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特開2024-145900タンクバルブ装置、及びバルブブロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145900
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】タンクバルブ装置、及びバルブブロック
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/04 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
F17C13/04 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058480
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135220
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 祥二
(72)【発明者】
【氏名】岡本 将佳
(72)【発明者】
【氏名】二宮 誠
(72)【発明者】
【氏名】早▲瀬▼ 友哉
(72)【発明者】
【氏名】原田 大司
(72)【発明者】
【氏名】三好 良
(72)【発明者】
【氏名】長尾 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】神谷 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】兼子 直人
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172BA01
3E172JA01
3E172JA02
3E172JA04
3E172JA05
(57)【要約】
【課題】小型化できるタンクバルブ装置及びバルブブロックを提供すること
【解決手段】タンクバルブ装置は、タンクの口部に装着され、流体の入出口と、該入出口及びタンク内を繋ぐ流路とを含むバルブブロックと、流路を開閉する電磁弁と、流路の流れを止める手動弁と、タンク外の温度が所定の温度を超えると流体を放出する安全弁と、を備え、入出口及び電磁弁は、バルブブロックにおいてタンク外であって該バルブブロックの四方のうちの1つである第1側方に配置され、手動弁及び安全弁は、バルブブロックにおいてタンク外であって且つ残りの三方のうちの2つである第2側方及び第3側方に夫々配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクの口部に装着され、流体の入出口と、該入出口及び前記タンク内を繋ぐ流路とを含むバルブブロックと、
前記流路を開閉する電磁弁と、
前記流路の流れを止める手動弁と、
前記タンク外の温度が所定の温度を超えると流体を放出する安全弁と、を備え、
前記入出口及び前記電磁弁は、前記バルブブロックにおいて前記タンク外であって該バルブブロックの四方のうちの1つである第1側方に配置され、
前記手動弁及び前記安全弁は、前記バルブブロックにおいて前記タンク外であって且つ残りの三方のうちの2つである第2側方及び第3側方に夫々配置されている、タンクバルブ装置。
【請求項2】
前記入出口及び前記電磁弁は、前記バルブブロックにおいて第1側方に臨む第1面に配置され、
前記手動弁は、前記バルブブロックにおいて第2側方に臨む第2面に配置され、
前記安全弁は、前記バルブブロックにおいて第3側方に臨む第3面に配置されている、請求項1に記載のタンクバルブ装置。
【請求項3】
前記タンク内の流体を外方に放出する圧抜弁を更に備え、
前記圧抜弁は、前記バルブブロックにおいて前記タンク外であって、且つ四方のうち第1乃至第3側方と異なる第4側方に配置されている、請求項1又は2に記載のタンクバルブ装置。
【請求項4】
前記バルブブロックは、前記タンク外に配置されているブロック本体と、前記タンクの口部に装着される栓部と、を更に含み、
前記入出口、前記電磁弁、及び前記手動弁の各々の軸線は、前記栓部の軸線に直交する仮想平面上に配置されている、請求項1乃至3の何れか1つに記載のタンクバルブ装置。
【請求項5】
前記バルブブロックは、前記流路である入出流路と異なる放出流路を含み、
前記安全弁は、前記放出流路に接続され、且つ該安全弁の軸線が前記仮想平面より前記タンク側に配置されている、請求項4に記載のタンクバルブ装置。
【請求項6】
前記放出流路は、前記栓部の軸方向に見て前記入出流路と交差し且つ前記栓部の軸方向において前記入出流路とずれている、請求項5に記載のタンクバルブ装置。
【請求項7】
前記バルブブロックは、前記タンク外に配置されているブロック本体と、前記タンクの口部に装着される栓部と、前記タンクの内外を繋ぎ且つ配線が通される配線通路と、を更に含み、
前記配線通路は、前記栓部の軸方向に見て前記流路と交差し且つ前記栓部の軸方向において前記流路とずれている、請求項1乃至6の何れか1つに記載のタンクバルブ装置。
【請求項8】
前記バルブブロックは、前記タンク外に配置されているブロック本体と、前記タンクの口部に装着される栓部と、前記タンク内外を繋ぎ且つ配線が通される配線通路と、を更に含み、
前記電磁弁は、前記栓部の軸方向に見て前記配線通路と交差している、請求項1乃至7の何れか1つに記載のタンクバルブ装置。
【請求項9】
前記バルブブロックは、前記流路である入出流路と異なる放出流路を含み、
前記放出流路は、前記流体を放出する放出口を有し、
前記放出口は、第2側方に配置されている、請求項1乃至8の何れか1つに記載のタンクバルブ装置。
【請求項10】
前記電磁弁、前記手動弁、及び前記安全弁は、前記バルブブロックを挟んで前記タンクの反対側から見て前記電磁弁、前記手動弁、及び前記安全弁の順番で、前記タンクの軸線を中心とする反時計回り方向に前記バルブブロックに配置されている、請求項9に記載のタンクバルブ装置。
【請求項11】
