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特開2024-145890情報処理装置、移動体の制御方法及び移動体の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145890
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、移動体の制御方法及び移動体の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20241004BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20241004BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B66F9/24 A
G08G1/00 X
G08G1/123 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058457
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼尾 健司
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 広昂
(72)【発明者】
【氏名】山田 直輝
【テーマコード(参考)】
3F333
5H181
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333DB10
3F333FA01
3F333FD04
3F333FD12
3F333FE05
5H181AA07
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF03
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF27
5H181FF33
5H181MB01
(57)【要約】
【課題】作業を効率的に行いつつ、作業の状況に応じて有人車両と無人車両との間の干渉を柔軟に回避する。
【解決手段】情報処理装置は、有人車両である第1移動体の作業の目的位置及び予定時間帯を含む第1予定情報を少なくとも取得する取得部と、取得された第1予定情報に基づいて、第1移動体と無人車両である第2移動体との間の作業の干渉に関する解析を行う処理部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有人車両である第1移動体の作業の目的位置及び予定時間帯を含む第1予定情報を少なくとも取得する取得部と、
取得された前記第1予定情報に基づいて、前記第1移動体と無人車両である第2移動体との間の作業の干渉に関する解析を行う処理部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記第2移動体の作業の目的位置及び予定時間帯を含む第2予定情報を取得し、
前記第1予定情報及び前記第2予定情報は、それぞれ優先度に関する情報を含み、
前記処理部は、前記第1移動体及び前記第2移動体のうち前記優先度の高い作業を行う移動体がいずれかを判断する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第1移動体よりも前記第2移動体の方が前記優先度の高い作業を行うと判断した場合、前記解析の結果を前記第1移動体に送信する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記解析の結果と前記第2予定情報とを時刻で対応付けた情報を前記第1移動体に送信する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第2移動体よりも前記第1移動体の方が前記優先度の高い作業を行うと判断した場合、前記解析の結果に基づいて、前記第1予定情報に従って作業を行う前記第1移動体に干渉しないように前記第2移動体の前記第2予定情報を変更する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記解析の結果に基づいて、前記第1予定情報に従って作業を行う前記第1移動体に干渉しないように前記第2移動体の前記第2予定情報を設定する設定部を更に備える
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記第1予定情報の候補を複数設定し、複数の候補を前記第1移動体に提示し、
前記取得部は、前記第1移動体が複数の候補のうち1つを選択した選択結果を取得し、
前記処理部は、取得された選択結果に基づいて前記第1予定情報を設定する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、解析結果に基づいて、前記第1移動体が作業可能な作業可能エリアを算出し、
前記設定部は、算出された前記作業可能エリアに応じて前記第2予定情報を設定する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記処理部は、前記第1移動体が前記第1予定情報とは異なる態様で作業を行う場合、前記第1移動体の作業の態様に応じて、前記第2予定情報を変更する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定部は、前記第1予定情報が取得される度に、前記第2予定情報の設定を行う
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項11】
有人車両である第1移動体の作業の目的位置及び予定時間帯を含む第1予定情報を少なくとも取得するステップと、
取得された前記第1予定情報に基づいて、前記第1移動体と無人車両である第2移動体との間の作業の干渉に関する解析を行うステップと
を含む移動体の制御方法。
【請求項12】
有人車両である第1移動体の作業の目的位置及び予定時間帯を含む第1予定情報を少なくとも取得する処理と、
取得された前記第1予定情報に基づいて、前記第1移動体と無人車両である第2移動体との間の作業の干渉に関する解析を行う処理と
