(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145976
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】電力変換装置、空気調和機
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241004BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H05K9/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058616
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小山 義次
(72)【発明者】
【氏名】秋田 幸男
【テーマコード(参考)】
5E321
5H770
【Fターム(参考)】
5E321AA05
5E321GG05
5H770BA05
5H770PA22
5H770PA28
5H770QA01
5H770QA08
(57)【要約】
【課題】電力変換装置において、より簡素な構成で放射ノイズを抑制することが可能な技術を提供する
【解決手段】本開示の一実施形態に係る電力変換装置200は、パワーデバイス233PDと、パワーデバイス233PDと接してパワーデバイス233PDからの熱を放熱するための放熱部240と、パワーデバイス233PDを搭載する電力変換基板230と、電力変換基板230の商用電源PS側に接続される電源線L_L5,L_NE5と、を備え、パワーデバイス233PDのスイッチング周波数は、20kHz以上であり、パワーデバイス233PDと放熱部240との間の浮遊容量Cs11、及び電源線L_L5,L_NE5により規定される一巡経路CP1の最も大きな共振の周波数fr_dが所定値fr_lim1よりも低い。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーデバイスと、
前記パワーデバイスと接して前記パワーデバイスからの熱を放熱するための放熱部と、
前記パワーデバイスを搭載する基板と、
前記基板の電源側に接続される電線と、を備え、
前記パワーデバイスのスイッチング周波数は、20kHz以上であり、
前記パワーデバイスと前記放熱部との間の浮遊容量及び前記電線を含む一巡経路における最も大きな共振の周波数が所定値よりも低い、
電力変換装置。
【請求項2】
前記一巡経路には、磁気コアが設けられない、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
パワーデバイスと、
前記パワーデバイスと接して前記パワーデバイスからの熱を放熱するための放熱部と、
前記パワーデバイスを搭載する基板と、
前記基板の電源側に接続される電線と、を備え、
前記パワーデバイスのスイッチング周波数は、20kHz以上であり、
前記電線のインダクタンス、及び前記パワーデバイスと前記放熱部との間の浮遊容量により規定される回路の共振周波数が所定値よりも低い、
電力変換装置。
【請求項4】
前記所定値は、30MHz以下である、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記所定値は、電力変換装置を収容する筐体の外周を一巡するように電流が流れうる経路のうちの最大の長さの経路を1波長とする電磁波の周波数に相当する値である、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記パワーデバイスと前記放熱部との接している面積が800mm2以下である、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の電力変換装置と、
前記電力変換装置により駆動される電動機と、を備える、
空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換回路に接続される配線の配線インダクタンスと、その周辺の浮遊容量とによって、高周波電流が装置の筐体や装置の外部に流れることにより、放射ノイズが発生し、EMI(Electromagnetic Interference)の問題を引き起こす場がある。
【0003】
これに対して、特許文献1では、磁性体(フェライトコア)を用いて、高周波電流を抑制させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フェライトコア等のノイズ対策部品を使用する場合、装置のコストアップ、配置構造の複雑化、サイズアップ等の問題が生じる可能性がある。
【0006】
本開示は、電力変換装置において、より簡素な構成で放射ノイズを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様では、
パワーデバイスと、
前記パワーデバイスと接して前記パワーデバイスからの熱を放熱するための放熱部と、
前記パワーデバイスを搭載する基板と、
前記基板の電源側に接続される電線と、を備え、
前記パワーデバイスのスイッチング周波数は、20kHz以上であり、
前記パワーデバイスと前記放熱部との間の浮遊容量及び前記電線を含む一巡経路における最も大きな共振の周波数が所定値よりも低い、
電力変換装置が提供される。
【0008】
本態様によれば、電力変換装置は、高周波電流が生じうる一巡経路の共振電流の周波数を比較的低く抑えることによって、より簡素な構成で放射ノイズを抑制することができる。
【0009】
また、本開示の第2の態様では、上述の第1の態様を前提として、
前記一巡経路には、磁気コアが設けられなくてもよい。
【0010】
また、本開示の第3の態様では、
パワーデバイスと、
前記パワーデバイスと接して前記パワーデバイスからの熱を放熱するための放熱部と、
前記パワーデバイスを搭載する基板と、
前記基板の電源側に接続される電線と、を備え、
前記パワーデバイスのスイッチング周波数は、20kHz以上であり、
前記電線のインダクタンス、及び前記パワーデバイスと前記放熱部との間の浮遊容量により規定される回路の共振周波数が所定値よりも低い、
電力変換装置が提供される。
【0011】
本態様によれば、電力変換装置は、高周波電流が生じうる一巡経路の共振電流の周波数を比較的低く抑えることによって、より簡素な構成で高周波ノイズを抑制することができる。
【0012】
また、本開示の第4の態様では、上述の第1乃至第3の態様の何れか1つの態様を前提として、
前記所定値は、30MHz以下であってもよい。
【0013】
また、本開示の第5の態様では、上述の第1乃至第4の態様の何れか1つの態様を前提として、
前記所定値は、電力変換装置を収容する筐体の外周を一巡するように電流が流れうる経路のうちの最大の長さの経路を1波長とする電磁波の周波数に相当する値であってもよい。
【0014】
また、上述の第6の態様では、上述の第1乃至第5の態様の何れか1つの態様を前提として、
前記パワーデバイスと前記放熱部との接している面積が800mm2以下であってもよい。
【0015】
また、本開示の第7の態様では、上述の第1乃至第6の態様の何れか1つの態様の電力変換装置と、
前記電力変換装置により駆動される電動機と、を備える、
空気調和機が提供される。
【発明の効果】
【0016】