前記バルブブロックは、前記タンク外に配置されているブロック本体と、前記タンクの口部に装着される栓部と、前記流路である入出流路、該入出流路と異なり且つ前記栓部に配置される放出流路と、配線が通される配線通路とを含み、
前記入出流路は、前記ブロック本体に配置され且つ前記入出口に繋がる主流路部と、前記栓部に配置され且つ前記主流路部と前記タンク内とを夫々繋ぐ第1流路部及び第2流路部とを有し、
前記配線通路は、前記栓部に配置され、
前記入出口、前記電磁弁、及び前記手動弁は、前記主流路部に介在し且つ前記ブロック本体に配置され、
前記安全弁は、前記放出流路に介在し且つ前記ブロック本体に配置され、
前記放出流路、前記第1流路部、前記第2流路部、及び前記配線通路は、前記栓部の軸方向から見て前記栓部の軸線を原点とする4象限の各象限に位置する、請求項1乃至10の何れか1つに記載のタンクバルブ装置。
【請求項12】
タンクの口部に装着されるバルブブロックであって、
ブロック本体と、
流体の入出口と、
前記入出口と前記タンク内とを繋ぐ流路と、
前記流路を開閉する電磁弁が挿入されている第1弁孔と、
前記流路の流れを止める手動弁が挿入されている第2弁孔と、
前記流路を流れる流体が所定の温度を超えると流体を放出する安全弁が挿入されている第3弁孔とを有し、
前記入出口及び前記第1弁孔は、前記ブロック本体において前記タンク外であって該ブロック本体の四方のうちの1つである第1側方に配置され、
前記第2弁孔及び前記第3弁孔は、前記ブロック本体において前記タンク外であって且つ残りの三方のうちの2つである第2側方及び第3側方に夫々配置されている、バルブブロック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクの口部に装着されるタンクバルブ装置、及びバルブブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
タンクの口部には、タンク内に貯留される流体の流出入を制御すべくタンクバルブが装着されている。このようなタンクバルブ装置として、例えば特許文献1のような弁装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6568783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような弁装置では、バルブブロックに相当する基部に、手動弁、電磁弁、及び安全弁等の様々な弁が取り付けられている。また、バルブブロックには、複数の弁を夫々繋ぐように流路が形成されている。しかし、バルブブロックに複数の弁が取り付けられているので、流路構成が複雑化している。これにより、バルブブロックが大型化している。即ち、弁装置が大型化している。
【0005】
そこで本発明は、小型化できるタンクバルブ装置及びバルブブロックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のタンクバルブ装置は、タンクの口部に装着され、流体の入出口と、該入出口及び前記タンク内を繋ぐ流路とを含むバルブブロックと、前記流路を開閉する電磁弁と、前記流路の流れを止める手動弁と、前記タンク外の温度が所定の温度を超えると流体を放出する安全弁と、を備え、前記入出口及び前記電磁弁は、前記バルブブロックにおいて前記タンク外であって該バルブブロックの四方のうちの1つである第1側方に配置され、前記手動弁及び前記安全弁は、前記バルブブロックにおいて前記タンク外であって且つ残りの三方のうちの2つである第2側方及び第3側方に夫々配置されているものである。
【0007】
本発明に従えば、流路をバルブブロックの中央部分に纏めて、流路構成を簡素化することができる。これにより、バルブブロックを小型化することができる。
【0008】
本発明のバルブブロックは、タンクの口部に装着されるバルブブロックであって、ブロック本体と、流体の入出口と、前記入出口と前記タンク内とを繋ぐ流路と、前記流路を開閉する電磁弁が挿入されている第1弁孔と、前記流路の流れを止める手動弁が挿入されている第2弁孔と、前記流路を流れる流体が所定の温度を超えると流体を放出する安全弁が挿入されている第3弁孔とを有し、前記入出口及び前記第1弁孔は、前記ブロック本体において前記タンク外であって該ブロック本体の四方のうちの1つである第1側方に配置され、前記第2弁孔及び前記第3弁孔は、前記ブロック本体において前記タンク外であって且つ残りの三方のうちの2つである第2側方及び第3側方に夫々配置されているものである。
【0009】
本発明に従えば、流路をバルブブロックの中央部分に纏めて、流路構成を簡素化することができる。これにより、バルブブロックの小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のタンクバルブ装置によれば、タンクバルブを小型化することができる。
【0011】
本発明のバルブブロックによれば、バルブブロックを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のタンクバルブ装置を示す正面図である。
図2図1のタンクバルブ装置を切断線II-IIで切断した断面図である。
図3図2のタンクバルブ装置を分解して示す分解断面図である。
図4図1のタンクバルブ装置の平面図である。
図5図1のタンクバルブ装置において切断線V-Vで切断して見たときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態のタンクバルブ装置1、及びそこに備わるバルブブロック10について前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明するタンクバルブ装置1及びバルブブロック10は、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0014】
<タンクバルブ装置>
