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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145978
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/26 20060101AFI20241004BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241004BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20241004BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G03B21/26
G03B21/00 E
G03B21/14 A
H04N9/31 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058623
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】米山 拓応
【テーマコード(参考)】
2K203
5C060
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA34
2K203FA53
2K203FA62
2K203FB18
2K203GA02
2K203GA12
2K203GA20
2K203GA36
2K203GA40
2K203GB30
2K203GC13
2K203GC39
2K203HA52
2K203HA95
2K203HB08
2K203HB19
2K203HB22
2K203KA36
2K203KA56
2K203MA23
5C060JA20
5C060JB06
(57)【要約】
【課題】プロジェクターにおいて、移動量に基づく投射画像の調整を正確に行う。
【解決手段】本発明のプロジェクターは、第1波長の第1光及び第2波長の第2光を含む光を射出する第1光源装置と、光源装置から射出された光を第1光と第2光に分離する光分離素子と、第1光を変調する第1光変調装置と、第2光を変調する第2光変調装置と、第1光変調装置及び第2光変調装置から射出された光を合成する光合成素子と、投射光学系と、不可視光を射出する第2光源装置と、光分離素子から射出された第1光及び第2光源装置から射出された不可視光を合成する光学素子と、を備え、第2光源装置から射出された不可視光は、第1偏光方向の第1偏光と、第1偏光方向とは異なる第2偏光方向の第2偏光と、を含む不可視光であり、第1光変調装置には、光学素子から射出された第1光及び不可視光が入射し、投射光学系は、第1光、第2光、及び不可視光を含む光を投射する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長の第1光及び前記第1波長とは異なる第2波長の第2光を含む光を射出する第1光源装置と、
前記第1光源装置から射出された前記光を前記第1光と前記第2光に分離する光分離素子と、
前記第1光を変調する第1光変調装置と、
前記第2光を変調する第2光変調装置と、
前記第1光変調装置から射出された光と前記第2光変調装置から射出された光を合成する光合成素子と、
前記光合成素子から射出された光を投射する投射光学系と、
不可視光を射出する第2光源装置と、
前記光分離素子から射出された前記第1光及び前記第2光源装置から射出された前記不可視光を合成する光学素子と、
を備え、
前記第2光源装置から射出された前記不可視光は、第1偏光方向の第1偏光と、前記第1偏光方向とは異なる第2偏光方向の第2偏光と、を含む不可視光であり、
前記第1光変調装置には、前記光学素子から射出された前記第1光及び前記不可視光が入射し、
前記投射光学系は、前記第1光、前記第2光、及び前記不可視光を含む光を投射する、
プロジェクター。
【請求項2】
前記光分離素子と前記第1光変調装置との間に配置され、前記光分離素子から射出された前記第1光が入射する第1偏光素子と、
前記第1光変調装置の前記光合成素子との間に配置され、前記第1光変調装置から射出された前記第1光および前記不可視光が入射する第2偏光素子と、
をさらに備え、
前記第1偏光素子は、前記第1偏光方向の前記第1光を射出し、
前記第1光変調装置は、前記不可視光のうち前記第2偏光と、前記第1偏光方向の前記第1光及び前記第1偏光方向とは異なる第2偏光方向の前記第1光のうち少なくとも一方を含む光と、を射出し、
前記第2偏光素子は、前記第2偏光と、前記第2偏光方向の前記第1光を射出する、
請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記第2光源装置は、
非偏光の前記不可視光を発する発光部と、
前記不可視光が入射し、前記第1偏光と前記第2偏光を射出する複屈折素子と、
を有する、
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記第2光源装置は、
前記第2光源装置の光軸に直交する第1方向に沿って配置され、前記第1偏光方向の前記第1光を射出する第1レーザー光源と、
前記第2光源装置の前記光軸及び前記第1方向の両方に直交する第2方向に沿って配置され、前記第2偏光方向の前記第1光を射出する第2レーザー光源と、