上述の実施形態によれば、電力変換装置において、より簡素な構成で放射ノイズを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】空気調和機の冷媒回路の一例を示す図である。
【
図3】パワーデバイスの放熱構造の一例を説明する図である。
【
図4】パワーデバイスと放熱部との間の浮遊容量を説明する図である。
【
図6】電力変換装置200の第1例をコモンモードで表現した等価回路を示す図である。
【
図7】室外機の筐体の外周における電流が流れうる経路の一例を示す図である。
【
図8】電力変換装置の一巡経路のインピーダンスの測定結果の一例を示す図である。
【
図10】電気変換装置の第2例を示す構成図である。
【
図11】電力変換装置200の第2例をコモンモードで表現した等価回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0019】
[空気調和機の概要]
図1を参照して、本実施形態に係る空気調和機100の概要について説明する。
【0020】
図1は、空気調和機100の冷媒回路の一例を示す図である。
【0021】
図1に示すように、空気調和機100は、室外機110と、室内機120と、冷媒経路130,140とを含む。空気調和機100は、室外機110、室内機120、冷媒経路130,140等で構成される冷凍サイクルを動作させ、室内機120が設置される室内の温度や湿度等を調整する。
【0022】
室外機110は、温度等の調整対象の建物の室外に配置される。室外機110は、冷媒経路130,140のそれぞれの一端に接続され、冷媒経路130,140の何れか一方から冷媒を吸入し、何れか他方に冷媒を排出する。
【0023】
室内機120は、温度等の調整対象の建物の室内に配置される。室内機120は、冷媒経路130,140のそれぞれの他端に接続され、冷媒経路130,140の何れか一方から冷媒を吸入し、何れか他方に冷媒を排出する。
【0024】
冷媒経路130,140は、例えば、管路により構成され、冷媒が室外機110及び室内機120の間で循環可能なように、室外機110及び室内機120との間を接続する。
【0025】
室外機110は、冷媒経路L1~L6と、油経路L7,L8と、四方切換弁111と、アキュムレータ112と、圧縮機113と、油分離器114と、室外熱交換器115と、室外膨張弁116と、ファン117とを含む。
【0026】
冷媒経路L1~L6は、例えば、管路として構成される。
【0027】
冷媒経路L1は、室外機110の外部の冷媒経路130の一端と四方切換弁111との間を接続する。
【0028】
冷媒経路L2は、四方切換弁111と圧縮機113の入口との間を接続する。冷媒経路L2は、冷媒経路L21,L22を含む。
【0029】
冷媒経路L21は、四方切換弁111とアキュムレータ112との間を接続する。冷媒経路L22は、アキュムレータ112と圧縮機113の入口との間を接続する。
【0030】
冷媒経路L3は、四方切換弁111と圧縮機113の出口との間を接続する。冷媒経路L3は、冷媒経路L31,L32を含む。
【0031】
冷媒経路L31は、圧縮機113の出口と油分離器114との間を接続する。冷媒経路L32は、四方切換弁111と油分離器114との間を接続する。
【0032】
冷媒経路L4は、四方切換弁111と室外熱交換器115との間を接続する。
【0033】
冷媒経路L5は、室外熱交換器115と室外膨張弁116との間を接続する。
【0034】
冷媒経路L6は、室外機110の外部の冷媒経路140の一端と室外膨張弁116との間を接続する。
【0035】
油経路L7は、例えば、管路として構成され、油分離器114により分離された油を冷媒経路L22に流入させ、冷媒経路L22を通じて圧縮機113に戻すために用いられる。
【0036】
尚、油経路L7を通過する油には、例えば、液相の冷媒(以下、「液冷媒」)が溶け込んでいる場合がある。つまり、油経路L7には、油だけでなく、液冷媒も通流する。
【0037】
油経路L8は、例えば、管路として構成され、アキュムレータ112により分離された液冷媒を含む油を冷媒経路L22に流入させ、冷媒経路L22を通じて圧縮機113に戻すために用いられる。
【0038】
四方切換弁111は、空気調和機100の冷房運転の場合と暖房運転の場合とで冷媒が循環する流れを逆転させる。
【0039】
空気調和機100の冷房運転時に、四方切換弁111は、
図1中の実線の経路を接続する。具体的には、空気調和機100の冷房運転時に、四方切換弁111は、冷媒経路L1と冷媒経路L2との間、及び冷媒経路L3と冷媒経路L4との間を接続させる。
【0040】
一方、空気調和機100の暖房運転の場合、四方切換弁111は、
図1中の点線の経路を接続する。具体的には、空気調和機100の暖房運転時に、四方切換弁111は、冷媒経路L4と冷媒経路L2との間、及び冷媒経路L1と冷媒経路L3との間を接続させる。
【0041】
アキュムレータ112は、冷媒経路L21から吸入される冷媒に含まれる液冷媒を分離し、冷媒経路L22に液冷媒の一部又は全部が除去された冷媒を吐出する。アキュムレータ112で分離される液冷媒には油が含まれる。アキュムレータ112には、油経路L8と接続される油排出口が設けられ、分離された冷媒を含む油は、油排出口を通じて油経路L8に流出し、油経路L8及び冷媒経路L22を通じて圧縮機113に戻される。
【0042】
圧縮機113は、冷媒経路L22から冷媒を吸入し、高圧に圧縮して冷媒経路L31に吐出する。
【0043】
空気調和機100の冷房運転時において、圧縮機113により圧縮された高温高圧の冷媒は、冷媒経路L3及び冷媒経路L4を通じて、室外熱交換器115に流入する。
【0044】
一方、空気調和機100の暖房運転時において、圧縮機113により圧縮された高温高圧の冷媒は、冷媒経路L3及び冷媒経路L1を通じて、室外機110の外部の冷媒経路130に流出する。そして、高温高圧の冷媒は、冷媒経路130を通じて、室内機120に流入する。
【0045】
油分離器114は、冷媒経路L31から流入する冷媒から油を分離し、油の一部又は全部が分離され除去された後の冷媒を冷媒経路L32に流出させる。また、油分離器114には、油経路L7と接続される油排出口が設けられ、冷媒から分離された油は、油排出口を通じて油経路L7に流出し、油経路L7及び冷媒経路L22を通じて圧縮機113に戻される。
【0046】
室外熱交換器115は、外気と内部を通過する冷媒との間で熱交換を行う。具体的には、室外熱交換器115には、ファン117が併設され、室外熱交換器115は、ファン117により送風される外気と内部を通流する冷媒との間で熱交換を行う。
【0047】
空気調和機100の冷房運転時において、室外熱交換器115は、冷媒経路L4から流入する、圧縮機113で圧縮された高温高圧の冷媒に外気への放熱を行わせ、凝縮・液化した冷媒(液冷媒)を冷媒経路L5に流出させる。
【0048】
また、空気調和機100の暖房運転時において、室外熱交換器115は、冷媒経路L5から流入する低温低圧の液冷媒に外気から吸熱を行わせ、蒸発した冷媒を冷媒経路L4に流出させる。
【0049】
室外膨張弁116は、空気調和機100の暖房運転時において、所定の開度に閉じられ、冷媒経路L6から流入する冷媒(液冷媒)を所定の圧力に減圧させる。一方、室外膨張弁116は、空気調和機100の冷房運転時において、全開状態にされ、冷媒経路L5から冷媒経路L6に冷媒(液冷媒)を通過させる。室外膨張弁116は、例えば、電磁弁である。
