(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145874
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】清掃サービス管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241004BHJP
G06Q 10/0631 20230101ALI20241004BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20241004BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20241004BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/0631
G06Q10/10
G06Q10/06
G06Q30/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058425
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】519256330
【氏名又は名称】株式会社ハステック
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(74)【代理人】
【識別番号】100158377
【弁理士】
【氏名又は名称】三谷 祥子
(72)【発明者】
【氏名】田島 太郎
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L010AA10
5L010AA11
5L030BB11
5L049AA09
5L049AA10
5L049AA11
5L049BB11
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】清掃サービス提供事業に貢献するシステム
【解決手段】インターネット上のサーバー(1),アプリケーション(2),インターネットに接続可能なユーザー用端末機器(3)を含み、インターネットを介してサーバー(1)とユーザー用端末機器(3)との間で送受信される情報に基づいて、アプリケーション(2)が、作業前ステップ(21),作業日ステップ(22),作業後ステップ(23),集金ステップ(24),支払ステップ(25)を実行する、清掃サービス管理システム(10)。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上のサーバー(1),アプリケーション(2),インターネットに接続可能なユーザー用端末機器(3)を含み、
インターネットを介してサーバー(1)とユーザー用端末機器(3)との間で送受信される情報に基づいて、アプリケーション(2)が、作業前ステップ(21),作業日ステップ(22),作業後ステップ(23),集金ステップ(24),支払ステップ(25)を実行し、
作業前ステップ(21)で清掃員シフト(4)を決定し、
作業日ステップ(22)で清掃員の勤怠管理と清掃作業の進捗管理を行い、
作業後ステップ(23)で報告書(7)を生成し、
集金ステップ(24)で顧客からの集金業務を援助し、
支払ステップ(25)で清掃サービス提供者による支払業務を援助する、
清掃サービス管理システム(10)。
【請求項2】
さらに、顧客マスタ(5),清掃員マスタ(6),会計マスタ(9)から選ばれる1以上を含む、請求項1に記載の清掃サービス管理システム(10)。
【請求項3】
作業日ステップ(22)で、清掃員シフト(4)を更新することができる、請求項1に記載の清掃サービス管理システム(10)。
【請求項4】
作業後ステップ(23)で、作業日ステップ(22)においてユーザー用端末機器(3)で送受信された情報に基づいて、報告書(7)を作成する、請求項1に記載の清掃サービス管理システム(10)。
【請求項5】
支払ステップ(25)で、清掃員に対する報酬及び/又は仲介料及び/又は紹介料の支払情報を更新する、請求項1に記載の清掃サービス管理システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃サービス管理システムに関する。具体的には、清掃サービス提供者の業務を効率的に自動的に支援するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビル、店舗、ホテル、学校、病院などの施設の清掃は、施設の使用者でない清掃業者が請け負うことが多い。清掃業者は、顧客(施設の管理者や所有者)の要望に応じて施設ごとに清掃員を配置して、清掃サービスを提供する。しかしながら、施設ごとに、清掃員が入室できる時間帯、清掃頻度、必要な清掃員の数が異なり、不定期あるいは緊急の清掃が必要となる場合もあり、また多くの清掃員はパートタイマー従業員(所謂アルバイトや日雇い)であるため、顧客の注文後に素早く清掃員を配置して的確に清掃サービスを実行するための労力は多大である。
【0003】