を有する、
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記第2光源装置は、
前記第2光源装置の光軸に直交する第1方向に沿って配置され、前記第1偏光方向の前記第1光を射出する第1レーザー光源と、
前記第2光源装置の前記光軸及び前記第1方向の両方に直交する第2方向に沿って配置され、前記第2偏光方向の前記第1光を射出する第2レーザー光源と、
前記第1方向に沿って配置され、且つ、前記第2光源装置の前記光軸に対して前記第1レーザー光源に対称となる位置に配置され、前記第1偏光方向の前記第1光を射出する第3レーザー光源と、
前記第2方向に沿って配置され、且つ、前記第2光源装置の前記光軸に対して前記第2レーザー光源に対称となる位置に配置され、前記第2偏光方向の前記第1光を射出する第4レーザー光源と、
を有する、
請求項4に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記第2光源装置は、
第1回転方向の第1円偏光の前記第1光を射出する第1レーザー光源と、
前記第1回転方向とは反対の第2回転方向の第2円偏光の第1光を射出する第2レーザー光源と、
を有する、
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記光学素子は、前記第1光を反射するとともに前記不可視光を透過し、
前記第2光源装置は、前記光学素子に対して前記第1光変調装置とは反対側に配置されている、
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項8】
前記第1光は、赤色光であり、
前記不可視光は、赤外光であり、
前記光学素子は、前記赤色光と前記赤外光とを合成して射出する、
請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項9】
前記第1光は、青色光であり、
前記不可視光は、紫外光であり、
前記光学素子は、前記青色光と前記紫外光とを合成して射出する、
請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項10】
前記第2光源装置は、前記第1レーザー光源及び前記第2レーザー光源の光射出側に配置され、前記不可視光を回折する回折素子をさらに有し、
前記投射光学系によって投射された前記不可視光は、所定のパターンを含む、
請求項4に記載のプロジェクター。
【請求項11】
前記第1光変調装置の光入射側及び光射出側のうち一方に配置された透光性部材をさらに備え、
前記透光性部材は、前記不可視光を反射し前記第1光を透過する遮蔽部と、前記不可視光及び前記第1光の両方を透過する透過部と、を有し、
前記投射光学系によって投射された前記不可視光は、所定のパターンを含む、
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項12】
前記投射光学系によって投射された前記不可視光および前記第1光を含む投射画像を撮像する撮像素子と、
前記投射光学系を移動し、前記投射画像の位置を変化させる移動機構と、
前記撮像素子により撮像された撮像結果に応じて前記移動機構を制御する制御部と、
をさらに備える、
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項13】
前記投射光学系によって投射された前記不可視光及び前記第1光を含む投射画像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子により撮像された撮像結果に応じて、前記第1光変調装置の画像表示領域において画像を形成する領域を変化させる制御部と、
をさらに備える、
請求項1又は請求項2に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクター等の画像表示装置では、表示対象の可視画像の制御を行うために、可視画像と、赤外画像等の不可視画像とをスクリーン上に重畳し、不可視画像から取得可能な情報に基づいて制御を行う場合がある。例えば、特許文献1には、光源から発せられる光から赤外光を分離して専用の光変調素子を介して投射画像に重畳するプロジェクターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-176195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に開示されている装置では、可視光である赤色光、緑色光、青色光のそれぞれの色光用の光変調装置に加えて、不可視光である赤外光用の光変調装置が配置されている。そのため、可視光の各色光の光路上での要因による投射画像の移動やずれを直接追跡することができない。