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特開2024-145910情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145910
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20241004BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A63B69/00 C
A63B71/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058497
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】502340996
【氏名又は名称】学校法人法政大学
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】越智 英輔
(72)【発明者】
【氏名】街 勝憲
(57)【要約】
【課題】発育発達期のユーザごとに運動トレーニングを適合させることが可能な情報処理方法を提供する。
【解決手段】ユーザの運動を支援する情報処理方法は、各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、身体情報に応じた身長情報の予測モデルを取得することと、取得された予測モデルに基づいてユーザの身長情報を予測することと、予測された身長情報に応じた運動メニューをユーザに対して設定することと、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの運動を支援する情報処理方法であって、
各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と前記個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、前記身体情報に応じた前記身長情報の予測モデルを取得することと、
取得された前記予測モデルに基づいてユーザの前記身長情報を予測することと、
予測された前記身長情報に応じた運動メニューを前記ユーザに対して設定することと、
を含む、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記ユーザの体組成情報、遺伝子情報、及び運動指標情報を含む情報の少なくとも1つを取得することと、
前記ユーザに対して設定された前記運動メニューを、取得された前記情報に基づいて更新することと、
をさらに含む、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法であって、
前記情報に基づいて更新することは、予測された前記身長情報に対する前記ユーザの現在の年齢での成熟度と前記体組成情報とを比較して前記運動メニューを更新することを含む、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理方法であって、
前記情報に基づいて更新することは、前記体組成情報及び前記運動指標情報の少なくとも一方の各個人の過去の実測データに基づいて前記成熟度を前記ユーザごとに算出することを含む、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の情報処理方法であって、
前記情報に基づいて更新することは、取得された前記ユーザの前記遺伝子情報に基づいて前記成熟度を前記ユーザごとに算出することを含む、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報処理方法であって、
前記情報に基づいて更新することは、前記遺伝子情報に応じて前記運動メニューを更新することを含む、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報処理方法であって、
前記情報に基づいて更新することは、前記運動指標情報の偏差値に応じて前記運動メニューを更新することを含む、
情報処理方法。
【請求項8】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の情報処理方法であって、
前記情報のうち前記体組成情報及び前記運動指標情報の少なくとも一方を所定期間の経過後に取得することと、
前記ユーザに対して設定された前記運動メニューを、前記所定期間の経過後に取得された前記情報に基づいてさらに更新することと、
をさらに含む、
情報処理方法。
【請求項9】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理方法であって、
前記ユーザの身体症状情報を取得することと、
前記ユーザに対して設定された前記運動メニューを、取得された前記身体症状情報に基づいてさらに更新することと、
をさらに含む、
情報処理方法。
【請求項10】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理方法を実行する情報処理装置と、
前記ユーザが使用する端末装置と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項11】
ユーザの運動を支援する情報処理装置であって、
制御部を備え、前記制御部は、
各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と前記個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、前記身体情報に応じた前記身長情報の予測モデルを取得し、
取得された前記予測モデルに基づいてユーザの前記身長情報を予測し、
予測された前記身長情報に応じた運動メニューを前記ユーザに対して設定する、
情報処理装置。
【請求項12】
ユーザの運動を支援する情報処理装置に、
各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と前記個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、前記身体情報に応じた前記身長情報の予測モデルを取得することと、
取得された前記予測モデルに基づいてユーザの前記身長情報を予測することと、
予測された前記身長情報に応じた運動メニューを前記ユーザに対して設定することと、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運動トレーニングにおけるユーザの運動を支援する技術が知られている。例えば、特許文献1には、年齢、性別、体力、及び運動目的別にトレーニングプログラムを作成し、自宅で正しいトレーニングができるようにする健康保持・体力保持増進システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-146400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発育発達期のユーザに対しては、同一の年齢であっても発育の度合いがユーザごとに大きくばらつく。したがって、年齢を基準にして運動メニューが定められていた従来の運動トレーニングは、必ずしも各ユーザに適合するとは限らなかった。
