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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145969
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/807 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
H01H13/807
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058606
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 眞也
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS10H
5G206AS10J
5G206AS10K
5G206HS24
5G206JU64
(57)【要約】
【課題】ケースの第1方向における長さを短縮し、小型化が可能なセンサ装置を提供する。
【解決手段】複数のスイッチを備えるセンサ装置であって、第1壁部と、第1壁部に対向する第2壁部とを有するケースと、ケースの第1壁部と第2壁部との間の空間に収納され、第2壁部に対向する第1面と、第1壁部に対向する第2面とを有する基板と、基板の第1面上に配置された第1スイッチと、基板の第2面上において、ケースの外縁に沿った第1方向に沿って、第1スイッチに対しずれた位置に配置される第2スイッチと、ケースの第1壁部から突出するとともに、第1方向に直交する第2方向に延在し、第1スイッチに接触可能な第1可撓性部材と、ケースの第2壁部から突出するとともに、第2方向に延在し、第2スイッチに接触可能な第2可撓性部材と、を備える。第1方向で隣り合う第1スイッチと第2スイッチとは、第1スイッチが配置される第1配置領域と、第2スイッチが配置される第2配置領域とが、第1方向において少なくとも一部が重なる。
【選択図】図10A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチを備えるセンサ装置であって、
第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部と、を有するケースと、
前記ケースの前記第1壁部と前記第2壁部との間の空間に収納され、前記第2壁部に対向する第1面と、前記第1壁部に対向する第2面とを有する基板と、
前記基板の前記第1面上に配置された第1スイッチと、
前記基板の前記第2面上において、前記ケースの外縁に沿った第1方向に沿って、前記第1スイッチに対しずれた位置に配置される第2スイッチと、
前記ケースの前記第1壁部から突出するとともに、前記第1方向に直交する第2方向に延在し、前記第1スイッチに接触可能な第1可撓性部材と、
前記ケースの前記第2壁部から突出するとともに、前記第2方向に延在し、前記第2スイッチに接触可能な第2可撓性部材と、
を備え、
前記第1方向で隣り合う前記第1スイッチと前記第2スイッチとは、前記第1スイッチが配置される第1配置領域と、前記第2スイッチが配置される第2配置領域とが、前記第1方向において少なくとも一部が重なる、
センサ装置。
【請求項2】
前記第1可撓性部材の前記第2方向に沿う長さが、前記第2可撓性部材の前記第2方向に沿う長さよりも長い、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記第1スイッチは、設定値を順送りするプラススイッチと前記設定値を逆送りするマイナススイッチとを含み、
前記第2スイッチは、所定の設定を行うセットスイッチ又は前記センサ装置の動作モードを設定するモードスイッチを含む、
請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記基板に実装された光源、を更に備え、
前記基板は、前記ケースの前記第1壁部及び前記第2壁部に平行な仮想面に沿って配置されるとともに、前記基板は、前記ケースにおける前記第2方向の中央部よりも前記第2壁部寄りに配置され、
前記光源は、前記ケースにおける前記第2方向の中央部に配置される、
請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記第1配置領域は、前記基板への前記第1スイッチの実装に用いられる第1実装補助部材が配置される領域である第1補助領域を含み、
前記第2配置領域は、前記基板への前記第2スイッチの実装に用いられる第2実装補助部材が配置される領域である第2補助領域を含み、
前記第1方向で隣り合う前記第1スイッチと前記第2スイッチとは、前記第1スイッチの前記第1補助領域と前記第2スイッチの前記第2配置領域とが、前記第1方向において少なくとも一部が重なる、
