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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145899
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
F16K31/06 305L
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058479
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二
(72)【発明者】
【氏名】岡本 将佳
(72)【発明者】
【氏名】二宮 誠
(72)【発明者】
【氏名】早▲瀬▼ 友哉
(72)【発明者】
【氏名】神谷 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】兼子 直人
【テーマコード(参考)】
3H106
【Fターム(参考)】
3H106DA05
3H106DA13
3H106DA23
3H106DA36
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106DC02
3H106DC17
3H106DD09
3H106EE42
3H106GB08
3H106KK12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電磁弁に異物が流れ込むことを抑制できる弁装置を提供する。
【解決手段】弁装置1は、第1弁口11aを有する第1弁室11と、第2弁口12aを有する第2弁室12と、第1弁口と第2弁口とを繋ぐ弁通路13と、第2弁口の周囲の弁座15と、を含むハウジング2と、第1弁室に収容され且つ第1弁口を開閉する第1弁体31と、電磁力により第1弁体を移動させるソレノイド36とを含む電磁弁3と、第2弁室に収容され且つ弁座に対して着座及び離反する第2弁体41を含む逆流絞り弁4とを備え、逆流絞り弁は、弁通路のガスに押されることによって第2弁体が弁座から離反し、且つ第2弁室のガスに押されて第2弁体が弁座に着座して第2弁室から弁通路へのガスの流れを絞る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1弁口を有する第1弁室と、第2弁口を有する第2弁室と、前記第1弁口と前記第2弁口とを繋ぐ弁通路と、前記第2弁口の周囲の弁座と、を含むハウジングと、
前記第1弁室に収容され且つ前記第1弁口を開閉する第1弁体と、電磁力により前記第1弁体を移動させるソレノイドとを含む電磁弁と、
前記第2弁室に収容され且つ前記弁座に対して着座及び離反する第2弁体を含む逆流絞り弁とを備え、
前記逆流絞り弁は、前記弁通路のガスに押されることによって前記第2弁体が前記弁座から離反し、且つ前記第2弁室のガスに押されて前記第2弁体が前記弁座に着座して前記第2弁室から前記弁通路へのガスの流れを絞る、弁装置。
【請求項2】
前記第2弁体は、前記ハウジングに摺動可能に収容され、外周面に少なくとも1つの切欠きを有し、
前記切欠きは、前記第2弁体の外周面と前記ハウジングとの間に流路を成している、請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
前記第2弁体は、前記弁座に着座するシート部を有し、
前記シート部は、前記流路と前記第2弁口とを繋ぐスリットを少なくとも1つ有している、請求項2に記載の弁装置。
【請求項4】
前記第2弁体は、複数の前記切欠きと、複数の前記スリットとを、有し、
前記複数のスリットの各々は、前記第2弁体の軸方向に見て前記複数の切欠きの各々と互いに位相をずらして配置されている、請求項3に記載の弁装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記第2弁室に開口する流入出通路を更に含み、
前記第2弁体は、前記流入出通路の開口に対向する捕捉孔を有している、請求項1乃至4の何れか1つに記載の弁装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、弁挿通孔を有するハウジング本体と、前記弁挿通孔に収容されているシート体と、を含み、
前記第1弁室は、前記ハウジング本体及び前記シート体のうち少なくとも一方にあり、
前記第2弁室は、前記ハウジング本体及び前記シート体の少なくとも一方にあり、
前記シート体は、前記弁通路を有している、請求項1乃至5の何れか1つに記載の弁装置。
【請求項7】
前記逆流絞り弁及び前記電磁弁は、前記シート体を挟んで互いに対向している、請求項6に記載の弁装置。
【請求項8】
前記シート体は、外周面に周方向全周にわたって延在するシール溝と前記弁通路を有するシート体本体と、前記シール溝に配置されるシール部材と、前記シート体本体に外装される絞り部材とを含み、
前記シート体本体は、軸方向一方側に前記電磁弁が配置され、且つ軸方向他方側に前記逆流絞り弁が配置され、
前記シール部材は、前記シート体本体と前記ハウジング本体との間を封止し、
前記絞り部材は、前記シール溝の軸方向他方側であって前記シート体本体と前記ハウジング本体との間に配置され、且つ通過するガスの流量を絞る、請求項6又は7に記載の弁装置。
