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特開2024-145929化合物、離型剤、イソシアネート組成物、重合性組成物、樹脂、光学材料、眼鏡レンズ、樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法
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  • 特開-化合物、離型剤、イソシアネート組成物、重合性組成物、樹脂、光学材料、眼鏡レンズ、樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145929
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】化合物、離型剤、イソシアネート組成物、重合性組成物、樹脂、光学材料、眼鏡レンズ、樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/10 20060101AFI20241004BHJP
   C08G 18/71 20060101ALI20241004BHJP
   C08G 18/28 20060101ALI20241004BHJP
   C08G 18/38 20060101ALI20241004BHJP
   C07F 9/09 20060101ALI20241004BHJP
   G02B 1/04 20060101ALI20241004BHJP
   G02C 7/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
C08G18/10
C08G18/71 070
C08G18/28 080
C08G18/38 078
C07F9/09 U
G02B1/04
G02C7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058541
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】509333807
【氏名又は名称】ホヤ レンズ タイランド リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HOYA Lens Thailand Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】上坂 昌久
(72)【発明者】
【氏名】大西 智文
【テーマコード(参考)】
2H006
4H050
4J034
【Fターム(参考)】
2H006BA01
2H006BA03
2H006BA04
4H050AA03
4H050AB46
4H050AB90
4J034CA02
4J034CA04
4J034CA32
4J034CD07
4J034HC12
4J034HC22
4J034HC45
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC54
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034KA01
4J034KB02
4J034KC17
4J034KD25
4J034KE02
4J034RA13
(57)【要約】
【課題】離型剤として優れた特性を示す化合物、当該化合物を含む離型剤、イソシアネート組成物、重合性組成物、樹脂、光学材料、眼鏡レンズ、樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法に関する。
【解決手段】本開示の一実施形態は、式(1)で表される化合物、当該化合物を含む離型剤、イソシアネート組成物、重合性組成物、樹脂、光学材料、眼鏡レンズ、樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法に関する。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

(式中、
は、
炭素数1~20の直鎖アルキレン基、又は
式(a-1)、式(a-2)、式(a-3)、式(a-4)又は式(a-5):
【化2】

(式中、*は結合部位である)で表される基であり、
は、それぞれ独立に、一部のメチレン部位が酸素に置き換わっていてもよい炭素数1~12の脂肪族炭化水素、又は炭素数6~20の芳香族炭化水素であり、
nは、1又は2である。)で表される化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物を含有する離型剤。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物の離型剤としての使用。
【請求項4】
式(1):
【化3】

(式中、
は、
炭素数1~20の直鎖アルキレン基、又は
式(a-1)、式(a-2)、式(a-3)、式(a-4)又は式(a-5):
【化4】

(式中、*は結合部位である)で表される基であり、
は、それぞれ独立に、一部のメチレン部位が酸素に置き換わっていてもよい炭素数1~12の脂肪族炭化水素、又は炭素数6~20の芳香族炭化水素であり、
nは、1又は2である。)で表される化合物と、
式(2):
【化5】

(式中、
は、
炭素数1~20の直鎖アルキレン基、又は
式(a-1)、式(a-2)、式(a-3)、式(a-4)又は式(a-5):
【化6】

(式中、*は結合部位である)で表される基である。)で表される化合物を含むイソシアネート成分と
を含有する、イソシアネート組成物。
【請求項5】
式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物のRが同一の基である、請求項4に記載のイソシアネート組成物。
【請求項6】
式(1)で表される化合物の含有量が、式(2)で表される化合物100質量部に対して、0.01~10質量部である、請求項4に記載のイソシアネート組成物。
【請求項7】
請求項4又は5に記載のイソシアネート組成物と、
活性水素化合物成分と
を含有する重合性組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の重合性組成物の硬化物である樹脂。
【請求項9】
請求項8に記載の樹脂を含む、光学材料。
【請求項10】
請求項9に記載の樹脂を含む、眼鏡レンズ。
【請求項11】
式(2):
【化7】

(式中、
は、
炭素数1~20の直鎖アルキレン基、又は
式(a-1)、式(a-2)、式(a-3)、式(a-4)又は式(a-5):
【化8】

(式中、*は結合部位である)で表される基である。)で表される化合物を含むイソシアネート成分と
式(3):
【化9】

(式中、
は、それぞれ独立に、一部のメチレン部位が酸素に置き換わっていてもよい炭素数1~12の脂肪族炭化水素、又は炭素数6~20の芳香族炭化水素であり、
nは、1又は2である。)で表される化合物と、
を0℃~10℃の温度で混合する工程と、
前記混合する工程で得られた混合物を0℃~10℃の温度を保持した状態で、活性水素成分と混合し、重合性組成物を得る工程と、
前記重合性組成物を重合する工程と、
を有する、樹脂の製造方法。
【請求項12】
式(2):
【化10】