清掃員の配置と清掃サービスを効率化するための手段として、例えば特許文献1,2,3に記載された自動化方法が提案されている。特許文献1には、清掃対象の清掃作業の難易度と清掃作業員の作業能力レベルに基づいて清掃作業員に適切な清掃対象を割り当てる清掃管理プログラムが記載されている。特許文献2に記載された清掃管理システムでは、施設からの清掃要求に対して自動的に清掃員候補者に清掃依頼を送信し、対応受諾・拒否の回答に応じて自動的に清掃担当者の設定・新たな清掃員候補者の選択を行う。特許文献3には、複数の部屋について、チェックイン予定時刻と清掃員毎の清掃所要時間との関係を判断基準として未清掃の部屋に対して清掃員を割り当てる清掃員配置プログラムが記載されている。
【0004】
ただし、上述の例はいずれも宿泊施設における清掃員配置方法である。宿泊施設では、一定数の密集する清掃対象を定期的に清掃するための清掃員が常に概ね待機しているから、たとえ人力であっても清掃員の移動や配置を素早く行うことができる。特許文献1,2,3に記載されたような自動化された清掃員配置は、宿泊施設では設計が容易である。
【0005】
一方、店舗やイベント会場などでは、天候や行事の状況によって不定期に時には緊急に大規模な清掃を要することがある。このような清掃では、清掃時間は清掃開始後に予想できる(清掃終了時まで分からない)場合が多い。この場合、清掃料金や清掃員報酬を清掃作業の後に計算する必要がある。店舗やイベント会場などから受け取る不定期あるいは緊急の注文や、清掃労力の予測が難しい注文を、清掃業者が効率よく処理し、実際の作業状況に応じて顧客に料金を請求し清掃員に報酬を支払うための手段としては、特許文献1,2,3に記載されたシステムは不完全である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-127091号公報
【特許文献2】特開2022-072809号公報
【特許文献3】特開2021-015442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
いわゆるスポット注文、緊急の注文、清掃労力の予測が難しい注文、分散した清掃対象施設、清掃内容が事前予測不可能な清掃対象施設などにも対応する自動化システムが、清掃サービス市場にとって望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者はこのような自動化システムとして、受注、清掃員の配置、課金と報酬支払のすべてを管理できる管理システムを構築した。すなわち本発明は以下のものである。
【0009】
(発明1)
インターネット上のサーバー(1),アプリケーション(2),インターネットに接続可能なユーザー用端末機器(3)を含み、
インターネットを介してサーバー(1)とユーザー用端末機器(3)との間で送受信される情報に基づいて、アプリケーション(2)が、作業前ステップ(21),作業日ステップ(22),作業後ステップ(23),集金ステップ(24),支払ステップ(25)を実行し、
作業前ステップ(21)で清掃員シフト(4)を決定し、
作業日ステップ(22)で清掃員の勤怠管理と清掃作業の進捗管理を行い、
作業後ステップ(23)で報告書(7)を生成し、
集金ステップ(24)で顧客からの集金業務を援助し、
支払ステップ(25)で清掃サービス提供者による支払業務を援助する、
清掃サービス管理システム(10)。
(発明2)
さらに、顧客マスタ(5),清掃員マスタ(6),会計マスタ(9)から選ばれる1以上を含む、発明1の清掃サービス管理システム(10)。
(発明3)
作業日ステップ(22)で、清掃員シフト(4)を更新することができる、発明1の清掃サービス管理システム(10)。
(発明4)
作業後ステップ(23)で、作業日ステップ(22)においてユーザー用端末機器(3)で送受信された情報に基づいて、報告書(7)を作成する、発明1の清掃サービス管理システム(10)。
(発明5)
支払ステップ(25)で、清掃員に対する報酬及び/又は仲介料及び/又は紹介料の支払情報を更新する、発明1の清掃サービス管理システム(10)。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシステムは、清掃サービス受注、清掃員の配置、売上と経費の管理のすべてを一気通貫で行うことができる。本発明のシステムは所在地や環境がばらつくビルメンテナンスの効率化に適している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面は本発明を理解するための模式図である。図面に示された構造・配置、順序は、本発明の態様の1例であり、線描と枠配置は実際のデータ構造や通信方式を再現したものでなく、誇張や省略がある。
【
図1】本発明の清掃サービス管理システム(10)を理解するための参考図。
【
図2】本発明の作業前ステップ(21)を理解するための参考図。
【
図3】本発明の作業日ステップ(22)を理解するための参考図。
【
図4】本発明の作業後ステップ(23)を理解するための参考図。
【
図5】本発明の集金ステップ(24)を理解するための参考図。
【
図6】本発明の支払ステップ(25)を理解するための参考図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[清掃サービス管理システム(10)]
本発明は、オフィスビル、店舗、ホテル、学校、病院などの施設に清掃サービスを提供するためのシステムであり、本明細書では本発明システムを清掃サービス管理システム(10)と呼ぶ。
【0013】
