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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145961
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/16 20060101AFI20241004BHJP
   B60K 13/02 20060101ALI20241004BHJP
   F02M 35/024 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F02M35/16 J
B60K13/02 C ZHV
F02M35/024 511A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058592
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅恵
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 昇治
(72)【発明者】
【氏名】福田 喜昭
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038BA12
3D038BA16
3D038BA17
3D038BB01
3D038BC15
(57)【要約】
【課題】車両の衝突時に電力制御ユニット(PCU)の損傷が起こりにくい構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る車両は、エアクリーナと、前記エアクリーナの搭載位置に対して車両の前後方向における後方に配置された後方部材と、を備える前記車両であって、前記エアクリーナは、前記車両のボデーに対して不動に締結される箇所である締結点と、前記後方部材と前記車両の前後方向の距離が最も近くなる箇所である衝突点と、を有し、前記締結点に対して前記車両の左右方向における前記衝突点と同じ側に、他の部分に比べて剛性が低い低剛性部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアクリーナと、前記エアクリーナの搭載位置に対して車両の前後方向における後方に配置された後方部材と、を備える前記車両であって、
前記エアクリーナは、
前記車両のボデーに対して不動に締結される箇所である締結点と、
前記後方部材と前記車両の前後方向の距離が最も近くなる箇所である衝突点と、
を有し、
前記締結点に対して前記車両の左右方向における前記衝突点と同じ側に、他の部分に比べて剛性が低い低剛性部を備える
車両。
【請求項2】
前記低剛性部は、前記エアクリーナの筐体に部分的に設けられた、肉厚が薄い部分である
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記エアクリーナは、筐体に、厚さ方向に並んで立てられた数本のリブを有し、
前記低剛性部は、複数本の前記リブの間に形成され、前記リブの長手方向に交わる方向に長い溝状の形状を有する
請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記低剛性部は、前記エアクリーナの筐体の、屈曲した形状を有する部分に、設けられている
請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記低剛性部は、前記締結点からの距離が、前記締結点から前記衝突点までの距離よりも短くなる位置に、設けられている
請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記エアクリーナの前記衝突点を有する面は、車両前後方向に対して傾斜している
請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記エアクリーナは、第一ケースと、当該第一ケースと結合される第二ケースとを含んで構成され、
前記締結点は、前記第一ケースに位置し、
前記衝突点は、前記第二ケースに位置し、
前記低剛性部は、前記第一ケースの、前記第二ケースとの合わせ面の近傍に、設けられている
請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車(HVまたはHEV:Hybrid (Electric) Vehicle)や電気自動車(EV:Electric Vehicle)などの車両は、エンジンコンパートメント内に、PCU(Power Control Unit:電力制御ユニット)を備えている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
エンジンコンパートメント内は、限られた空間に多くの部材を収める都合上、余剰の空間がほぼない。このため、空間を可能な限り有効利用できるよう、各種部材の配置や形状が工夫される。
【0004】
各種部材は、ほぼ隙間なく隣り合うため、車両の衝突時にエンジンコンパートメント内の各部が移動した場合には、PCUとその周囲の部材とが衝突することがある。その際、PCUが破損(或いは損傷)すると悪影響が大きいため、衝突対象の方が破損するのが望ましい。
【0005】
