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特開2024-145943光源モジュール及び光源モジュールの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145943
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】光源モジュール及び光源モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/024 20060101AFI20241004BHJP
   H01S 5/02315 20210101ALI20241004BHJP
   H01S 5/026 20060101ALI20241004BHJP
   H01S 5/343 20060101ALI20241004BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20241004BHJP
   G02B 6/12 20060101ALI20241004BHJP
   G02B 6/13 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H01S5/024
H01S5/02315
H01S5/026 618
H01S5/343 610
H01S5/343
G02B6/42
G02B6/12 301
G02B6/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058561
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】520133916
【氏名又は名称】ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中津 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山中 一彦
(72)【発明者】
【氏名】畑 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】林 茂生
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
5F173
【Fターム(参考)】
2H137AA17
2H137AB11
2H137AC01
2H137AC11
2H137BA46
2H137BA51
2H137BB02
2H137BB17
2H137BB24
2H137BB25
2H137BB26
2H137BC02
2H137BC51
2H137CA13C
2H137CA34
2H137CA77
2H137CA78
2H137CB06
2H137CB25
2H137CB32
2H137CC03
2H137CC05
2H137DA39
2H137DB08
2H137DB12
2H137EA04
2H137GA02
2H137HA01
2H137HA05
2H147AA04
2H147AB04
2H147AB17
2H147BD02
2H147BE13
2H147BG02
2H147CA08
2H147CA13
2H147CA27
2H147CB03
2H147CB06
2H147CC02
2H147CC13
2H147CC14
2H147CD02
2H147DA10
2H147EA02A
2H147EA10D
2H147EA13C
2H147EA14B
2H147EA14C
2H147FC01
2H147FC02
2H147FD18
2H147GA06
2H147GA10
2H147GA26
5F173MA10
5F173MB03
5F173MC12
5F173MD03
5F173MD16
5F173MD37
5F173MD84
5F173ME22
5F173ME32
5F173ME44
5F173ME56
5F173ME57
5F173MF03
5F173MF26
5F173MF39
(57)【要約】
【課題】半導体レーザで発生する熱を効率良く放熱することができる光源モジュールを提供する。
【解決手段】光源モジュール1は、第1実装面10a及び第2実装面10bを有する基台10と、第1実装面10aに実装され、サブマウント21及びサブマウント21の第3実装面21aに実装された半導体レーザ22を有する光源20と、第2実装面10bに実装され、半導体レーザ22の光出射面から出射したレーザ光が導波する光導波路31及びレーザ光が光導波路31に入射する光入射面30iを有する平面光波回路素子30と、を備え、光源20は、サブマウント21を構成する面のうち第3実装面21aと平行でない第4実装面21bで第1実装面10aに実装されており、平面光波回路素子30の光入射面30iは、第1実装面10aと平行である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1実装面及び第2実装面を有する基台と、
サブマウントと前記サブマウントの第3実装面に実装された半導体レーザとを有する光源と、
前記第2実装面に実装され、前記半導体レーザの光出射面から出射したレーザ光を導波する光導波路と前記レーザ光が前記光導波路に入射する光入射面とを有する平面光波回路素子と、を備え、
前記光源は、前記サブマウントを構成する面のうち前記第3実装面と平行でない第4実装面で前記第1実装面に実装されており、
前記光入射面は、前記第1実装面と平行である、
光源モジュール。
【請求項2】
前記半導体レーザは、発光層が前記第3実装面と反対側になるように前記第3実装面に実装されており、
前記光出射面は、前記サブマウントの前面より飛び出しておらず、
前記第1実装面と前記光入射面とは、面一である、
請求項1に記載の光源モジュール。
【請求項3】
前記半導体レーザは、発光層が前記第3実装面側になるように前記第3実装面に実装されており、
前記光出射面は、前記サブマウントの前面より飛び出しており、
前記光出射面と前記前面との間隔をΔZ1とし、前記第1実装面と前記光入射面との間隔をΔZ2とすると、0≦ΔZ2-ΔZ1≦5μmである、
請求項1に記載の光源モジュール。
【請求項4】
前記光導波路の光入射側の端部は、前記平面光波回路素子の側面である光導波路端面を有し、
前記光入射面は、前記光導波路端面であり、
前記第1実装面と前記光入射面とは平行である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項5】
前記光導波路の光入射側の端部は、前記平面光波回路素子の上面に対して傾斜する光導波路反射面を有し、
前記半導体レーザは、前記レーザ光が前記上面である前記光入射面から前記光導波路反射面に向かって入射するように配置されており、
前記第1実装面と前記上面とは平行である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項6】
前記光導波路は、コアと、前記コアよりも屈折率が低いクラッドとを有し、
前記クラッドは、前記上面に対して垂直な方向において、前記コアの上側及び下側の各々に存在しているとともに、前記上面方向において、前記光導波路反射面を介して前記コアの外側に存在している、
請求項5に記載の光源モジュール。
【請求項7】
前記レーザ光の光出射方向は、前記光入射面に対して垂直である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項8】
前記基台の熱伝導率は、前記平面光波回路素子の熱伝導率より高い、
請求項1~7のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項9】
前記基台は、Al、Cu、Au、Ag、AlN、及び、SiCの中から選ばれる少なくとも一つによって構成されている、
請求項1~8のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項10】
前記基台の熱伝導率は、170W/m・K以上である、
請求項1~9のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項11】
前記サブマウントは、Al、Cu、Au及びAgの中から選ばれる少なくとも一つによって構成された第1部材と、AlN及びSiCの中から選ばれる少なくとも一つによって構成された第2部材とを有し、
前記第1部材と前記基台とが接合され、
前記第2部材と前記半導体レーザとが接合されている、
請求項10に記載の光源モジュール。
【請求項12】
前記平面光波回路素子は、基板に積層された前記光導波路を有し、
前記光導波路は、前記基板よりも前記基台に近い位置に配置されている、
請求項1~11のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項13】
前記光導波路は、複数の前記光源から発せられた光を結合させる光波回路であり、
前記複数の光源は、
前記半導体レーザ及び前記サブマウントとしてAlInGaN系の第1半導体レーザ及び第1サブマウントを有する青色光源と、
前記半導体レーザ及び前記サブマウントとしてAlInGaN系の第2半導体レーザ及び第2サブマウントを有する緑色光源と、
前記半導体レーザ及び前記サブマウントとしてAlInGaP系の第3半導体レーザ及び第3サブマウントを有する赤色光源と、を含む、
請求項1~12のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項14】
前記第1実装面は、前記第1サブマウントが接合される第1サブ実装面と、前記第2サブマウントが接合される第2サブ実装面と、前記第3サブマウントが接合される第3サブ実装面とを有し、
前記第1サブ実装面と前記第2サブ実装面は平行であり、
前記第1サブ実装面と、前記第3サブ実装面とは垂直である、
請求項13に記載の光源モジュール。
【請求項15】
前記第2半導体レーザは、前記第1半導体レーザと前記第2サブマウントとの間に位置する、
請求項14に記載の光源モジュール。
【請求項16】
前記光源は、複数であり、
複数の前記光源は、
前記半導体レーザ及び前記サブマウントとしてAlInGaN系の第1半導体レーザ及び第1サブマウントを有する青色光源と、
前記半導体レーザ及び前記サブマウントとしてAlInGaN系の第2半導体レーザ及び第2サブマウントを有する緑色光源と、
前記半導体レーザ及び前記サブマウントとしてAlInGaP系の第3半導体レーザ及び第3サブマウントを有する赤色光源と、を含み、
前記第1実装面は、前記平面光波回路素子の平面視において、前記平面光波回路素子の一辺の外側にある第1サブ実装面と、前記一辺とは平行でない他の辺の外側にある第2サブ実装面とを有し、
前記青色光源及び前記緑色光源はいずれも、前記第1サブ実装面及び前記第2サブ実装面の一方に配置され、
前記赤色光源は、前記第1サブ実装面及び前記第2サブ実装面の他方に配置される、
請求項1~3、5、6のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項17】
半導体レーザをサブマウントの第3実装面に実装して光源を作製する工程と、
光導波路を有する平面光波回路素子を基台の第2実装面に実装する工程と、
前記光源を前記基台の第1実装面に実装する工程と、を含む光源モジュールの製造方法であって、
前記半導体レーザから出射するレーザ光を前記平面光波回路素子の光入射面から前記光導波路に入射させて、前記レーザ光の光量が最大となるように、前記光源の位置を前記第1実装面と平行な面内の方向で調整した後、前記第3実装面と平行でない面と前記第1実装面との間に配置された第1接合層を介して前記光源を前記基台に固定する、
光源モジュールの製造方法。
【請求項18】
前記半導体レーザは、発光層が前記第3実装面側になるように実装により前記第3実装面に実装されており、
前記半導体レーザの光出射面は、前記サブマウントの前面より飛び出しており、
前記光出射面と前記前面との間隔をΔZ1とし、前記第1実装面と前記平面光波回路素子の光入射面との間隔をΔZ2とすると、0≦ΔZ2-ΔZ1≦5μmである、
請求項17に記載の光源モジュールの製造方法。
【請求項19】
前記半導体レーザは、発光層が前記第3実装面と反対側になるように実装により前記第3実装面に実装されており、
前記半導体レーザの光出射面は、前記サブマウントの前面より飛び出しておらず、
前記第1実装面と前記光入射面とは、面一である、
請求項17に記載の光源モジュールの製造方法。
【請求項20】
前記光導波路の光入射側の端部は、前記平面光波回路素子の側面である光導波路端面を有し、
前記光入射面は、前記光導波路端面であり、
前記第1実装面と前記光入射面とは平行である、
請求項17~19のいずれか1項に記載の光源モジュールの製造方法。
【請求項21】
前記光導波路の光入射側の端部は、前記平面光波回路素子の上面に対して傾斜する光導波路反射面を有し、
前記半導体レーザは、前記レーザ光が前記上面である前記光入射面から前記光導波路反射面に向かって入射するように配置されており、
前記第1実装面と前記上面とは平行である、
請求項17~19のいずれか1項に記載の光源モジュールの製造方法。
【請求項22】
前記半導体レーザは、接合層を介して前記サブマウントに実装されており、
前記半導体レーザと前記サブマウントとの間に位置する前記接合層と、前記第1接合層とは、同じ材料で構成されており、
前記光源を前記基台に実装する工程において、前記サブマウントを透過したレーザ光により前記第1接合層を直接加熱する、
請求項17~21のいずれか1項に記載の光源モジュールの製造方法。
【請求項23】
前記平面光波回路素子と前記基台とを接合した後に、前記平面光波回路素子と前記基台とを一度に切断する、
請求項17~22のいずれか1項に記載の光源モジュールの製造方法。
【請求項24】
前記平面光波回路素子を前記基台に実装する工程では、前記平面光波回路素子の側面と前記基台の側面とを同一の面に押し当てながら前記平面光波回路素子と前記基台とを接合する、
請求項17~22のいずれか1項に記載の光源モジュールの製造方法。
【請求項25】
前記平面光波回路素子を前記基台に実装する工程では、高さが異なる2つの段差面を有する押し当て部材を前記平面光波回路素子の側面又は上面に配置し、前記平面光波回路素子の側面と前記基台の側面との各々を前記押し当て部材の2つの段差面に押し当てながら前記平面光波回路素子と前記基台とを接合する、
請求項18に記載の光源モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体レーザを備える光源モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザを備える光源モジュールとして、サブキャリアの上面に配置された半導体レーザ(LD:Laser Diode)と、基板上に設けられた平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)とを備えた集積光学装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された光源モジュールでは、半導体レーザから出射したレーザ光が平面光波回路の光導波路に入射するように、光導波路の入射面が半導体レーザの光出射面と対向するように配置されている。また、サブキャリアの側面と基板の側面とが複数の金属層を介して接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/196489号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された光源モジュールでは、平面光波回路が設けられる基板としてシリコン(Si)からなるシリコン基板を用い、フォトリソグラフィ及びエッチングを含む公知の半導体プロセスによって基板の表面に平面光波回路を作り込んでいる。また、PLCが形成された基板に、LDが実装されたサブキャリアを接合している。
【0006】
しかしながら、シリコンは熱伝導率が高くないので、特許文献1に開示された光源モジュールでは、半導体レーザの駆動時に半導体レーザで発生する熱を基板を介して効率良く放熱することができない。
【0007】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、半導体レーザの駆動時に半導体レーザで発生する熱を効率良く放熱することができる光源モジュール及び光源モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示に係る光源モジュールの一態様は、第1実装面及び第2実装面を有する基台と、サブマウントと前記サブマウントの第3実装面に実装された半導体レーザとを有する光源と、前記第2実装面に実装され、前記半導体レーザの光出射面から出射したレーザ光を導波する光導波路と前記レーザ光が前記光導波路に入射する光入射面とを有する平面光波回路素子と、を備え、前記光源は、前記サブマウントを構成する面のうち前記第3実装面と平行でない第4実装面で前記第1実装面に実装されており、前記光入射面は、前記第1実装面と平行である。
【0009】
また、本開示に係る光源モジュールの製造方法の一態様は、半導体レーザをサブマウントの第3実装面に実装して光源を作製する工程と、光導波路を有する平面光波回路素子を基台の第2実装面に実装する工程と、前記光源を前記基台の第1実装面に実装する工程と、を含む光源モジュールの製造方法であって、前記半導体レーザから出射するレーザ光を前記平面光波回路素子の光入射面から前記光導波路に入射させて、前記レーザ光の光量が最大となるように、前記光源の位置を前記第1実装面と平行な面内の方向で調整した後、前記第3実装面と平行でない面と前記第1実装面との間に配置された第1接合層を介して前記光源を前記基台に固定する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、半導体レーザの駆動時に半導体レーザで発生する熱を効率良く放熱することができる光源モジュールを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態1に係る光源モジュールの断面図である。
図2図2は、実施の形態1に係る光源モジュールの効果を説明するための図である。
図3A図3Aは、実施の形態1に係る光源モジュールの製造方法において、光源を作製する工程を示す図である。
図3B図3Bは、実施の形態1に係る光源モジュールの製造方法において、平面光波回路素子を基台に実装する工程を示す図である。
図3C図3Cは、実施の形態1に係る光源モジュールの製造方法において、光源の位置調整を行う工程を示す図である。
図3D図3Dは、実施の形態1に係る光源モジュールの製造方法において、光源を基台に接合する工程を示す図である。
図3E図3Eは、実施の形態1に係る光源モジュールの製造方法において、完成した光源モジュールを示す図である。
図4図4は、実施の形態1の変形例に係る光源モジュールを模式的に示す斜視図である。
図5図5は、実施の形態2に係る光源モジュールの断面図である。
図6図6は、実施の形態2に係る光源モジュールの効果を説明するための図である。
図7A図7Aは、実施の形態2に係る光源モジュールの製造方法において、光源を作製する工程を示す図である。
図7B図7Bは、実施の形態2に係る光源モジュールの製造方法において、平面光波回路素子を基台に実装する工程を示す図である。
図7C図7Cは、実施の形態2に係る光源モジュールの製造方法において、光源の位置調整を行う工程を示す図である。
図7D図7Dは、実施の形態2に係る光源モジュールの製造方法において、光源を基台に接合する工程を示す図である。
図7E図7Eは、実施の形態2に係る光源モジュールの製造方法において、完成した光源モジュールを示す図である。
図8図8は、実施の形態2の変形例1に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図9図9は、実施の形態2の変形例2に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図10図10は、実施の形態2の変形例3に係る光源モジュールを模式的に示す斜視図である。