(式中、
は、
炭素数1~20の直鎖アルキレン基、又は
式(a-1)、式(a-2)、式(a-3)、式(a-4)又は式(a-5):
【化11】

(式中、*は結合部位である)で表される基である。)で表される化合物を含むイソシアネート成分と
式(3):
【化12】

(式中、
は、それぞれ独立に、一部のメチレン部位が酸素に置き換わっていてもよい炭素数1~12の脂肪族炭化水素、又は炭素数6~20の芳香族炭化水素であり、
nは、1又は2である。)で表される化合物と、
を0℃~10℃の温度で混合する工程と、
前記混合する工程で得られた混合物を0℃~10℃の温度を保持した状態で、活性水素成分と混合し、重合性組成物を得る工程と、
前記重合性組成物を重合する工程と、
を有し、
前記重合する工程が、成形型内に重合性組成物を充填して行われる、眼鏡レンズの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化合物、離型剤、イソシアネート組成物、重合性組成物、樹脂、光学材料、眼鏡レンズ、樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からプラスチック製の眼鏡レンズが広く知られている。眼鏡レンズの材料として、ポリチオウレタン樹脂が用いられる(例えば、特許文献1)。ポリチオウレタン樹脂は、適度な屈折率を有する材料であるため、適度な厚みの眼鏡レンズとなり、加工性、耐衝撃性を担保しやすく広く普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-002820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プラスチック製の眼鏡レンズは、一般的に、重合性組成物をモールドに充填して熱重合することにより製造される。重合後モールドから眼鏡レンズを離型するため、重合性組成物には離型剤が添加される。
【0005】
本開示の一実施形態は、離型剤として優れた特性を示す化合物、当該化合物を含む離型剤、イソシアネート組成物、重合性組成物、樹脂、光学材料、眼鏡レンズ、樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、
式(1):
【化1】

(式中、
は、
炭素数1~20の直鎖アルキレン基、又は
式(a-1)、式(a-2)、式(a-3)、式(a-4)又は式(a-5):
【化2】

(式中、*は結合部位である)で表される基であり、
は、それぞれ独立に、一部のメチレン部位が酸素に置き換わっていてもよい炭素数1~12の脂肪族炭化水素、又は炭素数6~20の芳香族炭化水素であり、
nは、1又は2である。)で表される化合物に関する。
【0007】
本開示の一実施形態は、前述の化合物を含有する離型剤に関する。
【0008】
本開示の一実施形態は、前述の化合物の離型剤としての使用に関する。
【0009】
本開示の一実施形態は、
式(1)で表される化合物と、
式(2):
【化3】

(式中、
は、
炭素数1~20の直鎖アルキレン基、又は
式(a-1)、式(a-2)、式(a-3)、式(a-4)又は式(a-5)で表される基である。)で表される化合物を含むイソシアネート成分と
を含有する、イソシアネート組成物に関する。
【0010】
本開示の一実施形態は、前述のイソシアネート組成物と、活性水素化合物成分とを含有する重合性組成物に関する。
【0011】
本開示の一実施形態は、前述の重合性組成物の硬化物である樹脂に関する。
【0012】
本開示の一実施形態は、前述の樹脂を含む、光学材料に関する。
【0013】
本開示の一実施形態は、前述の樹脂を含む、眼鏡レンズ。
【0014】
本開示の一実施形態は、
式(2)で表される化合物を含むイソシアネート成分と
式(3):
【化4】

(式中、
は、それぞれ独立に、一部のメチレン部位が酸素に置き換わっていてもよい炭素数1~12の脂肪族炭化水素、又は炭素数6~20の芳香族炭化水素であり、
nは、1又は2である。)で表される化合物と、
を0℃~10℃の温度で混合する工程と、
前記混合する工程で得られた混合物を0℃~10℃の温度を保持した状態で、活性水素成分と混合し、重合性組成物を得る工程と、
前記重合性組成物を重合する工程と、
を有する、樹脂の製造方法に関する。
【0015】
本開示の一実施形態は、
式(2)で表される化合物を含むイソシアネート成分と、式(3)で表される化合物と、を0℃~10℃の温度で混合する工程と、
前記混合する工程で得られた混合物を0℃~10℃の温度を保持した状態で、活性水素成分と混合し、重合性組成物を得る工程と、
前記重合性組成物を重合する工程と、
を有し、
前記重合する工程が、成形型内に重合性組成物を充填して行われる、請求項11に記載の眼鏡レンズの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一実施形態は、離型剤として優れた特性を示す化合物、当該化合物を含む離型剤、イソシアネート組成物、重合性組成物、樹脂、光学材料、眼鏡レンズ、樹脂の製造方法、及び眼鏡レンズの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態の眼鏡レンズ1の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本開示に係る実施形態について詳細に説明するが、本開示はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
なお、本明細書において、例えば「1~100」との数値範囲の表記は、その下限値「1」及び上限値「100」の双方を包含するものとする。また、他の数値範囲の表記も同様である。
【0019】
[化合物]
本実施形態に係る化合物(以下、式(1)に該当する化合物を総称して「化合物1」ともいう。)は、
式(1):
【化5】