請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記第1配置領域は、前記第1スイッチのスイッチ本体が配置される領域である第1本体領域を含み、
前記第2配置領域は、前記第2スイッチのスイッチ本体が配置される領域である第2本体領域を含み、
前記第1方向で隣り合う前記第1スイッチと前記第2スイッチとは、前記第1スイッチの前記第1本体領域と前記第2スイッチの前記第2本体領域とが、前記第1方向において少なくとも一部が重なる、
請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記ケースは、前記第1壁部と前記第2壁部との間に配置され、前記ケースの外面の一部を構成する操作面を有し、
前記操作面から露出し、前記第1可撓性部材を操作可能な第1スイッチカバーと、
前記操作面から露出し、前記第2可撓性部材を操作可能な第2スイッチカバーと、をさらに備え、
前記第1スイッチカバー及び前記第2スイッチカバーは、前記ケースにおける前記第2方向において同位置に配置される、
請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記操作面は、操作面上部と、操作面上部に対向する操作面下部と、を有し、
前記操作面上部と前記操作面下部との間に、所定の表示装置が挿入されて保持される。
請求項7に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記第1スイッチのみが、前記基板の前記第1面に配置され、
前記第2スイッチを含む他の電子部品が、前記基板の前記第2面に配置される、
請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記第1スイッチ及び前記第1スイッチの実装に用いられる第1実装補助部材のみが、前記基板の前記第1面に配置され、
前記第2スイッチ及び前記第2スイッチの実装に用いられる第2実装補助部材を含む他の電子部品が、前記基板の前記第2面に配置される、
請求項9に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記センサ装置は、ファイバセンサであり、
前記ファイバセンサは、
前記第1方向の一端側において、ファイバを保持するファイバ保持部と、
前記第1方向の他端側において、外部の電源に接続される電源接続部と、を備える、
請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
センサ装置は、外部機器に接続された信号線が接続され、外部機器から信号線を介して入力された入力信号を検知する電子機器の一種である。このようなセンサ装置は、例えば、各種の設定等を行うスイッチ、動作状態を示す表示部等を備えている。特許文献1は、複数のスイッチ(キー)を備えた検出スイッチとしての電子機器を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-299927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の検出スイッチの様に、一般的に、複数の(特許文献1では3つの)スイッチが、電子機器の長手方向に並べられる。複数のスイッチが配列されることにより、電子機器の長手方向のサイズが拡大してしまい、電子機器の大型化を招いている。
【0005】
本開示は、センサ装置の長手方向の長さを短縮することで、小型化が可能なセンサ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のセンサ装置は、複数のスイッチを備えるセンサ装置であって、第1壁部と、前記第1壁部に対向する第2壁部とを有するケースと、前記ケースの前記第1壁部と前記第2壁部との間の空間に収納され、前記第2壁部に対向する第1面と、前記第1壁部に対向する第2面とを有する基板と、前記基板の前記第1面上に配置された第1スイッチと、 前記基板の前記第2面上において、前記ケースの外縁に沿った第1方向に沿って、前記第1スイッチに対しずれた位置に配置される第2スイッチと、前記ケースの第1壁部から突出するとともに、前記第1方向に直交する第2方向に延在し、前記第1スイッチに接続される第13部材と、前記ケースの第2壁部から突出するとともに、前記第2方向に延在し、前記第2スイッチに接続される第2可撓性部材と、を備え、前記第1方向で隣り合う前記第1スイッチと前記第2スイッチとは、前記第1スイッチが配置される第1配置領域と、前記第2スイッチが配置される第2配置領域とが、前記第1方向において少なくとも一部が重なる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、センサ装置の長手方向の長さを短縮することで、小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係るファイバセンサの斜視図