本発明の清掃サービス管理システム(10)は、インターネット上のサーバー(1),アプリケーション(2),インターネットに接続可能なユーザー用端末機器(3)を含む。ユーザー用端末機器(3)は、本システム(10)を利用するために必要なインターネットに接続可能な個人用機端末器のすべてを指す。ユーザー用端末機器(3)は少なくとも清掃員用端末機器(31)を含む。端末機器(31)以外のユーザー用端末機器(3)としては、顧客、清掃サービス提供者、管理システム(10)の提供者などのいずれかとして本発明の清掃サービス管理システム(10)を利用するために用いられる個人用端末機器が該当する。清掃サービス提供者には清掃サービスを提供する企業の管理センター、同企業の支店、同企業の代理店も含む。
【0014】
「顧客」は清掃サービス提供者の顧客と、そのような顧客の従業員あるいは顧客から権限を以上された者を意味し、本発明を使ったサービス提供を実際に発注した人だけでなく、清掃対象施設の管理者など清掃サービスの依頼人を含む。「清掃員」は、実際に清掃作業を行った者だけでなく、本発明の清掃サービス管理システム(10)で清掃員候補として扱われる作業予定者も含む。
【0015】
典型的には、ユーザー用端末機器(3)は、清掃員用端末機器(31)と清掃サービス提供者側の従業員(以下「担当者」)用の端末機器(32)を含む。担当者は、担当者用端末機器(32)を用いて顧客からの注文メッセージの受信、顧客との意思疎通などのコミュニケーションをすることができる。
【0016】
[サーバー(1)]
インターネットに接続したサーバー(1)は公知のものを制限なく使用することができる。サーバー(1)はクラウドサーバーとして配置されていてよい。サーバー(1)はは、アプリケーション(2)にコントロールされたタイミングで、ユーザー側が入力する各種情報をユーザー用端末機器(3)から受信する。アプリケーション(2)は、後述の各ステップでユーザー用端末機器(3)から受信した情報に基づいて、清掃サービスに関連する情報を生成・更新する。サーバー(1)は、インターネット回線を経由して、アプリケーション(2)が生成するデータをユーザー用端末機器(3)に送信する。
【0017】
[アプリケーション(2)]
アプリケーション(2)は、サーバー(1)に格納されており、インターネットを介してサーバー(1)とユーザー用端末機器(3)との間で送受信される情報に基づいて、アプリケーション(2)が、作業前ステップ(21),作業日ステップ(22),作業後ステップ(23),集金ステップ(24),支払ステップ(21)を実行する。何らかの清掃サービスが1回提供される度に、作業前ステップ(21),作業日ステップ(22),作業後ステップ(23),集金ステップ(24),支払ステップ(21)の各々が少なくとも1回この順で実行される。
【0018】
[作業前ステップ(21)]
清掃作業の前に、一般的にはサーバー(1)が清掃サービスの注文情報を取得してから当該清掃サービスの実施予定日の前日までの期間に、アプリケーション(2)は作業前ステップ(21)を実行する。作業前ステップ(21)では、ユーザー用端末機器(3)で送受信された情報に基づいて清掃員シフト(4)を決定する。清掃員シフト(4)は、受注した清掃作業における清掃員の配置に関するデータセットであり、このデータセットに基づいてユーザー用端末機器(3)に表示した清掃員シフト(いわゆるシフト表)を意味する。作業前ステップ(21)では、清掃員シフト(4)の生成と共に、顧客に提供する見積書や注文書に関するデータセットを生成することもできる。作業前ステップ(21)では、清掃員シフト(4)の更新や変更が可能である。
【0019】
清掃サービスの注文情報は、ユーザー用端末機器(3)からサーバー(1)に送信される。一般的には、サーバー(1)に、顧客情報と顧客に紐付けされた施設情報を登録した顧客マスタ(5)、清掃員情報を登録した清掃員マスタ(6)が置かれている。顧客マスタ(5)には、顧客の名称や住所、顧客に紐付けられた過去の注文書、請求書、入金記録や、顧客に紐付けられた施設の所在地、面積や階数などの建築物的特徴、過去に行った清掃作業の内容(コースや実施後報告)、注文が完了し未実施の清掃作業の情報などが、登録されている。清掃員マスタ(6)には、清掃員の氏名や住所、保険情報、報酬支払に関する銀行情報などの個人情報、さらに、「平日勤務のみ」「夜間勤務のみ」「勤務日時を選択しない」「最寄り駅:A線のa1~a5駅」「・・・区の施設のみ」などの就業希望条件などが、登録されている。ユーザー用端末機器(3)で入力・送信される情報に基づいて顧客マスタ(5)、清掃員マスタ(6)を随時更新することができる。
【0020】
サーバー(1)がユーザー用端末機器(3)から注文を受け取る手法は制限されない。例えば、担当者が電話や店頭で受け取った注文情報に基づいて担当者用端末機器(32)で注文フォームを入力し注文情報を送信する、定期的な清掃サービスが契約されている施設について契約内容と前回の清掃実施記録に基づいてサーバー(1)が作業前ステップ実行(21)を要すると判定した場合などの、自動的あるいは半自動的な情報処理のいずれであってもよい。
【0021】
注文情報を受信したサーバー(1)は、顧客マスタを参照して注文情報が新規か再注文かを判定する。例えば、注文情報に顧客マスタに登録されていない顧客名あるいは施設名が含まれる場合には「新規顧客」あるいは「新規実施」として、顧客マスタに新規情報を追加し、新規の作業前ステップ(21)を実行する。例えば、注文情報に同じ施設で行った清掃の再実施を指示する情報が含まれる場合には、顧客マスタに登録された施設情報から直近の清掃作業内容を取得して、当該清掃作業の作業前ステップ(21)をデフォルトとして再実施のための作業前ステップ(21)を実行する。
