(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145920
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/244 20210101AFI20241004BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20241004BHJP
【FI】
H01M50/244 A
H01M50/296
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058519
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 唯
(72)【発明者】
【氏名】笹田 基弘
(72)【発明者】
【氏名】遠矢 正一
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA02
5H040AA07
5H040AS22
5H040AT06
5H040AY05
5H040CC29
5H040DD06
5H040DD08
5H040DD22
(57)【要約】
【課題】負荷との間に隙間がある状態で負荷に固定することができる電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置10は、蓄電池31と、系統電源50から得られる交流電力である第一交流電力が入力される入力部と、負荷60が電気的に接続される出力部と、入力部に入力される第一交流電力を出力部に出力する第一制御、及び、蓄電池31を放電させることで得られる交流電力である第二交流電力を出力部に出力する第二制御を実行する制御部と、入力部及び出力部が設けられた、蓄電池31及び制御部を収容する筐体26と、筐体26に着脱自在に取り付けられる、筐体26を負荷60に固定するための第1脚部27とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池と、
系統電源から得られる交流電力である第一交流電力が入力される入力部と、
負荷が電気的に接続される出力部と、
前記入力部に入力される前記第一交流電力を前記出力部に出力する第一制御、及び、前記蓄電池を放電させることで得られる交流電力である第二交流電力を前記出力部に出力する第二制御を実行する制御部と、
前記入力部及び前記出力部が設けられた、前記蓄電池及び前記制御部を収容する筐体と、
前記筐体に着脱自在に取り付けられる、前記筐体を前記負荷に固定するための脚部とを備える
電源装置。
【請求項2】
前記脚部は、磁石を備え、
前記電源装置は、前記磁石の磁力によって前記負荷に固定される
請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記筐体には、前記脚部が着脱自在に取り付けられる取り付け構造が設けられ、
前記筐体に設けられた前記取り付け構造の数は、前記電源装置が備える前記脚部の数よりも多い
請求項1または2に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、蓄電池パックと充電装置とを備える蓄電池システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、負荷との間に隙間がある状態で負荷に固定することができる電源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る電源装置は、蓄電池と、系統電源から得られる交流電力である第一交流電力が入力される入力部と、負荷が電気的に接続される出力部と、前記入力部に入力される前記第一交流電力を前記出力部に出力する第一制御、及び、前記蓄電池を放電させることで得られる交流電力である第二交流電力を前記出力部に出力する第二制御を実行する制御部と、前記入力部及び前記出力部が設けられた、前記蓄電池及び前記制御部を収容する筐体と、前記筐体に着脱自在に取り付けられる、前記筐体を前記負荷に固定するための脚部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の電源装置は、負荷との間に隙間がある状態で負荷に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る電源装置を前面側から見た外観図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る電源装置を背面側から見た外観図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る電源装置を下方から見た外観図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る電源装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第1脚部の取り付け位置のバリエーションを示す第1の図である。
【
図8】
図8は、第1脚部の取り付け位置のバリエーションを示す第2の図である。
【
図9】
図9は、第1脚部の取り付け位置のバリエーションを示す第3の図である。
【
図10】
図10は、第1脚部の取り付け位置のバリエーションを示す第4の図である。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る電源装置の縦置きされた状態の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0009】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0010】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る電源装置の構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る電源装置を前面側から見た外観図である。
図2は、実施の形態に係る電源装置を背面側から見た外観図である。
図3は、実施の形態に係る電源装置を下方から見た外観図である。
図4は、実施の形態に係る電源装置の機能構成を示すブロック図である。
【0011】
図1~
