(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146010
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/00 20060101AFI20241004BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058672
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】寺田 祐太郎
(72)【発明者】
【氏名】川田 賢志
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆政
(72)【発明者】
【氏名】濱田 純旗
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038BC01
2D038JC01
2D038JC15
2D038KA02
2D038KA03
2D038ZA03
(57)【要約】
【課題】無線通信部の被水を抑制できるとともに、トイレ室内でのレイアウトの自由度が低下することを抑制できるトイレ装置を提供する。
【解決手段】ケーシングと、使用者の生体情報を計測する生体情報計測センサと、前記ケーシングの内部に設けられ、前記使用者の携帯情報端末に前記生体情報を送信する制御部と、前記制御部と前記携帯情報端末とを無線通信により接続可能な無線通信部と、を備え、前記制御部は、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が所定距離以下のときに、前記携帯情報端末と接続され、前記無線通信部は、前記ケーシングの内部に設けられる、トイレ装置。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
使用者の生体情報を計測する生体情報計測センサと、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記使用者の携帯情報端末に前記生体情報を送信する制御部と、
前記制御部と前記携帯情報端末とを無線通信により接続可能な無線通信部と、
を備え、
前記制御部は、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が所定距離以下のときに、前記携帯情報端末と接続され、
前記無線通信部は、前記ケーシングの内部に設けられる、トイレ装置。
【請求項2】
前記無線通信部の少なくとも一部は、前記ケーシングの上下方向の中央よりも上方に位置し、
前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下か否かは、前記無線通信部から発され前記携帯情報端末が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定される、請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記無線通信部の少なくとも一部は、前記ケーシングの前後方向の中央よりも後方に位置する、請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記無線通信部は、前記ケーシングの左右方向の中央よりも左側または前記ケーシングの左右方向の中央よりも右側に位置する、請求項2または3に記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記ケーシングは、
上下方向において前記無線通信部と重ならない第1上面部と、
前記第1上面部の後方に位置し、上下方向において前記無線通信部と重なる第2上面部と、
を有し、
前記第2上面部の水平面に対する傾斜角度は、前記第1上面部の水平面に対する傾斜角度よりも小さい、請求項3に記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記ケーシングは、上下方向において前記無線通信部と重なる位置に設けられた表示部を有する、請求項2または3に記載のトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
認証用装着装置と個人認証装置との距離が所定距離まで近接すると無線通信が行われる生体情報測定システムがある(例えば、特許文献1)。このような生体情報測定システムにおいては、例えば、トイレ室の壁面に設けられた個人認証装置に対して、認証用装着装置を装着した使用者が近づくことで、無線通信が行われる。
【0003】
しかし、トイレ室の壁面に個人認証装置を設ける場合には、便器装置の制御部と通信でき、かつ、電源を供給できる位置に個人認証装置を設ける必要があり、トイレ室内でのレイアウトの自由度が低下するおそれがある。また、トイレ室の壁面に個人認証装置を設けた場合には、個人認証装置が被水しやすいため、認証精度が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、無線通信部の被水を抑制できるとともに、トイレ室内でのレイアウトの自由度が低下することを抑制できるトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、ケーシングと、使用者の生体情報を計測する生体情報計測センサと、前記ケーシングの内部に設けられ、前記使用者の携帯情報端末に前記生体情報を送信する制御部と、前記制御部と前記携帯情報端末とを無線通信により接続可能な無線通信部と、を備え、前記制御部は、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が所定距離以下のときに、前記携帯情報端末と接続され、前記無線通信部は、前記ケーシングの内部に設けられる、トイレ装置である。
【0007】
このトイレ装置によれば、無線通信部をケーシングの内部に設けることで、無線通信部の被水を抑制できる。また、無線通信部をケーシングの内部に設けることで、例えば、無線通信部をトイレ室の壁面に設ける場合と比べて、トイレ室内でのレイアウトの自由度が低下することを抑制できる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記無線通信部の少なくとも一部は、前記ケーシングの上下方向の中央よりも上方に位置し、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下か否かは、前記無線通信部から発され前記携帯情報端末が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定される、トイレ装置である。
【0009】
このトイレ装置によれば、携帯情報端末と無線通信部との間の距離が所定距離以下か否かが無線通信部から発され携帯情報端末が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定されることで、携帯情報端末が受信した電波信号の強度によって携帯情報端末と無線通信部との間の距離が所定距離以下かを容易に判定できる。また、少なくとも一部がケーシングの上下方向の中央よりも上方に位置するように無線通信部を配置することで、無線通信部の検知精度を向上できる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、前記無線通信部の少なくとも一部は、前記ケーシングの前後方向の中央よりも後方に位置する、トイレ装置である。
【0011】
このトイレ装置によれば、少なくとも一部がケーシングの前後方向の中央よりも後方に位置するように無線通信部を配置することで、無線通信部を便座の開口部から離すことができる。これにより、例えば、携帯情報端末を無線通信部にかざしてユーザ認証を行う場合に、便座の開口部から便器のボウル部に携帯情報端末を落とすことを抑制できる。
【0012】
第4の発明は、第2または第3の発明において、前記無線通信部は、前記ケーシングの左右方向の中央よりも左側または前記ケーシングの左右方向の中央よりも右側に位置する、トイレ装置である。
【0013】
このトイレ装置によれば、ケーシングの左右方向の中央よりも左側またはケーシングの左右方向の中央よりも右側に位置するように無線通信部を配置することで、無線通信部を便座の開口部から離すことができる。これにより、例えば、携帯情報端末を無線通信部にかざしてユーザ認証を行う場合に、便座の開口部から便器のボウル部に携帯情報端末を落とすことを抑制できる。
【0014】
第5の発明は、第3の発明において、前記ケーシングは、上下方向において前記無線通信部と重ならない第1上面部と、前記第1上面部の後方に位置し、上下方向において前記無線通信部と重なる第2上面部と、を有し、前記第2上面部の水平面に対する傾斜角度は、前記第1上面部の水平面に対する傾斜角度よりも小さい、トイレ装置である。
【0015】
このトイレ装置によれば、上下方向において無線通信部と重なる第2上面部の水平面に対する傾斜角度を、上下方向において無線通信部と重ならない第1上面部の水平面に対する傾斜角度よりも小さくすることで、第2上面部をより水平な面にすることができる。これにより、例えば、携帯情報端末を無線通信部にかざしてユーザ認証を行う場合に、携帯情報端末が前方に滑りにくくなり、便座の開口部から便器のボウル部に携帯情報端末を落とすことを抑制できる。