(式中、
は、
炭素数1~20の直鎖アルキレン基、又は
式(a-1)、式(a-2)、式(a-3)、式(a-4)又は式(a-5):
【化6】

(式中、*は結合部位である)で表される基であり、
は、それぞれ独立に、一部のメチレン部位が酸素に置き換わっていてもよい炭素数1~12の脂肪族炭化水素、又は炭素数6~20の芳香族炭化水素であり、
nは、1又は2である。)で表される。本開示の一実施形態は、離型剤として優れた特性を示す。特に、ポリチオウレタン、ポリウレタン等の樹脂を用いる成形品の製造において、これらの樹脂モノマーと共に成型重合を行う際に離型剤として用いることで、優れた離型剤としての特性を示す。
【0020】
における炭素数1~20の直鎖アルキレン基としては、例えば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基等が挙げられる。
における一部のメチレン部位が酸素に置き換わっていてもよい炭素数1~12の脂肪族炭化水素としては、式(b1)=Rb1-(OCH-*(式中、Rb1は。炭素数1~6の脂肪族炭化水素基であり、bは0~5である。)で表される基であってもよい。
における炭素数6~20の芳香族炭化水素としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
nは、1又は2である。
【0021】
化合物1としては、具体的には、以下の式(1-1)~式(1-40)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物を単独又は2以上の組み合わせで用いることができる。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】
化合物1は、例えば、後述の本実施形態に係る樹脂の製造方法に示すとおり、所定の化合物を所定の条件で混合することで製造することができる。
【0031】
化合物1は、上述のとおり離型剤として使用することができる。化合物1は、離型剤として使用可能である。
【0032】
[イソシアネート組成物]
本実施形態に係るイソシアネート組成物は、
式(1)で表される化合物と、
式(2):
【化15】