をコンピュータに実行させる移動体の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、移動体の制御方法及び移動体の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体同士の干渉を抑制する制御が知られている。例えば特許文献1には、鉱山内で自律走行する無人車両と、鉱山内を運転者が搭乗して走行する有人車両との間で干渉を回避する構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6368259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有人車両と無人車両とを用いて作業を行う場合、作業を効率的に行いつつ、作業の状況に応じて有人車両及び無人車両のいずれの車両においても柔軟に干渉を抑制可能な構成が求められる。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、作業を効率的に行いつつ、作業の状況に応じて有人車両と無人車両との間の干渉を柔軟に抑制可能な情報処理装置、移動体の制御方法及び移動体の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る情報処理装置は、有人車両である第1移動体の作業の目的位置及び予定時間帯を含む第1予定情報を少なくとも取得する取得部と、取得された前記第1予定情報に基づいて、前記第1移動体と無人車両である第2移動体との間の作業の干渉に関する解析を行う処理部とを備える。
【0007】
本開示に係る移動体の制御方法は、有人車両である第1移動体の作業の目的位置及び予定時間帯を含む第1予定情報を少なくとも取得するステップと、取得された前記第1予定情報に基づいて、前記第1移動体と無人車両である第2移動体との間の作業の干渉に関する解析を行うステップとを含む。
【0008】
本開示に係る移動体の制御プログラムは、有人車両である第1移動体の作業の目的位置及び予定時間帯を含む第1予定情報を少なくとも取得する処理と、取得された前記第1予定情報に基づいて、前記第1移動体と無人車両である第2移動体との間の作業の干渉に関する解析を行う処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、作業を効率的に行いつつ、作業の状況に応じて有人車両と無人車両との間の干渉を柔軟に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る移動制御システムの模式図である。
図2図2は、第1移動体の構成の模式図である。
図3図3は、第2移動体の構成の模式図である。
図4図4は、第2移動体の制御装置の模式的なブロック図である。
図5図5は、管理装置の模式的なブロック図である。
図6図6は、情報処理装置の模式的なブロック図である。
図7図7は、作業オーダの一例を示す図である。
図8図8は、表示部に表示される解析結果の一例を示す図である。
図9図9は、作業可能エリアの一例を模式的に示す図である。
図10図10は、移動体の動作の他の例を模式的に示す図である。
図11図11は、表示部に表示される第1予定情報の候補の一例を模式的に示す図である。
図12図12は、本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0012】
(移動制御システム)
図1は、本実施形態に係る移動制御システムの模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る移動制御システム1は、移動体10と管理装置12と情報処理装置14とを含む。移動制御システム1は、設備Wに所属する移動体10の移動を制御するシステムである。設備Wは、例えば倉庫など、物流管理される設備であるが、移動体10を運用する任意の設備であってよい。移動制御システム1においては、移動体10は、設備Wの作業領域AR内に配置された内に配置された対象物Pをピックアップして搬送する。作業領域ARは、対象物が設置されたり移動体10が移動したりする領域であり、例えば設備Wの床面である。移動体10が搬送する対象物Pは、本実施形態では、パレット上に荷物が積載された搬送対象物である。ただし、対象物Pは、パレット上に荷物が積載されたものに限られず任意の形態であってよく、例えばパレットを有さず荷物のみであってもよい。また、移動体10は、対象物Pを搬送するものにも限られず、設備W内を任意の目的で移動する装置であってよい。
【0013】
(作業領域)
図1に示すように、設備Wには、作業領域ARが設定されている。作業領域ARは、本実施形態の移動体10が荷役作業等の所定の作業を行う領域である。作業領域ARは、第1領域AR1と、第2領域AR2とを含む。
【0014】
以降において、作業領域の床面に沿った一方向をX方向とし、床面に沿った方向であって方向Xに交差する方向を、Y方向とする。本実施形態では、Y方向は、X方向に直交する方向である。X方向、Y方向は、水平面に沿った方向といってもよい。X方向及びY方向において、矢印の方向を+方向(又は+側)とし、+方向とは反対の方向を-方向(又は-側)と表記する。また、X方向、Y方向に直交する方向を、より詳しくは鉛直方向の上方に向かう方向を、Z方向とする。また、本実施形態においては、「位置」とは、特に断りのない限り、第1領域AR1上の二次元面における座標系(第1領域AR1の座標系)における位置(座標)を指す。また、移動体10などの「姿勢(向き)」とは、特に断りのない限り、第1領域AR1の座標系における移動体10などの向きであり、Z方向から見た場合に、X方向を0°とした際の移動体10のヨー角(回転角度)を指す。
【0015】
第1領域AR1は、例えば運送車両Vに積み込む対象物P又は運送車両Vから荷下ろしした対象物Pが配置される領域である。第1領域AR1には、対象物Pを配置する複数の配置領域Aが設けられる。配置領域Aは、対象物Pを配置するために設定された領域であり、対象物Pが設置される可能性がある領域ともいえる。配置領域Aの形状及び大きさは、予め設定されている。図1の例では配置領域Aは矩形であるが、形状及び大きさは任意であってよい。また、配置領域Aは、対象物P毎に区画されており、配置領域Aにはそれぞれ対象物Pが1つ配置される。それぞれの配置領域Aには、設備Wの状況に応じて、対象物Pが配置されている場合もあるし、配置されていない場合もある。図1の例では、配置領域AがY方向に並んで設定されているが、配置領域Aの並び方及び数は、任意であってよい。
【0016】
