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特開2024-146008トイレ装置、トイレ装置の制御方法、トイレ装置の制御プログラム、及び携帯情報端末の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146008
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】トイレ装置、トイレ装置の制御方法、トイレ装置の制御プログラム、及び携帯情報端末の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20241004BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20241004BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
A47K17/00
G01N33/50 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058670
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】濱田 純旗
(72)【発明者】
【氏名】寺田 祐太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆政
(72)【発明者】
【氏名】川田 賢志
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
2G045
【Fターム(参考)】
2D037EA01
2D038KA01
2G045AA36
2G045JA01
(57)【要約】
【課題】ユーザ認証をより確実に行うことができるトイレ装置、トイレ装置の制御方法、トイレ装置の制御プログラム、及び携帯情報端末の制御プログラムを提供する。
【解決手段】制御部と、前記制御部と使用者の携帯情報端末とを無線通信により接続可能な無線通信部と、記憶部と、を備え、前記制御部は、前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて前記記憶部に記憶させる登録モードを実行可能であり、前記登録モードの実行後、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証を行い、前記所定距離は、前記携帯情報端末により変更可能である、トイレ装置。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
前記制御部と使用者の携帯情報端末とを無線通信により接続可能な無線通信部と、
記憶部と、
を備え、
前記制御部は、
前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて前記記憶部に記憶させる登録モードを実行可能であり、
前記登録モードの実行後、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証を行い、
前記所定距離は、前記携帯情報端末により変更可能である、トイレ装置。
【請求項2】
前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下か否かは、前記無線通信部から発され前記携帯情報端末が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定され、
前記閾値は、前記携帯情報端末により変更可能である、請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記使用者を検知する人体検知センサをさらに備え、
前記制御部は、前記人体検知センサが前記使用者を検知し、かつ、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下のときに、前記ユーザ認証を行う、請求項1または2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記人体検知センサは、前記使用者の接近を検知する接近センサを含み、
前記接近センサが前記使用者を検知可能な距離は、前記所定距離と異なる、請求項3に記載のトイレ装置。
【請求項5】
使用者の携帯情報端末と無線通信により接続可能なトイレ装置の制御方法であって、
前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶部に記憶させる登録工程と、
前記登録工程の後に行われ、前記携帯情報端末と前記トイレ装置の無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証工程と、
を備え、
前記携帯情報端末により前記所定距離を変更可能である、トイレ装置の制御方法。
【請求項6】
使用者の携帯情報端末と無線通信により接続可能なトイレ装置にインストールされる制御プログラムであって、
前記トイレ装置に、
前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶部に記憶させる登録工程と、
前記登録工程の後に行われ、前記携帯情報端末と前記トイレ装置の無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証工程と、
を実行させ、
前記携帯情報端末により前記所定距離を変更可能である、トイレ装置の制御プログラム。
【請求項7】
トイレ装置と無線通信により接続可能な携帯情報端末にインストールされる制御プログラムであって、
前記携帯情報端末に、
前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて前記トイレ装置の記憶部に記憶させる登録工程と、
前記登録工程の後に行われ、前記携帯情報端末と前記トイレ装置の無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証工程と、
を実行させ、
前記携帯情報端末により前記所定距離を変更可能である、携帯情報端末の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、トイレ装置、トイレ装置の制御方法、トイレ装置の制御プログラム、及び携帯情報端末の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
認証用装着装置と個人認証装置とが近づくと無線通信が行われる生体情報測定システムがある(例えば、特許文献1)。このような生体情報測定システムにおいては、例えば、個人認証装置と認証用装着装置との間の距離が所定距離以下になったときに、無線通信によるユーザ認証が行われる。
【0003】
しかし、所定距離が一定の値に固定されていると、使用者がトイレ装置を利用する際の体勢や、使用者の体格によっては、ユーザ認証が適切に行われず、使い勝手が悪くなるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-284232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、ユーザ認証をより確実に行うことができるトイレ装置、トイレ装置の制御方法、トイレ装置の制御プログラム、及び携帯情報端末の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、制御部と、前記制御部と使用者の携帯情報端末とを無線通信により接続可能な無線通信部と、記憶部と、を備え、前記制御部は、前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて前記記憶部に記憶させる登録モードを実行可能であり、前記登録モードの実行後、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証を行い、前記所定距離は、前記携帯情報端末により変更可能である、トイレ装置である。
【0007】
このトイレ装置によれば、携帯情報端末により所定距離を変更可能とすることで、使用者がトイレ装置を利用する際の体勢や、使用者の体格に関係なく、ユーザ認証が行われる距離(所定距離)を適切な距離に設定することができる。これにより、ユーザ認証をより確実に行うことができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下か否かは、前記無線通信部から発され前記携帯情報端末が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定され、前記閾値は、前記携帯情報端末により変更可能である、トイレ装置である。
【0009】
このトイレ装置によれば、携帯情報端末と無線通信部との間の距離が所定距離以下か否かが、無線通信部から発され携帯情報端末が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定されることで、携帯情報端末が受信した電波信号の強度によって携帯情報端末と無線通信部との間の距離が所定距離以下かを容易に判定できる。一方、無線通信部から発され携帯情報端末が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かを判定する場合、無線通信部から発される電波信号の強度は同じでも、携帯情報端末の機種や、携帯情報端末のカバーの有無、材質などによって、携帯情報端末が受信する電波信号の強度は異なる。そのため、閾値を固定値とすると、ユーザ認証ができなかったり、トイレ室の外部にある携帯情報端末が誤認証されたりするおそれがある。これに対し、携帯情報端末により閾値を変更可能とすることで、携帯情報端末の機種や、携帯情報端末のカバーの有無、材質などに関係なく、ユーザ認証が行われる電波強度(閾値)を適切な強度に設定することができる。これにより、ユーザ認証ができなかったり、トイレ室の外部にある携帯情報端末が誤認証されたりすることを抑制できる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記使用者を検知する人体検知センサをさらに備え、前記制御部は、前記人体検知センサが前記使用者を検知し、かつ、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下のときに、前記ユーザ認証を行う、トイレ装置である。
