(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145883
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】接続治具および接続方法
(51)【国際特許分類】
B25J 13/08 20060101AFI20241004BHJP
H01R 43/26 20060101ALI20241004BHJP
B23P 19/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
H01R43/26
B23P19/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058441
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田篭 創
【テーマコード(参考)】
3C030
3C707
5E063
【Fターム(参考)】
3C030BB00
3C030BC02
3C030BC16
3C030BC27
3C707AS07
3C707AS08
3C707BS10
3C707FS01
3C707KS33
3C707KS35
3C707KV04
3C707KV06
3C707KV08
3C707KW03
3C707KW05
3C707KX06
3C707LT12
3C707MT04
3C707NS09
3C707NS10
3C707NS17
5E063KA01
(57)【要約】
【課題】接続対象物と被接続対象物との接続を精度よく行うことができる接続治具および接続方法を提供すること。
【解決手段】実施形態の一態様に係る接続治具は、センサと、第1連結部と、第2連結部と、第3連結部と、軸受部とを備える。センサは、回転軸方向における一端に受動部が、他端に固定部がそれぞれ配置され、受動部に対する回転軸回りの力を検知する。第1連結部は、センサの受動部と保持部との間に配置され、センサの受動部と保持部とを連結する。第2連結部は、センサの固定部と自動搬送部との間に配置され、センサの固定部と自動搬送部とを連結する。第3連結部は、第1連結部に連結され、且つ回転軸回りに回転可能に第2連結部に支持される。軸受部は、第1連結部と第3連結部との間に取り付けられ、回転軸がセンサの回転軸と同軸になる位置に配置される。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被接続対象物に接続される接続対象物を保持する保持部と前記保持部によって保持した接続対象物を予め定められた位置まで自動的に搬送する自動搬送部とを接続する接続治具であって、
回転軸方向における一端に受動部が、他端に固定部がそれぞれ配置され、前記受動部に対する前記回転軸回りの力を検知するセンサと、
前記センサの前記受動部と前記保持部との間に配置され、前記センサの前記受動部と前記保持部とを連結する第1連結部と、
前記センサの前記固定部と前記自動搬送部との間に配置され、前記センサの前記固定部と前記自動搬送部とを連結する第2連結部と、
前記第1連結部に連結され、且つ前記回転軸回りに回転可能に前記第2連結部に支持される第3連結部と、
前記第1連結部と前記第3連結部との間に取り付けられ、回転軸が前記センサの前記回転軸と同軸になる位置に配置される軸受部と、を備える
ことを特徴とする接続治具。
【請求項2】
前記軸受部は、
前記第2連結部に配置され、
前記第3連結部は、
前記軸受部を介して前記第2連結部に支持される軸部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の接続治具。
【請求項3】
前記軸受部は、
前記第3連結部に配置され、
前記第2連結部は、
前記軸受部を介して前記第3連結部を支持する軸部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の接続治具。
【請求項4】
前記センサの前記固定部は、
前記回転軸を軸線とする円筒状に形成され、
前記軸受部は、
前記センサにおける前記固定部の中空部内に配置され、
前記第3連結部は、
前記軸受部を介して前記固定部に支持される軸部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の接続治具。
【請求項5】
前記センサの前記受動部は、
前記回転軸を軸線とする円筒状に形成され、
前記軸受部は、
前記センサにおける前記受動部の中空部内に配置され、
前記第3連結部は、
前記軸受部を介して前記受動部に支持される軸部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の接続治具。
【請求項6】
前記センサは、
前記回転軸を軸線とする円筒状または円柱状に形成され、
前記センサの外周面と前記第1連結部および前記第2連結部の各々との間に隙間を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の接続治具。
【請求項7】
前記第1連結部と前記自動搬送部との間に配置され、前記保持部の位置を補正する位置補正部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の接続治具。
【請求項8】
前記第1連結部および前記第3連結部は、
前記センサに対して、前記回転軸回りの角度が異なる形態で取り付け可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の接続治具。
【請求項9】
前記第3連結部は、
前記第2連結部の一部を前記センサの前記固定部との間で挟んだ状態で前記軸受部を介して前記第2連結部に支持される
ことを特徴とする請求項1に記載の接続治具。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1つに記載の接続治具を用いた前記接続対象物の前記被接続対象物への接続方法であって、
前記接続対象物を前記被接続対象物に対向するように配置する第1工程と、
前記第1工程で前記被接続対象物と対向するように配置された前記接続対象物を前記被接続対象物に向けて移動し、前記接続対象物の前記被接続対象物への接続を開始する第2工程と、
前記第2工程によって移動された前記接続対象物を前記被接続対象物に向けてさらに移動し、前記接続対象物の前記被接続対象物への接続が完了する位置まで前記接続対象物を移動する第3工程と、を含み、
前記第3工程は、
前記センサによって検知された力が、第1閾値を超えた場合に、前記接続対象物の前記被接続対象物への接続が完了したと判定して前記接続対象物の移動を中止する
ことを特徴とする接続方法。
【請求項11】
前記第3工程は、
前記接続対象物の前記被接続対象物に向けた移動量が前記第1閾値を判定する位置に到達する前の位置であって予め定められた範囲内にあるときに、前記センサによって検知された力が第2閾値以下である場合に、前記接続対象物の前記被接続対象物への接続を中止または再実行する
ことを特徴とする請求項10に記載の接続方法。
【請求項12】
前記第2工程は、
前記接続対象物を前記被接続対象物に向けて移動を開始した後、前記接続対象物の前記被接続対象物に向けた移動量が予め定められた移動量に到達する前に、前記センサによって検知された力が第3閾値を超えた場合、前記接続対象物の前記被接続対象物への接続を中止または再実行する
ことを特徴とする請求項10に記載の接続方法。
【請求項13】
前記第1工程は、
前記接続対象物が供給される供給位置から前記第2工程を開始する位置まで前記接続対象物を搬送する搬送工程を含み、
前記搬送工程において、
前記第2連結部と前記自動搬送部との間に配置され且つ前記保持部の位置を補正する位置補正部が前記保持部の位置を補正しないロック状態である
ことを特徴とする請求項10に記載の接続方法。
【請求項14】
前記第1工程の前に、前記保持部に設けられて前記被接続対象物のロック部材に接触する接触部を移動して、前記接続対象物が前記被接続対象物に対して保持されるロック位置からロック位置とは異なるロック解除位置に前記ロック部材を移動するロック解除工程を含み、
前記ロック解除工程は、
前記センサによって検知された力が第4閾値以下である場合に、前記保持部の前記接触部の移動を中止または再実行する
ことを特徴とする請求項10に記載の接続方法。
【請求項15】
前記第3工程の後に、前記保持部に設けられて前記被接続対象物のロック部材に接触する接触部を移動して、前記接続対象物が前記被接続対象物に対して保持されるロック位置に前記ロック部材を移動するロック工程を含み、
前記ロック工程は、
前記センサによって検知された力が第5閾値以下である場合に、前記保持部の前記接触部の移動を中止または再実行する
ことを特徴とする請求項10に記載の接続方法。
【請求項16】
前記接続対象物は、
コネクタ、板状の信号伝送媒体、またはハーネスである
ことを特徴とする請求項10に記載の接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、接続治具および接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器などの製造工程において、コネクタや板状の配線部材などの接続対象物を別のコネクタなどの被接続対象物に接続する工程を含む場合があり、かかる工程は、近年、ロボットなどを活用した自動的な搬送による自動化が進められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、接続作業時にエンドエフェクタに作用する力を6軸力覚センサで検知することによって、板状の配線部材のコネクタへの接続を精度よく行うことができるロボットシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明では、6軸力覚センサに接続されているエンドエフェクタにその接続方向とは異なる方向から力が加わった場合、かかる力による影響によって6軸力覚センサでの力の検知精度が低下する可能性がある。そのため、特許文献1に記載のロボットシステムでは、接続対象物と被接続対象物との接続を精度よく行うことができなくなる可能性がある。