図11図11は、実施の形態2の変形例3に係る光源モジュールの断面図である。
図12図12は、実施の形態2の変形例4に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図13図13は、実施の形態3に係る光源モジュールの断面図である。
図14図14は、実施の形態3に係る光源モジュールの効果を説明するための図である。
図15A図15Aは、実施の形態3に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製工程における基板エッチング工程を示す図である。
図15B図15Bは、実施の形態3に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製工程における光導波路形成工程を示す図である。
図15C図15Cは、実施の形態3に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製工程における金属膜及び反射防止膜形成工程を示す図である。
図15D図15Dは、実施の形態3に係る光源モジュールの製造方法において、平面光波回路素子を基台に実装する工程を示す図である。
図15E図15Eは、実施の形態3に係る光源モジュールの製造方法において、光源を基台に配置する工程を示す図である。
図15F図15Fは、実施の形態3に係る光源モジュールの製造方法において、光源の位置調整を行う工程を示す図である。
図15G図15Gは、実施の形態3に係る光源モジュールの製造方法において、光源を基台に接合する工程を示す図である。
図15H図15Hは、実施の形態3に係る光源モジュールの製造方法において、完成した光源モジュールを示す図である。
図16図16は、実施の形態3の変形例に係る光源モジュール3を模式的に示す斜視図である。
図17図17は、実施の形態3の変形例に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図18図18は、実施の形態4に係る光源モジュールの断面図である。
図19図19は、実施の形態4に係る光源モジュールの効果を説明するための図である。
図20A図20Aは、実施の形態4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製工程における基板エッチング工程を示す図である。
図20B図20Bは、実施の形態4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製工程における光導波路形成工程を示す図である。
図20C図20Cは、実施の形態4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製工程における金属膜及び反射防止膜形成工程を示す図である。
図20D図20Dは、実施の形態4に係る光源モジュールの製造方法において、平面光波回路素子を基台に実装する工程を示す図である。
図20E図20Eは、実施の形態4に係る光源モジュールの製造方法において、光源を基台に配置する工程を示す図である。
図20F図20Fは、実施の形態4に係る光源モジュールの製造方法において、光源の位置調整を行う工程を示す図である。
図20G図20Gは、実施の形態4に係る光源モジュールの製造方法において、光源を基台に接合する工程を示す図である。
図20H図20Hは、実施の形態3に係る光源モジュールの製造方法において、完成した光源モジュールを示す図である。
図21図21は、実施の形態4の変形例1に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図22図22は、実施の形態4の変形例1に係る光源モジュールの他の構成を示す図である。
図23図23は、実施の形態4の変形例2に係る光源モジュールを模式的に示す斜視図である。
図24図24は、実施の形態4の変形例2に係る光源モジュールの一部を示す図である
図25図25は、実施の形態4の変形例3に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図26図26は、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図27A図27Aは、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法における基板準備工程を示す図である。
図27B図27Bは、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法におけるエッチング保護マスク形成工程を示す図である。
図27C図27Cは、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法における基板エッチング工程を示す図である。
図27D図27Dは、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法における第1クラッド層形成工程を示す図である。
図27E図27Eは、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法におけるコア層形成工程を示す図である。
図27F図27Fは、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法におけるコア層パターニング工程を示す図である。
図27G図27Gは、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法における第2クラッド層形成工程を示す図である。
図27H図27Hは、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法における第2クラッド層研磨工程を示す図である。
図28A図28Aは、実施の形態4の変形例5に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図28B図28Bは、実施の形態4の変形例5’に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図29図29は、実施の形態4の変形例6に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図30A図30Aは、実施の形態4の変形例6に係る光源モジュールにおける平面光波回路素子の作製方法における基板準備工程を示す図である。
図30B図30Bは、実施の形態4の変形例6に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法における基板エッチング工程を示す図である。
図30C図30Cは、実施の形態4の変形例6に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法における基板割断工程を示す図である。
図30D図30Dは、実施の形態4の変形例6に係る光源モジュールに用いられる平面光波回路素子の作製方法において作製された平面光波回路素子の上面図である。
図31図31は、実施の形態4の変形例7に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図32図32は、実施の形態4の変形例8に係る光源モジュールの構成を示す図である。
図33図33は、実施の形態5に係る光源モジュールの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0014】
また、本明細書において、「上方」及び「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」及び「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔をあけて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに接する状態で配置される場合にも適用される。
【0015】
また、「平行」、「垂直」又は「直交」等の幾何学的な表現については、数学的な厳密さで完全に平行、垂直又は直交であることだけを意味するのではなく、実質的に平行、垂直又は直交であることも含まれる。すなわち、「平行」、「垂直」又は「直交」等には、製造誤差や寸法公差等で実質的に許容される数%程度の誤差も含まれる。
【0016】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る光源モジュール1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る光源モジュール1の断面図である。
【0017】
図1に示すように、光源モジュール1は、基台10と、基台10に実装された光源20と、基台10に実装された平面光波回路素子30とを備える。
【0018】
基台10は、光源20及び平面光波回路素子30を支持する支持部材として機能する。基台10は、第1実装面10a及び第2実装面10bを有する。基台10の第1実装面10aは、光源20が実装される面であり、基台10の第2実装面10bは、平面光波回路素子30が実装される面である。具体的には、第1実装面10aは、基台10の側面であり、第2実装面10bは、基台10の上面である。また、第1実装面10a及び第2実装面10bは、フラットな平面である。本実施の形態において、第1実装面10aと第2実装面10bとは、直交している。したがって、第1実装面10aである基台10の側面と第2実装面10bである基台10の上面とは、直交している。
【0019】
基台10は、基台10の基材である基台本体11と、金属膜12とを有する。金属膜12は、基台本体11の側面に形成されている。したがって、基台10の第1実装面10aは、金属膜12の外表面である。また、基台10の第2実装面10bは、基台本体11の上面である。なお、金属膜12は、一例として、側面から順に、Ti、Pt、Auの三層積層構造であるが、これに限るものではない。
【0020】
基台10は、光源20及び平面光波回路素子30で発生する熱を放熱させるための放熱部材(ヒートシンク)としても機能する。したがって、基台10は、高い熱伝導率を有する高熱伝導材料によって構成されているとよい。基台10は、金属(金属合金を含む)又はセラミック等で構成することができる。
【0021】
本実施の形態において、基台10は、Al、Cu、Au、Ag、AlN、及び、SiCの中から選ばれる少なくとも一つによって構成されている。具体的には、基台10における基台本体11が、Al、Cu、Au、Ag、AlN、及び、SiCの中から選ばれる少なくとも一つによって構成されている。なお、基台本体11は、この中から選ばれる金属からなる金属合金であってもよい。
【0022】
基台10の熱伝導率は、平面光波回路素子30の熱伝導率より高くなっている。具体的には、基台10の基台本体11の熱伝導率が平面光波回路素子30の熱伝導率よりも高くなっている。
【0023】
また、平面光波回路素子30を上面視したときに、基台10は、平面光波回路素子30よりも大きい。具体的には、基台10を上面視したときの面積は、平面光波回路素子30を上面視したときの面積よりも大きくなっている。
【0024】
光源20は、サブマウント21と、サブマウント21の第3実装面21aに実装された半導体レーザ22とを有する。
【0025】
サブマウント21は、第3実装面21aと第4実装面21bを有する。サブマウント21の第3実装面21aは、半導体レーザ22が実装される面である。本実施の形態においては、第3実装面21aは、サブマウント21の上面である。また、第3実装面21aは、フラットな平面であり、サブマウント21の側面に直交している。
【0026】
サブマウント21は、半導体レーザ22を実装するための基台として機能する。本実施の形態において、サブマウント21は、サブマウント21の基材であるサブマウント本体25と、第1金属膜26と、第2金属膜27とを有する。サブマウント本体25は、直方体の形状を有し、平面である第1配置面25aと第1配置面25aに直交する平面である第2配置面25bを有する。第1金属膜26は、サブマウント本体25の第1配置面25aに形成されている。したがって、本実施の形態において、サブマウント21の第3実装面21aは、第1金属膜26の外表面である。また、第2金属膜27は、サブマウント本体25の第2配置面25bに形成されている。したがって、本実施の形態において、サブマウント21の第4実装面21bは、第2金属膜27の外表面である。本実施の形態において、第2金属膜27は、第2配置面25bの一部に形成され、第1配置面25a側の表面には形成されていない。したがって、第1金属膜26と第2金属膜27は接続されない。なお、第1金属膜26及び第2金属膜27は、一例として、サブマウント本体25から順にTi、Pt、Auの三層積層構造であるが、これに限るものではない。また、本実施の形態においては、サブマウント本体25の第1配置面25aに対向する面と第2配置面25bに対向する面には金属膜は形成されない。
【0027】
サブマウント21は、光源20で発生する熱を放熱させるための放熱部材(ヒートシンク)としても機能する。したがって、サブマウント21は、高い熱伝導率を有する高熱伝導材料によって構成されているとよい。サブマウント21は、金属(金属合金を含む)、セラミック又は熱伝導率が高い半導体材料等で構成することができる。
【0028】
例えば、サブマウント21は、Si、AlN、及び、SiCの中から選ばれる少なくとも一つによって構成されている。具体的には、この場合、サブマウント21におけるサブマウント本体25が、Si、AlN、及び、SiCの中から選ばれる少なくとも一つによって構成されている。このように、サブマウント本体25を、Si、AlN、又は、SiCによって構成することで、光源20のサブマウント21を基台10に接合する際に加熱用レーザ光源から出射するレーザ光をサブマウント本体25に透過させることができる。例えば、AlN又はSiCによって構成されたサブマウント本体25は、可視光~赤外帯域のいずれかの波長のレーザ光の少なくとも一部を透過し、Siによって構成されたサブマウント本体25は、波長1.2μmから15μmの赤外光帯域のいずかの波長のレーザ光を透過する。
【0029】
サブマウント21の熱伝導率は、高い方がよい。例えば、サブマウント21の熱伝導率は、100W/m・K以上であるとよい。具体的には、サブマウント21のサブマウント本体25の熱伝導率が100W/m・K以上であるとよい。
【0030】
半導体レーザ22は、ピーク波長が350nm~900nmのレーザ光を出射する横シングルモードの半導体レーザチップである。半導体レーザ22のチップサイズは、例えば幅が150μmで、長さ(共振器長)が200μmで、厚みが80μmである。半導体レーザ22の一方の表面には導波路22aが形成されている。また、本実施の形態において、半導体レーザ22は、リッジストライプ型の導波路構造であり、導波路22aの幅は、例えば1μm~5μmである。
【0031】
半導体レーザ22は、サブマウント21の第3実装面21aに実装される。具体的には、半導体レーザ22は、接合層41を介してサブマウント21の第3実装面21aに実装される。接合層41は、サブマウント21の第3実装面21aに形成されている。具体的には、接合層41は、第1金属膜26に形成されている。接合層41は、AuSn等からなる半田等の導電性接合材料によって構成されている。接合層41は、例えば、蒸着又は塗布により第1金属膜26に積層することができる。
【0032】
本実施の形態において、半導体レーザ22は、発光層が第3実装面21aと反対側になるようにジャンクションアップ実装によりサブマウント21の第3実装面21aに実装されている。つまり導波路22aが形成された表面とは反対の面がサブマウントに接合される。例えば、サブマウント21の第3実装面21aに形成された接合層41の上に半導体レーザ22をジャンクションアップ実装により配置し、接合層41によって半導体レーザ22をサブマウント21に接合して固定することができる。
【0033】
また、半導体レーザ22の光出射面である前端面22fは、サブマウント21の側端面21fである第2配置面25bより飛び出していない。なお、サブマウント21(サブマウント本体25)の複数の側面のうち、半導体レーザ22の光出射面である前端面22fと同方向の面を「前面」と呼ぶこととする。本実施の形態において、サブマウント本体25の第2配置面25bは、サブマウント本体25の前面である。また、本実施の形態において、半導体レーザ22の前端面22fは、サブマウント21の基台10側の端面(第2金属膜27の外表面)よりも後退した位置に存在している。具体的には、半導体レーザ22の前端面22fは、サブマウント本体25の基台10側の端面である第2配置面25bとほぼ面一になっている。
【0034】
光源20は、サブマウント21に半導体レーザ22が実装されて構成される。光源20は、基台10の第1実装面10aに実装されて固定されている。本実施の形態において、基台10の第1実装面10aは、基台10の側面である。したがって、光源20は、基台10の側面に固定されている。
【0035】
また、光源20は、サブマウント21を構成する面のうち第3実装面21aと直交する第4実装面21bで、基台10の第1実装面10aに実装されている。具体的には、光源20は、サブマウント21の側面で、基台10の第1実装面10aに実装されている。つまり、光源20におけるサブマウント21の第4実装面21bと、基台10の第1実装面10aとが接合されている。具体的には、光源20におけるサブマウント21の第2金属膜27と基台10の金属膜12とが接合層43を介して接合されている。接合層43は、SAC(Sn、Ag、Cuの合金)又はAuSn等からなる半田等の熱伝導率の高い金属合金によって構成されている。本実施の形態において、サブマウント21と基台10とを接合する接合層43は、半導体レーザ22とサブマウント21とを接合する接合層41と同じ材質で構成されている。
【0036】
平面光波回路素子30は、光源20の半導体レーザ22の光出射面から出射したレーザ光が導波する光導波路31と、光導波路31を保持する基板32とを有する。基板32は例えば平板であり、平面光波回路素子30は、光導波路31側の表面が第1面30uで、基板32側の表面が第2面30bである。そして、平面光波回路素子30は、光源20側に配置される側面である第3面30cと、第3面に対向する第4面30dを有する。
【0037】
光導波路31は、基板32の上に設けられている。光導波路31は、コア31aと、コア31aよりも屈折率が低いクラッド31bとを有する。クラッド31bは、平面光波回路素子30の上面に対して垂直な方向において、コア31aの上側及び下側の各々に存在している。具体的には、コア31aの延伸方向に直交する断面において、クラッド31bは、コア31aの全体を囲んでいる。この構成により、光導波路31に入射した光は、コア31aとクラッド31bとの界面で全反射しながらコア31aを伝搬して導波する。
【0038】
コア31aは、平面光波回路素子30の上面である第1面30uと平行な面内において延伸している。また、コア31aは、第3面30cから第4面30dに向かって延伸するように形成される。そして、第3面30c側のコア31aの端面は光入射面30iであり、第4面30d側のコア31aの端面は光出射面30eとなる。コア31aは、例えば直線状に延伸しているが、これに限るものではない。コア31aは、曲線状に延伸していてもよいし、曲線部と直線部とを有するように延伸していてもよい。
【0039】
本実施の形態において、基板32は、例えば、シリコンからなるシリコン基板又はガラスからなるガラス基板等からなる平板であるが、これに限らない。また、一例として、コア31aは、窒化シリコン(SiN)によって構成されており、クラッド31bは、二酸化シリコン(SiO)によって構成されている。
【0040】