第2領域AR2は、第1領域AR1と隣接する位置に設けられる。第2領域AR2は、図1の例において、第1領域AR1の-Y側に位置する。第2領域AR2は、保管領域Bを有する。保管領域Bは、対象物Pを保管する。保管領域Bは、X方向、Y方向に並んで配置される構成に限定されず、例えば棚等のようにZ方向に並んで配置されてもよい。
【0017】
(ウェイポイント)
作業領域ARには、位置(座標)毎にウェイポイントWPが設定されている。移動体10の移動経路は、ウェイポイントWPを繋ぐように設定される。すなわち、移動体10が通過を予定するウェイポイントWPを接続する経路が、移動体10の移動経路となる。ウェイポイントWPは、作業領域ARのレイアウトに応じて設定される。例えば、ウェイポイントWPは、作業領域ARにおいて移動体10の移動可能な領域にマトリクス状に設定されてもよい。また、ウェイポイントWPは、駐車領域ARV内において対象物Pが配置される位置に応じて予め設定される。また、ウェイポイントWPは、作業領域ARにおいて対象物Pが配置される配置領域A等と対応するように設定することができる。例えば、それぞれの配置領域Aに対応する位置(座標)に、ウェイポイントWPを設定することができる。
【0018】
(移動体)
本実施形態においては、移動体10として、運転者の操作により移動する有人車両である第1移動体10Aと、自律移動する第2移動体10Bとが含まれている。
【0019】
(第1移動体)
図2は、第1移動体の構成の模式図である。有人車両としての第1移動体10Aは、運転者Uの操作により移動する装置である。例えば、第1移動体10Aは、第1移動体10Aに搭乗した運転者Uに操作されることで、移動する。ただしそれに限られず、第1移動体10Aは、第1移動体10Aに搭乗しない運転者Uに遠隔操作されることで、移動してもよい。また、本実施形態では、第1移動体10Aは、対象物を搬送可能な装置である。さらに言えば、本実施形態では、第1移動体10Aは、フォークリフトである。ただし、第1移動体10Aは、対象物を搬送するフォークリフトであることに限られず、運転者Uの操作により移動可能な任意な装置であってよい。
【0020】
図2に示すように、第1移動体10Aは、操作部70と駆動部72と撮影部74と入力部76と表示部78と制御装置80とを有する。操作部70は、運転者Uからの操作を受け付けるインターフェイス機構であり、例えばステアリング、アクセル、ブレーキなどを含んでよい。駆動部72は、第1移動体10Aを移動させる駆動機構である。第1移動体10Aは、操作部70が受け付けた運転者Uの操作により駆動部72が駆動されて、移動する。
【0021】
撮影部74は、例えば第1移動体10Aのヘッドガード等に配置される。撮影部74は、天井向きに設置され、天井を撮影する。撮影部74は、撮影データを制御装置80に出力する。
【0022】
入力部76は、運転者Uによる情報の入力を受け付ける。運転者Uにより入力される情報としては、例えば後述する第1予定情報等が挙げられる。入力部76は、タッチパネル、キーボード等の各種の入力装置であってもよい。
【0023】
表示部78は、文字、画像等の情報を表示する。表示部78は、例えば液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイが用いられる。
【0024】
制御装置80は、第1移動体10Aを制御する装置である。制御装置80は、コンピュータであり、通信部82と記憶部84と制御部86とを含む。通信部82は、制御部86に用いられて、情報処理装置14などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部82による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部84は、制御部86の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0025】
制御部86は、演算装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算回路を含む。制御部86は、位置推定部88と、情報送信部90と移動制御部92とを含む。制御部86は、記憶部84からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、位置推定部88と情報送信部90と移動制御部92とを実現して、それらの処理を実行する。なお、制御部86は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、位置推定部88と情報送信部90と移動制御部92との少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部84が保存する制御部86用のプログラムは、制御装置80が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0026】
位置推定部88は、撮影部74により撮影された撮影データを画像処理等により解析する。位置推定部88は、撮影データの解析結果と、第1移動体10Aの速度、操舵角等の移動状況とに基づいて、第1移動体10Aの位置をリアルタイムに推定する。
【0027】
情報送信部90は、第1移動体10Aの位置及び速度を示す第1移動体情報及び第1移動体の第1予定情報を、情報処理装置14などの外部の装置に送信する。移動制御部92は、第1移動体10Aの移動を制御する。これらの具体的な処理内容については後述する。なお、移動制御部92は、第1移動体10Aを自動で制御するものであり、例えば第1移動体10Aを自動で停止させる。ただし、第1移動体10Aは有人車両なので、第1移動体10Aを自動で制御する機能を有していなくてもよく、言い換えれば移動制御部92を含んでいなくてもよい。
【0028】
(第2移動体)
図3は、第2移動体の構成の模式図である。無人車両としての第2移動体10Bは、自動で移動可能な装置である。本実施形態では、第2移動体10Bは、対象物を搬送可能な装置である。さらに言えば、本実施形態では、第2移動体10Bは、フォークリフトであり、より詳しくはいわゆるAGV(Automated Guided Vehicle)やAGF(Automated Guided Forklift)である。ただし、第2移動体10Bは、対象物を搬送するフォークリフトであることに限られず、自動で移動可能な任意な装置であってよい。
【0029】