【0016】
第6の発明は、第2または第3の発明において、前記ケーシングは、上下方向において前記無線通信部と重なる位置に設けられた表示部を有する、トイレ装置である。
【0017】
このトイレ装置によれば、上下方向において無線通信部と重なる位置に表示部を設けることで、使用者が無線通信部の位置を把握しやすくなる。これにより、例えば、携帯情報端末を無線通信部にかざしてユーザ認証を行う場合に、ユーザ認証を行いやすくなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の態様によれば、無線通信部の被水を抑制できるとともに、トイレ室内でのレイアウトの自由度が低下することを抑制できるトイレ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを表す斜視図である。
【
図2】実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを表すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るトイレ装置のリモコンを表す正面図である。
【
図4】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の登録モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
【
図6】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の接続時における動作の一例を表すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係るトイレ装置のリモコンのユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
【
図9】実施形態に係るトイレ装置の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
【
図10】実施形態に係るトイレ装置のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
【
図12】実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
【
図13】実施形態に係るトイレ装置の一部を表す平面図である。
【
図14】実施形態に係るトイレ装置の一部を表す側断面図である。
【
図15】実施形態に係るトイレ装置の一部を表す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0021】
図1は、実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを表す斜視図である。
図2は、実施形態に係るトイレ装置を備えたトイレシステムを表すブロック図である。
図3は、実施形態に係るトイレ装置のリモコンを表す正面図である。
図1~
図3に表したように、実施形態に係るトイレシステム500は、トイレ装置100と、携帯情報端末200と、を備える。
【0022】
トイレ装置100は、トイレユニット10と、生体情報計測センサ20と、制御部30と、無線通信部40と、記憶部50と、人体検知センサ60と、リモコン70と、を備える。トイレ装置100は、トイレ室TRの内部に設けられる。
【0023】
トイレユニット10は、便器11と、便座12と、便蓋13と、ケーシング14と、を含む。便器11は、洋式腰掛便器である。便器11は、下方に窪んだ凹状のボウル部11aを含む。ボウル部11aは、使用者から排泄された汚物や尿などを受ける。
【0024】
便座12及び便蓋13は、それぞれ、ケーシング14に対して開閉可能に軸支されている。
図1では、便座12が閉じ、便蓋13が開いた状態を表している。便蓋13は、閉じた状態において便座12の上方を覆う。便蓋13は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0025】
なお、本願明細書においては、便蓋13を背にして便座12に着座した使用者からみた上方、下方、前方、後方、右側方、および左側方を、それぞれ「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」とする。
【0026】
ケーシング14は、各種機能部を収納している。ケーシング14の内部には、例えば、便座12や便蓋13を自動で開閉する自動開閉ユニット、使用者の局部を洗浄するためのノズルを含む局部洗浄ユニット、使用者の局部を乾燥させるための局部乾燥ユニット、及び脱臭を行う脱臭ユニットなどが収納されている。これらの各種機能部は、必要に応じて設けられ、省略可能である。また、ケーシング14の内部には、制御部30、無線通信部40、及び記憶部50などが収納されている。
【0027】
生体情報計測センサ20は、使用者の生体情報を計測する。生体情報は、例えば、使用者の脈動や排泄物の状態などについての情報を含む。生体情報計測センサ20は、制御部30と電気的に接続されている。生体情報計測センサ20は、計測した生体情報を制御部30に出力する。
【0028】
生体情報計測センサ20は、例えば、脈動センサ及び画像センサの少なくともいずれかを含む。脈動センサは、例えば、便座12に設けられる。脈動センサは、例えば、レーザセンサを含む。脈動センサは、例えば、ヘモグロビン赤外線反射を用いて、便座12に着座した使用者の脈動を計測する。画像センサは、例えば、ケーシング14の内部に設けられる。画像センサは、例えば、エリアカメラ、及び複数の画素をライン状に並べて配置したラインセンサの少なくともいずれかを含む。
【0029】
制御部30は、生体情報計測センサ20、無線通信部40、記憶部50、及び人体検知センサ60と電気的に接続されている。制御部30は、生体情報計測センサ20の計測結果(生体情報)及び人体検知センサ60の検知結果を取得する。制御部30は、生体情報計測センサ20、無線通信部40、及び記憶部50を制御する。制御部30は、例えば、生体情報計測センサ20による生体情報の計測の開始及び停止を制御する。制御部30は、例えば、IC素子を含んだ制御回路である。制御部30は、1つでもよいし、複数でもよい。また、複数設けられる場合、制御部30は、集約して設けられてもよいし、分散して設けられてもよい。制御部30は、例えば、本体制御部(DCコントローラ)、センサ制御部(プロセッサユニット)、及び無線制御部を含む。生体情報計測センサ20の計測の開始及び停止は、例えば、本体制御部及び/またはセンサ制御部によって制御される。
【0030】
制御部30は、生体情報計測センサ20から取得した生体情報を解析することで、解析情報を取得する。制御部30は、例えば、脈動センサから取得した使用者の脈動についての情報(生体情報)を解析することで、血管年齢、下肢血行状態、フィットネスレベル、基礎代謝、体内水分レベル、体内時計、及び平常時心拍数などについての情報を取得(推定)することができる。また、制御部30は、例えば、画像センサから取得した画像データを用いて排泄物の状態(形状、色、量など)を解析し、さらに、排泄物の状態についての情報(生体情報)を解析することで、腸内環境の状態についての情報を取得(推定)することができる。生体情報の解析は、必要に応じて行われ、一部又はすべてを省略可能である。生体情報の解析は、例えば、本体制御部及び/またはセンサ制御部によって行われる。
【0031】
制御部30は、無線通信部40を介して、使用者の携帯情報端末200に解析情報を送信する。生体情報の解析が省略される場合、制御部30は、例えば、無線通信部40を介して、使用者の携帯情報端末200に生体情報を送信する。また、制御部30は、記憶部50に解析情報または生体情報を記憶させる。また、制御部30は、記憶部50に記憶された解析情報または生体情報を記憶部50から消去させる。なお、生体情報の解析は、携帯情報端末200で行われてもよいし、携帯情報端末200を経由してクラウドサーバで行われてもよい。また、制御部30は、クラウドサーバを経由して携帯情報端末200に解析情報または生体情報を送信してもよい。
【0032】
無線通信部40は、制御部30と携帯情報端末200とを無線通信により接続可能である。無線通信部40は、制御部30と電気的に接続されている。無線通信部40は、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)などのBluetooth(登録商標)規格の通信を可能とする通信モジュールである。無線通信部40は、例えば、制御部30と、トイレ室TRの内部に位置する携帯情報端末200と、を無線通信により接続可能である。制御部30と携帯情報端末200との接続は、例えば、携帯情報端末200がトイレ室TRの外部にあるときに、切断される。また、制御部30と携帯情報端末200との接続は、例えば、携帯情報端末200から切断要求信号が送信されたときに、切断される。トイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200との接続については、後述する。