本実施の形態において、光導波路31の光源20側の端面(側面)を含む第3面30c側には、第1反射防止膜33が形成されている。第1反射防止膜33は、光入射面30iから光導波路31に入射するレーザ光が光入射面30iで反射することを防止する。また、光導波路31の光源20側とは反対側の端面(側面)を含む第4面30d側には、第2反射防止膜34が形成されている。第2反射防止膜34は、光導波路31から外部に出射するレーザ光が光出射面30eで反射することを防止する。第1反射防止膜33及び第2反射防止膜34は、例えば、複数の誘電体膜が積層された誘電体多層膜である。誘電体膜の材料としては、例えば酸化チタン(TiO)、酸化タンタル(Ta)、酸化シリコン(SiO)又は酸化アルミニウム(Al)等である。なお、第1反射防止膜33及び第2反射防止膜34は、必ずしも形成する必要はなく、形成されていなくてもよい。
【0041】
平面光波回路素子30は、半導体レーザ22の光出射面から出射したレーザ光が光導波路31に入射する光入射面30iと、光導波路31を導波したレーザ光が光導波路31から外部に出射する光出射面30eとを有する。
【0042】
本実施の形態では、光導波路31の光源20側の端面(第3面30c)に第1反射防止膜33が形成されているので、平面光波回路素子30の光入射面30iは、第1反射防止膜33の外表面である。また、光導波路31の光源20側とは反対側の端面(第4面30d)には第2反射防止膜34が形成されているので、平面光波回路素子30の光出射面30eは、第2反射防止膜34の外表面である。なお、第1反射防止膜33及び第2反射防止膜34が形成されていない場合は、光導波路31の光源20側の端面が光入射面30iであり、光導波路31の光源20側とは反対側の端面が光出射面30eとなる。
【0043】
光入射面30iは、基台10の第1実装面10aと平行である。つまり、光入射面30iは、基台10の光源20側の側面と平行である。具体的には、光導波路31の光入射側の端部は、平面光波回路素子30の光源20側の側面である光導波路端面を有し、光入射面30iは、この光導波路端面である。
【0044】
本実施の形態において、光入射面30iは、基台10の第1実装面10aと面一になっている。つまり、光入射面30iである平面光波回路素子30の光源20側の側面である第3面30cは、基台10の光源20側の側面と同一の平面である。本実施の形態では、光導波路31の光源20側の端面に第1反射防止膜33が形成されていて平面光波回路素子30の光源20側の側面が第1反射防止膜33の外表面であり、また、基台本体11の光源20側の側面に金属膜12が形成されていて基台10の光源20側の側面が金属膜12の外表面であるので、第1反射防止膜33の外表面と金属膜12の外表面とが同一の平面になっている。
【0045】
また、光入射面30iは、半導体レーザ22の光出射面(前端面)に対向している。本実施の形態において、光入射面30iは、半導体レーザ22の光出射面と平行である。したがって、半導体レーザ22から出射したレーザ光の光出射方向は、光入射面30iに対して垂直になっている。なお、半導体レーザ22から出射したレーザ光の光出射方向は、光入射面30iの垂直線に対して±10°以内の角度の範囲で傾いていてもよい。
【0046】
平面光波回路素子30の光出射面30eは、平面光波回路素子30の光源20側とは反対側の側面である第4面30dであり、平面光波回路素子30の光入射面30iと平行である。したがって、光出射面30eは、基台10の第1実装面10aと平行である。つまり、光出射面30eは、基台10の光源20の側面と平行である。また、光出射面30eは、基台10の光源20側の側面とは反対側の側面とも平行である。このように平行であると、平面光波回路素子30を小型化できる。
【0047】
平面光波回路素子30は、基台10の上に固定されている。本実施の形態において、平面光波回路素子30は、基台10の第2実装面10bに接合されて基台10に固定されている。具体的には、平面光波回路素子30は、接合層42を介して基台10の第2実装面10bに接合されている。接合層42は、例えば、AuSn等からなる半田等の導電性接合材料、又は、金属焼結材からなる接合材料によって構成されている。なお、接合層42は、絶縁性材料によって構成されていてもよい。例えば、接合層42は、紫外線硬化樹脂等の絶縁性を有する樹脂接着剤等によって構成されていてもよい。
【0048】
次に、光源モジュール1の効果について、図2を用いて説明する。図2は、実施の形態1に係る光源モジュール1の効果を説明するための図である。なお、図2の黒矢印は、半導体レーザ22で発生した熱の放熱経路を模式的に示している。
【0049】
図2に示すように、光源モジュール1は、例えば、筐体100に載置される。そして、光源20は、図示しない金属ワイヤーなどの電気配線により外部電源と接続される。光源20に電力が供給され、光源20の半導体レーザ22が駆動すると、半導体レーザ22の導波路22aの前端面22fからレーザ光が出射する。半導体レーザ22から出射したレーザ光は、平面光波回路素子30の光入射面30iから光導波路31に入射して、光導波路31を導波して平面光波回路素子30の光出射面30eから外部に出射する。具体的には、半導体レーザ22から出射したレーザ光は、平面光波回路素子30の側面から入射して光導波路31のコア31aに入射する。光導波路31のコア31aに入射したレーザ光は、コア31aとクラッド31bとの界面で全反射を繰り返しながらコア31aを伝搬する。
【0050】
このように半導体レーザ22が駆動すると、半導体レーザ22の導波路22aで、レーザ光に変換されなかった電力がジュール熱となり発生する。このとき、光源モジュール1では、半導体レーザ22がサブマウント21の第3実装面21aに実装された光源20が、サブマウント21を構成する面のうち第3実装面21aと直交する第4実装面21bで基台10の第1実装面10aに実装されており、また、平面光波回路素子30が基台10の第2実装面10bに実装されている。
【0051】
この構成により、図2の黒矢印に示すように、半導体レーザ22で発生した熱は、サブマウント21に伝導し、サブマウント21の第4実装面21bと基台10の第1実装面10aの間の接合層43を介して基台10に伝導し、基台10の下面である放熱面10hから筐体100へと伝導する。これにより、半導体レーザ22の駆動時に半導体レーザ22で発生する熱を効率良く放熱することができる。このため、半導体レーザ22の温度上昇を抑制することができる。
【0052】
この場合、基台10は、熱伝導率が高い材料によって構成されているとよい。これにより、半導体レーザ22で発生した熱を素早く伝導して外部に放熱させることができる。一例として、サブマウント21のサブマウント本体25をAlN(熱伝導率:170W/m・K)で構成し、基台10の基台本体11をCu(熱伝導率:390W/m・K)又はSiC(熱伝導率:300~420W/m・K)で構成することができる。なお、平面光波回路素子30の基板32は、例えばSi(熱伝導率:150W/m・K)からなるシリコン基板である。
【0053】
次に、実施の形態1に係る光源モジュール1の製造方法について、図3A図3Eを用いて説明する。図3A図3Eは、実施の形態1に係る光源モジュール1の製造方法を説明するための図である。
【0054】
まず、図3Aに示すように、半導体レーザ22をサブマウント21の第3実装面21aに実装して光源20を作製する。
【0055】
具体的には、まずサブマウント本体25の第2配置面25bの一部に第2金属膜27が形成され、続いて第1配置面25aに第1金属膜26が形成される。さらに第1金属膜26上には接合層41が形成される。そして、サブマウント21の第3実装面21aに予め形成された接合層41の上に半導体レーザ22をジャンクションアップ実装により配置し、接合層41を溶融することで半導体レーザ22をサブマウント21に接合する。このとき、半導体レーザ22の前端面22fは、第2配置面25bである側端面21fに対して、飛び出ないように固定される。これにより、半導体レーザ22がサブマウント21に固定された光源20を作製することができる。
【0056】
次に、図3Bに示すように、光導波路31を有する平面光波回路素子30を基台10の第2実装面10bに実装する。
【0057】
具体的には、まず、基板32の上に形成された光導波路31の両端面に第1反射防止膜33及び第2反射防止膜34を形成して平面光波回路素子30を作製する。また、基台10の上面に例えばめっき法により接合層42を形成する。その後、押し当て部材(不図示)を用いて平面光波回路素子30の側面と基台10の側面とを押し当て部材の同一の面に押し当てながら平面光波回路素子30と基台10とを接合する。具体的には、接合層42が形成された基台10と平面光波回路素子30とを共に横方向から押し当て部材に押し付けながら接合層42を溶融させることで平面光波回路素子30と基台10とを接合する。このように、平面光波回路素子30の側面と基台10の側面とを同一の面に押し当てながら平面光波回路素子30と基台10とを接合することで、側面同士が面一となるように平面光波回路素子30と基台10とを容易に接合することができる。
【0058】
次に、図3C及び図3Dに示すように、光源20を基台10の第1実装面10aに実装する。本実施の形態では、半導体レーザ22から出射するレーザ光を平面光波回路素子30の光導波路31に入射させて、半導体レーザ22のレーザ光の光量が最大となるように、光源20の位置を基台10の第1実装面10aと平行な面内の方向で調整した後、サブマウント21の第4実装面21bと基台10の第1実装面10aとの間に配置された接合層43を介して光源20を基台10に固定する。
【0059】
具体的には、まず、図3Cに示すように、半導体レーザ22から出射するレーザ光によって、平面光波回路素子30が実装された基台10に対する光源20の位置の調整を行う。つまり、アクティブアライメントを行う。例えば、まず光源20を図示しない所定の治具で保持する。このとき光源20の半導体レーザ22に所定の電力を供給できる治具、例えば2つのコンタクトプローブを有する治具を用いて保持する。続いて光源20のサブマウント21と平面光波回路素子30が実装された基台10との間に接合層43を挟持した状態で、半導体レーザ22を駆動して半導体レーザ22から出射するレーザ光を平面光波回路素子30の光導波路31に入射させて光導波路31から出射するレーザ光をパワーメータ200でモニタする。このとき、モニタしたレーザ光の光量が最大となるように、光源20の位置を移動させる。つまり、モニタしたレーザ光の光量が最大となるように、半導体レーザ22の光軸と光導波路31との光軸とを調整する。この光軸の調整は、基台10の第1実装面10aと平行な面内の方向で行う。
【0060】
なお、接合層43は、シート状の半田箔として基台10とサブマウント21との間に挿入してもよいし、蒸着又は塗布等によって基台10の第1実装面10aに予め形成しておいてもよい。また、基台10の第1実装面10aに予め接合層43を形成する場合、平面光波回路素子30を基台10に実装する前に接合層43を基台10に形成しておいてもよい。
【0061】
光源20の位置を調整した後、図3Dに示すように、光源20のサブマウント21の側面と基台10の第1実装面10aとの間に接合層43を配置し、加熱用レーザ光源300から出射するレーザ光を、サブマウント21に透過させて接合層43に照射する。具体的には、加熱用のレーザ光は、サブマウント21のサブマウント本体25で一部は散乱、吸収されるが、透過したレーザ光が接合層43に到達する。これにより、接合層43をレーザ光によって直接加熱することができる。加熱用のレーザ光が照射されることで接合層43が加熱溶融する。そして、加熱用のレーザ光を停止することで接合層43の温度が下がり、接合層43が固化する。これにより、接合層43を介して光源20のサブマウント21と基台10とを固定することができる。なお、本実施の形態において、半導体レーザ22とサブマウント21とを接合する接合層41とサブマウント21と基台10とを接合する接合層43とは、同じ材質で構成されている。
【0062】
このように、加熱用のレーザ光がサブマウント21を透過することでサブマウント21の発熱が抑えられる。つまり、サブマウント21の温度上昇を抑えることができる。これにより、半導体レーザ22とサブマウント21と間に位置する接合層41が再溶融することによるアライメントずれを抑制できる。
【0063】
なお、本実施の形態では、図3Cの工程(アクティブアライメント工程)の後に図3Dの工程(加熱用のレーザ光の照射工程)を行ったが、これに限らない。例えば、図3Cの工程と図3Dの工程とを同時に行ってもよい。また、図3Cの工程よりも先に図3Dの工程を行ってもよい。つまり、図3Dの工程の後に図3Cの工程を行ってもよい。この場合、加熱用のレーザ光をサブマウント21に透過させて接合層43に照射して接合層43を軟化させ、光源20の半導体レーザ22の光軸と平面光波回路素子30の光導波路31との光軸とを調整した後に加熱用のレーザ光の照射を停止して接合層43を固化させる。
【0064】
このように、平面光波回路素子30が固定された基台10に光源20を固定することで、図3Eに示すように、光源モジュール1が完成する。
【0065】
なお、本実施の形態では、押し当て部材を用いて平面光波回路素子30の側面と基台10の側面とが面一となるように平面光波回路素子30と基台10とを接合したが、これに限るものではない。例えば、平面光波回路素子30と基台10とを接合した後に、平面光波回路素子30と基台10とをまとめて切断してもよい。これにより、平面光波回路素子30の側面と基台10の側面とを容易に面一にすることができる。
【0066】
以上説明したように、本実施の形態に係る光源モジュール1では、半導体レーザ22がサブマウント21の第3実装面21aに実装された光源20が、サブマウント21を構成する面のうち第3実装面21aと平行でない面で基台10の第1実装面10aに実装されており、また、平面光波回路素子30が基台10の第2実装面10bに実装されている。そして、平面光波回路素子30における光入射面30iは、基台10の第1実装面10aと平行になっている。
【0067】
このように、平面光波回路素子30とは別に設けられたヒートシンクとなる基台10に光源20が接合されているので、半導体レーザ22の駆動時に半導体レーザ22で発生する熱を効率良く放熱することができる。これにより、半導体レーザ22の温度上昇を抑制することができるので、信頼性の高い光源モジュール1を得ることができる。また、半導体レーザ22で発生する熱を効率良く放熱することで、半導体レーザ22自身の熱による光出力の低下を抑制できるとともに容易に高出力動作を行うことができる。
【0068】
しかも、光源モジュール1の構成によれば、光源モジュール1を製造する際に、基台10の第1実装面10aの面内において光源20(半導体レーザ22)を発光させながら光源20を移動させて、基台10に対する光源20の位置を調整することができる。つまり、光源20の設置誤差に対して光利用効率が大きく左右される第1実装面10aの面内方向において、アクティブアライメントによって光源20の位置を調整することができる。したがって、より信頼性の高い光源モジュール1を得ることができる。
【0069】
また、本実施の形態に係る光源モジュール1において、半導体レーザ22は、ジャンクションアップ実装によりサブマウント21の第3実装面21aに実装されており、半導体レーザ22の光出射面である前端面22fは、サブマウント21の側端面21fより飛び出しておらず、基台10の第1実装面10aと平面光波回路素子30の光入射面30iとは面一になっている。
【0070】
この構成により、半導体レーザ22の前端面22fと光入射面30iは少なくとも接合層43の厚みの距離だけ離れるため、アクティブアライメント時に半導体レーザ22が平面光波回路素子30の光入射面30iに接触しない。したがって、基台10に対する光源20の位置の調整を容易に行うことができ、信頼性の高い光源モジュール1を得ることができる。
【0071】
また、本実施の形態に係る光源モジュール1において、平面光波回路素子30の光導波路31の光入射側の端部は、平面光波回路素子30の側面である光導波路端面を有し、平面光波回路素子30の光入射面30iは、その光導波路端面であり、基台10の第1実装面10aと光入射面30iとは平行である。
【0072】
この構成により、平面光波回路素子30の側面が光入射面30iとなる。なお、本実施の形態において、サブマウント21の第3実装面21aは、平面光波回路素子30の上面に対して平行であるが、平面光波回路素子30の上面に対して垂直になっていてもよい。
【0073】
また、本実施の形態に係る光源モジュール1において、光源20の半導体レーザ22から出射するレーザ光の光出射方向は、平面光波回路素子30の光入射面30iに対して垂直になっている。
【0074】
この構成により、半導体レーザ22から出射するレーザ光と平面光波回路素子30の光導波路31との光結結合率を高くすることができる。
【0075】
また、本実施の形態に係る光源モジュール1において、基台10の熱伝導率は、平面光波回路素子30の熱伝導率より高くなっている。例えば、基台10は、Al、Cu、Au、Ag、AlN、及び、SiCの中から選ばれる少なくとも一つによって構成されているとよい。
【0076】
この構成により、半導体レーザ22で発生する熱を、平面光波回路素子30を介することなく基台10を通して外部に効率良く伝導させることができるので、半導体レーザ22で発生する熱をさらに効率良く放熱することができる。
【0077】
また、本実施の形態に係る光源モジュール1において、基台10の熱伝導率は、170W/m・K以上であるとよい。
【0078】
この構成により、半導体レーザ22で発生する熱をサブマウント21に効率良く伝導させることができるとともにサブマウント21に伝導した熱を基台10と通して外部に効率良く伝導させることができる。これにより、半導体レーザ22で発生する熱をさらに効率良く外部に放熱することができる。
【0079】
(実施の形態1の変形例)
次に、実施の形態1の変形例について、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態1の変形例に係る光源モジュール1Aを模式的に示す斜視図である。
【0080】
図4に示すように、本変形例に係る光源モジュール1Aは、基台10と、複数の光源20と、平面光波回路素子30とを備える。本変形例において、複数の光源20は、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rを含んでいる。
【0081】
青色光源20B(第1光源)は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaN系の第1半導体レーザ22B及び第1サブマウント21Bを有する。第1半導体レーザ22Bは、ピーク波長が400nm~480nmの波長域に存在する青色のレーザ光を発する青色半導体レーザチップである。
【0082】
緑色光源20G(第2光源)は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaN系の第2半導体レーザ22G及び第2サブマウント21Gを有する。第2半導体レーザ22Gは、ピーク波長が480nm~600nmの波長域に存在する緑色のレーザ光を発する緑色半導体レーザチップである。
【0083】
赤色光源20R(第3光源)は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaP系の第3半導体レーザ22R及び第3サブマウント21Rを有する。第3半導体レーザ22Rは、ピーク波長が600nm~700nmの波長域に存在する赤色のレーザ光を発する赤色半導体レーザチップである。
【0084】
