(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145875
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】サーバ装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 28/084 20230101AFI20241004BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20241004BHJP
H04W 92/24 20090101ALI20241004BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H04W28/084
H04W4/44
H04W92/24
G01C21/34
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058426
(22)【出願日】2023-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吾妻 樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 章
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 高彰
【テーマコード(参考)】
2F129
5K067
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129AA11
2F129BB11
2F129CC15
2F129CC16
2F129DD09
2F129DD13
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2F129DD20
2F129EE52
2F129EE78
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2F129EE80
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF28
2F129FF32
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
5K067AA23
5K067DD19
5K067EE02
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】移動装置(モビリティ端末)が所望のネットワークスライスへの接続を維持しながら目的地まで移動できる経路を探索することを可能にする。
【解決手段】サーバ装置20は、移動装置10の現在地及び目的地を示す情報と、移動装置10が使用するネットワークスライスの識別子とに基づいて、ネットワークスライスの負荷状況であって、現在地から目的地まで移動する場合に移動装置10の接続対象となるセルごとの負荷状況の分析を求める分析要求を、分析ノード30へ送信する。サーバ装置20は、分析ノード30から受信される分析結果に基づいて、現在地から目的地まで移動装置が移動するための移動経路を決定し、決定された移動経路を示す経路情報を、移動装置10へ通知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動装置のための経路探索を行うサーバ装置であって、
前記移動装置の現在地及び目的地を示す情報と、前記移動装置が移動通信ネットワークにおいて使用するネットワークスライスの識別子とに基づいて、前記ネットワークスライスの負荷状況であって、前記現在地から前記目的地まで移動する場合に前記移動装置の接続対象となるセルごとの負荷状況の分析を求める分析要求を、前記移動通信ネットワークの分析ノードへ送信する要求手段と、
前記分析要求に対する応答として前記分析ノードから受信される分析結果に基づいて、前記現在地から前記目的地まで前記移動装置が移動するための移動経路を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された前記移動経路を示す経路情報を、前記移動装置へ通知する通知手段と、
を備える、サーバ装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記分析結果に基づいて、前記現在地から前記目的地までの経路であって、当該経路上のいずれのセルにおいても前記ネットワークスライスを使用可能である経路を、前記移動経路として決定する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記分析結果は、分析対象のセルごとの、前記識別子に対応するネットワークスライスの負荷の大きさを示すパラメータ値を含み、