【0005】
本開示は、発育発達期のユーザごとに運動トレーニングを適合させることが可能な情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための第1の観点による情報処理方法は、
ユーザの運動を支援する情報処理方法であって、
各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と前記個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、前記身体情報に応じた前記身長情報の予測モデルを取得することと、
取得された前記予測モデルに基づいてユーザの前記身長情報を予測することと、
予測された前記身長情報に応じた運動メニューを前記ユーザに対して設定することと、
を含む。
【0007】
第2の観点による情報処理システムは、
上記の情報処理方法を実行する情報処理装置と、
前記ユーザが使用する端末装置と、
を備える。
【0008】
第3の観点による情報処理装置は、
ユーザの運動を支援する情報処理装置であって、
制御部を備え、前記制御部は、
各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と前記個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、前記身体情報に応じた前記身長情報の予測モデルを取得し、
取得された前記予測モデルに基づいてユーザの前記身長情報を予測し、
予測された前記身長情報に応じた運動メニューを前記ユーザに対して設定する。
【0009】
第4の観点によるプログラムは、
ユーザの運動を支援する情報処理装置に、
各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と前記個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、前記身体情報に応じた前記身長情報の予測モデルを取得することと、
取得された前記予測モデルに基づいてユーザの前記身長情報を予測することと、
予測された前記身長情報に応じた運動メニューを前記ユーザに対して設定することと、
を含む動作を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、及びプログラムによれば、発育発達期のユーザごとに運動トレーニングを適合させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成を示す構成図である。
図2図1の情報処理装置及び端末装置のそれぞれの概略構成を示す機能ブロック図である。
図3図1の情報処理システムにより実行される情報処理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
図4図2の情報処理装置による処理の一例を説明するための第1図である。
図5図2の情報処理装置による処理の一例を説明するための第2図である。
図6図2の情報処理装置による処理の一例を説明するための第3図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。以下の説明は、本開示を適用した、情報処理装置10が実行する情報処理方法及びプログラムにも当てはまる。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成を示す構成図である。図1を参照しながら、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概要について主に説明する。情報処理システム1は、情報処理装置10に加えて、端末装置20を有する。
【0014】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置10及び端末装置20の各々について1つのみ図示しているが、情報処理システム1が有する情報処理装置10及び端末装置20の数はそれぞれ2つ以上であってもよい。情報処理装置10及び端末装置20のそれぞれは、移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワーク30と通信可能に接続されている。
【0015】
一実施形態の概要として、情報処理装置10は、ユーザの運動を支援する。本開示において、「ユーザ」は、例えば、発育発達期のユーザを含む。「発育発達期」は、例えば、身体の成長及び身体機能の発達が継続しており、身体が成熟しきっていない時期を含む。発育発達期は、例えば、0歳から20歳までの年齢範囲に含まれる。情報処理装置10は、例えば、発育発達期のユーザが運動トレーニングを行うときに当該ユーザの運動を支援する。
【0016】
情報処理装置10は、各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、身体情報に応じた身長情報の予測モデルを取得する。本開示において、「個人」は、情報処理装置10を有する情報処理システム1によって運動メニューの提供を実際に受けるユーザとはまた別の他のユーザであって、予測モデルの構築にあたり実測データの取得に関わった他のユーザのみを含んでもよい。これに限定されず、個人は、運動メニューの提供を実際に受けるユーザも他のユーザと共に含んでもよい。「年齢」は、例えば、暦年齢であり、満年齢又は数え年で表される。
【0017】
本開示において、「身長情報」は、一年あたりの身長の伸び幅が最大となるときの年齢、いわゆる身長の最大発育速度年齢、PHVA(Peak Height Velocity Age)及びPHVAと現在の年齢との差であるMO(Maturity Offset)などを含む。「身体情報」は、年齢(生年月日)、性別、身長、座高、体重、及びこれらの一部のパラメータ同士を乗算又は除算した他のパラメータなどを含む。「予測モデル」は、例えば、実測データにおける身長情報を目的変数とし、実測データにおける身体情報を説明変数として重回帰分析により構築された機械学習モデルを含む。
【0018】
情報処理装置10は、取得された予測モデルに基づいてユーザの身長情報を予測する。情報処理装置10は、予測された身長情報に応じた運動メニューをユーザに対して設定する。「運動メニュー」は、運動の種目及び種類、間欠的運動トレーニング及び持続的運動トレーニングなどの運動の方法、運動時間、運動強度、運動の間の休息時間、並びに繰り返し回数及び頻度などを含む。
【0019】
情報処理装置10は、ユーザに対して設定された運動メニューをユーザに通知する。ユーザは、例えば、端末装置20にインストールされ、情報処理装置10と連携するWebアプリケーションに必要な情報を入力し、Webアプリケーション上で運動メニューの通知を受ける。ユーザは、通知された運動メニューに従って運動トレーニングを実施する。
【0020】
