウェブサーバ機能を有し、端末12等の外部装置に対してウェブページを提供することができる。CPU221は「コンピュータ」の一例である。制御部220が「コンピュータ」の一例であってもよい。
【0020】
CPU221は、メモリ222から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ222は、サーバ用プログラム228などの各種のプログラムや、各種のデータが記憶される記憶領域である。メモリ222は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。
【0021】
サーバ用プログラム228は、ラベルプリンタによるラベルの印刷を管理するためのプログラムである。サーバ用プログラム228は、ラベルデータの投稿を受け付けたり、投稿されたラベルデータを端末に対して送信したりする機能を有する。サーバ用プログラム228は、ユーザがラベルデータを参照する参照履歴に基づいてプリンタを提案する機能を有する。サーバ用プログラム228は「プログラム」の一例である。サーバ用プログラム228の機能については後述する。
【0022】
図1に示すメモリ222の一例は、装置に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU221が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体であってもよい。CPU221が読み取り可能なストレージ媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。
【0023】
操作表示部226は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。なお、操作表示部226は、表示機能と操作受け付け機能とを共に備えるタッチパネルであっても良いし、表示機能を備えるディスプレイと操作受け付け機能を備えるキーボード、マウス、トラックボール等との組であっても良い。
【0024】
ネットワークIF225は、端末12等の外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。ネットワークIF225の通信規格は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などである。ネットワークIF225の通信の態様は、有線でも無線でもよい。本形態のネットワークIF225は、インターネット回線21に接続されている。
【0025】
本形態のインタフェース227には、有線LAN24を介して、ユーザデータベース(以下「ユーザDB」とする)25と、ラベルデータベース(以下「ラベルDB」とする)26と、プリンタデータベース(以下「プリンタDB」とする)27と、参照データベース(以下「参照DB」とする)28と、が接続されている。ユーザDB25、ラベルDB26、プリンタDB27、参照DB28は、ラベル管理サーバ22が有してもよいし、ラベル管理サーバ22と別のサーバが有してもよい。また、ユーザDB25、ラベルDB26、プリンタDB27、参照DB28は、別々のサーバが有していてもよい。ユーザDB25、ラベルDB26、プリンタDB27、参照DB28については、後述する。
【0026】
続いて、システム100の動作を説明する。システム100では、ラベルデータをラベル管理サーバ22に投稿したり、投稿されたラベルデータである投稿ラベルデータをラベル管理サーバ22から端末12に送信したりすることによって、投稿ラベルデータの共有を図っている。以下では、ユーザ登録手順を説明し、その後、ラベル投稿手順と、ラベルデータのダウンロード手順と、ラベルデータの印刷手順を説明する。
【0027】
また、本形態のラベル管理サーバ22は、後述するように、ラベルの参照履歴に基づいてプリンタを提案する機能を有する。以下では、クライアントアプリ13Bが、ラベルプリンタ11Bでの印刷後に、プリンタを提案する提案要求を出力し、ラベル管理サーバ22が提案情報を端末12Bに送信する場合を例にして説明する。
【0028】
なお、本形態における各処理ステップは、基本的に、主にサーバ用プログラム228などのプログラムに記述された命令に従ったCPU221の処理を示す。CPU221による処理は、OSのAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OSの詳細な記載を省略して各プログラムの動作を説明する。
【0029】
(ユーザ登録手順)
システム100を利用するユーザは、例えば、クライアントアプリ13を端末12にインストールする際に、ラベル管理サーバ22にユーザ登録を行う。例えば、端末12がラベル管理サーバ22にユーザ登録を要求すると、ラベル管理サーバ22が端末12にユーザ登録画面を提供して表示させる。ユーザ登録画面は、例えば、ユーザ名入力欄、パスワード設定欄、モデル名入力欄を含む。ラベル管理サーバ22は、ユーザ登録画面を介してユーザ名等の入力を受け付けると、受け付けた情報をユーザDB25に登録する。
【0030】
具体的に、例えば図2に示すユーザDB25は、システム100を利用するユーザが登録されている。ユーザDB25は、ユーザID251と、ユーザ名252と、パスワード253と、モデル情報255と、を関連付けたレコードによって構成されている。
【0031】