【0050】
室内機120は、室内膨張弁121と、室内熱交換器122と、ファン123とを含む。
【0051】
室内膨張弁121は、空気調和機100の冷房運転時において、所定の開度に閉じられ、冷媒経路140から流入する、過冷却状態の液冷媒を所定の圧力に減圧させる。一方、室内膨張弁121は、空気調和機100の暖房運転時において、全開状態にされ、室内熱交換器122から流出する冷媒(液冷媒)を冷媒経路140に向かって通過させる。室内膨張弁121は、例えば、電磁弁である。
【0052】
室内熱交換器122は、室内空気と内部を通過する冷媒との間で熱交換を行う。具体的には、室内機120に搭載されるファン123の作用で、室内熱交換器122の周囲に室内空気が通過し、室内熱交換器122の内部の冷媒との間で熱交換が促進される。そして、ファン123の作用で、室内熱交換器122の内部との冷媒との間の熱交換が行われた室内空気が室内機120の外部に送り出されることにより、室内の冷房或いは暖房が実現される。
【0053】
空気調和機100の冷房運転時において、室内熱交換器122は、室内膨張弁121により減圧された低温低圧の液冷媒に室内空気から吸熱させ、室内空気の温度を下げる。
【0054】
一方、空気調和機100の暖房運転時において、室内熱交換器122は、冷媒経路130を通じて室外機110から流入する高温高圧の冷媒に室内空気への放熱を行わせ、室内空気の温度を上げる。
【0055】
[電力変換装置の第1例]
次に、本実施形態に係る空気調和機100に搭載される電力変換装置200の第1例について説明する。
【0056】
<構成>
図2~
図4を参照して、本例に係る電力変換装置200の構成について説明する。
【0057】
図2は、電力変換装置200の第1例を示す構成図である。
図3は、パワーデバイス233PDの放熱構造の一例を示す図である。
図4は、パワーデバイス233PDと放熱部240との間の浮遊容量を説明する図である。
【0058】
図2に示すように、室外機110は、自身の構成要素を収容する筐体110Hを有し、筐体110Hに収容される電力変換装置200を含む。
【0059】
電力変換装置200は、室外機110の外部から供給される、商用電源PSの交流の電力を用いて、圧縮機113の電動機113Mを駆動する。
【0060】
電力変換装置200は、端子T_FGと、電源線L_Lと、電源線L_NEと、グランド線L_FGと、電源端子台210と、ノイズフィルタ220と、電力変換基板230と、放熱部240とを含む。
【0061】
端子T_FGは、筐体110Hの外部において、接地される。
【0062】
電源線L_L,L_NEは、商用電源PSの交流の電力を電力変換基板230に供給する。
【0063】
電源線L_Lは、電源線L_L1~L_L5を含む。同様に、電源線L_NEは、電源線L_NE1~L_NE5を含む。
【0064】
電源線L_L1,L_NE1は、それぞれ、商用電源PSと電源端子台210との間を接続する。電源線L_L2,L_NE2は、それぞれ、電源端子台210とノイズフィルタ220の電源線L_L3,L_NE3の一端との間を接続する。電源線L_L3,L_L4、及び電源線L_NE3,L_NE4は、ノイズフィルタ220の内部の電源線に相当する。電源線L_L5,L_NE5は、それぞれ、ノイズフィルタ220の電源線L_L4,L_NE4の他端と電力変換基板230との間を接続する。
【0065】
グランド線L_FGは、基準電位線であり、基準電位に対応する筐体110Hと端子T_FGを通じて接続される。上述の如く、端子T_FGが接地されることから、本例では、グランド電位は、接地電位である。
【0066】
電源端子台210は、電源線L_L1,L_NE1により供給される交流の電力を各種機器に中継したり分岐させたりする。
【0067】
電源端子台210には、電源線L_L1の一端が接続されると共に、電源線L_L2の一端が接続され、電源線L_L1と電源線L_L2との間を電気的に接続する。同様に、電源端子台210には、電源線L_NE1の一端が接続されると共に、電源線L_NE2の一端が接続され、電源線L_NE1と電源線L_NE2との間を電気的に接続する。
【0068】
ノイズフィルタ220は、電源線L_L3,L_L4、及び電源線L_NE3,L_NE4の電流のノイズを抑制する。例えば、
図2に示すように、ノイズフィルタ220は、コモンモードチョークコイル221と、Yコンデンサ222と、Xコンデンサ223とを含む。
【0069】
コモンモードチョークコイル221は、電源線L_L3,L_L4、及び電源線L_NE3,L_NE4に流れるコモンモードのノイズ電流に対してインダクタとして作用しノイズ電流を抑制する。
【0070】
Yコンデンサ222は、グランドに流出したコモンモードの高周波のノイズ電流をノイズ源(電力変換基板230)に戻す働きを有する。Yコンデンサ222は、Yコンデンサ222A,222Bを含む。
【0071】
Yコンデンサ222Aは、電源線L_L4とグランド線L_FGとの間を接続する電線に設けられる。Yコンデンサ222Bは、電源線L_NE4とグランド線L_FGとの間を接続する電線に設けられる。
【0072】
Xコンデンサ223は、ノーマルモードの高周波のノイズ電流をバイパスしてノイズ源(電力変換基板230)に戻す働きを有する。Xコンデンサ223は、Xコンデンサ223A,223Bを含む。
【0073】
Xコンデンサ223Aは、電源線L_L3と電源線L_NE3との間を接続する電線に設けられる。Xコンデンサ223Bは、電源線L_L4と電源線L_NE4との間を接続する電線に設けられる。
【0074】
電力変換基板230は、電源線L_L,L_NEを通じて供給される交流の電力を用いて、所定の電圧及び周波数の三相交流を生成し電動機113Mに出力するための構成要素が実装される。これにより、電力変換装置200は、圧縮機113を駆動することができる。電力変換基板230には、整流回路231と、平滑回路232と、インバータ回路233とが実装される。
【0075】
整流回路231は、電源線L_L5,L_NE5の交流を直流に変換し、電源線L_P1,L_NG1に出力する。例えば、
図2に示すように、整流回路231は、パワーデバイス231PD(半導体ダイオード)を含む。
【0076】
平滑回路232は、電源線L_P1,L_NG1の直流を平滑化する。例えば、平滑回路232は、平滑コンデンサ232Cと、リアクトル232Lとを含む。
【0077】
平滑コンデンサ232Cは、電源線L_P1,L_NG1の間を接続する電線に設けられる。平滑コンデンサ232Cは、適宜、充放電を繰り返しながら、整流回路231から出力される直流電力やインバータ回路233から出力(回生)される直流を平滑化する。
【0078】
リアクトル232Lは、電源線L_P1に設けられる。例えば、リアクトル232Lは、整流回路231と平滑コンデンサ232Cとの間の電源線L_P1に設けられる。リアクトル232Lは、適宜、電流の変化を妨げるように電圧を発生させながら、整流回路231から出力される直流やインバータ回路233から出力(回生)される直流を平滑化する。
【0079】