【0033】
記憶部50は、制御部30から出力された情報を記憶可能である。記憶部50は、制御部30と電気的に接続されている。記憶部50は、1つでもよいし、複数でもよい。また、複数設けられる場合、記憶部50は、集約して設けられてもよいし、分散して設けられてもよい。記憶部50は、例えば、本体記憶部、センサ記憶部、及び無線記憶部を含む。本体記憶部は、本体制御部と電気的に接続される。センサ記憶部は、センサ制御部と電気的に接続される。無線記憶部は、無線制御部と電気的に接続される。記憶部50は、例えば、解析情報または生体情報を記憶する。記憶部50は、例えば、ユーザ認証が行われた状態において、解析情報または生体情報と、使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶する。より具体的には、解析情報と使用者情報とを紐づけた情報は、例えば、センサ記憶部に記憶される。ユーザ認証については、後述する。
【0034】
また、記憶部50は、携帯情報端末200を識別する識別情報と、使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて記憶する。より具体的には、識別情報と使用者情報とを紐づけた情報は、例えば、無線記憶部に記憶される。識別情報と、使用者情報と、を紐づけて記憶する登録モードについては、後述する。識別情報は、例えば、ID番号、BDアドレス、MACアドレス、及びペアリング情報(ペアリング時にトイレ装置100と携帯情報端末200の制御プログラムが共有する暗号情報)の少なくともいずれかを含む。識別情報は、ペアリング情報を含むことが好ましい。例えば、トイレ装置100からのアドバタイズ信号を受けた携帯情報端末200がトイレ装置100に無線通信要求を出し、それを受けたトイレ装置100が無線通信を許可して通信が成立する。仮に、ユーザ1の携帯情報端末200と通信する場合、無線通信要求時にペアリング情報とユーザ番号を送信すると、ペアリング済のユーザ1番ということは、この接続要求はユーザ1の携帯情報端末200からである、とトイレ装置100は判断することができる。
【0035】
人体検知センサ60は、使用者の状態を検知する。人体検知センサ60は、例えば、着座センサ61及び接近センサ62の少なくともいずれかを含む。着座センサ61は、例えば、便座12に設けられる。着座センサ61は、例えば、静電容量センサを含む。着座センサ61は、例えば、使用者の便座12への着座及び使用者の便座12からの離座を検知する。接近センサ62は、例えば、ケーシング14の内部に設けられる。接近センサ62は、例えば、電波センサ及び赤外線センサの少なくともいずれかを含む。接近センサ62は、例えば、使用者のトイレユニット10への接近及び使用者のトイレユニット10からの離隔を検知する。接近センサ62は、例えば、使用者のトイレ室TRへの入室及び使用者のトイレ室TRからの退室を検知する。接近センサ62は、ケーシング14の外部に設けられていてもよい。
【0036】
リモコン70は、例えば、トイレ室TRの壁面WLに設けられる。リモコン70は、ケーシング14の内部に収納された各種機能部を遠隔操作するための操作部である。リモコン70は、例えば、使用者によるリモコン70への操作入力に基づいて、各種機能部を作動させるための信号を制御部30に送信する。制御部30は、リモコン70からの信号を受信すると、信号に基づいて、各種機能部を制御する。リモコン70は、例えば、制御部30と無線通信により接続されている。リモコン70と制御部30とを接続する無線通信部は、例えば、無線通信部40とは別に設けられる。
【0037】
リモコン70は、例えば、認証信号を送信するための認証スイッチ71を有する。リモコン70は、認証スイッチ71において操作入力がされると、制御部30に認証信号を送信する。制御部30は、例えば、リモコン70からの認証信号に基づいて、ユーザ認証を行うことができる。ユーザ認証については、後述する。
【0038】
携帯情報端末200は、例えば、使用者の所有するスマートフォンやタブレット端末などである。ただし、携帯情報端末200は、これらに限ることなく、使用者が携帯可能な任意の端末でよい。
【0039】
携帯情報端末200には、トイレ装置100との接続を行ったり、トイレ装置100から送信された情報(例えば、解析情報)を表示したりするための制御プログラム(アプリケーションソフトウェア)が予めインストールされている。
【0040】
図4は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の登録モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図5は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図4及び
図5に表したように、トイレ装置100(制御部30)は、登録モードと、使用モードと、を有する。
【0041】
登録モードは、ユーザ登録を行うことができるモードである。ユーザ登録とは、携帯情報端末200を識別する識別情報と、使用者を識別する使用者情報(例えば、ユーザ番号)と、を紐づけて記憶部50に記憶させることである。登録モードは、トイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200とが接続された状態で行われる。
【0042】
使用モードは、生体情報の計測、生体情報の解析、及び解析情報または生体情報の送信を行うことができるモードである。すでにユーザ登録が行われている場合、使用モードにおいて、ユーザ認証を行うことができる。ユーザ認証とは、トイレ装置100を使用している使用者の使用者情報(ユーザ番号)及びその使用者の携帯情報端末200の識別情報を特定することである。ユーザ認証を行うことで、例えば、解析情報または生体情報を、使用者情報(ユーザ番号)やその使用者の携帯情報端末200の識別情報と紐づけて、記憶部50に記憶させることができる。また、ユーザ認証を行うことで、例えば、トイレ装置100とユーザ認証により特定された携帯情報端末200とを選択的に接続させることができる。
【0043】
ユーザ認証は、例えば、トイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200とが接続されることで行われる。この場合、トイレ装置100(制御部30)と接続された携帯情報端末200は、その携帯情報端末200に登録された使用者情報(ユーザ番号)を含む認証信号をトイレ装置100に送信する。トイレ装置100は、認証信号を受信すると、認証信号に含まれる使用者情報(ユーザ番号)の使用者がトイレ装置100を使用していると判定する。これにより、トイレ装置100を使用している使用者の使用者情報(ユーザ番号)及びその使用者の携帯情報端末200の識別情報を特定することができる。携帯情報端末200を用いたユーザ認証については、後述する。
【0044】
ユーザ認証は、例えば、リモコン70の認証スイッチ71における操作入力により行われてもよい。この場合、認証スイッチ71における操作入力(例えば、ユーザ番号の選択)がされると、リモコン70は、使用者情報(ユーザ番号)を含む認証信号をトイレ装置100に送信する。トイレ装置100は、認証信号を受信すると、認証信号に含まれる使用者情報(ユーザ番号)の使用者がトイレ装置100を使用していると判定する。これにより、トイレ装置100を使用している使用者の使用者情報(ユーザ番号)及びその使用者の携帯情報端末200の識別情報を特定することができる。リモコン70を用いたユーザ認証については、後述する。
【0045】
以下、登録モードについて、さらに詳しく説明する。
図4に表したように、登録モードでは、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ番号選択信号を受信したか否かを判定する(ステップS101)。トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ番号選択信号を受信するまで、ステップS101を繰り返す(ステップS101:No)。ユーザ番号選択信号は、携帯情報端末200において選択されたユーザ番号を示す信号である。
【0046】
ユーザ番号選択信号を受信すると(ステップS101:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、選択されたユーザ番号と、ユーザ番号選択信号を送信した携帯情報端末200の識別番号と、を紐づけて、記憶部50に記憶(登録)する(ステップS102)。
【0047】
ユーザ番号と、識別番号と、を紐づけて登録すると(ステップS102)、トイレ装置100(制御部30)は、登録完了信号を携帯情報端末200に送信する(ステップS103)。登録完了信号は、登録が完了したことを示す信号である。
【0048】
携帯情報端末200においてユーザ番号が選択されると、携帯情報端末200は、ユーザ番号選択信号をトイレ装置100に送信する(ステップS201)。