その結果、実際の可視光で構成される投射画像の移動量と検出される移動量とが一致せず、移動量に基づく投射画像の調整を正確に実施することが難しいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様のプロジェクターは、第1波長の第1光及び前記第1波長とは異なる第2波長の第2光を含む光を射出する第1光源装置と、前記第1光源装置から射出された前記光を前記第1光と前記第2光に分離する光分離素子と、前記第1光を変調する第1光変調装置と、前記第2光を変調する第2光変調装置と、前記第1光変調装置から射出された光と前記第2光変調装置から射出された光を合成する光合成素子と、前記光合成素子から射出された光を投射する投射光学系と、不可視光を射出する第2光源装置と、前記光分離素子から射出された前記第1光及び前記第2光源装置から射出された前記不可視光を合成する光学素子と、を備え、前記第2光源装置から射出された前記不可視光は、第1偏光方向の第1偏光と、前記第1偏光方向とは異なる第2偏光方向の第2偏光と、を含む不可視光であり、前記第1光変調装置には、前記光学素子から射出された前記第1光及び前記不可視光が入射し、前記投射光学系は、前記第1光、前記第2光、及び前記不可視光を含む光を投射する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態のプロジェクターの概略図である。
図2図1のプロジェクターが備える透光性部材の平面図である。
図3図1のプロジェクターの光源装置の第1変形例の概略図である。
図4図3に示す光源装置の発光部の概略図である。
図5図4に示す発光部から発せられる光の偏光の状態をポアンカレ球で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、一実施形態のプロジェクター15の構成を示す概略図である。プロジェクター15は、光変調装置として液晶パネルを備える画像表示装置である。以下の各図面では、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を変えている場合がある。
【0008】
(プロジェクター)
図1に示すように、プロジェクター15は、照明装置20と、光源装置150と、色分離光学系200と、フィールドレンズ300R,300G,300Bと、入射側偏光板410R,410G,410Bと、光変調装置400R,400G,400Bと、射出側偏光板420R,400G,400Bと、クロスダイクロイックプリズム500と、投射光学系600と、撮像素子710と、移動機構720と、制御部730と、を備える。照明装置20は、可視光である赤色光R、緑色光G及び青色光Bから合成される白色光WLを射出する。
【0009】
照明装置20は、光源装置100と、第1レンズアレイ70と、第2レンズアレイ80と、偏光変換素子92と、重畳レンズ94と、を備える。光源装置100は、白色光WLを射出する。光源装置100の構成については、後述する。
【0010】
光源装置100から射出された白色光WLは、平行化され、第1レンズアレイ70に入射する。第1レンズアレイ70は、光源装置100から射出された白色光WLを複数の部分光束に分割するための複数の小レンズ71を有する。複数の小レンズ71は、光源装置100の光軸AX100と直交する面内にマトリクス状に配列されている。
【0011】
第2レンズアレイ80は、第1レンズアレイ70の複数の小レンズ71に対応する複数の小レンズ81を有する。複数の小レンズ81は、光軸AX100に直交する面内にマトリクス状に配列されている。第2レンズアレイ80は、重畳レンズ94とともに、第1レンズアレイ70の各々の小レンズ71の像を光変調装置400R,400G,400Bの各々の画像形成領域の近傍に結像させる。
【0012】
偏光変換素子92は、不図示の偏光分離層と、反射層と、位相差板と、を有する。偏光変換素子92は、第2レンズアレイ80から射出された部分光束を、直線偏光に変換する。偏光変換素子92は、全体として板状に形成されている。偏光変換素子92の板面は、光軸AX100に直交する面に対して平行に配置されている。偏光変換素子92の偏光分離層は、第2レンズアレイ80から射出された部分光束に含まれる偏光成分のうち一方の直線偏光成分を透過させるとともに、他方の直線偏光成分を光軸AX100に垂直な方向に反射する。偏光変換素子92の反射層は、偏光分離層によって反射された他方の直線偏光成分を光軸AX100に平行な方向に反射する。偏光変換素子92の位相差板は、反射層によって反射された他方の直線偏光成分を一方の直線偏光成分に変換する。
【0013】
重畳レンズ94は、偏光変換素子92からの各部分光束を集光して光変調装置400R,400G,400Bの各々の画像形成領域の近傍に重畳させる。第1レンズアレイ70、第2レンズアレイ80及び重畳レンズ94は、インテグレーター光学系を構成する。インテグレーター光学系は、光変調装置400R,400G,400Bの各々の画像形成領域において、照明装置20から射出される白色光WLの面内光強度分布を均一にする。
【0014】
色分離光学系200は、ダイクロイックミラー210,220,450と、反射ミラー240,250と、リレーレンズ260,270と、を備える。色分離光学系200は、照明装置20から射出された白色光WLを可視光である赤色光R、緑色光G及び青色光Bに分離し、赤色光R、緑色光G及び青色光Bの各々を光変調装置400R,400G,400Bの各々に導光する。また、色分離光学系200には、赤外光Iが導入される。
【0015】
ダイクロイックミラー210は、入射する白色光WLのうち赤色光Rを通過させ、緑色光G及び青色光Bを反射する。ダイクロイックミラー220は、入射する緑色光G及び青色光Bのうち緑色光Gを反射し、青色光Bを通過させる。ダイクロイックミラー450は、入射する赤色光Rを略全て反射する。反射ミラー240,250の各々は、入射する青色光Bを略全て反射する。