インバータ回路233は、電源線L_P1,L_NG1の他端に接続される。インバータ回路233は、パワーデバイス233PDを含む。パワーデバイス233PDは、例えば、半導体スイッチである。半導体スイッチは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やHEMT(High Electron Mobility Transistor)等である。半導体スイッチは、例えば、ケイ素(シリコン:Si)を主材料として構成される。また、半導体スイッチは、ワイドバンドギャップ半導体材料を主材料として構成されてもよい。後述のパワーデバイス251PDについても同様であってよい。
【0080】
インバータ回路233は、パワーデバイス233PDのスイッチ動作により、平滑回路232から出力される直流を所定の周波数や所定の電圧を有する三相交流に変換し電動機113Mに出力する。パワーデバイス233PDのスイッチング周波数は、例えば、20kHz以上に設定される。これにより、パワーデバイス233PDのスイッチング動作に起因するノイズ音の周波数を人間の可聴域から外すことができる。
【0081】
放熱部240は、パワーデバイス233PDの熱をパワーデバイス233PDの外部に放熱させる。
【0082】
例えば、
図3に示すように、放熱部240は、ヒートシンクである。本例では、電力変換基板230に実装されるパワーデバイス233PDと放熱部240(ヒートシンク)とは、絶縁体である放熱促進部材245を介して熱伝導が可能なように間接的に接する。放熱促進部材245は、例えば、熱伝導フィラを含む熱伝導シートや熱伝導グリス等である。また、パワーデバイス233PDと放熱部240(ヒートシンク)とは、熱伝導が可能なように、直接的に接していてもよい。
【0083】
以下、パワーデバイス233PDと放熱部240とが接する状態は、熱伝導によってパワーデバイス233PDから放熱部240に放熱可能な状態を意味し、パワーデバイス233PDと放熱部240が直接的に接する状態だけでなく、放熱促進部材245等を介して間接的に接する状態をも含む意味で用いる。また、パワーデバイス233PDと放熱部240との接触面積は、パワーデバイス233PDと放熱部240とが直接的に接しているか間接的に接しているかに依らず、パワーデバイス233PDにおける放熱部240と対向する面の面積の意味で用いる。
【0084】
また、放熱部240は、内部に冷媒が通流するウォータジャケット等であってもよい。
【0085】
<コモンモードのノイズ電流>
図2~
図4に加えて、
図5を参照して、電力変換装置200に生じうるコモンモードのノイズ電流について説明する。
【0086】
図5は、室外機110の筐体110Hの一例を示す図である。
【0087】
図2に示すように、パワーデバイス233PDと放熱部240との間に浮遊容量Cs11が存在する。
【0088】
例えば、
図3に示すように、パワーデバイス233PDは、ケース233PDaと、ケース233PDaの内部に実装されるチップ233PDbとを含む。また、本例では、パワーデバイス233PDのケース233PDaと放熱部240との間には、絶縁体としての放熱促進部材245が配置される。
【0089】
例えば、ケース233PDaが樹脂製の場合、パワーデバイス233PDと放熱部240との間の浮遊容量Cs11は、パワーデバイス233PDと放熱部240との対向面同士の間の浮遊容量に相当する。また、ケース233PDaが金属製の場合、
図4に示すように、チップ233PDbとケース233PDaとの間に浮遊容量Cs11_1が存在し、ケース233PDaと放熱部240との間に浮遊容量Cs11_2が存在する。この場合、パワーデバイス233PDと放熱部240との間の浮遊容量Cs11は、直列接続される、浮遊容量Cs11_1,Cs11_2の合成容量に相当する。
【0090】
尚、パワーデバイス233PDと放熱部240との間の浮遊容量Cs11は、インピーダンスアナライザによって測定されうる。具体的には、例えば、作業者は、放熱部240と筐体110Hとを接続する電線を外す等によって、浮遊容量Cs11を含む一巡経路(即ち、後述の一巡経路CP1)を電気的に切断する。そして、作業者は、整流回路231とインバータ回路233との間のDCリンク(例えば、平滑コンデンサ232Cとインバータ回路233との間の電源線L_NG1)と放熱部240の間にインピーダンスアナライザを接続する。これにより、作業者は、パワーデバイス233PDと放熱部240との間の浮遊容量Cs11を測定できる。
【0091】
また、
図2に示すように、電源線L_L5,L_NE5のそれぞれには、配線インダクタンスLp11,Lp12が存在する。
【0092】
そのため、
図2に示すように、配線インダクタンスLp11,Lp12と浮遊容量Cs11とによって、電源線L_L5及び電源線L_NE5にノイズに起因するコモンモードの共振電流が流れる可能性がある。具体的には、浮遊容量Cs11、筐体110H、グランド線L_FG、Yコンデンサ222A、及び配線インダクタンスLp11を通過し電力変換基板230に戻る経路CP11、並びに浮遊容量Cs11、筐体110H、グランド線L_FG、Yコンデンサ222B、及び配線インダクタンスLp12を通過し電力変換基板230に戻る経路CP12にコモンモードの共振電流が流れる可能性がある。
【0093】
例えば、
図5に示すように、筐体110Hは、鉛直方向の柱部材や水平方向の梁部材を組みわせて構成され、共振電流RCは、電力変換基板230付近を起点として、筐体110Hの柱部材や梁部材を流れうる。
【0094】
図2に示すように、電動機113Mと、筐体110Hに導通される圧縮機113の筐体113Hとの間にも浮遊容量Cs12が存在する。しかしながら、浮遊容量Cs12は、一般的に比較的大きくなる傾向にある。その結果、電動機113Mのインダクタンスや周辺の配線のインダクタンス及び浮遊容量Cs12を含む経路にノイズに起因する共振電流が流れても、その周波数は比較的低くなる可能性が高い。
【0095】
これに対して、パワーデバイス233PDと放熱部240との間の浮遊容量Cs11は、一般的に比較的小さくなる傾向にある。特に、パワーデバイス233PDと放熱部240との接触面積が小さい場合(例えば、接触面積が800mm2以下の場合)、パワーデバイス233PDと放熱部240との間の浮遊容量Cs11は、より小さくなる可能性が高まる。その結果、経路CP11,CP12に流れる、ノイズに起因するコモンモードの共振電流の周波数は比較的高くなる可能性がある。そのため、経路CP11,CP12に流れる共振電流は、特に、放射ノイズが問題となる30MHz以上の高周波電流になる可能性がある。よって、筐体110Hに流れる高周波電流によって、EMIの問題が生じる可能性がある。
【0096】
<放射ノイズの抑制方法>
図2~
図5に加えて、
図6~
図9を参照して、電力変換装置200における放射ノイズの抑制方法について説明する。
【0097】
図6は、電力変換装置200の第1例をコモンモードで表現した等価回路を示す図である。
図7は、室外機110の筐体110Hの外周における電流が流れうる経路(ループ経路)の一例を示す図である。
図8は、電力変換装置200の一巡経路CP1のインピーダンスの測定結果の一例を示す図である。
図9は、Q値を説明する図である。
【0098】