【0049】
ユーザ番号選択信号をトイレ装置100に送信すると(ステップS201)、携帯情報端末200は、トイレ装置100から登録完了信号を受信したか否かを判定する(ステップS202)。携帯情報端末200は、登録完了信号を受信するまで、ステップS202を繰り返す(ステップS202:No)。
【0050】
登録完了信号を受信すると(ステップS202:Yes)、携帯情報端末200は、登録されたユーザ番号を記憶(登録)する(ステップS203)。
【0051】
以下、使用モードについて、さらに詳しく説明する。
図5に表したように、使用モードでは、トイレ装置100(制御部30)は、着座センサ61が使用者の便座12への着座を検知したか否かを判定する(ステップS301)。トイレ装置100(制御部30)は、着座センサ61が使用者の便座12への着座を検知するまで、ステップS301を繰り返す(ステップS301:No)。
【0052】
着座センサ61が使用者の便座12への着座を検知すると(ステップS301:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、生体情報の計測を開始させる(ステップS302)。上述のように、生体情報の計測は、脈動センサや画像センサなどの生体情報計測センサ20により行われる。
【0053】
生体情報の計測が完了すると(ステップS303)、トイレ装置100(制御部30)は、生体情報の解析を開始する(ステップS304)。上述のように、生体情報の解析は、制御部30により行われる。なお、計測が完了する前に、使用者の便座12からの離座を検知すると、トイレ装置100(制御部30)は、例えば、生体情報の計測を途中で終了させて、生体情報の解析を開始する。
【0054】
生体情報の解析が完了すると(ステップS305)、トイレ装置100(制御部30)は、解析により得られた解析情報を携帯情報端末200に送信する(ステップS306)。上述のように、解析情報の送信は、無線通信部40を介して、制御部30により行われる。
【0055】
携帯情報端末200は、例えば、生体情報の計測の進捗情報を表示する(ステップS401)。進捗情報の表示については、後述する。
【0056】
携帯情報端末200は、解析情報を受信したか否かを判定する(ステップS402)。携帯情報端末200は、解析情報を受信するまで、ステップS402を繰り返す(ステップS402:No)。
【0057】
解析情報を受信すると(ステップS402:Yes)、携帯情報端末200は、解析情報を表示する(ステップS403)。携帯情報端末200は、トイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200との接続が切断された後にも解析情報を表示可能とするために、解析情報を記憶してもよい。
【0058】
なお、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS301において、接近センサ62が使用者のトイレユニット10への接近を検知したか否かを判定してもよいし、接近センサ62が使用者のトイレ室TRへの入室を検知したか否かを判定してもよい。つまり、トイレ装置100(制御部30)は、生体情報の計測開始のトリガーは、使用者の便座12への着座でもよいし、使用者のトイレユニット10への接近でもよいし、使用者のトイレ室TRへの入室でもよい。また、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証が完了したら生体情報の計測を開始してもよい。また、トイレ装置100(制御部30)は、ラインセンサを省電力モードのような形で駆動させておき、落下物を検知したら、生体情報の計測を開始してもよい。また、トイレ装置100(制御部30)は、レーザセンサを省電力モードのような形で駆動させておき、出力変化を検知したら、生体情報の計測を開始してもよい。
【0059】
以下、トイレ装置100と携帯情報端末200との接続について、さらに詳しく説明する。
図6は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末の接続時における動作の一例を表すフローチャートである。
図6に表したように、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に起動信号を送信する(ステップS501)。起動信号は、携帯情報端末200をバックグラウンド起動状態にするための信号である。バックグラウンド起動状態は、アドバタイズ信号を受信可能な状態である。
【0060】
起動信号を送信すると(ステップS501)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200にアドバタイズ信号を送信する(ステップS502)。アドバタイズ信号は、携帯情報端末200にトイレ装置100(制御部30)との接続を開始させるための信号である。
【0061】
アドバタイズ信号を送信すると(ステップS502)、トイレ装置100(制御部30)は、接続要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS503)。接続要求信号は、トイレ装置100(制御部30)に携帯情報端末200との接続を開始させるための信号である。
【0062】
接続要求信号を受信すると(ステップS503:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200との接続を開始する(ステップS504)。接続要求信号を受信しない場合(ステップS503:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS504を行わない。つまり、接続要求信号を受信しない場合(ステップS503:No)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200との接続を開始しない。
【0063】
携帯情報端末200は、起動信号を受信したか否かを判定する(ステップS601)。携帯情報端末200は、起動信号を受信するまで、ステップS601を繰り返す(ステップS601:No)。
【0064】
起動信号を受信すると(ステップS601:Yes)、携帯情報端末200は、バックグラウンド起動状態になる(ステップS602)。
【0065】
バックグラウンド起動状態になると(ステップS602)、携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信したか否かを判定する(ステップS603)。携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信するまで、ステップS603を繰り返す(ステップS603:No)。
【0066】
アドバタイズ信号を受信すると(ステップS603:Yes)、携帯情報端末200は、トイレ装置100(制御部30)に接続要求信号を送信し(ステップS604)、トイレ装置100(制御部30)との接続を開始する(ステップS605)。
【0067】
以下、携帯情報端末200を用いたユーザ認証について、さらに詳しく説明する。
図7は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図7に表したように、携帯情報端末200との接続を開始すると(ステップS701)、トイレ装置100(制御部30)は、認証信号を受信したか否かを判定する(ステップS702)。トイレ装置100(制御部30)は、認証信号を受信するまで、ステップS702を繰り返す(ステップS702:No)。認証信号は、例えば、使用者情報(ユーザ番号)を含む信号である。
【0068】
認証信号を受信すると(ステップS702:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、認証信号に基づいて、使用者情報及び識別情報を特定する(ステップS703)。より具体的には、トイレ装置100(制御部30)は、認証信号に含まれる使用者情報を特定するとともに、認証信号に含まれる使用者情報と紐づけられた識別情報を有する携帯情報端末200を特定する。
【0069】
使用者情報及び識別情報を特定すると(ステップS703)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に認証完了信号を送信する(ステップS704)。認証完了信号は、ユーザ認証が完了したことを示す信号である。
【0070】
認証完了信号を送信すると(ステップS704)、トイレ装置100(制御部30)は、切断要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS705)。トイレ装置100(制御部30)は、切断要求信号を受信するまで、ステップS705を繰り返す(ステップS705:No)。切断要求信号は、トイレ装置100(制御部30)に携帯情報端末200との接続を切断させるための信号である。
【0071】
切断要求信号を受信すると(ステップS705:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200との接続を切断する(ステップS706)。
