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特開2024-145859プログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145859
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241004BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F3/12 305
G06F3/12 378
G06F3/12 332
G06F3/12 389
G06F3/12 373
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058402
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂 涼司
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AS06
2C061HJ08
2C061HP08
(57)【要約】
【課題】ラベルデータの共有を図るシステムにおいて、利用者に好適なラベルデータを推奨できる技術を提供すること。
【解決手段】ラベル管理サーバ22は、サーバ用プログラム228を実行することにより、端末12Bから表示要求があった場合に、その端末12Bがラベルプリンタ11Bから取得した本体媒体情報10Bを取得し、その本体媒体情報10Bに対応する媒体情報を含むラベルデータをラベルDB26から抽出する。ラベル管理サーバ22は、抽出したラベルデータを含むラベルデータリストを端末12Bに応答する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによって実行可能なプログラムであって、前記サーバは、ラベルデータベースにアクセス可能であり、前記ラベルデータベースには、複数のラベルデータを登録可能であり、前記ラベルデータには、印刷媒体を示す媒体情報が含まれており、
前記サーバのコンピュータに、
情報処理装置からリスト要求を受け付けた場合に、
前記情報処理装置がラベルプリンタから取得した媒体情報である本体媒体情報を取得する取得処理と、
前記ラベルデータベースにアクセスし、前記取得処理にて取得された前記本体媒体情報に対応する媒体情報が含まれる前記ラベルデータを抽出する抽出処理と、
前記抽出処理にて抽出された前記ラベルデータを含むラベルデータリストを、前記情報処理装置に応答する応答処理と、
を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記リスト要求には、前記本体媒体情報が関連付けられている場合があり、
前記サーバの前記コンピュータに、
前記情報処理装置から前記本体媒体情報が関連付けられている前記リスト要求を受け付けた場合に、前記取得処理、前記抽出処理、および前記応答処理を実行させ、
前記取得処理では、
前記リスト要求に関連付けられた前記本体媒体情報を取得する、
ように構成されるプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記リスト要求には、ユーザIDが関連付けられており、
前記サーバの前記コンピュータに、
印刷ログを記憶する記憶処理を実行させることが可能であり、前記印刷ログは、前記前記情報処理装置が前記ラベルプリンタに印刷を行わせた場合に、前記情報処理装置から出力されるものであり、前記印刷ログには、ユーザIDと、前記情報処理装置が印刷時に前記ラベルプリンタから取得した前記本体媒体情報と、が含まれており、
前記取得処理では、
前記記憶処理にて記憶された前記印刷ログの中から、前記リスト要求に関連付けられたユーザIDを含む前記印刷ログを抽出し、抽出された前記印刷ログに含まれる前記本体媒体情報を取得する、
ように構成されるプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載するプログラムにおいて、
前記取得処理では、
前記リスト要求に関連付けられたユーザIDを含む前記印刷ログが複数ある場合に、最新の前記印刷ログを抽出する、
ように構成されるプログラム。
【請求項5】
請求項3に記載するプログラムにおいて、
前記取得処理では、
前記記憶処理にて記憶された前記印刷ログの中から、前記リスト要求に関連付けられたユーザIDを含む前記印刷ログであり、かつ現時点から所定期間内に記憶された前記印刷ログを抽出し、抽出された前記印刷ログに含まれる前記本体媒体情報を取得する、
ように構成されるプログラム。
【請求項6】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記抽出処理では、
前記取得処理にて取得された前記本体媒体情報が一致する前記媒体情報が含まれる前記ラベルデータを抽出する、
ように構成されるプログラム。
【請求項7】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記媒体情報には、複数の項目が有り、
前記抽出処理では、
前記取得処理にて取得された前記本体媒体情報の少なくとも一部の項目が一致する前記媒体情報が含まれる前記ラベルデータを抽出する、
ように構成されるプログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載するプログラムにおいて、
前記サーバの前記コンピュータに、
ラベルデータのアップロード指示を受け付けるアップロード受付処理を実行させることが可能であり、
さらに前記サーバの前記コンピュータに、
前記アップロード受付処理にて前記アップロード指示を受け付けた場合に、アップロードされた前記ラベルデータである投稿ラベルデータを受信し、受信した前記投稿ラベルデータを、前記ラベルデータベースに登録する登録処理を実行させ、
前記抽出処理では、
前記取得処理にて取得された前記本体媒体情報に対応する媒体情報が含まれる前記投稿ラベルデータを抽出する、
ように構成されるプログラム。
【請求項9】
情報処理装置とネットワークを介して接続可能なサーバであって、
前記サーバは、
ラベルデータベースにアクセス可能であり、前記ラベルデータベースには、ラベルデータを登録可能であり、前記ラベルデータには、印刷媒体を示す媒体情報が含まれており、
さらに前記サーバは、
前記情報処理装置からリスト要求を受け付けた場合に、
前記情報処理装置がラベルプリンタから取得した媒体情報である本体媒体情報を取得する取得処理と、
前記ラベルデータベースにアクセスし、前記取得処理にて取得された前記本体媒体情報に対応する媒体情報が含まれる前記ラベルデータを抽出する抽出処理と、
前記抽出処理にて抽出された前記ラベルデータを含むラベルデータリストを、前記情報処理装置に応答する応答処理と、
を実行する、
ように構成されるサーバ。
【請求項10】
ラベルプリンタと接続可能な情報処理装置によって実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置のコンピュータに、