【0011】
このトイレ装置によれば、人体検知センサが使用者を検知し、かつ、携帯情報端末と無線通信部との間の距離が所定距離以下のときに、ユーザ認証が行われることで、トイレ室の外部にある携帯情報端末が誤認証されることを抑制できる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、前記人体検知センサは、前記使用者の接近を検知する接近センサを含み、前記接近センサが前記使用者を検知可能な距離は、前記所定距離と異なる、トイレ装置である。
【0013】
このトイレ装置によれば、接近センサが使用者を検知可能な距離が所定距離と異なることで、誤認証をより抑制できる。
【0014】
第5の発明は、使用者の携帯情報端末と無線通信により接続可能なトイレ装置の制御方法であって、前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶部に記憶させる登録工程と、前記登録工程の後に行われ、前記携帯情報端末と前記トイレ装置の無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証工程と、を備え、前記携帯情報端末により前記所定距離を変更可能である、トイレ装置の制御方法である。
【0015】
このトイレ装置の制御方法によれば、携帯情報端末により所定距離を変更可能とすることで、使用者がトイレ装置を利用する際の体勢や、使用者の体格に関係なく、ユーザ認証が行われる距離(所定距離)を適切な距離に設定することができる。これにより、ユーザ認証をより確実に行うことができる。
【0016】
第6の発明は、使用者の携帯情報端末と無線通信により接続可能なトイレ装置にインストールされる制御プログラムであって、前記トイレ装置に、前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶部に記憶させる登録工程と、前記登録工程の後に行われ、前記携帯情報端末と前記トイレ装置の無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証工程と、を実行させ、前記携帯情報端末により前記所定距離を変更可能である、トイレ装置の制御プログラムである。
【0017】
このトイレ装置の制御プログラムによれば、携帯情報端末により所定距離を変更可能とすることで、使用者がトイレ装置を利用する際の体勢や、使用者の体格に関係なく、ユーザ認証が行われる距離(所定距離)を適切な距離に設定することができる。これにより、ユーザ認証をより確実に行うことができる。
【0018】
第7の発明は、トイレ装置と無線通信により接続可能な携帯情報端末にインストールされる制御プログラムであって、前記携帯情報端末に、前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて前記トイレ装置の記憶部に記憶させる登録工程と、前記登録工程の後に行われ、前記携帯情報端末と前記トイレ装置の無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証工程と、を実行させ、前記携帯情報端末により前記所定距離を変更可能である、携帯情報端末の制御プログラムである。
【0019】
この携帯情報端末の制御プログラムによれば、携帯情報端末により所定距離を変更可能とすることで、使用者がトイレ装置を利用する際の体勢や、使用者の体格に関係なく、ユーザ認証が行われる距離(所定距離)を適切な距離に設定することができる。これにより、ユーザ認証をより確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の態様によれば、ユーザ認証をより確実に行うことができるトイレ装置、トイレ装置の制御方法、トイレ装置の制御プログラム、及び携帯情報端末の制御プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを表す斜視図である。
図2】実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを表すブロック図である。
図3】実施形態に係るトイレ装置のリモコンを表す正面図である。
図4】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の登録モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図5】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図6】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の接続時における動作の一例を表すフローチャートである。
図7】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図8】実施形態に係るトイレ装置のリモコンのユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図9】実施形態に係るトイレ装置の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図10】実施形態に係るトイレ装置のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図11】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図12】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図13】実施形態に係るトイレ装置を模式的に表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0023】
(トイレ装置)
図1は、実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを表す斜視図である。
図2は、実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを表すブロック図である。
図3は、実施形態に係るトイレ装置のリモコンを表す正面図である。
図1図3に表したように、実施形態に係るトイレシステム500は、トイレ装置100と、携帯情報端末200と、を備える。
【0024】
トイレ装置100は、トイレユニット10と、生体情報計測センサ20と、制御部30と、無線通信部40と、記憶部50と、人体検知センサ60と、リモコン70と、を備える。トイレ装置100は、トイレ室TRの内部に設けられる。
【0025】
トイレユニット10は、便器11と、便座12と、便蓋13と、ケーシング14と、を含む。便器11は、洋式腰掛便器である。便器11は、下方に窪んだ凹状のボウル部11aを含む。ボウル部11aは、使用者から排泄された汚物や尿などを受ける。
【0026】
便座12及び便蓋13は、それぞれ、ケーシング14に対して開閉可能に軸支されている。図1では、便座12が閉じ、便蓋13が開いた状態を表している。便蓋13は、閉じた状態において便座12の上方を覆う。便蓋13は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0027】
なお、本願明細書においては、便蓋13を背にして便座12に着座した使用者からみた上方、下方、前方、後方、右側方、および左側方を、それぞれ「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」とする。
【0028】
ケーシング14は、各種機能部を収納している。ケーシング14の内部には、例えば、便座12や便蓋13を自動で開閉する自動開閉ユニット、使用者の局部を洗浄するためのノズルを含む局部洗浄ユニット、使用者の局部を乾燥させるための局部乾燥ユニット、及び脱臭を行う脱臭ユニットなどが収納されている。これらの各種機能部は、必要に応じて設けられ、省略可能である。また、ケーシング14の内部には、制御部30、無線通信部40、及び記憶部50などが収納されている。
【0029】
生体情報計測センサ20は、使用者の生体情報を計測する。生体情報は、例えば、使用者の脈動や排泄物の状態などについての情報を含む。生体情報計測センサ20は、制御部30と電気的に接続されている。生体情報計測センサ20は、計測した生体情報を制御部30に出力する。
【0030】
生体情報計測センサ20は、例えば、脈動センサ及び画像センサの少なくともいずれかを含む。脈動センサは、例えば、便座12に設けられる。脈動センサは、例えば、レーザセンサを含む。脈動センサは、例えば、ヘモグロビン赤外線反射を用いて、便座12に着座した使用者の脈動を計測する。画像センサは、例えば、ケーシング14の内部に設けられる。画像センサは、例えば、エリアカメラ、及び複数の画素をライン状に並べて配置したラインセンサの少なくともいずれかを含む。
【0031】
