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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145948
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】園児見守りシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241004BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058572
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】516174150
【氏名又は名称】岩手インフォメーション・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】大森 啓太
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】送迎バス等の車両に乗車した園児が保育施設に登園したことを確実に見守ることが可能な園児見守りシステムを提供する。
【解決手段】園児見守りシステム1は、保育施設20の送迎バス30に設置され、園児2が所持するタグ2aから園児を特定可能な園児特定情報を読み取る車両タグリーダ31と、保育施設20に設置され、園児2が所持するタグ2aから園児特定情報を読み取る施設タグリーダ22と、車両タグリーダ31および施設タグリーダ22により読み取られた園児特定情報を受信可能に構成された施設端末21と、を備える。ここで、施設端末21は、車両タグリーダ31により読み取られた園児特定情報と、施設タグリーダ22により読み取られた園児特定情報とに基づいて、バス30に乗ったが未登園の未登園園児を特定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保育施設の送迎車両に設置され、前園児が所持する記憶媒体から前記園児を特定可能な園児特定情報を読み取る第1読取装置と、
前記保育施設に設置され、前記園児が所持する前記記憶媒体から前記園児特定情報を読み取る第2読取装置と、
前記第1読取装置および前記第2読取装置により読み取られた前記園児特定情報を受信可能に構成された制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1読取装置により読み取られた前記園児特定情報と、前記第2読取装置により読み取られた前記園児特定情報とに基づいて、前記車両に乗ったが未登園の未登園園児を特定する、
ことを特徴とする園児見守りシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の園児見守りシステムにおいて、
前記制御部は、
前記保育施設に対する前記車両の到着から第1時間が経過したときに、前記第1読取装置からの前記園児特定情報に基づき前記車両に乗車したと確定された一の園児について、前記第2読取装置からの前記園児特定情報に基づき登園が確認されなかったことに基づいて、前記一の園児を前記未登園園児として特定する、
ことを特徴とする園児見守りシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の園児見守りシステムにおいて、
前記制御部は、前記未登園園児を探索するための報知処理を実行する、
ことを特徴とする園児見守りシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の園児見守りシステムにおいて、
前記制御部は、前記報知処理として、前記未登園園児の発生を前記保育施設の職員に報知する第1報知処理を実行する、
ことを特徴とする園児見守りシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の園児見守りシステムにおいて、
前記制御部は、前記第1時間より長い第2時間が前記車両の到着から経過するまでに、前記未登園園児を確認したことを示す情報を取得しないことに基づいて、前記未登園園児の発生を前記職員とともに前記未登園園児の保護者に報知する第2報知処理を実行する、
ことを特徴とする園児見守りシステム。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の園児見守りシステムにおいて、
前記車両に同乗する前記保育施設の職員が所持する携帯端末と、
通信網を介して前記携帯端末と通信可能な管理装置と、
前記保育施設に配置され前記通信網を介して前記管理装置と通信可能な情報処理装置と、をさらに備え、
前記制御部は、前記情報処理装置に含まれ、
前記携帯端末は、前記第1読取装置との無線通信により前記第1読取装置から取得した前記園児特定情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、受信した前記園児特定情報を前記情報処理装置に送信する、
ことを特徴とする園児見守りシステム。
【請求項7】
請求項6に記載の園児見守りシステムにおいて、
前記携帯端末は、前記第1読取装置により読み取られた前記園児特定情報に基づき生成された乗車確認用の点呼画面を表示させ、
前記点呼画面は、前記車両に乗車した前記園児の追加および修正を受け付け可能に構成され、
前記携帯端末は、前記点呼画面に対する入力結果を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、受信した前記点呼画面に対する前記入力結果を前記情報処理装置に送信する、
ことを特徴とする園児見守りシステム。
【請求項8】
請求項7に記載の園児見守りシステムにおいて、
前記携帯端末は、予め設定された最終確認タイミングにおいて、前記車両に乗車している前記園児を確定するための確定画面を表示させ、前記確定画面に対する入力結果を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、受信した前記確定画面に対する前記入力結果を前記情報処理装置に送信する、
ことを特徴とする園児見守りシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送迎バス等の車両に乗車した園児を見守る園児見守りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
幼稚園等の保育施設では、園児の自宅付近において、職員が園児を送迎バスに迎え入れ、その後、送迎バスにより園児を保育施設に送り届ける。送迎バスに同乗する職員は、送迎バスが保育施設に到着すると、園児を送迎バスから保育施設へ送り出す。その後、職員は、送迎バス内に園児が残っていないことを、所定の確認作業により確認する。
【0003】
しかし、この確認作業によって万一バスに残っている園児を発見できないと、この園児は、長時間に亘ってバス内に閉じ込められることとなってしまう。また、確認作業の際には園児は送迎バスに残存していなかったが、その後、園児が再び送迎バスに乗り込んでしまうことも想定され得る。このよう場合も、この園児は、長時間に亘ってバス内に閉じ込められてしまう。
【0004】
このような事態に対応するための構成が、以下の特許文献1に記載されている。この構成では、車両中に園児等が置き去りにされた場合に、置き去りにされた人が近傍の押しボタンスイッチを押下することで、車両のホーンが鳴り、車両外の人に置き去りにされていることが報知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3239790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記構成では、車内に置き去りされた園児が押しボタンスイッチを押さなければ、置き去りが報知され得ない。園児は、このような場合に押しボタンスイッチを押すことを予め知っておく必要がある。しかし、幼少の園児全員にこのことを確実に把握させておくことは難しい。また、長時間の置き去りにより園児が衰弱した状態等、押しボタンスイッチを押す行動をとることが難しいこともある。
【0007】
かかる課題に鑑み、本発明は、送迎バス等の車両に乗車した園児が保育施設に登園したことを確実に見守ることが可能な園児見守りシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主たる態様に係る園児見守りシステムは、保育施設の送迎車両に設置され、前記園児が所持する記憶媒体から前記園児を特定可能な園児特定情報を読み取る第1読取装置と、前記保育施設に設置され、前記園児が所持する前記記憶媒体から前記園児特定情報を読み取る第2読取装置と、前記第1読取装置および前記第2読取装置により読み取られた前記園児特定情報を受信可能に構成された制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記第1読取装置により読み取られた前記園児特定情報と、前記第2読取装置により読み取られた前記園児特定情報とに基づいて、前記車両に乗ったが未登園の未登園園児を特定する。
【0009】
本態様に係る園児見守りシステムによれば、第1読取装置および第2読取装置により読み取られた園児特定情報を照合することにより、車両に乗ったが未登園の未登園園児が特定される。このため、車両に同乗した職員等がマニュアルで登園を確認する場合に比べて、未登園園児の特定をより確実に行うことができる。よって、送迎バス等の車両に乗車した園児が保育施設に登園したことを確実に見守ることができる。
【0010】
本態様に係る園児見守りシステムにおいて、前記制御部は、前記保育施設に対する前記車両の到着から第1時間が経過したときに、前記第1読取装置からの前記園児特定情報に基づき前記車両に乗車したと確定された一の園児について、前記第2読取装置からの前記園児特定情報に基づき登園が確認されなかったことに基づいて、前記一の園児を前記未登園園児として特定するよう構成され得る。
【0011】
車両が保育施設に到着した後、一定時間内に、園児特定情報に基づき登園が確認できなかった園児は、車両内に置き去りにされているか、降車後に保育施設以外の場所へと移動した可能性が想定され得る。よって、上記構成によれば、このような状況にある園児を未登園園児として特定できる。
【0012】
本態様に係る園児見守りシステムにおいて、前記制御部は、前記未登園園児を探索するための報知処理を実行するよう構成され得る。
【0013】
これにより、未登園園児を安全に保護することができる。
【0014】