【0022】
作業前ステップ(21)で上述の新規注文/再依頼の判定が終わると、注文情報(再依頼の場合には顧客マスタの登録情報を抽出する場合がある)に含まれる実施希望日、施設情報(面積)、作業内容(料金別コースなど)に基づいて、必要な清掃員の人数と勤務時間などをデータセット:注文シフト(40)を生成する。次に、注文シフト(40)と清掃員マスタ(6)を照合して、清掃員マスタ(6)の登録情報から予め設定された合致度により担当可能性が高い清掃員(清掃員候補)を抽出し、仮清掃員シフト(41)を生成する。
【0023】
次に、仮清掃員シフト(41)に含まれる情報を清掃員候補の端末機器(31)に送信し、清掃員候補に仮清掃員シフト(41)の承認/非承認を端末機器(31)で入力送信するよう要求する。端末機器(31)から送信された回答情報に基づいてサーバー(1)は仮清掃員シフト(41)の変更必要性を判定する。サーバー(1)が清掃員候補を追加する仮清掃員シフト(41)の変更が必要と判定した場合には、新たに清掃員候補を抽出して新たな仮清掃員シフト(42)を生成する。仮清掃員シフト(41)の場合と同様に、新たに抽出した清掃員候補の端末機器(31)に仮清掃員シフト(42)に含まれる情報を送信して回答を要求する。サーバー(1)は新たに抽出した清掃員候補の解答に応じて、仮清掃員シフト(42)をさらに修正して次の仮清掃員シフト(43)を生成することができる。
【0024】
作業前ステップ(21)では、注文された清掃実施日時を基準として予め設定した一定期間内に、清掃員候補の全員が仮清掃員シフト(41,42,42・・・のいずれか)を承認すると、承認された仮清掃員シフト(41,42,42・・・のいずれか)を最終的な清掃員配置:清掃員シフト(4)として登録する。清掃員シフト(4)を顧客マスタ(5)及び清掃員マスタ(6)に紐付ける。清掃員シフト(4)が決定されるまでの期間、例えば営巣員が端末機器(31)で承認の回答を送信した後には、「最終的なシフトが決まるまで待機してください。」「最終的なシフトをお待ち下さい」などのメッセージを端末機器(31)に表示することができる。
【0025】
作業前ステップ(21)では、清掃員シフト(4)に基づいて清掃員マスタ(6)を更新する。清掃員(清掃員候補)は端末機器(31)上で自分が配置された清掃作業を照会することができる。清掃員端末機器(31)には、「シフト予定は有りません」「シフト一覧」「シフト決定まで待機 1件」などのメッセージや情報が表示される。
【0026】
作業前ステップ(21)で、注文された清掃実施日時を基準として予め設定した一定期間内に清掃員シフト(4)を生成しなかった場合、典型的には注文シフト(40)を承認する清掃員候補が無かった場合、顧客に受注不可及び/又は条件変更依頼を回答することができる。作業前ステップ(21)では、このような回答を端末機器(3)に自動的に送信することができる。
【0027】
作業前ステップ(21)では、清掃員シフト(4)を生成すると共に、見積書のデータセット:見積書(401)及び/又は申込書に関するデータセット:申込書(402)を生成してもよい。この場合、本発明のシステム(10)を市販の会計システムにAPI経由で接続し、見積書や注文書を発行することができる。
【0028】
作業前ステップ(21)ででは、一旦生成した清掃員シフト(4)を変更することができる。例えば、顧客からキャンセルや作業内容の変更を告げられた場合、清掃員候補が就労不可を告げた場合などに、ユーザー用端末機器(3)からの入力情報をもとに、必要に応じて仮清掃員シフトを再生成して、清掃員シフト(4)を破棄・更新することができる。また、清掃サービス提供者側が電話やメールで直接清掃員候補と交渉して欠員を補充し、最終的な清掃員シフトを担当者用端末機器(32)から送信することによって、清掃員シフト(4)を作成することもできる。
【0029】
本発明のアプリケーション(2)は、例えば以下のような作業前ステップ(21)を実行することができる。この例:作業前ステップ(21-1)では、以下の顧客の希望を反映したデータセット:注文シフト(40-1)を生成する。
【0030】
(顧客の希望)
・2023年1月15日・日曜日
・午後1時から午後4時まで
・対象施設:施設番号301
・最寄り駅:B線のb3駅
・担当清掃員数:3人
作業前ステップ(21-1)では、次に、注文シフト(40-1)と清掃員マスタ(6)を参照し、注文シフト(40-1)の条件に完全一致する清掃員として以下の3人の清掃員候補を抽出する。
【0031】
・日曜日だけの就労、施設の最寄り駅としてB線のb1~b5駅を希望している、ID1001の清掃員。ただし、この清掃員は作業経験が高く高レベルの研修に合格しており、主任清掃員として登録されている。
【0032】
・日曜日だけの就労、施設の最寄り駅としてB線のb1~b5駅を希望している、ID1010の清掃員
・日曜日だけの就労、施設の最寄り駅としてB線のb1~b5駅を希望している、ID1020の清掃員
作業前ステップ(21-1)では 次に、清掃員:ID1001,1010,1020の情報、施設情報、作業条件(日時と清掃コースなど)を含む仮清掃員シフト(41-1)を生成する。