また、本変形例において、平面光波回路素子30の光導波路31は、複数の光源20(青色光源20B、緑色光源20G、赤色光源20R)からの光を結合させる光波回路である。具体的には、光導波路31には、複数の光源20に対応して複数本のコア31aが設けられている。より具体的には、光導波路31は、青色光源20Bの第1半導体レーザ22Bから出射したレーザ光が入射して導波する第1コア31aBと、緑色光源20Gの第2半導体レーザ22Gから出射したレーザ光が入射して導波する第2コア31aGと、赤色光源20Rの第3半導体レーザ22Rから出射したレーザ光が入射して導波する第3コア31aRとを有する。なお、図4において、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、露出しているように図示されているが、実際には、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、クラッドで覆われている。
【0085】
第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、平面光波回路素子30の光入射面30iである第3面30cから光出射面30eである第4面30dに向かって所定の形状で延伸し、平面光波回路素子30内(光導波路31内)で結合して光出射面30eでは1つのコアになっている。具体的には、第2コア31aGは、第1コア31aBと第3コア31aRとの間に位置しており、第3面30cから第4面30dに向かって直線状に延びている。一方、第1コア31aBは、第3面30cから直線状に延びた後に第2コア31aGの方向に滑らかに曲がり、その後、直線状に延びて第2コア31aGと結合している。第3コア31aRは、第3面30cから直線状に延びた後に第2コア31aGの方向に滑らかに曲がり、その後、直線状に延びて第2コア31aGと結合している。また、第1コア31aBと第2コア31aGが結合した後に、さらに、第3コア31aRと結合している。これにより、平面光波回路素子30の光出射面30eからは、青色のレーザ、緑色のレーザ光及び赤色のレーザ光の単色光又はこれらのレーザ光の少なくとも2つが混合したレーザ光が出射する。なお、平面光波回路素子30の光入射面30iは、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRに対して共通である。ここで、第2コア31aGが直線状になっているが、ほかのコアが直線状になっていてもよい。
【0086】
また、本変形例の光源モジュール1Aでは、さらに、基台10は、平面光波回路素子30の光出射側にレンズ固定部13を有している。そして、レンズ固定部13に集光レンズ50が固定されている。これにより、光導波路31の光出射端から出射したレーザ光は、集光レンズ50により集光されて光源モジュール1Aから出射する。
【0087】
このように構成される光源モジュール1Aは、フルカラーディスプレイ用の光源として用いることができる。なお、本変形例において、複数の光源20は、平面光波回路素子30の側方のみに設けられていたが、平面光波回路素子30の側方と上方の両方に設けられていてもよい。
【0088】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る光源モジュール2の構成について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態2に係る光源モジュール2の断面図である。
【0089】
本実施の形態に係る光源モジュール2は、上記実施の形態1に係る光源モジュール1に対して、半導体レーザ22の実装形態が異なるとともに、サブマウント21に対する半導体レーザ22の位置と基台10に対する平面光波回路素子30の位置とが異なる。
【0090】
具体的には、上記実施の形態1では、半導体レーザ22は、ジャンクションアップ実装によりサブマウント21の第3実装面21aに実装されていたのに対して、本実施の形態では、図5に示すように、半導体レーザ22は、発光層が第3実装面21a側になるようにジャンクションダウン実装によりサブマウント21の第3実装面21aに実装されている。つまり半導体レーザ22の導波路22aがサブマウント21側に配置され固定される。
【0091】
また、上記実施の形態1では、半導体レーザ22の光出射面は、サブマウント21の側面より飛び出していなかったが、本実施の形態では、図5に示すように、半導体レーザ22の光出射面である前端面22fは、サブマウント21の側端面21f(第2配置面25b)である前面より飛び出している。
【0092】
また、上記実施の形態1では、平面光波回路素子30の光入射面30iは、基台10の第1実装面10aと面一であったが、本実施の形態では、図5に示すように、平面光波回路素子30の光入射面30iである第3面30cは、基台10の第1実装面10aから後退した位置に存在している。
【0093】
このとき、半導体レーザ22の光出射面である前端面22fとサブマウント21の側面の最上部の端である側端面21fとの間隔をΔZ1とし、基台10の第1実装面10aである基台10の側面の最上部の端である第1実装面10aと平面光波回路素子30の光入射面30iである第3面30cとの間隔をΔZ2とすると、ΔZ2≧ΔZ1になっている。具体的には、0≦ΔZ2-ΔZ1≦5μmであるとよい。
【0094】
次に、光源モジュール2の効果について、図6を用いて説明する。図6は、実施の形態2に係る光源モジュール2の効果を説明するための図である。なお、図6の黒矢印は、半導体レーザ22で発生した熱の放熱経路を模式的に示している。
【0095】
図6に示すように、光源モジュール2は、例えば、筐体100に載置される。光源モジュール2は、上記実施の形態1の光源モジュール1と同様に動作する。
【0096】
具体的には、光源20の半導体レーザ22が駆動すると、半導体レーザ22からレーザ光が出射する。半導体レーザ22から出射したレーザ光は、平面光波回路素子30の光入射面30iから光導波路31に入射して、光導波路31を導波して平面光波回路素子30の光出射面30eから外部に出射する。具体的には、半導体レーザ22から出射したレーザ光は、平面光波回路素子30の側面から入射して光導波路31のコア31aに入射する。光導波路31のコア31aに入射したレーザ光は、コア31aとクラッド31bとの界面で全反射を繰り返しながらコア31aを伝搬する。
【0097】
このように半導体レーザ22が駆動すると、半導体レーザ22の導波路22a近傍でジュール熱が発生する。このとき、光源モジュール2では、図5に示すように、半導体レーザ22は、導波路22a側がサブマウント21の第3実装面21aに接合されている。また上記実施の形態1の光源モジュール1と同様に、光源20は、サブマウント21の第3実装面21aと直交する第4実装面21bが基台10の第1実装面10aに実装されており、また、平面光波回路素子30が基台10の第2実装面10bに実装されている。
【0098】
この構成により、図6の黒矢印に示すように、半導体レーザ22の導波路22aで発生した熱は、短い距離でサブマウント21に伝導し、サブマウント21の第4実装面21bと基台10の第1実装面10aとの間の接合層43を介して基台10に伝導し、筐体100へと伝導する。これにより、半導体レーザ22の駆動時に半導体レーザ22で発生する熱を効率良く放熱することができる。このため、半導体レーザ22の温度上昇を抑制することができる。
【0099】
次に、実施の形態2に係る光源モジュール2の製造方法について、図7A図7Eを用いて説明する。図7A図7Eは、実施の形態2に係る光源モジュール2の製造方法を説明するための図である。
【0100】
まず、図7Aに示すように、半導体レーザ22をサブマウント21の第3実装面21aに実装して光源20を作製する。
【0101】
具体的には、まず、実施の形態1と同様に、サブマウント本体25の第2配置面25bの一部に第2金属膜27を、第1配置面25aに第1金属膜26を形成する。続いてサブマウント21の第3実装面21aに予め形成された接合層41の上に半導体レーザ22を導波路22aが第3実装面21a側に配置されるように、つまりジャンクションダウン実装により配置する。このとき、半導体レーザ22の光出射面である前端面22fがサブマウント21の側端面21fである第2配置面25bより飛び出すようにして半導体レーザ22を接合層41の上に配置する。その後、接合層41を溶融することで半導体レーザ22をサブマウント21に接合する。これにより、半導体レーザ22がサブマウント21に固定された光源20を作製することができる。
【0102】
次に、図7Bに示すように、光導波路31を有する平面光波回路素子30を基台10の第2実装面10bに実装する。
【0103】
具体的には、まず、基板32の上に形成された光導波路31の両端面に第1反射防止膜33及び第2反射防止膜34を形成して平面光波回路素子30を作製する。また、基台10の上面にめっき法により接合層42を形成する。その後、高さが異なる2つの段差面である第1段差面400a及び第2段差面400bを有する押し当て部材400を平面光波回路素子30の第3面30c側及び基台10の第1実装面10a側の側方に配置し、平面光波回路素子30の第3面30cと基台10の第1実装面10aを、それぞれ、押し当て部材400の第1段差面400a及び第2段差面400bに押し当てながら平面光波回路素子30と基台10とを接合する。具体的には、接合層42が形成された基台10と平面光波回路素子30とを、第2段差面400bより高さの高い第1段差面400a及び第2段差面400bを有する押し当て部材400によって共に横方向から押し付けながら接合層42を溶融させることで、平面光波回路素子30と基台10とを接合する。このように、高さが異なる第1段差面400a及び第2段差面400bを有する押し当て部材400を用いて平面光波回路素子30の側面と基台10の側面とを押し当てながら平面光波回路素子30と基台10とを接合することで、平面光波回路素子30の第3面30cが基台10の第1実装面10aから後退するように平面光波回路素子30と基台10とを容易に且つ精密に接合することができる。
【0104】
次に、図7C及び図7Dに示すように、光源20を基台10の第1実装面10aに実装する。具体的には、図7C及び図7Dは、上記実施の形態1の光源モジュール1の製造方法における図3C及び図3Dと同様の方法で行うことができる。
【0105】
つまり、図3Cと同様に、図7Cの工程(アクティブアライメント工程)を行った後に、図3Dと同様に、図7Dの工程(加熱用のレーザ光の照射工程)を行う。具体的には、半導体レーザ22から出射するレーザ光を平面光波回路素子30の光導波路31に入射させて、半導体レーザ22のレーザ光の光量が最大となるように、光源20の位置を基台10の第1実装面10aと平行な面内の方向で調整した後、サブマウント21の第4実装面21bと基台10の第1実装面10aとの間に配置された接合層43を介して光源20を基台10に固定する。
【0106】
なお、本実施の形態でも、図7Cの工程と図7Dの工程とを同時に行ってもよいし、図7Cの工程よりも先に図7Dの工程を行ってもよい。つまり、図7Dの工程の後に図7Cの工程を行ってもよい。
【0107】
このように、平面光波回路素子30が固定された基台10に光源20を固定することで、図7Eに示すように、光源モジュール2が完成する。
【0108】
このように構成される本実施の形態に係る光源モジュール2は、上記実施の形態1における光源モジュール1と同様の効果を奏する。
【0109】
例えば、本実施の形態に係る光源モジュール2では、半導体レーザ22がジャンクションダウン実装によりサブマウント21に実装されている。また、上記実施の形態1における光源モジュール1と同様に、光源20が、第3実装面21aと直交する第4実装面21bで基台10の第1実装面10aに実装されており、また、平面光波回路素子30が基台10の第2実装面10bに実装されている。そして、平面光波回路素子30における光入射面30iは、半導体レーザ22の前端面22fと対向して配置される。
【0110】
これにより、半導体レーザ22の駆動時に半導体レーザ22の導波路22aで発生する熱をサブマウント21及び基台10を通して外部へ効率良く放熱することができるので、信頼性の高い光源モジュール2を得ることができる。しかも、光源モジュール2の構成により、光源モジュール2を製造する際、アクティブアライメントにより導波路22aと光導波路31との位置関係を調整することができる。したがって、レーザ光と光導波路31の結合効率が高く、かつ信頼性の高い光源モジュール2を得ることができる。
【0111】
その他にも、本実施の形態に係る光源モジュール2は、上記実施の形態1における光源モジュール1と同様の効果を奏する。
【0112】
また、本実施の形態に係る光源モジュール2では、半導体レーザ22がジャンクションダウン実装によりサブマウント21の第3実装面21aに実装されている。そして、半導体レーザ22の光出射面とサブマウント21の側面との間隔をΔZ1とし、基台10の第1実装面10aである基台10の側面と平面光波回路素子30の光入射面30iとの間隔をΔZ2とすると、ΔZ2≧ΔZ1になっている。具体的には、0≦ΔZ2-ΔZ1≦5μmであるとよい。
【0113】
この構成により、光源モジュール2を製造する際のアクティブアライメント時において、半導体レーザ22が平面光波回路素子30の光入射面30iに接触せず、かつ、半導体レーザ22から出射するレーザ光と平面光波回路素子30の光導波路31との結合効率を高く保つことができる。
【0114】
(実施の形態2の変形例1)
次に、実施の形態2の変形例1について、図8を用いて説明する。図8は、実施の形態2の変形例1に係る光源モジュール2Aの構成を示す図である。
【0115】
本変形例に係る光源モジュール2Aは、上記実施の形態2に係る光源モジュール2に対して、基台10に対する平面光波回路素子30の上下の向きが異なる。
【0116】
具体的には、上記実施の形態2における光源モジュール2では、平面光波回路素子30は、基板32が光導波路31よりも基台10に近い位置となるように配置されていたが、図8に示すように、本変形例における光源モジュール2Aでは、平面光波回路素子30は、光導波路31が基板32よりも基台10に近い位置となるように配置されている。つまり、平面光波回路素子30の光導波路31側が基台10に接合されている。
【0117】
この構成により、半導体レーザ22から出射するレーザ光が導波する光導波路31の位置を基台10に近づけることができるので、光源モジュール2Aを製造する際のアクティブアライメント時における光源20の設置精度を向上させることができる。また、半導体レーザ22の駆動時に光導波路31内でレーザ光の一部が吸収してジュール熱に変化してもそのジュール熱を基台10に伝導させて効率的に放熱させることができる。これにより、光導波路31の温度上昇により光導波路31の屈折率が変化して光導波路31の特性が変化することを抑制することができる。
【0118】
なお、本変形例の構成は、上記実施の形態1に適用してもよいし、後述する他の実施の形態に適用してもよい。
【0119】
(実施の形態2の変形例2)
次に、実施の形態2の変形例2について、図9を用いて説明する。図9は、実施の形態2の変形例2に係る光源モジュール2Bの構成を示す図である。
【0120】
本変形例に係る光源モジュール2Bは、上記実施の形態2に係る光源モジュール2に対して、サブマウント21の構成が異なる。
【0121】
具体的には、上記実施の形態2における光源モジュール2では、サブマウント21におけるサブマウント本体25がセラミック及び金属の一方のみで構成されていたが、図9に示すように、本変形例における光源モジュール2Bでは、サブマウント21は、金属とセラミックとの複合体によって構成されている。
【0122】
本変形例におけるサブマウント21は、Al、Cu、Au及びAgの金属の中から選ばれる少なくとも一つによって構成された第1サブマウント本体25F(第1部材)と、AlN及びSiCのセラミックの中から選ばれる少なくとも一つによって構成された第2サブマウント本体25G(第2部材)とを有している。そして、第1サブマウント本体25Fと基台10とが接合層43を介して接合され、第2サブマウント本体25Gと半導体レーザ22とが接合層41を介して接合されている。
【0123】
また、本変形例におけるサブマウント21は、第2サブマウント本体25Gの上面に形成された第1の第1金属膜26aと、第1サブマウント本体25Fと第2サブマウント本体25Gとの間に積層された、第2の第1金属膜26b、第3の第1金属膜26c及び第4の第1金属膜26dとを有する。第1の第1金属膜26aの外表面は、サブマウント21の第3実装面21aとなる。
【0124】
このように、サブマウント21を金属とセラミックとの複合体によって構成することで、半導体レーザ22で発生する熱の放熱性を向上させることができる。特に、半導体レーザ22と線膨張係数が近いセラミックからなる第2サブマウント本体25Gを半導体レーザ22側に配置し、熱伝導率が高い金属からなる第1サブマウント本体25Fを基台10側に配置することで、半導体レーザ22で発生する熱を効率良く基台10に伝導させることができるとともに、半導体レーザ22とサブマウント21との線膨張係数差による応力歪によって半導体レーザ22が劣化することを効果的に抑制できる。これにより、さらに信頼性の高い光源モジュール2Bを実現することができる。
【0125】
なお、本変形例の構成は、上記実施の形態1に適用してもよいし、後述する他の実施の形態に適用してもよい。
【0126】
(実施の形態2の変形例3)
次に、実施の形態2の変形例3について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、実施の形態2の変形例3に係る光源モジュール2Cを模式的に示す斜視図であり、図11は、その光源モジュール2Cの断面図である。
【0127】
図10に示すように、本変形例に係る光源モジュール2Cは、基台10Cと、複数の光源20と、平面光波回路素子30とを備える。本変形例において、複数の光源20は、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rを含んでいる。本変形例における青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rは、図4に示される青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rと同様である。具体的には、青色光源20B(第1光源)、は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaN系の第1半導体レーザ22B及び第1サブマウント21Bを有する。緑色光源20G(第2光源)は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaN系の第2半導体レーザ22G及び第2サブマウント21Gを有する。赤色光源20R(第3光源)は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaP系の第3半導体レーザ22R及び第3サブマウント21Rを有する。ただし、本変形例において、第1半導体レーザ22B、第2半導体レーザ22G及び第3半導体レーザ22Rは、ジャンクションダウン実装により第1サブマウント21B、第2サブマウント21G及び第3サブマウント21Rに実装されている。
【0128】
また、本変形例において、平面光波回路素子30の光導波路31は、複数の光源20(青色光源20B、緑色光源20G、赤色光源20R)からの光を結合させる光波回路である。具体的には、光導波路31は、複数の光源20に対応する複数本のコア31aとして、青色光源20Bの第1半導体レーザ22Bから出射したレーザ光が入射して導波する第1コア31aBと、緑色光源20Gの第2半導体レーザ22Gから出射したレーザ光が入射して導波する第2コア31aGと、赤色光源20Rの第3半導体レーザ22Rから出射したレーザ光が入射して導波する第3コア31aRとを有する。なお、図10において、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、露出しているように図示されているが、実際には、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、クラッドで覆われている。
【0129】