(式中、Rは、前述の式(1)における定義と同様である。)で表される化合物を含むイソシアネート成分とを含有する。本実施形態に係るイソシアネート組成物によれば、チオール成分と混合して成形型内で重合することで離型効果を示す。
【0033】
本実施形態に係るイソシアネート組成物は、式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物のRが同一の基であることが好ましい。
【0034】
式(2)で表される化合物としては、例えば、芳香環を有するポリイソシアナート化合物、脂肪族環を有するポリイソシアナート化合物、直鎖又は分岐鎖の脂肪族ポリイソシアナート化合物が挙げられる。
【0035】
芳香環を有するポリイソシアナート化合物としては、例えば、ジイソシアナトベンゼン、2,4-トリレンジイソシアナート、2,6-トリレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4’-メチレンビス(2-メチルフェニルイソシアナート)、ビベンジル-4,4’-ジイソシアナート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタレン、ビス(イソシアナトメチルフェニル)エーテル、2-イソシアナトフェニル-4-イソシアナトフェニルスルフィド、ビス(4-イソシアナトフェニル)スルフィド、ビス(4-イソシアナトメチルフェニル)スルフィド、ビス(4-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(2-メチル-5-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3-メチル-5-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3-メチル-6-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(4-メチル-5-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(3-メチルオキシ-4-イソシアナトフェニル)ジスルフィド、ビス(4-メチルオキシ-3-イソシアナトフェニル)ジスルフィドが挙げられる。
【0036】
脂肪族環を有するポリイソシアナート化合物としては、例えば、1,3-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、イソホロンジイソシアナート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン-2,4’-ジイソシアナート、2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5-ジイソシアナト-1,4-ジチアン、2,5-ビス(イソシアナトメチル)-1,4-ジチアン、4,5-ジイソシアナト-1,3-ジチオラン、4,5-ビス(イソシアナトメチル)-1,3-ジチオラン、4,5-ビス(イソシアナトメチル)-2-メチル-1,3-ジチオランが挙げられる。
【0037】
直鎖又は分岐の脂肪族ポリイソシアナート化合物としては、例えば、ペンタメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3-ブタジエン-1,4-ジイソシアナート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11-ウンデカントリイソシアナート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8-ジイソシアナト-4-イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)スルホン、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、1,5-ジイソシアナト-2-イソシアナトメチル-3-ペンタン、1,2,3-トリス(イソシアナトメチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(イソシアナトエチルチオ)プロパン、3,5-ジチア-1,2,6,7-ヘプタンテトライソシアナート、2,6-ジイソシアナトメチル-3,5-ジチア-1,7-ヘプタンジイソシアナート、2,5-ジイソシアナトメチルチオフェン、4-イソシアナトエチルチオ-2,6-ジチア-1,8-オクタンジイソシアナート、1,2-ジイソチオシアナトエタン、1,6-ジイソチオシアナトヘキサンが挙げられる。
これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
【0038】
式(2)で表される化合物は、好ましくは、ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、及びペンタメチレンジイソシアナートからなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、「好適イソシアネート化合物」ともいう)を含む。
ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンは、例えば、2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンからなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくは2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物である。
ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとしては、例えば、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが挙げられる。これらの中でも、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが好ましい。
ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンとしては、例えば、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンが挙げられる。これらの中でも、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンが好ましい。
トリレンジイソシアナートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアナート及び2,6-トリレンジイソシアナートが挙げられる。これらの中でも2,4-トリレンジイソシアナートが好ましい。
ジフェニルメタンジイソシアナートとしては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアナートが挙げられる。
ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートとしては、例えば、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナートが挙げられる。
【0039】
式(2)で表される化合物分中、上述の「好適イソシアネート化合物」の含有量は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上100質量%以下である。
【0040】
式(1)で表される化合物の含有量は、式(2)で表される化合物100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部であり、より好ましくは0.05~5質量部であり、更に好ましくは0.1~3質量部である。
【0041】
[重合性組成物]
本実施形態に係る重合性組成物は、前述のイソシアネート組成物と、活性水素化合物成分とを含有する。
【0042】
(活性水素化合物成分)
活性水素化合物成分としては、例えば、ポリチオール成分、ポリオール成分、又はポリアミン成分が挙げられる。
【0043】
(ポリチオール成分)
ポリチオール成分としては、例えば、ポリオール化合物とメルカプト基含有カルボン酸化合物とのエステル化合物、直鎖又は分岐の脂肪族ポリチオール化合物、脂肪族環を有するポリチオール化合物、芳香環を有するポリチオール化合物が挙げられる。
【0044】
ポリオール化合物とメルカプト基含有カルボン酸化合物とのエステル化合物において、ポリオール化合物としては、分子内に2個以上の水酸基を有する化合物が挙げられる。ここで、ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、プロパントリオール、ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ビス(2-ヒドロキシエチル)ジスルフィド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが挙げられる。
メルカプト基含有カルボン酸化合物としては、例えば、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオ乳酸化合物、チオサリチル酸が挙げられる。
ポリオール化合物とメルカプト基含有カルボン酸化合物とのエステル化合物としては、例えば、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビス(2-メルカプトアセテート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
【0045】
直鎖又は分岐の脂肪族ポリチオール化合物としては、例えば、1,2-エタンジチオール、1,1-プロパンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、2,2-プロパンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,2,3-プロパントリチオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジチオール、3,4-ジメチルオキシブタン-1,2-ジチオール、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、1,2-ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3-ジメルカプトプロピルメチルエーテル、ジメルカプトエチルエーテル、2-(2-メルカプトエチルチオ)プロパン-1,3-ジチオール、2,2-ビス(メルカプトメチル)-1,3-プロパンジチオール、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2-メルカプトエチルチオ)メタン、1,2-ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)エタン、1,3-ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3-ビス(2-メルカプトエチルチオ)プロパン、1,1,2,2-テトラキス(メルカプトエチルチオ)エタン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトエチルチオ)プロパン、3-メルカプトメチル-1,5-ジメルカプト-2,4-ジチアペンタン、テトラキス(メルカプトエチルチオ)プロパン、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、ビス(2-メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2-メルカプトエチル)ジスルフィド、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)-3-メルカプトプロパン、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールが挙げられる。