前記決定手段は、前記パラメータ値が負荷閾値を下回っている場合に、対応するセルにおいて前記ネットワークスライスを使用可能であると判定する、請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記パラメータ値は、前記識別子に対応するネットワークスライスについての、登録UE(ユーザ装置)数、確立されているPDU(パケットデータユニット)セッション数、無線リソースの利用率、又は輻輳レベルの少なくともいずれか一つを含む、請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記要求手段は、前記現在地及び前記目的地を示す情報と前記識別子とを含み、前記現在地から前記目的地までの経路の探索を求める探索要求を、前記移動装置から受信すると、当該探索要求に従って前記分析要求を前記分析ノードへ送信する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記分析ノードは、前記分析要求に従って前記分析を実行するネットワークデータ分析機能(NWDAF)を実装している、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記要求手段は、
前記現在地から前記目的地までの1つ以上の候補経路を生成し、
前記1つ以上の候補経路のそれぞれについて、候補経路上で接続対象となる各セルを分析対象のセルとして決定し、
前記分析対象のセルのリストと前記識別子とを含む前記分析要求を、前記分析ノードへ送信し、
前記決定手段は、前記分析ノードから受信される前記分析結果としての、前記リストに含まれる各セルにおける、前記識別子に対応するネットワークスライスの負荷状況に基づいて、前記1つ以上の候補経路のうちで前記移動経路を決定する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記要求手段は、
前記1つ以上の候補経路のそれぞれについて、候補経路上で接続対象となる各セルを前記移動装置が通過する通過予定時間を求め、当該通過予定時間に基づいて各セルの分析対象時間を決定し、
前記分析対象のセルのリストと、当該リストに含まれる各セルの分析対象時間と、前記識別子とを含む前記分析要求を、前記分析ノードへ送信する、請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記通知手段は、前記ネットワークスライスを使用可能な候補経路が存在しない場合、前記現在地から前記目的地まで前記ネットワークスライスを使用可能な経路が存在しないことを示す通知を、前記移動装置へ送信する、請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項10】
地図情報データベースと、各セルによってカバーされるエリアを示すセルカバー情報データベースとを更に備え、
前記要求手段は、
前記地図情報データベースに基づいて、前記現在地から前記目的地までの1つ以上の候補経路を生成し、
前記セルカバー情報データベースに基づいて、前記1つ以上の候補経路のそれぞれについて、候補経路上で接続対象となるセルを特定する、請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記要求手段は、
前記現在地及び前記目的地を包含する地理的範囲を分析対象範囲として決定し、
前記分析対象範囲に含まれる各セルを分析対象のセルとして特定し、
前記分析対象のセルのリストと前記識別子とを含む前記分析要求を、前記分析ノードへ送信し、
前記決定手段は、前記分析ノードから受信される前記分析結果としての、前記リストに含まれる各セルにおける、前記識別子に対応するネットワークスライスの負荷状況に基づいて、前記移動経路を決定する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記要求手段は、
前記現在地から前記目的地までの1つ以上の候補経路を生成し、
前記1つ以上の候補経路を示す経路情報と前記識別子とを含む前記分析要求を、前記分析ノードへ送信し、
前記分析ノードは、前記分析要求に従って、前記経路情報が示す経路上の各セルにおける、前記識別子に対応するネットワークスライスの負荷状況を分析し、得られた分析結果を前記応答として前記サーバ装置へ送信し、
前記決定手段は、前記分析ノードから受信される前記分析結果としての、前記経路情報が示す経路上の各セルにおける、前記識別子に対応するネットワークスライスの負荷状況に基づいて、前記1つ以上の候補経路のうちで前記移動経路を決定する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項13】
前記要求手段は、
前記現在地及び前記目的地を包含する地理的範囲を分析対象範囲として決定し、
前記分析対象範囲を示す範囲情報と前記識別子とを含む前記分析要求を、前記分析ノードへ送信し、
前記決定手段は、前記分析ノードから受信される前記分析結果としての、前記範囲情報が示す分析対象範囲に含まれる各セルにおける、前記識別子に対応するネットワークスライスの負荷状況に基づいて、前記移動経路を決定する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項14】
移動装置のための経路探索を行うサーバ装置の制御方法であって、
前記移動装置の現在地及び目的地を示す情報と、前記移動装置が移動通信ネットワークにおいて使用するネットワークスライスの識別子とに基づいて、前記ネットワークスライスの負荷状況であって、前記現在地から前記目的地まで移動する場合に前記移動装置の接続対象となるセルごとの負荷状況の分析を求める分析要求を、前記移動通信ネットワークの分析ノードへ送信する要求工程と、
前記分析要求に対する応答として前記分析ノードから受信される分析結果に基づいて、前記現在地から前記目的地まで前記移動装置が移動するための移動経路を決定する決定工程と、