例えば、ユーザは、端末12に表示されるユーザ登録画面に対して、自分の名前をユーザ名入力欄に入力し、任意のパスワード「ccc3」をパスワード入力欄に入力し、自分が所持あるいは利用するプリンタのモデル名「Model2」をモデル情報入力欄に入力する。ユーザ登録画面には、ユーザ登録の実行を指示するユーザ登録ボタンが備えられている。ユーザがユーザ登録ボタンを操作すると、ラベル管理サーバ22は、例えば、ユーザを識別するユーザID「aaa3」を生成し、ユーザDB25のユーザID251に新規登録する。そして、ラベル管理サーバ22は、新規登録したユーザID「aaa3」に関連付けられたユーザ名252、パスワード253、モデル情報255に、ユーザ登録画面に入力されたユーザ名「bbb3」と、パスワード「ccc3」と、モデル名「Model2」と、をそれぞれ記憶する。これにより、ユーザ登録手続きが完了する。
【0032】
なお、ユーザ登録は、クライアントアプリ13のインストール時に行われない場合、例えば、ユーザがラベルデータを最初に投稿するとき、あるいは、ユーザがラベルデータを最初にダウンロードするときに、行われてもよい。
【0033】
(投稿手順)
ラベルデータの投稿手順について、図3のシーケンス図を参照して説明する。ラベルデータの投稿を実行しようとするユーザ(以下「投稿者」と称す)は、端末12Aにインストールされたクライアントアプリ13Aを起動し(A01)、ラベルを作成する(A02)。
【0034】
具体的には、例えば図4に示すように、端末12Aは、クライアントアプリ13Aが起動されると、メニュー画面D3を表示する。メニュー画面D3は、ラベルデータの作成を指示する作成ボタンSW31と、ラベルデータの投稿を指示する投稿ボタンSW33と、ラベルデータのダウンロードを指示するダウンロードボタンSW35と、を含む。
【0035】
端末12Aは、作成ボタンSW31が操作されると、編集画面D1を表示する。編集画面D1は、プリンタ選択欄SA13と、編集領域SA11と、設定領域SA12と、印刷ボタンSW11と、保存ボタンSW12と、を有する。プリンタ選択欄SA13は、クライアントアプリ13Aあるいは端末12Aに登録されたプリンタを一覧表示し、印刷を実行するプリンタの選択を受け付けることができる。本形態では、プリンタ選択欄SA13にてラベルプリンタ11Aが選択される。
【0036】
編集領域SA11は、ラベルの編集を受け付ける領域である。編集領域SA11には、編集対象となるラベルのラベル画像データLY11が表示される。設定領域SA12は、選択されたプリンタの能力に応じて各種の設定情報を受け付けることができる。各種の設定情報には、ラベルの属性情報や、ラベルに使用するオブジェクトに関するオブジェクト情報が含まれる。ラベルの属性情報は、例えば、ラベル幅、ラベルの地色、文字色、ラベルの種類を含む。ラベルの種類は、例えば、ラミネートテープ、マスキングテープ、布テープ、リボン、などである。
【0037】
なお、編集画面D1は、端末12Aがオフラインの場合でもラベル画像データを編集することができる。よって、ラベルの属性情報は、選択されたプリンタに装着されているテープの情報である本体媒体情報と一致しない場合がある。本体媒体情報は、例えば、テープ幅、テープ色、インク色、テープの種類である。
【0038】
ラベルに使用されるオブジェクトは、例えば、テキストオブジェクト、シンボルマークオブジェクト、画像オブジェクト、図形オブジェクト、枠オブジェクト、二次元コードオブジェクト、ナンバリングオブジェクト、アドレス帳オブジェクト、カラー画像オブジェクト、ケーブル専用オブジェクトなどである。
【0039】
ナンバリングオブジェクトは、テキストオブジェクトあるいは二次元コードオブジェクトの一種であり、ラベルに配置するテキストの数字や二次元コードの数字を印刷時に増やす機能に対応するオブジェクトである。アドレス帳オブジェクトは、データベースソフトで作成したアドレス帳データベースに登録された郵便番号、住所、宛名を編集時や印刷時にラベルに配置する機能に対応するオブジェクトである。カラー画像オブジェクトは、フルカラー印刷する画像に用いられるオブジェクトである。ケーブル専用オブジェクトは、ケーブルに用いられるラベルに専用に用いられるオブジェクトである。
【0040】
編集画面D1にて受け付け可能な項目が多いことから、クライアントアプリ13Aは、複数のタブTBによって、設定対象の項目の切り替え指示を受け付けることができる。クライアントアプリ13Aは、保存ボタンSW12の操作を受け付けると、編集領域SA11にて編集されているラベル画像データLY11と、設定領域SA12にて受け付けた設定情報と、を含むラベルデータを、メモリ222に保存する。メモリ222に保存されたラベルデータは、編集時、投稿時、印刷時に読み出して使用できる。クライアントアプリ13Aは、ラベルデータをメモリ222に保存すると、編集画面D1を閉じてメニュー画面D3に戻る。
【0041】
図3に示すように、クライアントアプリ13Aは、メニュー画面D3の投稿ボタンSW33が操作されると、投稿指示を受け付ける(A11)。投稿ボタンSW33には、ラベル管理サーバ22が提供する投稿画面のURLが関連付けられている。クライアントアプリ13Aは、自身がブラウザ機能を有する場合には自身のブラウザ機能を用いてラベル管理サーバ22にアクセスし、投稿画面を端末12Aに表示させる(A12,A13)。なお、クライアントアプリ13Aは、自身がブラウザ機能を有していない場合には、端末12Aにインストールされているブラウザなどの別のプログラムにURLを渡す。別のプログラムは、クライアントアプリ13Aから受け取ったURLを用いてラベル管理サーバ22にアクセスし、投稿画面を端末12Aに表示させる。
【0042】