【0072】
トイレ装置100(制御部30)との接続を開始すると(ステップS801)、携帯情報端末200は、認証信号を送信する(ステップS802)。
【0073】
認証信号を送信すると(ステップS802)、携帯情報端末200は、認証完了信号を受信したか否かを判定する(ステップS803)。携帯情報端末200は、認証完了信号を受信するまで、ステップS803を繰り返す(ステップS803:No)。
【0074】
認証完了信号を受信すると(ステップS803:Yes)、携帯情報端末200は、切断要求信号を送信し(ステップS804)、トイレ装置100(制御部30)との接続を切断する(ステップS805)。
【0075】
このように、トイレ装置100(制御部30)は、登録モードの実行後(すなわち、識別情報と使用者情報とが紐づけて記憶部50に記憶されている状態で)、使用モードにおいて、認証信号を受信すると、使用者情報及び識別情報を特定するユーザ認証を行うことができる。
【0076】
以下、リモコン70を用いたユーザ認証について、さらに詳しく説明する。
図8は、実施形態に係るトイレ装置のリモコンのユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図8に表したように、認証スイッチ71において操作入力がされると(ステップS901)、リモコン70は、使用者情報を選択する(ステップS902)。より具体的には、1回目の操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号1を選択する。
【0077】
使用者情報を選択すると(ステップS902)、リモコン70は、認証スイッチ71においてさらに操作入力がされたか否かを判定する(ステップS903)。認証スイッチ71においてさらに操作入力がされると(ステップS903:Yes)、リモコン70は、使用者情報を更新する(ステップS904)。より具体的には、2回目の操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号2を選択する。3回目の操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号3を選択する。N回目(Nは、自然数)の操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号Nを選択する。言い換えれば、操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号の数値に1を加算する。ユーザ番号の数値が上限に達した状態で、さらに操作入力がされると、リモコン70は、例えば、ユーザ番号1を選択する。
【0078】
使用者情報を更新すると(ステップS904)、リモコン70は、前回の操作入力から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS905)。前回の操作入力から所定時間が経過していない場合(ステップS905:No)、リモコン70は、ステップS903に戻る。
【0079】
さらに操作入力がされない場合(ステップS903:No)、リモコン70は、ステップS904を行わずに、ステップS905を行う。リモコン70は、前回の操作入力から所定時間が経過するまで、ステップS903、ステップS904、及びステップS905を繰り返す。
【0080】
前回の操作入力から所定時間が経過すると(ステップS905:Yes)、リモコン70は、認証信号に含める使用者情報を確定し、制御部30に認証信号を送信する(ステップS906)。より具体的には、リモコン70は、最後に選択されたユーザ番号を含む認証信号を送信する。
【0081】
このように、認証信号を送信するリモコン70を設けることで、例えば、認証信号を送信するためにリモコン70以外の場所(例えば、トイレユニット10など)に設けられた操作部などを操作する場合に比べて、通常使用に近い形で認証信号の送信(ユーザ認証)を行うことができ、使い勝手がよい。
【0082】
また、所定時間が経過するまでに認証スイッチ71における操作入力がされた回数に基づいて、認証信号によって特定される使用者情報を選択し、所定時間が経過すると、認証信号を送信することで、1つの認証スイッチ71を操作する回数でユーザ認証される使用者情報を切り替えることができる。これにより、誤認証を抑制できる。
【0083】
以下、生体情報の計測の進捗確認について、さらに詳しく説明する。
図9は、実施形態に係るトイレ装置の使用モードにおける動作の一例を表すフローチャートである。
図9に表したように、生体情報の計測を開始すると(ステップS1001)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に計測開始信号を送信する(ステップS1002)。計測開始信号は、生体情報の計測を開始したことを示す信号である。
【0084】
計測開始信号を送信すると(ステップS1002)、トイレ装置100(制御部30)は、進捗要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS1003)。進捗要求信号は、トイレ装置100(制御部30)に進捗情報を送信させるための信号である。進捗情報は、生体情報の計測の進捗状況を示す情報である。進捗要求信号を受信すると(ステップS1003:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、進捗情報を送信する(ステップS1004)。
【0085】
進捗情報を送信すると(ステップS1004)、トイレ装置100(制御部30)は、生体情報の計測が完了したか否かを判定する(ステップS1005)。進捗要求信号を受信しない場合(ステップS1003:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1004を行わずに、ステップS1005を行う。
【0086】
生体情報の計測が完了していない場合(ステップS1005:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1003に戻る。トイレ装置100(制御部30)は、生体情報の計測が完了するまで、ステップS1003、ステップS1004、及びステップS1005を繰り返す。
【0087】
生体情報の計測が完了すると(ステップS1005:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に計測完了信号を送信する(ステップS1006)。計測完了信号は、生体情報の計測を完了したことを示す信号である。
【0088】
携帯情報端末200は、計測開始信号を受信すると、計測完了信号を受信するまで、進捗要求信号を送信可能な状態になる。携帯情報端末200は、例えば、進捗要求信号を送信可能な状態で、携帯情報端末200において進捗情報を表示するための操作入力がされると、トイレ装置100(制御部30)に進捗要求信号を送信する(ステップS1101)。
【0089】
進捗要求信号を送信すると(ステップS1101)、携帯情報端末200は、進捗情報を受信したか否かを判定する(ステップS1102)。携帯情報端末200は、進捗情報を受信するまで、ステップS1102を繰り返す(ステップS1102:No)。
【0090】
進捗情報を受信すると(ステップS1102:Yes)、携帯情報端末200は、進捗情報を表示する(ステップS1103)。
【0091】
携帯情報端末200は、計測完了信号を受信するまで、進捗要求信号を送信可能な状態を維持する。携帯情報端末200は、計測完了信号を受信すると、進捗要求信号を送信不能な状態になる。
【0092】
なお、この例では、携帯情報端末200が計測開始信号を受信すると計測完了信号を受信するまで進捗要求信号を送信可能な状態になることで、計測が行われている間にのみ携帯情報端末200に進捗情報が表示されるようにしているが、計測が行われている間にのみトイレ装置100(制御部30)が進捗情報を送信するようにすることで、計測が行われている間にのみ携帯情報端末200に進捗情報が表示されるようにしてもよい。つまり、トイレ装置100(制御部30)は、計測が行われていないときに進捗要求信号を受信しても、進捗情報を送信しなくてもよい。この場合、ステップS1102及びステップS1006は省略可能である。
【0093】
以下、携帯情報端末200を用いたユーザ認証について、さらに詳しく説明する。
図10は、実施形態に係るトイレ装置のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図10に表したように、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かを判定する(ステップS1201)。
【0094】