しかしながら、車両の衝突時にPCUでなく衝突対象の方を破損させるには、衝突対象(例えばエアクリーナ)の強度が、PCUに比べて適切に弱くなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-082863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両の衝突時に電力制御ユニット(PCU)の損傷が起こりにくい構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車両は、エアクリーナと、前記エアクリーナの搭載位置に対して車両の前後方向における後方に配置された後方部材と、を備える前記車両であって、前記エアクリーナは、前記車両のボデーに対して不動に締結される箇所である締結点と、前記後方部材と前記車両の前後方向の距離が最も近くなる箇所である衝突点と、を有し、前記締結点に対して前記車両の左右方向における前記衝突点と同じ側に、他の部分に比べて剛性が低い低剛性部を備える。
【0009】
この構成によれば、エアクリーナが低剛性部において破断しやすくなるので、車両の衝突時にPCUの損傷が起こりにくい構造を提供することができる。
【0010】
また、本発明に係る車両において、前記低剛性部は、前記エアクリーナの筐体に部分的に設けられた、肉厚が薄い部分である。
【0011】
この構成によれば、金型の調整により容易に、低剛性部を設けることができる。
【0012】
また、本発明に係る車両において、前記エアクリーナは、筐体に、厚さ方向に並んで立てられた数本のリブを有し、前記低剛性部は、複数本の前記リブの間に形成され、前記リブの長手方向に交わる方向に長い溝状の形状を有する。
【0013】
この構成によれば、エアクリーナは、リブにより、撓みや曲げ、捩じりに対して補強されつつも、低剛性部の長手方向に沿ってリブの長手方向に交わる方向に、破断しやすくできる。
【0014】
また、本発明に係る車両において、前記低剛性部は、前記エアクリーナの筐体の、屈曲した形状を有する部分に、設けられている。
【0015】
この構成によれば、低剛性部により破断される位置を、より確実に設定することができる。
【0016】
また、本発明に係る車両において、前記低剛性部は、前記締結点からの距離が、前記締結点から前記衝突点までの距離よりも短くなる位置に、設けられている。
【0017】
この構成によれば、衝突点に加わる力を、低剛性部の破断に、効果的に作用させることができる。
【0018】
また、本発明に係る車両において、前記エアクリーナの前記衝突点を有する面は、車両前後方向に対して傾斜している。
【0019】
この構成によれば、衝突後、後方部材に対してエアクリーナを滑り移動させることができ、これにより、低剛性部に加わる力の向きを変化させることができる。
【0020】
また、本発明に係る車両において、前記エアクリーナは、第一ケースと、当該第一ケースと結合される第二ケースとを含んで構成され、前記締結点は前記第一ケースに位置し、前記衝突点は前記第二ケースに位置し、前記低剛性部は、前記第一ケースの、前記第二ケースとの合わせ面の近傍に、設けられている。
【0021】
この構成によれば、第二ケースを介して合わせ面から第一ケースに伝わる衝突の力を、低剛性部に効果的に伝達できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、エアクリーナが低剛性部において破断しやすくなるので、車両の衝突時にPCUの損傷が起こりにくい構造を提供する、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、実施形態にかかるPCUとエアクリーナの配置の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態にかかるPCUとエアクリーナの配置の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態にかかるPCUとエアクリーナの配置の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態にかかるエアクリーナの外観の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態にかかるエアクリーナの外観の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態にかかる第一ケースの内側を、カバーを取り除いて示した図である。
図7図7は、実施形態にかかるエアクリーナに設けられた低剛性部の一例示す図である。
図8図8は、実施形態にかかるPCUとエアクリーナの衝突時の位置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明にかかる車両におけるPCU(Power Control Unit:電力制御ユニット)とエアクリーナとの配置の一例を図面に基づいて詳細に説明する。図1~3は、実施形態にかかるPCU1とエアクリーナ2の配置の一例を示す図である。
【0025】
図1は、上から見下ろした状態(平面視)を示し、図2は車両右側から左側へ向かって見た状態(側面視)を示す。理解を助けるため、図1および図2に、車両の後ろから前への向きを示す矢印と、右から左への向きを示す矢印と、下から上への向きを示す矢印とを添える。なお、車両の前方は、車両のハンドルを握る運転者にとっての前方である。図3は、対象の右上後方から左斜め前を見下ろした状態を示す。