【請求項9】
前記逆流絞り弁は、前記弁通路のガス圧と前記第2弁室のガス圧とが互いに抗する方向に前記第2弁体に作用し、前記2つのガス圧の差圧に応じて前記第2弁体が前記第2弁口を開閉するばねレス弁である、請求項1乃至8の何れか1つに記載の弁装置。
【請求項10】
弁挿通孔を有するハウジング本体と、第1弁口及び第2弁口を繋ぐ弁通路を有し且つ前記弁挿通孔に収容されているシート体と、を含むハウジングと、
前記弁挿通孔に収容され且つ前記シート体に対して着座及び離反することによって前記第1弁口を開閉する第1弁と、
前記弁挿通孔に収容され且つ前記シート体に対して着座及び離反することによって前記第2弁口を開閉する第2弁とを備え、
前記第1弁は、電磁弁であり、
前記第2弁は、逆流絞り弁、逆止弁、又は過流防止弁である、弁装置。
【請求項11】
第1弁口を有する第1弁室と、第2弁口を有する第2弁室と、前記第1弁口と前記第2弁口とを繋ぐ弁通路とを含むハウジングと、
前記第1弁室に収容され且つ前記第1弁口を開閉する第1弁体と、電磁力により前記第1弁体を移動させるソレノイドとを含む電磁弁と、
前記第2弁室に移動可能に収容され且つ前記第2弁口を開閉する第2弁体を含むばねレス弁とを備え、
前記第2弁体は、前記弁通路のガス圧と前記第2弁室のガス圧とを互いに抗する方向に受圧し、前記2つのガス圧の差圧に応じて前記第2弁口を開閉する、弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスの流れを制御する弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弁装置として、例えば特許文献1のような電磁弁が知られている。特許文献1の電磁弁は、ガスの流れを制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-48916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電磁弁が使用される環境下では、流れるガスに、例えば水分などの異物が含まれていることがある。このような異物は、電磁弁の開閉動作や制御性に影響を与える。
【0005】
そこで本発明の目的は、電磁弁に異物が流れ込むことを抑制できる弁装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の弁装置は、第1弁口を有する第1弁室と、第2弁口を有する第2弁室と、前記第1弁口と前記第2弁口とを繋ぐ弁通路と、前記第2弁口の周囲の弁座と、を含むハウジングと、前記第1弁室に収容され且つ前記第1弁口を開閉する第1弁体と、電磁力により前記第1弁体を移動させるソレノイドとを含む電磁弁と、前記第2弁室に収容され且つ前記弁座に対して着座及び離反する第2弁体を含む逆流絞り弁とを備え、前記逆流絞り弁は、前記弁通路のガスに押されることによって前記第2弁体が前記弁座から離反し、且つ前記第2弁室のガスに押されて前記第2弁体が前記弁座に着座して前記第2弁室から前記弁通路へのガスの流れを絞るものである。
【0007】
第1の発明に従えば、第2弁口に逆流絞り弁を配置することによって、弁通路を介して電磁弁から逆流絞り弁に流されるガスの流量を確保することができる。他方、弁通路を介して逆流絞り弁から電磁弁に導かれるガスの流量を絞ることができる。これにより、弁通路を介して電磁弁に導かれるガスに異物が含まれる場合において、多量の異物が電磁弁に導かれることを抑制できる。
【0008】
第2の発明の弁装置は、弁挿通孔を有するハウジング本体と、第1弁口及び第2弁口を繋ぐ弁通路を有し且つ前記弁挿通孔に収容されているシート体と、を含むハウジングと、前記弁挿通孔に収容され且つ前記シート体に対して着座及び離反することによって前記第1弁口を開閉する第1弁と、前記弁挿通孔に収容され且つ前記シート体に対して着座及び離反することによって前記第2弁口を開閉する第2弁とを備え、前記第1弁は、電磁弁であり、前記第2弁は、逆流絞り弁、逆止弁、又は過流防止弁であるものである。
【0009】
第2の発明に従えば、第2弁口に逆流絞り弁を配置することによって、弁通路を介して電磁弁から逆流絞り弁に流されるガスの流量を確保することができる。他方、弁通路を介して逆流絞り弁から電磁弁に導かれるガスの流量を絞ることができる。これにより、弁通路を介して電磁弁に導かれるガスに異物が含まれる場合において、多量の異物が電磁弁に導かれることを抑制できる。
【0010】
第3の発明の弁装置は、第1弁口を有する第1弁室と、第2弁口を有する第2弁室と、前記第1弁口と前記第2弁口とを繋ぐ弁通路とを含むハウジングと、前記第1弁室に収容され且つ前記第1弁口を開閉する第1弁体と、電磁力により前記第1弁体を移動させるソレノイドとを含む電磁弁と、前記第2弁室に移動可能に収容され且つ前記第2弁口を開閉する第2弁体を含むばねレス弁とを備え、前記第2弁体は、前記弁通路のガス圧と前記第2弁室のガス圧とを互いに抗する方向に受圧し、前記2つのガス圧の差圧に応じて前記第2弁口を開閉するものである。
【0011】