図6に示すように、本例では、電力変換装置200をコモンモードで表現したときの配線インダクタンスLp1及び浮遊容量Cs11によって生じる共振電流が流れる一巡経路CP1について考える。一巡経路CP1は、浮遊容量Cs11、グランド、Yコンデンサ222、及び配線インダクタンスLp1を含む環状の経路である。Yコンデンサ222の容量は、並列接続されるYコンデンサ222A,222Bの合成容量に相当する。配線インダクタンスLp1は、並列接続される配線インダクタンスLp11,Lp12の合成インダクタンスに相当する。
【0099】
電力変換装置200は、一巡経路CP1の共振周波数fr1が所定値fr_lim1より低くなるように設定される。所定値fr_lim1は、例えば、30MHzである。これにより、一巡経路CP1の共振電流の周波数を放射ノイズが問題となる高周波帯域から外すことができ、その結果、筐体110Hからの放射ノイズを抑制することができる。
【0100】
また、所定値fr_lim1は、筐体110Hの外周を一巡するように電流が流れうる環状のループ経路のうちの最大の長さのループ経路のその長さを1波長とする電磁波の周波数に相当する値であってもよい。筐体110Hの外周を一巡するように電流が流れうるループ経路とは、始点から筐体110Hの棒状のフレームを通過し始点と同じ箇所に戻る経路であって、一対の始点及び終点以外で同じ箇所を通過することなく且つ連続して描かれる経路を意味する。これにより、共振周波数fr1がfr_lim1より低くなるように設定されることで、一巡経路CP1の共振電流の1波長が筐体110Hの外周のどのループ経路の長さよりも長くなる。そのため、例えば、
図7に示すように、筐体110Hの外周の比較的長いループ経路RPに一巡経路CP1の共振電流が通流しても、ループ経路RPの長さより共振電流の波長が長いことから、ループアンテナの作用による放射ノイズを抑制できる。
【0101】
また、電力変換基板230のパワーデバイス233PDのスイッチング動作とは異なる他のノイズ発生要因に対応するノイズ電流の共振周波数と異なるように、一巡経路CP1の共振周波数fr1が設定されてもよい。これにより、例えば、ノイズに関する所定の規格で定められる周波数領域におけるノイズレベルの変動を抑制して平均化することができ、その結果、その規格をクリアし易くなる。
【0102】
また、電力変換装置200のキャリア周波数の整数倍成分等のキャリア周波数と相関を有する周波数と異なるように、一巡経路CP1の共振周波数fr1が設定されてもよい。これにより、電力変換装置200は、キャリア周波数に起因するノイズを抑制することができる。
【0103】
また、ノイズフィルタ220におけるノイズの減衰量が比較的大きい周波数帯に含まれるように、一巡経路CP1の共振周波数fr1が設定されてもよい。これにより、一巡経路CP1におけるノイズに起因する共振電流を抑制することができる。
【0104】
一巡経路CP1の共振周波数fr1は、以下の式(1)で表される。
【0105】
【0106】
そのため、例えば、設計者は、配線インダクタンスLp1、及び浮遊容量Cs11の少なくとも一方の大きさを適宜設定することにより、一巡経路CP1の共振周波数fr1を所望の値に設定することができる。具体的には、配線インダクタンスLp1及び浮遊容量Cs11の少なくとも一方が比較的大きくなるように適宜設定されることで、一巡経路CP1の共振周波数fr1が所定値fr_lim1より低くなるように設定されうる。配線インダクタンスLp1が比較的大きくなるように設定される場合、配線インダクタンスLp11,Lp12の双方が比較的大きくなるように設定される。
【0107】
例えば、設計者は、電源線L_L5及び電源線L_NE5の両方の長さを比較的長くなるように適宜設定する。これにより、電源線L_L5及び電源線L_NE5の配線インダクタンスLp11,Lp12の合成インダクタンス(配線インダクタンスLp1)が比較的大きくなるように設定されうる。そのため、設計者は、電源線L_L5及び電源線L_NE5の両方の長さを比較的長くなるように設定することで、共振周波数fr1を所定値fr_lim1より低くなるように設定することができる。
【0108】
また、電源線L_L5及び電源線L_NE5の両方の少なくとも一部が巻き回されることによってコイルとされていてもよい。これにより、コイルの部分のインダクタンスが増加することから、電源線L_L5及び電源線L_NE5の配線インダクタンスLp11,Lp12の合成インダクタンス(配線インダクタンスLp1)が比較的大きくなるように設定されうる。そのため、設計者は、電源線L_L5及び電源線L_NE5の両方の一部又は全部をコイルとすることによって、共振周波数fr1を所定値fr_lim1より低くなるように設定することができる。
【0109】
また、パワーデバイス233PDと放熱部240との間に介在する放熱促進部材245として、誘電率が比較的高い部材が採用されてもよい。また、放熱促進部材245の厚みが可能な範囲でより小さく設定されてもよい。これにより、パワーデバイス233PDと放熱部240との間の浮遊容量Cs11が比較的大きく設定されうる。そのため、設計者は、放熱促進部材245の誘電率及び厚みの少なくとも一方を調整することによって、共振周波数fr1を所定値fr_lim1より低くなるように設定することができる。
【0110】
例えば、
図8に示すように、一巡経路CP1のインピーダンスの測定結果から、一巡経路CP1の最も大きな共振の周波数fr_dが所定値fr_lim1(本例では、30MHz)より低くなっていることが分かる。一巡経路CP1の"最も大きな共振"とは、一巡経路CP1において生じる、特定の周波数の電流が周辺の周波数の電流よりも流れ易くなっている状態を表す共振のうち、最もインピーダンスが低い共振を意味する。これにより、電力変換装置200の一巡経路CP1の共振周波数fr1が、想定通りに、所定値fr_lim1より低く設定されていることを確認することができる。
【0111】
一巡経路CP1の"最も大きな共振"は、一巡経路CP1において生じる、特定の周波数の電流が周辺の周波数の電流よりも流れ易くなっている状態を表す共振のうち、Q値が最も大きい共振に対応する。
図9に示すように、Q値は、共振の周波数特性の先鋭度を表す指標値であり、共振の角周波数(共振角周波数)ω
0、共振角周波数ω
0での電流値I
MAXの1/√2倍の電流値のときの近傍の角周波数ω
1,ω
2を用いて、以下の式(2),(3)で表される。
【0112】
【0113】
尚、一巡経路CP1のインピーダンスは、一巡経路CP1から分岐する経路の電気的な接続を切断した上で、一巡経路のCP1の任意の箇所を切断し、その箇所にインピーダンスアナライザを接続することにより測定されうる。例えば、作業者は、一巡経路CP1から分岐する電源線L_L3,L_NE3、及び電力変換基板230と電動機113Mとの間の配線を取り外す。そして、作業者は、Yコンデンサ222Aとグランド線L_FGとの接続箇所、及びYコンデンサ222Bとグランド線L_FGとの接続箇所との双方を電気的に切断し、Yコンデンサ222A,222Bの切り離した端同士を接続し、その接続端とグランド線L_FGとの間に、インピーダンスアナライザを接続することにより、一巡経路CP1のインピーダンスを測定することができる。また、作業者は、電源線L_L5及び電源線L_NE5の双方を電気的に切断し、切り離した端をYコンデンサ222側と電力変換基板230側とのそれぞれで接続し、両接続端の間に、インピーダンスアナライザを接続することにより、一巡経路CP1のインピーダンスを測定することもできる。