前記ラベルプリンタから前記ラベルプリンタに装着されている印刷媒体を示す媒体情報を取得する本体取得処理と、
前記情報処理装置のユーザインタフェースを介して、ラベルデータの提案依頼を示す所定の指示を受け付ける受付処理と、
前記受付処理にて前記所定の指示を受け付けた場合に、リスト要求を、前記本体取得処理にて取得された媒体情報である本体媒体情報を関連付けて、サーバに送信する送信処理と、
を実行させることが可能であり、前記サーバは、ラベルデータベースにアクセス可能であり、前記ラベルデータベースには、複数のラベルデータを登録可能であり、前記ラベルデータには、印刷媒体を示す媒体情報が含まれており、前記サーバは、前記リスト要求を受信すると、前記リスト要求に関連付けられた前記本体媒体情報に対応する媒体情報が含まれるラベルデータのラベルデータリストを応答し、
さらに前記情報処理装置のコンピュータに、
前記サーバから前記ラベルデータリストを受信した場合に、受信した前記ラベルデータリストに含まれる前記ラベルデータを提案する処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載するプログラムにおいて、
前記情報処理装置の前記コンピュータに、
前記受付処理にて前記所定の指示を受け付けた場合に、前記送信処理を実行させる前に、前記本体取得処理を実行させる、
ように構成されるプログラム。
【請求項12】
請求項10に記載するプログラムにおいて、
前記情報処理装置のコンピュータに、
前記ラベルプリンタに印刷を行わせた場合に、前記本体取得処理を実行させ、さらに前記本体取得処理にて取得された前記本体媒体情報を保存する保存処理を実行させ、
前記受付処理にて前記所定の指示を受け付けた場合に、前記送信処理では、前記保存処理にて保存された前記本体媒体情報を読み出し、前記リスト要求を、読み出された前記本体媒体情報に関連付けて、サーバに送信する、
ように構成されるプログラム。
【請求項13】
情報処理装置と、サーバと、を備え、前記情報処理装置がネットワークを介して前記サーバに接続可能なラベルデータ共有システムにおいて、
前記サーバは、
ラベルデータベースにアクセス可能であり、前記ラベルデータベースには、複数のラベルデータを登録可能であり、前記ラベルデータには、印刷媒体を示す媒体情報が含まれており、
前記情報処理装置は、
ラベルプリンタから前記ラベルプリンタに装着されている印刷媒体を示す媒体情報を取得する本体取得処理と、
前記情報処理装置のユーザインタフェースを介して、ラベルデータの提案依頼を示す所定の指示を受け付ける受付処理と、
前記受付処理にて前記所定の指示を受け付けた場合に、リスト要求を、前記本体取得処理にて取得された媒体情報である本体媒体情報を関連付けて、前記サーバに送信する送信処理と、
を実行可能であり、
前記サーバは、
前記情報処理装置から前記リスト要求を受け付けた場合に、
前記本体媒体情報を取得する取得処理と、
前記ラベルデータベースにアクセスし、前記取得処理にて取得された前記本体媒体情報に対応する媒体情報が含まれる前記ラベルデータを抽出する抽出処理と、
前記抽出処理にて抽出された前記ラベルデータを含むラベルデータリストを、前記情報処理装置に応答する応答処理と、
を実行し、
前記情報処理装置は、
前記サーバから前記ラベルデータリストを受信した場合に、受信した前記ラベルデータリストに含まれる前記ラベルデータを提案する処理を実行する、
ように構成されるラベルデータ共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、ラベルデータの共有を図るシステムに用いられるプログラム、サーバ、およびラベルデータ共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツデータの共有を図るシステムとして、コンテンツデータを保存するサーバをインターネット上に用意し、そのコンテンツデータがユーザのデバイスにダウンロードされるシステムが知られている。
【0003】
上述したようなシステムを開示した文献としては、例えば特許文献1がある。特許文献1に開示されるポイント管理システムでは、ユーザAのPCから写真データがWWWサーバにアップロードされ、ユーザBのPCによってその写真データが購入されてWWWサーバからダウンロードされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-99746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、ラベルプリンタでのラベルの印刷に用いられるラベルデータの共有を図るシステムが検討されている。サーバには、複数のラベルデータが登録されることから、このようなシステムでは、システムの利用者がラベルデータを選択する際に、その利用者の嗜好に合わせたラベルデータを推奨する仕組みが望まれる。特許文献1には、写真データをWWWサーバを介して共有するシステムが開示されているが、写真データを推奨する仕組みについては開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題の解決を目的としてなされたプログラムは、サーバによって実行可能なプログラムであって、前記サーバは、ラベルデータベースにアクセス可能であり、前記ラベルデータベースには、複数のラベルデータを登録可能であり、前記ラベルデータには、印刷媒体を示す媒体情報が含まれており、前記サーバのコンピュータに、情報処理装置からリスト要求を受け付けた場合に、前記情報処理装置がラベルプリンタから取得した媒体情報である本体媒体情報を取得する取得処理と、前記ラベルデータベースにアクセスし、前記取得処理にて取得された前記本体媒体情報に対応する媒体情報が含まれる前記ラベルデータを抽出する抽出処理と、前記抽出処理にて抽出された前記ラベルデータを含むラベルデータリストを、前記情報処理装置に応答する応答処理と、を実行させる、ように構成されている。
【0007】
上記構成を有するプログラムは、情報処理装置からリスト要求があった場合に、その情報処理装置がラベルプリンタから取得した本体媒体情報を取得し、その本体媒体情報に対応する媒体情報を含むラベルデータをラベルデータベースから抽出する。これにより、その情報処理装置が接続するラベルプリンタに装着される印刷媒体に合ったラベルデータがリストアップされる。プログラムは、抽出したラベルデータを含むラベルデータリストを情報処理装置に応答する。このようなプログラムによれば、その情報処理装置の利用者に好適なラベルデータを提案することが期待できる。
【0008】
上記プログラムの機能を実現するためのサーバ、ラベルデータ共有システム、当該プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体、情報処理装置によって実行可能なプログラム、情報処理装置によって実行可能なプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、ラベルデータの共有を図るシステムにおいて、利用者に好適なラベルデータを推奨できる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態のラベルデータ共有システムを概略的に示す説明図である。