携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下の場合(ステップS1201:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、人体検知センサ60が使用者を検知中か否かを判定する(ステップS1202)。トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1202において、例えば、着座センサ61が使用者の便座12への着座を検知しているとき、人体検知センサ60が使用者を検知中であると判定する。トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1202において、例えば、接近センサ62が使用者のトイレユニット10への接近を検知しているとき、人体検知センサ60が使用者を検知中であると判定する。トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1202において、例えば、接近センサ62が使用者のトイレ室TRへの入室を検知しているとき、人体検知センサ60が使用者を検知中であると判定する。
【0095】
人体検知センサ60が使用者を検知している場合(ステップS1202:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証を開始する(ステップS1203)。
【0096】
携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離を超える場合(ステップS1201:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1202及びステップS1203を行わない。つまり、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離を超える場合(ステップS1201:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証を開始しない。
【0097】
また、人体検知センサ60が使用者を検知していない場合(ステップS1202:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1203を行わない。つまり、人体検知センサ60が使用者を検知していない場合(ステップS1202:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証を開始しない。
【0098】
なお、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かの判定は、トイレ装置100(制御部30)で行われてもよいし、携帯情報端末200で行われてもよい。
【0099】
携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かは、例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号(例えば、アドバタイズ信号)の強度が閾値以上か否かで判定される。例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値未満のときに、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離を超えると判定される。また、例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上のときに、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下であると判定される。無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かの判定は、トイレ装置100(制御部30)で行われてもよいし、携帯情報端末200で行われてもよい。
【0100】
このように、トイレ装置100(制御部30)は、例えば、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値未満のときに、ユーザ認証を開始せず、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上のときに、ユーザ認証を開始する。
【0101】
携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かが、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定されることで、携帯情報端末200が受信した電波信号の強度によって携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下かを容易に判定できる。
【0102】
閾値は、携帯情報端末200により変更可能である。使用者は、例えば、携帯情報端末200における操作入力により、トイレ装置100または携帯情報端末200に記憶された閾値を任意の値に変更可能である。
【0103】
無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かを判定する場合、無線通信部40から発される電波信号の強度は同じでも、携帯情報端末200の機種や、携帯情報端末200のカバーの有無、材質などによって、携帯情報端末200が受信する電波信号の強度は異なる。そのため、閾値を固定値とすると、ユーザ認証ができなかったり、トイレ室TRの外部にある携帯情報端末200が誤認証されたりするおそれがある。これに対し、携帯情報端末200により閾値を変更可能とすることで、携帯情報端末200の機種や、携帯情報端末200のカバーの有無、材質などに関係なく、ユーザ認証が行われる電波強度(閾値)を適切な強度に設定することができる。これにより、ユーザ認証ができなかったり、トイレ室TRの外部にある携帯情報端末200が誤認証されたりすることを抑制できる。
【0104】
また、人体検知センサ60が使用者を検知し、かつ、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下のときに、ユーザ認証が行われることで、トイレ室TRの外部にある携帯情報端末200が誤認証されることを抑制できる。
【0105】
なお、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かは、例えば、GPS(Global Positioning System)などにより測定された携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が、所定距離以下か否かで判定されてもよい。
【0106】
また、ステップS1202は、必要に応じて行われ、省略可能である。ステップS1202が省略される場合には、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下のときに(ステップS1201:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証を開始する(ステップS1203)。
【0107】
以下、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かの判定が携帯情報端末200で行われる場合について、説明する。
図11は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図11に表したように、アドバタイズ信号を送信すると(ステップS1301)、トイレ装置100(制御部30)は、接続要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS1302)。
【0108】
接続要求信号を受信すると(ステップS1302:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200との接続を開始する(ステップS1303)。接続要求信号を受信しない場合(ステップS1302:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1303を行わない。つまり、接続要求信号を受信しない場合(ステップS1302:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ユーザ認証を開始しない。
【0109】
携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信したか否かを判定する(ステップS1401)。携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信するまで、ステップS1401を繰り返す(ステップS1401:No)。
【0110】
アドバタイズ信号を受信すると(ステップS1401:Yes)、携帯情報端末200は、受信したアドバタイズ信号の強度が閾値以上か否かを判定する(ステップS1402)。
【0111】
受信したアドバタイズ信号の強度が閾値以上の場合(ステップS1402:Yes)、携帯情報端末200は、トイレ装置100(制御部30)に接続要求信号を送信し(ステップS1403)、ユーザ認証を開始する(ステップS1404)。なお、ステップS1404は、必要に応じて行われ、省略可能である。