前記決定工程において決定された前記移動経路を示す経路情報を、前記移動装置へ通知する通知工程と、
を含む、制御方法。
【請求項15】
請求項14に記載の制御方法を、サーバ装置のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信ネットワークのネットワークスライスを使用する移動装置のための経路探索を行うサーバ装置、制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動運転車、コネクティッドカー、ドローン、及び搬送用ロボット等の移動装置(モビリティ端末)が移動する際に、例えば遠隔監視又は遠隔制御のために、クラウドコンピューティングとの連携が必要となりうる。その場合、モビリティ端末が、移動経路上の接続対象の各基地局との間で安定的に無線通信を行いながら目的地まで移動することが求められる。特許文献1には、無線通信により遠隔で移動体を監視する際に安定的な無線通信を実現するために、位置と無線通信品質と基地局識別情報とが関連付けられた情報に基づいて経路を探索し、経路情報を移動体に提供する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モビリティ端末が様々な場所へ移動する場合に、要求される通信品質(遅延、ジッタ、及び通信容量)を満たす無線通信を各基地局との間で行えるようにするために、ネットワークスライシング技術を活用することが想定される。しかし、モビリティ端末が目的地までの移動する間に接続する基地局において、例えば、所望のネットワークスライスに接続するユーザ数の増加に伴って無線リソースの不足が生じると、モビリティ端末が所望のネットワークスライスに接続できなくなりうる。その場合、モビリティ端末を停止又は減速させる必要が生じる等、モビリティ端末の運行に支障が生じるとともに、継続的なモビリティ端末の監視ができなくなりうる。
【0005】
本発明は、移動装置(モビリティ端末)が所望のネットワークスライスへの接続を維持しながら目的地まで移動できる経路を探索することを可能にする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るサーバ装置は、移動装置のための経路探索を行うサーバ装置であって、前記移動装置の現在地及び目的地を示す情報と、前記移動装置が移動通信ネットワークにおいて使用するネットワークスライスの識別子とに基づいて、前記ネットワークスライスの負荷状況であって、前記現在地から前記目的地まで移動する場合に前記移動装置の接続対象となるセルごとの負荷状況の分析を求める分析要求を、前記移動通信ネットワークの分析ノードへ送信する要求手段と、前記分析要求に対する応答として前記分析ノードから受信される分析結果に基づいて、前記現在地から前記目的地まで前記移動装置が移動するための移動経路を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された前記移動経路を示す経路情報を、前記移動装置へ通知する通知手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、移動装置が所望のネットワークスライスへの接続を維持しながら目的地まで移動できる経路を探索することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】ネットワークスライスの負荷状況に基づく経路探索の例を示す図。
【
図4】通信システムにおいて実行される処理のシーケンスの例を示すシーケンス図。
【
図5】通信システムにおいて実行される処理のシーケンスの例を示すシーケンス図。
【
図6】通信システムにおいて実行される処理のシーケンスの例を示すシーケンス図。
【
図7】通信システムにおいて実行される処理のシーケンスの例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうちの二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<通信ネットワークの構成>
図1は、本開示の実施形態に係る通信ネットワークの構成例を示す。移動通信ネットワーク40は、1つ以上のデータネットワーク(DN)へのアクセスを、移動通信ネットワーク40に接続する移動装置10へ提供する。当該1つ以上のDNには、少なくともインターネット50が含まれる。移動通信ネットワーク40には、それぞれ異なるネットワーク要件(サービス要件)に対応する複数の論理ネットワークとして複数のネットワークスライス(以下、単に「スライス」とも称する。)を設定(形成)可能である。移動通信ネットワーク40は、一例として第5世代(5G)の移動通信ネットワークとして構成されるが、ネットワークスライシングが適用可能である限り、5Gの移動通信ネットワークに限定されない。
【0011】
移動装置10は、移動通信ネットワーク40によって提供される移動通信サービスを利用する無線デバイスであり、ユーザ装置(UE)とも称されうる。本実施形態では、移動装置10として、手動操作(例えば遠隔操作)又は自律制御により移動可能なモビリティ端末を想定する。具体的には、移動装置10は、例えば、自動運転車若しくはコネクティッドカー等の車両、又はドローン、搬送用ロボット等で構成されうる。
【0012】