例えば、図4に示す投稿画面D2は、投稿対象選択部SA21と、ラベル名入力欄SA22と、用途入力欄SA23と、ラベル説明欄SA24と、テープ型番入力欄SA25と、新規投稿ボタンSW21と、を有する。投稿対象選択部SA21は、投稿対象となるラベルデータの選択を受け付ける。投稿画面D2には、投稿対象選択部SA21にて選択されたラベルデータに含まれるラベル画像データLY21が表示される。ラベル名入力欄SA22は、投稿するラベルデータのラベル名を入力する欄である。用途入力欄SA23は、投稿するラベルデータの用途を入力する欄である。ラベル説明欄SA24は、投稿するラベルデータを説明する欄である。テープ型番入力欄SA25は、テープ型番を入力する欄である。新規投稿ボタンSW21は、ラベルデータの投稿を指示するアップロード指示を受け付ける操作子である。
【0043】
図3に示すように、ラベル管理サーバ22は、新規投稿ボタンSW21の操作に応じてアップロード指示を受け付け(A22)、投稿されたラベルデータ(以下「投稿ラベルデータ」とする)をユーザIDに関連付けてラベルDB26に登録する(A23)。A22の処理は「アップロード受付処理」の一例である。A23の処理は「登録処理」の一例である。例えば、ラベル管理サーバ22は、クライアントアプリ13AからユーザIDを取得する場合、取得したユーザIDと投稿ラベルデータとを関連付けてラベルDB26に登録してもよい。また例えば、クライアントアプリ13Aの起動時、あるいは、アップロード指示を受け付けた時にユーザIDとパスワードとを用いてログイン操作する場合、ラベル管理サーバ22は、ログイン操作に用いたユーザIDと、投稿ラベルデータとを関連付けて、ラベルDB26に登録してもよい。
【0044】
具体的には、例えば図5に示すラベルDB26は、ラベル管理サーバ22によって共有されるラベルデータが記憶されている。ラベルDB26に記憶されるラベルデータは、投稿ラベルデータだけでなく、プリンタメーカであるベンダが用意したラベルデータも記憶される。ラベルDB26は、ラベルID261と、ユーザID(制作者)262と、ラベルデータ263と、投稿日264と、を関連付けたレコードによって構成されている。
【0045】
ラベルID261は、本形態のシステム100においてラベルDB26に登録されるラベルデータ毎に順次付されたシリアル番号である。ユーザID(制作者)262は、ユーザのユーザID251である。ラベルデータの制作者がユーザDB25に登録されたユーザである場合、ユーザID262には制作者のユーザID251が記憶される。ラベルデータの制作者がプリンタのベンダである場合、ユーザID(制作者)262には、何も記憶されなくてもよいし、ベンダを識別する情報が記憶されてもよい。
【0046】
ラベルデータ263には、ラベルに関する情報が記憶される。ラベルデータ263は、例えば、ラベル名2631、用途2632、説明2633、媒体情報2636、オブジェクト情報2637を含む。ラベル名2631には、ラベル名が記憶される。用途2632には、ラベルの用途を示す情報が記憶される。説明2633には、ラベルの説明を示す情報が記憶される。媒体情報2636は、ラベルとテープに関する情報が記憶される。オブジェクト情報には、ラベルデータに使用するオブジェクトに関する情報が記憶される。
【0047】
具体的に、例えば、投稿者が、ユーザID「aaa1」とパスワード「bbb1」とを用いてシステム100にログインして投稿画面D2を表示させ、投稿対象選択部SA21にて「ラベルデータX1」を選択し、ラベル名入力欄SA22に「電気設備用ラベル」を入力し、用途入力欄SA23に「電気設備」を入力し、ラベル説明欄SA24に「ケーブルの径○○mmに対応しています。」を入力し、テープ型番入力欄SA25に「フラッグテープ1」を入力して、新規投稿ボタンSW21を操作したとする。
【0048】
この場合、ラベル管理サーバ22は、ラベルID「LB3」を新規に作成し、ラベルDB26のラベルID261に新規登録する。ラベル管理サーバ22は、ユーザID「aaa1」をラベルID「LB3」に関連付けられたユーザID(制作者)262に記憶する。ラベル管理サーバ22は、ラベル名入力欄SA22に入力された「電気設備用ラベル」と、用途入力欄SA23に入力された「電気設備」と、ラベル説明欄SA24に入力された「ケーブルの径○○mmに対応しています。」と、をラベルデータ263のラベル名2631、用途2632、説明2633にそれぞれ記憶する。また、ラベル管理サーバ22は、投稿画面D2に入力されたテープ型番「フラッグテープ1」と、投稿ラベルデータ「ラベルデータX1」に含まれるラベルの属性情報と、を媒体情報2636に記憶する。さらに、ラベル管理サーバ22は、ラベルデータに含まれるオブジェクト情報を、オブジェクト情報2637に記憶する。例えば、投稿ラベルデータがケーブル専用オブジェクトを含む場合、ケーブル専用オブジェクトがオブジェクト情報2637に記憶される。これにより、投稿ラベルデータの登録が完了する。
【0049】
図3に示すように、ラベル管理サーバ22は、投稿ラベルデータの登録が完了すると、投稿ラベルデータの送信元の端末12Aに対して登録完了を通知する(A24)。端末12Aは、登録完了通知を表示する(A25)。
【0050】
(ダウンロード手順)
図6を参照して、ラベルデータをダウンロードする手順を説明する。ここでは、ラベルを印刷するユーザ(以下「印刷者」とする)が、端末12Bを用いて印刷対象となるラベルデータを検索し、検索結果に含まれるラベルデータを閲覧し、閲覧したラベルデータをダウンロードする場合を例にして説明する。
【0051】
端末12Bにインストールされているクライアントアプリ13Bは、図4に示すメニュー画面D3のダウンロードボタンSW35に、ラベル管理サーバ22が提供するダウンロード画面のURLが関連付けられている。クライアントアプリ13Bは、ダウンロードボタンSW35の操作に応じてダウンロード指示を受け付ける(B01)。クライアントアプリ13Bは、例えば、自身のブラウザ機能を用いてダウンロード画面のURLにアクセスし、ラベル管理サーバ22から提供されるダウンロード画面を端末12Bに表示させる(B02,B03)。なお、クライアントアプリ13Bは、ブラウザ機能を有していない場合には、ブラウザなど別のプログラムにURLを渡す。別のプログラムは、URLに基づいてダウンロード画面を端末12Bに表示させる。