図2】ファイバセンサの分解斜視図
図3】操作面カバー付きのファイバセンサの上面図
図4】操作面カバーのないファイバセンサの上面図
図5】操作面カバー、第1及び第2スイッチカバーのないファイバセンサの上面図
図6図3のVI-VI線に沿った側面図
図7図3のVII-VII線に沿った側面図
図8図3のVIII-VIII線に沿った側面図
図9図3のIX-IX線に沿った側面図
図10A】スイッチの並びを模式的に示す模式図
図10B】スイッチの並びを正面から見た正面図
図11】スイッチの並びを模式的に示す模式図であり、(a)は従来例のファイバセンサ、(b)は本開示の実施形態のファイバセンサそれぞれにおけるスイッチの並びを模式的に示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
図1は、本開示の実施形態に係るファイバセンサの斜視図である。図2は、ファイバセンサの分解斜視図である。
【0011】
図1に示す様に、センサ装置の一種であるファイバセンサ1は、薄型の箱型形状を有し、後述するファイバが挿入される孔71、72を一側面に備えている。ファイバセンサ1は、投光部及び受光部にそれぞれ対応したファイバを接続し、投光部及び受光部の先端を被検出物体を検出可能な位置に配置するようにした構成とされている。本例では、投光部からの出射光は、孔71に接続されるファイバ内を伝搬してファイバの他端から出射される。出射された光が被検出物体により反射された反射光は、孔72に接続されるファイバ内を伝搬して受光部に入射される。受光部の光電変換素子に入射された光は、電気信号に変換されて受光アンプで増幅される。そして、例えば、ファイバセンサ1は、比較回路にてこの電気信号と所定の閾値とを比較して被検出物体の有無を判断したり、受光量を測定したり、受光量に基づく処理を行ったりする。
【0012】
なお、ファイバセンサ1の長手方向の辺に沿ったX軸、ファイバセンサ1の幅方向に沿 ったY軸、ファイバセンサ1の高さ方向に沿ったZ軸を含む座標を定義し、以後の説明に 活用する。
【0013】
図1及び図2に示す様に、ファイバセンサ1は、ケース3と、基板5と、表示装置6と、ファイバ保持部7と、インジケータ8と、操作部9と、を備える。
【0014】
ケース3は、ファイバセンサ1の外郭をなし、種々の部品を収納する。ケース3は、例えば樹脂により構成される第1ケース3Aと第2ケース3Bとを含み、第1ケース3Aと第2ケース3Bとを組み合わせることにより、ケース3の内部に空間が画定される。
【0015】
基板5は、例えばPCB(Printed Circuit Board)により構成され、ケース3の内部に収納される。基板5には種々の電子部品が配置される。基板5は、外部の電源に接続される電源接続部5Aを有する。特に基板5には、2つの第1スイッチ10、2つの第2スイッチ20が配置されている。これらのスイッチについては後述する。
【0016】
表示装置6は、例えば液晶ディスプレイと、液晶ディスプレイの駆動装置等を含み、ファイバセンサ1の動作モード、受光量、又は受光量と比較される所定の閾値等を表示する。ファイバ保持部7は、外側に露出する孔71、72を有し、接続されたファイバを保持する。インジケータ8は、後述する光源30(図5等参照)からの出射光を表示する。操作部9は、基板5に配置された第1スイッチ10、第2スイッチ20をカバーする複数のカバーを含み、ユーザがカバーを押圧することにより、第1スイッチ10、第2スイッチ20を操作可能である。なお、液晶ディスプレイには、ドットマトリクス表示可能なディスプレイ、有機EL(Organic Electro Luminescence)ディスプレイ、又はOLED(Organic Light Emitting Diode)等が含まれる。
【0017】
図3は、操作面カバー付きのファイバセンサの上面図である。図4は、操作面カバーのないファイバセンサの上面図である。
【0018】
図3及び図4に示す様に、インジケータ8、表示装置6、及び操作部9が、ケース3の外面の一部を構成する操作面3cに配置されており、ユーザは、インジケータ8及び表示装置6を視認しながら、操作部9を操作することができる。操作部9においては、2つの第1スイッチ10(図2参照)をカバーする2つの第1スイッチカバー14、2つの第2スイッチ20をカバーする2つの第2スイッチカバー24が、X軸方向に配置され、露出している。
【0019】