この場合、前記制御部は、前記報知処理として、前記未登園園児の発生を前記保育施設の職員に報知する第1報知処理を実行するよう構成され得る。
【0015】
これにより、保育施設の職員を、未登園園児の保護のために円滑に動員できる。
【0016】
また、前記制御部は、前記第1時間より長い第2時間が前記車両の到着から経過するまでに、前記未登園園児を確認したことを示す情報を取得しないことに基づいて、前記未登園園児の発生を前記職員とともに前記未登園園児の保護者に報知する第2報知処理を実行するよう構成され得る。
【0017】
これにより、未登園園児が未だ確認されていないことを職員に知らせることができ、さらに、未登園園児の確認のために、当該未登園園児の保護者の協力を得ることができる。たとえば、未登園園児が不意に自宅に戻っている場合は、そのことの連絡を保護者から受けることができ、あるいは、未登園園児が訪れそうな場所を保護者から聴取することができる。
【0018】
本態様に係る園児見守りシステムは、前記車両に同乗する前記保育施設の職員が所持する携帯端末と、通信網を介して前記携帯端末と通信可能な管理装置と、前記保育施設に配置され前記通信網を介して前記管理装置と通信可能な情報処理装置と、をさらに備え得る。この場合、前記制御部は、前記情報処理装置に含まれ得る。前記携帯端末は、前記第1読取装置との無線通信により前記第1読取装置から取得した前記園児特定情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、受信した前記園児特定情報を前記情報処理装置に送信するよう構成され得る。
【0019】
この構成によれば、第1読取装置が読み取った園児特定情報が、車両に同乗する職員の携帯端末を介して、管理装置に送信され、さらに管理装置から情報処理装置に送信される。これにより、情報処理装置において園児特定情報を円滑に蓄積管理できる。また、保育施設に配置された情報処理装置に上記制御部が含まれるため、保育施設において、未登園園児の特定とその探索を円滑かつ迅速に行うことができる。
【0020】
この構成において、前記携帯端末は、前記第1読取装置により読み取られた前記園児特定情報に基づき生成された乗車確認用の点呼画面を表示させるよう構成され得る。ここで、前記点呼画面は、前記車両に乗車した前記園児の追加および修正を受け付け可能に構成される。前記携帯端末は、前記点呼画面に対する入力結果を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、受信した前記点呼画面に対する前記入力結果を前記情報処理装置に送信するよう構成され得る。
【0021】
この構成によれば、車両に実際に乗車している園児をより正確に管理できる。たとえば、車両に乗車した園児が自身の記憶媒体を所持し忘れた場合や、当該園児に記憶媒体が未だ配布されていない場合、車両に乗車する職員は、点呼画面を介して、当該園児を乗車済みの園児に追加できる。また、園児が誤って自身の兄の記憶媒体を所持し、兄の方は欠席であるような場合、第1読取装置により読み取られた園児特定情報からは、恰も兄が車両に乗車したかような設定がなされる。このような場合も、車両に乗車する職員は、目視確認により、兄ではなく弟の方が車両に乗車したとする修正を、点呼画面を介して行い得る。よって、車両に実際に乗車している園児をより正確に管理できる。
【0022】
この構成において、前記携帯端末は、予め設定された最終確認タイミングにおいて、前記車両に乗車している前記園児を確定するための確定画面を表示させ、前記確定画面に対する入力結果を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、受信した前記確定画面に対する前記入力結果を前記情報処理装置に送信するよう構成され得る。
【0023】
この構成によれば、車両に最終的に乗車している園児を正確に確定できる。このため、制御部は、上記の処理により未登園園児を正確に特定できる。
【発明の効果】
【0024】
以上のとおり、本発明によれば、送迎バス等の車両に乗車した園児が保育施設に登園したことを確実に見守ることが可能な園児見守りシステムを提供できる。
【0025】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施形態に係る、園児見守りシステムの構成を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る、園児管理サーバ、施設端末および職員端末の構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る、施設端末の記憶部に記憶される情報(データベース)の構成を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る、施設端末の記憶部に記憶される情報(データベース)の構成を示す図である。
図5図5(a)は、実施形態に係る、職員端末により行われるタグ検知処理を示すフローチャートである。図5(b)は、実施形態に係る、職員端末により行われる点呼処理を示すフローチャートである。
図6図6(a)は、実施形態に係る、点呼画面の構成を示す図である。図6(b)は、実施形態に係る、個別点呼において点呼画面に重ねて表示される子画面の構成を示す図である。
図7図7(a)は、実施形態に係る、点呼画面の構成を示す図である。図7(b)は、実施形態に係る、個別点呼において点呼画面に重ねて表示される子画面の構成を示す図である。
図8図8(a)は、実施形態に係る、点呼画面の構成を示す図である。図8(b)は、実施形態に係る、一括点呼操作がなされた場合の点呼画面の構成を示す図である。
図9図9(a)は、実施形態に係る、一括点呼操作がなされた場合の点呼画面の構成を示す図である。図9(a)は、実施形態に係る、一括点呼において点呼画面に重ねて表示される子画面の構成を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る、点呼を確定させるための確定処理を示すフローチャートである。
図11図11(a)は、実施形態に係る、最終確認タイミングが到来する直前の点呼画面の状態を示す図である。図11(b)は、実施形態に係る、確定処理において未点呼の園児が存在する場合の確定画面を示す図である。
図12図12(a)は、実施形態に係る、確定処理において未点呼の園児が存在した場合の確定画面を示す図である。図12(b)は、実施形態に係る、確定処理の完了に伴い表示される点呼画面を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る、確定処理において未点呼の園児が存在しない場合の確定画面を示す図である。
図14図14は、実施形態に係る、バスに同乗する職員に確定操作を促すための報知処理を示すフローチャートである。
図15図15は、実施形態に係る、バスごとに園児の登園確認を開始するための処理を示すフローチャートである。
図16図16は、実施形態に係る、登園確認処理を示すフローチャートである。
図17図17は、実施形態に係る、報知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施形態に係る園児見守りシステム1について、図面を参照して説明する。
【0028】
以下の実施形態では、園児管理サーバ11が特許請求の範囲に記載の「管理装置」に対応し、施設端末21が特許請求の範囲に記載の「情報処理装置」に対応する。また、車両タグリーダ31が特許請求の範囲に記載の「第1読取装置」に対応し、施設タグリーダ22が特許請求の範囲に記載の「第2読取装置」に対応する。さらに、職員端末50が特許請求の範囲に記載の「携帯端末」に対応する。但し、上記対応付けは、実施形態における一例であって、本発明を何ら制限するものではない。
【0029】
<システム構成>
図1は、園児見守りシステム1の構成を示す図である。
【0030】
図1において、園児管理サーバ11および運行管理サーバ12は、クラウドサーバの仮想サーバとして、それぞれ構成される。但し、園児管理サーバ11および運行管理サーバ12は、必ずしも、仮想サーバでなくてもよく、物理サーバにより構成されてもよい。園児管理サーバ11および運行管理サーバ12は、インターネット等の公衆通信網40に接続されている。
【0031】
園児管理サーバ11は、施設端末21、職員端末50および保護者端末60との間で情報の送受を行う。後述の点呼処理や報知処理において、園児管理サーバ11は、施設端末21と職員端末50および保護者端末60との間の情報の送受信を仲介する。園児管理サーバ11には、園児見守りシステム1による見守り機能を実行するための、園児管理サーバ11用のアプリケーションプログラムがインストールされている。運行管理サーバ12は、保育施設20のバス30の運行経路や、園児が乗車および降車する位置(バス停)の位置情報、周回時刻等、バス30の運行に関する情報を管理する。
【0032】
なお、図1には、保育施設20とバス30との組み合わせが1つだけ記載されているが、実際には、この組み合わせが複数存在する。また、1つの保育施設20が複数のバスを管理する場合もある。園児管理サーバ11は、保育施設20ごとに、施設端末21、職員端末50および保護者端末60との間で、情報の送受信を行う。また、運行管理サーバ12は、保育施設20ごと、且つ、バス30ごとに、バス30の運行に関する情報を管理する。
【0033】
園児見守りシステム1は、園児管理サーバ11と、施設端末21と、施設タグリーダ22と、車両タグリーダ31と、GPS(Global Positioning System)32と、職員端末50とを備える。
【0034】
施設端末21は、パーソナルコンピュータやタブレットコンピュータ等の情報処理装置により構成される。施設端末21には、園児見守りシステム1による見守り機能を実行するための、施設端末21用のアプリケーションプログラムがインストールされている。また、職員端末21は、当該保育施設20に通園する園児に関する情報を管理する。施設端末21は、保育施設20に設置されている。たとえば、施設端末21は、保育施設20の職員室等に設置される。
【0035】
保育施設20には、さらに、施設タグリーダ22と、スピーカ23が設置されている。施設タグリーダ22およびスピーカ23は、通信線を介して、施設端末21に接続されている。施設タグリーダ22は、保育施設20の出入口等、登園時に園児が必ず通る場所に設置されている。施設タグリーダ22は、園児2が所持するタグ2a(記憶媒体)から、近距離無線通信により、情報を読み取る。なお、本発明における記憶媒体は、無線通信や光学読取等により情報を読取可能な媒体であればよい。