制御部30は、生体情報計測センサ20、無線通信部40、記憶部50、及び人体検知センサ60と電気的に接続されている。制御部30は、生体情報計測センサ20の計測結果(生体情報)及び人体検知センサ60の検知結果を取得する。制御部30は、生体情報計測センサ20、無線通信部40、及び記憶部50を制御する。制御部30は、例えば、生体情報計測センサ20による生体情報の計測の開始及び停止を制御する。制御部30は、例えば、IC素子を含んだ制御回路である。制御部30は、1つでもよいし、複数でもよい。また、複数設けられる場合、制御部30は、集約して設けられてもよいし、分散して設けられてもよい。制御部30は、例えば、本体制御部(DCコントローラ)、センサ制御部(プロセッサユニット)、及び無線制御部を含む。生体情報計測センサ20の計測の開始及び停止は、例えば、本体制御部及び/またはセンサ制御部によって制御される。
【0032】
制御部30は、生体情報計測センサ20から取得した生体情報を解析することで、解析情報を取得する。制御部30は、例えば、脈動センサから取得した使用者の脈動についての情報(生体情報)を解析することで、血管年齢、下肢血行状態、フィットネスレベル、基礎代謝、体内水分レベル、体内時計、及び平常時心拍数などについての情報を取得(推定)することができる。また、制御部30は、例えば、画像センサから取得した画像データを用いて排泄物の状態(形状、色、量など)を解析し、さらに、排泄物の状態についての情報(生体情報)を解析することで、腸内環境の状態についての情報を取得(推定)することができる。生体情報の解析は、必要に応じて行われ、一部又はすべてを省略可能である。生体情報の解析は、例えば、本体制御部及び/またはセンサ制御部によって行われる。
【0033】
制御部30は、無線通信部40を介して、使用者の携帯情報端末200に解析情報を送信する。生体情報の解析が省略される場合、制御部30は、例えば、無線通信部40を介して、使用者の携帯情報端末200に生体情報を送信する。また、制御部30は、記憶部50に解析情報または生体情報を記憶させる。また、制御部30は、記憶部50に記憶された解析情報または生体情報を記憶部50から消去させる。なお、生体情報の解析は、携帯情報端末200で行われてもよいし、携帯情報端末200を経由してクラウドサーバで行われてもよい。また、制御部30は、クラウドサーバを経由して携帯情報端末200に解析情報または生体情報を送信してもよい。
【0034】
無線通信部40は、制御部30と携帯情報端末200とを無線通信により接続可能である。無線通信部40は、制御部30と電気的に接続されている。無線通信部40は、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)などのBluetooth(登録商標)規格の通信を可能とする通信モジュールである。無線通信部40は、例えば、制御部30と、トイレ室TRの内部に位置する携帯情報端末200と、を無線通信により接続可能である。制御部30と携帯情報端末200との接続は、例えば、携帯情報端末200がトイレ室TRの外部にあるときに、切断される。また、制御部30と携帯情報端末200との接続は、例えば、携帯情報端末200から切断要求信号が送信されたときに、切断される。トイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200との接続については、後述する。
【0035】
記憶部50は、制御部30から出力された情報を記憶可能である。記憶部50は、制御部30と電気的に接続されている。記憶部50は、1つでもよいし、複数でもよい。また、複数設けられる場合、記憶部50は、集約して設けられてもよいし、分散して設けられてもよい。記憶部50は、例えば、本体記憶部、センサ記憶部、及び無線記憶部を含む。本体記憶部は、本体制御部と電気的に接続される。センサ記憶部は、センサ制御部と電気的に接続される。無線記憶部は、無線制御部と電気的に接続される。記憶部50は、例えば、解析情報または生体情報を記憶する。記憶部50は、例えば、ユーザ認証が行われた状態において、解析情報または生体情報と、使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶する。より具体的には、解析情報と使用者情報とを紐づけた情報は、例えば、センサ記憶部に記憶される。ユーザ認証については、後述する。
【0036】
また、記憶部50は、携帯情報端末200を識別する識別情報と、使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶する。より具体的には、識別情報と使用者情報とを紐づけた情報は、例えば、無線記憶部に記憶される。識別情報と、使用者情報と、を紐づけて記憶する登録モードについては、後述する。識別情報は、例えば、ID番号、BDアドレス、MACアドレス、及びペアリング情報(ペアリング時にトイレ装置100と携帯情報端末200の制御プログラムが共有する暗号情報)の少なくともいずれかを含む。識別情報は、ペアリング情報を含むことが好ましい。例えば、トイレ装置100からのアドバタイズ信号を受けた携帯情報端末200がトイレ装置100に無線通信要求を出し、それを受けたトイレ装置100が無線通信を許可して通信が成立する。仮に、ユーザ1の携帯情報端末200と通信する場合、無線通信要求時にペアリング情報とユーザ番号を送信すると、ペアリング済のユーザ1番ということは、この接続要求はユーザ1の携帯情報端末200からである、とトイレ装置100は判断することができる。
【0037】
人体検知センサ60は、使用者の状態を検知する。人体検知センサ60は、例えば、着座センサ61及び接近センサ62の少なくともいずれかを含む。着座センサ61は、例えば、便座12に設けられる。着座センサ61は、例えば、静電容量センサを含む。着座センサ61は、例えば、使用者の便座12への着座及び使用者の便座12からの離座を検知する。接近センサ62は、例えば、ケーシング14の内部に設けられる。接近センサ62は、例えば、電波センサ及び赤外線センサの少なくともいずれかを含む。接近センサ62は、例えば、使用者のトイレユニット10への接近及び使用者のトイレユニット10からの離隔を検知する。接近センサ62は、例えば、使用者のトイレ室TRへの入室及び使用者のトイレ室TRからの退室を検知する。接近センサ62は、ケーシング14の外部に設けられていてもよい。
【0038】
リモコン70は、例えば、トイレ室TRの壁面WLに設けられる。リモコン70は、ケーシング14の内部に収納された各種機能部を遠隔操作するための操作部である。リモコン70は、例えば、使用者によるリモコン70への操作入力に基づいて、各種機能部を作動させるための信号を制御部30に送信する。制御部30は、リモコン70からの信号を受信すると、信号に基づいて、各種機能部を制御する。リモコン70は、例えば、制御部30と無線通信により接続されている。リモコン70と制御部30とを接続する無線通信部は、例えば、無線通信部40とは別に設けられる。
【0039】
リモコン70は、例えば、認証信号を送信するための認証スイッチ71を有する。リモコン70は、認証スイッチ71において操作入力がされると、制御部30に認証信号を送信する。制御部30は、例えば、リモコン70からの認証信号に基づいて、ユーザ認証を行うことができる。ユーザ認証については、後述する。
【0040】
携帯情報端末200は、例えば、使用者の所有するスマートフォンやタブレット端末などである。ただし、携帯情報端末200は、これらに限ることなく、使用者が携帯可能な任意の端末でよい。
【0041】
携帯情報端末200には、トイレ装置100との接続を行ったり、ユーザ認証を行ったり、トイレ装置100から送信された情報(例えば、解析情報)を表示したりするための制御プログラム(アプリケーションソフトウェア)が予めインストールされている。
【0042】
図4は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の登録モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図5は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図4及び図5に表したように、トイレ装置100(制御部30)は、登録モードと、使用モードと、を有する。
【0043】
登録モードは、ユーザ登録を行うことができるモードである。ユーザ登録とは、携帯情報端末200を識別する識別情報と、使用者を識別する使用者情報(例えば、ユーザ番号)と、を紐づけて記憶部50に記憶させることである。登録モードは、トイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200とが接続された状態で行われる。
【0044】
使用モードは、生体情報の計測、生体情報の解析、及び解析情報または生体情報の送信を行うことができるモードである。すでにユーザ登録が行われている場合、使用モードにおいて、ユーザ認証を行うことができる。ユーザ認証とは、トイレ装置100を使用している使用者の使用者情報(ユーザ番号)及びその使用者の携帯情報端末200の識別情報を特定することである。ユーザ認証を行うことで、例えば、解析情報または生体情報を、使用者情報(ユーザ番号)やその使用者の携帯情報端末200の識別情報と紐づけて、記憶部50に記憶させることができる。また、ユーザ認証を行うことで、例えば、トイレ装置100とユーザ認証により特定された携帯情報端末200とを選択的に接続させることができる。
【0045】