情報処理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置である。情報処理装置10は、これらに限定されず、PC(Personal Computer)又はスマートフォンなどの任意の汎用の電子機器であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0021】
端末装置20は、スマートフォン、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイス、タブレットPC、又はPCなどの汎用の電子機器である。端末装置20は、情報処理システム1によって運動メニューの提供を実際に受けるユーザが使用する電子機器である。端末装置20は、これらに限定されず、当該ユーザが使用する1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0022】
図2は、図1の情報処理装置10及び端末装置20のそれぞれの概略構成を示す機能ブロック図である。図2を参照しながら、情報処理システム1に含まれる情報処理装置10及び端末装置20のそれぞれの構成の一例について主に説明する。
【0023】
図2に示すとおり、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、及び制御部13を有する。
【0024】
通信部11は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)などの移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。例えば、当該通信インタフェースは、近距離無線通信規格にも対応してもよい。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介してネットワーク30に通信可能に接続されている。通信部11は、ネットワーク30を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0025】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などの記憶モジュールを含む。記憶部12は、情報処理装置10の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部12は、情報処理装置10の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0026】
記憶部12は、主記憶モジュール、補助記憶モジュール、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10に内蔵されているものに限定されず、USB(Universal Serial Bus)などのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶モジュールを含んでもよい。
【0027】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。本開示において、「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部13は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0028】
情報処理システム1に含まれる端末装置20の構成について主に説明する。図2に示すとおり、端末装置20は、通信部21、記憶部22、入力部23、出力部24、及び制御部25を有する。
【0029】
通信部21は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G及び5Gなどの移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。例えば、当該通信インタフェースは、近距離無線通信規格にも対応してもよい。一実施形態において、端末装置20は、通信部21を介してネットワーク30に通信可能に接続されている。通信部21は、ネットワーク30を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0030】
記憶部22は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAMなどの記憶モジュールを含む。記憶部22は、端末装置20の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部22は、端末装置20の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0031】
記憶部22は、主記憶モジュール、補助記憶モジュール、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、端末装置20に内蔵されているものに限定されず、USBなどのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶モジュールを含んでもよい。
【0032】
入力部23は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。当該入力インタフェースは、物理キー、静電容量キー、出力部24のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラなどの撮像モジュール、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0033】
出力部24は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。当該出力インタフェースは、情報を画像で出力するディスプレイ、情報を音で出力するスピーカ、及び情報を振動で出力するバイブレータなどを含む。
【0034】
制御部25は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部25は、端末装置20を構成する各構成部と通信可能に接続され、端末装置20全体の動作を制御する。
【0035】
図3は、図1の情報処理システム1により実行される情報処理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。図3を参照しながら、図1の情報処理システム1が実行する情報処理方法の一例について主に説明する。図3に示すシーケンス図は、情報処理システム1により実行される情報処理方法の主な処理の流れを示す。
【0036】
ステップS100では、情報処理装置10の制御部13は、各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、身体情報に応じた身長情報の予測モデルを取得する。制御部13は、例えば、実測データにおける身長情報を目的変数とし、実測データにおける身体情報を説明変数として重回帰分析により身長情報の予測モデルを情報処理装置10自体で構築する。制御部13は、このような予測モデルに関する演算処理を情報処理装置10自体で実行することで身長情報の予測モデルを取得する。