【0036】
タグ2aには、タグ2aの識別情報であるタグID等、園児2を特定可能な園児特定情報が保持されている。施設タグリーダ22の読み取り可能範囲は、たとえば、10m程度である。したがって、園児2が登園すると、施設タグリーダ22により、この園児2が所持するタグ2aから実質的に必ず園児特定情報が読み取られる。読み取られた園児特定情報は、施設タグリーダ22から施設端末21に送信される。
【0037】
なお、保育施設20の出入口が複数ある場合、各々の出入口に施設タグリーダ22が設置される。たとえば、タグ2aはRFIDタグであり、施設タグリーダ22はRFIDリーダである。
【0038】
車両タグリーダ31およびGPS32は、バス30の車内に設置される。車両タグリーダ31は、バス30の出入口等、バス30の昇降時に園児2が必ず通る場所に設置されている。車両タグリーダ31の構成は、施設タグリーダ22の構成と同様である。施設タグリーダ22は、園児2が所持するタグ2a(記憶媒体)から、近距離無線通信により、園児特定情報を読み取り、読み取った園児特定情報を、近距離無線通信により、バス30に同乗する職員の職員端末50に送信する。
【0039】
GPS32は、バス30の現在位置を随時検出する。バス30には、さらに、公衆通信網40を介して運行管理サーバ12と通信可能な通信機(図示せず)が設置されている。GPS32は、検出した位置情報を、この通信機を介して、運行管理サーバ12に送信する。運行管理サーバ12は、受信した位置情報を蓄積記憶し、この位置情報に基づいて、バス30の運行状況を管理する。
【0040】
職員端末50は、携帯電話機やタブレットコンピュータ等の携帯可能な情報処理装置である。職員端末50は、保育施設20に勤める各々の職員が所持する。職員端末50には、園児見守りシステム1による見守り機能を実行するための、職員端末50用のアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0041】
職員端末50は、基地局等のアクセスポイントを介して、園児管理サーバ11および運行管理サーバ12と通信可能である。職員端末50は、車両タグリーダ31から受信した園児特定情報を、公衆通信網40を介して園児管理サーバ11に送信する。職員端末50は、後述の確定処理が行われるまでの間、新たな園児特定情報を車両タグリーダ31から受信したことに応じて、この園児特定情報を園児管理サーバ11に送信する。園児管理サーバ11は、職員端末50から受信した園児特定情報を、施設端末21に随時送信する。
【0042】
なお、園児管理サーバ11、運行管理サーバ12および施設端末21は、公衆通信網40を介して、園児の保護者が所持する携帯端末(保護者端末60)とも通信可能である。保護者端末60は、職員端末50と同様、携帯電話機やタブレットコンピュータ等の携帯可能な情報処理装置である。保護者端末60が、据え置き型の情報処理装置であってもよい。
【0043】
保護者は、自身の保護者端末60から、自身の子供である園児に関する登下園の情報を、園児管理サーバ11を介して、施設端末21に登録する。この情報には、園児が登下園時にバス30を利用するか否か、利用するバスの情報、乗車および下車するバス停、今後の各曜日の園児の出欠予定、各曜日におけるバス30の利用の有無等の情報を含む。
【0044】
運行管理サーバ12は、バス30の運行状況に関する情報を、当該バス30に乗車している園児の保護者が所有する保護者端末60に送信する。保護者は、自身の保護者端末60を介してこの情報を参照することで、自身の子供が保育施設20に無事に到着したか否かを確認できる。
【0045】
図2は、園児管理サーバ11、施設端末21および職員端末50の構成を示すブロック図である。
【0046】
園児管理サーバ11は、クラウドサーバの構成として、制御部101と、記憶部102と、通信部103とを有する。制御部101は、CPU等の演算処理回路を備え、記憶部102に記憶されたプログラムに従って各部を構成する。記憶部102は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶媒体を備える。記憶部102には、園児見守りシステム1の機能を実行するための園児管理サーバ11用のアプリケーションプログラムが記憶される。記憶部102は、制御部101がプログラムを実行する際のワーク領域としても用いられる。通信部103は、公衆通信網40を介した通信を実行するための通信モジュールである。
【0047】
施設端末21は、制御部111と、記憶部112と、表示部113と、入力部114と、通信部115とを有する。制御部111は、CPU等の演算処理回路を備え、記憶部112に記憶されたプログラムに従って各部を構成する。記憶部112は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶媒体を備え、制御部111により実行されるプログラムを記憶する。記憶部112には、園児見守りシステム1の機能を実行するための施設端末21用のアプリケーションプログラムおよび情報が記憶される。記憶部112は、制御部111がプログラムを実行する際のワーク領域としても用いられる。
【0048】
後述のように、施設端末21の記憶部112には、当該保育施設20の園児に関する情報が記憶される。また、記憶部112には、当該保育施設20が管理する全ての職員端末50および保護者端末60と通信を行うための情報が記憶されている。
【0049】
表示部113は、液晶ディスプレイ等の表示手段を有し、制御部111からの制御により各種情報を表示させる。入力部114は、マウス、キーボード等の入力手段を有し、使用者による情報入力に用いられる。通信部115は、公衆通信網40を介した通信や、図1のスピーカ23に対する通信を行う。
【0050】
職員端末50は、制御部121と、記憶部122と、表示入力部123と、近距離通信部124と、通信部125とを有する。保護者端末60も、職員端末50と同様の構成である。ここでは、職員端末50として、タッチパネル方式の携帯電話機が想定されている。
【0051】
制御部121は、CPU等の演算処理回路を備え、記憶部122に記憶されたプログラムに従って各部を構成する。記憶部122は、ROM、RAM等の記憶媒体を備え、制御部121により実行されるプログラムを記憶する。記憶部122には、園児見守りシステム1の機能を実行するための職員端末50用のアプリケーションプログラムおよび情報が記憶される。記憶部112は、制御部111がプログラムを実行する際のワーク領域としても用いられる。
【0052】
後述のように、記憶部122には、バス30に乗車した園児に関する情報が記憶される。この情報は、当該職員端末50を所持する職員が、バス30において、当該バス30に乗車した園児に対する点呼等を行うために用いられる。
【0053】
表示入力部123は、液晶パネルに透明なタッチセンサが配置されて構成され、制御部121からの制御により各種情報を表示させ、使用者からの情報入力を受け付ける。近距離通信部124は、上述の車両タグリーダ31との間で近距離無線通信を行う。通信部115は、公衆通信網40を介した通信を行う。
【0054】
図3および図4は、施設端末21の記憶部112に記憶される情報(データベース)の構成を示す図である。
【0055】
図3に示すように、施設端末21の記憶部112には、園児管理情報と登園予定情報が記憶される。
【0056】
園児管理情報は、各園児の書誌情報からなっている。園児管理情報は、「クラス」、「園児名」、「タグID」、「バスID」、「バス名」、「バス停」および「連絡先」の各項目を、園児ごとに対応付けて構成される。
【0057】
「クラス」は、当該保育施設において各園児が所属するクラス(さくら組、バラ組、等)である。「園児名」は、各園児の氏名である。「タグID」は、各園児に配布されたタグ2aの識別情報である。「バスID」は、各園児が乗車するバスの識別情報であり、「バス名」はそのバスの名称である。「バス停」は、各園児が登下園時に通常利用するバス停(地点)を示す情報である。「連絡先」は、各園児の保護者の連絡先を示す情報である。「連絡先」には、保護者端末60の電話番号や電子メールアドレス等の情報が含まれる。
【0058】
園児管理情報は、各園児の入園時に、施設端末21を介して登録される。その後、園児の状況が変化したときや、園児が進級した際に、園児管理情報が更新される。
【0059】
登園予定情報は、現在以降の各日における各園児の登園予定を示す情報である。便宜上、図3には、3月31日の1日分の登園予定情報が示されている。施設端末21には、園児管理サーバ11を介して、現在以降の各日に対する登園予定情報が記憶される。
【0060】
登園予定情報は、「欠席」、「バス登園」、および「直接登園」の各項目を、園児ごとに対応付けて構成される。「欠席」は、その日に園児が保育施設20を欠席することを示すフラグ情報である。「バス登園」は、その日に園児がバス30を用いて保育施設20に登園することを示すフラグ情報である。「直接登園」は、その日に園児がバス30を用いずに直接保育施設20に登園することを示すフラグ情報である。図3では、これらのフラグ情報が登録されていることが丸印で示されている。
【0061】
登園予定情報は、各園児の保護者が、自身の保護者端末60を用いて、施設端末21に登録する。この登録は、園児管理サーバ11を介して行われる。保護者は、該当する日において、保育施設20が登園の受け入れを終了する時刻までに、その日の登園予定情報を登録する。図3の例では、上から5行目の園児には、未だ、登園予定情報が登録されていない。
【0062】
図4に示すように、施設端末21の記憶部112には、さらに、乗車管理情報と登園確認情報が記憶される。後述のように、これらの情報も、園児管理サーバ11を介して、施設端末21に送信され、記憶される。
【0063】
乗車管理情報および登園確認情報は、登園当日における各園児の登園状況を示す情報である。このうち、乗車管理情報は、各園児のバス30の乗車状況を示す情報であり、登園確認情報は、各園児が保育施設20に登園したことを確認するための情報である。乗車管理情報および登園確認情報は、その日の登園前に、施設端末21において、全ての園児に対するリストが保育施設20ごとに生成される。このリストに対し、後述の処理により、各園児の実際の乗車状況が反映される。
【0064】
