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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145922
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】自律走行ロボット及び制御システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20241004BHJP
   G08B 15/00 20060101ALI20241004BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20241004BHJP
   G07C 9/15 20200101ALI20241004BHJP
【FI】
G08B25/04 F
G08B15/00
G05D1/02 P
G07C9/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058523
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】藤井 清人
(72)【発明者】
【氏名】阪本 篤志
【テーマコード(参考)】
3E138
5C084
5C087
5H301
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138EA02
3E138HA05
3E138HA07
3E138JA01
3E138JB08
3E138JC03
3E138JD05
5C084AA02
5C084BB04
5C084CC19
5C084DD11
5C084DD36
5C084HH02
5C084HH10
5C087AA19
5C087AA37
5C087DD06
5C087DD13
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF25
5C087GG65
5C087GG66
5C087GG81
5C087GG84
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB10
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD17
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301KK02
5H301KK18
5H301KK19
(57)【要約】
【課題】自律して走行する自律走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過する人物を適切に検出することができる自律走行ロボット及び制御システムを提供する。
【解決手段】自律走行ロボットは、自律して走行する自律走行ロボットであって、セキュリティゲートを通行するための通行要求をセキュリティゲートを制御するゲート制御システムに送信する送信手段と、通行要求の送信によりセキュリティゲートが開状態となっている開期間にセキュリティゲートを通過するように走行制御する制御手段と、自律走行ロボットの周囲に存在する人物の人物位置を取得する取得手段と、送信手段が通行要求を送信した後に、自律走行ロボットと人物の位置関係の変化に基づいて不正侵入者を検出する不正侵入者検出手段と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律して走行する自律走行ロボットであって、
セキュリティゲートを通行するための通行要求を前記セキュリティゲートを制御するゲート制御システムに送信する送信手段と、
前記通行要求の送信により前記セキュリティゲートが開状態となっている開期間に前記セキュリティゲートを通過するように走行制御する制御手段と、
前記自律走行ロボットの周囲に存在する人物の人物位置を取得する取得手段と、
前記送信手段が前記通行要求を送信した後に、前記自律走行ロボットと前記人物の位置関係の変化に基づいて不正侵入者を検出する不正侵入者検出手段と、
を有することを特徴とする自律走行ロボット。
【請求項2】
前記セキュリティゲートが開状態となったことを通知する開通知信号を前記ゲート制御システムから受信する受信手段をさらに有し、
前記不正侵入者検出手段は、前記送信手段が前記通行要求を送信し、且つ、前記受信手段が前記開通知信号を受信した後に、不正侵入者の検出処理を実行する、請求項1に記載の自律走行ロボット。
【請求項3】
前記セキュリティゲートが閉状態となったことを通知する閉通知信号を前記ゲート制御システムから受信する受信手段をさらに有し、
前記不正侵入者検出手段は、前記受信手段が前記閉通知信号を受信するまで、不正侵入者の検出処理を実行する、請求項1または2に記載の自律走行ロボット。
【請求項4】
前記不正侵入者検出手段は、前記自律走行ロボットの自己位置又は前記人物位置が、前記セキュリティゲートにおける人物認証位置より、前記セキュリティゲートにより進入が規制されるエリア側に設定された所定エリアに含まれる場合に、不正侵入者の検出処理を実行する、請求項1または2に記載の自律走行ロボット。
【請求項5】
前記不正侵入者検出手段は、前記セキュリティゲートが開状態であるか閉状態であるかにより、前記所定エリアを変更する、請求項4に記載の自律走行ロボット。
【請求項6】
前記不正侵入者検出手段は、前記自律走行ロボットの自己位置と前記人物位置の位置関係の変化に基づいて、不正侵入者を検出する、請求項1または2に記載の自律走行ロボット。
【請求項7】
自律して走行する自律走行ロボットからセキュリティゲートを通行するための通行要求を受信する受信手段と、
前記通行要求の受信により前記セキュリティゲートを開状態とするゲート制御手段と、
前記自律走行ロボットのロボット位置、及び、前記自律走行ロボットの周囲に存在する人物の人物位置を取得する取得手段と、
前記通行要求を受信した後に、前記自律走行ロボットと前記人物の位置関係の変化に基づいて不正侵入者を検出する不正侵入者検出手段と、
を有することを特徴とする制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行ロボット及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、常駐警備員の代わりに、施設内を自律して走行し、巡回警備、点検業務等を行う自律走行ロボットが開発されている。自律走行ロボットが施設内を移動する際、施設内に設置されたフラッパーゲート、スウィングゲート等のセキュリティゲートが自律走行ロボットの障壁となり得る。そのため、自律走行ロボットを有するシステムでは、自律走行ロボットがセキュリティゲートの開閉を制御できるように、自律走行ロボットとセキュリティゲートが連携することが要求されている。一方、自律走行ロボットがセキュリティゲートを通過する際に、通過権限を持たない人物が自律走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過するいわゆる「共連れ」侵入、又は、セキュリティゲートを挟んで自律走行ロボットの反対側からセキュリティゲートを通過するいわゆる「すれ違い」侵入を防止することが求められている。
【0003】
特許文献1には、共連れを検知する入退室センサ装置が設置されたゲート装置において共連れの発生が検知された場合にゲート装置を施錠するゲート管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-055955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自律走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過する人物を適切に検出することが求められている。
【0006】
本発明の目的は、自律して走行する自律走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過する人物を適切に検出することができる自律走行ロボット、制御システム及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明は、自律して走行する自律走行ロボットであって、セキュリティゲートを通行するための通行要求をセキュリティゲートを制御するゲート制御システムに送信する送信手段と、通行要求の送信によりセキュリティゲートが開状態となっている開期間にセキュリティゲートを通過するように走行制御する制御手段と、自律走行ロボットの周囲に存在する人物の人物位置を取得する取得手段と、送信手段が通行要求を送信した後に、自律走行ロボットと人物の位置関係の変化に基づいて不正侵入者を検出する不正侵入者検出手段と、を有する自律走行ロボットを提供する。
【0008】
この自律走行ロボットにおいて、セキュリティゲートが開状態となったことを通知する開通知信号をゲート制御システムから受信する受信手段をさらに有し、不正侵入者検出手段は、送信手段が通行要求を送信し、且つ、受信手段が開通知信号を受信した後に、不正侵入者の検出処理を実行することが好適である。
【0009】
この自律走行ロボットにおいて、セキュリティゲートが閉状態となったことを通知する閉通知信号をゲート制御システムから受信する受信手段をさらに有し、不正侵入者検出手段は、受信手段が閉通知信号を受信するまで、不正侵入者の検出処理を実行することが好適である。
【0010】
この自律走行ロボットにおいて、不正侵入者検出手段は、自律走行ロボットの自己位置又は人物位置が、セキュリティゲートにおける人物認証位置より、セキュリティゲートにより進入が規制されるエリア側に設定された所定エリアに含まれる場合に、不正侵入者の検出処理を実行することが好適である。
【0011】
この自律走行ロボットにおいて、不正侵入者検出手段は、セキュリティゲートが開状態であるか閉状態であるかにより、所定エリアを変更することが好適である。
【0012】
この自律走行ロボットにおいて、不正侵入者検出手段は、自律走行ロボットの自己位置と人物位置の位置関係の変化に基づいて、不正侵入者を検出することが好適である。
【0013】
かかる課題を解決するため本発明は、自律して走行する自律走行ロボットからセキュリティゲートを通行するための通行要求を受信する受信手段と、通行要求の受信によりセキュリティゲートを開状態とするゲート制御手段と、自律走行ロボットのロボット位置、及び、自律走行ロボットの周囲に存在する人物の人物位置を取得する取得手段と、通行要求を受信した後に、自律走行ロボットと人物の位置関係の変化に基づいて不正侵入者を検出する不正侵入者検出手段と、を有する制御システムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る自律走行ロボット及び制御システムは、自律走行ロボットとともにセキュリティゲートを通過する人物を適切に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(A)は、実施形態に係る制御システム1について説明するための模式図であり、(B)は、自律走行ロボット10の斜視図である。
