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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014593
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H01H36/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117542
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】三浦 玲貴
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 充
【テーマコード(参考)】
5G046
【Fターム(参考)】
5G046AA11
5G046AB01
5G046AC23
5G046AD25
5G046AE05
(57)【要約】
【課題】検出精度の低下を抑制しつつ、電極板に対する保護性能を向上する。
【解決手段】センサ装置10では、電極板40の電極本体部41がケース20の左壁20Bに隣接し、電極本体部41から右側へ延出された第1接続部42及び第2接続部43に回路基板30が接続されている。電極本体部41には、バネ部44が一体に形成されており、バネ部44は、左側へ弾性変形した状態でケース20のバネ支持部25によって支持されて、電極本体部41を左側へ付勢する。そして、ポッティング材50がケース20の収容部20E内に充填される。よって、回路基板30及び電極板40を、ポッティング材50によって、被覆しつつ、固定できる。また、バネ部44の付勢力によって電極本体部41をケース20の左壁20Bに密着させた状態を維持しつつ、ポッティング材50をケース20の収容部20E内に充填させることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向を厚み方向とし前記第1方向に直交する第2方向に延在された長尺偏平状に形成され、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の一方側へ開放された開口部を有する中空状のケースと、
前記ケースに収容され、前記第1方向を板厚方向として前記ケースにおける第1方向一方側の側壁に隣接して配置された本体部と、前記本体部から前記第1方向の他方側へ延出された接続部と、を有する電極板と、
前記第1方向を板厚方向として配置され、前記接続部に接続されて前記電極板と共に前記ケースに収容されると共に、前記ケースの内部にフローティングした状態で収容された回路基板と、
前記ケースに一体に形成され、前記本体部と前記回路基板との間に配置された支持部と、
前記本体部に一体に形成され、前記本体部から前記第1方向の他方側へ延出されると共に、前記第1方向に弾性変形可能に構成され、前記支持部に押圧されて前記第1方向の一方側へ弾性変形して前記本体部を前記第1方向の一方側へ付勢する共に前記ケース内において前記電極板及び前記回路基板を保持するバネ部と、
前記ケースの内部に充填され、前記開口部を封止する封止材と、
を備えたセンサ装置。
【請求項2】
前記バネ部は、前記第2方向から見て、前記第1方向の他方側へ向かうに従い前記第3方向の一方側へ傾斜している請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記ケースには、前記電極板の前記第2方向の両端部を保持する一対の保持部が設けられており、
前記保持部には、前記電極板の前記第2方向の両端部が挿入される保持溝が形成されている請求項1又は請求項2に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の車両用ドアハンドル装置は、ベース部と、カバー部と、電子回路装置(センサ装置)と、を含んで構成されている。この電子回路装置は、フレームと、フレームに組付けられた電子回路基板と、電子回路基板に接続されたアンロックセンサ(電極板)と、有しており、アンロックセンサは、本体部と、本体部から延出された板バネと、を含んでいる。そして、車両用ドアハンドル装置では、電子回路装置をベース部に組付け、カバー部をベース部に組付けることで、電子回路装置がベース部とカバー部との間に挟み込まれる。また、電子回路装置がベース部とカバー部との間に挟み込まれた状態では、カバー部によって板バネが押圧されて、板バネの付勢力によってアンロックセンサの本体部がベース部に押し付けられる。これによりアンロックセンサがベース部に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-204233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の車両用ドアハンドル装置における電子回路装置では、以下に示す点において、改善の余地がある。すなわち、上記電子回路装置では、電子回路装置の単体状態(電子回路装置のベース部及びカバー部への組付前の状態)では、アンロックセンサの略全体がフレームの外部に露出している。このため、電子回路装置単体の状態では、アンロックセンサに対する保護性能が低下する可能性がある。