移動装置10は、移動通信ネットワーク40を介してインターネット50上のサーバ装置20にアクセスし、サーバ装置20とのデータ通信を行うことが可能である。本実施形態では、サーバ装置20として、移動装置10に対して経路探索サービスを提供するサービス事業者のサーバ装置であって、移動装置10のための経路探索を行うサーバ装置を想定する。サーバ装置20は、移動装置10が現在地から目的地まで移動するための移動経路を決定し、決定した移動経路を示す経路情報を移動装置10へ提供する。
【0013】
移動装置10は、サーバ装置20から提供された経路情報に従って、当該経路情報が示す移動経路で目的地まで移動することが可能である。本実施形態では、移動装置10は、一例として、提供された経路情報に従って自立制御により目的地まで移動する自動運転車で構成される。なお、移動装置10は、提供された経路情報が示す移動経路をドライバーに提示して、ドライバーが当該移動経路で移動するための運転操作を行うことを可能にしてもよい。
【0014】
図1に示すように、移動通信ネットワーク40は、分析ノード30を有する。分析ノード30は、外部装置からの分析要求に従って、移動通信ネットワーク40で取得される種々のデータの収集及び分析を行い、得られた分析情報(分析結果)を提供する。本実施形態では、分析ノード30は、分析要求に従って分析を実行するネットワークデータ分析機能(NWDAF:Network Data Analytics Function)を実装している。NWDAFは、5Gコアネットワークのネットワーク機能(NF)の1つであり、ネットワークスライスの負荷情報等の、ネットワークの分析情報を提供するNFである。なお、
図1には図示していないが、分析ノード30のNWDAFは、ネットワーク公開機能(NEF:Network Exposure Function)を介して、サーバ装置20に実装された、外部エンティティであるアプリケーション機能(AF)との通信を行いうる。
【0015】
<サーバ装置による経路探索の概要>
図2は、本実施形態における、ネットワークスライスの負荷状況に基づく経路探索の例を示す図であり、移動装置10の現在地と移動先となる目的地とを包含する地理的範囲を示している。
図2に示す地理的範囲において、それぞれ異なる基地局によって形成された複数のセル(セルA~G)が配置されている。本例では、移動装置10が、図示されている現在地から目的地まで移動する際に、当該現在地から当該目的地までの経路の探索をサーバ装置20に対して要求し、それに応じてサーバ装置20による経路探索が行われる。
【0016】
本実施形態では、サーバ装置20は、移動装置10が所望のネットワークスライス(本例では「スライスA」とする。)への接続を維持しながら、現在地から目的地まで移動できる経路を探索する。
図2の例では、地図情報に基づいて、移動装置10の現在地から目的地まで、3つの候補経路R1~R3が生成されている。ここで、セルA~Gのうち、セルD及びEにおいてスライスAの負荷が大きい状況にあり、これらのセルでは移動装置10がスライスAに接続することができない。このため、セルEを通過する候補経路R1、又はセルDを通過する候補経路R2を移動装置10が移動する場合、現在地から目的地までスライスAへの接続を維持し続けることはできない。一方、候補経路R3を移動装置10が移動する場合、いずれもスライスAの負荷が小さいセルA、B、F及びGを通過することになるため、スライスAへの接続を維持しながら現在地から目的地まで移動することが可能である。
【0017】
そこで、
図2の例において、サーバ装置20は、候補経路R1~R3のうち、経路上のいずれのセルにおいてもスライスAを使用可能である候補経路R3を、現在地から目的地まで移動装置10が移動するための移動経路として決定する。このような経路探索を実現するために、本実施形態のサーバ装置20は、分析ノード30の分析機能を利用して、現在地から目的地まで移動する場合に移動装置10の接続対象となる各セルにおけるネットワークスライスの負荷状況を予め把握し、それに基づく経路探索を行う。
【0018】
より具体的には、サーバ装置20は、移動装置10の現在地及び目的地を示す情報と、移動装置10が移動通信ネットワーク40において使用するネットワークスライス(対象ネットワークスライス)の識別子とに基づいて、対象ネットワークスライスの負荷状況であって、現在地から目的地まで移動する場合に移動装置10の接続対象となるセルごとの負荷状況の分析を求める分析要求を、分析ノード30へ送信する。サーバ装置20は、当該分析要求に対する応答として分析ノード30から受信される分析結果に基づいて、現在地から目的地まで移動装置が移動するための移動経路を決定し、決定された移動経路を示す経路情報を、移動装置10へ通知する。これにより、移動装置10が所望のネットワークスライス(即ち、要求される通信品質を満たすネットワークスライス)への接続を維持しながら目的地まで移動できる経路を探索することが可能になる。
【0019】
<サーバ装置の構成例>
図3は、本実施形態に係るサーバ装置20の構成例を示すブロック図である。サーバ装置20は、ハードウェア構成として、制御部210、記憶部220及び通信部230を備えている。
【0020】
制御部210は、CPU等の1つ以上のプロセッサで構成され、サーバ装置20全体の動作を制御する。制御部210は、CPUに代えて、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)等の1つ以上のプロセッサで構成されてもよい。