【0046】
脂肪族環を有するポリチオール化合物としては、例えば、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、メチルシクロヘキサンジチオール、ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2-(2,2-ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)-1,3-ジチエタン、2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアン、4,8-ビス(メルカプトメチル)-1,3-ジチアンが挙げられる。
【0047】
芳香環を有するポリチオール化合物としては、例えば、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、4,4’-ジメルカプトビフェニル、4,4’-ジメルカプトビベンジル、2,5-トルエンジチオール、1,5-ナフタレンジチオール、2,6-ナフタレンジチオール、2,7-ナフタレンジチオール、2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、4,5-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、9,10-アントラセンジメタンチオール、1,3-ジ(p-メチルオキシフェニル)プロパン-2,2-ジチオール、1,3-ジフェニルプロパン-2,2-ジチオール、フェニルメタン-1,1-ジチオール、2,4-ジ(p-メルカプトフェニル)ペンタンが挙げられる。
これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
【0048】
(ポリオ―ル成分)
ポリオ―ル成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、プロパントリオール、ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ビス(2-ヒドロキシエチル)ジスルフィド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが挙げられる。
【0049】
(ポリアミン成分)
ポリアミン成分としては、例えば、ポリメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビスヘキサメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジメチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、メンタンジアミン、N-アミノメチルビペラジン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メタキシレンジアミン、テトラクロロパラキシレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4'-メチレンジアニリン、ジアミノジフェニルスルフォン、ベンジジン、ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-チオジアニリン、4,4'-ビス(o-トルイジン)ジアニシジン、o-フェニレンジアミン、2,4-トルエンジアミン、2,5-トルエンジアミン、メチレンビス(o-クロロアニリン)、ジアミニジトリルスルフォン、ビス(3,4-ジアミノフェニル)スルフォン、2,6-ジアミノピリジン、4-クロロ-o-フェニレンジアミン、4-メトキシ-6-メチル-m-フェニレンジアミン、m-アミノベンジルアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-p-フェニレンジアミン、テトラメチルグアニジン、2-ジメチルアミノ-2-ヒドロキシプロパン、ピラジン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチロール)フェノール、N-メチルピペラジン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシランが挙げられる。
【0050】
活性水素化合物成分は、好ましくは、トルエンジアミン、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリスメルカプトアセテート、トリメチロールプロパントリスメルカプトプロピオネート、ビス(メルカプトエチルチオ)メルカプトプロパン、ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカンジチオール、ジメルカプトエチルスルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジチアン、ジメルカプトエチルエーテル及びジエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
トルエンジアミンとしては、例えば、2,4-トルエンジアミン、2,5-トルエンジアミンが挙げられる。
ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)が挙げられる。
ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
トリメチロールプロパントリスメルカプトアセテートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)が挙げられる。
トリメチロールプロパントリスメルカプトプロピオネートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
ビス(メルカプトエチルチオ)メルカプトプロパンとしては、例えば、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)-3-メルカプトプロパンが挙げられる。
ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカンジチオールとしては、例えば、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールが挙げられる。ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカンジチオールは、好ましくは、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールの混合物である。
【0051】
活性水素化合物成分は、ポリチオール成分であることが好ましい。
ポリチオール成分は、
好ましくは、2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアン、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(2-メルカプトアセテート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトアセテート)、及びジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
より好ましくは、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、2,5-ビス(メルカプトメチル)-1,4-ジチアン、及びペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
更に好ましくは、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、及び5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
更に好ましくは、4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、及び5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールの混合物を含む。
【0052】
上述の好ましいポリチオール成分の量は、ポリチオール成分中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、そして、100質量%以下である。
【0053】
ポリチオール成分のメルカプト基と、ポリイソシアナート成分のイソシアナト基の当量比(メルカプト基/イソシアナト基)は、好ましくは40/60以上、より好ましくは43/57以上、更に好ましくは45/55以上であり、そして、好ましくは60/40以下、より好ましくは55/45以下、更に好ましくは53/47以下である。
【0054】
ポリチオール成分及びポリイソシアナート成分の合計含有量は、重合性組成物中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、そして、100質量%以下である。
【0055】
本実施形態に係る重合性組成物は、紫外線吸収剤、着色剤、抗酸化剤、着色防止剤、蛍光増白剤等のその他の添加剤を含んでいてもよい。これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。
【0056】
[樹脂]
本実施形態に係る樹脂は、前述の重合性組成物の硬化物である。硬化物は、重合性組成物を重合することで行われる。
重合は、注型重合法であることが好ましい。レンズ基材は、例えば、重合性組成物を、ガラス又は金属製のモールドと、テープ又はガスケットとを組み合わせたモールド型に注入して重合を行うことで得られる。
【0057】
[樹脂の製造方法]
本実施形態に係る樹脂の製造方法は、
式(2):
【化16】