【0114】
このように、本例では、配線インダクタンスLp11,Lp12や浮遊容量Cs11が適宜設定されることによって、電力変換装置200の一巡経路CP1の共振周波数fr1が所定値fr_lim1より低く設定される。これにより、磁気コア(例えば、フェライトコア)等の追加部品を用いることなく、より簡素な構成で筐体110Hからの放射ノイズを抑制することができる。
【0115】
[電力変換装置の第2例]
次に、本実施形態に係る空気調和機100に搭載される電力変換装置200の第2例について説明する。
【0116】
以下、上述の第1例(
図2)と同じ或いは対応する構成には同一の符号を付すと共に、上述の第1例と異なる部分を中心に説明を行い、上述の第1例と同じ或いは対応する内容の説明を省略する場合がある。
【0117】
<構成>
図10を参照して、本例に係る電力変換装置200の構成について説明する。
【0118】
図10は、電力変換装置200の第2例を示す構成図である。
【0119】
図10に示すように、電力変換装置200は、上述の第1例と同様、端子T_FGと、電源線L_Lと、電源線L_NEと、グランド線L_FGと、電源端子台210と、ノイズフィルタ220と、電力変換基板230と、放熱部240とを含む。また、電力変換装置200は、上述の第1例と異なり、電力変換基板250と、放熱部260とを含む。
【0120】
電力変換基板250は、電源線L_P2,L_NG2を通じて、電力変換基板230の直流リンクと接続される。電源線L_P2は、一端が平滑回路232とインバータ回路233との間の電源線L_P1に接続され、他端が電力変換基板250に接続される。電源線L_NG2は、一端が平滑回路232とインバータ回路233との間の電源線L_NG1に接続され、他端が電力変換基板250に接続される。
【0121】
電力変換基板250は、電源線L_P2,L_NG2を通じて供給される直流の電力を用いて、所定の電圧及び所定の周波数の三相交流を生成し電動機117Mに出力するための構成要素が実装される。これにより、電力変換装置200は、ファン117を駆動することができる。電力変換基板250には、インバータ回路251が実装される。
【0122】
インバータ回路251は、電源線L_P2,L_NG2の他端に接続される。インバータ回路251は、パワーデバイス251PDを含む。パワーデバイス251PDは、例えば、半導体スイッチである。
【0123】
インバータ回路251は、パワーデバイス251PDのスイッチ動作により、平滑回路232から出力される直流を所定の周波数や所定の電圧を有する三相交流に変換し電動機117Mに出力する。パワーデバイス251PDのスイッチング周波数は、例えば、20kHz以上に設定される。これにより、パワーデバイス251PDのスイッチング動作に起因するノイズ音の周波数を人間の可聴域から外すことができる。
【0124】
放熱部260は、パワーデバイス251PDの熱をパワーデバイス251PDの外部に放熱させる。
【0125】
例えば、
図3の放熱部240と同様に、放熱部260は、ヒートシンクである。パワーデバイス251PDと放熱部260(ヒートシンク)とは、絶縁体である伝熱促進部材を介して熱伝導が可能なように間接的に接してもよいし、直接的に接していてもよい。
【0126】
以下、パワーデバイス251PDと放熱部260とが接する状態は、熱伝導によってパワーデバイス251PDから放熱部260に放熱可能な状態を意味し、パワーデバイス251PDと放熱部260が直接的に接する状態だけでなく、伝熱促進部材等を介して間接的に接する状態をも含む意味で用いる。また、パワーデバイス251PDと放熱部260との接触面積は、パワーデバイス251PDと放熱部260とが直接的に接しているか間接的に接しているかに依らず、パワーデバイス251PDにおける放熱部260と対応する面の面積の意味で用いる。
【0127】
また、放熱部260は、内部に冷媒が通流するウォータジャケット等であってもよい。
【0128】
<コモンモードのノイズ電流>
引き続き、
図10を参照して、電力変換装置200に生じうるコモンモードのノイズ電流について説明する。
【0129】
図10に示すように、パワーデバイス251PDと放熱部260との間に浮遊容量Cs21が存在する。
【0130】
例えば、
図3のパワーデバイス233PDの場合と同様、パワーデバイス251PDは、ケースと、そのケースの内部に実装されるチップとを含む。また、パワーデバイス251PDのケースと放熱部260との間には、絶縁体としての放熱促進部材が配置される場合がある。
【0131】
例えば、パワーデバイス251PDのケースが樹脂製の場合、パワーデバイス251PDと放熱部240との間の浮遊容量Cs21は、パワーデバイス251PDと放熱部260との対向面同士の間の浮遊容量に相当する。また、パワーデバイス251PDのケースが金属製の場合、パワーデバイス251PDのチップとケースとの間、及びパワーデバイス251PDのケースと放熱部260との間のそれぞれに浮遊容量が存在する。この場合、パワーデバイス251PDと放熱部260との間の浮遊容量Cs21は、直列接続される、2つの浮遊容量の合成容量に相当する。
【0132】
尚、パワーデバイス251PDと放熱部260との間の浮遊容量Cs21は、インピーダンスアナライザによって測定されうる。具体的には、例えば、作業者は、放熱部260と筐体110Hとを接続する電線が外す等によって、浮遊容量Cs21を含む一巡経路(即ち、一巡経路CP2)を電気的に切断する。そして、作業者は、例えば、電源線L_NG2と放熱部260の間にインピーダンスアナライザを接続する。これにより、作業者は、パワーデバイス251PDと放熱部260との間の浮遊容量Cs21を測定できる。
【0133】
また、
図10に示すように、電源線L_P2,L_NG2のそれぞれには、配線インダクタンスLp21,Lp22が存在する。
【0134】
そのため、
図10に示すように、配線インダクタンスLp21,Lp22と浮遊容量Cs11,Cs21とによって、電源線L_P2及び電源線L_NE2にノイズに起因するコモンモードの共振電流が流れる可能性がある。具体的には、浮遊容量Cs21、筐体110H、浮遊容量Cs11、電力変換基板230、及び配線インダクタンスLp21を通過し電力変換基板250に戻る経路CP21、並びに浮遊容量Cs21、筐体110H、浮遊容量Cs11、電力変換基板230、及び配線インダクタンスLp22を通過し電力変換基板250に戻る経路CP22にコモンモードの共振電流が流れる可能性がある。
【0135】
<放射ノイズの抑制方法>
図10に加えて、
図11を参照して、電力変換装置200における放射ノイズの抑制方法について説明する。また、本説明では、上述の第1例の
図7~
図9を援用する場合がある。
【0136】
図11は、電力変換装置200の第2例をコモンモードで表現した等価回路を示す図である。
【0137】
図11に示すように、本例では、電力変換装置200をコモンモードで表現したときの配線インダクタンスLp2及び浮遊容量Cs11,Cs21によって生じる共振電流が流れる一巡経路CP2について考える。一巡経路CP2は、浮遊容量Cs21、グランド、浮遊容量Cs11、電力変換基板230、及び配線インダクタンスLp1を含む環状の経路である。配線インダクタンスLp2は、並列接続される配線インダクタンスLp11,Lp12の合成インダクタンスに相当する。