なお、図3に示す様に、操作面カバー3C(具体的には、銘板)が操作面3cに取り付けられており、ユーザは、操作面カバー3Cに記載された、文字、矢印等を参照しながら、操作部9を操作することができる。また、図2に示すように、操作面3cは、操作面上部3c1と、操作面上部3c1に対向する操作面下部3c2と、を有する。操作面上部3c1と操作面下部3c2との間には、表示装置6が挿入されて取り付けられ、保持(係止や固定も含む)される。
【0020】
操作面3cは、第1ケース3Aの主面をなす第1壁部3aと、第2ケース3Bの主面をなす第2壁部3bとの間に配置されている。すなわち、第1壁部3aと第2壁部は対向しており、図5に示す様に、基板5は、第1壁部3aと第2壁部3bとの間の空間に収納される。基板5は、両面に第1面5bと第2面5aとを備えており、第1面5bは第2壁部3bに対向し、第2面5aは第1壁部3aに対向する。
【0021】
図5は、操作面カバー、第1スイッチカバー及び第2スイッチカバーのないファイバセンサの上面図である。
【0022】
図5に示す様に、LED(Light Emitting Diode)等から構成される光源30が、基板5に実装されている。光源30から発光された光は、インジケータ8を介して外部に表示される。
【0023】
次に、基板5に配置された第1スイッチ10及び第2スイッチ20について説明する。第1スイッチ10は、基板5の第1面5b上に配置されており、第2スイッチ20は、基板5の第2面5a上に配置されている。すなわち、第1スイッチ10及び第2スイッチ20は、基板5の対向する2つの面それぞれに配置されており、直接的に隣接はしていない。
【0024】
第1スイッチ10及び第2スイッチ20は、第1方向であるX軸方向、すなわち、ファイバセンサ1(ケース3)の長手方向に沿って、相対的にずれた位置に配置されている。本実施形態においては、2つの第1スイッチ10、2つの第2スイッチ20が交互に配置されている、と言うこともできる。
【0025】
図6は、図3のVI-VI線に沿った側面図である。図7は、図3のVII-VII線に沿った側面図である。図8は、図3のVIII-VIII線に沿った側面図である。図9は、図3のIX-IX線に沿った側面図である。
【0026】
ユーザは、操作面3cから露出した第1スイッチカバー14、第2スイッチカバー24を押圧操作することにより、第1スイッチ10、第2スイッチ20を操作し、ファイバセンサ1は操作に応じた動作をする。図4及び図6図9に示す様に、第1スイッチカバー14の操作は、第1可撓性部材12を介して第1スイッチ10に伝達される。また、第2スイッチカバー24の操作は、第2可撓性部材22を介して第2スイッチ20に伝達される。
【0027】
図6及び図7に示す様に、第1可撓性部材12は、ケース3の第1壁部3aから突出するとともに、X軸方向に直交する第2方向であるY軸方向に延在し、第1スイッチ10に接触可能に構成されている。本実施形態において、第1可撓性部材12は、第1壁部3aから突出する梁状の可撓性部材であり、例えば第1壁部3aと一体的に構成された樹脂により構成される。第1可撓性部材12は、第1壁部3aと別部材で構成されてもよい。
【0028】
第1可撓性部材12は梁状の部材であり、第1壁部3aと逆側の端部が開放端であり、第1スイッチカバー14が開放端寄りに配置されている。第1スイッチカバー14及び開放端は、第1スイッチ10の上側、すなわち第3方向であるZ軸方向において、第1スイッチ10に隣接するように配置される。
【0029】
よって、ユーザが、第1スイッチカバー14を押圧操作することにより、第1可撓性部材12が押圧方向(下方向)に撓み、第1スイッチ10を押圧し、第1スイッチ10を駆動する。
【0030】
図8及び図9に示す様に、第2可撓性部材22は、ケース3の第2壁部3bから突出するとともに、Y軸方向に延在し、第2スイッチ20に接触可能に構成されている。本実施形態において、第2可撓性部材22は、第2壁部3bから突出する梁状の可撓性部材であり、例えば第2壁部3bと一体的に構成された樹脂により構成される。第2可撓性部材22は、第2壁部3bと別部材で構成されてもよい。
【0031】
第2可撓性部材22は梁状の部材であり、第2壁部3bと逆側の端部が開放端であり、第2スイッチカバー24が開放端寄りに配置されている。第2スイッチカバー24及び開放端は、第2スイッチ20の上側、すなわち第3方向であるZ軸方向において、第2スイッチ20に隣接するように配置される。
【0032】
よって、ユーザが、第2スイッチカバー24を押圧操作することにより、第2可撓性部材22が押圧方向(下方向)に撓み、第2スイッチ20を押圧し、第2スイッチ20を駆動する。
【0033】
図10Aは、スイッチの並びを模式的に示す模式図である。図10Bは、スイッチの並びを正面から見た正面図である。
【0034】