乗車管理情報は、「タグID」、「乗車バスID」、「タグ検知」、「検知時刻」、「点呼」および「確定」の各項目を、園児ごとに対応付けて構成される。「タグID」は、図3の「タグID」と同様である。「乗車バスID」は、園児が実際に乗車したバス30の識別情報(バスID)である。「タグ検知」は、車両タグリーダ31が園児のタグ2aを検知したことを示す情報である。「検知時刻」は、車両タグリーダ31が園児のタグ2aを検知した時刻である。
【0065】
「点呼」は、園児に対して点呼が行われたことを示す情報である。後述のように、点呼は、車両タグリーダ31がタグ2aを検知した園児を、点呼画面により、バス30に同乗する職員が確認することによって行われる。職員は、点呼画面においてバス30に乗車すると表示された園児が実際にはバス30に乗車していなかった場合、自身の職員端末50を操作することによって、この園児を未乗車に修正する。また、職員は、点呼画面においてバス30に乗車していない(未乗車)と表示された園児が実際にはバス30に乗車していた場合、自身の職員端末50を操作することによって、この園児を乗車中に修正する。
【0066】
「点呼」の項目には、このような修正が反映される。このような修正がなされなかった園児は、「タグ検知」の項目のフラグ(丸印)と同様のフラグが「点呼」の項目に保持される。
【0067】
図4の例では、上から2行目の園児について、タグ2aが検知されたために「タグ検知」の項目に丸印が付されている。しかし、この園児は実際にはバス30に乗車していなかったため、職員は、点呼画面への操作によりこの園児を未乗車に修正し、これにより「点呼」の項目が空欄となっている。また、上から6行目の園児について、タグ2aが検知されなかったために「タグ検知」の項目が空欄となっている。しかし、この園児は実際にはバス30に乗車していたため、職員は、点呼画面への操作によりこの園児を乗車に修正し、これにより「点呼」の項目にフラグ(丸印)が保持されている。
【0068】
このような状況は、たとえば、保育施設20に通園する兄弟のうち、弟が兄のタグ2aを所持してバス30に乗車し、兄はその日に欠席したような場合に起こり得る。この他、園児が自身のタグ2aを所持し忘れてバス30に乗車したような場合も、点呼画面に対する職員の操作により、この園児が乗車に修正され、「点呼」の項目にフラグが保持される。
【0069】
「確定」は、バス30に乗車している園児の点呼が確定したことを示す情報である。後述のように、この確定は、バス30に同乗した職員が、自身の職員端末50に表示される確定画面を確認および操作することによって行われる。対応するバス30(乗車バスID)に園児が乗車していた場合、その園児の「確定」の項目にそのことを示すフラグ(図4では丸印)が保持される。対応するバス30(乗車バスID)に乗車する筈であった園児、すなわち、図3の登園予定情報において「バス登園」の項目にフラグが付されていた園児が、そのバス30に最後まで乗車しなかった場合、その園児の「確定」の項目には、そのことを示すフラグ(図4ではバツ印)が保持される。
【0070】
登園管理情報は、「登園検知」、「検知時刻」、「未登園」および「行方不明」の各項目を、乗車管理情報の「タグID」に対応付けて構成される。「登園検知」は、施設タグリーダ22が園児のタグ2aを検知したことを示す情報である。「検知時刻」は、施設タグリーダ22が園児のタグ2aを検知した時刻である。
【0071】
「未登園」は、バス30が保育施設20に到着した後、第1時間内に、当該バス30に乗車していた園児のタグ2aを検知できなかったことを示す情報(フラグ)である。「行方不明」は、バス30が保育施設20に到着した後、第1時間より長い第2時間内に、さらに、当該バス30に乗車していた園児のタグ2aを検知できなかったことを示す情報(フラグ)である。図4の例では、これらの検知ができなかったことが、丸印で示されている。登園確認情報の設定処理については、追って、図15図17を参照して説明する。
【0072】
<車内タグ検知>
図5(a)は、職員端末50により行われるタグ検知処理を示すフローチャートである。
【0073】
図5(a)の処理に先立ち、バス30に乗車する職員(同乗職員)は、自身が所持する職員端末50を操作して、当該職員端末50と車両タグリーダ31との間に近距離無線通信を確立させる。これにより、車両タグリーダ31によってタグ2aから読み取られた情報(園児特定情報)が、随時、車両タグリーダ31から職員端末50に送信される。この情報には、当該タグ2aのタグIDが含まれている。
【0074】
また、同乗職員は、自身が所持する職員端末50を操作して、自身が乗車するバス30を選択する。これにより、職員端末50が、園児管理サーバ11を介して、当該バス30のバスIDに関連付けられている園児管理情報および登園予定情報(図3参照)を、施設端末21から取得する。この処理については、追って、図6(a)を参照して説明する。
【0075】
職員端末50の制御部121は、園児管理サーバ11から取得したこれらの情報を、バスIDとともに、記憶部122に記憶させる。そして、制御部121は、取得したこれらの情報に基づいて、図6(a)の点呼画面200を生成し、生成した点呼画面を表示入力部123に表示させる。図5(a)の処理は、このように点呼画面200が職員端末50に表示された状態で行われる。
【0076】
園児がバス30に乗車すると、園児が所持するタグ2aが、車両タグリーダ31によって自動で読み取られる。車両タグリーダ31は、読み取った情報を、近距離無線通信により職員端末50に送信する。職員端末50の制御部121は、この情報の取得により、タグ2aが検知されたと判定する。
【0077】
図5(a)を参照して、制御部121は、タグ2aを検知すると(S101:YES)、このタグ2aが既に検知済みであるか否かを判定する(S102)。具体的には、制御部121は、ステップS104で記憶したタグIDの何れかに、今回取得したタグIDが一致する場合に、ステップS102の判定をYESとし、両者が一致しない場合は、ステップS102の判定をNOとする。
【0078】
ステップS102の判定がYESの場合、制御部121は、図5(a)の処理を終了する。この場合、制御部121は、処理をステップS101に戻して、次のタグ検知を待つ。
【0079】
ステップS102の判定がYESの場合、すなわち、今回新たなタグ2aを検知した場合、制御部121は、車両タグリーダ31から受信したタグIDを含む園児特定情報とタグ2aの検知時刻を、当該バス30のバスIDとともに、園児管理サーバ11に送信する(S103)。送信されたこれらの情報は、園児管理サーバ11を介して、施設端末21に送信される。
【0080】
ここで、検知時刻は、制御部121が、当該タグ2aに関する情報を車両タグリーダ31から受信したタイミングにおいて、自身の時計機能により計時された時刻が用いられ得る。あるいは、車両タグリーダ31が、タグ2aから情報を取得した時刻を職員端末50に送信し、この時刻が検知時刻として用いられてもよい。
【0081】
施設端末21の制御部111は、ステップS103により送信された情報を、園児管理サーバ11を介して受信すると、受信した情報を、図4の登園管理情報として、記憶部112に記憶させる。すなわち、制御部111は、これらの情報を受信すると、図3の園児管理情報において、受信したタグIDに対応付けられている「タグ検知」の項目にフラグを設定し、この園児の「検知時刻」に上述の検知時刻を保持させる。さらに、制御部111は、受信した情報中のバスIDを、この園児(タグID)の「乗車バスID」の項目に保持させる。
【0082】
また、制御部111は、この園児の「点呼」の項目に、バス30に乗車したことを示すフラグを設定する。後述のように、このフラグは、その後の職員による点呼操作によって、適宜、修正され得る。この点呼操作により乗車が確認された園児については、その情報が職員端末50より園児管理サーバ11に転送された後に、園児管理サーバ11から園児の保護者の保護者端末60に乗車確認情報が送信される。
【0083】
図5(a)に戻って、職員端末50の制御部121は、車両タグリーダ31から受信した園児特定情報を、自身の記憶部122に記憶させる(S104)。そして、制御部121は、今回受信した園児特定情報に基づいて、図6(a)の点呼画面200を更新する(S105)。こうして、制御部121は、今回の処理を終了する。その後、制御部121は、処理をステップS101に戻して、次のタグ検知を待つ。
【0084】
<点呼処理>
図6(a)は、点呼処理に用いられる点呼画面200の構成を示す図である。
【0085】
点呼画面200は、5つの領域201~207に区分されている。領域201は、現在の日時を表示するための領域である。領域201の右側の項目には、運航当日の現在時刻が曜日とともに表示される。
【0086】
領域202は、職員が乗車するバス30を選択するための領域である。職員が、領域202の右側の項目にタッチすると、選択可能なバス30の種類が表示される。選択可能なバス30は、職員端末50が園児管理サーバ11(図1参照)を介して、自身の保育施設20に対応付けられているバス30のバス名およびバスIDを施設端末21から取得することにより特定される。職員は、表示された選択候補から、自身が乗車するバス30を選択する。
【0087】
この選択に応じて、職員端末50の制御部121は、園児管理サーバ11を介して、職員により選択されたバス30のバスIDに関連付けられている園児管理情報および登園予定情報(図3参照)を、施設端末21から取得する。制御部121は、取得した情報に基づいて、領域205、207の内容を更新する。図6(a)では、「あおバス」に関連付けられている園児の園児管理情報および登園予定情報から、領域205、207の各項目の内容が設定される。
【0088】
領域203には、後述の確定処理を行う場所が表示される。ここでは、確定処理がバス内で行われることが表示されている。領域204は、領域207に表示される各園児の項目の並び順を変更するための領域である。職員が、領域204の右側の項目にタッチすると、選択可能な並び順の候補が表示される。並び順の候補として、図6(a)に示されている乗車時間の昇順の他に、園児氏名の50音順や、園児のクラス順、年齢等が含まれる。
【0089】
領域205は、当該バス30に対する園児の乗車に関する情報を表示するための領域である。領域205の各項目には、上記のように、施設端末21から取得された、当該バス30のバスIDに関連付けられている園児管理情報および登園予定情報に対応する内容が反映される。
【0090】