ユーザ認証は、例えば、トイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200とが接続されることで行われる。この場合、トイレ装置100(制御部30)と接続された携帯情報端末200は、その携帯情報端末200に登録された使用者情報(ユーザ番号)を含む認証信号をトイレ装置100に送信する。トイレ装置100は、認証信号を受信すると、認証信号に含まれる使用者情報(ユーザ番号)の使用者がトイレ装置100を使用していると判定する。これにより、トイレ装置100を使用している使用者の使用者情報(ユーザ番号)及びその使用者の携帯情報端末200の識別情報を特定することができる。携帯情報端末200を用いたユーザ認証については、後述する。
【0046】
ユーザ認証は、例えば、リモコン70の認証スイッチ71における操作入力により行われてもよい。この場合、認証スイッチ71における操作入力(例えば、ユーザ番号の選択)がされると、リモコン70は、使用者情報(ユーザ番号)を含む認証信号をトイレ装置100に送信する。トイレ装置100は、認証信号を受信すると、認証信号に含まれる使用者情報(ユーザ番号)の使用者がトイレ装置100を使用していると判定する。これにより、トイレ装置100を使用している使用者の使用者情報(ユーザ番号)及びその使用者の携帯情報端末200の識別情報を特定することができる。リモコン70を用いたユーザ認証については、後述する。
【0047】
以下、登録モードについて、さらに詳しく説明する。
図4に表したように、登録モードでは、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ番号選択信号を受信したか否かを判定する(ステップS101)。トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ番号選択信号を受信するまで、ステップS101を繰り返す(ステップS101:No)。ユーザ番号選択信号は、携帯情報端末200において選択されたユーザ番号を示す信号である。
【0048】
ユーザ番号選択信号を受信すると(ステップS101:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、選択されたユーザ番号と、ユーザ番号選択信号を送信した携帯情報端末200の識別番号と、を紐づけて、記憶部50に記憶(登録)する(ステップS102)。
【0049】
ユーザ番号と、識別番号と、を紐づけて登録すると(ステップS102)、トイレ装置100(制御部30)は、登録完了信号を携帯情報端末200に送信する(ステップS103)。登録完了信号は、登録が完了したことを示す信号である。
【0050】
携帯情報端末200においてユーザ番号が選択されると、携帯情報端末200は、ユーザ番号選択信号をトイレ装置100に送信する(ステップS201)。
【0051】
ユーザ番号選択信号をトイレ装置100に送信すると(ステップS201)、携帯情報端末200は、トイレ装置100から登録完了信号を受信したか否かを判定する(ステップS202)。携帯情報端末200は、登録完了信号を受信するまで、ステップS202を繰り返す(ステップS202:No)。
【0052】
登録完了信号を受信すると(ステップS202:Yes)、携帯情報端末200は、登録されたユーザ番号を記憶(登録)する(ステップS203)。
【0053】
以下、使用モードについて、さらに詳しく説明する。
図5に表したように、使用モードでは、トイレ装置100(制御部30)は、着座センサ61が使用者の便座12への着座を検知したか否かを判定する(ステップS301)。トイレ装置100(制御部30)は、着座センサ61が使用者の便座12への着座を検知するまで、ステップS301を繰り返す(ステップS301:No)。
【0054】
着座センサ61が使用者の便座12への着座を検知すると(ステップS301:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、生体情報の計測を開始させる(ステップS302)。上述のように、生体情報の計測は、脈動センサや画像センサなどの生体情報計測センサ20により行われる。
【0055】
生体情報の計測が完了すると(ステップS303)、トイレ装置100(制御部30)は、生体情報の解析を開始する(ステップS304)。上述のように、生体情報の解析は、制御部30により行われる。なお、計測が完了する前に、使用者の便座12からの離座を検知すると、トイレ装置100(制御部30)は、例えば、生体情報の計測を途中で終了させて、生体情報の解析を開始する。
【0056】
生体情報の解析が完了すると(ステップS305)、トイレ装置100(制御部30)は、解析により得られた解析情報を携帯情報端末200に送信する(ステップS306)。上述のように、解析情報の送信は、無線通信部40を介して、制御部30により行われる。
【0057】
携帯情報端末200は、例えば、生体情報の計測の進捗情報を表示する(ステップS401)。進捗情報の表示については、後述する。
【0058】
携帯情報端末200は、解析情報を受信したか否かを判定する(ステップS402)。携帯情報端末200は、解析情報を受信するまで、ステップS402を繰り返す(ステップS402:No)。
【0059】
解析情報を受信すると(ステップS402:Yes)、携帯情報端末200は、解析情報を表示する(ステップS403)。携帯情報端末200は、トイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200との接続が切断された後にも解析情報を表示可能とするために、解析情報を記憶してもよい。
【0060】
なお、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS301において、接近センサ62が使用者のトイレユニット10への接近を検知したか否かを判定してもよいし、接近センサ62が使用者のトイレ室TRへの入室を検知したか否かを判定してもよい。つまり、トイレ装置100(制御部30)は、生体情報の計測開始のトリガーは、使用者の便座12への着座でもよいし、使用者のトイレユニット10への接近でもよいし、使用者のトイレ室TRへの入室でもよい。また、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証が完了したら生体情報の計測を開始してもよい。また、トイレ装置100(制御部30)は、ラインセンサを省電力モードのような形で駆動させておき、落下物を検知したら、生体情報の計測を開始してもよい。また、トイレ装置100(制御部30)は、レーザセンサを省電力モードのような形で駆動させておき、出力変化を検知したら、生体情報の計測を開始してもよい。
【0061】
以下、トイレ装置100と携帯情報端末200との接続について、さらに詳しく説明する。
図6は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の接続時における動作の一例を表すフローチャートである。
図6に表したように、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に起動信号を送信する(ステップS501)。起動信号は、携帯情報端末200をバックグラウンド起動状態にするための信号である。バックグラウンド起動状態は、アドバタイズ信号を受信可能な状態である。
【0062】
起動信号を送信すると(ステップS501)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200にアドバタイズ信号を送信する(ステップS502)。アドバタイズ信号は、携帯情報端末200にトイレ装置100(制御部30)との接続を開始させるための信号である。
【0063】
アドバタイズ信号を送信すると(ステップS502)、トイレ装置100(制御部30)は、接続要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS503)。接続要求信号は、トイレ装置100(制御部30)に携帯情報端末200との接続を開始させるための信号である。
【0064】
接続要求信号を受信すると(ステップS503:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200との接続を開始する(ステップS504)。接続要求信号を受信しない場合(ステップS503:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS504を行わない。つまり、接続要求信号を受信しない場合(ステップS503:No)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200との接続を開始しない。
【0065】
携帯情報端末200は、起動信号を受信したか否かを判定する(ステップS601)。携帯情報端末200は、起動信号を受信するまで、ステップS601を繰り返す(ステップS601:No)。
【0066】
起動信号を受信すると(ステップS601:Yes)、携帯情報端末200は、バックグラウンド起動状態になる(ステップS602)。
【0067】
バックグラウンド起動状態になると(ステップS602)、携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信したか否かを判定する(ステップS603)。携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信するまで、ステップS603を繰り返す(ステップS603:No)。
【0068】
アドバタイズ信号を受信すると(ステップS603:Yes)、携帯情報端末200は、トイレ装置100(制御部30)に接続要求信号を送信し(ステップS604)、トイレ装置100(制御部30)との接続を開始する(ステップS605)。