第3の発明に従えば、弁通路のガス圧及び第2弁室のガス圧の差圧によって第2弁体を移動させることができる。それ故、電磁弁によって第1弁口を開いて弁通路から流入出通路にガスを流した後、第2弁口を開いたままにすることができる。これにより、ばねレス弁においてチャタリングが発生することを抑制できる。他方、第2弁室から第2弁口を介して弁通路にガスが流れようとすると、第2弁口を閉じることができる。それ故、ガスと共に第2弁室から第2弁口を介して弁通路に流れてくる異物が電磁弁に導かれることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
第1乃至第3の発明によれば、電磁弁に異物が流れ込むことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の弁装置を示す断面図である。
図2図1の弁装置一部分を拡大して示す拡大断面図である。
図3図2の逆流絞り弁の第2弁体を示す斜視図である。
図4図3の第2弁体を紙面手前側から見た底面図である。
図5図2の第2弁体を拡大して示す拡大断面図である。
図6】本発明の別形態の弁装置の一部分を拡大して示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態の弁装置1について前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する弁装置1は、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。なお、本発明は、実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0015】
<弁装置>
図1に示す第1実施形態の弁装置1は、ガスの流れを制御する。制御対象のガスは、本実施形態において水素ガスである。但し、ガスは、水素に限定されず、ヘリウム、窒素、及び天然ガス等の他のガスであってもよい。弁装置1は、ガスが流れる流路に介在する。弁装置1は、例えばガスが充填される圧力容器に設けられるタンクバルブに備わっている。弁装置1は、高圧タンク内に貯留されるガスの充填及び排出を制御する。弁装置1は、逆流絞り弁付き電磁弁装置であって、ハウジング2と、電磁弁3と、逆流絞り弁4とを備えている。
【0016】
<ハウジング>
ハウジング2は、第1弁室11と、第2弁室12と、弁通路13と、第1弁座14と、第2弁座15と、を含んでいる。また、ハウジング2は、ハウジング本体21と、シート体22とを含む。ハウジング2は、前述する流路を構成する第1流路部2a及び第2流路部2bを含んでいる。第1流路部2aは、例えば高圧タンク(図示せず)に繋がっている。第2流路部2bは、例えばタンクバルブの入出口に繋がっている。
【0017】
第1弁室11は、第1弁口11aを有する。第1弁室11は、第1流路部2aに接続されている。第2弁室12は、第2弁口12aを有している。第2弁室12は、第2流路部2bに接続されている。弁通路13は、第1弁口11aと第2弁口12aとを繋いでいる。第1弁座14は、第1弁口11aの周囲に形成されている。第2弁座15は、第2弁口12aの周囲に形成されている。第2弁座15は、第2弁口12aに向かって縮径している。即ち、第2弁座15は、テーパ状に形成されている。
【0018】
<ハウジング本体>
ハウジング本体21は、弁挿通孔21aと、前述する第1流路部2a及び第2流路部2bとを有している。弁挿通孔21aは、所定の軸線L1に沿って延在する有底の孔である。弁挿通孔21aは、軸線L1が延びる軸方向の一方側から順に大径部21e、中径部21d、小径部21cを有している。第1流路部2aは、中径部21dに繋がっている。なお、弁挿通孔21aは、必ずしも有底の孔である必要はない。第2流路部2bは、小径部21cに繋がっている。
【0019】
<シート体>
図2に示すようにシート体22は、弁挿通孔21aに収容されている。より詳細に説明すると、シート体22は、軸線が軸線L1と一致するように弁挿通孔21aに挿入されている。シート体22の軸方向他方側の端部は、弁挿通孔21aの底部に当接している。シート体22は、小径部21cから中径部21dにかけて配置されている。また、シート体22は、弁挿通孔21aにシールされた状態で挿入されている。これにより、シート体22は、中径部21d及び小径部21cの各々においてハウジング本体21との間に第1及び第2環状空間23,24を形成している。
【0020】
また、シート体22は、第1弁室11と、第2弁室12と、弁通路13と、第1弁座14と、第2弁座15とを有している。シート体22は、軸方向に延びる内孔22aを有しており、本実施形態において有底円筒状になっている。内孔22aは、第1弁室11と、第2弁室12と、弁通路13とを有している。第1弁室11は、内孔22aにおいて軸方向一方側に位置している。そして、第1弁室11は、軸方向一方側において外方に開口している。また、第1弁室11は、軸方向他方側において第1弁口11aを有している。第2弁室12は、内孔22aにおいて軸方向他方側に位置している。第2弁室12は、軸方向一方側に第2弁口12aを有している。弁通路13は、内孔22aにおいて第1弁室11と第2弁室12との間に位置している。そして、弁通路13は、第1弁口11aと第2弁口12aとを繋いでいる。また、第1弁室11及び第2弁室12は、弁通路13より大径に形成されている。第1弁座14は、第1弁口11aの周囲に形成され、第2弁座15は、第2弁口12aの周囲に形成されている。