図10Aに示す様に、X軸方向で隣り合う第1スイッチ10と第2スイッチ20とは、第1スイッチ10が配置される領域と、第2スイッチ20が配置される領域とが、少なくとも一部が重なる様に配置されている。
【0035】
図10Bは、配置領域の重なりをより詳しく説明している。第1スイッチ10は、基板5の第1面5bにおける第1配置領域A1に配置される。第2スイッチ20は、基板5の第2面5aにおける第2配置領域A2に配置される。図10Bは、基板5の図示を省略しており、第1スイッチ10は図示せぬ基板5より紙面の手前側、第2スイッチ20は図示せぬ基板5より紙面の奥側に位置している。なお、図10Bでは、第1スイッチ10の位置は第1スイッチ10のスイッチ本体の位置を示しており、第2スイッチ20の位置は第2スイッチ20のスイッチ本体の位置を示している。
【0036】
そして、第1配置領域A1と第2配置領域A2は、第1方向であるX軸方向において少なくとも一部が重なっている。図10Bの重複領域Bは、第1配置領域A1と第2配置領域A2とが重なった領域を示す。配置領域の重複領域はX軸方向において存在するが、第1スイッチ10と第2スイッチ20は、基板5の異なる面に配置されているため、直接的に隣接することはない。
【0037】
このような構成により、第1スイッチ10が配置される第1配置領域A1と、第2スイッチが配置される第2配置領域A2とが、ケース3の外縁に沿ったX軸方向において少なくとも一部が重なるため、ファイバセンサ1は、X軸方向における長さを短縮し、ファイバセンサ1を小型化することができる。
【0038】
具体的には、第1配置領域A1は、第1スイッチ10のスイッチ本体が配置される領域である第1本体領域と、基板5への第1スイッチ10の実装に用いられる第1実装補助部材が配置される領域である第1補助領域と、を含む。第2配置領域A2は、第2スイッチ20のスイッチ本体が配置される領域である第2本体領域と、基板5への第2スイッチ20の実装に用いられる第2実装補助部材が配置される領域である第2補助領域と、を含む。実装補助部材は、半田、接着剤、リード線等のような、スイッチを基板5に実装するための部材である。本実施形態では、第1補助領域と第2補助領域とがX軸方向において少なくとも一部が重なっていてもよい。また、操作部9において第1スイッチ10と第2スイッチ20とがX軸方向において直線的に配列することができれば、第1本体領域と第2本体領域とがX軸方向において少なくとも一部が重なっていてもよい。
【0039】
これにより、ファイバセンサ1は、操作部9にある異なるスイッチ間において、実装補助部材が重なることを回避でき、ファイバセンサ1が電気的に誤動作することを抑制しつつ、X軸方向における長さを短縮し、ファイバセンサ1を小型化することができる。
【0040】
なお、各スイッチは、パッドPを有しており、二つのパッドPがZ軸方向に隣接して配置されている。第1スイッチ10のパッドPと第2スイッチ20のパッドPとは、距離D1または距離D2をもって離れており、Z軸方向に隣接した二つのパッドPは距離D3をもって離れている。距離D1、距離D2、及び距離D3の値は任意であるが、距離D1及び距離D2を距離D3より小さくすることにより、X軸方向における長さをより短縮することができる。
【0041】
また、本実施形態においては、図6図9に示す様に、第1可撓性部材12のY軸方向に沿う長さが、第2可撓性部材22のY軸方向に沿う長さよりも長くなるように設定されている。第1可撓性部材12と第2可撓性部材22は同じ素材により形成されており、第1可撓性部材12は第2可撓性部材22よりも撓みやすい。よって、第1可撓性部材12に対応する第1スイッチカバー14の押圧操作に対する抵抗力は、第2可撓性部材22に対応する第2スイッチカバー24の押圧操作に対する抵抗力に比べて小さい。
【0042】
これにより、ファイバセンサ1は、第1スイッチ10の押下時における操作力と、第2スイッチ20の押下時における操作力とを異ならせることができ、第1スイッチ10及び第2スイッチ20それぞれに異なるカテゴリーのスイッチを割り当て、操作性を高めることができる。
【0043】
例えば、第1スイッチ10は、各種の設定値を順送りするプラススイッチ10aや、設定値を逆送りするマイナススイッチ10bを含んでよい。第2スイッチ20は、所定の設定を行うセットスイッチ20aや、ファイバセンサ1の動作モードを設定するモードスイッチ20bを含んでよい。プラススイッチ10aやマイナススイッチ10bの使用頻度は、セットスイッチ20aやモードスイッチ20bの使用頻度よりも高い。
【0044】
これにより、ファイバセンサ1は、使用頻度の高い第1スイッチ10の操作力を、使用頻度の低い第2スイッチ20の操作力よりも小さく設定することができ、操作性を高めることができる。
【0045】