図1に示すタンク2は、流体を貯留することができる。本実施形態において、流体はガスである。タンク2には、タンクバルブ装置1が設けられている。タンクバルブ装置1は、タンク2の口部2aを封止している。これにより、タンク2が密閉される。また、タンクバルブ装置1は、オンタンク型のタンクバルブ装置である。そして、タンクバルブ装置1は、タンク2からガスを送出し、またガスの送出を止めることができる。更に、タンクバルブ装置1は、タンク2内にガスを充填させることができる。更に詳細に説明すると、タンクバルブ装置1は、図2及び3に示すようにバルブブロック10と、手動弁11と、電磁弁12と、安全弁13と、圧抜弁14と、を更に備えている。更に、タンクバルブ装置1は、図1に示すようにセンサ15も備えている。
【0015】
<バルブブロック>
バルブブロック10は、図1に示すようにタンク2の口部2aに挿通されている。より詳細に説明すると、バルブブロック10は、タンク2の口部2aに螺合されている。これにより、口部2aがバルブブロック10によって封止されている。
【0016】
また、バルブブロック10は、入出口21及び入出流路22を有している。入出口21は、ガスの入口(充填口)及び出口(送出口)の両方として使用される。入出口21は、バルブブロック10においてタンク2外に形成されている。流路である入出流路22は、タンク2内と入出口21とを繋いでいる。それ故、入出流路22は、タンク2内のガスを入出口21からタンク2外の機器等に送出することができる。また、入出流路22によって入出口21からタンク2内にガスを充填することができる。
【0017】
また、バルブブロック10は、放出流路23、圧抜流路24、及び配線通路25を更に含んでいる。放出流路23は、タンク2内外を繋いでいる。そして、放出流路23は、タンク2内のガスをタンク2外に放出する。圧抜流路24は、入出流路22を介してタンク2内と繋がっている。また、圧抜流路24は、タンク2外に繋がっている。それ故、圧抜流路24は、タンク2内のガスを抜くことができる。配線通路25は、タンク2内とタンク2外とを繋いでいる。そして、配線通路25には、センサ15の配線15bが通される。
【0018】
また、バルブブロック10は、第1乃至第4面17a~17dを有している。更に詳細に説明すると、バルブブロック10は、栓部16と、ブロック本体17と、を含んでいる。そして、本実施形態において、第1乃至第4面17a~17dは、バルブブロック10のブロック本体17に配置されている。以下では、栓部16及びブロック本体17について詳しく説明する。
【0019】
<栓部>
栓部16は、口部2aにシールされた状態で挿入されている。本実施形態において、栓部16は、口部2aに螺合されている。より詳細に説明すると、栓部16は、第1軸方向に延在している。本実施形態において、第1軸方向は栓部16の軸線である第1軸線L1が延在する方向である。そして、栓部16は、第1軸線L1を口部2aの軸線に一致させるようにして口部2aに挿通されている。
【0020】
<ブロック本体>
ブロック本体17は、タンク2外に配置されている。より詳細に説明すると、ブロック本体17は、口部2aから突出している。そして、ブロック本体17は、前述の通り、第1乃至第4面17a~17dを有している(図2及び3参照)。そして、第1面17aには、入出口21及び電磁弁12が配置されている。また、第2面乃至第4面17b~17dの各々には、手動弁11、安全弁13、及び圧抜弁14が配置されている。
【0021】
更に詳細に説明すると、第1乃至第4面17a~17dは、ブロック本体17の外周面である。即ち、第1乃至第4面17a~17dは、バルブブロック10の外周面である。そして、第1乃至第4面17a~17dは、第1軸方向一方(即ち、バルブブロック10を挟んでタンク2と反対側)から見て(即ち、平面視で)四方に夫々臨んでいる。より詳細に説明すると、第1面17aは、四方のうちの1つである第1側方に臨んでいる。また、第2面17b及び第3面17cは、残りの三方のうちの2つである第2側方及び第3側方に夫々臨んでいる。第4面17dは、四方のうち前述する第1乃至第3側方と異なる第4側方に臨んでいる。本実施形態において、第1側方は、第1方向一方である。第2側方は、第2方向一方である。また、第3側方は、第1方向他方である。そして、第4方向は、第2方向他方である。即ち、第1乃至第4面17a~17dは、本実施形態において、平面視で第1軸線L1を中心とする反時計回り方向(以下、単に「反時計回り方向」という)において、第1乃至第4面17a~17dの順で配置されている。
【0022】
なお、四方とは、互いに異なる4つの方面を意味する。本実施形態においては、互いに直交する4つの方向(即ち、第1方向一方及び他方、並びに第2方向一方及び他方)の各々が指し示す方面を意味する。なお、四方は、必ずしも互いに直交する4つの方向である必要はない。四方は、互いに交差する4つの方向であればよい。また、第1方向及び第2方向は、第1軸線L1が延びる軸方向と交差する方向である。本実施形態では、第1方向及び第2方向は、互いに直交し且つ第1軸線L1に直交する方向である。なお、第1方向は、図2及び図3の紙面において左右方向である。そして、第1方向一方は左方であり、第1方向他方は、右方である。また、第2方向は、図2の紙面において上下方向である。そして、第2方向一方は、下方であり、第2方向他方は、上方である。
【0023】
また、第1面17aは、本実施形態において段状に形成されている。第1面17aは、第1領域17e及び第2領域17fを有している。第1領域17eは、第2領域17fより第1側方に突出している。第1面17aは、必ずしも段状である必要はなく、一様に平坦であってもよい。他方、第2乃至第4面17b~17dは、本実施形態において平坦状になっている。但し、第2乃至第4面17b~17dもまた、必ずしも平坦である必要はない。
【0024】