図3に示すように、第2移動体10Bは、車体20と、車輪20Aと、ストラドルレッグ21と、マスト22と、フォーク24と、センサ26Aと、制御装置28とを備えている。ストラドルレッグ21は、車体20の前後方向における一方の端部に設けられて、車体20から突出する一対の軸状の部材である。マスト22は、ストラドルレッグ21に移動可能に取り付けられ、車体20の前後方向に移動する。マスト22は、前後方向に直交する上下方向(ここでは方向Z)に沿って延在する。フォーク24は、マスト22に方向Zに移動可能に取付けられている。フォーク24は、マスト22に対して、車体20の横方向(上下方向及び前後方向に交差する方向)にも移動可能であってよい。フォーク24は、一対のツメ24A、24Bを有している。ツメ24A、24Bは、マスト22から車体20の後方向に向けて延在している。ツメ24Aとツメ24Bとは、マスト22の横方向に、互いに離れて配置されている。以下、前後方向のうち、第2移動体10Bにおいてフォーク24が設けられていない側の方向を、前方向とし、フォーク24が設けられている側の方向を、後方向とする。
【0030】
センサ26Aは、車体20の周辺に存在する対象物の位置及び姿勢の少なくとも1つを検出する。センサ26Aは、第2移動体10Bに対する対象物の位置と、第2移動体10Bに対する対象物の姿勢との少なくとも一方を検出するともいえる。本実施形態では、センサ26Aは、それぞれのストラドルレッグ21の後方向における先端と、車体20の前方向側とに設けられている。ただし、センサ26Aの設けられる位置はこれに限られず、任意の位置に設けられてもよいし、設けられる数も任意であってよい。
【0031】
センサ26Aは、例えばレーザ光を照射するセンサである。センサ26Aは、一方向(ここでは横方向)に走査しつつレーザ光を照射し、照射したレーザ光の反射光から、対象物の位置及び向きを検出する。すなわち、センサ26Aは、いわゆる2次元(2D)-LiDAR(Light Detection And Ranging)であるともいえる。ただし、センサ26Aは、以上のものに限られず任意の方法で対象物を検出するセンサであってよく、例えば、複数の方向に走査されるいわゆる3次元(3D)-LiDARであってもよいし、走査されない、いわゆる1次元(1D)-LiDARであってもよいし、カメラであってもよい。
【0032】
図4は、第2移動体の制御装置の模式的なブロック図である。制御装置28は、第2移動体10Bを制御する装置である。制御装置28は、コンピュータであり、図4に示すように、通信部100と記憶部102と制御部104とを含む。通信部100は、制御部104に用いられて、情報処理装置14などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部100による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部102は、制御部104の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0033】
制御部104は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部104は、経路取得部110と移動制御部112と情報送信部114とを含む。制御部104は、記憶部102からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、経路取得部110と移動制御部112と情報送信部114とを実現して、それらの処理を実行する。なお、制御部104は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、経路取得部110と移動制御部112と情報送信部114との少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部102が保存する制御部104用のプログラムは、制御装置28が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0034】
経路取得部110は、第2移動体10Bが移動する経路の情報を取得し、移動制御部112は、第2移動体10Bの駆動部やステアリングなどの移動機構を制御して、第2移動体10Bの移動を制御し、情報送信部114は、第2移動体10Bの位置を示す第2移動体情報を、情報処理装置14などの外部の装置に送信する。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0035】
(管理装置)
図5は、管理装置の模式的なブロック図である。管理装置12は、設備Wにおける物流を管理するシステムである。管理装置12は、本実施形態ではWCS(Warehouse Control System)やWMS(Warehouse Management System)であるが、WCS及びWMSに限られず任意のシステムであってよく、例えば、その他の生産管理系システムのようなバックエンドシステムでも構わない。管理装置12が設けられる位置は任意であり、設備W内に設けられてもよいし、設備Wから離れた位置に設けられて、離れた位置から設備Wを管理するものであってもよい。管理装置12は、コンピュータであり、図5に示すように、通信部30と記憶部32と制御部34とを含む。
【0036】
通信部30は、制御部34に用いられて、情報処理装置14などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナやなどを含んでよい。通信部30による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部32は、制御部34の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0037】
制御部34は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部34は、作業オーダ設定部40を含む。制御部34は、記憶部32からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、作業オーダ設定部40を実現して、その処理を実行する。なお、制御部34は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、作業オーダ設定部40の少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部32が保存する制御部34用のプログラムは、管理装置12が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0038】