図2】制御システム1の全体システム構成を示す図である。
図3】(A)は、権限者テーブル183のデータ構造の一例を示す図であり、(B)は、属性テーブル184のデータ構造の一例を示す図である。
図4】開閉処理の動作の例を示すシーケンスである。
図5】開閉処理の動作の例を示すシーケンスである。
図6】(A)は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30の周辺に到達した様子を示す模式図であり、(B)は、セキュリティゲート30が開状態となった様子を示す模式図であり、(C)は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過した様子を示す模式図であり、(D)は、セキュリティゲート30が閉状態となった様子を示す模式図である。
図7】検出処理の動作の例を示すフローチャートである。
図8】(A)、(B)は、判定エリアについて説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態に係る制御システムについて図を参照しつつ説明する。
【0017】
図1(A)は、実施形態に係る制御システム1について説明するための模式図である。
図1(A)に示すように、制御システム1は、一又は複数の自律走行ロボット10、セキュリティゲート30及び/又は監視カメラC等を有する。制御システム1は、会社、マンション、商業施設等の施設に設定された監視エリアを監視及び警備する監視システムである。
【0018】
監視カメラCは、監視エリア内の所定領域、特にセキュリティゲート30の周辺を撮像可能に配置され、監視エリア内の領域を撮像して監視画像を生成し、出力する。
自律走行ロボット10は、監視エリア内を自律して走行し、監視エリア内の領域を撮像して撮影画像を生成し、出力する。
セキュリティゲート30は、監視エリア内で、セキュリティ性が低い低セキュリティエリアA1とセキュリティ性が高い高セキュリティエリアA2との境界に配置される。セキュリティゲート30は、予め登録された人物及び自律走行ロボット10の高セキュリティエリアA2への進入を許可しつつ、予め登録されていない人物の高セキュリティエリアA2への進入を制限する。
【0019】
図1(B)は、自律走行ロボット10の斜視図である。
図1(B)に示すように、自律走行ロボット10は、本体部10A、タイヤ10B及びアーム10C等を有する。本体部10Aは、自律走行ロボット10全体を覆う筐体である。タイヤ10Bは、本体部10Aの底面に設けられ、自律走行ロボット10の移動のために使用される。アーム10Cは、本体部10Aの側面に、側面から伸長可能に設けられ、点検、施錠等の所定の処理を実行するために使用される。
【0020】
図2は、制御システム1の全体システム構成を示す図である。
図2に示すように、制御システム1は、ロボット制御システム2及びゲート制御システム3を有する。ロボット制御システム2は、自律走行ロボット10を制御し、管理するシステムであり、一又は複数の自律走行ロボット10及びロボット管理サーバ20等を有する。ゲート制御システム3は、監視エリア内に設置された一又は複数のセキュリティゲート30を制御し、管理するシステムであり、一又は複数のセキュリティゲート30、ゲート管理サーバ40及び一又は複数の監視カメラC等を有する。
自律走行ロボット10及びロボット管理サーバ20は、イントラネット又はインターネット等の第1通信ネットワークN1を介して相互に接続される。自律走行ロボット10は、無線LAN、携帯電話ネットワーク等の無線通信ネットワークを介して第1通信ネットワークN1に接続される。セキュリティゲート30、ゲート管理サーバ40及び監視カメラCは、イントラネット又はインターネット等の第2通信ネットワークN2を介して相互に接続される。第1通信ネットワークN1及び第2通信ネットワークN2は通信接続され、自律走行ロボット10、ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30、ゲート管理サーバ40及び監視カメラCは、相互に接続される。
【0021】
自律走行ロボット10は、監視エリア内を自律して走行するとともに、監視エリア内の領域を撮像して撮影画像を生成し、ロボット管理サーバ20に送信する。例えば、自律走行ロボット10は、予め定められた時間に、監視エリア内の予め定められた巡回ルートを走行し、予め定められた撮影ポイントで撮像を行う。または、自律走行ロボット10は、管制員によってロボット管理サーバ20を用いて指定された移動先へ移動し、移動先で撮像を行う。
自律走行ロボット10は、第1人物センサ11、撮像部12、位置センサ13、タイヤ駆動部14、アーム駆動部15、出力部16、第1通信部17、第1記憶部18及び第1処理部19等を有する。
【0022】
第1人物センサ11は、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物を検知するためのセンサである。
第1人物センサ11は、例えば本体部10Aの前面、側面、背面及び/又は上面に設けられた一又は複数のレーザセンサ(LiDAR)を含む。各レーザセンサは、所定の方向に向けて近赤外光、可視光、紫外線等の光を照射する照射器と、その反射光を受光する受光器とを含む。各照射器が光を照射する方向は、自律走行ロボット10の進行方向に対して様々な方位角及び仰俯角を有するように設定される。各レーザセンサは、照射器が光を照射してから受光器が反射光を受光するまでの時間に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する物体までの距離を測定する。第1人物センサ11は、各レーザセンサが光を照射した方向と、測定した距離との複数の組み合わせを含む人物検知信号を所定の周期で第1処理部19に出力する。
第1人物センサ11は、本体部10Aの前面、側面、背面及び/又は上面に設けられた一又は複数の可視光カメラを含んでもよい。各可視光カメラの撮像方向は、自律走行ロボット10の進行方向に対して様々な方位角及び仰俯角を有するように設定される。各可視光カメラは、例えば、CCD素子又はC-MOS素子等、可視光に感度を有する光電変換素子と、その光電変換素子上に像を結像する結像光学系と、A/D変換器とを有し、可視光に基づく可視光画像を生成して出力する。第1人物センサ11は、所定のフレーム周期で可視光画像を順次生成し、第1処理部19に出力する。また、第1人物センサ11は、可視光カメラに代えて又は加えて、熱画像を取得する熱画像カメラを備えてもよい。熱画像カメラは、例えば、物体からの電磁放射の2種類の波長の放射エネルギーを検出する2次元に配置されたセンサと、センサから出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。熱画像カメラは、2種類の放射エネルギー比によって求められた温度値に基づいて熱画像を生成し、所定のフレーム周期で第1処理部19に出力する。
【0023】
撮像部12は、監視エリア内の領域を撮像するためのカメラである。
撮像部12は、上記した可視光カメラ又は熱画像カメラと同様の一又は複数の可視光カメラ又は熱画像カメラを含む。各カメラは、本体部10Aの前面、側面、背面及び/又は上面に設けられる。各カメラは、所定のフレーム周期で可視光又は温度値に基づく撮影画像を順次生成し、第1処理部19に出力する。
なお、第1人物センサ11が可視光カメラ又は熱画像カメラを含む場合、撮像部12は省略され、第1人物センサ11が生成した可視光画像又は熱画像が撮影画像として利用されてもよい。
【0024】
位置センサ13は、自律走行ロボット10の現在位置を取得するためのセンサである。
位置センサ13は、例えば上記したレーザセンサと同様の一又は複数のレーザセンサを含む。各レーザセンサは、本体部10Aの前面、側面、背面及び/又は上面に設けられる。位置センサ13は、各レーザセンサが光を照射した各方向と、測定した距離との複数の組み合わせを含む位置検知信号を所定の周期で第1処理部19に出力する。
位置センサ13は、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の航法衛星(人工衛星)から送信される電波(航法信号)を受信する受信機を含んでもよい。受信機は、複数の航法衛星から送信される航法信号を受信して第1処理部19に出力する。
なお、第1人物センサ11がレーザセンサを含む場合、位置センサ13は省略され、第1人物センサ11が生成した人物検知信号が位置検知信号として利用されてもよい。
【0025】
タイヤ駆動部14は、タイヤ10Bを回転させるためのモータ及び/又はタイヤ10Bの方向を変更するためのモータを含む。タイヤ駆動部14は、第1処理部19からタイヤ駆動信号を受信し、受信したタイヤ駆動信号に従って回転し、タイヤ10Bを駆動する。
【0026】
アーム駆動部15は、アーム10Cの角度を変更させるためのモータを含む。アーム駆動部15は、第1処理部19からアーム駆動信号を受信し、受信したアーム駆動信号に従って回転し、アーム10Cの角度を変更させて、アーム10Cを延伸させる。
【0027】
出力部16は、LEDを含み、第1処理部19からの指示に従って点灯又は消灯する。出力部16は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を含み、第1処理部19からの指示に従って画像、テキスト等の各情報を表示してもよい。また、出力部16は、スピーカ及びスピーカに音声データを出力するインタフェース回路を含み、第1処理部19からの指示に従って音声を出力してもよい。
【0028】
第1通信部17は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第1通信ネットワークN1に接続する。または、第1通信部17は、例えばW-CDMA方式又はLTE方式等に準拠した通信インタフェース回路を有し、基地局及び移動体通信網等の通信ネットワークを介して第1通信ネットワークN1に接続する。第1通信部17は、第1通信ネットワークN1から受信したデータを第1処理部19へ出力し、第1処理部19から入力されたデータを第1通信ネットワークN1に送信する。
【0029】
第1記憶部18は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第1記憶部18は、自律走行ロボット10を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第1処理部19との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第1記憶部18にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