「乗車予定」の項目には、当該バス30のバスIDに対応付けられている園児のうち、図3の登園予定情報において「バス登園」の項目にフラグが付されている園児、すなわち、バス登園が申請されている園児の総数が表示される。「未乗車」の項目には、当該バス30のバスIDに対応付けられている園児のうち、図3の登園予定情報において「欠席」の項目にフラグが付されていないが、未だ当該バス30への乗車が確認されていない園児の総数が表示される。
【0091】
「乗車中」の項目には、当該バス30への乗車が確認されている園児の総数が表示される。「欠席」の項目には、当該バス30のバスIDに対応付けられている園児のうち、図3の登園予定情報において「欠席」の項目にフラグが付されている園児の総数が表示される。「合計」の項目には、「未乗車」、「乗車中」、「欠席」の各項目に表示される数の合計が表示される。
【0092】
「乗車予定」、「未乗車」、「乗車中」、「欠席」および「合計」の項目は、互いに異なる背景色が付されている。図6(a)では、このことが異なるハッチングで示されている。たとえば、「乗車予定」、「未乗車」、「乗車中」、「欠席」および「合計」の項目は、それぞれ、グリーン、グレー、オレンジ、ブルーおよびピンクの背景色が付される。
【0093】
領域206は、点呼の方法を個別点呼から一括点呼に切り替えるための領域である。一括点呼については、追って、図8(a)~図9(b)を参照して説明する。
【0094】
領域207は、園児ごとに個別に点呼を行うための領域である。領域207には、当該バス30のバスIDに対応付けられている園児にそれぞれ対応付けられたボタン群が表示される。各ボタンには、対応する園児の名前が標記される。また、各ボタンには、対応する園児が、図3の登園予定情報においてバス30に乗車する予定となっている場合、すなわち「バス登園」の項目にフラグが保持されている場合に、そのことを示す「乗車予定」の表示が含まれる。領域207には、この領域にボタンを表示しきれない場合に、ボタンを上下に遷移させるためのスクロールバー207aが配置されている。
【0095】
領域207の各ボタンには、対応する園児の状況に応じて、領域205の各項目と同様の背景色が付される。すなわち、各ボタン中の「乗車予定」の表示には、領域205の「乗車予定」の項目と同様の背景色が付される。また、図3の登園予定情報において欠席申請がなされている園児に対応するボタンには、領域205の「欠席」の項目と同様の背景色が付される。同様に、未乗車の園児に対応するボタンと、乗車中の園児に対応するボタンには、それぞれ、領域205の「未乗車」および「乗車中」の項目と同様の背景色が付される。
【0096】
なお、図5(a)の処理によりタグ2aが検知されると、そのタグ2aを所持する園児(すなわち、図3の園児管理情報においてそのタグ2aのタグIDに対応付けられている園児)は乗車中に設定される。これにより、その園児に対応付けられているボタンの背景色が、「未乗車」に対応する色から「乗車中」に対応する色に切り替えられる。
【0097】
また、タグ検知がなされた時刻(検知時刻)から所定時間(たとえば数分)は、「乗車中」に対応する背景色が通常より濃く表示される等、その園児のボタンが強調表示される。図6(a)では、「Fくん」のボタンが強調表示されている。これにより、同乗職員は、その園児(ここでは、Fくん)が、直近のバス停で乗車した園児であることを把握できる。
【0098】
同乗職員は、たとえば、バス停で園児を迎え入れてから次のバス停へとバス30が到着するまでの間に、領域207に表示された各ボタンを操作して点呼を行う。すなわち、領域207の何れかのボタンに対応付けられている園児の乗車/未乗車の状況が、そのボタンの背景色に対応する状況と異なる場合、同乗職員は、これを修正するための操作を行う。
【0099】
たとえば、図6(a)の点呼画面200では、領域207の「Cくん」のボタンの背景色が未乗車の色となっている。しかし、同乗職員の目視確認により、実際にはCくんがバス30に乗車していた場合、同乗職員は、この齟齬を是正するために、「Cくん」のボタンにタッチする。これにより、図6(b)の子画面210が、点呼画面200に重ねて表示される。
【0100】
子画面210には、未乗車と乗車中の何れかを選択するためのボタン211、212と、当該園児の属性を示す領域213とが含まれている。上記のような場合、同乗職員は、乗車中を示すボタン212を選択した後、子画面210を閉じるためのボタン214を操作する。これにより、「Cくん」の状況が乗車中に変更され、これに応じて、図6(a)の「Cくん」のボタンの背景色が「乗車中」に対応する色に変更される。また、領域205の「未乗車」および「乗車中」の数が修正される。
【0101】
また、図7(a)に示すように、「Fくん」のボタンがタッチされると、図7(b)に示す子画面210が表示される。同乗職員が、この子画面210において、未乗車を示すボタン211を選択した後、子画面210を閉じるためのボタン214を操作すると、「Fくん」の状況が未乗車に変更され、これに応じて、図7(a)の「Fくん」のボタンの背景色が「未乗車」に対応する色に変更される。また、領域205の「未乗車」および「乗車中」の数が修正される。
【0102】
次に、複数の園児に対して乗車/未乗車の状況を一括して変更する一括点呼の操作について説明する。
【0103】
一括点呼を行う場合、同乗職員は、図8(a)の点呼画面200において、領域206中のボタン206aにタッチする。これにより、点呼画面200が図8(b)のように切り替わる。ボタン206aには、一括点呼中であることを示すために、所定の背景色が付される。また、領域206には、項目206bと、ボタン206cとが表示される。さらに、領域207の各々の選択ボタンにチェックボックス207bが付与される。同乗職員は、乗車/未乗車の状況を一括して変更しようとする複数の園児に対応するボタンにタッチする。
【0104】
これにより、図9(a)に示すように、これらボタンのチェックボックス207bに、選択されたことを示すチェックマークが付される。ここでは、「Aくん」、「Bくん」および「Cくん」のボタンが選択されている。これにより、項目206bに、3つのボタンが選択されたことを示す表示(選択件数3件)が表示される。
【0105】
なお、この選択は、乗車中に設定されているボタン群、および、未乗車または欠席に設定されているボタン群の何れか一方のみを対象に行い得る。すなわち、乗車中のボタンと未乗車のボタンを同時に選択できず、また、乗車中のボタンと欠席のボタンを同時に選択することもできない。一度選択したボタンが再度タッチされると、そのボタンに対する選択が解除される。
【0106】
その後、同乗職員は、ボタン206cにタッチする。これにより、図9(b)に示すように、一括点呼のための子画面220が、点呼画面200に重ねて表示される。 子画面220には、未乗車と乗車中の何れかを選択するためのボタン221、222と、選択された園児の属性を示す属性リスト223とが含まれている。同乗職員は、属性リスト223を参照して、変更対象の園児を確認した後、これらの園児を一括して乗車中に変更するためにボタン222を選択し、さらに、子画面220を閉じるためのボタン224を操作する。これにより、これら園児の状況が乗車中に変更され、これに応じて、図8(a)の「Aくん」、「Bくん」、「Cくん」のボタンの背景色が「乗車中」に対応する色に変更され、領域205の「未乗車」および「乗車中」の数が修正される。これにより、一括変更が完了する。
【0107】
なお、図9(b)の子画面において、選択対象の園児の状況が変更されることなくボタン224が操作されると、図8(a)と同じ内容の点呼画面200に戻る。すなわち、この場合は、一括変更がキャンセルされた状態となる。この点は、図6(b)および図7(b)の子画面210において、選択対象の園児の状況が変更されずにボタン214が操作された場合も同様である。
【0108】
図5(b)は、職員端末50により行われる点呼処理を示すフローチャートである。
【0109】
職員端末50の制御部121は、図6(a)の点呼画面200に対して点呼の操作がなされたか否かを判定する(S111)。ここで、点呼の操作は、図6(a)~図7(b)を参照して説明した個別点呼の操作、または、図8(a)~図9(b)を参照して説明した一括点呼の操作の何れかである。
【0110】
点呼の操作がなされた場合(S111:YES)、制御部121は、点呼の操作が終了したか否か、すなわち、図6(b)のボタン214または図9(b)のボタン224が操作されたか否かを判定する(S112)。点呼の操作が終了した場合(S112:YES)、制御部121は、今回の操作によって、選択対象の園児の状況(乗車中/未乗車)が修正されたか否かを判定する(S113)。
【0111】
この修正がなされなかった場合(S113:NO)、制御部121は、処理を終了する。他方、この修正がなされた場合(S113:YES)、制御部121は、選択対象の園児のタグIDとその修正情報(乗車中/未乗車)を、当該バス30のバスIDとともに、園児管理サーバ11に送信する(S114)。園児管理サーバ11は、受信したこれらの情報を、施設端末21に送信する。さらに、制御部121は、この修正に応じて、上記のように、点呼画面200を更新する(S115)。これにより、制御部121は、処理を終了する。
【0112】
施設端末21の制御部111は、ステップS114で送信された情報を、園児管理サーバ11を介して受信すると、受信したタグIDに対応する乗車管理情報(図4)を、受信した修正情報に応じて修正する。すなわち、修正情報が、当該タグIDについて「乗車中」を「未乗車」に修正するものである場合、制御部101は、図4における当該タグIDの「点呼」の項目からフラグを消去する。また、修正情報が、当該タグIDについて「未乗車」を「乗車中」に修正するものである場合、制御部101は、図4における当該タグIDの「点呼」の項目にフラグを設定する。
【0113】
こうして、同乗職員が点呼画面200に操作を行うごとに、図4の乗車管理情報が修正され、図6(a)の点呼画面200が更新される。このような処理は、同乗職員が、点呼を確定させるための確定処理を行うまでの間、点呼の操作に応じて繰り返し実行される。
【0114】
<確定処理>
図10は、点呼を確定させるための確定処理を示すフローチャートである。
【0115】
この処理では、主として、図3の管理情報において該当するバス30に関連付けられている園児のうち、未だ「乗車中」および「未乗車」が設定されていない園児について、乗車の有無が、同乗職員によって確認される。同乗職員は、その確認結果に応じて、これらの園児に「乗車中」および「未乗車」の何れかを設定する。この操作は、予め設定された最終確認タイミングにおいて表示される後述の確定画面を介して行われる。