【0052】
例えば、図7に示すダウンロード画面D5は、検索欄SA51と、検索ボタンSW51と、検索結果表示欄SA52と、閲覧ボタンSW52と、ダウンロード実行ボタンSW53と、を有する。
【0053】
検索欄SA51は、ラベルデータを検索する検索条件を受け付けることができる。検索ボタンSW51は、検索を実行する指示を受け付ける操作子である。検索結果表示欄SA52は、検索条件に基づく検索結果を表示する。検索結果表示欄SA52には、例えば、検索条件に適合するラベルデータのラベル画像データが選択可能に表示される。
【0054】
例えば、印刷者が検索欄SA51に検索条件「電気設備」を入力して検索ボタンSW51を操作すると、ラベル管理サーバ22は、ユーザIDが関連付けられた検索要求を受け付ける(B21)。検索要求は、検索条件を満たすラベルデータを検索する要求である。検索要求には、検索条件が含まれる。検索要求に関連付けられるユーザIDは、ログイン操作に用いられたユーザIDでもよいし、クライアントアプリ13Bから送信されるユーザIDでもよい。検索要求は、「所定の要求」の一例である。
【0055】
ラベル管理サーバ22は、ラベルDB26にアクセスし、検索要求に含まれる検索条件を満たすラベルデータを取得してラベルリストを生成する(B22)。B22の処理は「検索処理」の一例である。ラベル管理サーバ22は、生成したラベルリストを端末12Bに送信し(B23)、ラベルリストに基づく検索結果を検索結果表示欄SA52に表示させる(B24)。B23、B24の処理は、「所定の要求に対応する処理」の一例である。
【0056】
例えば、ラベル管理サーバ22は、検索条件「電気設備」を受け付けた場合、用途2632に「電気設備」を記憶するレコードをラベルDB26から取得する。ラベル管理サーバ22は、取得したレコードごとに、ラベル画像データと、ラベル名2631と、ラベルID261と、を抽出し、それらを含むラベルリストを生成する。すなわち、ラベルリストには、媒体情報やオブジェクト情報などが含まれず、取得したレコードに含まれる情報のうちの一部が含まれる。よって、ラベルリストは、検索条件に基づいて取得したレコードに含まれる情報を全て含む場合と比べ、データ容量が小さく、通信負荷を小さくできる。検索結果表示欄SA52には、例えば、検索条件を満たすラベルデータごとにラベル画像データとラベル名とが組み合わされて一覧表示される。
【0057】
また、ラベル管理サーバ22は、検索に基づくラベル参照情報を参照DB28に記憶する(B25)。B25の処理は、「検索時更新処理」の一例である。
【0058】
例えば図8に示す参照DB27は、システム100を利用するユーザの参照履歴を一括管理している。参照DB27は、ユーザID281と、ラベルID282と、参照種別283と、参照日時284と、を関連付けたレコードにより構成されている。参照DB27には、ラベルデータが参照される度に、レコードが追加される。つまり、同じユーザが同じラベルデータを繰り返し参照する場合でも、参照DB27には、別々のレコードとして登録される。
【0059】
ユーザID(参照者)281には、ラベルデータを参照したユーザのユーザID251が記憶される。ラベルID282には、ユーザに参照されたラベルデータのラベルID261が記憶される。ユーザに参照されたラベルデータは、例えば、検索されたラベルデータ、閲覧されたラベルデータ、ダウンロードされたラベルデータ、である。参照種別283は、ラベルデータの参照の種別を示す情報が記憶される。本形態の参照種別283には、例えば、検索、閲覧、ダウンロード、が記憶される。参照日時284には、ラベルデータが参照された年月日が記憶される。
【0060】
例えば、ダウンロード画面D5の検索欄SA51に「電気設備」が入力された状態で検索ボタンSW51が操作されると、ラベル管理サーバ22は、インタフェース227を用いてラベルDB26にアクセスする。ラベル管理サーバ22は、ラベルデータ263の用途2632に「電気設備」が記憶されているラベルデータをラベルDB26から全て取得する。ラベル管理サーバ22は、取得したラベルデータごとに、ラベルデータに含まれるラベルIDとユーザIDとを関連付けて記憶する。
【0061】
例えば、ラベル管理サーバ22は、ラベルID「LB1」、「LB3」、及び、「LB8」を含むラベルデータを取得したとする。また、検索要求にはユーザID「aaa3」が関連付けられているとする。この場合、ラベル管理サーバ22は、検索要求に関連付けられたユーザID「aaa3」と、ラベルID「LB1」と、参照種別「検索」と、検索日時「2022/12/1/13:05:45」と、をユーザID281と、ラベルID282と、参照種別283と、参照日時284と、にそれぞれ記憶したレコードを生成し、参照DB28に登録する。ラベルID「LB3」、「LB8」も、これと同様にユーザID「aaa3」、参照種別「検索」、参照日時に関連付けて参照DB28にそれぞれ登録される。これにより、検索に基づくラベル参照履歴が参照DB28に記憶される。
【0062】
例えば、図7に示すダウンロード画面D5の検索結果表示欄SA52に表示されるラベル画像データLY21,LY51,LY52のうち、ラベル画像データLY21を選択した状態で、閲覧ボタンSW52が操作されると、図6に示すように、ラベル管理サーバ22は、ユーザIDが関連付けられた閲覧要求を受け付ける(B31)。閲覧要求は、指定されたラベルデータの詳細情報を送信する要求である。閲覧要求に関連付けられるユーザIDは、ログイン操作に用いられたユーザIDでもよいし、クライアントアプリ13Bから送信されるユーザIDでもよい。閲覧要求は「所定の要求」の一例である。