【0021】
更に、シート体22は、連通路22bと、流入出通路22cとを含んでいる。連通路22bは、シート体22において第1弁室11に対応する位置に形成されている。本実施形態では、シート体22において4つ連通路22bが形成されている。連通路22bは、第1環状空間23を介して第1弁室11と第1流路部2aとを繋いでいる。流入出通路22cは、シート体22において第2弁室12より更に軸方向他方側に位置している。本実施形態において、流入出通路22cは、シート体22の底部に形成されている。また、流入出通路22cは、複数の出入口22dと、入出口22eを有している。複数の出入口22dは、第2環状空間24に開口している。入出口22eは、第2弁室12に開口し、入出口22eの中心が軸線L1上に位置するように配置されている。流入出通路22cは、第2環状空間24を介して第2弁室12と第2流路部2bとを繋いでいる。
【0022】
更に、シート体22は、シート体本体25と、シール部材26と、絞り部材27とを含んでいる。シート体本体25は、前述する第1弁室11、第2弁室12、弁通路13、第1弁座14、及び第2弁座15を有している。また、シート体本体25は、シール溝25aと、収容溝25bとを有している。シール溝25aは、シート体本体25の外周面において周方向全周にわたって延在している。収容溝25bもまた、シート体本体25の外周面において全周にわたって延在している。そして、収容溝25bは、シール溝25aより軸方向他方側に位置している。
【0023】
シール部材26は、シール溝25aに配置されている。シール部材26は、シール溝25aに配置された状態で弁挿通孔21aの内周面に当接している。そして、シール部材26は、シート体本体25とハウジング本体21との間を封止している。これにより、第1環状空間23と第2環状空間24との間が封止される。シール部材26は、本実施形態においてOリングである。シール溝25aには、バックアップリング28が配置されている。バックアップリング28は、シール溝25aにおいてシール部材26より軸方向他方側に位置している。バックアップリング28は、シール部材26の軸方向他方側への移動を阻止している。
【0024】
絞り部材27は、シート体本体25に外装されている。絞り部材27は、シール溝25aの軸方向他方側に位置し、且つシート体本体25とハウジング本体21との間に配置されている。より詳細に説明すると、絞り部材27は、収容溝25bに収容されている。そして、絞り部材27は、シート体本体25とハウジング本体21との間を通過するガスの流量を絞る。絞り部材27は、本実施形態においてバックアップリングである。但し、絞り部材27は、バックアップリングに限定されない。絞り部材27は、シート体本体25とハウジング本体21との間を通過するガスの流量を絞ることができればよい。
【0025】
<電磁弁>
第1弁の一例である電磁弁3は、第1弁体31と、第1ばね部材32と、パイロット弁体33と、プランジャ34と、案内部材35と、ソレノイド36と、固定磁極37と、第2ばね部材38とを備えている。図1に示すように、電磁弁3は弁挿通孔21aに収容されている。より詳細に説明すると、電磁弁3は、弁挿通孔21aにおいて弁通路13より軸方向一方側に配置されている。電磁弁3は、電磁力により、シート体22に対して着座及び離反する。これにより、電磁弁3は第1弁口11aを開閉する。電磁弁3は、パイロット式の電磁弁である。電磁弁3では、弁通路13において第2弁口12aから第1弁口11aにガスが流れると第1弁口11aが開き、その逆方向への流れを阻止する。
【0026】
<第1弁体>
図2に示すように第1弁体31は、第1弁室11に収容されている。そして、第1弁体31は、第1弁室11を移動する。第1弁体31は、移動することによってシート体22に対して着座及び離反する。より詳細に説明すると、第1弁体31は、第1弁座14に着座する。第1弁座14に着座することによって、第1弁口11aが閉じられる。また、第1弁体31には、第1ばね部材32が外装されている。第1弁体31は、第1ばね部材32によって付勢されて第1弁座14から離反する。第1弁座14から離反することによって、第1弁口11aが開く。
【0027】
また、第1弁体31は、内通路31aを有している。内通路31aは、第1弁体31を貫通している。内通路31aは、軸方向一方側において第1弁口11aの開閉状態に関わらず弁通路13と繋がっている。内通路31aの軸方向中間部分には、パイロット弁体用弁座31bが形成されている。
【0028】
<パイロット弁体>
パイロット弁体33は、第1弁体31の内通路31aを開閉する。更に詳細に説明すると、パイロット弁体33は、第1弁体31の内通路31aに摺動可能に挿入されている。また、パイロット弁体33は、第2ばね部材38によって付勢されている。パイロット弁体33は、付勢されることによって第1弁体31のパイロット弁体用弁座31bに着座する。これにより、内通路31aが閉じられる。また、第2ばね部材38は、パイロット弁体33を介して第1弁体31を付勢することによって第1弁座14に押し付ける。これにより、第1弁口11aが閉じられる。