【0005】
ここで、例えば、ポッティング材等の封止材をアンロックセンサに塗布することで、アンロックセンサに対する保護性能を向上することができる。しかしながら、封止材をアンロックセンサに塗布した場合には、例えば、アンロックセンサとカバー部との間に封止材が介在され、アンロックセンサと被検出部との間の距離が長くなり、アンロックセンサの検出精度が低下する虞がある。また、例えば、封止材に含まれる空気によって、アンロックセンサの検出精度が低下する虞がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、検出精度の低下を抑制しつつ、電極板に対する保護性能を向上することができるセンサ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、第1方向を厚み方向とし前記第1方向に直交する第2方向に延在された長尺偏平状に形成され、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の一方側へ開放された開口部を有する中空状のケースと、前記ケースに収容され、前記第1方向を板厚方向として前記ケースにおける第1方向一方側の側壁に隣接して配置された本体部と、前記本体部から前記第1方向の他方側へ延出された接続部と、を有する電極板と、前記第1方向を板厚方向として配置され、前記接続部に接続されて前記電極板と共に前記ケースに収容されると共に、前記ケースの内部にフローティングした状態で収容された回路基板と、前記ケースに一体に形成され、前記本体部と前記回路基板との間に配置された支持部と、前記本体部に一体に形成され、前記本体部から前記第1方向の他方側へ延出されると共に、前記第1方向に弾性変形可能に構成され、前記支持部に押圧されて前記第1方向の一方側へ弾性変形して前記本体部を前記第1方向の一方側へ付勢する共に前記ケース内において前記電極板及び前記回路基板を保持するバネ部と、前記ケースの内部に充填され、前記開口部を封止する封止材と、を備えたセンサ装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、検出精度の低下を抑制しつつ、電極板に対する保護性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るセンサ装置を示す左斜め後方側から見た斜視図である。
図2】(A)は、図1に示されるセンサ装置の左側から見た側面図であり、(B)は、図1に示されるセンサ装置の下側から下面図である。
図3図2(B)のセンサ装置においてポッティング材を取り除いた状態を示す下側から見た下面図である。
図4図3に示されるセンサ装置の下斜め前方から見た斜視図である。
図5図3に示されるセンサ装置の内部を示す後方側から見た断面図(図3の5-5線断面図)である。
図6図3に示される電極板と回路基板との接続状態を示す左側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係るセンサ装置10について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印LHは、それぞれセンサ装置10の装置上側、装置前側、装置左側(幅方向一方側)を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、センサ装置10の装置上下方向、装置前後方向、装置左右方向を示すものとする。そして、左右方向(幅方向)が、本発明の第1方向に対応し、前後方向が本発明の第2方向に対応し、上下方向が本発明の第3方向に対応する。
【0011】
図1図3に示されるように、センサ装置10は、全体として前後方向に延在され且つ左右方向を厚み方向とする略長尺偏平状に形成され、車両(車)のアウタドアハンドル(図示省略)の内部に収容されている。センサ装置10は、静電容量型近接センサとして構成されて、乗員の手のアウタドアハンドルへの近接を検出する。センサ装置10は、ケース20と、回路基板30(図3参照)と、電極板40(図3参照)と、封止材としてのポッティング材50(図2(B)のハッチングの施された部分を参照)と、を含んで構成されている。
【0012】
(ケース20について)
図1図5に示されるように、ケース20は、センサ装置10の外郭を構成している。ケース20は、前後方向に延在され且つ左右方向を厚み方向とする略長尺偏平状に形成されると共に、下側へ開放された開口部20Aを有する中空状に形成されている。ケース20は、上下方向から見て、後側へ向かうに従い右側へ若干傾斜している。ケース20の左壁20Bは、検出部として構成されており、センサ装置10は、アウタハンドルを把持しようとする乗員の手の左壁20Bへの近接を検出する。ケース20の前壁の下部には、左右方向中間部において、切欠部20Cが前後方向に貫通形成されている。切欠部20Cは、上下方向に延在され、切欠部20Cの下端部が下側へ開放されている。
【0013】