(式中、
は、
炭素数1~20の直鎖アルキレン基、又は
式(a-1)、式(a-2)、式(a-3)、式(a-4)又は式(a-5):
【化17】

(式中、*は結合部位である)で表される基である。)で表される化合物を含むイソシアネート成分と
式(3):
【化18】

(式中、
は、それぞれ独立に、一部のメチレン部位が酸素に置き換わっていてもよい炭素数1~12の脂肪族炭化水素、又は炭素数6~20の芳香族炭化水素であり、
nは、1又は2である。)で表される化合物と、
を0℃~10℃の温度で混合する工程と、
前記混合する工程で得られた混合物を0℃~10℃の温度を保持した状態で、活性水素成分と混合し、重合性組成物を得る工程と、
前記重合性組成物を重合する工程と、
を有する。
【0058】
前述の混合する工程において、式(2)で表される化合物を含むイソシアネート成分と式(3)で表される化合物とを0℃~10℃の温度で混合することで、化合物1が得られる。当該混合する工程では、式(2)で表される化合物を含むイソシアネート成分と式(3)で表される化合物のみで混合することが好ましく、このようにイソシアネート成分と式(3)で表される化合物のみを混合することで、重合触媒などの他の化合物が存在しない条件下に配することで、これらの化合物が反応し化合物1が得られる。
【0059】
前述の混合する工程で得られた混合物を0℃~10℃の温度を保持した状態で活性水素成分を混合し、重合性組成物を得る。
【0060】
重合性組成物を重合する工程における、重合条件は、重合性組成物に応じて、適宜設定することができる。重合開始温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。重合開始温度から昇温し、その後、加熱して硬化形成することが好ましい。例えば、昇温最高温度は、通常110℃以上130℃以下である。
【0061】
重合終了後、レンズ基材を離型して、アニール処理を行ってもよい。アニール処理の温度は、好ましくは100~150℃である。
【0062】
当該樹脂は、例えば光学材料として用いられる。光学材料は、前述の樹脂を含む。光学材料の中でも眼鏡レンズとして用いることが好ましい。
【0063】
[眼鏡レンズ]
本実施形態に係る眼鏡レンズは、例えば、本実施形態に係る樹脂を含むレンズ基材を備える。本実施形態に係る眼鏡レンズは、ハードコート層、下地層、及び反射防止層からなる群から選ばれる少なくとも1種の層を備えていてもよい。
【0064】
図1は、本実施形態の眼鏡レンズ1の模式断面図である。本実施形態の眼鏡レンズ1は、レンズ基材11と、このレンズ基材11の物体側の面11a側に設けられたハードコート層21fと、このハードコート層21fの物体側の面21fa側に設けられた機能層31fと、この機能層31fの物体側の面31fa側に設けられた撥水層41fと、を備えている。
【0065】
また、レンズ基材11がフィニッシュレンズである場合、本実施形態の眼鏡レンズ1は、レンズ基材11の眼球側の面11b側に設けられたハードコート層21bと、このハードコート層21bの眼球側の面21bb側に設けられた機能層31bと、この機能層31bの眼球側の面31bb側に設けられた撥水層41bと、を更に備えている。
【0066】
なお、図示しないが、レンズ基材11とハードコート層21fとの間、又はレンズ基材11とハードコート層21bとの間には、下地層が設けられていてもよい。
【0067】
<レンズ基材>
レンズ基材は、本実施形態に係る樹脂を含んでいてもよい。
もよい。
【0068】
レンズ基材の表面形状は特に限定されず、平面、凸面、凹面等のいずれであってもよい。
【0069】
レンズ基材は、単焦点レンズ用、多焦点レンズ用、累進屈折力レンズ用等のいずれの用途であってもよい。例えば、一例として、累進屈折力レンズについては、通常、近用部領域(近用部)及び累進部領域(中間領域)が、前述の下方領域に含まれ、遠用部領域(遠用部)が上方領域に含まれる。
【0070】
レンズ基材としては、通常無色のものが使用されるが、透明性を損なわない範囲で着色したものを使用することもできる。
【0071】
レンズ基材は、メニスカス型であることが好ましい。「メニスカス型」のレンズ基材とは、両面に曲面が形成されているレンズ基材を意味する。メニスカス型レンズ基材に上述の化合物1を含有させることで、非点収差を抑制することができる。
【0072】
レンズ基材の光学中心厚は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.5mm以上10.0mm以下、より好ましくは0.5mm以上5.0mm以下、更に好ましくは0.5mm以上3.0mm以下、更に好ましくは0.5mm以上2.0mm以下である。
レンズ基材の直径は、特に限定されるものではないが、通常50~100mm程度である。
【0073】
レンズ基材の屈折率neは、好ましくは1.52以上であり、より好ましくは1.53以上であり、更に好ましくは1.55以上であり、更に好ましくは1.58以上であり、更に好ましくは1.60以上である。
レンズ基材の屈折率neは、化合物1を含有することによるアッベ数の向上効果を高める観点から、好ましくは1.70以上であり、より好ましくは1.74以上である。
なお、レンズ基材の屈折率neは、その上限は特に限定されないが、例えば1.80以下であってもよい。
【0074】
〔レンズ基材の製造方法〕
レンズ基材は、特に限定されないが、例えば、
上述の重合性組成物を硬化させる工程、及び
硬化後の樹脂をアニール処理する工程
を含む製造方法により得られる。
【0075】
重合は、注型重合法であることが好ましい。レンズ基材は、例えば、重合性組成物を、ガラス又は金属製のモールドと、テープ又はガスケットとを組み合わせたモールド型に注入して重合を行うことで得られる。
【0076】
重合条件は、重合性組成物に応じて、適宜設定することができる。重合開始温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下である。重合開始温度から昇温し、その後、加熱して硬化形成することが好ましい。例えば、昇温最高温度は、通常110℃以上130℃以下である。
【0077】
重合終了後、レンズ基材を離型して、アニール処理を行ってもよい。アニール処理の温度は、好ましくは100~150℃である。
【0078】
<ハードコート層>
ハードコート層は、例えば、無機酸化物とケイ素化合物とを含む硬化性組成物による硬化膜である。硬化性組成物は、好ましくは多官能エポキシ化合物を更に含む。
【0079】