【0112】
受信したアドバタイズ信号の強度が閾値未満の場合(ステップS1402:No)、携帯情報端末200は、ステップS1403及びステップS1404を行わない。つまり、受信したアドバタイズ信号の強度が閾値未満の場合(ステップS1402:No)、携帯情報端末200は、携帯情報端末200は、トイレ装置100(制御部30)に接続要求信号を送信せず、ユーザ認証を開始しない。
【0113】
このように、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かの判定は、例えば、携帯情報端末200で行われる。つまり、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かの判定は、例えば、携帯情報端末200で行われる。
【0114】
以下、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かの判定がトイレ装置100(制御部30)で行われる場合について、説明する。
図12は、実施形態に係るトイレ装置及び携帯情報端末のユーザ認証時における動作の一例を表すフローチャートである。
図12に表したように、アドバタイズ信号を送信すると(ステップS1501)、トイレ装置100(制御部30)は、信号強度情報を受信したか否かを判定する(ステップS1502)。信号強度情報は、携帯情報端末200が受信したアドバタイズ信号の強度についての情報である。トイレ装置100(制御部30)は信号強度情報を受信するまで、ステップS1502を繰り返す(ステップS1502:No)。
【0115】
信号強度情報を受信すると(ステップS1502:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200が受信したアドバタイズ信号の強度が閾値以上か否かを判定する(ステップS1503)。
【0116】
携帯情報端末200が受信したアドバタイズ信号の強度が閾値以上の場合(ステップS1503:Yes)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に接続要求信号を送信し(ステップS1504)、ユーザ認証を開始する(ステップS1505)。
【0117】
携帯情報端末200が受信したアドバタイズ信号の強度が閾値未満の場合(ステップS1503:No)、トイレ装置100(制御部30)は、ステップS1504及びステップS1505を行わない。つまり、携帯情報端末200が受信したアドバタイズ信号の強度が閾値未満の場合(ステップS1503:No)、トイレ装置100(制御部30)は、携帯情報端末200に接続要求信号を送信せず、ユーザ認証を開始しない。
【0118】
携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信したか否かを判定する(ステップS1601)。携帯情報端末200は、アドバタイズ信号を受信するまで、ステップS1601を繰り返す(ステップS1601:No)。
【0119】
アドバタイズ信号を受信すると(ステップS1601:Yes)、携帯情報端末200は、信号強度情報をトイレ装置100(制御部30)に送信する(ステップS1602)。
【0120】
信号強度情報をトイレ装置100(制御部30)に送信すると(ステップS1602)、携帯情報端末200は、接続要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS1603)。
【0121】
接続要求信号を受信すると(ステップS1603:Yes)、携帯情報端末200は、ユーザ認証を開始する(ステップS1604)。接続要求信号を受信しない場合(ステップS1603:No)、携帯情報端末200は、ステップS1604を行わない。つまり、接続要求信号を受信しない場合(ステップS1603:No)、携帯情報端末200は、ユーザ認証を開始しない。
【0122】
このように、無線通信部40から発され携帯情報端末200が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かの判定は、例えば、トイレ装置100(制御部30)で行われてもよい。つまり、携帯情報端末200と無線通信部40との間の距離が所定距離以下か否かの判定は、例えば、トイレ装置100(制御部30)で行われてもよい。
【0123】
なお、ユーザ認証後のトイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200との接続時の判定における所定距離は、例えば、ユーザ認証時の判定における所定距離よりも長く設定される。つまり、ユーザ認証後のトイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200との接続時の判定における電波信号の強度の閾値は、例えば、ユーザ認証時の判定における電波信号の強度の閾値よりも低く設定される。これにより、使用者は、例えば、携帯情報端末200をトイレ装置100(ケーシング14)にかざしてユーザ認証を行い、その後は、便座12に着座したまま、携帯情報端末200をトイレ装置100と接続させることができる。なお、ユーザ認証後のトイレ装置100(制御部30)と携帯情報端末200との接続時の判定における電波信号の強度の閾値は、設けられなくてもよい。
【0124】
図13は、実施形態に係るトイレ装置の一部を表す平面図である。
図14は、実施形態に係るトイレ装置の一部を表す側断面図である。
図15は、実施形態に係るトイレ装置の一部を表す側断面図である。
図14は、
図13に示したA1-A2線による断面図である。
図15は、
図14に示した領域R1の拡大図である。
図13~
図15に表したように、無線通信部40は、ケーシング14の内部に設けられている。より具体的には、ケーシング14は、無線通信部40の上方、下方、前方、後方、左側方、及び右側方を覆っている。
【0125】
無線通信部40の少なくとも一部は、例えば、ケーシング14の上下方向の中央CL1よりも上方に位置する。つまり、無線通信部40の上端は、例えば、ケーシング14の上下方向の中央CL1よりも上方に位置する。この例では、無線通信部40の全体が、ケーシング14の上下方向の中央CL1よりも上方に位置する。つまり、この例では、無線通信部40の下端は、ケーシング14の上下方向の中央CL1よりも上方に位置する。無線通信部40の一部のみが、ケーシング14の上下方向の中央CL1よりも上方に位置していてもよい。つまり、無線通信部40の下端は、ケーシング14の上下方向の中央CL1よりも下方に位置していてもよい。
【0126】
また、無線通信部40の少なくとも一部は、例えば、ケーシング14の前後方向の中央CL2よりも後方に位置する。つまり、無線通信部40の後端は、例えば、ケーシング14の前後方向の中央CL2よりも後方に位置する。この例では、無線通信部40の全体が、ケーシング14の前後方向の中央CL2よりも後方に位置する。つまり、この例では、無線通信部40の前端は、ケーシング14の前後方向の中央CL2よりも後方に位置する。無線通信部40の一部のみが、ケーシング14の前後方向の中央CL2よりも後方に位置していてもよい。つまり、無線通信部40の前端は、ケーシング14の前後方向の中央CL2よりも前方に位置していてもよい。
【0127】
また、無線通信部40は、例えば、ケーシング14の左右方向の中央CL3よりも左側またはケーシング14の左右方向の中央CL3よりも右側に位置する。つまり、無線通信部40は、例えば、ケーシング14の左右方向の中央CL3と重ならない位置に設けられる。この例では、無線通信部40は、ケーシング14の左右方向の中央CL3よりも右側に位置する。つまり、無線通信部40の左側端は、ケーシング14の左右方向の中央CL3よりも右側に位置する。無線通信部40は、ケーシング14の左右方向の中央CL3よりも左側に位置していてもよい。つまり、無線通信部40の右側端は、ケーシング14の左右方向の中央CL3よりも左側に位置していてもよい。
【0128】
ケーシング14は、第1上面部14aと、第2上面部14bと、を有する。第1上面部14aは、上下方向において無線通信部40と重ならない。第2上面部14bは、上下方向において無線通信部40と重なる。第2上面部14bは、第1上面部14aの後方に位置する。使用者は、例えば、第2上面部14bの上に携帯情報端末200をかざすことで、ユーザ認証を行うことができる。
【0129】
第2上面部14bの傾きは、例えば、第1上面部14aの傾きよりも小さい。言い換えれば、第1上面部14aの水平面に対する傾斜角度を角度θ1とし、第2上面部14bの水平面に対する傾斜角度を角度θ2としたとき、角度θ2は、例えば、角度θ1よりも小さい。角度θ1は、第1上面部14aの前端14a1と第1上面部14aの後端14a2とを結ぶ仮想線IL1と、前端14a1を通る水平面HP1と、の間の角度である。角度θ2は、第2上面部14bの前端14b1と後端14b2とを結ぶ仮想線IL2と、前端14b1を通る水平面HP2と、の間の角度である。
【0130】