以下では、ブロック本体17について更に詳細に説明する。ブロック本体17は、取付体26と、入出口プラグ27とを有している。取付体26は、図3に示すように装着孔31と4つの弁孔32~35とを有している。即ち、バルブブロック10は、装着孔31と4つの弁孔32~35とを有している。装着孔31及び第1弁孔32は、ブロック本体17において第1側方に配置されている。第2弁孔33は、ブロック本体17において第2側方に配置されている。第3弁孔34は、ブロック本体17において第3側方に配置されている。第4弁孔35は、ブロック本体17において第4側方に配置されている。従って、装着孔31及び4つの弁孔32~35は、平面視で反時計回り方向において第1弁孔32,装着孔31、第2弁孔33、第3弁孔34、及び第4弁孔35の順でバルブブロック10に配置されている。また、第1弁孔32、装着孔31、第2弁孔33、及び第4弁孔35は、それらの軸線が仮想平面P1上に位置するように配置されている。また、第3弁孔34は、軸線が仮想平面P1よりタンク2側に配置されている。ここで、仮想平面P1は、第1軸線L1に直交する仮想の平面である。本実施形態において、仮想平面P1は、タンクバルブ装置1を図1の切断線II-IIで切断した際の切断面に相当する。
【0025】
より詳細に説明すると、取付体26は、第1乃至第4突出部26a~26dを有している。取付体26は、本実施形態において平面視で十字形状に形成されている。即ち、第1乃至第4突出部26a~26dは、平面視で第1乃至第4側方に夫々突出している。より詳細に説明すると、第1乃至第4突出部26a~26dは、第1乃至第4側方に夫々突出している。
【0026】
また、第3突出部26cは、本実施形態において第2方向一方側に第1傾斜面26eを有している。第1傾斜面26eは、第2側方に臨んでいる。そして、第1傾斜面26eは、第1方向一方側に進むにつれて第2方向一方側に拡幅するように傾斜している。また、第4突出部26dは、本実施形態において第1方向他方側に第2傾斜面26fを有している。第2傾斜面26fは、第3側方に臨んでいる。そして、第2傾斜面26fは、第2方向一方側に進むにつれて第1方向他方側に拡幅するように傾斜している。
【0027】
更に、第1乃至第4突出部26a~26dの各々の突出端は、第1乃至第4面17a~17dを成している。そして、第1乃至第4面17a~17dに前述の通り装着孔31、第1乃至第4弁孔32~35が夫々配置されている。本実施形態において、装着孔31、第1乃至第4弁孔32~35の各々が夫々開口する方向と、各々が配置される第1乃至第4突出部26a~26dが突出する方向とは、一致している。但し、それらは必ずしも一致する必要はない。即ち、装着孔31、第1乃至第4弁孔32~35の各々が夫々開口する方向は、各々が配置される第1乃至第4突出部26a~26dが突出する方向に対して傾いていてもよく、四方に延在していればよい。
【0028】
更に具体的に説明すると、装着孔31及び第1弁孔32は、取付体26の第1側方において互いに平行に配置されている。本実施形態において、装着孔31及び第1弁孔32は、互いの軸線が第1側方に延在し且つ平行するように配置されている。また、装着孔31は、第1弁孔32より第2方向一方側に配置されている。更に、第1弁孔32は、装着孔31より第1方向他方に延伸している。
【0029】
第2弁孔33は、装着孔31に隣接するように配置されている。本実施形態において、第2弁孔33は、装着孔31の底部から第1方向他方に間隔をあけて配置されている。また、第2弁孔33の軸線の延長線上には、第1弁孔32の底側部分が位置している。第3弁孔34は、装着孔31及び第1弁孔32に平行に配置されている。更に、第4弁孔35は、第1弁孔32に隣接するように配置されている。本実施形態において、第4弁孔35の軸線の延長線上には、第1弁孔32の中間部分が位置している。
【0030】
<入出流路>
入出流路22は、入出口21及びタンク2内を繋いでいる。更に詳細に説明すると、入出流路22は、主流路部22a、供給流路部22b、及び充填流路部22cを有している。主流路部22aは、ブロック本体17に配置されている。そして、主流路部22aは、入出口21に繋がっている。より詳細に説明すると、主流路部22aは、仮想平面P1上に配置されている。そして、主流路部22aは、装着孔31と、第1流路部分22aaと、第2弁孔33と、第2流路部分22abと、第1弁孔32とによって構成されている。
【0031】
第1流路部分22aaは、装着孔31と第2弁孔33を繋いでいる。本実施形態において、第1流路部分22aaは、装着孔31の底面から装着孔31の軸線に沿って延在している。そして、第1流路部分22aaは、第2弁孔33に繋がっている。更に、第1流路部分22aaは、仮想平面P1上に配置されている。また、第2流路部分22abは、第2弁孔33と第1弁孔32とを繋いでいる。本実施形態において、第2流路部分22abは、第2弁孔33の底面から第2弁孔33の軸線に沿って延在している。そして、第2流路部分22abは、第1弁孔32の底部側に繋がっている。更に、第2流路部分22abは、仮想平面P1上に配置されている。
【0032】
第1流路部である供給流路部22bは、主流路部22aとタンク2内とを繋いでいる。そして、供給流路部22bは、栓部16に配置されている。より詳細に説明すると、供給流路部22bは、第1弁孔32に繋がっている。本実施形態において、供給流路部22bの一端は、第1弁孔32の中間部分において繋がっている。即ち、供給流路部22bは、主流路部22aに繋がっている。また、供給流路部22bは、第1弁孔32から第1軸方向他方側に向かって且つ第1軸線L1に平行に延在している。そして、供給流路部22bの他端は、タンク2内に開口している。
【0033】
第2流路部である充填流路部22cは、主流路部22aとタンク2内とを繋いでいる。そして、充填流路部22cは、栓部16に配置されている。より詳細に説明すると、充填流路部22cの一端は、第1弁孔32において供給流路部22bより底部側に繋がっている。即ち、充填流路部22cは、主流路部22aに繋がっている。また、充填流路部22cは、第1弁孔32から第1軸方向他方側に向かって且つ第1軸線L1に平行に延在している。そして、充填流路部22cの他端は、タンク2内に開口している。なお、充填流路部22cには、図示しない逆止弁が介在している。これにより、充填流路部22cにおいては、主流路部22aからタンク2への流れが許容され、その逆方向の流れが阻止される。
【0034】
<放出流路>