【0030】
また、第1記憶部18は、データとして、マップ情報181、巡回情報182、権限者テーブル183及び属性テーブル184等を記憶する。
マップ情報181は、監視エリア内の通路又は部屋等の形状、各セキュリティゲート30の位置及び幅、設備機器又はパーティション等の固定された障害物の位置等を示す。各セキュリティゲート30の位置は、各セキュリティゲート30を識別するためのゲートIDと対応付けて記憶される。また、セキュリティゲート30毎に、各セキュリティゲート30により区画される二つのエリアのセキュリティレベルが記憶される。
巡回情報182は、自律走行ロボット10の巡回スケジュール(巡回時間、巡回ルート、撮影ポイント等)を示す。
マップ情報181又は巡回情報182は、ロボット管理サーバ20又はゲート管理サーバ40から設定される。権限者テーブル183及び属性テーブル184の詳細については後述する。
【0031】
第1処理部19は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、自律走行ロボット10の各種信号処理を実行する。第1処理部19は、プロセッサ上で動作するプログラムの機能モジュールとして実装される制御部191、送信部192、受信部193、取得部194、人物検出部195及び不正侵入者検出部196等を有する。なお、第1処理部19として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0032】
第1処理部19は、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20から巡回情報を受信し、受信した巡回情報を第1記憶部18に記憶する。また、第1処理部19は、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20から自律走行ロボット10の巡回の開始又は終了を指示するための制御信号を受信し、受信した制御信号及び巡回情報に従ってタイヤ駆動部14を駆動し、自律走行ロボット10を移動させる。また、第1処理部19は、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20から自律走行ロボット10の移動先を指示するための制御信号を受信し、受信した制御信号に従ってタイヤ駆動部14を駆動し、自律走行ロボット10を移動させる。また、第1処理部19は、巡回情報に示される撮影ポイント又は制御信号に示される移動先で撮像部12に撮像させ、生成された撮像画像を、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20に送信する。
【0033】
ロボット管理サーバ20は、監視エリア内又は監視エリアの周辺に設置された防災センタの管制卓等に配置され、自律走行ロボット10を制御し又は管理する。
ロボット管理サーバ20は、第2操作部21、第2表示部22、第2通信部23、第2記憶部24及び第2処理部25等を有する。
【0034】
第2操作部21は、タッチパネル、キーボード等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を含み、利用者による操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を第2処理部25へ出力する。第2表示部22は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を含み、第2処理部25からの指示に従って画像、テキスト等の各情報を表示する。
【0035】
第2通信部23は、例えばTCP/IP等に準拠した通信インタフェース回路を有し、第1通信ネットワークN1に接続する。または、第2通信部23は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第1通信ネットワークN1に接続する。第2通信部23は、第1通信ネットワークN1から受信したデータを第2処理部25へ出力し、第2処理部25から入力されたデータを第1通信ネットワークN1に送信する。
【0036】
第2記憶部24は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第2記憶部24は、ロボット管理サーバ20を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第2処理部25との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第2記憶部24にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
【0037】
第2処理部25は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、ロボット管理サーバ20の各種処理を実行する。なお、第2処理部25として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0038】
第2処理部25は、第2操作部21を用いて管制員から自律走行ロボット10の巡回スケジュールの設定を受け付け、受け付けた設定を示す巡回情報を、第2通信部23を介して自律走行ロボット10に送信し、自律走行ロボット10に設定する。また、第2処理部25は、第2操作部21を用いて管制員から自律走行ロボット10の巡回の開始又は終了の指示を受け付け、巡回の開始又は終了を指示するための制御信号を、第2通信部23を介して自律走行ロボット10に送信し、自律走行ロボット10を制御する。また、第2処理部25は、第2操作部21を用いて管制員から自律走行ロボット10の移動先の指示を受け付け、移動先を指示するための制御信号を、第2通信部23を介して自律走行ロボット10に送信し、自律走行ロボット10を移動させる。また、第2処理部25は、第2通信部23を介して自律走行ロボット10から撮像画像を受信し、第2表示部22に表示する。
【0039】
セキュリティゲート30は、フラップ式ゲート、スウィング式ゲート、スライド式ゲート、シャッター式ゲート等である。セキュリティゲート30は、利用者の認証情報(IDカード等に記憶された利用者ID、又は、利用者の顔、指紋、虹彩等の生体情報等)を取得し、取得した認証情報をゲート管理サーバ40へ送信する。セキュリティゲート30は、ゲート管理サーバ40から受信した信号に従って、扉の開閉を制御する。
セキュリティゲート30は、読取部31、第3人物センサ32、扉駆動部33、第3通信部34、第3記憶部35及び第3処理部36等を有する。
【0040】
読取部31は、セキュリティゲート30の入り口等に設けられる。
読取部31は、例えばカードリーダであり、利用者が保持するICカードに記憶された、利用者を識別するための利用者IDを読み取って、第3処理部36に出力する。カードリーダは、非接触方式のカードリーダライタである。
読取部31は、利用者の顔、指紋、虹彩等の生体情報を読み取るためのカメラでもよい。カメラは、例えば、CCD素子又はC-MOS素子等、可視光又は赤外線に感度を有する光電変換素子と、その光電変換素子上に像を結像する結像光学系と、A/D変換器とを有し、利用者の顔、指紋、虹彩等を撮像した生体画像を生成して第3処理部36に出力する。
【0041】
第3人物センサ32は、セキュリティゲート30を通過する人物を検知するためのセンサである。第3人物センサ32は、セキュリティゲート30の前面、内側面、上面等に設けられる。第3人物センサ32は、第1人物センサ11と同様のレーザセンサ又はカメラを含み、人物検知信号、可視光画像又は熱画像を第3処理部36に出力する。
【0042】
扉駆動部33は、扉を開閉させるためのモータを含む。扉駆動部33は、第3処理部36から扉駆動信号を受信し、受信した扉駆動信号に従って回転して駆動力を発生させ、扉を開閉させる。セキュリティゲート30がフラップ式ゲート又はスウィング式ゲートである場合、扉駆動部33は扉を回転させ、セキュリティゲート30がスライド式ゲート又はシャッター式ゲートである場合、扉駆動部33は扉を水平移動させる。
【0043】
第3通信部34は、例えばTCP/IP等に準拠した通信インタフェース回路を有し、第2通信ネットワークN2に接続する。または、第3通信部34は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第2通信ネットワークN2に接続する。第3通信部34は、第2通信ネットワークN2から受信したデータを第3処理部36へ出力し、第3処理部36から入力されたデータを第2通信ネットワークN2に送信する。
【0044】
第3記憶部35は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第3記憶部35は、セキュリティゲート30を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第3処理部36との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第3記憶部35にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
【0045】
第3処理部36は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、セキュリティゲート30の各種信号処理を実行する。第3処理部36は、プロセッサ上で動作するプログラムの機能モジュールとして実装される管理部361等を有する。なお、第3処理部36として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0046】
第3処理部36は、読取部31から取得した利用者の認証情報を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40へ送信するとともに、ゲート管理サーバ40から受信した信号に従って、セキュリティゲート30を開閉するように扉駆動部33を制御する。
【0047】
ゲート管理サーバ40は、監視エリア内又は監視エリアの周辺に設置された管理センタ等に配置され、セキュリティゲート30を制御し又は管理する。ゲート管理サーバ40は、第4操作部41、第4表示部42、第4通信部43、第4記憶部44及び第4処理部45等を有する。
【0048】
第4操作部41は、タッチパネル、キーボード等の入力装置及び入力装置から信号を取得するインタフェース回路を含み、利用者による操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を第4処理部45へ出力する。第4表示部42は、液晶、有機EL等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を含み、第4処理部45からの指示に従って画像、テキスト等の各情報を表示する。