図2】端末の構成を概略的に示す説明図である。
図3】投稿手順の例を示すシーケンス図である。
図4】画面遷移の例を示す説明図である。
図5】ラベルデータベースの例を示す説明図である。
図6】印刷手順の例を示すシーケンス図である。
図7】ダウンロード手順の例を示すシーケンス図である。
図8】ダウンロード画面の例を示す説明図である。
図9】第2実施形態のラベルデータ共有システムを概略的に示す説明図である。
図10】印刷手順の例を示すシーケンス図である。
図11】印刷ログデータベースの例を示す説明図である。
図12】ダウンロード手順の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ラベルデータ共有システムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、サーバと複数の情報処理装置とをネットワークを介して接続し、ラベルプリンタでのラベルの印刷に用いられるラベルデータの共有を図るラベルデータ共有システムを開示する。
【0012】
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態のラベルデータ共有システム100(以下「システム100」と略記する)は、例えば、ラベルプリンタのメーカであるベンダによってユーザに提供されるシステムである。システム100は、端末12Aと、端末12Bと、ラベル管理サーバ22と、を備え、それらがインターネット回線21を介して接続されている。端末12A,12Bは、ラベルプリンタの所有者や利用者(以下「ユーザ」とする)が所有する端末である。端末12A,12Bは、それぞれ、ラベルプリンタ11A,11Bに接続できる。ラベルプリンタ11A,11Bには、それぞれ、装着されるテープに関する媒体情報である本体媒体情報10A,10Bが記憶されている。テープは「印刷媒体」の一例である。
【0013】
端末12A,12Bは、通信機能と、表示機能と、操作機能と、を備える情報処理装置である。本形態の端末12A,12Bは、スマートフォンによって構成されるが、その他に、タブレットやパーソナルコンピュータによって構成されてもよい。端末12A,12Bには、それぞれ、クライアントアプリケーションプログラム(以下「クライアントアプリ」とする)13A,13Bが記憶されている。なお、ラベル管理サーバ22に接続する端末の数は本形態に限定されない。また、端末12A,12Bは、特に区別する必要がない場合、「端末12」と総称することがある。また、クライアントアプリ13A,13Bは、特に区別する必要がない場合、「クライアントアプリ13」と総称することがある。また、ラベルプリンタ11A,11Bは、特に区別する必要がない場合、「ラベルプリンタ11」と総称することがある。また、本体媒体情報10A,10Bは、特に区別する必要がない場合、「本体媒体情報10」と総称することがある。
【0014】
図2に示すように、端末12は、CPU121と、メモリ122と、を有する制御部120を備えている。端末12は、ネットワークインタフェース(以下「ネットワークIF」とする)125と、操作表示部126と、を備え、これらが制御部120に接続している。
【0015】
図1に示すラベル管理サーバ22は、少なくとも、記憶機能と、通信機能と、を有する装置である。ラベル管理サーバ22は、CPU221と、メモリ222と、を有する制御部220を備えている。ラベル管理サーバ22は、ネットワークインタフェース(以下「ネットワークIF」とする)225と、操作表示部226と、インタフェース227と、を備え、これらが制御部220に接続している。本形態のラベル管理サーバ22は、ウェブサーバ機能を有し、端末12等の外部装置に対してウェブページを提供することができる。
【0016】
なお、ラベルデータを印刷するユーザ(以下「印刷者」とする)の端末12Bは、「情報処理装置」の一例である。CPU121は「情報処理装置のコンピュータ」の一例である。制御部120が「情報処理装置のコンピュータ」の一例であってもよい。操作表示部126は「ユーザインタフェース」の一例である。クライアントアプリ13Bは、「ラベルプリンタと接続可能な情報処理装置によって実行可能なプログラム」の一例である。ラベル管理サーバ22は「サーバ」の一例である。インターネット回線21は「ネットワーク」の一例である。CPU221は「サーバのコンピュータ」の一例である。制御部220が「サーバのコンピュータ」の一例であってもよい。
【0017】
CPU121、221は、メモリ122、222から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ122、222は、各種のプログラムや、各種のデータが記憶される記憶領域である。例えば、メモリ122には、クライアントアプリ13と本体媒体情報10とが記憶されている。例えば、メモリ222には、サーバ用プログラム228が記憶されている。メモリ222、122は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。
【0018】
メモリ122、222の一例は、装置に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU121、221が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体であってもよい。CPU121、221が読み取り可能なストレージ媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。
【0019】
操作表示部126、226は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。なお、操作表示部126、226は、表示機能と操作受け付け機能とを共に備えるタッチパネルであっても良いし、表示機能を備えるディスプレイと操作受け付け機能を備えるキーボード、マウス、トラックボール等との組であっても良い。
【0020】
ネットワークIF125、225は、外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。ネットワークIF125、225の通信規格は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などである。ネットワークIF125、225の通信の態様は、有線でも無線でもよい。本形態のネットワークIF125、225は、インターネット回線21に接続されている。
【0021】