【0029】
<プランジャ>
プランジャ34は、磁性材料から成る筒状部材である。プランジャ34は、軸方向に移動可能に弁挿通孔21aに挿入されている。更に、プランジャ34には、パイロット弁体33が挿通され、且つパイロット弁体33が係合している。それ故、プランジャ34が軸方向一方に移動すると、パイロット弁体33が持ち上がる。これにより、パイロット弁体33をパイロット弁体用弁座31bから離すことができる。
【0030】
<案内部材>
案内部材35は、金属製の筒状部材である。案内部材35は、弁挿通孔21aに挿入されている。案内部材35には、パイロット弁体33及びプランジャ34が挿通されている。案内部材35は、プランジャ34を軸方向に摺動案内する。また、案内部材35は、シート体22の軸方向一方側の端部に当接している。案内部材35は、弁挿通孔21aの底部と共にシート体22を挟持している。
【0031】
<ソレノイド及び固定磁極>
ソレノイド36は、電磁力によって第1弁体31を移動させる。ソレノイド36は、ハウジング2に収容されている。より詳細に説明すると、ソレノイド36は、弁挿通孔21aに挿入され、且つ案内部材35に外装されている。ソレノイド36は、通電されると磁界を発生する。固定磁極37は、弁挿通孔21aの開口を塞ぐようにハウジング本体21に設けられている。そして、固定磁極37は、ハウジング本体21と共にソレノイド36を挟持している。固定磁極37は、先端部分を案内部材35に挿入させている。固定磁極37は、ソレノイド36と協働して励磁力を発生させる。これにより、プランジャ34が軸方向一方側に移動し、それに連動するようにパイロット弁体33が軸方向一方に移動する。それ故、内通路31aが開かれる。そうすると、弁通路13の圧力と第1弁室11との差圧が小さくなるので、第1弁体31が第1ばね部材32によって第1弁座14から離される。これにより、第1弁口11aが開く。
【0032】
<逆流絞り弁>
第2弁の一例である逆流絞り弁4は、第2弁体41を有している。逆流絞り弁4は、図2に示すように弁挿通孔21aに収容されている。より詳細に説明すると、逆流絞り弁4は、弁挿通孔21aにおいて弁通路13より軸方向他方側に配置されている。逆流絞り弁4は、シート体22に対して着座及び離反する。これにより、逆流絞り弁4は、第2弁口12aを開閉する。逆流絞り弁4は、弁通路13から第2弁室12への流れを許容し、第2弁室12から弁通路13に流れるガスの流量を絞る。更に、逆流絞り弁4は、本実施形態においてばねレス弁である。即ち、逆流絞り弁4は、ばねを含んでおらず、互いに対抗する弁通路13のガス圧と第2弁室12のガス圧との差圧に応じて作動する。なお、逆流絞り弁4は、必ずしもばねレス弁に限定されない。
【0033】
<第2弁体>
第2弁体41は、ハウジング2に摺動可能に収容されている。より詳細に説明すると、第2弁体41は、シート体22の第2弁室12に摺動可能に収容されている。第2弁体41は、移動することによって第2弁座15に対して着座及び離反する。これにより、第2弁体41によって第2弁口12aが開閉される。
【0034】
また、第2弁体41は、互いに抗する弁通路13のガス圧及び第2弁室12のガス圧を受けている。本実施形態において、第2弁体41は、ばねによって付勢されておらず、互いに抗する弁通路13のガス圧及び第2弁室12のガス圧の差圧に応じて移動する。第2弁体41は、弁通路13のガスに押されることによって第2弁座15から離反する。これにより、第2弁口12aが開かれるので、弁通路13から第2弁室12にガスが流れる。他方、第2弁体41は、第2弁室12のガスに押されることによって第2弁座15に着座する。これにより、第2弁口12aが開じれられる。本実施形態において、第2弁体41は、着座時において第2弁口12aを閉じつつ、絞られた流量のガスを第2弁室12から弁通路13に流す。第2弁体41は、例えば有底筒状に形成されている。第2弁体41は、図3乃至5に示すように複数の切欠き42と、シート部43と、捕捉孔44とを有している。
【0035】
複数の切欠き42は、第2弁体41の外周面にある。本実施形態において、第2弁体41は、外周面に4つの切欠き42を有している。そして、4つの切欠き42は、第2弁体41の外周面において等間隔に配置されている。即ち、4つの切欠き42は、第2弁体41の外周面において90度の間隔をあけて配置されている。また、切欠き42は、第2弁体41の外周面とハウジング2との間に流路46を成している。更に詳細に説明すると、切欠き42の各々は、第2弁体41の外周面において径方向に直交する平坦な面を形成する。これにより、第2弁体41において、第2弁体41の軸線(本実施形態において軸線L1に一致)に直交する断面が角丸正方形に形成される。それ故、切欠き42によって第2弁体41の外周面とハウジング2との間に4つの流路46が形成されると共に、第2弁体41が丸角41aでハウジング2(より詳細に説明すると第2弁室12)に軸方向に摺動可能に支持される。
【0036】