【0033】
次に、清掃員候補:ID1001,1010,1020が仮清掃員シフト(41-1)に含まれる情報を携帯端末(31-1001),携帯端末(31-1010),携帯端末(31-1020)で受信して、仮清掃員シフト(41-1)が指定する就業条件に対して承諾/非承諾の回答を携帯端末(31-1001),携帯端末(31-1010),携帯端末(31-1020)からサーバー(1)に送信する。
【0034】
例えば仮清掃員シフト(41-1)を、清掃員(ID1001)と清掃員(ID1010)が承認(就労すると回答)したが、清掃員(ID1020)が承認(就労しない)と回答した場合には、サーバー(1)はアプリケーション(2)が使用する清掃員候補選択の判定基準を予め設定された条件で拡大して、清掃員(ID1020)に代替する以下の清掃員候補(ID1030)を抽出する。
【0035】
・土日の就労、施設の最寄り駅としてB線のb4駅を希望している、ID1030の清掃員
承認回答した2人の清掃員候補の携帯端末(31-01,30-10)にはメッセージ:「シフトに配置しました。シフト表をお待ち下さい。」データを送信する。
【0036】
作業前ステップ(21-1)では、次に、清掃員:ID1001,1010,1030の情報、施設情報、作業条件(日時と清掃コースなど)を含むデータセット:仮清掃員シフト(42-2)を生成し、データセット:仮清掃員シフト(42-1)を上書きする。
【0037】
一方、清掃員候補:ID1030は、仮清掃員シフト(42-1)に含まれる情報を携帯端末(31-1030)で受信して、仮清掃員シフト(42-1)が指定する就業条件に対して承諾/非承諾の回答を携帯端末(31-1030)からサーバー(1)に送信する。
【0038】
サーバー(1)が清掃員(ID1030)からの承認回答を受信すると、作業前ステップ(21-1)では、仮清掃員シフト(42-1)を最終的な清掃員配置に対応するデータセット:清掃員シフト(4-1)として更新する。清掃員シフト(4-1)には以下の情報が含まれる。
・作業番号4001
・作業日:2023年1月15日,日曜日
・作業時間:午後1時から午後4時まで
・施設情報:ID:301,住所:・・・,最寄り駅:B線のb3駅,集合場所・・・
・担当清掃員数:主任清掃員ID1001,清掃員ID1010,清掃員ID1030
作業前ステップ(21-1)では、清掃員シフト(4-1)が生成されたことをもって注文確定と判断し、担当者用端末機器(32)に例えば以下のメッセージを送信する。
【0039】
・「注文に合致する清掃員シフトが完成しました。確認してください。」
仮に、作業前ステップ(21-1)で仮清掃員シフトの生成を繰り返しても注文シフト(40-1)で指定した作業日の前日までに清掃員シフト(4)を生成できなかった時には、担当者用端末機器(32)に以下のメッセージを送信する。
【0040】
・「注文に合致した清掃員シフトを生成できません。清掃日を*月*日以降に変更して再注文を送信してください」
このメッセージを受け取った担当者は注文者と連絡をとって清掃希望日の変更を依頼する。
【0041】
[作業日ステップ(22)]
作業日ステップ(22)は個々の清掃作業の実施日に実行されるステップである。作業日ステップ(22)で、ユーザー用端末機器(3)で送受信された情報に基づいて、清掃員の勤怠管理と清掃作業の進捗管理を行う。作業日ステップ(22)では、具体的には、担当清掃員の出勤と退勤、主任清掃員への作業指示、主任清掃員からの作業の進捗/完了報告を、端末機器(31)とサーバー(1)との通信によって自動的に行う。清掃員シフト(4)に紐付けられた清掃作業を実際に担当した清掃員全ての出勤と退勤を告げるメッセージデータと、主任清掃員からの作業完了報告データ(主任報告)が、端末機器(31)からサーバー(1)に到達すると、アプリケーション(2)は当該清掃員シフト(4)に紐付けられた作業日ステップ(22)が完了したと判定し、後述の作業後ステップ(23)を開始する。
【0042】
例えば上述の清掃員シフト(4-1)の作業日には、以下の作業日ステップ(22-1)を実行する。作業当日に、アプリケーション(2)は、清掃員シフト(4-1)に配置された主任清掃員ID1001,清掃員ID1010,清掃員ID1030の端末機器(31-1001,31-1010,31-1030)にメッセージ:「本日のシフトをご確認ください。『シフト表』・・・」を送信・表示して担当作業員にシフト表で作業内容を確認するよう要求する。作業開始時刻が近づき、サーバー(1)が端末機器(31-1001,31-1010,31-1030)からメッセージ:「シフト表閲覧完」と「集合地点に到着」に対応するデータを受信すると、「清掃員(ID1001,1010,1030)が出勤した」と判定して、清掃員マスタ(6)を更新する。ここで清掃員マスタ(6)に指定された作業開始時刻から一定時間前までに清掃員シフト(4)に合致する出勤を確認できない時、例えばID1030の清掃員の出勤を確認できない時には、アプリケーション(2)が担当者用端末機器(32)に「・・・さん(ID1030)が出勤していません。連絡をとってください。」、「・・・さん(ID1030)から病気休業メッセージを受信しました。代わりの清掃員を配置して清掃員シフトを手動で更新してください。」などのメッセージを送信する。
【0043】