【0016】
光源装置150は、不可視光を射出し、例えば赤外光Iを射出する。不可視光は、赤外光Iのうちの第1偏光方向の第1偏光である赤外S偏光ISと、第1偏光方向とは異なる第2偏光方向の第2偏光である赤外P偏光IPと、を含む。光源装置150は、発光部152と、複屈折素子154と、を備える。発光部152は、例えば、非偏光の赤外光Iを発する赤外LED、又は偏光度の低い赤外レーザーを含み、非偏光の赤外光Iを発する。複屈折素子154は、発光部152から射出される赤外S偏光ISの光路上に配置されている。複屈折素子154には、発光部152から射出される赤外光Iが入射する。複屈折素子154は、第1偏光方向の第1偏光である赤外S偏光ISと、第2偏光方向の第2偏光である赤外P偏光IPを含む赤外光Iを射出する。光源装置150から射出された赤外光Iは、ダイクロイックミラー450を透過し、ダイクロイックミラー450によって反射された赤色光Rと平面視で重なる光路を、反射された赤色光Rと同じ向きに進む。
【0017】
フィールドレンズ300R,300G,300Bの各々は、赤色光R、緑色光G、青色光Bの各々の光路上で、色分離光学系200と、光変調装置400R,400G,400Bの各々との間に配置されている。ダイクロイックミラー450によって反射された赤色光Rは、フィールドレンズ300Rを透過し、光変調装置400Rの画像形成領域に入射する。ダイクロイックミラー220によって反射された緑色光Gは、フィールドレンズ300Gを透過し、光変調装置400Gの画像形成領域に入射する。反射ミラー250によって反射された青色光Bは、フィールドレンズ300Bを透過し、光変調装置400Bの画像形成領域に入射する。
【0018】
光変調装置400R,400G,400Bの各々は、入射する赤色光R、緑色光G、青色光Bの各々の光を画像情報に応じて変調して画像を形成する液晶パネルによって構成されている。液晶パネルの動作モードは、TNモード、VAモード、横電界モード等の何れであってもよく、特定のモードに限定されない。
【0019】
入射側偏光板410Rは、ダイクロイックミラー210とダイクロイックミラー410との間の赤色光Rの光路上に配置されている。入射側偏光板410G,410Bの各々は、光変調装置400G,400Bの各々の光入射面側に配置されている。射出側偏光板420R,420G,420Bの各々は、光変調装置400R,400G,400Bの各々の光射出面側に配置されている。
【0020】
クロスダイクロイックプリズム500は、光変調装置400R,400G,400Bの各々から射出された画像光を合成してカラー画像を形成する。クロスダイクロイックプリズム500は、図1に示すように側面視で4つの直角プリズムの頂角を互いに共通の中心位置に重ねるように集めて配置され、全体として略立方体状に形成されている。クロスダイクロイックプリズム500において直角プリズム同士が貼り合わされる界面には、不図示の誘電体多層膜が形成されている。前述の界面は、側面視で略X字状に形成される。
【0021】
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投射光学系600によって拡大投射され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
【0022】
撮像素子710は、投射光学系600によって投射された赤外光I及び赤色光Rを含む投射画像を撮像する。撮像素子710は、例えば撮像カメラであり、プロジェクター15において投射光学系600から射出される光を遮らない場所に配置されていてもよく、任意の場所に設置されていてもよい。
【0023】
移動機構720は、制御部730からの電気信号を受信し、投射光学系600を移動し、投射画像の位置を変化させる。
【0024】
制御部730は、撮像素子710により撮像された撮像結果に応じて移動機構720を制御することができる。制御部730は、撮像素子710により撮像された撮像結果に応じて、赤色光Rに対応する光変調装置400Rの画像表示領域において画像を形成する領域を変化させることができる。制御部730は、例えば、撮像素子710、移動機構720、光源装置150、及び光変調装置400R,400G,400Bをそれぞれ駆動させる各駆動装置の処理をプログラムとして内蔵されたコンピュータや集積回路によって構成されている。すなわち、制御部730は、例えばプロセッサーである。制御部730は、撮像素子710、移動機構720、及び光変調装置400R,400G,400Bのそれぞれと不図示の有線又は無線によって接続されている。
【0025】
プロジェクター15では、回折素子501が光源装置150の光射出側に配置され、不可視光の一例である赤外光Iを回折することが好ましい。投射光学系600によって投射された不可視光である赤外光Iは、所定のパターンを含む。所定のパターンは、回折素子501の表面パターンによって決まる。
【0026】
プロジェクター15では、光変調装置400Rの光入射側及び光射出側のうち一方に配置された、図2に例示する透光性部材505をさらに備えてもよい。透光性部材505は、不可視光を反射し、第1光として例えば赤色光Rを透過する遮蔽部511と、不可視光である赤外光I及び第1光である赤色光Rの両方を透過する透過部512と、を有する。投射光学系600によって投射された不可視光である赤外光Iは、所定のパターンを含む。所定のパターンは、例えばドット状のパターンである。