シート部43は、図2に示すように第2弁座15に着座する。シート部43は、図3乃至5に示すように例えば第2弁体41の先端部に配置されている。シート部43は、第2弁座15に対向配置されている(図2参照)。それ故、シート部43は、第2弁室12のガスに押されることによって第2弁座15に着座する。本実施形態において、シート部43は、部分球面状に形成されている。また、シート部43は、図3乃至5に示すように複数のスリット43aを有している。
【0037】
複数のスリット43aは、図2に示すように流路46と第2弁口12aとを繋いでいる。より詳細に説明すると、複数のスリット43aは、シート部43において第2弁座15に着座する部分43bに配置されている(図4及び5の二点鎖線で挟まれた領域)。それ故、複数のスリット43aは、着座時において流路46と第2弁口12aとを繋ぐ。複数のスリット43aを介して流路46と第2弁口12aとが繋がることによって、第2弁室12から弁通路13に流れるガスの流量が絞られる。本実施形態において、複数のスリット43aは、楕円形状に形成されている。複数のスリット43aは、シート部43において着座する部分43bを跨いでいる。
【0038】
また、複数のスリット43aは、第2弁体41の軸方向(本実施形態において、弁装置1の軸方向と同じであり、以下単に「軸方向」という)他方に見て複数の切欠き42の各々と互いに位相をずらして配置されている。より詳細に説明すると、複数のスリット43aの各々は、複数の切欠き42の各々に対して、軸方向他方に見て軸線L1を中心とする周方向に所定角度ずらして配置されている。本実施形態において、4つのスリット43aの各々は、各切欠き42に対して軸方向他方に見て軸線L1を中心とする周方向に45度ずらして配置されている。
【0039】
捕捉孔44は、流入出通路22cの開口である入出口22eに対向している。捕捉孔44は、第2弁体41の軸線に平行に延在している。本実施形態において、捕捉孔44は、第2弁体41の内孔である。捕捉孔44は、開口を入出口22eに臨ませている。それ故、ガスと共に流入出通路22cの入出口22eから第2弁室12に異物が流入する場合、異物が捕捉孔44に流れ込むので、捕捉孔44は異物を捕捉することができる。なお、捕捉される異物は、例えば水である。但し、異物は水分以外の液体、並びに前記液体が固化したもの及びコンタミ等の固形物であってもよい。
【0040】
<弁装置の動作>
弁装置1では、無通電状態において電磁弁3の第1弁体31が第1弁座14に着座している。これにより、第1弁口11aが閉じられているので、弁装置1におけるガスの流れが止まっている。第2流路部2bに第1弁室11のガス圧より高圧のガスが導かれると、以下のように動作する。即ち、ガスは、第2流路部2bから流入出通路22cを介して第2弁室12に導かれる。第2弁室12に導かれるガスは、入出口22eが捕捉孔44に臨んでいるので、捕捉孔44に向かって噴き出される。それ故、ガスと共に流れる異物が捕捉孔44に流れ込むので、異物が捕捉孔44に捕捉される。
【0041】
また、第2弁室12に流れ込むガスは、第2弁体41を押すことによって第2弁体41を第2弁座15に着座させる。より詳細に説明すると、第2弁室12に流れ込むガスのガス圧が弁通路13のガス圧より高くなる。それ故、第2弁体41が第2弁座15に着座する。そうすると、第2弁室12のガスは、第2弁体41の周りの流路46を通った後、スリット43aによって流量を絞られて弁通路13に流れる。弁通路13に流れたガスは、第2ばね部材38の付勢力に抗して第1弁体31を持ち上げる。これにより、第1弁口11aが開く。そうすると、ガスが、弁通路13から第1弁室11、連通路22b、及び第1環状空間23を介して第1流路部2aに導かれる。その後、第1流路部2aのガス圧と弁通路13のガス圧との差圧(即ち、第1流路部2aと第2流路部2bとの差圧)が所定値になると、第1弁体31が第1弁座14に着座する。これにより、第1弁口11aが閉じられるので、第2流路部2bから第1流路部2aへのガスの流れが止まる。
【0042】
次に、ソレノイド36に通電されると、励磁力が発生することによって第1弁体31が移動する。これにより、第1弁体31が第1弁座14から離反する。より詳細に説明すると、ソレノイド36に通電されると、プランジャ34が励磁力によって固定磁極37に吸着される。これにより、パイロット弁体33が第2ばね部材38の付勢力に抗して持ち上げられるので、内通路31aが開く。そうすると、第1弁室11のガス圧と弁通路13のガス圧の差が小さくなるので、第1弁体31が第1ばね部材32によって持ち上げられる。それ故、第1弁体31が第1弁座14から離れることによって第1弁口11aが開く。そして、第1環状空間23、連通路22b、及び第1弁室11を介して第1流路部2aと弁通路13とが繋がる。
【0043】