作業オーダ設定部40は、移動体10の作業オーダを対象物Pごとに設定する。作業オーダ設定部40は、設定した作業オーダを、通信部30から送信させる。作業オーダの内容については、後述する。
【0039】
なお、管理装置12は、目的位置の設定以外の処理も実行してよい。例えば、管理装置12は、設備Wに設けられる移動体10以外の機構(例えばエレベータや扉など)を制御する情報も設定してよい。
【0040】
(情報処理装置)
図6は、情報処理装置の模式的なブロック図である。情報処理装置14は、移動体10の移動に関する情報などを処理する装置である。情報処理装置14は、例えばFCS(Fleet Control System)であるが、それに限られず、移動体10の移動に関する情報を処理する任意の装置であってよい。情報処理装置14は、コンピュータであり、図6に示すように、通信部50と記憶部52と制御部54とを含む。通信部50は、制御部54に用いられて、管理装置12や移動体10などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部50による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部52は、制御部54の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0041】
制御部54は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部54は、取得部60と、設定部62と、処理部64とを含む。制御部54は、記憶部52からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、取得部60と設定部62と処理部64とを実現して、それらの処理を実行する。なお、制御部54は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、取得部60と設定部62と処理部64との少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部52が保存する制御部54用のプログラムは、情報処理装置14が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0042】
取得部60は、管理装置12から送信される作業オーダを取得する。取得部60は、第1移動体10Aから送信される第1作業情報を取得する。取得部60は、第2移動体10Bから送信される第2移動体情報を取得する。設定部62は、作業オーダに基づいて第2移動体10Bの第2予定情報を設定する。処理部64は、第1移動体10Aと第2移動体10Bの間の干渉に関する解析を行う。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0043】
なお、本実施形態では、管理装置12と情報処理装置14とが別の装置であったが、一体の装置であってもよい。すなわち、管理装置12が情報処理装置14の少なくとも一部の機能を兼ね備えてよいし、情報処理装置14が管理装置12の少なくとも一部の機能を兼ね備えてよい。
【0044】
(移動制御システムの処理)
移動制御システム1の処理内容について、以下で説明する。
【0045】
(第1予定情報の取得)
第1移動体10Aにおいて、運転者Uにより入力部76に第1予定情報が入力された場合、制御部86の情報送信部90は、入力された第1予定情報を情報処理装置14に送信する。第1予定情報は、第1移動体10Aの作業の目的位置(第1目的位置)、作業の予定時間帯、及び作業の優先度(第1優先度)についての情報を含む。第1予定情報は、第1移動体10Aの移動経路についての情報を含んでもよい。第1目的位置は、設備W内の任意の位置としてよい。第1目的位置は、例えば第1移動体10Aが受け取るべき対象物の位置、第1移動体10Aが搬送すべき対象物の搬送先の位置等、第1移動体10Aが作業を行う対象となる位置を第1目的位置としてよい。第1予定時間帯は、運転者Uが第1移動体10Aにより作業を行う予定の時間帯を予定時間帯としてよい。第1優先度は、例えば作業状況に応じて適宜設定してよく、緊急を要する作業の場合には第1優先度を相対的に高く設定し、通常の作業を行う場合には第1優先度を相対的に低く設定することができる。情報処理装置14において、通信部50は、第1移動体10Aから送信された第1予定情報を受信する。制御部34の取得部60は、受信された第1予定情報を取得する。
【0046】
(第2予定情報の取得)
管理装置12の作業オーダ設定部40は、無人車両である第2移動体10Bの作業に関する作業オーダを設定する。作業オーダは、対象物Pごとに設定される。図7は、作業オーダの一例を示す図である。図7に示すように、作業オーダは、オーダIDと、当該オーダIDに対応する対象物PのIDと、搬送元及び搬送先情報と、作業の優先度と、作業を割り当てる移動体10のIDとを含む。作業オーダ設定部40は、設定した作業オーダを通信部30から送信させる。
【0047】
情報処理装置14において、通信部50は、作業オーダを受信する。取得部60は、受信した作業オーダを取得する。設定部62は、取得した作業オーダに基づいて、第2移動体10Bの作業についての第2予定情報を生成する。第2予定情報は、第2移動体10Bの作業の目的位置(第2目的位置)、作業の予定時間帯(第2予定時間帯)、及び作業の優先度(第2優先度)についての情報を含む。第2予定情報は、第2移動体10Bの移動経路についての情報を含んでもよい。第2目的位置は、設備W内の任意の位置としてよい。第2目的位置は、例えば第2移動体10Bが受け取るべき対象物の位置、第2移動体10Bが搬送すべき対象物の搬送先の位置等、第2移動体10Bが作業を行う対象となる位置を第2目的位置としてよい。第2予定時間帯は、第2移動体10Bにより作業を行う予定の時間帯を予定時間帯としてよい。第2優先度は、作業オーダにおいて設定される優先度とする。取得部60は、設定された第2予定情報を取得する。
【0048】
(干渉に関する解析1)