無機酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ベリリウム、酸化アンチモン、これらのうち2種以上の無機酸化物による複合酸化物が挙げられる。これらは、1種を単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの無機酸化物の中でも、酸化ケイ素が好ましい。なお、無機酸化物として、コロイダルシリカを用いてもよい。
【0080】
無機酸化物の含有量は、硬化性組成物の固形分中、好ましくは20質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは25質量%以上70質量%以下であり、更に好ましくは25質量%以上50質量%以下である。
【0081】
ケイ素化合物は、例えば、アルコキシ基などの加水分解性基を有するケイ素化合物である。ケイ素化合物は、好ましくは、ケイ素原子に結合する有機基と加水分解性基とを有するシランカップリング剤である。ケイ素原子に結合する有機基は、好ましくは、グリシドキシ基などのエポキシ基、ビニル基、メタアクリルオキシ基、アクリルオキシ基、メルカプト基、アミノ基、フェニル基等の官能基を有する有機基であり、より好ましくはエポキシ基を有する有機基である。なお、ケイ素化合物は、ケイ素に結合するアルキル基を有していてもよい。
【0082】
上述のシランカップリング剤の市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製、商品名、KBM-303、KBM-402、KBM-403、KBE-402、KBE-403、KBM-1403、KBM-502、KBM-503、KBE-502、KBE-503、KBM-5103、KBM-602、KBM-603、KBM-903、KBE-903、KBE-9103、KBM-573、KBM-575、KBM-9659、KBE-585、KBM-802、KBM-803、KBE-846、KBE-9007等が挙げられる。
【0083】
ケイ素化合物の含有量は、硬化性組成物の固形分中、好ましくは20質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上75質量%以下であり、更に好ましくは50質量%以上75質量%以下である。
【0084】
多官能エポキシ化合物は、一分子中に2つ以上のエポキシ基を含む多官能エポキシ化合物であり、より好ましくは一分子中に2つ又は3つのエポキシ基を含む多官能エポキシ化合物である。多官能エポキシ化合物の市販品としては、ナガセケムテックス株式会社製、商品名「デナコール」シリーズのEX-201,EX-211,EX-212,EX-252,EX-313,EX-314,EX-321,EX-411,EX-421,EX-512,EX-521,EX-611,EX-612,EX-614,EX-614B等が挙げられる。
【0085】
多官能エポキシ化合物の含有量は、硬化性組成物の固形分中、好ましくは0質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上40質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以上30質量%以下である。
【0086】
上述の硬化性組成物は、以上説明した成分の他、必要に応じて、有機溶剤、レベリング剤、硬化触媒等の任意成分を混合して調製することができる。
上述のハードコート層は、硬化性組成物を基材上に塗布し、硬化処理(熱硬化、光硬化等)を施すことにより形成することができる。硬化性組成物の塗布手段としては、ディッピング法、スピンコーティング法、スプレー法等の通常行われる方法を適用することができる。硬化処理は、多官能エポキシ化合物を含む硬化性組成物については、通常、加熱により行われる。加熱硬化処理は、例えば上述の硬化性組成物を塗布したレンズを50~150℃の雰囲気温度の環境下に30分~3時間程度配置することで行うことができる。
【0087】
<下地層>
上述の下地層としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、及びエポキシ樹脂等からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂粒子を含む水系樹脂組成物により形成することができる。
【0088】
上述の水系樹脂組成物としては、市販されている水性ポリウレタンをそのまま、又は必要に応じて水系溶媒で希釈して使用することも可能である。市販されている水性ポリウレタンとしては、例えば、日華化学株式会社製の商品名「エバファノール」シリーズ、第一工業製薬株式会社製の商品名「スーパーフレックス」シリーズ、株式会社ADEKA製の商品名「アデカボンタイター」シリーズ、三井化学株式会社製の商品名「オレスター」シリーズ、大日本インキ化学工業株式会社製の商品名「ボンディック」シリーズ、商品名「ハイドラン」シリーズ、バイエル社製の商品名「インプラニール」シリーズ、日本ソフラン株式会社製の商品名「ソフラネート」シリーズ、花王株式会社製の商品名「ポイズ」シリーズ、三洋化成工業株式会社製の商品名「サンプレン」シリーズ、保土谷化学工業株式会社製の商品名「アイゼラックス」シリーズ、ゼネカ株式会社製の商品名「ネオレッツ」シリーズが挙げられる。
【0089】
下地層は、例えば、上述の水系樹脂組成物を基材の表面に塗工及び乾燥させることによりを形成することができる。
【0090】
<機能層>
上述の機能層としては、例えば、反射防止層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、フォトクロミック層、帯電防止層、防曇層が挙げられる。これらの機能層は、1種を単独又は2種以上を組合せて用いてもよい。これらの機能層については、眼鏡レンズに関する公知技術を適用することができる。これらの中でも、反射防止層を有することが好ましい。
【0091】
(反射防止層)
反射防止層は、例えば、交互に配置された低屈折率層及び高屈折率層を有する。反射防止層が有する層数は、好ましくは4~11層であり、より好ましくは5~8層である。
【0092】
低屈折率層の屈折率は、波長500~550nmにおいて、好ましくは1.35~1.80であり、より好ましくは1.45~1.50である。低屈折率層は、無機酸化物からなり、好ましくは酸化ケイ素からなる。
【0093】