図4に示されるように、実施の形態に係る電源装置10は、系統電源50と負荷60との間に位置し、系統電源50からの第一交流電力を負荷60に出力するか、蓄電池パック30(蓄電池31)の放電によって得られる第二交流電力を負荷60に出力するかを切り替えることができる装置である。負荷60は、例えば、冷蔵庫などの家電機器である。電源装置10は、第1脚部27によって負荷60(例えば、冷蔵庫の上面など)に固定することができる。電源装置10は、蓄電池パック30と、電源装置本体20とを備える。
【0012】
蓄電池パック30は、電源装置本体20に着脱される略直方体状の部材であり、蓄電池31を内蔵する。蓄電池31は、充電及び放電を繰り返して行うことができる二次電池である。蓄電池31は、例えば、リチウムイオン電池によって実現される。
【0013】
電源装置本体20は、入力部21と、電力制御部22と、出力部23と、制御部24と、記憶部25と、筐体26と、4つの第1脚部27と、第2脚部28とを備える。
【0014】
入力部21は、コンセントに電気的に接続され、コンセントを通じて系統電源50から得られる交流電力が入力される。入力部21は、例えば、先端に(コンセントに差し込まれる)プラグが設けられたケーブルが差し込まれる差込口(端子部)である。
【0015】
電力制御部22は、蓄電池31の充電制御、蓄電池31の放電制御、及び、パススルー制御を行う回路である。充電制御は、入力部21へ入力される交流電力(系統電源50から得られる交流電力)を用いて蓄電池31を充電する制御であり、放電制御は、蓄電池31を放電することで得られる直流電力を交流電力に変換し、出力部23へ出力する制御である。パススルー制御は、入力部21へ入力される交流電力(系統電源50から得られる交流電力)をそのまま出力部23へ出力する制御である。
【0016】
電力制御部22は、具体的には、入力部21へ入力される交流電力を蓄電池31の充電に適した直流電力に変換するための充電回路、及び、蓄電池31を放電することで得られる直流電力を交流電力に変換するための放電回路などによって実現される。充電回路には、AC(Alternating Current)-DC(Direct Current)コンバータ回路などが含まれ、放電回路には、DC-ACインバータ回路などが含まれる。
【0017】
出力部23には、負荷60が電気的に接続される。電力制御部22によって出力される交流電力は出力部23を通じて負荷60へ出力される。出力部23は、例えば、コンセントによって実現される。
【0018】
制御部24は、充電制御、放電制御、及び、パススルー制御を電力制御部22に実行させる。充電制御とパススルー制御は、並行して(同時に)行うこともできる。制御部24は、具体的には、マイクロコンピュータまたはプロセッサによって実現される。制御部24の機能は、例えば、制御部24を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが記憶部25に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0019】
なお、電源装置10に充電制御、放電制御、及び、パススルー制御のいずれを行わせるかは、例えば、筐体26に設けられたボタン(図示せず)によって選択されるが、リモートコントローラ(図示せず)によって選択されてもよい。
【0020】
記憶部25は、上記コンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部25は、例えば、半導体メモリによって実現される。なお、記憶部25は、制御部24に内蔵されてもよい。
【0021】
筐体26は、蓄電池パック30(蓄電池31)、電力制御部22、制御部24、及び、記憶部25を収容する、平たい直方体状の部材である。筐体26は、例えば、樹脂材料によって形成されるが、金属材料によって形成されてもよい。
【0022】
筐体26の前面には、蓄電池パック30を収容する奥部が設けられる。筐体26の背面には、入力部21、及び、出力部23が設けられる。また、筐体26の底面には、第1脚部27が着脱自在に取り付けられる取り付け構造26aが8つ設けられる。
【0023】
取り付け構造26aは、ねじ穴構造(ねじ受け構造)である。取り付け構造26aは、例えば、金属材料によって形成されるが、樹脂材料によって形成されてもよい。なお、取り付け構造26aの数は特に限定されない。取り付け構造26aの総数は、第1脚部27の総数と同じ数だけ設けられてもよいし、第1脚部27の総数よりも多くてもよい。
【0024】
[第1脚部]
第1脚部27は、電源装置10を負荷60に固定するための部材である。
図5は、第1脚部27の周辺部の断面図であり、
図6は、第1脚部27の外観図である。
【0025】
第1脚部27は、円柱状の脚部本体27aと、脚部本体27aの筐体26側に固定され、取り付け構造26aに回し入れられるねじ部27bと、脚部本体27aの筐体26と反対側に取り付けられる磁石27cと、磁石27cを脚部本体27aに固定するための固定ねじ27dとを備える。
【0026】
脚部本体27aは、例えば、樹脂材料によって形成されるが、金属材料によって形成されてもよい。脚部本体27aの長さ(高さ)は、例えば、4~5cm程度である。ねじ部27b及び固定ねじ27dは、例えば、金属材料によって形成されるが、樹脂材料によって形成されてもよい。磁石27cは、例えば、ネオジム磁石であるが、フェライト磁石などであってもよい。
【0027】
このような第1脚部27によれば、負荷60が金属部分(磁性体部分)を備えている場合に、電源装置10(筐体26)を負荷60の金属部分に固定することができ、電源装置10の落下、及び、位置ずれ等を抑制することができる。また、第1脚部27によれば、第1脚部27の高さ分、筐体26と負荷60と間隔をあけることができ、電源装置10及び負荷60のそれぞれの放熱性を確保することができる。
【0028】
また、第1脚部27は、筐体26に対して回動させることで筐体26に容易に取り付けることができ、かつ、筐体26から取り外すことができる。つまり、第1脚部27は、着脱自在である。電源装置10においては、取り付け構造26aの総数は、第1脚部27の総数よりも多く、第1脚部27の取り付け位置を、
図3のような取り付け位置から、
図7~
図10のような取り付け位置に変更することができる。