本変形例において、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、平面光波回路素子30の光入射面30iから光出射面30eに向かって所定の形状で延伸し、平面光波回路素子30内(光導波路31内)で結合して光出射面30eでは1つのコアになっている。具体的には、図10に示すように、第1コア31aBは、第3面30cから第4面30dに向かって直線状に延びている。一方、第2コア31aGは、第3面30cから直線状に延びた後に第1コア31aBの方向に向かって滑らかに曲がり、その後、直線状に伸びて第1コア31aBと結合している。第3コア31aRは、第2コア31aGと同様に、第3面30cから直線状に延びた後に第1コア31aBの方向に滑らかに曲がり、その後、第2コア31aGと平行に直線状に伸びて第1コア31aBと結合している。また、第2コア31aGと第1コア31aBが結合した後に、さらに、第3コア31aRと結合している。これにより、平面光波回路素子30の光出射面30eからは、青色のレーザ、緑色のレーザ光及び赤色のレーザ光の単色光又はこれらのレーザ光の少なくとも2つが混合したレーザ光が出射する。なお、平面光波回路素子30の光入射面30iは、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRに対して共通である。ここで、第1コア31aBが直線状となっているが、ほかのコアが直線状になっていてもよい。
【0130】
このように構成される光源モジュール2Cは、フルカラーディスプレイ用の光源として用いることができる。なお、本変形例において、複数の光源20は、平面光波回路素子30の側方のみに設けられていたが、平面光波回路素子30の側方と上方の両方に設けられていてもよい。
【0131】
また、図10に示すように、本変形例において、基台10Cの外形は、平面光波回路素子30の外形よりも大きくなっている。さらに、図10及び図11に示すように、本変形例では、基台10Cの基台本体11Cの光源に近い側が、第1実装面10aから複数の光源20の下方にまで延在した延伸部11C1を有する。具体的には、基台本体11Cは、上面視で、第1実装面10aから第1サブマウント21B、第2サブマウント21G及び第3サブマウント21Rの後方、つまり第4実装面21bと反対側の面の後方にまで延在している。したがって、延伸部11C1の第1実装面10aとその反対側の面との距離は、第1サブマウント21B、第2サブマウント21G及び第3サブマウント21Rの第4実装面21bとその反対側の面との距離よりも大きい。
【0132】
この構成により、複数の光源20の各々で発生する熱の一部を、図11の黒矢印で示すように、延伸部11C1を通して外部に放熱させることができる。つまり、基台10Cの下面である放熱面10hの面積を広くすることができるため、効率よく外部に放熱させることができる。このように、光源モジュール2Cが複数の光源20を備えていても、平面光波回路とは別に熱伝導率が高く、形状を自由に変更できる基台10を備えているため、複数の光源20の各々で発生する熱を効率良く基台10Cを通して外部に放熱させることができる。
【0133】
(実施の形態2の変形例4)
次に、実施の形態2の変形例4について、図12を用いて説明する。図12は、実施の形態2の変形例4に係る光源モジュール2Dの構成を示す図である。図12において、(a)は、光源モジュール2Dの側面図であり、(b)は、光源モジュール2Dの上面図であり、(c)は、(b)のc-c線における光源モジュール2Dの断面図である。
【0134】
図12に示すように、本変形例に係る光源モジュール2Dは、上記実施の形態2の変形例3に係る光源モジュール2Cと同様に、複数の光源20として青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rを備えているが、上記実施の形態2の変形例3に係る光源モジュール2Cとは、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rの位置関係が異なる。具体的には、本変形例における光源モジュール2Dにおいて、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rは、シングルモード波長合波において、偏光方向が一致するように配置されている。
【0135】
ここで、AlGaInN系の半導体材料からなる第1半導体レーザ22B及び第2半導体レーザ22Gは、TEモードでレーザ発振する。つまり、第1半導体レーザ22B及び第2半導体レーザ22Gの各々から出射したレーザ光は、第1半導体レーザ22B及び第2半導体レーザ22Gのチップ平面(活性層に平行な平面)に対して平行な方向に偏光する。
【0136】
また、AlGaInP系の半導体材料からなる第3半導体レーザ22Rは、TMモードでレーザ発振する。つまり、第3半導体レーザ22Rから出射したレーザ光は、第3半導体レーザ22Rのチップ平面(活性層に平行な平面)に対して垂直な方向に偏光する。
【0137】
そこで、本変形例では、緑色光源20Gの第2サブマウント21Gの第3実装面21aBと青色光源20Bの第1サブマウント21Bにおける第3実装面21aBとを、平面光波回路素子30の上面に対して垂直な方向にしている。したがって、緑色光源20Gの第2サブマウント21Gの第3実装面21aGと、青色光源20Bの第1サブマウント21Bにおける第3実装面21aBとは、平行である。これにより、第1サブマウント21Bに実装された第1半導体レーザ22B及び第2サブマウント21Gに実装された第2半導体レーザ22Gの各々から出射するレーザ光は、平面光波回路素子30の上面に対して垂直な方向に偏光することになる。
【0138】
また、赤色光源20Rの第3サブマウント21Rの第3実装面21aRは、平面光波回路素子30の上面に対して平行な方向にしている。したがって、赤色光源20Rの第3サブマウント21Rの第3実装面21aRと、青色光源20Bの第1サブマウント21Bの第3実装面21aBとは、垂直である。これにより、第3半導体レーザ22Rから出射するレーザ光も、平面光波回路素子30の上面に対して垂直な方向に偏光することになる。
【0139】
この構成により、シングルモード波長合波において、第1半導体レーザ22B、第2半導体レーザ22G及び第3半導体レーザ22Rの偏光方向を一致させることができる。つまり、平面光波回路素子30に入射する青色レーザ光、緑色レーザ光及び赤色レーザ光の偏光方向を揃えることができる。すなわち、平面光波回路素子30から出射される混合レーザ光の偏光方向が揃っているので、単一の液晶により映像の制御などが可能となる。また、第1コア31aBと第2コア31aGと第3コア31aRのコア間隔を狭くすることもできるので、平面光波回路素子30を小型化することもできる。したがって、光源モジュール2Dを小型化することができる。
【0140】
また、本変形例において、緑色光源20Gにおける第2半導体レーザ22Gは、青色光源20Bにおける第1半導体レーザ22Bと緑色光源20Gにおける第2サブマウント21Gとの間に位置している。つまり、第1半導体レーザ22Bと第2半導体レーザ22Gとが向かい合うように、第1半導体レーザ22Bと第2半導体レーザ22Gとを配置している。
【0141】
この構成により、第1半導体レーザ22Bと第2半導体レーザ22Gとの間の距離を狭くすることができるので、光源モジュール2Dをさらに小型化することができる。
【0142】
また、図12の(c)に示すように、第1半導体レーザ22Bにおける光導波路とチップ側面までの距離をΔWとし、平面光波回路素子30の光導波路31の第1コア31aBと基台10の上面までの距離をΔDとすると、ΔD>ΔWの関係式を満たしているとよい。
【0143】
この構成により、第1サブマウント21Bに第1半導体レーザ22Bが実装された青色光源20Bを縦向きに基台10に実装しても、第1半導体レーザ22Bと基台10とが接触することを防止できる。なお、このことは、青色光源20Bだけではなく、緑色光源20Gについても同様である。
【0144】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る光源モジュール3の構成について、図13を用いて説明する。図13は、実施の形態3に係る光源モジュール3の断面図である。
【0145】
本実施の形態に係る光源モジュール3は、上記実施の形態1に係る光源モジュール1に対して、基台10Aにおける基台本体11Aの形状と、平面光波回路素子30Aの光入射面30iの位置と、平面光波回路素子30Aにおける基板32Aの形状とが異なる。
【0146】
具体的には、図13に示すように、本実施の形態において、基台10Aの基台本体11Aは、平面光波回路素子30Aの側方に位置する第1基台本体部11aと、平面光波回路素子30Aの下方に位置する第2基台本体部11bとを有する。例えば、基台10Aは、断面形状がL字状になっている。なお、基台10Aにおいて、金属膜12は、基台本体11Aにおける平面光波回路素子30A側の全面に形成されている。具体的には、金属膜12は、第1基台本体部11aの上面11a1及び側面11a2と第2基台本体部11bの上面11b1とにわたって連続して形成されている。
【0147】
基台10Aの第1実装面10a(光源20が実装される面)は、平面光波回路素子30Aの上面である第1面30uと平行である。また、基台10Aの第2実装面10b(平面光波回路素子30Aが実装される面)は、平面光波回路素子30Aの側面である第3面30cと平行である。
【0148】
光源20は、基台10Aの第1基台本体部11aの上方に配置されている。具体的には、光源20のサブマウント21のサブマウント本体25が第1基台本体部11aの上方に配置されている。光源20のサブマウント21は実施の形態1と同様にサブマウント本体25の第2配置面25bの一部に第2金属膜27を、第1配置面25aに第1金属膜26を形成する。半導体レーザ22は、接合層41を介してサブマウント21の第3実装面21aに実装されている。本実施の形態において、サブマウント21の第3実装面21aは、側面側に配置される。また、サブマウント21の第4実装面21bは、下面側に配置される。なお、半導体レーザ22は、導波路22aが形成された面とは対向される面がサブマウント21の第3実装面21aに実装される、いわゆるジャンクションアップ実装によりサブマウント21の第3実装面21aに実装されている。また、光源20と基台10Aとは、サブマウントの第4実装面21bと基台10Aの第1実装面10aとが接合層43を介して接合されている。
【0149】
また、本実施の形態において、半導体レーザ22の光出射面である前端面22fは、サブマウント21の第2配置面25bより飛び出していない。
【0150】
平面光波回路素子30Aは、基台10Aの側面である第2実装面10bに接合されている。具体的には、平面光波回路素子30Aの基板32Aにおける第1基台本体部11aの側面である第3面30cには金属膜35が形成されており、平面光波回路素子30Aは、平面光波回路素子30Aの金属膜35と基台10Aの金属膜12との間に形成された接合層42を介して、基台10Aにおける第1基台本体部11aの側面に対応する位置に接合されている。
【0151】
なお、平面光波回路素子30Aの第1基台本体部11a側とは反対側の第2面30bと第2基台本体部11bとの間には、保持部材60が設けられている。これにより、平面光波回路素子30Aにおける光源20側の端部が基台10Aに接合されるとともに、平面光波回路素子30Aにおける光源20側の側面とは反対側の端部が基台10Aに保持される。したがって、平面光波回路素子30Aを安定して基台10Aに保持させることができる。保持部材60は、例えば絶縁性樹脂材料によって構成されているが、これに限らない。
【0152】
また、本変形例において、平面光波回路素子30Aの光入射面30iは、平面光波回路素子30Aの上面である第1面30uに配置されている。したがって、半導体レーザ22から出射するレーザ光は、平面光波回路素子30Aの上面である第1面30uから入射することになる。なお、外表面が光入射面30iとなる第1反射防止膜33は、光導波路31の上面に形成されている。
【0153】
平面光波回路素子30Aの光導波路31の光入射側の端部は、平面光波回路素子30Aの上面に対して傾斜する光導波路反射面を有する。本変形例において、光導波路反射面は、基板32Aに形成された傾斜面32aである。傾斜面32aの傾斜角(平面光波回路素子30Aの上面に対する傾斜角)は、例えば45°であるが、これに限るものではない。
【0154】
半導体レーザ22は、レーザ光が平面光波回路素子30Aの上面である光入射面30iから光導波路反射面(傾斜面32a)に向かって入射するように配置されている。本変形例において、半導体レーザ22のレーザ光の出射方向は、平面光波回路素子30Aの上面に直交する方向である。つまり、半導体レーザ22のレーザ光は、平面光波回路素子30Aの上面である第1面30uに対して垂直入射する。平面光波回路素子30Aに垂直入射した半導体レーザ22のレーザ光は、光導波路反射面(傾斜面32a)で反射して光導波路31の延伸方向に伝搬する。このように、光導波路反射面(傾斜面32a)は、半導体レーザ22のレーザ光を反射させる反射面である。光導波路反射面(傾斜面32a)は、2つの部材の界面の屈折率差を利用した全反射面であってもよいし、金属膜等を形成した金属反射面であってもよい。
【0155】
次に、光源モジュール3の効果について、図14を用いて説明する。図14は、実施の形態3に係る光源モジュール3の効果を説明するための図である。なお、図14の黒矢印は、半導体レーザ22で発生した熱の放熱経路を模式的に示している。
【0156】
図14に示すように、光源モジュール3は、例えば、筐体100に載置される。光源20の半導体レーザ22が駆動すると、半導体レーザ22からレーザ光が出射する。半導体レーザ22から出射したレーザ光は、平面光波回路素子30Aの光入射面30iから光導波路31に入射し、光導波路反射面(傾斜面32a)で反射する。光導波路反射面(傾斜面32a)で反射したレーザ光は、光導波路31のコア31aに入射して、コア31aとクラッド31bとの界面で全反射を繰り返しながらコア31aを伝搬する。
【0157】
このように半導体レーザ22が駆動すると、半導体レーザ22から熱が発生する。このとき、光源モジュール3では、上記実施の形態1の光源モジュール1と同様に、半導体レーザ22がサブマウント21の第3実装面21aに実装された光源20が、サブマウント21を構成する面のうち第3実装面21aと平行でない面で基台10Aの第1実装面10aに実装されており、また、平面光波回路素子30Aが基台10Aの第2実装面10bに実装されている。
【0158】
この構成により、図14の黒矢印に示すように、半導体レーザ22で発生した熱は、サブマウント21に伝導し、基台10Aの第1実装面10aを介して基台10Aに伝導し、筐体100へと伝導する。これにより、半導体レーザ22の駆動時に半導体レーザ22で発生する熱を効率良く放熱することができる。このため、半導体レーザ22の温度上昇を抑制することができる。
【0159】
次に、実施の形態3に係る光源モジュール3の製造方法について、図15A図15Hを用いて説明する。図15A図15Hは、実施の形態3に係る光源モジュール3の製造方法を説明するための図である。
【0160】
まず、図15A図15Cに示すように、平面光波回路素子30Aを作製する。具体的には、図15Aに示すように、基板32Aとして面方位(100)面に対して表面の結晶方位が9.7°傾いた表面を有するシリコン基板を準備し、基板32Aに異方性エッチングを施して基板32Aに凹部32bを形成するとともに、基板32Aに結晶面に基づく平坦な傾斜面32aを形成する。ここで面方位(100)面に対して表面の結晶方位が9.7°傾いた表面は、[100]方向から9.7°傾いた方向を法線とする結晶面である。また、(100)面から9.7°傾いた面の部分32cがエッチングされずに残っている。次に、傾斜面の上に、光反射性の金属膜を形成する。本実施の形態では、金属膜としてAgまたはAlを用いる。次いで、マスク等を用いてクラッド31b、コア31a、クラッド31bの端部を傾斜面にそろえながら順に形成し、図15Bに示すように、光導波路31を有する平面光波回路素子30Aを形成する。次いで、図15Cに示すように、基板32Aの上に形成された光導波路31の上面に第1反射防止膜33を形成するとともに、光導波路31の光出射面30e側の端面に第2反射防止膜34を形成する。また、基板32Aの光源20側の端面(側面)にはんだ等による接合用の下地となる金属膜35を形成する。
【0161】
次に、図15Dに示すように、光導波路31を有する平面光波回路素子30Aを基台10Aの第2実装面10bに実装する。具体的には、接合層42が形成された基台10Aに平面光波回路素子30Aの側面を接合する。これにより、基台10Aと平面光波回路素子30Aとを固定することができる。なお、接合層42は、基台10Aの金属膜12ではなく、平面光波回路素子30Aの金属膜35に形成しておいてもよい。
【0162】
次に、図15Eに示すように、光源20を基台10Aに配置する。なお、光源20は、図3Aと同様の方法で作製することができる。具体的には、接合層41を介して半導体レーザ22をジャンクションアップ実装によりサブマウント21の第3実装面21aに実装する。
【0163】
次に、図15F及び図15Gに示すように、光源20を基台10Aの第1実装面10aに実装する。本実施の形態においても、半導体レーザ22から出射するレーザ光を平面光波回路素子30Aの光導波路31に入射させて、半導体レーザ22のレーザ光の光量が最大となるように、光源20の位置を基台10Aの第1実装面10aと平行な面内の方向で調整した後、サブマウント21の第4実装面21bと基台10Aの第1実装面10aとの間に配置された接合層43を介して光源20を基台10Aに固定する。
【0164】
具体的には、まず、図15Fに示すように、半導体レーザ22から出射するレーザ光によって、平面光波回路素子30Aが実装された基台10Aに対する光源20の位置の調整を行う。つまり、アクティブアライメントを行う。例えば、光源20のサブマウント21と平面光波回路素子30Aが実装された基台10Aとの間に接合層43を挟持した状態で、半導体レーザ22を駆動して半導体レーザ22から出射するレーザ光を平面光波回路素子30Aの光導波路31に入射させて光導波路31から出射するレーザ光をパワーメータ200でモニタする。このとき、モニタしたレーザ光の光量が最大となるように、光源20の位置を移動させる。つまり、モニタしたレーザ光の光量が最大となるように、半導体レーザ22の光軸と光導波路31との光軸とを調整する。この光軸の調整は、基台10Aの第1実装面10aと平行な面内の方向で行う。
【0165】
なお、接合層43は、シート状の半田箔として基台10Aとサブマウント21との間に挿入してもよいし、蒸着又は塗布等によって基台10Aの上面に予め形成しておいてもよい。また、基台10Aの上面に予め接合層43を形成する場合、平面光波回路素子30Aを基台10Aに実装する前に接合層43を基台10Aに形成しておいてもよい。
【0166】
光源20の位置を調整した後、図15Gに示すように、光源20のサブマウント21の上面と基台10Aの第1実装面10aとの間に接合層43を配置し、加熱用レーザ光源300から出射するレーザ光をサブマウント21に透過させて接合層43に照射することで接合層43を直接加熱し、接合層43を加熱溶融する。そして、加熱用のレーザ光を停止することで接合層43の温度が下がり、接合層は固化する。これにより、接合層43を介して光源20のサブマウント21と基台10Aとを固定することができる。なお、本実施の形態においても、半導体レーザ22とサブマウント21とを接合する接合層41とサブマウント21と基台10Aとを接合する接合層43とは、同じ材質で構成されている。
【0167】
このように、加熱用のレーザ光がサブマウント21を透過することでサブマウント21の発熱が抑えられる。つまり、サブマウント21の温度上昇を抑えることができる。これにより、半導体レーザ22とサブマウント21と間に位置する接合層41が再溶融することによるアライメントずれを抑制できる。
【0168】