【0006】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、接続対象物と被接続対象物との接続を精度よく行うことができる接続治具および接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る接続治具は、被接続対象物に接続される接続対象物を保持する保持部と保持部によって保持した接続対象物を予め定められた位置まで自動的に搬送する自動搬送部とを接続する接続治具であって、センサと、第1連結部と、第2連結部と、第3連結部と、軸受部とを備える。センサは、回転軸方向における一端に受動部が、他端に固定部がそれぞれ配置され、受動部に対する回転軸回りの力を検知する。第1連結部は、センサの受動部と保持部との間に配置され、センサの受動部と保持部とを連結する。第2連結部は、センサの固定部と自動搬送部との間に配置され、センサの固定部と自動搬送部とを連結する。第3連結部は、第1連結部に連結され、且つ回転軸回りに回転可能に第2連結部に支持される。軸受部は、第1連結部と第3連結部との間に取り付けられ、回転軸がセンサの回転軸と同軸になる位置に配置される。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、接続対象物と被接続対象物との接続を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る組立システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る接続治具および保持部の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る位置補正部の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る位置補正部の他の例を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る連結部の一例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る連結部の一例を示す分解斜視図(その1)である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る連結部の一例を示す分解斜視図(その2)である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るセンサの一例を示す斜視図(その1)である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るセンサの一例を示す斜視図(その2)である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る第1連結部の構成の一例を示す斜視図(その1)である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る第1連結部の構成の一例を示す斜視図(その2)である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る第1連結部の構成の一例を示す斜視図(その3)である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る第1連結部とセンサとの間の隙間の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る第2連結部の構成の一例を示す斜視図(その1)である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る第2連結部の構成の一例を示す斜視図(その2)である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る第2連結部とセンサとの間の隙間の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る第3連結部の構成の一例を示す斜視図(その1)である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る第3連結部の構成の一例を示す斜視図(その2)である。
【
図19】
図19は、実施形態に係る軸受部の構成の一例を示す斜視図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係る第3連結部の軸部への軸受部の挿入方法の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る第2連結部の取付面および第3連結部の軸部の各々への軸受部の挿入方法の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る連結部の一部の断面図であって回転軸を含むXZ軸平面に沿った断面図である。
【
図23】
図23は、実施形態に係る保持部に荷重が加わった場合にセンサに加わる力を説明するための側面図である。
【
図24】
図24は、実施形態に係る保持部に荷重が加わった場合にセンサに加わる力を説明するための断面図である。
【
図25】
図25は、実施形態に係る第4連結部の構成の一例を示す斜視図である。
【
図26】
図26は、実施形態に係る第4連結部の構成の一例を示す平面である。
【
図27】
図27は、実施形態に係る組立システムによって接続される接続対象物および被接続対象物の各々の一例を示す斜視図である。
【
図28】
図28は、実施形態に係る組立システムによって接続される接続対象物および被接続対象物の各々の一例を示す側面図である。
【
図29】
図29は、実施形態に係る組立システムによる接続対象物の被接続対象物への接続方法を説明するための図である。
【
図30】
図30は、実施形態に係る組立システムによる接続対象物の被接続対象物への接続方法を説明するための接続対象物と被接続対象物との関係を示す図である。
【
図31】
図31は、実施形態に係る組立システムによる接続対象物の被接続対象物への接続工程における挿入力の変化の一例を示す図である。
【
図32】
図32は、実施形態に係る第1連結部および第3連結部の各々の取付角度の変更方法の一例を示す斜視図である。
【
図33】
図33は、実施形態に係る連結部の他の構成例を示す断面図(その1)である。
【
図34】
図34は、実施形態に係る連結部の他の構成例を示す断面図(その2)である。
【
図35】
図35は、実施形態に係る連結部の他の構成例を示す断面図(その3)である。
【
図36】
図36は、実施形態に係る連結部の他の構成例を示す断面図(その4)である。
【
図37】
図37は、実施形態に係る連結部の他の構成例を示す断面図(その5)である。
【
図38】
図38は、実施形態に係る接続治具によって被接続対象物に接続される接続対象物の他の例を示す図(その1)である。
【
図39】
図39は、
図38に記載の枠Wで囲まれた部分を拡大した図で、実施形態に係る接続治具による被接続対象物のロック部材のロック状態を、接続対象物が被接続対象物に対して保持されるロック位置からロック位置とは異なるロック解除位置に移動するロック解除工程の流れの一例を示す図である。
【
図40】
図40は、実施形態に係る接続治具による被接続対象物のロック部材のロック状態を、接続対象物が被接続対象物に対して保持されるロック位置からロック位置とは異なるロック解除位置に移動するロック解除工程において接続治具に加わる荷重の変化の一例を示す図である。
【
図41】
図41は、実施形態に係る接続治具によって被接続対象物に接続される接続対象物の他の例を示す図(その2)である。
【
図42】
図42は、
図41に記載の枠Wで囲まれた部分を拡大した図で、実施形態に係る接続治具による被接続対象物のロック部材を、接続対象物が前記被接続対象物に対して保持されるロック位置に移動するロック工程の流れの一例を示す図である。
【
図43】
図43は、実施形態に係る接続治具による被接続対象物のロック部材を、接続対象物が前記被接続対象物に対して保持されるロック位置に移動するロック工程において接続治具に加わる荷重の変化の一例を示す図である。
【
図44】
図44は、実施形態に係る接続治具によって被接続対象物に接続される接続対象物の更に他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本願の開示する接続治具およびそれを用いた接続方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
<1.組立システムの構成>
実施形態に係る接続治具を含む組立システムについて、
図1を参照して説明する。実施形態に係る組立システム100は、
図1に示すように、ロボット本体部90、制御装置91、作業台92、接続治具93、およびエアー配管94,95などを備える。ロボット本体部90は、板状の信号伝送媒体等の接続対象物を、予め定められた位置まで自動的に搬送する自動搬送部の一例である。
【0012】
ロボット本体部90は、産業用のロボットであり、床などの設置面96に基端が固定されるベース部90aと、ベース部90aの先端に、旋回軸を中心に回転可能に基端が取り付けられる旋回部90bと、基端が旋回部90bの先端に回転可能に取り付けられるアーム90cとを備える。アーム90cは、互いに異なる回転軸を中心として各々に回転可能な複数のリンクを備える。
【0013】
ロボット本体部90は、旋回軸を中心に旋回部90bを回転させる不図示のモータを備える。また、ロボット本体部90は、回転軸を中心にアーム90cのリンクを回転させる不図示のモータを回転軸毎に備える。
【0014】
ロボット本体部90に設けられた各モータは、制御装置91によって制御される。なお、ロボット本体部90は、例えば、6軸のロボットであるが、7軸以上のロボットまたは5軸以下のロボットであってもよい。
【0015】
アーム90cの先端には、接続治具93の基端が固定される。接続治具93は、アーム90cの先端に基端が固定され、接続対象物4を保持する保持部3に先端が固定される。接続治具93は、位置補正部1と連結部2とを備える。保持部3は、
図2に示すように、接続対象物4を吸着する本体部3aと、本体部3aにエアーを給排気するエアー配管94(
図1参照)に接続される給排気部3bとを備える。
【0016】
図1に示す接続対象物4は、板状の信号伝送媒体である。板状の信号伝送媒体は、例えば、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)といったフレキシブル基板、またはリジッド基板などである。なお、接続対象物4は、
図1に示す構成に限定されず、例えば、ケーブル、フレキシブル・フラットケーブル(FFC)または複数のケーブルを有するケーブル部が取り付けられた電気コネクタなどであってもよい。
【0017】