【0049】
第4通信部43は、例えばTCP/IP等に準拠した通信インタフェース回路を有し、第2通信ネットワークN2に接続する。または、第4通信部43は、例えば無線信号を送受信するアンテナと、無線LAN等の無線通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有し、アクセスポイントを介して第2通信ネットワークN2に接続する。第4通信部43は、第2通信ネットワークN2から受信したデータを第4処理部45へ出力し、第4処理部45から入力されたデータを第2通信ネットワークN2に送信する。
【0050】
第4記憶部44は、ROM、RAM等の半導体メモリ、磁気ディスク又はCD-ROM、DVD-ROM等の光ディスクドライブ及びその記録媒体を有する。第4記憶部44は、ゲート管理サーバ40を制御するためのコンピュータプログラム及び各種データを記憶し、第4処理部45との間でこれらの情報を入出力する。コンピュータプログラムは、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から公知のセットアッププログラム等を用いて第4記憶部44にインストールされてもよい。コンピュータプログラムは、所定のサーバが有する記録媒体に記憶され、ネットワークを介してインストールされてもよい。
第4記憶部44は、データとして、セキュリティゲート30の通過を許可された利用者及び自律走行ロボット10の認証情報を記憶する。利用者の認証情報は、利用者ID及び/又は生体情報である。自律走行ロボット10の認証情報は、自律走行ロボット10の識別情報であるロボットIDである。
【0051】
第4処理部45は、CPU、MPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリと、その周辺回路とを有し、ロボット管理サーバ20の各種処理を実行する。なお、第4処理部45として、DSP、LSI、ASIC、FPGA等が用いられてもよい。
【0052】
第4処理部45は、第2操作部21を用いて管理者からセキュリティゲート30の通過を許可される利用者及び自律走行ロボット10の登録を受け付け、受け付けた利用者及び自律走行ロボット10の認証情報を第4記憶部44に登録する。
【0053】
図3(A)は、権限者テーブル183のデータ構造の一例を示す図である。図3(A)に示すように、権限者テーブル183には、自律走行ロボット10とともにセキュリティゲート30を通過する通過権限を有する権限者毎に、各権限者の識別番号(権限者ID)及び顔画像等が相互に関連付けて設定されている。通過権限は、例えばロボット制御システム2もしくはゲート制御システム3の管理者、又は、自律走行ロボット10による介助が必要な被介助者等に付与される。
【0054】
図3(B)は、属性テーブル184のデータ構造の一例を示す図である。図3(B)に示すように、属性テーブル184には、自律走行ロボット10とともにセキュリティゲート30の通過が許可される属性毎に、各属性を有するグループに所属する所属者の識別番号(所属者ID)及び顔画像等が相互に関連付けて設定されている。属性は、各人物が属するグループの属性である。自律走行ロボット10とともにセキュリティゲート30の通過が許可される属性として、例えば監視エリアを警備する警備員、又は、自律走行ロボット10のメンテナンスを行う保守者等が設定される。
【0055】
権限者テーブル183及び/又は属性テーブル184は、ロボット管理サーバ20又はゲート管理サーバ40から登録される。
【0056】
図4は、制御システム1による、利用者がセキュリティゲート30を通過する際のセキュリティゲート30の開閉処理の動作の例を示すシーケンスである。このシーケンスは、各装置が有する各記憶部に予め記憶されているプログラムに基づいて、主に各装置が有する各処理部により、各装置の各要素と協働して実行される。
【0057】
まず、セキュリティゲート30の第3処理部36は、読取部31が読み取った利用者の認証情報を取得する(ステップS101)。
次に、第3処理部36は、取得した認証情報を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS102)。
【0058】
次に、ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30から認証情報を受信し、受信した認証情報に含まれる利用者ID又は生体画像を第4記憶部44に登録されている利用者ID又は生体画像と照合する(ステップS103)。認証情報が利用者IDである場合、第4処理部45は、認証情報に含まれる利用者IDが第4記憶部44に登録されている何れかの利用者IDと一致するか否かにより認証に成功したか否かを判定する。認証情報が生体画像である場合、第4処理部45は、公知の画像処理技術を利用して、認証情報に含まれる生体画像が第4記憶部44に登録されている何れかの生体画像と合致(対応)するか否かにより認証に成功したか否かを判定する。認証に失敗した場合、制御システム1は、セキュリティゲート30を開状態にすることなく、開閉処理を終了する。
一方、認証に成功した場合、第4処理部45は、セキュリティゲート30を開状態とするための開制御信号を、第4通信部43を介してセキュリティゲート30に送信する(ステップS104)。
【0059】
次に、セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40から開制御信号を受信し、扉駆動部33を駆動してセキュリティゲート30を開状態とする(ステップS105)。
次に、第3処理部36は、セキュリティゲート30が開状態となったことを通知する開通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS106)。
【0060】
次に、第3処理部36は、利用者がセキュリティゲート30を通過したことを検出するまで待機する(ステップS107)。第3処理部36は、第3人物センサ32から人物検知信号、可視光画像又は熱画像を取得し、取得した人物検知信号、可視光画像又は熱画像に基づいて、セキュリティゲート30を通過する人物が存在するか否かを判定する。例えば、第3処理部36は、人物検知信号に示される距離及び方向に基づいて、セキュリティゲート30内に物体が存在するか否かを判定し、セキュリティゲート30内に物体が存在すると判定した場合、セキュリティゲート30内に人物が存在すると判定する。または、第3処理部36は、フレーム間差分処理又は背景差分処理により、順次取得した画像内で変化が発生した変化領域を検出し、検出した変化領域が人物とみなされる所定の大きさを有する場合、セキュリティゲート30内に人物が存在すると判定する。第3処理部36は、セキュリティゲート30内に人物が存在すると判定してから、セキュリティゲート30内に人物が存在しないと判定した場合、利用者がセキュリティゲート30を通過したと判定する。
【0061】
次に、第3処理部36は、扉駆動部33を駆動してセキュリティゲート30を閉状態とする(ステップS108)。なお、第3処理部36は、ゲート管理サーバ40からセキュリティゲート30を閉状態とするための閉制御信号を受信したときに、セキュリティゲート30を閉状態としてもよい。その場合、例えば、ゲート管理サーバ40は、開制御信号を送信してから、利用者がセキュリティゲート30を通過可能な時間が経過したときに、セキュリティゲート30に閉制御信号を送信する。
次に、第3処理部36は、セキュリティゲート30が閉状態となったことを通知する閉通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS109)。以上により、利用者がセキュリティゲート30を通過する際のセキュリティゲート30の開閉処理は終了する。
【0062】
図5は、制御システム1による、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過する際のセキュリティゲート30の開閉処理の動作の例を示すシーケンスである。このシーケンスは、各装置が有する各記憶部に予め記憶されているプログラムに基づいて、主に各装置が有する各処理部により、各装置の各要素と協働して実行される。
【0063】
自律走行ロボット10の制御部191は、第1記憶部18に記憶された巡回情報182又はロボット管理サーバ20の第2処理部25から受信した制御信号に従って、マップ情報181に示される通路を通って移動する。制御部191は、定期的に、位置センサ13から位置検知信号又は航法信号を取得し、自律走行ロボット10の現在位置及び方向を検出する。制御部191は、取得した位置検知信号に含まれる各レーザセンサが光を照射した方向と物体までの距離の組合せと、マップ情報181に示される通路、部屋、障害物等の位置とから現在位置及び方向を特定する。または、制御部191は、取得した航法信号から緯度、経度及び高度を求め、現在位置及び方向を特定する。
【0064】
送信部192は、自律走行ロボット10が通過すべきセキュリティゲート30の周辺に到達したときに、セキュリティゲート30を開状態とするための開要求信号を、第1通信部17を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS201)。開要求信号には、対象となる自律走行ロボット10のロボットID及び対象となるセキュリティゲート30のゲートIDが含まれる。
送信部192は、開要求信号に代えて、これから自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を専有利用することを通知する利用要求信号を送信してもよい。セキュリティゲート30が専有利用された状態とは、他の自律走行ロボット10や人物によるそのセキュリティゲート30の利用が許可されない状態をいう。利用要求信号にも対象となる自律走行ロボット10のロボットID及び対象となるセキュリティゲート30のゲートIDが含まれる。利用要求信号を送信する場合、セキュリティゲート30はその要求が許可されたとしてもすぐに開状態とすることなく、例えば自律走行ロボット10が所定の位置に移動した後に開状態としてもよい。また、利用要求信号が許可された後に開要求信号が送信され、その開要求信号が許可された後に開状態とされてもよい。開要求信号及び利用要求信号は、セキュリティゲート30を通行するための通行要求の一例であり、いずれも自律走行ロボット10がセキュリティゲート30の通行を可能とするための信号である。以下の説明では、自律走行ロボット10が通行要求として開要求信号を送信した場合について説明する。
【0065】
図6(A)は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30の周辺に到達した様子を示す模式図である。自律走行ロボット10がセキュリティゲート30の周辺に到達したとき、セキュリティゲート30は閉状態である。なお、矢印B1は、自律走行ロボット10の進行方向を示し、矢印B2は、自律走行ロボット10の進行方向B1と直交する幅方向を示す。