【0063】
検索結果表示欄SA52に一覧表示されるラベル画像データには、それぞれ、ラベルリストによって一緒に送信されたラベルIDが関連付けられている。ラベル画像データLY21にはラベルID「LB3」が関連付けられているとする。この場合、ラベル管理サーバ22は、ラベルID「LB3」に関連付けられたラベルデータをラベルDB26から読み出す(B32)。ラベル管理サーバ22は、読み出したラベルデータに基づく詳細情報を端末12Bに送信する(B33)。詳細情報は、例えば、ラベルデータに含まれるラベル名、用途、説明、媒体情報が含まれる。B33の処理は、「所定の要求に対応する処理」、「送信処理」の一例である。端末12Bは、受信した詳細情報を表示する(B34)。
【0064】
また、ラベル管理サーバ22は、閲覧に基づくラベル参照情報を参照DB28に記憶する(B35)。B35の処理は、「記憶処理」の一例である。具体的には、ラベル管理サーバ22は、閲覧要求に関連付けられたユーザID「aaa3」と、閲覧されたラベルデータのラベルID「LB3」と、参照種別「閲覧」と、閲覧日時「2022/12/1/13:15:00」と、をユーザID281と、ラベルID282と、参照種別283と、参照日時284と、にそれぞれ記憶したレコードを生成し、参照DB28に登録する。これにより、閲覧に基づくラベル参照履歴が参照DB28に記憶される。
【0065】
例えば、図7に示すダウンロード画面D5の検索結果表示欄SA52に表示されるラベル画像データLY21,LY51,LY52のうち、ラベル画像データLY21を選択した状態で、ダウンロード実行ボタンSW53が操作されると、図6に示すように、ラベル管理サーバ22は、ユーザIDが関連付けられたダウンロード要求を受け付ける(B41)。ダウンロード要求は、指定されたラベルデータをダウンロードする要求である。ログイン要求に関連付けられるユーザIDは、ログイン操作に用いられたユーザIDでもよいし、クライアントアプリ13Bから送信されるユーザIDでもよい。ダウンロード要求は「所定の要求」の一例である。
【0066】
ラベル管理サーバ22は、選択されたラベル画像データLY21に関連付けられたラベルID「LB3」に対応するラベルデータをラベルDB26から読み出す(B42)。ラベル管理サーバ22は、読み出したラベルデータを端末12Bに送信する(B43)。クライアントアプリ13Bは、ラベルデータを受信すると、端末12Bにそのラベルデータを記憶させる(B44)。また、クライアントアプリ13Bは、ダウンロードの完了を端末12Bに表示させる(B45)。B43の処理は、「所定の要求に対応する処理」、「ダウンロード処理」の一例である。
【0067】
また、ラベル管理サーバ22は、B43にて端末12Bに送信したラベルデータに基づくラベル参照情報を参照DB28に記憶する(B46)。B46の処理は、「記憶処理」の一例である。具体的には、ラベル管理サーバ22は、ダウンロード要求に関連付けられたユーザID「aaa3」と、端末12Bに送信されたラベルデータのラベルID「LB3」と、参照種別「ダウンロード」と、ダウンロード日時「2022/12/1/13:18:30」と、をユーザID281と、ラベルID282と、参照種別283と、参照日時284と、にそれぞれ記憶したレコードを生成し、参照DB28に登録する。これにより、ダウンロードに基づくラベル参照履歴が参照DB28に記憶される。
【0068】
(印刷手順)
図9を参照してラベルデータを印刷する手順について説明する。例えば、印刷者の端末12Bは、図4に示すメニュー画面D3にて作成ボタンSW31が操作されると、編集画面D1を表示する。クライアントアプリ13Bは、例えば、編集画面D1にて、印刷対象のラベル画像データを編集する(C01)。端末12Bは、例えば、ラベル管理サーバ22からダウンロードしたラベルデータをメモリ222から読み出して編集画面D1に表示させ、編集操作を受け付ける。クライアントアプリ13Bは、編集画面D1の印刷ボタンSW11が操作されると、印刷指示を受け付ける(C02)。
【0069】
印刷指示を受け付けたクライアントアプリ13Bは、編集画面D1にて編集されたラベルデータに基づいて印刷データを生成し、ラベルプリンタ11Bに送信する(C03)。ラベルプリンタ11Bは、受信した印刷データを印刷する(C04)。ラベルプリンタ11Bは、印刷を終了すると、印刷結果を端末12Bに送信する(C05)。
【0070】
クライアントアプリ13Bは、印刷結果を受信すると、ラベル管理サーバ22に対して提案要求を送信する(C11)。提案要求は、ユーザに適したプリンタを提案することを要求する指示である。提案要求には、ユーザIDが関連付けられている。提案要求に関連付けられるユーザIDは、ログイン操作により入力されたユーザIDでもよいし、クライアントアプリ13Bから送信されるユーザIDでもよい。
【0071】
ラベル管理サーバ22は、提案指示を受け付けると、提案情報送信判定を行う(C12)。提案情報送信判定は、提案要求の送信元であるデバイスに提案情報を送信するか否かを判定する処理である。本形態のサーバ用プログラム228は、提案要求に関連付けられたユーザIDを含むラベル参照情報の数と、閾値と、に基づいて、提案情報送信判定を行う。
【0072】