【0116】
このとき、同乗職員は、既に「乗車中」または「未乗車」が設定されている園児が、当該バス30に乗車しているか否かを再度確認し、適宜、これらの設定を修正してもよい。この修正は、上述の点呼画面200を用いて行われる。
【0117】
図10を参照して、職員端末50の制御部121は、最終確認タイミングに到達したか否かを判定する(S121)。
【0118】
最終確認タイミングは、たとえば、当該バス30の登園経路上の、最後のバス停と保育施設20との間の位置(最終確認位置)にバス30が到達したタイミングに設定される。この場合、図1の運行管理サーバ12は、当該バス30のGPS32から随時受信する当該バス30の現在位置が、最終確認位置に到達したタイミングで、そのことを示す通知を職員端末50に送信する。職員端末50の制御部121は、この通知の受信により、ステップS121の判定をYESとする。
【0119】
あるいは、職員端末50の制御部121が、自身のGPS機能により、当該バス30が最終確認位置に到達したことを検知してもよい。この場合、予め職員端末50に最終確認位置の位置情報が登録される。この登録は、上述の職員端末50用のアプリケーションプログラムにより表示される設定画面を介して、職員が行ってよい。あるいは、予め、施設端末21にバス30ごとの最終確認位置の位置情報が直接または園児管理サーバ11を介して登録され、この位置情報を職員端末50が取得して登録してもよい。この場合、図6(a)に示す点呼画面200において、同乗職員が、領域202に対してバス30を選択したことに応じて、職員端末50が園児管理サーバ11を介して施設端末21から当該バス30の最終確認位置の位置情報を取得すればよい。
【0120】
また、最終確認タイミングは、必ずしも、最終確認位置により規定されなくてもよい。たとえば、バス30が最後のバス停に到達した後、保育施設20に到達し得ない所定時間後(たとえば、数分後)のタイミングが、最終確認タイミングに設定されてもよい。この場合、たとえば、バス30が最後のバス停に到達したことが、上記の方法により検知される。そして、制御部121は、自身の時計機能により、そのタイミングから所定時間が経過したことを検知したことにより、最終確認タイミングが到来したと判定すればよい。
【0121】
職員端末50の制御部121は、最終確認タイミングが到来すると(S121:YES)、未点呼の園児が存在するか否かを判定する(S122)。すなわち、制御部121は、図3の管理情報において当該バス30(バスID)に関連付けられている園児のうち、「欠席」以外の園児で、未だ「乗車中」および「未乗車」が設定されていない園児(未点呼の園児)が存在するか否かを判定する。
【0122】
未点呼の園児が存在しない場合(S122:NO)、制御部121は、確定ボタンを含む確定画面を、点呼画面200に重ねて表示させる(S123)。他方、未点呼の園児が存在する場合(S122:YES)、制御部121は、未点呼の園児のリストを含む確定画面を、点呼画面200に重ねて表示させる(S126)。
【0123】
図11(b)は、図10のステップS126で表示される、未点呼の園児が存在する場合の確定画面230を示す図である。図11(a)には、最終確認タイミングが到来する直前の点呼画面200が示されている。
【0124】
この場合、確定画面230は、確定ボタン231と、園児リスト232と、確定画面230を閉じるためのボタン233と、を含む。確定ボタン231は、点呼を確定させるためのボタンである。園児リスト232は、未点呼の園児のリストである。園児リスト232は、園児ごとに領域が設定されている。各園児の領域には、その園児の属性(クラス、氏名)を示す表示と、その園児を「未乗車」または「乗車中」の何れかに設定するためのボタン232a、232bとが含まれている。
【0125】
同乗職員は、園児リスト232に表示された各園児が、当該バス30に乗車しているか否かを確認し、その確認結果に応じて、園児ごとにボタン232a、232bの何れかを操作する。すなわち、その園児がバス30に乗車していなければボタン232aを操作し、その園児がバス30に乗車していればボタン232bを操作する。同乗職員は、操作を間違った場合、再度、他方を操作することで、この誤りを訂正できる。
【0126】
同乗職員は、図12(a)に示すように、全ての未点呼園児に対して「未乗車」または「乗車中」を選択した後、確定ボタン231を操作する。これにより、点呼が確定される。これに応じて、確定画面230が閉じられ、図12(b)に示すように、点呼画面200の領域206に、点呼が確定したことを示す項目206dが表示される。また、領域205中の対応する項目内の数字に、確定画面230による修正結果が反映される。
【0127】
図13は、図10のステップS123で表示される、未点呼の園児が存在しない場合の確定画面230を示す図である。
【0128】
この場合、確定画面230は、未点呼の園児はいなかったことを報知するためのメッセージ234と、確定ボタン235とを含んでいる。同乗職員は、メッセージ234を参照した後、確定ボタン235を操作する。これにより、確定画面230が閉じられ、図12(b)と同様、点呼画面200の領域206に、点呼が確定したことを示す項目206dが表示される。
【0129】
なお、同乗職員は、図11(b)または図13の確定画面230が表示されたときに、再度、バス30に対する園児の乗車状況を確認したい場合もある。この場合、同乗職員は、これらの確定画面230に含まれているボタン233を操作する。これにより、確定画面230が閉じられて、点呼画面200に対する操作が可能となる。この場合、点呼画面200の領域206には、確定画面230を再度表示させるための再表示ボタンが含まれる。同乗職員は、上記と同様の点呼操作により、適宜、各園児の乗車状況を修正し、その後、確定画面230を表示させるための再表示ボタンを操作する。これにより、再度、図11(b)または図13の確定画面230が表示される。
【0130】
図10に戻って、職員端末50の制御部121は、図13の確定画面230において確定ボタン235が操作されると(S124:YES)、最終確定情報をバスIDとともに園児管理サーバ11に送信する(S125)。このとき、制御部121は、確定画面230を閉じて、図12(b)と同様の点呼画面200を表示させる。これにより、制御部121は、処理を終了する。ステップS125で送信された最終確定情報は、園児管理サーバ11から施設端末21に転送される。
【0131】
また、制御部121は、ステップS126において図11(b)の確定画面230を表示させた場合は、この確定画面230において、園児リスト232中の全ての園児に対する点呼(未乗車/乗車中)がなれたか否かを判定する(S127)。制御部121は、ステップS127の判定がYESとなるまで、確定画面230中の確定ボタン231を無効化状態(操作できない状態)に維持する。そして、園児リスト232中の全ての園児に対する点呼(未乗車/乗車中)がなれさると(S127:YES)、制御部121は、確定ボタン231を有効化し(S128)、確定ボタン231が操作されるのを待つ(S129)。
【0132】
その後、確定ボタン231が操作されると(S129:YES)、制御部121は、最終確定情報をバスIDとともに園児管理サーバ11に送信する(S125)。このとき、制御部121は、確定画面230を閉じて、図12(b)と同様の点呼画面200を表示させる。これにより、制御部121は、処理を終了する。この場合も、ステップS125で送信された最終確定情報は、園児管理サーバ11から施設端末21に転送される。
【0133】
ここで、最終確定情報は、最終確定時に職員端末50が乗車状況を管理する各園児の乗車状況(未乗車/乗車中)を示す情報を含んでいる。施設端末21の制御部111は、最終確定情報を受信すると、図4の乗車管理情報において、各園児のタグIDに対応する「確定」の項目に、最終確定情報中の各園児の乗車状況に応じたフラグを設定する。図4では、対応する園児が「乗車中」である場合、確定の項目に丸印が設定され、対応する園児が「未乗車」である場合、確定の項目にバツ印が設定されている。
【0134】
施設端末21の制御部111は、こうして、乗車管理情報に対する確定処理を行った後、確定処理を行った園児のタグIDに紐付けられている乗車管理情報および登園管理情報を用いて、後述のように、当該バス30に乗車していた園児に対する登園確認処理を実行する。
【0135】
なお、同乗職員が、最終確認タイミングにおいて自身の職員端末50に確定画面230が表示されたことに気づかないことも起こり得る。このような場合、職員端末50の制御部121は、同乗職員に確定操作を促すための報知処理を実行する。
【0136】
図14は、同乗職員に確定操作を促すための報知処理を示すフローチャートである。
【0137】
職員端末50の制御部121は、図10のステップS123またはステップS126において確定画面230を表示させると(S131:YES)、その後、時間T1が経過したか否かを判定する(S132)。
【0138】
時間T1が経過するまでに(S132:NO)、確定画面230に対して確定操作がなされると(S134:YES)、制御部121は、処理を終了する。他方、確定画面230に対して確定操作がなされることなく(S134:NO)、時間T1が経過すると(S132:YES)、制御部121は、同乗職員に確定操作を促すための報知処理を実行する(S133)。たとえば、制御部121は、当該職員端末50のスピーカから、操作を促すためのチャイム音やメッセージ音声を出力させる。これにより、同乗職員は、確定画面230に対する操作が必要であることに気づくことができる。
【0139】
<登園確認処理>
次に、バス30が保育施設20に到着した後、当該バス30に乗車していた園児が保育施設20に登園したことを確認するための処理について説明する。
【0140】
図15は、バス30ごとに園児の登園確認を開始するための処理を示すフローチャートである。
【0141】
バス30が保育施設20に到着すると、バス30から降車した園児が保育施設20の出入口を通るたびに、施設タグリーダ22が園児のタグ2aから園児特定情報を読み取って施設端末21に送信する。この情報には、タグ2aの識別情報であるタグIDが含まれている。施設端末21の制御部111は、施設タグリーダ22から園児特定情報(タグID)を受信するごとに、図15の処理を繰り返し実行する。
【0142】