作業台92には、被接続対象物5が取り付けられた回路基板6が固定されている。被接続対象物5は、例えば、電気コネクタである。制御装置91は、接続対象物4を被接続対象物5に接続させる動作をロボット本体部90に行わせるための教示データを予め記憶している。制御装置91は、記憶している教示データに基づいてロボット本体部90に設けられた各モータを制御することで接続対象物4を保持している接続治具93を移動し、接続対象物4を被接続対象物5に接続する。
【0018】
以下、説明の便宜上、接続対象物4を被接続対象物5へ接続するためにロボット本体部90が保持部3を移動する方向(Y軸正方向)を「前方向」とし、その逆方向(Y軸負方向)を「後方向」とする。また、接続対象物4の幅方向(X軸方向)を「左右方向」とし、接続対象物4の高さ方向(Z軸方向)を「上下方向」とする。また、上下方向に沿った軸AXを中心として保持部3を回転させる方向を「回転方向」とする。なお、
図2を含む複数の図において、理解が容易になるように、
図1に示す組立システム100の状態である場合のXYZ軸を補助的に示す。
【0019】
<2.接続治具93の構成>
図2に示すように、接続治具93は、アーム90c(
図1参照)の先端に一端が固定される位置補正部1と、位置補正部1の他端に一端が固定され、他端に保持部3が取り付けられる連結部2とを備える。
【0020】
<2.1.位置補正部1の構成>
位置補正部1は、ロボット本体部90と保持部3との間に配置され、保持部3の位置を補正する。かかる位置補正部1は、フローティングユニットとも呼ばれる。
【0021】
位置補正部1は、
図3に示すように、左右方向(X軸方向)の中立位置を中心にして左右方向(X軸方向)に保持部3を往復移動可能であり、また、回転方向の中立位置を中心にして回転方向に保持部3を往復移動可能である。
【0022】
そのため、位置補正部1は、保持部3に左右方向(X軸方向)の力が作用した場合、保持部3を左右方向(X軸方向)に移動し、保持部3に回転方向の力が作用した場合、保持部3を回転方向に移動する。
【0023】
これにより、位置補正部1は、教示データによる位置合わせの誤差が生じた場合、すなわちロボット本体部90で移動される接続対象物4の被接続対象物5に対する位置に誤差が生じた場合に、教示データによる位置合わせの誤差を精度よく補正することができる。
【0024】
位置補正部1は、左右方向(X軸方向)および回転方向に保持部3を補正する本体部11と、本体部11の内部にエアーを給排気するエアー配管95に接続される給排気部12とを備える。
【0025】
位置補正部1の本体部11は、エアー配管95(
図1参照)および給排気部12を通じてエアーが給気されていない場合、保持部3の位置補正を行うフローティング状態である。位置補正部1は、フローティング状態である場合、保持部3に左右方向(X軸方向)の力が作用した場合に保持部3を左右方向(X軸方向)に移動し、保持部3に回転方向の力が作用した場合に保持部3を回転方向に移動する。
【0026】
また、位置補正部1の本体部11は、エアー配管95(
図1参照)および給排気部12を通じてエアーが給気された場合、保持部3の位置補正を行うフローティング状態から保持部3の位置を補正しないロック状態に移行する。
【0027】
位置補正部1の状態がロック状態である場合、保持部3に左右方向(X軸方向)の力や保持部3に回転方向の力が作用した場合であっても、保持部3は左右方向(X軸方向)や回転方向に移動されない。
【0028】
また、接続治具93は、位置補正部1に代えて、
図4に示す位置補正部1Aを有していてもよい。位置補正部1Aの本体部11Aは、左右方向(X軸方向)および回転方向に加えて、前後方向(Y軸方向)の中立位置を中心にして前後方向(Y軸方向)に保持部3を往復移動可能な構成を有している。
【0029】
この場合、位置補正部1Aは、教示データによる位置合わせの誤差がある場合に、すなわちロボット本体部90で移動される接続対象物4の被接続対象物5に対する位置合わせの誤差がある場合に、保持部3を左右方向(X軸方向)、前後方向(Y軸方向)、および回転方向の少なくとも一方向に移動することができる。したがって、教示データによる位置合わせの誤差を精度よく補正することができる。
【0030】
例えば、位置補正部1Aは、フローティング状態である場合、保持部3に前後方向(Y軸方向)の力が作用した場合に、保持部3を前後方向(Y軸方向)に移動する。なお、位置補正部1Aは、エアー配管95(
図1参照)および給排気部12を通じてエアーが給気されてロック状態である場合、保持部3に前後方向(Y軸方向)の力が作用しても、保持部3を前後方向(Y軸方向)に移動しない。
【0031】
<2.2.連結部2の構成>
図5~
図7に示すように、連結部2は、センサ20、第1連結部21、第2連結部22、第3連結部23、および第4連結部24を備える。さらに、連結部2は、
図6および
図7に示すように、軸受部25、回路基板26、配線部材27、および複数の取付具28を備える。取付具28は、例えば、ボルトであるが、ねじやノックピンなどであってもよい。
【0032】
第1連結部21と第3連結部23とは複数の取付具28で固定される。また、第1連結部21は、センサ20の受動部30に複数の取付具28で固定され、保持部3が不図示の固定具によって固定される。また、第2連結部22には、センサ20の固定部31が複数の取付具28で固定される。そして、第3連結部23は、軸受部25を介して、第2連結部22に回転可能に支持される。
【0033】
これにより、連結部2は、保持部3に力が加わった場合、保持部3に加わった力をセンサ20が検知できる方向の力に(後述する回転軸O回りの力に)、精度よく変換することができる。そのため、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。以下、連結部2の構成について具体的に説明する。
【0034】
<2.2.1.センサ20の構成>
センサ20は、
図8および
図9に示すように、回転軸O方向における一端に受動部30が配置され、他端に固定部31が配置されており、受動部30に対する回転軸O回りの力を検知する。回転軸O回りの力は、トルクと表現することもできる。
【0035】
例えば、接続治具93が
図1の状態である場合、回転軸O方向はX軸方向であり、センサ20は、X軸方向における一端に受動部30が配置され、他端に固定部31が配置されており、受動部30に対するX軸回りの力を検知する。
【0036】
また、センサ20では、
図8および
図9に示すように、受動部30の端面301が平坦面であり、固定部31の端面311が平坦面である。そして、受動部30の端面301と固定部31の端面311とは互いに平行である。
【0037】
また、センサ20は、回転軸Oを軸線とする円筒状に形成されている。センサ20の外周面201は、円筒面状に形成される。外周面201は、受動部30における円筒状の外周面303と固定部31における円筒状の外周面313とを含む。外周面303と外周面313とは同径であるが、かかる例に限定されない。
【0038】
また、センサ20は中空状に形成されており、センサ20の内周面202は、円筒面状に形成されている。端面301,311の中央には、内周面202に連続する開口が形成されている。
【0039】
センサ20の受動部30における端面301には、複数の取付具28が取り付けられる複数の取付孔302が形成されており、同様に、センサ20の固定部31における端面311にも、複数の取付具28が取り付けられる複数の取付孔312が形成されている。
【0040】
なお、センサ20の形状は、回転軸Oを軸線とする円筒状に限定されず、例えば、回転軸Oを軸線とする円柱状に形成されてもよい。また、センサ20は、受動部30に対する回転軸O回りのモーメントを検知するトルクセンサであるが、回転軸O回りの力を検知できるセンサであればよく、トルクセンサに限定されない。
【0041】
なお、センサ20は、受動部30の固定部31に対する回転軸O回りの回転角度に応じて変化する静電容量の変化から回転軸O回りの力を検出するセンサであるが、回転軸O回りの力を検知する構成であればよく、例えば、歪みゲージを用いたセンサ、圧電素子を用いたセンサ、磁気歪効果や逆磁気歪効果を利用したセンサ、電磁誘導を利用したセンサなどであってもよい。
【0042】
<2.2.2.第1連結部21の構成>
第1連結部21は、
図5~
図7に示すように、センサ20の受動部30と保持部3との間に配置され、センサ20の受動部30と保持部3とを連結する。
【0043】
第1連結部21は、
図10および
図11に示すように、センサ20の受動部30(
図6および
図7参照)に固定される取付部40と、保持部3が固定され保持部3(
図2参照)を支持する支持部41とを備える。
【0044】
取付部40には、複数の取付具28(
図6および
図7参照)が取り付けられる複数の取付孔401が形成されている。複数の取付具28が取付部40における複数の取付孔401とセンサ20の受動部30における取付孔302とに跨がって取り付けられることによって、取付部40がセンサ20の受動部30に固定される。
【0045】
また、取付部40は、取付部40がセンサ20の受動部30に固定された場合においてセンサ20の受動部30における端面301(
図8参照)と当接する取付面402(
図11および
図12参照)を有する。取付面402は、受動部30の端面301と同様に、平坦面である。なお、受動部30に取付部40が固定されていればよく、取付部40の取付面402と受動部30の端面301との間に隙間があってもよい。
【0046】
また、X軸方向からみた取付部40の側面403の形状は、センサ20の外周面201と同径の円筒状であるが、センサ20の外周面201の径と異なった径であってもよい。
【0047】
支持部41は、保持部3が取り付けられる取付面411と、複数の取付孔412と、センサ20の外周面201に対向する凹状の対向面413と、複数の取付具28(
図6および
図7参照)が取り付けられる複数の取付孔414を有する。
【0048】
複数の取付具97(
図2参照)が、複数の取付孔412と保持部3に形成された複数の取付孔とに跨がって取り付けられることによって、保持部3の一部が取付面411に当接した状態で、保持部3が支持部41に固定される。取付具97は、例えば、ボルトであるが、ねじなどであってもよい。
【0049】
対向面413は、取付面411とは反対側の面であってセンサ20の外周面201よりも若干大きな曲率半径を有する凹状の湾曲面である。例えば、対向面413は、
図13に示す隙間G1分の長さだけ外周面201よりも大きな曲率半径を有する。