なお、基板5は、ケース3の第1壁部3a及び第2壁部3bに平行な仮想面であるXZ面に沿って配置されている。ただし、図5に示す様に、基板5は、ケース3におけるY軸方向の中央部(図5のC-C線で示す)よりも第2壁部3b寄りに配置されている。
【0046】
さらに、光源30が基板5に実装されているが、光源30は基板5の第2面5a上に配置されており、Y軸方向の中央部(図5のC-C線上)に配置される。
【0047】
これにより、ファイバセンサ1は、光源30がケース3の第2方向の中央に配置されることにより、Y軸方向において偏りのない光を発光でき、発光時の優れた外観及び視認性を確保することができる。
【0048】
また、第1スイッチカバー14及び第2スイッチカバー24は、操作面3cから露出するが、第1スイッチカバー14及び第2スイッチカバー24は、Y軸方向において同位置に配置されている。すなわち、第1スイッチカバー14及び第2スイッチカバー24は、一直線上に配置される。
【0049】
これにより、第1スイッチ10と第2スイッチ20が基板5の異なる面に配置されても、ファイバセンサ1は、露出する第1スイッチカバー14及び第2スイッチカバー24がケース3におけるY軸方向において同位置で並んで配置されるため、ファイバセンサ1の意匠性を確保することができる。
【0050】
図11は、スイッチの並びを模式的に示す模式図であり、(a)は従来例のファイバセンサ、(b)は本開示の実施形態のファイバセンサそれぞれにおけるスイッチの並びを模式的に示す模式図である。
【0051】
図11(a)に示す従来例のファイバセンサでは、第1スイッチ10、第2スイッチ20が、基板5の同一面上に配置されているため、スイッチが配置される操作部9の長さL1が大きくなってしまう。一方、図11(b)に示す本実施形態のファイバセンサでは、第1スイッチ10及び第2スイッチ20が、基板5の異なる面上に配置されているため、スイッチが配置される操作部9の長さL2を短縮することができる。
【0052】
なお、本実施形態は、ファイバセンサ1に関するものであるが、本開示の技術は他のセンサ装置に用いることもできる。例えば、ファイバセンサ1が、X軸方向の一端側において、ファイバを保持するファイバ保持部7と、X軸方向の他端側において、外部の電源に接続される電源接続部5Aと、を備える。
【0053】
すなわち、ファイバセンサ1は、長手方向の一端側にファイバが接続され、他端側に、外部の電源を供給する電源ケーブルが接続される構成を有する。ユーザの設備にファイバセンサ1を設置する際は、ファイバセンサ1の長手方向において、ファイバ及び電源ケーブルの引回しのためのスペースが必要となる。
【0054】
ファイバセンサ1は、ファイバセンサ1のX軸方向すなわち長手方向を小型化することにより、ユーザの設備において、ファイバ及び電源ケーブルを引き回すより大きなスペースを確保することができる。
【0055】
ファイバセンサ1は、スペースを確保することにより、ファイバへの負担も減らすことができる。すなわち、ファイバセンサ1にファイバを取り付けた状態において、取り付け部付近でファイバを曲げると入光量が不安定になる。しかしながら、ファイバセンサ1は、上述のスペースを確保することにより、取り付け部付近において、ファイバを直線状態または緩やかな曲げ状態に維持できるため、入光量の安定性を確保できる。
【0056】
なお、基板5は、表示装置6の下側、すなわち第3方向であるZ軸方向において、表示装置6に隣接するように配置される。表示装置6は、第2方向であるY軸方向において、ケース3の第2壁部3b寄りに配置される。基板5も第2壁部3b寄りに配置されるが、表示装置6の表示部分に対しては、第1壁部3a寄りに配置される。
【0057】
なお、ファイバセンサ1では、所定の部材のみが基板5の第1面5bに配置されるが、その他の部材は基板5の第2面5aに配置される。つまり、ファイバセンサ1では、基板5に対して部材が実装される面(第1面5b又は第2面5a)が一方に偏っていてもよい。例えば、第1面5bには、第1スイッチ10、又は、第1スイッチ10及び第1スイッチ10を実装するための第1実装補助部材、のみが配置される。例えば、第2面5aには、ファイバセンサ1内のその他の部材(例えば、第2スイッチ20、第2スイッチ20を実装するための第2実装補助部材、光源30、ファイバ保持部7、電源接続部5A、投光モジュール、受光モジュール、投光モジュールや受光モジュールを半田付けするための領域、等)が配置される。
【0058】
以上により、本開示には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を例示しているが、これに限定されるものではない。
【0059】
(1)複数のスイッチを備えるセンサ装置(ファイバセンサ1)であって、