【0037】
ステップS101では、端末装置20の制御部25は、端末装置20を使用するユーザの身体情報を取得する。例えば、制御部25は、端末装置20の入力部23を用いたユーザによる入力操作に基づいて身体情報を取得する。ユーザは、自身が使用する端末装置20の入力部23を用いて、情報処理装置10による運動支援に関連するWebアプリケーションを立ち上げ、自身の身体情報を当該Webアプリケーション上で入力する。
【0038】
ステップS102では、端末装置20の制御部25は、ステップS101において取得された身体情報を情報処理装置10に提供する。例えば、制御部25は、ステップS101において取得された身体情報を、通信部21及びネットワーク30を介して情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、ステップS101において端末装置20により取得された身体情報を、ネットワーク30及び通信部11を介して端末装置20から受信する。
【0039】
ステップS103では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS100において取得された予測モデルに基づいてユーザの身長情報を予測する。制御部13は、ステップS102において取得されたユーザの身体情報を当該予測モデルに入力することで、ユーザの身長情報を予測して出力する。例えば、制御部13は、ステップS100において構築された予測モデルに、ステップS102において取得されたユーザの現在の年齢を入力することで、PHVAをユーザごとに算出する。これにより、制御部13は、ユーザの現在の年齢において、何年後にPHVAに達するか、又は何年前にPHVAに達していたかを予測する。
【0040】
ステップS104では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS103において予測されたユーザの身長情報に応じた運動メニューをユーザに対して設定する。
【0041】
ステップS105では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS104において設定された運動メニューをユーザに通知する。例えば、制御部13は、設定された運動メニューを、通信部11及びネットワーク30を介して端末装置20のWebアプリケーション上で通知する。ユーザは、自身が使用する端末装置20の出力部24を用いて、情報処理装置10による運動支援に関連する当該Webアプリケーション上で、情報処理装置10により設定された運動メニューを確認する。
【0042】
ステップS106では、端末装置20の制御部25は、ユーザの体組成情報、遺伝子情報、及び運動指標情報を含む情報の少なくとも1つを取得する。例えば、制御部25は、端末装置20の入力部23を用いたユーザによる入力操作に基づいて当該情報の少なくとも1つを取得する。ユーザは、自身が使用する端末装置20の入力部23を用いて、情報処理装置10による運動支援に関連するWebアプリケーションを立ち上げ、自身の当該情報の少なくとも1つを当該Webアプリケーション上で入力する。
【0043】
本開示において、「体組成情報」は、骨格筋量、体脂肪量、及び骨量などを含む。「遺伝子情報」は、ACTN3などの遺伝子多型などを含む。「運動指標情報」は、各競技の特性に応じたパフォーマンスの評価指標データなどを含む。「評価指標データ」は、俊敏性、スピード、パワー、筋力、持久力、及び柔軟性などを情報として含む体力測定データなどを含む。
【0044】
ステップS107では、端末装置20の制御部25は、ステップS106において取得された情報を情報処理装置10に提供する。例えば、制御部25は、ステップS106において取得された情報を、通信部21及びネットワーク30を介して情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、ステップS106において端末装置20により取得された情報を、ネットワーク30及び通信部11を介して端末装置20から受信する。
【0045】
ステップS108では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS104においてユーザに対し設定された運動メニューを、ステップS107において取得された情報に基づいて更新する。
【0046】
例えば、制御部13は、ステップS103において予測された身長情報に対するユーザの現在の年齢での成熟度とステップS107において取得されたユーザの体組成情報とを比較して運動メニューを更新する。
【0047】
本開示において、「成熟度」は、予測されたPHVAに対してユーザの現在の年齢で必要とされる体組成情報の基準値などを意味する。例えば、制御部13は、体組成情報及び運動指標情報の少なくとも一方の各個人の過去の実測データに基づいて成熟度をユーザごとに算出してもよい。例えば、制御部13は、ステップS107において取得されたユーザの遺伝子情報に基づいて成熟度をユーザごとに算出してもよい。
【0048】
例えば、制御部13は、過去の実測データに含まれる体組成情報に対して、ステップS107において取得されたユーザの体組成情報の偏差値などを算出し、実測データにおけるユーザの体組成情報の位置づけを確認してもよい。制御部13は、ユーザの体組成情報の偏差値に応じて、成熟度をユーザごとに算出してもよい。制御部13は、偏差値が低い場合、成熟度を比較的低く算出してもよい。制御部13は、偏差値が高い場合、成熟度を比較的高く算出してもよい。
【0049】
例えば、制御部13は、過去の実測データに含まれる運動指標情報に対して、ステップS107において取得されたユーザの運動指標情報の偏差値などを算出し、実測データにおけるユーザの運動指標情報の位置づけを確認してもよい。制御部13は、ユーザの運動指標情報の偏差値に応じて、成熟度をユーザごとに算出してもよい。制御部13は、偏差値が低い場合、成熟度を比較的低く算出してもよい。制御部13は、偏差値が高い場合、成熟度を比較的高く算出してもよい。
【0050】
例えば、制御部13は、ステップS107において取得されたユーザの遺伝子情報により、体組成情報の向上が遺伝的に遅い方であると判定すると、判定されたユーザに対して成熟度を比較的低く算出してもよい。制御部13は、ステップS107において取得されたユーザの遺伝子情報により、体組成情報の向上が遺伝的に早い方であると判定すると、判定されたユーザに対して成熟度を比較的高く算出してもよい。
【0051】
制御部13は、体組成情報の骨格筋量について、ユーザの予測されたPHVAに基づく成熟度に対し骨格筋量が少なければ骨格筋量を増やすために必要なメニューを取り入れて運動メニューを更新する。制御部13は、体組成情報の体脂肪量について、ユーザの予測されたPHVAに基づく成熟度に対し体脂肪量が多ければ有酸素性の運動を取り入れて運動メニューを更新する。制御部13は、体組成情報の骨量について、ユーザの予測されたPHVAに基づく成熟度に対し骨量が少なければ、不足部に対するアプローチを取り入れて運動メニューを更新する。