放出流路23は、入出流路22と異なる流路である。そして、放出流路23は、栓部16に配置されている。更に詳細に説明すると、放出流路23は、栓部16からブロック本体17にかけて配置されている。また、放出流路23は、放出口23aを有している。放出口23aは、第2側方に配置されている。本実施形態において、放出口23aは、第3突出部26cの第1傾斜面26eに配置されている。そして、放出流路23は、タンク2内のガスを放出口23aからタンク2外へと放出する。より詳細に説明すると、放出流路23は、第1放出流路部分23bと、第2放出流路部分23cと、第3弁孔34と、第3放出流路部分23dとによって構成されている。
【0035】
第1放出流路部分23bは、栓部16に配置されている。本実施形態において、第1放出流路部分23bは、栓部16において第1軸方向に延在している。そして、第1放出流路部分23bは、平面視で第3弁孔34の軸線の延長線上に配置されている。また、第1放出流路部分23bの他端は、タンク2に繋がっている。第2放出流路部分23cは、第3弁孔34の底面から第3弁孔34の軸線に沿って延在している。そして、第2放出流路部分23cは、第1放出流路部分23bと繋がっている。第3放出流路部分23dは、第3弁孔34の中間部分に繋がっている。そして、第3放出流路部分23dは、放出口23aを介してタンク2外に繋がっている。
【0036】
<圧抜流路>
圧抜流路24は、前述の通り、入出流路22を介してタンク2内と繋がっている。また、圧抜流路24は、タンク2外に繋がっている。それ故、圧抜流路24は、タンク2内のガスを抜くことができる。より詳細に説明すると、圧抜流路24は、ブロック本体17に配置されている。そして、圧抜流路24は、仮想平面P1上に配置されている。また、圧抜流路24は、圧抜口24aを有している。圧抜口24aは、第3側方に配置されている。本実施形態において、圧抜口24aは、第4突出部26dの第2傾斜面26fに配置されている。そして、圧抜流路24は、上流側部分24bと、第4弁孔35と、下流側部分24cとを更に有している。
【0037】
上流側部分24bは、第1弁孔32と第4弁孔35とを繋いでいる。本実施形態では、上流側部分24bは、第4弁孔35の底面から第4弁孔35の軸線に沿って延在している。そして、上流側部分24bは、第1弁孔32の中間部分に繋がっている。なお、上流側部分24bは、平面視で軸方向において供給流路部22bと同じ位置で且つ互いに周方向にずれて第1弁孔32の中間部分に繋がっている。下流側部分24cは、第4弁孔35に繋がっている。また、下流側部分24cは、圧抜口24aを介してタンク2外に開口している。本実施形態において、下流側部分24cは、第4弁孔35の中間部分に繋がっている。そして、下流側部分24cは、第2傾斜面26fに直交するように延在している。
【0038】
<配線通路>
配線通路25は、タンク2の内外を繋いでいる。配線通路25には、後述する配線15bが通される。また、配線通路25は、平面視で入出流路22と交差している。更に、配線通路25は、第1軸方向において入出流路22とずれて配置されている。より詳細に説明すると、配線通路25は、バルブブロック10を第1軸方向に貫通している。即ち、配線通路25は、栓部16及びブロック本体17を貫通している。
【0039】
更に詳細に説明すると、配線通路25は、配線挿通孔25aと、配線用溝25bとを有している。配線挿通孔25aは、バルブブロック10を第1軸方向に貫通している。そして、配線挿通孔25aは、第1軸方向他方側においてタンク2内と繋がっている。そして、配線挿通孔25aの第1軸方向一方側は、図4に示すようにブロック本体17の第1軸方向一方側の端面にて開口している。配線用溝25bは、ブロック本体17に配置されている。そして、配線用溝25bは、配線挿通孔25aに繋がっている。より詳細に説明すると、配線用溝25bは、ブロック本体17の軸方向一方側の端面に形成されている。そして、配線用溝25bの一端は、配線挿通孔25aに繋がっている。また、配線用溝25bは、径方向外方に延在している。そして、配線用溝25bは、ブロック本体17の外周面にて径方向外方に開口している。本実施形態において、配線用溝25bは、ブロック本体17の軸方向一方側の端面において、第4突出部26dの第1方向一方側の面(即ち、第2傾斜面26fの反対側)にて開口している。
【0040】
<栓部における流路等の位置関係>
供給流路部22b、充填流路部22c、放出流路23、及び配線通路25は、栓部16において以下のように配置されている。即ち、供給流路部22b、充填流路部22c、放出流路23、及び配線通路25は、栓部16において第1軸方向に互いに平行に延在している。そして、供給流路部22b、充填流路部22c、放出流路23、及び配線通路25は、図5に示すように栓部16において平面視で栓部16の第1軸線L1を原点Oとする4象限の各象限に位置する。4象限は、栓部16を軸線に垂直に切断した断面において、原点Oから四方に夫々延びる直線によって分けられる4つの領域である。本実施形態において、原点Oから第1方向他方及び第2方向他方に夫々延びる直線で区切られている第1象限に充填流路部22cが配置されている。また、点Oから第1方向一方及び第2方向他方に夫々延びる直線で区切られている第2象限に供給流路部22bが配置されている。更に、原点Oから第1方向一方及び第2方向一方に夫々延びる直線で区切られている第3象限に配線通路25が配置され、原点Oから第1方向他方及び第2方向一方に夫々延びる直線で区切られている第4象限に放出流路23が配置されている。
【0041】
なお、栓部16は、本実施形態において、図1に示すように軸線方向一方側の部分16aと他方側の部分16bとを有している。そして、栓部16は、軸線方向一方側の部分16aと他方側の部分16bとに分割可能に構成されている。軸線方向一方側の部分16aと他方側の部分16bとは、締結部材16cによって締結されている。そして、締結部材16cは、図5に示すように栓部16において平面視で供給流路部22b、充填流路部22c、放出流路23、及び配線通路25と五角形を成すように配置されている。本実施形態において、締結部材16cは、第1象限に配置されている。但し、締結部材16cは、必ずしも第1象限に配置されている必要はない。