第1壁部(第1壁部3a)と、前記第1壁部に対向する第2壁部(第2壁部3b)と、を有するケース(ケース3)と、
前記ケースの前記第1壁部と前記第2壁部との間の空間に収納され、前記第2壁部に対向する第1面(第1面5b)と、前記第1壁部に対向する第2面(第2面5a)とを有する基板(基板5)と、
前記基板の前記第1面上に配置された第1スイッチ(第1スイッチ10)と、
前記基板の前記第2面上において、前記ケースの外縁に沿った第1方向(X軸方向)に沿って、前記第1スイッチに対しずれた位置に配置される第2スイッチ(第2スイッチ20)と、
前記ケースの第1壁部から突出するとともに、前記第1方向に直交する第2方向(Y軸方向)に延在し、前記第1スイッチに接触可能な第1可撓性部材(第1可撓性部材12)と、
前記ケースの第2壁部から突出するとともに、前記第2方向に延在し、前記第2スイッチに接触可能な第2可撓性部材(第2可撓性部材22)と、
を備え、
前記第1方向で隣り合う前記第1スイッチと前記第2スイッチとは、前記第1スイッチが配置される第1配置領域(第1配置領域A1)と、前記第2スイッチが配置される第2配置領域(第2配置領域A2)とが、前記第1方向において少なくとも一部が重なる、
センサ装置。
【0060】
これにより、センサ装置は、第1スイッチが配置される第1配置領域と、第2スイッチが配置される第2配置領域とが、ケースの外縁に沿った第1方向において少なくとも一部が重なるため、第1方向における長さを短縮し、センサ装置を小型化することができる。
【0061】
(2)前記第1可撓性部材の前記第2方向に沿う長さが、前記第2可撓性部材の前記第2方向に沿う長さよりも長い、
(1)に記載のセンサ装置。
【0062】
これにより、センサ装置は、第1スイッチの押下時における操作力と、第2スイッチの押下時における操作力とを異ならせることができ、第1スイッチ及び第2スイッチそれぞれに異なるカテゴリーのスイッチを割り当て、操作性を高めることができる。
【0063】
(3)前記第1スイッチは、設定値を順送りするプラススイッチ(プラススイッチ10a)と前記設定値を逆送りするマイナススイッチ(マイナススイッチ10b)とを含み、
前記第2スイッチは、所定の設定を行うセットスイッチ(セットスイッチ20a)又は前記センサ装置の動作モードを設定するモードスイッチ(モードスイッチ20b)を含む、
(1)又は(2)に記載のセンサ装置。
【0064】
これにより、センサ装置は、使用頻度の高い第1スイッチの操作力を、使用頻度の低い第2スイッチの操作力よりも小さく設定することができ、操作性を高めることができる。
【0065】
(4)前記基板に実装された光源(光源30)と、を更に備え、
前記基板は、前記ケースの前記第1壁部及び前記第2壁部に平行な仮想面(XZ面)に沿って配置されるとともに、前記ケースにおける前記第2方向の中央部よりも前記第2壁部寄りに配置され、
前記光源は、前記ケースにおける前記第2方向の中央部に配置される
(1)から(3)のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【0066】
これにより、センサ装置は、光源がケースの第2方向の中央に配置されることにより、第2方向において偏りのない光を発光でき、発光時の優れた外観、視認性を確保することができる。
【0067】
(5)前記第1配置領域は、前記基板への前記第1スイッチの実装に用いられる第1実装補助部材が配置される領域である第1補助領域を含み、
前記第2配置領域は、前記基板への前記第2スイッチの実装に用いられる第2実装補助部材が配置される領域である第2補助領域を含み、
前記第1方向で隣り合う前記第1スイッチと前記第2スイッチとは、前記第1スイッチの前記第1補助領域と前記第2スイッチの前記第2配置領域とが、前記第1方向において少なくとも一部が重なる、
(1)から(4)のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【0068】
これにより、センサ装置は、異なるスイッチ間において、半田、リード線等の様な実装補助部材が重なることを回避でき、センサ装置が電気的に誤動作することを抑制しつつ、第1方向における長さを短縮し、センサ装置を小型化することができる。
【0069】
(6)前記第1配置領域は、前記第1スイッチのスイッチ本体が配置される領域である第1本体領域を含み、
前記第2配置領域は、前記第2スイッチのスイッチ本体が配置される領域である第2本体領域を含み、
前記第1方向で隣り合う前記第1スイッチと前記第2スイッチとは、前記第1スイッチの前記第1本体領域と前記第2スイッチの前記第2本体領域とが、前記第1方向において少なくとも一部が重なる、
(1)から(5)のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【0070】