【0050】
取付部40がセンサ20の受動部30に固定された状態において、センサ20の外周面201と支持部41の対向面413とは、
図13に示すように、隙間G1を介して対向しており、センサ20の外周面201と支持部41の対向面413とは接触しないことから、センサ20と第1連結部21との間に摩擦抵抗が生じない。これにより、接続治具93では、センサ20による正確な検知が可能である。
【0051】
<2.2.3.第2連結部22の構成>
第2連結部22は、
図5~
図7に示すように、センサ20の固定部31と第4連結部24との間に配置され、センサ20の固定部31と第4連結部24とを連結する。
【0052】
第2連結部22は、
図14および
図15に示すように、回路基板26(
図6および
図7参照)などを収納する本体部50と、センサ20の固定部31が固定され、センサ20の固定部31を支持する支持部51とを備える。
【0053】
本体部50は、回路基板26などを収納する収納空間501と、センサ20の外周面201に対向する凹状の対向面502と、複数の取付具29(
図25参照)が取り付けられる複数の取付孔504とを有する。収納空間501は、本体部50における椀状の内面50aによって形成される。取付具29は、例えば、ボルトであるが、ねじやノックピンなどであってもよい。
【0054】
対向面502は、本体部50の外面50bに形成され、センサ20の外周面201よりも若干大きな曲率半径を有する。例えば、対向面502は、センサ20の外周面201より
図16に示す隙間G2の長さだけ大きな曲率半径を有する。
【0055】
支持部51にセンサ20の固定部31が固定された状態において、センサ20の外周面201と本体部50の対向面502とは、
図16に示すように、隙間G2を介して対向しており、センサ20の外周面201と本体部50の対向面502とは接触しない。このため、センサ20と第2連結部22との間に摩擦抵抗が生じない。これにより、接続治具93では、センサ20による正確な検知が可能である。
【0056】
また、本体部50には、センサ20に一端が接続された配線部材を収納空間501に挿通させる挿通口503(
図15参照)が形成されており、かかる配線部材の他端は、収納空間501に配置された回路基板26に接続される。
【0057】
また、本体部50には、回路基板26に一端が接続された配線部材を接続治具93の外部に挿通させる挿通口505(
図14参照)が形成されており、かかる配線部材の他端は、制御装置91に接続される。
【0058】
支持部51は、本体部50に連続し、本体部50の外面50bから離れる方向であって下方向(Z軸負方向)に延在する。支持部51には、複数の取付具28(
図6および
図7参照)が取り付けられる複数の取付孔511が形成されている。支持部51における複数の取付孔511とセンサ20の固定部31における複数の取付孔312とに跨がって複数の取付具28が取り付けられることによって、センサ20の固定部31が支持部51に固定される。
【0059】
また、支持部51は、センサ20の固定部31が支持部51に固定された場合においてセンサ20の固定部31における端面311(
図9参照)と当接する取付面512を有する。取付面512は、固定部31の端面311と同様に、平坦面である。なお、固定部31が支持部51に取り付けられていればよく、固定部31の端面311と支持部51の取付面512との間には隙間があってもよい。
【0060】
また、支持部51には、軸受部25が取り付けられる取付孔513が形成されている。取付孔513は、内周面である円筒面から形成される孔である。取付孔513の円筒面に軸受部25の外周面が当接することによって、取付孔513内に軸受部25が配置され、支持部51に軸受部25が取り付けられる。
【0061】
<2.2.4.第3連結部23の構成>
第3連結部23は、
図5~
図7に示すように、第1連結部21に連結され、且つ回転軸O(
図8参照)回りに回転可能な形態で第2連結部22に支持される。第3連結部23は、センサ20の固定部31との間で第2連結部22の一部を挟んだ状態で、軸受部25を介して第2連結部22に支持される。
【0062】
図17および
図18に示すように、第3連結部23は、センサ20の回転軸O方向(X軸方向)からセンサ20を覆うカバー部231と、軸受部25に取り付けられる軸部232とを備える。
【0063】
カバー部231は、
図17に示すように、第2連結部22における支持部51の取付孔511,513(
図14参照)を外方から覆うパネル面231aと、パネル面231aに形成され複数の取付具28(
図6および
図7参照)が取り付けられる複数の取付孔231bとを備える。
【0064】
さらに、カバー部231は、
図18に示すように、パネル面231a(
図17参照)の外縁から軸部232の延在方向に延在する側壁231cと、側壁231cで囲まれた凹部231dとを備える。カバー部231では、凹部231dによって、カバー部231の薄肉化が行われ、カバー部231の軽量化を図ることができる。
【0065】
軸部232は、凹部231dの領域から、パネル面231aと直交する方向に突出する円柱状の第1突出部232aと、第1突出部232aの先端に連続し、第1突出部232aの中心軸と同軸になるように、第1突出部232aと同様の方向に突出する円柱状の第2突出部232bとを有する。第2突出部232bの外径は、第1突出部232aの外径よりも小さい。
【0066】
第3連結部23における複数の取付孔231bと第1連結部21における複数の取付孔414とに跨がって複数の取付具28(
図6および
図7参照)が取り付けられることによって、
図2に示すように、第3連結部23が第1連結部21に取り付けられる。
【0067】
軸部232は、軸受部25を介して第2連結部22に回転可能に支持される。これにより、保持部3は、第3連結部23を介して第2連結部22に回転可能に支持されると共に、第1連結部21およびセンサ20を介して第2連結部22に回転可能に支持される。軸受部25の回転軸は、センサ20の回転軸Oと同軸になる位置に配置される。
【0068】
<2.2.5.軸受部25の構成>
軸受部25は、
図19に示すように、外輪252と、内輪251と、外輪252および内輪251の間に配置される不図示の複数の転動体とを備える。かかる軸受部25は、転がり軸受型のベアリングであるが、かかる例に限定されず、平軸受型のベアリングであってもよい。
【0069】
図20に示すように、軸受部25の内輪251は、第3連結部23の軸部232における第2突出部232bに挿入され、軸部232の第1突出部232aに当接する。軸部232の第1突出部232aへの当接によって軸部232に対する挿入方向(X軸方向)における軸受部25の位置決めが行われる。
【0070】
また、
図21および
図22に示すように、軸受部25の外輪252は、第2連結部22の取付孔513に挿入されることによって、第2連結部22の取付孔513に取り付けられる。これにより、軸受部25の回転軸は、センサ20の回転軸Oと同軸になる位置に配置される。
【0071】
軸受部25の内輪251は、軸部232の第2突出部232bが挿入されることによって、軸部232の第2突出部232bに取り付けられ、軸受部25の外輪252は、第2連結部22の取付孔513に挿入されることによって、第2連結部22の取付孔513に取り付けられる。なお、軸受部25の外輪252は、第2連結部22の取付孔513に接着材などによって取り付けられてもよい。
【0072】
図20に示すように、第1突出部232aは、側壁231cで囲まれた領域よりもX軸正方向に突出しており、軸受部25は、X軸負方向への移動が第1突出部232aによって制限される。
【0073】
そのため、第2連結部22と第3連結部23との間には、
図22に示すように、第3連結部23の軸部232の領域を除き、隙間G3が形成される。これにより、第2連結部22と第3連結部23とが接触しないことから、第2連結部22と第3連結部23との間に摩擦抵抗が生じない。これにより、接続治具93では、センサ20による正確な検知が可能である。
【0074】
これにより、連結部2は、保持部3に力が加わった場合に、保持部3に加わった力をセンサ20が検知できる方向の力である回転軸O回りの力に精度よく変換することができる。そのため、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0075】
また、上述したように、第3連結部23は、軸受部25を介して、第2連結部22に回転可能に支持される。これにより、連結部2は、
図23に示すように、保持部3に力が加わった場合に、保持部3に加わった力をセンサ20が検知できる方向の力に(回転軸O回りの力に)、精度よく変換することができる。
【0076】
例えば、
図24の(a)に示すように、第3連結部23が設けられていない場合、荷重が加わる方向や位置によって、センサ20には、回転軸O回りの力以外の力が加わる。
【0077】
一方、実施形態に係る接続治具93は、
図24の(b)に示すように、軸受部25を介して、第2連結部22に回転可能に支持される第3連結部23を有していることから、回転軸O回りの力以外の荷重が第1連結部21に加わった場合であっても、かかる荷重を回転軸O回りの力に精度よく変換することができる。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0078】
<2.2.6.第4連結部24の構成>
第4連結部24は、第1連結部21(
図5~
図7参照)と位置補正部1(
図2参照)との間に配置され、第1連結部21と位置補正部1とを連結する。なお、第4連結部24は、第2連結部22に含まれていてもよい。
【0079】
図25に示すように、第4連結部24は、複数の取付具29が取り付けられる複数の取付孔241と、位置補正部1の先端に当接する当接面242と、第4連結部24とアーム90cの先端とを連結する不図示の複数の取付具が挿通される複数の取付孔243と、取付具29を回転させて取り付けるための不図示の工具(例えば、短軸ショート六角レンチ)が挿入される複数の溝部244と、当接面242の中央領域に設けられた開口部245とを備える。
【0080】
第4連結部24における複数の取付孔241と第2連結部22における複数の取付孔504とに跨がって複数の取付具29が取り付けられることによって、第2連結部22が第4連結部24に固定される。
【0081】
各溝部244は、第2連結部22と第4連結部24との連結方向(