なお、本実施の形態では、図15Fの工程(アクティブアライメント工程)の後に図15Gの工程(加熱用のレーザ光の照射工程)を行ったが、これに限らない。例えば、図15Fの工程と図15Gの工程とを同時に行ってもよい。また、図15Fの工程よりも先に図15Gの工程を行ってもよい。つまり、図15Gの工程の後に図15Fの工程を行ってもよい。この場合、加熱用のレーザ光をサブマウント21に透過させて接合層43に照射して接合層43を軟化させ、光源20の半導体レーザ22の光軸と平面光波回路素子30Aの光導波路31の光軸とを調整した後に加熱用のレーザ光の照射を停止して接合層43を固化させる。
【0169】
その後、図15Hに示すように、平面光波回路素子30Aと基台10Aとの間に保持部材60を挿入する。これにより、光源モジュール3が完成する。
【0170】
このように構成される本実施の形態に係る光源モジュール3は、上記実施の形態1における光源モジュール1と同様の効果を奏する。
【0171】
例えば、本実施の形態に係る光源モジュール3では、上記実施の形態1における光源モジュール1と同様に、半導体レーザ22がサブマウント21の第3実装面21aに実装された光源20が、サブマウント21を構成する面のうち第3実装面21aと直交する第4実装面21bで基台10Aの第1実装面10aに実装されており、また、平面光波回路素子30Aが基台10Aの第2実装面10bに実装されている。そして、平面光波回路素子30Aにおける光入射面30iは、基台10Aの第1実装面10aと平行になっている。
【0172】
これにより、半導体レーザ22の駆動時に半導体レーザ22で発生する熱を効率良く放熱することができるので、信頼性の高い光源モジュール3を得ることができる。しかも、光源モジュール3の構成により、光源モジュール3を製造する際、アクティブアライメントにより光源20の位置を調整することができる。したがって、より信頼性の高い光源モジュール3を得ることができる。
【0173】
その他にも、本実施の形態に係る光源モジュール3は、上記実施の形態1における光源モジュール1と同様の効果を奏する。
【0174】
(実施の形態3の変形例)
次に、実施の形態3の変形例について、図16及び図17を用いて説明する。図16は、実施の形態3の変形例に係る光源モジュール3Aを模式的に示す斜視図である。図17は、実施の形態3の変形例に係る光源モジュール3Aの構成を示す図である。図17において、(a)は、光源モジュール3Aの上面図であり、(b)は、光源モジュール3Aの断面図である。
【0175】
図16に示すように、本変形例に係る光源モジュール3Aは、基台10Aと、複数の光源20と、傾斜面32aが形成された基板32Aを有する平面光波回路素子30Aとを備える。
【0176】
本変形例において、複数の光源20は、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rを含んでいる。本変形例における青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rは、図4に示される青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rと同様である。具体的には、青色光源20B(第1光源)、は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaN系の第1半導体レーザ22B及び第1サブマウント21Bを有する。緑色光源20G(第2光源)は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaN系の第2半導体レーザ22G及び第2サブマウント21Gを有する。赤色光源20R(第3光源)は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaP系の第3半導体レーザ22R及び第3サブマウント21Rを有する。ただし、本変形例において、第1半導体レーザ22B、第2半導体レーザ22G及び第3半導体レーザ22Rは、ジャンクションアップ実装により第1サブマウント21B、第2サブマウント21G及び第3サブマウント21Rに実装されている。
【0177】
また、本変形例において、平面光波回路素子30Aの光導波路31は、複数の光源20(青色光源20B、緑色光源20G、赤色光源20R)からの光を結合させる光波回路である。具体的には、光導波路31は、複数の光源20に対応する複数本のコア31aとして、青色光源20Bの第1半導体レーザ22Bから出射したレーザ光が入射して導波する第1コア31aBと、緑色光源20Gの第2半導体レーザ22Gから出射したレーザ光が入射して導波する第2コア31aGと、赤色光源20Rの第3半導体レーザ22Rから出射したレーザ光が入射して導波する第3コア31aRとを有する。実施の形態3と同様に、平面光波回路素子30Aの光導波路31の光入射側の端部は、平面光波回路素子30Aの上面に対して傾斜する光導波路反射面を有する。図17(a)において、破線で示される境界32dは、傾斜面32aと凹部32bの境界の位置を示し、破線で示される境界32eは、傾斜面32aとエッチングされずに残っている(100)面から9.7°傾いた面の部分32cの境界の位置を示している。境界32dと境界32eの間に、傾斜面32aが位置している。図17(b)に示すように、青色光源20B、緑色光源20G、赤色光源20Rからの光は、傾斜面32aに入射するように配置されている。なお、図16において、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、露出しているように図示されているが、実際には、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、クラッドで覆われている。
【0178】
本変形例において、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、平面光波回路素子30Aの光源20側の側面から光出射面30eに向かって所定の形状で延伸し、平面光波回路素子30A内(光導波路31内)で結合して光出射面30eでは1つのコアになっている。具体的には、図16に示すように、第3コア31aRは、第3面30c付近の傾斜面32aから第4面30dに向かって直線状に延びている。一方、第2コア31aGは、第3面30c付近の傾斜面32aから直線状に延びた後に第3コア31aRの方向に向かって滑らかに曲がり、その後、直線状に伸びて第3コア31aRと結合している。第1コア31aBは、第2コア31aGと同様に、第3面30c付近の傾斜面32aから直線状に延びた後に第3コア31aRの方向に滑らかに曲がり、その後、第2コア31aGと平行に直線状に伸びて第3コア31aRと結合している。また、第2コア31aGと第3コア31aRが結合した後に、さらに、第1コア31aBと結合している。これにより、平面光波回路素子30Aの光出射面30eからは、青色のレーザ、緑色のレーザ光及び赤色のレーザ光の単色光又はこれらのレーザ光の少なくとも2つが混合したレーザ光が出射する。
【0179】
このように構成される光源モジュール3Aは、フルカラーディスプレイ用の光源として用いることができる。
【0180】
また、図16に示すように、本変形例において、基台10Aの外形は、平面光波回路素子30Aの外形よりも大きくなっている。さらに、図16及び図17に示すように、本変形例では、基台10Aの基台本体11Aの一部が第2実装面10bから複数の光源20の下方にまで延在している。具体的には、基台本体11Aは、上面視において、第2実装面10bから第1サブマウント21B、第2サブマウント21G及び第3サブマウント21Rの後方、つまり第3実装面21aと反対の面よりも後方にまで延在している。したがって、基台本体11Aの第1基台本体部11aの第2実装面10bとその反対側の面との距離は、第1サブマウント21B、第2サブマウント21G及び第3サブマウント21Rの第2実装面10bとその反対側の面との距離よりも長い。
【0181】
この構成により、光源モジュール3Aが複数の光源20を備えていても、図17の黒矢印で示すように、複数の光源20の各々で発生する熱が第1基台本体部11aを伝達するときに第1基台本体部11aの下面である放熱面10hに向かって広がりながら伝達するため、効率良く基台10Aの放熱面10hから外部に放熱させることができる。
【0182】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4に係る光源モジュール4の構成について、図18を用いて説明する。図18は、実施の形態4に係る光源モジュール4の断面図である。
【0183】
図18に示すように、本変形例に係る光源モジュール4は、上記実施の形態3に係る光源モジュール3と同様に、基台10Aと、光源20と、傾斜面32aが形成された基板32Aを有する平面光波回路素子30Aとを備える。
【0184】
本実施の形態に係る光源モジュール4は、上記実施の形態3に係る光源モジュール3に対して、半導体レーザ22の実装形態が異なるとともに、サブマウント21に対する半導体レーザ22の位置と基台10Aに対する平面光波回路素子30Aの位置とが異なる。
【0185】
具体的には、上記実施の形態3では、半導体レーザ22は、ジャンクションアップ実装によりサブマウント21の第3実装面21aに実装されていたのに対して、本実施の形態では、図18に示すように、半導体レーザ22は、ジャンクションダウン実装によりサブマウント21の第3実装面21aに実装されている。
【0186】
また、上記実施の形態3では、半導体レーザ22の光出射面である前端面22fは、サブマウント21の第2配置面25bより飛び出していなかったが、本実施の形態では、図18に示すように、半導体レーザ22の光出射面は、サブマウント21の第2配置面25bより飛び出している。
【0187】
また、上記実施の形態3では、平面光波回路素子30Aの光入射面30iが形成された第1面30uは、基台10Aの第1実装面10aと面一であったが、本実施の形態では、図18に示すように、平面光波回路素子30Aの光入射面30iである第1面30uは、基台10Aの第1実装面10aよりも下方に存在している。
【0188】
このとき、半導体レーザ22の光出射面である前端面22fとサブマウント21の第2配置面25bとの間隔をΔZ1とし、基台10Aの第1実装面10aである基台10Aの上面と平面光波回路素子30Aの光入射面30iとの間隔をΔZ2とすると、ΔZ2≧ΔZ1になっている。具体的には、0≦ΔZ2-ΔZ1≦5μmであるとよい。
【0189】
次に、光源モジュール4の効果について、図19を用いて説明する。図19は、実施の形態4に係る光源モジュール4の効果を説明するための図である。なお、図19の黒矢印は、半導体レーザ22で発生した熱の放熱経路を模式的に示している。
【0190】
図19に示すように、光源モジュール4は、例えば、筐体100に載置される。光源モジュール4は、上記実施の形態3の光源モジュール3と同様に動作する。
【0191】
具体的には、光源20の半導体レーザ22が駆動すると、半導体レーザ22からレーザ光が出射する。半導体レーザ22から出射したレーザ光は、平面光波回路素子30Aの光入射面30iから光導波路31に入射して、光導波路31を導波して平面光波回路素子30Aの光出射面30eから外部に出射する。具体的には、半導体レーザ22から出射したレーザ光は、平面光波回路素子30Aの上面から入射して光導波路31のコア31aに入射する。光導波路31のコア31aに入射したレーザ光は、コア31aとクラッド31bとの界面で全反射を繰り返しながらコア31aを伝搬する。
【0192】
このように半導体レーザ22が駆動すると、半導体レーザ22から熱が発生する。このとき、光源モジュール4では、上記実施の形態3の光源モジュール3と同様に、半導体レーザ22がサブマウント21の第3実装面21aに実装された光源20が、サブマウント21を構成する面のうち第3実装面21aと直交する第4実装面21bで基台10Aの第1実装面10aに実装されており、また、平面光波回路素子30Aが基台10Aの第2実装面10bに実装されている。
【0193】
この構成により、図19の黒矢印に示すように、半導体レーザ22で発生した熱は、サブマウント21に伝導し、基台10Aの第1実装面10aを介して基台10Aに伝導し、筐体100へと伝導する。これにより、半導体レーザ22の駆動時に半導体レーザ22で発生する熱を効率良く放熱することができる。このため、半導体レーザ22の温度上昇を抑制することができる。
【0194】
次に、実施の形態4に係る光源モジュール4の製造方法について、図20A図20Hを用いて説明する。図20A図20Hは、実施の形態4に係る光源モジュール4の製造方法を説明するための図である。
【0195】
まず、図20A図20Cに示すように、平面光波回路素子30Aを作製する。具体的には、上記実施の形態3に係る光源モジュール3の製造方法における図15A図15Cと同様の方法で、平面光波回路素子30Aを作製する。
【0196】
次に、図20Dに示すように、光導波路31を有する平面光波回路素子30Aを基台10Aの第2実装面10bに実装する。
【0197】
具体的には、高さが異なる2つの段差面である第1段差面401a及び第2段差面401bを有する押し当て部材401を平面光波回路素子30A及び基台10Aの上方に配置し、平面光波回路素子30Aの上面である第1面30uと基台10Aの上面である第1実装面10aを、それぞれ、押し当て部材401の第1段差面401a及び第2段差面401bに押し当てながら平面光波回路素子30Aと基台10Aとを接合する。具体的には、接合層42が形成された基台10Aと平面光波回路素子30Aとを、第1段差面401a及び第2段差面401bを有する押し当て部材401によって共に上から押し付けながら接合層42を溶融させることで、平面光波回路素子30Aと基台10Aとを接合する。このように、高さが第2段差面401bより高い第1段差面401a及び第2段差面401bを有する押し当て部材401を用いて平面光波回路素子30Aの上面と基台10Aの上面とを押し当てながら平面光波回路素子30Aと基台10Aとを接合することで、平面光波回路素子30Aの上面が基台10Aの上面よりも下方に位置するように平面光波回路素子30Aと基台10Aとを容易に且つ精密に接合することができる。ここで、光源モジュールの図の方向を合わせる向合わせるために、部材を上方に配置するとしたが、押し当て部材を下方に配置しても構わない。
【0198】
次に、図20Eに示すように、光源20を基台10Aに固定する。なお、光源20は、上記実施の形態3に係る光源モジュール3の製造方法における図20Eと同様の方法で作製する。
【0199】
次に、図20F及び図20Gに示すように、光源20を基台10Aの第1実装面10aに実装する。具体的には、図20F及び図20Gは、上記実施の形態3の光源モジュール3の製造方法における図15F及び図15Gと同様の方法で行うことができる。
【0200】
つまり、図15Fと同様に、図20Fの工程(アクティブアライメント工程)を行った後に、図15Gと同様に、図20Gの工程(加熱用のレーザ光の照射工程)を行う。具体的には、半導体レーザ22から出射するレーザ光を平面光波回路素子30Aの光導波路31に入射させて、半導体レーザ22のレーザ光の光量が最大となるように、光源20の位置を基台10Aの第1実装面10aと平行な面内の方向で調整した後、サブマウント21の第4実装面21bと基台10Aの第1実装面10aとの間に配置された接合層43を介して光源20を基台10Aに固定する。
【0201】
なお、本実施の形態でも、図20Fの工程と図20Gの工程とを同時に行ってもよいし、図20Fの工程よりも先に図20Gの工程を行ってもよい。つまり、図20Gの工程の後に図20Fの工程を行ってもよい。
【0202】
その後、図20Hに示すように、平面光波回路素子30Aと基台10Aとの間に保持部材60を挿入する。例えば、液状の保持部材60を塗布して硬化することで、平面光波回路素子30Aと基台10Aとの間に保持部材60を挿入することができる。これにより、光源モジュール4が完成する。
【0203】
このように構成される本実施の形態に係る光源モジュール4は、上記実施の形態1、3における光源モジュール1、3と同様の効果を奏する。
【0204】
例えば、本実施の形態に係る光源モジュール4では、上記実施の形態1、3における光源モジュール1、3と同様に、半導体レーザ22がサブマウント21の第3実装面21aに実装された光源20が、サブマウント21を構成する面のうち第3実装面21aと直交する第4実装面21bで基台10Aの第1実装面10aに実装されており、また、平面光波回路素子30Aが基台10Aの第2実装面10bに実装されている。そして、平面光波回路素子30Aにおける光入射面30iは、基台10Aの第1実装面10aと平行になっている。
【0205】
これにより、半導体レーザ22の駆動時に半導体レーザ22で発生する熱を効率良く放熱することができるので、信頼性の高い光源モジュール4を得ることができる。しかも、光源モジュール4の構成により、光源モジュール4を製造する際、アクティブアライメントにより光源20の位置を調整することができる。したがって、より信頼性の高い光源モジュール4を得ることができる。
【0206】
その他にも、本実施の形態に係る光源モジュール4は、上記実施の形態1、3における光源モジュール1、3と同様の効果を奏する。
【0207】
また、本実施の形態に係る光源モジュール4では、半導体レーザ22がジャンクションダウン実装によりサブマウント21の第3実装面21aに実装されている。そして、半導体レーザ22の光出射面である前端面22fとサブマウント21の前面である第2配置面25bとの間隔をΔZ1とし、基台10Aの第1実装面10aと平面光波回路素子30Aの光入射面30i(第1面30u)との間隔をΔZ2とすると、ΔZ2≧ΔZ1になっている。具体的には、0≦ΔZ2-ΔZ1≦5μmであるとよい。
【0208】
この構成により、光源モジュール4を製造する際のアクティブアライメント時において、半導体レーザ22が平面光波回路素子30Aの光入射面30iに接触せず、かつ、半導体レーザ22から出射するレーザ光と平面光波回路素子30Aの光導波路31との結合効率を高く保つことができる。
【0209】
(実施の形態4の変形例1)
次に、実施の形態4の変形例1について、図21を用いて説明する。図21は、実施の形態4の変形例1に係る光源モジュール4Aの構成を示す図である。
【0210】
本変形例に係る光源モジュール4Aは、上記実施の形態4に係る光源モジュール4に対して、基台10Aの構成が異なる。
【0211】
具体的には、上記実施の形態4に係る光源モジュール4では、基台10Aの基台本体11Aにおける第1基台本体部11aと第2基台本体部11bとが一体になっていたが、本変形例に係る光源モジュール4Aでは、第1基台本体部11aと第2基台本体部11bとが別体になっており、基台本体11Aが2つに分割されている。別体である第1基台本体部11aと第2基台本体部11bとは、接合されている。
【0212】
なお、図21において、基台本体11Aは、第1基台本体部11aと第2基台本体部11bとに左右に分割されているが、これに限らない。例えば、図22に示される光源モジュール4Bのように、基台本体11Aは、第1基台本体部11aと第2基台本体部11bとに上下に分割されていてもよい。
【0213】
(実施の形態4の変形例2)
次に、実施の形態4の変形例2について、図23及び図24を用いて説明する。図23は、実施の形態4の変形例2に係る光源モジュール4Cを模式的に示す斜視図であり、図24は、その光源モジュール4Cの一部を示す図である。図24において、(a)は、光源モジュール4Cの上面図であり、(b)は、光源モジュール4Cの断面図である。
【0214】