端末12に記憶されているクライアントアプリ13は、ラベルプリンタ11のベンダによって提供されるアプリケーションプログラムである。クライアントアプリ13は、端末12上において、ラベルデータの作成や編集を行うための機能を備える。クライアントアプリ13は、作成したラベルデータをラベル管理サーバ22に対して投稿する、すなわちアップロードするための機能を備える。クライアントアプリ13は、ラベル管理サーバ22からラベルデータをダウンロードするための機能を備える。クライアントアプリ13は、端末12上において作成したラベルデータやダウンロードしたラベルデータを、ラベルプリンタ11を用いて印刷するための機能を備える。
【0022】
ラベルプリンタ11は、例えば、熱転写方式の印刷ヘッドを備え、ロール状に巻き取られたテープを巻き出しつつ印刷を行う印刷装置である。ラベルプリンタ11は、例えば、端末12から受信した印刷ジョブに基づいて、収容されているテープへの画像の印刷とテープの搬送とを行い、印刷済みの部分を機外へ突出させる。機外に突出されたテープによって、所定のラベル長さとラベル幅とを有するラベルが作成される。「ラベル幅」は、ラベルがラベルプリンタ11から機外へ搬出される方向に直交する方向、すなわち、幅方向の寸法である。「ラベル長さ」は、ラベルがラベルプリンタ11から搬出される方向の長さ、すなわち、長さ方向のサイズである。
【0023】
ラベルプリンタ11は、Wi-Fi(登録商標)などの無線LANの通信や、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって、端末12に接続される。また、USBの通信規格を用いて有線でラベルプリンタ11と端末12とを接続するものであっても良い。
【0024】
ラベルプリンタ11で利用可能なテープには、複数の種類がある。テープの種類は、例えば、テープの幅によって区別してもよいし、テープやインクの色によって区別してもよいし、テープの素材や特殊加工の有無によって区別してもよい。テープは、その種類によって、対応可能なラベルプリンタのモデルが予め決められている。ユーザは、印刷を行わせるラベルプリンタのモデルに対応する複数種類のテープのうち、目的や用途などに適した種類のテープをラベルプリンタに付け替えることができる。
【0025】
例えば、テープに関する情報である媒体情報は、例えば、テープのテープ幅、テープ色、インク色、テープ種類など複数の項目を含む。媒体情報は、テープ型番を含んでもよい。テープ種類は、例えば、布テープ、ラミネート加工が施されるラミネートテープなどである。テープを収容するテープカセットには、媒体情報の項目毎に、形成位置や形状が異なる穴が形成されている。ラベルプリンタ11は、本体に装着されているテープカセットに形成された穴に基づいて、媒体情報の各項目に設定されたパラメータを検出できる。以下、ラベルプリンタ11が検出する媒体情報は、「本体媒体情報」とする。本体媒体情報は、ラベルプリンタ11に記憶されていてもよいし、外部装置に記憶されてもよい。なお、本体媒体情報は、テープカセットに設けられたICチップに記憶され、ラベルプリンタ11はICチップを読み取る読み取り装置を備えていてもよい。
【0026】
本形態のクライアントアプリ13は、ラベルプリンタ11から本体媒体情報を取得し、ラベル管理サーバ22に渡す機能を有する。この機能については後述する。
【0027】
ラベル管理サーバ22のインタフェース227には、ユーザデータベース(以下「ユーザDB」とする)25と、ラベルデータベース(以下「ラベルDB」とする)26と、が有線LAN24を介して接続されている。ユーザDB25およびラベルDB26は、ラベル管理サーバ22が有してもよいし、ラベル管理サーバ22と別のサーバが有してもよい。また、ユーザDB25とラベルDB26とは、別々のサーバが有していてもよい。ユーザDB25およびラベルDB26については、後述する。
【0028】
ラベル管理サーバ22に記憶されているサーバ用プログラム228は、ラベル管理サーバ22の動作を制御するプログラムである。サーバ用プログラム228は、投稿されたラベルデータ(以下「投稿ラベルデータ」とする)を受け付けて、ラベルDB26に登録する機能を有する。また、サーバ用プログラム228は、ラベルDB26に登録されているラベルデータを端末12に送信する機能を有する。さらに、サーバ用プログラム228は、端末12が出力した本体媒体情報に対応するラベルデータを端末12に提案させるための機能を有する。サーバ用プログラム228の機能については後述する。サーバ用プログラム228は「サーバによって実行可能なプログラム」の一例である。
【0029】
続いて、システム100の動作を説明する。システム100では、ラベルデータをラベル管理サーバ22に投稿したり、投稿されたラベルデータである投稿ラベルデータをラベル管理サーバ22から端末12に送信したりすることによって、投稿ラベルデータの共有を図っている。以下では、ユーザ登録手順を説明し、その後、ラベル投稿手順と、ダウンロード手順と、印刷手順と、を説明する。
【0030】
なお、本形態における各処理ステップは、基本的に、主にサーバ用プログラム228やクライアントアプリ13などのプログラムに記述された命令に従ったCPU221、121の処理を示す。CPU221、121による処理は、OSのAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OSの詳細な記載を省略して各プログラムの動作を説明する。
【0031】
(ユーザ登録手順)
システム100を利用するユーザは、例えば、クライアントアプリ13を端末12にインストールする際に、ラベル管理サーバ22にユーザ登録を行う。例えば、端末12がラベル管理サーバ22にユーザ登録を要求すると、ラベル管理サーバ22が端末12にユーザ登録画面を提供して表示させる。ユーザ登録画面は、例えば、ユーザ名入力欄、パスワード設定欄、モデル名入力欄を含む。ラベル管理サーバ22は、ユーザ登録画面を介してユーザ名等の入力を受け付けると、受け付けた情報をユーザDB25に登録する。
【0032】
なお、ユーザ登録は、クライアントアプリ13のインストール時に行われない場合、例えば、ユーザがラベルデータを最初に投稿するとき、あるいは、ユーザがラベルデータを最初にダウンロードするときに、行われてもよい。
【0033】
(投稿手順)
ラベルデータの投稿手順について、図3のシーケンス図を参照して説明する。ここでは、ラベルデータの投稿を実行しようとするユーザ(以下「投稿者」とする)が、端末12Aにて作成したラベルデータを投稿する場合を例にして説明する。
【0034】
投稿者は、端末12Aにインストールされたクライアントアプリ13Aを起動させ(A01)、ラベルデータを作成する(A02)。具体的には、例えば図4に示すように、端末12Aは、クライアントアプリ13Aが起動されると、メニュー画面D3を表示する。メニュー画面D3は、ラベルデータの作成を指示する作成ボタンSW31と、ラベルデータの投稿を指示する投稿ボタンSW33と、ラベルデータのダウンロードを指示するダウンロードボタンSW35と、を含む。
【0035】