施設端末21の制御部111は、施設タグリーダ22からタグIDを受信すると(S141:YES)、受信したタグIDに対応する乗車バスIDを特定する(S142)。ステップS142において、制御部111は、受信したタグIDと、乗車管理情報(図4)とを照合し、当該タグIDに対応付けられている乗車バスIDを特定する。
【0143】
制御部111は、こうして特定した乗車バスIDが、その日に新たに特定したものであるか否かを判定する(S143)。すなわち、制御部111は、現在時刻から所定時間(たとえば数分)前までに期間においてその乗車バスIDを特定しておらず、今回新たにこの乗車バスIDを特定した場合に、ステップS143の判定をYESとし、その期間において既にその乗車バスIDを特定していた場合は、ステップS143の判定をNOとする。
【0144】
ステップS143の判定がNOの場合、制御部111は、今回の処理を終了する。他方、ステップS143の判定がYESの場合、制御部111は、乗車管理情報において、今回特定した乗車バスIDと同じ乗車バスIDに対応付けられている園児のタグIDのグループに対して、登園確認処理を実行する(S144)。
【0145】
図16は、登園確認処理を示すフローチャートである。
【0146】
施設端末21の制御部111は、施設タグリーダ22からタグIDを受信したか否かを判定する(S151)。なお、図15のステップS143において新たなバスIDの特定に用いられたタグIDについては、ステップS151がスキップされて、ステップS152以降の処理が行われる。
【0147】
施設タグリーダ22からタグIDを受信すると(S151:YES)、制御部111は、図4の登園確認情報において、このタグIDに対応する「登園検知」の項目に、既に登園済みのフラグが設定されているか否かを判定する(S152)。
【0148】
対応する「登園検知」の項目に登園済みのフラグが設定されている場合(S152:YES)、制御部111は、処理をステップS155に進める。他方、対応する「登園検知」の項目に登園済みのフラグが設定されていない場合(S152:YES)、制御部111は、受信したタグIDに対応する「登園検知」の項目に、登園済みのフラグを設定する(S153)。
【0149】
ステップS151の判定に並行して、制御部111は、入力部114を介して、所定の園児に対する登園確認の入力が行われたか否かを判定する(S154)。上記のように、バス30には、タグ2aを所持していない園児が乗車する場合が生じ得る。このような場合、当該バス30に乗車した職員は、バス30に乗車していた園児を保育施設20内に送り入れた後、施設端末21に対して直接、当該園児が登園したことの入力を、所定の入力画面を介して行う。
【0150】
こうして、手入力がなされた場合も(S154:YES)、制御部111は、手入力された園児に対応する「登園検知」の項目に、登園済みのフラグを設定する(S153)。なお、この場合、図17のステップS166と同様、さらに、承認者による承認が必要とされてもよい。
【0151】
施設端末21の制御部111は、図15のステップS143の判定をYESとした時刻(到着推定時刻)から第1時間T11(たとえば10分程度)が経過したか否かを判定する(S155)。第1時間T1が経過していなければ(S155:NO)、制御部111は、処理をステップS151に戻して、同様の処理を繰り返し実行する。
【0152】
その後、第1時間T11が経過すると(S155:YES)、制御部111は、図15のステップS144においてグループ化したタグIDのうち、図4の乗車管理情報において「確定」の項目に「乗車中」のフラグが設定されているが、登園確認情報において「登園検知」の項目に登園済みのフラグが設定されていないタグIDが存在するか否かを判定する(S156)。すなわち、制御部111は、処理対象のバス30に乗っていたが、第1時間T11内に登園を確認できなかった未登園園児の有無を判定する。
【0153】
ステップS156の判定がNOである場合、制御部111は、図16の処理を終了する。他方、ステップS156の判定がYESである場合、制御部111は、乗車管理情報において「確定」の項目に「乗車中」のフラグが設定されているが、登園確認情報において「登園検知」の項目に登園済みのフラグが設定されていないタグIDを未登園園児として特定し(S157)、特定した未登園園児を、園児ごとに探索するための報知処理を実行する(S158)。
【0154】
図17は、図16のステップS158における報知処理を示すフローチャートである。
【0155】
まず、制御部111は、未登園園児が存在することを職員に報知するための未登園発信処理を実行する(S161)。
【0156】
ステップS161において、制御部111は、未登園園児が存在すること、および未登園園児の氏名およびクラス等をアナウンスする音声を、スピーカ23から出力させる。さらに、制御部111は、園児管理サーバ11を介して、当該保育施設20の全ての職員端末50に対し、このアナウンスと同様の内容のメッセージ情報をプッシュ通知等により送信する。これにより、メッセージ情報が、各々の職員端末50において表示される。こうして、施設内外の全ての職員において、未登園園児の発生とその氏名、クラス等が把握される。
【0157】
次に、制御部111は、バス30の到着推定時刻から第1時間T11より長い第2時間(たとえば15分程度)が経過するまでに(S167:NO)、未登録園児に対応するタグIDを施設タグリーダ22から受信したか否かを判定し(S162)、また、未登園園児の登園が、施設端末21に対する手入力により登録されたか否かを判定する(S165、S165)。
【0158】
手入力による登園の登録は、職員による入力(S165)とともに、その承認者による入力(S166)がなされたことによって実行される。たとえば、未登園園児がタグ2aを所持していない場合や、兄弟姉妹等の他人のタグ2aを未登園園児が所持しているような場合に、職員および承認者による手入力(S165、S166)が施設端末21に対して行われる。
【0159】
到着推定時刻から第2時間T12が経過するまでに(S167:NO)、これらの何れかの判定(S162、S166)がYESとなると、制御部111は、この未登録園児について登園が確認できたとして、未登録解消処理を実行する(S163)。この処理において、制御部111は、未登園園児の登園が確認できたこと、およびこの未登園園児の氏名、クラス等をアナウンスする音声をスピーカ23から出力させる。さらに、制御部111は、園児管理サーバ11を介して、当該保育施設20の全ての職員端末50に対し、このアナウンスに対応するメッセージ情報をプッシュ通知等により送信する。これにより、全ての職員において、この未登園園児の登園が確認できたことが把握される。
【0160】
他方、これらの何れの判定(S162、S166)もYESとなることなく、第2時間T12が経過すると(S167:YES)、制御部111は、行方不明発信処理を実行する(S168)。
【0161】
ステップS168において、制御部111は、未登園園児が行方不明であること、およびこの未登園園児の氏名およびクラス等をアナウンスする音声を、スピーカ23から出力させる。また、制御部111は、園児管理サーバ11を介して、当該保育施設20の全ての職員端末50に対し、このアナウンスと同様の内容のメッセージ情報をプッシュ通知等により送信する。これにより、各々の職員は、未登園園児がさらに行方不明となったことを把握できる。
【0162】
さらに、制御部111は、行方不明発信処理において、園児管理サーバ11を介して、当該未登園園児の保護者が所持する保護者端末60に対し、未登園園児が行方不明であることを報知するための情報を、プッシュ通知等により送信する。これにより、保護者は、未登園園児が行方不明となっていることを把握できる。
【0163】
また、制御部111は、登園確認情報(図4)において、当該園児のタグIDに対応する「行方不明」の項目にフラグを設定する。
【0164】
その後の捜索により、未登園園児が見つかると、ステップS162またはステップS165、S166と同様の処理により、未登園園児の登園が確認される。これにより、未登園園児の行方不明が解消すると(S169:YES)、制御部111は、行方不明解消処理を実行する(S170)。この処理において、制御部111は、スピーカ23から未登園園児の行方不明が解消したことのメッセージ音声を出力させ、さらに、園児管理サーバ11を介して、全職員の職員端末50および未登園園児の保護者の保護者端末60に対し、未登園園児の行方不明が解消したことの通知を送信する。
【0165】
ステップS163またはステップS170の処理を実行した後、制御部111は、未登録園児の登園を登録する処理を実行する(S164)。この処理において、制御部111は、登園確認情報において、当該未登園園児のタグIDに対応する「登園検知」の項目にフラグを設定し、「未登園」および「行方不明」の項目からフラグを消去する。こうして、制御部111は、図17の報知処理を終了する。
【0166】
<実施形態の効果>
上記実施形態によれば、以下の効果が奏される。
【0167】
図1に示したように、園児見守りシステム1は、保育施設20のバス30(送迎車両)に設置され、園児2が所持するタグ2a(記憶媒体)から園児2を特定可能な園児特定情報を読み取る車両タグリーダ31(第1読取装置)と、保育施設20に設置され、園児2が所持するタグ2a(記憶媒体)から園児特定情報を読み取る施設タグリーダ22(第2読取装置)と、車両タグリーダ31(第1読取装置)および施設タグリーダ22(第2読取装置)により読み取られた園児特定情報を受信可能に構成された施設端末21(制御部)と、を備える。ここで、施設端末21(制御部)は、図16に示したように、車両タグリーダ31(第1読取装置)により読み取られた園児特定情報と、施設タグリーダ22(第2読取装置)により読み取られた園児特定情報とに基づいて、バス30(車両)に乗ったが未登園の未登園園児を特定する(S157)。
【0168】
本実施形態に係る園児見守りシステム1によれば、車両タグリーダ31(第1読取装置)および施設タグリーダ22(第2読取装置)により読み取られた園児特定情報を照合することにより、バス30(車両)に乗ったが未登園の未登園園児が特定される。このため、車両に同乗した職員等がマニュアルで登園を確認する場合に比べて、未登園園児の特定をより確実に行うことができる。よって、送迎用のバス30に乗車した園児が保育施設20に登園したことを確実に見守ることができる。
【0169】