図23及び図24に示すように、本変形例に係る光源モジュール4Cは、基台10Aと、複数の光源20と、平面光波回路素子30Aとを備える。本変形例において、複数の光源20は、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rを含んでいる。本変形例における青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rは、図4に示される青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rと同様である。具体的には、青色光源20B(第1光源)、は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaN系の第1半導体レーザ22B及び第1サブマウント21Bを有する。緑色光源20G(第2光源)は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaN系の第2半導体レーザ22G及び第2サブマウント21Gを有する。赤色光源20R(第3光源)は、半導体レーザ22及びサブマウント21として、AlInGaP系の第3半導体レーザ22R及び第3サブマウント21Rを有する。ただし、本変形例において、第1半導体レーザ22B、第2半導体レーザ22G及び第3半導体レーザ22Rは、ジャンクションダウン実装により第1サブマウント21B、第2サブマウント21G及び第3サブマウント21Rに実装されている。
【0215】
また、本変形例において、平面光波回路素子30Aの光導波路31は、複数の光源20(青色光源20B、緑色光源20G、赤色光源20R)からの光を結合させる光波回路である。具体的には、光導波路31は、複数の光源20に対応する複数本のコア31aとして、青色光源20Bの第1半導体レーザ22Bから出射したレーザ光が入射して導波する第1コア31aBと、緑色光源20Gの第2半導体レーザ22Gから出射したレーザ光が入射して導波する第2コア31aGと、赤色光源20Rの第3半導体レーザ22Rから出射したレーザ光が入射して導波する第3コア31aRとを有する。なお、図23において、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、露出しているように図示されているが、実際には、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、クラッドで覆われている。
【0216】
本変形例において、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRは、第1半導体レーザ22B、第2半導体レーザ22G及び第3半導体レーザ22Rの下方における光導波路31から平面光波回路素子30Aの光出射面30eに向かって所定の形状で延伸し、平面光波回路素子30A内(光導波路31内)で結合して光出射面30eでは1つのコアになっている。具体的には、第2コア31aGは、第1コア31aBと第3コア31aRとの間に位置しており、第3面30c付近の傾斜面32aから第4面30dに向かって直線状に延びている。一方、第1コア31aBは、第3面30c付近の傾斜面32aから直線状に延びた後に第2コア31aGの方向に滑らかに曲がり、その後、直線状に延びて第2コア31aGと結合している。第3コア31aRは、第3面30c付近の傾斜面32aから直線状に延びた後に第2コア31aGの方向に滑らかに曲がり、その後、直線状に延びて第2コア31aGと結合している。また、第3コア31aRと第2コア31aGが結合した後に、さらに、第1コア31aBと結合している。これにより、平面光波回路素子30Aの光出射面30eからは、青色のレーザ、緑色のレーザ光及び赤色のレーザ光の単色光又はこれらのレーザ光の少なくとも2つが混合したレーザ光が出射する。
【0217】
なお、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRの各々において、光導波路の光入射側の端部には、平面光波回路素子30Aの上面に対して傾斜する光導波路反射面(傾斜面32a)が形成されている。
【0218】
このように構成される光源モジュール4Cは、フルカラーディスプレイ用の光源として用いることができる。
【0219】
また、本変形例における光源モジュール4Cでは、基台10Aの外形が平面光波回路素子30Aの外形よりも大きくなっている。さらに、本変形例では、基台10Aの基台本体11Aの一部が複数の光源20の下方にまで延在している。具体的には、基台本体11Aは、第1サブマウント21B、第2サブマウント21G及び第3サブマウント21Rの後方にまで延在している。そして、基台10Aを後方に延在させた部分には、駆動部品70が実装されている。
【0220】
また、本変形例では、基台10Aは、平面光波回路素子30Aの前方にまで延在している。そして、基台10Aを前方に延在させた部分には、集光レンズ50が実装されている。これにより、平面光波回路素子30Aの光出射面30eから出射したレーザ光は、集光レンズ50により集光されて光源モジュール4Cから出射する。
【0221】
このように、基台10Aを前方又は後方に延在させることで、この延在させた部分に駆動部品70又は集光レンズ50等の機能部品を基台10Aに集積させることができる。
【0222】
(実施の形態4の変形例3)
次に、実施の形態4の変形例3について、図25を用いて説明する。図25は、実施の形態4の変形例3に係る光源モジュール4Dの構成を示す図である。図25において、(a)は、光源モジュール4Dの上面図であり、(b)は、光源モジュール4Dの側面図であり、(c)は、(a)のc-c線における光源モジュール4Dの断面図である。
【0223】
図25に示すように、本変形例に係る光源モジュール4Dは、上記実施の形態4の変形例2に係る光源モジュール4Cと同様に、複数の光源20として青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rを備えているが、上記実施の形態4の変形例2に係る光源モジュール4Cとは、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rの位置関係が異なる。具体的には、本変形例における光源モジュール4Dにおいて、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rは、シングルモード波長合波において、偏光方向が一致するように配置されている。
【0224】
ここで、AlGaInN系の半導体材料からなる第1半導体レーザ22B及び第2半導体レーザ22Gは、TEモードでレーザ発振する。つまり、第1半導体レーザ22B及び第2半導体レーザ22Gの各々から出射したレーザ光は、第1半導体レーザ22B及び第2半導体レーザ22Gのチップ平面(活性層平面)に対して平行な方向に偏光する。
【0225】
また、AlGaInP系の半導体材料からなる第3半導体レーザ22Rは、TMモードでレーザ発振する。つまり、第3半導体レーザ22Rから出射したレーザ光は、第3半導体レーザ22Rのチップ平面(活性層平面)に対して垂直な方向に偏光する。
【0226】
そこで、本変形例では、緑色光源20Gの第2サブマウント21Gの第3実装面21aGと青色光源20Bの第1サブマウント21Bにおける第3実装面21aBとを、平面光波回路素子30Aの上面に対して垂直な方向にしている。したがって、緑色光源20Gの第2サブマウント21Gの第3実装面21aGと、青色光源20Bの第1サブマウント21Bにおける第3実装面21aBとは、平行である。また、緑色光源20Gの第2サブマウント21Gの第3実装面21aGと青色光源20Bの第1サブマウント21Bにおける第3実装面21aBとを、平面光波回路素子30Aの光導波路31と入射面付近で平行となるようにしている。これにより、第1サブマウント21Bに実装された第1半導体レーザ22B及び第2サブマウント21Gに実装された第2半導体レーザ22Gの各々から出射するレーザ光は、平面光波回路素子30Aの上面に対して垂直な方向に偏光することになる。
【0227】
また、赤色光源20Rの第3サブマウント21Rの第3実装面21aRは、平面光波回路素子30の上面に対して垂直な方向にしている。したがって、赤色光源20Rの第3サブマウント21Rの第3実装面21aRと、青色光源20Bの第1サブマウント21Bの第3実装面21aBとは、垂直である。また、赤色光源20Rの第3サブマウント21Rの第3実装面21aRを、平面光波回路素子30Aの光導波路31と入射面付近で垂直となるようにしている。これにより、第3半導体レーザ22Rから出射するレーザ光も、平面光波回路素子30Aの上面に対して垂直な方向に偏光することになる。
【0228】
この構成により、シングルモード波長合波において、第1半導体レーザ22B、第2半導体レーザ22G及び第3半導体レーザ22Rの偏光方向を一致させることができる。つまり、平面光波回路素子30Aに入射する青色レーザ光、緑色レーザ光及び赤色レーザ光の偏光方向を揃えることができる。また、第1コア31aBと第2コア31aGと第3コア31aRのコア間隔を狭くすることもできるので、平面光波回路素子30Aを小型化することもできる。したがって、光源モジュール4Dを小型化することができる。
【0229】
また、本変形例において、緑色光源20Gにおける第2半導体レーザ22Gは、青色光源20Bにおける第1半導体レーザ22Bと緑色光源20Gにおける第2サブマウント21Gとの間に位置している。つまり、第1半導体レーザ22Bと第2半導体レーザ22Gとが向かい合うように、第1半導体レーザ22Bと第2半導体レーザ22Gとを配置している。
【0230】
この構成により、第1半導体レーザ22Bと第2半導体レーザ22Gとの間の距離を狭くすることができるので、光源モジュール4Dをさらに小型化することができる。
【0231】
また、第1半導体レーザ22Bと第2半導体レーザ22Gとが向かい合うことで、青色レーザ光が導波する第1コア31aBと赤色レーザ光が導波する第3コア31aRとの間隔を狭くすることができる。これにより、第1コア31aBが曲がっている部分の長さを短くすることができる。また、第1コア31aBと第3コア31aRとの間隔が狭いことと第1コア31aBの曲がっている部分の長さが短いことで、平面光波回路素子30Aをさらに小型化することができる。
【0232】
なお、平面光波回路素子30Aの第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRの各々において、光導波路の光入射側の端部には、平面光波回路素子30Aの上面に対して傾斜する光導波路反射面(傾斜面32a)が形成されている。
【0233】
(実施の形態4の変形例4)
次に、実施の形態4の変形例4について、図26を用いて説明する。図26は、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eの構成を示す図である。図26において、(a)は、光源モジュール4Eの上面図であり、(b)は、光源モジュール4Eの長手方向の断面図であり、(c)は、光源モジュール4Eの短手方向の断面図であり、(d)は、光源モジュール4Eにおける平面光波回路素子30Aの平面図である。
【0234】
本変形例に係る光源モジュール4Eは、上記実施の形態4の変形例3に係る光源モジュール4Dに対して、赤色光源20Rが配置される位置が異なっている。
【0235】
本変形例において、基台10Aの第1実装面10aは、平面光波回路素子30Aの平面視において、平面光波回路素子30Aの一辺の外側にある第1サブ実装面と、その一辺とは平行でない他の辺の外側にある第2サブ実装面とを有しており、青色光源20B及び緑色光源20Gはいずれも、第1サブ実装面及び第2サブ実装面の一方に配置され、赤色光源20Rは、第1サブ実装面及び第2サブ実装面の他方に配置される。
【0236】
具体的には、図26に示すように、青色光源20B及び緑色光源20Gは、上記実施の形態4の変形例3に係る光源モジュール4Dと同様に、基台10Aの後方に位置する第1実装面10a1(第1サブ実装面)に配置されており、赤色光源20Rは、基台10Aの側方に位置する第1実装面10a2(第2サブ実装面)に配置されている。つまり、本変形例では、複数の光源20は、基台10Aの第1実装面10aのうち、後方と側方との各々の位置に配置されている。また、青色光源20B及び緑色光源20Gと光出射面30e間の距離より、赤色光源20Rと光出射面30e間の距離の方が短い。
【0237】
このように、基台10Aの後方と側方との各々に光源20を配置することで、光源モジュール4Eの幅Yを狭くすることができる。つまり、上記実施の形態4の変形例3に係る光源モジュール4Dよりもさらに小型の光源モジュール4Eを実現することができる。なお、赤色光源20Rの配置以外は、上記実施の形態4の変形例3に係る光源モジュール4Dと同様である。
【0238】
なお、平面光波回路素子30Aの第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRの各々において、光導波路の光入射側の端部には、平面光波回路素子30Aの上面に対して傾斜する光導波路反射面(傾斜面32a)が形成されている。
【0239】
ここで、本変形例に係る光源モジュール4Eにおける平面光波回路素子30Aの作製方法について、図27A図27Hを用いて説明する。図27A図27Hは、実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eにおける平面光波回路素子30Aの作製方法を説明するための図である。なお、図27A図27Hにおいて、上図は、上面図であり、下図は、上図のc-c線における断面図であり、右図は、上図のa-a線における断面図である。
【0240】
まず、図27Aに示すように、基板32Aを準備する。例えば、基板32Aとして、面方位(100)面に対して表面の結晶方位が9.7°傾いた表面を有するシリコン基板を準備する。ここで、面方位(100)面に対して表面の結晶方位が9.7°傾いた表面は、[100]方向から9.7°傾いた方向を法線とする結晶面である。
【0241】
次に、図27Bに示すように、基板32Aの表面の所定の位置(L字型)にエッチング保護膜500を形成する。エッチング保護膜500としては、例えば、二酸化シリコン(SiO)からなる絶縁膜を用いることができる。
【0242】
次に、エッチング保護膜500をマスクとして基板32Aをエッチングする。具体的には、エッチング液を用いて基板32Aに対してウェットエッチングを施す。例えば、水酸化カリウム(KOH)又は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液等のアルカリ水溶液からなるエッチング液を用いて、異方性のウェットエッチングを行う。
【0243】
このように、基板32Aをエッチングすることで、図27Cに示すように、基板32Aに凹部32bを形成するとともに、基板32Aの一部に傾斜面32a(傾斜面32aBGと傾斜面32aR)を2か所形成する。この傾斜面32aは結晶面であるので平坦である。なお、図27Cの上図では、便宜上、傾斜面32aをドット状のハッチングで示している。また、傾斜面32aBGと光出射面30eとなる面と間の距離より、傾斜面32aRと光出射面30eとなる面と間の距離の方が短い。
【0244】
傾斜面32a及び凹部32bは、基板32Aのうちエッチングされた部分である。傾斜面32aの面方位は、シリコン(111)面であり、傾斜面32aの傾斜角は、45°である。傾斜面32aは[01-1]方向に延びている。また、凹部32bのエッチング後の面方位は、元のシリコン基板の上面の面方位と同じ(100)面から9.7°傾いた面になっている。傾斜面32aと凹部32bの境界32d、および、エッチングされずに残っている(100)面から9.7°傾いた面の部分32cと傾斜面32aの境界32eは、[01-1]方向に延びている。なお、凹部32bとエッチングされずに残っている(100)面から9.7°傾いた面の部分32cとの境界32fは、右図のような傾斜した面になるが、上図においては、簡単のため、線で表示している。
【0245】
次に、図27Dに示すように、基板32Aの表面の全面に、クラッド31bとなる二酸化シリコン(SiO)からなる第1クラッド層31b1を形成する。なお、図27Dから図27Hでは、傾斜面32aと凹部32bとエッチングされずに残っている(100)面から9.7°傾いた面の部分32cとの3つの内の2つの部分間の境界を、破線で示している。
【0246】
次に、図27Eに示すように、第1クラッド層31b1の表面の全面に、コア31aとなる窒化シリコン(SiN)からなるコア層31a1を形成する。なお、基板32Aの傾斜面32aのうち、後にパターニングされるコア31aと接する部分において、第1クラッド層31b1とコア層31a1との間に金属膜36を形成している。
【0247】
次に、図27Fに示すように、エッチングを施すことでコア層31a1をパターニングすることで、所定の形状のコア31aを形成する。これにより、コア層31a1がエッチング除去された部分では、第1クラッド層31b1が露出する。
【0248】
具体的には、コア31aは、青色光源20Bに対応する第1コア31aBと、緑色光源20Gに対応する第2コア31aGと、赤色光源20Rに対応する第3コア31aRとによって構成されている。第3コア31aRは傾斜面32aRから光出射面30eに向かって直線状に延びている。第2コア31aGは、傾斜面32aBGから光出射面30eに向かって直線状に延びた後に第3コア31aRの方向に向かって滑らかに曲がって第3コア31aRと結合している。第1コア31aBは、傾斜面32aBGから光出射面30eに向かって直線状に延びた後に第3コア31aRの方向に滑らかに曲がって第3コア31aRと結合している。なお、第3コア31aRの光源側端部は、第1コア31aB及び第2コア31aGの光源側端部よりも光出射面30e側に位置している。
【0249】
次に、図27Gに示すように、コア31aを覆うようにして第1クラッド層31b1の露出部分の全面に、クラッド31bとなる二酸化シリコン(SiO)からなる第2クラッド層31b2を形成する。これにより、第1クラッド層31b1と第2クラッド層31b2とで、コア31aを囲むクラッド31bが形成される。
【0250】
次に、クラッド31bの表層を研磨することで、図27Hに示すように、クラッド31bの表面を平坦化する。具体的には、第2クラッド層31b2の上層部分を研磨することで、第2クラッド層31b2の表面を平坦化する。この製法により、平面光波回路素子30Aの上面に対して垂直な方向において、コア31aの上側及び下側の各々にクラッド31b存在しているとともに、平面光波回路素子30Aの上面方向において、反射面(金属膜36)を介してコア31aの外側にクラッド31bが存在している。
【0251】
これにより、基板32A上に、平坦な反射面である傾斜面32aが形成された光導波路31を有する平面光波回路素子30Aを作製することができる。
【0252】
(実施の形態4の変形例5)
次に、実施の形態4の変形例5について、図28Aを用いて説明する。図28Aは、実施の形態4の変形例5に係る光源モジュール4Fの構成を示す図である。図28Aにおいて、(a)は、光源モジュール4Fの上面図であり、(b)は、光源モジュール4Fの長手方向の断面図であり、(c)は、光源モジュール4Fの短手方向の断面図であり、(d)は、光源モジュール4Fにおける平面光波回路素子30Aの平面図である。
【0253】
本変形例に係る光源モジュール4Fと上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eとは、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRのレイアウトが異なる。
【0254】
図28Aに示すように、本変形例に係る光源モジュール4Fでは、第1コア31aBと第3コア31aRとの間に位置する第2コア31aGが直線部のみで構成され、第1コア31aB及び第3コア31aRが曲線部を有するように構成されている。
【0255】
なお、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRのレイアウト以外については、本変形例に係る光源モジュール4Fは、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eと同様の構成である。
【0256】