ケース20の前壁には、切欠部20Cの右側において、取付片21が一体に形成されている。取付片21は、左右方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されて、ケース20の前壁から前側へ延出している。取付片21の下端部には、フック部21Aが一体に形成されている。フック部21Aは、前側から見て、略逆L字形状に形成されて、取付片21から左側へ突出している。
【0014】
ケース20の前端側部分には、ケース20の内部を前後方向に区画する区画壁22が形成されている。区画壁22は、前後方向を板厚方向としてケース20の上壁から下側へ延出されると共に、ケース20の左壁20B及び右壁20Dを連結している。区画壁22の下端部には、左右一対の配線挿通部22Aが形成されており、配線挿通部22Aは、下側へ開放された溝状に形成されている。そして、ケース20内における区画壁22よりも後側部分が、後述する回路基板30及び電極板40を収容する収容部20Eとして構成されている。
【0015】
収容部20Eの前端部には、配線用リブ23が設けられている。配線用リブ23は、ケース20の左壁20Bから右側へ突出されると共に、前後方向を板厚方向として上下方向に延在されている。配線用リブ23は、右壁20Dに対して左側に離間して配置されている。
【0016】
収容部20Eの左端部には、後述する電極板40を保持するための前後一対の保持部としての電極保持部24が設けられている。電極保持部24は、上下方向に延在された略柱状に形成されており、ケース20の左壁20Bから右側へ突出している。前側の電極保持部24は、配線用リブ23の後側に近接して配置され、後側の電極保持部24は、ケース20の後壁の前側に隣接配置されて、当該後壁に接続されている。一対の電極保持部24には、前後方向内側へ開放された保持溝としての保持スリット24Aが形成されており、保持スリット24Aは、電極保持部24の長手方向に沿って上下方向に延在されると共に、保持スリット24Aの下端部が下側へ開放されている。保持スリット24Aは、左壁20Bの右側に隣接配置され、保持スリット24Aの幅寸法が、後述する電極板40の板厚よりも僅かに大きく設定されている。
【0017】
収容部20Eには、一対の電極保持部24の間において、支持部としてのバネ支持部25が設けられている。バネ支持部25は、上下方向に延在された柱状に形成されて、ケース20の上壁から下側へ延出されている。バネ支持部25は、ケース20の左壁20Bに対して右側へ離間しており、その長手方向から見て、右側へ開放された凹状に形成されている。
【0018】
(回路基板30について)
図3図6に示されるように、回路基板30は、左右方向を板厚方向とし且つ前後方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。回路基板30は、後述する電極板40と共に、収容部20E内に収容されている。具体的には、回路基板30は、前後方向において、一対の電極保持部24の間に配置されて、収容部20Eの左右方向中間部に配置されている。回路基板30は、後述する電極板40に接続されており、電極板40がケース20に組付けられることで、回路基板30のケース20への収容状態が維持されている。回路基板30には、一対の配線31が設けられており、配線31によって回路基板30と車両の制御部(図示省略)とが電気的に接続されている。具体的には、配線31の一端部が、回路基板30の前端部の左面に接続され、配線31が回路基板30から前側へ延出している。回路基板30から延出された配線31は、配線用リブ23とケース20の右壁20Dとの間に配策されると共に、配線挿通部22A内を挿通し、ケース20の切欠部20Cから前側へ延出している。切欠部20Cから前側へ延出した配線31は、フック部21Aによってクランプされている。
【0019】
(電極板40について)
電極板40は、本体部としての電極本体部41を有している。電極本体部41は、左右方向を板厚方向とし且つ前後方向を長手方向とする略矩形板状に形成されており、ケース20における収容部20Eの左端部に収容されている。具体的には、電極本体部41は、ケース20の左壁20Bの内周面に隣接して配置されている。電極本体部41の前端部及び後端部は、ケース20の電極保持部24における保持スリット24A内に下側から差し込まれており、電極保持部24によって電極本体部41の前端部及び後端部が保持されている。
【0020】
電極本体部41の前端部における上下方向中間部には、右側へ屈曲された接続部としての第1接続部42が形成されており、第1接続部42の先端部が、半田付け等によって、回路基板30の前端部に接続されている。電極本体部41の後端部における上端部には、右側へ屈曲された接続部としての第2接続部43が形成されている。第2接続部43の長手方向中間部は、後側へ屈曲されており、第2接続部43の先端部が、第1接続部42と同様に、半田付け等によって、回路基板30の前端部に接続されている。これにより、電極本体部41が、回路基板30に電気的に接続されている。
【0021】