【0066】
次に、不正侵入者検出部196は、検出処理を開始する(ステップS202)。検出処理は、送信部192が開要求信号を送信した後に、自律走行ロボット10と、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物との位置関係の変化に基づいて不正侵入者を検出するための処理である。検出処理の詳細については後述する。
なお、開要求信号(又は利用要求信号)の送信後から開状態となっている期間の何れかの期間において検出処理が開始されてもよい。
【0067】
一方、ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介して自律走行ロボット10から開要求信号を受信し、受信した開要求信号に含まれるロボットIDを第4記憶部44に登録されているロボットIDと照合する(ステップS203)。第4処理部45は、認証情報に含まれるロボットIDが第4記憶部44に登録されている何れかのロボットと一致するか否かにより認証に成功したか否かを判定する。認証に失敗した場合、制御システム1は、セキュリティゲート30を開状態にすることなく、開閉処理を終了する。
一方、認証に成功した場合、第4処理部45は、開要求信号に含まれるゲートIDに対応するセキュリティゲート30を開状態とするための開制御信号を、第4通信部43を介してそのセキュリティゲート30に送信する(ステップS204)。
【0068】
次に、セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40から開制御信号を受信し、扉駆動部33を駆動してセキュリティゲート30を開状態とする(ステップS205)。即ち、セキュリティゲート30の第3処理部36及び/又はゲート管理サーバ40の第4処理部45は、自律走行ロボット10から開要求信号を受信する受信部、及び、開要求信号の受信によりセキュリティゲート30を開状態とするゲート制御部として機能する。
次に、第3処理部36は、セキュリティゲート30が開状態となったことを通知する開通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS206)。
【0069】
次に、ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30から開通知信号を受信し、開通知信号を、第4通信部43を介して自律走行ロボット10に送信(転送)する(ステップS207)。
【0070】
次に、自律走行ロボット10の受信部193は、第1通信部17を介してゲート管理サーバ40から開通知信号を受信する。制御部191は、送信部192が開要求信号を送信した後に、受信部193が開通知信号を受信した場合に、セキュリティゲート30が開状態となったと判定する。制御部191は、タイヤ駆動部14を駆動してタイヤ10Bを回転させて、セキュリティゲート30を通過させるように自律走行ロボット10を移動させる(ステップS208)。このように、制御部191は、開要求信号の送信によりセキュリティゲート30が開状態となっている開期間にセキュリティゲート30を通過するように自律走行ロボット10を走行制御する。制御部191は、開通知信号を用いることにより、セキュリティゲート30が開状態となっていることを正確に認識することができる。
【0071】
図6(B)は、セキュリティゲート30が開状態となった様子を示す模式図である。セキュリティゲート30が開状態となることにより、自律走行ロボット10は、セキュリティゲート30を通過できるようになる。このとき、セキュリティゲート30が開状態となることによって、自律走行ロボット10とともに、不正侵入者もセキュリティゲート30を不正に通過できるようになる。
【0072】
次に、制御部191は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過中であることを通知する表示又は音声を出力部16から出力させる(ステップS209)。自律走行ロボット10の周囲にいる人物は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過中であることを認識でき、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過するまで、自身がセキュリティゲート30を通過することを待機できる。これにより、制御システム1は、セキュリティゲート30を通過中の自律走行ロボット10と利用者の衝突等のトラブルの発生を抑制できる。
【0073】
次に、制御部191は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過したことを検出する処理を行う(ステップS210)。制御部191は、上記したように、定期的に、位置センサ13から位置検知信号又は航法信号を取得して自律走行ロボット10の現在位置及び方向を検出し、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過したことを検出する。
【0074】
図6(C)は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過した様子を示す模式図である。このとき、セキュリティゲート30は開状態である。
【0075】
次に、送信部192は、セキュリティゲート30を閉状態とするための閉要求信号を、第1通信部17を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS211)。閉要求信号には、対象となる自律走行ロボット10のロボットID及び対象となるセキュリティゲート30のゲートIDが含まれる。
【0076】
次に、ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介して自律走行ロボット10から閉要求信号を受信する。第4処理部45は、閉要求信号に含まれるゲートIDに対応するセキュリティゲート30を開状態とするための閉制御信号を、第4通信部43を介してそのセキュリティゲート30に送信する(ステップS212)。
【0077】
次に、セキュリティゲート30の第3処理部36は、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40から閉制御信号を受信し、扉駆動部33を駆動してセキュリティゲート30を閉状態とする(ステップS213)。
次に、第3処理部36は、セキュリティゲート30が閉状態となったことを通知する閉通知信号を、第3通信部34を介してゲート管理サーバ40に送信する(ステップS214)。
【0078】
次に、ゲート管理サーバ40の第4処理部45は、第4通信部43を介してセキュリティゲート30から閉通知信号を受信し、閉通知信号を、第4通信部43を介して自律走行ロボット10に送信(転送)する(ステップS215)。
【0079】
次に、自律走行ロボット10の受信部193は、第1通信部17を介してゲート管理サーバ40から閉通知信号を受信する。不正侵入者検出部196は、受信部193が閉通知信号を受信した場合に、セキュリティゲート30が閉状態となったと判定し、検出処理を終了する(ステップS216)。不正侵入者検出部196は、閉通知信号を用いることにより、セキュリティゲート30が閉状態となっていることを正確に認識することができる。
【0080】
図6(D)は、セキュリティゲート30が閉状態となった様子を示す模式図である。セキュリティゲート30が閉状態となることにより、不正侵入者は、セキュリティゲート30を通過できなくなる。
【0081】
次に、制御部191は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過中であることを通知する表示又は音声の出力を終了させる(ステップS217)。以上により、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過する際のセキュリティゲート30の開閉処理は終了する。
【0082】
なお、ステップS209及び/又はステップS217の処理は、省略されてもよい。
【0083】
図7は、自律走行ロボット10による検出処理の動作の例を示すフローチャートである。このフローチャートは、予め第1記憶部18に記憶されているプログラムに基づいて、主に第1処理部19により、自律走行ロボット10の各要素と協働して実行される。検出処理は、図5のステップS202の処理からステップS211の処理の間に実行される。
【0084】
まず、取得部194は、自律走行ロボット10のロボット位置(自己位置)、及び、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置(水平位置又は水平・垂直位置)を取得し、第1記憶部18に記憶する(ステップS301)。
取得部194は、位置センサ13から位置検知信号又は航法信号を取得し、自律走行ロボット10のロボット位置を検出する。取得部194は、取得した位置検知信号に含まれる各レーザセンサが光を照射した方向と物体までの距離の組合せと、マップ情報181に示される通路、部屋、障害物等の位置とから現在位置及び方向を特定する。または、取得部194は、取得した航法信号から緯度、経度及び高度を求め、現在位置及び方向を特定する。
【0085】
また、取得部194は、第1人物センサ11から人物検知信号を取得し、取得した人物検知信号に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置を検出する。人物検出部195は、人物検知信号に示される距離及び方向の組合せのうち、距離が所定範囲内であり且つ方向が連続する組合せを単一の物体として検出する。自律走行ロボット10は、自律走行ロボット10からの距離と、人物とみなされる大きさ(角度)の範囲との関係を示す式又はテーブルを第1記憶部18に予め設定しておく。人物検出部195は、その式又はテーブルを参照して、検出した物体までの距離に対応する、人物とみなされる大きさの範囲を特定し、検出した物体の大きさがその範囲に含まれる場合、その物体が人物であり、自律走行ロボット10の周囲に人物が存在すると判定する。取得部194は、自律走行ロボット10の現在位置と、検出した物体(人物)までの距離及び方向とに基づいて、その人物の位置を検出する。
【0086】
または、取得部194は、第1人物センサ11が撮像した可視光画像又は熱画像を定期的に取得し、取得した画像に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置を検出する。その場合、人物検出部195は、フレーム間差分処理等により、順次取得した画像から変化領域を検出し、検出した変化領域が人物とみなされる所定の大きさを有する場合、その変化領域に人物が写っており、自律走行ロボット10の周囲に人物が存在すると判定する。自律走行ロボット10は、画像内の変化領域の位置及び大きさと、自律走行ロボット10からの距離及び第1人物センサ11の撮像方向に対する方向との関係を示す式又はテーブルを第1記憶部18に予め設定しておく。取得部194は、その式又はテーブルを参照して、変化領域に対応する物体までの距離及びその物体の方向を特定する。取得部194は、自律走行ロボット10の現在位置と、特定した距離及び方向とに基づいて、その人物の位置を検出する。