【0042】
<入出口プラグ>
図3に示すように入出口プラグ27は、入出口21を有する。入出口プラグ27は、取付体26に取り付けられている。そして、入出口プラグ27は、入出口21から流出入するガスに含まれるコンタミ等を捕捉する。より詳細に説明すると、入出口プラグ27は、その第2軸線L2に沿って延在している。そして、入出口プラグ27は、第2軸線L2が延びる方向の一方側の端面に入出口21を有している。また、入出口プラグ27は、第2軸線L2に沿って延びる内通路27aを有している。
【0043】
入出口プラグ27は、入出口21が第1側方に臨むように装着孔31に挿入されている。そして、入出口プラグ27は、第2軸線L2が仮想平面P1上に配置される。これにより、入出口21の軸線が仮想平面P1上に配置される。なお、入出口21の軸線は、入出口21の中心を通り且つ入出口21に直交している。本実施形態において、入出口21の軸線は、第2軸線L2に一致している。そして、入出口プラグ27は、内通路27aを介して入出口21と主流路部22a(より詳細に説明すると、第1流路部分22aa)との間でガスを行き来させることができる。
【0044】
また、入出口プラグ27は、入出口21が形成される端面によって第1面17aの第2領域17fを構成している。なお、ブロック本体17では、必ずしも入出口プラグ27と取付体26とが別体に構成されている必要はない。即ち、入出口プラグ27が取付体26に一体化されていてもよい。また、入出口プラグ27は、必ずしもフィルター機能を有している必要はない。ブロック本体17が入出口21を有していればよい。
【0045】
<手動弁>
手動弁11は、バルブブロック10においてタンク2外であって第2側方に配置されている。そして、手動弁11は、入出流路22の流れを止める。更に詳細に説明すると、手動弁11は、第2弁孔33に挿入されている。そして、手動弁11は、ブロック本体17(より詳細には取付体26)の第2面17bに取り付けられている。これにより、手動弁11は、ブロック本体17において第2側方に配置されている。そして、手動弁11の軸線L3が仮想平面P1上に配置されている。
【0046】
このように配置されている手動弁11は入出流路22に介在する。また、手動弁11は、入出口21に対して第2軸線L2の延長線上に配置される。手動弁11の軸線L3が入出口21の第2軸線L2と交差するように配置されている。本実施形態では、手動弁11の第2軸線L2は、入出口21の軸線L3と直交している。そして、手動弁11は、手動で動かすことによって入出流路22におけるガスの流れを止める。
【0047】
<電磁弁>
電磁弁12は、前述の通り、バルブブロック10においてタンク2外であって第1側方に配置されている。そして、電磁弁12は、入出流路22を開閉する。更に詳細に説明すると、電磁弁12は、第1弁孔32に挿入されている。そして、電磁弁12は、ブロック本体17(より詳細には取付体26)の第1面17aに取り付けられている。これにより、電磁弁12は、ブロック本体17において第1側方に配置されている。また、そして、電磁弁12の軸線L4が仮想平面P1上に配置されている。
【0048】
更に詳細に説明すると、電磁弁12は、入出流路22において手動弁11よりタンク2側に介在する。また、本実施形態において、電磁弁12は、その軸線L4が入出口21の第2軸線L2と平行になるようにブロック本体17に配置されている。そして、電磁弁12は、入力される信号に応じて入出流路22を開閉する。
【0049】
より詳細に説明すると、電磁弁12は、例えば以下のように構成されている。即ち、電磁弁12は、第1弁孔32との間に第1環状空間32a及び第2環状空間32bを形成している。第1環状空間32aは、第1弁孔32の中間部分に位置している。そして、第1環状空間32aは、第1流路部分22aa及び圧抜流路24に繋がっている。また、第2環状空間32bは、第1弁孔32の底部側に位置されている。そして、第2環状空間32bは、第2流路部分22ab及び充填流路部22cに繋がっている。電磁弁12は、2つの環状空間32a,32bを繋ぐ弁通路(図示せず)を有している。そして、電磁弁12は、弁通路を開閉することによって、入出流路22を開閉する。電磁弁12は、本実施形態において逆流絞り弁付きの電磁弁である。即ち、電磁弁12は、第1環状空間32aから第2環状空間32bへのガスの流れに対してその逆方向のガスの流れを制限する。なお、電磁弁12は、逆止弁付きの電磁弁であってもよく、逆流絞り弁及び逆止弁の何れも取り付けられていない電磁弁であってもよい。
【0050】
<安全弁>
安全弁13は、前述の通り、バルブブロック10においてタンク2外であって第3側方に配置されている。そして、安全弁13は、タンク2外の温度が所定の温度を超えるとガスを放出する。更に詳細に説明すると、安全弁13は、第3弁孔34に挿入される。そして、安全弁13は、ブロック本体17(より詳細には取付体26)の第3面17cに取り付けられている。これにより、安全弁13は、ブロック本体17において第3側方に配置されている。そして、安全弁13の軸線L3は、仮想平面P1よりタンク2側(即ち、第1軸線方向他方側)に配置される。
【0051】
このように配置されている安全弁13は、放出流路23に介在する。より詳細に説明すると、安全弁13は、弁体13aを第2放出流路部分23cに挿通させている。これにより、安全弁13は、放出流路23を閉じている。また、安全弁13は、平面視で、第2流路部分22abを挟んで入出口21の反対側に配置される。そして、安全弁13の軸線L3は、平面視で電磁弁12に平行に配置されている。
【0052】
また、安全弁13は、以下のように構成されている。安全弁13は、例えばガラス球式安全弁である。より詳細に説明すると、安全弁13は、図示しないガラス玉を有している。そして、安全弁13では、タンク2の周りの温度が所定温度を超えると、ガラス玉が割れる。これにより、弁体13aが第2放出流路部分23cから抜ける。そして、第2放出流路部分23cが開く、即ち放出流路23が開く。これにより、タンク2内のガスが放出流路23を介してタンク2外に放出される。なお、安全弁13から放出されるガスは、放出口23aからタンク2外に放出される。それ故、安全弁13から放出されるガスは、平面視で手動弁11から遠ざかるようにタンク2外に放出される。なお、安全弁13は、ガラス球式の安全弁に限定されず、溶栓式の安全弁であってもよい。