情報処理装置14において、処理部64は、取得された第1予定情報と第2予定情報とに基づいて、第1移動体10Aと第2移動体10Bの間の干渉に関する解析を行う。処理部64は、第1移動体10Aが第1予定情報に従って作業を行い、第2移動体10Bが第2予定情報に従って作業を行った場合に、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間で移動経路又は目的位置が重複する時間帯が存在するか否かを解析する。
【0049】
処理部64は、第1予定情報及び第2予定情報に含まれる優先度に基づいて、第1移動体10A及び第2移動体10Bのうち優先度の高い作業を行う移動体10がいずれかを判断する。
【0050】
第1予定情報に含まれる優先度よりも第2予定情報に含まれる優先度の方が高い場合、処理部64は、第1移動体10Aよりも第2移動体10Bの方が優先度の高い作業を行うと判断する。この場合、処理部64は、解析結果を第1移動体10Aに送信する。このとき、処理部64は、解析結果と第2予定情報とを時刻で対応付けた情報を第1移動体10Aに送信することができる。
【0051】
第1移動体10Aは、通信部82により解析結果を受信する。受信された解析結果は、例えば表示部78に表示されることにより、運転者Uに提示される。図8は、表示部78に表示される解析結果の一例を示す図である。図8には、作業領域ARのマップに対して、所定時間あたりに第2移動体10Bが通過する台数を重ねて表示した状態を示している。なお、表示部78には、インジケータ78aを併せて表示し、インジケータ78aをスライドさせることで、時間を変化させた場合の第2移動体10Bの所定時間当たりの通過台数の変化を示すようにしてもよい。また、解析結果に対して第1移動体10Aが移動可能なエリア、移動経路を表す部分(図8の一点鎖線で囲んだ斜線部分)を作業領域ARのマップに重ねて示すようにしてもよい。
【0052】
運転者Uは、解析結果に基づいて第1移動体10Aによる作業内容を決定することができる。例えば、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間で移動経路又は目的位置が重複する時間帯が存在する旨の解析結果が提示された場合、運転者Uは、第2移動体10Bとの間で移動経路又は目的位置が重複しない時間帯で作業を行うように第1予定情報を変更することができる。
【0053】
また、第2予定情報に含まれる優先度よりも第1予定情報に含まれる優先度よりも高い場合、処理部64は、第2移動体10Bよりも第1移動体10Aの方が優先度の高い作業を行うと判断する。この場合、処理部64は、解析の結果に基づいて、第1予定情報に従って作業を行う第1移動体10Aに干渉しないように第2移動体10Bの第2予定情報を変更する。例えば、処理部64は、第1移動体10Aが作業を行わない時間帯を第2予定情報の時間帯として設定することができる。処理部64は、変更した第2予定情報を第2移動体10Bに送信する。第2移動体10Bは、送信された調整後の第2予定情報を受信し、受信した調整後の第2予定情報に基づいて作業を行う。なお、処理部64は、第2予定情報において設定した時間帯とは異なる時間帯を、作業可能な時間帯として第1移動体10Aに対して通知してもよい。
【0054】
(干渉に関する解析2)
なお、上記の例では、設定部62により第2予定情報が設定されている場合を例に挙げて説明したが、この場合に限定されない。例えば、第2予定情報が設定されていない状態で、情報処理装置14において第1予定情報が取得された場合、処理部64は、取得された第1予定情報に基づいて、第1移動体10Aと第2移動体10Bの間の干渉に関する解析を行い、解析の結果に基づいて第2予定情報を設定することができる。
【0055】
この場合、例えば処理部64は、取得された第1予定情報に基づいて、当該第1予定情報と重複しない移動経路、目的位置、予定時間帯を解析結果として算出する。設定部62は、当該解析の結果に基づいて、第1予定情報に従って作業を行う第1移動体10Aに干渉しないように、第2移動体10Bの第2予定情報を設定する。設定部62は、第1予定情報が取得される度に、第2予定情報の設定を行うことができる。
【0056】
第2予定情報の設定に際して、処理部64は、例えば解析結果に基づいて、第1移動体10Aが作業可能な作業可能エリアを算出することができる。図9は、作業可能エリアの一例を模式的に示す図である。図9に示すように、作業可能エリアAR3は、例えば第1移動体10Aの目的位置、移動経路を含む範囲に設定することができる。この場合、設定部62は、算出された作業可能エリアAR3に応じて第2予定情報を設定することができる。すなわち、設定部62は、算出された作業可能エリアAR3の外側で作業を行うように第2予定情報を設定することができる。これにより、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの干渉を確実に防止できる。
【0057】
なお、処理部64は、第1移動体10Aが第1予定情報に基づく所定のルートから逸脱したり、作業が第1予定情報に基づく予定時間帯をオーバーして行われたり、予定時間よりも早く作業が終了したりする場合のように、第1予定情報とは異なる態様で作業を行う場合、第1移動体10Aの作業の態様に応じて、第2予定情報を変更するようにしてもよい。
【0058】
図10は、移動体10の動作の他の例を模式的に示す図である。図10に示すように、例えば、第1移動体10Aの移動経路R2が第1予定情報に基づく所定のルートR1から逸脱した場合、処理部64は、全ての第2移動体10Bの作業を停止するように第2予定情報を変更することができる。また、第1移動体10Aの作業が第1予定情報に基づく予定時間帯をオーバーして行われた場合、処理部64は、第2移動体10Bの作業の予定時間帯を繰り下げるように変更することができる。また、第2移動体10Bの作業が予定時間よりも早く作業が終了した場合、処理部64は、第2移動体10Bの作業の予定時間帯を繰り上げるように変更することができる。
【0059】