【0087】
また、取得部194は、自律走行ロボット10の周囲に存在するセキュリティゲート30から受信した人物の位置を、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置として取得してもよい。セキュリティゲート30の第3処理部36は、ステップS107の処理と同様にして、セキュリティゲート30内に人物が存在するか否かを判定する。第3処理部36は、セキュリティゲート30内に人物が存在する場合、セキュリティゲート30内に人物が存在することを示す検出情報を、第3通信部34及びゲート管理サーバ40を介して自律走行ロボット10に送信する。また、第3処理部36は、人物を検知した第3人物センサ32の配置位置及び光照射方向又は撮像方向に基づいて、その人物の位置を検出し、その人物の位置を、第3通信部34及びゲート管理サーバ40を介して自律走行ロボット10に送信する。人物検出部195は、第1通信部17及びゲート管理サーバ40を介してセキュリティゲート30から検出情報を受信した場合、自律走行ロボット10の周囲に人物が存在すると判定する。また、取得部194は、第1通信部17及びゲート管理サーバ40を介してセキュリティゲート30からその人物の位置を受信した場合、受信した人物の位置を自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置として取得する。
【0088】
また、取得部194は、自律走行ロボット10の周囲に存在する監視カメラCから取得した画像に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置を検出してもよい。例えば、取得部194は、第1通信部17を介して、監視カメラCから監視画像を定期的に受信する。人物検出部195は、フレーム間差分処理又は背景差分処理により、順次受信した監視画像から変化領域を検出し、検出した変化領域が人物とみなされる所定の大きさを有する場合、その変化領域に人物が写っており、自律走行ロボット10の周囲に人物が存在すると判定する。自律走行ロボット10は、監視画像内の変化領域の位置及び大きさと、監視カメラCからの距離及び監視カメラCの撮像方向に対する方向との関係を示す式又はテーブルを第1記憶部18に予め設定しておく。取得部194は、その式又はテーブルを参照して、変化領域に対応する物体までの距離及びその物体の方向を特定する。取得部194は、人物を検出した監視カメラCの配置位置と、特定した距離及び方向とに基づいて、その人物の位置を検出する。
【0089】
次に、不正侵入者検出部196は、取得部194により自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の人物位置が取得されたか否か、即ち人物検出部195により自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が存在すると判定されたか否かを判定する(ステップS302)。自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が存在すると判定されていない場合、不正侵入者検出部196は、人物検出部195により自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が検出されるまで、ステップS301の処理を繰り返す。
【0090】
一方、人物検出部195により自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が存在すると判定された場合、不正侵入者検出部196は、判定エリアを設定する(ステップS303)。
判定エリアは、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が不正侵入者として検出されるエリアであり、所定エリアの一例である。不正侵入者検出部196は、セキュリティゲート30における人物認証位置より、セキュリティゲート30により進入が規制されるエリア側に、判定エリアを設定する。人物認証位置は、例えば読取部31の配置位置であり、予めマップ情報181に記憶される。不正侵入者検出部196は、セキュリティゲート30が開状態であるか閉状態であるかにより、判定エリアを変更してもよい。その場合、不正侵入者検出部196は、受信部193により開通知信号及び/又は閉通知信号が受信されているか否かに基づいて、セキュリティゲート30が開状態であるか閉状態であるかを判定する。不正侵入者検出部196は、撮像部12が取得した画像に基づいてセキュリティゲート30が開状態であるか閉状態であるかを判定してもよい。
【0091】
図8(A)、(B)は、判定エリアについて説明するための模式図である。図8(A)は、セキュリティゲート30が閉状態である場合の判定エリアの一例を示し、図8(B)は、セキュリティゲート30が開状態である場合の判定エリアの一例を示す。
図8(A)、(B)に示す例では、セキュリティゲート30は、第1エリアR1と第2エリアR2の境界に配置され、自律走行ロボット10は、第1エリアR1から第2エリアR2に移動しようとしている。セキュリティゲート30の第1エリアR1側の入り口には、第1エリアR1から第2エリアR2に移動する人物を認証するための読取部31が設けられている。一方、セキュリティゲート30の第2エリアR2側の出口には、第2エリアR2から第1エリアR1に移動する人物を認証するための読取部31が設けられている。
【0092】
図8(A)、(B)に示すように、判定エリアR3は、セキュリティゲート30における人物認証位置である入口に設けられた読取部31の位置を含む境界面Xより、セキュリティゲート30により進入が規制される第2エリアR2側に設定される。これにより、制御システム1は、自律走行ロボット10を利用した共連れ侵入を画策する人物を不正侵入者として検出しつつ、偶然、自律走行ロボット10の周辺に位置している人物を不正侵入者として誤って検出することを抑制できる。
【0093】
図8(A)に示す例では、セキュリティゲート30が閉状態である場合、セキュリティゲート30の入口に設けられた読取部31の位置を含む境界面Xから、入口と出口の間の中間位置に設けられた扉(フラップ)Gの位置までのエリアが判定エリアR3として設定されている。図8(B)に示す例では、セキュリティゲート30が開状態である場合、セキュリティゲート30の入口に設けられた読取部31の位置を含む境界面Xから、セキュリティゲート30の出口に設けられた読取部31の位置を含む境界面Yまでのエリアが判定エリアR3として設定されている。各読取部31の位置を含む境界面X、Y及び/又は扉Gの位置は、予めマップ情報181に記憶される。セキュリティゲート30の状態に応じて判定エリアを変更することにより、制御システム1は、判定エリアR3をより緻密に設定し、偶然、自律走行ロボット10の周辺に位置している人物を不正侵入者として誤って検出することをより抑制できる。
【0094】
なお、セキュリティゲート30が閉状態であるか開状態であるかに関わらず、セキュリティゲート30の入口に設けられた読取部31の位置を含む境界面Xから、セキュリティゲート30の出口に設けられた読取部31の位置を含む境界面Yまでのエリアが判定エリアR3として設定されてもよい。これにより、制御システム1は、自律走行ロボット10の反対側からセキュリティゲート30を通過するすれ違い侵入を画策する人物を不正侵入者として検出しやすくすることができる。
なお、セキュリティゲート30が閉状態である場合の判定エリアについては、自律走行ロボット10が(開要求信号の送信に代えて)利用要求信号を送信した後から開状態となるまでの期間における不正侵入者の検知に好適である。
また、読取部31がセキュリティゲート30の入口に設けられている場合に限定されず、セキュリティゲート30の入口及び出口の付近における壁面に設けられている場合においても同様に判定エリアが設定可能である。この場合、例えば、セキュリティゲート30の入口の付近の壁面に設けられた読取部の位置を含む境界面と、出口の付近の壁面に設けられた読取部の位置を含む境界面とを設定し、各境界面の間のエリアが判定エリアとして設定されてもよい。
【0095】
次に、不正侵入者検出部196は、取得部194が取得したロボット位置又は人物位置が判定エリアに含まれるか否かを判定する(ステップS304)。ロボット位置及び人物位置の両方が判定エリアに含まれない場合、不正侵入者検出部196は、その人物を不正侵入者として検出せず(ステップS305)、ステップS301へ処理を戻す。これにより、制御システム1は、共連れ進入を画策しておらず、偶然、自律走行ロボット10の周辺に位置している人物を不正侵入者として誤って検出することを抑制できる。
なお、不正侵入者検出部196は、ロボット位置が判定エリアに含まれるか否かに関わらず、人物位置が判定エリアに含まれない場合、その人物を不正侵入者として検出しなくてもよい。これにより、制御システム1は、自律走行ロボット10の近傍に位置するがセキュリティゲート30の外側に位置する人物を不正侵入者として誤って検出することを抑制できる。また、不正侵入者検出部196は、人物位置が判定エリアに含まれるか否かに関わらず、ロボット位置が判定エリアに含まれない場合、その人物を不正侵入者として検出しなくてもよい。これにより、制御システム1は、自律走行ロボット10より先にセキュリティゲート30に進入していた人物を不正侵入者として誤って検出することを抑制できる。特に、制御システム1は、通常ならば認証操作した後に進入することになる判定エリアにおいて、認証操作することなく進入した人物が不審な行動(後述するように自律走行ロボット10の位置と人物の位置とが所定の位置関係となるような行動)が検出された場合に、より不正侵入者らしいとみなすことが可能となる。
【0096】
一方、ロボット位置又は人物位置の何れかが判定エリアに含まれる場合、不正侵入者検出部196は、ロボット位置と人物位置が所定の位置関係を有するか否かを判定する(ステップS306)。不正侵入者検出部196は、直近の所定時間に第1記憶部18に記憶された一又は複数のロボット位置と人物位置のセットが所定の位置関係を有するか否かを判定する。
【0097】
所定の位置関係は、例えば、所定時間以上連続して相互に所定距離内に位置する「密接」関係である。所定距離は、例えばセキュリティゲート30の進行方向B1の長さ又は幅方向B2の長さに設定される。所定時間は、人物が自律走行ロボット10と偶然すれ違う場合に自律走行ロボット10から所定距離内に位置し得る最大時間(例えば5秒間)等に設定される。制御システム1は、ロボット位置と人物位置が「密接」関係を有する場合、その人物を不正侵入者として検出することにより、自律走行ロボット10を用いた共連れ進入を防止することができる。