清掃対象施設に予定通りに主任清掃員ID1001,清掃員ID1010,清掃員ID1030が到着すると、主任清掃員が端末機器(31-1001)から「現場到着」を通知するデータをサーバー(1)に送信する。「現場到着」を通知するデータを受信したサーバー(1)は、アプリケーション(2)によって清掃員シフト(4)及び/又は顧客マスタ(5)に紐付けられた情報から清掃メニューを抽出し、端末機器(31-1001)に以下の表示に対応するデータを送信してチェックボックス入力による回答を要求する。
【0044】
・「本日の作業は・・・・です。□確認しました」
・「交換対象のカーペットタイル(1ピース・窓下・コーヒーの染み)があります。□位置を確認しました」
・「報告書:□床掃除機がけ □床カーペットタイル(1ピース)交換 □殺虫剤噴霧 □給湯室シンク清掃 清掃員の怪我 □あり□なし 施設の破損□あり□なし ・・・ 作業完了日時□□□□□□□□□□□□ 責任者ID□□□□」
主任清掃員は作業の進捗に応じて端末機器(31-1001)からメッセージを送信する。サーバー(1)が端末機器(31-1001)から主任報告を受信すると、アプリケーション(2)は「清掃員シフト(4-1)による清掃を終了した」「報告書(7)作成可能」と判定する。
【0045】
サーバー(1)が端末機器(31-1001,31-1 10,31-1030)からメッセージ:「事務所帰着」に対応するデータを受信すると、アプリケーション(2)は「清掃員(ID1001,1010,1030)が退勤した」と判定して、清掃員マスタ(6)を更新する。その結果、清掃員マスタ(6)に登録された清掃員(ID1001,1010,1030)の勤務実績(勤務地、勤務時間など)が更新される。
【0046】
「報告書(7)作成可能」と判定して顧客マスタ(5)の更新を完了すると、アプリケーション(2)は清掃員シフト(4-1)に対応する作業日ステップ(22)が終了したと判定する。例えば、作業日ステップ(22)の終了を判定した日の翌日の所定時刻に、アプリケーション(2)は清掃員シフト(4-1)に対応して次の作業後ステップ(23)を開始する。
【0047】
清掃員シフト(4-1)で作業を終えた清掃員が、清掃員シフト(4-2)に指定された清掃対象施設に移動し、他の清掃員と合流し、清掃員シフト(4-2)で新たな清掃作業を行う場合には、アプリケーション(2)は、清掃員シフト(4-1)の実施と同様に、清掃員シフト(4-2)に従う作業日ステップ(22)を実行して、清掃員の勤怠管理と作業進捗の管理を行う。
【0048】
[作業後ステップ(23)]
作業後ステップ(23)は、報告書(7)を生成する工程である。作業後ステップ(23)では、アプリケーション(2)は、作業日ステップ(22)でサーバー(1)が受信した主任報告データと更新された顧客マスタ(5)に基づいて、報告書(7)を作成するためのデータセット:報告書(7)を生成する。報告書(7)の生成は、端末機器(3)に表示されるか本発明のユーザーが閲覧し得る報告書を発行することも意味する。報告書(7)は後述の集金ステップ(24)で費用計算に使われるデータを含む。報告書(7)はサーバー(1)に保存される。インターネット通信を介して、担当者は端末機器(32)に報告書(7)を表示して作業完了を確認することができる。清掃員は端末機器(31)に報告書(7)を表示して実際の勤務実績と照合することができる。
【0049】
作業後ステップ(23)では、例えば、報告書(7-1)をダウンロードした端末機器(31)に以下のテキストを表示することができる。
・作業番号4001 報告書
・顧客ID2001
・ステータス 作業完 費用請求前
・作業日:2023年1月15日,日曜日
・作業時間:午後1時から午後4時まで
・施設情報:ID:301,住所:・・・
・清掃員構成:主任清掃員1:ID1001,清掃員2:ID1010,ID1030
・サービス内訳:#01床/1単位, #01交換/1単位,#03殺虫剤/1単位, #04シンク/1単位
・清掃員の怪我 なし
・施設の破損 なし
[集金ステップ(24)]
集金ステップ(24)は、顧客からの集金業務を援助するためのアプリケーション(2)の動作である。集金ステップ(24)では、作業後ステップ(23)で生成した報告書(7)に基づいて請求書に関するデータセット:請求書(8)を生成する。市販の会計ソフトにAPIで接続して請求書(8)を生成してもよく、本システム(10)のアプリケーション(2)で直接請求書データを生成してもよい。担当者は端末機器(32)を使って請求書を受け取ることができる。さらに、集金ステップ(24)では、顧客の入金状況に基づいて、売上台帳や貸借対照表などの会計データを保存した会計マスタ(9)を更新することができる。
【0050】
例えば、集金ステップ(24)で、担当者用端末機器(32)から報告書(7-1)の承認メッセージがサーバー(1)に送信されると、アプリケーション(2)は報告書(7-1)に基づいた請求書(8-1)を生成する。アプリケーション(2)は請求書(8-1)に基づくE-メールや印刷物を出力し、顧客に請求書を送付する。請求書の送付が完了すると、会計マスタ(9)が更新される。
【0051】
また例えば、顧客(ID2001)の注文で当月に清掃作業を4回行って、4つの報告書(7-1,7-2,7-3,7-4)が生成している場合、集金ステップ(24)では、月末〆顧客(ID2001)宛て請求書を発行するために、報告書(7-1,7-2,7-3,7-4)に基づく請求書(8-1234)を生成することができる。