【0026】
PCU1は、エアクリーナ2の搭載位置に対して車両の前後方向における後方に配置された後方部材の一例である。
【0027】
PCU1およびエアクリーナ2は、ハイブリッド車(HVまたはHEV:Hybrid (Electric) Vehicle)である車両の、エンジンコンパートメント内に納められる。エンジンコンパートメントは、他に、エンジンやモータ、バッテリー等の各種補機を収める。
【0028】
PCU1は、モータを利用して走行する車両において、駆動系とバッテリーとエンジンの間で、電力(供給、充電、発電)をコントロールする。エアクリーナ2は、エンジン用の吸気から塵埃等を除去する。
【0029】
エンジンコンパートメント内は、限られた空間に多くの部材が収められる都合上、PCU1にも他の部材が近接して配置され、そのうちの一つがエアクリーナ2である。エアクリーナ2は、車両の衝突時、車両の前方へPCU1が移動した場合に、PCU1が衝突する対象(衝突対象)の一例である。
【0030】
PCU1は、本体部11とプロテクタ15とを有する。本体部11の外形は箱型であって、基板や高電圧ケーブル等を収納している。
【0031】
プロテクタ15は、PCU1の特に高電圧ケーブルを保護するために設けられたものである。プロテクタ15は、フラップ状の形状を有し、本体部11の上面前端に設けられ、本体部11の上面の前側の一部領域を、やや隙間をあけて被う。
【0032】
図4,5は、実施形態にかかるエアクリーナ2の外観の一例を示す図である。エアクリーナ2は、第一ケース21および第二ケース22を備える。第二ケース22は、第一ケース21に、クリップ223(図4参照)により固定されている。クリップ223は、第一ケース21と第二ケース22とを結合する。図5は、クリップ223を外した状態を示す。第一ケース21は、カバー213とともに、容器(エアクリーナボックス、筐体)を構成する。
【0033】
エアクリーナ2は、エアクリーナ2が塵埃を取り除く対象の空気を収容する。第一ケース21は、吸気口215を有する。吸気口215は、エアクリーナ2を満たす空気を吸い込むための開口部である。吸気口215から吸い込まれた空気は、第一ケース21とカバー213とで構成されるエアクリーナ2内に取り込まれ、エアクリーナ2を満たす。エアクリーナ2に空気とともに取り込まれた塵埃等は、第二ケース22との間に挟まれたフィルタ25(図5参照)により、取り除かれる。
【0034】
図6は、第一ケース21からカバー213を取り除いて内側を示した図である。第一ケース21は、吸気口215の下側に位置する締結点Oにおいて、車両のボデーに対して不動に締結される。第一ケース21は、カバー213の反対側に、開口部211を有する。開口部211には、枠の対向する2辺に架渡されて梁212が設けられている。梁212は、開口部211の形状を保つとともに、フィルタ25が第一ケース21内に脱落するのを防ぐ。開口部211の外側は、第二ケース22により覆われる。
【0035】
図3に戻り、第二ケース22は、吐出口225を有する。フィルタ25を通過した空気は、吐出口225から吐き出され、エンジンへ供給される。吐出口225内の所定の位置には、流量を測定するセンサ27の端子275が配置される。
【0036】
上述のように、エアクリーナ2は、後方部材の一例であるPCU1の前に、配置されている。エアクリーナ2は、車両の衝突によって前方へ移動したPCU1が突き当たった場合に、自身が破損することでPCU1の損傷を回避するような強度に、設計される必要がある。
【0037】
ここで、本実施形態のエアクリーナ2は、一般的な箱型ではない。これは、エアクリーナ2の形状を、PCU1と他の部材との隙間を可能な限り有効利用するものとしたためである。エアクリーナ2は、他部材に比べ、形状の自由度が比較的高い。そこで、形状を変更しづらい部材間に生じる隙間を有効利用して所定の容積を確保する形状に設計している。その結果が例えば図示の形状である。
【0038】
こういった形状のエアクリーナ2は、例えば箱型等の安定した形状のものとは異なり、単体では捩れや曲がりが起きやすい。そこで、形状を安定させるために、第一ケース21の内側には、図6に示すように、リブ216,217,218が内側に設けられている。リブ216~218は、厚さ方向に並んで立てられた複数本の細長い板状の部分である。
【0039】
リブ216~218は、捩れや曲がりの発生を防ぐ。リブ216,217は、長方形状の開口部211の、一対の長辺の近傍に設けられ、開口部211の形状の維持に寄与する。リブ218は、吸気口215から開口部211までの部分に設けられ、当該部分の形状の維持に寄与する。これにより、第一ケース21の、ひいてはエアクリーナ2の形状維持が図られる。
【0040】
ここで、一般にリブは部材の補強として作用するので、第一ケース21は、リブ216~218が設けられることにより、破壊されにくくなる。エアクリーナ2は、PCU1と衝突した場合にPCU1を害しない程度に破損しやすくなければならないため、このPCU1の特に本体部11と比較しての脆性の確保と、形状を維持するための構造との、兼ね合いをつける必要がある。
【0041】
そのための構造として、本実施形態の第一ケース21には、低剛性部219が設けられている。低剛性部219は、第一ケース21の他の部分に比べて剛性が低くなるように設計された部分である。
【0042】