図7~
図10は、第1脚部27の取り付け位置のバリエーションを示す図である。なお、
図7~
図10は、電源装置10を下方側(底面側)から見た平面図(模式図)である。
【0029】
このように、第1脚部27の取り付け位置が自在に変更されれば、電源装置10を固定したい場所に凹凸があったとしてもこれを回避して電源装置10を固定することができる。なお、凹凸を回避するために第1脚部27の数を4つから3つに減らすことも可能である。
【0030】
[第2脚部]
ところで、負荷60が冷蔵庫である場合、冷蔵庫の上面に電源装置10を固定するのではなく、冷蔵庫と家具等との隙間に電源装置10を縦置きすることもできる。筐体26の右側面には、第2脚部28が設けられており(
図2参照)、電源装置10は、第1脚部27を全て取り外した状態で、第2脚部28が下方を向くように縦置きすることができる。
図11は、縦置きされた電源装置10の外観図である。
【0031】
第2脚部28は、例えば、筐体26の右側面と一体形成される凸部である。第2脚部28は、筐体26の右側面に沿う第1方向(上下方向)において長尺状である。第2脚部28は、筐体26の右側面に、第2方向(第1方向と交差(直交)する方向。前後方向)において間隔をあけて2つ設けられている。なお、第2脚部28は、第1脚部27のように円柱状の凸部であってもよく、第2脚部28の具体的な態様は特に限定されない。
【0032】
[ストラップによる固定]
筐体26の背面には、ストラップ挿通穴29が設けられている(
図2参照)。ストラップ挿通穴29にストラップの一端が接続され、ストラップの他端に磁石が設けられていれば、当該磁石を負荷60の金属部分に取り付けることで、電源装置10をより強力に負荷60に固定することができる。これにより、電源装置10の負荷60からの落下、及び、位置ずれ等がさらに抑制される。
【0033】
[変形例]
上記実施の形態では、電源装置10は、磁石27cの磁力によって負荷60に固定されたが、吸盤または両面テープ等によって負荷60に固定されてもよい。つまり、第1脚部27は、磁石27cに代えて吸盤または両面テープを備えてもよい。
【0034】
また、上記実施の形態では、第1脚部27は、円柱状であったが、角柱状などのその他の形状であってもよい。また、第1脚部27は、第2脚部28と同様に、筐体26の底面に沿う方向において長尺状であってもよい。第1脚部27の具体的態様は、特に限定されない。また、電源装置10が備える第1脚部27の数は、4本に限定されず、3本でもよいし、5本以上であってもよい。
【0035】
また、上記実施の形態では、電源装置10には、蓄電池パック30が着脱できる(蓄電池31を一般ユーザが交換できる)構造が採用されていた。しかしながら、電源装置10には、蓄電池31が内蔵されて一般ユーザが蓄電池31を交換できない構造が採用されてもよい。
【0036】
[効果等]
本明細書の開示内容から導き出される発明は、例えば以下のような発明である。以下、本明細書の開示内容から導き出される発明について、当該発明によって得られる効果等と合わせて説明する。
【0037】
発明1は、蓄電池31と、系統電源50から得られる交流電力である第一交流電力が入力される入力部21と、負荷60が電気的に接続される出力部23と、入力部21に入力される第一交流電力を出力部23に出力する第一制御、及び、蓄電池31を放電させることで得られる交流電力である第二交流電力を出力部23に出力する第二制御を実行する制御部24と、入力部21及び出力部23が設けられた、蓄電池31及び制御部24を収容する筐体26と、筐体26に着脱自在に取り付けられる、筐体26を負荷60に固定するための第1脚部27とを備える、電源装置10である。
【0038】
このような電源装置10は、第1脚部27によって負荷60に固定されることで、負荷60との間に隙間がある状態で負荷60に固定することができる。これにより、電源装置10の負荷60からの落下、及び、位置ずれを抑制するとともに、電源装置10及び負荷60のそれぞれの放熱性を確保することができる。また、電源装置10を固定したい場所に凹凸があったとしても、第1脚部27の一部を取り外すことで、凹凸を回避して電源装置10を固定することができる。
【0039】
発明2は、第1脚部27は、磁石27cを備え、電源装置10は、磁石27cの磁力によって負荷60に固定される、発明1の電源装置10である。
【0040】
このような電源装置10は、負荷60の金属部分に固定することができる。
【0041】
発明3は、筐体26には、第1脚部27が着脱自在に取り付けられる取り付け構造26aが設けられ、筐体26に設けられた取り付け構造26aの数は、電源装置10が備える第1脚部27の数よりも多い、発明1または2の電源装置10である。
【0042】
このような電源装置10は、第1脚部27の取り付け位置を複数通りに変更することができる。第1脚部27の取り付け位置が複数通りに変更されれば、電源装置10を固定したい場所に凹凸があったとしても凹凸を回避して電源装置10を固定することができる。
【0043】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0044】
例えば、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、または、方法で実現されてもよい。また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、及び、方法の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0045】
例えば、本発明は、電源装置と、負荷とを備えるシステムとして実現されてもよい。本発明は、負荷への電源装置の固定方法として実現されてもよい。
【0046】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
10 電源装置
20 電源装置本体
21 入力部
22 電力制御部
23 出力部
24 制御部
25 記憶部
26 筐体
26a 取り付け構造
27 第1脚部
27a 脚部本体
27b ねじ部
27c 磁石
27d 固定ねじ
28 第2脚部
29 ストラップ挿通穴
30 蓄電池パック
31 蓄電池
50 系統電源
60 負荷