したがって、本変形例に係る光源モジュール4Fは、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eと同様の効果を奏する。
【0257】
(実施の形態4の変形例5’)
次に、実施の形態4の変形例5’について、図28Bを用いて説明する。図28Bは、実施の形態4の変形例5’に係る光源モジュール4F’の構成を示す図である。図28Bにおいて、(a)は、光源モジュール4F’の上面図であり、(b)は、光源モジュール4F’の長手方向の断面図であり、(c)は、光源モジュール4F’の短手方向の断面図であり、(d)は、光源モジュール4F’における平面光波回路素子30Aの平面図である。
【0258】
本変形例に係る光源モジュール4F’と上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eとは、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRのレイアウトが異なる。
【0259】
図28Bに示すように、本変形例に係る光源モジュール4F’では、第1コア31aBが直線部のみで構成され、第2コア31aG第1コア31aB及び第3コア31aRが曲線部を有するように構成されている。さらに、第2コア31aGの直線部分を光出射面30e側に延長した線上に、第1コア31aBの直線部分が配置されている。また、緑色光源20Gにおける第2半導体レーザ22Gの実装位置を光出射面30e側に延長した線上に、赤色光源20Rにおける第3半導体レーザ22Rが実装されている。
【0260】
図28Bの(d)では、傾斜面32aと凹部32bの境界32dと、傾斜面32aとエッチングされずに残っている(100)面から9.7°傾いた面の部分32cの境界32eと、凹部32bとエッチングされずに残っている(100)面から9.7°傾いた面の部分32cの境界32fとを、点線で示している。境界32dと境界32eの間に、傾斜面32aBGと傾斜面32aRが形成されている。図28の(d)に示すように、傾斜面32aBGの光出射面30e側に、光出射面30eから見て、傾斜面32aBGに、傾斜面32aRが重なるように形成されている。
【0261】
したがって、本変形例に係る光源モュール4F’は、平面光波回路素子30Aの幅Y1を狭くすることができる。
【0262】
(実施の形態4の変形例6)
次に、実施の形態4の変形例6について、図29を用いて説明する。図29は、実施の形態4の変形例6に係る光源モジュール4Gの構成を示す図である。図29において、(a)は、光源モジュール4Gの上面図であり、(b)は、光源モジュール4Gにおける平面光波回路素子30Aの平面図である。点線は、光源に隠れた基台10Aの形状を表している。
【0263】
本変形例に係る光源モジュール4Gは、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eと同様に、複数の光源20として、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rを備えているが、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eに対して、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rのレイアウトが異なっている。
【0264】
本変形例では、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eと同様に、基台10Aの第1実装面10aは、平面光波回路素子30Aの平面視において、平面光波回路素子30Aの一辺の外側にある第1サブ実装面と、その一辺とは平行でない他の辺の外側にある第2サブ実装面とを有しており、青色光源20B及び緑色光源20Gはいずれも、第1サブ実装面及び第2サブ実装面の一方に配置され、赤色光源20Rは、第1サブ実装面及び第2サブ実装面の他方に配置される。
【0265】
具体的には、図29に示すように、青色光源20B及び緑色光源20Gは、基台10Aの側方に位置する第1実装面10a(第2サブ実装面10a2)に配置されており、赤色光源20Rは、基台10Aの後方に位置する第1実装面10a(第1サブ実装面10a1)に配置されている。なお、青色光源20Bと緑色光源20Gは、斜めに配置されており、直線状の第1コア31aBの延伸方向に対して、レーザ光の入射位置が異なっている。
【0266】
このように、基台10Aの後方と側方との各々に光源20を配置することで、光源モジュール4Gの幅を狭くすることができる。したがって、小型の光源モジュール4Gを実現することができる。また、青色光源20Bと緑色光源20Gのように複数の光源20を斜めに並べることで、複数の光源20の位置をずらすことができる。これにより、複数の光源20の各々の半導体レーザ22に給電するための配線を容易に引き回すことができる。
【0267】
また、本変形例では、上面視において、平面光波回路素子30Aの後端部分が傾斜するようにカットされている。これにより、傾斜するようにカットされた辺に沿って、青色光源20Bと緑色光源20Gとを斜めに並べることができる。このため、第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRの互いの間隔を狭くすることができる。したがって、光源モジュール4Gをさらに小型化することができる。
【0268】
なお、平面光波回路素子30Aの第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRの各々において、光導波路の光入射側の端部には、平面光波回路素子30Aの上面に対して傾斜する光導波路反射面(傾斜面32a)が形成されている。
【0269】
ここで、本変形例に係る光源モジュール4Gにおける平面光波回路素子30Aの作製方法について、図30A図30Dを用いて説明する。図30A図30Dは、実施の形態4の変形例6に係る光源モジュール4Gにおける平面光波回路素子30Aの作製方法を説明するための図である。なお、図30A図30Dにおいて、上図は、上面図であり、下図は、上図のc-c線における断面図であり、右図は、上図のa-a線における断面図である。
【0270】
まず、図30Aに示すように、基板32Aを準備する。例えば、図27Aと同様に、基板32Aとして、面方位(100)面に対して表面の結晶方位が9.7°傾いたシリコン基板を準備する。
【0271】
次に、図30Bに示すように、基板32Aをエッチングすることで、基板32Aに凹部32bを形成するとともに、基板32Aの一部に3か所の傾斜面32a(傾斜面32aB、傾斜面32aG、傾斜面32aR)を形成する。なお、光出射面30eとなる位置に近い側から、傾斜面32aB、傾斜面32aG、傾斜面32aRが順に形成されている。具体的には、図27B及び図27Bと同様にして、基板32Aにウェットエッチングを施す。なお、図30Bの上図では、便宜上、傾斜面32aをドット状のハッチングで示している。
【0272】
傾斜面32a及び凹部32bは、基板32Aのうちエッチングされた部分である。傾斜面32aの面方位は、シリコン(111)面であり、傾斜面32aの傾斜角は、45°である。また、凹部32bのエッチング後の面方位は、元のシリコン基板の上面の面方位と同じになっている。
【0273】
次に、図示しないが、図27D図27Gと同様の方法で、光反射性の傾斜面32aが形成された基板32Aに光導波路31を形成する。
【0274】
次に、図30Cに示すように、破線に沿って基板32Aの後方部分を斜めに切断することで、図30Dに示すように、後方部分が斜めにカットされた平面光波回路素子30Aを作製することができる。
【0275】
第1コア31aBは傾斜面32aBから光出射面30eに向かって直線状に延びている。第2コア31aGは、傾斜面32aGから光出射面30eに向かって直線状に延びた後に第1コア31aBの方向に向かって滑らかに曲がって第1コア31aBと結合している。第3コア31aRは傾斜面32aRから光出射面30eに向かって直線状に延びた後に第1コア31aBの方向に向かって滑らかに曲がって第1コア31aBと結合している。なお、光出射面30eに近い側から、第1コア31aBの光源側端部、第2コア31aGの光源側端部、第3コア31aRの光源側端部が順に位置している。
【0276】
(実施の形態4の変形例7)
次に、実施の形態4の変形例7について、図31を用いて説明する。図31は、実施の形態4の変形例7に係る光源モジュール4Hの構成を示す図である。図31において、(a)は、光源モジュール4Hの上面図であり、(b)は、光源モジュール4Hにおける平面光波回路素子30Aの平面図である。
【0277】
本変形例に係る光源モジュール4Hは、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eと同様に、複数の光源20として、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rを備えているが、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eに対して、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rのレイアウトが異なっている。
【0278】
本変形例では、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eと同様に、基台10Aの第1実装面10aは、平面光波回路素子30Aの平面視において、平面光波回路素子30Aの一辺の外側にある第1サブ実装面と、その一辺とは平行でない他の辺の外側にある第2サブ実装面とを有しており、青色光源20B及び緑色光源20Gはいずれも、第1サブ実装面及び第2サブ実装面の一方に配置され、赤色光源20Rは、第1サブ実装面及び第2サブ実装面の他方に配置される。
【0279】
具体的には、図31に示すように、基台10Aの後方に第1実装面10a1(第1サブ実装面)が配置され、基台10Aの2つの側方に、互いに対向するように、2つの第1実装面10a2(第2サブ実装面)が配置されている。青色光源20B及び緑色光源20Gは、基台10Aの側方に位置する第1実装面10a2(第2サブ実装面)に配置されており、赤色光源20Rは、基台10Aの後方に位置する第1実装面10a1(第1サブ実装面)に配置されている。なお、基台10Aの側方に位置する青色光源20Bと緑色光源20Gは、第3コア31aRを挟んで対向する位置に配置されている。
【0280】
このように、基台10Aの後方と2つの側方との各々に3つの光源20を配置することで、光源モジュール4Hの幅を狭くすることができる。したがって、小型の光源モジュール4Hを実現することができる
なお、平面光波回路素子30Aの第1コア31aB、第2コア31aG及び第3コア31aRの各々において、光導波路の光入射側の端部には、平面光波回路素子30Aの上面に対して傾斜する光導波路反射面(傾斜面32a)が形成されている。なお、光出射面30eに近い側から、傾斜面32aB、傾斜面32aG、傾斜面32aRが順に形成されている。
【0281】
第1コア31aBは傾斜面32aBから光出射面30eに向かって直線状に延びている。第2コア31aGは、傾斜面32aGから光出射面30eに向かって直線状に延びた後に第1コア31aBの方向に向かって滑らかに曲がって第1コア31aBと結合している。第3コア31aRは傾斜面32aRから光出射面30eに向かって直線状に延びた後に第1コア31aBの方向に向かって滑らかに曲がって第1コア31aBと結合している。なお、光出射面30eに近い側から、第1コア31aBの光源側端部、第2コア31aGの光源側端部、第3コア31aRの光源側端部が順に位置している。
【0282】
また、本変形例において、青色光、緑色光及び赤色光は、全体が平面光波回路素子30Aの上面に対して垂直な方向に偏光することになる。
【0283】
(実施の形態4の変形例8)
次に、実施の形態4の変形例8について、図32を用いて説明する。図32は、実施の形態4の変形例8に係る光源モジュール4Iの構成を示す図である。
【0284】
本変形例に係る光源モジュール4Iは、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eと同様に、複数の光源20として、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rを備えているが、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eに対して、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rのレイアウトが異なっている。
【0285】
本変形例では、上記実施の形態4の変形例4に係る光源モジュール4Eと同様に、基台10Aの第1実装面10aは、平面光波回路素子30Aの平面視において、平面光波回路素子30Aの一辺の外側にある第1サブ実装面と、その一辺とは平行でない他の辺の外側にある第2サブ実装面とを有しており、青色光源20B及び緑色光源20Gはいずれも、第1サブ実装面及び第2サブ実装面の一方に配置され、赤色光源20Rは、第1サブ実装面及び第2サブ実装面の他方に配置される。
【0286】
具体的には、図32に示すように、青色光源20B及び緑色光源20Gは、基台10Aの側方に位置する第1実装面10a2(第2サブ実装面)に配置されており、赤色光源20Rは、基台10Aの後方に位置する第1実装面10a1(第1サブ実装面)に配置されている。なお、基台10Aの側方に位置する青色光源20Bと緑色光源20Gは、第3コア31aRを挟んで対向する位置に配置されている。
【0287】
このように、基台10Aの後方と側方との各々に光源20を配置することで、光源モジュール4Iの幅を狭くすることができる。したがって、小型の光源モジュール4Iを実現することができる。
【0288】
また、本変形例において、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rは、全体がTEモードで偏光するように配置されている。
【0289】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5に係る光源モジュール5について、図33を用いて説明する。図33は、実施の形態5に係る光源モジュール5の構成を示す図である。図33において、(a)は、光源モジュール5の上面図であり、(b)は、光源モジュール5の断面図であり、(c)は、光源モジュール5における平面光波回路素子30Aの上面図である。
【0290】
図33に示すように、本実施の形態に係る光源モジュール5は、上記実施の形態3、4に係る光源モジュール3、4と同様に、基台10Aと、複数の光源20と、傾斜面32aが形成された基板32Aを有する平面光波回路素子30Aとを備える。光源モジュール5は、複数の光源20として、青色光源20B、緑色光源20G及び赤色光源20Rを備えている。
【0291】
本実施の形態における光源モジュール5は、上記実施の形態3、4に係る光源モジュール3、4に対して、複数の光源20の各々における半導体レーザ22の実装形態が異なり、複数の半導体レーザ22の中には、平面光波回路素子30Aの側面からレーザ光を入射させる横入射タイプの半導体レーザ22と、平面光波回路素子30Aの上面からレーザ光を入射させる縦入射タイプの半導体レーザ22とが含まれる。つまり、本実施の形態における光源モジュール5では、横入射タイプの半導体レーザ22と縦入射タイプの半導体レーザ22とが混載している。
【0292】
具体的には、青色光源20Bにおける第1半導体レーザ22Bは、縦入射タイプであり、平面光波回路素子30Aの上面からレーザ光を入射させるように第1サブマウント21Bに実装されている。同様に、緑色光源20Gにおける第2半導体レーザ22Gは、縦入射タイプであり、平面光波回路素子30Aの上面からレーザ光を入射させるように第2サブマウント21Gに実装されている。
【0293】
一方、赤色光源20Rにおける第3半導体レーザ22Rは、横入射タイプであり、平面光波回路素子30Aの側面からレーザ光を入射させるように第3サブマウント21Rに実装されている。
【0294】
また、本実施の形態における光源モジュール5では、基台10Aの後方と側方との各々に光源20が配置されている。具体的には、青色光源20B及び緑色光源20Gは、基台10Aの側方に位置する第1実装面10a(第1サブ実装面)に配置されており、赤色光源20Rは、基台10Aの後方に位置する第1実装面10a2(第2サブ実装面)に配置されている。
【0295】
このように構成される本実施の形態に係る光源モジュール5は、上記実施の形態1~4における光源モジュール1~4と同様の効果を奏する。
【0296】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る光源モジュールについて、実施の形態1~5に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態1~5に限定されるものではない。
【0297】
例えば、各実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0298】
本開示に係る光源モジュールは、例えば、ディスプレイ又はプロジェクタ等の画像表示装置等に用いられる光源として有用である。
【符号の説明】
【0299】
1、1A、2、2A、2B、2C、2D、3、3A、4、4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H、4I、5 光源モジュール
10、10A、10C 基台
10a、10a1、10a2 第1実装面
10b 第2実装面
10h 放熱面
11、11A、11C 基台本体
11a 第1基台本体部
11a1 上面
11a2 側面
11b 第2基台本体部
11b1 上面
11C1 延伸部
12 金属膜
13 レンズ固定部
20 光源
20B 青色光源
20G 緑色光源
20R 赤色光源
21 サブマウント
21a、21aB、21aG、21aR 第3実装面
21b 第4実装面
21f 側端面
21B 第1サブマウント
21G 第2サブマウント
21R 第3サブマウント
22 半導体レーザ
22a 導波路
22f 前端面
22B 第1半導体レーザ
22G 第2半導体レーザ
22R 第3半導体レーザ
25 サブマウント本体
25a 第1配置面
25b 第2配置面
25F 第1サブマウント本体
25G 第2サブマウント本体
26 第1金属膜
26a 第1の第1金属膜
26b 第2の第1金属膜
26c 第3の第1金属膜
26d 第4の第1金属膜
27 第2金属膜
30、30A 平面光波回路素子
30u 第1面
30b 第2面
30c 第3面
30d 第4面
30i 光入射面
30e 光出射面
31 光導波路
31a コア
31a1 コア層
31aB 第1コア
31aG 第2コア
31aR 第3コア
31b クラッド
31b1 第1クラッド層
31b2 第2クラッド層
32、32A 基板
32a、32aBG、32aR、32aB、32aG 傾斜面
32b 凹部
33 第1反射防止膜
34 第2反射防止膜
35、36 金属膜
41、42、43 接合層
50 集光レンズ
60 保持部材
70 駆動部品
100 筐体
200 パワーメータ
300 加熱用レーザ光源
400、401 押し当て部材
400a、401a 第1段差面
400b、401b 第2段差面
500 エッチング保護膜
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図15G
図15H
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F
図20G
図20H
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27A
図27B
図27C
図27D
図27E
図27F
図27G
図27H
図28A
図28B
図29
図30A
図30B
図30C
図30D
図31
図32
図33