閾値は固定値でもよいし、可変値でもよい。閾値を100に固定した場合、ラベル参照情報の蓄積数が増えると、提案情報の送信頻度が多くなる。これに対して、例えば、ラベル参照情報が0~1000件までは閾値を100に設定し、ラベル参照情報が1001~5000件でまでは閾値を200に設定するなど、ラベル参照情報の増加に応じてサーバ用プログラム228が可変値を増やすことで、ラベル参照情報の蓄積数が少ない場合でも、多い場合でも、提案情報の送信頻度を平滑化することができる。C12の処理は「判定処理」の一例である。
【0073】
具体的には、ラベル管理サーバ22は、インタフェース227を用いて参照DB28にアクセスする。例えば、ユーザID「aaa3」が提案要求に関連付けられている場合、サーバ用プログラム228は、ユーザID「aaa3」を含むレコードを参照DB28から読み出す。ラベル管理サーバ22は、読み出したレコードの数が閾値を超える場合、つまり、ユーザID「aaa3」に関連付けられたラベル参照情報の数が閾値を超える場合、提案情報を送信すると判定する(alt:送信する)。
【0074】
この場合、ラベル管理サーバ22は、提案するプリンタを決定する(C31)。C31の処理は「決定処理」の一例である。プリンタを決定する手順を図10を参照して説明する。
【0075】
ラベル管理サーバ22のCPU221は、C12にて参照DB28から読み出したレコードに含まれるラベルIDに対応するラベルデータを、ラベルDB26から取得する。すなわち、CPU221は、提案要求に関連付けられたユーザID「aaa3」に対応するラベルデータを取得する(S11)。CPU221は、ユーザが保有していないプリンタでしか印刷できないラベルデータの数が多いか否かを判断する(S12)。本形態では、ラベルデータの数が多いとは、閾値よりも多い場合とする。
【0076】
ラベル管理サーバ22は、インタフェース227を用いてユーザDB25とプリンタDB27とにアクセス可能に接続できる。ラベル管理サーバ22のCPU221は、図2に示すユーザDB25にアクセスし、提案要求に関連付けられたユーザID「aaa3」に対応するモデル情報「Model2」を取得する。つまり、ラベル管理サーバ22は、印刷者が保有するラベルプリンタ11Bを把握する。
【0077】
例えば、ラベルプリンタは、モデルごとに、構造や性能が異なる。構造は、例えば、テープのカセットを装着する構造、防塵構造、モバイル構造、カラー印刷構造、高速印刷構造である。また、ラベルのデザイン性を高めるために、テープ色、インク色、材質、粘着力、形状などが異なる多種多様なテープが販売されている。ラベルプリンタは、モデルごとに、装着できるテープが決められている。
【0078】
例えば図11に示すプリンタDB27は、プリンタのモデルごとに、スペックや対応可能なテープを記憶している。すなわち、プリンタDB27は、モデル情報271と、スペック情報272と、テープ型番273と、を関連付けたレコードによって、構成されている。モデル情報271には、プリンタのモデルを示すモデル情報が記憶されている。スペック情報272には、プリンタのモデルが有する構造あるいは性能を示す情報が記憶されている。テープ型番273には、プリンタのモデルが対応可能なテープのテープ型番が記憶されている。
【0079】
ラベル管理サーバ22のCPU221は、印刷者が保有するラベルプリンタ11Bのモデル情報「Model2」に関連付けられたスペック情報272と、テープ型番273と、を読み出す。CPU221は、S11にて取得したラベルデータと、読み出したスペック情報およびテープ型番と、を比較する。CPU221は、S11にて取得したラベルデータのうち、ラベルプリンタ11Bのモデル「Model2」では対応できないが、当該モデル以外のプリンタでは対応できるラベルデータの数が閾値よりも多い場合、ユーザが保有していないプリンタでしか印刷できないラベルの数が多いと判断する(S12:YES)。この場合、CPU221は、プリンタDB27にアクセスし、ユーザが保有するモデル「Model2」以外のモデルであって、ラベルデータを印刷できるモデルのプリンタを提案対象のプリンタとして決定し(S13)、処理を終了する。
【0080】
例えば、ユーザがカラー印刷できないモデルのプリンタを保有するのに対して、当該ユーザのラベル参照情報は、カラー画像オブジェクトを含むラベルデータの数が多いとする。この場合、CPU221は、カラー印刷に対応するスペック情報に関連付けられたモデル情報をプリンタDB27から取得し、カラー印刷可能なプリンタを提案対象のプリンタとして決定する。
【0081】
例えば、ユーザが布テープに対応できないモデルのプリンタを保有するのに対して、当該ユーザのラベル参照情報は、布テープのテープ型番を含むラベルデータの数が多いとする。この場合、CPU221は、布テープのテープ型番に関連付けられたモデル情報をプリンタDB27から取得し、布テープに印刷可能なプリンタを提案対象のプリンタとして決定する。
【0082】
例えば、ユーザがテープ幅30mmまで対応可能なプリンタを保有するのに対して、当該ユーザが参照したラベル参照情報は、ラベル幅が50mmの媒体情報を含むラベルデータ、あるいは、アドレス帳オブジェクト等、30mmを超えるサイズが最小サイズとして規定されているオブジェクトを含むラベルデータ、が多いとする。この場合、CPU221は、テープ幅50mmに対応可能なスペック情報に関連付けられたモデル情報をプリンタDB27から取得し、ラベル幅50mmのテープや、テープ幅が30mmを超える宛名ラベルを印刷可能なプリンタを提案対象のプリンタとして決定する。
【0083】
CPU221は、ユーザが保有しているモデル「Model2」のラベルプリンタ11Bで印刷できるものの、ユーザが保有していない別のプリンタ(例えば、モデル名「Model1」のプリンタ)の方が好適な印刷が可能なラベルデータの数が多い場合(S12:NO、S14:YES)、別のモデルのプリンタを提案対象のプリンタとして決定し(S15)、処理を終了する。