【0021】
記憶部220は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)等の記憶媒体を含む。通信部230は、制御部210による制御下で、外部装置との通信を行うための通信インタフェースである。サーバ装置20は、それぞれ接続先が異なる複数の通信部230を有していてもよい。
【0022】
記憶部220には、サーバ装置20の機能を実現するためのプログラム(アプリケーションプログラム)が格納されうる。記憶部220には更に、地図情報データベース(DB)221が格納される。地図情報DB221は、後述するように、例えば、候補経路の生成又は経路(移動経路)の決定のために使用されうる。また、後述する実施形態1及び2のサーバ装置20では、セルカバー情報DB222が更に記憶部220に格納される。セルカバー情報DB222は、位置情報と関連付けて、当該位置情報が示す位置における接続先のセルのセルID(識別子)が格納されており、各セルによってカバーされるエリアを示すものである。
【0023】
制御部210上で動作する各機能ユニット(情報取得部211、分析要求部212、経路決定部213、及び経路通知部213)は、記憶部220に格納されたプログラムを制御部210が実行することによって実現される。あるいは、各機能ユニットは、それぞれ1つ以上の専用のプロセッサ(処理回路)によって実現されてもよい。
【0024】
情報取得部211は、移動装置10が現在地から目的地まで移動する際に移動装置10からサーバ装置20へ送信される探索要求に基づいて、現在地及び目的地を示す情報と、移動装置10が使用するネットワークスライス(対象ネットワークスライス)の識別子とを取得する。探索要求には、現在地及び目的地を示す情報と、対象ネットワークスライスの識別子とが含められる。なお、ネットワークスライスの識別子は、例えば、単一ネットワークスライス選択アシスタンス情報(S-NSSAI:Single-Network Slice Selection Assistance Information)で構成される。なお、サーバ装置20は、このように移動装置10から対象ネットワークスライスの識別子を取得する以外に、所望のネットワークスライスの通信品質(遅延、ジッタ、通信容量等)を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて、サーバ装置20側で対象ネットワークスライスを特定してもよい。
【0025】
分析要求部212は、移動装置10の現在地及び目的地を示す情報と、対象ネットワークスライスの識別子とに基づいて、分析要求を分析ノード30へ送信する。分析要求は、対象ネットワークスライスの負荷状況であって、現在地から目的地まで移動する場合に移動装置10の接続対象となるセルごとの負荷状況の分析を、分析ノード30に求めるものである。
【0026】
経路決定部213は、分析要求部212によって送信された分析要求に対する応答として分析ノード30から受信される分析結果に基づいて、現在地から目的地まで移動装置が移動するための移動経路を決定する。具体的には、経路決定部213は、分析結果に基づいて、現在地から目的地までの経路であって、当該経路上のいずれのセルにおいても対象ネットワークスライスを使用可能である経路を、移動経路として決定する。
【0027】
分析ノード30から受信される分析結果は、分析対象のセルごとの、分析要求に含められた識別子(S-NSSAI)に対応するネットワークスライス(対象ネットワークスライス)の負荷の大きさを示すパラメータ値を含みうる。当該パラメータ値は、例えば、対象ネットワークスライスについての、登録UE(ユーザ装置)数、確立されているPDU(パケットデータユニット)セッション数、無線リソースの利用率、又は輻輳レベルの少なくとも一つを含む。経路決定部213は、パラメータ値が負荷閾値を下回っている場合に、対応するセルにおいて対象ネットワークスライスを使用可能であると判定しうる。
【0028】
経路通知部214は、経路決定部213によって決定された移動経路を示す経路情報を、移動装置10へ通知する。これにより、移動装置10は、通知された経路情報が示す移動経路で、現在地から目的地までの移動を開始する。
【0029】
次に、サーバ装置20による、分析ノード30を利用した上述の経路探索の具体的な処理の例を、以下の実施形態1~4でより詳細に説明する。
【0030】
<実施形態1>
実施形態1及び2では、サービス事業者のサーバ装置20が、セルカバー情報DB222を保有している場合の処理の例について説明する。
図4は、実施形態1に係る、通信システムにおいて実行される処理のシーケンスの例を示すシーケンス図である。
【0031】
S101で、移動装置10は、サーバ装置20によるセルカバー情報DB222への蓄積のために、セルカバー情報を定期的にサーバ装置20へ送信する。セルカバー情報は、移動装置10が接続中のセルのセルIDと、移動装置10の位置情報とを含む。S102で、サーバ装置20は、受信したセルカバー情報に基づいて、セルカバー情報DB222を更新する。このように、移動装置10が定期的にセルカバー情報をサーバ装置20へ送信することで、セルカバー情報DB222が随時更新される。
【0032】