また、第1流路部2aと弁通路13とが繋がった際に弁通路13のガス圧が第2弁室12のガス圧より高くなると、弁通路13のガスによって第2弁体41が押される。押されることによって第2弁体41が第2弁座15から離反する。これにより、第2弁口12aが開くので、弁通路13から第2弁室12、流入出通路22c、及び第2環状空間24を介して第2流路部2bにガスが流れる。そうすると、第1流路部2aを流れるガスを第2流路部2bに導くことができる。その後、無通電状態になると、吸着されていたプランジャ34が固定磁極37から離れる。そうすると、第1弁体31がパイロット弁体33を介して第2ばね部材38に押されることによって第1弁座14に着座する。これにより、第1弁口11aが閉じられるので、第1流路部2aから第2流路部2bへのガスの流れが止まる。なお、この際、ばねレス弁である逆流絞り弁4では、第2弁体41が第2弁座15から離反した状態のままとなる。そして、第2流路部2bから第2弁室12にガスが再び導かれると、第2弁体41は、前述の通り第2弁座15に着座する。
【0044】
第1実施形態の弁装置1に従えば、第2弁口12aに逆流絞り弁4を配置することによって、弁通路13を介して電磁弁3から逆流絞り弁4に流されるガスの流量を確保することができる。他方、弁通路13を介して逆流絞り弁4から電磁弁3に導かれるガスの流量を絞ることができる。これにより、弁通路13を介して逆流絞り弁4から電磁弁3に導かれるガスに異物が含まれる場合において、多量の異物が電磁弁3に導かれることを抑制できる。水分などの液体は低温で固化するが、例えば、第1実施形態の弁装置1では、電磁弁3内部の水分の固化を抑制できる。
【0045】
また、第1実施形態の弁装置1に従えば、第2弁体41の外周面に切欠き42を形成することによって、ハウジング2に対して第2弁体41が摺動する部分(即ち、第2弁体41の摺動部分)を少なくすることができる。これにより、ガスと共に流れる異物が第2弁体41の摺動部分とハウジング2との間に入り込むことを抑制することができる。なお、本実施形態において、第2弁体41は、ハウジング2に対して丸角41aが当接している。そして、丸角41aが第2弁体41の摺動部分となっている。それ故、第2弁体41の摺動部分が少ない。これにより、異物が第2弁体41の摺動部分とハウジング2との間に入り込むことが抑制されている。
【0046】
また、第1実施形態の弁装置1に従えば、流路46と第2弁口12aとを繋ぐスリット43aをシート部43が有している。それ故、第2弁体41が着座した際、スリット43aを介して流路46から第2弁口12aにガスを流すことができる。即ち、逆流絞り弁4から電磁弁3にガスを流すことができ、また流れるガスの流量を絞ることができる。
【0047】
また、第1実施形態の弁装置1に従えば、複数のスリット43aの各々は、軸方向他方に見て複数の切欠き42の各々と互いに位相をずらして配置されている。それ故、ガスと共に流れてくる異物が流路46から直接スリット43aに流れ込むことを抑制することができる。これにより、逆流絞り弁4から電磁弁3に異物が流れることを抑制することができる。
【0048】
また、第1実施形態の弁装置1に従えば、第2弁体41が流入出通路22cの入出口22eに対向する捕捉孔44を有している。それ故、流入出通路22cから第2弁室12に流入するガスと共に流れる異物を捕捉孔44にて捕捉することができる。これにより、逆流絞り弁4から電磁弁3に異物が流れることを更に抑制することができる。
【0049】
また、第1実施形態の弁装置1に従えば、ハウジング2は、シート体22を含んでいる。弁装置1においてシート体22を用いることによって、弁挿通孔21aに電磁弁3及び逆流絞り弁4の各々を容易に配置することができる。
【0050】
また、第1実施形態の弁装置1に従えば、逆流絞り弁4及び電磁弁3は、シート体22を挟んで互いに対向している。それ故、逆流絞り弁4及び電磁弁3は、シート体22を共用することができる。これにより、弁装置1の部品点数を削減することができる。
【0051】
また、第1実施形態の弁装置1に従えば、絞り部材27によって、シート体本体25とハウジング本体21との間を通って逆流絞り弁4からシール溝25aに流れ込むガスの流量を抑制することができる。また、絞り部材27は、シール溝25aから逆流絞り弁4にガスを抜くことができる。それ故、シール溝25aの内であってシール部材26より軸方向他方側にガスが貯まることを抑制できる。これにより、シール溝25aの内であってシール部材26より軸方向他方側に生じる内圧が上昇することを抑制できる。それ故、シール部材26が軸方向一方側に移動することを抑制できるので、シール部材26が破損等することを抑制できる。
【0052】
更に、第1実施形態の弁装置1では、逆流絞り弁4から電磁弁3に導かれるガスの流量を絞ることができるので、ガスが過剰に電磁弁3に逆流することが抑制される。これにより、電磁弁3のシート部43からガスが漏れることが抑制される。
【0053】
また、第1実施形態の弁装置1に従えば、逆流絞り弁4がばねレス弁である。それ故、電磁弁3によって第1弁口11aが開かれて弁通路13から第2弁室12にガスを流した後、第2弁口12aを開いたままにすることができる。これにより、逆流絞り弁4においてチャタリングが発生することを抑制できる。他方、第2弁室12から第2弁口12aを介して弁通路13にガスが流れる際には、第2弁口12aが閉じられる。それ故、ガスと共に第2弁室12から第2弁口12aを介して弁通路13に流れる異物が電磁弁3に導かれることを抑制することができる。
【0054】