また、処理部64は、第1予定情報の候補を複数設定し、複数の候補を第1移動体10Aに送信してもよい。図11は、表示部78に表示される第1予定情報の候補の一例を模式的に示す図である。図11に示すように、第1移動体10Aでは、表示部78に複数の候補が表示される。この倍、複数の第1予定情報の候補と共に、当該第1予定情報で移動する移動経路、作業エリア等をマップで表示可能な構成としてもよい。運転者Uは、表示部78に表示された複数の候補から第1予定情報を選択することができる。運転者Uは、選択した第1予定情報を入力部76により入力することができる。入力された第1予定情報は、通信部82から送信される。当該第1予定情報は、情報処理装置14の通信部50で受信される。受信された第1予定情報は、取得部60により取得される。このように、取得部60は、第1移動体10Aが複数の候補のうち1つを選択した選択結果を取得する。処理部64は、取得された選択結果に基づいて第1予定情報を設定する。
【0060】
(第1移動体の移動)
有人車両である第1移動体10Aは、運転者Uの操作により移動する。上記のように設定された第1予定情報に基づいて運転者Uが第1移動体10Aを運転することにより、第1移動体10Aは、第1予定情報に従って作業を行うことができる。
【0061】
(第2移動体の移動)
無人車両である第2移動体10Bは、設定された第2予定情報に従って作業を行う。すなわち、第2移動体10Bの移動制御部112は、経路取得部110が取得した経路に従って、第2予定情報に基づく予定時間帯で、第2移動体10Bを移動させる。より詳しくは、本実施形態では、経路取得部110は、情報処理装置14から送信される第2予定情報の移動経路である第1経路(レイアウトパス)に基づいて、第2経路(グローバルパス)を設定することが好ましい。この場合、経路取得部110は、第1経路と第2移動体10Bの車両仕様の情報とに基づき、第2経路を設定する。車両仕様の情報とは、例えば、第2移動体10Bの大きさや最小旋回半径など、第2移動体10Bが移動可能な経路に影響を及ぼす仕様である。第2経路も、第1経路と同様に、目的位置に向かう経路である。さらに言えば、第2経路は、第2移動体10Bによる追従が可能であり、かつ目的位置まで到達する経路である。
【0062】
移動制御部112は、第2移動体10Bの位置情報を逐次把握することで、設定された経路(本実施形態の例では第2経路)を通るように、第2移動体10Bを移動させる。第2移動体10Bの位置情報の取得方法は任意であるが、例えば本実施形態では、設備Wに図示しない検出体が設けられており、移動制御部112は、検出体の検出に基づき第2移動体10Bの位置及び姿勢の情報を取得する。具体的には、第2移動体10Bは、検出体に向けてレーザ光を照射し、検出体によるレーザ光の反射光を受光して、設備Wにおける自身の位置及び姿勢を検出する。第2移動体10Bの位置及び姿勢の情報の取得方法は、検出体を用いることに限られず、例えば、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)を用いてもよい。
【0063】
第2予定情報は、情報処理装置14により、第1移動体10Aの作業と干渉しないように設定されている。このため、第2移動体10Bが第2予定情報に従って作業を行うことにより、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間で作業の干渉を適切に回にすることができる。
【0064】
図12は、本実施形態に係る情報処理装置14の動作の一例を示すフローチャートである。図12に示すように、情報処理装置14は、取得部60において、第1移動体10Aから第1予定情報を取得する(ステップS10)。処理部64は、第2予定情報が設定されているか否かを判定する(ステップS20)。第2予定情報が設定されていると判定した場合(ステップS20のYes)、処理部64は、第2予定情報を取得する(ステップS30)。処理部64は、取得した第1予定情報及び第2予定情報に基づいて第1移動体10Aの作業と第2移動体10Bの作業との間の干渉に関する解析を行う(ステップS40)。解析の結果、第1移動体10Aの作業と第2移動体10Bの作業との間に干渉する時間帯が存在すると判定した場合(ステップS50のYes)、第1移動体10Aの作業と第2移動体10Bの作業との間で優先度を比較する(ステップS60)。ステップS60において、第1移動体10Aの作業の方が優先度が高いと判定した場合(ステップS60のYes)、第1移動体10Aに対して解析結果を送信する(ステップS70)。また、ステップS60において、第2移動体10Bの方が優先度が高いと判定した場合(ステップS60のNo)、第1移動体10Aの作業と干渉しないように第2予定情報を変更する(ステップS80)。
【0065】
また、ステップS20において、第2予定情報が設定されていないと判定した場合(ステップS20のNo)、処理部64は、第1予定情報に基づいて解析処理を行い、当該第1予定情報と重複しない移動経路、目的位置、予定時間帯を解析結果として算出する(ステップS90)。処理部64は、解析結果に基づいて第2予定情報を設定する(ステップS100)。
【0066】
以上のように、本開示の第1態様に従えば、有人車両である第1移動体10Aの作業の目的位置及び予定時間帯を含む第1予定情報を少なくとも取得する取得部60と、取得された第1予定情報に基づいて、第1移動体10Aと無人車両である第2移動体10Bとの間の作業の干渉に関する解析を行う処理部64とを備える情報処理装置14が提供される。
【0067】
この構成によれば、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間の作業の干渉に関する解析を行うことにより、情報処理装置14において、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間の作業の干渉に関する情報を取得することができる。情報処理装置14において当該情報を適切に用いることにより、作業を効率的に行いつつ、作業の状況に応じて第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間の作業の干渉を抑制可能となる。
【0068】
本開示の第2態様に従えば、第1態様に係る情報処理装置14において、取得部60は、第2移動体10Bの作業の目的位置及び予定時間帯を含む第2予定情報を取得し、第1予定情報及び第2予定情報は、それぞれ優先度に関する情報を含み、処理部64は、第1移動体10A及び第2移動体10Bのうち優先度の高い作業を行う移動体10がいずれかを判断する。従って、第1移動体10A及び第2移動体10Bの優先度を判断することにより、優先度に沿って作業を適切に行うことができる。
【0069】