【0098】
所定の位置関係は、進行方向B1における距離が第1閾値より大きい距離から第1閾値以下である第2閾値より小さい距離に変化し、且つ、幅方向B2における距離が所定範囲内となる「すり抜け」関係でもよい。第1閾値は、自律走行ロボット10と人物が相互に重ならない距離(例えば5m)に設定され、第2閾値は、第1閾値以下の距離(例えば1m)に設定される。所定範囲は、自律走行ロボット10と人物が近接しつつ且つ相互に重ならない範囲であってセキュリティゲート30の幅方向B2の長さに基づいて設定される。即ち、「すり抜け」関係は、人物が、自律走行ロボット10の後方から自律走行ロボット10に近付き、自律走行ロボット10の側方に向かう「追い抜き」を実行する場合に成立する関係である。また、「すり抜け」関係は、人物が、自律走行ロボット10の前方から自律走行ロボット10に近付き、自律走行ロボット10の側方に向かう「すれ違い」を実行する場合に成立する関係である。制御システム1は、ロボット位置と人物位置が「すり抜け」関係を有する場合にその人物を不正侵入者として検出することにより、自律走行ロボット10に対する「追い抜き」又は「すれ違い」を防止することができる。
【0099】
所定の位置関係は、進行方向B1における距離が第1閾値より大きい距離から第2閾値より小さい距離に変化し、且つ、進行方向B1及び幅方向B2と直交する高さ方向における距離が所定範囲内である「飛び越え」関係でもよい。即ち、「飛び越え」関係は、人物が、自律走行ロボット10の後方又は前方から自律走行ロボット10に近付き、自律走行ロボット10の上方を飛び越える場合に成立する関係である。制御システム1は、ロボット位置と人物位置が「飛び越え」関係を有する場合にその人物を不正侵入者として検出することにより、人物が自律走行ロボット10を飛び越えてセキュリティゲート30を通過することを防止できる。
【0100】
所定の位置関係は、進行方向B1における距離が第1閾値より大きい距離から第2閾値より小さい距離に変化し、且つ、幅方向B2における距離及び高さ方向における距離が第2閾値より小さい「乗り込み」関係でもよい。即ち、「乗り込み」関係は、人物が、自律走行ロボット10の後方又は前方から自律走行ロボット10に近付き、自律走行ロボット10の上に乗り込む場合に成立する関係である。制御システム1は、ロボット位置と人物位置が「乗り込み」関係を有する場合にその人物を不正侵入者として検出することにより、人物が自律走行ロボット10に乗り込んでセキュリティゲート30を通過することを防止できる。
なお、自律走行ロボット10は、加速度センサをさらに有し、加速度センサが自律走行ロボット10の揺れを検知した時に、人物が自律走行ロボット10に接触したと判定してもよい。そして、不正侵入者検出部196は、人物が自律走行ロボット10に接触した場合に限り、「乗り込み」関係が成立したと判定してもよい。これにより、不正侵入者検出部196は、人物が自律走行ロボット10に乗り込んでいるか否かをより高精度に判定することができる。
【0101】
ロボット位置と人物位置が所定の位置関係を有さない場合、不正侵入者検出部196は、その人物を不正侵入者として検出せず(ステップS305)、ステップS301へ処理を戻す。
【0102】
一方、ロボット位置と人物位置が所定の位置関係を有する場合、不正侵入者検出部196は、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過権限を有するか否かを判定する(ステップS307)。
例えば、不正侵入者検出部196は、第1人物センサ11、セキュリティゲート30又は監視カメラCから自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の顔が撮像された画像を取得する。不正侵入者検出部196は、取得した画像内の所定の大きさの領域を、その位置をずらしながら切り出す。不正侵入者検出部196は、切り出した各領域と権限者テーブルに登録された各顔画像との類似の程度、又は、切り出した各領域から抽出された特徴量と権限者テーブルに登録された各顔画像から抽出された特徴量との類似の程度を算出する。特徴量は、ハールライク(Haar-Like)特徴量又はHOG(Histogram of Oriented Gradient)特徴量等である。類似の程度は、正規化相互相関値等である。不正侵入者検出部196は、切り出した何れかの領域と権限者テーブルに登録された何れかの顔画像との類似の程度が閾値以上である場合に、その人物が権限者であり、セキュリティゲート30の通過権限を有すると判定する。
なお、不正侵入者検出部196は、権限者テーブルに登録された権限者IDを受信した場合に、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物がセキュリティゲート30の通過権限を有すると判定してもよい。
例えば、自律走行ロボット10はICタグリーダを有し、権限者には権限者IDが記憶されたICタグが予め配布される。不正侵入者検出部196は、ICタグリーダが権限者IDを読み取った場合に、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が所持するICタグからその権限者IDを読み取ったと判定し、その人物が通過権限を有すると判定する。
または、自律走行ロボット10は無線通信モジュールを有し、権限者が有するスマートフォン等には権限者IDが予め登録される。無線通信モジュールは、Bluetooth(登録商標)又はZigBee(登録商標)等の無線通信インタフェース回路を有するモジュールである。不正侵入者検出部196は、無線通信モジュールが権限者IDを受信した場合に、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物が所持するスマートフォンからその権限者IDを受信したと判定し、その人物が通過権限を有すると判定する。
【0103】
人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過権限を有すると判定した場合、不正侵入者検出部196は、その人物を不正侵入者として検出せず(ステップS305)、ステップS301へ処理を戻す。これにより、制御システム1は、自律走行ロボット10を利用した共連れ侵入又はすれ違い侵入を防止しつつ、予め登録された権限者が自律走行ロボット10とともにセキュリティエリアに進入することを許容できる。権限者は、自律走行ロボット10とともに行動することが可能となり、制御システム1は、利便性を向上させることができる。
【0104】
一方、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過権限を有さないと判定した場合、不正侵入者検出部196は、その人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属するか否かを判定する(ステップS308)。
例えば、不正侵入者検出部196は、ステップS307の処理と同様に、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の顔が撮像された画像を取得する。不正侵入者検出部196は、取得した各画像から切り出した何れかの領域と属性テーブルに登録された何れかの顔画像との類似の程度が閾値以上である場合に、その人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属すると判定する。
また、不正侵入者検出部196は、ステップS307の処理と同様に、ICタグリーダが属性テーブルに登録された所属者IDを読み取った場合に、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属すると判定してもよい。また、不正侵入者検出部196は、ステップS307の処理と同様に、無線モジュールが属性テーブルに登録された所属者IDを受信した場合に、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属すると判定してもよい。
なお、属性テーブルにおいて、所属者毎に、各所属者に対してセキュリティゲート30の通過が許可される時間帯(例えば警備員の勤務時間帯)が設定されてもよい。その場合、不正侵入者検出部196は、現在時刻がその人物に対してセキュリティゲート30の通過が許可される時間帯に含まれる場合に限り、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属すると判定する。
【0105】
人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属すると判定した場合、不正侵入者検出部196は、その人物を不正侵入者として検出せず(ステップS305)、ステップS301へ処理を戻す。これにより、制御システム1は、自律走行ロボット10を利用した共連れ侵入又はすれ違い侵入を防止しつつ、特定の属性を有するグループに属する人物が自律走行ロボット10とともにセキュリティエリアに進入することを許容できる。特定の属性を有するグループに属する人物は、自律走行ロボット10とともに行動することが可能となり、制御システム1は、利便性を向上させることができる。
【0106】
一方、人物検出部195により検出された人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属さないと判定した場合、不正侵入者検出部196は、その人物が、セキュリティレベルが高いエリアから低いエリアに向けてセキュリティゲート30を通過しているか否かを判定する(ステップS309)。
不正侵入者検出部196は、マップ情報181から、対応するセキュリティゲート30により区画される二つのエリアのセキュリティレベルを特定する。不正侵入者検出部196は、人物検出部195により検出された人物の位置の変化に基づいて、人物検出部195により検出された人物が、セキュリティレベルがより低いエリアに向かっているか、セキュリティレベルがより高いエリアに向かっているかを判定する。
【0107】
人物検出部195により検出された人物が、セキュリティレベルが高いエリアから低いエリアに向けてセキュリティゲート30を通過していると判定した場合、不正侵入者検出部196は、その人物を不正侵入者として検出せず(ステップS305)、ステップS301へ処理を戻す。即ち、不正侵入者検出部196は、人物検出部195により検出された人物が、第1エリアから、第1エリアよりセキュリティレベルが低い第2エリアに向けてセキュリティゲート30を通過している場合、その人物を不正侵入者として検出しない。これにより、制御システム1は、自律走行ロボット10を利用したセキュリティレベルが低いエリアから高いエリアへの共連れ侵入又はすれ違い侵入を防止しつつ、セキュリティレベルが高いエリアから低いエリアへの脱出を許容できる。利用者は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過している最中であっても、緊急時等にセキュリティレベルが高いエリアから低いエリアへ急いで脱出することができ、制御システム1は、利便性を向上させることができる。