端末12Aは、作成ボタンSW31が操作されると、編集画面D1を表示する。編集画面D1は、プリンタ選択欄SA13と、編集領域SA11と、設定領域SA12と、印刷ボタンSW11と、保存ボタンSW12と、を有する。プリンタ選択欄SA13は、クライアントアプリ13Aあるいは端末12Aに登録されたプリンタを一覧表示し、印刷を実行するプリンタの選択を受け付けることができる。本形態では、プリンタ選択欄SA13にてラベルプリンタ11Aが選択される。
【0036】
編集領域SA11は、ラベルの編集を受け付ける領域である。編集領域SA11には、編集対象となるラベルのラベル画像データLY11が表示される。設定領域SA12は、選択されたラベルプリンタの能力に応じて各種の設定情報を受け付けることができる。各種の設定情報には、例えば、ラベルデータの印刷に使用するテープに関する媒体情報が含まれる。媒体情報は、例えば、ラベルの印刷に使用するテープのテープ幅、テープ色、インク色、テープ種類を含む。
【0037】
なお、編集画面D1は、端末12Aがオフラインの場合でもラベル画像データを編集することができる。よって、編集画面D1にて設定される媒体情報は、選択されたラベルプリンタの本体媒体情報と一致しない場合がある。
【0038】
編集画面D1にて受け付け可能な項目が多いことから、クライアントアプリ13Aは、複数のタブTBによって、設定対象の項目の切り替え指示を受け付けることができる。
【0039】
ユーザがラベル画像データLY11を編集して保存ボタンSW12を操作すると、クライアントアプリ13Aは、編集されたラベル画像データLY11と、設定領域SA12にて受け付けた各種の設定情報と、を含むラベルデータを、端末12Aのメモリ122に記憶する。クライアントアプリ13Aは、ラベルデータをメモリ122に記憶すると、編集画面D1を閉じ、メニュー画面D3を端末12Aに再表示させる。印刷ボタンSW11が操作されると、印刷処理が実行される。印刷処理については後述する。
【0040】
図3に示すように、クライアントアプリ13Aは、メニュー画面D3の投稿ボタンSW33が操作されると、投稿指示を受け付ける(A11)。投稿ボタンSW33には、ラベル管理サーバ22が提供する投稿画面のURLが関連付けられている。クライアントアプリ13Aは、自身がブラウザ機能を有する場合には自身のブラウザ機能を用いてラベル管理サーバ22にアクセスし、投稿画面を端末12Aに表示させる(A12,A13)。なお、クライアントアプリ13Aは、自身がブラウザ機能を有していない場合には、端末12Aにインストールされているブラウザなどの別のプログラムにURLを渡す。別のプログラムは、クライアントアプリ13Aから受け取ったURLを用いてラベル管理サーバ22にアクセスし、投稿画面を端末12Aに表示させる。
【0041】
例えば、図4に示す投稿画面D2は、投稿対象選択部SA21と、新規投稿ボタンSW21と、を有する。
【0042】
図3に示すように、ラベル管理サーバ22は、新規投稿ボタンSW21が操作されると、ユーザIDと投稿ラベルデータとが関連付けられたアップロード指示を受け付け(A22)、投稿されたラベルデータ(以下「投稿ラベルデータ」とする)をユーザIDに関連付けてラベルDB26に登録する(A23)。A22の処理は「アップロード受付処理」の一例である。A23の処理は「登録処理」の一例である。例えば、ラベル管理サーバ22は、クライアントアプリ13AからユーザIDを取得する場合、取得したユーザIDと投稿ラベルデータとを関連付けてラベルDB26に登録してもよい。また例えば、クライアントアプリ13Aの起動時、あるいは、アップロード指示を受け付けた時にユーザIDとパスワードとを用いてログイン操作する場合、ラベル管理サーバ22は、ログイン操作に用いたユーザIDと、投稿ラベルデータとを関連付けて、ラベルDB26に登録してもよい。
【0043】
例えば図5に示すラベルDB26は、ラベル管理サーバ22によって共有されるラベルデータが記憶されている。ラベルDB26に記憶されるラベルデータは、投稿ラベルデータだけでなく、プリンタメーカであるベンダが用意したラベルデータも記憶される。ラベルDB26は、ラベルID261と、ユーザID(制作者)262と、ラベルデータ263と、投稿日264と、を関連付けたレコードによって構成されている。
【0044】
ラベルID261は、本形態のシステム100においてラベルDB26に登録されるラベルデータ毎に順次付されたシリアル番号である。ユーザID(制作者)262は、ユーザのユーザID251である。ラベルデータの制作者がユーザDB25に登録されたユーザである場合、ユーザID262には制作者のユーザID251が記憶される。ラベルデータの制作者がプリンタのベンダである場合、ユーザID(制作者)262には、何も記憶されなくてもよいし、ベンダを識別する情報が記憶されてもよい。
【0045】
ラベルデータ263には、ラベルに関する情報が記憶される。ラベルデータ263は、例えば、ラベル名2631、用途2632、説明2633、媒体情報2636、オブジェクト情報2637を含む。ラベル名2631には、ラベル名が記憶される。用途2632には、ラベルの用途を示す情報が記憶される。説明2633には、ラベルの説明を示す情報が記憶される。例えば、ラベル名2631、用途2632、説明2633には、投稿画面D2を介して受け付けた情報が記憶される。媒体情報2636は、ラベルとテープに関する情報が記憶される。オブジェクト情報2637には、ラベルデータに使用するオブジェクトに関する情報が記憶される。なお、ラベルDB26は、投稿画面D2にてテープ型番の設定を受け付けた場合、そのテープ型番を記憶してもよい。
【0046】
図3に示すように、ラベル管理サーバ22は、投稿ラベルデータの登録が完了すると、投稿ラベルデータの送信元の端末12Aに対して登録完了を通知する(A24)。端末12Aは、登録完了通知を表示する(A25)。
【0047】
(印刷手順)
続いて、図6を参照して印刷手順を説明する。例えば、印刷者は、ラベルデータを印刷する場合、図4に示すメニュー画面D3の作成ボタンSW31を操作し、編集画面D1を端末12Bの操作表示部126に表示させる。クライアントアプリ13Bは、操作表示部126を用いて、印刷対象となるラベルデータの選択を受け付ける。印刷対象は、印刷者が作成したラベルデータでもよいし、印刷者がラベル管理サーバ22からダウンロードしたラベルデータでもよい。クライアントアプリ13Bは、編集画面D1が操作されることによって、印刷対象となるラベルデータの編集を受け付けることができる。
【0048】
印刷ボタンSW11が操作されると、クライアントアプリ13Bは、印刷指示を受け付ける(C01)。編集画面D1のプリンタ選択欄SA13にてラベルプリンタ11Bが選択されている場合、クライアントアプリ13Bは、そのラベルプリンタ11Bから能力情報を取得する(C02)。能力情報には、ラベルプリンタ11Bに装着されているテープの本体媒体情報10Bが含まれている。C02は、「本体取得処理」の一例である。クライアントアプリ13Bは、実際に印刷を行うラベルプリンタ11Bから本体媒体情報10Bを取得するので、実際に使用するテープの本体媒体情報10Bを取得できる。