移動装置10は、現在地から目的地へ向かうための移動を開始する際、サーバ装置20に対して、現在地から目的地までの経路の探索を求める探索要求を送信する(S111)。探索要求には、現在地及び目的地を示す情報と、移動装置10が使用するネットワークスライス(対象ネットワークスライス)の識別子(S-NSSAI)とが含まれる。
【0033】
サーバ装置20は、探索要求を受信すると、S112で、現在地から目的地までの1つ以上の候補経路を生成する。1つ以上の候補経路の生成は、地図情報DB221に基づいて行われる。更にS113で、サーバ装置20は、生成した1つ以上の候補経路のそれぞれについて、候補経路上で接続対象となるセルを、セルカバー情報DB222に基づいて特定し、特定した各セルを分析対象のセルとして決定する。また、サーバ装置20は、1つ以上の候補経路のそれぞれについて、候補経路上で接続対象となる各セルを移動装置10が通過する通過予定時間を求め、当該通過予定時間に基づいて各セルの分析対象時間を決定する。分析対象時間は、通過予定時間と実際の通過時間との間に生じる誤差を考慮して、通過予定時間を基準として、一定の幅を有する時間(時間帯)として決定される。更に、サーバ装置20は、候補経路ごとに、目的地への到着予想時間を取得する。
【0034】
その後S114で、サーバ装置20は、分析要求を分析ノード30へ送信する。分析要求には、分析対象のセルのリスト(セルIDのリスト)と、対象ネットワークスライスの識別子(S-NSSAI)と、分析対象時間とが含められる。
【0035】
分析ノード30は、分析要求をサーバ装置20から受信すると、S115で、分析要求に従って、スライス負荷の分析処理を行う。具体的には、分析ノード30は、セルIDのリストに含まれる各セルIDに対応するセルにおける、S-NSSAIに対応するネットワークスライスの負荷状況を分析する。セルごとの負荷状況の分析は、分析要求に含まれる、セルごとの分析対象時間について行われる。S116で、分析ノード30は、得られた分析結果を、分析要求に対する応答としてサーバ装置20へ送信する。
【0036】
S117~S118で、サーバ装置20は、受信した分析結果に基づいて、1つ以上の候補経路のうちで移動経路を決定する。具体的には、S117で、サーバ装置20は、分析結果に基づいて、1つ以上の候補経路のそれぞれにおける、対象ネットワークスライス(S-NSSAIに対応するネットワークスライス)の使用可否を判定する。更にS118で、サーバ装置20は、1つ以上の候補経路のうちで、経路上のいずれのセルにおいてもネットワークスライスを使用可能である候補経路を、移動装置10の移動経路として決定する。なお、複数の候補経路において対象ネットワークスライスを使用可能である場合には、例えば、目的地への目的地への到着予想時間が早い候補経路を移動経路として決定してもよい。
【0037】
S119で、サーバ装置20は、決定された移動経路を示す経路情報を含む経路通知を、探索要求(S111)に対する応答として移動装置10へ送信する。これにより、移動装置10は、S120で、通知された移動経路に従って目的地に向けて移動を開始する。
【0038】
また、サーバ装置20は、S117において、1つ以上の候補経路のいずれにおいても対象ネットワークスライスを使用不可能であると判定した場合、再度、1つ以上の候補経路を生成して分析要求を分析ノードへ送信する(S112~S114)。更に、サーバ装置20は、分析ノード30から受信した分析結果に基づいて、各候補経路における対象スライスの使用可否を判定する(S117)。このような処理を繰り返しても、対象ネットワークスライスを使用可能な候補経路が存在しない場合、サーバ装置20は、現在地から目的地まで対象ネットワークスライスを使用可能な経路が存在しないことを示す通知を、移動装置10へ送信する。当該通知を受信した移動装置10は、例えば、自動運転から手動運転へ切り替えるか、移動を停止するか、又は、要求される通信品質がより低いネットワークスライスを指定して再び探索要求(S111)をサーバ装置20に対して行ってもよい。
【0039】
S119における経路通知の送信後、サーバ装置20は、定期的に、移動経路上の各セルにおける対象ネットワークスライスの負荷状況の分析要求を分析ノード30へ送信し(S114)、当該移動経路における対象ネットワークスライスの使用可否を判定してもよい(S117)。サーバ装置20は、このようにして、移動装置10の移動中に、移動経路上で対象ネットワークスライスが使用不可能になることを検出した場合には、再度、1つ以上の候補経路を生成して分析要求を分析ノード30へ送信する(S112~S114)。更に、新たに移動経路を決定し、決定した移動経路を移動装置10へ通知する(S117~S119)。これにより、移動経路の通知後に、負荷状況が変化して対象ネットワークスライスが使用不可能になる可能性が生じても、移動装置10が対象ネットワークスライスへの接続を維持しながら目的地まで移動することが可能になる。
【0040】
以上説明した処理により、サーバ装置20は、移動装置10が探索要求で指定した対象ネットワークスライスへの接続を維持しながら目的地まで移動できる経路を探索することが可能である。
【0041】
<実施形態2>
図5は、実施形態2に係る、通信システムにおいて実行される処理のシーケンスの例を示すシーケンス図である。以下では、実施形態1と共通する部分の説明を省略し、実施形態1と相違する部分について説明する。