【0069】
以下、携帯情報端末200を用いたユーザ認証について、さらに詳しく説明する。
図7は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図7に表したように、携帯情報端末200との接続を開始すると(ステップS701)、トイレ装置100(制御部30)は、認証信号を受信したか否かを判定する(ステップS702)。トイレ装置100(制御部30)は、認証信号を受信するまで、ステップS702を繰り返す(ステップS702:No)。認証信号は、例えば、使用者情報(ユーザ番号)を含む信号である。
【0070】
認証信号を受信すると(ステップS702:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、認証信号に基づいて、使用者情報及び識別情報を特定する(ステップS703)。より具体的には、トイレ装置100(制御部30)は、認証信号に含まれる使用者情報を特定するとともに、認証信号に含まれる使用者情報と紐づけられた識別情報を有する携帯情報端末200を特定する。
【0071】
使用者情報及び識別情報を特定すると(ステップS703)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に認証完了信号を送信する(ステップS704)。認証完了信号は、ユーザ認証が完了したことを示す信号である。
【0072】
認証完了信号を送信すると(ステップS704)、トイレ装置100(制御部30)は、切断要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS705)。トイレ装置100(制御部30)は、切断要求信号を受信するまで、ステップS705を繰り返す(ステップS705:No)。切断要求信号は、トイレ装置100(制御部30)に携帯情報端末200との接続を切断させるための信号である。
【0073】
切断要求信号を受信すると(ステップS705:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200との接続を切断する(ステップS706)。
【0074】
トイレ装置100(制御部30)との接続を開始すると(ステップS801)、携帯情報端末200は、認証信号を送信する(ステップS802)。
【0075】
認証信号を送信すると(ステップS802)、携帯情報端末200は、認証完了信号を受信したか否かを判定する(ステップS803)。携帯情報端末200は、認証完了信号を受信するまで、ステップS803を繰り返す(ステップS803:No)。
【0076】
認証完了信号を受信すると(ステップS803:Yes)、携帯情報端末200は、切断要求信号を送信し(ステップS804)、トイレ装置100(制御部30)との接続を切断する(ステップS805)。
【0077】
このように、トイレ装置100(制御部30)は、登録モードの実行後(すなわち、識別情報と使用者情報とが紐づけて記憶部50に記憶されている状態で)、使用モードにおいて、認証信号を受信すると、使用者情報及び識別情報を特定するユーザ認証を行うことができる。
【0078】
以下、リモコン70を用いたユーザ認証について、さらに詳しく説明する。
図8は、実施形態に係るトイレ装置のリモコンのユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図8に表したように、認証スイッチ71において操作入力がされると(ステップS901)、リモコン70は、使用者情報を選択する(ステップS902)。より具体的には、1回目の操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号1を選択する。
【0079】
使用者情報を選択すると(ステップS902)、リモコン70は、認証スイッチ71においてさらに操作入力がされたか否かを判定する(ステップS903)。認証スイッチ71においてさらに操作入力がされると(ステップS903:Yes)、リモコン70は、使用者情報を更新する(ステップS904)。より具体的には、2回目の操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号2を選択する。3回目の操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号3を選択する。N回目(Nは、自然数)の操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号Nを選択する。言い換えれば、操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号の数値に1を加算する。ユーザ番号の数値が上限に達した状態で、さらに操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号1を選択する。
【0080】
使用者情報を更新すると(ステップS904)、リモコン70は、前回の操作入力から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS905)。前回の操作入力から所定時間が経過していない場合(ステップS905:No)、リモコン70は、ステップS903に戻る。
【0081】
さらに操作入力がされない場合(ステップS903:No)、リモコン70は、ステップS904を行わずに、ステップS905を行う。リモコン70は、前回の操作入力から所定時間が経過するまで、ステップS903、ステップS904、及びステップS905を繰り返す。
【0082】
前回の操作入力から所定時間が経過すると(ステップS905:Yes)、リモコン70は、認証信号に含める使用者情報を確定し、制御部30に認証信号を送信する(ステップS906)。より具体的には、リモコン70は、最後に選択されたユーザ番号を含む認証信号を送信する。
【0083】
このように、認証信号を送信するリモコン70を設けることで、例えば、認証信号を送信するためにリモコン70以外の場所(例えば、トイレユニット10など)に設けられた操作部などを操作する場合に比べて、通常使用に近い形で認証信号の送信(ユーザ認証)を行うことができ、使い勝手がよい。
【0084】
また、所定時間が経過するまでに認証スイッチ71における操作入力がされた回数に基づいて、認証信号によって特定される使用者情報を選択し、所定時間が経過すると、認証信号を送信することで、1つの認証スイッチ71を操作する回数でユーザ認証される使用者情報を切り替えることができる。これにより、誤認証を抑制できる。
【0085】
以下、生体情報の計測の進捗確認について、さらに詳しく説明する。
図9は、実施形態に係るトイレ装置の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図9に表したように、生体情報の計測を開始すると(ステップS1001)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に計測開始信号を送信する(ステップS1002)。計測開始信号は、生体情報の計測を開始したことを示す信号である。
【0086】
計測開始信号を送信すると(ステップS1002)、トイレ装置100(制御部30)は、進捗要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS1003)。進捗要求信号は、トイレ装置100(制御部30)に進捗情報を送信させるための信号である。進捗情報は、生体情報の計測の進捗状況を示す情報である。進捗要求信号を受信すると(ステップS1003:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、進捗情報を送信する(ステップS1004)。
【0087】
進捗情報を送信すると(ステップS1004)、トイレ装置100(制御部30)は、生体情報の計測が完了したか否かを判定する(ステップS1005)。進捗要求信号を受信しない場合(ステップS1003:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1004を行わずに、ステップS1005を行う。
【0088】
生体情報の計測が完了していない場合(ステップS1005:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1003に戻る。トイレ装置100(制御部30)は、生体情報の計測が完了するまで、ステップS1003、ステップS1004、及びステップS1005を繰り返す。
【0089】
生体情報の計測が完了すると(ステップS1005:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に計測完了信号を送信する(ステップS1006)。計測完了信号は、生体情報の計測を完了したことを示す信号である。
【0090】
携帯情報端末200は、計測開始信号を受信すると、計測完了信号を受信するまで、進捗要求信号を送信可能な状態になる。携帯情報端末200は、例えば、進捗要求信号を送信可能な状態で、携帯情報端末200において進捗情報を表示するための操作入力がされると、トイレ装置100(制御部30)に進捗要求信号を送信する(ステップS1101)。
【0091】
進捗要求信号を送信すると(ステップS1101)、携帯情報端末200は、進捗情報を受信したか否かを判定する(ステップS1102)。携帯情報端末200は、進捗情報を受信するまで、ステップS1102を繰り返す(ステップS1102:No)。
【0092】
進捗情報を受信すると(ステップS1102:Yes)、携帯情報端末200は、進捗情報を表示する(ステップS1103)。