【0027】
以上説明した本実施形態のプロジェクター15は、第1光源装置としての光源装置100と、光分離素子としてのダイクロイックミラー210と、第1光変調装置としての光変調装置400Rと、第2光変調装置としての光変調装置400G,400Bと、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム500と、投射光学系600と、第2光源装置としての光源装置150と、光学素子としてのダイクロイックミラー450と、を備える。
光源装置100は、第1波長の第1光及び第1波長とは異なる第2波長の第2光を含む光、すなわち白色光WLを射出する。赤色光Rは、第1波長の第1光に相当する。緑色光G及び青色光Bは、赤色光Rとは異なる第2波長の第2光に相当する。ダイクロイックミラー210は、光源装置100から射出された白色光WLを赤色光Rと、緑色光G及び青色光Bと、に分離する。光変調装置400Rは、赤色光Rを変調する。光変調装置400Gは、緑色光Gを変調する。光変調装置400Bは、青色光Bを変調する。クロスダイクロイックプリズム500は、光変調装置400Rから射出された光と400G,400Bから射出された光とを合成する。投射光学系600は、クロスダイクロイックプリズム500から射出された光を投射する。光源装置150は、不可視光を射出し、例えば赤外光Iを射出する。ダイクロイックミラー450は、ダイクロイックミラー210から射出された赤色光Rと光源装置150から射出された赤外光Iとを互いに同じ光路上に重ね、赤色光Rと赤外光Iとを合成する。光源装置150から射出された赤外光Iは、第1偏光方向の第1偏光である赤外S偏光ISと、第1偏光方向とは異なる第2偏光方向の第2偏光である赤外P偏光IPと、を含む不可視光である。光変調装置400Rには、ダイクロイックミラー450から射出された赤色光R及び赤外光Iが入射する。投射光学系600は、赤色光R、緑色光G、青色光B、及び赤外光Iを含む光を投射する。
【0028】
本実施形態のプロジェクター15は、投射画像を形成するための光源装置100とは別に、不可視光である赤外光Iを射出する光源装置150を備える。光源装置150は、例えば赤外S偏光IS又は赤外P偏光IPを射出する赤外レーザーである。本実施形態のプロジェクター15では、光源装置150から射出された赤外光Iの光路が色分離光学系200における色光の光路のうちの1つの光路と重ねられる。本実施形態のプロジェクター15では、互いに光路が重ねられた例えば赤色光Rと、赤外光Iが共通の光変調装置400Rを通り、これらの色光以外の例えば緑色光G及び青色光Bのそれぞれが光変調装置400G,400Bのそれぞれを通り、赤色光R、赤外光I、緑色光G及び青色光Bが合成され、投射光として射出される。したがって、本実施形態のプロジェクター15では、可視光の各色光の光路上のうちの何れかの色光の光路上での要因による投射画像の移動やずれを直接追跡することができる。本実施形態のプロジェクター15によれば、実際の可視光で構成される投射画像の移動量と検出される移動量とが一致し、移動量に基づく投射画像の調整を正確に実施することができる。
【0029】
本実施形態のプロジェクター15では、第1偏光素子としての入射側偏光板410Rと、第2偏光素子としての射出側偏光板420Rと、をさらに備える。入射側偏光板410Rは、光分離素子としてのダイクロイックミラー210と第1光変調装置としての光変調装置400Rとの間に配置され、具体的にはダイクロイックミラー210とダイクロイックミラー450との間に配置されている。入射側偏光板410Rには、ダイクロイックミラー210から射出された赤色光Rが入射する。射出側偏光板420Rは、第1光変調装置としての光変調装置400Rと光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム500との間に配置されている。射出側偏光板420Rには、光変調装置400Rから射出された第1光である赤色光Rと不可視光である赤外光Iとが入射する。入射側偏光板410Rは、第1偏光方向の第1光である赤色S偏光を射出する。光変調装置400Rは、不可視光の赤外光Iのうちの第2偏光である赤外P偏光IPと、第1偏光方向の第1光である赤色S偏光、及び第1偏光方向とは異なる第2偏光方向の第1光である赤色P偏光のうち少なくとも一方を含む光を射出する。射出側偏光板420Rは、第2偏光である赤外P偏光と、赤色P偏光と、射出する。本実施形態のプロジェクター15によれば、第1光の一例としての赤色光R及び赤外光Iの偏光が鮮明に切り替わり、赤色光R及び赤外光Iの損失を抑えるとともに、投射画像を鮮明にすることができる。
【0030】
本実施形態のプロジェクター15において、第2光源装置としての光源装置150は、発光部152と、複屈折素子154と、を有する。発光部152は、非偏光の不可視光である赤外光Iを射出する。複屈折素子154には、不可視光である赤外光Iが入射する。複屈折素子154は、第1偏光の一例である赤外S偏光ISと第2偏光の一例である赤外P偏光IPを射出する。本実施形態のプロジェクター15によれば、発光部152に赤外LED又は赤外レーザーを用いて、光源装置150を簡易に構成し、小型化を図ることができる。
【0031】