【0084】
例えば、ユーザがフラッグテープに対応可能なモデルのプリンタを保有するのに対して、当該ユーザが参照したラベル参照情報は、ケーブル専用オブジェクトを含むラベルデータの数が多いとする。この場合、ユーザは、屋外で作業する可能性が高い。そこで、CPU221は、ユーザが保有するモデルのプリンタよりも、可搬性があり、粉塵や高温多湿などの環境に強いスペック情報に関連付けられたモデル情報をプリンタDB27から取得し、持ち運び易く環境に強いポータブルプリンタを提案対象のプリンタとして決定する。
【0085】
例えば、ナンバリングオブジェクトあるいはデータベースオブジェクトを含むラベルデータの数が多いとする。この場合、大量のラベルの印刷が想定される。CPU221は、ユーザが保有するモデルのプリンタが低速プリンタであった場合、そのプリンタよりも印刷速度が速いスペック情報に関連付けられたモデル情報をプリンタDB27から取得し、短時間で大量印刷できるプリンタを提案対象のプリンタとして決定する。
【0086】
CPU221は、ユーザが保有しているモデル「Model2」のプリンタによって好適な印刷ができるものの、特定のラベル向けのオブジェクトを含むラベルデータが多い場合(S12:NO、S14:NO、S16:YES)、特定のオブジェクトに対応可能なプリンタを提案対象のプリンタとして決定し(S17)、処理を終了する。
【0087】
例えば、ケーブル専用オブジェクトは、フラッグ形状のラベル向けのオブジェクトである。ラベル参照情報は、数が多いとは言えないが、ケーブル専用オブジェクトを含むラベルデータを含むとする。この場合、CPU221は、ケーブル専用オブジェクトに対応可能なモデルのプリンタを、提案対象のプリンタとして決定する。
【0088】
なお、CPU221は、ユーザが保有するプリンタで印刷できないラベルデータの数が多くなく、また、ユーザが保有するプリンタと別のプリンタで印刷した方が好適なラベルデータの数が少なく、さらに、ラベルデータに含まれるオブジェクトが、特定のラベル向けのオブジェクトを含まない場合(S12:NO、S14:NO、S16:NO)、提案対象のプリンタを決定せずに、処理を終了する。ユーザは、自分のラベル印刷傾向に適したプリンタを保有している可能性が高いからである。
【0089】
なお、本形態では、参照DB28に記憶された全てのラベル参照情報に基づいて提案対象のプリンタが決定されている。これに対して、CPU221は、参照DB28の参照日時284に基づいて、提案要求があった時から所定期間内のラベル参照情報に基づいて提案対象のプリンタを決定してもよい。
【0090】
また、S12およびS13の処理、あるいは、S14およびS15の処理では、参照したラベルデータの数に基づいて提案対象のプリンタを決定したが、参照したラベルデータの割合に基づいて提案対象のプリンタを決定してもよい。
【0091】
図9に戻り、ラベル管理サーバ22は、S31にてプリンタを決定すると、提案要求の要求元である端末12Bに、提案情報を応答する(C32)。提案情報は、S31にて決定したプリンタを示す情報である。C32の処理は「応答処理」の一例である。
【0092】
端末12Bは、受信した提案情報を表示する(C33)。例えば、端末12Bは、図12に示す提案画面D6を表示する。提案画面D6には、提案対象となるプリンタのモデル名M61、特長M62、プリンタの画像M63、テープの画像M64などが表示される。なお、提案画面D6には、プリンタを購入するサイトのリンクM65が表示されていてもよい。C33の処理は「提案情報に示されるプリンタを提案する処理」の一例である。
【0093】
上記に対して、ラベル管理サーバ22は、例えば、ラベル参照情報の数が閾値以下である場合、提案情報を送信しないと判定する(alt:送信しない)。この場合、ラベル管理サーバ22は、提案対象となるプリンタを決定せずに、提案するプリンタが無いことを示す情報を応答する(C41)。この場合、端末12Bは、何の情報も表示しない。なお、端末12Bは、提案するプリンタが無かったことを報知してもよい。
【0094】
以上説明したように、本形態のサーバ用プログラム228は、検索要求、閲覧要求、ダウンロード要求に応じて参照されたラベルデータのラベル参照情報を参照DB28に記憶しておき、ユーザIDが関連付けられた提案要求があった場合に、そのユーザIDを含むラベル参照情報に基づいて、提案対象のラベルプリンタを決定する。これにより、そのユーザIDに対応する利用者のラベルデータの参照履歴に基づいて提案対象のラベルプリンタが決定される。サーバ用プログラム228は、その決定されたラベルプリンタを含む提案情報を提案要求の送信元のデバイスに応答する。このようなサーバ用プログラム228によれば、提案要求元のデバイスによって、そのユーザIDに示される利用者に好適なラベルプリンタが提案されることが期待できる
【0095】
なお、本明細書に開示される実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。端末12に接続されるラベルプリンタ11の数は、図示の例に限らず、2台以上でも良い。
【0096】
提案要求を送信するタイミングは、印刷実行後でなくてもよい。例えば、クライアントアプリ13Bは、ラベルデータの検索時や、印刷指示の受付時に、提案要求を出力してもよい。また、クライアントアプリ13Bは、前回提案からの経過時間が長い場合やアプリ起動時の最初のタイミングで、提案要求を送信してもよい。
【0097】