【0093】
携帯情報端末200は、計測完了信号を受信するまで、進捗要求信号を送信可能な状態を維持する。携帯情報端末200は、計測完了信号を受信すると、進捗要求信号を送信不能な状態になる。
【0094】
なお、この例では、携帯情報端末200が計測開始信号を受信すると計測完了信号を受信するまで進捗要求信号を送信可能な状態になることで、計測が行われている間にのみ携帯情報端末200に進捗情報が表示されるようにしているが、計測が行われている間にのみトイレ装置100(制御部30)が進捗情報を送信するようにすることで、計測が行われている間にのみ携帯情報端末200に進捗情報が表示されるようにしてもよい。つまり、トイレ装置100(制御部30)は、計測が行われていないときに進捗要求信号を受信しても、進捗情報を送信しなくてもよい。この場合、ステップS1102及びステップS1006は省略可能である。
【0095】
以下、携帯情報端末200を用いたユーザ認証について、さらに詳しく説明する。
図10は、実施形態に係るトイレ装置のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図10に表したように、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かを判定する(ステップS1201)。
【0096】
携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下の場合(ステップS1201:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、人体検知センサ60が使用者を検知中か否かを判定する(ステップS1202)。トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1202において、例えば、着座センサ61が使用者の便座12への着座を検知しているとき、人体検知センサ60が使用者を検知中であると判定する。トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1202において、例えば、接近センサ62が使用者のトイレユニット10への接近を検知しているとき、人体検知センサ60が使用者を検知中であると判定する。トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1202において、例えば、接近センサ62が使用者のトイレ室TRへの入室を検知しているとき、人体検知センサ60が使用者を検知中であると判定する。
【0097】
人体検知センサ60が使用者を検知している場合(ステップS1202:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証を開始する(ステップS1203)。
【0098】
携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離を超える場合(ステップS1201:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS902及びステップS1203を行わない。つまり、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離を超える場合(ステップS1201:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証を開始しない。
【0099】
また、人体検知センサ60が使用者を検知していない場合(ステップS1202:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1203を行わない。つまり、人体検知センサ60が使用者を検知していない場合(ステップS1202:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証を開始しない。
【0100】
なお、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かの判定は、トイレ装置100(制御部30)で行われてもよいし、携帯情報端末200で行われてもよい。
【0101】
所定距離は、携帯情報端末200により変更可能である。使用者は、例えば、携帯情報端末200における操作入力により、トイレ装置100または携帯情報端末200に記憶された所定距離を任意の値に変更可能である。
【0102】
このように、携帯情報端末200により所定距離を変更可能とすることで、使用者がトイレ装置100を利用する際の体勢や、使用者の体格に関係なく、ユーザ認証が行われる距離(所定距離)を適切な距離に設定することができる。これにより、ユーザ認証をより確実に行うことができる。
【0103】
携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かは、例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号(例えば、アドバタイズ信号)の強度が閾値以上か否かで判定される。例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値未満のときに、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離を超えると判定される。また、例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上のときに、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下であると判定される。無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かの判定は、トイレ装置100(制御部30)で行われてもよいし、携帯情報端末200で行われてもよい。
【0104】
このように、トイレ装置100(制御部30)は、例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値未満のときに、ユーザ認証を開始せず、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上のときに、ユーザ認証を開始する。
【0105】
携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かが、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定されることで、携帯情報端末200が受信した電波信号の強度によって携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下かを容易に判定できる。
【0106】
閾値は、携帯情報端末200により変更可能である。使用者は、例えば、携帯情報端末200における操作入力により、トイレ装置100または携帯情報端末200に記憶された閾値を任意の値に変更可能である。
【0107】
無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かを判定する場合、無線通信部40から発される電波信号の強度は同じでも、携帯情報端末200の機種や、携帯情報端末200のカバーの有無、材質などによって、携帯情報端末200が受信する電波信号の強度は異なる。そのため、閾値を固定値とすると、ユーザ認証ができなかったり、トイレ室TRの外部にある携帯情報端末200が誤認証されたりするおそれがある。これに対し、携帯情報端末200により閾値を変更可能とすることで、携帯情報端末200の機種や、携帯情報端末200のカバーの有無、材質などに関係なく、ユーザ認証が行われる電波強度(閾値)を適切な強度に設定することができる。これにより、ユーザ認証ができなかったり、トイレ室TRの外部にある携帯情報端末200が誤認証されたりすることを抑制できる。
【0108】
また、人体検知センサ60が使用者を検知し、かつ、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下のときに、ユーザ認証が行われることで、トイレ室TRの外部にある携帯情報端末200が誤認証されることを抑制できる。
【0109】
なお、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かは、例えば、GPS(Global Positioning System)などにより測定された携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が、所定距離以下か否かで判定されてもよい。
【0110】
また、ステップS1202は、必要に応じて行われ、省略可能である。ステップS1202が省略される場合には、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下のときに(ステップS1201:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証を開始する(ステップS1203)。
【0111】
以下、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かの判定が携帯情報端末200で行われる場合について、説明する。
図11は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図11に表したように、アドバタイズ信号を送信すると(ステップS1301)、トイレ装置100(制御部30)は、接続要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS1302)。