【0052】
例えば、制御部13は、ステップS107において取得されたユーザの遺伝子情報に応じて運動メニューを更新する。遺伝子多型のうち、例えばACTN3遺伝子多型は、筋パワー発揮、柔軟性、及び疲労した筋の回復速度などの予測に寄与する。したがって、制御部13は、ACTN3遺伝子多型に応じて、その予測情報から、運動の種目、頻度、及び運動強度などの運動メニューを更新する。例えば、制御部13は、疲労した筋の回復速度が遺伝的に遅いと予測すると、運動の頻度を下げるように運動メニューを更新する。
【0053】
例えば、制御部13は、ステップS107において取得されたユーザの運動指標情報の偏差値に応じて運動メニューを更新する。制御部13は、競技の特性に鑑みて、各競技に必要な能力をユーザが有しているか否かを判断するために運動指標情報の偏差値を算出する。制御部13は、偏差値が低い項目に対してその不足分を補うように適切に運動メニューを更新する。
【0054】
ステップS109では、端末装置20の制御部25は、体組成情報及び運動指標情報の少なくとも一方を、ステップS106から所定期間の経過後に取得する。例えば、ユーザは、体組成情報及び運動指標情報の少なくとも一方を、端末装置20を用いて定期的に入力し、情報処理装置10に提供する。ユーザは、数カ月、半年、又は一年ごとに定期的に情報を入力してもよい。
【0055】
例えば、制御部25は、端末装置20の入力部23を用いたユーザによる入力操作に基づいて上記の情報を取得する。ユーザは、自身が使用する端末装置20の入力部23を用いて、情報処理装置10による運動支援に関連するWebアプリケーションを立ち上げ、自身の上記の情報を当該Webアプリケーション上で入力する。
【0056】
ステップS110では、端末装置20の制御部25は、ステップS109において取得された情報を情報処理装置10に提供する。例えば、制御部25は、ステップS109において取得された情報を、通信部21及びネットワーク30を介して情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、ステップS109において端末装置20により取得された情報を、ネットワーク30及び通信部11を介して端末装置20から受信する。
【0057】
ステップS111では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS104においてユーザに対し設定された運動メニューを、ステップS110において所定期間の経過後に取得された情報に基づいてさらに更新する。
【0058】
制御部13は、ステップS110においてユーザから情報を取得することで、ステップS107における情報に基づいてステップS108において更新された運動メニューを所定期間ユーザが行った結果、ステップS110における情報にどのように反映されているかのフィードバックを受けることになる。制御部13は、ステップS107における情報と、ステップS110における情報との差分が所定の閾値よりも低く、ステップS108において更新された運動メニューがユーザの発育にあまり影響を与えていないと判定すると、運動メニューをさらに更新する。制御部13は、差分が小さい項目に対してその不足分を補うように適切に運動メニューを更新する。
【0059】
ステップS112では、端末装置20の制御部25は、ユーザの身体症状情報を取得する。例えば、制御部25は、端末装置20の入力部23を用いたユーザによる入力操作に基づいて身体症状情報を取得する。ユーザは、自身が使用する端末装置20の入力部23を用いて、情報処理装置10による運動支援に関連するWebアプリケーションを立ち上げ、自身の身体症状情報を当該Webアプリケーション上で入力する。本開示において、「身体症状情報」は、発育発達期に起こりやすい下肢の痛みなどの成長痛、運動トレーニングにより生じた過去又は現在の怪我、及び慢性的な症状など、ユーザが感じる自身の身体的症状を含む。
【0060】
ステップS113では、端末装置20の制御部25は、ステップS112において取得された身体症状情報を情報処理装置10に提供する。例えば、制御部25は、ステップS112において取得された身体症状情報を、通信部21及びネットワーク30を介して情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、ステップS112において端末装置20により取得された身体症状情報を、ネットワーク30及び通信部11を介して端末装置20から受信する。
【0061】
ステップS114では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS104においてユーザに対し設定された運動メニューを、ステップS113において取得されたユーザの身体症状情報に基づいてさらに更新する。例えば、制御部13は、ユーザの身体症状情報が運動トレーニングに支障をきたすと判定すると、運動時間を短くしたり、運動の間の休息時間を長くしたり、頻度を下げたりするように運動メニューをさらに更新する。
【0062】
以上のように、制御部13は、各ユーザの身長情報に応じてユーザごとに最適化された運動メニューを設定し、ユーザから提供された情報に応じて運動メニューを適切に更新する。図3では、情報処理装置10から端末装置20への、更新された運動メニューの通知処理について図示を省略しているが、情報処理装置10の制御部13は、当該通知処理を、例えば、ステップS108、ステップS111、及びステップS114の各々の後に適宜実行してもよい。
【0063】
例えば、情報処理装置10の制御部13は、各ステップにおいて更新された運動メニューをユーザに通知する。例えば、制御部13は、更新された運動メニューを、通信部11及びネットワーク30を介して端末装置20のWebアプリケーション上で通知する。ユーザは、自身が使用する端末装置20の出力部24を用いて、情報処理装置10による運動支援に関連する当該Webアプリケーション上で、情報処理装置10により更新された運動メニューを確認する。
【0064】
図4は、図2の情報処理装置10による処理の一例を説明するための第1図である。図4を参照しながら、図3のステップS104における処理の一例についてより詳細に説明する。図4の横軸は、MOを表す。図4の縦軸は、ユーザの身長の伸び幅を表す。図4のグラフは、ユーザの身長の伸び幅の変化をMOごとに示したものである。
【0065】
情報処理装置10の制御部13は、例えば、予測されたユーザのPHVAに応じてMOごとに運動メニューをユーザに対し適切に設定する。例えば、ユーザの性別及びMOによって、設定される運動メニューが異なる。
【0066】