これにより、センサ装置は、異なるスイッチ間において、スイッチ本体が重なることを回避でき、センサ装置が電気的に誤動作することを抑制しつつ、第1方向における長さを短縮し、センサ装置を小型化することができる。
【0071】
(7)前記ケースは、前記第1壁部と前記第2壁部との間に配置され、前記ケースの外面の一部を構成する操作面(操作面3c)を有し、
前記操作面から露出し、前記第1可撓性部材を操作可能な第1スイッチカバー(第1スイッチカバー14)と、
前記操作面から露出し、前記第2可撓性部材を操作可能な第2スイッチカバー(第2スイッチカバー24)と、をさらに備え、
前記第1スイッチカバー及び前記第2スイッチカバーは、前記ケースにおける前記第2方向において同位置に配置される、
(1)から(6)のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【0072】
これにより、センサ装置は、第1スイッチと第2スイッチが基板の異なる面に配置されても、露出する第1スイッチカバー及び第2スイッチカバーが、ケースにおける第2方向における同位置で並んで配置されるため、センサ装置の意匠性を確保することができる。
【0073】
(8)前記操作面は、操作面上部(操作面上部3c1)と、操作面上部に対向する操作面下部(操作面下部3c2)と、を有し、
前記操作面上部と前記操作面下部との間に、表示装置(表示装置6)が挿入されて保持される、
(7)に記載のセンサ装置。
【0074】
これにより、センサ装置は、表示装置を容易にケースに固定できる。
【0075】
(9)前記第1スイッチのみが、前記基板の前記第1面に配置され、
前記第2スイッチを含む他の部品が、前記基板の前記第2面に配置される、
(1)から(8)のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【0076】
これにより、センサ装置は、基板の第2面側に多数の部品が偏在して配置されることで、基板の位置を第2方向の中央部よりも端部側に偏って配置可能であり、基板とケースとの間に大きなスペースを確保し易くなり、多数の部品間の連携を取り易くなる。また、ほとんどの部品や部材を第2面側に配置される構成であるので、組み立てる際に、同じ方向からの載置や固定等が行えるため、容易な組立が可能となり、製造工数や製造コストの削減ができる。
【0077】
(10)前記第1スイッチ及び前記第1スイッチの実装に用いられる第1実装補助部材のみが、前記基板の前記第1面に配置され、
前記第2スイッチ及び前記第2スイッチの実装に用いられる第2実装補助部材を含む他の電子部品が、前記基板の前記第2面に配置される、
請求項9に記載のセンサ装置。
【0078】
これにより、センサ装置は、基板の第2面側に多数の部品が偏在して配置されることで、基板の位置を第2方向の中央部よりも端部側に偏って配置可能であり、基板とケースとの間に大きなスペースを確保し易くなり、多数の部品間の連携を取り易くなる。また、ほとんどの部品や部材を第2面側に配置され、更に実装される構成であるので、組み立てる際に、同じ方向からの載置や固定、実装等が行えるため、容易な(工法での)組立が可能となり、製造工数や製造コストの削減ができる。
【0079】
(11)前記センサ装置は、ファイバセンサ(ファイバセンサ1)であり、
前記ファイバセンサは、
前記第1方向の一端側において、ファイバを保持するファイバ保持部(ファイバ保持部7)と、
前記第1方向の他端側において、外部の電源に接続される電源接続部(電源接続部5A)と、を備える、
(1)から(10)のいずれか1つに記載のセンサ装置。
【0080】
これにより、ファイバセンサとしてのセンサ装置は、小型化を実現することができ、ファイバ及び電源ケーブルを引き回すより大きなスペースを確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本開示は、センサ装置の長手方向の長さを短縮することで、小型化が可能なセンサ装置等に有用である。
【符号の説明】
【0082】
1 ファイバセンサ
3 ケース
3a 第1壁部
3b 第2壁部
3c 操作面
3C 操作面カバー
5 基板
5A 電源接続部
5a 第2面
5b 第1面
6 表示装置
7 ファイバ保持部
8 インジケータ
9 操作部
10 第1スイッチ
10a プラススイッチ
10b マイナススイッチ
12 第1可撓性部材
14 第1スイッチカバー
20 第2スイッチ
20a セットスイッチ
20b モードスイッチ
22 第2可撓性部材
24 第2スイッチカバー
30 光源
A1 第1配置領域
A2 第2配置領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11