ラベル管理サーバ22は、ウェブサーバ機能を有するフロントエンドサーバと、ウェブサーバ機能と別の機能を有するバックエンドサーバとで構成されてもよい。例えば、フロントエンドサーバは、端末12からのアクセスを受け付け、所定の要求や提案要求を受け付け、提案情報を送信してもよい。一方、バックエンドサーバは、たとえば、ラベル参照情報の記憶や提案対象のプリンタの決定を行ってもよい。提案対象のプリンタの決定と応答は、バックエンドサーバとフロントエンドサーバとが協働して行ってもよい。
【0098】
検索と閲覧は、ダウンロードと別のタイミングで行ってもよい。例えば、ラベル管理サーバ22が管理するラベルデータを検索あるいは閲覧するためのボタンを編集画面D1に設け、ラベルデータの編集時あるいは印刷時にラベルデータの検索や閲覧を行ってもよい。この場合も、上記形態と同様に、ラベル参照情報を参照DB28に記憶するとよい。
【0099】
同じユーザIDおよび同じラベルデータが関連付けられたラベル参照情報は、記憶しないとしてもよいし、上書きしてもよい。上書きする場合には、参照日時284だけが更新される。これによれば、メモリ負荷を軽減できる。
【0100】
C31の処理では、ラベルデータに含まれる媒体情報に基づいて提案対象となるプリンタが決定されなくてもよい。ただし、テープのサイズ、地色、文字色、種類、型番などのラベルデータに含まれる媒体情報に基づいて、例えば特定のプリンタでしか印刷できない印刷媒体が設定されたラベルデータが多く参照されている場合に、その特定のプリンタを提案対象のプリンタに決定することで、印刷媒体に合ったプリンタを提案できる。特定のプリンタでしか印刷できない印刷媒体には、例えば、特殊加工テープ、特殊形状テープがある。
【0101】
C31の処理では、ラベルデータに含まれるオブジェクト情報に基づいて提案対象となるプリンタが決定されなくてもよい。ただし、ラベルデータに含まれるオブジェクト情報に基づいて、例えば特定のオブジェクトを含むラベルデータが多く参照されている場合に、そのオブジェクトから推測される好適なプリンタを提案できる。
【0102】
図6のB35の処理は省略し、閲覧に基づくラベル参照情報を記憶しなくてもよい。ただし、ラベルデータが閲覧された場合、ユーザがそのラベルデータに興味があり、そのラベルデーの利用を検討している可能性が高い、そのため、ラベルデータの閲覧要求があった場合に、そのラベルデータに対応するラベル参照情報が参照DB28に記憶されることで、サーバ用プログラム228がユーザの好みに合ったプリンタを提案できる可能性が高まる。
【0103】
図6のB46の処理は省略し、ダウンロードに基づくラベル参照情報を記憶しなくてもよい。ただし、ラベルデータがダウンロードされた場合、ユーザがそのラベルデータを利用している可能性が高くなる。そのため、ラベルデータのダウンロード要求があった場合に、そのラベルデータに対応するラベル参照情報が参照DB28に記憶されることで、サーバ用プログラム228がユーザの好みに合ったプリンタを提案できる可能性が高まる。
【0104】
ラベルデータのダウンロードは、閲覧や検索と比較してそのラベルデータが利用される可能性が高い。そこで、参照種類に「ダウンロード」が記憶されているラベル参照情報がある場合には、ラベル参照情報の記憶数が少なくてもそのラベルデータに合ったプリンタを提案するようにしてもよい。つまり、参照種類に応じてラベル参照情報に重み付けして図10のS12,S14の処理を行い、提案対象のプリンタを決定してもよい。
【0105】
図6のB25の処理は省略し、検索に基づいてラベル参照情報を更新しなくてもよい。ただし、ラベルデータが検索された場合、利用者がその検索されたラベルデータに興味があり、そのラベルデーの利用を検討している可能性が高い。そこで、ラベルデータが検索された場合にもラベル参照情報を更新することで、サーバ用プログラム228がユーザの好みに合ったプリンタを提案できる可能性が高まる。
【0106】
図10のS12,S13の処理は省略してもよい。ただし、参照された多くのラベルデータにユーザのプリンタが対応していない場合に、多くのラベルデータに対応する別のプリンタを提案することで、ユーザの好みのラベルデータを印刷できる可能性が高まる。
【0107】
図10のS14,S15の処理は省略してもよい。ただし、参照されたラベルデータの多くがユーザのプリンタで対応するものの、より好適なプリンタがある場合に、その好適プリンタを提案することで、ユーザの好みのラベルデータをより好適なプリンタで印刷できる可能性が高まる。
【0108】
図10のS12~S15の処理では、ラベルデータの数が多くない場合も提案対象となるプリンタを決定してもよい。ただし、ラベル参照情報の数が少ない場合には提案対象のプリンタを決定する根拠が乏しくなり、提案されるプリンタが利用者に好適でない可能性もあるため、提案しない方が好ましい。
【0109】
ラベル参照情報の対象となるラベルデータは、投稿されたラベルデータに限定してもよい。これによれば、サーバ用プログラムは、投稿ラベルデータに基づいて好適なプリンタを提案できることで、その投稿ラベルデータの利用を促進できる。
【0110】
提案情報には、複数のプリンタに関する情報が含まれ、提案画面D6にて複数のプリンタを提案してもよい。
【0111】
実施の形態に開示されている任意のシーケンス図において、任意の複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0112】
実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0113】
11B,11B……ラベルプリンタ、12A,12B……端末、21……インターネット回線、22……ラベル管理サーバ、26……ラベルDB、221……CPU、228……サーバ用プログラム
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