【0049】
クライアントアプリ13Bは、取得した本体媒体情報10Bをメモリ122に記憶する(C03)。C03は、「保存処理」の一例である。なお、メモリ122に本体媒体情報が記憶されている場合、クライアントアプリ13Bは、取得した本体媒体情報10Bを既存の本体媒体情報に上書きする。これにより、ラベルプリンタ11Bにて実際に使用されている最新の本体媒体情報10Bが端末12Bに保存される。
【0050】
クライアントアプリ13Bは、印刷対象のラベルデータに基づく印刷データをラベルプリンタ11Bに送信する(C12)。ラベルプリンタ11Bは、印刷データに基づく印刷を行い(C13)、印刷結果を端末12Bに送信する(C14)。ラベルプリンタ11Bは、印刷結果を送信しなくてもよい。
【0051】
(ダウンロード手順)
図7を参照して、ラベルデータをダウンロードする手順を説明する。ここでは、印刷者が、ラベル管理サーバ22から自分の端末12Bにラベルデータをダウンロードする場合を例にして説明する。ここでは、端末12Bには、ラベルプリンタ11Bから取得した本体媒体情報10Bが記憶されているものとする。
【0052】
端末12Bにインストールされているクライアントアプリ13Bは、図4に示すメニュー画面D3のダウンロードボタンSW35が操作されると、ダウンロード画面表示指示を受け付ける(B01)。クライアントアプリ13Bは、本体媒体情報10Bをメモリ122から読み出す(B02)。
【0053】
図4に示すメニュー画面D3のダウンロードボタンSW35には、ラベル管理サーバ22が提供するダウンロード画面のURLが関連付けられている。クライアントアプリ13Bは、例えば、自身のブラウザ機能を用いてダウンロード画面のURLにアクセスし、ダウンロード用のページを表示することを要求する(B04)。この表示要求には、B02にて読み出した本体媒体情報10Bが関連付けられている。B04の処理は「送信処理」の一例である。ダウンロード画面表示指示は「所定の指示」の一例である。B01は「受付処理」の一例である。表示要求は「リスト要求」の一例である。
【0054】
なお、クライアントアプリ13Bは、ブラウザ機能を有していない場合には、ブラウザなど別のプログラムにURLと本体媒体情報とを渡す。別のプログラムは、URLに基づいてラベル管理サーバ22に表示要求を行う。なお、クライアントアプリ13Bは、URLのクエリに本体媒体情報10Bを埋め込んでもよい。
【0055】
ラベル管理サーバ22は、ネットワークIF225を用いて表示要求を受け付けると(B04)、表示要求に関連付けられた本体媒体情報10Bを取得する(B05)。B05の処理は、「取得処理」の一例である。
【0056】
ラベル管理サーバ22は、インタフェース227を用いてラベルDB26にアクセスし、B05にて取得した本体媒体情報10Bに対応する媒体情報を含むレコード、すなわちラベルデータを、ラベルDB26から抽出する(B06)。媒体情報は、テープ幅、テープ色、インク色、テープ種類など複数の項目を含む。B06の処理は「抽出処理」の一例である。
【0057】
本体媒体情報10Bに対応する媒体情報は、媒体情報に含まれる全項目が本体媒体情報10Bに一致する完全一致媒体情報を含む。例えば、ラベルデータの媒体情報と本体媒体情報とがテープ型番を含む場合、媒体情報のテープ型番が本体媒体情報のテープ型番と一致するラベルデータは抽出対象となる。
【0058】
また、本体媒体情報10Bに対応する媒体情報は、媒体情報に含まれる項目のうちの一部が本体媒体情報10Bと一致する部分一致媒体情報を含む。例えば、本体媒体情報10Bに対してテープ幅が一致し、テープ色、インク色、テープ種類が異なるラベルデータも抽出対象となる。
【0059】
さらに、本体媒体情報10Bに対応する媒体情報は、媒体情報に含まれる項目の一部が本体媒体情報10Bと類似媒体情報を含んでもよい。例えば、本体媒体情報10Bのテープ幅に対して±10%以内のテープ幅を含むラベルデータや、テープ色が類似するラベルデータも抽出対象としてもよい。
【0060】
ラベル管理サーバ22は、B06にて抽出したラベルデータを含むラベルデータリストを作成する(B07)。ラベルデータリストは、抽出したラベルデータがそれぞれ含む情報を、全て含んでもよいし、一部のみ含んでもよい。例えば、ラベルデータリストは、サンプル画像、ラベル名、ラベルIDのみを含んでもよい。
【0061】
ラベル管理サーバ22は、B06にて抽出したラベルデータに優先度を付けて、ラベルデータリストを作成してもよい。例えば、ラベル管理サーバ22は、ラベルデータの表示順序を、上位から、完全一致媒体情報を含むラベルデータ、部分一致媒体情報を含むラベルデータ、類似媒体情報を含むラベルラベルデータとする優先度を、ラベルデータリストに持たせてもよい。
【0062】
また、ラベル管理サーバ22は、例えば、部分一致媒体情報を含むラベルデータが複数ある場合、その中で優先順位を設けてもよい。例えば、本体媒体情報10Bと一致する項目が多いラベルデータほど上位に表示するようにしてもよい。
【0063】
また、提案するラベルデータの数が多いと、推奨するラベルデータの表示が煩雑になる可能性がある。そこで、ラベル管理サーバ22は、ラベルデータリストに含めるラベルデータの数を制限してもよい。この場合、ラベル管理サーバ22は、優先度が高いラベルデータから順番にラベルデータリストに登録してもよい。
【0064】
ラベル管理サーバ22は、B07にて生成したラベルデータリストを含むダウンロード用のページを作成し(B08)、表示要求の送信元である端末12に送信する(B09)。B09の処理は「応答処理」の一例である。なお、表示要求に本体媒体情報10Bが付されていない場合、ラベル管理サーバ22は、ラベルDB26に登録されている全てのラベルデータを含むラベルデータリストを応答してもよいし、エラーとしてラベルデータリストを応答しなくてもよいし、他の条件が付されている場合にはその条件に従って抽出されたラベルデータを含むラベルデータリストを応答してもよい。
【0065】
端末12Bは、ラベル管理サーバ22から提供されたダウンロード用ページ、すなわちダウンロード画面を表示する(B10)。B10の処理は、「受信したラベルデータリストに含まれるラベルデータを提案する処理」の一例である。ダウンロード画面の一例を図8に示す。ダウンロード画面D5は、本体媒体情報表示領域SA52と、推奨ラベル表示領域SA53と、その他ラベル表示領域SA54と、選択ボタンSW51と、ダウンロード実行ボタンSW53と、を備えている。
【0066】