本実施形態のプロジェクター15では、光学素子であるダイクロイックミラー450は、第1光である赤色光Rを反射するとともに不可視光である赤外光Iを透過する。光源装置150は、ダイクロイックミラー450に対して第1光変調装置である光変調装置400Rとは反対側に配置されている。
【0032】
本実施形態のプロジェクター15では、光源装置150から射出された赤外光Iの光路が色分離光学系200における色光の光路のうちの1つの光路として、赤色光Rの光路と重ねられる。本実施形態のプロジェクター15によれば、第1光である赤色光Rの光路上での要因による投射画像の移動やずれを直接追跡することができる。
【0033】
本実施形態のプロジェクター15では、第1光は赤色光Rであり、不可視光は赤外光Iである。光学素子としてのダイクロイックミラー450は、赤色光Rと赤外光Iとを合成して射出する。赤色光Rは、投射画像を形成するための3原色の色光の中で最も赤外光Iに近い波長を有する。本実施形態のプロジェクター15によれば、赤色光R及び赤外光Iの偏光状態を良好に作用させることができる。
【0034】
本実施形態のプロジェクター15では、第1光は青色光Bであり、不可視光は紫外光である。光学素子は、青色光Bと紫外光とを合成して射出する。青色光Bは、投射画像を形成するための3原色の色光の中で最も紫外光に近い波長を有する。本実施形態のプロジェクター15によれば、青色光B及び紫外光の偏光状態を良好に作用させることができる。
【0035】
本実施形態のプロジェクター15は、光源装置150の光射出側に配置され、不可視光の一例である赤外光Iを回折する回折素子501をさらに備えてもよい。投射光学系600によって投射された不可視光である赤外光Iは、所定のパターンを含む。
【0036】
本実施形態のプロジェクター15では、光変調装置400Rの光入射側及び光射出側のうち一方に配置された透光性部材505をさらに備えてもよい。透光性部材505は、不可視光を反射し、第1光として例えば赤色光Rを透過する遮蔽部511と、不可視光である赤外光I及び第1光である赤色光Rの両方を透過する透過部512と、を有する。投射光学系600によって投射された不可視光である赤外光Iは、所定のパターンを含む。
【0037】
本実施形態のプロジェクター15によれば、所定のパターンの不可視光すなわち赤外光IがスクリーンSCR等の投射面に投射され、所定のパターンの位置情報等を検出することによって、実際の可視光で構成される投射画像の移動量を高精度に検出することができる。
【0038】
本実施形態のプロジェクター15は、撮像素子710と、移動機構720と、制御部730と、をさらに備える。撮像素子710は、投射光学系600によって投射された不可視光である赤外光I及び第1光である赤色光Rを含む投射画像を撮像する。移動機構720は、投射光学系600を移動し、投射画像の位置を変化させる。制御部730は、撮像素子710により撮像された撮像結果に応じて移動機構720を制御する。
本実施形態のプロジェクター15によれば、制御部730を用いて投射光学系600を高精度に最適な位置に移動させることができる。
【0039】
本実施形態のプロジェクター15は、撮像素子710と、制御部730と、をさらに備える。撮像素子710は、投射光学系600によって投射された不可視光である赤外光I及び第1光の一例である赤色光Rを含む投射画像を撮像する。制御部730は、撮像素子710により撮像された撮像結果に応じて、光変調装置400Rの画像表示領域において画像を形成する領域を変化させる。
【0040】
(第2光源装置の変形例)
図3は、第2光源装置である上述の光源装置150の第1変形例の概略図である。図4は、光源装置150の発光部152を光軸AXIに沿って見たときの概略図である。図5は、発光部152から発せられる赤外光Iの偏光の状態をポアンカレ球を用いて示した図である。図3に示すように、発光部152は、例えば2つの第1レーザー光源161,161と、2つの第2レーザー光源162,162と、を備える。2つの第1レーザー光源161,161は、光源装置150の光軸AXIに直交するD1方向に沿って配置されている。各々の第1レーザー光源161は、赤外S偏光ISを射出する。2つの第2レーザー光源162,162は、光軸AXI及びD1方向に直交するD2方向に沿って配置されている。各々の第2レーザー光源162は、赤外P偏光IPを射出する。図4には、赤外S偏光IS及び赤外P偏光IPの各々の振動方向が矢印で示されている。2つの第1レーザー光源161,161及び2つの第2レーザー光源162,162は、発光部152の発光領域Sに応じて相対的に配置されている。図5に示すように、発光部152及び第1変形例の光源装置150から射出される赤外光Iのポアンカレ球上のプロットは、中心に対して対称である。第1変形例では、発光部152とダイクロイックミラー450との間の赤外光Iの光路上に、2つのレンズアレイ面172,172と、重畳レンズ174が順次配置されている。2つのレンズアレイ面172,172は、両面マルチレンズの入射側の面と射出側の面である。
【0041】