【0138】
電力変換装置200は、一巡経路CP2の共振周波数fr2が所定値fr_lim2より低くなるように設定される。所定値fr_lim2は、例えば、30MHzである。これにより、一巡経路CP2の共振電流の周波数を放射ノイズが問題となる高周波帯域から外すことができ、その結果、筐体110Hからの放射ノイズを抑制することができる。
【0139】
また、所定値fr_lim2は、筐体110Hの外周を一巡するように電流が流れうる環状のループ経路のうちの最大の長さのループ経路のその長さを1波長とする電磁波の周波数に相当する値であってもよい。これにより、共振周波数fr2がfr_lim2より低くなるように設定されることで、一巡経路CP2の共振電流の波長が筐体110Hの外周のどのループ経路の長さよりも長くなる。そのため、例えば、
図7に示すように、筐体110Hの外周の比較的長いループ経路RPに一巡経路CP2の共振電流が通流しても、ループ経路RPの長さより共振電流の波長が長いことから、ループアンテナの作用による放射ノイズを抑制できる。
【0140】
また、電力変換基板250のパワーデバイス251PDのスイッチング動作とは異なる他のノイズ発生要因に対応するノイズ電流の共振周波数と異なるように、一巡経路CP2の共振周波数fr2が設定されてもよい。これにより、例えば、ノイズに関する所定の規格で定められる周波数領域におけるノイズレベルの変動を抑制して平均化することができ、その結果、その規格をクリアし易くなる。
【0141】
また、電力変換装置200のキャリア周波数の整数倍成分等のキャリア周波数と相関を有する周波数と異なるように、一巡経路CP2の共振周波数fr2が設定されてもよい。これにより、電力変換装置200は、キャリア周波数に起因するノイズを抑制することができる。
【0142】
一巡経路CP2の共振周波数fr2は、以下の式(4)で表される。
【0143】
【0144】
そのため、例えば、上述の第1例の場合と同様、設計者は、配線インダクタンスLp2、及び浮遊容量Cs2の少なくとも一方の大きさを適宜設定することにより、一巡経路CP2の共振周波数fr2を所望の値に設定することができる。具体的には、配線インダクタンスLp2及び浮遊容量Cs2の少なくとも一方が比較的大きくなるように適宜設定されることで、一巡経路CP2の共振周波数fr2が所定値fr_lim2より低くなるように設定されうる。浮遊容量Cs2は、浮遊容量Cs11,Cs21の合成容量である。配線インダクタンスLp2が比較的大きくなるように設定される場合、配線インダクタンスLp21,Lp22の双方が比較的大きくなるように設定される。浮遊容量Cs2が比較的大きくなるように設定される場合、浮遊容量Cs11,Cs21の双方が比較的大きくなるように設定されてもよいし、何れか一方だけが比較的大きくなるように設定されてもよい。
【0145】
例えば、設計者は、電源線L_P2及び電源線L_NG2の両方の長さを比較的長くなるように適宜設定する。これにより、電源線L_P2及び電源線L_NG2の配線インダクタンスLp21,Lp22の合成インダクタンス(配線インダクタンスLp2)が比較的大きくなるように設定されうる。そのため、設計者は、電源線L_P2及び電源線L_NG2の長さを比較的長くなるように設定することで、共振周波数fr2を所定値fr_lim2より低くなるように設定することができる。
【0146】
また、電源線L_P2及び電源線L_NG2の両方の少なくとも一部が巻き回されることによってコイルとされていてもよい。これにより、コイルの部分のインダクタンスが増加することから、電源線L_P2及び電源線L_NG2の配線インダクタンスLp21,Lp22の合成インダクタンス(配線インダクタンスLp2)が比較的大きくなるように設定されうる。そのため、設計者は、電源線L_P2及び電源線L_NG2の両方の一部又は全部をコイルとすることによって、共振周波数fr2を所定値fr_lim2より低くなるように設定することができる。
【0147】
また、パワーデバイス251PDと放熱部260との間に介在する放熱促進部材として、誘電率が比較的高い部材が採用されてもよい。また、放熱促進部材の厚みが可能な範囲でより小さく設定されてもよい。これにより、パワーデバイス251PDと放熱部260との間の浮遊容量Cs21が比較的大きく設定され、その結果、浮遊容量Cs11,Cs21の合成容量が比較的大きく設定されうる。そのため、設計者は、パワーデバイス251PDと放熱部260との間の放熱促進部材の誘電率及び厚みの少なくとも一方を調整することによって、共振周波数fr2を所定値fr_lim2より低くなるように設定することができる。
【0148】
また、上述の第1例の場合と同様、パワーデバイス233PDと放熱部240との間に介在する放熱促進部材245として、誘電率が比較的高い部材が採用されてもよい。また、放熱促進部材245の厚みが可能な範囲でより小さく設定されてもよい。これにより、パワーデバイス233PDと放熱部240との間の浮遊容量Cs11が比較的大きく設定され、その結果、浮遊容量Cs11,Cs21の合成容量が比較的大きく設定されうる。そのため、設計者は、放熱促進部材245の誘電率及び厚みの少なくとも一方を調整することによって、共振周波数fr2を所定値fr_lim2より低くなるように設定することができる。
【0149】
尚、浮遊容量Cs11,Cs21を比較すると、浮遊容量Cs21の方が浮遊容量Cs11よりも小さい場合が多い。そのため、共振周波数fr21,fr22への影響は、浮遊容量Cs11よりも浮遊容量Cs21の方が大きい場合が多い。よって、浮遊容量Cs11,Cs21のうちの浮遊容量Cs21について、その容量が比較的大きくなるように優先的に設定されてよい。
【0150】
例えば、上述の第1例(
図8参照)と同様、一巡経路CP2のインピーダンスの測定結果から、一巡経路CP2の最も大きな共振の周波数が所定値fr_lim2(例えば、30MHz)より低くなっていることを確認することができる。一巡経路CP2の"最も大きな共振"とは、一巡経路CP2において生じる、特定の周波数の電流が周辺の周波数の電流よりも流れ易くなっている状態を表す共振のうち、最もインピーダンスが低い共振を意味する。これにより、電力変換装置200の一巡経路CP2の共振周波数fr2が、想定通りに、所定値fr_lim2より低く設定されていることを確認することができる。
【0151】
上述の第1例の場合(
図9参照)と同様、一巡経路CP2の"最も大きな共振"は、一巡経路CP2において生じる、特定の周波数の電流が周辺の周波数の電流よりも流れ易くなっている状態を表す共振のうち、最もQ値が大きい共振に対応する。
【0152】
尚、一巡経路CP2のインピーダンスは、一巡経路CP2から分岐する経路の電気的な接続を切断した上で、一巡経路のCP2の任意の箇所を切断し、その箇所にインピーダンスアナライザを接続することにより測定されうる。例えば、作業者は、一巡経路CP2から分岐する電源線L_L5,L_NE5、電力変換基板230と電動機113Mとの間の配線、及び電力変換基板250と電動機117Mとの間の配線を取り外す。そして、作業者は、電源線L_P2及び電源線L_NG2の双方を電気的に切断し、切り離した端を電力変換基板230側と電力変換基板250側とのそれぞれで接続し、両接続端の間に、インピーダンスアナライザを接続することにより、一巡経路CP2のインピーダンスを測定することができる。