本体媒体情報表示領域SA52は、B04にて受け付けた表示要求に関連付けられていた本体媒体情報10Bを表示する領域である。推奨ラベル表示領域SA53は、本体媒体情報10Bに対応するラベルデータを表示する領域である。本形態では、推奨ラベル表示領域SA53には、ラベルデータリストに含まれるラベルデータのうち、優先順位が最上位のラベルデータが表示される。例えば、推奨ラベル表示領域SA53には、完全一致媒体情報を含むラベルデータのラベル画像データLY51が表示される。その他ラベル表示領域SA54には、ラベルデータリストに含まれるラベルデータのうち、優先順位が2番目以下のラベルデータのラベル画像データが表示される。例えば、その他ラベル表示領域SA54には、部分一致媒体情報を含むラベル画像データLY53や、類似媒体情報を含むラベル画像データが表示される。
【0067】
選択ボタンSW51は、ラベルデータの選択を確定する操作子である。本形態では、ラベル管理サーバ22は、本体媒体情報10Bに対応しない媒体情報がラベルデータリストに含まれず、ダウンロード画面D5に表示されない。よって、印刷者がダウンロード画面D5にて本体媒体情報10Bに対応しないラベルデータを選択することを回避できる。
【0068】
例えば、印刷者がラベル画像データLY51を選択した状態で選択ボタンSW1を操作し、ダウンロード実行ボタンSW53を操作すると、ラベル管理サーバ22は、図7に示すように、ダウンロード指示を受け付ける(B11)。ダウンロード指示には、ラベル画像データLY51に対応するラベルデータのラベルIDが関連付けられている。ラベル管理サーバ22は、ダウンロード指示に関連付けられたラベルIDに対応するラベルデータをラベルDB26から読み出し(B12)、ダウンロード指示の送信元である端末12Bに送信する(B13)。端末12Bは、ラベルデータを受信すると、そのラベルデータをメモリ122に記憶する(B14)。ダウンロードするラベルデータは、上述した投稿手順によりラベルDB26に登録された投稿ラベルデータでもよいし、ベンダ等がラベルDB26に登録したラベルデータでもよい。
【0069】
以上説明したように、第1実施形態のサーバ用プログラム228は、端末12Bから表示要求があった場合に、その端末12Bがラベルプリンタ11Bから取得した本体媒体情報10Bを用いて、その本体媒体情報10Bに対応する媒体情報を含むラベルデータをラベルDB26から抽出する。これにより、その端末12Bが接続するラベルプリンタ11Bに装着されるテープに合ったラベルデータがリストアップされる。サーバ用プログラム228は、抽出したラベルデータを含むラベルデータリストを端末12Bに応答する。このようなサーバ用プログラム228によれば、その端末12のユーザに好適なラベルデータを提案することが期待できる。
【0070】
(第2実施形態)
次に、本明細書にて開示する技術の第2実施形態について説明する。第2実施形態の技術では、本体媒体情報を含む印刷ログを記憶しておき、表示要求があった場合に、ラベル管理サーバ22Aが印刷ログから本体媒体情報を取得する。この点が、クライアントアプリ13がラベルプリンタ11から本体媒体情報を取得してラベル管理サーバ22に渡す1実施形態と相違している。以下では、第1実施形態と相違する点を説明し、第1実施形態と共通する点は第1実施形態と同じ符号を使用し、適宜説明を省略する。
【0071】
図9に示すように、第2実施形態のラベルデータ共有システム100A(以下「システム100A」とする)は、ラベル管理サーバ22Aが印刷ログデータベース(以下「印刷ログDB」とする)31にアクセス可能に接続できる。印刷ログDB31は、ラベル管理サーバ22Aにあってもよいし、ラベル管理サーバ22Aと別のサーバにあってもよい。
【0072】
図10に示すように、端末12Bのクライアントアプリ13Bは、印刷指示を受け付けると(C01)、ラベルプリンタ11Bから能力情報を取得する(C101)。能力情報には、本体媒体情報10Bが含まれている。ラベルプリンタ11Bは、クライアントアプリ13Bから印刷データを受信して印刷すると(C12,C13)、印刷データの送信元である端末12Bに印刷結果を送信する(C14)。ラベルプリンタ11Bは、印刷結果を端末12Bに送信しなくてもよい。
【0073】
クライアントアプリ13Bは、ラベルプリンタ11Bに印刷を行わせた場合、C101にて取得した本体媒体情報10Bを含む印刷ログをラベル管理サーバ22Aに送信する(C102)。ラベル管理サーバ22Aのサーバ用プログラム228Aは、受信した印刷ログを印刷ログDB31に登録する(C103)。C103の処理は「記憶処理」の一例である。
【0074】
例えば、図11に示す印刷ログDB31は、ラベルプリンタ11から受信した印刷ログを蓄積して記憶している。印刷ログDB31は、印刷ログID311と、ユーザID(印刷者)312と、ラベルID313と、本体媒体情報314と、印刷日時315と、を含むレコードにより構成されている。本体媒体情報314の項目には、例えば、テープ種類3141、テープサイズ3142、色3143が含まれている。本体媒体情報314の項目には、テープ型番があってもよい。
【0075】
ダウンロード手順について説明する。例えば図12に示すように、クライアントアプリ13Bは、ダウンロード画面表示指示を受け付けた場合(B01)、表示要求をラベル管理サーバ22Aに送信する(B101)。本形態では、表示要求には、ユーザIDが関連付けられているが、本体媒体情報が関連付けられていない。
【0076】
ラベル管理サーバ22Aは、ネットワークIF225を用いて表示要求を受け付けると、インタフェース227を用いて印刷ログDB31にアクセスする。ラベル管理サーバ22Aは、表示要求に関連付けられたユーザIDを含む印刷ログを印刷ログDB31から抽出する(B102)。本形態では、ラベル管理サーバ22Aは、現時点から所定期間内(例えば現時点から1週間以内)に印刷ログDB31に登録された1ないし複数の印刷ログを抽出する。これによれば、直近に利用された1ないし複数の本体媒体情報が取得でき、最近のユーザのテープ利用傾向に好適なラベルデータを提案できる。
【0077】
ラベル管理サーバ22Aは、印刷ログDB31から抽出した印刷ログから、本体媒体情報314を取得する(B103)。B103の処理は「取得処理」の一例である。その後、ラベル管理サーバ22Aは、B06~B09の処理を実行し、ラベルデータリストを含むダウンロード用ページを端末12Bに表示させる。
【0078】
ラベル管理サーバ22Aは、B102にて複数の印刷ログを抽出している場合、各印刷ログから本体媒体情報314を取得する。ユーザの中には、テープ幅や色やテープ種類などが異なる複数のテープをラベルプリンタ11に付け替えて使用するユーザがいる。このようなユーザに対応するため、本形態のラベル管理サーバ22Aは、複数の印刷ログから複数の本体媒体情報314を取得してもよい。ラベル管理サーバ22Aが複数の本体媒体情報314に基づくラベルデータを提案することで、ユーザの使用傾向に好適なラベルデータを提案することが期待できる。
【0079】
なお、ラベル管理サーバ22Aは、B102にて印刷ログを抽出できなかった場合、B07にて、ラベルDB26に登録されている全てのラベルデータを含むラベルデータリストを応答してもよいし、エラーとしてラベルデータリストを応答しなくてもよい。
【0080】