上述のように、本実施形態のプロジェクター15の変形例において、第2光源装置としての光源装置150は、第1レーザー光源161と、第2レーザー光源162と、を備えてもよい。第1レーザー光源161は、光源装置150の光軸AXIに直交する第1方向であるD1方向に沿って配置され、第1偏光方向の第1光である赤外S偏光ISを射出する。第2レーザー光源162は、光軸AXIに直交するD2方向に沿って配置され、第2偏光方向の第1光である赤外P偏光IPを射出する。本実施形態のプロジェクター15の変形例によれば、光源装置150から射出される赤外光Iの光量を高め、投射される赤外光Iの像を鮮明にすることができる。
【0042】
別の変形例として、第2光源装置としての光源装置150は、第1レーザー光源161と、第2レーザー光源162と、第3レーザー光源163と、第4レーザー光源164と、を備えてもよい。第1レーザー光源161は、光源装置150の光軸AXIに直交する第1方向であるD1方向に沿って配置され、第1偏光方向の第1光である赤外S偏光ISを射出する。第2レーザー光源162は、光軸AXIに直交するD2方向に沿って配置され、第2偏光方向の第1光である赤外P偏光IPを射出する。第3レーザー光源163は、D1方向に沿って配置され、光軸AXIに対して第1レーザー光源161に対称となる位置に配置され、赤外S偏光ISを射出する。第4レーザー光源164は、D2方向に沿って配置され、光軸AXIに対して第2レーザー光源162に対称となる位置に配置され、赤外P偏光IPを射出する。本実施形態のプロジェクター15の変形例によれば、光源装置150から射出される赤外光Iの光量を高め、投射される赤外光Iの像を鮮明にすることができる。
【0043】
さらに別の変形例として、第2光源装置としての光源装置150は、第1レーザー光源161と、第2レーザー光源162と、を備えてもよい。第1レーザー光源161は、第1回転方向の第1円偏光の第1光である赤外光Iを射出する。第2レーザー光源162は、第1回転方向とは反対の第2回転方向の第2円偏光の第1光である赤外光Iを射出する。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、複数の実施形態の構成要素は適宜組み合わせ可能である。
【0045】
例えば、第1光は青色光Bであり、不可視光は紫外光であってもよい。その場合、光学素子は、青色光Bと前述の紫外光とを合成して射出する。
【0046】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)第1波長の第1光及び前記第1波長とは異なる第2波長の第2光を含む光を射出する第1光源装置と、前記光源装置から射出された前記光を前記第1光と前記第2光に分離する光分離素子と、前記第1光を変調する第1光変調装置と、前記第2光を変調する第2光変調装置と、前記第1光変調装置から射出された光と前記第2光変調装置から射出された光を合成する光合成素子と、前記光合成素子から射出された光を投射する投射光学系と、不可視光を射出する第2光源装置と、前記光分離素子から射出された前記第1光及び前記第2光源装置から射出された前記不可視光を合成する光学素子と、を備え、前記第2光源装置から射出された前記不可視光は、第1偏光方向の第1偏光と、前記第1偏光方向とは異なる第2偏光方向の第2偏光と、を含む不可視光であり、前記第1光変調装置には、前記光学素子から射出された前記第1光及び前記不可視光が入射し、前記投射光学系は、前記第1光、前記第2光、及び前記不可視光を含む光を投射する、プロジェクター。
【0047】
付記1の構成により、実際の可視光で構成される投射画像の移動量と検出される移動量とが一致し、移動量に基づく投射画像の調整を正確に実施することができる。
【0048】
(付記2)前記光分離素子と前記第1光変調装置との間に配置され、前記光分離素子から射出された前記第1光が入射する第1偏光素子と、前記第1光変調装置の前記光合成素子との間に配置され、前記第1光変調装置から射出された前記第1光および前記不可視光が入射する第2偏光素子と、をさらに備え、前記第1偏光素子は、前記第1偏光方向の前記第1光を射出し、前記第1光変調装置は、前記不可視光のうち前記第2偏光と、前記第1偏光方向の前記第1光及び前記第1偏光方向とは異なる第2偏光方向の前記第1光のうち少なくとも一方を含む光と、を射出し、前記第2偏光素子は、前記第2偏光と、前記第2偏光方向の前記第1光を射出する、付記1のプロジェクター。
【0049】
付記2の構成により、第1光及び不可視光の損失を抑えるとともに、投射画像を鮮明にすることができる。
【0050】
(付記3)前記第2光源装置は、非偏光の前記不可視光を発する発光部と、前記不可視光が入射し、前記第1偏光と前記第2偏光を射出する複屈折素子と、を有する、付記1又は付記2のプロジェクター。
【0051】
付記3の構成により、発光部と複屈折素子とを備えた簡易な第2光源装置を実現することができる。
【0052】
(付記4)前記第2光源装置は、前記第2光源装置の光軸に直交する第1方向に沿って配置され、前記第1偏光方向の前記第1光を射出する第1レーザー光源と、前記第2光源装置の前記光軸及び前記第1方向の両方に直交する第2方向に沿って配置され、前記第2偏光方向の前記第1光を射出する第2レーザー光源と、を有する、付記1又は付記2のプロジェクター。
【0053】
付記4の構成により、第2光源装置から射出される不可視光の光量を高め、投射される不可視光の像を鮮明にすることができる。
【0054】