図16に示したように、制御部111は、保育施設20に対するバス30(車両)の到着から第1時間T11が経過したときに(S155:YES)、車両タグリーダ31(第1読取装置)からの園児特定情報に基づきバス30(車両)に乗車したと確定された乗車管理情報中の一の園児について、施設タグリーダ22(第2読取装置)からの園児特定情報に基づき登園が確認されなかったことに基づいて(S156:YES)、この一の園児を未登園園児として特定する(S157)。
【0170】
バス30が保育施設20に到着した後、一定時間内に、園児特定情報に基づき登園が確認できなかった園児は、バス30内に置き去りにされているか、降車後に保育施設20以外の場所へと移動した可能性が想定され得る。よって、上記構成によれば、このような状況にある園児を未登園園児として特定できる。
【0171】
図16に示したように、施設端末21の制御部111は、未登園園児を探索するための報知処理(S158)を実行する。これにより、未登園園児を安全に保護することができる。
【0172】
図17に示したように、施設端末21の制御部111は、報知処理として、未登園園児の発生を保育施設20の職員に報知するための未登園発信処理(S158)(第1報知処理)を実行する。
【0173】
これにより、保育施設20の職員を、未登園園児の保護のために円滑に動員できる。
【0174】
また、図17に示したように、施設端末21の制御部111は、第1時間T11より長い第2時間T12がバス30(車両)の到着から経過するまでに、未登園園児を確認したことを示す情報を取得しないこと(S162、S165、S166:NO)に基づいて、未登園園児の発生を職員とともに未登園園児の保護者に報知する行方不明発信処理(S168)(第2報知処理)を実行する。
【0175】
これにより、未登園園児が未だ確認されていないことを職員に知らせることができ、さらに、未登園園児の確認のために、当該未登園園児の保護者の協力を得ることができる。たとえば、未登園園児が不意に自宅に戻っている場合は、そのことの連絡を保護者から受けることができ、あるいは、未登園園児が訪れそうな場所を保護者から聴取することができる。
【0176】
図1に示したように、園児見守りシステム1は、バス30(車両)に同乗する保育施設20の職員が所持する職員端末50(携帯端末)と、公衆通信網40を介して職員端末50(携帯端末)と通信可能な園児管理サーバ11(管理装置)と、保育施設20に配置され公衆通信網40を介して園児管理サーバ11(管理装置)と通信可能な施設端末21(情報処理装置)と、を備える。図15図17を参照して説明したように、バス30に乗車した園児が保育施設20に登園したことを確認するための登園確認処理は、保育施設20に配置された施設20(情報処理装置)の制御部111が実行する。職員端末50(携帯端末)は、車両タグリーダ31(第1読取装置)との無線通信により車両タグリーダ31(第1読取装置)から取得した園児特定情報を園児管理サーバ11(管理装置)に送信し、園児管理サーバ11(管理装置)は、受信した園児特定情報を施設端末21(情報処理装置)に送信する。この構成によれば、車両タグリーダ31(第1読取装置)が読み取った園児特定情報が、バス30に同乗する職員の職員端末50を介して、園児管理サーバ11に送信され、さらに施設端末21に送信される。これにより、施設端末21において園児特定情報を円滑に蓄積管理できる。また、保育施設20に配置された施設端末21(情報処理装置)の制御部111によって登園確認処理が行われるため、保育施設20において、未登園園児の特定とその探索を円滑かつ迅速に行うことができる。
【0177】
図6(a)、(b)に示したように、職員端末50(携帯端末)は、車両タグリーダ31(第1読取装置)により読み取られた園児特定情報に基づき生成された乗車確認用の点呼画面200を表示させる。ここで、点呼画面200は、バス30(車両)に乗車した園児の追加および修正を子画面210により受け付け可能に構成される。職員端末50(携帯端末)は、点呼画面200に対する入力結果を園児管理サーバ11(管理装置)に送信し、園児管理サーバ11(管理装置)は、受信した点呼画面に対する入力結果を施設端末21(情報処理装置)に送信する。
【0178】
この構成によれば、バス30に実際に乗車している園児をより正確に管理できる。たとえば、バス30に乗車した園児が自身のタグ2a(記憶媒体)を所持し忘れた場合や、当該園児にタグ2a(記憶媒体)が未だ配布されていない場合、バス30に乗車する職員は、点呼画面200を介して、当該園児を乗車済みの園児に追加できる。また、園児が誤って自身の兄のタグ2a(記憶媒体)を所持し、兄の方は欠席であるような場合、車両タグリーダ31(第1読取装置)により読み取られた園児特定情報からは、恰も兄がバス30に乗車したかような設定がなされる。このような場合も、バス30に乗車する職員は、目視確認により、兄ではなく弟の方が車両に乗車したとする修正を、点呼画面200を介して行い得る。よって、バス30に実際に乗車している園児をより正確に管理できる。
【0179】
図10図13に示したように、職員端末50(携帯端末)は、予め設定された最終確認タイミングにおいて、バス30(車両)に乗車している園児を確定するための確定画面230を表示させ、確定画面230に対する入力結果を園児管理サーバ11(管理装置)に送信し、園児管理サーバ11(管理装置)は、受信した確定画面に対する入力結果を施設端末21(情報処理装置)に送信する。この構成によれば、バス30に最終的に乗車している園児を正確に確定できる。このため、施設端末21の制御部111は、上記の処理により未登園園児を正確に特定できる。
【0180】
<変更例>
上記実施形態では、点呼画面200および確定画面230の生成およびこれら画面を用いた点呼および確定の処理が、職員端末50にインストールされたアプリケーションプログラムにより実行されたが、これらの処理が、園児管理サーバ11側で行われ、職員端末50は、園児管理サーバ11側で生成された点呼画面200および確定画面230を表示してこれら画面に対する入力を受け付けるためのビューアーとして用いられてもよい。
【0181】
この場合、園児管理サーバ11の制御部101は、図6(a)の項目203においてバスが選択されると、選択されたバスIDに対応する園児管理情報および登園予定情報を、施設端末21から取得する。そして、制御部101は、取得したこれらの情報を用いて、図5(b)、図10および図14と同様の処理を実行する。
【0182】
この場合、図5(a)のステップS103および図5(b)のステップS114は省略され、代わりに、これらのステップに示された情報が園児管理サーバ11から施設端末21に送信される。
【0183】
また、図10のステップS121では、バス30が最終確認位置に到達したことが、運行管理サーバ12から園児管理サーバ11に送信される。この送信は、運行管理サーバ12から園児管理サーバ11に直接行われてもよく、あるいは、職員端末50を介して行われてもよい。また、図10のステップS125は省略され、代わりに、このステップに示された情報が園児管理サーバ11から施設端末21に送信される。
【0184】
また、上記実施形態では、図15図17の処理が、施設端末21の制御部111によって行われたが、この処理が、園児管理サーバ11の制御部101によって行われもよい。この場合、たとえば、施設端末21の制御部111は、施設タグリーダ22から受信したタグIDを順次、園児管理サーバ11に送信し、園児管理サーバ11の制御部101は、受信したタグIDを用いて、図15図17の処理を実行する。そして、園児管理サーバ11の制御部101は、図17のステップS161、S163、S168、S170における保育施設20側の報知処理を、施設端末21の制御部111に実行させる。
【0185】
また、上記実施形態では、バス30に乗車していた園児のタグ2aのうち、最初に施設タグリーダ22がタグ2aを検知したタイミングが、保育施設20に対するバス30の到着タイミングと判定されたが、バス30の到着タイミングの判定方法はこれに限られるものではない。
【0186】
たとえば、バス運行システム12の方から施設端末21がバス30の到着の通知を受ける方法や、バス30に同乗する職員がバス30の到着に応じて自身の職員端末50の到着ボタンを押すことにより、バス30の到着を施設端末21に通知する方法等により、バス30の到着が検出されてよい。あるいは、保育施設20の入口に設置されたカメラからの画像において、バス30に乗車していた園児のうち最初に園児の顔が検出されたタイミングが、バス30の到着タイミングとして検出されてもよい。バス30の到着を検出する方法は、種々の方法を用い得る。
【0187】
また、上記実施形態では、園児管理サーバ11が、施設端末21と職員端末50および保護者端末60との間の通信を仲介したが、施設端末21と職員端末50および保護者端末60とが園児管理サーバ11を介することなく情報の送受信を行ってもよい。この場合、園児管理サーバ11は省略され得る。
【0188】
また、施設端末21において管理される各種情報のデータ構造は、図3および図4に示したデータ構造に限られるものではなく、上述の点呼処理、確定処理、未登園園児の特定処理および未登園園児の報知処理を実現可能な限りにおいて、他のデータ構造であってもよい。
【0189】
また、点呼画面200およびその子画面210、220の構成や、確定画面230の構成も、上記実施形態に示した構成に限られるものではない。たとえば、図11(b)の確定画面230において、未点呼の園児が存在することを報知するためのメッセージ等が含まれてもよい。また、図8(a)~図9(b)を参照して説明した一括点呼の処理が省略されてもよい。また、図3の園児管理情報に登録されたバスIDと異なるバス30に園児が乗車した場合に、この園児の乗車を追加可能に点呼画面200が構成されてもよい。
【0190】
また、車両は、バス30に限らず、園児を送迎可能な他の種類の自動車であってもよい。また、必ずしも、1つの保育施設に複数台のバス30が存在していなくてもよく、1台のバス30のみで、園児を保育施設に送迎してもよい。
【0191】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0192】
1 園児見守りシステム
2 園児
2a タグ(記憶媒体)
11 園児管理サーバ(管理装置)
20 保育施設
21 施設端末21
22 施設タグリーダ22(第2読取装置)
30 バス(車両)
31 車両タグリーダ(第1読取装置)
50 職員端末(携帯端末)
101、111、121 制御部
図1
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