また、ケーシング14は、表示部14xを有する。表示部14xは、上下方向において無線通信部40と重なる位置に設けられる。表示部14xは、例えば、ケーシング14の上面に印刷または刻印された図柄や文字であってもよいし、ケーシング14の上面に照射された光による図柄や文字であってもよいし、ケーシング14の上面に設けられたランプなどのインジケータであってもよい。また、表示部14xは、例えば、ケーシング14に図柄や文字を含むシールが貼付されたものであってもよい。
【0131】
このように、無線通信部40をケーシング14の内部に設けることで、無線通信部40の被水を抑制できる。また、無線通信部40をケーシング14の内部に設けることで、例えば、無線通信部40をトイレ室TRの壁面WLに設ける場合と比べて、トイレ室TR内でのレイアウトの自由度が低下することを抑制できる。
【0132】
また、少なくとも一部がケーシング14の上下方向の中央CL1よりも上方に位置するように無線通信部40を配置することで、無線通信部40の検知精度を向上できる。
【0133】
また、少なくとも一部がケーシング14の前後方向の中央CL2よりも後方に位置するように無線通信部40を配置することで、無線通信部40を便座12の開口部から離すことができる。これにより、例えば、携帯情報端末200を無線通信部40にかざしてユーザ認証を行う場合に、便座12の開口部から便器11のボウル部11aに携帯情報端末200を落とすことを抑制できる。
【0134】
また、ケーシング14の左右方向の中央CL3よりも左側またはケーシング14の左右方向の中央CL3よりも右側に位置するように無線通信部40を配置することで、無線通信部40を便座12の開口部から離すことができる。これにより、例えば、携帯情報端末200を無線通信部40にかざしてユーザ認証を行う場合に、便座12の開口部から便器11のボウル部11aに携帯情報端末200を落とすことを抑制できる。
【0135】
また、上下方向において無線通信部40と重なる第2上面部14bの水平面に対する傾斜角度(角度θ2)を、上下方向において無線通信部40と重ならない第1上面部14aの水平面に対する傾斜角度(角度θ1)よりも小さくすることで、第2上面部14bをより水平な面にすることができる。これにより、例えば、携帯情報端末200を無線通信部40にかざしてユーザ認証を行う場合に、携帯情報端末200が前方に滑りにくくなり、便座12の開口部から便器11のボウル部11aに携帯情報端末200を落とすことを抑制できる。
【0136】
また、上下方向において無線通信部40と重なる位置に表示部14xを設けることで、使用者が無線通信部40の位置を把握しやすくなる。これにより、例えば、携帯情報端末200を無線通信部40にかざしてユーザ認証を行う場合に、ユーザ認証を行いやすくなる。
【0137】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0138】
(構成1)
ケーシングと、
使用者の生体情報を計測する生体情報計測センサと、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記使用者の携帯情報端末に前記生体情報を送信する制御部と、
前記制御部と前記携帯情報端末とを無線通信により接続可能な無線通信部と、
を備え、
前記制御部は、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下のときに、前記携帯情報端末と接続され、
前記無線通信部は、前記ケーシングの内部に設けられる、トイレ装置。
【0139】
(構成2)
前記無線通信部の少なくとも一部は、前記ケーシングの上下方向の中央よりも上方に位置し、
前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下か否かは、前記無線通信部から発され前記携帯情報端末が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定される、構成1に記載のトイレ装置。
【0140】
(構成3)
前記無線通信部の少なくとも一部は、前記ケーシングの前後方向の中央よりも後方に位置する、構成1または2に記載のトイレ装置。
【0141】
(構成4)
前記無線通信部は、前記ケーシングの左右方向の中央よりも左側または前記ケーシングの左右方向の中央よりも右側に位置する、構成1~3のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【0142】
(構成5)
前記ケーシングは、
上下方向において前記無線通信部と重ならない第1上面部と、
前記第1上面部の後方に位置し、上下方向において前記無線通信部と重なる第2上面部と、
を有し、
前記第2上面部の水平面に対する傾斜角度は、前記第1上面部の水平面に対する傾斜角度よりも小さい、構成3に記載のトイレ装置。
【0143】
(構成6)
前記ケーシングは、上下方向において前記無線通信部と重なる位置に設けられた表示部を有する、構成1~5のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【0144】
以上のように、実施形態によれば、無線通信部の被水を抑制できるとともに、トイレ室内でのレイアウトの自由度が低下することを抑制できるトイレ装置が提供される。
【0145】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0146】
10:トイレユニット
11:便器
11a:ボウル部
12:便座
13:便蓋
14:ケーシング
14a:第1上面部
14a1:前端
14a2:後端
14b:第2上面部
14b1:前端
14b2:後端
14x:表示部
20:生体情報計測センサ
30:制御部
40:無線通信部
50:記憶部
60:人体検知センサ
61:着座センサ
62:接近センサ
70:リモコン
100:トイレ装置
200:携帯情報端末
500:トイレシステム
CL1~CL3:中央
IL1、IL2:仮想線
HP1、HP2:水平面
TR:トイレ室
WL:壁面
θ1、θ2:角度
【手続補正書】
【提出日】2024-10-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
使用者の生体情報を計測する生体情報計測センサと、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記使用者の携帯情報端末に前記生体情報を送信する制御部と、
前記制御部と前記携帯情報端末とを無線通信により接続可能な無線通信部と、
を備え、
前記制御部は、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が所定距離以下のときに、前記携帯情報端末と接続され、
前記無線通信部は、前記ケーシングの内部に設けられ、
前記無線通信部の少なくとも一部は、前記ケーシングの上下方向の中央よりも上方に位置し、
前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が前記所定距離以下か否かは、前記無線通信部から発され前記携帯情報端末が受信した電波信号の強度が閾値以上か否かで判定される、トイレ装置。
【請求項2】
前記無線通信部の少なくとも一部は、前記ケーシングの前後方向の中央よりも後方に位置する、請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記無線通信部は、前記ケーシングの左右方向の中央よりも左側または前記ケーシングの左右方向の中央よりも右側に位置する、請求項1または2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記ケーシングは、
上下方向において前記無線通信部と重ならない第1上面部と、
前記第1上面部の後方に位置し、上下方向において前記無線通信部と重なる第2上面部と、
を有し、
前記第1上面部及び前記第2上面部は、前後方向において傾斜し、
前記第2上面部の水平面に対する傾斜角度は、前記第1上面部の水平面に対する傾斜角度よりも小さい、請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記ケーシングは、上下方向において前記無線通信部と重なる位置に設けられた表示部を有する、請求項1または2に記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記制御部から出力された情報を記憶可能な記憶部をさらに備え、
前記制御部は、
前記携帯情報端末を識別する識別情報と、前記使用者を識別する使用者情報と、を紐づけて前記記憶部に記憶させる登録モードを実行可能であり、
前記登録モードの実行後、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が第1所定距離以下になると、前記使用者情報及び前記識別情報を特定するユーザ認証を行い、
前記ユーザ認証の実行後、前記携帯情報端末と前記無線通信部との間の距離が第2所定距離以下になると、前記携帯情報端末に前記生体情報を送信し、
前記第2所定距離は、前記第1所定距離よりも長い、請求項1に記載のトイレ装置。