(付記5)前記第2光源装置は、前記第2光源装置の光軸に直交する第1方向に沿って配置され、前記第1偏光方向の前記第1光を射出する第1レーザー光源と、前記第2光源装置の前記光軸及び前記第1方向の両方に直交する第2方向に沿って配置され、前記第2偏光方向の前記第1光を射出する第2レーザー光源と、前記第1方向に沿って配置され、且つ、前記第2光源装置の前記光軸に対して前記第1レーザー光源に対称となる位置に配置され、前記第1偏光方向の前記第1光を射出する第3レーザー光源と、前記第2方向に沿って配置され、且つ、前記第2光源装置の前記光軸に対して前記第2レーザー光源に対称となる位置に配置され、前記第2偏光方向の前記第1光を射出する第4レーザー光源と、を有する、付記4のプロジェクター。
【0055】
付記5の構成により、付記4の構成とは異なるレーザー光源の配置によって発光部における所望の不可視光の照度分布を実現し、第2光源装置から射出される不可視光の光量を高め、投射される不可視光の像を鮮明にすることができる。
【0056】
(付記6)前記第2光源装置は、第1回転方向の第1円偏光の前記第1光を射出する第1レーザー光源と、前記第1回転方向とは反対の第2回転方向の第2円偏光の第1光を射出する第2レーザー光源と、を有する、付記1又は付記2のプロジェクター。
【0057】
付記6の構成により、付記4及び付記5の構成とは異なるレーザー光源からの偏光分布によって、発光部における所望の不可視光の照度分布を実現し、第2光源装置から射出される不可視光の光量を高め、投射される不可視光の像を鮮明にすることができる。
【0058】
(付記7)前記光学素子は、前記第1光を反射するとともに前記不可視光を透過し、前記第2光源装置は、前記光学素子に対して前記第1光変調装置とは反対側に配置されている、付記1から付記6の何れかのプロジェクター。
【0059】
付記7の構成により、第1光の光路上での要因による投射画像の移動やずれを直接追跡することができる。
【0060】
(付記8)前記第1光は、赤色光であり、前記不可視光は、赤外光であり、前記光学素子は、前記赤色光と前記赤外光とを合成して射出する、付記2に記載のプロジェクター。
【0061】
付記8の構成により、赤外光と他の色の可視光よりも赤外光と近い波長を有する赤色光との偏光状態を良好に作用させることができる。
【0062】
(付記9)前記第1光は、青色光であり、前記不可視光は、紫外光であり、前記光学素子は、前記青色光と前記紫外光とを合成して射出する、付記2に記載のプロジェクター。
【0063】
付記9の構成により、紫外光と他の色の可視光よりも紫外光と近い波長を有する青色光との偏光状態を良好に作用させることができる。
【0064】
(付記10)前記第2光源装置は、前記第1レーザー光源及び前記第2レーザー光源の光射出側に配置され、前記不可視光を回折する回折素子をさらに有し、前記投射光学系によって投射された前記不可視光は、所定のパターンを含む、付記3から付記6の何れかのプロジェクター。
【0065】
付記10の構成により、所定のパターンの不可視光が投射され、所定のパターンの位置情報等を検出することによって、実際の可視光で構成される投射画像の移動量を高精度に検出することができる。
【0066】
(付記11)前記第1光変調装置の光入射側及び光射出側のうち一方に配置された透光性部材をさらに備え、前記透光性部材は、前記不可視光を反射し前記第1光を透過する遮蔽部と、前記不可視光及び前記第1光の両方を透過する透過部と、を有し、前記投射光学系によって投射された前記不可視光は、所定のパターンを含む、付記1から付記9に記載のプロジェクター。
【0067】
付記11の構成により、所定のパターンの不可視光が投射され、所定のパターンの位置情報等を検出するため、実際の可視光で構成される投射画像の移動量を高精度に検出することができる。
【0068】
(付記12)前記投射光学系によって投射された前記不可視光および前記第1光を含む投射画像を撮像する撮像素子と、前記投射光学系を移動し、前記投射画像の位置を変化させる移動機構と、前記撮像素子により撮像された撮像結果に応じて前記移動機構を制御する制御部と、をさらに備える、付記1から付記11の何れかのプロジェクター。
【0069】
付記12の構成により、制御部を用いて投射光学系を高精度に最適な位置に移動させることができる。
【0070】
(付記13)前記投射光学系によって投射された前記不可視光及び前記第1光を含む投射画像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子により撮像された撮像結果に応じて、前記第1光変調装置の画像表示領域において画像を形成する領域を変化させる制御部と、をさらに備える、付記1から付記11の何れかのプロジェクター。
【0071】
付記13の構成により、制御部を用いて第1光変調装置の画像表示領域における画像の相対位置を高精度に最適な位置に移動させることができる。
【符号の説明】
【0072】
15…プロジェクター、100…光源装置(第1光源装置)、150…光源装置(第2光源装置)、152…発光部、154…複屈折素子、161…第1レーザー光源、162…第2レーザー光源、400B,400G,400R…光変調装置、501…回折素子、505…透光性部材、511…遮蔽部、512…透過部、600…投射光学系、710…撮像素子、720…移動機構、730…制御部、AX100,AXI…光軸、B…青色光、I…赤外光、LED,P…赤外、P,S…赤色、R…赤色光。
図1
図2
図3
図4
図5