また、第1実施形態の弁装置1に従えば、第2弁口12aに逆流絞り弁4を配置することによって、電磁弁3から弁通路13に流されるガスの流量を確保することができる。他方、弁通路13を介して逆流絞り弁4から電磁弁3に導かれるガスの流量を絞ることができる。これにより、弁通路13を介して逆流絞り弁4から電磁弁3に導かれるガスに異物が含まれる場合において、多量の異物が電磁弁3に導かれることを抑制できる。また、ハウジング2は、シート体22を含んでいる。弁装置1においてシート体22を用いることによって、弁挿通孔21aに電磁弁3及び逆流絞り弁4の各々を配置することができる。これより、弁装置1をコンパクト化することができる。
【0055】
また、第1実施形態の弁装置1に従えば、ばねレス弁である逆流絞り弁4は、弁通路13のガス圧及び第2弁室12のガス圧の差圧によって第2弁体41を移動させることができる。それ故、電磁弁3によって第1弁口11aを開いて弁通路13から第2弁室12にガスを流した後、第2弁口12aを開いたままにすることができる。これにより、逆流絞り弁4においてチャタリングが発生することを抑制できる。他方、第2弁室12から第2弁口12aを介して弁通路13にガスが流れようとすると、第2弁口12aを閉じることができる。それ故、ガスと共に第2弁室12から第2弁口12aを介して弁通路13に流れてくる異物が電磁弁3に導かれることを抑制することができる。
【0056】
<その他の実施形態について>
本実施形態の弁装置1において、電磁弁3はパイロット式の電磁弁であるが、必ずしも電磁弁3は前述するように構成されている必要はない。即ち、電磁弁3において、第1弁体31が固定磁極37に吸着される構成であってもよい。また、第2ばね部材38が第1弁体31を閉位置の方に付勢してもよい。更に、弁装置1の第1弁は、必ずしも電磁弁3に限定されず、リリーフ弁及び逆止弁等、他の弁であってもよい。
【0057】
また、第1実施形態の弁装置1において第2弁もまた、必ずしも逆流絞り弁4である必要はなく、逆止弁及び過流防止弁であってもよい。第2弁が逆止弁である場合、第2弁体41にスリット43aが形成されない。これにより、第2弁体41が第2弁座15に着座した際、第2弁室12から弁通路13への流れが阻止される。また、第2弁が過流防止弁の場合、第2弁体41がばね部材によって第2弁座15から離反する方向に付勢される。過流防止弁では、第2弁室12から弁通路13に所定の流量以上のガスが流れると、第2弁室12のガスがばね部材に抗して第2弁体41を押す。これにより、第2弁座15に着座し、第2弁口12aが閉じられる。それ故、弁通路13に流れるガスの流量を制限することができる。
【0058】
本実施形態の弁装置1において、第1弁室11及び第2弁室12は、シート体22に形成されているが、図6に示す別形態の弁装置1Aのようにハウジング本体21Aに形成されてもよい。より詳細に説明すると、シート体22Aは、弁通路13を有している。そして、シート体22は、弁挿通孔21aを第1弁室11及び第2弁室12に区画するようにハウジング本体21Aに設けられる。また、第2流路部2b(流入出通路に相当)の入出口22eが捕捉孔44に対向している。これにより、弁装置1Aでは、ハウジング本体21Aに第1弁室11及び第2弁室12が形成され、且つ弁装置1と同様の作用効果を奏する。
【0059】
また、本実施形態の弁装置1において、電磁弁3と逆流絞り弁4は、必ずしもシート体22を挟んで互いに対抗するように配置されている必要はない。例えば、電磁弁3と逆流絞り弁4は、平面視でL字状に配置されてもよく、また互いに軸がずれて配されてもよい。
【0060】
更に、本実施形態の弁装置1において、逆流絞り弁4は、必ずしもばねレス弁である必要はなく、第2弁体41が第2弁座15に向かってばねによって付勢されていてもよい。
【0061】
本実施形態の弁装置1において、切欠き42は、第2弁体41においてフラット面を形成しているが、必ずしもフラット面である必要はない。例えば、第2弁体41の外周面において、溝状の切欠き42が形成されていてもよい。切欠き42は、第2弁体41の外周面とハウジング2との間に流路を成すものであればよい。また、切欠き42の数も3つ以下又は5つ以上であってよい。更に、スリット43aの数も3つ以下又は4つ以下であってよい。そして、切欠き42とスリット43aの位置も必ずしも位相がずれている必要はなく、同位相であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1,1A 弁装置
2 ハウジング
2c 第2流路部(流入出通路)
2d 入出口(開口)
3 電磁弁
4 逆流絞り弁
11 第1弁室
11a 第1弁口
12 第2弁室
12a 第2弁口
13 弁通路
15 第2弁座(弁座)
21,21A ハウジング本体
21a 弁挿通孔
22,22A シート体
22c 流入出通路
22e 入出口(開口)
25 シート体本体
25a シール溝
26 シール部材
27 絞り部材
31 第1弁体
36 ソレノイド
41 第2弁体
42 切欠き
43 シート部
43a スリット
43b 部分
44 捕捉孔
46 流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6