図7は、実施形態にかかるエアクリーナ2に設けられた低剛性部219の一例示す図である。低剛性部219は、例えば、エアクリーナ2の筐体に部分的に設けられた、肉厚が薄い部分であって、より具体的に例えれば、周囲よりも窪んだ凹部として実現される。本実施形態の低剛性部219は、溝状の形状を有している。この溝状の低剛性部219の長手方向は、リブ218の長手方向に交わる。
【0043】
図8は、実施形態にかかるPCU1とエアクリーナ2の衝突時の位置の例を示す図である。車両の衝突によりPCU1が前方へ移動すると、プロテクタ15が、エアクリーナ2の第二ケース22に衝突する。このとき衝突する位置は、衝突点Pおよび衝突点Qである。衝突点Pは、PCU1との、車両の前後方向の距離が、最も近くなる箇所である。本実施形態の衝突点Pは、車両前後方向に対して傾斜した面に位置している。PCU1は、前方に移動すると、まず衝突点Pに突き当たり、さらに移動すると衝突点Qに突き当たる。
【0044】
第一ケース21は締結点Oで固定されているので、衝突点P,Qが受けた荷重は、第一ケース21を曲げる力として作用する。この曲げの力で第一ケース21が破断するよう、低剛性部219により、当該部分への応力集中を誘う。
【0045】
低剛性部219は、締結点Oに対して車両の左右方向における衝突点Pと同じ側に、設けられている。本実施形態のエアクリーナ2においては、締結点Oに対して車両の左側に衝突点Pがあるので、低剛性部219も同じく、締結点Oに対して車両の左側に設けられている。また、低剛性部219は、締結点Oからの距離が、締結点Oから衝突点Pまでの距離よりも近くなる位置に、設けられている方が好ましい。
【0046】
さらに、低剛性部219は、第一ケース21の、屈曲した形状を有する部分に設けられている。屈曲部は曲げによる応力が集中しやすい部分であり、そこへさらに低剛性部219を設けることにより、意図した位置での破断を実現させやすくする。またさらに、低剛性部219を溝状に形成し、並んだ溝の長手方向を線状にそろえることで、溝が描く仮想線の近傍での破断が誘われる。これにより、意図した位置および状態で、エアクリーナ2を破断させることができる。
【0047】
以上のように、本実施形態によれば、エアクリーナ2が低剛性部219において破断しやすくなるので、車両の衝突時にPCU1の損傷が起こりにくくすることができる。
【0048】
また、低剛性部219を、肉厚が薄い部分として、エアクリーナ2の筐体に部分的に設けたので、エアクリーナ2を製造する金型の調整により容易に、低剛性部219を設けることができる。
【0049】
また、エアクリーナ2は、筐体に、厚さ方向に並んで立てられた数本のリブ218を有し、低剛性部219は、複数本のリブ218の間に形成され、リブ218の長手方向に交わる方向に長い溝状の形状を有する。この構成によれば、エアクリーナ2は、リブ218により、撓みや曲げ、捩じりに対して補強されつつも、低剛性部219の長手方向に沿ってリブ218の長手方向に交わる方向に、破断しやすくできる。
【0050】
また、低剛性部219は、エアクリーナ2の筐体の、屈曲した形状を有する部分に、設けられている。この構成によれば、低剛性部219により破断される位置を、より確実に設定することができる。
【0051】
また、低剛性部219は、締結点Oからの距離が、締結点Oから衝突点Pまでの距離よりも短くなる位置に、設けられている。この構成によれば、衝突点Pに加わる力を、低剛性部219の破断に、効果的に作用させることができる。
【0052】
また、エアクリーナ2の衝突点Pを有する面は、車両前後方向に対して傾斜している。この構成によれば、衝突後、PCU1に対してエアクリーナ2を滑り移動させることができ、これにより、低剛性部219に加わる力の向きを変化させることができる。
【0053】
また、エアクリーナ2は、第一ケース21と、この第一ケース21と結合される第二ケース22とを含んで構成され、締結点Oは第一ケース21に位置し、衝突点Pは第二ケース22に位置し、低剛性部219は、第一ケース21における、第二ケース22との合わせ面の近傍に設けられている。この構成によれば、第二ケース22を介して合わせ面から第一ケース21に伝わる衝突の力を、低剛性部219に効果的に伝達できる。
【0054】
なお、上記実施形態では、形状が箱型などの一般的なものではないエアクリーナ2を例に説明したが、実施にあたってはこれに限らない。エアクリーナの筐体(エアクリーナボックス、容器)が例え箱型であっても、変形や撓みを防ぐために、面積が広く凹凸が少ない部分にはリブが設けられる。よって、上述の実施形態と同様に、低剛性部を設けることにより、意図した破断を得ることが可能である。
【0055】
本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0056】
例えば、上記実施形態の低剛性部219は、実施にあたっては、溝状以外の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…PCU、11…本体部、15…プロテクタ、
2…エアクリーナ、
21…第一ケース、211…開口部、212…梁、213…カバー、
215…吸気口、216~218…リブ、219…低剛性部、
22…第二ケース、223…クリップ、225…吐出口、
25…フィルタ、
27…センサ、275…端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8