本開示の第3態様に従えば、第2態様に係る情報処理装置14において、処理部64は、第1移動体10Aよりも第2移動体10Bの方が優先度の高い作業を行うと判断した場合、解析の結果を第1移動体10Aに送信する。従って、優先度の高い作業を行う第2移動体10Bに合わせて第1移動体10Aの第1予定情報を再設定するように運転者Uに促すことができる。
【0070】
本開示の第4態様に従えば、第3態様に係る情報処理装置14において、処理部64は、解析の結果と第2予定情報とを時刻で対応付けた情報を第1移動体10Aに送信する。従って、運転者Uに第1予定情報の再設定を促すにあたり、運転者Uが第2移動体10Bの第2予定情報を回避しやすいように適切な情報を提示することができる。
【0071】
本開示の第5態様に従えば、第2態様に係る情報処理装置14において、処理部64は、第2移動体10Bよりも第1移動体10Aの方が優先度の高い作業を行うと判断した場合、解析の結果に基づいて、第1予定情報に従って作業を行う第1移動体10Aに干渉しないように第2移動体10Bの第2予定情報を変更する。従って、優先度の高い作業を行う第1移動体10Aに合わせて第2移動体10Bの第2予定情報を自動的に変更することができる。
【0072】
本開示の第6態様に従えば、第1態様に係る情報処理装置14において、解析の結果に基づいて、第1予定情報に従って作業を行う第1移動体10Aに干渉しないように第2移動体10Bの第2予定情報を設定する設定部62を更に備える。従って、第2予定情報を効率的に設定することができる。
【0073】
本開示の第7態様に従えば、第6態様に係る情報処理装置14において、処理部64は、第1予定情報の候補を複数設定し、複数の候補を第1移動体10Aに提示し、取得部60は、第1移動体10Aが複数の候補のうち1つを選択した選択結果を取得し、処理部64は、取得された選択結果に基づいて第1予定情報を設定する。従って、運転者Uの作業予定について選択の幅を広げることが可能となる。
【0074】
本開示の第8態様に従えば、第6態様に係る情報処理装置14において、処理部64は、解析結果に基づいて、第1移動体10Aが作業可能な作業可能エリアを算出し、設定部62は、算出された作業可能エリアに応じて第2予定情報を設定する。従って、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの干渉を適切に回避できる。
【0075】
本開示の第9態様に従えば、第6態様に係る情報処理装置14において、処理部64は、第1移動体10Aが第1予定情報とは異なる態様で作業を行う場合、第1移動体10Aの作業の態様に応じて、第2予定情報を変更する。従って、第1移動体10Aの作業状態に応じて第2移動体10Bの作業予定を柔軟に変更することができる。このため、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの干渉を抑制できる。
【0076】
本開示の第10態様に従えば、第6態様に係る情報処理装置14において、設定部62は、第1予定情報が取得される度に、第2予定情報の設定を行う。従って、第1移動体10Aが新たな作業を行う場合に、そのつど適切に設定された第2予定情報に基づいて第2移動体10Bが作業を行うことになる。このため、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの干渉を適切に回避できる。
【0077】
本開示の第11態様に従えば、有人車両である第1移動体10Aの作業の目的位置及び予定時間帯を含む第1予定情報を少なくとも取得するステップと、取得された第1予定情報に基づいて、第1移動体10Aと無人車両である第2移動体10Bとの間の作業の干渉に関する解析を行うステップとを含む移動体の制御方法が提供される。
【0078】
この構成によれば、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間の作業の干渉に関する解析を行うことにより、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間の作業の干渉に関する情報を取得することができる。当該情報を適切に用いることにより、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間の作業の干渉を抑制可能となる。
【0079】
本開示の第12態様に従えば、第1態様に係る情報処理装置14において、有人車両である第1移動体10Aの作業の目的位置及び予定時間帯を含む第1予定情報を少なくとも取得する処理と、取得された第1予定情報に基づいて、第1移動体10Aと無人車両である第2移動体10Bとの間の作業の干渉に関する解析を行う処理とをコンピュータに実行させる移動体の制御プログラムが提供される。
【0080】
この構成によれば、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間の作業の干渉に関する解析を行うことにより、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間の作業の干渉に関する情報を取得することができる。当該情報を適切に用いることにより、第1移動体10Aと第2移動体10Bとの間の作業の干渉を抑制可能となる。
【0081】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0082】
1 移動制御システム
10 移動体
10A 第1移動体
10B 第2移動体
12 管理装置
14 情報処理装置
20 車体
20A 車輪
21 ストラドルレッグ
22 マスト
24 フォーク
24A,24B ツメ
26A センサ
28,80 制御装置
30,50,82,100 通信部
32,52,84,102 記憶部
34,54,86,104 制御部
40 作業オーダ設定部
60 取得部
62 設定部
64 処理部
70 操作部
72 駆動部
74 撮影部
76 入力部
78 表示部
78a インジケータ
88 位置推定部
90,114 情報送信部
92,112 移動制御部
110 経路取得部
A 配置領域
B 保管領域
P 対象物
P0 固定物
R1 ルート
R2 移動経路
U 運転者
V 運送車両
ID オーダ
W 設備
X,Z 方向
AR 作業領域
AR1 第1領域
AR2 第2領域
AR3 作業可能エリア
WP ウェイポイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12