【0042】
S101~S102,S111は、実施形態1と同様である。本実施形態では、サーバ装置20は、移動装置10から探索要求を受信すると(S111)、S201で、地図情報DB221に基づいて、現在地及び目的地を包含する地理的範囲を分析対象範囲として決定する。例えば、
図2の例では、同図に示される地理的範囲(セルA~Gによってカバーされる地理的範囲)全体が、分析対象範囲として決定される。
【0043】
次にS202で、サーバ装置20は、決定された分析対象範囲に含まれる各セルを、セルカバー情報DB222に基づいて特定し、特定した各セルを分析対象のセルとして決定する。また、サーバ装置20は、例えば現在地から各セルまでの距離に基づいて、各セルの分析対象時間を決定する。
【0044】
その後S114で、サーバ装置20は、分析要求を分析ノード30へ送信する。分析要求には、実施形態1と同様、分析対象のセルのリスト(セルIDのリスト)と、対象ネットワークスライスの識別子(S-NSSAI)と、分析対象時間とが含められる。
【0045】
サーバ装置20は、分析要求に対する応答として分析結果を分析ノード30から受信すると、S203で、分析結果に基づいて移動経路を決定する。具体的には、サーバ装置20は、経路上のいずれのセルにおいても対象ネットワークスライスを使用可能である経路を特定し、当該経路を移動経路として決定する。S119で、サーバ装置20は、決定された移動経路を示す経路情報を含む経路通知を、探索要求(S111)に対する応答として移動装置10へ送信する。これにより、移動装置10は、S120で、通知された移動経路に従って目的地に向けて移動を開始する。
【0046】
経路通知の送信後、サーバ装置20は、実施形態1と同様、定期的に、移動経路上の各セルにおける対象ネットワークスライスの負荷状況の分析要求を分析ノード30へ送信し(S114)、当該移動経路における対象ネットワークスライスの使用可否を判定してもよい(S117)。
【0047】
なお、対象ネットワークスライスを使用可能な候補経路が存在しない場合、サーバ装置20は、実施形態1と同様、現在地から目的地まで対象ネットワークスライスを使用可能な経路が存在しないことを示す通知を、移動装置10へ送信する。
【0048】
以上説明した処理により、サーバ装置20は、移動装置10が探索要求で指定した対象ネットワークスライスへの接続を維持しながら目的地まで移動できる経路を探索することが可能である。
【0049】
<実施形態3>
実施形態3及び4では、サービス事業者のサーバ装置20が、セルカバー情報DB222を保有しておらず、移動通信ネットワーク40側で保持されているセルカバー情報が利用される場合の処理の例について説明する。
図6は、実施形態3に係る、通信システムにおいて実行される処理のシーケンスの例を示すシーケンス図である。以下では、実施形態1と共通する部分の説明を省略し、実施形態1と相違する部分について説明する。
【0050】
本実施形態では、サーバ装置20がセルカバー情報DB222を保有していないため、S101~S102(
図4及び
図5)の処理は行われない。
【0051】
S111~S112は、実施形態1と同様である。本実施形態では、S301で、サーバ装置20は、1つ以上の候補経路のそれぞれについて、候補経路上の各地点を移動装置10が通過する通過予定時間を求め、当該通過予定時間に基づいて、候補経路上の各地点の分析対象時間を決定する。分析対象時間は、通過予定時間と実際の通過時間との間に生じる誤差を考慮して、通過予定時間を基準として、一定の幅を有する時間として決定される。更に、サーバ装置20は、候補経路ごとに、目的地への到着予想時間を取得する。
【0052】
その後S302で、サーバ装置20は、分析要求を分析ノード30へ送信する。分析要求には、1つ以上の候補経路を示す経路情報と、対象ネットワークスライスの識別子(S-NSSAI)と、分析対象時間とが含められる。経路情報は、例えば、1つ以上の候補経路についての(各地点の)緯度及び経路情報を含んでもよい。
【0053】
分析ノード30は、分析要求をサーバ装置20から受信すると、S303~S304で、分析要求に従って、経路情報が示す経路上の各セルにおける、S-NSSAIに対応するネットワークスライスの負荷状況を分析する。具体的には、分析ノード30は、当該ノードが保持しているセルカバー情報に基づいて、分析要求に含まれる経路情報が示す経路上に配置されたセルを特定する(S303)。分析ノード30は更に、特定した各セルにおける、S-NSSAIに対応するネットワークスライスの負荷状況を分析する(S304)。セルごとの負荷状況の分析は、分析要求に含まれる、候補経路上の各地点の分析対象時間について行われる。
【0054】
S305で、分析ノード30は、得られた分析結果を、分析要求に対する応答としてサーバ装置20へ送信する。この分析結果は、分析要求に含まれる経路情報が示す1つ以上の候補経路上のセル(セルID)ごとの、S-NSSAIに対応するネットワークスライスの負荷状況を示すパラメータ値が含められうる。
【0055】
その後、サーバ装置20は、実施形態1と同様に、受信した分析結果に基づいて、1つ以上の候補経路のうちで移動経路を決定し(S117~S118)、決定された移動経路を示す経路情報を含む経路通知を移動装置10へ送信する(S119)。
【0056】