【0053】
<圧抜弁>
圧抜弁14は、前述の通り、バルブブロック10においてタンク2外であって第4側方に配置されている。そして、圧抜弁14は、タンク2内のガスを外方に放出する。より詳細に説明すると、圧抜弁14は、第4弁孔35に挿入されている。そして、圧抜弁14は、ブロック本体17(より詳細には取付体26)の第4面17dに取り付けられている。これにより、圧抜弁14は、ブロック本体17の第4側方に配置されている。そして、圧抜弁14の軸線L4が仮想平面P1上に配置されている。
【0054】
このように配置されている圧抜弁14が圧抜流路24に介在する。また、圧抜弁14の軸線L6は、電磁弁12の軸線L4と交差するように配置されている。本実施形態では、圧抜弁14の軸線L6は、電磁弁12の軸線L4と直交している。圧抜弁14は、本実施形態において手動で操作可能な弁である。そして、圧抜弁14は、手動操作されることによって圧抜流路24を開くことができる。これにより、圧抜弁14によってタンク2内のガスを抜くことができる。なお、圧抜弁14から抜かれるガスは、圧抜口24aから放出される。それ故、圧抜弁14から抜かれるガスは、平面視で安全弁13から遠ざかるようにタンク2外に放出される。
【0055】
<入出口、及び4つの弁の配置>
手動弁11、電磁弁12、安全弁13、及び圧抜弁14は、前述の通り、バルブブロック10において四方に配置されている。そして、電磁弁12、手動弁11、安全弁13、及び圧抜弁14は、平面視で反時計回り方向に電磁弁12、手動弁11、安全弁13、及び圧抜弁14の順番でバルブブロック10に配置されている。更に、手動弁11、電磁弁12、及び圧抜弁14の各々の軸線L3,L4,L6が仮想平面P1上に配置されている。そして、安全弁13の軸線L5は、仮想平面P1よりタンク2側に配置されている。
【0056】
<センサ>
図1に示すようにセンサ15は、配線通路25に設けられている。センサ15は、タンク2内のガスの状態を検出する。本実施形態において、センサ15は、温度センサであって、タンク2内のガスの温度を検出する。より詳細に説明すると、センサ15は、配線通路25の配線挿通孔25aに挿通されている。そして、センサ15は、検知部15aがある先端側部分をタンク2内に向けている。また、センサ15からは、配線15bが延びている。配線15bは、配線通路25を通ってバルブブロック10外へと延びている。より詳細に説明すると、配線15bは、配線挿通孔25aを通って配線用溝25bへと抜けている。また、配線15bは、配線用溝25bに沿わせている。そして、配線15bは、バルブブロック10外に延びている。
【0057】
<充填及び供給>
このように構成されているバルブブロック10では、手動弁11によって第1流路部分22aaを開くと、入出口21からタンク2への充填及びタンク2から入出口21へのガスの送出ができるようになる。例えば、入出口21からタンク2へのガスを充填する場合、ガスが入出口21から導入される。そして、ガスは入出口プラグ27の内通路27a、第1流路部分22aa、第2弁孔33、及び第2流路部分22abを通って第1弁孔32に導かれる。その後、ガスは、第2環状空間32bを通って充填流路部22cに導かれる。そして、ガスは、充填流路部22cの逆止弁(図示せず)を通ってタンク2内に充填される。
【0058】
なお、電磁弁12は、本実施形態において逆流絞り弁付きの電磁弁である。それ故、充填時において、電磁弁12の弁通路(図示せず)が開かれる、即ち入出流路22が開かれる。そうすると、第1弁孔32に導かれるガスの一部分は、第2環状空間32bから弁通路を通って第1環状空間32aに導かれる。その後、ガスは、供給流路部22bを通ってタンク2内に充填される。このようにタンクバルブ装置1では、電磁弁12を介して一部のガスをタンク2内に充填することができる。
【0059】
他方、タンク2内から入出口21にガスを送出する際には、電磁弁12に信号が入力される。そうすると、電磁弁12が入出流路22を開く。これにより、タンク2内が供給流路部22b及び入出流路22を介して入出口21と繋がる。それ故、タンク2内のガスが入出口21に送出される。
【0060】
本実施形態のタンクバルブ装置1では、入出口21及び電磁弁12が前記バルブブロック10においてタンク2外であって第1側方に配置されている。また、手動弁11及び安全弁13は、前記バルブブロック10においてタンク2外であって第2側方及び第3側方に夫々配置されている。それ故、入出流路22をバルブブロック10の中央部分に纏めて、入出流路22の構成を簡素化することができる。これにより、バルブブロック10を小型化することができる。
【0061】
また、タンクバルブ装置1では、バルブブロック10において第1側方に臨む第1面17aに入出口21及び電磁弁12が取り付けられている。また、第2側方に臨む第2面17bに手動弁11が取り付けられ、また第3側方に臨む第3面17cに安全弁13が取り付けられている。それ故、手動弁11、電磁弁12、及び安全弁13をバルブブロック10の中央部分に向けて配置することができる。これにより、入出流路22の構成を簡素化することができる。そして、バルブブロック10を小型化することができる。
【0062】
また、タンクバルブ装置1では、バルブブロック10において第4側方に圧抜弁14が配置されている。電磁弁12、手動弁11、及び安全弁13が配置される第1乃至第3側方と異なる第4側方に圧抜弁14が配置されているので、バルブブロック10をコンパクトにすることができる。
【0063】
また、タンクバルブ装置1では、入出口21、電磁弁12、及び手動弁11の各々の第2軸線L2乃至L4は、仮想平面P1上に配置されている。それ故、入出流路22もまた仮想平面P1上に形成することができる。これにより、バルブブロック10に関して、第1方向の高さを抑えることができる。即ち、バルブブロック10をコンパクトにすることができる。