高屈折率層の屈折率は、波長500~550nmにおいて、好ましくは1.90~2.60であり、より好ましくは2.00~2.40である。高屈折率層は、例えば、無機酸化物からなる。高屈折率層に用いられる無機酸化物は、好ましくは、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化チタニウム、酸化ニオブ及び酸化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは酸化ジルコニウム及び酸化タンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【0094】
反射防止層は、真空蒸着法にて、低屈折率層及び高屈折率層を交互に積層することで、反射防止層を形成することができる。
【0095】
<撥水層>
撥水層は、後述の撥水材料組成物を用いて形成する。撥水層は、ハードコート層上に形成されていても、機能層上に形成されていてもよいが、好ましくは反射防止層上に形成されていることが好ましい。そして、撥水層は、好ましくは最表面に位置することが好ましい。
【実施例0096】
以下、本実施形態を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0097】
<実施例1>
温度5℃に設定した恒温槽中で、容器内に1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン0.25質量部と、(CHCHCHCHOCHCHO)P(O)OH及びCHCHCHCHOCHCHOP(O)(OH)を含む酸性リン酸エステル1.00質量部とを加えて混合した。得られた試料について、H-NMR、13C-NMR、31P-NMRにより解析し、式(1-1)で表される化合物及び式(1-2)で表される化合物のP(O)-C(O)-NH-結合が生成していることを確認した(H-NMR:9.3-10.5ppm(br,N-),13C-NMR:43ppm(N-―Ph,2H)、31P―NMR:-11.50ppm,11.80ppm((-CHCHO)(0)-O-C(O)NH),-CHCHO-(0)-(O-C(O)NH-)))。
【0098】
<実施例2>
温度5℃に設定した恒温槽中で、容器内に2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物0.25質量部と、(CHCHCHCHOCHCHO)P(O)OH及びCHCHCHCHOCHCHOP(O)(OH)を含む酸性リン酸エステル1.00質量部とを加えて混合した。得られた試料について、H-NMR、13C-NMR、31P-NMRにより解析し、式(1-7)で表される化合物及び式(1-8)で表される化合物のP(O)-C(O)-NH-結合が生成していることを確認した。
【0099】
<実施例3>
温度5℃に設定した恒温槽中で、容器内にジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート0.25質量部と、(CHCHCHCHOCHCHO)P(O)OH及びCHCHCHCHOCHCHOP(O)(OH)を含む酸性リン酸エステル1.00質量部とを加えて混合した。得られた試料について、H-NMR、13C-NMR、31P-NMRにより解析し、式(1-9)で表される化合物及び式(1-10)で表される化合物のP(O)-C(O)-NH-結合が生成していることを確認した。
【0100】
<実施例4>
温度5℃に設定した恒温槽中で、容器内に1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン1.69質量部と、離型剤として(CHCHCHCHOCHCHO)P(O)OH及びCHCHCHCHOCHCHOP(O)(OH)酸性リン酸エステルを0.15質量部とを混合し、溶解させた。
温度5℃に設定した恒温槽中に反応容器を入れ、当該反応容器内に得られた混合物と、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼンを総量が50.60質量部となるように添加し撹拌混合した。さらに、反応容器内に、触媒としてジメチルチンジクロライド0.06質量部、紫外線吸収剤「シーソーブ701」(商品名、シプロ化成株式会社製)を0.55質量部添加し撹拌混合した。その後、さらに4,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、4,8-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオール、5,7-ビス(メルカプトメチル)-3,6,9-トリチアウンデカン-1,11-ジチオールの混合物 49.40質量部を添加し、10mmHgの減圧下で30分間攪拌混合して硬化性組成物を調製した。ついで、この硬化性組成物を、予め準備したガラス製モールドと樹脂製ガスケットからなるレンズ成型用鋳型(0.00D、肉厚1.6mmに設定)の中に注入し、電気炉中で20℃~120℃まで24時間かけて重合を行った。重合終了後、ガスケット及びモールドを取り外したが離型性に問題はなかった。離型後、120℃で2時間熱処理してレンズ基材を得た。
【0101】
<実施例5>
温度5℃に設定した恒温槽中で、容器内にビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物1.68質量部と、離型剤として(CHCHCHCHOCHCHO)P(O)OH及びCHCHCHCHOCHCHOP(O)(OH)酸性リン酸エステルを0.15質量部とを混合し、溶解させた。
温度5℃に設定した恒温槽中に反応容器を入れ、当該反応容器内に得られた混合物と、2,5-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物を総量が50.28質量部となるように添加し撹拌混合した。さらに、反応容器内に、触媒としてジメチルチンジクロライド0.06質量部、紫外線吸収剤「シーソーブ701」(商品名、シプロ化成株式会社製)を0.55質量部添加し撹拌混合した。その後、さらにペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)25.50質量部、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)-3-メルカプトプロパン 24.22質量部を添加し、10mmHgの減圧下で30分間攪拌混合して硬化性組成物を調製した。ついで、この硬化性組成物を、予め準備したガラス製モールドと樹脂製ガスケットからなるレンズ成型用鋳型(0.00D、肉厚1.6mmに設定)の中に注入し、電気炉中で20℃~120℃まで24時間かけて重合を行った。重合終了後、ガスケット及びモールドを取り外したが離型性に問題はなかった。離型後、120℃で2時間熱処理してレンズ基材を得た。
図1