図1ではZ軸方向)と直交する方向において扇形に形成され、取付具29を回転させる不図示の工具のヘッドを中心とした不図示の工具のハンドルの回転を許容する。
【0082】
図26に示す例では、溝部244は、ヘッドを中心として不図示の工具の回転可能角度θ1を最大120度とするが、かかる例に限定されず、例えば、工具の回転可能角度θ1を100度~130度の範囲内としてもよい。
【0083】
連結部2については、複数の取付孔243に不図示の複数の取付具が挿通されて、第4連結部24と位置補正部1の先端とが連結された後に、第4連結部24に第2連結部22が複数の取付具29によって取り付けられる構成である。そのため、第4連結部24では、作業性を向上しつつ、第4連結部24の低背化を図り、ひいては、連結部2の小型化を図ることができる。
【0084】
<3.組立システム100による接続工程>
つづいて、組立システム100による被接続対象物5に対する接続対象物4の接続工程について説明する。制御装置91(
図1参照)は、記憶している教示データに基づいてロボット本体部90(
図1参照)に設けられた各モータを制御することで接続対象物4を保持している接続治具93を移動し、接続対象物4を被接続対象物5に接続する。
【0085】
図27および
図28に示す例では、接続対象物4は、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)であり、被接続対象物5は、電気コネクタである。
図27に示すように、接続対象物4には、被接続対象物5への挿入方向(Y軸正方向)に直交する方向(X軸方向)において凹状となるロック溝60が形成されており、被接続対象物5は、ロック溝60を係止するためのロック部71と、導電性の複数のコンタクト72とを含む。
【0086】
図29に示すように、制御装置91(
図1参照)は、ロボット本体部90(
図1参照)を制御することで接続治具93を移動し、接続対象物4を不図示の接続対象物供給装置の位置まで移動するA工程を実行する。接続対象物供給装置は、接続対象物4を供給する装置であり、接続対象物供給装置の位置は、接続対象物4が供給される供給位置の一例である。
【0087】
A工程において、位置補正部1は、フローティングがOFF、すなわちロック状態であり、保持部3は、吸着がOFFである。
図29において、接続対象物吸着がOFFであると、保持部3の吸着がOFFであることを意味する。
【0088】
つづいて、制御装置91は、エアー配管94でのエアーの吸気を保持部3に対して行うことで、不図示の接続対象物供給装置から供給される接続対象物4を保持部3に吸着させる工程Bを実行する。工程Bにおいて、フローティングがONであるため、保持部3がフローティング状態であり、また、接続対象物吸着がONであるため、保持部3に接続対象物4が吸着される。
【0089】
つづいて、制御装置91は、
図29に示すように、ロボット本体部90を制御することで接続対象物4を保持している接続治具93を移動し、接続対象物供給装置の位置から接続対象物4を被接続対象物5と対向する位置に配置するC工程を実行する。C工程は、接続対象物4を搬送する搬送工程を含む第1工程の一例である。また、被接続対象物5と対向する位置は、被接続対象物5の開口70とY軸方向で対向する位置であり、D工程を開始する位置の一例である。
図30および
図31において、被接続対象物5と対向する位置は、位置P1で示される。
【0090】
C工程において、フローティングがOFFであるため、保持部3がロック状態であり、接続対象物4および保持部3に加わる加速度によって接続治具93と保持部3との位置関係がずれることが防止される。また、C工程において、接続対象物吸着がONであるため、B工程から引き続き保持部3に接続対象物4が吸着されている状態である。
【0091】
つづいて、制御装置91は、
図29に示すように、被接続対象物5と対向する位置にC工程で配置した接続対象物4を被接続対象物5に向けてY軸正方向に移動し、接続対象物4の被接続対象物5への接続を開始するD工程を実行する。D工程は、第2工程の一例である。
【0092】
D工程では、被接続対象物5と対向する位置にC工程で配置した接続対象物4を被接続対象物5の開口70の位置である開口位置まで移動する。D工程において、接続対象物吸着がONであるため、C工程から引き続き保持部3に接続対象物4が吸着されている状態である。
【0093】
また、D工程において、フローティングがONであるため、接続治具93の位置補正部1はフローティング状態である。これにより、ロボット本体部90で移動される接続対象物4の被接続対象物5に対する位置に誤差が生じた場合に、その誤差がなくなる位置まで保持部3を移動することができる。したがって、接続治具93は、教示データによる位置合わせの誤差を精度よく補正することができる。
【0094】
制御装置91は、D工程において、センサ20による検知結果を監視しており、接続対象物4が被接続対象物5に衝突したか否かを判定する。接続対象物4の一部が被接続対象物5の開口70以外の位置になった場合に、
図30の(b)に示すように、接続対象物4が被接続対象物5に衝突する。
【0095】
制御装置91は、D工程において、接続対象物4を被接続対象物5に向けてY軸正方向に移動を開始した後、接続対象物4の移動量が予め定められた移動量P3(
図31参照)に到達する前に、例えば、センサ20によってモーメントとして検知された力である挿入力が閾値Fth3を超えると、接続対象物4が被接続対象物5の開口70以外の部分に衝突したと判定する。閾値Fth3は、第3閾値の一例である。
【0096】
接続対象物4が被接続対象物5に衝突した状態では、その後に接続対象物4の被接続対象物5への挿入方向に向けた移動を継続することができない。そこで、制御装置91は、センサ20による検知結果に基づいて、接続対象物4が被接続対象物5に衝突したと判定した場合、例えば、接続対象物4を被接続対象物5と対向する位置まで戻す。
【0097】
また、例えば、制御装置91は、保持部3のY軸方向以外の方向(例えば、X軸方向またはZ軸方向)の位置をずらす。これにより、接続対象物4の被接続対象物5に対する相対的な位置がずれる。そして、制御装置91は、このように保持部3の位置をずらした後、C工程から実行し直す。
【0098】
制御装置91は、D工程において、
図30の(c)に示すように、接続対象物4が被接続対象物5に衝突しておらず、接続対象物4が被接続対象物5の開口70の位置まで移動していると判定した場合、
図29に示すように、D工程によって移動された接続対象物4を被接続対象物5に向けてさらにY軸正方向(
図28参照)に移動し、接続対象物4を被接続対象物5の挿入完了位置まで移動するE工程を実行する。E工程は、第3工程の一例である。
【0099】
E工程では、接続対象物吸着がONであるため、D工程から引き続き、保持部3に接続対象物4が吸着されている状態である。また、E工程において、フローティングがONであるため、接続治具93の位置補正部1はフローティング状態である。これにより、制御装置91は、ロボット本体部90で移動される接続対象物4の被接続対象物5に対する位置に誤差が生じた場合においても、E工程を精度よく実行することができる。
【0100】
制御装置91は、E工程においても、センサ20による検知結果を監視しており、接続対象物4のロック溝60が被接続対象物5のロック部71を超えたか否かを判定する。例えば、制御装置91は、E工程において、接続対象物4の移動量が予め定められた第1移動範囲内において、接続対象物4のロック溝60が被接続対象物5のロック部71を超えたか否かを判定する。
【0101】
制御装置91は、例えば、接続対象物4の移動量が予め定められた第1移動範囲Rth1(
図31参照)内にある場合において、センサ20によって検知された挿入力が閾値Fth2を超えたか否かを判定する。制御装置91は、センサ20によって検知された挿入力が閾値Fth2を超えたと判定した場合に、接続対象物4のロック溝60が被接続対象物5のロック部71を超えたと判定する。閾値Fth2は、第2閾値の一例である。
【0102】
また、制御装置91は、例えば、接続対象物4の移動量が予め定められた第1移動範囲Rth1内にある場合において、センサ20によって検知された挿入力が閾値Fth2を超えない場合に、接続対象物4のロック溝60が被接続対象物5のロック部71を超えていないと判定する。
【0103】
例えば、接続対象物4の配線パターン、被接続対象物5のコンタクト72、または被接続対象物5のロック部71などが破損している場合、接続対象物4の移動量が予め定められた第1移動範囲Rth1内にある場合において、センサ20によって検知された挿入力が閾値Fth2を超えないことがある。
【0104】
そこで、制御装置91は、接続対象物4のロック溝60が被接続対象物5のロック部71を超えていないと判定した場合、接続対象物4の被接続対象物5への接続を中止または再実行する。
【0105】
例えば、制御装置91は、
図30の(d)に示すように、接続対象物4のロック溝60が被接続対象物5のロック部71を超えていないと判定した場合、接続対象物4を不図示のNGBOXに移動して、接続対象物4を不図示のNGBOXに置く。また、制御装置91は、接続対象物4のロック溝60が被接続対象物5のロック部71を超えていないと判定した場合、例えば、アラームを出して人を呼ぶこともできる。
【0106】
また、制御装置91は、接続対象物4のロック溝60が被接続対象物5のロック部71を超えていないと判定した場合、C工程から実行し直すこともできる。例えば、制御装置91は、接続対象物4を被接続対象物5と対向する位置まで戻し、保持部3のY軸方向以外の方向(例えば、X軸方向またはZ軸方向)の位置をずらすことで、接続対象物4の被接続対象物5に対する相対的な位置をずらした後、C工程から実行し直す。
【0107】
また、制御装置91は、E工程において、接続対象物4のロック溝60が被接続対象物5のロック部71を超えたと判定した場合、さらに接続対象物4を被接続対象物5の挿入完了位置に向けてY軸正方向に移動する。そして、制御装置91は、接続対象物4の移動量が予め定められた第2移動範囲Rth2(
図31参照)内にある場合において、接続対象物4が被接続対象物5の挿入完了位置に衝突したか否かを判定する。
【0108】
制御装置91は、例えば、接続対象物4の移動量が予め定められた第2移動範囲Rth2内にある状態において、センサ20によって検知された挿入力が閾値Fth1を超えた場合に、接続対象物4の被接続対象物5への接続が完了したと判定する。閾値Fth1は、第1閾値の一例である。