【0112】
接続要求信号を受信すると(ステップS1302:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200との接続を開始する(ステップS1303)。接続要求信号を受信しない場合(ステップS1302:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1303を行わない。つまり、接続要求信号を受信しない場合(ステップS1302:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証を開始しない。
【0113】
携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信したか否かを判定する(ステップS1401)。携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信するまで、ステップS1401を繰り返す(ステップS1401:No)。
【0114】
アドバタイズ信号を受信すると(ステップS1401:Yes)、携帯情報端末200は、受信したアドバタイズ信号の強度が閾値以上か否かを判定する(ステップS1402)。
【0115】
受信したアドバタイズ信号の強度が閾値以上の場合(ステップS1402:Yes)、携帯情報端末200は、トイレ装置100(制御部30)に接続要求信号を送信し(ステップS1403)、ユーザ認証を開始する(ステップS1404)。なお、ステップS1404は、必要に応じて行われ、省略可能である。
【0116】
受信したアドバタイズ信号の強度が閾値未満の場合(ステップS1402:No)、携帯情報端末200は、ステップS1403及びステップS1404を行わない。つまり、受信したアドバタイズ信号の強度が閾値未満の場合(ステップS1402:No)、携帯情報端末200は、携帯情報端末200は、トイレ装置100(制御部30)に接続要求信号を送信せず、ユーザ認証を開始しない。
【0117】
このように、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かの判定は、例えば、携帯情報端末200で行われる。つまり、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かの判定は、例えば、携帯情報端末200で行われる。
【0118】
以下、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かの判定がトイレ装置100(制御部30)で行われる場合について、説明する。
図12は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図12に表したように、アドバタイズ信号を送信すると(ステップS1501)、トイレ装置100(制御部30)は、信号強度情報を受信したか否かを判定する(ステップS1502)。信号強度情報は、携帯情報端末200が受信したアドバタイズ信号の強度についての情報である。トイレ装置100(制御部30)は信号強度情報を受信するまで、ステップS1502を繰り返す(ステップS1502:No)。
【0119】
信号強度情報を受信すると(ステップS1502:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200が受信したアドバタイズ信号の強度が閾値以上か否かを判定する(ステップS1503)。
【0120】
携帯情報端末200が受信したアドバタイズ信号の強度が閾値以上の場合(ステップS1503:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に接続要求信号を送信し(ステップS1504)、ユーザ認証を開始する(ステップS1505)。
【0121】
携帯情報端末200が受信したアドバタイズ信号の強度が閾値未満の場合(ステップS1503:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1504及びステップS1505を行わない。つまり、携帯情報端末200が受信したアドバタイズ信号の強度が閾値未満の場合(ステップS1503:No)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に接続要求信号を送信せず、ユーザ認証を開始しない。
【0122】
携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信したか否かを判定する(ステップS1601)。携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信するまで、ステップS1601を繰り返す(ステップS1601:No)。
【0123】
アドバタイズ信号を受信すると(ステップS1601:Yes)、携帯情報端末200は、信号強度情報をトイレ装置100(制御部30)に送信する(ステップS1602)。
【0124】
信号強度情報をトイレ装置100(制御部30)に送信すると(ステップS1602)、携帯情報端末200は、接続要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS1603)。
【0125】
接続要求信号を受信すると(ステップS1603:Yes)、携帯情報端末200は、ユーザ認証を開始する(ステップS1604)。接続要求信号を受信しない場合(ステップS1603:No)、携帯情報端末200は、ステップS1604を行わない。つまり、接続要求信号を受信しない場合(ステップS1603:No)、携帯情報端末200は、ユーザ認証を開始しない。
【0126】
このように、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かの判定は、例えば、トイレ装置100(制御部30)で行われてもよい。つまり、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かの判定は、例えば、トイレ装置100(制御部30)で行われてもよい。
【0127】
なお、ユーザ認証後のトイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200との接続時の判定における所定距離は、例えば、ユーザ認証時の判定における所定距離よりも長く設定される。つまり、ユーザ認証後のトイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200との接続時の判定における電波信号の強度の閾値は、例えば、ユーザ認証時の判定における電波信号の強度の閾値よりも低く設定される。これにより、使用者は、例えば、携帯情報端末200をトイレ装置100(ケーシング14)にかざしてユーザ認証を行い、その後は、便座12に着座したまま、携帯情報端末200をトイレ装置100と接続させることができる。なお、ユーザ認証後のトイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200との接続時の判定における電波信号の強度の閾値は、設けられなくてもよい。
【0128】
以下、人体検知センサ60として、接近センサ62が設けられる場合について、説明する。
図13は、実施形態に係るトイレ装置を模式的に表す平面図である。
図13に表したように、トイレ装置100(制御部30)は、例えば、二点鎖線で示した検知範囲DR1の範囲内に携帯情報端末200が位置するときに、ユーザ認証を行う。無線通信部40から検知範囲DR1の外周端までの距離D1は、ユーザ認証が行われる距離(所定距離)である。また、検知範囲DR1の範囲内に携帯情報端末200が位置するときに、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上となる。
【0129】
接近センサ62は、例えば、二点鎖線で示した検知範囲DR2の範囲内に使用者が位置するときに、使用者を検知する。つまり、接近センサ62から検知範囲DR2の外周端までの距離D2は、接近センサ62が使用者を検知可能な距離である。
【0130】
人体検知センサ60(接近センサ62)が使用者を検知可能な距離D2は、例えば、ユーザ認証が行われる距離D1(所定距離)と異なることが好ましい。より具体的には、人体検知センサ60(接近センサ62)が使用者を検知可能な距離D2は、例えば、ユーザ認証が行われる距離D1(所定距離)よりも長いことが好ましい。つまり、携帯情報端末により変更可能な所定距離の上限は、人体検知センサ60(接近センサ62)が使用者を検知可能な距離D2よりも短く設定されることが好ましい。例えば、携帯情報端末200において、距離D1(所定距離)は、距離D2と異なるようにしか変更できないように、値または範囲が制限されることが好ましい。言い換えれば、例えば、携帯情報端末200は、選択可能な距離D1(所定距離)の値または範囲として、距離D2と重複しない値または範囲のみを表示することが好ましい。
【0131】
このように、人体検知センサ60(接近センサ62)が使用者を検知可能な距離D2が、ユーザ認証が行われる距離D1(所定距離)と異なることで、誤認証をより抑制できる。
【0132】
また、ユーザ認証は、例えば、携帯情報端末200をケーシング14の上方にかざして行うことが考えられる。この場合に、接近センサ62が使用者を検知可能な距離D2を、ユーザ認証を行う所定距離D1よりも長くすると、ユーザ認証を行う前に接近センサ62が使用者を検知して、ケーシング14を覆っている便蓋13を自動で開くことができる。これにより、使い勝手をさらに向上できる。