経路通知の送信後、サーバ装置20は、実施形態1と同様、定期的に、移動経路上の各セルにおける対象ネットワークスライスの負荷状況の分析要求を分析ノード30へ送信し(S302)、当該移動経路における対象ネットワークスライスの使用可否を判定してもよい(S117)。
【0057】
なお、対象ネットワークスライスを使用可能な候補経路が存在しない場合、サーバ装置20は、実施形態1と同様、現在地から目的地まで対象ネットワークスライスを使用可能な経路が存在しないことを示す通知を、移動装置10へ送信する。
【0058】
以上説明した処理により、サーバ装置20は、セルカバー情報DB222を保有していない場合にも、移動装置10が探索要求で指定した対象ネットワークスライスへの接続を維持しながら目的地まで移動できる経路を探索することが可能である。
【0059】
<実施形態4>
図7は、実施形態4に係る、通信システムにおいて実行される処理のシーケンスの例を示すシーケンス図である。以下では、実施形態1と共通する部分の説明を省略し、実施形態1と相違する部分について説明する。
【0060】
本実施形態では、サーバ装置20がセルカバー情報DB222を保有していないため、S101~S102(
図4及び
図5)の処理は行われない。
【0061】
本実施形態では、サーバ装置20は、移動装置10から探索要求を受信すると(S111)、S401で、実施形態2(S201)と同様、地図情報DB221に基づいて、現在地及び目的地を包含する地理的範囲を分析対象範囲として決定する。次にS402で、サーバ装置20は、例えば現在地から分析対象範囲内の各地点までの距離に基づいて、各地点の分析対象時間を決定する。
【0062】
その後S403で、サーバ装置20は、分析要求を分析ノード30へ送信する。分析要求には、分析対象範囲を示す範囲情報と、対象ネットワークスライスの識別子(S-NSSAI)と、分析対象時間とが含められる。範囲情報は、例えば、分析対象範囲についての(各地点の)緯度及び経路情報を含んでもよい。
【0063】
分析ノード30は、分析要求をサーバ装置20から受信すると、S404~S305で、分析要求に従って、範囲情報が示す分析対象範囲に含まれる各セルにおける、S-NSSAIに対応するネットワークスライスの負荷状況を分析する。具体的には、分析ノード30は、当該ノードが保持しているセルカバー情報に基づいて、分析要求に含まれる範囲情報が示す分析対象範囲に含まれるセルを特定する(S404)。分析ノード30は更に、特定した各セルにおける、S-NSSAIに対応するネットワークスライスの負荷状況を分析する(S405)。セルごとの負荷状況の分析は、分析要求に含まれる、分析対象範囲内の各地点の分析対象時間について行われる。
【0064】
S406で、分析ノード30は、得られた分析結果を、分析要求に対する応答としてサーバ装置20へ送信する。この分析結果は、分析要求に含まれる範囲情報が示す分析対象範囲内のセル(セルID)ごとの、S-NSSAIに対応するネットワークスライスの負荷状況を示すパラメータ値が含められうる。
【0065】
その後S407で、サーバ装置20は、分析結果に基づいて移動経路を決定する。具体的には、サーバ装置20は、経路上のいずれのセルにおいても対象ネットワークスライスを使用可能である経路を特定し、当該経路を移動経路として決定する。更にS119で、サーバ装置20は、決定された移動経路を示す経路情報を含む経路通知を移動装置10へ送信する。
【0066】
経路通知の送信後、サーバ装置20は、実施形態1と同様、定期的に、移動経路上の各セルにおける対象ネットワークスライスの負荷状況の分析要求を分析ノード30へ送信し(S114)、当該移動経路における対象ネットワークスライスの使用可否を判定してもよい(S117)。
【0067】
なお、対象ネットワークスライスを使用可能な候補経路が存在しない場合、サーバ装置20は、実施形態1と同様、現在地から目的地まで対象ネットワークスライスを使用可能な経路が存在しないことを示す通知を、移動装置10へ送信する。
【0068】
以以上説明した処理により、サーバ装置20は、セルカバー情報DB222を保有していない場合にも、移動装置10が探索要求で指定した対象ネットワークスライスへの接続を維持しながら目的地まで移動できる経路を探索することが可能である。
【0069】
[その他の実施形態]
上述の実施形態に係る端末装置は、コンピュータをサーバ装置として機能させるためのコンピュータプログラムにより実現することができる。当該コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて配布が可能なもの、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。
【0070】
なお、本発明により、例えば、移動装置(モビリティ端末)が所望のネットワークスライスへの接続を維持しながら目的地まで移動できる経路を探索することが可能になることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0071】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
10:移動装置、20:サーバ装置、30:分析ノード(NWDAF)、40:移動通信ネットワーク、210:制御部、220:記憶部、230:通信部