電極本体部41の前後方向中間部には、バネ部44が一体に形成されており、バネ部44は、ケース20のバネ支持部25に対応する位置に配置されている。具体的には、電極本体部41には、バネ支持部25に対応する位置において、バネ部44を形成するためのスリット部45(図6参照)が貫通形成されており、スリット部45は、電極本体部41の板厚方向から見て、上側へ開放された略U字形状に形成されている。そして、スリット部45の内側部分がバネ部44として構成されており、バネ部44は、上下方向に延在された略長尺板状に形成され、バネ部44の上端部が電極本体部41に接続されている。バネ部44の上端部は、右側へ屈曲されており、バネ部44が、前後方向から見て、下側へ向かうに従い右側へ傾斜している。バネ部44は、バネ部44の上端部を起点として、左右方向に弾性変形可能に構成されている。すなわち、バネ部44は、所謂板バネとして構成されている。
【0022】
バネ部44の先端部(下端部)は、ケース20のバネ支持部25に当接して、バネ支持部25によって支持されている。具体的には、バネ部44が、バネ支持部25によって左側へ押圧されて、左側へ弾性変形している。これにより、バネ部44によって、電極本体部41が左側へ付勢されて、電極本体部41がケース20の左壁20Bの内周面に密着するように構成されている。また、バネ部44の付勢力によって、回路基板30及び電極板40のケース20への収容状態が維持されている。すなわち、電極本体部41がケース20の左壁20Bに密着され、回路基板30がケース20内にフローティングした状態に収容されている。
【0023】
(ポッティング材50について)
図2(B)に示されるように、ポッティング材50は、ケース20の収容部20E内に充填されて、ポッティング材50によって、回路基板30の外周部全体が被覆されると共に、電極板40におけるケース20の左壁20Bと当接する部分以外の部分が被覆されている。ポッティング材50は、ウレタンやエポキシ等の樹脂材によって構成されており、液状のポッティング材50を、回路基板30及び電極板40の全体を埋めるように収容部20E内に充填し、ポッティング材50を硬化させることで、ポッティング材50によって、回路基板30の外周部全体が被覆され、電極板40におけるケース20の左壁20Bと当接する部分以外の部分が被覆される。これにより、電極本体部41がケース20の左壁20Bの内周面に密着した状態でケース20に固定され、回路基板30がケース20内においてフローティングした状態で固定されている。
【0024】
(作用及び効果)
次に、センサ装置10の組立手順を説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0025】
センサ装置10の組立では、先に、電極板40の第1接続部42及び第2接続部43を回路基板30に半田付けして、回路基板30と電極板40とをユニット状態にする。次に、ユニット状態の回路基板30及び電極板40を、ケース20の収容部20E内に収容して、ケース20に組付ける。具体的には、電極板40をケース20の開口部20Aから収容部20E内に挿入し、電極板40の前端部及び後端部を、ケース20における電極保持部24の保持スリット24A内に下側から挿入する。これにより、電極板40がケース20の左壁20Bの右側に隣接配置される。
【0026】
電極板40を上側へさらに移動させると、電極板40のバネ部44が、ケース20のバネ支持部25の先端部に当接し、バネ支持部25によって左側へ押圧される。これにより、バネ部44が左側へ弾性変形して、電極本体部41を左側へ付勢する。そして、電極板40を正規の収容位置まで移動させることで、回路基板30及び電極板40がケース20内に収容される。すなわち、バネ部44が弾性変形した状態でバネ支持部25によって支持され、電極板40がケース20に組付けられる。なお、この状態では、回路基板30は、ケース20に保持されておらず、接続された電極板40の第1接続部42及び第2接続部43によって、ケース20内にフローティング状態で収容されている。また、回路基板30の収容部20Eへの収容後には、配線31を、配線用リブ23とケース20の右壁20Dとの間に配置すると共に、配線挿通部22A内に挿通させる。そして、配線31をケース20から前方側へ延出させる。
【0027】
回路基板30及び電極板40のケース20への収容後、液状のポッティング材50をケース20の開口部20Aから収容部20E内に充填させて、ポッティング材50によって、回路基板30の外周部全体を被覆し、且つ電極板40におけるケース20の左壁20Bと当接する部分以外の部分を被覆する。ポッティング材50の収容部20Eへの充填後に、ポッティング材50を硬化させることで、回路基板30及び電極板40がケース20に固定されると共に、ケース20の開口部20Aがポッティング材50によって封止される。
【0028】
以上説明したように、センサ装置10では、電極板40の電極本体部41がケース20の左壁20Bに隣接して配置され、電極本体部41から右側へ延出された第1接続部42及び第2接続部43に回路基板30が接続されている。また、電極本体部41には、バネ部44が一体に形成されており、バネ部44は、左側へ弾性変形した状態でケース20のバネ支持部25によって支持されて、電極本体部41を左側へ付勢する共に、ケース20内において回路基板30及び電極板40を保持する。これにより、ケース20の収容部20E内における回路基板30及び電極板40の位置が決定される。そして、ポッティング材50がケース20の収容部20E内に充填され、ポッティング材50によって収容部20Eの開口部20Aが封止される。よって、ケース20内に収容された回路基板30及び電極板40を、ポッティング材50によって、被覆しつつ、固定することができる。したがって、回路基板30及び電極板40に対する保護性能を向上することができる。