制御部13は、現在の年齢がPHVAの3年前の女子であれば、スキルの発達が特徴的な時期であるため、様々な動作をユーザが習得するような運動メニューを設定する。本開示において、「スキル」は、各競技において身体を思いどおりに巧みに使いこなす巧緻性などを意味する。制御部13は、現在の年齢がPHVAの6年前の女子であれば、柔軟性及びスピードの発達が特徴的な時期であるため、柔軟性を高めるストレッチ及び俊敏性を高めるトレーニングなどの運動メニューを設定する。制御部13は、現在の年齢がPHVAの1年後の女子であれば、筋力の向上が著しくなる時期であるため、筋力トレーニングの運動メニューを生成する。逆に、制御部13は、女子であれば現在の年齢がPHVAを経過するまでは、筋力トレーニングを運動メニューとして設定することを控える。
【0067】
制御部13は、現在の年齢がPHVAの3年前の男子であれば、スキルの発達が特徴的な時期であるため、様々な動作をユーザが習得するような運動メニューを設定する。制御部13は、現在の年齢がPHVAの6年前の男子であれば、柔軟性及びスピードの発達が特徴的な時期であるため、柔軟性を高めるストレッチ及び俊敏性を高めるトレーニングなどの運動メニューを設定する。制御部13は、現在の年齢がPHVAの3年後の男子であれば、筋力の向上が著しくなる時期であるため、筋力トレーニングの運動メニューを生成する。逆に、制御部13は、男子であれば現在の年齢がPHVAを2年程度経過するまでは、筋力トレーニングを運動メニューとして設定することを控える。
【0068】
図5は、図2の情報処理装置10による処理の一例を説明するための第2図である。図5を参照しながら、図3のステップS105における通知処理の一例について説明する。図5は、端末装置20の出力部24に表示される、Webアプリケーション上での通知の様子の第1例を示す。
【0069】
端末装置20の出力部24は、情報処理装置10からの通知処理を受けて、図3のステップS104において設定された運動メニューをWebアプリケーション上でテキスト情報として表示してもよい。例えば、出力部24は、現在の年齢がPHVAの3年後の男子であるユーザに対して、筋力を高める運動メニューをユーザに表示し、当該運動メニューに従った運動トレーニングをユーザに促す。より具体的には、出力部24は、ユーザの最大挙上重量の80%の重さで8回を3~5セット繰り返すという、ベンチプレスなどを用いた運動メニューを表示する。
【0070】
端末装置20の出力部24は、Webアプリケーション上で運動メニューをテキスト情報として表示する構成に限定されず、情報処理装置10からWebアプリケーション上で提供される運動メニューに関連するコンテンツを表示してもよい。本開示において、「コンテンツ」は、設定又は更新された運動メニューに関連してインストラクタが運動している模範的な解説動画、及び当該運動メニューに従ってユーザに身体を動かせるための具体的な指示を含んだ音声などを含む。ユーザは、端末装置20にインストールされているWebアプリケーション上で提供される当該コンテンツを出力部24で参照しながら、運動メニューに従って運動トレーニングを実施する。
【0071】
図6は、図2の情報処理装置10による処理の一例を説明するための第3図である。図6を参照しながら、図3のステップS108の後に適宜実行される通知処理の一例について説明する。図6は、端末装置20の出力部24に表示される、Webアプリケーション上での通知の様子の第2例を示す。
【0072】
端末装置20の出力部24は、情報処理装置10からの通知処理を受けて、図3のステップS108において更新された運動メニューをWebアプリケーション上でテキスト情報として表示してもよい。例えば、出力部24は、現在の年齢がPHVAの4.5年前の男子であるユーザであって、骨格筋量が少なく、BMI及びパフォーマンスの評価指標データが低値であるユーザに対して、複数の要素を組み合わせた運動メニューをユーザに表示し、当該運動メニューに従った運動トレーニングをユーザに促す。
【0073】
例えば、複数の要素は、柔軟性を高める方法と、スピードを高める運動と、スキルを高める運動とを含む。サッカーを競技の一例に考えたときのこれらの運動メニューの具体的な内容は以下のとおりある。柔軟性を高め方法は、柔軟性を高めたい部位、例えば脚などを意識させた動的ストレッチなどを含む。スピードを高める運動は、短距離走などのスプリントトレーニング、及び連続してジャンプしたり、段差から飛び降り着地した瞬間にジャンプしたりするなどのプライオメトリックトレーニングなどを含む。スキルを高める運動は、切り返し動作のトレーニング及びラダートレーニングなどの、サッカーの基本的な動作に関するトレーニング、並びにパス及びシュートなどのサッカーボールを扱う技術を高めるトレーニングなどを含む。
【0074】
情報処理装置10の制御部13は、端末装置20の出力部24を介して、運動メニューにおける上記の複数の要素をユーザに均等に促してもよいし、異なる割合で促してもよい。例えば、制御部13は、スキルを高める運動の割合を増やして、運動メニューに従った運動トレーニングをユーザに促してもよい。
【0075】
以上のような一実施形態によれば、発育発達期のユーザごとに運動トレーニングを適合させることが可能である。情報処理装置10は、予測モデルに基づいてユーザの身長情報を予測し、身長情報に応じた運動メニューをユーザに対し設定することで、PHVAなどの身長情報を基準にして、発育発達期のユーザごとに最適化された運動メニューをユーザに対し提供可能である。したがって、情報処理装置10は、年齢を基準にして運動メニューが定められていた従来の運動トレーニングと異なり、同一の年齢であっても発育の度合いがユーザごとに大きくばらつく発育発達期のユーザに対してもユーザごとに適切に運動メニューを設定することが可能である。結果として、情報処理装置10は、発育の妨げ及び怪我などにつながる過剰な運動トレーニング並びに負荷が軽すぎて身体の発育への影響が乏しい運動トレーニングのユーザへの提供を回避可能である。
【0076】
ユーザの身長は、容易に、かつ正確に測定可能である。したがって、情報処理装置10は、予測モデルの取得に必要な実測データを各個人に対して容易に取得可能である。情報処理装置10は、このような実測データにより取得された予測モデルに基づいてユーザの身長情報を精度良く予測可能である。
【0077】
情報処理装置10は、ユーザの体組成情報、遺伝子情報、及び運動指標情報を含む情報の少なくとも1つに基づいて、ユーザに対し設定された運動メニューを更新する。これにより、発育発達期のユーザごとに運動トレーニングをさらに適合させることが可能である。情報処理装置10は、ユーザから個別に情報をさらに取得し、当該情報に応じて運動メニューを更新することで、身長情報に加えて当該情報も基準にして、発育発達期のユーザごとにさらに最適化された運動メニューをユーザに対し提供可能である。
【0078】
情報処理装置10は、予測された身長情報に対するユーザの現在の年齢での成熟度と体組成情報とを比較して運動メニューを更新することで、成熟度に対する体組成情報の過不足を客観的に算出しながら運動メニューを最適化可能である。ユーザは、予測されたPHVAに対してユーザの現在の年齢で必要とされる体組成情報の基準値に沿って運動トレーニングを実施可能である。したがって、情報処理装置10は、発育の妨げ及び怪我などにつながる過剰な運動トレーニング並びに負荷が軽すぎて身体の発育への影響が乏しい運動トレーニングのユーザへの提供を回避可能である。