【0133】
(トイレ装置の制御方法)
また、実施形態では、使用者の携帯情報端末200と無線通信により接続可能なトイレ装置100の制御方法を提供する。図4図12に表したように、実施形態に係るトイレ装置の制御方法は、登録工程と、ユーザ認証工程と、を備える。登録工程は、携帯情報端末200を識別する識別情報と、使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶部50に記憶させる工程である。ユーザ認証工程は、登録工程の後に行われ、携帯情報端末200とトイレ装置100の無線通信部40との間の距離が所定距離以下になると、使用者情報及び識別情報を特定する工程である。
【0134】
実施形態に係るトイレ装置の制御方法では、携帯情報端末200により所定距離を変更可能である。
【0135】
また、実施形態に係るトイレ装置の制御方法では、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かは、例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定される。閾値は、携帯情報端末200により変更可能である。
【0136】
(トイレ装置の制御プログラム)
また、実施形態では、使用者の携帯情報端末200と無線通信により接続可能なトイレ装置100にインストールされる制御プログラムを提供する。図4図12に表したように、実施形態に係るトイレ装置の制御プログラムは、トイレ装置100に、登録工程と、ユーザ認証工程と、を実行させる。登録工程は、携帯情報端末200を識別する識別情報と、使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶部50に記憶させる工程である。ユーザ認証工程は、登録工程の後に行われ、携帯情報端末200とトイレ装置100の無線通信部40との間の距離が所定距離以下になると、使用者情報及び識別情報を特定する工程である。
【0137】
実施形態に係るトイレ装置の制御プログラムでは、携帯情報端末200により所定距離を変更可能である。
【0138】
また、実施形態に係るトイレ装置の制御プログラムでは、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かは、例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定される。閾値は、携帯情報端末200により変更可能である。
【0139】
(携帯情報端末の制御プログラム)
また、実施形態では、トイレ装置と無線通信により接続可能な携帯情報端末にインストールされる制御プログラムを提供する。図4図12に表したように、実施形態に係る携帯情報端末の制御プログラムは、携帯情報端末200に、登録工程と、ユーザ認証工程と、を実行させる。登録工程は、携帯情報端末200を識別する識別情報と、使用者を識別する使用者情報と、を紐づけてトイレ装置100の記憶部50に記憶させる工程である。ユーザ認証工程は、登録工程の後に行われ、携帯情報端末200とトイレ装置100の無線通信部40との間の距離が所定距離以下になると、使用者情報及び識別情報を特定する工程である。
【0140】
実施形態に係る携帯情報端末の制御プログラムでは、携帯情報端末200により所定距離を変更可能である。
【0141】
また、実施形態に係る携帯情報端末の制御プログラムでは、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かは、例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定される。閾値は、携帯情報端末200により変更可能である。
【0142】
(記録媒体)
また、実施形態では、上述のトイレ装置の制御プログラムまたは携帯情報端末の制御プログラムが記録された記録媒体を提供する。記録媒体は、少なくともコンピュータでの読み取りが可能なものである。記録媒体は、読み取り専用のものであってもよいし、読み取りと書き込みの両方が可能なものであってもよい。
【0143】
このように、実施形態に係るトイレ装置の制御方法、トイレ装置の制御プログラム、携帯情報端末の制御プログラム、及び記録媒体によれば、携帯情報端末200により所定距離を変更可能とすることで、使用者がトイレ装置を利用する際の体勢や、使用者の体格に関係なく、ユーザ認証が行われる距離(所定距離)を適切な距離に設定することができる。これにより、ユーザ認証をより確実に行うことができる。
【0144】
また、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かを、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定し、携帯情報端末200により閾値を変更可能とすることで、携帯情報端末200の機種や、携帯情報端末200のカバーの有無、材質などに関係なく、ユーザ認証が行われる電波強度(閾値)を適切な強度に設定することができる。これにより、ユーザ認証ができなかったり、トイレ室TRの外部にある携帯情報端末200が誤認証されたりすることを抑制できる。
【0145】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0146】
(構成1)
制御部と、
前記制御部と使用者の携帯情報端末とを無線通信により接続可能な無線通信部と、
記憶部と、
を備え、
前記制御部は、
前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて前記記憶部に記憶させる登録モードを実行可能であり、
前記登録モードの実行後、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証を行い、
前記所定距離は、前記携帯情報端末により変更可能である、構成1に記載のトイレ装置。
【0147】
(構成2)
前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下か否かは、前記無線通信部から発され前記携帯情報端末が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定され、
前記閾値は、前記携帯情報端末により変更可能である、構成1に記載のトイレ装置。
【0148】
(構成3)
前記使用者を検知する人体検知センサをさらに備え、
前記制御部は、前記人体検知センサが前記使用者を検知し、かつ、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下のときに、前記ユーザ認証を行う、構成1または2に記載のトイレ装置。
【0149】
(構成4)
前記人体検知センサは、前記使用者の接近を検知する接近センサを含み、前記接近センサが前記使用者を検知可能な距離は、前記所定距離と異なる、構成3に記載のトイレ装置。
【0150】
(構成5)
使用者の携帯情報端末と無線通信により接続可能なトイレ装置の制御方法であって、
前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶部に記憶させる登録工程と、
前記登録工程の後に行われ、前記携帯情報端末と前記トイレ装置の無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証工程と、
を備え、
前記携帯情報端末により前記所定距離を変更可能である、トイレ装置の制御方法。
【0151】
(構成6)
使用者の携帯情報端末と無線通信により接続可能なトイレ装置にインストールされる制御プログラムであって、
前記トイレ装置に、
前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶部に記憶させる登録工程と、
前記登録工程の後に行われ、前記携帯情報端末と前記トイレ装置の無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証工程と、
を実行させ、
前記携帯情報端末により前記所定距離を変更可能である、トイレ装置の制御プログラム。
【0152】
(構成7)
トイレ装置と無線通信により接続可能な携帯情報端末にインストールされる制御プログラムであって、
前記携帯情報端末に、
前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて前記トイレ装置の記憶部に記憶させる登録工程と、
前記登録工程の後に行われ、前記携帯情報端末と前記トイレ装置の無線通信部との間の距離が所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証工程と、
を実行させ、
前記携帯情報端末により前記所定距離を変更可能である、携帯情報端末の制御プログラム。
【0153】
以上のように、実施形態によれば、ユーザ認証をより確実に行うことができるトイレ装置、トイレ装置の制御方法、トイレ装置の制御プログラム、及び携帯情報端末の制御プログラムが提供される。
【0154】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0155】
10:トイレユニット
11:便器
11a:ボウル部
12:便座
13:便蓋
14:ケーシング
20:生体情報計測センサ
30:制御部
40:無線通信部
50:記憶部
60:人体検知センサ
61:着座センサ
62:接近センサ
70:リモコン
100:トイレ装置
200:携帯情報端末
500:トイレシステム
D1、D2:距離
TR:トイレ室
WL:壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13