【0052】
請求書に対して顧客が入金すると、適宜、会計ソフトとの連携あるいは携帯端末(32)から送信された情報によって、会計マスタ(9)が更新される。集金ステップ(24)では、自動的に、あるいは担当者用端末機器(32)から送信された所望の条件に応じて、会計マスタ(9)を参照して特定の条件に従う会計情報、例えば当月売上一覧、未収金請求書一覧、発行済み請求書一覧などを抽出することができる。
【0053】
[支払ステップ(21)]
支払ステップ(21)は、清掃サービス提供者による支払業務を援助するためのアプリケーション(2)の動作である。清掃サービス提供者による支払の対象は、例えば、清掃員の報酬、仲介料、紹介料などである。支払ステップ(25)では、例えば、清掃員の報酬、仲介料、紹介料などの金額を計算し、支払状況に応じて、会計マスタ(9)に保存された清掃員の報酬、仲介料、紹介料などの情報を更新する。
【0054】
清掃員の報酬、仲介料、紹介料などの金額の計算は、集金ステップ(24)における請求書(8)の生成と同様あるいは同時に、作業後ステップ(23)で生成した報告書(7)に基づいて行う。例えば、清掃員の報酬を計算する際には、報告書(7)に含まれる作業時間情報及び/又は清掃員マスタ(6)に格納された従業時間を参照する。例えば、仲介料あるいは紹介料を計算する際には、報告書(7)に含まれる顧客情報及び/又は顧客マスタ(5)に格納された顧客情報を参照する。
【0055】
[効果]
本発明の清掃サービス管理システム(10)は、清掃サービスの受注、清掃員の配置、清掃員の作業援助、清掃作業の進捗管理、清掃作業の完了確認(報告)、集金、支払いを、ワンストップで自動化あるいは半自動化することができる。本発明によって、営業所や清掃対象施設で必要とされていた清掃作業以外の人的労力を減らすことができる。本発明によって、清掃員の配置を効率的に行うことができる。
【実施例0056】
[例1]
図1に、本発明の清掃サービス管理システム(10)の1例の機能構造を模式的に示す。インターネット上のサーバー(1),アプリケーション(2),インターネットに接続可能なユーザー用端末機器(3)を含む。端末機器(3)は清掃員用端末機器(31)と担当者用端末機器(32)からなる。サーバー(1)には、顧客情報を管理する顧客マスタ(5),清掃員情報を管理する清掃員マスタ(6),会計情報を管理する会計マスタ(9)が置かれる。
【0057】
[例2]
図2に、本発明の清掃サービス管理システム(10)のアプリケーション(2)が行う作業前ステップ(21)の1例の動作を模式的に示す。この例では、アプリケーション(2)が以下の動作をこの順で実行したことを示す。各動作をS1,S2・・・で示す。
【0058】
・S1:担当者用端末機器(32)で入力・送信された情報によって新たな顧客の情報を顧客マスタ(5)に登録した。
【0059】
・S2:清掃員用端末機器(31)で入力・送信された情報によって新たな清掃員の情報を清掃員マスタ(6)に登録した。
【0060】
・S3:担当者が、端末機器(32)にて、顧客から受信したメッセージに基づいて注文情報を入力し送信した。
【0061】
・S4:顧客マスタ(6)を参照して、注文情報に基づく注文シフト(40)を生成した。
【0062】
・S5:清掃員マスタ(5)を参照して、注文シフト(40)に基づく仮清掃員シフト(41)を生成し、清掃員候補の端末機器(31)に送信したが、清掃員候補は仮清掃員シフト(41)につけないと回答した。
【0063】
・S6:清掃員マスタ(5)を参照して、仮清掃員シフト(41)を新たな仮清掃員シフト(42)で更新した。清掃員候補が端末機器(31)で仮清掃員シフト(42)の情報を受信して、承諾回答を送信した。(図示しない)他の清掃員候補も、端末機器(32)で仮清掃員シフト(42)の情報を受信して、承諾回答を送信した。
【0064】
・S7:実施の前日に最終的な清掃員配置情報として清掃員シフト(4)を生成した。端清掃員シフト(4)に基づく清掃実施計画が、端末機器(31)にて担当清掃員によって照会・承認され、端末機器(32)にて担当者によって照会・承認された。
【0065】
[
図3]
図3に、本発明の清掃サービス管理システム(10)のアプリケーション(2)が清掃日に行う作業日ステップ(22)の1例の動作を模式的に示す。この例では、アプリケーション(2)が以下の動作をこの順で実行したことを示す。
【0066】
・S8:清掃員シフト(4)で指定された主任清掃員ID1001が、端末機器(31)にて清掃員シフト(4)に基づく清掃作業予定を照会・確認した。
【0067】
・S9:清掃員シフト(4)で指定された補助清掃員ID1020が、端末機器(31)から病気休暇を申請し、清掃員シフト(4)における補助清掃員ID10201の入れ替えが必要であると判定した。
【0068】
・S10:動作2201を行った。注文シフト(40)と清掃員マスタ(6)を参照して、補助清掃員ID1020を補助清掃員ID1030に入れ替え、清掃員シフト(4)を更新した。更新された清掃員シフト(4)が、主任清掃員ID1001と補助清掃員ID1030の端末機器(31)において照会・承認された。
【0069】