【0079】
情報処理装置10は、体組成情報及び運動指標情報の少なくとも一方の各個人の過去の実測データに基づいて成熟度をユーザごとに算出することで、当該実測データにおけるユーザの対応する情報の位置づけを確認しながら、成熟度をユーザごとに最適化可能である。ユーザは、自身により適した基準値に沿って運動トレーニングを実施可能である。したがって、情報処理装置10は、発育の妨げ及び怪我などにつながる過剰な運動トレーニング並びに負荷が軽すぎて身体の発育への影響が乏しい運動トレーニングのユーザへの提供をより確実に回避可能である。
【0080】
情報処理装置10は、取得されたユーザの遺伝子情報に基づいて成熟度をユーザごとに算出することで、ユーザの遺伝的な要因を遺伝子情報により確認しながら、成熟度をユーザごとに最適化可能である。ユーザは、自身により適した基準値に沿って運動トレーニングを実施可能である。したがって、情報処理装置10は、発育の妨げ及び怪我などにつながる過剰な運動トレーニング並びに負荷が軽すぎて身体の発育への影響が乏しい運動トレーニングのユーザへの提供をより確実に回避可能である。
【0081】
情報処理装置10は、遺伝子情報に応じて運動メニューを更新することで、ユーザの遺伝的な要因に応じて運動メニューをユーザごとに最適化可能である。ユーザは、自身の遺伝子情報も考慮された、より適切な運動メニューで運動トレーニングを実施可能である。したがって、情報処理装置10は、発育の妨げ及び怪我などにつながる過剰な運動トレーニング並びに負荷が軽すぎて身体の発育への影響が乏しい運動トレーニングのユーザへの提供をより確実に回避可能である。
【0082】
情報処理装置10は、運動指標情報の偏差値に応じて運動メニューを更新することで、各個人の運動指標情報におけるユーザの運動指標情報の位置づけを確認しながら、運動メニューをユーザごとに最適化可能である。ユーザは、運動指標情報に関する統計データでの自身の偏差値に沿って運動トレーニングを実施可能である。したがって、情報処理装置10は、発育の妨げ及び怪我などにつながる過剰な運動トレーニング並びに負荷が軽すぎて身体の発育への影響が乏しい運動トレーニングのユーザへの提供をより確実に回避可能である。
【0083】
情報処理装置10は、ユーザに対して設定された運動メニューを、所定期間の経過後に取得された情報に基づいてさらに更新することで、ユーザからのフィードバックに基づいて運動メニューをユーザごとに最適化可能である。ユーザは、自身でフィードバックを情報処理装置10に提供することで、当該フィードバックに沿った運動トレーニングを実施可能である。したがって、情報処理装置10は、発育の妨げ及び怪我などにつながる過剰な運動トレーニング並びに負荷が軽すぎて身体の発育への影響が乏しい運動トレーニングのユーザへの提供をより確実に回避可能である。
【0084】
情報処理装置10は、ユーザに対して設定された運動メニューを、取得された身体症状情報に基づいてさらに更新することで、ユーザの日々の身体的症状に合わせて運動メニューをユーザごとに最適化可能である。ユーザは、日々の身体的症状に合った運動トレーニングを実施可能である。したがって、情報処理装置10は、発育の妨げ及び怪我などにつながる過剰な運動トレーニングのユーザへの提供をより確実に回避可能である。
【0085】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0086】
例えば、スマートフォン又はコンピュータなどの汎用の電子機器を、上述した一実施形態に係る情報処理装置10として機能させる構成も可能である。具体的には、一実施形態に係る情報処理装置10などの各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサにより当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0087】
又は、本開示は、一実施形態に係る情報処理装置10などに各機能を実行させるために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能なプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0088】
例えば、上述した一実施形態で情報処理装置10において実行される少なくとも一部の処理動作が端末装置20において実行されてもよい。例えば、情報処理装置10に代えて、端末装置20自体が、情報処理装置10に関する上述した一連の処理動作を実行してもよい。端末装置20において実行される少なくとも一部の処理動作が情報処理装置10において実行されてもよい。
【0089】
上記実施形態では、情報処理装置10は、ユーザの体組成情報、遺伝子情報、及び運動指標情報を含む情報の少なくとも1つに基づいて、ユーザに対し設定された運動メニューを更新すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような更新処理を実行しなくてもよい。
【0090】
上記実施形態では、情報処理装置10は、予測された身長情報に対するユーザの現在の年齢での成熟度と体組成情報とを比較して運動メニューを更新すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、成熟度に代えて、又は加えて、体組成情報に関する他の指標に基づいて運動メニューを更新してもよい。例えば、情報処理装置10は、ユーザの体組成情報の偏差値などに基づいて運動メニューを更新してもよい。これらに限定されず、情報処理装置10は、以上の更新処理を実行しなくてもよい。
【0091】
上記実施形態では、情報処理装置10は、体組成情報及び運動指標情報の少なくとも一方の各個人の過去の実測データに基づいて成熟度をユーザごとに算出すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、過去の実測データなどに依存せずに、成熟度をMOごとに一義的に算出してもよい。
【0092】
上記実施形態では、情報処理装置10は、取得されたユーザの遺伝子情報に基づいて成熟度をユーザごとに算出すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、ユーザの遺伝子情報などに依存せずに、成熟度をMOごとに一義的に算出してもよい。
【0093】
上記実施形態では、情報処理装置10は、遺伝子情報に応じて運動メニューを更新すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような更新処理を実行しなくてもよい。
【0094】
上記実施形態では、情報処理装置10は、運動指標情報の偏差値に応じて運動メニューを更新すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような更新処理を実行しなくてもよい。
【0095】