【0064】
また、タンクバルブ装置1では、安全弁13の軸線L5が仮想平面P1よりタンク2側に配置されている。このように、安全弁13が仮想平面P1からずれて配置されているので、ブロック本体17の中心部分に入出流路22及び放出流路23を集めることができる。これにより、バルブブロック10をコンパクトにすることができる。例えば、放出流路23は、平面視で入出流路22と交差し且つ第1軸方向において入出流路22とずれている。それ故、ブロック本体17の中心部分に入出流路22及び放出流路23を集めることができる。これにより、バルブブロック10をコンパクトにすることができる。
【0065】
また、タンクバルブ装置1では、入出流路22が仮想平面P1上に配置され、且つ安全弁13が仮想平面P1よりタンク2側にずらして配置されている。これにより、バルブブロック10において、入出流路22周りの肉厚を増加させることができる。特に、入出流路22において流路部分同士が交差する交差部分において高い応力が発生するが、その部分の肉厚を確保することができる。また、入出流路22周りの肉厚を増加させることによって、タンク2にタンクバルブ装置1を締め付ける際に締め付け力に起因する交差部分に作用する応力が大きくなることを抑制できる。これにより、バルブブロック10において入出流路22周りにおいて疲労割れすることが抑制される。
【0066】
また、タンクバルブ装置1では、平面視で入出流路22と配線通路25とが互いに交差し且つ第1軸方向において互いにずれている。それ故、配線通路25もまたバルブブロック10の中心部分に配置することができる。これにより、バルブブロック10をコンパクトにすることができる。より詳細に説明すると、平面視で入出流路22と配線用溝25bとが交差し且つ第1軸方向において互いにずれている。それ故、配線挿通孔25aをバルブブロック10の中心部分に配置することができる。
【0067】
更に、タンクバルブ装置1では、電磁弁12と配線通路25とが互いに交差し且つ第1軸方向において互いにずれている。それ故、配線通路25もまたバルブブロック10の中心部分に配置することができる。これにより、バルブブロック10をコンパクトにすることができる。より詳細に説明すると、平面視で電磁弁12と配線用溝25bとが交差し且つ第1軸方向において互いにずれている。それ故、配線挿通孔25aをバルブブロック10の中心部分に配置することができる。
【0068】
また、タンクバルブ装置1では、放出口23aが第2側方に配置されている。これにより、放出口23aの放出方向と同じ側に手動弁11を配置することができる。これにより、手動弁11のアクセスビリティを高めるべく下方に配置した場合、放出口23aも下に向けることができる。
【0069】
更に、タンクバルブ装置1では、平面視で第1軸線L1を中心とする反時計回り方向において、電磁弁12、手動弁11、及び安全弁13がそれらの順序で配置されている。タンクバルブ装置1は、例えば車両、機器、及び設備等(以下、「車両等」という)に設けられている。電磁弁12及び入出口21は、例えば車両等において前後左右の何れかの側、例えば前側に配置される。そうすると、手動弁11及び放出口23aを下方に向けて配置することができる。これにより、入出口21に対する配管(図示せず)のアクセスビリティ、及び手動弁11のアクセスビリティを確保することができる。また、安全弁13からガスを放出させる際にガスを下方に放出させることができる。
【0070】
また、タンクバルブ装置1では、放出流路23、供給流路部22b、充填流路部22c、及び配線通路25は、栓部16において平面視で第1軸線L1を原点Oとする4象限の各象限に位置している。これにより、栓部16において放出流路23、供給流路部22b、充填流路部22c、及び配線通路25が偏って配置されることを抑制できる。それ故、栓部16において放出流路23、供給流路部22b、充填流路部22c、及び配線通路25が配置された状態であっても栓部16の強度を確保することができる。
【0071】
また、バルブブロック10では、入出口21及び電磁弁12がタンク2外であって第1側方に配置されている。また、手動弁11及び安全弁13は、前記バルブブロック10においてタンク2外であって第2側方及び第3側方に夫々配置されている。それ故、入出流路22をバルブブロック10の中央部分に纏めて、入出流路22の構成を簡素化することができる。これにより、バルブブロック10を小型化することができる。
【0072】
<その他の実施形態について>
本実施形態のタンクバルブ装置1において、手動弁11、電磁弁12、安全弁13、及び圧抜弁14は、必ずしも前述するように配置されている必要はない。入出口21、手動弁11、電磁弁12、安全弁13、及び圧抜弁14は、例えば各々の軸線が第1軸方向に傾斜していてもよい。また、入出口21、手動弁11、電磁弁12、及び圧抜弁14は、必ずしも仮想平面P1平面上に配置されている必要もない。更に、配線通路25に通される配線は、センサ15の配線15bに限定されない。配線は、センサ15以外の電子機器の配線であってもよい。また、配線は、電磁弁12の配線であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 タンクバルブ装置
2 タンク
2a 口部
10 バルブブロック
11 手動弁
12 電磁弁
13 安全弁
14 圧抜弁
16 栓部
17 ブロック本体
17a 第1面
17b 第2面
17c 第3面
17d 第4面
21 入出口
22 入出流路
22a 主流路部
22b 供給流路部(第1流路部)
22c 充填流路部(第2流路部)
23 放出流路
23a 放出口
24 圧抜流路
25 配線通路
32 第1弁孔
33 第2弁孔
34 第3弁孔
35 第4弁孔
L1 第1軸線(栓部の軸線)
L2 第2軸線(入出口の軸線)
L3 軸線(手動弁の軸線)
L4 軸線(電磁弁の軸線)
L5 軸線(安全弁の軸線)
O 原点
P1 仮想平面

図1
図2
図3
図4
図5