・S11:動作2202を行った。端末機器(31)から、主任清掃員ID1001と補助清掃員ID1030が集合場所に到着したことを通知するメッセージを受信した。更新された清掃員シフト(4)に指定した清掃員が出勤したと判定した。清掃員マスタ(6)の出勤記録情報を更新した。
【0070】
・S12:動作2203を行った。主任清掃員ID1001の端末機器(31)に清掃作業に関する指示を送信し、主任清掃員ID1001の端末機器(31)から指示確認メッセージを受信した。清掃員への作業指示が完了したと判断し、次の動作2204に進んだ。
【0071】
・S13:動作2204を行った。主任清掃員ID1001の端末機器(31)に清掃作業の進捗に対応するチェックリスト送信し、主任清掃員ID1001の端末機器(31)からチェックリストの入力情報を受信した。予定通りの清掃作業が行われたと判断し、次の動作2205に進んだ。
【0072】
・S14:動作2205を行った。主任清掃員ID1001の端末機器(31)に主任報告書の送信を求めるメッセージを送信し、主任清掃員ID1001の端末機器(31)から主任報告書データを受信した。担当者が端末機器(32)にて主任報告書を照会・承認した。予定通りの清掃作業が完了した判断し、主任報告書データを保存した。
【0073】
・S15:動作2206を行った。端末機器(31)から、主任清掃員ID1001と補助清掃員ID1030が集合場所に帰着したことを通知するメッセージを受信した。更新された清掃員シフト(4)に指定した清掃員が退勤したと判定した。清掃員マスタ(6)の出勤記録情報を更新した。清掃日の動作が完了したと判断した。
【0074】
[例4]
図4に、本発明の清掃サービス管理システム(10)のアプリケーション(2)が行う作業後ステップ(23)の1例の動作を模式的に示す。この例では、アプリケーション(2)が以下の動作をこの順で実行したことを示す。
【0075】
・S16:動作2301を行った。主任報告書データを抽出した。
【0076】
・S17:主任報告書データに基づいて、報告書(7)を生成した。担当者の端末機器(32)に報告書(7)を送信した。端末機器(32)から、担当者が報告書(7)に基づく報告内容を承認したメッセージを受信した。
・S18:動作2302を行った。端末機器(32)から、報告書(7)に基づく報告書の印刷を要求するメッセージを受信した。印刷用データを端末機器(32)に送信した。担当者が報告書を印刷した。
【0077】
[例5]
図5に、本発明の清掃サービス管理システム(10)のアプリケーション(2)が行う集金ステップ(24)の1例の動作を模式的に示す。この例では、アプリケーション(2)が以下の動作を実行したことを示す。
【0078】
・S19:報告書(7)に基づいて請求書(8)を生成した。
【0079】
・S20:請求書(8)を担当者用端末機器(32)に送信し、その後、端末機器(32)から請求書内容を承認するメッセージを受信した。請求書内容が確定したと判断した。会計マスタ(9)と顧客マスタ(5)において「請求書送付待ち」に1件を追加するデータ更新がなされた。
【0080】
・S21:動作2401を行った。請求締日または支払締日の動作である。請求締日には、担当者が、送付待ち状態として登録されていた請求書(8)端末機器(32)で確認した後に、発送した。支払締日には、顧客からの入金情報に従って、アプリケーション(2)が会計マスタ(9)と顧客マスタ(5)を更新する。入金情報は担当者が端末機器(32)で入力・送信してもよい。また動作2402として、担当者は請求書発行状況や入金状況を端末機器(32)で照会することができる。
【0081】
[例6]
図6に、本発明の清掃サービス管理システム(10)のアプリケーション(2)が行う支払ステップ(25)の1例の動作を模式的に示す。この例では、アプリケーション(2)が以下の動作をこの順で実行したことを示す。
【0082】
・S22:報告書(7)を抽出する。
【0083】
・S23:動作2501を行った。清掃員マスタ(6),会計マスタ(9)を参照して、報告書(7)とこれに紐付けられた清掃員の勤務実績に基づいて、清掃員の報酬を計算する。計算値に基づいて、清掃員に報酬を支払うためのデータを生成する。例えば清掃員の端末機器(31)に給与支払に関するデータを送信する。
【0084】
・S24:動作2502:顧客マスタ(5),会計マスタ(9)を参照して、報告書(7)とこれに紐付けられた紹介者・仲介者の情報に基づいて、紹介料あるいは仲介料を計算する。計算値に基づいて、取引先に紹介料あるいは仲介料を支払うためのデータを生成する。担当者の端末機器(32)に特約店などの取引先の紹介料或いは仲介料の支払に関するデータを送信する。
【0085】
・S25:担当者は随時、端末機器(32)にて、報酬、紹介料、仲介料の支払状況を照会する。アプリケーションは予め設定されたスケジュールに従って、担当者の端末(32)に注意喚起のメッセージを送信する。
本発明の清掃サービス管理システム(10)を利用することによって、散在する清掃対象施設を扱う場合でも、清掃員の確保、受注、作業実施、勤怠管理、集金、支払などの清掃サービスの提供に関する業務の大半を自動的にワンストップで実行し管理することができる。本発明によって、多様な施設に清掃サービスを提供する際に要していたコストを低減し、清掃サービスを効率的に提供することができる。本発明を利用することによって、清掃サービス提供を始めとする施設管理ビジネスの事業者は競争力を高めることができる。