【0029】
また、電極板40のバネ部44が弾性変形することで、バネ部44の付勢力によって電極本体部41をケース20の左壁20Bに押し付けて密着させることができる。これにより、検出部であるケース20の左壁20Bの内周面に電極本体部41を密着させた状態を維持しつつ、ポッティング材50をケース20の収容部20E内に充填させることができる。よって、ケース20内にポッティング材50を充填させた構造にしても、センサ装置10の検出精度の低下を抑制できる。
【0030】
すなわち、仮に、電極本体部41においてバネ部44を省略して、ケース20の電極保持部24のみによって電極板40をケース20に保持した場合には、電極本体部41がケース20の左壁20B側へ付勢されていないため、ポッティング材50のケース20への充填時に、ポッティング材50が電極本体部41とケース20の左壁20Bとの間に侵入する可能性がある。この場合には、ポッティング材50と電極本体部41との間に介在するポッティング材50やポッティング材50中の気泡、ポッティング材50が行き渡らずに残留する空気等によって、電極本体部41による検出精度が低下する虞がある。
【0031】
これに対して、本実施の形態では、上述のように、バネ部44の付勢力によって電極本体部41を、ケース20の左壁20Bに押し付けて、検出部であるケース20の左壁20Bの内周面に密着させることができる。これにより、ポッティング材50のケース20への充填時に、ポッティング材50が電極本体部41とケース20の左壁20Bとの間に侵入することやポッティング材50が行き渡らずに残留する空気を抑制できる。したがって、上述のように、電極本体部41をケース20の左壁20Bに密着させた状態を維持しつつ、回路基板30及び電極板40を収容したケース20内にポッティング材50を充填させ、充填させたポッティング材50によって回路基板30及び電極板40を被覆することができる。以上により、本実施の形態のセンサ装置10によれば、検出精度の低下を抑制しつつ、回路基板30及び電極板40に対する保護性能を向上することができる。
【0032】
また、上述のように、ユニット状態の回路基板30及び電極板40をケース20の収容部20E内に収容し、電極板40のバネ部44を弾性変形させることで、バネ部44の付勢力によって電極本体部41をケース20の左壁20Bに押し付けて、電極板40及び回路基板30をケース20内に保持することができる。すなわち、電極板40のバネ部44を、ケース20の左壁20Bとバネ支持部25との間に差し込むことで、バネ部44を弾性変形させて、電極板40及び回路基板30をケース20内に保持することができる。これにより、センサ装置10の組立性を向上することができる。
【0033】
また、上述のように、電極板40をケース20に組付けた状態では、電極板40に接続された回路基板30がフローティングされた状態でケース20の収容部20E内に収容される。このため、ポッティング材50をケース20の収容部20E内に充填させることで、ポッティング材50によって、回路基板30の全周を被覆しつつ、回路基板30をケース20に固定することができる。これにより、回路基板30に対する保護性能を効果的に向上することができる。また、電極板40をケース20に組付けることで回路基板30がケース20内に自動的に収容されるため、回路基板30をケース20に組付けるための工数を削減することができる。これにより、センサ装置10の組立性を一層向上することができる。
【0034】
また、バネ部44は、電極本体部41に一体に形成されており、前後方向から見て、右側へ向かうに従い下側へ傾斜している。このため、簡易な構造で、電極本体部41を左側へ付勢することができる。
【0035】
また、ケース20には、前後一対の電極保持部24が設けられており、電極保持部24には、電極本体部41の前端部及び後端部が挿入される保持スリット24Aが形成されている。これにより、電極保持部24によって電極板40の前端部及び後端部を保持することができると共に、前後方向における電極板40の位置を決定することができる。したがって、電極板40のケース20への収容状態を良好に維持することができると共に、電極板40のケース20への組立性を向上することができる。
【符号の説明】
【0036】
10 センサ装置
20 ケース
24 電極保持部(保持部)
24A 保持スリット(保持溝)
25 バネ支持部(支持部)
30 回路基板
40 電極板
41 電極本体部(本体部)
42 第1接続部(接続部)
43 第2接続部(接続部)
44 バネ部
50 ポッティング材(封止材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6