【0109】
制御装置91は、センサ20によって検知された挿入力が閾値Fth1を超えない場合、接続対象物4の被接続対象物5への接続が完了しないと判定する。センサ20によって検知された挿入力が閾値Fth1を超えていない場合、接続対象物4が被接続対象物5の挿入完了位置に到達していないか、接続対象物4の位置がずれている可能性がある。
【0110】
そこで、制御装置91は、接続対象物4の被接続対象物5への接続が完了しないと判定した場合、接続対象物4の被接続対象物5への接続を中止または再実行する。例えば、制御装置91は、接続対象物4を不図示のNGBOXに移動して、接続対象物4を不図示のNGBOXに置く。また、制御装置91は、接続対象物4の被接続対象物5への接続が完了しないと判定した場合、例えば、アラームを出して人を呼ぶこともできる。
【0111】
また、制御装置91は、接続対象物4の被接続対象物5への接続が完了しないと判定した場合、C工程から実行し直すこともできる。例えば、制御装置91は、接続対象物4を被接続対象物5と対向する位置まで戻し、保持部3のY軸方向以外の方向(例えば、X軸方向またはZ軸方向)の位置をずらすことで、接続対象物4の被接続対象物5に対する相対的な位置をずらした後、C工程から実行し直す。
【0112】
制御装置91は、
図30の(f)に示すように、接続対象物4の被接続対象物5への接続が完了した場合、
図29に示すように、接続対象物吸着をOFF、すなわち、エアー配管94でのエアーの吸気を停止することで、保持部3による接続対象物4の吸着を終了するF工程を実行する。
【0113】
つづいて、
図29に示すように、制御装置91は、保持部3を接続対象物4から遠ざけることで、接続対象物4から離脱するG工程を行う。G工程において、位置補正部1では、フローティングがOFF、すなわちロック状態であり、保持部3では、吸着がOFFである。
【0114】
<4.第1連結部21および第3連結部23の取付角度の変更方法>
次に、第1連結部21および第3連結部23の取付角度の変更方法について説明する。
【0115】
まず、
図32の(a)に示す状態から、第1連結部21および第3連結部23の各々に取り付けられている取付具28を取り外す。これにより、
図32の(b)に示すように、第1連結部21をセンサ20から取り外すことができ、第3連結部23を第2連結部22から取り外すことができる。
【0116】
つづいて、
図32の(c)に示すように、センサ20に対する第1連結部21の角度を変更し、第2連結部22に対する第3連結部23の角度を変更する。第1連結部21の角度および第3連結部23の角度の各々は、回転軸O(
図9参照)回りの角度である。
【0117】
つづいて、
図32の(d)に示すように、第1連結部21および第3連結部23の各々に取付具28を取り付けることによって、第1連結部21および第3連結部23の取付角度の変更を完了する。
【0118】
第1連結部21および第3連結部23の取付角度を変更することで、保持部3などのアタッチメントの接続治具93に対する取付角度を容易に変更することができる。なお、第1連結部21および第3連結部23の各々の取付角度を上述のように容易に変更できるのは、取付孔302(
図8参照)および取付孔401(
図10参照)が周方向に等間隔で形成されているためである。
【0119】
<5.変形例>
<5.1.軸受部25等の配置>
上述した例では、
図21に示すように、軸受部25は、第2連結部22の取付孔513に取り付けられるが、かかる例に限定されず、第3連結部23の取付孔に取り付けられてもよい。
【0120】
例えば、
図33に示す第3連結部23は、軸部232に代えて、取付穴233を有しており、かかる取付穴233に軸受部25の外輪252が取り付けられる点で
図18に示す第3連結部23と異なる。
【0121】
また、
図33に示す第2連結部22は、取付部515と軸部516とを有する点で、
図14に示す第2連結部22と異なる。取付部515は、
図14に示す第2連結部22において、取付孔513を有していない構成である。
【0122】
軸部516は、取付部515の第3連結部23と対向する面から、取付面512と直交する方向に突出する円柱状の第1突出部516aと、第1突出部516aの先端に連続し、第1突出部516aの中心軸と同軸になるように第1突出部516aと同様の方向に突出する円柱状の第2突出部516bとを有する。第2突出部516bの外径は、第1突出部516aの外径よりも小さい。
【0123】
軸受部25の内輪251は、第2連結部22の軸部516における第2突出部516bに挿入され、軸部516の第1突出部516aに当接する。軸部516の第1突出部516aの当接によって軸部516に対する軸受部25の位置決めが行われる。
【0124】
軸受部25の内輪251は、軸部516の第2突出部516bが挿入されることによって、軸部516の第2突出部516bに取り付けられ、軸受部25の外輪252は、第3連結部23の取付穴233に挿入されることによって、第3連結部23の取付穴233に取り付けられる。これにより、軸受部25の回転軸は、センサ20の回転軸Oと同軸になる位置に配置される。なお、軸受部25の内輪251は、軸部516の第2突出部516bに接着材などによって取り付けられてもよい。
【0125】
また、上述した例では、第2連結部22と第3連結部23との間に軸受部25が配置され、第3連結部23が第2連結部22に回転可能に取り付けられるが、軸受部25は、第1連結部21と第3連結部23との間に配置されていればよく、かかる例に限定されない。
【0126】
例えば、軸受部25は、センサ20と第3連結部23との間に配置され、第3連結部23がセンサ20に回転可能に取り付けられていてもよい。この場合も、第3連結部23は、軸受部25およびセンサ20を介して第2連結部22に回転可能に支持される。
【0127】
例えば、
図34に示すように、軸受部25は、センサ20の固定部31の中空部315内に配置されてもよい。
図34に示す例では、センサ20の固定部31の中空部315内に配置された軸受部25の内輪251が軸部232の第2突出部232bに取り付けられ、軸受部25の外輪252がセンサ20の固定部31の内周面314に取り付けられる。
【0128】
第2連結部22には、取付孔513に代えて、軸部232の第1突出部232aが挿通される挿通孔514が形成されている。挿通孔514は、第1突出部232aよりも外径が大きく、第1突出部232aが挿通されている状態において、第1突出部232aと接触しない。
【0129】
なお、
図34に示す例では、軸受部25の内輪251は、軸部232の第2突出部232bが挿入されることによって、軸部232の第2突出部232bに取り付けられ、軸受部25の外輪252は、センサ20の固定部31の中空部315に挿入されることによって、センサ20の固定部31の内周面314に取り付けられる。なお、軸受部25の外輪252は、センサ20の固定部31の内周面314に接着材などによって取り付けられてもよい。
【0130】
また、
図35に示すように、軸受部25は、センサ20の固定部31の中空部315(
図34参照)内に代えて、センサ20の受動部30の中空部305内に配置されてもよい。
図35に示す例では、センサ20の受動部30の中空部305内に配置された軸受部25の内輪251が軸部232の第2突出部232bに取り付けられ、軸受部25の外輪252がセンサ20の受動部30の内周面304に取り付けられる。
【0131】
なお、
図35に示す例では、軸受部25の内輪251は、軸部232の第2突出部232bが挿入されることによって、軸部232の第2突出部232bに取り付けられ、軸受部25の外輪252は、センサ20の受動部30の中空部305に挿入されることによって、センサ20の固定部31の内周面304に取り付けられる。なお、軸受部25の外輪252は、センサ20の受動部30の内周面304に接着材などによって取り付けられてもよい。
【0132】
また、上述した例では、軸受部25の内輪251には、第2連結部22の軸部516(
図34参照)または第3連結部23の軸部232(
図35参照)が挿入されるが、軸受部25の内輪251に挿入される軸部は、第1連結部21に設けられてもよい。
【0133】
例えば、
図36に示す例では、第2連結部22の軸部516(
図34参照)または第3連結部23の軸部232(
図35参照)に代えて、第1連結部21に、取付部40から回転軸O方向であって第3連結部23に向かう方向に延在し、センサ20の中空部203に挿通される軸部42を設けた。
【0134】
第1連結部21の軸部42は、回転軸O方向に突出する円柱状の第1突出部42aと、第1突出部42aの先端に連続し、第1突出部42aの中心軸と同軸になるように第1突出部42aと同様の方向に突出する円柱状の第2突出部42bとを有する。第2突出部42bの外径は、第1突出部42aの外径よりも小さい。
【0135】
軸受部25の内輪251には、第1連結部21の軸部42における第2突出部42bが挿入され、軸部42の第1突出部42aに軸受部25が当接する。軸部42の第1突出部42aの当接によって軸部42に対する軸受部25の位置決めが行われる。
【0136】
軸受部25の内輪251は、軸部42の第2突出部42bが挿入されることによって、軸部42の第2突出部42bに取り付けられ、軸受部25の外輪252は、第2連結部22の取付孔513に挿入されることによって、第2連結部22の取付孔513に取り付けられる。これにより、軸受部25の回転軸は、センサ20の回転軸Oと同軸になる位置に配置される。なお、軸受部25の内輪251は、軸部42の第2突出部42bに接着材などによって取り付けられてもよい。
【0137】
また、上述した例では、連結部2は、1つの軸受部25を有する構成であるが、軸受部25を複数有する構成であってもよい。例えば、
図37は、
図22に示す構成に加えて、第1連結部21の軸部42と、2つ目の軸受部25とを備える。2つ目の軸受部25の外輪252は、センサ20の固定部31の内周面314に取り付けられる。
【0138】
図37に示す軸部42は、回転軸O方向に突出する円柱状の第1突出部42aと、第1突出部42aの先端に連続し、第1突出部42aの中心軸と同軸になるように第1突出部42aと同様の方向に突出する円柱状の第2突出部42bとを有する。第2突出部42bの外径は、第1突出部42aの外径よりも小さい。
【0139】
図37に示す軸部42は、センサ20の固定部31の内周面314に取り付けられた2つ目の軸受部25の内輪251に挿入されることによって、2つ目の軸受部25の内輪251に取り付けられる。なお、2つ目の軸受部25の外輪252は、センサ20の受動部30の内周面304に取り付けられてもよい。