上記実施形態では、情報処理装置10は、ユーザに対して設定された運動メニューを、所定期間の経過後に取得された情報に基づいてさらに更新すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような更新処理を実行しなくてもよい。
【0096】
上記実施形態では、情報処理装置10は、ユーザに対して設定された運動メニューを、取得された身体症状情報に基づいてさらに更新すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような更新処理を実行しなくてもよい。
【0097】
上記実施形態では、身長情報の予測モデルは、重回帰分析により構築された機械学習モデルを含むと説明したが、これに限定されない。予測モデルは、ニューラルネットワークなどの他の方法を用いて構築された機械学習モデルを含んでもよい。
【0098】
上記実施形態では、情報処理装置10は、身長情報の予測モデルに関する演算処理を情報処理装置10自体で実行し、予測モデルを構築すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、すでに構築済みの予測モデルを、ネットワーク30及び通信部11を介して任意の他の外部装置から受信することで、身長情報の予測モデルを取得してもよい。
【0099】
上記実施形態では、情報処理装置10は、サーバ装置、PC、又はスマートフォンなどであると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、例えば、フィットネスジムなどに設置されているフィットネス機器に搭載される装置であってもよいし、フィットネス機器そのものであってもよい。
【0100】
上記実施形態では、情報処理装置10は、構築された予測モデルに、ユーザの現在の年齢を入力することでPHVAをユーザごとに算出すると説明したが、これに限定されない。予測モデルに入力されるパラメータは、現在の年齢のみに限定されず、複数のパラメータを含んでもよい。例えば、予測モデルに入力されるパラメータは、年齢、身長、及び座高の3つを含んでもよいし、年齢、身長、座高、及び体重の4つを含んでもよい。これにより、予測モデルを用いたユーザの身長情報の予測精度が向上する。
【0101】
上記実施形態では、身長情報は、PHVA及びMOなどを含むと説明したが、これに限定されない。身長情報は、一年あたりの身長の伸び幅のような絶対値ではなく、一年あたりの身長の伸び率のような比率情報を含んでもよい。身長情報は、一年あたりの身長の伸び幅が最大となるときの年齢ではなく、伸び幅が2番目に大きいときの年齢などの他の年齢を含んでもよい。
【0102】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
ユーザの運動を支援する情報処理方法であって、
各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と前記個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、前記身体情報に応じた前記身長情報の予測モデルを取得することと、
取得された前記予測モデルに基づいてユーザの前記身長情報を予測することと、
予測された前記身長情報に応じた運動メニューを前記ユーザに対して設定することと、
を含む、
情報処理方法。
[付記2]
付記1に記載の情報処理方法であって、
前記ユーザの体組成情報、遺伝子情報、及び運動指標情報を含む情報の少なくとも1つを取得することと、
前記ユーザに対して設定された前記運動メニューを、取得された前記情報に基づいて更新することと、
をさらに含む、
情報処理方法。
[付記3]
付記2に記載の情報処理方法であって、
前記情報に基づいて更新することは、予測された前記身長情報に対する前記ユーザの現在の年齢での成熟度と前記体組成情報とを比較して前記運動メニューを更新することを含む、
情報処理方法。
[付記4]
付記3に記載の情報処理方法であって、
前記情報に基づいて更新することは、前記体組成情報及び前記運動指標情報の少なくとも一方の各個人の過去の実測データに基づいて前記成熟度を前記ユーザごとに算出することを含む、
情報処理方法。
[付記5]
付記3又は4に記載の情報処理方法であって、
前記情報に基づいて更新することは、取得された前記ユーザの前記遺伝子情報に基づいて前記成熟度を前記ユーザごとに算出することを含む、
情報処理方法。
[付記6]
付記2乃至5のいずれか1つに記載の情報処理方法であって、
前記情報に基づいて更新することは、前記遺伝子情報に応じて前記運動メニューを更新することを含む、
情報処理方法。
[付記7]
付記2乃至6のいずれか1つに記載の情報処理方法であって、
前記情報に基づいて更新することは、前記運動指標情報の偏差値に応じて前記運動メニューを更新することを含む、
情報処理方法。
[付記8]
付記2乃至7のいずれか1つに記載の情報処理方法であって、
前記情報のうち前記体組成情報及び前記運動指標情報の少なくとも一方を所定期間の経過後に取得することと、
前記ユーザに対して設定された前記運動メニューを、前記所定期間の経過後に取得された前記情報に基づいてさらに更新することと、
をさらに含む、
情報処理方法。
[付記9]
付記1乃至8のいずれか1つに記載の情報処理方法であって、
前記ユーザの身体症状情報を取得することと、
前記ユーザに対して設定された前記運動メニューを、取得された前記身体症状情報に基づいてさらに更新することと、
をさらに含む、
情報処理方法。
[付記10]
付記1乃至9のいずれか1つに記載の情報処理方法を実行する情報処理装置と、
前記ユーザが使用する端末装置と、
を備える、
情報処理システム。
[付記11]
ユーザの運動を支援する情報処理装置であって、
制御部を備え、前記制御部は、
各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と前記個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、前記身体情報に応じた前記身長情報の予測モデルを取得し、
取得された前記予測モデルに基づいてユーザの前記身長情報を予測し、
予測された前記身長情報に応じた運動メニューを前記ユーザに対して設定する、
情報処理装置。
[付記12]
ユーザの運動を支援する情報処理装置に、
各個人の年齢ごとの身長の伸びから得られる身長情報と前記個人の身体情報とを互いに関連付けた過去の実測データに基づく、前記身体情報に応じた前記身長情報の予測モデルを取得することと、
取得された前記予測モデルに基づいてユーザの前記身長情報を予測することと、
予測された前記身長情報に応じた運動メニューを前記ユーザに対して設定することと、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【符号の説明】
【0103】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 端末装置
21 通信部
22 記憶部
23 入力部
24 出力部
25 制御部
30 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6