【0153】
このように、本例では、配線インダクタンスLp21,Lp22や浮遊容量Cs11,Cs21が適宜設定されることによって、電力変換装置200の一巡経路CP2の共振周波数fr2が所定値fr_lim2より低く設定される。これにより、磁気コア等の追加部品を用いることなく、より簡素な構成で筐体110Hからの放射ノイズを抑制することができる。
【0154】
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。
【0155】
上述の実施形態は、適宜、変形や変更が加えられてもよい。
【0156】
例えば、上述の実施形態では、ノイズフィルタ220は、ノーマルモードチョークコイルを含んでもよい。
【0157】
また、上述の実施形態やその変形・変更の例では、平滑コンデンサ232C及びリアクトル232Lの少なくとも一方が省略されてもよいし、平滑回路232自体が省略されてもよい。
【0158】
上述の実施形態の電力変換装置200は、空気調和機100とは異なる冷凍機に搭載されてもよい。つまり、上述の実施形態の電力変換装置200は、冷凍サイクルを有する任意の機器に搭載されてよい。
【0159】
また、上述の実施形態の電力変換装置200は、冷凍機とは異なる機器に搭載され、その機器に搭載される電動機等を駆動してもよい。例えば、上述の実施形態の電力変換装置200は、車両に搭載され、車両の電動機等を駆動してもよい。
【0160】
[作用]
次に、本実施形態に係る電力変換装置及び空気調和機の作用について説明する。
【0161】
本実施形態では、電力変換装置は、パワーデバイスと、放熱部と、基板と、電線と、を備える。電力変換装置は、例えば、上述の電力変換装置200である。パワーデバイスは、例えば、上述のパワーデバイス233PDやパワーデバイス251PDである。放熱部は、例えば、上述の放熱部240や放熱部260である。基板は、例えば、上述の電力変換基板230や電力変換基板250である。電線は、例えば、電源線L_L5,L_NE5や電源線L_P2,L_NG2である。具体的には、放熱部は、パワーデバイスと接してパワーデバイスからの熱を放熱するための構成要素である。基板は、パワーデバイスを搭載する。また、電線は、パワーデバイスを搭載する基板の電源側に接続される。また、パワーデバイスのスイッチング周波数は、20kHz以上である。そして、パワーデバイスと放熱部との間の浮遊容量及び電線を含む一巡経路における最も大きな共振の周波数が所定値よりも低い。浮遊容量は、例えば、上述の浮遊容量Cs11や浮遊容量Cs21である。一巡経路は、例えば、上述の一巡経路CP1や一巡経路CP2である。最も大きな共振の周波数は、例えば、上述の周波数fr_dである。所定値は、例えば、上述の所定値fr_lim1や所定値fr_lim2である。より具体的には、一巡経路には、磁気コアが設けられない。
【0162】
また、本実施形態では、電力変換装置は、パワーデバイスと、放熱部と、基板と、電線と、を備える。具体的には、放熱部は、パワーデバイスと接してパワーデバイスからの熱を放熱するための構成要素である。また、基板は、パワーデバイスを搭載する。また、電線は、基板の電源側に接続される。また、パワーデバイスのスイッチング周波数は、20kHz以上である。そして、電線のインダクタンス、及びパワーデバイスと放熱部との間の浮遊容量により規定される回路の共振周波数が所定値よりも低い。インダクタンスは、例えば、上述の配線インダクタンスLp11,Lp12や配線インダクタンスLp21,Lp22である。回路は、例えば、上述の一巡経路CP1や一巡経路CP2である。共振周波数は、例えば、上述の共振周波数fr1や共振周波数fr2である。
【0163】
これにより、パワーデバイスのスイッチング周波数が20kHz以上と電磁ノイズが比較的多くなる状況下において、電力変換装置は、高周波電流が生じうる一巡経路の共振電流の周波数を比較的低く抑えることができる。そのため、電力変換装置は、例えば、フェライトコア等の磁性体の磁気コア等の追加の部品を用いることなく、より簡素な構成で放射ノイズを抑制することができる。
【0164】
また、本実施形態では、所定値は、30MHz以下であってもよい。
【0165】
これにより、電力変換装置は、一般的に、EMIに関する各種の規格で放射ノイズが問題となる30MHzの周波数帯よりも共振の周波数を低くすることができる。そのため、電力変換装置は、放射ノイズを抑制することができると共に、EMIに関する各種の規格の要件を満足し易くなる。
【0166】
また、本実施形態では、所定値は、電力変換装置を収容する筐体の外周を一巡するように電流が流れうる経路のうちの最大の長さの経路を1波長とする電磁波の周波数に相当する値であってもよい。
【0167】
これにより、筐体を含む一巡経路に流れる共振電流の1波長は、筐体の外周を一巡するように電流が流れうる任意の経路よりも長くなる。そのため、電力変換装置は、一巡経路の共振電流により筐体にループ電流が発生したとしても、ループアンテナとしての作用を抑制することができ、その結果、放射ノイズを抑制することができる。
【0168】
また、本実施形態では、パワーデバイスと放熱部との接している面積が800mm2以下であってもよい。
【0169】
これにより、パワーデバイスと放熱部との接触面積が小さく、パワーデバイスと放熱部との浮遊容量が比較的小さくなり易い仕様の電力変換装置であっても、共振の周波数を比較的低く抑え、放射ノイズを抑制することができる。
【0170】
また、本実施形態では、空気調和機は、上記の電力変換装置と、電力変換装置により駆動される電動機と、を備えてもよい。
【0171】
これにより、電力変換装置は、空気調和機の外部への放射ノイズを抑制することができる。
【0172】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0173】
100 空気調和機
110 室外機
110H 筐体
113 圧縮機
113M 電動機
117 ファン
117M 電動機
120 室内機
200 電力変換装置
210 電源端子台
220 ノイズフィルタ
221 コモンモードチョークコイル
222,222A,222B Yコンデンサ
223,223A,223B Xコンデンサ
230 電力変換基板
231 整流回路
232 平滑回路
233 インバータ回路
233PD パワーデバイス
233PDa ケース
233PDb チップ
240 放熱部
245 放熱促進部材
250 電力変換基板
251 インバータ回路
251PD パワーデバイス
260 放熱部
CP1,CP2 一巡経路
Cs11,Cs11_1,Cs11_2,Cs21 浮遊容量
fr_d 最も大きな共振の周波数
fr_lim1,fr_lim2 所定値
fr1,fr2 共振周波数
L_FG グランド線
L_L,L_L1~L_L5 電源線
L_NE,L_NE1~L_NE5 電源線
L_NG1,L_NG2 電源線
L_P1,L_P2 電源線
Lp1,Lp11,Lp12,Lp2,Lp21,Lp22 配線インダクタンス
PS 商用電源