【0140】
<5.2.ロック部材を有する被接続対象物5への接続対象物4への接続方法>
被接続対象物5は、例えば、
図38に示すように、ロック部材81を有する構成であってもよい。
図38に示す被接続対象物5は、ロック部材81を有する点で、
図27に示す被接続対象物5と異なる。被接続対象物5のロック部材81は、被接続対象物5に挿入されて接続された接続対象物4を抜去方向に引っ張っても被接続対象物5から抜け難くなるようにする構成を有している。
【0141】
この場合、接続対象物4の被接続対象物5への接続工程において、上述した複数の工程に加えて、接続対象物4の被接続対象物5への接続前にロック部材81を、ロック解除位置に移動するロック解除工程と、接続対象物4の被接続対象物5への接続後にロック部材81を、接続対象物4が被接続対象物5に対して保持されるロック位置に移動するロック工程が追加される。
【0142】
まず、ロック解除工程について説明する。ロック解除工程は、接続対象物4が被接続対象物5に対して保持されるロック位置からロック位置とは異なるロック解除位置に、ロック部材81を移動する。
図38に示すように、ロック部材81のロック状態を解除するための突出部である接触部80が、接続治具93に取り付けられる保持部3に設けられている。
【0143】
ここで、
図39を参照して、保持部3の接触部80を用いたロック解除工程の一例について説明する。制御装置91は、ロボット本体部90に設けられた各モータを制御することによって、保持部3を移動してロック解除工程を行う。
【0144】
制御装置91は、
図38および
図39の(a)に示すように、保持部3の接触部80の先端部がロック部材81よりも下方(Z軸負方向)になるように保持部3を移動するH1工程を実行する。
【0145】
つづいて、制御装置91は、
図39の(b)に示すように、保持部3を被接続対象物5に向けてY軸正方向に移動し、保持部3の接触部80を被接続対象物5に接触させるH2工程を実行する。制御装置91は、H2工程において、センサ20による検知結果を監視しており、保持部3の接触部80が被接続対象物5に衝突したか否かを判定する。
【0146】
制御装置91は、H2工程において、保持部3の接触部80を被接続対象物5に向けて移動を開始した後、予め定められた第1時間範囲内で、例えば、センサ20によってモーメントとして検知された力が閾値Fth4(
図40参照)を超えると、保持部3の接触部80が被接続対象物5に衝突したと判定する。第1時間範囲は、例えば、
図40に示す時間T1から時間T2までの範囲であり、保持部3の移動量が予め定められた範囲内になる時間範囲である。閾値Fth4は、第4閾値の一例である。
【0147】
制御装置91は、センサ20による検知結果に基づいて、保持部3の接触部80が被接続対象物5に衝突していないと判定した場合、保持部3の接触部80の移動を中止または再実行する。
【0148】
例えば、制御装置91は、保持部3の接触部80が被接続対象物5に衝突していないと判定した場合、保持部3の接触部80を
図39の(a)に示す位置に戻した後、保持部3をY軸方向以外の方向(例えば、X軸方向またはZ軸方向)の位置にずらし、H2工程を実行し直す。また、制御装置91は、保持部3の接触部80が被接続対象物5に衝突していないと判定した場合、例えば、アラームを出して人を呼ぶこともできる。
【0149】
制御装置91は、センサ20による検知結果に基づいて、保持部3の接触部80が被接続対象物5に衝突したと判定した場合、保持部3の接触部80を被接続対象物5から離れる方向(Y軸負方向)に移動することで、保持部3の接触部80と被接続対象物5とのY軸方向での当接を解除する。その後、制御装置91は、
図39の(c)に示すように、保持部3の接触部80を上方(Z軸正方向)に向けて移動するH3工程を実行する。
【0150】
制御装置91は、H3工程において、保持部3の接触部80の上方(Z軸正方向)に向けての移動を開始した後、例えば、予め定められた第2時間範囲内で、センサ20によって検知された力が閾値Fth5(
図40参照)以下である場合、保持部3の接触部80によるロック部材81の押し上げが正常でないと判定する。第2時間範囲は、例えば、
図40に示す時間T2から時間T3までの範囲であり、保持部3の上方(Z軸正方向)への移動量が予め定められた範囲内になる時間範囲である。
【0151】
制御装置91は、H3工程において、保持部3の接触部80によるロック部材81の押し上げが正常でないと判定した場合、保持部3の接触部80の移動を中止または再実行する。また、H3工程において、保持部3の接触部80によるロック部材81の押し上げが正常であると判定した場合、
図39の(d)に示すように、保持部3の接触部80を前方(Y軸正方向)に向けて移動するH4工程を実行する。
【0152】
また、制御装置91は、H4工程において、予め定められた第3時間範囲内で、センサ20によって検知された力が閾値Fth6(
図40参照)以上である場合、保持部3の接触部80によるロック部材81のロック解除が完了したと判定し、上述したA工程(
図31参照)の実行を開始する。第3時間範囲は、例えば、
図40に示す時間T4から時間T5までの範囲であり、保持部3の前方(Y軸正方向)への移動量が予め定められた範囲内になる時間範囲である。
【0153】
制御装置91は、H4工程において、保持部3の接触部80によるロック部材81のロック解除が完了しないと判定した場合、保持部3の接触部80の移動を中止または再実行する。
【0154】
つづいて、ロック工程について説明する。接続治具93に取り付けられる保持部3には、
図41に示すように、被接続対象物5におけるロック部材81をロック状態に設定するための突出部である接触部83が設けられている。
【0155】
接触部83は、
図42に示すように、前後方向(Y軸方向)に直交する面に延在する第1平坦面83aと、第1平坦面に連続する傾斜面83bと、傾斜面83bに連続し、上下方向(Z軸方向)に直交する面に延在する第2平坦面83cとを有する。
【0156】
ここで、
図42を参照して、保持部3の接触部83を用いたロック工程の一例について説明する。制御装置91は、ロボット本体部90に設けられた各モータを制御することによって、保持部3を移動してロック工程を行う。
【0157】
制御装置91は、
図42の(a)に示すように、保持部3の接触部83がロック部材81とY軸方向において対向する位置に保持部3を移動するI1工程を実行する。
【0158】
つづいて、制御装置91は、
図42の(b)に示すように、保持部3を被接続対象物5のロック部材81に向けた方向である後方(Y軸負方向)移動し、保持部3の接触部83における第1平坦面83aを被接続対象物5のロック部材81に接触させるI2工程を実行する。制御装置91は、I2工程において、センサ20による検知結果を監視しており、接触部83の第1平坦面83aが被接続対象物5のロック部材81に衝突したか否かを判定する。
【0159】
制御装置91は、I2工程において、保持部3の接触部83を被接続対象物5のロック部材81に向けて移動を開始した後、予め定められた第4時間範囲内で、例えば、センサ20によってモーメントとして検知された力が閾値Fth7(
図43参照)を超えた場合、保持部3の接触部83が被接続対象物5のロック部材81に衝突したと判定する。第4時間範囲は、例えば、
図43に示す時間T11から時間T12までの範囲であり、保持部3の後方(Y軸負方向)への移動量が予め定められた範囲内になる時間範囲である。閾値Fth7は、第5閾値の一例である。
【0160】
制御装置91は、センサ20による検知結果に基づいて、保持部3の接触部83が被接続対象物5のロック部材81に衝突していないと判定した場合、保持部3の接触部83の移動を中止または再実行する。
【0161】
例えば、制御装置91は、保持部3の接触部83が被接続対象物5のロック部材81に衝突していないと判定した場合、保持部3の接触部83を
図42の(a)に示す位置に戻した後、保持部3をY軸方向以外の方向(例えば、X軸方向またはZ軸方向)の位置にずらし、I2工程を実行し直す。また、制御装置91は、保持部3の接触部83が被接続対象物5のロック部材81に衝突していないと判定した場合、例えば、アラームを出して人を呼ぶこともできる。
【0162】
制御装置91は、センサ20による検知結果に基づいて、保持部3の接触部83が被接続対象物5のロック部材81に衝突したと判定した場合、
図42の(c)に示すように、保持部3の接触部83をさらに後方(Y軸負方向)に向けて移動するI3工程を実行する。これにより、被接続対象物5のロック部材81が保持部3の接触部83における第1平坦面83aおよび傾斜面83bによって押し下げられる。
【0163】
制御装置91は、I3工程において、保持部3の接触部83を被接続対象物5に向けて移動を開始した後、例えば、予め定められた第5時間範囲内で、センサ20によって検知された力が閾値Fth8(
図43参照)以上であるか否かを判定する。第5時間範囲は、例えば、
図43に示す時間T13から時間T14までの範囲であり、保持部3の後方(Y軸負方向)への移動量が予め定められた範囲内になる時間範囲である。閾値Fth8は、保持部3がロック部材81を閉める際に必要な力よりも小さな値に設定される。
【0164】
制御装置91は、センサ20によって検知された力が閾値Fth8以上であると判定した場合、I3工程が正常に完了したと判定し、そうでない場合、I3工程が正常に完了していないと判定する。制御装置91は、I3工程が正常に完了していないと判定した場合、保持部3の接触部83の移動を中止または再実行する。
【0165】
また、制御装置91は、I3工程が正常に完了したと判定した場合、
図42の(d)に示すように、保持部3の接触部83を下方(Z軸負方向)に向けて移動するI4工程を実行する。これにより、被接続対象物5のロック部材81が保持部3の接触部83における第2平坦面83cで押圧される。
【0166】
制御装置91は、I4工程において、例えば、予め定められた第6時間範囲内で、センサ20によって検知された力が閾値Fth9(
図43参照)未満である場合、ロック部材81に異常があると判定し、ロック工程を中止する。第6時間範囲は、例えば、
図43に示す時間T15から時間T16までの範囲であり、保持部3の下方(Z軸負方向)への移動量が予め定められた範囲内になる時間範囲である。閾値Fth9は、保持部3がロック部材81を確実に押すために必要な力に対応する値に設定される。