以上説明したように、第2実施形態のサーバ用プログラム228Aは、印刷ログに含まれる本体媒体情報314を取得することで、端末12Bがラベルプリンタ11Bに印刷させた際の本体媒体情報314を取得でき、ユーザに好適なラベルデータが提案される可能性が高まる。また、例えばB01にて、端末12Bがラベルプリンタ11Bと接続していない状態でダウンロード画面表示指示を受け付けた場合でも、サーバ用プログラム228Aは、ラベルプリンタ11Bの本体媒体情報10Bを印刷ログから取得してラベルデータリストを端末12Bに応答し、ユーザに好適なラベルデータを提案することが可能になる。
【0081】
なお、本明細書に開示される実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。端末12に接続されるラベルプリンタ11の数は、図示の例に限らず、2台以上でも良い。
【0082】
クライアントアプリ13Bは、ラベルプリンタ11Bに装着されている消耗品をチェックする場合に、ラベルプリンタ11Bから本体媒体情報10Bを取得し、端末12Bのメモリ122に保存してもよい。この処理は「保存処理」の一例である。本体媒体情報10Bを取得するタイミングは、消耗品のチェック時と印刷指示を受け付けた場合との両方でもよいし、いずれか一方でもよい。
【0083】
クライアントアプリ13Bは、図7のB01にてダウンロード画面表示指示がある度に、ラベルプリンタ11Bから本体媒体情報10Bを取得し、表示要求に関連付けてラベル管理サーバ22に送信してもよい。これによれば、ラベル管理サーバ22は、実際にラベルプリンタ11に装着されているテープに好適なラベルデータを提案できる。ただし、クライアントアプリ13Bは、消耗品のチェック時や印刷時に本体媒体情報10Bをラベルプリンタ11Bから取得してメモリ122に保存することで、ラベルプリンタ11Bがオフラインの場合でも、クライアントアプリ13Bが本体媒体情報を表示情報に関連付けてラベル管理サーバ22に送信し、ラベル管理サーバ22がラベルデータを提案することが可能になる。
【0084】
例えば、図10のC101は省略し、クライアントアプリ13Bは、C14にて、ラベルプリンタ11Bから本体媒体情報10Bを含む印刷結果を受信し、印刷結果に含まれる本体媒体情報10Bを含む印刷ログをラベル管理サーバ22Aに送信してもよい。これによれば、実際に使用したテープの本体媒体情報10Bを含む印刷ログが印刷ログDB31に記憶される。ただし、クライアントアプリ13Bが、ラベルプリンタ11Bから本体媒体情報10Bを含む能力情報を取得し、印刷ログに含めるようにすることで、ラベルプリンタが印刷結果を出力する機能があってもなくても、本体媒体情報を含む印刷ログを印刷ログDB31に登録できる。
【0085】
ラベル管理サーバ22,22Aは、ウェブサーバ機能を有する第1サーバと、ウェブサーバ機能と別の機能を有する第2サーバとで構成されてもよい。例えば、第1サーバは、ウェブサーバ機能によってリスト要求を受け付け、ラベルデータリストを送信するようにしてもよい。一方、第2サーバは、ユーザIDに対応する本体媒体情報の抽出やラベルデータベースからのラベルデータの抽出を行うようにしてもよい。リスト要求の受け受け、本体媒体情報やラベルデータの抽出、ラベルデータリストの送信は、第1サーバと第2サーバとが協働して行ってもよい。
【0086】
上記第2実施形態のラベル管理サーバ22Aは、図12のB102にて、ユーザIDに関連付けられた印刷ログが印刷ログDB31に複数ある場合、最新の印刷ログを1つ抽出してもよい。これによれば、ラベル管理サーバ22Aは、ラベルプリンタ11Bに現在装着されている可能性が高いテープの本体媒体情報314を取得でき、ユーザに対してより好適なラベルデータを提案する可能性が高くなる。ただし、現時点から所定期間内の印刷ログを抽出することで、直近利用された1ないし複数の本体媒体情報が取得でき、最近の利用者の傾向により好適なラベルデータが提案される可能性が高まる。
【0087】
上記第2実施形態のラベル管理サーバ22Aは、図12のB102にて、ユーザIDを含む印刷ログを全て取得したり、最新の印刷ログから順番に印刷ログを所定数取得したりすることにより、複数の印刷ログを取得してもよい。
【0088】
図7および図12のB06の処理では、本体媒体情報10B,314に完全一致するラベルデータのみを抽出してもよい。これによれば、サーバ用プログラムは、選択されたラベルプリンタ11に現在装着されているテープに好適なラベルデータを提案できる。ただし、媒体情報には複数の項目が有り、少なくとも一部の項目が本体媒体情報と一致するラベルデータを抽出することで、ラベルデータが抽出される可能性が高まり、より多くのラベルデータを提案できる。
【0089】
ラベルDB26には投稿ラベルデータのみを登録し、サーバ用プログラム228,228Aは、本体媒体情報10,314に基づいて投稿ラベルデータをラベルDB26から抽出して、投稿ラベルデータのリストを端末12に応答してもよい。このように、本体媒体情報10,314に基づいて投稿ラベルデータを提案できることで、その投稿ラベルデータの利用を促進できる。ただし、ラベルDB26が、投稿ラベルデータだけでなく、ベンダが用意したラベルデータなどユーザ以外の者が制作したラベルデータを記憶し、ラベル管理サーバ22,22Aが、本体媒体情報10,314に基づいて投稿ラベルデータ以外のラベルデータも提案できるようにすることで、提案するラベルデータの種類を増やすことができる。
【0090】
例えば、クライアントアプリ13Bは、ラベルデータの閲覧を指示する閲覧ボタンを備え、その閲覧指示を受け付けた場合に、閲覧結果に含めて推奨するラベルデータを提案してもよい。これによれば、ラベルデータの提案を表示させるための操作が減り、ユーザの手間が軽減される。また、クライアントアプリ13Bは、ラベルデータの提案を指示するための操作子を独立で備え、提案する指示を直接受け付けて、ラベルデータを提案してもよい。これによれば、ラベル管理サーバ22は、ユーザが好ましいタイミングで好適なラベルデータを提案できる。
【0091】
各画面の表示は、上記実施形態に限定されない。例えば、ダウンロード画面D7は、本体媒体情報表示領域SA72とその他ラベル表示領域SA74との少なくとも一方がなくてもよい。
【0092】
実施の形態に開示されている任意のシーケンス図において、任意の複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0093】
実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0094】
11B,11B……ラベルプリンタ、12A,12B……端末、13A,13B……クライアントアプリ、21……インターネット回線、22,22A……ラベル管理サーバ、26……ラベルDB、221……CPU、228、228A……サーバ用プログラム、100、100A……ラベルデータ共有システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12