【0108】
一方、人物検出部195により検出された人物が、セキュリティレベルが高いエリアから低いエリアに向けてセキュリティゲート30を通過していないと判定した場合、不正侵入者検出部196は、その人物を不正侵入者として検出する(ステップS310)。
【0109】
上記したように、不正侵入者検出部196は、ロボット位置と人物位置が所定の位置関係を有さない場合、その人物を不正侵入者として検出せず、ロボット位置と人物位置が所定の位置関係を有する場合、その人物を不正侵入者として検出する。即ち、不正侵入者検出部196は、送信部192が開要求信号を送信した後に、自律走行ロボット10と自律走行ロボット10の周囲に存在する人物の位置関係の変化に基づいて不正侵入者を検出する。これにより、制御システム1は、セキュリティゲート30を通過する自律走行ロボット10を利用してセキュリティゲート30を通過しようとする不正侵入者を高精度に検出することができる。
特に、不正侵入者検出部196は、ロボット位置と人物位置の位置関係の変化に基づいて、不正侵入者を検出する。これにより、制御システム1は、セキュリティゲート30を通過する自律走行ロボット10を利用してセキュリティゲート30を通過しようとする不正侵入者をより高精度に検出することができる。
【0110】
次に、不正侵入者検出部196は、不正侵入者を検出したことを通知する警告表示又は警告音声を出力部16から出力させ(ステップS311)、一連のステップを終了する。これにより、制御システム1は、不正侵入者に対して警告を通知することができる。
また、不正侵入者検出部196は、不正侵入者を検出したことを通知する通知信号を、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20又はゲート管理サーバ40に送信してもよい。自律走行ロボット10から通知信号を受信したロボット管理サーバ20又はゲート管理サーバ40は、不正侵入者を検出したことを第2表示部22又は第4表示部42に表示して、管制員又は管理者に通知する。これにより、管制員又は管理者は、不正侵入者が存在することを認識し、不正侵入者に対して適切な対応を取ることができる。
また、不正侵入者検出部196は、閉要求信号を、第1通信部17を介してゲート管理サーバ40に送信してもよい。自律走行ロボット10から閉要求信号を受信したゲート管理サーバ40は、閉制御信号を、第4通信部43を介してセキュリティゲート30に送信し、セキュリティゲート30を閉状態とする。これにより、制御システム1は、不正侵入者がセキュリティゲート30を通過することを防止することができる。
【0111】
なお、ステップS303~S304の処理は省略され、不正侵入者検出部196は、ロボット位置又は人物位置が判定エリアに含まれるか否かにかかわらず、人物検出部195により検出された人物を不正侵入者として検出してもよい。また、ステップS307の処理は省略され、不正侵入者検出部196は、人物検出部195により検出された人物が、通過権限を有するか否かにかかわらず、その人物を不正侵入者として検出してもよい。また、ステップS308の処理は省略され、不正侵入者検出部196は、人物検出部195により検出された人物が、セキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属するか否かにかかわらず、その人物を不正侵入者として検出してもよい。また、ステップS309の処理は省略され、不正侵入者検出部196は、人物検出部195により検出された人物が、セキュリティレベルが低いエリアに向けてセキュリティゲート30を通過しているか否かにかかわらず、その人物を不正侵入者として検出してもよい。また、ステップS311の処理は省略されてもよい。
【0112】
以上説明したように、制御システム1は、自律走行ロボット10が開要求信号を送信した後に、自律走行ロボット10と自律走行ロボット10の周囲に存在する人物との位置関係に基づいて、不正侵入者を検出する。これにより、制御システム1は、自律して走行する自律走行ロボット10とともにセキュリティゲートを通過する人物を適切に検出することが可能となる。
これにより、制御システム1は、自律走行ロボット10がセキュリティゲート30を通過する際に、通過権限を持たない人物による共連れ侵入又はすれ違い侵入を防止できる。
【0113】
以上、好適な実施形態について説明したが、実施形態は上記した例に限定されない。例えば、不正侵入者検出部196は、送信部192が開要求信号を送信したときに検出処理を開始するのでなく、受信部193が開通知信号を受信したときに検出処理を開始してもよい。即ち、不正侵入者検出部196は、送信部192が開要求信号を送信し、且つ、受信部193が開通知信号を受信した後に、不正侵入者を検出してもよい。不正侵入者検出部196は、開通知信号を用いることにより、セキュリティゲート30が開状態となっていることを正確に認識することができる。
また、不正侵入者検出部196は、送信部192が閉要求信号を送信したときに検出処理を終了するのでなく、受信部193が閉通知信号を受信したときに検出処理を終了してもよい。即ち、不正侵入者検出部196は、受信部193が閉通知信号を受信するまで、不正侵入者を検出してもよい。不正侵入者検出部196は、閉通知信号を用いることにより、セキュリティゲート30が開状態となっていることを正確に認識することができる。
【0114】
また、自律走行ロボット10は、ゲート管理サーバ40を介さずに、セキュリティゲート30と直接に信号を送受信してもよい。即ち、送信部192は、ゲート制御システム3が有するセキュリティゲート30に開要求信号及び閉要求信号を送信し、受信部193は、ゲート制御システム3が有するセキュリティゲート30から開通知信号及び閉通知信号を受信してもよい。その場合、セュリティゲート30の第3記憶部35が、セキュリティゲート30の通過を許可された利用者及び自律走行ロボット10の認証情報を記憶し、セュリティゲート30の第3処理部36が利用者及び自律走行ロボット10の認証を実行する。
【0115】
また、図7の検出処理は、自律走行ロボット10でなく、ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40の何れかにより実行されてもよい。その場合、ロボット管理サーバ20の第2記憶部24、セキュリティゲート30の第3記憶部35又はゲート管理サーバ40の第4記憶部44は、自律走行ロボット10の第1記憶部18が記憶する各情報を記憶する。ロボット管理サーバ20の第2処理部25、セキュリティゲート30の第3処理部36又はゲート管理サーバ40の第4処理部45は、取得部194、人物検出部195及び不正侵入者検出部196と同様の機能を有する取得部、人物検出部及び不正侵入者検出部を有する。
【0116】
図5のステップS202において、自律走行ロボット10の第1処理部19は、検出処理を開始することを要求する開始要求信号を、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40に送信する。ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40は、自律走行ロボット10から開始要求信号を受信した場合、検出処理を開始する。また、図5のステップS216において、自律走行ロボット10の第1処理部19は、検出処理を終了することを要求する終了要求信号を、第1通信部17を介してロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40に送信する。ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40は、各装置の通信部を介して自律走行ロボット10から終了要求信号を受信した場合、検出処理を終了する。
図7のステップS301において、取得部は、自律走行ロボット10、セキュリティゲート30又は監視カメラCから各信号、画像又は情報を取得する。人物検出部は、取得した各信号、画像又は情報に基づいて、自律走行ロボット10の周囲に存在する人物を検出する。取得部は、取得した各信号、画像又は情報に基づいて、ロボット位置及び人物位置を取得する。
ステップS303において、不正侵入者検出部は、ゲート管理サーバ40から開通知信号及び/又は閉通知信号を取得し、取得した各信号に基づいて、判定エリアを設定する。
ステップS307において、不正侵入者検出部は、自律走行ロボット10、セキュリティゲート30又は監視カメラCから各画像又は権限者IDを取得し、取得した各画像又は権限者IDに基づいて、人物がセキュリティゲート30の通過権限を有するか否かを判定する。
ステップS308において、不正侵入者検出部は、自律走行ロボット10、セキュリティゲート30又は監視カメラCから各画像又は所属者IDを取得し、取得した各画像又は所属者IDに基づいて、人物がセキュリティゲート30の通過が許可される属性を有するグループに属するか否かを判定する。
ステップS309において、不正侵入者検出部は、自律走行ロボット10から現在位置及び進行方向を取得し、取得した現在位置及び進行方向に基づいて、人物が、セキュリティレベルが高いエリアから低いエリアに向けてセキュリティゲート30を通過しているか否かを判定する。
ステップS311において、不正侵入者検出部は、警告表示又は警告音声を出力することを要求する要求信号を自律走行ロボット10に送信する。自律走行ロボット10の第1処理部19は、ロボット管理サーバ20、セキュリティゲート30又はゲート管理サーバ40から要求信号を受信した場合、警告表示又は警告音声を出力部16から出力させる。
これらの場合も、制御システム1は、自律して走行する自律走行ロボット10とともにセキュリティゲートを通過する人物を適切に検出することが可能となる。
【0117】
本発明の一実施形態にかかる自律走行ロボットを含む制御システムは、労働力人口減少や長時間労働などの社会課題の解決に貢献し得るものである。
また、本発明の一実施形態にかかる自律走行ロボットを含む制御システムは、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献し得るものである。
【符号の説明】
【0118】
1 制御システム、10 自律走行ロボット、18 第1記憶部、191 制御部、192 送信部、193 受信部、194 取得部、195 人物検出部、196 不正侵入者検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8