【0167】
また、制御装置91は、I4工程において、例えば、予め定められた第6時間範囲内で、センサ20によって検知された力が閾値Fth9以上である場合、ロック工程を完了する。なお、第1平坦面83aと第2平坦面83cとは、上記動作を実行できる形状であればよく、平坦な面に限定されない。
【0168】
<5.3.その他>
上述した例では、被接続対象物5は、フレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)であるが、
図44に示すように、電気コネクタであってもよい。
図44に示す接続対象物4では、ロック部61を有しており、かかる被接続対象物5が接続対象物4に挿入される際に、接続対象物4のロック部61が被接続対象物5における不図示の被ロック部に係合する。
【0169】
制御装置91(
図1参照)は、接続対象物4のロック部61が被接続対象物5における不図示の被ロック部に係合する際に、センサ20によって検出される力が予め定められた閾値以上になるか否かを判定する。制御装置91は、センサ20によって検出される力が予め定められた閾値以上になった場合に、接続対象物4のロック部61が被接続対象物5の被ロック部を超えたと判定する。
【0170】
なお、上述した例では、自動搬送部の一例としてロボット本体部90を挙げて説明したが、自動搬送部は、ロボット本体部90に限定されず、制御装置91によって制御可能であればよい。例えば、自動搬送部は、保持部3および接続治具93をレールなどに沿ってX軸方向に移動する搬送機構(例えば、搬送装置)であってもよく、保持部3および接続治具93をレールなどに沿ってX軸方向およびZ軸に移動可能な搬送機構であってもよく、その他の搬送機構であってもよい。
【0171】
上述したように、実施形態に係る接続治具93は、被接続対象物5に接続される接続対象物4を保持する保持部3と保持部3によって保持した接続対象物4を予め定められた位置まで自動的に搬送する自動搬送部(例えば、ロボット本体部90)とを接続する接続治具であって、センサ20と、第1連結部21と、第2連結部22と、第3連結部23と、軸受部25とを備える。センサ20は、回転軸O方向における一端に受動部30が配置され、他端に固定部31が配置されており、受動部30に対する回転軸O回りの力を検知する。第1連結部21は、センサ20の受動部30と保持部3との間に配置され、センサ20の受動部30と保持部3とを連結する。第2連結部22は、センサ20の固定部31と自動搬送部との間に配置され、センサ20の固定部31と自動搬送部とを連結する。第3連結部23は、第1連結部21に連結され、且つ回転軸O回りに回転可能に第2連結部22に支持される。軸受部25は、第1連結部21と第3連結部23との間に取り付けられ、回転軸がセンサ20の回転軸Oと同軸になる位置に配置される。これにより、接続治具93は、保持部3に力が加わった場合に、保持部3に加わった力をセンサ20が検知できる方向の力に(回転軸O回りの力に)、精度よく変換することができる。そのため、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0172】
また、軸受部25は、第2連結部22に配置され、第3連結部23は、軸受部25を介して第2連結部22に支持される軸部232を備える。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0173】
また、軸受部25は、第3連結部23に配置され、第2連結部22は、軸受部25を介して第3連結部23を支持する軸部516を備える。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0174】
また、センサ20の固定部31は、回転軸Oを軸線とする円筒状に形成され、軸受部25は、センサ20における固定部31の中空部315内に配置され、第3連結部23は、軸受部25を介して固定部31に支持される軸部232を備える。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0175】
また、センサ20の受動部30は、回転軸Oを軸線とする円筒状に形成され、軸受部25は、センサ20における受動部30の中空部305内に配置され、第3連結部23は、軸受部25を介して受動部30に支持される軸部232を備える。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0176】
また、センサ20は、回転軸Oを軸線とする円筒状または円柱状に形成され、センサ20の外周面201と第1連結部21および第2連結部22の各々との間に隙間G1,G2を有する。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0177】
また、接続治具93は、第1連結部21と自動搬送部(例えば、ロボット本体部90)との間に配置され、保持部3の位置を補正する位置補正部1を備える。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0178】
また、第1連結部21および第3連結部23は、センサ20に対して、回転軸O回りの角度が異なる形態で取り付け可能である。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5とが異なる種類のものであっても、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0179】
また、第3連結部23は、第2連結部22の一部をセンサ20の固定部31との間で挟んだ状態で軸受部25を介して第2連結部22に支持される。これにより、接続治具93は、第3連結部23により第2連結部22の一部を覆うことができることが意匠性に優れつつ、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0180】
また、接続治具93を用いた接続対象物4の被接続対象物5への接続方法であって、接続対象物4を被接続対象物5に対向するように配置する第1工程と、第1工程で被接続対象物5と対向するように配置された接続対象物4を被接続対象物5に向けて移動し、接続対象物4の被接続対象物5への接続を開始する第2工程と、第2工程によって移動された接続対象物4を被接続対象物5に向けてさらに移動し、接続対象物4の被接続対象物5への接続が完了する位置まで接続対象物4を移動する第3工程と、を含み、第3工程は、センサ20によって検知された力が第1閾値を超えた場合に、接続対象物4の被接続対象物5への接続が完了したと判定して接続対象物4の移動を中止することを特徴とする接続方法。C工程は、第1工程の一例であり、D工程は、第2工程の一例であり、E工程は、第3工程の一例である。閾値Fth1は、第1閾値の一例である。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0181】
また、第3工程は、接続対象物4の被接続対象物5に向けた移動量Pthが第1閾値を判定する位置に到達する前の位置であって予め定められた範囲内にあるときに、センサ20によって検知された力が第2閾値以下である場合に、接続対象物4の被接続対象物5への接続を中止または再実行する。第1移動範囲Rth1は、予め定められた範囲の一例であり、閾値Fth2は、第2閾値の一例である。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0182】
また、第2工程は、接続対象物4を被接続対象物5に向けて移動を開始した後、接続対象物4の被接続対象物5に向けた移動量Pthが予め定められた移動量Pthに到達する前に、センサ20によって検知された力が第3閾値を超えた場合、接続対象物4の被接続対象物5への接続を中止または再実行する。閾値Fth3は、第3閾値の一例である。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0183】
また、第1工程は、接続対象物4が供給される供給位置から第1工程を開始する位置まで接続対象物4を搬送する搬送工程を含み、搬送工程において、第2連結部22と自動搬送部との間に配置され且つ保持部3の位置を補正する位置補正部1が保持部3の位置を補正しないロック状態である。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との位置決めを精度よく行うことができる。
【0184】
また、第1工程の前に、保持部3に設けられて被接続対象物5のロック部材81に接触する接触部80を移動して、接続対象物4が被接続対象物5に対して保持されるロック位置からロック位置とは異なるロック解除位置にロック部材81を移動するロック解除工程を含み、ロック解除工程は、センサ20によって検知された力が、第4閾値以下である場合に、保持部3の接触部80の移動を中止または再実行する。閾値Fth4は、第4閾値の一例である。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0185】
また、第3工程の後に、保持部3に設けられて被接続対象物5のロック部材81に接触する接触部80を移動して、接続対象物4が被接続対象物5に対して保持されるロック位置にロック部材81を移動するロック工程を含み、ロック工程は、センサ20によって検知された力が、第5閾値以下である場合に、保持部3の接触部80の移動を中止または再実行する。閾値Fth7は、第5閾値の一例である。これにより、接続治具93は、接続対象物4と被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0186】
また、接続対象物4は、コネクタ、板状の信号伝送媒体、またはハーネスである。これにより、接続治具93は、コネクタ、板状の信号伝送媒体、またはハーネスであっても被接続対象物5との接続を精度よく行うことができる。
【0187】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0188】
1,1A 位置補正部
2 連結部
3 保持部
4 接続対象物
5 被接続対象物
20 センサ
21 第1連結部
22 第2連結部
23 第3連結部
24 第4連結部
25 軸受部
30 受動部
31 固定部
80 接触部
81 ロック部材
90 ロボット本体部(自動搬送部の一例)
93 接続治具
201 外周面
202 内周面
232,516 軸部
G1,G2,G3 隙間
O 回転軸